JP4177111B2 - マジックアングル技術を用いる高分解能磁気共鳴分析法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
優先権主張
この出願は、ここで参照することにより本明細書に含められる2001年3月9日に出願された米国特許出願第09/803,381号の一部継続出願である。
政府支持の陳述
この発明は、合衆国政府の支持により合衆国エネルギー省裁定の契約番号DE-AC0676RLO1830の下でなされた。合衆国政府は、この発明にある一定の権利を有する。
分野
本発明の開示は、磁気共鳴(MR)分析、特に生物学的対象の磁気共鳴分光法(MRS)および磁気共鳴撮像法(MRI)に関する。
背景
磁気共鳴は原子核のある選択群が示す現象であって、これらの原子核(「磁気回転」核と称される)中における核磁気モーメントの存在に基づく。磁気回転核が強い均一な定常磁場(所謂「外部場」で、本発明では「静」磁場と称される)の中に置かれると、それはラーモア振動数として知られる固有振動数で歳差運動する。ラーモア振動数は各原子核タイプの特徴を示すもので、原子核の場所における印加された場の強さに依存性である。典型的な磁気回転核に1H(プロトン)、13C、19Fおよび31Pがある。これら核の歳差運動振動数は、強いRFパルスがそれらのラーモア振動数でまたはその振動数付近で印加された後に結果として生ずる横方向磁化をモニターすることによって観察することができる。その測定信号をフーリエ変換により振動数スペクトルに変換することが一般的なやり方である。
さらに具体的に述べると、核磁気共鳴(NMR)に活性な原子核を含んでいるバルク試料が磁場内におかれると、その核スピンは自らを核磁気エネルギー準位内にボルツマン統計に従って分布させる。これはエネルギー準位と正味核磁化との間に母集団のアンバランスをもたらす。それがNMR技術で調べられるこの正味核磁化である。
平衡では、正味核磁化は外部磁場と平行に並び、それは静的である。この正味核磁化のコヒーレント運動を誘導させるために、第一磁場に垂直で、ラーモア振動数またはその付近で回転する第二磁場を印加することができる。通常の場の強さでは、ラーモア振動数はメガヘルツの振動数範囲にあるから、この第二磁場は「ラジオ周波(radio frequency)」場またはRF場と呼ばれる。
特に、静磁場中の試料にはRF放射の短い(マイクロセカンド)パルスが印加される;このパルスはある周波数範囲で照射することと同等である。RFパルスに応答しての自由誘導減衰(free induction decay:FID)は時間の関数として測定される。パルスに対する試料の応答は、ある範囲の印加周波数(例えば、500MHz±2500Hz)にわたる試料のRFエネルギー吸収に依存する。多くの場合、パルスは何度も印加され、その結果が信号対雑音比を改善するために平均される。
RF場の周りの核磁化のコヒーレント運動は「章動」と呼ばれる。この章動を都合よく取り扱うために、z−軸の周りにラーモア振動数で回転する基準系が用いられる。この「回転フレーム」において、定常「実験室」基準フレームで磁化と同じ方向に回転しているRF場の一部は静的である。従って、RF場の効果は核磁化方向を主静磁場方向に対してある角度で回転させることである。慣例により、核磁化を90°の角度またはπ/2ラジアンを通して回転させるのに十分な長さのRF場パルスが「π/2パルス」と呼ばれる。
核共鳴周波数付近の周波数により印加されたπ/2パルスは、スピンの磁化を主静磁場方向に沿う元の方向から主磁場方向に垂直な平面へと回転させる。主磁場に対して横の正味磁化の成分は、主磁場の周りでラーモア振動数において歳差運動をする。この歳差運動は、歳差運動振動数で共鳴を起こす、歳差運動磁化がレシーバーコイルを横切って電圧を誘導するように配置されているそのようなレシーバーコイルで検出することができる。しばしば、試料に対してRF場を発生させるために用いられる「トランスミッターコイル」および磁化を検出するために用いられる「レシーバーコイル」は1つで、同一のコイルである。
印加RF場の非存在下においてラーモア振動数で歳差運動をすることに加えて、核磁化は次の2つの緩和プロセスも受ける:(1)正味核磁化を発生させる色々な個々の核スピンの歳差運動が、横平面内の磁化が位相コヒーレンス(所謂「スピン−スピン緩和」)を関連緩和時間T2で失うように互いに対して位相をずらすようになるプロセス、および(2)個々の核スピンが核磁気エネルギー準位(所謂「スピン−格子緩和」)のそれら平衡母集団に関連緩和時間T1で戻るプロセス。スピン−スピン緩和は、電子、磁性原子核、および特定の原子核を取り巻いている他の磁性双極子に由来する小さい局所磁場の存在によって引き起こされる。これらの場は個々の原子核の共鳴周波数に僅かな変動を引き起こし、それがNMR共鳴線のブロードニングをもたらす。多くの場合、このブロードニングは2つのタイプの局所場によって引き起こされる:即ち、所謂不均一ブロードニングを生じさせる静的成分、および分子運動および磁性原子核間相互作用の結果として遅れずに波動している局所場。後者の現象が所謂均一ブロードニングをもたらす。
磁気共鳴撮像法および磁気共鳴分光法が、細胞および組織の試験管内研究並びに動物およびヒトに対する生体内測定の両者に関する生物学的研究および医学において広く使用されている。両方法は非侵襲性かつ非破壊性であって、病変および疾病の検出および診断、並びに治療反応の評価を含めて非常に多様な用途に使用される。1つの特に有用なMRS技術は1H核磁気共鳴(NMR)分光法である。1H NMR分光法は、罹病した細胞および組織における代謝変化、および治療効果を研究するために広く利用されてきた。幾つかの鍵となる移動性化合物に対応する共鳴線が観察されており、そしてそれらのスペクトル強度が腫瘍表現型、腫瘍形成、腫瘍の大きさ、細胞の増殖増加、細胞アポプトシス、および壊死に結びつけられた。
しかし、これらの用途に関連した重大な問題は、在来のMRIおよびMRSを用いて観察されるMR共鳴線の幅が比較的大きいことである。これはMRIおよびMRSの感度を低下させ、そしてMRSの場合は、スペクトルの分析をひどく妨げる著しく重なり合ったスペクトル線をもたらす可能性がある。生物学的材料において線幅は不均一ブロードニングによって主として引き起こされることが確証されている。無傷の細胞および組織において、線を不均一に広げる可能な機構に、それら細胞および組織中に存在する色々な区画境界におけるバルクの磁化率における変動に由来する残留化学シフト異方性相互作用および局所磁場勾配がある。この技術分野では、バルク磁化率の変動がブロードニングの原因となる主な機構であると信じられている。細胞抽出物を用いるとこのブロードニングを排除することができるが、この手法は生きている対象では利用できず、それは時間が掛かる方法であり、そしてスペクトルの人為構造を導入することがある。
磁化率ブロードニングおよび他の不均一ブロードニングの機構がマジックアングルスピニング(magic angle spinning:MAS)(この場合、試料は静磁場方向に関して54°44’(またはcos-1(3-1/2))の角度を持つ軸の周りに回転せしめられる)で取り除くことができることは周知である。MASの1つの問題は、スピニング速度の値がブロードニングの幅に比較して小さいとき、共鳴ピークがスピニング速度によって分離された一群のスピニングサイドバンド(spinning sidebands:SSBs)に分裂するということである。スピニング速度の値が等方性スペクトル幅よりも小さいならば、それらスペクトルの分析は異なる共鳴ピークに関連したSSBsの重なりに因り相当にむずかしくなる。この問題は、スピニング速度を上げて関心のあるスペクトル領域中のSSBsを取り除くことによって回避することができる。実際、試料が数kHzの速度で回転せしめられる高速MASは細胞および組織中におけるMR線の有意の狭まりをもたらすことが示されている(Weybright等のGradient, High-Resolution, Magic Angle Spinning 1H Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy of Intact Cells, Magnetic Resonance in Medicine 1998; 39: 337-345;およびCheng等のQuantitative Neuropathology by High Resolution Magic Angle Spinning Proton Magnetic Resonance Spectroscopy, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997; 94: 6408-6413を参照されたい)。しかし、このような高スピニング速度に関連した大きな遠心力は、組織構造を、そして細胞の一部さえ破壊する(上記Weybright等の文献を参照されたい)。従って、高スピニング速度でのMASは、例えば無傷生物学的組織中における代謝産物の分布を精密に印すには、または生きている細胞を研究するには適当ではなく、そして生きている対象に利用することは不可能である。
高速MASに関連した問題を克服する1つの可能な方法は、緩速試料スピニングを利用する方法である。スピニングサイドバンドを取り除くために、またはサイドバンドのない等方性化学シフトスペクトルが得られるようにそれらサイドバンドを等方性スペクトルから分離するために、多くの方法が固体状態NMRにおいて開発された。1つのアプローチは所謂マジックアングルターニング(magic angle turning:MAT)技術であって、サイドバンドを含まない等方性化学シフトスペクトルが固体の中で30Hz程度の低いスピニング速度で得られた(D. M. GrantおよびR. K. Harris編・Encyclopedia of Magnetic Resonance、New York:John Wiley & Sons社:1996, 2914-2921のHu等のMagic Angle Turning and Hopping)。
MATは、固体中の13Cおよび15Nのようなレアスピン(rare spin)の化学シフトテンソルを決めるために開発された2次元(2D)NMR技術である。そこには基本的に2つのタイプのMAT実験が存在する。第一のタイプ(MAT-1)は、Bax等のCorrelation of Isotropic Shifts and Chemical Shift Anisotropies by Two-Dimensional Fourier-Transform Magic-Angle Hopping NMR Spectroscopy, J. Magn. Reson., 1983; 52: 147によって開拓されたマジックアングルホッピング(magic angle hopping:MAH)実験に基づく。第二の部類(MAT-2)は、一定エボリューション(evolution)時間(例えば、1ローター期間)中における5ラジオ周波πパルスの使用を含む。MAT-2技術は、5π反復マジックアングルターニング(five π replicated magic angle turning:FIREMAT)(Hu等のAn Isotropic Chemical-Shift- Chemical-Shift Anisotropy Magic Angle Slow-Spinning 2D NMR Experiment, J. Magn. Reson., 1993; A 105: 82-87;およびAlderman等のA High Resolution High Sensitivity Isotropic and Anisotropic Correlation Experiment, Molecular Physics, 1998; 95(6): 1113-1126)および2D−位相変更スピニングサイドバンド(2D-phase-altered spinning sidebands:PASS)技術(Antzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMR, J. Magn. Reson., 1995; A115: 7-19)を含む。これらの実験は、全て、高分解能等方性化学シフト次元および化学シフト異方性次元を与える2D等方性−異方性化学シフト相関実験である。MATは固体状態NMRで適用されてきたけれども(Hu等のMagic Angle Turning and Hopping;Gan等のHigh-Resolution Chemical shift and Chemical Shift Anisotropy Correlation in Solids Using Slow Magic Angle Spinning, J. Am. Chem. Soc., 1992; 114: 8307-8309;Hu等のMagic Angle-Turning Experiments for Measuring Chemical-Shift-Tensor Principal Values in Powdered Solids, J. Magn., Reson. 1995: A 113: 210-222;Hu等のAn Isotropic Chemical Shift-Chemical Shift Anisotropy Magic Angle Slow-Spinning 2D NMR Experiment;Alderman等のA High Resolution High Sensitivity Isotropic and Anisotropic Correlation Experiments;およびAntzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMRを参照されたい)、生物学的研究についてのその可能性は調べられてはこなかった。
生物学的対象のMATが、固体対象とは対照的に、調べられてこなかった理由の1つは、関心のある原子核を内部静局所磁場中に含んでいる分子の拡散はそれら原子核が経験する時間依存性の場をもたらすと信じられていたからである。この効果はスピニング周波数が減少されれば悪化し、その結果SSBの抑制が不完全になる。言い換えると、MAT技術は、代謝産物を細胞全体にくまなく拡散させるブラウン運動が緩速MASによる磁化率ブロードニングを除去不能にするので、生物学的材料では用いることができないと予想された。実際、ガラスビーズ中に埋入された水の標準の高速MAS実験では、スペクトル線が数百Hzのスピニング速度においてさえも広くなること(Leu等のAmplitude Modulation and Relaxation Due to Diffusion in NMR Experiments With a Rotating Sample, Chem. Phys. Lett., 2000; 332: 344-350を参照されたい)、およびサイドバンドの総抑制(total suppression of sidebands:TOSS)と呼ばれるサイドバンド抑制技術は、スピニング速度が1kHzまで下げられるとき、ガラスビーズ中に埋入された水に由来するSSBを抑制するのに不十分であること(Liu等のManipulation of Phase and Amplitude Modulation of Spin Magnetization in Magic Angle Spinning NMR in the Presence of Molecular Diffusion, J. Chem. Phys., 2001; 114: 5729-5734を参照されたい)が示された。
NMR分光法の感度と分解能を高めるもう1つのアプローチは、試料ではなく磁場を回転させることを含むものである。このアプローチによれば、試料は静止している。例えば、Bradbury等のNuclear Magnetic Resonance in a Rotating Magnetic Field, Phys. Letters, 1968; 26A: 405-406は、相矩象状態(phase quadrature)にある静的場と2つの正弦波場を、その静的場に垂直な平面中で、静的成分の振幅よりも√2倍大きい振幅で重ね合わせることによって静磁場を回転させることを開示している。しかし、このアプローチはそれ以上考究されることは決してなかった。
かくして、生物学的対象の高分解能磁気共鳴分析を得る方法の必要が存在する。特に、生物学的対象中の組織または細胞構造を損傷させず、かつ緩速対象スピニング速度におけるSSBに関連した諸問題を回避する磁気共鳴技術の必要が存在する。
概要
本明細書には、緩速マジックアングルスピニング技術をある特定のラジオ周波パルスシーケンスと組み合わせることによって対象を磁気共鳴分析する方法が開示される。この組み合わせは、(a)生物学的対象中の組織または細胞構造を損傷させず、かつ(b)緩速マジックアングルスピニングに関連したスペクトル中のスピニングサイドバンドピークを実質的に取り除く、生物学的対象の高分解能スペクトルを得る方法を初めて提供する。関心のある原子核を内部局所静磁場中に含んでいる分子の拡散は緩速スピニングには問題であるという従来の予想に反して、本発明者は、驚くべきことに、本明細書に開示された方法が在来の高速MASにより得られるスペクトルの分解能に匹敵する、またはそれより良好な分解能を持ち、そして低回転周波数にスピニングサイドバンドピークを実質的に含まないNMRスペクトルを与えることを発見した。
特に、第一の態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;上記生物学的対象を上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置する軸の周りに約100Hz未満の回転周波数で回転させ;上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第二の態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;上記生物学的対象を上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置する軸の周りに約100Hz未満の回転周波数で回転させ;上記ラジオ周波をスピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第三の態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を静磁場およびパルス化ラジオ周波場に付し、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;上記生物学的対象を上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置する軸の周りに約100Hz未満の回転周波数で回転させ;上記パルス化ラジオ周波をスピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なラジオ周波放射のパルスのシーケンスを与えるように制御し;そして上記生物学的対象中の原子核による上記パルス化ラジオ周波シーケンスに対する応答の磁気共鳴分析を起こさせる工程を含む上記の方法が提供される。
第四の態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;上記生物学的対象を上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置するマジック軸に沿って配置し;上記生物学的対象を3つの前もって定められた位置間で上記マジックアングル軸の周りに再配向させ、ここで上記の3つの前もって定められた位置は互いに120°の関係にあり;上記ラジオ周波を異方性ブロードニング(例えば磁化率からのブロードニング)を実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第五態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、静磁場方向およびある振幅を有する第一成分、並びに各成分が上記第一成分の静磁場方向に対して垂直な平面に、その第一成分の静磁場の振幅の21/2倍である振幅を持つ正弦波場を有する第二および第三成分を含む主磁場を与え、この場合上記の第二および第三成分は上記静磁場方向に対して垂直な平面で約100Hz未満の周波数において回転する磁場を生じさせ、その結果として上記第一成分の静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置する軸の周りに回転している総合場がもたらされ;生物学的対象を上記主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き;上記ラジオ周波をスピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第六態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;磁石を上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度にある軸の周りに約100Hz未満の回転周波数で機械的に回転させ;上記ラジオ周波を、スピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第七態様によれば、生物学的対象の磁気共鳴分析を行う方法であって、生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;上記生物学的対象を上記主静磁場方向に関して約54°44’のマジックアングルに位置する軸の周りに約50Hz未満の回転周波数で回転させ;上記主磁場を上記マジックアングル軸の周りに約50Hz未満の回転周波数で、上記の主磁場および生物学的対象が反対の回転方向に同時に回転するように回転させ;上記ラジオ周波を、スピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なシーケンスを与えるようにパルス化し;そして上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める工程を含む上記の方法が提供される。
第八態様によれば、生物学的対象を、静磁場方向を有する主磁場、パルス化ラジオ周波場および少なくとも1つのパルス化磁場勾配に付す工程を含む、生物学的対象の磁気共鳴撮像の実施方法が提供される。生物学的対象は上記主静磁場方向に関して約54°44’の角度に位置する軸の周りに約100Hz未満の回転周波数で回転せしめられる。パルス化ラジオ周波はマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるように制御される。パルス化ラジオ周波およびパルス化磁場勾配は、また、空間選択性の核磁気共鳴データを発生させるようにパルス化される。生物学的対象中の原子核によるパルス化ラジオ周波シーケンスに対する応答の磁気共鳴分析が起こされる。
本明細書に開示される方法の1つの特に有用な変形は、2D−位相変更スピニングサイドバンド(2D-phase-altered spinning sidebands:2D-PASS)パルスセグメントを含むパルスシーケンスを利用することを含むことが見いだされた。もう1つの特に有用なパルスセグメントは、位相補正マジックアングルターニング(phase-corrected magic angle turning:PHORMAT)パルスセグメントである。
小さい対象の試験管内研究には、2D-PASSセグメントを含む方法が、MRI実験でのNMR感度を高めるのに、そして細胞並びに無傷の摘出組織および器官でのMRS実験における1Hおよび他のNMR感受性原子核の感度および分解能を高めるのに特に有用である。より大きな生物学的対象の生体内研究には、PHORMATセグメントを含む方法が、生きている動物およびヒトでのMRS実験における1Hおよび他のNMR感受性原子核のNMRスペクトルの分解能を高めるのに特に有用である。試料のこのより遅い回転は、組織および細胞の損傷を実質的にはなくしないとしても、最小限に抑える。本明細書に開示された方法には高速MASを越える次の幾つかの重要な利点がある:(I)より大きなローター、そして今後はより大きな試料が使用でき、このことがNMR感度を高める(この方法をプロトンよりも低いNMR感受性の原子核に利用するときに特に重要である);(II)生物学的試料の構造完全性は緩速スピニング下で最小限の変化しか受けないかまたは変化を全く受けない(即ち、スピニング中の試料変形の結果である、高速スピニングによって誘導されるスペクトル中の人為構造が避けられる);および(III)等方性スペクトルの外にも個々の水および代謝産物の線の異方性パターンが決定できる(これは、色々な化合物の直ぐ周りの状態に関する情報を得ることができるようにする)。
ある特定の態様が添付図面を参照してさらに詳細に説明される。
幾つかの態様の詳細な説明
理解を容易にするために、本明細書中で使用される次の用語を以下においてさらに詳細に説明する。
「対象」は、無傷動物、動物器官、考古学的人為構造のような固体対象、組織または細胞スライスのような分光写真試料、有機化合物のような液体の非生物学的材料、または金属粉末のような固体材料などの3次元対象を意味する。
「液性対象」は、固体対象とは対照的に、液体を(約60重量%超のような)実質的な量で含んでいる対象を意味する。液性対象の典型的な例は、無傷のヒト、または典型的には少なくとも約80重量%の水を含んでいるヒトの器官である。
「生物学的対象」は、細胞物質を含む任意の対象、通常は液性対象を意味する。例示としての生物学的対象を挙げると、細胞系、摘出組織、無傷器官、生きている動物、およびヒトの患者がある。
「主磁石」または「主磁場」は、この技術分野で知られる(典型的には、B0またはH0と称される)静磁場を発生させる磁石を意味する。主磁場は原子核の励起を誘発するために用いられるRF磁場、または磁気共鳴で用いられるRF磁気勾配場とは区別される。説明した方法と共に使用できるMRSおよびMRIツールは、勿論、静的かつ均一な主磁場を生じさせることが可能な主磁石を含む。このような磁石は周知であって、典型的には超伝導磁石である。
上記の定義は単に読者を手助けするために与えられるもので、この技術分野の当業者によって理解される範囲よりも小さい範囲を有するとは、または添付特許請求の範囲を限定するものとは解されるべきでない。
マジックアングルスピニングは、一般に使用されている静磁場B0ではなく、部分的に時間依存性の外部磁場に対象を曝露することに基づく。具体的にいうと、磁場は、振幅
Figure 0004177111
を持つ静成分、および静磁場方向に垂直な平面で回転する振幅
Figure 0004177111
の成分より成る。
前記で確認した第一、第二および第三態様によれば、緩速マジックアングルスピニングは、対象を約100Hz未満、好ましくは約10Hz未満、さらに好ましくは約3Hz未満の周波数でスピニングまたは回転させることを含む。可能な回転周波数の範囲の1例は約1〜100Hz、好ましくは約1〜約5Hzである。これとは対照的に、標準の高速マジックアングルスピニングは少なくとも1kHzのオーダーの周波数を用いる。
前記確認の第四態様によれば、対象は、連続回転されるのではなく、マジック軸の周りに120°の角度を「飛び越す(“hopped”over)」。1回の完全回転を完了する時間は、約100Hz未満、好ましくは約10Hz未満、さらに好ましくは約3Hz未満の周波数で(例えば、第一、第二および第三態様におけるように)連続的にスピニングするときの回転時間に相当する。
前記確認の第五態様によれば、磁石および生物学的対象の両者は静止しており、そして磁場の一部が、磁場全体を磁場全体の方向に対するマジック軸の周りに約100Hz未満、好ましくは約10Hz未満、さらに好ましくは約3Hz未満の周波数で回転させるように電子的に時間依存性とされる。可能な回転周波数の範囲の1例は約1〜約100Hz、好ましくは約1〜約5Hzである。
前記確認の第六態様によれば、生物学的対象は静止しており、そして磁石が主磁場の方向に対するマジック軸の周りに約100Hz未満、好ましくは約10Hz未満、さらに好ましくは約3Hz未満の周波数で物理的に回転せしめられる。可能な回転周波数の範囲の1例は約1〜約100Hz、好ましくは約1〜約5Hzである。
前記確認の第七態様によれば、生物学的対象および磁石の両者が、反対方向に、各々約50Hz未満、好ましくは約3Hz未満、さらに好ましくは約2Hz未満の周波数で回転せしめられる。可能な回転周波数の範囲の1例は約0.5〜約50Hz、好ましくは約0.5〜約2Hzである。
主静磁場を静止させて置きながら対象を回転させるための配置の1例が、図1に示される。生物学的対象1は、MRSまたはMRIツール中の主磁場(図示されず)によって発生せしめられた静磁場中に置かれた、軸3の周りに方向Xに回転できる試料ホルダー2の中に置かれる。軸3は静磁場B0の方向に関して54°44’の角度で配置されている。MAS用の対象または試料を回転させることが可能なMRS(例えばNMR)およびMRI装置は周知である(例えば、米国特許第4,511,841号明細書を参照されたい)。試料をスピニングさせるためのローターを有する商業的に入手できるNMRツールに、Varian/Chemagnetics社(Ft. Collins、CO州)またはBruker Instruments社(Billerica、MA州)から入手できるそれらプローブがある。
生物学的対象を上記第五態様に従って静止状態にしておきながら磁場を電子的に回転させる磁石配置の1例が図12に示される。1つの第一RFコイルの相補的対21がx−方向に
Figure 0004177111
で与えられる交番磁場Bxを発生させるように配置されている。1つの第二RFコイルの相補的対22がy−方向に
Figure 0004177111
で与えられる静磁場Byを発生させるように配置されている。1つの第三RFコイルの相補的対23が交番磁場
Figure 0004177111
を発生させるように配置されている。各コイルの組21、22、23を通過するDCおよびAC電流が3つの相互に直交する磁場成分を生成させる。生物学的対象20はこのコイル系の中心に置かれる。この結果、総磁場はB0で与えられ、その磁場は静磁場成分Byに関して54°44’のマジックアングルを作る軸の周りに回転する。
生物学的対象を上記第六態様に従って静止状態にしておきながら磁石を物理的に回転させる配置の1例が図13に示される。磁石内腔10は生物学的対象(例えば、ヒト)を収容するための空間11および軸線13を画成する。磁石内腔10の軸線13は主磁場B0の方向に関して54°44’のマジックアングルで並んでいる。主磁場B0は磁石内腔10によって発生せしめられる。磁石内腔10は、図13に示される方向矢で示されるように、軸線13の周りに機械的に回転せしめられてもよい。
上記第七態様は、生物学的対象と主磁場の両者をそれぞれ反対の方向に回転させることを含む。例えば、図12または図13に描かれる装置は、生物学的対象も回転するように変更することができる。このような回転は、生物学的対象および主磁場の両者の回転周波数が1/2に減少するのを可能にする。
本明細書に開示された方法で用いられるRFパルスシーケンスは、スピニングサイドバンドを実質的に含まない緩速MASアプローチにおいて高分解能スペクトルを生じさせることが可能ないかなるシーケンスまたはシーケンス系列であってもよい。RFパルスシーケンスは、走査の全継続期間を通じてあらゆるローター期間(即ち、対象の1回の360°回転)中に反復することができる。これらRFパルスシーケンスの1つの典型的な特徴は、等方性−異方性化学シフト相関パルスシーケンスであろう。実例としてのRFパルスシーケンスにMATシーケンスがある。これらのRFパルスシーケンスは、好ましくは、対象のスピニングと同期的に印加することができる。各々が異なる機能を有するRFパルスシーケンスの組み合わせを用いてもよい。
開示された方法で用いることができるだろうMAT技術の1例は、生物学的対象を連続回転させ、そして一定エボリューション時間の期間(例えば、1ローター期間)中に5RFπパルスを印加することを含む。πパルスは磁化を180°にわたって回転させる。
例示5RFπパルス技術は、例えばHu等のAn Isotropic Chemical Shift-Chemical Shift Anisotropy Magic Angle Slow-Spinning 2D NMR Experiment, J. Magn. Reson., 1993; A 105: 82-87;およびAlderman等のA High Resolution High Sensitivity Isotropic and Anisotropic Correlation Experiment, Molecular Physics, 1998; 95(6): 1113-1126で説明される5π反復マジックアングルターニング(five π replicated magic angle turning:FIREMAT)である。もう1つの5RFπパルス技術は、例えばAntzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMR, J. Magn. Reson., 1995; A115: 7-19で説明されている2D−位相変更スピニングサイドバンド(PASS)技術である。2D-PASSセグメントの1つの変形が図2に示される。これらの実験は、全て、高分解能等方性化学シフト次元および化学シフト異方性次元を与える2D等方性−異方性化学シフト相関実験である。
特に有用なMAT技術のさらなる1例は、例えばHu等のMagic-Angle-Turning Experiments for Measuring Chemical-Shift-Tensor Principal Values in Powdered Solids, J. Magn. Reson., 1995: A 113: 210-222、並びにD. M. GrantおよびR. K. Harris編のEncyclopedia of Magnetic Resonance、New York:John Wiley & Sons社: 1996, 2914-2921のHu等のMagic Angle Turning and Hoppingで説明されている位相補正マジックアングルターニング(PHORMAT)として知られている。2D-PASSと同様に、PHORMATは等方性シフトエボリューションを達成するために、対象をローター期間の1/3の間隔が置かれたRFパルスにより連続回転させることを含む。PHORMAT技術によれば、エコーパルスは、パルスシーケンスの中に、試料の回転による化学シフトの変調にも関わらず磁化の焦点が再び正確に合わされるそのような方法で組み込まれる。特に、混合振幅−位相変調シーケンスとトリプルエコーシーケンスとの組み合わせに由来する2パルスシーケンスが用いられる。これらのシーケンスには、位相変調を振幅変調に変換する効果があり、それは3位相集積期間の前または後のいずれかに180°エコーパルスを置くことによって正および負のエボリューション時間の同等物をもたらす。
PASSかPHORMATのどちらによっても、等方性ピークはSSB'sから全てのスピニング速度で分離することができ、また線幅は約1Hzもの低いスピニング速度でも実質的に狭められる。
PASSでは、磁化は常に横平面中に存在し、そして第一信号は1ローター期間後に観察される。この信号の振幅は、スピン−スピン緩和時間T2によって支配される、この期間中における磁化の減衰の結果として小さくなることがある。従って、スピニング速度が(T2)-1に匹敵するかまたはそれより小さいときには、信号減衰が起こり得る。
PHORMATでは、磁化はローター期間の2/3倍の最大継続時間で主磁場方向に沿って縦に蓄えられる。従って、スピニング周波数は、信号減衰を避けるためには、スピンのスピン−格子緩和速度(T1)-1と比較して大きくなければならない。(T1)-1は通常生物学的対象で(T2)-1より小さい大きさの程度であるから、PASSに比較してより低いMAS周波数がPHORMATにより使用することができる。例えば、PASSは約10Hz超、特に少なくとも約20Hzのスピニング周波数に特に有用であり、一方PHORMATは約10Hz未満(例えば、約1〜50Hz)のスピニング周波数に特に有用である。PHORMAT とPASSとの間のさらなる相違は、PASS分析の測定時間は数分であり得るに過ぎないが、PHORMAT分析の測定時間は1時間までまたはそれ以上であり得るということである。PHORMAT とPASSとの間のさらにもう1つの相違は、PHORMAT実験ではNMRの感度がPASSに比較して固有係数として少なくとも1/4低下されるということである。
本発明で詳細に説明された方法で有用なもう1つのRFパルスシーケンスは、生物学的対象中の水によって引き起こされる残留SSBsを抑える水抑制セグメント(water suppression segment)である。代謝産物スペクトルの分析には水抑制パルスシーケンスが用い得る。水の抑制なしでは、これらの代謝産物スペクトルは水の残留SSBsに由来する人工線によって汚染されるだろう。勿論、水抑制は、生物学的対象の水のピークまたは信号を調べることが望まれるときは利用されない。具体例としての水抑制セグメントは、例えばMorris等のSelective Excitation in Fourier Transform Nuclear Magnetic Resonance, J. Magn. Reson., 1978; 29: 433-462に記載されるDANTEパルスシーケンスである。もう1つの可能な水抑制シーケンスは、Chen等のBiochemical Analysis Using High-Resolution Magic Angle Spinning NMR Spectroscopy Disinguishes Lipoma-like Well-differentiated Liposarcoma from Normal Fat, J. Am. Chem. Soc., 2001; 123: 9200-9201に記載される整形パルスセグメントとパルス化磁場勾配セグメントとの既知の組み合わせである。
本明細書に開示された方法の1例によれば、RFパルスシーケンスは、図2に示されるように、DANTEパルスシーケンスセグメントとそれに続く2D-PASSシーケンスセグメントを含む。この例において、Antzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMRに記載される交差分極成分が、B0の平面に垂直な平面中で磁化を回転させるためにπ/2パルスで置換された。2D-PASSスペクトルにおいて、サイドバンドは、典型的には、SSBのオーダーnで分離される。中央バンドスペクトルは、n=0の場合SSBを含まないスペクトルを示し、これに対して他のスペクトルはオーダーを上げる際にSSBスペクトルを示す。サイドバンドスペクトルをスピニング周波数のn倍シフトさせ、そしてそれらを全部一緒に加えることによって、等方性スペクトルを得ることができる。Antzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMRで説明されたように、2D-PASSには1ローター期間の固有T2重みづけが導入できる。パルスの欠陥およびRF場の不均等性を補償するために、位相サイクリングシーケンスを印加してもよい。好ましい位相サイクルは約96ステップより成り、そして元々はFIREMAT実験(Alderman等のA High Resolution High Sensitivity Isotropic and Anisotropic Correlation Experimentを参照されたい)のために開発されたものと実質的に同じである。本発明では、より小数のステップが大きなスペクトルのゆがみなしで用い得ることが見いだされた。6つのパルス間のタイミングtm1−tm6は、Antzutkin等のTwo-Dimensional Sideband Separation in Magic-Angle-Spinning NMRに与えられる所謂PASS-16シーケンスで決めることができる。遅延時間tm1−tm6の16の異なる組み合わせが使用されたが(以後、エボリューション増分(evolution increments)と呼ばれる)、それは中央バンドと15のサイドバンドスペクトルとをスペクトルのエイリアシング(aliasing)なしで分離するのを可能にする。πパルスの幅は、典型的には、ローターの中に装入される組織のタイプおよび量に依存して数十マイクロセカンド〜ミリセカンドのオーダーで変わる。図2において、時間点“T”はローター期間の終点を意味し、時間点“0”はローター期間の開始を意味し、そして“acq”はNMR信号の取得を意味する。これらのタイミングはπパルスの中央から数えられた。フーリエ変換に含められなかったプローブ環の降下とレシーバーの回収とに関連した無駄時間効果の説明をするために、取得次元の初めに2つの特別のデータ点を得た。エボリューション次元(evolution dimension)に沿って16点だけ使用するフーリエ変換が適用された。
本明細書に開示された方法のもう1つの例によれば、RFパルスシーケンスは、図8に描かれる修正PHORMATシーケンスを含む。(I)、(II)および(III)と称される90°パルスは、ローターに相互に120°離れている3つの精密なマークを均等に印すことによってローターサイクルの1/3に同期せしめられる。これらマーカーと関連した、RFパルスシーケンスのトリガーパルスとして役立つトランジスタ−対−トランジスタ論理(transistor-to-transistor logic:TTL)パルスを発生させるために光検出器が用いられる。マーカーの存在は、スピニング速度が短時間だけ、即ち1ローター期間中だけ安定でなければならないことを意味する。外部磁場に対するローターの位置は、各エボリューション増分の始まりに0°、120°または240°異なっていてもよい。異方性対象の場合、このようなローター位置調整はスペクトルにゆがみを、さらにまた感度に損失をもたらすことがある。この問題は、ローターの上に単一の特別のマーカーを付け、そして第二光発生器を用いてこのマーカーと関連したTTLパルスを発生させ、PHORMATシーケンスの始まりを誘発することによって克服することができるだろう。
磁化をB0の平面に対して垂直な平面で回転させるために、交差分極成分の代わりに90°パルス(I)が用いられる。水の信号を抑制するために、DANTEパルスシーケンスセグメントが最後のパルス(III)の直前に用いられた。DANTEパルスシーケンスは、搬送周波数をDANTEシーケンスの開始前に水ピークの中央に切り換え、次いでこの周波数をDANTEセグメントの終端で切り換えて元の値に戻すことによって挿入された。2つの第一90°パルス(I)および(II)は、第三読出しパルス(III)の前に印加されたDANTEセグメントの時間τだけ遅延される。この遅延は3つの読みパルス(I、IIおよびIII)をローター期間の正確に1/3だけ分離するために設けられる。
図8において、90°パルスは黒で示され、そして180°パルスは灰色で示されている。“a”で分類される初めの90°パルスの位相サイクリングは、(−y,+y)であり、一方パルスの残り(p1、p2、b1、b2およびb3)の位相サイクルはHu等のMagic Angle-Turning Experiments for Measuring Chemical-Shift-Tensor Principal Values in Powdered Solids, J. Magn. Reson., 1995: A 113: 210-222に記載されたものと同じである。パラメーターΔはエコー時間の半分を意味する。3つの位相集積期間の前(+)または後(−)に置かれた180°パルスの使用は、2Dスペクトルの基底平面を改善し、そしてスピニングサイドバンドを含まない等方性スペクトルをシャーリング(shearing)なしでのエボリューション軸への投影として直接生じさせる。時間変数t1およびt2は、それぞれエボリューションおよび取得次元に対応する。底部トレースはMASプローブの光センサーによって発生せしめられたTTL信号である。
τ値(Chen等のBiochemical Analysis Using High-Resolution Magic Angle Spinning NMR Spectroscopy Disinguishes Lipoma-like Well-differentiated Liposarcoma from Normal Fat, J. Am. Chem. Soc., 2001; 123: 9200-9201を参照されたい)を、より高いスピニング速度がPHORMATシーケンスにより達成できるように有意に短縮する、パルス化磁場勾配を用いる代替水抑制方法が使用できる。
前記において発明の概要で触れた第四態様は、この技術分野でマジックアングルホッピング(magic angle hopping:MAH)として一般に知られる技術を利用するものである。特に、対象は互いに120°の関係にある3つの前もって定められた位置間でマジックアングル軸の周りに速やかに再配向される(即ち、ホップされる)。この再配向を成し遂げる1つの方法は、生物学的対象をマジックアングルにある軸の周りに3回(例えば、0〜120°、120〜240°および240〜0°、または0〜120°、120〜240°および240〜360°)ホップまたは回転させることである。RF周波数は、バルクの磁化率および残留化学シフト相互作用によって引き起こされた線ブロードニングを実質的に含まない高分解能スペクトルを生成させるようにパルス化することができる。例示MAH技術および付随RFパルスシーケンスは、例えばBax等のCorrelation of Isotropic Shifts and Chemical Shift Anisotropies by Two-Dimensional Fourier-Transform Magic-Angle Hopping NMR Spectroscopy, J. Magn. Reson., 1983; 52: 147;Hu等のImproving the Magic Angle Hopping Experiment, Solid State NMR, 2, 235-243 (1993); およびD. M. GrantおよびR. K. Harris編のEncyclopedia of Magnetic Resonance、New York:John Wiley & Sons社:1996, 2914-2921のHu等のMagic Angle Turning and Hoppingに記載されている。前記の水抑制RFパルスシーケンスもMAH技術との関連で使用できるだろう。
前記において発明の概要で触れた第五態様は、静磁場に垂直な平面中で相矩象状態にあり、そして静磁場成分の振幅よりも21/2倍大きい振幅を持つ静磁場と2つの正弦波場との重ね合わせである回転磁場を利用するものである。特に、3つの相互に垂直な方向に磁場を生成させるために、3つのRFコイル配置が用いられる。コイルの1つに定常電流を、また他の2つのコイルに矩象正弦波AC電流を印加することは、回転磁場を電子的に発生させる。静磁場成分の方向に対して垂直な平面中で回転される、その静磁場成分の振幅の21/2倍である振幅を持つ磁場成分が発生せしめられる。得られる総合磁場は約1〜約100Hz、好ましくは約1〜約10Hzの周波数で回転し、その場合静磁場方向と総合回転磁場との間の角度は約54°44’である。言い換えると、静止対象に関して回転する磁場が作られる。さらに、正弦波場の振幅を静止または静磁場よりも21/2倍大きくすることによって、得られる磁場は所要マジックアングルで回転する。
前記において発明の概要で触れた第八態様は、本明細書に開示される緩速マジックアングルターニング技術を利用することによって質を高めることができるMRI(局所化MRSを含む)法に関する。この例では、生物学的対象も主磁場中でX、YおよびZ方向に勾配を生むことができるパルス化磁場に付される。この方法は、対象全体ではなく生物学的対象の特定の前もって定められた領域または空間に関する核磁気共鳴データを得る能力を与える。
MATをMRIと組み合わせる1つの例は、前記のMATシーケンスをマジック軸の周りに回転している生物学的対象に印加して、その対象と同期的に回転する磁場勾配を発生させ、そしてMATシーケンスの前に体積選択性RF(volume selective RF)および点解像表面分光法(point resolved surface spectroscopy:PRESS)(Bryant等のSpatial Localization Techniques for Human MRS, Biomedical Magnetic Resonance Imaging and Spectroscopy(Young編、Wiley社、New York、pp. 785-791 (2000))を参照されたい)のような勾配パルスを適用することによってNMRスペクトルを得ることを含む。米国特許第4,301,410号明細書は、対象と同期的に回転する磁場勾配を発生させるためのシステムおよび方法について記載する。MRIシーケンスを緩速MATシーケンスと組み合わせる特定の実例が、図14A−14Eおよび図15に描かれている。図14A−14Eは、PASSシーケンスと組み合わされたパルスシーケンスを撮像する色々な例を示す。図15Aおよび15Bは、PHORMATシーケンスを含むパルスシーケンスを示す。
図14Aは、PASSシーケンスと組み合わされた2D撮像用パルスシーケンスを示す。そのπ/2パルスは勾配Gzの存在下で印加されるsinc選択性パルスである。勾配Gx、GyおよびGzは、試料フレーム中でそれら勾配が静的となるように試料の回転と同期回転している。勾配コイルはそれら自体回転することは必要とされない;回転勾配は、回転B0場が電子的に生成せしめられる仕方と同様にコイルを流れるac電流により電子的に得ることができるからである。Gzはローター軸に沿うスライス選択勾配である。Gxはローターのx軸に沿う読出し勾配である。Gyはローターのy軸に沿う位相エンコーディング勾配(phase encoding gradient)である。水抑制には、CHESS シーケンス(Haase等の1H NMR Chemical Shift Selective (CHESS) Imaging, Phys. Med. Biol., 1985; 30: 341-344;Dreher等のChanges in Apparent Diffusion Coefficients of Metabolites in Rat Brain After Middle Cerebral Artery Occlusion Measured by Proton Magnetic Resonance Spectroscopy, Magn. Reson. Med., 2001; 45: 383-389)を用いてDANTEセグメントを置換することができる。
図14Bは、PASSシーケンスを利用する2D化学シフト撮像パルスシーケンスを描いている。図14Aに示される2D-MRI-PASSとの唯一の違いは、読出し勾配Gxが位相エンコーディング勾配で同じ方向に置換されていることである。
図14Cは、PASS法と組み合わされた3D撮像パルスシーケンスの1例を示す。勾配Gx、GyおよびGzは、図14Aに関連して上記で説明されたように、試料フレーム中でそれら勾配が静的となるように試料の回転と同期回転している。Gzは回転軸に沿う位相エンコーディング勾配であり、Gyはローターのy軸に沿う位相エンコーディング勾配であり、そしてGxはローターのx軸に沿う読出し勾配である。水抑制には、CHESS シーケンスを用いてDANTEセグメントを置換することができる。
図14Dは、PASSシーケンスを利用する3D化学シフト撮像パルスシーケンスを図解する。図14Cに示される2D-MRI-PASSとの唯一の違いは、読出し勾配Gxが位相エンコーディング勾配で同じ方向に置換されていることである。
図14Eは、PASSを使用する体積選択局所化磁気共鳴分光法MRSの1例を示す。Gx、GyおよびGzは、図14Aに関連して上記で説明されたように、試料の回転と同期回転している回転勾配である。DANTEシーケンス後に、調整済み励起シーケンス(Ernst等のPrinciples of Nuclear Magnetic Resonance in One and Two Dimensions, Oxford University Press社、New York、1997、p. 557)が、RFスペクトルがジップ(dip)を除いては本質的に白色となるように印加される。同時にx−勾配が印加される。その結果、x−軸に垂直なスライスを除いては全ての体積要素が飽和される。次いで、調整済み励起がy−勾配の存在下で反復される。その結果、y−軸に垂直なチューブだけが飽和されない。最後に、選択性sinc90°パルスがz−勾配の存在下で印加され、従ってある体積が励起される。水抑制には、CHESS シーケンスを用いてDANTEセグメントを置換することができる。
図15Aは、回転勾配を用いる局所化PHORMATを示す。シーケンス(a)はトリガー(b)を含む基本PHORMATシーケンスであって、この場合、位置(I、IIおよびIII)に位置するパルスは、勾配(c)(誘導エコー取得(stimulated echo acquisition:STEAM)シーケンスと類似;J. Frahm等のJ. Magn. Res., 72, 502(1897))を参照されたい)の存在下においてsinc選択性パルスである。黒色パルスは非選択性の90°パルスであり、そして陰影付きパルスは非選択性180°パルスである。‘※’の標識が付けられた勾配は、黒色パルス後に横平面に残される全ての磁化を消失させるために用いられるスポイル勾配(spoil gradients)である。(c)パルス化勾配は対象と同期回転している。従って、Gx、GyおよびGzは、図14Aに関連して上記で説明されたように、対象と同期回転している基準フレーム中では静的である。水抑制には、CHESS シーケンスを用いてDANTEセグメントを置換することができる。
図15Bは、静勾配を使用する局所化PHORMATシーケンスを描いている。シーケンス(a)はトリガー(b)を含む基本PHORMATシーケンスであって、この場合、位置(I、IIおよびIII)に位置するパルスは、勾配パルス(c)の存在場所に印加されたsinc選択性パルスである。黒色パルスは非選択性の90°パルスであり、そして陰影付きパルスは非選択性180°パルスである。この3つのsincパルスは、回転軸(MA)が(d)に図解されるマジックアングルに沿っているとの条件で、試料回転の円の周りに120°で位置せしめられているから、静z−勾配だけを使用することが必要である。‘※’の標識が付けられた勾配は、黒色パルス後に横平面に残される全ての磁化を消失させるために用いられるスポイル勾配である。水抑制には、CHESS シーケンスを用いてDANTEセグメントを置換することができる。
本明細書に開示された方法のパルスシーケンスで利用されるRF線は、この技術分野で知られているMR装置中でRFコイルによって発生させることができる。RFパルスシーケンシングはこの技術分野で公知の技術により発生させてもよい。例えば、最新のNMRおよびMRI分光計は、それらシーケンスを生成させることが可能なパルスプログラマーおよび増幅器を備えている。
開示された方法に基づいて分光写真分析をもたらすデータは、RF線を発生させるために用いられた同じコイルによって、または別途のレシーバーコイルによって集めることができる。集められたデータのグラフとしての図は、例えば最新のNMRおよびMRI分光計に利用できるソフトウエアプログラムのような、この技術分野で公知の技術によってもたらしてもよい。
以下において説明される特定の実施例は例示目的のためのものであって、添付特許請求の範囲を限定するものとは見なすべきでない。
実施例1
試料の調製
C57BI/6Jと交雑された129/SvJマウスの遺伝的突然変異体である4匹のマウスから新鮮な組織を摘出した。使用されたマウスは、過剰の鉄がマウスの規定食中に与えられるならば組織中に過剰の鉄沈着をもたらす単遺伝的突然変異である遺伝性ヘモクロマトーシスを持っている。分析された組織は、これらマウスに与えられた規定食が標準の鉄レベルを有していたので正常であると見なされた。体重20gの55日齢の雄と雌のマウスを頸部転位で死なせ、速やかに組織を取り出し、そして直ちに分析するか(脳および肝臓)、または分析前に2℃で2〜4時間貯蔵した(腎臓、心臓および殿筋)。これらの組織をChemagneticis社から商業的に入手できる外径7.5mm、内径5mmのペンシル型ローターに挿入し、そしてそのローター中央の2つのTEFLON製プラグ間に保持した。実験は全て約25℃で行われた。
結果
1H NMR実験を、Chemagnetics 300 MHz Infinity分光計で、299.982MHzのプロトンラーモア振動数を用いて行った。ドライバーチャンネル中に7.5mmのペンシル型スピナーシステムおよび空気流の制限を備える標準交差分極(CP)/MASプローブが用いられた。こうして、スピニング速度を43〜125Hzのスピニング範囲にわたって約±2Hzの正確度で調節することが可能になった。
図3Aおよび3Bは、新しく摘出されたマウスの脳の静的試料について在来NMR技術に従って水抑制なしで得られたブロッホ減衰1Dスペクトルを示す。実験は組織の摘出後15分以内に行われた。スペクトルは約10度の先端角を持つRFパルスの励起に続いて得られた。パルスの終わりとデータ取得の始まりとの間の遅延は20μsであった。図3Aは静的スペクトルを示し、そして図4Bは倍率32での同じスペクトルを示す。水の線およびかろうじて視認できる一部の代謝産物ピークが識別できる。スペクトル分解能は貧弱である。
図3Cは、43Hzの周波数において、しかし水抑制セグメントおよびMATセグメントを含んでいなかったRFパルスシーケンスを用いてMASを受けたマウスの摘出脳組織の1Dスペクトルを示す。図3Dは対応する32倍倍率のスペクトルを示す。中央バンドの線幅(FWHM)は約13Hzで、これは定常スペクトルの線幅(105Hz)よりも有意に小さい。しかし、代謝産物からのサイドバンド族は互いに重なり合い、また水の共鳴からのSSBsとも重なりあって(図3D)、スペクトルの割り振りを不可能にしている。
図4は、図3におけると同じ脳組織の43Hzの試料スピニング速度で取得された1H 2D-PASSスペクトルのスタックプロット(stacked plot)を示す。この場合、水抑制が用いられた。これは、DANTEパルスシーケンスを水のスペクトルの中央バンドにおいて印加することによって達成された。こうして、中央バンドおよびSSBsに由来する両信号が飽和された。パラメーターnはn番目のサイドバンドを意味し、n=0は中央バンドに相当する。スペクトルは脳を摘出した24分後に取得された。16エボリューション増分が使用され、その各々は96位相増分(phase increments)を有し、その結果取得数は合計1,536となった。再循環遅延時間は2sで、その結果実験時間は約52分となった。1Hπ/2パルス幅は9マイクロセカンドであった。DANTEシーケンスは100μマイクロセカンド離間した4000個のパルスを含み、その各々は1マイクロセカンドであった。図4において、ω2は取得次元を意味し、ω1はエボリューション次元を意味し、そしてωrは角スピニング周波数を意味する。
図5Aは、2D-PASSデータを基準取得(ω2)次元に投影することによって得られた(水抑制)プロトンスペクトルを示す。このスペクトルは43Hzで印加された標準1D実験の結果を反映している。異なる代謝産物からのSSB族が水抑制とさえ重なり合うことに因り、そのような1Dスペクトルは解釈するのが難しい。図5Bおよび5Cは、それぞれn=0の中央バンドスペクトルおよび等方性投影を示す。2D-PASS実験で使用された1つのローター期間の比較的短いT2重みづけ時間(T2 weighting time)(この場合、
Figure 0004177111
)にもかかわらず、脳で観察される線ブロードニングは2D-PASS実験を用いて効率的に除去し得るということを示している印象的なスペクトルの分解が観察される。等方性投影スペクトル(図5C)中の色々な線の相対強度は、色々な線の異方性パターンにおける違いの結果である中央バンドスペクトル(図5B)中における相対強度とは僅かに異なる。また、その等方性スペクトルにおけるスペクトル分解能は中央バンドの分解能よりも僅かに低い。これはスピニング速度の僅かな不安定性に因るもので、それは中央バンドスペクトルにはほとんど影響を及ぼさないが、サイドバンドスペクトル中の線を広げ、サイドバンドの順序と共に増加する。図5Dは、4.3kHzのスピニング速度における標準1D高速MAS実験から得られた脳のスペクトルを示す。その当然の帰結として、はるかに大きいスピニング速度にもかかわらず、スペクトル分解能は、実際は、2D-PASSから得られる中央バンドスペクトルのそれよりも小さい。これは、一部は、後者の実験で用いられた固有23.3msecT2重みづけに因る。これは図5Eに示されるが、ここではπパルス列を印加することによって得られた23msecT2重みづけを用いた後の同じスペクトルが示されている。この場合でも、線の幅は2D-PASSの中央バンドスペクトルにおける幅より約8Hz広く、それぞれN−アセチルアスパルテートおよびクレアチンに由来する2.0および3.0ppmにおける2つの最も狭い共鳴線について明白な相対強度の低下を引き起こしている。この特別のブロードニングは、恐らくは、スピニングで平均されない4.3kHzスピニングによって誘導された、スピニング軸に沿っての増加したB0不均一性によって引き起こされる。高速スピニングは試料をローター壁に押し付けて中央に穴を作り、その結果試料および穴の境界に増加したバルクの磁化率勾配がもたらされる。
図6A、6Bおよび6Cはそのような急速な試料スピニングの影響を例証している。この図において、静的な水の線は、スピニング前(図6A)、43Hzでのスピニング後(図6B)および4.3kHzでのスピニング後(図6C)に示されている。その当然の帰結として、緩速スピニングは線の形状にほとんど影響しないが、高速スピニングに因る試料の変形はひどい線のブロードニングを引き起こすことになる。本発明者は高速スピニング後のローターの再充填は図6Aに示されるのと同様のスペクトルを生じさせ、それは試料の変形がこのブロードニングの原因であることを証明していることを見いだした。従って、高速スピニング実験におけるこの影響を避けるためには、球形試料ホルダー中に密に充填した試料を使用することが必要である。本明細書に説明された方法におけるように緩速試料スピニングを用いることによって、この問題は避けられる。
図7Aおよび7Bは、本明細書に開示された方法に従って80Hzにおいて2D-PASSおよび水抑制を使用(図7A)しての、および4.4kHzにおいて1D-MASおよび水抑制を使用(図7B)してのマウスの心臓についてのスペクトルを示す。図7Cおよび7Dは、本明細書に開示された方法に従って100Hzにおいて2D-PASSおよび水抑制を使用(図7C)しての、および3.3kHzにおいて1D-MASおよび水抑制を使用(図7D)してのマウスの肝臓についてのスペクトルを示す。図7Eおよび7Fは、本明細書に開示された方法に従って125Hzにおいて2D-PASSおよび水抑制を使用(図7E)しての、および4.2kHzにおいて1D-MASおよび水抑制を使用(図7F)してのマウスの殿筋についてのスペクトルを示す。図7Gおよび7Hは、本明細書に開示された方法に従って100Hzにおいて2D-PASSおよび水抑制を使用(図7G)しての、および5.7kHzにおいて1D-MASおよび水抑制を使用(図7H)してのマウスの腎臓についてのスペクトルを示す。図7A−7Fから、心臓、肝臓および殿筋については、緩速MASおよび高速MASの両方法は非常によく似た分解能および強度を持つスペクトルを与えることは明らかである。腎臓(図7Gおよび7H)では、高速スピニングにより得られる線は緩速MASにより得られる線より幾らか広く、そしてそれはそのスピニングによって課される特別の磁化率勾配によって再び引き起こされる可能性がある。
これらの結果は、本明細書に開示された緩速スピニング法は、高速MASにより得られるスペクトル分解能と比較して同様の、およびある場合にはそれより良好でさえあるスペクトル分解能をもたらすことを証明している。
実施例2
試料の調製
以下において説明される実験は、雄のFisher 344ラットから得られた摘出肝細胞について行われた。肝臓は、静的試料について得られたプロトン線が非常に広く、そのため色々な代謝産物の解像が困難または不可能であることが見いだされたので選ばれた。肝臓をラットから取り出すに先だって、ラットをCO2で窒息させることにより死なせた。試料をNMRローターに装入する前に、約200mgの肝臓を小片(大きさ約2mm)に切り分け、そして幾分かは等方性の試料を与えるようにランダムに選んだ一定部分をローターに挿入した。
2つの異なる試料プレパラートを用いた。第一のケースでは、摘出肝臓を切り分け直後にNMRローターに装入した。従って、この試料で得られた結果は、生体内実験で何が期待できるかを指し示すことであろう。第二のケースでは、摘出肝臓は、Bollard等のHigh-Resolution 1H and 1H-13C Magic Angle Spinning NMR Spectroscopy of Rat Liver, Magn. Reson. Med., 2000; 44: 201-207に記載される方法と同じ方法で調製された;即ち、肝臓を生理食塩水で潅流して残留血液を除去し、次いで液体窒素を用いて急速凍結し、そして必要とされるまで−80℃で貯蔵した。また、実際の実験に先立って、その凍結試料をローター中に約19時間保持しておいた。この手順に関連しての試料の分解は、色々な線強度において重大な変化を犠牲にしたにもかかわらず、スペクトル分解能に有意の増加をもたらすことが見いだされた。従って、この試料は、第一のものよりも、色々な実験により得ることができるスペクトルの分解能を比較するより敏感な方法を提供する。肝臓片を外径7.5mm、内径5mmのChemagneticsペンシル型ローター内の2つのテフロン(登録商標)製プラグ間に装填した。ローター内の試料領域中で大きな気泡を避けるために各部をローター中にゆっくり押し込んだ。全ての実験は室温、即ち25℃で行われた。
結果
1H NMR実験を、Chemagnetics 300 MHz Infinity分光計で、299.982MHzのプロトンラーモア振動数を用いて行った。7.5mmのペンシル型スピナーシステムを備える標準Chemagnetics CP/MASプローブが用いられた。低周波数でスピンすることができるようにするために、ローターには平形駆動チップが装備され(即ち、ローターはそれを駆動するために普通使われる溝を含んでいなかった)、かつドライバーチャンネル中で空気流の制限が利用された。スピニング速度は、市販のChemagnetics MAS速度コントローラーを用いて自動コントロールモード下で制御された。ドライバーチャンネル中の空気流の制限を外した後に、かつ平形駆動チップを標準チップで置換することによって5kHzもの高速のスピニング速度に達することができた。
ラットの肝臓に図8に描かれる修正PHORMATシーケンスを印加した。エコー時間(Δ)および再循環遅延時間はそれぞれ50μsおよび1sであった。取得次元(t2)における自由誘導減衰は300複合点(complex points)を含み、そして8kHzのスペクトル幅を持つスペクトルに変換された。2Dデーターは、70msの最大エボリューション時間および1.282kHzのエボリューションスペクトル幅に相当する、増分した700μsの100個のt1ステップを用いて集められた。2Dデータの組は各t1値において合計64スキャンを用いて(+)および(−)PHORMATパルスシーケンスにより取得され、その結果合計測定時間が約3.0時間となった。過複合2Dデータ(hyper-complex 2D data)の組は、Chemagnetics Infinity Spectrometerに関して開発されたマクロ駆動(macro driven)プログラムを使用する、Hu等のMagic-Angle-Turning Experiments for Measuring Chemical-Shift-Tensor Principal Values in Powdered Solids, J. Magn. Reson., 1995: A 113: 210-222に詳述される方法に従って組み立てられていた。パルス幅は9.5μsだった。DANTEシーケンスは、100μsの間隔があけられた、各パルスについて0.8μsのパルス幅を持つ2000RFパルスより成り、その結果15,200度の集積フリップ角および約202msのτ値がもたらされた。
図9Aおよび9Bは、1Hzのスピニング速度で得られた新鮮な肝臓試料の1H PHORMATスペクトルを示す。図9Aは、2Dプロットを、それぞれ等方性F1(t1)次元および異方性F2(t2)次元に沿う投影と共に示す。等方性次元に沿う投影のノイズを低下させるために、スペクトル情報、即ち図9Aに示されるバンド内部の情報を含む2Dプロット中の部分だけを用いた。こうして、信号対雑音比が投影を発生させるために全領域を用いた場合と比較して3〜4倍高められた。F2軸に平行なスライスを作ることによって、各等方性ピークの異方性線形状を別個に決めることができ、その内の9つが図9Bにプロットされている。
図9Aおよび9Bからの当然の帰結として、PHORMATにより実質的な線の狭まりが得られる。例えば、図9Bでの0.9ppmにおけるメチルピークの異方性の線の幅は約150Hzであるが、一方等方性線幅は約15Hzであって、約10の線狭まり倍率が達成されたことを示している。
図10A、10B、10Cおよび10Dは、異なる方法で得られた新鮮な肝臓試料のスペクトルを示す。図10Aは、静的試料で得られたスペクトルと同じであるPHORMAT 2Dスペクトル(図9Aと比較されたい)の異方性(F2)投影を示す。図9Bは等方性投影(F1)としての、図9Aに与えられるPHORMAT 2Dスペクトルの投影を示す。図10Cは、DANTEシーケンスを含み、そして40Hzのスピニング速度で取得された2D-PASSシーケンスによって得られた中央バンドスペクトルを示す。16個のエボリューションステップが取得され、その各々が1.4sの再循環時間を持つ32集積数を有する。図10Dは、間隔が均等にあけられた5つの180°パルスを持つPASSシーケンスを25msの期間中に用いて取得されたDANTEを使用する水抑制と共に4kHzのスピニング速度での匹敵する標準高速MASにより得られたスペクトルを示す。1.4sの再循環遅延時間を持つ32スキャンが用いられた。
その当然の帰結として、PHORMAT、PASSおよび高速MASによって有意の分解能向上が達成された。しかし、40Hzのスピニング速度における2D-PASS(図10C)が最高の分解能を与え、それは高速MAS(図10D)よりも良好でさえある(この場合、追加のB0不均一性ブロードニングがスピニングそれ自体により誘発されている可能性がある)。PASSで観察された線幅と比較して、MASおよびPHORMAT実験における線幅はそれぞれ2Hzおよび5Hz増加されると見積もられる。PHORMATにおけるこの低下したスペクトル分解能は、ローターマーキングにおける誤り、試料充填における残留異方性、短期のスピニング不安定性、および主磁場のドリフト(比較的長い測定時間(3時間)中に磁場のロックは適用されなかった)のような実験上の欠陥に起因するだろう。さらに、増加したブロードニングは、磁化のエボリューションおよび貯蔵時間中の分子の拡散によって引き起こされることもある。
図11A、11B、11Cおよび11Dは、1HzでのPHORMAT(図11A、11B)、40Hzでの2D-PASS(図11C)および4kHzでのMAS(図11D)により得られた、処理および熟成肝臓試料(treated and aged liver sample)の1Hスペクトルを示す。PHORMATの結果は、熟成試料における増加した線の狭まりを調節するためにエボリューション増分の数が倍増されて200とされたことを除いて、図9Aおよび9Bに関するものと同じ実験パラメーターを用いて取得された。2D-PASSの結果は、各エボリューション増分の集積数が64まで増加されていることを除いて、図10Cに関するものと同じ実験パラメーターを用いて取得された。MASの結果は、スキャン数が96まで増加されたことを除いて図10Dに関するものと同じ実験パラメーターを用いて取得された。
この試料で、全ての実験が新鮮な無処理試料におけるよりも有意に高い分解能を持つスペクトルをもたらした。図11Bでは23個超のピークが識別することができ、その内4個が本図で強調されている。これらのピークは、1)コリンメチル、2)ホスホコリンメチル、並びに3)および4)グルコースおよびトリメチルアミン−N−オキシドメチルに対応する。PHORMAT実験の異方性(F2)投影および等方性(F1)投影をそれぞれ示している図11Aおよび11Bからの当然の帰結として、熟成試料においても実質的な線の狭まりがPHORMATにより得られる。例えば、ピーク1−4の平均異方性線幅は約55Hzであるが、一方これらピークの等方性線幅は約4Hzである。従って、この試料では、狭まりの倍率は新鮮試料で得られる倍率10に匹敵するほぼ14である。これらの等方性の幅は、2D-PASS(2Hz)および高速MAS(3Hz)により観察されたものに似通っている。ここでも、2D-PASS(図4C)は新鮮試料で得られた結果と一致する最高分解能を与える。
上記からの当然の帰結として、PHORMATにより実質的なスペクトル分解能の向上を達成することができる。磁化率勾配中での分子の拡散はより低いスピニング速度においてひどい線のブロードニングをもたらすだろうと予期されていたので、上記で詳述した結果は予想外に良好なものである。
以上、本発明の原理を幾つかの好ましい態様を参照して例証し、説明したが、この技術分野の当業者には、本発明は、そのような原理から逸脱しない限り、配置および細部に修正を加えてもよいことは明白であろう。
生物学的対象を主静磁場に関してマジックアングルで回転させている透視図である。 本明細書に開示された方法による2D-PASS RFパルスシーケンスの1つの態様を表す。 図3Aおよび3Bは、マウスの無傷の摘出脳を在来NMR技術および静止試料を用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。図3Cおよび3Dは、マウスの無傷の摘出脳を、緩速MASを用いるが、水抑制セグメントおよびMATセグメントを含まなかったRFパルスシーケンスにより分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。 マウスの無傷の摘出脳を本明細書に開示された方法の1つの態様を用いて分析することによって得られた1H 2D-PASSスペクトルのスタックプロットを示す。 図5A、5Bおよび5Cは、マウスの無傷の摘出脳を本明細書に開示された方法の1つの態様を用いて分析することによって得られた1H 2D-PASSスペクトルを示す。図5Dおよび5Eは、マウスの無傷の摘出脳を従来技術の高速MASを用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。 図6A、6Bおよび6Cは、マウスの無傷の摘出脳を、水抑制セグメントを含まなかったRFパルスシーケンスにより分析することによって得られた静止試料のプロトンスペクトルを示す。 図7A−7Hは、2D-PASSにより得られたマウスの無傷の異なる摘出器官および組織のプロトンスペクトルを示す。 本明細書に開示された方法によるRFパルスシーケンス(PHORMAT)の1つのさらなる態様を表す。 図9Aおよび9Bは、ラットの摘出肝組織を本明細書に開示された方法の1つの態様を用いて分析することによって得られた1H PHORMATスペクトルを示す。 図10A、10Bおよび10Cは、ラットの摘出肝組織を本明細書に開示された方法の態様を用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。図10Dは、ラットの摘出肝組織を高速MASを用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。 図11A、11Bおよび11Cは、ラットの摘出肝組織を本明細書に開示された方法の態様を用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。図11Dは、ラットの摘出肝組織を高速MASを用いて分析することによって得られた1Hスペクトルを示す。 磁場を電子的に回転させるためのRFコイル配置の模式図である。 生物学的対象を静止させておき、そして磁場を機械的に回転させる装置の模式図である。 図14A−14Eは、MRIシーケンスを2D-PASSシーケンスと組み合わせているパルスシーケンスの態様を模式的に表す。 図15Aおよび15Bは、MRIシーケンスをPHORMATシーケンスと組み合わせているパルスシーケンスの態様を模式的に表す。

Claims (18)

  1. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    上記生物学的対象を上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する軸の周りに100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含む上記の方法。
  2. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    磁場が上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する場の方向を有するように、磁場を100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含む上記の方法。
  3. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    上記生物学的対象を上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’のマジックアングルに位置する軸の周りに50Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記主磁場を、上記マジックアングル軸の周りに、50Hz未満の回転周波数で、上記主磁場および生物学的対象が反対の回転方向に同時に回転するように回転させ;
    上記ラジオ周波をスピニングサイドバンドピークを実質的に含まないスペクトルを生じさせることが可能なパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含む上記の方法。
  4. パルスシーケンスが水抑制パルスセグメントをさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. マジックアングルターニングパルスセグメントが2D-PASSシーケンスを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  6. マジックアングルターニングパルスセグメントが位相補正マジックアングルターニングパルスセグメントを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 上記生物学的対象中の原子核によるパルス化ラジオ周波シーケンスに対する応答の磁気共鳴分析を行う工程をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 生物学的対象が10Hz未満の回転周波数で回転せしめられる、請求項に記載の方法。
  9. 生物学的対象が10〜100Hzの回転周波数で回転せしめられる、請求項に記載の方法。
  10. 生物学的対象が液性対象を含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. 回転が、静磁場方向およびある振幅を有する第一成分、並びに各成分が第一成分の静磁場方向に対して垂直な平面に、その第一成分の静磁場の振幅の21/2倍である振幅を持つ正弦波場を有する第二および第三成分を含む主磁場を与え、この場合上記第二および第三成分は上記静磁場方向に対して垂直な平面で100Hz未満の周波数において回転する磁場を生じさせ、その結果として上記第一成分の静磁場方向に関して54°44’の角度にある方向を有する総合磁場がもたらされる工程を含む、請求項に記載の方法。
  12. 回転が、磁石を主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度にある軸の周りに100Hz未満の回転周波数で機械的に回転させる工程を含む、請求項に記載の方法。
  13. 生物学的対象を少なくとも1つのパルス化磁場勾配に付し;パルス化ラジオ周波およびパルス化磁場勾配を空間選択性の核磁気共鳴データを発生させるようにパルス化し;そして生物学的対象中の原子核による上記パルス化ラジオ周波シーケンスに対する応答の磁気共鳴撮像を行う工程をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  14. 生物学的対象が細胞物質を含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  15. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    上記生物学的対象を上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する軸の周りに100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含み、マジックアングルターニングパルスセグメントが 2D-PASS シーケンスを含む上記の方法。
  16. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    上記生物学的対象を上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する軸の周りに100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含み、マジックアングルターニングパルスセグメントが位相補正マジックアングルターニングパルスセグメントを含む上記の方法。
  17. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    磁場が上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する場の方向を有するように、磁場を100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含み、マジックアングルターニングパルスセグメントが 2D-PASS シーケンスを含む上記の方法。
  18. 生物学的対象(ヒトを除く)の磁気共鳴分析を行う方法であって:
    生物学的対象を主磁場の中およびラジオ周波場の中に置き、ここでその主磁場は静磁場方向を有し;
    磁場が上記主磁場の静磁場方向に関して54°44’の角度に位置する場の方向を有するように、磁場を100Hz未満の回転周波数で回転させ;
    上記ラジオ周波をマジックアングルターニングパルスセグメントを含むパルスシーケンスを与えるようにパルス化し;そして
    上記パルス化ラジオ周波によって発生せしめられたデータを集める
    工程を含み、マジックアングルターニングパルスセグメントが位相補正マジックアングル ターニングパルスセグメントを含む上記の方法。
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