第1の発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を容器外へ吐出する制御を行う吐出制御手段と、前記容器内の液体を循環させる動作を行う循環制御手段と、前記吐出制御手段または前記循環制御手段により動作する電動ポンプと、前記電動ポンプの動作のロックもしくはロック解除を行うロック解除手段と、商用電源が供給されていないときの電源を成すバックアップ電源とを有し、商用電源が供給されていないときに、前記ロック解除手段にてロックが解除されると、第一の所定時間だけ前記循環制御手段にて前記電動ポンプを駆動して容器内の液体を循環させる構成としたことにより、バックアップ電源の電力消費を抑えつつ、電動ポンプ内に溜まった泡を吐出し、バックアップ時の吐出を安定して行うことができるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明において、商用電源が供給されていないときに、電動ポンプを駆動する第一の所定時間を最大2秒以下としたことにより、容器内の液体を循環させるのに十分な時間であるとともに、消費電力が大きくなり過ぎること防ぎ、少ない消費電力で泡がみを取り除き、安定した吐出を行うことが可能となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、商用電源が供給されなくなって、最初にロック解除手段にてロックを解除されたときのみ、電動ポンプを駆動して容器内の液体を循環させる動作を行う構成としたことにより、バックアップ時に複数回に渡って吐出が行われる際に、毎回循環動作を行わず、最初の1回だけとし、循環動作を繰り返すことによる無駄な電力消費を無くしつつ安定した吐出を行うができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、商用電源の供給が停止してからの経過時間を計時する計時手段を有し、前記計時手段にて計時した時間が第二の所定時間より長い場合には、ロック解除手段にてロックを解除されても、電動ポンプによる容器内の液体の循環動作を行わない構成としたことにより、商用電源の供給が停止すると容器内の液体の温度が時間経過とともに低下し、電動ポンプ内の泡がみも解消されるので、第二の所定時間以上経過すれば循環動作を行わず、無駄な電力消費を抑えることができる。
第5の発明は、特に、第4の発明において、容器内の液体の液位を検知する液位検知手段を有し、前記液位検知手段にて検知した液位に応じて第二の所定時間を変える構成としたことにより、通常、商用電源の供給が停止してからの液体の温度低下や泡がみの解消は液位に反比例するので、各液位に最適な第二の所定時間を設定し、無駄な循環動作を防ぐことができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明において、液体の温度を検知する温度検知手段を有し、商用電源が供給されていないときに、前記温度検知手段にて検知した温度が所定温度以下の場合には、ロック解除手段にてロックを解除されても、電動ポンプによる容器内の液体の循環動作を行わない構成としたことにより、液体の温度が十分低下し泡がみが解消されているにも関わらず循環動作を行うことを防ぎ、無駄な電力消費を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1における電気湯沸かし器を示すものである。
図1において、液体1aを収容する容器1は円筒形をしている。加熱手段2は容器1に当接した、液体1aの加熱もしくは保温を行うためであり、通常は加熱用と保温用の2つ以上のヒータで構成される。温度検知手段3は容器1に当接され、サーミスタなどで構成される。吐出制御手段4は、出湯スイッチ4aなどで構成され、その操作でポンプ5aとモータ5bからなる電動ポンプ5を駆動制御し、容器1内の液体1aを容器1外へ吐出制御する。制御手段6は温度検知手段3で検知した温度を受けて各手段を制御するものである。加熱制御手段7は加熱手段2への通電を制御することにより、加熱手段2のオンオフ制御を行うものであり、一般的には、リレーやトライアックなどで構成される。循環制御手段8は電動ポンプ5を駆動制御し容器1内の液体1aを循環させる動作を行うものである。
ここで、温度検知手段3で検知した温度は、制御手段6に伝えられ、その温度が、例えば、約90℃より低い場合には、制御手段6から加熱制御手段7に命令を出し加熱用の加熱ヒータを制御し液体1aの加熱を行い、温度検知手段3にて検知する温度勾配がほぼ横這いになると、容器1内の液体1aが沸騰したと見なし、加熱手段2の加熱ヒータによる加熱を終了し、制御手段6からの命令により加熱制御手段7にて加熱手段2の保温ヒータによる保温制御を開始する。そして、液体1aの温度が例えば約98℃で安定するように保温制御を行う。
なお、容器1内の液体1aの容器1外への吐出の経路は、電動ポンプ5に接続された導水路9と、導水路9に設けた切替弁10と、この切替弁10により分岐された出湯路11で構成され、液体1aはこの経路を通って容器1外へ吐出される。また、液体1aの循環経路については、切替弁10に至るまでは吐出経路と同様であるが、その後は切替弁10により分岐された容器1へとつながる連通管12を通過する経路となる。そして、液体1aの循環は、連通管12と接続された満水位置1bより上の部分より容器1に液体1aが戻る構成となっている。
切替弁10は具体的には電磁的に作動する弁と、その弁を作動させるためのコイルなどで構成されており、出湯スイッチ4aのオンに連動して出湯路11側に切り替わり、出湯スイッチ4aがオフで循環制御手段8がオンすると連通管12側に切り替わる動作を行う。
電動ポンプ5の動作のロックもしくはロック解除を行うロック解除手段13は、出湯スイッチ4aが押されても、このロック解除手段13にてロックが解除されていないと、電動ポンプ5が駆動せず液体1aの吐出が行われない構成となっている。すなわち、ロック解除手段13にてロックが解除されている間に出湯スイッチ4aをオンさせることによって電動ポンプ5は駆動するものである。
バックアップ電源14は商用電源21が供給されていないとき(バックアップ時)の電源を成すもので、電気二重層コンデンサ14a、14b(図2)などで構成され、バックアップ時の電動ポンプ5の駆動電力にもなる。
表示手段15は、温度検知手段3にて検知した容器1内の温度や、加熱制御手段7による加熱の状態や加熱保温の設定状態を表示するものであり、LCDやLEDなどで構成される。
浄水フィルター16は、活性炭などの触媒を内部に備え、容器1の連通管12との接続部分近傍に取り付けられており、液体1aの循環動作を行うと、連通管12を通過した液体1aが浄水フィルター16を通り容器1内に戻る構成となっており、容器1内の液体1aの湯沸かし時などに循環動作を行うことにより、液体1aの浄化を行うことができる。
制御手段6は、図2に示す、マイクロコンピュータ6a(マイコン)によって構成され、その内部に商用電源21の供給が停止してからの経過時間を計時する計時手段17を備えている。
また、導水路9に対応して容器1内の液体1aの液位を検知する液位検知手段18を設けている。通常、容器1に液体1aが注がれている場合は、容器1内の液体1aの水位と同じ高さまで、導水路9にも液体1aが満たされている構成となる。つまり、導水路9内の液体1aの水位は容器1内の液体1aの水量に比例している。
そして、充電手段19は、商用電源21が供給されているときにバックアップ電源14への充電を行うものである。商用電源21が供給されなくなると、バックアップ電源14にて蓄えられた電力を昇圧手段20(図2)にて昇圧し電力を供給する構成となっている。
次に、図2により本実施の形態における電気湯沸かし器の回路構成について説明する。
加熱手段2は、容器1内の液体1aを加熱する加熱ヒータ2aと、加熱ヒータ2aよりも発熱量が少なく容器1内の液体1aを加熱保温する保温ヒータ2bで構成されている。
温度検知手段3は、温度を抵抗値に変換するサーミスタ3aと分圧用抵抗3bとで分圧値を作る。ここで、容器1内の液体1aが対流する際や液体1aが沸騰前に発生しやすい気泡の破裂などによるサーミスタ3aの検知の揺らぎや、電気的外来ノイズを吸収するために、充放電用の抵抗3dと電解コンデンサ3eを備え、これらのポートの出力を、制御手段6をなすマイコン6aにて温度を検出するタイミングに応じて変化させ、検知温度の変化を安定して精度よく検出することができる。こうして、電気的外来ノイズやサーミスタ3aの検知の揺らぎを極力除去した分圧値をAD変換器3cにて2進符号に変換する。AD変換器3cは、約10〜130℃の範囲を単位温度幅(本実施の形態では約0.5℃)の温度刻みにし、温度を2進符号にて出力する。そして、この2進符号が1ビット変化するのに要する時間を検知して、例えば、ある所定時間以上要していれば、容器1内の液体1aが沸騰状態になったため温度の上昇がほぼ横這いになったとして、加熱制御手段7にて加熱制御から保温制御に切替えたり、また、例えば、変化に要する時間がある所定時間以内であるのを連続的に検知した場合には、容器1内の液体1aの量が不足しているために温度が急激に上昇していると判断し、加熱制御手段7にて加熱を停止したりする。
吐出制御手段4は、出湯スイッチ4aと、マイコン6aによってオンオフ制御される第一のトランジスタ4bと、第一のトランジスタ4bに直列に接続された抵抗4cとで構成される。
加熱制御手段7は、加熱手段2と直列に接続されたリレー接点7a、7bと、このリレー接点7a、7bの制御を行うリレーコイル7c、7dで構成され、このリレーコイル7c、7dに電流を流すことにより、前記リレー接点7a、7bを閉じるようになっている。
そして、循環制御手段8は、マイコン6aによってオンオフ制御される第二のトランジスタ8aと、第二のトランジスタ8aに直列に接続された抵抗8bで構成される。ここで、循環動作時にモータ5bにかかる電圧は出湯動作時より低くなるので、抵抗8bは抵抗4cよりずっと大きな値の抵抗値となる。もしくは、抵抗4cが0Ωに近い値、あるいは0Ωに設定する必要がある。
また、切替弁10は、第三のトランジスタ10aとコイル10bで構成されており、通常は、この第三のトランジスタ10aはオフしており、そのため、コイル10bにも電流が流れない構成となっていて、切替弁10は液体1aが連通管12側に流れるようになっている。もし、第三のトランジスタ10aがオン状態でコイル10bに電流が流れているときには、電磁的に作動する弁がコイルの磁気によって動作し、出湯路11側へ接続する構成となっている。
ロック解除手段13は、ロック解除スイッチ13aと、抵抗13bと、抵抗13cとによって構成される。ロック解除スイッチ13aは、マイコン6aの第一のトランジスタ4b、第二のトランジスタ8a、および第三のトランジスタ10aへの出力を決定する。ここで、ロック解除スイッチ13aがオンされると、マイコン6aは、先ずそのときの出湯スイッチ4a状態を、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する。この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。この電位が”L”の場合は、出湯スイッチ4aがオフ状態(第二のトランジスタ8aに接続された状態)であり、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせても即吐出にはならないので、マイコン6aの出力を”L”から”H”に変え、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオン状態にする(この状態を、ロック解除状態という)。
このとき、切替弁10は第三のトランジスタ10aのオンにより出湯路11側に接続されている。このロック解除状態で出湯スイッチ4aがオンされると、モータ5bに抵抗4cとの分圧の電圧がかかり、出湯スイッチ4aがオンされている間、モータ5bに電流が流れ、容器1内の液体1aが吐出される。また、吐出終了後もロック解除状態が継続されるのを防ぐために、ロック解除状態で出湯スイッチ4aの電位が”L”状態であることを第三の所定時間(本実施の形態では10秒とする)継続した場合には、マイコン6aの出力を”L”にし、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオフさせロック解除状態を解く(ロック状態)。
また、循環動作については、前述した温度検知手段3の検知温度に応じて液体1aの加熱を行う際に、第三のトランジスタ10aがオフしている状態で、第二のトランジスタ8aをオンさせる。すると、モータ5bに抵抗8bとの分圧の電圧がかかり、モータ5bに電流が流れ、容器1内の液体1aが導水路9を辿り、切替弁10および連通管12を通過して浄水フィルター16を通って容器1内に戻る。この動作を液体1aが沸騰する直前まで行い、液体1aの浄化を行う。この循環動作中に、もし、ロック解除スイッチ13aがオンされると、まず、第二のトランジスタ8aをオフさせる。
そして、出湯動作時と同じように、マイコン6aは先ずそのときの出湯スイッチ4a状態を入力し、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する。この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。そして、循環動作に戻るため、第二のトランジスタ8aをオンさせる。一方、出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位が”L”の場合は、出湯スイッチ4aがオフ状態であり、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせても即吐出にはならないので、マイコン6aの出力を”L”(本実施の形態ではオープン)から”H”に変え、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオン状態にすることにより、循環動作を停止してロック解除状態にする。
表示手段15は、LCD15aとLED15b、LED15c、LED15dとLED15bに直列に接続された抵抗15e、LED15cに直列に接続された抵抗15f、LED15dに直列に接続された抵抗15gによって構成され、LCD15aでは、常時、温度検知手段3にて検知された温度をマイコン6aの制御により5℃刻みのデジタル表示で表示する。
また、LEDについては、加熱手段2にて加熱動作をしているときは、抵抗15eに接続されたマイコン6aのポートを“L”にすることにより、LED15bを点灯させて加熱動作中であることを表示する。そして、加熱手段2にて加熱中に温度検知手段3にて温度の上昇がほぼ横這いになったとことを検知し、加熱手段2の動作が加熱から保温に切り替わると、抵抗15eへのマイコン6aの出力を“H”(オープン)に切替え、LED15bを消灯させると同時に、逆に抵抗15fへの出力を“H”から“L”に切替え、LED15cを点灯させて保温状態であることを表示する。また、LED15dについては、前述したロック解除状態のとき、抵抗15gにつながるマイコン6aの出力を“L”に切替えて、LED15dを点灯させて出湯可能状態であることを表示する。
なお、バックアップ電源14は、電気二重層コンデンサ14aおよび14bで構成され、商用電源21が供給されているときに、定電流にて充電を行う充電手段19にて充電され、グランドと電気二重層コンデンサ14aのプラス端子間の電圧が4V前後を保つように制御される。そして、商用電源21が供給されなくなると、バックアップ電源14にて蓄えられた電力を昇圧手段20にて昇圧し電力を供給する。
図3は、マイコン6aに記憶されたプログラムにおけるバックアップ時の出湯動作のフローチャートを示したもので、これにより一連の出湯動作を説明する。
バックアップ状態において、ステップs1では、ロック解除スイッチ13aが押されているかどうか継続的に判断する。ロック解除スイッチ13aが押されたのを検知すると、次にそのときの出湯スイッチ4a状態を、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する(ステップs2)。
この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。この電位が”L”、つまり第二のトランジスタ8a側に繋がっている場合は、第一のトランジスタ4bと第二のトランジスタ8aをオンさせてモータ5bに抵抗8bとの分圧の電圧を印加し、循環動作を行う(ステップs3)。この短時間の循環動作により、電動ポンプ5内に溜まった泡を取り除くことができる。また、ここで消費する電力は、出湯時に印加する電圧よりも低いため、例えば、高い起動電圧を印加して出湯するなどの動作を行うよりは、ずっと低い消費電力で動作を行うことができる。
そして、第一の所定時間(本実施の形態では2秒とする)経過すると(ステップs4)、第二のトランジスタ8aをオフさせるとともに、第一のトランジスタ4b、第三のトランジスタ10aをオン状態にする(ステップs5)。この状態で出湯スイッチ4aが押されると、第一のトランジスタ4bもオンしているので、出湯動作が行われる。
そして、最後に出湯スイッチ4aが押されてからの時間を計時し、その計時した時間が10秒以内かどうか判断し(ステップs6)、10秒を超えると、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aに繋がるマイコン6aのポートを“H”から“L”にし、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオフさせてロック状態に戻す(ステップs7)。
以上のように、商用電源21が供給されていないときに、ロック解除手段13にてロックが解除されると、第一の所定時間だけ循環制御手段8にて電動ポンプ5を駆動して容器1内の液体1aを循環させる構成としたことにより、バックアップ電源14の電力消費を抑えつつ、電動ポンプ5内に溜まった泡を吐出し、バックアップ時の吐出を安定して行うことができるものである。
ここで、本実施の形態では第一の所定時間を2秒としたが、これは2秒に限るものでは無く、少なくとも電動ポンプ5内の泡のかみ込みを吐出するのに十分な時間であればよく、また、バックアップ電源14の消費電力を抑える意味では最大でも2秒とするのが望ましい。
また、切替弁10を電磁的に動作する構成とし、その制御もマイコン6aにて行う構成としたが、これに限るものではなく、例えば、出湯路11側と連通管12側とを機構的に切換える構成とし、その機構的な動作を出湯スイッチ4aのオンオフと連動させることも可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における電気湯沸かし器について、図1、2、4を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一要素については同一符号を用い、その説明を省略する。
図4はマイコン6aに記憶されたプログラムにおけるバックアップ時の出湯動作のフローチャートを示したもので、これにより一連の出湯動作を説明する。
バックアップ状態において、ステップs1では、ロック解除スイッチ13aが押されているかどうか継続的に判断する。ロック解除スイッチ13aが押されたのを検知すると、次にそのときの出湯スイッチ4a状態を、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する(ステップs2)。
この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。この電位が”L”、つまり第二のトランジスタ8a側に繋がっている場合は、商用電源21が供給されなくなってから、ロック解除スイッチ13aを受け付け、循環動作を行ったかどうか判断する(ステップs3)。もし、商用電源21が供給されなくなってから、まだ循環動作を行っていなければ、ステップs4に移行し、既に行っておれば、ステップs4およびステップs5を飛ばしステップs6に移行する。
ステップs4では、第一のトランジスタ4bと第二のトランジスタ8aをオンさせて、モータ5bに抵抗8bとの分圧の電圧を印加し、循環動作を行う。この短時間の循環動作により、電動ポンプ5内に溜まった泡を取り除くことができる。また、ここで消費する電力は、出湯時に印加する電圧よりも低いため、例えば、高い起動電圧を印加して出湯するなどの動作を行うよりは、ずっと低い消費電力で動作を行うことができる。
そして、第一の所定時間(本実施の形態では2秒とする)経過すると(ステップs5)、第二のトランジスタ8aをオフさせるとともに、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオン状態にする(ステップs6)。この状態で出湯スイッチ4aが押されると、第一のトランジスタ4bもオンしているので、出湯動作が行われる。
そして、最後に出湯スイッチ4aが押されてからの時間を計時し、その計時した時間が10秒以内かどうか判断し(ステップs7)、10秒を超えると、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aに繋がるマイコン6aのポートを“H”から“L”にし、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオフさせてロック状態に戻す(ステップs8)。
以上のように、商用電源21が供給されなくなって、最初にロック解除手段13にてロックを解除されたときのみ、電動ポンプ5を駆動して容器1内の液体1aを循環させる動作を行う構成としたことにより、バックアップ時に複数回に渡って吐出が行われる際に、毎回循環動作を行わず、最初の1回だけとし、循環動作を繰り返すことによる無駄な電力消費を無くしつつ安定した吐出を行うができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における電気湯沸かし器について、図1、2、5を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一要素については同一符号を用い、その説明を省略する。
図5はマイコン6aに記憶されたプログラムにおけるバックアップ時の出湯動作のフローチャートを示したもので、これにより一連の出湯動作を説明する。
バックアップ状態において、ステップs1では、ロック解除スイッチ13aが押されているかどうか継続的に判断する。ロック解除スイッチ13aが押されたのを検知すると、次にそのときの出湯スイッチ4a状態を、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する(ステップs2)。
この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。この電位が”L”、つまり第二のトランジスタ8a側に繋がっている場合は、商用電源21が供給されなくなってからの経過時間を計時手段17で計時し、その時間が第二の所定時間以上かどうか判断する(ステップs3)。もし、商用電源21が供給されなくなってから、第二の所定時間(本実施の形態では30分とする)以上経過していなければ、ステップs4に移行し、既に経過していれば、ステップs4およびステップs5を飛ばしステップs6に移行する。
ここで、商用電源21が供給されなくなってから第二の所定時間経過している場合に循環動作を行わないのは、バックアップ時は加熱動作を一切行わないため、容器1内の液体1aの温度は低下する。温度の低下に伴い、容器1内の内圧も沸騰時に高くなった圧力が、徐々に低下し、それにつれて電動ポンプ5内に溜まった泡も減少し、一定時間以上経過すると出湯動作に影響ないレベルとなるためである。
ステップs4では、第一のトランジスタ4bと第二のトランジスタ8aをオンさせて、モータ5bに抵抗8bとの分圧の電圧を印加し、循環動作を行う。この短時間の循環動作により、電動ポンプ5内に溜まった泡を取り除くことができる。またここで消費する電力は、出湯時に印加する電圧よりも低いため、例えば、高い起動電圧を印加して出湯するなどの動作を行うよりは、ずっと低い消費電力で動作を行うことができる。
そして、第一の所定時間(本実施の形態では2秒とする)経過すると(ステップs5)、第二のトランジスタ8aをオフさせるとともに、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオン状態にする(ステップs6)。この状態で出湯スイッチ4aが押されると、第一のトランジスタ4bもオンしているので、出湯動作が行われる。
そして、最後に出湯スイッチ4aが押されてからの時間を計時し、その計時した時間が10秒以内かどうか判断し(ステップs7)、10秒を超えると、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aに繋がるマイコン6aのポートを“H”から“L”にし、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオフさせてロック状態に戻す(ステップs8)。
以上のように、商用電源21の供給が停止してからの経過時間を計時する計時手段17を有し、計時手段17にて計時した時間が第二の所定時間より長い場合には、ロック解除手段13にてロックを解除されても、電動ポンプ5による容器1内の液体1aの循環動作を行わない構成としたことにより、商用電源21の供給が停止すると容器1内の液体1aの温度が時間経過とともに低下し、電動ポンプ5内の泡がみも解消されるので、第二の所定時間以上経過すれば循環動作を行わず、無駄な電力消費を抑えることができる。
なお、本実施の形態では第二の所定時間を30分としたが、これに限る必要は無く、少なくとも電動ポンプ5内に溜まった泡が影響のないレベルになるのに十分な時間であればよい。
また、バックアップ時における容器1内の液体1aの温度低下は、液体1aの量に反比例することから、液位検知手段18を設け、液位検知手段18にて検知した液位レベルから、第二の所定時間を最適な値にすることにより、さらに無駄な循環動作による電力の消費を排除することが可能となる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における電気湯沸かし器について、図1、2、6を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一要素については同一符号を用い、その説明を省略する。
図6はマイコン6aに記憶されたプログラムにおけるバックアップ時の出湯動作のフローチャートを示したもので、これにより一連の出湯動作を説明する。
バックアップ状態において、ステップs1では、ロック解除スイッチ13aが押されているかどうか継続的に判断する。ロック解除スイッチ13aが押されたのを検知すると、次にそのときの出湯スイッチ4a状態を、この出湯スイッチ4aに接続されているマイコン6aのポートの電位によって判断する(ステップs2)。
この電位が”H”となっておれば出湯スイッチ4aがオンされている状態なので、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオンさせると即吐出が行われるため危険であり、このロック解除スイッチ13aの入力を無効にする。この電位が”L”、つまり第二のトランジスタ8a側に繋がっている場合は、そのとき温度検知手段3にて検知した温度が所定温度(本実施の形態では90℃とする)以下であるかどうか判断する(ステップs3)。もし、検知した温度が所定温度を超えておれば、ステップs4に移行し、所定温度以下であればステップs4およびステップs5を飛ばしステップs6に移行する。
ここで、温度検知手段3にて検知した温度が所定温度以下の場合に循環動作を行わないのは、容器1内の液体1aの温度低下に伴い、容器1内の内圧も沸騰時に高くなった圧力が、徐々に低下し、それにつれて電動ポンプ5内に溜まった泡も減少するので、容器1内の液体1aの温度が電動ポンプ5内に溜まった泡と相関関係があるためで、検知した温度が所定温度以下であれば出湯動作に影響ないレベルとなるためである。
ステップs4では、第一のトランジスタ4bと第二のトランジスタ8aをオンさせてモータ5bに抵抗8bとの分圧の電圧を印加し、循環動作を行う。この短時間の循環動作により、電動ポンプ5内に溜まった泡を取り除くことができる。また、ここで消費する電力は、出湯時に印加する電圧よりも低いため、例えば、高い起動電圧を印加して出湯するなどの動作を行うよりは、ずっと低い消費電力で動作を行うことができる。
そして、第一の所定時間(本実施の形態では2秒とする)経過すると(ステップs5)、第二のトランジスタ8aをオフさせるとともに、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオン状態にする(ステップs6)。この状態で出湯スイッチ4aが押されると、第一のトランジスタ4bもオンしているので、出湯動作が行われる。
そして、最後に出湯スイッチ4aが押されてからの時間を計時し、その計時した時間が10秒以内かどうか判断し(ステップs7)、10秒を超えると、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aに繋がるマイコン6aのポートを“H”から“L”にし、第一のトランジスタ4bおよび第三のトランジスタ10aをオフさせてロック状態に戻す(ステップs8)。
以上のように、液体1aの温度を検知する温度検知手段3を有し、商用電源21が供給されていないときに、温度検知手段3にて検知した温度が所定温度以下の場合には、ロック解除手段13にてロックを解除されても、電動ポンプ5による容器1内の液体1aの循環動作を行わない構成としたことにより、液体の温度が十分低下し泡がみが解消されているにも関わらず循環動作を行うことを防ぎ、無駄な電力消費を抑えることができる。
ここで、本実施の形態では所定温度を90℃としたが、これは90℃に限るものではなく、電動ポンプ5内の泡との関係で、出湯動作に影響を及ぼさないレベルになるだけの温度であればよいのは言うまでもない。