JP4177914B2 - オリフィスを有する部材および粒子検出器 - Google Patents

オリフィスを有する部材および粒子検出器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オリフィスを有する部材および粒子検出器に関するものであり、さらに詳しくは、血球浮遊液などの粒子懸濁液を懸濁液通過用の微細孔(オリフィス)に流し、懸濁液と粒子との電気インピーダンスの差に基づく電気的変化により粒子の個数を計測する方式(電気抵抗式)の粒子計数装置に組み込まれる粒子検出器に用いられるオリフィスを有する部材および粒子検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粒子懸濁液を懸濁液通過用の微細孔に流し、この微細孔を通過する懸濁液と液中の粒子との電気インピーダンスの差に基づく電気的変化により粒子の個数を計測する方式の粒子計数装置が知られている。
【0003】
このような粒子計数装置における検出器は、ルビー、人造ルビー、サファイヤ、セラミックスなどからなるオリフィス形成部材(「ウエハ」あるいは「ペレット」とも称する)に直径50〜100μm程度の微細孔(オリフィス)を設け、このオリフィス形成部材をガラスまたは合成樹脂で形成された円筒状の封止管(検出器本体)の内部に連通するように融着あるいは接着することにより形成される。ここで、オリフィス形成部材の材料としてルビーやサファイヤなどを用いるのは、粒子計数装置で粒子個数を精度よく計測するにはオリフィス形成部材の微細孔の孔径および深さとも極めて高度な寸法精度が要求されるため、それらの高度な寸法精度を確保する上でこれらの材料が優れているからである。
【0004】
上記のオリフィス形成部材の成形方法は、例えば、CO2 レーザやYAGレーザなどで直径50〜100μmの下孔を開け、次いでその下孔の壁面や縁を研磨するという方法が採られている。また、検出器本体とオリフィス形成部材とをアルミナセラミックスで構成し、これらを炉内で加熱融着させたものが提案されている(特公昭62−36277号公報)。
さらに、合成樹脂で成形されたオリフィス形成部材にエキシマレーザアブレーションによりオリフィスを形成させたものが提案されている(特開平9−304265号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにオリフィス形成部材として用いられる人造ルビーやサファイヤあるいはアルミナセラミックスは硬質の材料であり、1個のペレットに所望のオリフィスを1つ設けるには、加工が容易でなく大量生産に向かず、高価な部品である。また、レーザ加工の際に加工テーブルからオリフィス形成部材を着脱するにも手間がかかる欠点があった。
【0006】
本発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、その主要な目的の一つは、懸濁液通過用オリフィスを設ける加工を容易にしかも高精度かつ短時間に行うことができ、低価格化を図ることもできるオリフィスを有する部材および粒子検出器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つの観点によれば、中心部にオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部を有すると共に、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を有するように合成樹脂の射出成形により一体成形されてなる、粒子計数装置における粒子検出器に用いられるオリフィスを有する部材を提供する。
【0008】
すなわち、本発明では、オリフィスを有する部材(以下、オリフィス部材と称する)を、中心部に所定の直径と経路長を有するオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸で対称的にすり鉢状の傾斜部をそれぞれ形成する構成とすることにより、オリフィスを中心としてその軸線に沿った断面の形状が概略「X」字状となる、略均等な厚みの成形品とすることができ、それによって合成樹脂の射出成形により一体成形した場合でも溶融樹脂の流れがスムースで歪みの発生を防止でき、所望寸法のオリフィス口径、経路長が得られる。このような構成は、特に1mmに満たないような微小な口径及び経路長を必要とするオリフィス部材に有効である。
【0009】
言い換えると、オリフィス部材を仮に円柱状とし、その軸線にオリフィスを有する場合には、ある程度の高さ(厚み)を有する円柱を形成し、その円柱の両端あるいは一端にオリフィスの導入・出口部に向かって収縮するテーパを形成することにより所望する微小な経路長を構成することができる。しかし、このようなオリフィス部材はオリフィス部分のみが極端に肉薄となり、溶融した成形材料が金型キャビティへ充填されにくく、オリフィスの口径、経路長の加工精度が維持しにくい。本発明は、この問題点を、オリフィスまわりの構成として上述のような概略「X」字状の断面構造を採用することにより解決するわけである。
【0010】
さらに、この発明におけるオリフィス部材は、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を設けることにより、上記したようにオリフィスの軸線に沿った断面の形状が概略「X」字状となるオリフィス部分の脆弱性を補強することができる。補強部としては、オリフィスを中心としてオリフィスの軸線方向に等角度で立設されたリブ形状のものが挙げられる。
【0011】
この発明における「すり鉢状の傾斜部」とは、円錐体の内部に円錐体の相似体に相当する中空部を形成してラッパ状に構成したものを意味する。
この発明におけるオリフィス部材の材料となる合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、耐薬品性及び成形加工性の良好なポリイミド樹脂が好ましい。具体例としてポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリエステルイミド樹脂、ポリイミドスルホン樹脂あるいはポリアセタール樹脂が挙げられる。
この発明におけるオリフィス部材は、特に1mmに満たないような微小な経路長あるいは口径を有するものに好適である。
【0012】
本発明に係るオリフィス部材を、合成樹脂を材料とする成形品として形成すれば、人造ルビーやサファイヤなどからつくられた従来のオリフィス部材のように下孔を開け、次いでその下孔の壁面や縁を研磨するという工程がなくなるため、懸濁液通過用オリフィスの形成を容易にしかも高精度かつ短時間に行うことができるうえ、安価なものとなる。
本発明に係るオリフィス部材は、前述したような電気抵抗式粒子計数装置における粒子検出器に用いることができる。
【0013】
本発明は、別の観点によれば、粒子計数装置における粒子検出器であって、オリフィスを有する部材と、オリフィスに供給する試料を収容する試料チャンバーと、オリフィスを通過した試料を回収する回収チャンバーとを備え、試料チャンバーと回収チャンバーとがオリフィスを有する部材の両側に、オリフィスを介して連通するように合成樹脂の射出成形により一体成形されてなる粒子検出器を提供する。
本発明に係る粒子検出器としては、具体的には一対の電極と、オリフィスを有する部材(以下、オリフィス部材と称することもある)と、このオリフィス部材及び前記一対の電極を前記オリフィス部材が前記一対の電極の間に位置するよう支持し、前記オリフィス部材のオリフィスに試料を導入・出させる試料チャンバとを備えたものが挙げられる。
このような粒子検出器は、合成樹脂の射出成形法により一体に合成樹脂で成形し、一対の電極を取り付けることにより製造することができる。
したがって、オリフィス部材を粒子検出器本体の一部に組み込む手間を省くことができる。
さらに、オリフィス部材が、中心部にオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部を有すると共に、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を有するように合成樹脂の射出成形法により一体成形されてなることにより、試料チャンバーとオリフィスの形成を同時に行うことができ、オリフィス部材を試料チャンバーに組み込む手間を省くとともに、オリフィスを高精度かつ短時間に形成することができ、生産性に優れた粒子検出器を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における2つの実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。なお、これらによって本発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1
図1〜7は、この発明の一つの実施の形態によるオリフィスを有する部材としてのオリフィス部材(図1〜4)、このオリフィス部材が組み込まれた電気抵抗式粒子検出器と粒子分析装置(図5、6)及びオリフィス部材の成形用金型(図7)を示す。
図1〜4において、実施の形態1に係るオリフィス部材(オリフィスを有する部材)としての粒子検出器用オリフィス部材10は、電気的絶縁性を有する合成樹脂であるポリエーテルイミドを材料として射出成形された外径約10mm、厚さ約4mmの略円板状の透明部材である。
【0016】
オリフィス部材10は、オリフィス1aを形成した接合部1と、この接合部1の両端から略同軸で上下対称的にすり鉢状(ラッパ状)に形成された円錐体の傾斜部2と、複数の補強用リブ3(補強部)とからなる。
接合部1の中心には、口部が真円の形状で、口径が100μm、経路長が120μmのオリフィスからなる粒子検出器用オリフィス1aが形成されている(図4)。
【0017】
傾斜部2は、オリフィス1aの流入口側及び流出口側でそれぞれ外方へ開いてすり鉢状に形成された上方傾斜部2a及び下方傾斜部2bからなり、各傾斜部2a及び2bは、オリフィス1aの流入口部及び流出口部を形成する正面23及び正面23の裏面を形成する背面24をそれぞれ有する。正面23及び背面24には、後述する粒子検出器5に固定するための一定幅で平坦な環状の固定用縁部21及び22が形成されている。
【0018】
このような構成によりオリフィス1aの軸線に沿った断面の形状は、接合部1の中央でくびれた概略「X」字状となり(図3)、略均等な肉厚を有する成形品となっている。
なお、1対の傾斜部2a及び2bの背面24どうしが形成する角度aは50°、各傾斜部2a及び2bにおけるオリフィス1aを中心とした正面23どうしが形成する角度b(開口角度)は120°である。
【0019】
補強用リブ3は、オリフィス1aを中心として4つの板状片が等角度でオリフィス1aの軸線方向に立設され、接合部1の外周相当部から放射状に縁部21及び22の外周端まで延びている。これにより、補強用リブ3が、概略「X」字状の断面形状を有するオリフィス部材10の脆弱性を補強する。
【0020】
図5は、実施の形態1に係る前記オリフィス部材10が組み込まれた粒子検出器5を備えた電気抵抗式粒子分析装置60の概略を示す。
粒子分析装置60は、粒子検出器5と、粒子検出器5に接続された計測器からなる周辺機器で構成される。
電気抵抗式粒子検出器5は、図6に示すように、前述したオリフィス部材10と、試料チャンバとしての第1容器101及び第2容器102とからなる。
【0021】
第1容器101には、血球浮遊液などの粒子懸濁液である試料を収納するための試料チャンバ105が設けられている。試料チャンバ105は、上部が開口し下部が漏斗状にされている。また、試料チャンバ105の下部の左方側壁には第2容器102に通じる連通孔105aが設けられ、試料チャンバ105の底面には試料排出孔111が設けられている。
【0022】
第2容器102は、第1容器101の下部の右側に配されている。第2容器102には左方へ突出した連結部102aが設けられている。第2容器102の内部には回収チャンバ106が設けられている。回収チャンバ106の右端は連結部102aの内側に開口している。回収チャンバ106は、第2容器102の上部に斜めに設けられた傾斜孔107に連通している。この傾斜孔107は、その上部に取り付けられたニップル108を介して第2容器102の外部に通じている。
【0023】
第1容器101と第2容器102とは、両者の間に介在された連結部材107により、連通孔105aと連結部102aとが対向する状態に連結されている。プラス電極103は、第1容器101の左側壁下部に、外部から試料チャンバ105の内部まで貫通するように取り付けられている。プラス電極103の先端は、尖っており、試料チャンバ105の連通孔105aに面している。
【0024】
マイナス電極104は、第2容器102の右側壁に、外部から回収チャンバ106に至るようにかつ回収チャンバ106の右端をシールするように取り付けられている。マイナス電極104の先端は、平坦であって第2容器102の連結部102aに面している。
【0025】
連結部材107の中央には、前記したオリフィス部材10が1枚、取り付けられている。オリフィス部材10は、オリフィス1aの軸線を略水平に向けた状態で、その縁部21及び22で連結部材107と第2容器102の連結部102aとの隙間に配された2つのリング状シールパッキン109・109に挟まれて取り付けられている。第1容器101と連結部材107との接合箇所には、1つのリング状シールパッキン110が取り付けられている。
【0026】
図5において、粒子検出器5に接続された電気抵抗式粒子分析装置60の周辺機器について説明する。
上記した粒子検出器5のプラス電極103およびマイナス電極104には、電源61、信号検出器62及び粒子解析装置63が接続されている。第1容器101と第2容器102との間には、排液槽64と、ポンプ、試料導入機構部を含む流体制御装置65が接続されている。
【0027】
このような構成の粒子分析装置60において、第1容器101の試料チャンバ105に収納された血球浮遊液(試料)は、連通孔105aからオリフィス部材10のオリフィス1aを通って第2容器102の回収チャンバ106へ向けて流される。
【0028】
プラス電極103とマイナス電極104との間には電圧が印加されて、オリフィス1aに電流が流されている。血球浮遊液がオリフィス部材10のオリフィス1aを通過するとき、プラス電極103とマイナス電極104との間に粒子信号が現れるので、粒子の検出を行うことができる。
この粒子分析装置60を用いて白血球を測定した例を説明する。
測定試料としては、血液6mlをセルパック(東亞医用電子株式会社製の血液希釈液)1mlとストマイライザー3WP(東亞医用電子株式会社製の白血球測定用溶血剤)0.5mlにて希釈し、約13秒反応させた血液試料を用いる。
図10は、従来の人造ルビーからなるオリフィス部材を粒子分析装置60に組み込んで測定した測定結果である。この測定結果は、3峰分布(リンパ球に相当する小型白血球、単球,好酸球,好塩基球に相当する中型白血球及び好中球に相当する大型白血球)として粒度分布に表すことができる。
図11は、本発明のオリフィス部材10が組み込まれた粒子分析装置60を用いて測定した測定結果である。このオリフィス部材10でも従来と同様の白血球3峰分布を良好に表すことができる。
【0029】
オリフィス部材10の製造方法については、図7の成形用金型の概略図に基づいて説明する。
図示しない射出成形機から射出された溶融樹脂は、成形用金型200のスプールブッシュ201から可動側中子ピン202及び固定側中子ピン203が挿入された各キャビティブッシュ204,205のキャビティに分岐して充填され、スライドコア206に至る。
図中で左右1対からなるスライドコア206は、エジェクタロッド207の駆動に伴い斜めピン208が引き抜かれ、オリフィス部材10のオリフィス軸の直角方向に分離して成形品の取り出しが可能となる。なお、図中で冷却水槽及び締結用ボルトは省略する。
【0030】
実施の形態2
図8の実施の形態2に係る粒子検出器300において、粒子検出器用オリフィス部材310は、射出成形法により試料チャンバとしての第1容器301及び第2容器302と一体に合成樹脂で成形されてなるものである。
【0031】
すなわち、粒子検出器300は、オリフィス部材310のオリフィス301aに試料を導入・出させる第1容器301及び第2容器302とを備えており、第1容器301及び第2容器302は電極対303,304をそれぞれ支持できるような形状に構成され、オリフィス部材310が、ポリエーテルイミド樹脂の射出成形法により第1容器301及び第2容器302と一体に成形されている。
【0032】
さらに、オリフィス部材310は、オリフィス301aを形成した接合部311と、接合部311の両端から略同軸で上下対称的にすり鉢状(ラッパ状)に形成された円錐体の傾斜部312と、これらの傾斜部312の対向する背面314どうしを連結する複数の補強用リブ313(補強部)とからなる。接合部311の中心に形成された、口部が真円の形状であるオリフィス301aは、口径が100μm、経路長が120μmである。
【0033】
なお、粒子検出器300には、プラス及びマイナスの各電極挿入部303a,304aが形成されている。電極挿入部303a,304aに挿入される電極対303,304には、実施の形態1で述べた電気抵抗式粒子分析装置60と同様に、電源61、信号検出器62及び粒子解析装置63が接続される。第1容器301と第2容器302との間には、排液槽64と、ポンプ、試料導入機構部を含む流体制御装置65が接続されている(図示は省略する)。
【0034】
このように構成された粒子分析装置60においては、第1容器301に収納された血球浮遊液(試料)は、オリフィス部材310のオリフィス301aを通って第2容器302へ向けて流される。
プラス電極303とマイナス電極304との間には電圧が印加されて、オリフィス301aに電流が流されている。血球浮遊液がオリフィス301aを通過するとき、プラス電極303とマイナス電極304との間に粒子信号が現れるので、粒子の検出を行うことができる。なお、この粒子検出器300による粒子の検出精度は良好であった。
【0035】
このようなオリフィス部材310の構成により、オリフィス301aの軸線に沿った断面の形状が概略「X」字状となる、略均等な厚みの成形品とすることができるとともに、補強用リブ313によりオリフィス301a部分の脆弱性を補強することができる。また、射出成形法により試料チャンバとしての第1容器301及び第2容器302と一体に合成樹脂で成形されているので、オリフィス部材を取り付ける作業工程が不要となり、粒子検出器の組み立てが容易となる。
【0036】
オリフィス部材310を含む粒子検出器300の製造方法について、図9の成形用金型400の概略図に基づいて説明する。
成形用金型400は、固定側上型401、可動側下型402及び複数の中子403〜408からなる。
図示しない射出成形機から射出された溶融樹脂は、成形用金型400のスプールブッシュ410から固定側上型401、可動側下型402のキャビティに充填される。中子407、408に続いて中子403、404が引き抜かれ、可動側下型402がオリフィス軸の直角方向に分離された後、中子405、406が引き抜かれてオリフィス部材310を含む粒子検出器300の成形品の取り出しが可能となる。
【0037】
このように、オリフィス部材310と試料チャンバーの形成を同時に行うことができ、小さなオリフィス部材310を試料チャンバーに組み込む手間を省くとともに、オリフィス310を高精度かつ短時間に形成することができ、生産性に優れた粒子検出器300を提供できる。
【0038】
【発明の効果】
この発明に係るオリフィスを有する部材は、中心部に所定の直径と経路長、特に1mmに満たないような微小な口径及び経路長を有するオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部をそれぞれ形成する構成とすることにより、オリフィスを中心としてその軸線に沿った断面の形状が概略「X」字状となる、略均等な厚みの成形品とすることができ、それによって合成樹脂の射出成形により一体成形した場合でも溶融樹脂の流れがスムースで歪みの発生を防止でき、所望寸法のオリフィス口径、経路長が得られる。このような構成は、特に1mmに満たないような微小な口径及び経路長を必要とするオリフィスを有する部材に有効である。
【0039】
さらに、この発明におけるオリフィスを有する部材は、傾斜部の背面間に1以上の補強部を設けることにより、上記したようにオリフィスの軸線に沿った断面の形状が概略「X」字状となるオリフィス開口部の脆弱性を補強することができる。
本発明は、粒子検出器が、オリフィスを有する部材と、試料チャンバーとが、その試料チャンバーがオリフィスを有する部材の両側に、オリフィスと連通するように一体成形されているので、合成樹脂の射出成形法により容易に製造することができ、オリフィスを有する部材を粒子検出器本体の一部に組み込む手間を省くことができる。
さらに、オリフィスを有する部材が、中心部にオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部を有すると共に、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を有するように一体成形することにより、成形性及び強度に優れた粒子検出器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るオリフィス部材を示す平面図である。
【図2】図1のオリフィス部材の正面図である。
【図3】図1のオリフィス部材のA−A断面図である。
【図4】図3のオリフィス部分の拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る粒子検出器を組み込んだ粒子分析装置の概略図である。
【図6】図5の粒子検出器の中央部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るオリフィス部材の成形用金型を示す中央部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る粒子検出器を示す中央部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る粒子検出器の成形用金型を示す中央部断面図である。
【図10】従来のオリフィス部材を用いて測定した白血球の測定結果を示す粒度分布のグラフである。
【図11】本発明のオリフィス部材を用いて測定した白血球の測定結果を示す粒度分布のグラフである。
【符号の説明】
1a オリフィス
2 傾斜部
3 補強用リブ(補強部)
10 オリフィス部材(オリフィスを有する部材)
23 正面(傾斜部)
24 背面
50 粒子検出器

Claims (4)

  1. 中心部にオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部を有すると共に、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を有するように合成樹脂の射出成形により一体成形されてなる、粒子計数装置における粒子検出器に用いられるオリフィスを有する部材。
  2. 合成樹脂がポリエーテルイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリイミドスルホン樹脂およびポリアセタール樹脂から選択された1つの樹脂である請求項1に記載したオリフィスを有する部材。
  3. 粒子計数装置における粒子検出器であって、オリフィスを有する部材と、オリフィスに供給する試料を収容する試料チャンバーと、オリフィスを通過した試料を回収する回収チャンバーとを備え、試料チャンバーと回収チャンバーとがオリフィスを有する部材の両側に、オリフィスを介して連通するように合成樹脂の射出成形により一体成形されてなる粒子検出器。
  4. オリフィスを有する部材が、中心部にオリフィスを有し、このオリフィスの両側に、オリフィスと同軸にすり鉢状の傾斜部を有すると共に、これらの傾斜部の背面間に1以上の補強部を有することを特徴とする請求項3に記載した粒子検出器。
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