JP4175219B2 - データ再生装置及び方法 - Google Patents

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

本発明は、ヘリカルスキャン方式のデータ再生装置及び方法に係り、特に磁気テープ上のトラックそれぞれからのデータ読出しに際し、それらトラックに一様な曲りが生じている場合であっても、それらトラックそれぞれからデータが読出し可能とされたデータ再生装置及び方法に関する。
コンピュータ・データの記録保存用として、例えばヘリカルスキャン方式のデータ記録再生装置、具体的には、磁気テープ記録再生装置が使用されているが、この磁気テープ記録再生装置におけるデータ記録再生方法について説明すれば、以下のようである。
即ち、先ずデータ記録方法から説明すれば、記録ヘッドとその周辺の概要を図15に示す。図示のように、固定ドラム1401上には、回転可能とされた回転ドラム1402が載置されており、その回転ドラム1402下部の外周面にはまた、記録ヘッド1403が取付けされている。実際、記録ヘッド1403は一対設けられているが、他の1個は180度ずれた反対側に設けられている。したがって、図16に示すように、磁気テープ1501が回転ドラム1402及び固定ドラム1401に巻付けされた状態で、回転ドラム1402が一定速度で回転されると同時に、磁気テープ1501が一定速度の走行状態におかれることによって、磁気テープ1501上へのデータ記録が行われる。因みに、図16中、1502,1503はともにテープガイドポストを示す。
一方、データ再生(データ記録が行われる際でのリード・アフター・ライトを含む)に際しては、例えば回転ドラム1402上の、互いに180度ずれた位置に設けられている一対の再生ヘッドそれぞれによりデータの再生が行われる。このデータの再生に際しては、図17に示すように、再生ヘッドはトラック1601それぞれの中央真上を移動通過するように制御される。再生ヘッドの、このような移動軌跡をオントラックと称す。これに反し、図18に示すように、再生ヘッドの移動軌跡がトラックからオフセットしている状態をオフトラックと称す。
図19(A),(B)それぞれにはまた、オントラック状態、オフトラック状態での再生信号エンベロープが示されているが、これからも判るように、オフトラック状態では、再生ヘッドによりトラックはその全幅がトレースされないことから、再生信号の振幅レベルは低下してしまうことになる。
そこで、オフトラックを回避すべく、磁気テープに対しては、トラッキングサーボ(磁気テープ送り位相制御)というサーボをかけて走行させる。そのサーボシステムを図20に示す。図示のように、ドラムモータ1901には一定回転サーボがかけられる一方、ピンチローラ1903とともに、磁気テープ1501を走行させるためのキャプスタンモータ1902には、位相サーボがかけられるようになっている。キャプスタン位相サーボ制御の具体例は、図21に示すようである。図示のように、再生ヘッドの移動軌跡は実線矢印として表示されているが、これから、トラック位相bはオントラック状態にあるが、トラック位相a,cはともにオフトラック状態にあることが判る。したがって、トラック位相a,cそれぞれが、常時、トラック位相bとなるようにするには、再生ヘッドと磁気テープ1501の位相関係がトラック位相bのようになるべく、磁気テープ1501の送り量が調節されればよい。これは、即ち、キャプスタンモータに位相サーボをかけることであり、このようなキャプスタンモータ位相サーボをトラッキングサーボと称す。
位相サーボをかけるには、位相検出が必要となるが、図22(A),(B)にその位相検出方法の一種であるTATF(Timing Auto Track Finding)の原理を示す。図22(A)に示すように、回転ドラム1402には、再生ヘッド2101,2102の他、定回転サーボをかけるためにPGマグネット2104が設けられており、PGマグネット2104が特定回転位相に達する度に、PGセンサ2103からはPGパルスを発生されるようになっている。図22(B)に示すように、磁気テープ1501上のトラック1601それぞれの同一位置にはタイミングマーカ(信号)2108が予め記録されている。その再生ヘッド2101からの再生信号は、ロータリトランス2105、再生回路2109を介しタイミングマーカ検出回路2106で処理されることで、タイミングマーカ信号(タイミング信号パルス)が検出可能となっている。これにより、PGパルス発生時点から、タイミングマーカ信号が検出されるまでの時間長tが時間計測回路2107で測定され得るものである。図22(B)に示すように、トラック1601それぞれの同一位置にタイミングマーカ2108が記録されているにも拘らず、トラック位相a,b,cによって、その時間長tは、ta>tb>tcの関係として得られるものであることが判る。換言すれば、時間長としてtbが得られれば、オントラック状態にあると判断し得るものであり、また、taが得られた場合には、オフトラック状態にあり、再生ヘッド2101に対し磁気テープ1501が進み状態にあると判断し得、tcが得られた場合にはまた、オフトラック状態にあり、再生ヘッド2101に対し磁気テープ1501が遅れ状態にあると判断し得るものである。このような原理により、再生ヘッド2101とトラック1601との間の位相関係が測定可能とされており、tbがオントラックであることが予め判っていれば、t=tbとなるべく、トラッキングサーボをかければよいものである。
ここで、図23(A)〜(C)により時間長ta〜tcが、具体的に如何なる値として得られるかを試算してみれば、AIT3フォーマットより諸条件は以下のようである。
・トラック立ち角=6度
・トラック幅=5.5μm
・θm=θs=30度
・回転ドラム直径=40mm
・回転ドラム回転数=6000rpm=100rps
・タイミングマーカ位置:トラック先頭位置から10度の位置
・aとcのオフトラック:±1μm
したがって、時間長tbはPGパルスの発生時点から10度分、回転するのに要される時間として計算されることから、tb=0.27777777ms(=(1/100rps)×(10度/360度))として得られることになる。また、1μmオフトラックの角度換算値は、0.02727度(=1μm/Tan(6度)/(π×40mm)×360度)として得られ、その時間換算値はまた、758ns(=0.02727度/360度×(1/100rps))として得られるようになっている。よって、ta=0.2785358....ms、tb=0.2777777....ms、tc=0.2770198....msとして得られることになる。
さて、以上の如くに、タイミングマーカがトラックそれぞれの同一位置に記録されているとして、従来技術に係るTATF動作フローについて説明すれば、このTATF動作フローでは、先ずTATF学習が行われ、その後、TATF動作が行われるようになっている。そのTATF学習においては、キャプスタンモータは自由回転(非トラッキング)状態におかれ、したがって、図24に再生ヘッド移動軌跡(実線矢印表示)として示すように、様々なトラック位相状態で、再生ヘッドによりトラック1601がスキャンされることによって、時間長tとエラーレートが測定されるようになっている。但し、再生ヘッドによりトラック1601がスキャンされる度に、タイミングマーカが必ずしも検出されるとは限らないものとなっている。これは、常時、オントラック状態やオントラックに近い状態でトラック1601がスキャンされるとは限らないからである。具体的に、従来技術に係るTATF動作は、以下のようなフローに従って行われている。
スタート

磁気テープの非トラッキングサーボ走行(TATF学習開始)

loopカウンタ=1

loop1:(ドラム回転毎にloopする)
時間長tが測定されるまでwait
同時に、タイミングマーカが属するデータブロックについてのエラー有無も測定
CPUは、時間長tとエラー有無をメモリにストア
loopカウンタ+1

loopカウンタ<10,000ならloop1へジャンプ

CPUはメモリにストアされている、10,000個の「時間長tとエラー有無情報」を集計し、図25に示す時間長―エラーレート関係テーブル2401を得る。また、エラーレートの計算では、エラーレートは、エラー回数/10,000として得る。

ここまでの処理で、t=0.277msの時がオントラックだということが計測できた。
したがって、最適タイミングTは、T=0.277msとして記憶しておく。以上で、TATF学習は完了。

磁気テープのトラッキングサーボ走行への切替え(TATF開始)

loop2:(ドラム回転毎にloopする)
時間長tが測定されるまでwait
T>tならば、再生ヘッドに対し磁気テープが遅れ状態にあるので、キャプスタン位相サーボを進ませる。
T=tならば、オントラックなので、キャプスタン位相サーボを変えない。
T<tならば、再生ヘッドに対し磁気テープが進み状態にあるので、キャプスタン位相サーボを遅らせる。

オペレータから停止要求があるまでloop2へジャンプ
なお、以上のTATF学習が行われている際での「時間長tが測定されるまでwait」処理では、最適タイミングTの値はその概略値が予め知れていることから、あるトラックがスキャンされるに際し、その概略値を一定時間経過しても、なおも、時間長tが測定され得ない場合には、そのトラックについては、「時間長tとエラー有無情報」が得られないまま、次トラックに対するスキャンに備えることになる。時間長tが測定され得ないのは、常時、オントラック状態やオントラックに近い状態でトラックがスキャンされるとは限らないからである。
因みに、特許文献1,2それぞれには、TATFに関連する技術が開示されている。また、特許文献3,4それぞれには、トラック幅方向にヘッドを動かす技術が開示されている。更に、特許文献5では、DT(Dinamic Tracking)サーボのためのトラッキング情報として、パイロット信号が用いられている。
特開平6―96500号公報 特開平7―29256号公報 特開平11―259835号公報 特開平4―78016号公報(特許第2589859号) 特開平6―349156号公報(特許第3036298号)
ところで、以上のTATFによる場合、図26(A)に示すように、トラックに曲りが生じていなければ何等問題は生じないが、図26(B)に示すようなトラック曲りには対処し得なくなる。これは、キャプスタンモータの慣性が大きいので、再生ヘッドが1トラックをスキャンする数msの期間内に、曲り状態にあるトラックに追従させる程の高速応答をさせられないからである。よって、図26(B)に示すような曲りトラックに対しては、TATFは曲りの平均値にしか追従し得ないことになる。
一方、記録容量を大きくすべく、トラック幅が小さくされるに伴い、トラックには無視し得ない曲りが生じるようになっている。この曲りを抑制する努力が続けられてはいるが、未だ必要十分に抑制することは困難となっている。そこで、DTなる手法を利用することが考えられる。このDTによる場合、再生ヘッドをアクチュエータによりトラック幅方向に動かすようにし、トラック曲りに追従させるようなサーボをかけるが、DTサーボのためには、何等かのトラッキング情報(例えば、パイロット信号)が必要となっている。このようなトラッキング情報は非ユーザデータであり、冗長データであるので、大容量化を阻むことになる。因みに、DTに係る技術は、本願出願人により製造されている放送局用機器に対し、既に10年以上前から採用されている。
因みに、データの高密度記録の必要上、トラック幅が小さくされる場合、ある磁気テープ記録再生装置で記録された磁気テープが、この装置で再生されるに際しては、何等問題は生じないが、他の互換性を持った磁気テープ記録再生装置や磁気テープ再生装置で再生される際には、トラック曲りによりデータの再生が不可能となる不具合が見受けられる。この不具合の要因としては、主に、装置それぞれでの回転ドラム自体の機械的仕上り特性が固有とされ、したがって、装置間でその特性が不揃いになるからと考えられている。
本発明の目的は、磁気テープ上のトラックそれぞれからのデータ読出しに際し、それらトラックに一様な曲りが生じている場合であっても、それらトラックそれぞれからデータが読出しされ得る、ヘリカルスキャン方式のデータ再生装置及び方法を提供することにある。
本発明のデータ再生装置は、アクチュエータ先端に取付けられ、該アクチュエータ自体の変位によりトラック幅方向への移動が可能再生ヘッドと、上記磁気テープの非トラッキングサーボ走行状態で、上記トラック上の所定位置に予め分散記録されている複数のタイミングマーカそれぞれが検出されつつ、該タイミングマーカそれぞれについて、上記再生ヘッドが該タイミングマーカの位置においてトラックの略中央をスキャンした際のスキャン開始時点から該タイミングマーカが検出されるまでの時間位置を実オントラック位置として検出する実オントラック位置検出手段と、上記磁気テープのトラッキングサーボ走行状態で、上記実オントラック位置検出手段で検出された上記複数のタイミングマーカそれぞれの実オントラック位置に基づいて、上記トラックがスキャンされる度に、上記複数のタイミングマーカのうち、1以上のタイミングマーカそれぞれに対しては、キャプスタン位相サーボ制御を行、残りのタイミングマーカそれぞれに対しては、上記アクチュエータへの制御電圧の更新制御を行うトラッキング制御手段とを含むようにして、構成されたものである。
トラック上の所定位置に予め分散記録されている複数のタイミングマーカそれぞれの位置は、実オントラック位置検出手段により実オントラック位置として検出されることで、トラックの曲り状態が概略的に知れるようになっている。よって、トラッキング制御手段により磁気テープのトラッキングサーボ走行状態で、トラックがスキャンされる度に、複数のタイミングマーカのうち、1以上のタイミングマーカそれぞれに対しては、スキャン開始時点から該タイミングマーカが検出されるまでの時間と実オントラック位置との大小関係に応じたキャプスタン位相サーボ制御が行われる一方、残りのタイミングマーカそれぞれに対しては、例えば初期制御電圧としてトラック曲りに応じたものが設定されるようにして、アクチュエータへの制御電圧の更新制御が行われる場合には、早期にトラックの曲りに倣いつつ、再生ヘッドによりそのトラックがスキャンされることによって、トラックそれぞれからのデータの読出しが可能となる。
磁気テープ上のトラックそれぞれからのデータ読出しに際し、それらトラックに一様な曲りが生じている場合であっても、それらトラックそれぞれからデータが読出しされ得る、ヘリカルスキャン方式のデータ再生装置及び方法が提供される。
以下、本発明の一実施の形態について、図1から図14により説明する。
先ず本発明によるデータ再生装置により再生される磁気テープ上のトラックについて説明すれば、図1(A),(B)にそれぞれ示すようである。図示のように、トラック1601上には、データ記録の際に予めタイミングマーカ2108−1〜2108−5がほぼ等間隔に分散記録されているが、トラック1601幅が小さくなるに従い、データ再生に際してのトラック1601の形状は、図1(A)に示す如くの形状となるのは稀であり、一般的には、図1(B)に示す如くのS字状曲り形状となり、このような形状のトラック1601上から再生ヘッドによりデータの再生が行われる必要がある。このためには、トラック1601の曲り形状が事前計測により検出される必要があるが、その曲り形状は、PGパルス発生時点から、タイミングマーカ2108−1〜2108−5それぞれについてのオントラック位置までの時間長t1〜t5が計測されることによって、検出可能となっている。因みに、タイミングマーカの数に言及すれば、その数は想定され得る、トラック1601の最大曲り形状に応じて設定されるようになっており、本例では、その数は5として設定されている。
さて、データの再生に先立っては、先ず、以上の如くに、トラック上に分散記録されているタイミングマーカ2108−1〜2108−5それぞれについては、再生信号の振幅が統計的に最大となるような、またはタイミングマーカ2108−1〜2108−5それぞれが属するデータブロックのエラーが統計的に最小となるような、スキャン開始時点(PGパルス発生時点)からの時間位置が実オントラック位置として実オントラック位置検出手段(これの統計処理機能部分は、データ再生制御プログラム上で実現されている。このような事情は、トラッキング制御手段でも同様。)により検出される必要がある。この実オントラック位置を検出するには、スキャン開始時点から、タイミングマーカ2108−1〜2108−5それぞれが検出されるまでの時間t1〜t5を測定するためのタイミング測定回路が必要とされるが、これとその周辺回路(再生回路)を図2に、また、そのタイミング測定回路の一部と周辺の一部の具体的構成を図3に示す。
これら図2,図3についての具体的説明に先立って、タイミングマーカ2108−1〜2108−5について説明すれば、これらタイミングマーカ2108−1〜2108−5としては、トラックフォーマットを構成している多数のデータブロックそれぞれを識別するためのへッダアドレスが利用され得るものとなっている。この利用によりDT用の冗長信号が記録されなくて済まされることになる。一例でのトラックフォーマット(AIT3フォーマット)を図4に示す。これによる場合、プリアンブル301とポストアンブル303との間はデータ領域302とされ、このデータ領域302内には336個のデータブロックが連続的に記録される。個々のデータブロックはまた、ブロックフォーマットとして示すように、4バイト分のブロックシンク(ブロック同期)3021、8バイト分のヘッダ3022及び128バイト分のデータ3023より構成されている。上記するところのヘッダアドレスとは、そのヘッダ3022における先頭9ビット分で示されるアドレス(0〜511)とされる。但し、この場合、1トラック上のデータブロックの数は336個とされていることから、結局、0〜335がヘッダアドレスとして使用され得ることになる。このヘッダアドレス0〜335の中から、何れか5個のヘッダアドレスがタイミングマーカ2108−1〜2108−5として適当に選択されるが、トラック全長に亘って、均等に曲り具合が測定されるためには、例えば、図5にタイミングマーカ―ヘッダアドレス対応関係テーブル401を示すが、このテーブル401で示されているようにして、タイミングマーカとヘッダアドレスとが対応付けされた状態として選択されればよい。
ここで、再び図2,図3に戻り説明を続行すれば、図2に示すように、回転ドラム1402には2個の再生ヘッド2101,2102が取付けされているが、必ずしも2個が必要とはされなく、そのうちの1個のみが使用されても、必要十分となっている。さて、磁気テープ1501の非トラッキングサーボ走行状態で、その1個の再生ヘッド2101によるトラックのスキャン開始と同時に、既述のPGパルスが発生されるようになっている。このPGパルスによりタイミングマーカ2108−1〜2108−5対応に設けられている、タイミング測定回路202内の時間測定回路2022―1〜2022―5それぞれでは、カウンタがリセットされた上、クロック信号(例えば、その周波数は200MHz)をカウントする状態におかれる。一方、スキャン開始により再生ヘッド2101からは再生信号が得られるが、この再生信号はロータリトランス2105を介し再生回路201で処理されることで、再生信号中に含まれているヘッダアドレスが順次、抽出されるようになっている。
その再生回路201の内部構成については後述するが、この再生回路201で順次、抽出されるヘッダアドレスは、タイミングマーカ2108−1〜2108−5対応に設けられているタイミングマーカ検出回路2021―1〜2021―5としての比較回路で事前設定ヘッダアドレス(図4に示すヘッダアドレス)と比較される。この比較の結果、ヘッダアドレスが一致した場合には、タイミングマーカ検出回路2021―1〜2021―5それぞれからはタイミングマーカパルスが得られるが、このパルスにより時間測定回路2022―1〜2022―5としてのカウンタでのカウント動作が停止されるようになっている。因みに、カウンタへのクロック信号の周波数について補足説明すれば、1μmオフトラックの時間換算値が758nsと試算されたので、200MHzで758nsをカウントすれば、152カウントに相当することから、十分な分解能が得られることになる。
さて、以上のようにして、再生ヘッド2101によりトラックがスキャンされる場合、トラックそれぞれには一様な曲りが生じていることから、一般的に、再生ヘッド2101の同一移動軌跡上には、タイミングマーカ2108−1〜2108−5それぞれのオントラック位置が存在しないことになる。換言すれば、スキャンの度に、タイミングマーカ2108−1〜2108−5として事前設定されているヘッダアドレスそれぞれが抽出され得るか否かは不明となっている。この結果、スキャンの度に、事前設定されているヘッダアドレスが全て抽出されるとは限らなく、また、たとえ、あるヘッダアドレスが散発的に抽出されたとしても、抽出されるまでの時間長tとして、様々な値をとり得ることになる。これにより、タイミングマーカ2108−1〜2108−5対応に、図25に示すような時間長―エラーレート関係テーブルが、記録モニタのためのエラーレート情報を既に持っているCPUで作成され得ることになる。もしも、図25に示す時間長―エラーレート関係テーブルがタイミングマーカ2108−1対応のものであるとすれば、時間長tが0.277msでエラーレートが最小となっていることから、エラーレートが最良となるタイミング、即ち、オントラック位置はT1=0.277msであることが判る。他のタイミングマーカ2108−2〜2108−5それぞれについても、同様にして、エラーレートが最良となるタイミングT2〜T5が求められるが、これらタイミングT1〜T5は、後での処理に備えるべく、CPUにより退避記憶される。このような学習方式は、これまでのTATFでも行われており、既知となっている。
ところで、以上の例では、エラーレートが最小となるタイミングが求められているが、そのエラーレートに代わって、再生信号の振幅を評価尺度として用いるようにしてもよい(特許文献2に記載)。このように、オントラックの評価尺度としては、RFエンベロープ信号、即ち、再生信号の振幅が利用される場合であっても、最適なタイミングT1〜T5が求められる。
ここで、再生回路201の構成について、簡単ながら説明すれば、図3に示すように、再生回路201は、再生ヘッド2101からの再生信号を増幅する再生アンプ201−1を始めとして、イコライザ(等化回路)201−2やA/D変換回路201−3、PLL回路201−4、検出回路201−5、ブロックシンク検出回路201−6、18/16変換回路201−7、ヘッダアドレス抽出回路201−8を含むようにして構成されており、再生ヘッド2101からの再生信号からは、ヘッダアドレス抽出回路201−8によりヘッダアドレス0〜511が抽出された上、タイミングマーカ検出回路2021−1〜2021−5それぞれで、事前設定ヘッダアドレスと比較されるようになっている。
さて、遅ればせながら、ここで、トラック幅方向への移動が可能とされている再生ヘッドの構成について説明すれば、図6(A)にその平面状態を、また、図6(B)にその側面状態を、更に、図6(C)に回転ドラムへの取付け状態を示す。これらからも判るように、再生ヘッド2101,2102自体はアクチュエータ(圧電素子)501先端に取付けされているが、そのアクチュエータ501はその表裏に設けられている電極に制御電圧が印加されれば、アクチュエータ501自体がその制御電圧の極性と大きさに応じて変位され、その変位により、図6(B)に示すように、再生ヘッド2101,2102自体は両矢印の方向に移動可能とされている。即ち、図6(C)に示すように、再生ヘッド2101,2102自体がアクチュエータ501の他端を介し回転ドラム1402に取付けされれば、トラック幅方向への移動が可能となっている。
以上のように、既に求められているタイミングT1〜T5に基づき、TDT(Timing Dinamic Tracking)サーボをかける際、アクチュエータ501には所望な制御電圧が順次、印加される必要があるが、そのアクチュエータ501への電圧印加方法を図7に示す。図示のように、CPU601からのディジタル電圧値はD/A変換回路602でアナログ電圧に変換された後、V―F変換回路603で周波数信号に変換されている。更に、その周波数信号はロータリトランス604を介しF―V変換回路605で再びアナログ電圧に変換された上、アクチュエータ501に印加されている。
さて、そのTDTサーボについて説明すれば、T1〜T5に対応する時刻でのアクチュエータ制御電圧はそれぞれ、v1〜v5として定義される。これらv1〜v5の初期制御電圧は任意に設定されてもよいが、トラックに曲りが生じていない場合での理想上のオントラック位置とT1〜T5それぞれとの間の偏差を考慮の上、概略的に設定される場合は、より早期に再生ヘッドはトラックに沿って移動させることが可能となっている。この場合、v1〜v5それぞれの値を大きくすると、再生ヘッド自体はテープ上エッジ方向に動くように、予め取付けされているものとして、初期制御電圧がアクチュエータに印加された後は、ドラム回転毎に更新されるようになっている。この更新をドラム回転番号rで表現すれば、以下のようである。
(数1)
v1(r+1) = v1(r) + 補正値
v2(r+1) = v2(r) + 補正値
v3(r+1) = v3(r) + 補正値
v4(r+1) = v4(r) + 補正値
v5(r+1) = v5(r) + 補正値
即ち、v1に着目すれば、t1がCPUに取込まれた際に、v1は補正値により更新された上、次ドラム回転時でのv1として使用される。このような事情は、v2〜v5についても同様である。CPUによりvは以下のように切替えされるようにして、アクチュエータに制御電圧として印加される。
t1が取込まれたら、v=v1
t2が取込まれたら、v=v2
t3が取込まれたら、v=v3
t4が取込まれたら、v=v4
t5が取込まれたら、v=v5
SWP(ヘッドスイッチングパルス)立上りエッジが出現したら、v=0
したがって、たとえ、v1〜v5の初期制御電圧が全て0Vであったとしても、時間が経過すれば、図8に示すように、変化することになる。
ところで、上記にいう補正値であるが、この補正値は以下の法則により決定されるようになっており、Δvはvを更新するための一定微小電圧とされる。即ち、i番目の時間長tiに対して、
ti>Tiならば、補正値=+Δv(トラックが上にいる)
ti=Tiならば、補正値=±0
ti<Tiならば、補正値=−Δv(トラックが下にいる)
その補正値の符号決定法則について説明すれば、図25を図9と併せて眺めてみれば、時間長tはテープ上エッジ側へのトラック曲りの時に大きくなり、テープ下エッジ側へのトラック曲りの時には小さくなる。したがって、t1>T1の場合は、再生ヘッドから見たトラックはテープ上エッジ側にずれていることを示しており、再生ヘッドもまた、テープ上エッジ側にずらされることが要求されるので、vを大きくすれば補正可能となる。よって、補正値は正値(=+Δv)とされる。また、ti=Tiの場合には、オントラック状態であるので、補正値は0とされる。更に、ti<Tiの場合は、t1>T1の場合とは逆とされ、再生ヘッドから見たトラックがテープ下エッジ側にずれていることを示しており、再生ヘッドもまた、テープ下エッジ側にずらされることが要求されるので、vを小さくすれば補正可能となる。よって、補正値は負値(=−Δv)とされる。したがって、ドラム回転毎に、v2〜v5それぞれが補正されているうちに、やがては、ti=Tiとして、アクチュエータが制御されることになり、2個の再生ヘッドによるデータの再生が可能となるものである。
以上、TDTサーボの基本的動作について説明したが、アクチュエータ、したがって、再生ヘッド自体の可動範囲は可能な限り狭いのが望ましいことは明らかである。そのため、基礎的トラッキングとしてTAFTサーボをかけておけば、アクチュエータの可動範囲は直線性の最大振れ幅以下で済まされることになる。例えば、図10(A),(B)に示すように、タイミングマーカ1についてのオントラック位置T1を目標として、TATFサーボをかけるとすれば、再生ヘッドの移動軌跡は点線表示のようになると期待されるので、オフトラック量は、点線から、各タイミングマーカのトラック幅方向の中点までの距離となる。一般に、トラック曲りは±Xμm以下、というよう製造されるので、例えば、±4μmと仮定すれば、アクチュエータの可動範囲は、±4μmで済まされることになる。このように、TDTサーボに加え、TAFTサーボが併用される場合には、アクチュエータの可動範囲が小さく抑制可能となる。因みに、図10(A),(B)に示す例では、TDTサーボはT1以外のT2〜T5それぞれに対してかけられることになる。
尤も、オントラック位置T1だけではなく、図11に示すように、例えば、T1,T5を目標として、TATFサーボをかけることも可能となっている。この場合には、T1とT5の中間的なトレース位置でTATFがトラッキングすることになり、TDTサーボはT2,T3,T4それぞれに対してかけられることになる。
以上のように、本発明は、いうなれば、大容量化のコア技術として位置付けされ得るものであり、また、トラック曲りに再生ヘッドが追従可能とされているので、機械的精度が良好でなくてもよく、更に、サーボパターンが不要とされているので、それにより記憶容量が減らされなくて済まされることになる。
最後に、TATF技術を利用して、サーボパターンレスでありつつ、トラック曲りに追従したTDTがかけられるようにした、2つの一連のTDT処理フロー例について説明する。先ず最初の例(TDT処理フロー(その1))について説明すれば、以下のようである。
スタート

磁気テープの非トラッキングサーボ走行(TDT学習開始)

loopカウンタ=1

loop1:(ドラム回転毎にloopする)
t1が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−1が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t1とエラー有無をメモリにストア

t2が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−2が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t2とエラー有無をメモリにストア

t3が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−3が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t3とエラー有無をメモリにストア

t4が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−4が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t4とエラー有無をメモリにストア

t5が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−5が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t5とエラー有無をメモリにストア

loopカウンタ+1

loopカウンタ<10000ならloop1へジャンプ

CPUは、メモリにストアされた、「t1とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t2とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t3とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t4とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t5とエラー有無情報」を集計
これにより、図25に示すようなテーブルが5個作成される。

それら5個のテーブルから最適タイミングT1〜T5を決定の上、メモリにストア
T1=t1の最適値
T2=t2の最適値
T3=t3の最適値
T4=t4の最適値
T5=t5の最適値

図12に示すオフトラック量算出テーブルの要領で、オフトラック量を計算
タイミングマーカ2108−2のオフトラック量[μm]={ (T2−(T1+0.0143846×65) }÷758[ns]
タイミングマーカ2108−3のオフトラック量[μm]={ (T3−(T1+0.0143846×131) }÷758[ns]
タイミングマーカ2108−4のオフトラック量[μm]={ (T4−(T1+0.0143846×198) }÷758[ns]
タイミングマーカ2108−5のオフトラック量[μm]={ (T5−(T1+0.0143846×265) }÷758[ns]

図13に示すアクチュエータ制御電圧―アクチュエータ変位量換算テーブルを参照の上、アクチュエータ制御電圧を決定
タイミングマーカ2108−1のアクチュエータ制御電圧:v1=0 (TATFでオントラックさせるため、TDTは不要)
タイミングマーカ2108−2のアクチュエータ制御電圧:v2
タイミングマーカ2108−3のアクチュエータ制御電圧:v3
タイミングマーカ2108−4のアクチュエータ制御電圧:v4
タイミングマーカ2108−5のアクチュエータ制御電圧:v5
(以上でTDT学習は完了)

磁気テープのトラッキングサーボ走行への切替え(TATFとTDT開始)

loop2:(ドラム回転毎にloopする)
トラック先頭で、アクチュエータ制御電圧を0に設定

t1が測定されるまでwait(注)
(TATF)
t1<T1なら、テープが遅れ(図23(B)でのtcに相当)なので、キャプスタン位相サーボを微少量進ませる。
t1=T1なら、オントラック(図23(B)でのtbに相当)なので、キャプスタン位相サーボを変えない。
t1>T1なら、テープが進み(図23(B)でのtaに相当)なので、キャプスタン位相サーボを微少量遅らせる。

(以下TDT)
アクチュエータ制御電圧をv2に設定

t2が測定されるまでwait(注)

アクチュエータ制御電圧をv3に設定

t3が測定されるまでwait(注)

アクチュエータ制御電圧をv4に設定

t4が測定されるまでwait(注)

アクチュエータ制御電圧をv5に設定

t5が測定されるまでwait(注)

オペレータからの停止要求があるまでloop2へジャンプ
因みに、以上の処理の中で、(注)が付されているwait(待ち)処理では、例えば最適タイミングT1や時間長t1の概略値が予め知れていることから、あるトラックがスキャンされるに際し、その概略値を一定時間経過しても、時間長t1が測定され得ない場合には、そのトラックについては、「時間長t1とエラー有無情報」が得られないまま、次処理に進むようにすればよい。時間長t1が測定され得ないのは、常時、オントラック状態やオントラックに近い状態でトラックがスキャンされるとは限らないからである。このような事情は、時間長t2〜t5それぞれが測定される場合にも同様である。このような処理を可能ならしめるには、その概略値からやや遅れた時点でタイムアウト信号を発生させ、このタイムアウト信号によりタイムアウトフラグを立てるようにすればよい。時間長t1〜t5それぞれに対するタイムアウト信号tt01〜tt05の発生タイミングを図14に示す。したがって、CPUでは、時間長t1が測定されるに際し、タイムアウトフラグがまだ設定されていない間では、その時間長t1を測定すべく、待ち状態におかれるが、それが設定された場合には、もはや、時間長t1の測定は不可能と判断の上、次処理に進むようになっている。このような事情は、他の時間長t2〜t5でも同様である。
ここで、図12に示すオフトラック量算出テーブルについて説明すれば、タイミングマーカ1〜5は、トラック上の、図5に示すヘッダアドレス位置に分散記録されており、また、図4に示すように、トラック全長のうち、プリアンブル長とポストアンブル長を差し引いた長さに336個のデータブロックが記録されていることから、1データブロックの長さは、(トラック全長−プリアンブル長−ポストアンブル長)÷336として求められることになる。また、1データブロックを角度換算すれば、1データブロック角度は、(トラック角度−マージン角度)÷336として求められることから、0.517857142度(=(180度−6度)÷336)として求められることになる。更に、1データブロックが再生ヘッドによりスキャンされるのに要する時間を求めれば、1データブロックスキャン時間は、14.3846[μs](=0.517857142度÷360度×(1/100rps))として求められることになる。
以上の計算結果から、オフトラック量算出テーブルを導出し得るものである。このテーブルでは、先ず学習値T1を基点として、タイミングマーカ2108−2〜2108−5それぞれについての理論的な時間位置がタイミング理論値として計算されている。1データブロックスキャンに要される時間が14.3846[μs]であるので、例えばタイミングマーカ2108−1からタイミングマーカ2108−2までの65データブロック分のスキャンに要される時間をT1に加算すれば、T2のタイミング理論値が導出され得るものである。次に、オフトラック量が計算されているが、図23(C)より1μmオフトラックの時間換算が758[ns]に相当することが判っているので、(学習タイミング値−タイミング理論値)÷758[ns]という計算により、オフトラック量が求められるようになっている。
引続き、図13に示すアクチュエータ制御電圧―アクチュエータ変位量換算テーブルについて説明すれば、このテーブルにはアクチュエータ制御電圧とアクチュエータ変位量との関係が示されており、アクチュエータに対しては、オフトラック量算出テーブルで求められたオフトラック量に応じた変位が与えられるべく、このテーブルが参照されることによって、アクチュエータへの制御電圧が決定されるようになっている。
以上、TDT処理フロー(その1)について説明した。しかしながら、このフローには、若干の不具合が見受けられる。というのは、現実上の問題として、磁気テープ自体は周囲温度で伸縮することから、1データブロックスキャン時間は±1%程度、変化してしまう虞があるからである。また、アクチュエータ個々の間には、アクチュエータ制御電圧とアクチュエータ変位量との関係にバラツキがあるからである。更に、アクチュエータドライブ回路では、温度によりDCオフセットが変動してしまうからである。このような不具合が解消されるようにしたものが、以下に示すTDT処理フロー(その2)である。この処理フローは全体的にTDT処理フロー(その1)と類似しているが、その特徴としては、基本的に、オフトラック量算出テーブルやアクチュエータ制御電圧―アクチュエータ変位量換算テーブルが不要とされていることが挙げられる。したがって、このフローでは、ドラム回転毎に微少量、アクチュエータ制御電圧が更新制御されつつ、次第にオントラックさせる点がTDT処理フロー(その1)と異なっている。初期状態でのアクチュエータ制御電圧が任意に設定されるとして、このフローについて説明すれば、以下のようである。
スタート

TDT学習開始
磁気テープの非トラッキングサーボ走行

loopカウンタ=1

loop1:(ドラム回転毎にloopする)
t1が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−1が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t1とエラー有無をメモリにストア

t2が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−2が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t2とエラー有無をメモリにストア

t3が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−3が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t3とエラー有無をメモリにストア

t4が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−4が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t4とエラー有無をメモリにストア

t5が測定されるまでwait(注)
同時に、タイミングマーカ2108−5が属するデータブロックのエラー有無も測定
CPUは、t5とエラー有無をメモリにストア

loopカウンタ+1

loopカウンタ<10000ならloop1へジャンプ

CPUは、メモリにストアされた、「t1とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t2とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t3とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t4とエラー有無情報」を集計
CPUは、メモリにストアされた、「t5とエラー有無情報」を集計
これにより、図25に示すようなテーブルが5個作成される。

それら5個のテーブルから最適タイミングT1〜T5を決定の上、メモリにストア
T1=t1の最適値
T2=t2の最適値
T3=t3の最適値
T4=t4の最適値
T5=t5の最適値
(以上でTDT学習は完了)

磁気テープのトラッキングサーボ走行への切替え(TATFとTDT開始)

loop2:(ドラム回転毎にloopする)
トラック先頭で、アクチュエータ制御電圧を0に設定

t1が測定されるまでwait(注)
(TATF)
t1<T1なら、テープが遅れ(図23(B)でのtcに相当)なので、キャプスタン位相サーボを微少量進ませる。
t1=T1なら、オントラック(図23(B)でのtbに相当)なので、キャプスタン位相サーボを変えない。
t1>T1なら、テープが進み(図23(B)でのtaに相当)なので、キャプスタン位相サーボを微少量遅らせる。

(以下TDT)
アクチュエータ制御電圧をv2に設定

t2が測定されるまでwait(注)
t2>T2なら、トラックが上にいる(図9に示すtcに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v2を微少量上げる(v2=v2+Δv)。
t2=T2なら、オントラックなので(図9に示すtbに相当)、アクチュエータ制御電圧v2を変えない(v2=v2)。
t2<T2なら、トラックが下にいる(図9に示すtaに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v2を微少量下げる(v2=v2-Δv)。

アクチュエータ制御電圧をv3に設定

t3が測定されるまでwait(注)
t3>T3なら、トラックが上にいる(図9に示すtcに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v3を微少量上げる(v3=v3+Δv)。
t3=T3なら、オントラックなので(図9に示すtbに相当)、アクチュエータ制御電圧v3を変えない(v3=v3)。
t3<T3なら、トラックが下にいる(図9に示すtaに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v3を微少量下げる(v3=v3-Δv)。

アクチュエータ制御電圧をv4に設定

t4が測定されるまでwait(注)
t4>T4なら、トラックが上にいる(図9に示すtcに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v4を微少量上げる(v4=v4+Δv)。
t4=T4なら、オントラックなので(図9に示すtbに相当)、アクチュエータ制御電圧v4を変えない(v4=v4)。
t4<T4なら、トラックが下にいる(図9に示すtaに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v4を微少量下げる(v4=v4-Δv)。

アクチュエータ制御電圧をv5に設定

t5が測定されるまでwait(注)
t5>T5なら、トラックが上にいる(図9に示すtcに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v5を微少量上げる(v5=v5+Δv)。
t5=T5なら、オントラックなので(図9に示すtbに相当)、アクチュエータ制御電圧v5を変えない(v5=v5)。
t5<T5なら、トラックが下にいる(図9に示すtaに相当)ので、アクチュエータ制御電圧v5を微少量下げる(v5=v5-Δv)。

オペレータから停止要求があるまでloop2へジャンプ
以上、TDT処理フロー(その2)について説明したが、以上の処理の中で、(注)が付されているwait(待ち)処理では、TDT処理フロー(その1)の場合と同様に処理されるようになっている。また、タイミングマーカ1にTATF技術が適用されているが、タイミングマーカ1以外のものに適用されてもよく、更には、2以上のタイミングマーカに適用することも可能となっている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき、具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明に係る、トラックの曲り形状の検出方法を説明するための図である。 トラック上に分散記録されているタイミングマーカそれぞれが検出されるまでの時間長を測定するためのタイミング測定回路とその周辺の構成を示す図である。 そのタイミング測定回路の一部と周辺の一部の具体的構成を示す図である。 磁気テープ上におけるトラックの一例でのフォーマットを示す図である。 タイミングマーカ―ヘッダアドレス対応関係テーブルを示す図である。 トラック幅方向への移動が可能とされている再生ヘッドの構成を示す図である。 再生ヘッドを先端に取付けしてなるアクチュエータへの制御電圧印加方法を説明するための図である。 TDTサーボをかける際での、アクチュエータへの制御電圧の切替えタイミングを示す図である。 アクチュエータへの制御電圧の更新方法を説明するための図である。 TDTサーボがかけられる際に、再生ヘッド自体の可動範囲を狭める方法を説明するための図である。 同じく、TDTサーボがかけられる際に、再生ヘッド自体の可動範囲を狭める方法を説明するための図である。 オフトラック量算出テーブルを示す図である。 アクチュエータ制御電圧―アクチュエータ変位量換算テーブルを示す図である。 時間長測定処理を強制終了させるタイムアウト信号の発生タイミングを示す図である。 ヘリカルスキャン方式の磁気テープ記録再生装置一般における記録ヘッドとその周辺の概要を示す図である。 その装置における固定ドラム及び回転ドラムへの磁気テープ巻付け状態を示す図である。 磁気テープ上のトラックに対する再生ヘッドのオントラック状態での移動軌跡を示す図である。 磁気テープ上のトラックに対する再生ヘッドのオフトラック状態での移動軌跡を示す図である。 オントラック状態、オフトラック状態での再生信号エンベロープを示す図である。 磁気テープに対するトラッキングサーボシステムを示す図である。 テープ送り位相制御としてのトラッキングサーボを説明するための図である。 位相検出方法の一種であるTATFの原理を説明するための図である。 PGパルス発生時点からタイミングマーカ検出までの時間長の試算を説明するための図である。 非トラッキング状態での再生ヘッド移動軌跡を示す図である。 時間長―エラーレート関係テーブルを示す図である。 曲りトラックに対しては、TATFが対処し得ないことを説明するための図である。
符号の説明
1501…磁気テープ、1601…トラック、2101…再生ヘッド、501…アクチュエータ、2103…PGセンサ、2104…PGマグネット、201…再生回路、202…タイミング測定回路、601…CPU,602…D/A変換回路、603…V―F変換回路、605…F―V変換回路、2108−1〜2108−5…タイミングマーカ

Claims (10)

  1. 磁気テープ上のトラックそれぞれからデータ読出ヘリカルスキャン方式のデータ再生装置であって
    クチュエータ先端に取付けられ、該アクチュエータ自体の変位によりトラック幅方向への移動が可能再生ヘッドと、
    上記磁気テープの非トラッキングサーボ走行状態で、上記トラック上の所定位置に予め分散記録されている複数のタイミングマーカそれぞれが検出されつつ、該タイミングマーカそれぞれについて、上記再生ヘッドが該タイミングマーカの位置においてトラックの略中央をスキャンした際のスキャン開始時点から該タイミングマーカが検出されるまでの時間位置を実オントラック位置として検出する実オントラック位置検出手段と、
    上記磁気テープのトラッキングサーボ走行状態で、上記実オントラック位置検出手段で検出された上記複数のタイミングマーカそれぞれの実オントラック位置に基づいて、上記トラックがスキャンされる度に、上記複数のタイミングマーカのうち、1以上のタイミングマーカそれぞれに対しては、キャプスタン位相サーボ制御を行、残りのタイミングマーカそれぞれに対しては、上記アクチュエータへの制御電圧の更新制御を行うトラッキング制御手段と
    を含むデータ再生装置。
  2. 請求項1記載のデータ再生装置において、
    次スキャンに備えるべく、上記残りのタイミングマーカが順次、検出される度に、該タイミングマーカのスキャン開始時点から検出されるまでの時間と実オントラック位置との大小関係に応じて、上記制御電圧は一定微小電圧分、更新設定される
    データ再生装置。
  3. 請求項2記載のデータ再生装置において、
    上記制御電圧の初期値は、任意に設定される
    データ再生装置。
  4. 請求項1記載のデータ再生装置において、
    上記複数のタイミングマーカは、ほぼ等間隔にトラック上に記録されている
    データ再生装置。
  5. 請求項4記載のデータ再生装置において、
    上記タイミングマーカは、トラックフォーマットを構成している多数のデータブロックそれぞれを識別するためのヘッダアドレス群の中から選択される
    データ再生装置。
  6. 磁気テープ上のトラックそれぞれからのデータ読出しに際し、アクチュエータ自体の変位によりトラック幅方向への移動が可能な再生ヘッドによりデータを読出すヘリカルスキャン方式のデータ再生装置におけるデータ再生方法であって、
    上記磁気テープの非トラッキングサーボ走行状態で、上記トラック上の所定位置に予め分散記録されている複数のタイミングマーカそれぞれが検出されつつ、該タイミングマーカそれぞれについて、上記再生ヘッドが該タイミングマーカの位置においてトラックの略中央をスキャンした際のスキャン開始時点から該タイミングマーカが検出されるまでの時間位置を実オントラック位置として検出する実オントラック位置検出ステップと、
    上記磁気テープのトラッキングサーボ走行状態で、上記実オントラック位置検出ステップで検出された上記複数のタイミングマーカそれぞれの実オントラック位置に基づいて、上記トラックがスキャンされる度に、上記複数のタイミングマーカのうち、1以上のタイミングマーカそれぞれに対しては、キャプスタン位相サーボ制御を行、残りのタイミングマーカそれぞれに対しては、上記アクチュエータへの制御電圧の更新制御を行うトラッキング制御ステップと
    を含むデータ再生方法。
  7. 請求項6記載のデータ再生方法において、
    上記トラッキング制御ステップでは、次スキャンに備えるべく、上記残りのタイミングマーカが順次、検出される度に、該タイミングマーカのスキャン開始時点から検出されるまでの時間と実オントラック位置との大小関係に応じて、上記制御電圧は一定微小電圧分、更新設定される
    データ再生方法。
  8. 請求項7記載のデータ再生方法において、
    上記制御電圧の初期値は、任意に設定される
    データ再生方法。
  9. 請求項6記載のデータ再生方法において、
    上記複数のタイミングマーカは、ほぼ等間隔にトラック上に記録されている
    データ再生方法。
  10. 請求項9記載のデータ再生方法において、
    上記タイミングマーカは、トラックフォーマットを構成している多数のデータブロックそれぞれを識別するためのヘッダアドレス群の中から選択される
    データ再生方法。
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