JP4179577B2 - Radar wave relay device for approach notification - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定箇所に接近する移動物体の存在を他の移動物体に通報するためのレーダ波中継装置に関し、特に、見通しの悪い交差点などの場所において車両の出会い頭の衝突を防止するのに用いて好適な、接近通報用のレーダ波中継装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
見通しの悪い交差点への進入車に、他方向からの進入車の存在を知らせる方法としては、例えば、カーブミラー(凸面鏡)による方法や、特開平8−106600号公報などで提案されているように、交差点の手前に超音波や光線あるいは赤外線などのセンサを設置して進入車両の存在を探知してそれを運転者(ドライバ)の視認しやすい位置に設置した表示装置に表示する方法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のカーブミラーによる方法では、交差点に進入する人や車とカーブミラーの位置関係によっては、死角となって見えない部分が生じたり、風による方向のずれなどが生じやすい。また、雨や霧等の悪天候状況下ではカーブミラー自体を視認することが困難な場合もある。
【0004】
一方、後者の方法では、接近車両の存在は分かっても、その速度を測定することができない。このため、交差点付近に駐車中の車両が存在する場合、それを進入車両と誤認してしまうことになる。これを回避するには、例えば、上記のセンサを、交差点付近に距離をおいて列状に複数設置して、これらのセンサ間の車両2の通過時間を測定できるようにすることが考えられるが、これでは、センサを設置する場所の確保・工事などに非常に労力がかかり、しかも、大規模で複雑なシステム構成になってしまう。
【0005】
なお、車両などの移動物体の衝突を防止する手法としては、代表的なものに、ミリ波レーダを車両に搭載し、そのミリ波レーダの反射波から前方障害物(車両)の存在を運転者に通知する手法があるが、この手法では、ミリ波の指向性が強いため、そのままでは、交差点へ他の方向から進入してくる車両の存在を検知することはできない。
【0006】
そこで、例えば、特開平5−20599号公報や特開平7−1055500号公報などで示されるように、交差点側に検出装置(レーダ)を設置して交差点に接近してくる車両を検知できるようにしておき、接近車両が検知されると、その車両への方向以外の方向に対してその旨を警告灯や表示器により通知することも考えられているが、この手法では、交差点側に設置した検出装置内にレーダ波を発信する機能(電源や発信機)が必要なため、装置の大型化や故障発生率の増大,これに伴うメンテナンス作業労力の増大などを招いてしまう。
【0007】
本発明は、以上のような課題に鑑み創案されたもので、例えば、見通しの悪い交差点などにおける車両(移動物体)の出会い頭の衝突を、停車中の車両を進入車両と誤認することなく、確実に防止することができ、しかも、故障率の低い、接近通報用のレーダ波中継装置を小型、且つ、安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の接近通報用のレーダ波中継装置は、移動物体からのレーダ波を受信するレーダ波受信部と、このレーダ波受信部にて受信されたレーダ波を当該レーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更して送信しうる受信レーダ波送信方向変更部とをそなえ、前記受信レーダ波送信方向変更部が、前記レーダ波受信部にて受信されたレーダ波の偏波面を前記異なる方向に位置する他の移動物体が受信し得る偏波面に変換する偏波面変換部をそなえて成ることを特徴としている。
【0009】
ここで、本レーダ波中継装置(以下、単に「中継装置」ともいう)は、上記の構成に加えて、さらに、上記の受信レーダ波送信方向変更部から送信されたレーダ波の反射波を受信する反射波受信部と、この反射波受信部で受信された反射波を上記の移動物体に向けて送信する反射波送信部とをそなえていてもよい。
【0010】
また、本中継装置には、上記のレーダ波受信部にて上記パルス波が受信されたのち、そのパルス波についての反射波が上記の反射波送信部から送信されるまでの遅延時間を調整する遅延調整器が設けられていてもよい。
【0011】
また、本発明に関連する技術の接近通報用のレーダ波中継装置は、移動物体からのレーダ波を受信するレーダ波受信部と、このレーダ波受信部で受信されたレーダ波を上記の移動物体に向けて折り返し送信する折り返し送信部と、この折り返し送信部から送信された折り返しレーダ波の上記の移動物体での反射波を受信する反射波受信部と、上記の折り返しレーダ波と反射波とから上記移動物体の速度情報を検出する速度情報検出部と、この速度情報検出部にて検出された速度情報を上記のレーダ波が送信されてきた方向とは異なる他方向から受信されるレーダ波に付加して当該他方向へ送信する速度情報付加送信部とをそなえて成ることを特徴としている。
【0012】
次に、本発明に関連する技術の接近通報用の表示装置は、移動物体から受信したレーダ波を当該レーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更して送信しうるレーダ波中継装置によって中継されてきた中継レーダ波を受信する中継レーダ波受信部と、この中継レーダ波受信部で受信された中継レーダ波から移動物体の速度情報を検出する速度情報検出部と、この速度情報検出部にて検出された速度情報を表示する表示部とをそなえて成ることを特徴としている。
【0013】
ここで、上記表示装置は、上記の速度情報検出部にて検出された速度情報が所定のしきい値以上である場合にのみその速度情報を上記の表示部に供給する速度情報マスク部をそなえていてもよい。
また、上記の中継レーダ波受信部は、上記のレーダ波中継装置からの受信レーダ波の偏波面を識別する偏波面識別部をそなえるとともに、上記の表示部は、この偏波面識別部にて識別された偏波面に応じて上記の移動物体の移動方向についての情報を表示するように構成されていてもよい。
【0014】
さらに、本発明に関連する技術の接近通報用の表示装置は、移動物体の存在を発光表示する移動物体存在表示用の発光部と、その移動物体の速度情報に応じて発光色もしくは発光状態が変化する速度情報表示用の発光部とをそなえていることを特徴としている。
また、本発明に関連する技術の接近通報用の表示装置は、移動物体が進入しうる地点についての情報を表示するための地点表示領域と、この地点表示領域において、移動物体の存在と移動方向とを発光表示するとともに、その移動物体の移動速度に応じて発光色もしくは発光状態が変化する方向・速度表示用の発光部とをそなえていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態としての接近通報用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図で、この図1に示す衝突防止システムでは、道路A〜Dの交差点中央に設置されたレーダ波中継装置1において、その交差点に進入してくる車両(移動物体)2が搭載している衝突防止レーダ〔例えば、CW(Continuous Wave)レーダ〕からのレーダ波を受信し、そのレーダ波が送信されてきた方向以外の方向(道路)に向けて再放射(中継送信)することが行なわれるようになっている。なお、「衝突防止レーダ」とは、自身の送信レーダ波と、その送信レーダ波が他車両2などの障害物で反射してきた反射波とのドップラー効果による周波数ずれ(ドップラーシフト)から、自車両2の前方に速度をもった障害物が存在することを検知できるものである。
【0016】
このため、本実施形態のレーダ波中継装置(以下、単に、「中継装置」もしくは「中継器」という)1は、例えば図2に示すように、各道路A〜D方向用の、受信アンテナ11A〜11D,分配器12A〜12D,合成器13A〜13D,サーキュレータ14A〜14D,偏波面変換器15A〜15D及び送信アンテナ16A〜16Dをそなえて構成されている。なお、以下において、これらの各構成要素の道路A〜D方向を特に区別しない場合は、受信アンテナ11,分配器12といった具合に、符号A〜Dを省略して表記する。
【0017】
ここで、受信アンテナ(レーダ波受信部)11A〜11Dは、それぞれ、道路A〜Dを交差点に向かって進入してくる車両2から送信されたレーダ波(以下、車載レーダ波ともいう)を受信するためのものであり、分配器12A〜12Dは、それぞれ、対応する受信アンテナ11A〜11Dで受信されたレーダ波を3分岐して、それぞれを自担当の道路方向を除く他の3方向用の合成器13へ出力するものである。
【0018】
また、合成器13A〜13Dは、それぞれ、自担当の道路方向用の分配器12を除く他の道路方向用の分配器12から分配されてくる3系統の受信レーダ波を合成するものであり、サーキュレータ14A〜14Dは、それぞれ、対応する合成器13A〜13Dで合成されたレーダ波のみを通過させて、同じ道路方向用の受信アンテナ11で受信されたレーダ波が送信アンテナ16側に回り込まないようにするためのものである。
【0019】
さらに、偏波面変換器15A〜15Dは、それぞれ、対応するサーキュレータ14からのレーダ波の偏波面を90°回転させるためのもので、例えば図3(A)および図3(B)に示すようなひねり導波管によって実現できる。そして、送信アンテナ16A〜16Dは、それぞれ、各道路A〜D方向へ偏波面変換器15A〜15Dによる偏波面変換後のレーダ波を再放射するものである。
【0020】
つまり、上記の分配器12や合成器13,サーキュレータ14,偏波面変換器15,送信アンテナ16を含む部分は、受信アンテナ11にて受信された車載レーダ波を元の方向(その車載レーダ波が送信されてきた方向)とは異なる方向(1方向以上)に変更して送信(中継)しうる受信レーダ波送信方向変更部として機能するのである。
【0021】
このように、本実施形態の中継装置1は、受信レーダ波をそのレーダ波が送られてきた方向以外の道路方向へ再放射するのに、発信機や電源などの能動回路を用いずに構成することができる。
ところで、上述のように受信レーダ波の偏波面を回転させて再放射する必要があるのは、現在実用化されている車載レーダでは、対向車からのレーダ波との干渉を避けるために、偏波面を傾けていることに起因する。即ち、例えば、送信レーダ波の直線偏波の偏波面を45°に傾けておけば、自車と対向車との受信偏波面の差は90°となり直交するので干渉が軽減されるが、このように偏波面の傾いた受信レーダ波を、中継装置1において、そのまま(偏波面を変えずに)中継すると、その中継レーダ波が受信されるべき車両2では、自車2の受信偏波面と中継レーダ波の偏波面とが直交するので、中継レーダ波を受信できないのである。
【0022】
そこで、本実施形態では、上述したように、中継装置1からレーダ波を再放射する際には、偏波面変換器(偏波面変換部)15A〜15Dにより、受信レーダ波の偏波面を90°回転させて、道路側からみたときの送信偏波面が受信偏波面と同一になるよう変換する。つまり、受信レーダ波の偏波面を元の偏波面とは異なる偏波面に変換する。
【0023】
例えば、各車両2の送信偏波面及び受信偏波面がそれぞれ右上がり(45°)に傾いている場合、図4(A)及び図4(B)に示すように、各道路A〜D方向からの受信レーダ波の偏波面(道路A〜D側から見て右上がり)を90°回転させることで、中継器1の各道路A〜Dから見たときの送信偏波面及び受信偏波面もそれぞれ右上がりに傾ける。
【0024】
これにより、例えば、図1に示す車両2Aに着目すると、図4(B)中に一点鎖線3で示すように、対向方向(道路C方向)から中継器1を経由せずに届くレーダ波については、偏波面が異なるため、自身(車両2A)が送信したレーダ波の反射波としては受信されないが、中継器1を経由して届いたレーダ波については、その偏波面が自車2Aの受信偏波面と同じに変換されているため、自車2Aが送信したレーダ波の反射波として受信することが可能となる。
【0025】
以下、本中継器1を有する衝突防止システムの動作について詳述する。
例えば、図1において、道路A,Bのそれぞれから車両2A,2Bが交差点へ進入してくるとする。この場合、車両2Aに搭載された衝突防止レーダから送信されたレーダ波は、中継装置1の受信アンテナ11Aで受信され、分配器12Aで3分岐された後、道路A以外の各道路B〜D方向用の合成器13B〜13D、サーキュレータ14B〜14Dを介して偏波面変換器15B〜15Dに入力される。
【0026】
そして、偏波面変換器15B〜15Dにおいてそれぞれ偏波面が90°回転させられた受信レーダ波は、送信アンテナ16B〜16Dから道路B〜Dへ再放射される。ここで、車両2Aの送信レーダ波の周波数(送信周波数)=fa′〔Hz〕,車両2Aの速度=va′〔m/s〕と仮定すると、中継装置1からみた車両2Aからのレーダ波の周波数fa′は、ドップラー効果の式より、
【0027】
【数1】
【0028】
となる。ただし、この式(1)において、cは光速を表わす。
従って、道路B,道路C及び道路D方向には、それぞれ、周波数fa′のレーダ波が再放射されることになる。従って、車両2Bには、車両2Bの受信偏波面に一致する周波数fa′のレーダ波(以下、レーダ波fa′と表記することもある)が届くことになる。ここで、車両2Bのレーダ波の送信周波数=fb〔Hz〕,車両2Bの速度=vb〔m/s〕とすると、このレーダ波fa′の車両2Bからみた周波数fa′(b)は、ドップラー効果の式より、
【0029】
【数2】
【0030】
となる。これを車両2Bの車載レーダにより、自身が送信したレーダ波の周波数fbと比較すれば、ドップラー効果の式より、車両2Aと車両2Bとの相対速度vabが以下のように求まる。
【0031】
【数3】
【0032】
これにより、車両2Bでは、あたかも、交差点方向(付近)に速度vabをもった障害物が存在するようにみえ、車両2Bの運転者に注意を促すことができる。なお、現在、日本国内で実用化されている車載レーダの中心周波数は、ほぼ同一(約59.5GHz)であるが、レーダの固体差やメーカ差などにより周波数誤差が生じ、fa≠fbとなった場合、上記の式(3)で求まる車両2Aと車両2Bとの相対速度vabは実際の相対速度とは若干異なる。ただ、或る程度、正確な速度情報を得ることは可能である。
【0033】
同様に、車両2Bから送信されたレーダ波についても、中継装置1で偏波面が90°回転させられた後、道路A方向に再放射され、このレーダ波を車両2Aが受けることにより、車両2Aでも、あたかも交差点方向(付近)に速度vabをもった障害物(車両2B)が存在しているように見えることになる。以上により、交差点に進入してくる各車両2A,2Bの各運転者に、他方向からの進入車両2B,2Aの存在(接近)を通報して注意を促すことができ、交差点での出会い頭の衝突を未然に回避・防止することが可能になる。
【0034】
なお、道路Cや道路Dからの進入車両2が存在する場合にも、上記と同様にして、運転者に注意を促すことができる。また、運転者への注意の促し方(通報方法)は、警報音などによる聴覚的手段や警報表示などによる視覚的手段によって行なえばよい。さらに、この通報とともに、あるいは、通報は行なわずに、自動的に、車速を減速制御するようにしてもよい。このようにすれば、より確実に、交差点での衝突事故を防止することが可能になる。
【0035】
以上のように、本実施形態の衝突防止システム(中継装置1)によれば、交差点に上記の中継装置1を設置するだけで、既存の車載レーダをそのまま活かして、交差点での車両2の出会い頭の衝突事故を確実に防止することができる。特に、本実施形態では、交差点への進入車両2の有無だけではなく、その進入車両2の速度情報をも検出することができるので、停車中の車両2を進入車両2と誤認識することが無い。また、レーダ波を利用するので、天候などにも影響されない。
【0036】
さらに、本実施形態の中継装置1は、図2により上述したように、発信機や電源回路などの能動回路は用いずに、全て受動回路で構成できるので、大幅な小型化,低コスト化が可能である。しかも、この場合は、電源供給の必要が無いので、設置が容易であり、また、故障の発生率も発信機や電源回路をそなえる場合に比して大幅に軽減できるので、メンテナンスなどの作業労力を低減することができる。なお、測定(検知)距離を伸ばしたい場合には、適宜、車載レーダの出力(送信電力レベル)を大きくしたり、増幅器を設ければ対応可能である。
【0037】
(B)第2実施形態の説明
図5は本発明の第2実施形態としての接近通報用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図で、この図5に示す衝突防止システムでは、道路A〜Dの交差点中央に設置されたレーダ波中継装置1Aにおいて、その交差点に進入してくる車両2Aが搭載している衝突防止レーダ(例えば、CWレーダ)からのレーダ波を、そのレーダ波を送信した車両2Aに折り返し、その反射波を受けることで、車両2Aの速度情報を検知し、その速度情報を他方向から交差点に進入してくる車両2Bの車載レーダのレーダ波に載せてその車両2Bへ折り返すことが行なわれるようになっている。
【0038】
このため、本第2実施形態の中継装置1Aは、例えば図6に示すように、道路A方向用回路10Aとして、受信アンテナ21A,25A,送信アンテナ23A,30A,分配器22A,27A,方向性結合器24A及びミキサ26A,29Aをそなえるとともに、道路B方向用回路10Bとして、同様に、受信アンテナ21B,25B,送信アンテナ23B,30B,分配器22B,27B,方向性合器24B及びミキサ26B,29Bをそなえて構成されている。
【0039】
なお、この図6には図示を省略しているが、これらの道路A方向用回路10Aや道路B方向用回路10Bと同様の構成を有する、道路C方向用回路,道路D方向用回路も設けられているものとし、以下、便宜上、道路C方向用回路には、符号10Cを付記し、道路D方向用回路には符号10Dを付記して、説明を行なう。また、以下では、道路A〜D方向用の区別を行なわない場合には、受信アンテナ21,送信アンテナ23といった具合に、A,Bなどの英文字の表記は省略する場合がある。
【0040】
ここで、上記の各道路A〜D方向用回路10A〜10Dにおいて、受信アンテナ(レーダ波受信部)21は、道路A〜Dから交差点に向かって進入してくる車両2の車載レーダからのレーダ波を受信するためのものであり、分配器22は、この受信アンテナ21で受信されたレーダ波を2分岐するもので、一方は送信アンテナ23を通じて同じ道路方向へ折り返され、他方はミキサ22Aに入力されるようになっている。つまり、上記の送信アンテナ23は、受信アンテナ21で受信された車載レーダ波を同じ道路側に折り返し送信する折り返し送信部として機能する。
【0041】
また、方向性結合器24は、送信アンテナ23を通じて折り返される受信レーダ波の一部を抽出するためのものであり、受信アンテナ(反射波受信部)25は、上記の送信アンテナ23により折り返し送信されたレーダ波の反射波を受信するためのものであり、ミキサ26は、この受信アンテナ25で受信された折り返しレーダ波の反射波と方向性結合器24にて抽出された折り返しレーダ波とをミキシングすることにより、折り返しレーダ波とその反射波との周波数差情報を検出するものである。
【0042】
ここで、この周波数差情報は、車両2Aの移動速度に応じたドップラー効果により生じるものであるから、車両2Aの速度情報を含んでいることになる。つまり、上記のミキサ26は、上記の折り返しレーダ波と反射波とから車両2の速度情報を検出する速度情報を検出する速度情報検出部として機能しており、送信アンテナ23,方向性結合器24,受信アンテナ25,ミキサ26から成る部分は、送信周波数と反射周波数との差から車両2の速度を、発信機などを用いることなく検知するレーダとして機能するのである。
【0043】
そして、分配器27は、このミキサ26で得られた信号(周波数差分情報)を3分岐して、それぞれを他方向の道路方向用回路10へ分配するものであり、合成器28は、他方向の道路方向用回路10の分配器27から分配されてくる3系統の信号を合成するものであり、ミキサ29は、この合成器28の出力と分配器22から分配されてくる受信レーダ波とをミキシングすることにより、受信レーダ波に上記の周波数差情報を付加するものである。
【0044】
また、送信アンテナ30は、このミキサ29の出力を交差点に自担当の道路方向(例えば、送信アンテナ30Aなら道路A方向、送信アンテナ30Bなら道路B方向)から進入してくる車両2に向けて送信するものである。つまり、これらのミキサ29及び送信アンテナ30は、ミキサ26にて検出された速度情報を車載レーダ波が送信されてきた方向とは異なる他方向から受信される車載レーダ波に付加してその方向へ送信する速度情報付加送信部として機能するのである。
【0045】
以下、上述のごとく構成された本第2実施形態の衝突防止システム(中継装置1A)の動作について詳述する。
例えば、この場合も、図5に示すように、道路A及び道路B上を車両2A及び車両2Bがそれぞれ交差点に進入してくると仮定する。なお、車両2Aの速度=va,車両2Aのレーダ波の送信周波数=fa,車両2Bの速度=vb,車両2Bのレーダ波の送信周波数=fbとする。
【0046】
このとき、車両2A(速度va)の車載レーダから放射されたレーダ波(周波数fa)は、前記の式(1)から、中継装置1の受信アンテナ21Aにて周波数fa′のレーダ波(以下、レーダ波fa′と表記することもある)として受信される。
この受信レーダ波fa′は、中継装置1内部で折り返されて、送信アンテナ23Aから車両2Aに向けて再放射される。この折り返しレーダ波(周波数fa′)が車両2Aで反射して戻ってきたレーダ波(反射波)は、周波数fa″〔fa″は前記の式(1)におけるfaにfa′を代入した値)〕で受信アンテナ25Aにて受信される。
【0047】
そして、受信アンテナ25Aで受信された反射波(周波数fa″)は、ミキサ26Aにて、方向性結合器24Aにより抽出される折り返しレーダ波(周波数fa′)とミキシングされる。これにより、これらの反射波と折り返しレーダ波との周波数差情報(速度データ)Δfa(=fa″−fa′=fa′−fa)が得られる。この周波数差情報Δfaは、分配器27Aにて3分岐されて、他の道路B〜D方向用回路10B〜10Dの合成器28に入力される。
【0048】
ここで、道路B方向用回路10Bに着目すると、この道路B方向用回路10Bでは、このように道路A方向用回路10の分配器27Aから入力された周波数誤差情報Δfaと、他の道路方向用回路10C,10Dから同様にして入力される周波数誤差情報(ただし、進入車両2が無い場合は0)とが合成器28Bにて合成され、ミキサ29Bに入力される。
【0049】
ミキサ29Bでは、この合成器28Bの出力と、受信アンテナ21Bで受信された車両2Bからのレーダ波とをミキシングすることにより、車両2Bからの受信レーダ波(周波数fb′)に、車両2Aからの受信レーダ波を基にして上述のごとく得られた周波数差情報Δfaを付加し、これ(fb′+Δfa)が送信アンテナ30Bを通じて車両2Bに向けて再放射される。なお、上記の周波数fb′は、周波数fa′〔式(1)参照〕と同様にして求められる。
【0050】
車両2Bでは、この周波数fb′+Δfaのレーダ波を中継装置1Aから受けると、周波数差情報Δfaを抽出することで、車両2Aの速度vaを求めることができ、これにより、交差点に速度vaで進入してくる車両2Aの存在を運転者に通報して注意を促すことができる。以上と同様にして、車両2Aでも、車両2Bが交差点に速度vbで進入してくることが運転者に通報される。
【0051】
従って、本実施形態によっても、車両2A,2Bの交差点での出会い頭の衝突事故を確実に防止することができるとともに、お互いに進入車両2の速度を知ることができるので、停車中の車両2を進入(接近)車両2と誤認識することが無い。特に、この場合は、中継装置1にて進入車両2の速度情報(周波数差情報)を求め、それを他方向からの車両2のレーダ波に載せて再放射するので、fa(車両2Aの送信周波数)≠fb(車両2Bの送信周波数)であっても、正確な速度を求められる。つまり、相手車両2の車載レーダの周波数や周波数安定度によらずに、相手車両2の正確な速度を検出することが可能である。
【0052】
なお、道路C,道路Dから進入車両2がある場合も、上記と同様の方法により、Δfc,Δfdが合成器28A,28Bにて車両2B,車両2Aへのレーダ波に付加されるので、車両2A,2Bは、それぞれ、Δfc,Δfdを抽出することで、それぞれの存在と正確な車速とを検知することができる。また、道路C,道路Dを走行中の車両2についても、勿論、同様にして、他方向から交差点へ進入してくる車両2の存在と正確な車速とを検知することができる。
【0053】
さらに、この場合も、運転者への注意の促し方(通報方法)は、警報音などによる聴覚的手段や警報表示などによる視覚的手段によって行なえばよいし、また、この通報とともに、あるいは、通報は行なわずに、自動的に、車速を減速制御するようにしてもよい。また、本実施形態においても、測定(検知)距離を伸ばしたい場合には、適宜、車載レーダの出力(送信電力レベル)を大きくしたり、増幅器を設ければよい。
【0054】
(C)第3実施形態の説明
図7は本発明の第3実施形態としての接近通報用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図で、この図7に示す衝突防止システムでは、交差点中央に設置した中継装置1Bにおいて、第1実施形態と同様に、車載レーダのレーダ波(例えば、車両2Aからのレーダ波)を中継して他の交差点各方向に再放射したのち、その反射波〔この反射波には進入車両2(例えば、車両2B)の速度情報がドップラーシフトとして含まれる〕を上記のレーダ波の発信元方向(車両2A方向)に向けて再放射することが行なわれるようになっている。
【0055】
このため、本第3実施形態の中継装置1Bは、例えば図8に示すように、各道路A〜Dに対応して道路A〜D方向用回路3A〜3Dをそなえるとともに、これらのそれぞれが、受信アンテナ31,35,37,39,増幅器32,分配器33,送信アンテナ34,36,38,41,合成器40をそなえて構成されている。
【0056】
ここで、上記の受信アンテナ(レーダ波受信部)31は、道路A(道路B〜D)方向からの車載レーダ波を受信するためのものであり、増幅器32は、この受信アンテナ31で受信されたレーダ波を所要の送信電力レベルにまで増幅するためのものである。なお、この増幅器32は、必要な測定(検知)距離が短い場合や車載レーダの送信電力レベルを高くした場合など、レーダ波を中継するのに十分な電力レベルが確保される場合には不要である。
【0057】
また、分配器33は、受信レーダ波を3分岐して、それぞれを送信アンテナ34,36,38に分配することにより、第1実施形態と同様に、受信レーダ波の伝搬方向をその車載レーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更しうる受信レーダ波送信方向変更部として機能するものであり、送信アンテナ34,36,38は、それぞれ、この分配器33から分配されてくる受信レーダ波をそのまま道路A以外の道路B,C,D(道路B方向用回路3Bでは道路B以外の道路A,C,D、道路C方向用回路3Cでは道路C以外の道路A,C,D、道路D方向用回路3Dでは道路D以外の道路A〜C)へ向けて送信(再放射)するためのものである。
【0058】
さらに、受信アンテナ(反射波受信部)35,37,39は、それぞれ、これらの送信アンテナ34,36,38から再放射されたレーダ波の反射波を受信するためのものであり、合成器40は、これらの受信アンテナ35,37,39で受信された反射波を合成するものであり、送信アンテナ(反射波送信部)41は、この合成器40の出力(反射波)を道路A方向(道路B方向用回路3Bでは道路B方向、道路C方向用回路3Cでは道路C方向、道路D方向用回路3Dでは道路D方向)へ向けて送信するためのものである。
【0059】
ただし、この場合、道路A〜D方向用回路3A〜3Dの3組の再放射用アンテナ(送信アンテナ34及び受信アンテナ35/送信アンテナ36及び受信アンテナ37/送信アンテナ38及び受信アンテナ39)は、各道路A〜D方向用回路3A〜3D間の干渉を避ける(例えば、道路B方向への再放射波の反射波が道路A方向や道路C方向用の受信アンテナ31や37に入射してしまうことを防止する)ために、例えば図9に模式的に示すように、それぞれの(直線)偏波面を少しずつ変えている。なお、この図9は道路A方向からみた中継装置1Bの偏波面の向きを表わしている。
【0060】
上述のごとく構成された本実施形態の中継装置1Bでは、例えば、道路A方向から交差点に向かって衝突防止レーダを搭載した車両2Aが進入してくるとすると、その車両2Aから送信されたレーダ波が道路A方向用回路3Aの受信アンテナ31にて受信される。この受信レーダ波は、分配器33で3分岐されて、それぞれ、送信アンテナ34,36,38を通じて道路B〜Dへ再放射される。
【0061】
ここで、今、図7に示すように、道路Bから衝突防止レーダを搭載していない車両2Bが交差点に向かって進入してくるとすると、上述のごとく道路Bに向けて再放射されたレーダ波は、この車両2Bで反射されることになる。この反射波は、道路A方向用回路3Aの受信アンテナ35にて受信され、他の受信アンテナ37,39の出力(道路C,道路D方向からの反射波)と合成器40にて合成された後、送信アンテナ41から道路A(車両2A)に向けて送信される。
【0062】
これにより、車両2Aでは、自身の車載レーダにより送信したレーダ波と上述のごとく中継装置1Bから送信されてくるレーダ波との周波数比較を行なうことで、車両2Bの速度を検出することができる。この結果、車両2Aは、他方向からの交差点への進入車両2Bの有無とその進入車両2Bの速度とを、進入車両2Bのレーダ波を頼りにせず自車両2Aの車載レーダから送信したレーダ波のみを用いて、つまり、進入車両2Bの車載レーダの有無やレーダ方式の違いによらず、確実に検知することができる。
【0063】
なお、道路B,道路C,道路Dから交差点に進入してくる車両2についても、衝突防止レーダを搭載していれば、上記と同様にして、他方向からの進入車両2の存在とその車速とを検知することができるのはいうまでもない。
以上のように、本第3実施形態においても、既存の車載レーダをそのまま活かして、天候などに影響されず、また、停車中の車両2を進入車両2と誤認識することもなく、交差点での車両2の出会い頭の衝突事故を確実に防止することができるほか、この場合は、他方向からの進入車両2の衝突防止レーダの搭載/未搭載やレーダ方式の違いによらないので、より柔軟なシステム構成を実現できる。
【0064】
また、この場合も、中継装置1Bは、発信機や電源回路などの能動回路は用いずに、全て受動回路で構成可能なので、大幅な小型化が可能であり、さらに、電源供給の必要が無いので、設置が容易である。また、故障の発生率も発信機や電源回路をそなえる場合に比して大幅に軽減できるので、メンテナンスなどの作業労力を低減することができる。
【0065】
なお、本第3実施形態においても、他方向からの進入車両検知時の運転者への注意の促し方(通報方法)は、警報音などによる聴覚的手段や警報表示などによる視覚的手段によって行なえばよく、また、この通報とともに、あるいは、通報は行なわずに、自動的に、車速を減速制御するようにしてもよい。
(C′)第3実施形態の変形例の説明
本変形例では、上記の中継装置1Bを有する衝突防止システムにおいて、車載レーダとしてパルス式レーダを適用して、車載レーダ波としてパルス波が車両2から送信されるものと仮定する。このパルス式レーダでは、送信波に対する反射波の遅延時間から対象物(車両2)までの距離を算出することができる。例えば、車両2Aから送信されたパルス波が、中継装置1Bを経由して、車両2Bに当たって反射し、再度、中継装置1Bを経由して、車両2Aに戻ってくるまでの時間を計測することで、車両2Bまでの距離を算出することが可能である。
【0066】
しかしながら、図8により上述した回路構成では、中継装置1Bでレーダ波の向きを変える際、中継装置1B内部において遅延時間が発生する。この遅延時間は、車両2Aからみれば測定距離の誤差となって現われる。例えば、送信周期Tのパルス式レーダを用いた場合、図11に示すように、レーダ波の往復時間aは、「実際の距離に対応した遅延時間t」+「中継継装置1B内の遅延時間b」となり、遅延時間b分だけ、距離算出の誤差となる。
【0067】
そこで、本変形例では、図8に示すように、例えば、合成器40と送信アンテナ41との間に、入力パルスを「T−b」だけ遅延させる遅延調整器(遅延回路)42を設けて、図12に示すように、受信レーダ波を「T−b」だけ遅延させることによって、次の送信パルス周期で誤差を含まない遅延時間tを得られるようにする。つまり、受信アンテナ31でレーダ波が受信されたのち、そのレーダ波についての反射波が反射波送信部としての送信アンテナ41から送信されるまでの遅延時間を調整する。
【0068】
ここで、中継装置1B内の遅延時間bは装置特有の値のため、事前に調べておけばよい。送信周期Tは予め分かっていれば、「T−b」が固定されるため、高誘電率の誘電体フィルタなどを用いて「T−b」分の遅延を作り出せばよい。送信周期Tが未定の場合は、例えば、パルス検波器により車載レーダの送信周期Tを検出し、検出した送信周期Tと既知の遅延時間bとを基に、遅延時間「T−b」の遅延回路42を構成する。
【0069】
なお、一般的に、測定したい距離範囲をRとすると、
R=C×T/2 …(4)
C=3.0×108,T=送信パルス間隔(周期)
となるため、R=200mとすると、この式(4)から、以下の送信パルス間隔が必要である。
【0070】
T=1.33μs
また、中継装置1Bにおける遅延時間bは、中継装置1Bの構成にもよるが、〜数100nsである。従って、高誘電率の誘電体フィルタなどを用いて、T−b≒1μs程度の遅延時間を作ればよい。
以上のように、本変形例の中継装置1Bでは、上述した第3実施形態同様にして、交差点へ他方向から進入してくる車両2の存在とその車速とを確実に検知できるとともに、この場合は、その車両2までの距離までをも正確に検知することができる。従って、上述した第3実施形態と同様の利点が得られるほか、運転者に対してより適切な情報を渡すことができるので、より確実に、交差点での出会い頭の衝突事故を防止することができる。
【0071】
(D)第4実施形態の説明
図13は本発明の第4実施形態としての衝突防止システムの構成を説明するための模式図で、この図13に示す衝突防止システムは、第1実施形態(図1及び図2)にて前述したものと同様の中継装置1が道路A〜Dの交差点中央に設置されるとともに、道路標識などと同様、それぞれの道路A〜D上を走行する車両2から視認しやすい交差点付近の位置(4カ所)に、接近通報用の表示装置5A〜5Dが設置された構成になっている。
【0072】
これらの各表示装置5A〜5Dは、それぞれ、中継装置1からの送信レーダ波(中継レーダ波)を受けることにより、他方向からの交差点への進入車両2の存在及び速度情報を交差点に進入してくる車両2に表示するためのもので、このために、図13中に示すように、例えば、表示部51の背面に受信機6が付設されている。そして、この受信機6は、その要部に着目すると、例えば図14に示すように、受信アンテナ61,ミキサ62及び局部発振器63をそなえて構成されている。
【0073】
ここで、受信アンテナ(中継レーダ波受信部)61は、中継装置1から再放射されてくるレーダ波を受信するためのものであり、局部発振器63は、車載レーダのレーダ波と同じ周波数を発振するものであり、ミキサ(速度情報検出部)62は、この局部発振器61からの局部発振信号と受信アンテナ61で受信されたレーダ波とをミキシングすることにより、中継装置1からのドップラーシフトを受けた受信レーダ波と局部発振信号との周波数差情報(つまり、速度情報)を得るためのものである。
【0074】
例えば、第1実施形態と同様に、送信周波数faの衝突防止レーダを搭載した車両2Aが速度vaで交差点に進入してくる場合、この車両2Aからのレーダ波(周波数fa)は、表示装置5B〜5Dの受信機6では、それぞれ、ドップラーシフトを受けたレーダ波〔周波数fa′:式(1)参照〕が受信アンテナ61にて受信されることになる。ここで、局部発振器63の発振周波数をfaに設定すると、ミキサ62によって得られる周波数差情報はfa′−faとなる。
【0075】
そして、この周波数差情報fa′−faを信号処理部(図示省略)にて処理(ドップラーの式により演算)すれば、車両2Aの速度vaが求められ、これを基に、例えば図16に模式的に示すように、交差点への進入車両2が存在することと、その進入車両2の速度情報とを表示装置5B〜5Dの表示部51に表示することができる。
【0076】
このときの表示方法としては、例えば図16に示すように、表示部51を発光ダイオードなどの発光素子を用いた電光掲示板として構成し、「注意」という文字を発光部51aにおいて点灯(点滅でもよい)させるとともに、低速のときは青のみ、中速のときは青と黄色、高速のときは青,黄,赤の全てを点灯するといった具合に、進入車両2の速度に応じて、3色の発光部52a〜52cを点灯(あるいは、点滅)することで速度情報を表示する手法などを採ればよい。
【0077】
つまり、図16に示す表示部51は、車両2の存在を、例えば「注意」という文字の発光によって、表示する発光部(移動物体存在表示用の発光部)51aと、車両2の速度情報に応じて発光色(もしくは発光状態)が変化する発光部52a〜52cとを有しているのである。
これにより、図13に示すように、道路B方向から交差点へ車両2Bが進入してくる場合、その車両2Bは、表示装置5B(電光掲示板51)に表示されている情報から車両2Aがどのくらいの速度で交差点に進入してくるかを、夜間や悪天候などの視界の悪い条件下においても、確実に認識することができる。同様にして、車両2Aや他の道路Cや道路D方向から進入車両2が存在する場合にも、お互いに他方向からの進入車両2の存在とその速度情報とを表示装置5A,5C,5D(電光掲示板51)から知ることができる。
【0078】
なお、ここでは、表示装置5A〜5D及び受信機6に着目した動作について説明したが、例えば、車両2Aや車両2Bでは、衝突防止レーダを搭載していれば、この場合も、第1実施形態と同様に、中継装置1からの中継レーダ波を受けることにより、お互いの存在と速度とを検知している。
従って、本第4実施形態においても、前述した第1実施形態と同様の利点が得られるほか、表示装置5A〜5Dの設置により、夜間や悪天候で視界が悪い場合などでも、より確実に、交差点での出会い頭の衝突事故を防止することができる。また、この場合は、表示装置5A〜5Dにより、衝突防止レーダを搭載していない車両2、あるいは、自転車や歩行者に対しても、同様の内容の注意を促すことができるので、車両2同士の衝突事故だけでなく、車両2と自転車や車両2と歩行者との衝突事故防止効果も期待できる。
【0079】
なお、上述した受信機6は、例えば図15に示すように、速度情報マスク部として機能する濾波器(ハイパスフィルタ:HPF)64を設けて、或る周波数(速度)以上でなければ表示部51に信号を通さない構成にし(つまり、有効な周波数差情報についてのしきい値を設ける)、或る速度以上の進入車両2があった場合にのみ、上述したような注意を促すようにしてもよい。このようにすれば、停車中の車両2についての情報が、他の道路方向に伝わらずに済むので、停車中の車両2を進入車両2と誤認することが無い。
【0080】
(E)第5実施形態の説明
図17は本発明の第5実施形態としての衝突防止システムの構成を説明するための模式図で、この図17に示す衝突防止システムは、第3実施形態(図7〜図9)にて前述したものと同様の中継装置1Bが道路A〜道路Dの交差点中央に設置されるとともに、この場合も、道路標識などと同様、それぞれの道路A〜D上を走行する車両2から視認しやすい交差点付近の位置(4カ所)に、受信機8付きの表示装置7A〜7Dが設置された構成になっている。なお、この場合も、受信機8は、例えば、表示部71の背面に付設されている。
【0081】
そして、これらの表示装置7A〜7Dも、上述した第4実施形態と同様に、中継装置1Bから再放射される中継レーダ波を受けて、交差点への進入車両2の存在とその速度とを表示するためのものであるが、本実施形態では、中継装置1Bが、前述したように、各道路A〜D方向毎に偏波面を変えて(図9参照)レーダ波の再放射を行なうので、この偏波面の違いを利用して、進入車両2の方向までをも表示できるようになっている。
【0082】
このため、表示装置7A〜7Dに付設されている受信機8には、その要部の構成に着目すると、いずれも、例えば図18に示すように、中継装置1Bから再放射される3系統の(自装置が設置されている道路以外の3つの道路側からの)レーダ波の偏波面の違いに対応して、受信アンテナ81−1〜81−3及びミキサ82−1〜82−3をそなえるとともに、各偏波面に共通の局部発振器83がそなえられている。
【0083】
ここで、受信アンテナ81−1は、例えば、交差点に向かって右方向の道路から中継装置1Bを経由してくる偏波面「1」の中継レーダ波(周波数F1)を受信するためのものであり、受信アンテナ81−2は、交差点に向かって正面方向の道路から中継装置1Bを経由してくる偏波面「2」の中継レーダ波(周波数F2)を受信するためのものであり、受信アンテナ81−3は、交差点に向かって左方向の道路から中継装置1Bを経由してくる偏波面「3」の中継レーダ波(周波数F3)を受信するためのものである。
【0084】
また、局部発振器83は、車載レーダの送信周波数と同じ周波数(例えば、fa)の局部発振信号を生成するものであり、ミキサ82−1は、この局部発振信号と受信アンテナ81−1で受信された中継装置1B(交差点に向かって右方向から進入してくる車両2)からのレーダ波(偏波面「1」,周波数F1)とをミキシングすることにより、車載レーダの送信周波数と、交差点に向かって右方向から進入してくる車両2からのドップラーシフトを受けたレーダ波との周波数差情報(F1-fa)を得るものである。
【0085】
同様に、ミキサ82−2は、局部発振信号と受信アンテナ81−2で受信された中継装置1B(交差点に向かって正面方向から進入してくる車両2)からのレーダ波(偏波面「2」,周波数F2)とをミキシングすることにより、車載レーダの送信周波数と、交差点に向かって正面方向から進入してくる車両2からのドップラーシフトを受けたレーダ波との周波数差情報(F2-fa)を得るものであり、ミキサ82−3は、局部発振信号と受信アンテナ81−3で受信された中継装置1B(交差点に向かって左方向から進入してくる車両2)からのレーダ波(偏波面「3」,周波数F3)とをミキシングすることにより、車載レーダの送信周波数と、交差点に向かって左方向から進入してくる車両2からのドップラーシフトを受けたレーダ波との周波数差情報(F3-fa)を得るものである。
【0086】
そして、これらのミキサ82−1〜82−3で得られた各周波数差情報は、それぞれ、各ミキサ82−1〜82−3毎に設けられた信号処理部(図示省略)へ入力され、これらの各信号処理部にて、各周波数差情報を基に、ドップラー効果の式により、交差点への車両2の進入速度が求められる。これにより、受信機8では、交差点への進入車両2の存在及びその速度が自装置の設置されている道路を除く各道路方向毎に求められ、この結果、交差点への他方向からの進入車両2の存在及びその速度と併せて、その進入方向をも表示装置7A〜7Dにより表示することが可能である。
【0087】
つまり、上記の受信アンテナ81−1〜81−3,ミキサ82−1〜82−3,発振器83は、中継装置1Bから受信されるレーダ波の偏波面を識別する偏波面識別部として機能し、その識別結果に応じて車両2の移動方向についての情報が表示部71に表示されるようになっているのである。
例えば、図17に示すように、車両2Aと車両2Bがそれぞれ交差点に進入してくる場合を考える。この場合、車両2Aの車載レーダから送信されたレーダ波(周波数fa)は、第3実施形態にて前述したごとく、ドップラーシフトを受けて、周波数fa′のレーダ波として中継装置1Bで受信され、それぞれ、道路A以外の道路B〜道路D方向に再放射される。このとき、例えば、道路B方向には偏波「1」で、道路C方向には偏波「2」で、道路D方向には偏波「3」でそれぞれ再放射される。
【0088】
一方、車両2Bの車載レーダから送信されたレーダ波(周波数fb)についても、同様にして、ドップラーシフトを受けて、周波数fb′のレーダ波として中継装置1Bで受信され、それぞれ、道路A方向には偏波「1」で、道路D方向には偏波「2」で、道路C方向には偏波「3」で再放射される。
これにより、例えば、道路Dに設置された表示装置7Dに着目すると、その受信機8には、図19に示すように、中継装置1Bからの偏波「1」のレーダ波(周波数fa′)と偏波「2」のレーダ波(周波数fb′)とがそれぞれ受信アンテナ81−1,81−2を通じて受信されることになり、ミキサ82−1,82−2において、周波数差情報fa′−fa,fb′−fbが得られる。
【0089】
そして、これらの各周波数差情報fa′−fa,fb′−fbは、「右方向から進入車両」が存在する場合の処理を担う信号処理部と、「正面方向から進入車両」が存在する場合の処理を担う信号処理部にそれぞれ入力され、これにより、各信号処理部にて、車両2A,2Bの速度がそれぞれ求められる。表示装置7Dでは、このようにして受信機8で得られる進入車両2の速度,進入方向に関する情報を表示部71に表示することで、道路Dを交差点に向かって走行中の車両2(レーダは未搭載でもよい)の運転者に注意を促すことができる。なお、勿論、道路Cや道路Dに車両2が存在する場合も、上記と同様の作用が得られる。
【0090】
ここで、このときの表示方法としては、例えば図20に示すように、表示部71に、交差点を表わす十字領域72を設けることで交差点の存在を表示するとともに、この十字領域72内に、車両2を表わす発光部73を設けて進入中の車両2の存在をその点灯(点滅でもよい)により表示し、且つ、その発光色を受信機8により得られた速度に応じて変化させる〔所定速度(例えば、50km/h)以上で赤、それ未満で黄など〕ことで車速を表示するといった手法が考えられる。
【0091】
つまり、この図20に示す表示部71も、例えば発光ダイオードなどの発光素子を用いた電光掲示板として構成され、車両2が進入しうる地点(交差点)についての情報(上記の場合、形状)を表示するための領域(十字領域;地点表示領域)72と、この領域内72において、車両2の存在と上記の偏波面識別部(受信アンテナ81−1〜81−3,ミキサ82−1〜82〜3)で識別された偏波面に応じた車両2の移動方向(交差点への進入方向)とを発光表示するとともに、その車両2の速度に応じて発光色(もしくは発光状態)が変化する方向・速度表示用の発光部73とをそなえているのである。
【0092】
このようにすれば、夜間や悪天候で視界が悪い時などにおいても、確実に、運転者に注意を促すことができる。なお、上記の十字領域72も発光部として構成すれば、交差点の存在自体も強調表示することができる。ただし、この場合、十字領域72は、車両2の存在(発光部73)をより強調するために、その発光強度を発光部73の発光強度よりも抑えたり、発光色を発光部の発光色よりも目立たない色にした方が良い。
【0093】
なお、ここでは、中継装置1B,表示装置7A〜7D,受信機8に着目した動作説明を行なったが、本第5実施形態においても、前述した第3実施形態と同様に、衝突防止レーダを搭載した車両2では、他方向から進入車両2のレーダ波を頼りにせずに、自車両2の車載レーダのレーダ波のみを用いて進入車両2の存在と速度とを検知することができる。
【0094】
以上のように、本第5実施形態によれば、交差点中央に、第3実施形態にて前述したものと同様の中継装置1Bを設置するとともに、交差点を形成する各道路A〜Dに受信機8付きの表示装置7A〜7Dを設置することで、第3実施形態と同様の作用効果が得られるほか、交差点への進入車両2の有無や速度情報だけでなく、その進入方向までをも運転者に向けて表示して注意を促すことができるので、さらに効果的に、交差点での出会い頭の衝突事故を防止することができる。
【0095】
なお、本実施形態においても、車載レーダをパルス式レーダとし、上記の中継装置1Bを、図10に示す構成(遅延調整器42を設けた構成)としてもよく、このようにすれば、交差点への進入車両2は、前述したように、他方からの進入車両2の有無や速度だけでなく、その車両2までの距離をも正確に測定することが可能である。
【0096】
また、上述した表示装置7A〜7D(あるいは、5A〜5D)において、中継装置1B(1)からの中継レーダ波が受信できなくなった場合(もしくは、受信できなくなってから所定時間が経過した後)、上述した発光表示は停止(中止)するようにしてもよい。さらに、中継レーダ波を受信できなくなった場合に限らず、表示装置7A〜7D(あるいは、5A〜5D)(以降、符号省略)は、中継レーダ波の受信状態に応じて(例えば、受信レベルが所定レベルを下回った場合やC/Nが劣化した場合など)、上述した発光表示を停止するようにしてもよい。
【0097】
また、検出した車速に応じて表示時間を変化させるようにしてもよい。例えば、表示装置内にタイマを設け、このタイマに、中継レーダ波の受信により検出した車速が速い場合には短めの時間をタイマに設定し、逆に、検出した車速が遅い場合には長めの時間を設定して、検出した車速が遅いときには速いときよりも長く上記の発光表示を行なうようにする。このときのタイマに対する設定時間については、表示装置が中継レーダ波を受信可能な(表示装置から)最も離れた場所から交差点内(交差点の入り口や中心など)までの距離を検出した速度で割った値程度にすることが望ましい。
【0098】
(F)その他
上述した各実施形態および変形例では、中継装置1,1A,1Bは、いずれの場合も、車載レーダのレーダ波を対向(正面)方向(例えば、道路A方向から受信したレーダ波なら道路C方向)に再放射しているが、交差点が図1や図5,図7,図13,図17に示すように直交もしくはほぼ直交する形状になっている場合には、対向方向からの進入車両2の存在は運転者から視認できることが多いので、対向方向用の回路は省略、もしくは、機能停止させることで、対向方向へのレーダ波の再放射は行なわないようにしてもよい。
【0099】
ただし、例えば、交差点の形状が例えば図21に示すような形状になっており、見通しが悪い場合には、対向方向の道路側にもその道路の方向に合わせた角度で受信レーダ波を再放射するようにした方が良い。このようにすることで、車載レーダ波の直進性により、衝突防止用の車載レーダのみでは、検知できなかった部分の検知が可能となる。
【0100】
また、上述した各実施形態および変形例では、4つ角の交差点に中継装置1,1A,1Bを設置した場合について説明したが、勿論、T字路等の三ツ股交差点やL字路等の曲がり角、5本以上の道路が交差する交差点、その他、車両2等の移動物体が通行しうる見通しの悪い箇所に設置してもよく、この場合も、上記と同様の作用効果が得られる。
【0101】
さらに、上述した例では説明を省略したが、第2実施形態にて説明した衝突防止システムに、第4実施形態や第5実施形態と同様に、受信機付きの表示装置を適用してもよい。また、上述した例では、車載レーダとしてCWレーダやパルス式レーダを適用しているが、本発明はこれに限定されず、上述した周波数差情報が得られ車両2の速度情報が得られるレーダであれば、どのようなタイプのレーダを適用してもよい。
【0102】
さらに、レーダは必ずしも自動車に搭載されている必要はなく、例えばバイクに搭載されていてもよい。この場合は、車両2だけでなく、車両2とバイク、あるいは、バイク同士の交差点での衝突事故も確実に防止することが可能である。また、上述した例では、再放射するレーダ波の偏波を直線偏波としてその角度を変えることで偏波面を変えているが、例えば上述のように正面方向を除いて左右方向のみを再放射の対象とする場合には、円偏波の回転方向を変えることで偏波面を変えるようにしてもよい。
【0103】
そして、本発明は、上述した各実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の接近通報用のレーダ波中継装置によれば、移動物体からのレーダ波を受信し、その受信レーダ波の送信方向をそのレーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更しうるので、次のような利点が得られる。
【0105】
(1)例えば、見通しの悪い交差点などに本中継装置を設置するだけで、既存のレーダをそのまま活かして、移動物体に対して他方向からの移動物体の存在(接近)を通報でき、交差点での移動物体の出会い頭の衝突事故を確実に防止することができる。
(2)レーダを搭載した移動物体は、他方向から接近してくる他の移動物体の有無だけではなく、その移動物体の速度をも検知することができるので、停止中の移動物体を接近中と誤認識することが無い。
【0106】
(3)レーダ波を利用するので、天候などにも影響されない。
(4)受信レーダ波の送信方向を変えるだけでよいので、発信機や電源回路などの能動回路は用いずに、全て受動回路で構成することが可能であり、大幅な小型化及び低コスト化が可能である。
(5)電源供給の必要が無いので、設置が容易であり、また、故障の発生率も発信機や電源回路をそなえる場合に比して大幅に軽減できるので、メンテナンスなどの作業労力も低減することができる。
【0107】
ここで、本レーダ波中継装置は、上述のごとく送信方向を変更して送信したレーダ波の反射波を受信し、その反射波を上記の移動物体に向けて送信するようにしてもよく、このようにすれば、移動物体は、自身のレーダのレーダ波のみを用いて(他の移動物体がレーダの送信周波数やレーダの搭載/未搭載によらず)、他の移動物体の存在,速度を検知することができるので、衝突防止システムを柔軟に構築できる。
【0108】
また、本レーダ波中継装置は、受信レーダ波の偏波面を元の偏波面とは異なる偏波面に変換する偏波面変換部をそなえていてもよく、このようにすれば、対向する移動物体から直接届くレーダ波との干渉を防止しながら、他方向からの移動物体の存在,速度を検知することができる。
さらに、本レーダ波中継装置には、移動物体からのレーダ波が受信されたのち、そのレーダ波についての反射波を同じ移動物体に送信するまでの遅延時間を調整する遅延調整器を設けてもよい。このようにすれば、移動物体は、他の移動物体までの距離をも正確に検知することが可能となる。
【0109】
また、本発明に関連する技術のレーダ波中継装置によれば、移動物体からのレーダ波を、その移動物体に向けて折り返し送信し、その反射波と上記の折り返しレーダ波とから移動物体の速度情報を検出し、その速度情報を上記のレーダ波が送信されてきた方向とは異なる他方向から受信されるレーダ波に付加して当該他方向へ送信するので、移動物体は、自身のレーダ波の送信周波数と他の移動物体のレーダ波の送信周波数とが異なる場合でも、他の移動物体の正確な速度を検出することが可能である。従って、他方向からの移動物体の接近を確実に認識して、衝突事故を回避することができる。また、この場合も、本レーダ波中継装置は、受動回路で構成できるので、その故障率も大幅に低減されるとともに、低コスト化を図ることができる。
【0110】
さらに、本発明に関連する技術の接近通報用の表示装置は、移動物体から受信したレーダ波をそのレーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更して送信しうるレーダ波中継装置によって中継されてきた中継レーダ波を受信し、その中継レーダ波から移動物体の速度情報を検出し、その速度情報を表示するので、レーダを搭載していない移動物体に対しても他方向からの移動物体の接近と速度とを通報することができる。また、移動物体だけでなく、付近の歩行者などにも同様の通報を行なって注意を促すことができる。
【0111】
ここで、検出した上記の速度情報が所定のしきい値以上である場合にのみその速度情報を表示するようにしてもよく、このようにすれば、停止中の移動物体についての表示を除外することができ、停止中の移動物体が接近していると誤認することがない。
また、レーダ波中継装置からの受信レーダ波の偏波面を識別して、その偏波面に応じて移動物体の移動方向についての情報を表示するようにすれば、移動物体の接近,速度だけでなく、その接近方向までをも通報することができるので、より確実に衝突事故の発生を防止することができる。
【0112】
ここで、本発明に関連する技術の表示装置では、移動物体の存在を発光表示するとともに、その速度に応じて発光色もしくは発光状態を変化させるようにすることもでき、このようにすれば、夜間や悪天候などの視界の悪い条件下においても、移動物体の存在と速度とを確実に通報することができるので、さらに、移動物体の衝突事故などを効果的に防止することができる。
【0113】
また、本発明に関連する技術の表示装置では、移動物体の進入しうる地点の情報を表示するとともに、その地点へ接近する移動物体の存在と速度とを発光表示し、且つ、その発光色もしくは発光状態を移動物体の速度に応じて変化させるようにすることもでき、このようにすることで、移動物体がどの方向からどの位の速度で上記の地点に接近してくるかを、夜間や悪天候などの視界の悪い条件下においても、確実に知らせることができるので、さらに、移動物体の衝突事故などを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての接近通報用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図である。
【図2】図1に示す中継装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】(A)及び(B)はいずれも図2に示す中継装置の偏波面変換器として適用されるひねり導波管の一例を示す図である。
【図4】(A)及び(B)は図2に示す中継装置の偏波面を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態としての接近通知用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図である。
【図6】図5に示す中継装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態としての接近通報用のレーダ波中継装置が適用される衝突防止システムを説明するための模式図である。
【図8】図7に示す中継装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図9】図7に示す中継装置の偏波面(道路A方向からみた場合)を説明するための模式図である。
【図10】図7に示す中継装置の他の詳細構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す中継装置における遅延調整動作を説明するための図である。
【図12】図10に示す中継装置における遅延調整動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第4実施形態としての衝突防止システムの構成を説明するための模式図である。
【図14】図13に示す表示装置に付設されている受信機の構成を示すブロック図である。
【図15】図13に示す表示装置に付設されている受信機の他の構成を示すブロック図である。
【図16】図13に示す表示装置の外観を示す模式図である。
【図17】本発明の第5実施形態としての衝突防止システムの構成を説明するための模式図である。
【図18】図17に示す表示装置に付設されている受信機の構成を示すブロック図である。
【図19】図17に示す表示装置に付設されている受信機の構成を示すブロック図である。
【図20】図17に示す表示装置の外観を示す模式図である。
【図21】見通しの悪い交差点の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,1A,1B レーダ波中継装置
2,2A,2B 車両(移動物体)
3A〜3D,10A〜10D 道路A〜D方向用回路
5A〜5D,7A〜7D 表示装置
6,8 受信機
11A〜11D,21A,21B,31 受信アンテナ(レーダ波受信部)
12A〜12D,27A,27B 分配器
13A〜13D,28A,28B,40 合成器
14A〜14D サーキュレータ
15A〜15D 偏波面変換器(ひねり導波管)
16A〜16D,34,36,38,41 送信アンテナ
22A,22B,33 分配器
23A,23B 送信アンテナ(折り返し送信部)
24A,24B 方向性結合器
25A,25B,35,37,39 受信アンテナ(反射波受信部)
26A,26B ミキサ(速度情報検出部)
29A,29B ミキサ(速度情報付加送信部)
30A,30B 送信アンテナ(速度情報付加送信部)
32 増幅器
42 遅延調整器
51,71 表示部
51a 発光部(移動物体存在表示用の発光部)
52a〜52c 発光部(速度情報表示用の発光部)
61,81−1〜81−3 受信アンテナ(中継レーダ波受信部)
62,82−1〜82−3 ミキサ(速度情報検出部)
63,83 局部発振器
64 濾波器(HPF;速度情報マスク部)
72 十字領域(地点表示領域)
73 発光部(方向・速度表示用の発光部)
A〜D 道路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a radar wave repeater for reporting the presence of a moving object approaching a predetermined location to other moving objects.In placeIn particular, a radar wave relay device for approach notifications, which is suitable for preventing collisions at vehicle encounters at places such as intersections with poor visibility, etc.In placeRelated.
[0002]
[Prior art]
As a method for notifying an approaching vehicle to an intersection with poor visibility of the presence of an approaching vehicle from another direction, for example, a method using a curve mirror (convex mirror) or Japanese Patent Laid-Open No. 8-106600 is proposed. In addition, there is a method of detecting the presence of an approaching vehicle by installing a sensor such as an ultrasonic wave, a light beam or an infrared ray in front of the intersection and displaying it on a display device installed at a position where the driver (driver) can easily recognize it. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the former method using a curved mirror, depending on the positional relationship between the person entering the intersection, the car, and the curved mirror, a blind spot is likely to appear, or the direction of the wind is likely to shift. Further, it may be difficult to visually recognize the curve mirror itself under bad weather conditions such as rain or fog.
[0004]
On the other hand, in the latter method, even if the existence of an approaching vehicle is known, the speed cannot be measured. For this reason, if there is a parked vehicle near the intersection, it will be mistaken for an approaching vehicle. In order to avoid this, for example, it may be possible to install a plurality of the above sensors in a row at a distance near the intersection so that the passing time of the
[0005]
As a typical method for preventing the collision of moving objects such as vehicles, a millimeter wave radar is mounted on the vehicle, and the presence of a front obstacle (vehicle) from the reflected wave of the millimeter wave radar is determined by the driver. However, since this method has strong directivity of millimeter waves, it is impossible to detect the presence of a vehicle entering the intersection from another direction as it is.
[0006]
Therefore, for example, as shown in JP-A-5-20599 and JP-A-7-1055500, a detection device (radar) is installed on the intersection side so that a vehicle approaching the intersection can be detected. In addition, when an approaching vehicle is detected, it is considered that a warning light or indicator will notify the direction other than the direction to the vehicle. In this method, it is installed on the intersection side. Since a function (power supply and transmitter) for transmitting a radar wave is required in the detection device, the size of the device and the failure occurrence rate increase, resulting in an increase in maintenance work labor.
[0007]
The present invention was devised in view of the above-described problems. For example, a collision of a vehicle (moving object) at an intersection with a poor view can be reliably detected without mistaking a stopped vehicle as an approaching vehicle. Radar wave relay device for approach notifications with low failure ratePlaceIt is intended to provide a small and inexpensive.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the radar wave repeater for approach notification according to the present invention is provided.IsA radar wave receiving unit that receives a radar wave from a moving object, and a reception that can be transmitted by changing the radar wave received by the radar wave receiving unit to a direction different from the direction in which the radar wave is transmitted Provided with radar wave transmission direction change unitThe polarization plane conversion unit that converts the polarization plane of the radar wave received by the radar wave reception unit into a polarization plane that can be received by another moving object located in the different direction. WithIt is characterized by
[0009]
Here, in addition to the above configuration, the present radar wave relay device (hereinafter also simply referred to as “relay device”) further receives the reflected wave of the radar wave transmitted from the above-described received radar wave transmission direction changing unit. And a reflected wave transmitter that transmits the reflected wave received by the reflected wave receiver toward the moving object.Yes.
[0010]
Also,BookIn the relay device, a delay adjuster that adjusts a delay time from when the pulse wave is received by the radar wave receiving unit until a reflected wave of the pulse wave is transmitted from the reflected wave transmitting unit. May be providedYes.
[0011]
In addition, the present inventionRelated technologiesRadar wave relay for notification of approachIsA radar wave receiving unit for receiving a radar wave from a moving object, a return transmitting unit for returning the radar wave received by the radar wave receiving unit toward the moving object, and a transmission from the return transmitting unit. A reflected wave receiving unit that receives a reflected wave of the folded radar wave from the moving object, a velocity information detecting unit that detects velocity information of the moving object from the folded radar wave and the reflected wave, and the velocity information A speed information addition transmission unit that adds the speed information detected by the detection unit to a radar wave received from another direction different from the direction in which the radar wave is transmitted and transmits the radar information in the other direction; It is characterized by that.
[0012]
Next, the present inventionRelated technologiesDisplay deviceIsA relay radar wave receiving unit that receives a relay radar wave relayed by a radar wave relay device that can transmit a radar wave received from a moving object in a direction different from the direction in which the radar wave is transmitted; A speed information detecting unit for detecting speed information of the moving object from the relay radar wave received by the relay radar wave receiving unit, and a display unit for displaying the speed information detected by the speed information detecting unit. It is characterized by that.
[0013]
here,the aboveThe display device may include a speed information mask unit that supplies the speed information to the display unit only when the speed information detected by the speed information detection unit is equal to or greater than a predetermined threshold value.Yes.
The relay radar wave receiving unit includes a polarization plane identifying unit that identifies a polarization plane of the received radar wave from the radar wave relay device, and the display unit is identified by the polarization plane identifying unit. It is configured to display information about the moving direction of the moving object according to the polarization plane.EvenYoYes.
[0014]
Furthermore, the present inventionRelated technologiesDisplay deviceIsA light-emitting unit for displaying a moving object, which displays the presence of a moving object, and a light-emitting unit for displaying speed information whose emission color or light-emission state changes according to the speed information of the moving object. It is a feature.
In addition, the present inventionRelated technologiesDisplay deviceThe position isA point display area for displaying information about a point where a moving object can enter, and the presence and moving direction of the moving object are displayed in the point display area, and light is emitted according to the moving speed of the moving object. It is characterized by having a light emitting portion for displaying the direction and speed in which the color or the light emission state changes.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(A) Description of the first embodiment
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which a radar wave relay device for approach notification as a first embodiment of the present invention is applied. In the collision prevention system shown in FIG. In a radar
[0016]
For this reason, the radar wave relay device (hereinafter simply referred to as “relay device” or “relay device”) 1 of the present embodiment, for example, as shown in FIG. To 11D,
[0017]
Here, the receiving antennas (radar wave receiving units) 11A to 11D receive radar waves (hereinafter also referred to as in-vehicle radar waves) transmitted from the
[0018]
The
[0019]
Further, each of the
[0020]
That is, the part including the distributor 12, the synthesizer 13, the circulator 14, the polarization plane converter 15, and the transmission antenna 16 described above receives the in-vehicle radar wave received by the receiving antenna 11 in the original direction (the in-vehicle radar wave is It functions as a reception radar wave transmission direction changing unit that can change (transmit) one direction or more in a different direction (one direction or more).
[0021]
As described above, the
By the way, as described above, it is necessary to rotate the polarization plane of the received radar wave and re-radiate it. In order to avoid interference with the radar wave from the oncoming vehicle, in-vehicle radar that is currently in practical use, This is because the wave front is tilted. That is, for example, if the polarization plane of the linearly polarized wave of the transmission radar wave is tilted to 45 °, the difference between the received polarization planes of the own vehicle and the oncoming vehicle is 90 ° and is orthogonal, so interference is reduced. Thus, when the received radar wave having the inclined polarization plane is relayed as it is (without changing the polarization plane) in the
[0022]
Therefore, in the present embodiment, as described above, when the radar wave is re-radiated from the
[0023]
For example, when the transmission polarization plane and the reception polarization plane of each
[0024]
Accordingly, for example, when focusing on the
[0025]
Hereinafter, the operation of the collision prevention system having the
For example, in FIG. 1, it is assumed that
[0026]
The received radar waves whose polarization planes are rotated by 90 ° in the
[0027]
[Expression 1]
[0028]
It becomes. However, in this formula (1), c represents the speed of light.
Accordingly, the radar waves having the frequency fa ′ are re-radiated in the directions of the roads B, C, and D, respectively. Accordingly, the
[0029]
[Expression 2]
[0030]
It becomes. If this is compared with the frequency fb of the radar wave transmitted by the vehicle-mounted radar of the
[0031]
[Equation 3]
[0032]
As a result, in the
[0033]
Similarly, the radar wave transmitted from the
[0034]
Even when there is an approaching
[0035]
As described above, according to the collision prevention system (relay device 1) of the present embodiment, just by installing the
[0036]
Further, as described above with reference to FIG. 2, the
[0037]
(B) Description of the second embodiment
FIG. 5 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which a radar wave relay device for approach notification according to a second embodiment of the present invention is applied. In the collision prevention system shown in FIG. In the
[0038]
For this reason, the
[0039]
Although not shown in FIG. 6, a road C direction circuit and a road D direction circuit having the same configuration as the road
[0040]
Here, in each of the road A to
[0041]
The directional coupler 24 is for extracting a part of the received radar wave that is turned back through the transmission antenna 23, and the reception antenna (reflected wave receiving unit) 25 is sent back by the transmission antenna 23. The mixer 26 mixes the reflected radar wave received by the receiving antenna 25 and the folded radar wave extracted by the directional coupler 24. Thus, frequency difference information between the folded radar wave and the reflected wave is detected.
[0042]
Here, since the frequency difference information is generated by the Doppler effect according to the moving speed of the
[0043]
The distributor 27 divides the signal (frequency difference information) obtained by the mixer 26 into three branches and distributes each of the signals to the road direction circuit 10 in the other direction. The mixer 29 synthesizes the three signals distributed from the distributor 27 of the road direction circuit 10, and the mixer 29 combines the output of the combiner 28 and the received radar wave distributed from the
[0044]
Further, the transmission antenna 30 transmits the output of the mixer 29 to the
[0045]
Hereinafter, the operation of the collision prevention system (
For example, also in this case, as shown in FIG. 5, it is assumed that the
[0046]
At this time, the radar wave (frequency fa) radiated from the vehicle-mounted radar of the
The received radar wave fa ′ is turned back inside the
[0047]
The reflected wave (frequency fa ″) received by the receiving
[0048]
Here, when attention is paid to the road
[0049]
In the
[0050]
In the
[0051]
Therefore, according to the present embodiment, it is possible to reliably prevent the collision accident at the intersection of the
[0052]
Even when there is an approaching
[0053]
In this case as well, the driver's attention (notification method) may be performed by auditory means such as an alarm sound or visual means such as an alarm display. The vehicle speed may be automatically controlled to be decelerated without performing the above. Also in this embodiment, when it is desired to increase the measurement (detection) distance, the output (transmission power level) of the in-vehicle radar may be appropriately increased or an amplifier may be provided.
[0054]
(C) Description of the third embodiment
FIG. 7 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which a radar wave relay device for approach notification as a third embodiment of the present invention is applied. In the collision prevention system shown in FIG. In the
[0055]
Therefore, the
[0056]
Here, the receiving antenna (radar wave receiving unit) 31 is for receiving in-vehicle radar waves from the direction of the road A (roads B to D), and the
[0057]
Further, the
[0058]
Further, the receiving antennas (reflected wave receiving units) 35, 37, and 39 are for receiving the reflected waves of the radar waves re-radiated from these transmitting
[0059]
However, in this case, three sets of re-radiating antennas (
[0060]
In the
[0061]
Here, as shown in FIG. 7, if a
[0062]
As a result, the
[0063]
As for the
As described above, also in the third embodiment, the existing in-vehicle radar is utilized as it is, and it is not affected by the weather or the like, and the stopped
[0064]
Also in this case, the
[0065]
Also in the third embodiment, the driver's attention (notification method) when detecting an approaching vehicle from another direction can be performed by auditory means such as an alarm sound or visual means such as an alarm display. The vehicle speed may be automatically controlled to be decelerated with or without this notification.
(C ′) Description of Modification of Third Embodiment
In this modification, in the collision prevention system having the
[0066]
However, in the circuit configuration described above with reference to FIG. 8, when the direction of the radar wave is changed in the
[0067]
Therefore, in this modification, as shown in FIG. 8, for example, a delay adjuster (delay circuit) 42 that delays the input pulse by “Tb” is provided between the
[0068]
Here, since the delay time b in the
[0069]
In general, if the distance range to be measured is R,
R = C × T / 2 (4)
C = 3.0 × 108, T = Transmission pulse interval (cycle)
Therefore, if R = 200 m, the following transmission pulse interval is required from this equation (4).
[0070]
T = 1.33 μs
In addition, the delay time b in the
As described above, the
[0071]
(D) Description of the fourth embodiment
FIG. 13 is a schematic diagram for explaining the configuration of a collision prevention system according to a fourth embodiment of the present invention. The collision prevention system shown in FIG. 13 is the same as that described in the first embodiment (FIGS. 1 and 2). The
[0072]
Each of these
[0073]
Here, the receiving antenna (relay radar wave receiving unit) 61 is for receiving the radar wave re-radiated from the
[0074]
For example, as in the first embodiment, when a
[0075]
Then, if this frequency difference information fa′−fa is processed (calculated by the Doppler equation) by a signal processing unit (not shown), the speed va of the
[0076]
As a display method at this time, for example, as shown in FIG. 16, the
[0077]
That is, the
As a result, as shown in FIG. 13, when the
[0078]
In addition, although operation | movement which paid its attention to
Therefore, in the fourth embodiment, the same advantages as those of the first embodiment described above can be obtained, and by installing the
[0079]
The receiver 6 described above is provided with a filter (high-pass filter: HPF) 64 functioning as a speed information mask unit, for example, as shown in FIG. So that the above-mentioned attention is urged only when there is an approaching
[0080]
(E) Description of the fifth embodiment
FIG. 17 is a schematic diagram for explaining the configuration of a collision prevention system according to a fifth embodiment of the present invention. The collision prevention system shown in FIG. 17 is the same as that described in the third embodiment (FIGS. 7 to 9). The
[0081]
And these
[0082]
For this reason, in the
[0083]
Here, the receiving antenna 81-1 is for receiving, for example, a relay radar wave (frequency F1) of the polarization plane “1” that passes through the
[0084]
The
[0085]
Similarly, the mixer 82-2 receives a radar wave (polarization plane “2”) from the
[0086]
The frequency difference information obtained by the mixers 82-1 to 82-3 is input to signal processing units (not shown) provided for the mixers 82-1 to 82-3, respectively. In each of the signal processing units, the approach speed of the
[0087]
That is, the reception antennas 81-1 to 81-3, the mixers 82-1 to 82-3, and the
For example, as shown in FIG. 17, consider a case where a
[0088]
On the other hand, the radar wave (frequency fb) transmitted from the vehicle-mounted radar of the
Thus, for example, when attention is paid to the
[0089]
Each of these frequency difference information fa′−fa and fb′−fb includes a signal processing unit responsible for processing when “the vehicle entering from the right direction” exists and “the vehicle entering from the front direction”. Thus, the speed of the
[0090]
Here, as a display method at this time, for example, as shown in FIG. 20, the presence of an intersection is displayed on the
[0091]
That is, the
[0092]
In this way, the driver can be surely alerted even at night or when the visibility is poor due to bad weather. If the
[0093]
Although the description of the operation focusing on the
[0094]
As described above, according to the fifth embodiment, a
[0095]
Also in the present embodiment, the on-vehicle radar may be a pulse radar, and the
[0096]
Further, in the above-described
[0097]
Further, the display time may be changed according to the detected vehicle speed. For example, a timer is provided in the display device, and when the vehicle speed detected by receiving the relay radar wave is fast, a shorter time is set in the timer, and conversely, when the detected vehicle speed is slow, a longer time is set. The time is set so that when the detected vehicle speed is slow, the above-mentioned light emission display is performed longer than when the vehicle speed is fast. The set time for the timer at this time is divided by the speed at which the distance from the farthest place where the display device can receive the relay radar wave (from the display device) to the inside of the intersection (such as the entrance and center of the intersection) is detected. It is desirable to make it about the value.
[0098]
(F) Other
In each of the above-described embodiments and modifications, the
[0099]
However, for example, when the shape of the intersection is as shown in FIG. 21 and the line of sight is poor, the received radar wave is re-radiated to the opposite road side at an angle that matches the direction of the road. It is better to do it. In this way, due to the straightness of the in-vehicle radar wave, it becomes possible to detect a portion that could not be detected only by the in-vehicle radar for collision prevention.
[0100]
Further, in each of the above-described embodiments and modifications, the case where the
[0101]
Furthermore, although the description is omitted in the above-described example, a display device with a receiver may be applied to the collision prevention system described in the second embodiment, similarly to the fourth embodiment and the fifth embodiment. . In the above-described example, the CW radar or the pulse radar is applied as the on-vehicle radar. However, the present invention is not limited to this, and the radar can obtain the above-described frequency difference information and the
[0102]
Furthermore, the radar does not necessarily have to be mounted on the automobile, and may be mounted on, for example, a motorcycle. In this case, it is possible to reliably prevent not only the
[0103]
The present invention is not limited to the above-described embodiments and modifications, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention.
[0104]
【The invention's effect】
As described in detail above, the radar wave relay device for approach notification according to the present invention is used.In placeAccording to this, since the radar wave from the moving object is received and the transmission direction of the received radar wave can be changed to a direction different from the direction in which the radar wave is transmitted, the following advantages can be obtained.
[0105]
(1)For example, by simply installing this relay device at an intersection with poor visibility, it is possible to report the presence (approach) of a moving object from another direction to a moving object by using the existing radar as it is, and the moving object at the intersection It is possible to surely prevent a collision accident at the encounter.
(2)A moving object equipped with a radar can detect not only the presence or absence of other moving objects approaching from other directions, but also the speed of the moving object. There is nothing to do.
[0106]
(3)Since radar waves are used, it is not affected by the weather.
(4)Since it is only necessary to change the direction of transmission of the received radar wave, it is possible to construct all passive circuits without using active circuits such as transmitters and power supply circuits, which can greatly reduce the size and cost. is there.
(5)Since there is no need for power supply, installation is easy, and the failure rate can be greatly reduced compared to the case of having a transmitter and power supply circuit, so that work labor such as maintenance can be reduced. .
[0107]
Here, the radar wave relay apparatus may receive the reflected wave of the radar wave transmitted by changing the transmission direction as described above, and transmit the reflected wave toward the moving object. In this way, the moving object uses only the radar wave of its own radar (regardless of whether the other moving object has a radar transmission frequency or whether or not the radar is mounted / not mounted), and determines the presence and speed of the other moving object. Because it can be detected, a collision prevention system can be constructed flexibly.The
[0108]
In addition, the radar wave repeater apparatus may include a polarization plane conversion unit that converts the polarization plane of the received radar wave into a polarization plane different from the original polarization plane. It is possible to detect the presence and speed of moving objects from other directions while preventing interference with the direct radar waves.The
Further, the radar wave relay apparatus may be provided with a delay adjuster for adjusting a delay time from when a radar wave from a moving object is received to when a reflected wave of the radar wave is transmitted to the same moving object. Good. In this way, the moving object can accurately detect the distance to other moving objects.The
[0109]
In addition, the present inventionRelated technologiesRadar wave relay equipmentIn placeAccording to this, the radar wave from the moving object is transmitted back toward the moving object, the velocity information of the moving object is detected from the reflected wave and the folded radar wave, and the velocity information is A moving object is added to a radar wave received from another direction different from the transmitted direction and transmitted in the other direction, so that the moving object has its own radar wave transmission frequency and the radar wave transmission frequency of another moving object. It is possible to detect the accurate speed of other moving objects even if the difference is different from. Therefore, it is possible to reliably recognize the approach of a moving object from another direction and avoid a collision accident. Also in this case, since the radar wave repeater can be configured with a passive circuit, the failure rate can be greatly reduced and the cost can be reduced.
[0110]
Furthermore, the present inventionRelated technologiesThe display device for the approach notification of the relay radar wave that has been relayed by the radar wave relay device that can transmit the radar wave received from the moving object in a direction different from the direction in which the radar wave has been transmitted. Receives, detects the velocity information of the moving object from the relay radar wave, and displays the velocity information, so even the moving object that does not have the radar is notified of the approach and velocity of the moving object from other directions can do. In addition, not only moving objects but also nearby pedestrians can be alerted by making similar reports.The
[0111]
Here, the speed information may be displayed only when the detected speed information is equal to or greater than a predetermined threshold value, and in this way, the display of the stopped moving object is excluded. Can be mistaken for a moving object that is stopped.Yes.
In addition, if the polarization plane of the received radar wave from the radar wave repeater is identified and information about the moving direction of the moving object is displayed according to the polarization plane, not only the approach and speed of the moving object but also , It is possible to report even the approaching direction, so it is possible to more reliably prevent the occurrence of collision accidents.The
[0112]
Here, the present inventionRelated technologiesIn this display device, the presence of a moving object can be displayed with light emission, and the light emission color or light emission state can be changed according to the speed, and in this way, conditions such as nighttime and bad weather conditions with poor visibility Even underneath, it is possible to reliably report the presence and speed of moving objects, so it is possible to effectively prevent collisions of moving objects.The
[0113]
In addition, the present inventionRelated technologiesIn this display device, information on a point where a moving object can enter is displayed, the presence and speed of the moving object approaching the point are displayed in a light-emitting manner, and the emission color or light emission state is set to the speed of the moving object. It can also be changed according to the conditions, and in this way the moving object will approach the above point from what direction and at what speed, under poor visibility conditions such as nighttime and bad weather. However, it is possible to effectively prevent accidents such as collisions of moving objects.The
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which an approach notification radar wave relay device according to a first embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is a block diagram showing a detailed configuration of the relay apparatus shown in FIG.
3A and 3B are diagrams showing an example of a twisted waveguide applied as a polarization plane converter of the relay apparatus shown in FIG.
4A and 4B are schematic diagrams for explaining the polarization plane of the relay apparatus shown in FIG.
FIG. 5 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which a radar wave relay device for approach notification according to a second embodiment of the present invention is applied.
6 is a block diagram showing a detailed configuration of the relay apparatus shown in FIG.
FIG. 7 is a schematic diagram for explaining a collision prevention system to which an approach notification radar wave relay device according to a third embodiment of the present invention is applied.
8 is a block diagram showing a detailed configuration of the relay apparatus shown in FIG.
9 is a schematic diagram for explaining a polarization plane (when viewed from the direction of road A) of the relay apparatus shown in FIG. 7;
10 is a block diagram showing another detailed configuration of the relay apparatus shown in FIG. 7;
11 is a diagram for explaining a delay adjustment operation in the relay apparatus shown in FIG. 10;
12 is a diagram for explaining a delay adjustment operation in the relay apparatus shown in FIG.
FIG. 13 is a schematic diagram for explaining a configuration of a collision prevention system according to a fourth embodiment of the present invention.
14 is a block diagram showing a configuration of a receiver attached to the display device shown in FIG.
15 is a block diagram showing another configuration of the receiver attached to the display device shown in FIG.
16 is a schematic diagram showing an appearance of the display device shown in FIG.
FIG. 17 is a schematic diagram for explaining a configuration of a collision prevention system according to a fifth embodiment of the present invention.
18 is a block diagram showing a configuration of a receiver attached to the display device shown in FIG.
19 is a block diagram showing a configuration of a receiver attached to the display device shown in FIG.
20 is a schematic diagram showing an appearance of the display device shown in FIG.
FIG. 21 is a schematic diagram showing an example of an intersection with poor visibility.
[Explanation of symbols]
1,1A, 1B Radar wave repeater
2,2A, 2B Vehicle (moving object)
3A-3D, 10A-10D Road A-D direction circuit
5A-5D, 7A-7D Display device
6,8 receiver
11A to 11D, 21A, 21B, 31 Receiving antenna (radar wave receiver)
12A-12D, 27A, 27B Distributor
13A-13D, 28A, 28B, 40 Synthesizer
14A-14D circulator
15A-15D Polarization plane converter (twisted waveguide)
16A-16D, 34, 36, 38, 41 Transmitting antenna
22A, 22B, 33 distributor
23A, 23B Transmitting antenna (return transmission unit)
24A, 24B Directional coupler
25A, 25B, 35, 37, 39 Receiving antenna (reflected wave receiver)
26A, 26B mixer (speed information detector)
29A, 29B Mixer (speed information addition transmitter)
30A, 30B transmit antenna (speed information addition transmitter)
32 amplifier
42 Delay adjuster
51, 71 display
51a Light emitting part (light emitting part for moving object presence display)
52a to 52c Light emitting part (light emitting part for displaying speed information)
61, 81-1 to 81-3 Receiving antenna (relay radar wave receiving unit)
62, 82-1 to 82-3 Mixer (speed information detector)
63,83 local oscillator
64 Filter (HPF; Speed information mask part)
72 Cross area (point display area)
73 Light Emitting Unit (Light Emitting Unit for Direction / Speed Display)
AD road
Claims (1)
該レーダ波受信部にて受信されたレーダ波を当該レーダ波が送信されてきた方向とは異なる方向に変更して送信しうる受信レーダ波送信方向変更部とをそなえ、
該受信レーダ波送信方向変更部が、
該レーダ波受信部にて受信されたレーダ波の偏波面を前記異なる方向に位置する他の移動物体が受信し得る偏波面に変換する偏波面変換部をそなえていることを特徴とする、接近通報用のレーダ波中継装置。 A radar wave receiver for receiving radar waves from a moving object;
A receiving radar wave transmission direction changing unit capable of transmitting the radar wave received by the radar wave receiving unit in a direction different from the direction in which the radar wave has been transmitted ;
The received radar wave transmission direction changing unit is
An approach comprising: a polarization plane conversion unit that converts a polarization plane of a radar wave received by the radar wave reception unit into a polarization plane that can be received by another moving object located in the different direction. Radar wave relay device for reporting.
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