JP4175122B2 - Toner manufacturing method and toner - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーの製造方法およびトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては、多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成する工程(露光工程)と、該潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、紙等の転写材にトナー画像を転写する転写工程と、定着ローラを用いた加熱、加圧等により、前記トナー画像を定着する工程とを有している。
このような電子写真法で用いられるトナーの製造方法としては、粉砕法、重合法が用いられている。
【0003】
粉砕法は、主成分である樹脂(以下、単に「樹脂」ともいう。)と、着色剤とを含む原料を、樹脂の軟化点以上の温度で混練して混練物を得、その後、前記混練物を冷却、粉砕する方法である(例えば、特許文献1参照)。このような粉砕法は、原料の選択の幅が広く、比較的容易にトナーを製造することができる点で優れている。しかしながら、粉砕法で得られるトナーは、各粒子間での形状のバラツキが大きく、その粒径分布も広くなりやすいという欠点を有している。その結果、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが大きくなり、トナー全体としての信頼性が低下する。また、分級により、粒径をそろえた場合であっても、各トナー粒子間での形状のバラツキを十分に解消するのは困難である。また、トナーの製造に、互いに相溶性・分散性に劣る成分を用いた場合、得られる各トナー粒子間での組成・特性のバラツキが大きくなり、トナー全体としての信頼性が低下する。また、生産性を考慮すると小粒径化に限界がある。
【0004】
重合法は、樹脂の構成成分である単量体を用いて、液相中等で、重合反応を行い、目的とする樹脂を生成することにより、トナー粒子を製造するものである。このような重合法は、得られるトナー粒子の形状を、比較的真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることができ、小粒径化が可能であるという点で優れている。しかしながら、重合法では、途中で反応を停止させる必要があり、各粒子間で粒径のバラツキを十分に小さくすることができない場合がある。また、このような重合法では、通常、重合性単量体を分散させる水性媒体との界面的特性を利用することにより、得られる粒子の大きさを整えているが、このような界面的特性を利用する場合、通常、水性媒体中に、界面活性剤等の薬剤を添加することが必須となる。その結果、得られるトナーは、これらの薬剤の影響を受け、電気的特性(帯電特性)や耐湿性等の耐環境性に劣るものになる場合がある。また、重合法では、工程上の制約から樹脂材料の選択の幅が狭く、目的とする特性のトナーを得るのが困難となる場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−30259号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供すること、また、このようなトナーを製造することができるトナーの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ、前記分散媒を除去することにより、固化させて粒状とする、トナーの製造方法であって、
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液の微粒子が前記固化部内において固化する際に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供することができる。
【0011】
本発明のトナーの製造方法では、噴射される前記分散液を、ほぼ一方向に流れ前記外添剤が含まれるガス流中に放出するのが好ましい。
これにより、固化部内において、微粒子状の分散液(トナー母粒子)を効率良く搬送することができ、トナーの生産性が向上する。また、微粒子状の分散液から、分散媒を効率良く除去することができる。
【0016】
また、複数個の噴射部から、前記微粒子化された前記分散液を噴射し、
複数個の前記噴射部のうち、少なくとも隣り合う2つからの前記分散液の噴射タイミングをずらすのが好ましい。
これにより、隣接する噴射部から吐出された分散液の微粒子同士が、固化する前に衝突し、凝集するのをより効果的に防止することができる。また、トナーの生産性が向上する。
【0017】
また、前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、前記分散液を噴射するのが好ましい。
これにより、固化部の内面に、分散液、トナー粒子、トナー母粒子等が、付着するのを効果的に防止することができる。
【0020】
また、前記共沸混合物は、少なくとも水を含む、水系の共沸混合物であるのが好ましい。
これにより、外添剤をトナー母粒子の表面付近に、より確実に担持させることができる。
また、前記分散媒は、水とアルコール系物質とを含むものであるのが好ましい。
これにより、分散液の微粒子から分散媒をより効率良く除去することができるとともに、分散媒の回収性にも優れる。
【0021】
また、前記分散媒中における、前記水と前記アルコール系物質との含有量の比率は、重量比で、3:97〜95:5であるのが好ましい。
これにより、分散媒の除去の効率が特に優れたものとなるとともに、除去された分散媒を好適に再利用することができる。
【0030】
また、前記分散液は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであるのが好ましい。
これにより、得られるトナーは、特に機械的ストレスに強く、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すものとなる。
【0036】
また、本発明は、上記の方法により製造されたことを特徴とするトナーであり、
主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであることを特徴とするトナーに関する。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーが得られる。また、トナーは、特に機械的ストレスに強く、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すものとなる。
【0037】
また、トナー中に、主として前記結晶性ブロックにより形成された結晶を有するものであるのが好ましい。
これにより、トナーの物理的安定性が特に優れたものになる。また、これにより、外添剤をトナー母粒子の表面付近に確実に担持することができるため、外添剤の含有量が比較的少ない場合であっても、外添剤としての機能を十分に発揮させることができる。
【0038】
また、前記結晶の平均長さが10〜1000nmであるのが好ましい。
これにより、トナーの物理的安定性が特に優れたものになるとともに、外添剤をトナー母粒子の表面付近により確実に担持することが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトナーの製造方法およびトナーの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明のトナーの製造方法について説明する。
図1は、分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図、図3は、軟化点解析用フローチャート、図4は、本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図5は、微粒子として噴射された分散液とトナー母粒子と、トナー粒子との大きさの関係を模式的に示す図、図6は、分散液を微粒子として噴射するノズルの好適な実施形態を示す断面図、図7、図8および図9は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図10は、図9に示すノズルの要部拡大断面図、図11は、図10に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図、図12は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図13は、図12に示すガス剥離凹部の平面図、図14は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図15は、トナー中に含まれるトナー粒子から遊離した酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
【0040】
[分散液]
まず、本発明で用いる分散液3について説明する。本発明のトナーは、分散液3を用いて製造されるものである。分散液3は、分散媒32中に分散質(分散相)31が微分散した構成となっている。
【0041】
<分散媒>
分散媒32は、後述する分散質31を分散可能なものである。
特に、本発明では、分散媒として、少なくとも、共沸混合物(最低沸点共沸混合物)を形成し得る2種以上の成分を含むものを用いる点に特徴を有する。これにより、後述するトナー製造装置の固化部等において、分散媒32を効率良く除去することが可能となる。また、後述するトナー製造装置の固化部等において、比較的低い温度で分散媒32を除去することが可能となり、得られるトナー粒子4の特性の劣化をより効果的に防止できる。
【0042】
このように、分散媒32は、共沸混合物(最低沸点共沸混合物)を形成し得る2種以上の成分(以下単に、「共沸混合物の構成成分」とも言う。)を含むものであればいかなるものであってもよいが、少なくとも水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)を含むものであるのが好ましい。これにより、例えば、分散媒32中における分散質31の分散性を高めることができ、分散液3中における分散質31を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの小さいものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子4を、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度が比較的大きいものとすることができる。
共沸混合物は、少なくとも(共沸混合物の構成成分としての)水を含む水系の共沸混合物と、共沸混合物を形成する成分としての水を含まない非水系の共沸混合物とに大別される。
【0043】
水系の共沸混合物において、水と共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系物質、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系物質、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール、2−メトキシエタノール等のエーテル系物質、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル等のハロゲン化物、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン、フルフリルアルコール、クロロベンゼン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、アニリン、フェノール、アニソール、安息香酸エチル等の芳香族系物質、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、酪酸メチル等のエステル系物質、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系物質、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の炭化水素系物質、メチルシクロヘキセン、イソプレン、アリルアルコール、アクリロニトリル等のアルケン系(オレフィン)物質、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系物質、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系物質、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアルデヒド等のアクリル系物質や二硫化炭素等が挙げられる。
ところで、共沸混合物としては、2種の成分からなる(2種の成分のみの組合せで共沸混合物を形成し得る)2成分系の共沸混合物と、3種以上の成分からなる(2種の成分のみの組合せでは共沸混合物を形成し得ない)多成分系の共沸混合物とが挙げられる。
上記の「水と共沸混合物を形成し得る成分」の中でも、特に、水との間で2成分系の共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、アクリルアルデヒド、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、アセチルアセトン、アニソール、アニリン、安息香酸エチル、エタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、オクタン、ギ酸、クロロベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ジデカン、トリメチルアミン、トルエン、ナフタレン、ニトロエタン、ピリジン、フェノール、1−ブタノール、2−ブタノール、フルフリルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、ヘキサン、ヘキシルアミン、1−ヘプタノール、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ベンゼン、1−ペンタノール、2−ペンタノール、メタクリル酸メチル、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、酪酸メチル等が挙げられる。
また、水との間で3成分系の共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、アセトン、イソプレン、二硫化炭素、アセトニトリル、ベンゼン、アリルアルコール、ヘキサン、イソブチルアルコール、ギ酸イソブチル、クロロ酢酸イソブチル、酢酸イソブチル、ジブチルエーテル、エタノール、クロロ酢酸エチル、酢酸エチル、トリエチルアミン、メチルシクロヘキサン、エチルメチルケトン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、ニトロメタン、オクタン、1−ブタノール、クロロ酢酸ブチル、2−ブタノール、へプタン、t−ブチルアルコール、シクロヘキサン、1−プロパノール、ジプロピルエーテル、2−プロパノール、酢酸イソプロピル、3−メチル−1−ブタノール、酢酸イソペンチル、2−メトキシエタノール、エチルベンゼン等が挙げられる。
【0044】
また、非水系の共沸混合物を形成し得る成分の組合せとしては、例えば、チオフェン/シクロヘキサン、チオフェン/2,3−ジメチルペンタン、チオフェン/2,4−ジメチルペンタン、チオフェン/ヘキサン、チオフェン/ヘプタン、チオフェン/メチルシクロペンタン、アセトン/イソプレン、アセトン/イソペンタン、アセトン/塩化プロピル、アセトン/酢酸メチル、アセトン/ジイソプロピルエーテル、アセトン/ジエチルアミン、アセトン/シクロヘキサン、アセトン/シクロペンタン、アセトン/2,3−ジメチルブタン、アセトン/ヘキサン、アセトン/ペンタン、アセトン/メチルシクロペンタン、メタノール/アクリロニトリル、メタノール/アセトニトリル、メタノール/アセトン、メタノール/イソペンタン、メタノール/メチルエチルケトン、メタノール/ジエチルアミン、メタノール/シクロヘキサン、メタノール/テトラクロロエチレン、メタノール/テトラヒドロフラン、メタノール/トルエン、メタノール/ベンゼン、エタノール/アクリル酸エチル、エタノール/アクリル酸メチル、エタノール/エチルプロピルエーテル、エタノール/塩化イソブチル、エタノール/塩化ブチル、エタノール/塩化t−ブチル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/チオフェン、エタノール/トルエン、エタノール/ベンゼン、クロロホルム/メタノール/アセトン、ギ酸メチル/ジエチルエーテル/ペンタン、ギ酸メチル/臭化エチル/イソペンタン、メタノール/酢酸メチル/シクロヘキサン、メタノール/臭化エチル/2−メチル−2−ブテンエタノール/ベンゼン/シクロヘキサン、エタノール/ベンゼン/ヘプタン、1−プロパノール/ベンゼン/シクロヘキサン、2−プロパノール/酢酸エチル/シクロヘキサン、2−プロパノール/ベンゼン/シクロヘキサン、1−ブタノール/ベンゼン/シクロヘキサン、イソブチルアルコール/ベンゼン/シクロヘキサン等が挙げられる。
特に、本発明においては、分散媒32は、上記のような共沸混合物の中でも、水系の共沸混合物の構成成分を含むものであるのが好ましい。
【0045】
また、水系の共沸混合物の中でも、水とアルコール系物質とを含むものが特に好ましい。アルコール系物質は、一般に水との相溶性に優れている。このため、分散媒32として、水とアルコール系物質とを含むものを用いることにより、より均一な分散液3を容易に得ることができる。また、アルコール系物質は、取扱い性に優れ(安全性に優れ、適度な揮発性、優れた回収性を有し)、かつ、比較的安価であるため、トナーの生産性の向上、生産コストの削減等に寄与することができる。また、上記のようなアルコール系物質は、万一、最終的に得られるトナー中に残留したとしても、トナーの特性に悪影響を与え難い。
【0046】
分散媒32が水とアルコール系物質とを含むものである場合、これらの比率は、重量比で、3:97〜95:5であるのが好ましく、4:96〜85:15であるのがより好ましい。これにより、固化温度(乾燥固化温度)を下げることが可能となり、トナー特性の劣化をより効果的に防止することができる。また、後述するトナー製造装置の固化部における、分散媒32の除去の効率が特に優れたものとなるとともに、除去された分散媒32を好適に再利用することができる。
【0047】
また、分散媒32の沸点(雰囲気圧が1気圧での気液平衡温度)は、特に限定されないが、180℃以下であるのが好ましく、130℃以下であるのがより好ましく、30〜100℃であるのがさらに好ましい。このように、分散媒32の沸点が比較的低いものであると、後述するトナー製造装置の固化部等において、分散媒32を比較的容易に除去することが可能となる。また、分散媒32としてこのような材料を用いることにより、最終的に得られるトナー粒子4中における分散媒32の残留量を特に少ないものにすることができる。その結果トナーとしての信頼性がさらに高まる。
【0048】
また、分散媒32中には、共沸混合物を形成し得る成分以外の成分が含まれていてもよい。例えば、分散媒32中には、共沸混合物を形成し得ない成分(例えば、分散媒が非水系の共沸混合物の構成成分を含む場合における水等)を含むものであってもよい。また、分散媒32中には、後に分散質31の構成成分として例示する材料や、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等の各種添加剤等が含まれていてもよい。
【0049】
<分散質>
分散質31は、通常、少なくとも、主成分としての樹脂(または樹脂の前駆体)を含む材料で構成されている。
以下、分散質31の構成材料について説明する。
1.樹脂(バインダー樹脂)
樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、樹脂としては、ポリエステル系樹脂を含むものが特に好ましい。これにより、最終的に得られるトナーの弾性率、帯電性等の特性を、比較的容易に制御することができる。
【0050】
一般に、ポリエステル系樹脂は、アルコール成分(2個以上の水酸基を有するものを含む)とカルボン酸成分(2価以上のカルボン酸またはその誘導体等を含む)で構成されるものである。
アルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、またはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の水酸基を3個以上有する多価アルコール類等が挙げられる。
【0051】
カルボン酸成分としては、例えば、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができ、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、ポリエステル系樹脂は、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0052】
ところで、ポリエステル系樹脂は、非架橋型ポリエステルと、架橋型ポリエステルとに大別できる。
非架橋型ポリエステルは、前述したモノマー成分の中でも、アルコール成分として水酸基を2個有するジオール成分を用い、カルボン酸成分として2価のジカルボン酸成分を用いることにより容易に得ることができる。
【0053】
一方、架橋型ポリエステルは、例えば、水酸基を3個以上有するアルコール成分および/または3価以上のカルボン酸成分を用いることにより得ることができる。また、架橋型ポリエステルは、例えば、水酸基以外の官能基(架橋構造を形成し得る官能基)を有するジオール成分および/またはカルボキシル基以外の官能基(架橋構造を形成し得る官能基)を有するジカルボン酸を用いても、得ることができる。
【0054】
本発明では、樹脂成分としていかなるものを用いてもよいが、以下に説明する、「1−1.架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステル」、「1−2.ブロックポリエステルと非晶性ポリエステル」のように、少なくとも2種の樹脂成分を組み合わせて用いるのが好ましい。以下、これらの組合せについて、それぞれ詳細に説明する。
【0055】
1−1.架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステル
1−1−1.架橋型ポリエステル
架橋型ポリエステルは、架橋構造を有している。このため、架橋型ポリエステルは、一般に、三次元の架橋構造を有するため、応力に対する安定性に優れている。このため、架橋型ポリエステルは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。したがって、架橋型ポリエステルが含まれることにより、トナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、耐オフセット性に優れたものとなる。
【0056】
前述したように、架橋型ポリエステルは、例えば、水酸基を3個以上有するアルコール成分および/または3価以上のカルボン酸成分を用いることにより得ることができる。また、架橋型ポリエステルは、例えば、水酸基以外の官能基(架橋構造を形成し得る官能基)を有するジオール成分および/またはカルボキシル基以外の官能基(架橋構造を形成し得る官能基)を有するジカルボン酸を用いても、得ることができる。
【0057】
以下、架橋型ポリエステルを構成する成分について説明する。
架橋型ポリエステルを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、またはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の水酸基を3個以上有する多価アルコール類等が挙げられる。
【0058】
また、架橋型ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、例えば、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができ、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等の2価のジカルボン酸類、またはトリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等の3価以上の多価カルボン酸類等が挙げられる。
なお、架橋型ポリエステルは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0059】
架橋型ポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、1×10〜5×10であるのが好ましく、1.2×10〜1×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、弾性が強くなりトナーの定着が困難になるとともに、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、表面性が悪くなる可能性がある。また、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、定着に要する熱量も大きくなる。
【0060】
架橋型ポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜90℃であるのが好ましく、55〜80℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性が低下する。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0061】
架橋型ポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、100〜180℃であるのが好ましく、105〜150℃であるのがより好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。なお、軟化点T1/2は、例えば、フローテスタを用い、サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で測定したときに得られる、図3に示すような解析用フローチャートのh/2に相当するフロー曲線上の点の温度として求めることができる。
【0062】
1−1−2.非架橋型ポリエステル
非架橋型ポリエステルは、一般に摩擦係数が小さい。したがって、非架橋型ポリエステルを用いることにより、特に優れた離型性、転写効率のトナーを得ることができる。
前述したように、非架橋型ポリエステルは、前述したモノマー成分の中でも、アルコール成分として水酸基を2個有するジオール成分を用い、カルボン酸成分として2価のジカルボン酸成分を用いることにより好適に得ることができる。
【0063】
以下、非架橋型ポリエステルを構成する成分について説明する。
非架橋型ポリエステルを構成する2個の水酸基を有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0064】
また、非架橋型ポリエステルを構成する2価のジカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、非架橋型ポリエステルは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0065】
非架橋型ポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、5×10〜4×10であるのが好ましく、8×10〜2.5×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0066】
非架橋型ポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜90℃であるのが好ましく、55〜80℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性や平滑性が低下する。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0067】
非架橋型ポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、80〜180℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜130℃であるのがさらに好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーとしての保存性が低下し、十分な耐久性が得られない可能性がある。また、軟化点が低すぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性、平滑性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0068】
また、非架橋型ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]、前述した架橋型ポリエステルの軟化点をT1/2(B)としたとき、T1/2(B)>(T1/2(A)+10)の関係を満足するのが好ましく、(T1/2(A)+20)<T1/2(B)<(T1/2(A)+50)の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、例えば、比較的高い温度において、架橋型ポリエステルがトナー粒子の形状の安定性をある程度確保しつつ、非架橋型ポリエステルが十分に軟化することができる。これにより、トナーの定着温度付近での、トナー粒子の粘度を比較的低いものとし、かつ、トナーの応力緩和時間を長くすることができる。その結果、本発明のトナーを、定着ローラを有する定着装置(特に後述するような定着装置)で用いた場合における定着性を、特に優れたものにすることができる。また、上記のような関係を満足することにより、トナーはより幅広い温度領域において、優れた定着性を発揮することができる。また、上記のような関係を満足することにより、後述するトナー製造装置M1の固化部M3において噴射された分散液3の微粒子(液滴9)から分散媒32が除去される際に、凝集する分散質31−分散質31間の結合力を特に高いものとすることができる。
なお、軟化点T1/2は、例えば、前述したような方法により求めることができる。
【0069】
以上説明したように、架橋型ポリエステルと、非架橋型ポリエステルとを併用した場合、前述したような、架橋型ポリエステルが有する特長と、非架橋型ポリエステルが有する特長とを両立することができる。これにより、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く(十分な物理的安定性を有し)、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することが可能なものとなる。
【0070】
架橋型ポリエステルと、非架橋型ポリエステルとの配合比は、重量比で5:95〜80:20であるのが好ましく、10:90〜60:40であるのがより好ましい。架橋型ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、前述したような相乗効果が十分に発揮されず、トナーの耐オフセット性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。一方、非架橋型ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、前述したような相乗効果が十分に発揮されず、十分な低温定着性が得られない可能性がある。また、非架橋型ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、例えば、分散液3中における分散質31の分散性を十分に高めるのが困難となる場合がある。また、分散液3の調製に混練物K7を用いる場合においては、分散液の調製に用いる混練物K7を効率良く、細く、均一な大きさに粉砕するのが困難となる。
【0071】
また、上述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを組み合わせて用いる場合であっても、さらに、樹脂成分(バインダー樹脂)として、これら以外の成分(第3の樹脂成分)を併用してもよい。
架橋型ポリエステルおよび非架橋型ポリエステル以外の樹脂成分(第3の樹脂成分)としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂(前述した架橋型ポリエステル、非架橋型ポリエステルとは異なるもの)、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
1−2.ブロックポリエステルと非晶性ポリエステル
1−2−1.ブロックポリエステル
ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するブロック共重合体で構成されたものである。
【0073】
▲1▼結晶性ブロック
結晶性ブロックは、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて、高い結晶性を有している。すなわち、分子配列構造が、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて強固で安定したものである。このため、結晶性ブロックは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、保存性に優れたものとなる。
【0074】
ところで、結晶性の高い樹脂は、一般に、結晶性の低い樹脂に比べて、いわゆるシャープメルト性を有している。すなわち、結晶性の高い樹脂は、示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定を行ったとき、結晶性の低い樹脂に比べて、吸熱ピークがシャープな形状として現れる性質を有している。
一方、結晶性ブロックは、上述したように、結晶性の高いものである。したがって、結晶性ブロックは、ブロックポリエステルにシャープメルト性を付与する機能を有する。このため、最終的に得られるトナーは、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化するような、比較的高い温度(ブロックポリエステルの融点付近の温度)においても、優れた形状の安定性を保持することができる。したがって、このようなブロックポリエステルを用いた場合には、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することができる。
また、このような結晶性ブロックを有することにより、トナー中に、高硬度で適度な大きさの結晶を析出させることができる。このような結晶が存在すると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。また、このような結晶がトナー中に存在すると、後述するような外添剤2が、トナー粒子(トナー母粒子)の表面付近に、より確実に保持されることとなり(外添剤2がトナー母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、外添剤が有する機能(例えば、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)を十分に発揮させることができる。
【0075】
以下、結晶性ブロックを構成する成分について説明する。
結晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオール成分であるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられ、芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAや、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0076】
このように、結晶性ブロックを構成するジオール成分は、特に限定されないが、少なくともその一部が脂肪族ジオールであるのが好ましく、その80mol%以上が脂肪族ジオールであるのがより好ましく、その90mol%以上が脂肪族ジオールであるのがさらに好ましい。これにより、ブロックポリエステル(結晶性ブロック)の結晶性を特に高いものとすることができ、上述した効果がさらに顕著なものとなる。
【0077】
また、結晶性ブロックを構成するジオール成分は、炭素数が3〜7の直鎖状の分子構造を有し、その両端に水酸基を有するもの(一般式:HO−(CH−OHで表されるジオール(ただし、n=3〜7))を含むのが好ましい。このようなジオール成分が含まれることにより、結晶性が向上し、摩擦係数が低下するため、機械的ストレスに強く、耐久性や保存性に特に優れたものとなる。このようなジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられるが、この中でも1,4−ブタンジオールが好ましい。1,4−ブタンジオールを含むことにより、前述した効果は特に顕著なものとなる。
【0078】
結晶性ブロックを構成するジオール成分として1,4−ブタンジオールを含む場合、結晶性ブロックを構成するジオールの50mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがより好ましく、その80mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0079】
結晶性ブロックを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のジカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のジカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0080】
このように、結晶性ブロックを構成するジカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その50mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがさらに好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。
【0081】
ブロックポリエステル中における結晶性ブロックの含有率は、特に限定されないが、5〜60mol%であるのが好ましく、10〜40mol%であるのがより好ましい。結晶性ブロックの含有率が前記下限値未満であると、ブロックポリエステルの含有量等によっては、上述したような結晶性ブロックを有することによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、結晶性ブロックの含有率が前記上限値を超えると、相対的に非晶性ブロックの含有率が低下するため、ブロックポリエステルと、後述する非晶性ポリエステルとの相溶性が低下する可能性がある。
なお、結晶ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0082】
▲2▼非晶性ブロック
非晶性ブロックは、前述した結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。また、後述する非晶性ポリエステルも、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。すなわち、非晶性ブロックは、後述する非晶性ポリエステルと同様に、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。
ところで、ブレンド樹脂においては、一般に、結晶性が大きく異なる樹脂同士は相溶し難く、結晶性の差が小さい樹脂同士は相溶し易い。したがって、ブロックポリエステルが非晶性ブロックを有することにより、ブロックポリエステルと、後述する非晶性ポリエステルとの相溶性(分散性)が高まる。その結果、最終的に得られるトナーにおいて、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとが、相分離(特に、マクロ相分離)するのを効果的に防止することができ、ブロックポリエステルの利点と非晶性ポリエステルの利点とを十分かつ安定的に発揮させることができる。
【0083】
以下、非晶性ブロックを構成する成分について説明する。
非晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオールであるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられ、芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0084】
このように、非晶性ブロックを構成するアルコール成分は、特に限定されないが、少なくともその一部が脂肪族ジオールであるのが好ましく、その50mol%以上が脂肪族ジオールであるのがより好ましい。これにより、より靱性に優れた(耐折り曲げ性に優れた)定着画像が得られるという効果が得られる。
また、非晶性ブロックを構成するジオール成分は、少なくともその一部が分岐鎖(側鎖)を有するものであるのが好ましく、その30mol%以上が分岐鎖を有するものであるのがよりに好ましい。これにより、規則配列を抑制し、結晶性を低下させ、透明性も向上するという効果が得られる。
【0085】
非晶性ブロックを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のジカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のジカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0086】
このように、非晶性ブロックを構成するジカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。
なお、非晶性ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0087】
上記のような結晶性ブロック、非晶性ブロックを有するブロックポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、1×10〜3×10であるのが好ましく、1.2×10〜1.5×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0088】
ブロックポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜75℃であるのが好ましく、55〜70℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性や透明性が低下する。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0089】
ブロックポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、90〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーとしての保存性が低下し、十分な耐久性が得られない可能性がある。また、軟化点が低すぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。なお、軟化点T1/2は、例えば、前述したような方法により求めることができる。
【0090】
ブロックポリエステルの融点T(後述する示差走査式熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値Tmp)は、特に限定されないが、190℃以上であるのが好ましく、190〜230℃であるのがより好ましい。融点Tがこのような値であると、高粘度下で着色剤を分散させることができ、トナーの着色力や透明性、帯電性、耐久性(耐フィルミング性)、生産性(粉砕性)等を向上させるために必要な着色剤の高分散化を容易に達成することができる。これに対し、融点が190℃未満であると、耐オフセット性の向上等の効果が十分に得られない可能性がある。また、融点が高すぎると、後述する混練工程等において、材料温度を比較的高い温度にしなければならなくなる。その結果、樹脂材料のエステル交換反応が進行しやすくなり、樹脂設計を最終的に得られるトナーに十分に反映させることが困難になる場合がある。なお、融点は、例えば、示差走査熱量分析(DSC)による吸熱ピークの測定により求めることができる。
【0091】
また、最終的に得られるトナーが、後述するような定着ローラを有する定着装置で用いられるものである場合、ブロックポリエステルの融点(後述する示差走査式熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値Tmp)をT(B)[℃]、定着ローラの表面の標準設定温度をTfix[℃]としたとき、Tfix≦T(B)≦(Tfix+100)の関係を満足するのが好ましく、(Tfix+10)≦T(B)≦(Tfix+70)の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、後述するような定着装置の定着ローラへのトナーの付着を効果的に防止することができる。また、ブロックポリエステルは、前述したように適度な大きさの結晶を作りやすい性質を有しているため、記録媒体へのトナーの定着後にも、安定性、耐久性を維持することができる。特に、ブロックポリエステルを後述する非晶性ポリエステルと組み合わせて用いる場合、定着時に、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化することができる。このため、記録媒体へのトナーの定着性(定着強度)を十分に高めることができ、さらに、トナーの低温定着性も優れたものとなる。また、ブロックポリエステルは、高硬度な結晶を作りやすいものであるため、トナーは、定着後の安定性にも優れたものとなる。
【0092】
また、ブロックポリエステルの融点は、後述する非晶性ポリエステルの軟化点より高いのが好ましい。これにより、最終的に得られるトナーの形状の安定性が向上し、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。
ところで、前述したように、ブロックポリエステルは、結晶性の高い結晶性ブロックを有しているため、比較的結晶性の低い樹脂材料(例えば、後述する非晶性ポリエステル等)に比べて、いわゆるシャープメルト性を有している。
【0093】
結晶性を表す指標としては、例えば、示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値をTmp[℃]、ショルダーピーク値をTms[℃]としたときに、ΔT=Tmp−Tmsで表されるΔT値等が挙げられる(図2参照)。このΔT値が小さいほど結晶性が高い。
ブロックポリエステルのΔT値は、50℃以下であるのが好ましく、20℃以下であるのがより好ましい。Tmp[℃]、Tms[℃]の測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温して測定することができる。
また、ブロックポリエステルは、後述する非晶性ポリエステルより結晶性が高い。したがって、非晶性ポリエステルのΔT値をΔT[℃]、ブロックポリエステルのΔT値をΔT[℃]としたとき、ΔT>ΔTの関係を満足する。特に、本発明では、ΔT−ΔT>10の関係を満足するのが好ましく、ΔT−ΔT>30の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上述した効果はより顕著なものとなる。ただし、非晶性ポリエステルの結晶性が特に低い場合、TmpまたはTmsの少なくとも一方が測定困難(判別困難)であることがある。このような場合、ΔTは∞[℃]とする。
【0094】
ブロックポリエステルは示差走査熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときに求められる融解熱Eが5mJ/mg以上であるのが好ましく、15mJ/mg以上であるのがより好ましい。融解熱Eが5mJ/mg未満であると、結晶性ブロックを有することによる前述したような効果が十分に発揮されない可能性がある。ただし、融解熱としては、ガラス転移点の吸熱ピークの熱量は含まないものとする(図2参照)。融点の吸熱ピークの測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温したときに測定される値を融解熱として求めることことができる。
【0095】
また、ブロックポリエステルは、非架橋型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。非架橋型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
なお、ブロックポリエステルは、前述した結晶性ブロック、非晶性ブロック以外のブロックを有するものであってもよい。
【0096】
1−2.非晶性ポリエステル
非晶性ポリエステルは、前述したブロックポリエステルより低い結晶性を有するものである。
【0097】
非晶性ポリエステルは、主として、トナーを構成する各成分(例えば、後述するような着色剤、ワックス、帯電防止剤等)の分散性や、トナー製造時における混練物の粉砕性、トナーの定着性(特に、低温定着性)、透明性、機械的特性(例えば、弾性、機械的強度等)、帯電性、耐湿性等の機能を向上させるのに寄与する成分である。言い換えると、以下で詳述するような非晶性ポリエステルがトナー中に含まれないと、前記のようなトナーとして求められる特性を十分に発揮するのが困難となる場合がある。
【0098】
以下、非晶性ポリエステルを構成する成分について説明する。
非晶性ポリエステルを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオールであるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0099】
非晶性ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のジカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のジカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0100】
このように、非晶性ポリエステルを構成するジカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましく、その90mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがさらに好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。
【0101】
また、非晶性ポリエステルを構成するモノマー成分は、その50mol%以上(より好ましくは、80mol%以上)が、前述した非晶性ブロックを構成するモノマー成分と同一であるのが好ましい。すなわち、非晶性ポリエステルは、非晶性ブロックと同様のモノマー成分で構成されたものであるのが好ましい。これにより、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの相溶性が、特に優れたものとなる。ただし、ここでの「モノマー成分」は、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステルの製造に用いるモノマーを指すものではなく、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステル中に含まれるモノマー成分のことを指す。
なお、非晶性ポリエステルは、上記のようなジオール成分、ジカルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0102】
非晶性ポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、5×10〜4×10であるのが好ましく、8×10〜2.5×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0103】
非晶性ポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜75℃であるのが好ましく、55〜70℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性や透明性が低下する。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0104】
非晶性ポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、90〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜130℃であるのがさらに好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーとしての保存性が低下し、十分な耐久性が得られない可能性がある。また、軟化点が低すぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0105】
また、非晶性ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]、前述したブロックポリエステルの融点をT(B)としたとき、T(B)>(T1/2(A)+60)の関係を満足するのが好ましく、(T1/2(A)+60)<T(B)<(T1/2(A)+150)の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、例えば、比較的高い温度において、ブロックポリエステルがトナー粒子の形状の安定性をある程度確保しつつ、非晶性ポリエステルが十分に軟化することができる。これにより、トナーの定着温度付近での、トナー粒子の粘度を比較的低いものとし、かつ、トナーの応力緩和時間を長くすることができる。その結果、本発明のトナーを、定着ローラを有する定着装置(特に後述するような定着装置)で用いた場合における定着性を、特に優れたものにすることができる。また、上記のような関係を満足することにより、トナーはより幅広い温度領域において、優れた定着性を発揮することができる。また、上記のような関係を満足することにより、後述するトナー製造装置M1の固化部M3において噴射された分散液3の微粒子(液滴9)から分散媒32が除去される際に、凝集する分散質31−分散質31間の結合力を特に高いものとすることができる。
【0106】
なお、軟化点T1/2は、例えば、前述したような方法により求めることができる。
また、非晶性ポリエステルは、非架橋型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。非架橋型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
【0107】
以上説明したように、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用した場合、前述したような、ブロックポリエステルが有する特長と、非晶性ポリエステルが有する特長とを両立することができる。これにより、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く(十分な物理的安定性を有し)、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することが可能なものとなる。
【0108】
ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとの配合比は、重量比で5:95〜45:55であるのが好ましく、10:90〜30:70であるのがより好ましい。ブロックポリエステルの配合比が低くなりすぎると、前述したような相乗効果が十分に発揮されず、トナーの耐オフセット性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。一方、非晶性ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、前述したような相乗効果が十分に発揮されず、十分な低温定着性や透明性が得られない可能性がある。また、非晶性ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、例えば、分散液3の微粒子(液滴9)を固化する際における分散質31の凝集性(結合力)を十分に高めるのが困難となる場合がある。また、分散液3の調製に混練物K7を用いる場合においては、分散液3の調製に用いる混練物K7を効率良く、均一な大きさに粉砕するのが困難となる。
【0109】
また、上述したブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを組み合わせて用いる場合であっても、さらに、樹脂成分(バインダー樹脂)として、これら以外の成分(第3の樹脂成分)を併用してもよい。
ブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステル以外の樹脂成分(第3の樹脂成分)としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂(前述したブロックポリエステル、非晶性ポリエステルとは異なるもの)、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0110】
分散質31中における樹脂の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。樹脂の含有量が前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーにおいて、樹脂が有する機能(例えば、幅広い温度領域での良好な定着性等)が十分に発揮されない可能性がある。一方、樹脂の含有量が前記上限値を超えると、着色剤等の樹脂以外の成分の含有量が相対的に低下し、発色等のトナーの特性を十分に発揮するのが困難となる。
【0111】
なお、上記の説明では、分散質31中に樹脂が含まれるものとして説明したが、分散質31中には樹脂そのものが含まれていなくてもよい。例えば、分散質31中には、樹脂の代わりに、その前駆体(例えば、前記樹脂材料に対応するモノマー、ダイマー、オリゴマー等)が含まれていてもよい。この場合、後述するトナー製造装置の固化部等において、前駆体の重合反応を進行させること等により、前記前駆体に対応する樹脂材料を含むトナー粒子を得ることができる。
【0112】
2.溶媒
分散質31中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、分散液3(液滴9)中における分散質31の流動性を高めることができ、分散液3中における分散質31を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの小さいものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子4は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度が比較的大きいものとなる。
【0113】
溶媒としては、分散質31を構成する成分の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述するようなトナー製造装置の固化部等において、容易に除去されるものであるのが好ましい。
また、溶媒は、前述した分散媒32との相溶性が低いもの(例えば、25℃における分散媒100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、分散液3(液滴9)中において、分散質31を安定した状態で微分散させることができる。
【0114】
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂の組成(例えば、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比率、ブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステルの平均分子量、構成モノマー等)や、着色剤の組成、分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
例えば、溶媒としては、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルテトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。この中でも特に、有機溶媒を含むものであるのが好ましく、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、芳香族複素環化合物系溶媒、アミド系溶媒、ハロゲン化合物系溶媒、エステル系溶媒、アミン系溶媒、ニトリル系溶媒、ニトロ系溶媒、アルデヒド系溶媒等から選択される1種または2種以上を含むものであるのがより好ましい。このような溶媒を用いることにより、分散質31中において、比較的容易に、前述したような各成分を十分均一に分散させることができる。
【0115】
また、分散液3中には、通常、着色剤が含まれている。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような着色剤は、通常、分散液3(液滴9)においては、分散質31中に含まれる。
【0116】
分散液3中における着色剤の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10wt%であるのが好ましく、0.3〜3.0wt%であるのがより好ましい。着色剤の含有量が前記下限値未満であると、着色剤の種類によっては、十分な濃度の可視像を形成するのが困難になる可能性がある。一方、着色剤の含有量が前記上限値を超えると、最終的に得られるトナーの定着特性や帯電特性が低下する可能性がある。
【0117】
また、分散液3中には、ワックスが含まれていてもよい。ワックスは、通常、離型性を向上させる目的等で用いられるものである。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0118】
また、樹脂(バインダー樹脂)として前述したようなポリエステル樹脂(架橋型ポリエステル、非架橋型ポリエステル、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステル等)を用いる場合には、前記材料の中でも、特にエステル系ワックス(例えばカルナウバワックスやライスワックス等)を用いるのが好ましい。これにより、下記のような効果が得られる。
【0119】
エステル系ワックスは、ポリエステル樹脂と同様に、分子内にエステル構造を有しており、ポリエステル樹脂との相溶性に優れる。このため、最終的に得られるトナー粒子中における遊離ワックスの発生、粗大化を防止することができる(トナー中でのワックスの微分散やミクロ相分離を容易に達成できる)。その結果、最終的に得られるトナーは、定着ローラとの離型性が特に優れたものとなる。
【0120】
ワックスの融点Tは、特に限定されないが、30〜160℃であるのが好ましく、50〜100℃であるのがより好ましい。なお、例えば、示差走査熱量分析(DSC)により、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温する条件での測定から、融点Tと融解熱とを求めることができる。
【0121】
また、例えば、前述したワックス以外にも、ワックス効果を付与できる成分として比較的融点の低いポリエステル(以下、「低融点ポリエステル」とも言う)を用いることができる。低融点ポリエステルの融点Tは、例えば、70〜90℃程度であるのが好ましい。また、低融点ポリエステルの重量平均分子量Mwは、3500〜6500程度であるのが好ましい。また、低融点ポリエステルは、脂肪族モノマーの重合体であるのが好ましい。低融点ポリエステルが、このような条件(少なくとも1つ、好ましくは2つ以上)を満足するものであると、前述したバインダー樹脂(例えば、架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むもの、または、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)との相溶性が特に優れたものになるとともに、トナーの耐久性を阻害せずにトナーの離型性を向上させることができる。また、融点が比較的低いことにより、低温定着性を向上させることができる。
【0122】
分散液3中におけるワックス(低融点ポリエステルを含む)の含有量は、特に限定されないが、3.0wt%以下であるのが好ましく、0.5wt%以下であるのがより好ましい。ワックスの含有量が多すぎると、最終的に得られるトナー粒子中において、ワックスが遊離、粗大化して、トナー粒子表面へのワックスのしみ出し等が顕著に起こり、トナーの転写効率が低下する傾向を示す。
【0123】
また、分散液3中には、これら以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、乳化分散剤、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。この中でも、乳化分散剤を用いた場合、例えば、分散液3(液滴9)中における分散質31の分散性を向上させることが可能となる。ここで、乳化分散剤としては、例えば、乳化剤、分散剤、分散助剤等が挙げられる。
【0124】
分散剤としては、例えば、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。この中でも、非イオン性有機分散剤またはアニオン性有機分散剤が特に好ましい。
【0125】
分散液3中における分散剤の含有量は、特に限定されないが、3.0wt%以下であるのが好ましく、0.01〜1.0wt%であるのがより好ましい。
また、分散助剤としては、例えば、アニオン、カチオン、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。分散液3が分散剤を含むものである場合、分散液3中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
【0126】
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
【0127】
また、分散液3中には、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等が添加されていてもよい。
また、分散液3中には、分散質31以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、分散液3中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
【0128】
分散液3では、分散質31が分散媒32中に微分散した状態となっている。
分散液3中における分散質31の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜10μmであるのが好ましく、0.1〜1.0μmであるのがより好ましい。分散質31の平均粒径がこのような範囲の値であると、最終的に得られるトナー粒子4は、十分に円形度が高く、各粒子間での特性、形状の均一性に優れたものとなる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
【0129】
分散液3中における分散質31の含有量は、特に限定されないが、1〜99wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。分散質31の含有量が前記下限値未満であると、最終的に得られるトナー粒子4の円形度が低下する傾向を示す。また、分散質31の含有量が少なすぎると、相対的に分散媒32の含有量が多くなるため、分散媒32の除去に要する時間が長くなり、トナーの生産性が低下するとともに、各トナー粒子間での組成のバラツキが大きくなる傾向を示す。一方、分散質31の含有量が前記上限値を超えると、分散媒32の組成等によっては、分散液3の粘性が高くなり、最終的に得られるトナー粒子4の形状、大きさのバラツキが大きくなる傾向を示す。
【0130】
また、分散媒32中に分散している分散質31は、例えば、各粒子間で、異なる組成を有するものであってもよいが、ほぼ同一の組成を有するものであるのが好ましい。分散質31が、各粒子間で、異なる組成を有するものである場合、例えば、分散液3は、分散質31として、主として樹脂材料で構成されたものと、主としてワックスで構成されたものとを含むようなものであってもよい。
【0131】
このような分散液3は、分散質31が固体であるもの、すなわち、サスペンションであるのが好ましい。これにより、分散質内部(トナー粒子内部)に分散媒が残留するのを効果的に防止することができ、結果として、トナーの保存性等が向上し、また定着後の異臭等の発生も防止できる。
また、分散液3中における分散質31の平均粒径をDm[μm]、トナー粒子4の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.005≦Dm/Dt≦0.5の関係を満足するのが好ましく、0.01≦Dm/Dt≦0.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、各粒子間での、形状、大きさのバラツキが特に小さいトナーを得ることができる。
【0132】
ところで、従来の混練粉砕法では、混練時間・混練強度等を最適化し、所望の均一分散性をもつ混練物を得たとしても、粉砕工程において、割れやすい部位から粉砕され、組成変動等が発生し易くなる。その結果、得られる各トナー粒子間での組成・特性のバラツキが特に大きくなり、トナー全体としての信頼性が低下する。
これに対し、本発明では、前記のような分散液(均一性の高い分散液)を液滴(微粒子)として噴射し、これを固化させる点に特徴を有する。これにより、得られるトナーは、各粒子間での組成・特性のバラツキが小さく、全体としての信頼性に優れたものとなる。
【0133】
以上説明したような分散液3は、例えば、以下のようにして調製することができる。
まず、水および、水との間で共沸混合物を形成し得る成分を含む液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、トナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調整する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。
【0134】
次に、攪拌した状態の水性溶液中に、上記樹脂液を、攪拌しながら徐々に加えていく(滴下する)ことにより、水性の分散媒32中に、樹脂材料を含む分散質31が分散した分散液3が得られる。このような方法で、分散液3を調製することにより、分散液3(液滴9)中における分散質31の円形度をさらに高めることができる。その結果、トナー粒子4は、円形度が十分に高く、各粒子間での形状のバラツキが特に小さいものとなる。なお、樹脂液の滴下を行う際、水性溶液および/または樹脂液を加熱しておいてもよい。また、樹脂液の調製に溶媒を用いた場合、例えば、上記のような滴下を行った後に、得られた分散液3を加熱したり、減圧雰囲気下に置くことにより、分散質31中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去してもよい。
【0135】
以上、分散液3の調製方法の一例について説明したが、分散液3はこのような方法により調整されたものに限定されない。例えば、分散液3は、以下のような方法によっても、調製することができる。
まず、水および、水との間で共沸混合物を形成し得る成分を含む液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、樹脂材料を含む、粉末状または粒状の材料を用意する。
次に、この粉末状または粒状の材料を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に投入していくことにより、水性の分散媒32中に、樹脂材料を含む分散質31が分散した分散液3が得られる。なお、前記材料を投入する際、例えば、水性溶液を加熱しておいてもよい。
【0136】
また、分散液3は、以下のような方法によっても、調製することができる。
まず、少なくとも樹脂材料を分散してなる樹脂分散液と、少なくとも着色剤を分散してなる着色剤分散液とを調整する。
次に、樹脂分散液と、着色剤分散液とを混合・攪拌する。このとき、必要に応じて、攪拌しながら無機金属塩等の凝集剤を加えてもよい。
所定時間、攪拌することにより、樹脂材料、着色剤等が適度な大きさに凝集した凝集体が形成される。その結果、前記凝集体が分散質31として分散した分散液3が得られる。
【0137】
また、分散液3の調製には、例えば、前述したようなトナーの構成材料(例えば、樹脂、着色剤、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等)の少なくとも一部を含む原料K5を混練することにより得られた混練物K7を用いてもよい。例えば、前述した樹脂液、粉末状または粒状の材料、樹脂分散液として、混練物K7を用いてもよい。分散液3の調製に混練物K7を用いることにより、原料中に相溶性の低い成分(樹脂成分やその他の成分等)や分散性の低い成分(樹脂成分やその他の成分等)等が含まれる場合であっても、このような成分を十分に相溶化、微分散させること等が可能になり、分散液3(液滴9)における分散質31の分散性を特に優れたものとすることができる。したがって、最終的に得られるトナーにおいても、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さくなる。その結果、得られるトナーは、全体としての特性、信頼性が特に優れたものとなる。
【0138】
以下、トナーの構成材料の少なくとも一部を含む原料K5を用いて、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
【0139】
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述した各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
本実施形態では、混練機として、2軸混練押出機を用いる構成について説明する。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
【0140】
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7が得られる。
【0141】
また、プロセス部K2の全長をL[m]、スクリューK23の径をD[m]としたとき、L/Dは、5〜60であるのが好ましく、10〜45であるのがより好ましい。L/Dが下限値未満であると、例えば、バインダー樹脂として2種以上の成分を含むもの(例えば、前述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むものや、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)を用いた場合に、各成分を十分に相溶化させることが困難となる場合がある。一方、L/Dが上限値を超えると、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られるトナーの物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
【0142】
また、プロセス部K2は、長手方向に所定の長さを有する第1の領域K25と、該第1の領域K25よりヘッド部K3側に設けられた第2の領域K26とを有する。すなわち、原料K5は、第1の領域K25を通過した後に、第2の領域K26に送り込まれる。
第1の領域K25の内部温度は、第2の領域K26より高く設定されている。すなわち、言い換えると、プロセス部K2の内部を搬送される原料K5は、第1の領域K25を通過するときの温度のほうが、第2の領域K26を通過するときの温度よりも高くなっている。
【0143】
このように、第1の領域K25において、比較的高い温度で原料K5を混練することにより、例えば、バインダー樹脂として2種以上の成分を含むもの(例えば、前述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むものや、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)を用いた場合においても、各成分を十分に相溶化させることができる。
【0144】
特に、バインダー樹脂として、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合には、第1の領域K25内での原料温度(第1の領域K25の内部温度)T[℃]は、ブロックポリエステルの融点をT(B)[℃]としたとき、T(B)≦Tの関係を満足するのが好ましく、(T(B)+10℃)≦T≦(T(B)+60℃)の関係を満足するのがより好ましい。原料温度Tが、T(B)[℃]未満であると、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを十分に相溶化させることが困難となる場合がある。
【0145】
第1の領域K25内での原料温度Tの具体的な値は、樹脂の組成等により異なるが、120〜300℃であるのが好ましく、140〜250℃であるのがより好ましい。
また、第1の領域K25内で、原料温度Tは、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第1の領域K25における原料K5の最高温度が、前記下限値よりも高いことが好ましく、さらに、第1の領域K25における原料K5の最低温度と最高温度とが、上記範囲内にあることがより好ましい。
【0146】
また、原料K5の第1の領域K25での平均滞留時間(通過に要する時間)は、0.5〜12分であるのが好ましく、0.5〜7分であるのがより好ましい。第1の領域K25での平均滞留時間が、前記下限値未満であると、バインダー樹脂として2種以上の成分を含むもの(例えば、前述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むものや、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)を用いた場合に、各成分を十分に相溶化させることが困難となる場合がある。一方、第1の領域K25での平均滞留時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られるトナーの物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
【0147】
ところで、第1の領域K25では、比較的高い温度で混練することにより、バインダー樹脂として2種以上の成分を含むもの(例えば、前述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むものや、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)を用いた場合におていも、各成分を十分に相溶化させることができる。しかしながら、架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステル、あるいは、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとでは、互いに、分子構造が大きく異なる樹脂であるため、一旦、各成分が十分に相溶化した場合であっても、混練物の冷却条件等によっては、相分離を起こす可能性がある。
【0148】
そこで、本実施形態では、図示の構成のように、第2の領域K26を設け、第1の領域K25よりも比較的低い温度で(高粘度状態で)、強い混練をすることにした。これにより、混練物K7の各構成成分、特に低融点成分や再凝集しやすい成分の分散不良や相分離の発生を効果的に防止することができる。また、原料K5中に低融点成分であるワックス(特に樹脂との相溶性が低いワックス)が含まれる場合には、混練物K7中におけるワックスの粗大化等を防止することができ、ワックスを適切な粒径に微分散させることができる。また、分散液3の調製にこのような混練物K7を用いることにより、分散液3中の分散質31の各粒子間での組成のバラツキも小さくなる。その結果、最終的に得られるトナーは、各粒子間での組成・特性のバラツキが特に小さいものとなる。また、これにより、最終的に得られるトナーは、特に優れた透明性、耐久性を有し、オフセット等の問題を極めて生じ難いものとなる。
【0149】
また、バインダー樹脂としてブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合には、以下のような効果も得られる。
すなわち、第1の領域K25と第2の領域K26とを上述のように設けることにより、第2の領域K26において、相分離を十分防止しつつ、ブロックポリエステルの結晶化を効率よく進行させることができる。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強いものとなる。
【0150】
また、バインダー樹脂として、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合には、第2の領域K26内での原料温度(第2の領域K26の内部温度)T[℃]は、非晶性ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]としたとき、(T1/2(A)−20)≦T≦(T1/2(A)+20)の関係を満足するのが好ましく、(T1/2(A)−10)≦T≦(T1/2(A)+10)の関係を満足するのがより好ましい。原料温度Tが、前記下限値未満であると、混練物K7が高粘度となり、流動性が低下し、トナーの生産性が低下する場合がある。一方、原料温度Tが、前記上限値を超えると、相分離等が発生し易くなり、第2の領域K26を設けることによる前述の効果が十分に得られない場合がある。
【0151】
第2の領域K26内での原料温度Tの具体的な値は、樹脂の組成により異なるが、70〜150℃であるのが好ましく、80〜140℃であるのがより好ましい。
また、第2の領域K26内で、原料温度Tは、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第2の領域K26における原料K5の最低温度が、上記範囲内にあることが好ましい。
【0152】
なお、図示の構成では、第1の領域K25と第2の領域K26との間に、原料温度がTからTへ移行する温度移行領域K28が設けられている。
また、原料K5の第2の領域K26での平均滞留時間は、0.5〜12分であるのが好ましく、1〜7分であるのがより好ましい。第2の領域K26での平均滞留時間が、前記下限値未満であると、第2の領域K26を設けることによる前述の効果が十分に得られない場合がある。一方、第2の領域K26での平均滞留時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られるトナーの物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
【0153】
また、第1の領域K25内での原料温度Tと第2の領域K26内での原料温度Tとは、(T−T)≧40[℃]の関係を満足するのが好ましく、60≦(T−T)≦160[℃]の関係を満足するのがより好ましい。(T−T)が前記下限値未満であると、後述する冷却工程における相分離等の発生を十分に防止、抑制するのが困難となる場合がある。
【0154】
スクリューK22、スクリューK23の回転数の好ましい範囲は、バインダー樹脂の組成等により異なるが、例えば、バインダー樹脂としてブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合には、50〜500rpmであるのが好ましい。スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記下限値未満であると、例えば、第1の領域K25で、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを十分に相溶化させるのが困難となる場合があり、また、第2の領域K26では、相分離を十分に防止することが困難となる場合がある。一方、スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記上限値を超えると、剪断により、ポリエステルの分子が切断され、樹脂の特性が劣化する場合がある。また、図示の構成では、第1の領域K25、第2の領域K26とは異なる第3の領域K27が、第1の領域K25のフィーダーK4側(第2の領域K26とは反対側)に設けられている。このようにプロセス部K2は、第1の領域K25と第2の領域K26以外の領域を有するものであってもよい。
【0155】
第3の領域K27内での原料温度T[℃]は、原料中の主たる樹脂の軟化温度(以下、単に「樹脂の軟化温度」ともいう。)未満であることが好ましい。一方、原料温度Tが、樹脂の軟化温度を超えると、原料投入口の温度が高くなり、軟化した樹脂がブリッジをおこし、フィーダーK4も加熱され樹脂がフィーダーK4の出口付近から投入口K41に溶融固着してしまう場合がある。
【0156】
なお、図示の構成では、第3の領域K27と第1の領域K25との間に、原料温度がTからTへ移行する温度移行領域K29が設けられている。
また、図示の構成では、第1の領域K25と、第2の領域K26と、第3の領域K27とが設けられている構成について説明したが、これ以外の領域が設けられている構成であってもよい。例えば、そのような領域は、第1の領域K25と第2の領域K26との間にあってもよいし、第2の領域K26よりもヘッド部K3側にあってもよい。
【0157】
[押出工程]
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
【0158】
内部空間K31内での混練物K7の温度(少なくとも押出口K32付近での温度)T[℃]は、Tより10℃程度、高い温度であるのが好ましい。混練物K7の温度Tが、このような温度であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
【0159】
図示の構成では、内部空間K31は、押出口K32の方向に向って、その横断面積が漸減する横断面積漸減部K33を有している。
このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
【0160】
[冷却工程]
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、66とを有している。
【0161】
ベルトK65は、ロールK61とロールK62とに巻掛けられている。同様に、ベルトK66は、ロールK63とロールK64とに巻掛けられている。
ロールK61、62、63、64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
【0162】
ところで、混練工程では、原料K5に剪断力が加わっているため、相分離等が十分防止されているが、混練工程を終えた混練物K7は、剪断力が加わらなくなるので、高温状態で長期間放置しておくと、再び相分離等を起こしてしまう可能性がある。従って、上記のようにして得られた混練物K7は、できるだけ早く冷却するのが好ましい。具体的には、混練物K7の冷却速度(例えば、混練物K7が60℃程度まで冷却される際の冷却速度)は、−3℃/秒以上であるが好ましく、−5〜−100℃/秒であるのがより好ましい。また、混練工程の終了時(剪断力が加わらなくなった時点)から冷却工程が完了するまでに要する時間(例えば、混練物K7の温度を60℃以下に冷却するのに要する時間)は、100秒以下であるのが好ましく、3〜30秒であるのがより好ましい。
【0163】
前述した実施形態では、混練機として、連続式の2軸混練押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
【0164】
また、本実施形態では、1つの混練機を用いる構成について説明したが、2つの混練機を用いて混練してもよい。この場合、一方の混練機のプロセス部を第1の領域K25、他方の混練機のプロセス部を第2の領域K26として用いてもよい。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
【0165】
[粉砕工程]
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕してもよい。このように、混練物K7を粉砕することにより、取扱いがよくなる。また、分散液の調製に、混練物を溶融させた樹脂液を用いる場合には、当該混練物として粉砕されたものを用いることにより、混練物をより速やかに溶融させることができ生産性が上がる。また、溶媒を用いる場合には、溶媒に溶けやすくなる。このように、樹脂液が均一に速くできるので、分散液3(液滴9)における分散質31の分散性を特に優れたものとすることができる。したがって、最終的に得られるトナーにおいても、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さくなる。その結果、得られるトナーは、全体としての特性が特に優れたものとなる。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分け
【0166】
て行ってもよい。また、混練物の粉砕は、例えば、分散液中で(混練物に分散媒を付与した状態で)、行ってもよい。
また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
【0167】
次に、上述したような分散液3を用いて、トナー粒子を製造する装置(トナー製造装置M1)の第1実施形態について説明する。
[トナー製造装置]
図4に示すように、トナー製造装置M1は、上述したような分散液3(液滴9)を吐出するノズルM2と、ノズルM2に分散液3を供給する分散液供給部M4と、ノズルM2から吐出された液滴状(微粒子状)の分散液3(液滴9)が搬送される固化部M3と、外添剤2を供給する外添剤供給手段M13と、製造されたトナー粒子4を回収する回収部M5とを有している。
【0168】
分散液供給部M4は、ノズルM2に分散液3を供給する機能を有するものであればよいが、図示のように、分散液3を攪拌する攪拌手段M41を有するものであってもよい。これにより、例えば、分散質31が分散媒32中に分散しにくいものであっても、分散質31が十分均一に分散した状態の分散液3を、ノズルM2に供給することができる。
ノズルM2は、分散液3を微細な液滴(微粒子)9として噴射する機能を有するものである。ノズルM2については、後に詳述する。
【0169】
図示の構成のトナー製造装置M1は、ノズルM2を複数個有している。そして、これらのノズルM2から、それぞれ、微細な液滴9が固化部M3に吐出される。
各ノズルM2は、ほぼ同時に液滴9を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのノズルで、液滴9の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するノズルM2から吐出された液滴9が固化する前に、液滴9同士が衝突し、凝集するのをより効果的に防止することができる。
【0170】
また、図4に示すように、トナー製造装置M1は、ガス流供給手段M10を有しており、このガス流供給手段M10から供給されたガスが、ダクトM101を介して、ノズルM2−ノズルM2間に設けられた各ガス噴射口M7から、ほぼ均一の圧力で噴射される構成となっている。これにより、各ノズルM2から間欠的に吐出された液滴9の間隔を保ちつつ、液滴9を搬送し、固化させることができる。その結果、固化部M3内において、吐出された液滴9(または液滴9から得られるトナー母粒子6、トナー粒子4)同士が衝突、凝集するのがより効果的に防止される。
【0171】
また、ガス流供給手段M10から供給されたガスをガス噴射口M7から噴射することにより、固化部M3において、ほぼ一方向(図中、下方向)に流れるガス流を形成することができる。このようなガス流が形成されると、固化部M3内の微粒子状の液滴9(または液滴9から得られるトナー母粒子6、トナー粒子4)をより効率良く搬送することができる。
【0172】
また、ガス噴射口M7からガスが噴射されることにより、各ノズルM2から吐出される液滴9の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うノズルから吐出された各液滴間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、ガス流供給手段M10には、熱交換器M11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、固化部M3内に吐出された粒状の液滴9を効率良く固化させることができる。
また、このようなガス流供給手段M10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、ノズルM2から吐出された液滴9の固化速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
【0173】
ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度(初期温度)は、分散液3(液滴9)中に含まれる分散質31、分散媒32の組成等により異なるが、通常、30〜250℃であるのが好ましく、50〜200℃であるのがより好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られるトナー粒子4の形状の均一性を保ちつつ、液滴9中に含まれる分散媒32を効率良く除去することができ、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。
【0174】
また、ガス噴射口M7から噴射されるガスの湿度は、例えば、50%RH以下であるのが好ましく、30%RH以下であるのがより好ましく、20%RH以下であるのがさらに好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの湿度が50%RH以下であると、後述する固化部M3において、液滴9に含まれる分散媒32を効率良く除去することが可能となり、トナーの生産性がさらに向上する。
【0175】
ノズルM2から吐出された液滴9(図5(a)参照)は、固化部M3を搬送させつつ固化することにより、トナー母粒子6(図5(b)参照)となる。
トナー母粒子6は、例えば、吐出された液滴9から分散媒32が除去されることにより得られる。このような場合、吐出された液滴9中の分散媒32が除去されるのに伴い、液滴9中に含まれる分散質31が凝集する。その結果、トナー母粒子6は、分散質31の凝集体(図5(b)参照)として得られる。なお、分散質31中に前述したような溶媒が含まれる場合には、当該溶媒は、例えば、固化部M3において除去されるものであってもよいし、後に詳述するノズルM2から噴射する際に除去されるものであってもよい。
【0176】
図5に示すように、液滴9(分散液3)中に含まれる分散質31の粒径は、通常、得られるトナー粒子4(液滴9)に比べて、十分に小さいものである。したがって、分散質31の凝集体として得られるトナー母粒子6は、十分に円形度の大きいものとなる。
また、分散媒32を除去してトナー母粒子6(トナー粒子4)を得る場合、通常、ノズルM2から吐出される液滴9に比べて、得られるトナー母粒子6(トナー粒子4)は小さいものとなる。このため、ノズル(噴射部)M2から噴射される分散液の液滴が比較的大きい場合であっても、分散質31の濃度(含有率)を調整することにより得られるトナー母粒子6の大きさを比較的小さいものとすることができる。したがって、本発明では、特に平均粒径の小さいトナー粒子4を容易に得ることができる。
【0177】
また、本発明では、後に詳述するように、各ノズルM2から吐出される液滴9を、十分に小さく、かつ粒度分布が十分にシャープなものとすることができる。その結果、トナー母粒子6(トナー粒子4)も、粒径のバラツキの小さいもの、すなわち、粒度分布がシャープなものとなる。
このように、本発明では、吐出液として分散液を用いることにより、製造するトナー粒子4の粒径が十分に小さい場合であっても、容易に、その円形度を十分に高いものとし、かつ、粒度分布がシャープなものとすることができる。これにより、最終的に得られるトナーは、各粒子間での帯電が均一で、かつ、トナーを印刷に用いたときに、現像ローラ上に形成されるトナーの薄層が平準化、高密度化したものとなる。その結果、カブリ等の欠陥を生じ難く、よりシャープな画像を形成することができる。また、トナー母粒子6(トナー粒子4)の形状、粒径が揃っているため、トナー全体(トナー粒子4の集合体)としての嵩密度を大きくすることができる。その結果、同一容積のカートリッジ内へのトナーの充填量をより多くしたり、カートリッジの小型化を図る上でも有利である。
固化部M3は、筒状のハウジングM31で構成されている。
【0178】
トナーの製造時において、ハウジングM31内は、所定範囲の温度に保たれているのが好ましい。これにより、製造条件の差による各トナー粒子4間での特性のバラツキを小さくすることができ、トナー全体としての信頼性が向上する。
このように、ハウジングM31内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジングM31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジングM31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
【0179】
また、図示の構成では、ハウジングM31内の圧力は、圧力調整手段M12により調整される構成となっている。このように、ハウジングM31内の圧力を調整することにより、吐出された液滴9中の分散媒32を効率良く除去することが可能となり、トナーの生産性が向上する。
なお、図示の構成では、圧力調整手段M12は、接続管M121でハウジングM31に接続されている。また、接続管M121のハウジングM31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部M122が形成されており、さらに、トナー粒子4等の吸い込みを防止するためのフィルターM123が設けられている。
【0180】
ハウジングM31内の圧力は、特に限定されないが、0.15MPa以下であるのが好ましく、0.005〜0.15MPaであるのがより好ましく、0.109〜0.110MPaであるのがさらに好ましい。
また、トナー製造装置M1は、固化部M3内に外添剤2を供給する外添剤供給手段M13を有している。外添剤供給手段M13により、固化部M3内に供給された外添剤2は、トナー母粒子6に付与され、トナー粒子4が得られる(図5(c)参照)。外添剤2については、後に詳述する。
【0181】
外添剤2は、噴射口M131から、固化部M3内の圧力よりも高いガスとともに供給されるものであるのが好ましい。これにより、外添剤2の移動方向等を容易かつ確実に制御することができる。その結果、トナー母粒子6に対する外添剤2の付与の効率を向上させることができる。
また、図示の構成では、外添剤2は、液滴9の搬送方向にほぼ対向する方向に移動するものである。このように外添剤2を供給することにより、トナー母粒子6と外添剤2とを、より効率良く衝突させることができる。その結果、形成されるトナー粒子4は、トナー母粒子6に外添剤2をより確実に担持させることができる。
また、ハウジングM31には、電圧を印加するための電圧印加手段M8が接続されている。電圧印加手段M8で、ハウジングM31の内面側に、液滴9(トナー母粒子6)と同じ極性の電圧を印加することにより、以下のような効果が得られる。
【0182】
通常、トナー母粒子は、正または負に帯電している。このため、トナー母粒子と異なる極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物にトナー母粒子が静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、トナー母粒子と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物とトナー粒子とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面にトナーが付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジングM31の内面側に、液滴9(トナー母粒子6)と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジングM31の内面に液滴9(トナー母粒子6)が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状のトナー粉末の発生をより効果的に防止することができるとともに、トナー粒子4の回収効率も向上する。
【0183】
ハウジングM31は、回収部M5付近に、図4中の下方向に向けて、その内径が小さくなる縮径部M311を有している。このような縮径部M311が形成されることにより、トナー粒子4の回収を効率良く回収することができる。なお、前述したように、ノズルM2から吐出された液滴9は、固化部M3において固化し、外添剤2が付与されるが、回収部M5付近においてはこのような固化および外添剤2の付着はほぼ完全に完了しており、縮径部M311付近では、各粒子が接触しても凝集等の問題はほとんど発生しない。
上記のようにして形成されたトナー粒子4は、回収部M5に回収される。回収部M5は、例えば、一般的なサイクロンとブロアとの組合せでもよく、その時、ブロアに圧力調整手段M12の機能(圧力調整機能)をもたせてもよい。また、回収部M5に分級機能をもたせ、トナー母粒子に付着しなかった微細な外添剤を分級除去してもよい。
【0184】
なお、上記の説明では、液滴9が固化し、その結果形成されたトナー母粒子6に外添剤2が付与されるものとして説明したが、例えば、外添剤2が付着する際に分散媒32の少なくとも一部が残存していてもよい。すなわち、外添剤2は、液滴9に付与されるものであってもよい。
また、図示のトナー製造装置M1は、外添剤2を噴射する噴射口M131を1個有する構成であるが、このような噴射口は、複数個設けられていてもよい。これにより、トナー母粒子6への外添剤2の付与の効率が向上する。
【0185】
次に、粒状の分散液3(液滴9)を噴射するノズルM2について詳細に説明する。
<ノズル>
本実施形態では、独特の状態で分散液を微粒子にして噴射する。すなわち、本実施形態では、図6に示すように、傾斜面7に沿って流動するガス流で、傾斜面7に送り出された分散液3を薄く引き伸ばして薄層流8とする。傾斜面7に沿って流動する薄層流8は、傾斜面7を離れるときに薄すぎて層の状態(膜状態)ではいられなくなり、表面張力で粉々にちぎれて微粒子の液滴9となる。特に、本発明では、薄層流が、分散液で構成されているため、均一な液体(例えば、実質的に純物質からなる液体や溶液等)を用いた場合に比べて、薄層流から液滴が微分割され易い。したがって、本実施形態では、微粒子状の分散液を特に効率良く噴射することができる。また、液滴が尾を引いて突起を形成することが防止される。また、本実施形態では、ガス流で分散液3を薄層流8とし、該薄層流8を微粒子として噴射し、分散液の液滴を球形の超微粒子にできる特長がある。このことは、液滴のサイズは薄層流の厚み等に大きく依存し、供給口5のサイズの影響は小さいことを意味する。また、分散液3を一定に供給できるよう、供給口5のサイズを設計できるので、分散液3の供給口5の詰まりを有効に防止でき、さらに、供給口5の加工を簡単にする。
【0186】
さらに、図6に示すように、傾斜面7の先端に尖鋭なエッジ7Aを設け、このエッジ7Aでアトマイズガスとスプレッディングガスとを衝突させると、空気(ガス)を激しく振動できる。空気振動は分散液をさらに微粒子にする作用がある。
さらに、本実施形態で用いるノズルM2は、傾斜面7の先端にリング状のエッジ7Aを設け、このエッジ7Aから分散液(液滴9)を噴射させる構造として、ホロコーン状態で液滴を微粒子に噴射できる。ホロコーンで噴射される液滴からは、効率よく分散媒が除去される。
【0187】
図6に示す液体を微粒子に噴射するノズルM2は、分散液(液滴9)をリング状に噴射する供給口5と、この供給口5から噴射される分散液を流動させる傾斜面7と、この傾斜面7に加圧ガスを噴射するガス口10とを備えている。
この図に示すノズルM2は、内側リング(筒体)11と、中間リング(筒体)12と、外側リング(筒体)13を備える。内側リング11と中間リング12の間に供給口5を設け、内側リング11の中心にアトマイズガスの流路14を設け、中間リング12と外側リング13の間にスプレッディングガスの供給路15を設けている。
【0188】
内側リング11は外形を円柱状とし、中間リング12は内形を円柱状に加工し、内側リング11と中間リング12の間に、所定の幅のスリット状の供給口5を設けている。供給口5は、リング状に形成されており、スリット幅は、分散液が詰まらない幅に設計される。本実施形態のノズルにおいては、供給口5から分散液を薄膜(薄層)にして送り出す必要がない。分散液は傾斜面7で薄く引き伸ばされて微粒子(液滴9)となって噴射されるからである。したがって、供給口5のスリット幅は、送り出される分散液の流量、傾斜面7の長さ、傾斜面7に噴射されるアトマイズガスの流速、供給口5の内径等を考慮して最適値に設計される。たとえば、供給口5のスリット幅は、0.2〜1.5mm、好ましくは0.4〜1mm、最適には約0.8mmに設計される。
【0189】
供給口5の直径は、噴射する分散液の流量、スリット幅の寸法等を考慮して最適値に設計される。供給口5の直径は、たとえば、1000g/分の分散液(液滴9)を噴射するノズルにおいて、約50mmφに設計される。流量が大きくなると、供給口5は直径を大きく、流量が少なくなると直径を小さく設計する。
内側リング11の外周部と、中間リング12の先端面は、テーパー状に切削加工されて、傾斜面7となっている。内側リング11と中間リング12の傾斜面7は、内側リング11の傾斜面7に沿って噴射される流動するガスが、内側リング11と中間リング12の境界で乱流とならないように、同一平面に形成されている。内側リング11と中間リング12の傾斜面7が同一平面となるとは、内側リング11と中間リング12の傾斜面7に段差ができず、内側リング11の傾斜面7から中間リング12の傾斜面7に直線的にガスが流動される状態を意味する。このように、内側リング11と中間リング12の傾斜面7を同一平面のテーパー状に加工するには、内側リング11と中間リング12を連結してテーパー加工すればよい。さらに、傾斜面7は、ここに沿って流動する分散液が乱流とならないように、分散液の流動方向に沿って平滑面となっている。図に示すノズルの傾斜面7は、円錐状で全体を平滑面に仕上げている。
【0190】
内側リング11と中間リング12に傾斜面7を設けることによって、傾斜面7の中間に供給口5が開口される。内側リング11と中間リング12に設けられる傾斜面7の傾斜角αは、供給口5の傾斜面7に対する角度が鈍角となるように、たとえば、100〜170度、好ましくは120〜160度、さらに好ましくは130〜160度、最適には約150度に設計される。傾斜角αは大きい方が液の流出が安定する。しかしスリット幅により傾斜角αは最適値が変わる。傾斜角αは、好ましくは、傾斜面7における供給口5の開口幅が2mmを越えないように設計される。
【0191】
内側リング11の先端には中心リング16が配設され、この中心リング16と内側リング11との間にガス口10が開口されている。中心リング16は、図示しないが内側リング11に固定して所定の位置に配設されている。中心リング16は、外周面を内側リング11の傾斜面7に沿うテーパー状に加工している。中心リング16と内側リング11の間に形成されるガス口10はスリット状で、ここから加圧ガスを層流状態に噴射して、傾斜面7に沿って流動させる。
【0192】
内側リング11の流路14は加圧ガス源Fに連結されている。ガス口10は傾斜面7に沿って流動するアトマイズガスを噴射する。加圧ガス源Fは、たとえば3〜20kg/cm2、好ましくは4〜15kg/cm2、さらに好ましくは4〜10kg/cm2、最適には約6.5kg/cm2の空気をガス口10に供給する。アトマイズガスの噴射圧を高くすると、傾斜面7に沿って流動するガスの流速が速くなって、分散液3をより効果的に薄く引き伸ばして分散液を微細な液滴(微粒子)9にできる。ただ、噴射圧を高くすると特殊なコンプレッサーを必要とし、さらに消費エネルギーも大きくなるので、要求される微粒子の粒子径と、消費エネルギーとを考慮して最適値に設計される。また、加圧ガス源Fとガス口10との間には、図示しないバルブが取り付けられているのが好ましい。これにより、分散液3(液滴9)の噴射に利用されるガスの圧力を容易に調節することができる。
【0193】
さらに、図6に示すノズルは、アトマイズガスに加えて、傾斜面7の外周にスプレッディングガスを噴射している。ただ、スプレッディングガスは必ずしも噴射する必要はない。スプレッディングガスを噴射しないで、アトマイズガスで分散液を微粒子として噴射できるからである。アトマイズガスとスプレッディングガスを噴射するノズルは、アトマイズガスとスプレッディングガスとを傾斜面7のエッジ7Aで衝突させて、液滴9をより小さい微粒子にできる特長がある。さらに、スプレッディングガスでもってホロコーンの角度を調整することもできる。また分散液の性質によっては、エッジ7Aでの離れが悪く、スプレッディングガス側に液逆流を起こす可能性があるが、スプレッディングガスでもってこれを効果的に防ぐこともできる。
【0194】
スプレッディングガスは、中間リング12と外側リング13の間に設けられるスプレッディングガス噴射口17から噴射される。スプレッディングガスはアトマイズガスに比較して低圧がすとすることができる。たとえば、アトマイズガスを約6.5kg/cm2とするとき、スプレッディングガスは約1kg/cm2とすることができる。スプレッディングガスは、アトマイズガスのように分散液を強制的に薄く引き伸ばす必要がないので、たとえば、0.5〜3kg/cm2の範囲に設定できる。
【0195】
アトマイズガスとスプレッディングガスの両方を噴射するノズルは、傾斜面7の先端を尖鋭なエッジ7Aとしている。中間リング12は先端面に傾斜面7を設け、先端の外周を円筒状に加工して、傾斜面7の先端にエッジ7Aを設けている。この形状の中間リング12は、傾斜面7の先端に(180度−傾斜角α)の尖鋭なエッジ7Aを形成できる。ただ、ノズルは、図示しないが、中間リング12の外周をテーパー状に加工して、エッジ7Aの角度を調整することもできる。
【0196】
図6に示すノズルは、例えば、下記の状態で分散液を微粒子として噴射することができる。
▲1▼ 内側リング11の中心に設けた流路14に加圧したアトマイズガスを供給し、中間リング12と外側リング13の間のスプレッディングガス噴射口17にスプレッディングガスを供給して、供給口5から分散液を傾斜面7に送り出す。
▲2▼ 傾斜面7に供給された分散液は、傾斜面7に沿って流動するアトマイズガスで薄く引き伸ばされて薄層流8となる。たとえば、傾斜面7に沿ってアトマイズガスをマッハ1.5の流速で流動させて供給口5に分散液を送り出し、薄層流8の先端部での流速をアトマイズガスの1/20とすれば、25.5m/sとなる。傾斜面7の先端に設けたエッジ7Aの直径を50mmとすれば、分散液を1リットル/分で供給して薄層流8の膜圧は4μmとなる。
▲3▼ 4μmの薄層流8は、傾斜面7のエッジ7Aを過ぎると薄すぎて膜状態でいられなくなり、表面張力で粉々にちぎられて微粒子の液滴9となる。
▲4▼ 微粒子の液滴9は、エッジ7Aでアトマイズガスとスプレッディングガスが衝突し、摩擦して振動して液滴9をさらに小さい微粒子とする。
▲5▼ 微粒子の液滴9は、アトマイズガスとスプレッディングガスによって放射状に運ばれる。この状態をホロコーンという。ホロコーンのコーン角度は傾斜面7の角度で決定されるが、アトマイズガスとスプレッディングガスの噴射圧でも調整できる。
【0197】
ホロコーンの状態で噴射された液滴9からは、分散媒が除去されてトナー粉末が得られる。
図7は、A液とB液を混合して分散液の微粒子(液滴9)とするノズルを示す。この図に示すノズルは、図6に示すノズルの中間リング12を、内側中間リング(筒体)12Aと外側中間リング(筒体)12Bの二重管構造としている。内側中間リング12Aと外側中間リング12Bの間にB液の供給口5を設けている。リング状の内側中間リング12Aは、内側面と外側面にテーパー状の傾斜面7を設けてその先端を尖鋭なエッジ7Aとしている。外側中間リング12Bの先端面もテーパー状に加工して傾斜面7としている。外側中間リング12Bの傾斜面7は、内側中間リング12Aの傾斜面7と同一平面に連結している。
【0198】
図7に示すノズルは、内側中間リング12Aの内側面と外側面に傾斜面7を有し、内側に設けられた傾斜面7にA液の供給口5を、外側の傾斜面7にB液の供給口5を設けている。A液とB液の両方を、アトマイズガスで傾斜面7に薄く引き延ばしできるように、内側リング11のガス口10と、外側中間リング12B及び外側リング13の間のスプレッディングガス噴射口17の両方から高圧のアトマイズガスを噴射する。
このような構造のノズルM2を用いることにより、分散性、相溶性の悪い成分を用いる場合であっても、均一性(分散性)の高いトナーを得ることができる。また、このような構造のノズルM2を用いることにより、多層(多相)構造のトナー等も、比較的容易に得ることができる。
【0199】
図7に示すノズルは、内側中間リング12Aの内側と外側の両面に傾斜面7を設け、内側と外側の傾斜面7に2種の異なる液体(分散液)を供給している。図8に示すノズルは、傾斜面7の途中に複数の供給口5を設けている。この構造のノズルは、複数の供給口5から数種の異質の液体を供給して、同時に噴霧することができる。供給口5に供給する液体(分散液)の組合せによって、新しい特性をもった多機能複合粒子の製造が可能である。
【0200】
さらに、図9と図10は、より微細な微粒子にできるノズルを示す。これ等の図に示すノズルは、図7に示すノズルと同じように、中間リング12を、内側中間リング(筒体)12Aと外側中間リング(筒体)12Bの二重管構造としている。内側中間リング12Aと外側中間リング12Bの間にB液の供給口5を設けている。リング状の内側中間リング12Aは、内側面と外側面の両面にテーパー状の傾斜面7を設けてその先端を尖鋭なエッジ7Aとしている。外側中間リング12Bの先端面もテーパー状に加工して傾斜面7としている。
【0201】
傾斜面の拡大図を図11に示す。この図に示すように、内側中間リング12Aの傾斜面7は、供給口5の近傍において、その両側に位置する外側中間リング12Bと内側リング11の傾斜面7の延長線に対して多少段差を設けて低く設計している。この形状の傾斜面を有するノズルは、矢印で示すように傾斜面7に沿って流動するガス流が、供給口5から液体(分散液)をスムーズに排出する特長がある。それは、内側中間リング12Aの傾斜面7が、両側の傾斜面7から突出しないからである。図示しないが、内側中間リング12Aの傾斜面7が、両側に位置する傾斜面7の延長線から突出すると、突出部にガスが衝突してスムーズに液体を排出するのが困難となる。
【0203】
図6、図7および図9に示すノズルは、スプレッディングガス噴射口17と、ガス口10を構成する中心リング16および外側リング13の先端部分を通気性部材18で構成している。通気性部材18は、ガス口10に圧入されるガスを貫通して表面から噴射させる通気性を有する。通気性部材18は、たとえば、平均粒子径が約1μmであるステンレス製の焼結金属である。通気性部材18は、ガス口10から噴射するガスの一部を表面から噴射して、中心リング16と外側リング13先端部分の表面にミストが付着するのを防止する効果がある。
【0209】
さらに、図12に示すノズルは、通気性部材を使用しないで、ミストの付着を防止する独特の構造をしている。この図のノズルは、中心リング16の先端面にガス剥離凹部19を設けて、供給口5の内側であってノズルの先端面にガス剥離凹部19を設けている。ガス剥離凹部19は、中心リング16に設けた貫通孔20を介して、内側リング11と中心リング16との間の流路1に連結されている。貫通孔20は、図13に示すように、噴射されるガスをガス剥離凹部19で回転させる方向、すなわち、半径方向から接線方向に傾斜して開口されている。ガス剥離凹部19の表面は、ガス流を乱すことなく層流状態で流動できる平滑面としている。さらに、ガス剥離凹部19の外周部分は、飛行機の翼と同じような流線形となって、ガス口10に向かって滑らかに湾曲している。
【0210】
この構造のノズルは、加圧されたガスを、貫通孔20から接線方向にガス剥離凹部19に噴射すると、ガスは、テーパー状のガス剥離凹部19の内面に衝突し、薄く拡がりながら旋回流となる。この時、ガス剥離凹部19のテーパー角度(θ)により、ガス剥離凹部19の出口方向(図において上方)に向かう気流の割合を変えることができる。テーパー角度(θ)を、図に示すように15度とすると、出口方向に向かう旋回気流は、70%であり、残り30%はガス剥離凹部19の底方向に向かう旋回気流となり、底に達した後に風速を弱めて、出口方向へ向かう。そして、前述の70%旋回気流に巻き込まれて、ガス剥離凹部19から排出される。
【0211】
ガス剥離凹部19の内面にそって流動するガスの旋回気流は、テーパー面と翼型の流線形部分の斜面を登り、先端に達した所で、翼型表面に沿って流動して、内側リング11と中心リング16の間に設けた流路1から噴射されるアトマイズガスに引き込まれる。流線形の翼型部分は、ガス口10に向かって滑らかに湾曲しているので、ガスが表面に沿って流動し、中心リング16の前面に流動するガス層を作る。
【0212】
中心リング16の前面の全てを、この流動するガス層で覆うので、供給口5から噴射されるミストが付着することはない。貫通孔20は、ガス剥離凹部19から均一にガスを噴射できるように、好ましくは6個程度とするのがよい。ただ、貫通孔をさらに多くすることもできる。さらに、貫通孔の形状をスリット状にして横幅を広くすると、5個よりも少ない貫通孔でガス剥離凹部から均一にガスを吹き出すことができる。
【0213】
この構造ノズルは、ノズルの前面がガス層で覆われているので、飛来したミストが表面に付着することなく、流動するガス層である流線気流によって吹き飛ばされる。また、この構造のノズルは、前記の通気性部材18によるエアレイションで粉付着を防止する方法よりも、少ないガス量で、同等の効果を得る事ができる。
【0214】
さらに、図14に示すノズルは、ガス口10と供給口5から、ガスと液体を均一に噴射するノズルを示す。この図のノズルは、流路1と液体流路21にヘリカルリブ22を配設している。流路1や液体流路21には、各リングを組み立てる時の芯出のため、すなわち、全てのリングの中心を正確に一致させるために、各リングの間にリブを設けている。リブの先端を接触させることにより、各リングは芯出しして正確に組み立てられる。
【0215】
図14のノズルは、エッジ7Aの両面に開口されたガス口10に連通する流路1に、軸方向に流動するガスにスピンをかけてスパイラルに回転させるヘリカルリブ22を配設している。エッジ7A両面のガス口10から噴射されるガスは互いに反対方向に回転しながらエッジ7Aに向かって噴射される。この構造のノズルは、エッジ7Aの両面に流動されるアトマイズガスを互いに逆スピンとし、エッジ7A先端でのミスト形成時に、両ガスのひねり作用が加わって、ミスト粉砕効果が上がり、より小さいミストを作る事ができる。
【0216】
ただ、本発明のノズルは、必ずしも、エッジの両面に流動するアトマイズガスを逆スピンとする必要はなく、エッジ両面のアトマイズガスを同じ方向にスピンをかけることもできる。さらに、複数のガス口を有するノズルにおいては、すべてのガス口から噴射されるガスにスピンをかける必要もない。したがって、特定の流路にのみヘリカルリブを設けることもできる。
【0217】
さらに、図14に示すノズルは、液体流路21にもヘリカルリブ22を配設している。液体はガスに比較して流速が遅いので、ヘリカルリブ22の傾斜角αを約60度と大きくしている。傾斜角αは、たとえば、30〜70度、好ましくは45〜65度の範囲とすることができる。液体流路21のヘリカルリブ22の傾斜角αも、流路1のヘリカルリブ22と同じように、大きくすると液体のスピンを強くできるが、液体の流動抵抗が大きくなる。このため、ヘリカルリブ22の傾斜角αは、液体の流動抵抗とスピンとを考慮して最適値に設計される。
【0218】
以上説明したようなノズルM2を用いることにより、以下のような効果が得られる。
・分散液を極めて小さい微粒子に噴射できると共に、馬頭まりを十分効果的に防止しつつ、長時間連続噴射できる。また、分散液を薄層流に引き伸ばして微粒子の液滴とするので、平滑面に沿って流動させるガスの流速で、液滴を極めて小さい微粒子として噴射できる。
・単位時間当りの噴射量を多くして、しかも微細な液滴に噴射できる。
【0219】
また、本発明においては、ノズルM2から固化部M3に吐出される分散液3(液滴9)の初速度は、例えば、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、2〜8m/秒であるのがより好ましい。分散液3(液滴9)の初速度が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、分散液3(液滴9)の初速度が前記上限値を超えると、得られるトナー粒子4の真球度が低下する傾向を示す。
【0220】
また、ノズルM2から吐出される分散液3の粘度は、特に限定されないが、例えば、5〜3000[m・Pa・s]であるのが好ましく、10〜1000[m・Pa・s]であるのがより好ましい。分散液3の粘度が前記下限値未満であると、吐出される粒子(液滴9)の大きさを十分に制御するのが困難となり、得られるトナー粒子4のバラツキが大きくなる場合がある。一方、分散液3の粘度が前記上限値を超えると、形成される液滴の径が大きくなる。また、分散液3の粘度が特に大きい場合には、ノズル先端への付着が激しくなり連続運転が困難となり、また、分散液がノズルに供給されにくくなる。
【0221】
また、ノズルM2から吐出される分散液3は、予め加温されたものであってもよい。このように分散液3を加温することにより、例えば、分散質31が室温で固体状態(または粘度が比較的高い状態)のものであっても、吐出時において、分散質31を溶融状態(または粘度が比較的低い状態)にさせることができる。その結果、後述する固化部M3において、液滴9中に含まれる分散質31の凝集(融合)が円滑に進行し、得られるトナー粒子4の円形度が特に高いものとなる。
【0222】
また、分散液3の一滴分の吐出量(液滴91個分の体積)は、分散液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜5plであるのがより好ましい。分散液3の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、トナー粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
【0223】
ところで、ノズルM2から吐出される液滴9は、一般に、分散液3中の分散質31に比べて十分に大きいものである。すなわち、液滴9中には、多数個の分散質31が分散した状態となっている。このため、分散質31の粒径のバラツキが比較的大きいものであっても、吐出される液滴9中に占める分散質31の割合は、各液滴でほぼ均一である。したがって、分散質31の粒径のバラツキが比較的大きい場合であっても、分散液3の吐出量をほぼ均一とすることにより、トナー粒子4は粒径のバラツキの小さいものとなる。このような傾向は、より顕著なものとなる。例えば、吐出される分散液3(液滴9)の平均粒径をDd[μm]、分散液3中における分散質31の平均粒径をDm[μm]としたとき、Dm/Dd<0.5の関係を満足するのが好ましく、Dm/Dd<0.2の関係を満足するのがより好ましい。
【0224】
また、吐出される分散液3(液滴9)の平均粒径をDd[μm]、製造されるトナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.05≦Dt/Dd≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.1≦Dt/Dd≦0.8の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、十分に微細で、かつ、円形度が大きく、粒度分布がシャープなトナー粒子4を比較的容易に得ることができる。
【0225】
以上の説明では、図6〜図14に示すようなノズル(分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微粒子として噴射するようなノズル)を用いて、分散液を液滴状(微粒子)にする方法について説明したが、液滴状の分散液を得ることが可能であればいかなる方法でもよく、例えば、スプレードライ法や、いわゆるインクジェット法、バブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法を用いてもよい。
【0226】
スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴霧させることにより、液滴を得る方法である。
また、いわゆるインクジェット法を適用した方法としては、特願2002−169349号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、本発明では、液滴状の分散液を形成する方法として、「圧電パルスによりヘッド部から分散液を間欠的に吐出し、気流により固化部内を搬送させつつ、粒状とする方法」を適用することができる。
【0227】
また、いわゆるバブルジェット法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、本発明では、液滴状の分散液を形成する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出し、気流により固化部内を搬送させつつ、粒状とする方法」を適用することができる。
【0228】
特に、本発明において、前述したようなノズルを用いた場合には、一般的なスプレードライ法を適用した場合に比べて、以下のような利点が得られる。
すなわち、前述したようなノズルを用いた方法では、一般的なスプレードライ法に比べて、分散液の噴射条件を容易かつ正確に制御することが可能である。このため、例えば、目的とする大きさ、形状のトナー粒子を効率良く製造することができる。特に前述した方法では、形成される微粒子を、大きさのバラツキが極めて小さい(粒度分布の幅が小さい)ものとすることができ、このため、各粒子の移動速度のバラツキも小さくすることができる。したがって、噴射された分散液が固化する前に、噴射された粒子間での衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、その結果、異形状の粉末が形成されにくくなる。したがって、最終的に得られるトナー粒子の形状、大きさのバラツキは特に小さいものとなり、最終的に得られるトナーにおいても各粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが小さく、トナー全体としての信頼性も特に高いものとなる。また、前述した方法では、製造するトナー粒子の大きさを比較的小さいものとした場合においても、トナー粒子の粒度分布をシャープなものとすることができる。
【0229】
次に、外添剤2について詳細に説明する。
[外添剤]
本発明で用いられる外添剤2は、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、シリカ(正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等)、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化亜鉛、マグネタイト等の金属酸化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム等のチタン酸塩、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等)等の金属塩(これらに疎水化処理等の表面処理を施したもの等を含む)等の有機材料で構成されたものや、これらの複合化合物(例えば、酸化チタンにシリカを複合したような複合化合物)等が挙げられる。
【0230】
上記のような材料の中でも、外添剤2として用いることができる酸化チタンとしては、例えば、ルチル型の酸化チタン、アナターゼ型の酸化チタン、ルチルアナターゼ型の酸化チタン等が挙げられる。
ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、結晶構造がルチル型の酸化チタン(二酸化チタン)と、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン(二酸化チタン)とを同一粒子内に有するものである。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタン(二酸化チタン)を有するものである。
【0231】
ルチル型の酸化チタンは、通常、紡錘形状の結晶になり易い性質を有している。また、アナターゼ型の酸化チタンは、微小な結晶を析出し易く、後述するような疎水化処理等に用いられるシランカップリング剤等との親和性に優れるという性質を有している。
そして、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタンを有するものであるため、ルチル型の酸化チタンの利点と、アナターゼ型の酸化チタンの利点とを併有している。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンでは、ルチル型結晶の間(ルチル型結晶の内部)に、微小なアナターゼ型結晶が混在し、全体としては、略紡錘形状を有するものとなることにより、トナー母粒子中に埋没し難くなり、また、ルチルアナターゼ型の酸化チタン全体としての、シランカップリング剤等との親和性が優れたものとなるため、ルチルアナターゼ型の酸化チタン粉末の表面に均一で安定した疎水性被膜(シランカップリング被膜)が形成され易くなる。したがって、ルチルアナターゼ型の酸化チタンを含むことにより、得られるトナーは、帯電分布が均一(トナー粒子の帯電分布がシャープ)で、安定した帯電特性を有し、環境特性(特に耐湿性)、流動性、耐ケーキング性等に優れたものとなる。
【0232】
特に、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、バインダー樹脂として、前述したブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合において、以下のような相乗効果を発揮する。
すなわち、前述したように、ブロックポリエステルは、結晶性の高い結晶性ブロックを有するものであるため、トナー母粒子中において、主として結晶性ブロックにより形成された所定の大きさの結晶を有するものとすることができる。このような結晶を有することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナー母粒子中に埋没しにくいものとなる。すなわち、前記結晶のような硬い成分を含むことにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナー母粒子の表面付近に確実に担持(付着)されたものとなる。特に、比較的大きい機械的ストレスが加わった場合であっても、トナー母粒子中に埋没することが効果的に防止される。これにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能(特に、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)をより効果的に発揮させることができる。このように、前述したブロックポリエステルと併用することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能をより効果的に発揮させることができるため、用いる外添剤の量を抑制することができる。その結果、外添剤を多量に添加することによる不都合(例えば、紙等の転写材(記録媒体)への定着性の低下等)の発生を効果的に防止することができる。
【0233】
ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率は、特に限定されないが、重量比で、5:95〜95:5であるのが好ましく、50:50〜90:10であるのがより好ましい。このようなルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることにより、前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることによる効果は、さらに顕著なものとなる。
【0234】
また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものであるのが好ましい。これにより、トナーは、特に耐光性(特に、記録媒体への定着後における耐光性)に優れたものとなる。
本発明で用いられるルチルアナターゼ型の酸化チタンの形状は、特に限定されないが、通常、略紡錘形状である。
【0235】
ルチルアナターゼ型の酸化チタンが略紡錘形状を有するものである場合、その平均長軸径は、10〜100nmであるのが好ましく、20〜50nmであるのがより好ましい。平均長軸径がこのような範囲の値であると、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、上述したような機能を十分に発揮することができ、また、トナー母粒子中に埋没し難く、かつ遊離しにくいものとなる。その結果、トナーは、前述した機能を十分に保持し、かつ、機械的ストレスに対する安定性が特に優れたものになる。
【0236】
また、略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD[nm]、結晶の平均長さをL[nm]としたとき、0.01≦D/L≦2の関係を満足するのが好ましく、0.02≦D/L≦1の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、前述したような効果を十分に発揮しつつ、母粒子中に埋没し難いものとなる。その結果、トナーは、前述した機能を十分に保持し、かつ、機械的ストレスに対する安定性が特に優れたものになる。
【0237】
なお、結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、小角X線散乱測定等により測定することができる。その結果、トナーの機械的ストレスに対する安定性は、さらに優れたものとなる。
トナー中におけるルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、0.1〜2.0wt%であるのが好ましく、0.5〜1.0wt%であるのがより好ましい。ルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量が前記下限値未満であると、前述したような、ルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量が前記上限値を越えると、トナーの定着性が低下する傾向を示す。
【0238】
このようなルチルアナターゼ型の酸化チタンは、いかなる方法で調製されたものであってもよいが、例えば、アナターゼ型の酸化チタンを焼成することにより得ることができる。このような方法を用いることにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率を、比較的容易かつ確実に制御することができる。このような方法でルチルアナターゼ型の酸化チタンを得る場合、焼成温度は、700〜1000℃程度であるのが好ましい。焼成温度をこのような範囲の値にすることにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率を、さらに容易かつ確実に制御することが可能になる。
【0239】
また、前述した材料の中でも、外添剤2として用いることができるシリカとしては、例えば、正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等が挙げられる。正帯電性シリカは、例えば、負帯電性シリカに、アミノ基等の官能基を有するシラン系カップリング剤で、表面処理を施すことにより得ることができる。
外添剤2として負帯電性シリカを用いた場合、トナー粒子の帯電量(絶対値)を大きくすることができる。その結果、安定した負帯電性トナーが得られ、画像形成装置のトナー制御が容易になるという効果が得られる。
【0240】
また、負帯電性シリカを前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンと併用した場合、特に優れた効果が得られる。すなわち、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、トナーの流動性、環境特性(特に耐湿性)をさらに高めたり、より安定した摩擦帯電性を発揮することができるとともに、いわゆるカブリの発生をより効果的に防止することができる。また、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、得られるトナーを、帯電量(絶対値)が大きく、かつ帯電分布がよりシャープなものとすることができる。
略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD[nm]、負帯電性シリカの平均粒径をD[nm]としたとき、0.2≦D/D≦15の関係を満足するのが好ましく、0.4≦D/D≦5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することによる効果はさらに顕著なものとなる。
【0241】
また、外添剤2として、正帯電性シリカを用いた場合、例えば、正帯電性シリカをマイクロキャリアとして機能させることができ、トナー粒子自体の帯電性をさらに向上させることができる。特に、正帯電性シリカと、前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、得られるトナーを、帯電量(絶対値)が大きく、かつ帯電分布がよりシャープなものとすることができる。
正帯電性シリカを含む場合、その平均粒径は、30〜100nmであるのが好ましく、40〜50nmであるのがより好ましい。正帯電性シリカの平均粒径がこのような範囲の値であると、前述した効果はより顕著なものとなる。
【0242】
また、本発明では、外添剤2として、疎水化処理が施されたものを用いるのが好ましい。これにより、湿度等の環境条件によって、トナーの帯電が大きく左右されなくなるという効果が得られる。また、疎水化処理を施すことにより、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをより効果的に防止することができる。また、外添剤2が疎水化処理を施されたものであると、得られるトナー粒子4は、幅広い湿度領域において、特に安定した帯電特性を発揮することができる。疎水化処理としては、例えば、HMDS、シラン系カップリング剤(例えば、アミノ基等の官能基を有するものでもよい)、チタネート系カップリング剤、フッ素含有シラン系カップリング剤、シリコーンオイル等を用いた表面処理等が挙げられる。
【0243】
外添剤2の疎水化度は、30〜80[%]であるのが好ましく、50〜80[%]であるのがより好ましい。疎水化度がこのような範囲の値であると、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをより効果的に防止することができる。また、疎水化度がこのような範囲の値であると、得られるトナー粒子4は、幅広い湿度領域において、特に安定した帯電特性を発揮することができる。
【0244】
なお、本明細書中において、疎水化度とは、以下のようにして求められるものとする。
・まず、200mlの三角フラスコに、50mlの水を入れ、ここに外添剤:0.4gを投入する。通常、この状態では、外添剤は水面に浮遊しており、水との間で混合状態にならない。
・次に、ビーカー内の水を攪拌した状態で、メタノールを滴下していき、液面上の外添剤がなくなった時点(全ての外添剤が液中に沈んだ時点)で、メタノールの滴下を終了する。このときのメタノール滴下量をV[ml]としたとき、疎水化度[%]は、{V/(V+50)}×100で表される。
【0245】
外添剤2の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜1.0μmであるのが好ましく、0.01〜0.5μmであるのがより好ましい。外添剤2の平均粒径がこのような範囲の値であると、トナー粒子の定着性を十分に確保しつつ、外添剤としての機能をより効果的に発揮させることができる。
また、外添剤2は、トナー中において、実質的に、その全てがトナー粒子4(トナー母粒子6)に付着した状態になっていてもよいし、その一部がトナー粒子4(トナー母粒子6)の表面から遊離していてもよい。すなわち、トナー中には、トナー粒子4から遊離した外添剤2が含まれていてもよい。
【0246】
このように、トナー中に、母粒子から遊離した外添剤(以下、「遊離外添剤」とも言う)が含まれると、このような遊離外添剤を、例えば、トナー粒子とは反対の極性に帯電するマイクロキャリアとして機能させることができる。このようなマイクロキャリアとして機能する遊離外添剤がトナー中に含まれると、現像時等に逆帯電性のトナー粒子(トナー粒子が帯電時に本来示すべき極性とは反対の極性に帯電するトナー粒子)が発生するのを効果的に防止、抑制することができる。その結果、トナーは、いわゆるカブリ等の不都合を生じ難いものとなる。
【0247】
トナー粒子から遊離した外添剤の量は、例えば、電子写真学会年次大会(通算95回)“Japan Hardcopy'97”論文集、「新しい外添評価方法−パーティクルアナライザによるトナー分析−」(鈴木俊之、高原寿雄、電子写真学会主催、1997年7月9〜11日)に開示されている方法を適用して、測定することができる。以下、外添剤として(ルチルアナターゼ型の)酸化チタンを用いた場合のパーティクルアナライザ(PT1000)による遊離外添剤量の測定方法の一例について説明する。
【0248】
この測定方法は、樹脂(C)からなる母粒子の表面に酸化チタン(TiO2)からなる外添剤を付着させて形成されたトナーTの粒子をプラズマ中に導入することにより、トナー粒子を励起させ、この励起に伴う発光スペクトルを得、元素分析を行うことにより測定する方法である。
まず、トナー母粒子に外添剤(TiO2)が付着したトナー粒子がプラズマに導入すると、母粒子(C)および外添剤(TiO2)が分解し、構成元素であるCおよびTiが、当該元素特有の発光をする。このとき、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同時にプラズマに導入されることから、CとTiとは同時に発光が観測される。このように、CとTiとが同時に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期しているという。換言すれば、CとTiとが同期した状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着している状態を表すことになる。
【0249】
また、外添剤(TiO2)が付着していない母粒子(C)や母粒子(C)から遊離した外添剤(TiO2)がプラズマに導入される場合は、前述と同様にCおよびTiはいずれも発光するが、このとき、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが異なる時間にプラズマに導入されることから、CとTiとは異なる時間に発光するようになる(例えば、母粒子が外添剤より先にプラズマに導入されると、先にCの発光が観測され、その後遅れてTiの発光が観測される)。
【0250】
このように、CとTiとが互いに異なる時間に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期していない(つまり、非同期である)という。換言すれば、CとTiとが非同期である状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着していない状態を表すことになる。
更に、上記のようにして得られる発光スペクトルにおいて発光信号の高さは、その発光の強さを表しているが、この発光の強さは粒子の大きさや形ではなく、粒子内に含まれているその元素(C、Ti)の原子数に比例している。そこで、元素の発光強度を粒子の大きさに換算可能である。CおよびTiの発光が得られたとき、これらの発光強度から母粒子および外添剤だけでできた真球の粒子を仮定し、このときの真球の粒子を等価粒子と呼び、これらの粒径を等価粒径と呼ぶ。
【0251】
このように母粒子および外添剤の各発光スペクトルによって得られた等価粒子の等価粒径を、トナーの各粒子毎にプロットすると、図15に示すようなトナー粒子の等価粒径分布図が得られる。
図15において、横軸は母粒子(C)の等価粒径を表し、縦軸は外添剤(TiO2)の等価粒径を表している。そして、横軸上の等価粒子は、外添剤(TiO2)が付着されていない非同期の母粒子(C)を表しているとともに、縦軸上の等価粒子は、母粒子(C)から遊離した外添剤(TiO2)を表している。また、横軸および縦軸上にない等価粒子は、母粒子(C)に外添剤(TiO2)が付着されているトナーを表している。このようにして、トナーの母粒子(C)に対する外添剤(TiO2)の付着状態が分析される。
【0252】
このようにして測定することができる、トナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量(トナー中に含まれるルチルアナターゼ型の酸化チタンのうち、遊離外添剤となっているものの割合)は、0.1〜5.0個数%であるのが好ましく、0.5〜3.0個数%であるのがより好ましい。遊離外添剤の割合が少な過ぎると前述したマイクロキャリアとしての機能が十分に発揮されない場合がある。一方、遊離外添剤の割合が前記上限値を超えると、遊離外添剤がトナー接触部材に付着してフィルミングが発生しやすくなる。
【0253】
以上のようにして得られたトナーに対しては、必要に応じて、分級処理等の各種処理を施してもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
また、例えば、トナー回収後に、トナー中に残存する分散媒を除去する乾燥処理や、さらなる外添処理等の各種処理を施してもよい。このような外添処理には、例えば、ヘンシェルミキサー等を用いることができる。
【0254】
[トナー粒子]
以上のようにして製造される本発明のトナーは、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものである。特に、本発明では、円形度が比較的高い形状のトナー粒子が得られる。
具体的には、本発明のトナー(トナー粒子)は、下記式(I)で表される円形度(平均円形度)Rが0.91〜0.98であるのが好ましく、0.93〜0.98であるのがより好ましい。平均円形度Rが0.91未満であると、個々のトナー粉末間での帯電特性の差を十分に小さくするのが困難となり、感光体上への現像性が低下する傾向を示す。また、平均円形度Rが小さすぎると、感光体上へのトナーの付着(フィルミング)が発生しやすくなり、トナーの転写効率が低下する場合がある。一方、平均円形度Rが0.98を超えると、転写効率や機械的強度は増す反面、造粒(粒子同士の接合)が促進されることで平均粒子径が大きくなる等の問題がある。また、平均円形度Rが0.98を超えると、例えば、感光体等に付着したトナーをクリーニングにより除去するのが困難となる。
【0255】
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
平均円形度は、複数個のトナー粒子について投影像を観察し、上記式(I)により、これらの各粒子について、個別に円形度を求め、これらを平均して求めることができる。
【0256】
また、トナーは、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であるのが好ましく、0.015以下であるのがより好ましく、0.01以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
【0257】
また、トナーの平均粒径は、1〜20μmであるのが好ましく、3〜10μmであるのがより好ましい。トナーの平均粒径が前記下限値未満であると、均一に帯電させるのが困難になるとともに、静電潜像担持体(例えば、感光体等)表面への付着力が大きくなり、結果として、転写残トナーの増加を招く場合がある。一方、トナーの平均粒径が前記上限値を超えると、トナーを用いて形成される画像の輪郭部分、特に文字画像やライトパターンの現像での再現性が低下する。
【0258】
また、トナーは、各粒子間での粒径の標準偏差が1.5μm以下であるのが好ましく、1.3μm以下であるのがより好ましく、1.0μm以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での粒径の標準偏差が1.5μm以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
【0259】
また、トナー中の樹脂(バインダー樹脂)の含有量は、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。
また、トナー中に含まれるバインダー樹脂の組成(各樹脂成分の配合比、構成モノマー等)、平均重量分子量Mw、ガラス転移点、軟化点、融点等は、分散質の構成材料の項目で説明したのと同様の条件、範囲であるのが好ましいが、製造工程中に変化したものであってもよい。
【0260】
また、トナー中にワックスが含まれる場合、その含有量は、特に限定されないが、5wt%以下であるのが好ましく、3wt%以下であるのがより好ましく、0.5〜3wt%であるのがさらに好ましい。ワックスの含有量が多すぎると、ワックスが遊離、粗大化し、トナー表面へのワックスのしみ出し等が顕著に起こり、トナーの転写効率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。
トナーの物性としての酸価は、トナーの環境特性(特に、耐湿性)を左右する要因の一つである。トナーの酸価は、8KOHmg/g以下であるのが好ましく、1KOHmg/g以下であるのがより好ましい。トナーの酸価が8KOHmg/g以下であると、トナーの環境特性(特に耐湿性)は特に優れたものとなる。
【0261】
また、本発明のトナーは、後述するようなニップ部を有する定着装置で用いられる場合、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量が、500[Pa]以下であるのが好ましく、100[Pa]以下であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、オフセット等の不都合をより生じ難いものとなる。
【0262】
また、本発明のトナーは、後述するような定着ニップ部を有する定着装置で用いた場合において、トナー粒子が定着ニップ部を通過するのに要する時間をΔt[秒]、トナーの0.01秒での緩和弾性率を初期緩和弾性率G(0.01)とし、さらに、トナーのΔt秒での緩和弾性率をG(Δt)としたとき、G(0.01)/G(Δt)≦10の関係を満足するのが好ましく、1≦G(0.01)/G(Δt)≦8の関係を満足するのがより好ましく、1≦G(0.01)/G(Δt)≦6の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、トナー粒子の弾性率低下によるトナーの泣き別れ、オフセットが特に発生し難くなる。これに対し、G(0.01)/G(Δt)が10を超えると、トナーの泣き別れ、オフセットが発生し易くなる。トナーの緩和弾性率は、例えば、トナーの構成材料の組成(例えば、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステルの分子量、モノマー成分、ランダム性や、ワックス、外添剤の組成、各構成成分の含有量等)や、トナーの製造条件(例えば、分散液の噴射速度、噴射させる分散液の温度、粘度、固化部における雰囲気温度、雰囲気圧力、分散液の搬送速度、混練工程における原料温度、混練時間や、冷却工程における混練物の冷却速度等)により、調節することができる。
【0263】
また、バインダー樹脂として前述したようなブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合、トナー中には、通常、主としてブロックポリエステルの結晶性ブロックにより構成された結晶が存在する。
このような結晶は、その平均長さ(長手方向の平均長さ)が10〜1000nmであるのが好ましく、50〜700nmであるのがより好ましい。結晶の長さがこのような範囲の値であると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。特に、トナー粒子の表面付近に、外添剤2がより確実に保持されることとなり(外添剤が母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、トナー粒子は、現像装置等における安定性に特に優れたものとなり、また、フィルミング等の発生を生じ難いものとなる。なお、前記結晶の大きさは、例えば、原料成分として用いるブロックポリエステルの製造条件等を制御することによりブロックポリエステルの分子量やランダム性を変更したり、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比を変更したり、前述した混練工程、冷却工程の条件を変更すること等により、適宜調整することができる。
【0264】
また、バインダー樹脂として前述したようなブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合、トナー中において、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとができるだけ相溶しているのが好ましい。これにより、各トナー粒子間での特性のばらつきが特に小さくなり、トナー全体としての特性がより安定したものとなる。
【0265】
また、本発明のトナーは、非磁性一成分系のトナーに適用されるものであるのが好ましい。非磁性一成分系のトナーは、一般に、後述するような規制ブレードを有する画像形成装置に適用される。したがって、機械的ストレスに強い本発明のトナーは、非磁性一成分系のトナーとして用いたときに、前述したような効果をより顕著に発揮することができる。
【0266】
また、バインダー樹脂がブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステル、架橋型ポリエステルおよび非架橋型ポリエステルを含むものである場合、以下で説明するような定着装置、画像形成装置に用いられるものであるのが好ましい。以下、バインダー樹脂がブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステルを含むものとして、定着装置、画像形成装置について説明する。
【0267】
図16は、本発明のトナーが適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図、図17は、図16の画像形成装置が有する現像装置の断面図、図18は、図16の画像形成装置に用いられる定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図、図19は、図18の定着装置の要部断面図、図20は、図18の定着装置を構成する剥離部材の斜視図、図21は、図18の定着装置を構成する剥離部材の取付状態を示す側面図、図22は、図18の定着装置を上面から見た正面図、図23は、ニップ部の出口における接線に対する、剥離部材の配置角度を説明するための模式図、図24は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図、図25は、図24(a)のX−X線における断面図、図26は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図、図27は、図26(a)のY−Y線における断面図、図28は、定着ローラと、剥離部材とのギャップを説明するための断面図である。
【0268】
画像形成装置1000の装置本体29内には、感光体ドラムからなる像担持体30が配設され、図示しない駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。この像担持体30の周囲には、その回転方向に沿って、像担持体(感光体)30を一様に帯電するための帯電装置40、像担持体30上に静電潜像を形成するための露光装置50、静電潜像を現像するためのロータリー現像装置60、像担持体30上に形成された単色のトナー像を一次転写するための中間転写装置70が配設されている。
【0269】
ロータリー現像装置60は、イエロー用現像装置60Y、マゼンタ用現像装置60M、シアン用現像装置60Cおよびブラック用現像装置60Kが支持フレーム600に装着され、支持フレーム600は図示しない駆動モータにより回転駆動される構成になっている。これらの複数の現像装置60Y、60C、60M、60Kは、像担持体30の1回転毎に選択的に一つの現像装置の現像ローラ604が像担持体30に対向するように回転移動するようにされている。なお、各現像装置60Y、60C、60M、60Kには、各色のトナーが収納されたトナー収納部が形成されている。
現像装置60Y、60C、60M、60Kは、いずれも同一の構造を有している。したがって、ここでは現像装置60Yの構造について説明するが、現像装置60C、60M、60Kについても、構造、機能は同様である。
【0270】
図17に示すように現像装置60Yでは、その内部にトナーTを収容するハウジング601に供給ローラ603および現像ローラ604が軸着されており、当該現像装置60Yが上記した現像位置に位置決めされると、「トナー担持体」として機能する現像ローラ604が像担持体(感光体)30と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向位置決めされるとともに、これらのローラ603、604が本体側に設けられた回転駆動部(図示省略)と係合されて所定の方向に回転するように構成されている。この現像ローラ604は、現像バイアスを印加されるべく銅、ステンレス、アルミニウム等の金属または合金により円筒状に形成されている。
【0271】
また、現像装置60Yでは現像ローラ604の表面に形成されるトナー層の厚みを所定厚みに規制するための規制ブレード605が配置されている。この規制ブレード605は、ステンレスやリン青銅などの板状部材605aと、板状部材605aの先端部に取り付けられたゴムや樹脂部材などの弾性部材605bとで構成されている。この板状部材605aの後端部はハウジング601に固着されており、現像ローラ604の回転方向D3において、板状部材605aの先端部に取り付けられた弾性部材605bが板状部材605aの後端部よりも上流側に位置するように配設されている。
【0272】
中間転写装置70は、駆動ローラ90および従動ローラ100と、両ローラにより図示矢印方向に駆動される中間転写ベルト110と、中間転写ベルト110の裏面で像担持体30に対向して配設された一次転写ローラ120と、中間転写ベルト110上の残留トナーを除去する転写ベルトクリーナ130と、駆動ローラ90に対向して配設され、中間転写ベルト110に形成された4色フルカラー像を記録媒体(紙等)上に転写するための二次転写ローラ140とからなっている。
【0273】
装置本体29の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
上記構成からなる画像形成装置1000の作用について説明する。図示しないコンピュータからの画像形成信号が入力されると、像担持体30、現像装置60の現像ローラ604および中間転写ベルト110が回転駆動し、先ず、像担持体30の外周面が帯電装置40によって一様に帯電され、一様に帯電された像担持体30の外周面に、露光装置50によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、イエローの静電潜像が形成される。
【0274】
一方、現像装置60Yでは、2つのローラ603、604が接触しながら回転することで、イエロートナーが現像ローラ604の表面に擦り付けられて所定の厚みのトナー層が現像ローラ604の表面に形成される。そして、規制ブレード605の弾性部材605bが現像ローラ604の表面に弾性的に当接して、現像ローラ604の表面上のトナー層を、所定の厚みに規制する。
【0275】
像担持体30上に形成された潜像位置には、イエロー用現像装置60Yが回動してその現像ローラ604が当接し、これによってイエローの静電潜像のトナー像が像担持体30上に形成され、次に、像担持体30上に形成されたトナー像は一次転写ローラ120により中間転写ベルト110上に転写される。このとき、二次転写ローラ140は中間転写ベルト110から離間されている。
【0276】
上記の処理が画像形成信号の第2色目、第3色目、第4色目に対して、像担持体30と中間転写ベルト110の1回転による潜像形成、現像、転写が繰り返され、画像形成信号の内容に応じた4色のトナー像が中間転写ベルト110上において重ねられて転写される。そして、このフルカラー画像が二次転写ローラ140に達するタイミングで、記録媒体が搬送路170から二次転写ローラ140に供給され、このとき、二次転写ローラ140が中間転写ベルト110に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写される。そして、この記録媒体上に転写されたトナー像は定着装置190により加熱加圧され定着される。中間転写ベルト110上に残留しているトナーは転写ベルトクリーナ130によって除去される。
なお、両面印刷の場合には、定着装置190を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て、二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置190により加熱加圧され定着される。
【0277】
図16において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結ぶ線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
次に定着装置190について、詳細に説明する。
図18および図22において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着され、定着ローラ210の一端には駆動ギヤ28が連結されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
【0278】
図19において、定着ローラ210は、内部にハロゲンランプ等の熱源210aを有する金属製の筒体210b、筒体210bの外周に設けられたシリコンゴム等からなる弾性層210cと、弾性層210cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂(例えばパーテトラフロロエチレン(PTFE))よりなる表層(図示せず)と、筒体210bに固定された回転軸210dとから構成されている。
【0279】
加圧ローラ220は、金属製の筒体220bと、筒体220bに固定された回転軸220dと、回転軸220dを軸支持する軸受250と、定着ローラ210と同様に、筒体220bの外周に設けられた弾性層220cと、弾性層220cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂よりなる表層(図示せず)とから構成されている。定着ローラ210の弾性層210cの厚みは、加圧ローラ220の弾性層220cの厚みより極端に小さくし、これにより加圧ローラ220側が凹状にへこむような定着ニップ部340が形成されている。
【0280】
図18および図19に示すように、ハウジング240の両側面には、支持軸290、300が設けられており、この支持軸290、300にそれぞれ定着ローラ210側の剥離部材310と加圧ローラ220側の剥離部材320が回動自在に装着されている。これにより、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向で定着ニップ部340の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320が配設されることになる。
【0281】
定着ローラ210側の剥離部材310は、図20および図21に示すように、樹脂シートまたは金属シートを基材とし、該基材表面にフッ素系樹脂層を形成している。剥離部材310は、プレート状の剥離部(基材)310aと、剥離部310aの後方で定着ローラ210側にL字状に折曲された折曲部310bと、剥離部310aの両側端で下方向に折曲された支持片310cと、支持片310cに形成された嵌合穴310dと、剥離部310aの両側端前方に延設されたガイド部310eとから構成されている。
【0282】
剥離部310aは、定着ニップ部340の出口(ニップ出口341)に向けて傾斜するように配置され、剥離部310aの先端は定着ローラ210に非接触でかつ近接されている。支持片310cの嵌合穴310dには、図19で説明した支持軸290が嵌合されている。ガイド部310eは、スプリング33によりハウジング240に付勢され、これによりガイド部310eの先端は定着ローラ210に当接されており、その結果、剥離部310aの先端と定着ローラ210表面との間のギャップが常時一定になるようにされている。
【0283】
加圧ローラ220側の剥離部材320は、定着ローラ210側の剥離部材と同様の形状であるが、図18および図19に示すように、剥離部320aの先端は剥離部310aの先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置されている。また、ガイド部320eの先端は加圧ローラ220の軸受250の周面にP点で当接されており、これにより、剥離部320aの先端と加圧ローラ220表面との間のギャップが常時一定になるようにされている。
【0284】
本実施形態では、図18および図19に示すように、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向でニップ部340の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320を配設している。定着ローラ210側の剥離部材310の先端は、ニップ部340の出口に向けて傾斜するように配置され、定着ローラ210に非接触でかつ近接されている。加圧ローラ220側の剥離部材320の先端は、定着ローラ210側の剥離部材310の先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置されている。
【0285】
図21に示すように、定着ローラ210側の剥離部材310は、そのガイド部310eが、スプリング33によりハウジング240に付勢され、これによりガイド部310eの先端は定着ローラ210に当接されており、その結果、剥離部310aの先端と定着ローラ210表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。
【0286】
加圧ローラ220側の剥離部材320は、定着ローラ210側の剥離部材と同様の形状であり、図18および図19に示すように、剥離部320aの先端は剥離部310aの先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、また、ガイド部320eの先端は加圧ローラ220の軸受250の表面にP点で当接されており、これにより剥離部320aの先端と加圧ローラ220表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。そのために、図22に示すように、加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられ、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。
【0287】
両面印刷の場合、片面に印刷された記録媒体は定着ローラ210側の剥離部材310により剥離された後、記録媒体の後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着ローラ210により加熱加圧され定着され、このとき、加圧ローラ220に付着し巻き付いてしまう記録媒体は、加圧ローラ220側の剥離部材320により剥離されることになる。
【0288】
上記のように、本実施形態の定着装置では、定着ローラおよび加圧ローラの軸方向かつ定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に、定着ローラおよび加圧ローラに近接して配設される剥離部材を備え、前記定着ローラ側の剥離部材の位置決めは定着ローラ表面で行い、前記加圧ローラ側の剥離部材の位置決めは加圧ローラの軸受表面で行うので、定着ローラおよび加圧ローラからの記録媒体の剥離性を向上させることができる。
【0289】
また、本実施形態では、図23に示すように、定着ローラ210と加圧ローラ220とを略水平状態に配置し、記録媒体500を定着ニップ部340から上方に排出する方式を採用しているが、定着ニップ部340のニップ出口341の接線Sに対する、剥離部材310の配置角度θを、−5〜25°の範囲に設定するのが好ましい。定着ニップ部340のニップ出口341の接線Sに対する、剥離部材310の配置角度θをこのような範囲の値に設定することにより、画像にすじが発生し難くなり、また、剥離性が良好になる。なお、配置角度θは、定着ローラ210側を「+」、加圧ローラ側を「−」とする。
【0290】
また、定着ローラ210、加圧ローラ220は、例えば、それぞれの軸方向において外径寸法がほぼ一定のもの(略円筒形状を有するものであってもよいが、外径寸法が両端部付近で小さく中央部付近で大きい、いわゆるクラウン形状や、外径寸法が両端部付近で大きく中央部付近で小さい、いわゆる逆クラウン形状等を有するものであってもよい。
【0291】
例えば、定着ローラ210、加圧ローラ220が図24に示すように、逆クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図25に示すようなものであるのが好ましい。また、定着ローラ210、加圧ローラ220が図26に示すように、クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図27に示すようなものであるのが好ましい。
【0292】
このように、定着ローラ210に沿って配設された剥離部材310がニップ部340のニップ出口341の形状に沿う形状を有するものであると、剥離の際に、剥離部材310の定着ローラ210側の側縁と、記録媒体との接点が増え、両者の接触圧力が一部に集中することに起因する弊害、例えば、記録媒体の巻きこみや形成された画像における乱れ、すじの発生等を効果的に防止、抑制することができる。
【0293】
また、図28に示すように、定着装置190では、定着ローラ210の軸方向の端部付近における、定着ローラ210と剥離部材310とのギャップG2[μm]が、定着ローラ210の軸方向の中央部付近における、定着ローラ210と剥離部材310とのギャップG1[μm]より大きくなっているのが好ましい。このような関係を満足することにより、以下のような効果が得られる。
【0294】
すなわち、剥離部材310は、その長さ方向の中央部付近で、定着ローラ210とのギャップが小さいため、剥離性を大きく損なうことなく、ギャップ管理を簡便にでき、また、定着装置190の製造も容易になる。また、異物の侵入や紙詰まりが発生した場合であっても、これらによる剥離部材310や定着ローラ210へのダメージを生じ難く、剥離部材310、定着ローラの耐久性、信頼性が向上し、定着装置190、画像形成装置1000としての耐久性、信頼性も向上する。なお、上記のようなG1とG2との関係は、例えば、剥離部材310を弓型形状にしたり、剥離部材310の先端部310fを弓型形状にしたり、定着ローラ210をクラウン形状にすることにより満足させることができる。
【0295】
上記のような定着装置においては、定着ニップ部340の長さは、トナー粒子が前記定着ニップ部340を通過するのに要する時間が0.02〜0.2秒となるようなものであるのが好ましく、0.03〜0.1秒であるのがより好ましい。トナー粒子が前記定着ニップ部340を通過するのに要する時間がこのような範囲の値であると、トナーが溶融温度まで昇温され、かつ溶融しすぎず定着ローラへの離型性が十分に確保される。
【0296】
また、定着装置190は、高速印刷(高速定着、高速画像形成)に適したものであり、具体的には、記録媒体500の送り速度(繰り出し速度)が0.05〜1.0m/秒であるのが好ましく、0.2〜0.5m/秒であるのがより好ましい。このように、本発明では、比較的高速で記録媒体500にトナーを定着した場合であっても、画像にすじや乱れが発生するのを防止することができ、また、記録媒体500の巻きこみ等の剥離不良を発生し難い。
【0297】
また、運転時における、定着ニップ部340の温度は、100〜220℃であるのが好ましく、120〜200℃であるのがより好ましい。定着ニップ部340の温度がこのような範囲の値であると、紙通過時の温度低下(温度ドロップ)によるトナーの定着強度の低下を十分に防止することができる。
また、運転時における、定着設定温度(定着ローラ210表面の設定温度)は、110〜220℃であるのが好ましく、130〜200℃であるのがより好ましい。定着ローラ210の設定温度がこのような範囲の値であると、トナーの定着強度確保と昇温時間(ウォームアップタイム)の短縮が両立できる。
【0298】
トナーが前述したようなブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものである場合、本発明のトナーが用いられる定着装置は、上記のような接触型の定着装置であるのが好ましい。これにより、ブロックポリエステルの結晶による定着ローラとの高い離型性と、低粘度の非晶性ポリエステルによる定着性(定着強度)向上効果の、双方の利点が十分に発揮され、幅広い定着良好域が確保される。
【0299】
以上説明したような定着装置190は、上述したように、高速印刷(高速定着、高速画像形成)に適している。しかしながら、このような定着装置では、トナーの定着した記録媒体が剥離部材に接触する際にもトナーが高温状態になっているため、従来のトナーを用いた場合には、剥離部材との接触により、定着画像に乱れやすじを生じる可能性がある。また、定着したトナーが溶融した状態(低粘度の状態)で剥離部材と接触すると、記録媒体を確実に剥離するのが困難になる可能性もある。
【0300】
その一方で、前述した定着装置190は、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含む本発明のトナーを好適に適用することができる。すなわち、トナー中に、軟化点の比較的低い非晶性ポリエステルが含まれるため、定着ニップ部340を通過する際に記録媒体に確実に定着されるものであるとともに、結晶性ブロックを有するブロックポリエステルも含まれるため、その内部に、高硬度で適度な大きさを有する結晶が析出したものになり易い。このような結晶が存在することにより、定着時のように比較的高い温度となる場合においても、トナーの溶融粘度を所定値より低くさせないようにすることができ、定着時等においても部分的に硬いサイトが存在することになる。その結果、トナーの定着画像が、剥離部材と接触した場合においても、形成された画像に乱れやすじを生じ難い。また、本発明のトナーが定着された記録媒体では、剥離不良が特に起こり難く、剥離部材により定着ローラから確実に剥離される。
【0301】
次に、本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第2実施形態について、図29を参照しつつ説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図29は、本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。図29に示すように、本実施形態のトナー製造装置M1では、外添剤供給手段M13から供給された外添剤2が、ガス流供給手段M10から供給されたガスとともに、ダクトM101を介して、ノズルM2−ノズルM2間に設けられた各ガス噴射口M7から噴射される構成となっている。
【0302】
このような構成にすることにより、外添剤2は、ノズルM2から噴射された分散液の液滴9に付与されることとなる。すなわち、本実施形態では、液滴9が固化する前に、該液滴9に外添剤2が付着する。
このように、外添剤2が、分散媒32を含む液滴9に対して付与されることにより、外添剤2をトナー母粒子の表面付近により確実に付着(担持)させることができる。すなわち、外添剤2が液滴9に衝突する際に、外添剤2の運動エネルギーを液滴9中の分散媒32に吸収されることができるため、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをより効果的に防止することができる。
【0303】
また、図示の構成では、外添剤2の移動方向が、液滴9の搬送方向とほぼ等しい方向になる。これにより、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをさらに効果的に防止することができる。
また、本実施形態のような構成にすることにより、トナー粒子4が回収されるまでに、外添剤2と液滴9(または、液滴9が固化することにより形成されるトナー母粒子6、トナー粒子4)とが接触(衝突)する確率が高くなる。その結果、外添剤2をより効率良く付着させることができ、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着していない遊離外添剤の量が必要以上に多くなるのを効果的に防止することができる。
【0304】
また、本実施形態では、外添剤2の付着の効率が優れているので、トナーの製造に用いる外添剤2の量を比較的少なくすることができる。その結果、例えば、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着しなかった外添剤2(遊離外添剤)を除去、分離する工程を省略または簡略化することができ、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。
【0305】
また、上記のような効果は、分散媒として水とエタノールとを含む混合液のような共沸混合物を用い、外添剤2として疎水化処理を施したものを用いた場合に特に顕著なものとなる。すなわち、疎水化処理を施した外添剤は、分散媒として水だけを用いた場合、液滴表面に付着しづらく、外添剤が付着するのは、液滴が固化した後になってしまう。
【0306】
これに対し、水とエタノールとを含む共沸混合物を用いた場合、疎水化処理をした外添剤2でも液滴の段階からその表面に付着し効率よく外添することが可能となる。また共沸化合物は蒸発しやすいので、低エネルギーで固化(乾燥固化)をすることができる。
以上、本発明のトナーの製造方法およびトナーについて、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0307】
例えば、本発明のトナーの製造に用いるトナー製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。例えば、前述した実施形態では、粒状の分散液3(液滴9)を鉛直下方に向けて吐出する構成について説明したが、分散液3の吐出方向は、鉛直上方、水平方向等、いかなる方向であってもよい。また、分散液3の吐出方向と、ガス噴射口17から噴射されるガスの噴射方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。この場合、吐出された粒状の分散液3(液滴9)は、ガス流によりその進行方向が変わり、ノズルM2からの吐出方向に対してほぼ直角に搬送されることになる。また、分散液3の搬送方向と、外添剤2の移動方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。
【0308】
また、前述した実施形態では、外添剤2は、外添剤供給手段M13に接続された噴射口M131またはガス流供給手段M10に接続されたガス噴射口M7から噴射されるものとして説明したが、例えば、図6中のアトマイズガスの流路14、スプレッディングガスの供給路15(図7〜図14中の流路1、流路14、供給路15についても同様)等を介して、アトマイズガス、スプレッディングガス等とともに、噴射されるものであってもよい。このような構成にすることにより、外添剤2を噴射される液滴9の表面に効率良く付着させることができる。その結果、得られるトナー粒子4は、外添剤2がトナー母粒子6の表面付近により確実に付着(担持)されたものとなる。すなわち、外添剤2が液滴9に衝突する際に、外添剤2の運動エネルギーを液滴9中の分散媒32に吸収されることができるため、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをより効果的に防止することができる。また、このような構成にすることにより、トナー粒子4が回収されるまでに、外添剤2と液滴9(または、液滴9が固化することにより形成されるトナー母粒子6、トナー粒子4)とが接触(衝突)する確率が高くなる。その結果、外添剤2をより効率良く付着させることができ、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着していない遊離外添剤の量が必要以上に多くなるのを効果的に防止することができる。また、このような構成では、外添剤2の付着の効率が優れているので、トナーの製造に用いる外添剤2の量を比較的少なくすることができる。その結果、例えば、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着しなかった外添剤2(遊離外添剤)を除去、分離する工程を省略または簡略化することができ、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。このような効果は、分散液3に共沸化合物を用い、外添剤2として疎水化処理を施したものを用いた場合に特に顕著なものとなる。
【0309】
また、前述した実施形態では、外添剤は、固化部内で付与されるものとして説明したが、例えば、トナー母粒子を製造・回収した後に付与されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、結晶性を示す指標として示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定で得られるΔTについて説明したが、結晶性を示す指標は、これに限定されない。例えば、結晶性を表す指標としては、密度法、X線法、赤外線法、核磁気共鳴吸収法等により測定される結晶化度等を用いてもよい。
【0310】
また、トナー粒子を加熱して球形化する熱球形化処理を施してもよい。これにより、トナー粒子の円形度のさらなる向上を図ることができる。熱球形化処理は、分散液3(液滴9)から分散媒32を除去することにより得られた粉末を、例えば、圧縮空気等を用いて、加熱雰囲気下に噴射することにより行うことができる。また、熱球形化処理は液体中で行っても良い。
【0311】
また、前述した実施形態では、混練機として、連続式の2軸スクリュー押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
【0312】
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
【0313】
また、本発明のトナーは、前述したような定着装置、画像形成装置に適用されるものに限定されず、いかなる装置等に適用されるものであってもよい。
例えば、前述した実施形態では、接触型の定着装置について説明したが、本発明では、このような接触型の定着装置に限定されず、非接触型の定着装置に適用されるものであってもよい。
【0314】
また、上記の説明では、固化部M3において、分散液3(液滴9)から分散媒32が除去されることにより、液滴9中の分散質31が凝集(融合)し、トナー粒子4(トナー母粒子6)が得られるものとして説明したが、トナー粒子4は、このようにして得られるものに限定されない。例えば、分散質31中に樹脂材料の前駆体(例えば、前記樹脂材料に対応するモノマー、ダイマー、オリゴマー等)が含まれる場合、固化部M3において重合反応を進行させることにより、トナー粒子4(トナー母粒子6)を得るような方法であってもよい。
【0315】
【実施例】
[1]ポリエステルの製造
トナーの製造に先立ち、以下に示す3種のポリエステルA、B、C、Dを製造した。
[1.1]ポリエステルA(非晶性ポリエステル)の製造
まず、ネオペンチルグリコール:36モル部、エチレングリコール:36モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:48モル部、テレフタル酸ジメチル:90モル部、無水フタル酸:10モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルA(PES−A)とした。
【0316】
得られたポリエステルAについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルAの軟化点T1/2は、111℃、ガラス転移点Tは、60℃、重量平均分子量Mwは、1.3×10であった。
【0317】
[1.2]ポリエステルB(ブロックポリエステル)の製造
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:70モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:15モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:15モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:200℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルB(PES−B)とした。
【0318】
示差走査熱量分析装置を用いた測定での、ポリエステルBの融点の吸熱ピークの中心値Tmpは、218℃、ショルダーピーク値Tmsは、205℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、求められたポリエステルBの融解熱Eは、18mJ/mgであった。また、ポリエステルBの軟化点T1/2は、149℃、ガラス転移点Tは、64℃、重量平均分子量Mwは、2.8×10であった。
【0319】
[1.3]ポリエステルC(架橋型ポリエステル)の製造
まず、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:1.5モル部、トリメチロールプロパン:1.5モル部、フマル酸:1.5モル部、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸:1.5モル部の混合物を用意した。
【0320】
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のアルコール成分とカルボン酸成分との混合物:1187gと、エステル化縮合触媒(ハイドロキノン):0.75gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:220℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルC(PES−C)とした。ポリエステルCの軟化点T1/2は、121℃、ガラス転移点Tは、62℃、重量平均分子量Mwは、1.2×10であった。
【0321】
[1.4]ポリエステルD(非架橋型ポリエステル)の製造
まず、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル):3モル部、フマル酸:3モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1398gと、エステル化縮合触媒(ハイドロキノン):0.75gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:220℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルD(PES−D)とした。
【0322】
得られたポリエステルDについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルDの軟化点T1/2は、101℃、ガラス転移点Tは、61℃、重量平均分子量Mwは、7.8×10であった。
【0323】
なお、上記の各樹脂材料についての融点、軟化点、ガラス転移点、重量平均分子量の測定は、以下のようにして行った。
融点Tの測定は示差走査熱量計DSC(セイコー電子工業社製、DSC220型)を用いて、次のようにして行った。まず、樹脂サンプルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度:10℃/分で0℃まで降温した。その後、昇温速度:10℃/分で昇温し、その際の結晶融解による吸熱の最大ピーク温度(2ndラン時)を、融点Tとして求めた。
【0324】
軟化点T1/2の測定は、細管式レオメータ(島津製作所社製、フローテスタCFT−500型)を用いて行った。サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で、サンプルを押出し、流出開始時点と、流出終了時点との間のピストンストロークの変動幅が1/2の時点での温度(1/2法温度)を軟化点T1/2として求めた(図3参照)。
【0325】
ガラス転移点Tの測定は、示差走査熱量計DSC(セイコー電子工業社製、DSC220型)を用いて、上記の融点の測定と同時に行った。上記融点の測定方法で説明した2ndラン時の、ガラス転移前後のベースライン指定点の2点間の微分値最大値(DSCデータの最大傾斜点)の接線と、ガラス転移前のベースラインの延長線との交点を、ガラス転移点Tとして求めた。
【0326】
重量平均分子量Mwの測定は、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC(東ソー社製、HLC−8220型)を用いて以下のようにして行った。
まず、樹脂サンプル1gをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、1mlのTHF溶液(不溶分を含む)を得た。このTHF溶液を遠心分離専用のサンプル瓶に注入し、遠心分離機で、2000rpm、5分間の条件で遠心分離を行い、その上澄み液をサンプレップLCR13−LH(孔径:0.5μm)でろ過し、ろ液を得た。
このようにして得られたろ液を、カラム:TSKgel SuperHZ4000+SuperHZ4000(東ソー社製)、流速:0.5mL/分、温度:25℃、溶媒:THFという条件で、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC(東ソー社製、HLC−8220型)を用いて分離し、その結果として得られたチャートに基づき、樹脂サンプルの重量平均分子量Mwを求めた。なお、標準試料としては、単分散ポリスチレンを用いた。
【0327】
[2]トナーの製造
以下のようにして、トナーを製造した。
(実施例1)
まず、非晶性ポリエステルとしてポリエステルA:80重量部、ブロックポリエステルとしてポリエステルB:20重量部、着色剤としてキナクリドン(P.R.122):6重量部、帯電制御剤としてサリチル酸クロム錯体(ボントロンE−81):1重量部、ワックスとしてカルナウバワックス:2重量部を用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
【0328】
次に、この原料(混合物)を、図1に示すような2軸混練押出機を用いて、混練した。
2軸混練押出機のプロセス部の全長(L[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L/Dが40、第1の領域の長さ(L[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L/Dが12、第2の領域の長さ(L[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L/Dが20、第3の領域の長さ(L[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L/Dが4となるようにした。
【0329】
また、プロセス部における原料の温度が、第1の領域において240℃、第2の領域において100℃、第3の領域において50℃となるように設定した。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
このような条件から求められる、原料が第1の領域を通過するのに要する時間は約1.5分間、第2の領域を通過するのに要する時間は約3分間である。
【0330】
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、110℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約46℃であった。
【0331】
混練物の冷却速度は、−6.4℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
粉末状の混練物200gをトルエン800gに添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の各成分が分散・溶解した樹脂液を得た。
【0332】
一方、分散剤としてのポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):5重量部を96.0wt%エタノール水溶液:995重量部に溶解させ、その後、このエタノール溶液に分散助剤としてのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(和光純薬社製):0.5重量部を加え、均一に混合することにより、水性溶液を得た。
【0333】
前記水性溶液:1000gを3リットルの丸底ステンレス容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化工社製)を用いて、回転数:4000rpmで攪拌しながら、前記樹脂液を400g/10分の速度で徐々に滴下した。
樹脂液の滴下完了からさらに10分間攪拌して、乳化液を得た。その後、温度、55〜58℃、雰囲気圧力:80〜150mmHgの条件下で、乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却することにより、固形微粒子が分散した水系サスペンションを得た。このサスペンションの25℃における粘度は12[m・Pa・s]、固形分(分散質)濃度は31[wt%]であった。また、サスペンション中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/産卵式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
【0334】
上記のようにして得られたサスペンション(分散液)を、図4、図6に示す構成のトナー製造装置の分散液供給部内に投入した。分散液供給部内の分散液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりノズルに供給し、該ノズルから固化部に吐出(噴射)させた。なお、分散液供給部内における分散液の温度は、25℃になるように調節した。
【0335】
分散液の吐出は、毎分20mLの分散液を圧力0.7MPaの圧縮エアとともに噴霧することにより行った。
ノズルから吐出される分散液の初速度は4.2m/秒、ノズルから吐出される分散液の一滴分の平均吐出量は0.4pl(粒径Dd:9.2μm)であった。また、分散液の吐出は、複数個のノズルのうち少なくとも隣接しあうノズルで、分散液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
【0336】
また、分散液の吐出時には、各ノズル間に設けられた図示しないガス噴射口から温度:115℃、湿度:30%RH、流量:0.9m/分の空気を鉛直下方に噴射し、また、ハウジング内の圧力は、0.109〜0.110Paとなるように調節した。また、固化部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に分散液(トナー母粒子、トナー粒子)が付着するのを防止するようにした。
【0337】
一方、外添剤供給手段に接続された噴射口からは、外添剤を、分散液の液滴の搬送方向に対向するように噴射した。これにより、分散質の凝集体としてのトナー母粒子に外添剤が付与されたトナー粒子が形成された。噴射口から噴射される外添剤の初速度は1.2m/秒であった。噴射口から噴射する外添剤としては、負帯電性小粒径シリカ(平均粒径:12nm)と、負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm)と、ルチルアナターゼ型の酸化チタン(略紡錘形状、平均長軸径:30nm)とを、重量比で、1:0.5:1の割合で含む混合物を用いた。外添剤の添加量の調整は、母粒子および外添剤について、単位時間当りの流量をそれぞれ測定し、表1に示した比率になる様に流量を調整することにより行った。なお、外添剤としては、ヘキサメチルジシラザンで表面処理(疎水化処理)を施したものを用いた。外添剤の疎水化度は、70%であった。また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンとしては、結晶構造がルチル型の酸化チタンと、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンとの比率が、90:10で、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものを用いた。
【0338】
上記のようにして形成されたトナー粒子をサイクロンにて回収した。回収したトナー粒子は、平均円形度Rが0.974、円形度標準偏差が0.026であった。体積基準の平均粒径Dtは、5.9μmであった。体積基準の粒径標準偏差は1.1μmであった。なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(東亜医用電子社製、FPIA−2000)を用いて、水分散系で行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
【0339】
また、最終的に得られたトナーの酸価は、0.8mgKOH/gであった。また、トナー中における結晶の平均長さは、400nmであった。また、トナー中に含まれるルチルアナターゼ型の酸化チタンの内、遊離外添剤として存在しているものの割合(遊離率)は、1.0%であり、また、同様に求めたシリカの遊離率は、0.8%であった。なお、トナー中における結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)による測定の結果から求めた。
また、上記のようなトナーの製造は、製造前後での、各樹脂材料の重量平均分子量の変化率が±10%以内、融点、軟化点、ガラス転移点の変化量が±10℃以内となるような条件で行った。
【0340】
(実施例2)
水性溶液の調製に用いるエタノール溶液の濃度を96wt%から80wt%に変更し、ノズルの構造を図7に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例3〜5)
水性溶液の調製に用いるエタノール溶液の濃度および外添剤の組成(各成分の配合比)を表1に示すように変更した以外は、前記実施例2と同様にしてトナーを製造した。
【0341】
(実施例6〜8)
水性溶液の調製にエタノール溶液の代わりに、表1に示すような溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例9、10)
混練工程に供する原料中におけるポリエステルAの含有量、ポリエステルBの含有量を表1に示すようにし、かつ、ノズルの構造を図8に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
【0342】
(実施例11)
トナー製造装置の全体構成を図29に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例12)
ノズルの構造を図9〜図11に示すようなものに変更した以外は、前記実施例11と同様にしてトナーを製造した。
【0344】
(実施例13
混練工程に供する原料中に、前記ワックスの代わりに、低融点ポリエステル:2重量部を添加した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。なお、用いた低融点ポリエステルは、1,6−ヘキサンジオールとヘキサンジカルボン酸との重合体で、その重量平均分子量Mwは4.8×10、融点Tは79℃、ガラス転移点Tは57℃であった。
(実施例14〜16
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例1〜3と同様にしてトナーを製造した。
【0345】
(実施例17
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例6と同様にしてトナーを製造した。
(実施例18〜21
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例10〜13と同様にしてトナーを製造した。
【0346】
(比較例1)
まず、前記実施例14と同様にして粗粉砕された混練物を得た。
次に、この粗粉砕された混練物を微粉砕した。混練物の微粉砕にはジェットミル(ホソカワミクロン社製、200AFG)を用いた。なお、微粉砕は、粉砕エア圧:500[kPa]、ロータ回転数:7000[rpm]で行った。
【0347】
このようにして得られた粉砕物を気流分流機(ホソカワミクロン社製、100ATP)で分級した。
その後、分級した粉砕物(トナー製造用粉末)に、熱球形化処理を施した。熱球形化処理は、熱球形化装置(日本ニューマチック社製、SFS3型)を用いて行った。熱球形化処理時における雰囲気の温度は、270℃とした。
【0348】
その後、熱球形化処理を施した粉末100重量部に、外添剤:2.5重量部を添加し、最終的なトナーを得た。外添剤の付与は、20L型のヘンシェルミキサーを用いて行った。外添剤としては、負帯電性小粒径シリカ(平均粒径:12nm):1重量部と、負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm):0.5重量部と、ルチルアナターゼ型の酸化チタン(略紡錘形状、平均長軸径:30nm):1重量部とを用いた。なお、負帯電性シリカ(負帯電性小粒径シリカ、負帯電性大粒径シリカ)としては、ヘキサメチルジシラザンで表面処理(疎水化処理)を施したものを用いた。また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンとしては、結晶構造がルチル型の酸化チタンと、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンとの比率が、90:10で、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものを用いた。最終的に得られたトナーの体積基準の平均粒径は、7.2μmであった。
【0349】
(比較例2)
まず、前記実施例1と同様にして粗粉砕された混練物を得た。
この粉末状の混練物200gをトルエン800gに添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の各成分が分散・溶解した樹脂液を得た。
【0350】
一方、分散剤としてのポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):5重量部を水:995重量部に溶解させ、その後、この水溶液に分散助剤としてのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(和光純薬社製):0.5重量部を加え、均一に混合することにより、水性溶液を得た。
【0351】
前記水性溶液:1000gを3リットルの丸底ステンレス容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化工社製)を用いて、回転数:4000rpmで攪拌しながら、前記樹脂液を400g/10分の速度で徐々に滴下した。
樹脂液の滴下完了からさらに10分間攪拌して、乳化液を得た。その後、温度、55〜58℃、雰囲気圧力:80〜150mmHgの条件下で、乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却することにより、固形微粒子が分散した水系サスペンションを得た。このサスペンションの25℃における粘度は15[m・Pa・s]、固形分(分散質)濃度は30.2[wt%]であった。また、サスペンション中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/産卵式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
【0352】
上記のようにして得られたサスペンション(分散液)を、図4、図6に示す構成のトナー製造装置の分散液供給部内に投入した。分散液供給部内の分散液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりノズルに供給し、該ノズルから固化部に吐出(噴射)させた。なお、分散液供給部内における分散液の温度は、25℃になるように調節した。
【0353】
分散液の吐出は、毎分20mLの分散液を圧力0.7MPaの圧縮エアとともに噴霧することにより行った。
ノズルから吐出される分散液の初速度は4.1m/秒、ノズルから吐出される分散液の一滴分の平均吐出量は0.5pl(粒径Dd:10.1μm)であった。また、分散液の吐出は、複数個のノズルのうち少なくとも隣接しあうノズルで、分散液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
【0354】
また、分散液の吐出時には、各ノズル間に設けられた図示しないガス噴射口から温度:115℃、湿度:30%RH、流量:0.9m/分の空気を鉛直下方に噴射し、また、ハウジング内の圧力は、0.109〜0.110Paとなるように調節した。また、固化部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に分散液(トナー母粒子、トナー粒子)が付着するのを防止するようにした。
【0355】
一方、外添剤供給手段に接続された噴射口からは、外添剤を、分散液の液滴の搬送方向に対向するように噴射した。これにより、分散質の凝集体としてのトナー母粒子に外添剤が付与されたトナー粒子が形成された。噴射口から噴射される外添剤の初速度は1.2m/秒であった。噴射口から噴射する外添剤としては、負帯電性小粒径シリカ(平均粒径:12nm)と、負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm)と、ルチルアナターゼ型の酸化チタン(略紡錘形状、平均長軸径:30nm)とを、重量比で、1:0.5:1の割合で含む混合物を用いた。なお、外添剤としては、ヘキサメチルジシラザンで表面処理(疎水化処理)を施したものを用いた。外添剤の疎水化度は、70%であった。また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンとしては、結晶構造がルチル型の酸化チタンと、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンとの比率が、90:10で、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものを用いた。
【0356】
前記各実施例および各比較例のトナーについて、構成成分を表1に示し、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、体積基準の平均粒径Dt、粒径標準偏差を、トナーの製造に用いた分散液の条件とともに表2に示し、トナーの酸価、トナー中における結晶の平均長さ、シリカ遊離率、および酸化チタンの遊離率を表3にまとめて示した。なお、表中、ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルC、ポリエステルDは、それぞれ、PES−A、PES−B、PES−C、PES−Dで示し、帯電制御剤は、CCAで示した。
【0357】
また、各実施例および各比較例のトナーについて、Δt=0.05[秒]、トナーの0.01秒での緩和弾性率Gを初期緩和弾性率G(0.01)[Pa]とし、さらに、トナーのΔt秒での緩和弾性率G(Δt)[Pa]としたときの、G(0.01)[Pa]とG(Δt)[Pa]との比、G(0.01)/G(Δt)を以下のようにして求めた。
まず、トナー約1gをパラレルプレートにはさみ、過熱溶融させ、高さ1.0〜2.0mmに調製した。このようにして得られたサンプルを、ARES粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を用いて、応力緩和測定モードにより、下記測定条件で粘弾性測定を行った。
・測定温度:150℃、
・歪印加量:線径領域における最大歪み
・ジオメトリー:パラレルプレート(25mm径)
上記のような測定により、初期緩和弾性率(0.01秒での緩和弾性率):G(0.01)[Pa]、Δt=0.05秒での緩和弾性率:G(Δt)[Pa]を求めた。これらの結果から得られるG(0.01)/G(Δt)の値を表3にあわせて示す。なお、実施例1〜21のトナーの製造に用いた分散液の25℃における粘度は、いずれも10〜1000[m・Pa・s]の範囲内の値であった。
【0358】
【表1】

Figure 0004175122
【0359】
【表2】
Figure 0004175122
【0360】
【表3】
Figure 0004175122
【0361】
表2から明らかなように、本発明のトナーは、トナー粒子の平均円形度Rが比較的大きく、かつ、各粒子間での形状・大きさのバラツキが小さい。
【0362】
[3]評価
以上のようにして得られた各トナーについて、嵩密度、定着良好域、現像耐久性、保存性の評価を行った。
[3.1]嵩密度
前記各実施例および前記各比較例で製造したトナーについて、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて、嵩密度を測定した。測定時における温度は20℃、湿度は58%RHであった。
【0363】
[3.2]定着良好域
まず、前述した図18図25図28に示すような定着装置を作製した。この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。この定着装置を用いて図16図17に示すような画像形成装置(カラープリンタ)を作製した。この画像形成装置を用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該画像形成装置の定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cmに調整した。
画像形成装置を構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、未定着のトナー像が転写された用紙(セイコーエプソン社製、上質普通紙)を、定着装置の内部に導入することにより、トナー像を用紙に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。
【0364】
同様に、定着ローラの表面の設定温度を100〜250℃の範囲で順次変更していき、各温度でのオフセットの発生の有無を確認し、オフセットが発生しなかった温度範囲を、「定着良好域」として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が45℃以上60℃未満である。
△:定着良好域の幅が30℃以上45℃未満である。
×:定着良好域の幅が30℃未満である。
【0365】
[3.3]現像耐久性
前記[3.2]で用いた画像形成装置の現像装置にトナーを30gセットした後、無補給でエージングを行い、現像ローラへのフィルミングが発生するまでの時間を測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:エージング開始後、120分以上経過しても、フィルミングの発生は認められなかった。
○:エージング開始後、80〜120分でフィルミングが発生。
△:エージング開始後、50〜80分でフィルミングが発生。
×:エージング開始後、50分未満でフィルミングが発生。
【0366】
[3.4]保存性
各実施例および各比較例のトナーを、それぞれ10gずつサンプル瓶に入れ、50℃の恒温槽内に48時間放置した後、固まり(凝集)の有無を目視で確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:固まり(凝集)の存在が全く認められなかった。
○:小さい固まり(凝集)がわずかに認められた。
△:小さい固まり(凝集)が相当数認められた。
×:固まり(凝集)がはっきりと認められた。
これらの結果を表4にまとめて示した。
【0367】
【表4】
Figure 0004175122
【0368】
表4から明らかなように、本発明のトナーは、いずれも、現像耐久性に優れ、幅広い温度領域で、優れた定着性を発揮するものであった。また、本発明のトナーは、嵩密度が大きく、保存性にも優れていた。特に、好ましい構成成分(共沸混合物の構成成分)を含む分散液を用いて得られたトナーや、好ましい組成のポリエステル系樹脂、より適切な外添剤を含むトナーでは、極めて良好な結果が得られた。
【0369】
これに対して、比較例のトナーでは、十分な特性が得られなかった。
特に、混練法により製造された(トナーの構成成分を含む分散液を用いないで製造された)比較例1のトナーでは、耐久性、定着良好域および保存性が特に劣っていた。
また、分散液の分散媒として水のみを用いた(共沸混合物を形成し得る成分を用いなかった)比較例2のトナーでは、特に、帯電特性、流動性が劣っていた。これは、固化部内において、分散媒である水を十分に除去することができなかったためであると考えられる。
【0370】
また、前記各トナーについて、上記の定着装置のニップ部を通過させ、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量を測定したところ、実施例1〜21の各トナーでは、緩和弾性率G(t)の変化量は、いずれも100[Pa]以下であった。なお、トナー粒子が通過する際における、ニップ部の温度は、180℃であった。
【0371】
また、着色剤として、キナクリドン(P.R.122)に代わり、銅フタロシアニン顔料、ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー93、カーボンブラックを用いた以外は、前記各実施例および前記各比較例と同様にして、トナーを作製し、これらの各トナーについても前記と同様の評価を行った。その結果、前記各実施例および前記各比較例と同様の結果が得られた。
【0372】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供することができる。
また、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さく、トナー全体としての信頼性が向上する。
【0373】
このような効果は、トナーの製造に用いる分散液の組成(分散媒の構成成分)、分散液の固化条件(分散媒の除去条件)、樹脂の組成(例えば、ブロックポリエステルの構成モノマー、平均分子量、結晶性ブロックの存在比、非晶性ポリエステルの構成モノマー、平均分子量や、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比等)や、分散液の噴射条件(噴射される分散液の温度・粘度、分散液中における分散質の含有量・平均粒径、噴射された分散液の平均粒径、固化部内の圧力・温度等)、外添剤の種類、含有量等を調整することにより、さらに優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。
【図2】 ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図である。
【図3】 軟化点解析用フローチャートである。
【図4】 本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図5】 微粒子として噴射された分散液とトナー母粒子と、トナー粒子との大きさの関係を模式的に示す図である。
【図6】 分散液を微粒子として噴射するノズルの好適な実施形態を示す断面図である。
【図7】 分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図である。
【図8】 分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図である。
【図9】 分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図である。
【図10】 図9に示すノズルの要部拡大断面図である。
【図11】 図10に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図である。
図12】 分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図である。
図13図12に示すガス剥離凹部の平面図である。
図14】 分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図である。
図15】 トナー中に含まれるトナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。
図16】 本発明のトナーが適用される画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図である。
図17図16の画像形成装置が有する現像装置の断面図である。
図18図16の画像形成装置に用いられる定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図である。
図19図18の定着装置の要部断面図である。
図20図18の定着装置を構成する剥離部材の斜視図である。
図21図18の定着装置を構成する剥離部材の取付状態を示す側面図である。
図22図18の定着装置を上面から見た正面図である。
図23】 ニップ部の出口における接線に対する、剥離部材の配置角度を説明するための模式図である。
図24】 定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図である。
図25図24(a)のX−X線における断面図である。
図26】 定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図である。
図27図26(a)のY−Y線における断面図である。
図28】 定着ローラと、剥離部材とのギャップを説明するための断面図である。
図29】 本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
K1……混練機 K2……プロセス部 K21……バレル K22、K23……スクリュー K24……固定部材 K25……第1の領域 K26……第2の領域 K27……第3の領域 K28、K29……温度移行領域 K3……ヘッド部 K31……内部空間 K32……押出口 K33……横断面積漸減部 K4……フィーダー K41……投入口 K5……原料 K6……冷却機 K61、K62、K63、K64……ロール K611、K621、K631、K641……回転軸 K65、K66……ベルト K67……排出部 K7……混練物 M1……トナー製造装置 M2……ノズル M3……固化部 M31……ハウジング M311……縮径部 M4……分散液供給部 M41……攪拌手段 M5……回収部 M7……ガス噴射口 M8……電圧印加手段 M10……ガス流供給手段 M101……ダクト M11……熱交換器 M12……圧力調整手段 M121……接続管 M122……拡径部 M123……フィルター M13……外添剤供給手段 M131……噴射口 1……流路 2……外添剤 3……分散液 31……分散質 32……分散媒 4……トナー粒子 5……供給口 6……トナー母粒子 7……傾斜面 7A……エッジ 8……薄層流 9……液滴 10……ガス口 11……内側リング 12……中間リング 12A……内側中間リング 12B……外側中間リング 13……外側リング 14……アトマイズガスの流路 15……スプレッディングガスの供給路 16……中心リング 17……スプレッディングガス噴射口 18……通気性部材 19……ガス剥離凹部 20……貫通孔 21……液体流路 22……ヘリカルリブ 1000……画像形成装置 29……装置本体 30……像担持体 40……帯電装置 50……露光装置 60……ロータリー現像装置 600……支持フレーム 601……ハウジング 603……供給ローラ 604……現像ローラ 605……規制ブレード 605a……板状部材 605b……弾性部材 60Y……イエロー用現像装置 60M……マゼンタ用現像装置 60C……シアン用現像装置 60K……ブラック用現像装置 70……中間転写装置 90……駆動ローラ 100……従動ローラ 110……中間転写ベルト 120……一次転写ローラ 130……転写ベルトクリーナ 140……二次転写ローラ 150……給紙カセット 160……ピックアップローラ 170……記録媒体搬送経路 190……定着装置 200……排紙トレイ 210……定着ローラ(加熱定着部材) 210a……熱源 210b……筒体 210c……弾性層 210d……回転軸 220……加圧ローラ(加圧部材) 220b……筒体 220c……弾性層 220d……回転軸 230……両面印刷用搬送路 240……ハウジング 250……軸受 260……加圧レバー 270……加圧スプリング 280……駆動ギヤ 290……支持軸 300……支持軸 310……剥離部材 310a……剥離部 310b……折曲部 310c……支持片 310d……嵌合穴 310e……ガイド部 310f……先端部 320……剥離部材 320a……剥離部 320e……ガイド部 330……スプリング 340……定着ニップ部 341……ニップ出口 500……記録媒体 T……トナー S……接線 G1……ギャップ G2……ギャップ F……加圧ガス源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toner manufacturing method and a toner.
[0002]
[Prior art]
A number of methods are known as electrophotographic methods. In general, a process (exposure process) of forming an electrical latent image on a photoconductor by various means using a photoconductive substance, A developing step of developing the latent image with toner, a transferring step of transferring the toner image onto a transfer material such as paper, and a step of fixing the toner image by heating, pressing, etc. using a fixing roller. is doing.
As a method for producing the toner used in such an electrophotographic method, a pulverization method and a polymerization method are used.
[0003]
In the pulverization method, a raw material containing a resin as a main component (hereinafter also simply referred to as “resin”) and a colorant is kneaded at a temperature equal to or higher than the softening point of the resin to obtain a kneaded product, and then the kneading. This is a method of cooling and pulverizing an object (for example, see Patent Document 1). Such a pulverization method is excellent in that the range of selection of raw materials is wide and toner can be produced relatively easily. However, the toner obtained by the pulverization method has the disadvantages that the variation in shape among the particles is large and the particle size distribution tends to be wide. As a result, variations in charging characteristics, fixing characteristics, and the like among the toner particles increase, and the reliability of the entire toner decreases. Further, even when the particle diameters are made uniform by classification, it is difficult to sufficiently eliminate the variation in shape among the toner particles. In addition, when components that are inferior in compatibility and dispersibility are used in the production of the toner, the composition and characteristics vary among the obtained toner particles, and the reliability of the toner as a whole decreases. In addition, considering the productivity, there is a limit to reducing the particle size.
[0004]
In the polymerization method, toner particles are produced by performing a polymerization reaction in a liquid phase or the like using a monomer that is a constituent component of a resin to produce a target resin. According to such a polymerization method, the shape of the obtained toner particles can be made relatively high in sphericity (geometrically close to a perfect sphere), and can be reduced in particle size. Excellent in terms. However, in the polymerization method, it is necessary to stop the reaction in the middle, and there may be a case where the variation in particle diameter cannot be sufficiently reduced among the particles. Also, in such a polymerization method, the size of the obtained particles is usually adjusted by utilizing the interfacial characteristics with the aqueous medium in which the polymerizable monomer is dispersed. In general, it is essential to add a chemical such as a surfactant to the aqueous medium. As a result, the obtained toner is affected by these chemicals and may be inferior in environmental resistance such as electrical characteristics (charging characteristics) and moisture resistance. In addition, in the polymerization method, the range of selection of the resin material is narrow due to process limitations, and it may be difficult to obtain a toner having the desired characteristics.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 62-30259 A (Claims)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a toner having a uniform shape and a narrow particle size distribution, and to provide a toner production method capable of producing such a toner.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, the present invention provides a dispersion medium in which a dispersoid containing a raw material for producing a toner is finely dispersed in a dispersion medium, atomized, jetted, and conveyed in a solidification portion, while the dispersion medium is conveyed. The toner is solidified into a granular shape by removing the toner,
The dispersion medium contains at least two or more components capable of forming an azeotrope,
The present invention relates to a method for producing a toner, characterized in that an external additive is added when the fine particles of the dispersion are solidified in the solidified portion.
Thereby, a toner having a uniform shape and a small width of the particle size distribution can be provided.
[0011]
  In the method for producing a toner of the present invention, the dispersion to be ejected flows in almost one direction.Contains the external additiveRelease into gas streamIs preferred.
  ThisIn the solidification part, the fine particle dispersion (toner mother particles) can be efficiently conveyed,Toner productivity is improved.Further, the dispersion medium can be efficiently removed from the fine particle dispersion.
[0016]
  Also,From the plurality of injection units, the finely divided dispersion liquid is injected,
It is preferable to shift the injection timing of the dispersion liquid from at least two adjacent ones of the plurality of injection units.
  Thereby, it can prevent more effectively that the fine particles of the dispersion liquid discharged from the adjacent injection part collide and solidify before solidifying.Further, toner productivity is improved.
[0017]
  Further, it is preferable that the dispersion liquid is sprayed in a state where a voltage having the same polarity as that of the dispersion liquid is applied to the solidified portion.
  Thereby, it is possible to effectively prevent the dispersion liquid, toner particles, toner base particles and the like from adhering to the inner surface of the solidified portion.
[0020]
The azeotropic mixture is preferably an aqueous azeotropic mixture containing at least water.
As a result, the external additive can be more reliably supported near the surface of the toner base particles.
The dispersion medium preferably contains water and an alcohol-based substance.
Thereby, the dispersion medium can be more efficiently removed from the fine particles of the dispersion liquid, and the recoverability of the dispersion medium is also excellent.
[0021]
  Moreover, it is preferable that the ratio of content of the said water and the said alcohol-type substance in the said dispersion medium is 3: 97-95: 5 by weight ratio.
  As a result, the removal efficiency of the dispersion medium becomes particularly excellent, and the removed dispersion medium can be suitably reused.
[0030]
  The dispersion includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester,
  The block polyester preferably has a crystalline block formed by condensing a diol component and a dicarboxylic acid component, and an amorphous block having a lower crystallinity than the crystalline block.
  As a result, the obtained toner is particularly resistant to mechanical stress and exhibits sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range.
[0036]
Further, the present invention is a toner produced by the above method,
A block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester,
  The block polyester has a crystalline block formed by condensing a diol component and a dicarboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block.This invention relates to a toner.
  ThisA toner having a uniform shape and a narrow particle size distribution can be obtained. Also,The toner is particularly resistant to mechanical stress and exhibits sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range.
[0037]
Further, it is preferable that the toner has crystals formed mainly by the crystalline block.
As a result, the physical stability of the toner is particularly excellent. In addition, this makes it possible to reliably carry the external additive near the surface of the toner base particles, so that even when the content of the external additive is relatively small, the function as the external additive is sufficiently achieved. It can be demonstrated.
[0038]
  The average length of the crystal is preferably 10 to 1000 nm.
  As a result, the physical stability of the toner becomes particularly excellent, and the external additive can be reliably supported near the surface of the toner base particles.
[0039]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, preferred embodiments of a toner production method and a toner according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. First, a method for producing the toner of the present invention will be described.
  FIG. 1 is a longitudinal sectional view schematically showing an example of the configuration of a kneader and a cooler for producing a kneaded product used for preparing a dispersion, and FIG. 2 is a diagram when a differential scanning calorimetric analysis is performed on a block polyester. 3 is a model diagram of a differential scanning calorimetry curve near the melting point of the block polyester, FIG. 3 is a flowchart for softening point analysis, and FIG. 4 is a first embodiment of a toner manufacturing apparatus used for manufacturing the toner of the present invention. FIG. 5 is a longitudinal sectional view schematically showing the form, FIG. 5 is a diagram schematically showing the relationship between the size of the dispersion liquid, toner base particles, and toner particles ejected as fine particles, and FIG. FIG. 7, FIG. 8 and FIG. 9 are cross-sectional views showing other embodiments of the nozzle for injecting the dispersion liquid as fine particles, and FIG. 10 is shown in FIG. Expanded cross section of the main part of the nozzle , 11, enlarged cross-sectional view showing the inner intermediate ring tip portion of the nozzle shown in FIG. 10, FIG.Is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles,FIG.IsFIG.A plan view of the gas peeling recess shown in FIG.FIG.Is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles,FIG.FIG. 4 is a diagram for explaining a method for measuring the amount of titanium oxide released from toner particles contained in toner. Hereinafter, in FIG. 1, the left side is assumed to be “base end” and the right side is assumed to be “tip”.
[0040]
[Dispersion]
First, the dispersion 3 used in the present invention will be described. The toner of the present invention is manufactured using the dispersion liquid 3. The dispersion 3 has a configuration in which a dispersoid (dispersed phase) 31 is finely dispersed in a dispersion medium 32.
[0041]
<Dispersion medium>
The dispersion medium 32 can disperse the dispersoid 31 described later.
In particular, the present invention is characterized in that a dispersion medium containing at least two components capable of forming an azeotrope (lowest boiling azeotrope) is used. As a result, the dispersion medium 32 can be efficiently removed in a solidifying section or the like of a toner manufacturing apparatus described later. In addition, it becomes possible to remove the dispersion medium 32 at a relatively low temperature in a solidifying section or the like of a toner manufacturing apparatus to be described later, and it is possible to more effectively prevent deterioration of characteristics of the obtained toner particles 4.
[0042]
As described above, the dispersion medium 32 includes two or more components that can form an azeotrope (lowest boiling azeotrope) (hereinafter also simply referred to as “constituent components of the azeotrope”). Although what kind of thing may be sufficient, it is preferable to contain the liquid (for example, the liquid whose solubility with respect to 100 g of water in 25 degreeC is 30 g or more) excellent in at least water and / or water compatibility. Thereby, for example, the dispersibility of the dispersoid 31 in the dispersion medium 32 can be enhanced, and the dispersoid 31 in the dispersion liquid 3 has a relatively small particle size and small variation in size. be able to. As a result, the finally obtained toner particles 4 can have a small size and shape variation between the particles and a relatively large circularity.
Azeotropes are broadly classified into aqueous azeotropes containing at least water (as a constituent of the azeotrope) and non-aqueous azeotropes containing no water as the component forming the azeotrope. The
[0043]
Examples of components that can form an azeotrope with water in an aqueous azeotrope include, for example, ketone substances such as methyl ethyl ketone (MEK), acetone, cyclohexanone, 3-heptanone, 4-heptanone, ethanol, n-propanol, Isopropanol, 2-propanol, n-butanol, i-butanol, t-butanol, 2-butanol, 3-methyl-1-butanol, 1-pentanol, 2-pentanol, n-hexanol, cyclohexanol, 1-heptanol , 1-octanol, 2-octanol, 2-methoxyethanol, allyl alcohol, furfuryl alcohol, phenols and other alcoholic substances, dipropyl ether, dibutyl ether, 1,4-dioxane, anisole, ethers such as 2-methoxyethanol Substances, halides such as chloroform, 1,2-dichloroethane, trichloroethylene, chlorobenzene, carbon tetrachloride, ethyl chloroacetate, butyl chloroacetate, isobutyl chloroacetate, toluene, benzene, ethylbenzene, naphthalene, furfuryl alcohol, chlorobenzene, pyridine, Aromatic substances such as 2-methylpyridine, 3-methylpyridine, 4-methylpyridine, aniline, phenol, anisole, ethyl benzoate, acetylacetone, ethyl acetate, methyl acetate, isopropyl acetate, isobutyl acetate, isopentyl acetate, chloroacetic acid Esters such as ethyl, butyl chloroacetate, isobutyl chloroacetate, ethyl formate, isobutyl formate, ethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl benzoate, methyl butyrate, pyridine, 2 Amine substances such as methylpyridine, 3-methylpyridine, 4-methylpyridine, trimethylamine, hexylamine, triethylamine, aniline, hydrocarbon substances such as hexane, heptane, cyclohexane, methylcyclohexane, octane, didecane, methylcyclohexene, isoprene Alkene (olefin) materials such as methylcyclohexene, isoprene, allyl alcohol and acrylonitrile, nitrile materials such as acrylonitrile and acetonitrile, nitro materials such as nitromethane and nitroethane, ethyl acrylate, methyl methacrylate, acrylonitrile, acrylaldehyde, etc. Acrylic materials and carbon disulfide.
By the way, as an azeotrope, it consists of 2 types of components (it can form an azeotrope by the combination of only 2 types of components), and an azeotrope of 3 types or more (2 types). A combination of only these components cannot form an azeotrope) and a multi-component azeotrope.
Among the above-mentioned “components that can form an azeotrope with water”, in particular, as components that can form a two-component azeotrope with water, for example, acrylaldehyde, ethyl acrylate, acrylonitrile, Acetylacetone, anisole, aniline, ethyl benzoate, ethanol, 1-octanol, 2-octanol, octane, formic acid, chlorobenzene, chloroform, ethyl acetate, methyl acetate, carbon tetrachloride, 1,4-dioxane, cyclohexanol, cyclohexanone, cyclohexane , Didecane, trimethylamine, toluene, naphthalene, nitroethane, pyridine, phenol, 1-butanol, 2-butanol, furfuryl alcohol, 1-propanol, 2-propanol, 1-hexanol, hexane, hexylamine, 1-hepta Lumpur, 3-heptanone, 4-heptanone, benzene, 1-pentanol, 2-pentanol, methyl methacrylate, 2-methylpyridine, 3-methylpyridine, 4-methylpyridine, methyl butyrate.
Examples of components that can form a ternary azeotrope with water include acetone, isoprene, carbon disulfide, acetonitrile, benzene, allyl alcohol, hexane, isobutyl alcohol, isobutyl formate, and isobutyl chloroacetate. , Isobutyl acetate, dibutyl ether, ethanol, ethyl chloroacetate, ethyl acetate, triethylamine, methylcyclohexane, ethyl methyl ketone, 1,2-dichloroethane, trichloroethylene, nitromethane, octane, 1-butanol, butyl chloroacetate, 2-butanol, Butane, t-butyl alcohol, cyclohexane, 1-propanol, dipropyl ether, 2-propanol, isopropyl acetate, 3-methyl-1-butanol, isopentyl acetate, 2-methoxyethanol, ethanol Rubenzen, and the like.
[0044]
Examples of combinations of components that can form a non-aqueous azeotrope include, for example, thiophene / cyclohexane, thiophene / 2,3-dimethylpentane, thiophene / 2,4-dimethylpentane, thiophene / hexane, thiophene / heptane, Thiophene / methylcyclopentane, acetone / isoprene, acetone / isopentane, acetone / propyl chloride, acetone / methyl acetate, acetone / diisopropyl ether, acetone / diethylamine, acetone / cyclohexane, acetone / cyclopentane, acetone / 2,3-dimethylbutane , Acetone / hexane, acetone / pentane, acetone / methylcyclopentane, methanol / acrylonitrile, methanol / acetonitrile, methanol / acetone, methanol / isopentane, Nord / methyl ethyl ketone, methanol / diethylamine, methanol / cyclohexane, methanol / tetrachloroethylene, methanol / tetrahydrofuran, methanol / toluene, methanol / benzene, ethanol / ethyl acrylate, ethanol / methyl acrylate, ethanol / ethyl propyl ether, ethanol / isobutyl chloride , Ethanol / butyl chloride, ethanol / t-butyl chloride, ethanol / ethyl acetate, ethanol / thiophene, ethanol / toluene, ethanol / benzene, chloroform / methanol / acetone, methyl formate / diethyl ether / pentane, methyl formate / ethyl bromide / Isopentane, methanol / methyl acetate / cyclohexane, methanol / ethyl bromide / 2-methyl-2-butene Nord / benzene / cyclohexane, ethanol / benzene / heptane, 1-propanol / benzene / cyclohexane, 2-propanol / ethyl acetate / cyclohexane, 2-propanol / benzene / cyclohexane, 1-butanol / benzene / cyclohexane, isobutyl alcohol / benzene / And cyclohexane.
In particular, in the present invention, the dispersion medium 32 preferably includes a constituent component of an aqueous azeotrope among the above azeotropes.
[0045]
Among water-based azeotropes, those containing water and alcohol-based substances are particularly preferable. Alcohol-based substances are generally excellent in compatibility with water. For this reason, a more uniform dispersion 3 can be easily obtained by using a dispersion medium 32 containing water and an alcohol-based substance. In addition, alcoholic substances have excellent handling properties (excellent safety, moderate volatility, excellent recoverability), and are relatively inexpensive, improving toner productivity and reducing production costs. This can contribute to reduction and the like. In addition, even if the alcoholic substance as described above remains in the finally obtained toner, it does not easily affect the properties of the toner.
[0046]
When the dispersion medium 32 contains water and an alcohol-based substance, these ratios are preferably 3:97 to 95: 5, more preferably 4:96 to 85:15 in terms of weight ratio. . As a result, the solidification temperature (dry solidification temperature) can be lowered, and deterioration of toner characteristics can be more effectively prevented. In addition, the removal efficiency of the dispersion medium 32 in the solidification section of the toner manufacturing apparatus described later is particularly excellent, and the removed dispersion medium 32 can be suitably reused.
[0047]
The boiling point of the dispersion medium 32 (gas-liquid equilibrium temperature when the atmospheric pressure is 1 atm) is not particularly limited, but is preferably 180 ° C. or lower, more preferably 130 ° C. or lower, and 30 to 100 ° C. More preferably. As described above, when the boiling point of the dispersion medium 32 is relatively low, the dispersion medium 32 can be removed relatively easily in a solidifying portion or the like of the toner manufacturing apparatus described later. Further, by using such a material as the dispersion medium 32, the residual amount of the dispersion medium 32 in the finally obtained toner particles 4 can be made particularly small. As a result, the reliability as a toner is further increased.
[0048]
The dispersion medium 32 may contain components other than the components that can form an azeotrope. For example, the dispersion medium 32 may include a component that cannot form an azeotrope (for example, water in the case where the dispersion medium includes a constituent component of a non-aqueous azeotrope). Further, in the dispersion medium 32, various materials such as materials exemplified later as constituents of the dispersoid 31, inorganic fine powders such as silica, titanium oxide, and iron oxide, organic fine powders such as fatty acids and fatty acid metal salts, etc. Additives and the like may be included.
[0049]
<Dispersed quality>
The dispersoid 31 is usually made of a material containing at least a resin (or a resin precursor) as a main component.
Hereinafter, the constituent material of the dispersoid 31 will be described.
1. Resin (binder resin)
Examples of the resin include polystyrene, poly-α-methylstyrene, chloropolystyrene, styrene-chlorostyrene copolymer, styrene-propylene copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene- Vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene-acrylic acid ester-methacrylic acid ester copolymer, styrene-α-chloro Monopolymer or copolymer containing styrene or a styrene substitution product, such as methyl acrylate copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylic acid ester copolymer, styrene-vinyl methyl ether copolymer, or polyester resin , Epoxy resin, urethane modified Epoxy resin, silicone-modified epoxy resin, vinyl chloride resin, rosin-modified maleic acid resin, phenyl resin, polyethylene, polypropylene, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, ethylene-ethyl acrylate copolymer, xylene resin, polyvinyl butyral Resins, terpene resins, phenol resins, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resins and the like can be mentioned, and one or more of these can be used in combination. Especially, as resin, what contains a polyester-type resin is especially preferable. As a result, it is possible to relatively easily control characteristics such as the elastic modulus and chargeability of the finally obtained toner.
[0050]
In general, the polyester resin is composed of an alcohol component (including one having two or more hydroxyl groups) and a carboxylic acid component (including a divalent or higher carboxylic acid or a derivative thereof).
As the alcohol component, those having two or more hydroxyl groups can be used, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butane. Diol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butanediol, 2,3-butanediol , Neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 3-methyl-1, 3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol Chain diols such as 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentanediol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, or polyoxypropylene ( 2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2 , 2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6)- Addition of alkylene oxide of bisphenol A such as 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane alkylene oxide adduct, 1,4-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as an alkylene oxide adduct of hydrogenated bisphenol A, or sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol, tripentaerythritol, 1 , 2,4-butanetriol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, 1,3, 5-trihydroxyme And polyhydric alcohols having 3 or more hydroxyl groups such as tilbenzene.
[0051]
As the carboxylic acid component, for example, a divalent or higher valent carboxylic acid or a derivative thereof (for example, acid anhydride, lower alkyl ester, etc.) can be used. For example, o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, Isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid, maleic acid, itaconic acid, trimellitic acid, pyromellitic acid and derivatives thereof (for example, anhydride, lower Alkyl esters and the like).
The polyester-based resin may contain components other than the alcohol component and the carboxylic acid component as described above.
[0052]
By the way, polyester resins can be broadly classified into non-crosslinked polyesters and crosslinked polyesters.
The non-crosslinked polyester can be easily obtained by using a diol component having two hydroxyl groups as the alcohol component and using a divalent dicarboxylic acid component as the carboxylic acid component among the monomer components described above.
[0053]
On the other hand, the cross-linked polyester can be obtained, for example, by using an alcohol component having 3 or more hydroxyl groups and / or a trivalent or higher carboxylic acid component. The cross-linked polyester is, for example, a diol component having a functional group other than a hydroxyl group (functional group capable of forming a crosslinked structure) and / or a dicarboxylic acid having a functional group other than a carboxyl group (functional group capable of forming a crosslinked structure). It can also be obtained using an acid.
[0054]
In the present invention, any resin component may be used, but “1-1. Crosslinked polyester and non-crosslinked polyester” and “1-2. Block polyester and amorphous polyester” described below. Thus, it is preferable to use a combination of at least two resin components. Hereinafter, each of these combinations will be described in detail.
[0055]
1-1. Crosslinked polyester and non-crosslinked polyester
1-1-1. Cross-linked polyester
Crosslinked polyester has a crosslinked structure. For this reason, since the cross-linked polyester generally has a three-dimensional cross-linked structure, it is excellent in stability against stress. For this reason, the cross-linked polyester contributes to improving the strength of the entire toner. Therefore, the inclusion of the cross-linked polyester makes the toner resistant to mechanical stress and excellent in durability and offset resistance.
[0056]
As described above, the cross-linked polyester can be obtained by using, for example, an alcohol component having 3 or more hydroxyl groups and / or a trivalent or higher carboxylic acid component. The cross-linked polyester is, for example, a diol component having a functional group other than a hydroxyl group (functional group capable of forming a crosslinked structure) and / or a dicarboxylic acid having a functional group other than a carboxyl group (functional group capable of forming a crosslinked structure). It can also be obtained using an acid.
[0057]
Hereinafter, components constituting the cross-linked polyester will be described.
As the alcohol component constituting the cross-linked polyester, one having two or more hydroxyl groups can be used. For example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butanediol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl -1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentanediol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, etc. Diols, or polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxy Ethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane Bisphenol such as polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane Alkylene oxide adduct of A, 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adduct of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexane Cyclic diols such as dimethanol, hydrogenated bisphenol A, alkylene oxide adducts of hydrogenated bisphenol A, or sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol , Tripentaerythritol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylol propane, Examples thereof include polyhydric alcohols having 3 or more hydroxyl groups such as 1,3,5-trihydroxymethylbenzene.
[0058]
Further, as the carboxylic acid component constituting the cross-linked polyester, for example, a divalent or higher carboxylic acid or a derivative thereof (for example, acid anhydride, lower alkyl ester, etc.) can be used. For example, o-phthalic acid (Phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid, maleic acid, itaconic acid and derivatives thereof (for example, anhydride, lower And divalent dicarboxylic acids such as alkyl esters) or trivalent or higher polyvalent carboxylic acids such as trimellitic acid, pyromellitic acid and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
The cross-linked polyester may contain components other than the above alcohol component and carboxylic acid component.
[0059]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the crosslinked polyester is not particularly limited, but is 1 × 10.4~ 5x105Preferably, 1.2 × 104~ 1x105It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw exceeds the above upper limit, the elasticity becomes strong and it becomes difficult to fix the toner, and also the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper may be lowered and the surface property may be deteriorated. There is. If the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, the amount of heat required for fixing increases.
[0060]
Glass transition point T of cross-linked polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-90 degreeC, and it is more preferable that it is 55-80 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, the low-temperature fixability is lowered. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0061]
Softening point T of cross-linked polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 100-180 degreeC, and it is more preferable that it is 105-150 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and offset resistance tends to be reduced. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases. Softening point T1/2For example, using a flow tester, sample amount: 1 g, die hole diameter: 1 mm, die length: 1 mm, load: 20 kgf, preheating time: 300 seconds, measurement start temperature: 50 ° C., heating rate: 5 ° C./min The temperature of the point on the flow curve corresponding to h / 2 in the flowchart for analysis shown in FIG.
[0062]
1-1-2. Non-crosslinked polyester
Non-crosslinked polyester generally has a low coefficient of friction. Therefore, a toner having particularly excellent releasability and transfer efficiency can be obtained by using non-crosslinked polyester.
As described above, the non-crosslinked polyester can be suitably obtained by using a diol component having two hydroxyl groups as the alcohol component and using a divalent dicarboxylic acid component as the carboxylic acid component among the monomer components described above. it can.
[0063]
Hereinafter, components constituting the non-crosslinked polyester will be described.
Examples of the diol component having two hydroxyl groups constituting the non-crosslinked polyester include an aromatic diol having an aromatic ring structure and an aliphatic diol having no aromatic ring structure. Examples of the aromatic diol include bisphenol A and alkylene oxide adducts of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3). ) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene ( 2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, etc.), and the aliphatic diol. Is, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3- Lopylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butane Diol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentane Diol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentane Diol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene Chain diols such as recall, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adducts of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4 -Cyclohexane dimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adducts, and the like.
[0064]
Examples of the divalent dicarboxylic acid component constituting the non-crosslinked polyester include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, and octyl succinic acid. , Cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid, maleic acid, itaconic acid and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
The non-crosslinked polyester may contain components other than the alcohol component and carboxylic acid component as described above.
[0065]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the non-crosslinked polyester is not particularly limited, but is 5 × 10.3~ 4x104Preferably 8 × 103~ 2.5 × 104It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw is too small, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, when the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0066]
Glass transition point T of non-crosslinked polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-90 degreeC, and it is more preferable that it is 55-80 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, the low-temperature fixability and smoothness deteriorate. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0067]
Softening point T of non-crosslinked polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 80-180 degreeC, It is more preferable that it is 100-150 degreeC, It is further more preferable that it is 100-130 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, the storage stability as a toner is lowered and sufficient durability may not be obtained. On the other hand, if the softening point is too low, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability and smoothness to a transfer material (recording medium) such as paper are reduced, and the amount of heat required for fixing is large. Become.
[0068]
The softening point of non-crosslinked polyester is T1/2(A) [° C.], the softening point of the aforementioned cross-linked polyester is T1/2When (B), T1/2(B)> (T1/2It is preferable to satisfy the relationship (A) +10), and (T1/2(A) +20) <T1/2(B) <(T1/2It is more preferable to satisfy the relationship (A) +50). By satisfying such a relationship, for example, at a relatively high temperature, the cross-linked polyester can sufficiently soften the non-cross-linked polyester while ensuring the stability of the shape of the toner particles to some extent. Thereby, the viscosity of the toner particles near the fixing temperature of the toner can be made relatively low, and the stress relaxation time of the toner can be lengthened. As a result, it is possible to make the fixing property particularly excellent when the toner of the present invention is used in a fixing device having a fixing roller (particularly, a fixing device as will be described later). Further, by satisfying the relationship as described above, the toner can exhibit excellent fixability in a wider temperature range. Further, by satisfying the above relationship, the dispersion medium 32 aggregates when the dispersion medium 32 is removed from the fine particles (droplets 9) of the dispersion 3 ejected in the solidifying unit M3 of the toner manufacturing apparatus M1 described later. The bond strength between the dispersoid 31 and the dispersoid 31 can be made particularly high.
Softening point T1/2Can be determined, for example, by the method described above.
[0069]
As described above, when the cross-linked polyester and the non-cross-linked polyester are used in combination, the above-described features of the cross-linked polyester and the features of the non-cross-linked polyester can be achieved. As a result, the toner finally obtained is resistant to mechanical stress (has sufficient physical stability) and can exhibit sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range. It becomes.
[0070]
The blending ratio of the cross-linked polyester and the non-cross-linked polyester is preferably 5:95 to 80:20, more preferably 10:90 to 60:40, by weight. If the blending ratio of the cross-linked polyester is too low, the synergistic effect as described above is not sufficiently exhibited, and it may be difficult to sufficiently improve the offset resistance of the toner. On the other hand, if the blending ratio of the non-crosslinked polyester is too low, the synergistic effect as described above is not sufficiently exhibited, and sufficient low-temperature fixability may not be obtained. Moreover, when the compounding ratio of non-crosslinked polyester becomes too low, for example, it may be difficult to sufficiently enhance the dispersibility of the dispersoid 31 in the dispersion 3. In the case where the kneaded material K7 is used for preparing the dispersion 3, it becomes difficult to efficiently pulverize the kneaded material K7 used for preparing the dispersion into a thin and uniform size.
[0071]
Further, even when the above-mentioned crosslinked polyester and non-crosslinked polyester are used in combination, other components (third resin component) may be used in combination as the resin component (binder resin). .
Examples of the resin component (third resin component) other than the crosslinked polyester and the non-crosslinked polyester include polystyrene, poly-α-methylstyrene, chloropolystyrene, styrene-chlorostyrene copolymer, and styrene-propylene copolymer. Styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene-vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, Styrene resins such as styrene-acrylic acid ester-methacrylic acid ester copolymer, styrene-α-methyl chloroacrylate copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylic acid ester copolymer, styrene-vinyl methyl ether copolymer, etc. Contains styrene or substituted styrene Homopolymer or copolymer, polyester resin (different from the above-mentioned crosslinked polyester and non-crosslinked polyester), epoxy resin, urethane-modified epoxy resin, silicone-modified epoxy resin, vinyl chloride resin, rosin-modified maleic acid resin , Phenyl resin, polyethylene, polypropylene, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, ethylene-ethyl acrylate copolymer, xylene resin, polyvinyl butyral resin, terpene resin, phenol resin, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resin Etc., and one or more of these can be used in combination.
[0072]
1-2. Block polyester and amorphous polyester
1-2-1. Block polyester
The block polyester is composed of a block copolymer having a crystalline block obtained by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block.
[0073]
(1) Crystalline block
The crystalline block has higher crystallinity than the amorphous block or the amorphous polyester. That is, the molecular arrangement structure is stronger and more stable than amorphous blocks and amorphous polyesters. For this reason, the crystalline block contributes to improving the strength of the entire toner. As a result, the finally obtained toner is resistant to mechanical stress and has excellent durability and storage stability.
[0074]
By the way, generally resin with high crystallinity has what is called sharp melt property compared with resin with low crystallinity. That is, a resin having high crystallinity has a property that when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry (DSC), the endothermic peak appears as a sharp shape compared to the resin having low crystallinity. Yes.
On the other hand, the crystalline block has high crystallinity as described above. Accordingly, the crystalline block has a function of imparting sharp melt properties to the block polyester. For this reason, the finally obtained toner maintains excellent shape stability even at a relatively high temperature (a temperature near the melting point of the block polyester) at which the amorphous polyester described later is sufficiently softened. be able to. Therefore, when such a block polyester is used, sufficient fixability (fixing strength) can be exhibited in a wide temperature range.
Further, by having such a crystalline block, it is possible to precipitate crystals having a high hardness and an appropriate size in the toner. When such a crystal exists, the stability of the shape of the toner is particularly excellent, and particularly excellent stability against mechanical stress is exhibited. Further, when such crystals are present in the toner, the external additive 2 as will be described later is more reliably held near the surface of the toner particles (toner mother particles) (the external additive 2 is the toner). It can be effectively prevented from being buried in the mother particles), and the functions of the external additive (for example, effects such as excellent fluidity and charging property) can be sufficiently exhibited.
[0075]
Hereinafter, components constituting the crystalline block will be described.
As the alcohol component constituting the crystalline block, one having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, a diol component having two hydroxyl groups is preferable. Examples of such a diol component having two hydroxyl groups include an aromatic diol having an aromatic ring structure, an aliphatic diol having no aromatic ring structure, and the like, and examples of the aromatic diol include bisphenol A. Or an alkylene oxide adduct of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3) -2,2-bis (4 -Hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene (2.0) -2,2- Bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) pro In addition, examples of the aliphatic diol include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butanediol, and diethylene glycol. 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butanediol, 2,3-butanediol, neopentyl Glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 3-methyl-1,3-pentane Diol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl 1,2-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentanediol, chain diols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) ) Alkylene oxide adduct of propane, 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, hydrogenated bisphenol A, hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adduct And the like, and the like.
[0076]
As described above, the diol component constituting the crystalline block is not particularly limited, but at least a part thereof is preferably an aliphatic diol, more preferably 80 mol% or more is an aliphatic diol, and 90 mol thereof. More preferably, at least% is an aliphatic diol. Thereby, the crystallinity of the block polyester (crystalline block) can be made particularly high, and the above-described effects become even more remarkable.
[0077]
The diol component constituting the crystalline block has a linear molecular structure having 3 to 7 carbon atoms and has hydroxyl groups at both ends (general formula: HO— (CH2)nIt is preferable to include a diol represented by —OH (where n = 3 to 7). By including such a diol component, the crystallinity is improved and the coefficient of friction is lowered, so that it is resistant to mechanical stress and particularly excellent in durability and storage stability. Examples of such diols include 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, and the like, among which 1,4-butanediol Is preferred. By including 1,4-butanediol, the above-described effects become particularly remarkable.
[0078]
When 1,4-butanediol is included as the diol component constituting the crystalline block, 50 mol% or more of the diol constituting the crystalline block is more preferably 1,4-butanediol, and 80 mol% or more thereof is 1 More preferred is 4-butanediol. Thereby, the effect mentioned above becomes further remarkable.
[0079]
As the carboxylic acid component constituting the crystalline block, divalent or higher carboxylic acids or derivatives thereof (for example, acid anhydrides, lower alkyl esters, etc.) can be used, but divalent dicarboxylic acids or derivatives thereof, etc. Is preferably used. Examples of such divalent dicarboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid, and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
[0080]
As described above, the dicarboxylic acid component constituting the crystalline block is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 50 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. It is more preferable that 80 mol% or more of them has a terephthalic acid skeleton. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner.
[0081]
Although the content rate of the crystalline block in block polyester is not specifically limited, It is preferable that it is 5-60 mol%, and it is more preferable that it is 10-40 mol%. If the content of the crystalline block is less than the lower limit, the effect of having the crystalline block as described above may not be sufficiently exhibited depending on the content of the block polyester. On the other hand, if the content of the crystalline block exceeds the upper limit, the content of the amorphous block is relatively decreased, and therefore the compatibility between the block polyester and the amorphous polyester described later may be decreased. There is.
The crystal block may contain components other than the alcohol component and carboxylic acid component as described above.
[0082]
(2) Amorphous block
The amorphous block has lower crystallinity than the above-described crystalline block. Further, the amorphous polyester described later also has lower crystallinity than the crystalline block. That is, the amorphous block has a lower crystallinity than the crystalline block, as with the amorphous polyester described later.
By the way, in a blend resin, in general, resins having greatly different crystallinities are hardly compatible with each other, and resins having a small difference in crystallinity are easily compatible with each other. Therefore, when the block polyester has an amorphous block, compatibility (dispersibility) between the block polyester and the amorphous polyester described later is increased. As a result, it is possible to effectively prevent phase separation (particularly macrophase separation) between the block polyester and the amorphous polyester in the finally obtained toner. The advantages of polyester can be exhibited sufficiently and stably.
[0083]
Hereinafter, the components constituting the amorphous block will be described.
As the alcohol component constituting the amorphous block, those having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, a diol having two hydroxyl groups is preferable. Examples of such a diol component having two hydroxyl groups include an aromatic diol having an aromatic ring structure, an aliphatic diol having no aromatic ring structure, and the like, and examples of the aromatic diol include bisphenol A. , An alkylene oxide adduct of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3) -2,2-bis (4- Hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propa In addition, examples of the aliphatic diol include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butanediol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 3-methyl-1,3-pentanediol 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl -1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentanediol, chain diols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) Alkylene oxide adduct of propane, 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, hydrogenated bisphenol A, hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adduct, etc. And cyclic diols.
[0084]
Thus, although the alcohol component which comprises an amorphous block is not specifically limited, It is preferable that at least one part is an aliphatic diol, and it is more preferable that 50 mol% or more is an aliphatic diol. Thereby, an effect that a fixed image having better toughness (excellent bending resistance) can be obtained can be obtained.
The diol component constituting the amorphous block preferably has at least a part thereof having a branched chain (side chain), and more preferably 30 mol% or more thereof has a branched chain. . Thereby, the effect of suppressing regular arrangement, reducing crystallinity, and improving transparency is obtained.
[0085]
As the carboxylic acid component constituting the amorphous block, divalent or higher carboxylic acids or derivatives thereof (for example, acid anhydrides, lower alkyl esters, etc.) can be used. Etc. are preferably used. Examples of such divalent dicarboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
[0086]
Thus, the dicarboxylic acid component constituting the amorphous block is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 80 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. More preferably. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner.
The amorphous block may contain components other than the alcohol component and carboxylic acid component as described above.
[0087]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the block polyester having the crystalline block and the amorphous block as described above is not particularly limited, but is 1 × 10.4~ 3x105Preferably, 1.2 × 104~ 1.5 × 105It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw is too small, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, when the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0088]
Glass transition point T of block polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-75 degreeC, and it is more preferable that it is 55-70 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, low-temperature fixability and transparency are deteriorated. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0089]
Softening point T of block polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 90-160 degreeC, and it is more preferable that it is 100-150 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, the storage stability as a toner is lowered and sufficient durability may not be obtained. On the other hand, if the softening point is too low, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases. Softening point T1/2Can be determined, for example, by the method described above.
[0090]
Melting point T of block polyesterm(Center value T of peak when endothermic peak of melting point is measured by differential scanning calorimetry described later.mp) Is not particularly limited, but is preferably 190 ° C. or higher, more preferably 190 to 230 ° C. Melting point TmWith such a value, the colorant can be dispersed under high viscosity, and the coloring power, transparency, chargeability, durability (filming resistance), and productivity (grindability) of the toner can be improved. It is possible to easily achieve high dispersion of the colorant necessary for improvement. On the other hand, when the melting point is less than 190 ° C., there is a possibility that effects such as improvement in offset resistance cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the melting point is too high, the material temperature must be relatively high in the kneading step described later. As a result, the transesterification reaction of the resin material tends to proceed, and it may be difficult to sufficiently reflect the resin design in the finally obtained toner. In addition, melting | fusing point can be calculated | required by the measurement of the endothermic peak by differential scanning calorimetry (DSC), for example.
[0091]
When the finally obtained toner is used in a fixing device having a fixing roller as described later, the melting point of the block polyester (the endothermic peak of the melting point was measured by differential scanning calorimetry described later). The center value T of the peakmp) Tm(B) [° C], the standard set temperature of the surface of the fixing roller is Tfix[℃], Tfix≦ Tm(B) ≤ (Tfix+100) is preferably satisfied, and (Tfix+10) ≦ Tm(B) ≤ (TfixIt is more preferable to satisfy the relationship +70). By satisfying such a relationship, it is possible to effectively prevent toner from adhering to the fixing roller of the fixing device as described later. Further, since the block polyester has the property of easily forming crystals of an appropriate size as described above, stability and durability can be maintained even after the toner is fixed on the recording medium. In particular, when the block polyester is used in combination with an amorphous polyester described later, the amorphous polyester described later can be sufficiently softened during fixing. For this reason, the fixability (fixing strength) of the toner to the recording medium can be sufficiently increased, and the low-temperature fixability of the toner is excellent. Further, since the block polyester is easy to form high hardness crystals, the toner is excellent in stability after fixing.
[0092]
Moreover, it is preferable that melting | fusing point of block polyester is higher than the softening point of the amorphous polyester mentioned later. As a result, the stability of the finally obtained toner shape is improved, and particularly excellent stability against mechanical stress is exhibited.
By the way, as described above, since the block polyester has a crystalline block with high crystallinity, it is so-called sharper than a resin material with relatively low crystallinity (for example, amorphous polyester described later). Has melt properties.
[0093]
As an index representing crystallinity, for example, the center value of the peak when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry (DSC) is Tmp[° C], shoulder peak value is TmsWhen [° C.], ΔT = Tmp-TmsΔT value represented by (see FIG. 2). The smaller this ΔT value, the higher the crystallinity.
The ΔT value of the block polyester is preferably 50 ° C. or less, and more preferably 20 ° C. or less. Tmp[° C], TmsThe measurement conditions of [° C.] are not particularly limited. For example, after the block polyester as a sample is heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and further, the temperature is decreased at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Temperature rising rate: It can be measured by increasing the temperature at 10 ° C./min.
Moreover, block polyester has higher crystallinity than the amorphous polyester mentioned later. Therefore, the ΔT value of the amorphous polyester is expressed as ΔT.A[℃], the ΔT value of the block polyester is ΔTB[T], ΔTA> ΔTBSatisfy the relationship. In particular, in the present invention, ΔTA-ΔTBIt is preferable that the relationship> 10 is satisfied, and ΔTA-ΔTBIt is more preferable to satisfy the relationship> 30. By satisfying such a relationship, the above-described effect becomes more remarkable. However, when the amorphous polyester has particularly low crystallinity, TmpOr TmsAt least one of them may be difficult to measure (difficult to distinguish). In such a case, ΔTAIs ∞ [° C].
[0094]
The block polyester has a heat of fusion E required when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry.fIs preferably 5 mJ / mg or more, and more preferably 15 mJ / mg or more. Heat of fusion EfIf it is less than 5 mJ / mg, there is a possibility that the effects as described above due to having the crystalline block are not sufficiently exhibited. However, the heat of fusion does not include the heat quantity of the endothermic peak at the glass transition point (see FIG. 2). The measurement conditions for the endothermic peak of the melting point are not particularly limited. For example, the block polyester as a sample was heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and further decreased at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Thereafter, the value measured when the temperature is raised at a rate of temperature rise of 10 ° C./min can be determined as the heat of fusion.
[0095]
The block polyester is preferably a non-crosslinked polymer (polymer having no crosslinked structure). Non-crosslinked polymers have a smaller coefficient of friction than crosslinked polymers. Thereby, particularly excellent releasability is obtained, and the transfer efficiency of the toner is further improved.
In addition, block polyester may have blocks other than the crystalline block mentioned above and an amorphous block.
[0096]
1-2. Amorphous polyester
Amorphous polyester has lower crystallinity than the block polyester described above.
[0097]
Amorphous polyester is mainly composed of the dispersibility of each component constituting the toner (for example, a colorant, wax, antistatic agent and the like as described later), the pulverization property of the kneaded product during toner production, and the toner fixing property. It is a component that contributes to improving functions such as (especially low-temperature fixability), transparency, mechanical properties (for example, elasticity, mechanical strength, etc.), chargeability, and moisture resistance. In other words, if the amorphous polyester described in detail below is not contained in the toner, it may be difficult to sufficiently exhibit the characteristics required for the toner as described above.
[0098]
Hereinafter, the components constituting the amorphous polyester will be described.
As the alcohol component constituting the amorphous polyester, one having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, a diol having two hydroxyl groups is preferable. Examples of such a diol component having two hydroxyl groups include an aromatic diol having an aromatic ring structure and an aliphatic diol having no aromatic ring structure. Examples of the aromatic diol include bisphenol A and alkylene oxide adducts of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3). ) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene ( 2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, etc.), and the aliphatic diol. Is, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3- Lopylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butane Diol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentane Diol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentane Diol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene Chain diols such as recall, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adducts of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4 -Cyclohexane dimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adducts, and the like.
[0099]
As the carboxylic acid component constituting the amorphous polyester, divalent or higher carboxylic acids or derivatives thereof (for example, acid anhydrides, lower alkyl esters, etc.) can be used. Etc. are preferably used. Examples of such divalent dicarboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
[0100]
As described above, the dicarboxylic acid component constituting the amorphous polyester is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 80 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. More preferably, 90 mol% or more of them has a terephthalic acid skeleton. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner.
[0101]
Moreover, it is preferable that 50 mol% or more (more preferably 80 mol% or more) of the monomer component constituting the amorphous polyester is the same as the monomer component constituting the amorphous block described above. That is, the amorphous polyester is preferably composed of the same monomer component as that of the amorphous block. Thereby, the compatibility between the block polyester and the amorphous polyester is particularly excellent. However, the “monomer component” here does not refer to a monomer used in the production of block polyester or amorphous polyester, but refers to a monomer component contained in block polyester or amorphous polyester.
The amorphous polyester may contain a component other than the diol component and the dicarboxylic acid component as described above.
[0102]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the amorphous polyester is not particularly limited, but is 5 × 10.3~ 4x104Preferably 8 × 103~ 2.5 × 104It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw is too small, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, when the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0103]
Glass transition point T of amorphous polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-75 degreeC, and it is more preferable that it is 55-70 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, low-temperature fixability and transparency are deteriorated. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0104]
Softening point T of amorphous polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 90-160 degreeC, It is more preferable that it is 100-150 degreeC, It is further more preferable that it is 100-130 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, the storage stability as a toner is lowered and sufficient durability may not be obtained. On the other hand, if the softening point is too low, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0105]
In addition, the softening point of amorphous polyester is T1/2(A) [° C], the melting point of the block polyester described above is TmWhen (B), Tm(B)> (T1/2It is preferable to satisfy the relationship (A) +60), and (T1/2(A) +60) <Tm(B) <(T1/2It is more preferable to satisfy the relationship (A) +150). By satisfying such a relationship, for example, at a relatively high temperature, the amorphous polyester can be sufficiently softened while the block polyester ensures the stability of the shape of the toner particles to some extent. Thereby, the viscosity of the toner particles near the fixing temperature of the toner can be made relatively low, and the stress relaxation time of the toner can be lengthened. As a result, it is possible to make the fixing property particularly excellent when the toner of the present invention is used in a fixing device having a fixing roller (particularly, a fixing device as will be described later). Further, by satisfying the relationship as described above, the toner can exhibit excellent fixability in a wider temperature range. Further, by satisfying the above relationship, the dispersion medium 32 aggregates when the dispersion medium 32 is removed from the fine particles (droplets 9) of the dispersion 3 ejected in the solidifying unit M3 of the toner manufacturing apparatus M1 described later. The bond strength between the dispersoid 31 and the dispersoid 31 can be made particularly high.
[0106]
Softening point T1/2Can be determined, for example, by the method described above.
The amorphous polyester is preferably a non-crosslinked polymer (polymer having no crosslinked structure). Non-crosslinked polymers have a smaller coefficient of friction than crosslinked polymers. Thereby, particularly excellent releasability is obtained, and the transfer efficiency of the toner is further improved.
[0107]
As described above, when the block polyester and the amorphous polyester are used in combination, the above-described features of the block polyester and the features of the amorphous polyester can be achieved. As a result, the toner finally obtained is resistant to mechanical stress (has sufficient physical stability) and can exhibit sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range. It becomes.
[0108]
The blending ratio of the block polyester and the amorphous polyester is preferably 5:95 to 45:55, more preferably 10:90 to 30:70, by weight. If the blending ratio of the block polyester is too low, the synergistic effect as described above is not sufficiently exhibited, and it may be difficult to sufficiently improve the offset resistance of the toner. On the other hand, if the blending ratio of the amorphous polyester is too low, the synergistic effect as described above is not sufficiently exhibited, and sufficient low-temperature fixability and transparency may not be obtained. Further, if the blending ratio of the amorphous polyester is too low, it is difficult to sufficiently increase the cohesiveness (bonding force) of the dispersoid 31 when solidifying the fine particles (droplets 9) of the dispersion 3, for example. There is a case. Further, when the kneaded material K7 is used for preparing the dispersion 3, it becomes difficult to efficiently pulverize the kneaded material K7 used for preparing the dispersion 3 into a uniform size.
[0109]
Further, even when the above-described block polyester and amorphous polyester are used in combination, other components (third resin component) may be used in combination as the resin component (binder resin).
Examples of the resin component (third resin component) other than the block polyester and the amorphous polyester include polystyrene, poly-α-methylstyrene, chloropolystyrene, styrene-chlorostyrene copolymer, styrene-propylene copolymer, Styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene-vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene -Styrene resin such as acrylic ester-methacrylic ester copolymer, styrene-α-chloromethyl acrylate copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylic ester copolymer, styrene-vinyl methyl ether copolymer Or containing styrene substitution Homopolymer or copolymer, polyester resin (different from the above-mentioned block polyester and amorphous polyester), epoxy resin, urethane-modified epoxy resin, silicone-modified epoxy resin, vinyl chloride resin, rosin-modified maleic acid resin, Phenyl resin, polyethylene, polypropylene, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, ethylene-ethyl acrylate copolymer, xylene resin, polyvinyl butyral resin, terpene resin, phenol resin, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resin, etc. Of these, one or a combination of two or more can be used.
[0110]
The content of the resin in the dispersoid 31 is not particularly limited, but is preferably 2 to 98 wt%, more preferably 5 to 95 wt%. If the resin content is less than the lower limit, the function of the resin (for example, good fixability in a wide temperature range) may not be sufficiently exhibited in the finally obtained toner. On the other hand, when the resin content exceeds the upper limit, the content of components other than the resin such as the colorant is relatively lowered, and it becomes difficult to sufficiently exhibit toner characteristics such as color development.
[0111]
In the above description, the resin is included in the dispersoid 31, but the resin itself may not be included in the dispersoid 31. For example, the dispersoid 31 may contain a precursor thereof (for example, a monomer, a dimer, an oligomer, or the like corresponding to the resin material) instead of the resin. In this case, toner particles containing a resin material corresponding to the precursor can be obtained by, for example, advancing a polymerization reaction of the precursor in a solidification portion or the like of a toner manufacturing apparatus described later.
[0112]
2. solvent
The dispersoid 31 may contain a solvent that dissolves at least a part of the components. Thereby, for example, the fluidity of the dispersoid 31 in the dispersion 3 (droplet 9) can be improved, and the dispersoid 31 in the dispersion 3 has a relatively small particle size and a variation in size. Can be small. As a result, the finally obtained toner particles 4 are small in size and shape variation between the particles and have a relatively large circularity.
[0113]
The solvent may be any solvent as long as it dissolves at least a part of the components constituting the dispersoid 31, but can be easily removed in a solidifying part or the like of a toner manufacturing apparatus as described later. Is preferred.
The solvent is preferably a solvent having low compatibility with the dispersion medium 32 described above (for example, a solvent having a solubility in 100 g of the dispersion medium at 25 ° C. of 30 g or less). Thereby, the dispersoid 31 can be finely dispersed in a stable state in the dispersion liquid 3 (droplet 9).
[0114]
The composition of the solvent is, for example, the composition of the resin described above (for example, the blending ratio of the block polyester and the amorphous polyester, the average molecular weight of the block polyester and the amorphous polyester, the constituent monomer, etc.), and the composition of the colorant. It can be appropriately selected depending on the composition of the dispersion medium.
Examples of the solvent include inorganic solvents such as water, carbon disulfide, and carbon tetrachloride, methyl ethyl ketone (MEK), acetone, diethyl ketone, methyl isobutyl teton (MIBK), methyl isopropyl ketone (MIPK), cyclohexanone, and 3-heptanone. , Ketone solvents such as 4-heptanone, methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol, i-butanol, t-butanol, 3-methyl-1-butanol, 1-pentanol, 2-pentanol, Alcohol solvents such as n-hexanol, cyclohexanol, 1-heptanol, 1-octanol, 2-octanol, 2-methoxyethanol, allyl alcohol, furfuryl alcohol, phenol, diethyl ether, dipropyl ether, diisopropyl Ether solvents such as pyr ether, dibutyl ether, 1,2-dimethoxyethane (DME), 1,4-dioxane, tetrahydrofuran (THF), tetrahydropyran (THP), anisole, diethylene glycol dimethyl ether (diglyme), 2-methoxyethanol Cellosolve solvents such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve, phenyl cellosolve, aliphatic hydrocarbon solvents such as hexane, pentane, heptane, cyclohexane, methylcyclohexane, octane, didecane, methylcyclohexene, isoprene, toluene, xylene, benzene, ethylbenzene , Aromatic hydrocarbon solvents such as naphthalene, pyridine, pyrazine, furan, pyrrole, thiophene, 2-methylpyridine, 3-methylpyridine, 4-methylpyridine Aromatic heterocyclic compound solvents such as furfuryl alcohol, amide solvents such as N, N-dimethylformamide (DMF), N, N-dimethylacetamide (DMA), dichloromethane, chloroform, 1,2-dichloroethane, trichlorethylene, Halogenated solvents such as chlorobenzene, acetylacetone, ethyl acetate, methyl acetate, isopropyl acetate, isobutyl acetate, isopentyl acetate, ethyl chloroacetate, butyl chloroacetate, isobutyl chloroacetate, ethyl formate, isobutyl formate, ethyl acrylate, methyl methacrylate Ester solvents such as ethyl benzoate, amine solvents such as trimethylamine, hexylamine, triethylamine and aniline, nitrile solvents such as acrylonitrile and acetonitrile, nitromethane, nitroethane Organic solvents such as nitro solvents such as aldehyde, aldehyde solvents such as acetaldehyde, propionaldehyde, butyraldehyde, pentanal, and acrylic aldehyde, etc. are used, and one or a mixture of two or more selected from these is used. be able to. Among these, those containing an organic solvent are preferred, and ether solvents, cellosolve solvents, aliphatic hydrocarbon solvents, aromatic hydrocarbon solvents, aromatic heterocyclic compounds solvents, amide solvents, halogen compound solvents. More preferably, the solvent contains one or more selected from a solvent, an ester solvent, an amine solvent, a nitrile solvent, a nitro solvent, an aldehyde solvent, and the like. By using such a solvent, each component as described above can be dispersed sufficiently uniformly in the dispersoid 31 relatively easily.
[0115]
The dispersion 3 usually contains a colorant. Examples of the colorant that can be used include pigments and dyes. Examples of such pigments and dyes include carbon black, spirit black, lamp black (CI No. 77266), magnetite, titanium black, chrome lead, cadmium yellow, mineral fast yellow, navel yellow, and naphthol yellow S. , Hansa Yellow G, Permanent Yellow NCG, Chrome Yellow, Benzidine Yellow, Quinoline Yellow, Tartrazine Lake, Red Mouth Lead, Molybdenum Orange, Permanent Orange GTR, Pyrazolone Orange, Benzidine Orange G, Cadmium Red, Permanent Red 4R, Watching Red Calcium salt, eosin lake, brilliant carmine 3B, manganese purple, fast violet B, methyl violet lake, bitumen, cobalt blue, al Reblue Lake, Victoria Blue Lake, First Sky Blue, Indanthrene Blue BC, Ultramarine, Aniline Blue, Phthalocyanine Blue, Calco Oil Blue, Chrome Green, Chrome Oxide, Pigment Green B, Malachite Green Lake, Phthalocyanine Green, Final Yellow Green G, Rhodamine 6G, quinacridone, rose bengal (C.I. No. 45432), C.I. I. Direct Red 1, C.I. I. Direct Red 4, C.I. I. Acid Red 1, C.I. I. Basic Red 1, C.I. I. Modern Tread 30, C.I. I. Pigment red 48: 1, C.I. I. Pigment red 57: 1, C.I. I. Pigment red 122, C.I. I. Pigment red 184, C.I. I. Direct Blue 1, C.I. I. Direct Blue 2, C.I. I. Acid Blue 9, C.I. I. Acid Blue 15, C.I. I. Basic Blue 3, C.I. I. Basic Blue 5, C.I. I. Modern Blue 7, C.I. I. Pigment blue 15: 1, C.I. I. Pigment blue 15: 3, C.I. I. Pigment blue 5: 1, C.I. I. Direct Green 6, C.I. I. Basic Green 4, C.I. I. Basic Green 6, C.I. I. Pigment yellow 17, C.I. I. Pigment yellow 93, C.I. I. Pigment yellow 97, C.I. I. Pigment yellow 12, C.I. I. Pigment yellow 180, C.I. I. Pigment Yellow 162, nigrosine dye (CI No. 50415B), metal complex dye, silica, aluminum oxide, magnetite, maghemite, various ferrites, cupric oxide, nickel oxide, zinc oxide, zirconium oxide, titanium oxide, Examples thereof include metal oxides such as magnesium oxide, and magnetic materials containing magnetic metals such as Fe, Co, and Ni, and one or more of these can be used in combination. Such a colorant is usually contained in the dispersoid 31 in the dispersion 3 (droplet 9).
[0116]
The content of the colorant in the dispersion 3 is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 10 wt%, and more preferably 0.3 to 3.0 wt%. If the content of the colorant is less than the lower limit, it may be difficult to form a visible image having a sufficient density depending on the type of the colorant. On the other hand, when the content of the colorant exceeds the upper limit, the fixing characteristics and charging characteristics of the finally obtained toner may be deteriorated.
[0117]
Further, the dispersion 3 may contain a wax. The wax is usually used for the purpose of improving releasability.
Examples of the wax include hydrocarbon waxes such as ozokerite, cercin, paraffin wax, microwax, microcrystalline wax, petrolatum, Fischer-Tropsch wax, carnauba wax, rice wax, methyl laurate, methyl myristate, palmitic acid. Methyl, methyl stearate, butyl stearate, candelilla wax, cotton wax, wood wax, beeswax, lanolin, montan wax, fatty acid ester ester wax, polyethylene wax, polypropylene wax, oxidized polyethylene wax, oxidized polypropylene wax Olefin waxes such as 12-hydroxy stearamide, stearamide, phthalic anhydride amide wax, Lauro , Ketone waxes such as stearone, ether waxes, and the like, can be used singly or in combination of two or more of them.
[0118]
In addition, when using a polyester resin (crosslinked polyester, non-crosslinked polyester, block polyester, amorphous polyester, etc.) as described above as the resin (binder resin), among these materials, ester waxes (for example, Carnauba wax, rice wax, etc.) are preferably used. Thereby, the following effects are obtained.
[0119]
The ester-based wax has an ester structure in the molecule like the polyester resin, and is excellent in compatibility with the polyester resin. For this reason, generation and coarsening of free wax in the finally obtained toner particles can be prevented (fine dispersion and microphase separation of the wax in the toner can be easily achieved). As a result, the finally obtained toner has particularly excellent releasability from the fixing roller.
[0120]
Melting point T of waxmAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 30-160 degreeC, and it is more preferable that it is 50-100 degreeC. Note that, for example, by differential scanning calorimetry (DSC), the temperature is increased to 200 ° C. at a rate of temperature increase of 10 ° C./min, and further the temperature is decreased at a rate of temperature decrease of 10 ° C./min, and then the rate of temperature increase is 10 ° C./min. From the measurement under the condition of increasing the temperature atmAnd the heat of fusion.
[0121]
For example, in addition to the wax described above, a polyester having a relatively low melting point (hereinafter also referred to as “low-melting polyester”) can be used as a component capable of imparting a wax effect. Melting point T of low melting point polyestermIs preferably about 70 to 90 ° C., for example. Moreover, it is preferable that the weight average molecular weight Mw of low melting point polyester is about 3500-6500. The low melting point polyester is preferably a polymer of an aliphatic monomer. When the low-melting polyester satisfies such conditions (at least one, preferably two or more), the binder resin described above (for example, one containing a crosslinked polyester and a non-crosslinked polyester, or In particular, the compatibility between the block polyester and the amorphous polyester) is excellent, and the toner releasability can be improved without impairing the durability of the toner. Further, since the melting point is relatively low, the low-temperature fixability can be improved.
[0122]
The content of the wax (including the low melting point polyester) in the dispersion 3 is not particularly limited, but is preferably 3.0 wt% or less, and more preferably 0.5 wt% or less. If the content of the wax is too large, the wax is liberated and coarsened in the finally obtained toner particles, and the toner seeps into the toner particle surface and the transfer efficiency of the toner tends to decrease. Indicates.
[0123]
In addition, the dispersion 3 may contain components other than these. Examples of such components include emulsifying dispersants, charge control agents, magnetic powders, and the like. Among these, when an emulsifying dispersant is used, for example, the dispersibility of the dispersoid 31 in the dispersion 3 (droplets 9) can be improved. Here, examples of the emulsifying dispersant include emulsifiers, dispersants, and dispersion aids.
[0124]
Examples of the dispersant include inorganic dispersants such as tricalcium phosphate, nonionic organic dispersants such as polyvinyl alcohol, carboxymethyl cellulose, and polyethylene glycol, metal tristearate (for example, aluminum salt), and metal distearate. Salt (eg, aluminum salt, barium salt, etc.), stearic acid metal salt (eg, calcium salt, lead salt, zinc salt, etc.), linolenic acid metal salt (eg, cobalt salt, manganese salt, lead salt, zinc salt, etc.) , Octanoic acid metal salts (eg, aluminum salts, calcium salts, cobalt salts, etc.), oleic acid metal salts (eg, calcium salts, cobalt salts, etc.), palmitic acid metal salts (eg, zinc salts, etc.), naphthenic acid metal salts (For example, calcium salt, cobalt salt, manganese salt, lead salt, zinc salt, etc.), Resin metal salt (example For example, calcium salt, cobalt salt, manganese lead salt, zinc salt, etc.), polyacrylic acid metal salt (for example, sodium salt), polymethacrylic acid metal salt (for example, sodium salt), polymaleic acid metal salt (for example, Sodium salts, etc.), anionic organic dispersants such as acrylic acid-maleic acid copolymer metal salts (eg, sodium salts), polystyrenesulfonic acid metal salts (eg, sodium salts), etc., cations such as quaternary ammonium salts Organic dispersants and the like. Among these, nonionic organic dispersants or anionic organic dispersants are particularly preferable.
[0125]
The content of the dispersant in the dispersion 3 is not particularly limited, but is preferably 3.0 wt% or less, and more preferably 0.01 to 1.0 wt%.
Examples of the dispersion aid include anions, cations, and nonionic surfactants.
The dispersing aid is preferably used in combination with a dispersing agent. When the dispersion 3 contains a dispersant, the content of the dispersion aid in the dispersion 3 is not particularly limited, but is preferably 2.0 wt% or less, and is 0.005 to 0.5 wt%. Is more preferable.
[0126]
Examples of the charge control agent include benzoic acid metal salts, salicylic acid metal salts, alkyl salicylic acid metal salts, catechol metal salts, metal-containing bisazo dyes, nigrosine dyes, tetraphenylborate derivatives, quaternary ammonium salts, Examples thereof include alkyl pyridinium salts, chlorinated polyesters, and nitrofunic acid.
Examples of the magnetic powder include magnetite, maghemite, various ferrites, cupric oxide, nickel oxide, zinc oxide, zirconium oxide, titanium oxide, magnesium oxide, and other metal oxides such as Fe, Co, and Ni. The thing comprised with the magnetic material containing a magnetic metal etc. are mentioned.
[0127]
In addition to the above materials, for example, zinc stearate, zinc oxide, cerium oxide or the like may be added to the dispersion liquid 3.
In the dispersion 3, components other than the dispersoid 31 may be dispersed as an insoluble matter. For example, in the dispersion 3, inorganic fine powders such as silica, titanium oxide, and iron oxide, organic fine powders such as fatty acids and fatty acid metal salts, and the like may be dispersed.
[0128]
In the dispersion 3, the dispersoid 31 is finely dispersed in the dispersion medium 32.
The average particle size of the dispersoid 31 in the dispersion 3 is not particularly limited, but is preferably 0.05 to 10 μm, and more preferably 0.1 to 1.0 μm. When the average particle size of the dispersoid 31 is in such a range, the finally obtained toner particles 4 have a sufficiently high circularity and excellent properties and shape uniformity among the particles. It becomes. In the present specification, “average particle diameter” refers to an average particle diameter based on volume.
[0129]
Although content of the dispersoid 31 in the dispersion liquid 3 is not specifically limited, It is preferable that it is 1-99 wt%, and it is more preferable that it is 5-95 wt%. When the content of the dispersoid 31 is less than the lower limit value, the circularity of the finally obtained toner particles 4 tends to decrease. On the other hand, if the content of the dispersoid 31 is too small, the content of the dispersion medium 32 is relatively increased. Therefore, the time required to remove the dispersion medium 32 becomes longer, and the toner productivity is lowered. It shows a tendency that the variation in composition between particles becomes large. On the other hand, when the content of the dispersoid 31 exceeds the upper limit, depending on the composition of the dispersion medium 32, the viscosity of the dispersion 3 increases, and the shape and size of the finally obtained toner particles 4 vary. It shows a tendency to increase.
[0130]
The dispersoid 31 dispersed in the dispersion medium 32 may have, for example, different compositions among the particles, but preferably has substantially the same composition. When the dispersoid 31 has a different composition among the particles, for example, the dispersion 3 includes a dispersoid 31 mainly composed of a resin material and one composed mainly of a wax. It may be included.
[0131]
Such a dispersion 3 is preferably a dispersion in which the dispersoid 31 is solid, that is, a suspension. As a result, it is possible to effectively prevent the dispersion medium from remaining inside the dispersoid (inside the toner particles). As a result, the storage stability of the toner is improved, and the generation of a strange odor after fixing is also prevented. it can.
Further, when the average particle size of the dispersoid 31 in the dispersion 3 is Dm [μm] and the average particle size of the toner particles 4 is Dt [μm], a relationship of 0.005 ≦ Dm / Dt ≦ 0.5 is established. It is preferable to satisfy, and it is more preferable to satisfy the relationship of 0.01 ≦ Dm / Dt ≦ 0.2. By satisfying such a relationship, a toner having a particularly small variation in shape and size among the particles can be obtained.
[0132]
By the way, in the conventional kneading and pulverizing method, even if a kneaded material having the desired uniform dispersibility is obtained by optimizing the kneading time, kneading strength, etc., in the pulverization process, it is pulverized from the fragile part, resulting in composition fluctuations, etc. It becomes easy to do. As a result, the variation in composition and characteristics among the obtained toner particles becomes particularly large, and the reliability of the entire toner is lowered.
On the other hand, the present invention is characterized in that the above-described dispersion liquid (a highly uniform dispersion liquid) is ejected as droplets (fine particles) and solidified. As a result, the obtained toner has small variations in composition / characteristics among the particles and is excellent in overall reliability.
[0133]
The dispersion 3 as described above can be prepared, for example, as follows.
First, an aqueous solution in which a dispersant and / or a dispersion medium is added to a liquid containing water and a component capable of forming an azeotrope with water as necessary is prepared.
On the other hand, a resin liquid containing a resin as a main component of the toner or a precursor thereof (hereinafter collectively referred to as “resin material”) is prepared. For the preparation of the resin liquid, for example, the above-described solvent may be used in addition to the resin material. The resin liquid may be a molten liquid obtained by heating a resin material.
[0134]
Next, the dispersoid 31 containing the resin material is dispersed in the aqueous dispersion medium 32 by gradually adding (dropping) the resin liquid to the stirred aqueous solution while stirring. Dispersion 3 is obtained. By preparing the dispersion 3 by such a method, the circularity of the dispersoid 31 in the dispersion 3 (droplets 9) can be further increased. As a result, the toner particles 4 have a sufficiently high circularity, and the shape variation among the particles is particularly small. In addition, when dripping a resin liquid, you may heat an aqueous solution and / or a resin liquid. In addition, when a solvent is used for preparing the resin liquid, for example, after the above-described dropping is performed, the obtained dispersion liquid 3 is included in the dispersoid 31 by heating or placing in a reduced-pressure atmosphere. At least a part of the solvent to be used may be removed.
[0135]
As mentioned above, although an example of the preparation method of the dispersion liquid 3 was demonstrated, the dispersion liquid 3 is not limited to what was adjusted by such a method. For example, the dispersion 3 can also be prepared by the following method.
First, an aqueous solution in which a dispersant and / or a dispersion medium is added to a liquid containing water and a component capable of forming an azeotrope with water as necessary is prepared.
On the other hand, a powdery or granular material containing a resin material is prepared.
Next, a dispersion liquid in which the dispersoid 31 containing the resin material is dispersed in the aqueous dispersion medium 32 by gradually introducing the powdery or granular material into the stirred aqueous solution. 3 is obtained. In addition, when adding the said material, you may heat an aqueous solution, for example.
[0136]
The dispersion 3 can also be prepared by the following method.
First, a resin dispersion in which at least a resin material is dispersed and a colorant dispersion in which at least a colorant is dispersed are prepared.
Next, the resin dispersion and the colorant dispersion are mixed and stirred. At this time, if necessary, an aggregating agent such as an inorganic metal salt may be added while stirring.
By stirring for a predetermined time, an aggregate in which the resin material, the colorant and the like are aggregated to an appropriate size is formed. As a result, a dispersion 3 in which the aggregate is dispersed as the dispersoid 31 is obtained.
[0137]
The dispersion 3 is prepared by, for example, kneading the raw material K5 containing at least a part of the toner constituent materials (for example, resin, colorant, wax, charge control agent, magnetic powder, etc.) as described above. The kneaded material K7 obtained by the above may be used. For example, the kneaded material K7 may be used as the above-described resin liquid, powdered or granular material, or resin dispersion. By using the kneaded material K7 for the preparation of the dispersion 3, the raw material contains components having low compatibility (such as resin components and other components) and components having low dispersibility (such as resin components and other components). Even in this case, such components can be sufficiently compatibilized and finely dispersed, and the dispersibility of the dispersoid 31 in the dispersion 3 (droplets 9) can be made particularly excellent. it can. Therefore, even in the finally obtained toner, variations in composition and characteristics among particles are reduced. As a result, the obtained toner has particularly excellent overall characteristics and reliability.
[0138]
Hereinafter, an example of a method for obtaining the kneaded material K7 using the raw material K5 containing at least a part of the constituent materials of the toner will be described.
The kneaded material K7 can be manufactured using, for example, an apparatus as shown in FIG.
[0139]
[Kneading process]
The raw material K5 used for kneading is preferably a mixture of the above-described components in advance.
This embodiment demonstrates the structure which uses a biaxial kneading extruder as a kneading machine.
The kneading machine K1 includes a process part K2 for kneading while conveying the raw material K5, a head part K3 for extruding the kneaded raw material (kneaded material K7) into a predetermined cross-sectional shape, and a raw material K5 in the process part K2. And a feeder K4 to be supplied.
[0140]
The process part K2 includes a barrel K21, a screw K22 and a screw K23 inserted into the barrel K21, and a fixing member K24 for fixing the head part K3 to the tip of the barrel K21.
In the process part K2, when the screw K22 and the screw K23 rotate, a shearing force is applied to the raw material K5 supplied from the feeder K4, and a uniform kneaded material K7 is obtained.
[0141]
Further, when the total length of the process part K2 is L [m] and the diameter of the screw K23 is D [m], L / D is preferably 5 to 60, and more preferably 10 to 45. When L / D is less than the lower limit, for example, those containing two or more components as a binder resin (for example, those containing the above-mentioned crosslinked polyester and non-crosslinked polyester, block polyester and amorphous polyester) In some cases, it is difficult to sufficiently compatibilize each component. On the other hand, if the L / D exceeds the upper limit value, depending on the temperature in the process part K2, the rotational speed of the screw K22, the screw K23, etc., the material K5 is likely to be denatured by heat, and the physical properties of the finally obtained toner Can be difficult to control sufficiently.
[0142]
The process unit K2 includes a first region K25 having a predetermined length in the longitudinal direction, and a second region K26 provided on the head unit K3 side from the first region K25. That is, the raw material K5 is sent to the second region K26 after passing through the first region K25.
The internal temperature of the first region K25 is set higher than that of the second region K26. That is, in other words, the temperature of the raw material K5 transported inside the process unit K2 when passing through the first region K25 is higher than the temperature when passing through the second region K26.
[0143]
Thus, by kneading the raw material K5 at a relatively high temperature in the first region K25, for example, a material containing two or more components as a binder resin (for example, the above-described crosslinked polyester and non-crosslinked polyester) And those containing a block polyester and an amorphous polyester) can be sufficiently compatibilized with each component.
[0144]
In particular, when a binder resin containing a block polyester and an amorphous polyester is used, the raw material temperature in the first region K25 (internal temperature of the first region K25) T1[° C] is the melting point of the block polyester Tm(B) When [° C.], Tm(B) ≦ T1It is preferable to satisfy the relationship of (Tm(B) + 10 ° C.) ≦ T1≤ (TmIt is more preferable that the relationship (B) + 60 ° C. is satisfied. Raw material temperature T1But Tm(B) When it is less than [° C.], it may be difficult to sufficiently compatibilize the block polyester and the amorphous polyester.
[0145]
Raw material temperature T in the first region K251The specific value varies depending on the resin composition and the like, but is preferably 120 to 300 ° C, more preferably 140 to 250 ° C.
Further, in the first region K25, the raw material temperature T1May be uniform or different depending on the site. In the latter case, the maximum temperature of the raw material K5 in the first region K25 is preferably higher than the lower limit, and the minimum temperature and the maximum temperature of the raw material K5 in the first region K25 are within the above range. More preferably.
[0146]
In addition, the average residence time (time required for passage) of the raw material K5 in the first region K25 is preferably 0.5 to 12 minutes, and more preferably 0.5 to 7 minutes. When the average residence time in the first region K25 is less than the lower limit, the binder resin contains two or more components (for example, those containing the above-mentioned crosslinked polyester and non-crosslinked polyester, When a block polyester and an amorphous polyester are used, it may be difficult to sufficiently compatibilize each component. On the other hand, if the average residence time in the first region K25 exceeds the upper limit value, the production efficiency is lowered, and depending on the temperature in the process part K2, the rotational speed of the screw K22, the screw K23, etc. The raw material K5 is likely to be modified, and it may be difficult to sufficiently control the physical properties of the finally obtained toner.
[0147]
By the way, in 1st area | region K25, by kneading | mixing at comparatively high temperature, what contains 2 or more types of components as binder resin (For example, what contains the bridge | crosslinking type polyester and non-crosslinking type polyester mentioned above, a block, etc. Even in the case of using polyester and amorphous polyester), each component can be sufficiently compatibilized. However, the crosslinked polyester and the non-crosslinked polyester, or the block polyester and the amorphous polyester are resins having greatly different molecular structures, so that even if each component is sufficiently compatible once Depending on the cooling conditions of the kneaded product, phase separation may occur.
[0148]
Therefore, in the present embodiment, as in the configuration shown in the figure, the second region K26 is provided, and strong kneading is performed at a relatively lower temperature (in a high viscosity state) than the first region K25. Thereby, it is possible to effectively prevent each component of the kneaded material K7, in particular, a low melting point component and a component easily re-aggregated from being dispersed or phase separation. In addition, when the raw material K5 contains a wax that is a low melting point component (particularly a wax having low compatibility with the resin), it is possible to prevent the wax from becoming coarse in the kneaded product K7. It is possible to finely disperse to a small particle size. Moreover, by using such a kneaded material K7 for the preparation of the dispersion 3, the variation in the composition among the particles of the dispersoid 31 in the dispersion 3 is also reduced. As a result, the finally obtained toner has a particularly small variation in composition and characteristics among the particles. As a result, the finally obtained toner has particularly excellent transparency and durability, and problems such as offset are extremely unlikely to occur.
[0149]
Moreover, when the thing containing block polyester and amorphous polyester is used as binder resin, the following effects are also acquired.
That is, by providing the first region K25 and the second region K26 as described above, the crystallization of the block polyester can proceed efficiently while sufficiently preventing phase separation in the second region K26. it can. As a result, the finally obtained toner is resistant to mechanical stress.
[0150]
Further, when a binder resin containing a block polyester and an amorphous polyester is used, the raw material temperature in the second region K26 (the internal temperature of the second region K26) T2[° C] is the softening point of the amorphous polyester T1/2(A) When [° C.], (T1/2(A) -20) ≦ T2≤ (T1/2It is preferable to satisfy the relationship (A) +20), and (T1/2(A) -10) ≦ T2≤ (T1/2It is more preferable to satisfy the relationship (A) +10). Raw material temperature T2However, if it is less than the lower limit, the kneaded product K7 has a high viscosity, the fluidity is lowered, and the toner productivity may be lowered. On the other hand, raw material temperature T2However, when the upper limit is exceeded, phase separation or the like is likely to occur, and the above-described effect by providing the second region K26 may not be sufficiently obtained.
[0151]
Raw material temperature T in the second region K262The specific value varies depending on the resin composition, but is preferably 70 to 150 ° C., more preferably 80 to 140 ° C.
Further, in the second region K26, the raw material temperature T2May be uniform or different depending on the site. In the latter case, the minimum temperature of the raw material K5 in the second region K26 is preferably within the above range.
[0152]
In the illustrated configuration, the raw material temperature is T between the first region K25 and the second region K26.1To T2A temperature transition region K28 for shifting to is provided.
Further, the average residence time of the raw material K5 in the second region K26 is preferably 0.5 to 12 minutes, and more preferably 1 to 7 minutes. When the average residence time in the second region K26 is less than the lower limit value, the above-described effect by providing the second region K26 may not be sufficiently obtained. On the other hand, if the average residence time in the second region K26 exceeds the upper limit value, the production efficiency is lowered, and depending on the temperature in the process part K2, the rotational speed of the screw K22, the screw K23, etc. The raw material K5 is likely to be modified, and it may be difficult to sufficiently control the physical properties of the finally obtained toner.
[0153]
In addition, the raw material temperature T in the first region K251And the raw material temperature T in the second region K262And (T1-T2) ≧ 40 [° C.] is preferably satisfied, and 60 ≦ (T1-T2It is more preferable that the relationship of ≦ 160 [° C.] is satisfied. (T1-T2) Is less than the lower limit, it may be difficult to sufficiently prevent or suppress the occurrence of phase separation or the like in the cooling step described later.
[0154]
Although the preferable range of the rotation speed of the screw K22 and the screw K23 varies depending on the composition of the binder resin and the like, for example, when a resin containing block polyester and amorphous polyester is used as the binder resin, it is 50 to 500 rpm. Is preferred. If the rotational speed of the screw K22 and the screw K23 is less than the lower limit value, for example, it may be difficult to sufficiently compatibilize the block polyester and the amorphous polyester in the first region K25. In the second region K26, it may be difficult to sufficiently prevent phase separation. On the other hand, when the rotation speeds of the screw K22 and the screw K23 exceed the upper limit value, the polyester molecules may be cut by shearing, and the resin characteristics may be deteriorated. In the configuration shown in the figure, a third region K27 different from the first region K25 and the second region K26 is provided on the feeder K4 side of the first region K25 (the side opposite to the second region K26). It has been. Thus, the process unit K2 may have a region other than the first region K25 and the second region K26.
[0155]
Raw material temperature T in the third region K273[° C.] is preferably lower than the softening temperature of the main resin in the raw material (hereinafter also simply referred to as “resin softening temperature”). On the other hand, raw material temperature T3However, when the softening temperature of the resin is exceeded, the temperature of the raw material charging port becomes high, the softened resin bridges, the feeder K4 is also heated, and the resin melts and adheres to the charging port K41 from the vicinity of the outlet of the feeder K4. There is.
[0156]
In the configuration shown in the figure, the material temperature is T between the third region K27 and the first region K25.3To T1A temperature transition region K29 for shifting to is provided.
In the illustrated configuration, the configuration in which the first region K25, the second region K26, and the third region K27 are provided is described. However, the configuration in which other regions are provided is described. May be. For example, such a region may be between the first region K25 and the second region K26, or may be closer to the head portion K3 than the second region K26.
[0157]
[Extrusion process]
The kneaded material K7 kneaded in the process part K2 is pushed out of the kneader K1 through the head part K3 by the rotation of the screw K22 and the screw K23.
The head part K3 has an internal space K31 into which the kneaded material K7 is fed from the process part K2, and an extrusion port K32 from which the kneaded material K7 is extruded.
[0158]
Temperature of the kneaded material K7 in the internal space K31 (at least in the vicinity of the extrusion port K32) T4[° C] is T2It is preferable that the temperature is higher by about 10 ° C. Temperature T of kneaded material K74However, at such a temperature, the kneaded material K7 does not solidify in the internal space K31 and is easily extruded from the extrusion port K32.
[0159]
In the illustrated configuration, the internal space K31 has a cross-sectional area gradually decreasing portion K33 in which the cross-sectional area gradually decreases in the direction of the extrusion port K32.
By having such a cross-sectional area gradually decreasing portion K33, the extrusion amount of the kneaded material K7 extruded from the extrusion port K32 is stabilized, and the cooling rate of the kneaded material K7 in the cooling step described later is stabilized. As a result, the toner produced using the toner has a small variation in characteristics among the toner particles, and has excellent overall characteristics.
[0160]
[Cooling process]
The softened kneaded material K7 extruded from the extrusion port K32 of the head portion K3 is cooled and solidified by the cooler K6.
The cooler K6 includes rolls K61, K62, K63, and K64, and belts K65 and 66.
[0161]
The belt K65 is wound around a roll K61 and a roll K62. Similarly, the belt K66 is wound around the roll K63 and the roll K64.
The rolls K61, 62, 63, and 64 rotate about the rotation axes K611, K621, K631, and K641, respectively, in directions indicated by e, f, g, and h in the drawing. Thereby, the kneaded material K7 extruded from the extrusion port K32 of the kneading machine K1 is introduced between the belt K65 and the belt K66. The kneaded material K7 introduced between the belt K65 and the belt K66 is cooled while being formed into a plate shape having a substantially uniform thickness. The cooled kneaded material K7 is discharged from the discharge portion K67. The belts K65 and K66 are cooled by a method such as water cooling or air cooling. When such a belt type is used as the cooler, the contact time between the kneaded product extruded from the kneader and the cooling body (belt) can be increased, and the cooling efficiency of the kneaded product is particularly excellent. Can be.
[0162]
By the way, in the kneading process, since the shearing force is applied to the raw material K5, phase separation or the like is sufficiently prevented. If left untreated, there is a possibility that phase separation will occur again. Therefore, it is preferable to cool the kneaded material K7 obtained as described above as soon as possible. Specifically, the cooling rate of the kneaded material K7 (for example, the cooling rate when the kneaded material K7 is cooled to about 60 ° C.) is preferably −3 ° C./second or more, and is preferably −5 to −100 ° C. / More preferably it is seconds. In addition, the time required from the end of the kneading process (when the shearing force is no longer applied) to the completion of the cooling process (for example, the time required to cool the temperature of the kneaded product K7 to 60 ° C. or less) is 100 seconds. The following is preferable, and it is more preferable that it is 3 to 30 seconds.
[0163]
In the embodiment described above, the configuration using a continuous twin-screw kneading extruder as the kneading machine has been described, but the kneading machine used for kneading the raw materials is not limited to this. For kneading the raw materials, for example, various kneaders such as a kneader, a batch type triaxial roll, a continuous biaxial roll, a wheel mixer, and a blade type mixer can be used.
In the illustrated configuration, a kneader having two screws has been described. However, the number of screws may be one or three or more. Further, the kneading apparatus may have a disc (kneading disc) portion.
[0164]
Further, in the present embodiment, the configuration using one kneader has been described, but kneading may be performed using two kneaders. In this case, the process unit of one kneader may be used as the first region K25, and the process unit of the other kneader may be used as the second region K26.
In the above-described embodiment, the configuration using the belt type as the cooler has been described. However, for example, a roll type (cooling roll type) cooler may be used. Further, the cooling of the kneaded product extruded from the extrusion port K32 of the kneader is not limited to the one using the above-described cooler, and may be performed by, for example, air cooling.
[0165]
[Crushing process]
Next, you may grind | pulverize the kneaded material K7 which passed through the cooling process as mentioned above. Thus, handling is improved by pulverizing the kneaded material K7. In addition, when a resin liquid in which a kneaded material is melted is used for the preparation of the dispersion, the kneaded material can be melted more quickly by using the pulverized material as the kneaded material, thereby increasing productivity. . Moreover, when using a solvent, it becomes easy to melt | dissolve in a solvent. Thus, since the resin liquid can be uniformly accelerated, the dispersibility of the dispersoid 31 in the dispersion liquid 3 (droplets 9) can be made particularly excellent. Therefore, even in the finally obtained toner, variations in composition and characteristics among particles are reduced. As a result, the obtained toner has particularly excellent overall characteristics.
The pulverization method is not particularly limited, and can be performed using various pulverizers and crushers such as a ball mill, a vibration mill, a jet mill, and a pin mill.
The pulverization process is divided into multiple steps (for example, two stages of coarse pulverization and fine pulverization)
[0166]
You may go. Moreover, you may grind | pulverize a kneaded material, for example in a dispersion liquid (in the state which provided the dispersion medium to the kneaded material).
In addition, after such a pulverization step, a classification process or the like may be performed as necessary.
For the classification treatment, for example, a sieve, an airflow classifier or the like can be used.
[0167]
Next, a first embodiment of an apparatus (toner manufacturing apparatus M1) that manufactures toner particles using the dispersion 3 as described above will be described.
[Toner production equipment]
As shown in FIG. 4, the toner manufacturing apparatus M1 includes a nozzle M2 that discharges the dispersion 3 (droplet 9) as described above, a dispersion supply unit M4 that supplies the dispersion 3 to the nozzle M2, and a nozzle M2. The solidified part M3 to which the liquid droplet 3 (droplet 9) discharged from the liquid is conveyed, the external additive supply means M13 for supplying the external additive 2, and the manufactured toner particles 4 And a recovery part M5 for recovering.
[0168]
The dispersion liquid supply unit M4 may have any function as long as it has a function of supplying the dispersion liquid 3 to the nozzle M2, but may have a stirring means M41 for stirring the dispersion liquid 3 as illustrated. Thereby, for example, even if the dispersoid 31 is difficult to disperse in the dispersion medium 32, the dispersion 3 in a state where the dispersoid 31 is sufficiently uniformly dispersed can be supplied to the nozzle M2.
The nozzle M2 has a function of ejecting the dispersion liquid 3 as fine droplets (fine particles) 9. The nozzle M2 will be described in detail later.
[0169]
The toner manufacturing apparatus M1 having the illustrated configuration has a plurality of nozzles M2. Then, fine droplets 9 are discharged from these nozzles M2 to the solidified portion M3, respectively.
Each nozzle M2 may discharge the droplet 9 almost simultaneously, but it is preferable that at least two adjacent nozzles are controlled so that the discharge timing of the droplet 9 is different. Thereby, before the droplet 9 discharged from the adjacent nozzle M2 solidifies, it can prevent more effectively that the droplets 9 collide and aggregate.
[0170]
Further, as shown in FIG. 4, the toner manufacturing apparatus M1 has a gas flow supply unit M10, and the gas supplied from the gas flow supply unit M10 passes through a duct M101, and nozzle M2-nozzle M2. From each gas injection port M7 provided in between, it becomes the structure injected with a substantially uniform pressure. Thereby, the droplet 9 can be conveyed and solidified, maintaining the space | interval of the droplet 9 discharged intermittently from each nozzle M2. As a result, the discharged droplets 9 (or the toner base particles 6 and the toner particles 4 obtained from the droplets 9) collide and aggregate in the solidified portion M3 more effectively.
[0171]
Further, by injecting the gas supplied from the gas flow supply means M10 from the gas injection port M7, a gas flow that flows in substantially one direction (downward in the figure) can be formed in the solidifying part M3. When such a gas flow is formed, the particulate droplets 9 (or the toner mother particles 6 and the toner particles 4 obtained from the droplets 9) in the solidified portion M3 can be transported more efficiently.
[0172]
Further, when gas is ejected from the gas ejection port M7, an airflow curtain is formed between the droplets 9 ejected from each nozzle M2, for example, collision between droplets ejected from adjacent nozzles. It becomes possible to prevent aggregation more effectively.
A heat exchanger M11 is attached to the gas flow supply means M10. Thereby, the temperature of the gas injected from the gas injection port M7 can be set to a preferable value, and the granular droplets 9 discharged into the solidifying part M3 can be solidified efficiently.
Further, when such a gas flow supply means M10 is provided, it is possible to easily control the solidification speed and the like of the droplets 9 discharged from the nozzle M2 by adjusting the supply amount of the gas flow.
[0173]
The temperature (initial temperature) of the gas injected from the gas injection port M7 varies depending on the composition of the dispersoid 31 and the dispersion medium 32 contained in the dispersion 3 (droplet 9), but is usually 30 to 250 ° C. It is preferable that it is 50 to 200 ° C. When the temperature of the gas ejected from the gas ejection port M7 is within such a range, the dispersion medium 32 contained in the droplet 9 is efficiently removed while maintaining the uniformity of the shape of the toner particles 4 obtained. The toner productivity can be particularly improved.
[0174]
The humidity of the gas injected from the gas injection port M7 is, for example, preferably 50% RH or less, more preferably 30% RH or less, and further preferably 20% RH or less. When the humidity of the gas ejected from the gas ejection port M7 is 50% RH or less, it becomes possible to efficiently remove the dispersion medium 32 contained in the droplets 9 in the solidification part M3 described later, and the toner productivity. Is further improved.
[0175]
The droplets 9 (see FIG. 5A) discharged from the nozzle M2 become toner base particles 6 (see FIG. 5B) by solidifying while transporting the solidifying part M3.
The toner base particles 6 are obtained, for example, by removing the dispersion medium 32 from the discharged droplets 9. In such a case, the dispersoid 31 contained in the droplet 9 aggregates as the dispersion medium 32 in the discharged droplet 9 is removed. As a result, the toner base particles 6 are obtained as an aggregate of the dispersoid 31 (see FIG. 5B). When the dispersoid 31 contains a solvent as described above, the solvent may be removed, for example, in the solidification part M3, or may be ejected from the nozzle M2 described in detail later. It may be removed.
[0176]
As shown in FIG. 5, the particle size of the dispersoid 31 contained in the droplet 9 (dispersion 3) is usually sufficiently smaller than the obtained toner particles 4 (droplets 9). Therefore, the toner base particles 6 obtained as an aggregate of the dispersoid 31 have a sufficiently large circularity.
Further, when the toner base particles 6 (toner particles 4) are obtained by removing the dispersion medium 32, the toner base particles 6 (toner particles 4) obtained are usually smaller than the droplets 9 ejected from the nozzle M2. It will be a thing. For this reason, even when the droplets of the dispersion liquid ejected from the nozzle (ejection unit) M2 are relatively large, the size of the toner base particles 6 obtained by adjusting the concentration (content ratio) of the dispersoid 31 is large. The thickness can be made relatively small. Therefore, in the present invention, toner particles 4 having a particularly small average particle diameter can be easily obtained.
[0177]
In the present invention, as will be described in detail later, the droplets 9 discharged from each nozzle M2 can be made sufficiently small and the particle size distribution can be made sufficiently sharp. As a result, the toner base particles 6 (toner particles 4) also have a small variation in particle size, that is, a sharp particle size distribution.
As described above, in the present invention, by using the dispersion liquid as the discharge liquid, even when the particle size of the toner particles 4 to be produced is sufficiently small, the circularity is easily made sufficiently high, and The particle size distribution can be sharp. As a result, the final toner has a uniform charge between each particle, and when the toner is used for printing, a thin layer of toner formed on the developing roller is leveled and densified. Will be. As a result, defects such as fog are hardly generated and a sharper image can be formed. Further, since the shape and particle diameter of the toner base particles 6 (toner particles 4) are uniform, the bulk density of the entire toner (aggregate of toner particles 4) can be increased. As a result, it is advantageous for increasing the amount of toner filled in the cartridge of the same volume and for reducing the size of the cartridge.
The solidification part M3 is comprised by the cylindrical housing M31.
[0178]
During the production of the toner, the inside of the housing M31 is preferably maintained at a temperature within a predetermined range. As a result, variations in characteristics among the toner particles 4 due to differences in manufacturing conditions can be reduced, and the reliability of the toner as a whole is improved.
As described above, for the purpose of keeping the temperature in the housing M31 within a predetermined range, for example, a heat source or a cooling source is installed inside or outside the housing M31, or a flow path for the heat medium or the cooling medium is formed in the housing M31. It is good also as a made jacket.
[0179]
In the illustrated configuration, the pressure in the housing M31 is adjusted by the pressure adjusting means M12. As described above, by adjusting the pressure in the housing M31, the dispersion medium 32 in the discharged droplets 9 can be efficiently removed, and the toner productivity is improved.
In the configuration shown in the figure, the pressure adjusting means M12 is connected to the housing M31 by a connecting pipe M121. Further, an enlarged diameter portion M122 having an enlarged inner diameter is formed in the vicinity of the end portion of the connection pipe M121 connected to the housing M31, and a filter M123 for preventing the suction of the toner particles 4 and the like is further provided. ing.
[0180]
The pressure in the housing M31 is not particularly limited, but is preferably 0.15 MPa or less, more preferably 0.005 to 0.15 MPa, and even more preferably 0.109 to 0.110 MPa.
In addition, the toner manufacturing apparatus M1 includes an external additive supply unit M13 that supplies the external additive 2 into the solidifying unit M3. The external additive 2 supplied into the solidifying part M3 by the external additive supply means M13 is applied to the toner base particles 6 to obtain toner particles 4 (see FIG. 5C). The external additive 2 will be described in detail later.
[0181]
The external additive 2 is preferably supplied from the injection port M131 together with a gas higher than the pressure in the solidified part M3. Thereby, the moving direction etc. of the external additive 2 can be controlled easily and reliably. As a result, the efficiency of applying the external additive 2 to the toner base particles 6 can be improved.
In the illustrated configuration, the external additive 2 moves in a direction substantially opposite to the transport direction of the droplets 9. By supplying the external additive 2 in this manner, the toner base particles 6 and the external additive 2 can collide with each other more efficiently. As a result, the formed toner particles 4 can more reliably carry the external additive 2 on the toner base particles 6.
The housing M31 is connected to voltage application means M8 for applying a voltage. By applying a voltage having the same polarity as that of the droplet 9 (toner mother particle 6) to the inner surface side of the housing M31 by the voltage applying means M8, the following effects can be obtained.
[0182]
Usually, the toner base particles are positively or negatively charged. For this reason, when there is a charged substance charged with a polarity different from that of the toner mother particles, a phenomenon occurs in which the toner mother particles are electrostatically attracted and adhered to the charged substance. On the other hand, if there is a charged material charged with the same polarity as the toner base particles, the charged material and the toner particles repel each other, and the phenomenon that the toner adheres to the surface of the charged material can be effectively prevented. . Therefore, by applying a voltage having the same polarity as that of the droplet 9 (toner mother particle 6) to the inner surface side of the housing M31, it is effective that the droplet 9 (toner mother particle 6) adheres to the inner surface of the housing M31. Can be prevented. Thereby, generation | occurrence | production of the toner powder of an irregular shape can be prevented more effectively, and the collection | recovery efficiency of the toner particle 4 is also improved.
[0183]
The housing M31 has a reduced diameter portion M311 in which the inner diameter decreases in the downward direction in FIG. 4 in the vicinity of the recovery portion M5. By forming such a reduced diameter portion M311, the toner particles 4 can be recovered efficiently. As described above, the droplet 9 ejected from the nozzle M2 is solidified in the solidifying part M3 and given with the external additive 2. However, in the vicinity of the recovery part M5, such solidification and external additive 2 are applied. In the vicinity of the reduced diameter portion M311, problems such as agglomeration hardly occur even when the particles contact each other.
The toner particles 4 formed as described above are collected in the collection unit M5. The recovery unit M5 may be, for example, a combination of a general cyclone and a blower. At that time, the function of the pressure adjusting means M12 (pressure adjusting function) may be provided to the blower. Further, the collection unit M5 may have a classification function, and the fine external additive that has not adhered to the toner base particles may be classified and removed.
[0184]
In the above description, the droplet 9 is solidified and the external additive 2 is applied to the toner base particles 6 formed as a result. However, for example, the dispersion is performed when the external additive 2 adheres. At least a part of the medium 32 may remain. That is, the external additive 2 may be applied to the droplet 9.
In addition, the illustrated toner manufacturing apparatus M1 has a single ejection port M131 for ejecting the external additive 2, but a plurality of such ejection ports may be provided. Thereby, the efficiency of applying the external additive 2 to the toner base particles 6 is improved.
[0185]
Next, the nozzle M2 that ejects the granular dispersion liquid 3 (droplets 9) will be described in detail.
<Nozzle>
In the present embodiment, the dispersion liquid is sprayed as fine particles in a unique state. That is, in the present embodiment, as shown in FIG. 6, the dispersion 3 sent to the inclined surface 7 is thinly stretched into a thin laminar flow 8 by the gas flow flowing along the inclined surface 7. The thin laminar flow 8 flowing along the inclined surface 7 is too thin when leaving the inclined surface 7 and cannot be put into a layered state (film state), and is broken into pieces by the surface tension to form a droplet 9 of fine particles. . In particular, in the present invention, since the laminar flow is composed of the dispersion liquid, the thin laminar flow is compared with the case where a uniform liquid (for example, a liquid or a solution made of a substantially pure substance) is used. Droplets are easily finely divided. Therefore, in this embodiment, the fine particle dispersion can be ejected particularly efficiently. Further, it is possible to prevent the droplets from forming a projection by pulling the tail. In addition, the present embodiment is characterized in that the dispersion 3 is made into a thin laminar flow 8 by a gas flow, the thin laminar flow 8 is ejected as fine particles, and the droplets of the dispersion can be made into spherical ultrafine particles. This means that the size of the droplet greatly depends on the thickness of the thin laminar flow and the influence of the size of the supply port 5 is small. In addition, since the size of the supply port 5 can be designed so that the dispersion 3 can be supplied constantly, clogging of the supply port 5 of the dispersion 3 can be effectively prevented, and the processing of the supply port 5 is simplified.
[0186]
Furthermore, as shown in FIG. 6, when a sharp edge 7A is provided at the tip of the inclined surface 7, and the atomizing gas and the spreading gas are caused to collide with the edge 7A, air (gas) can be vibrated vigorously. Air vibration has the effect of further dispersing the dispersion.
Further, the nozzle M2 used in the present embodiment is provided with a ring-shaped edge 7A at the tip of the inclined surface 7, and a liquid droplet (droplet 9) is ejected from the edge 7A. Can be jetted. The dispersion medium is efficiently removed from the droplets ejected by the hollow cone.
[0187]
The nozzle M2 for injecting the liquid shown in FIG. 6 into the fine particles includes a supply port 5 for injecting the dispersion liquid (droplet 9) in a ring shape, an inclined surface 7 for flowing the dispersion liquid injected from the supply port 5, The inclined surface 7 is provided with a gas port 10 for injecting pressurized gas.
The nozzle M <b> 2 shown in this figure includes an inner ring (cylinder) 11, an intermediate ring (cylinder) 12, and an outer ring (cylinder) 13. A supply port 5 is provided between the inner ring 11 and the intermediate ring 12, an atomizing gas flow path 14 is provided at the center of the inner ring 11, and a spreading gas supply path 15 is provided between the intermediate ring 12 and the outer ring 13. ing.
[0188]
The inner ring 11 has a cylindrical outer shape, the intermediate ring 12 has a cylindrical inner shape, and a slit-shaped supply port 5 having a predetermined width is provided between the inner ring 11 and the intermediate ring 12. The supply port 5 is formed in a ring shape, and the slit width is designed such that the dispersion liquid is not clogged. In the nozzle of this embodiment, it is not necessary to send the dispersion liquid from the supply port 5 as a thin film (thin layer). This is because the dispersion is stretched thinly on the inclined surface 7 and ejected as fine particles (droplets 9). Therefore, the slit width of the supply port 5 is designed to an optimum value in consideration of the flow rate of the dispersion liquid to be sent out, the length of the inclined surface 7, the flow velocity of the atomized gas injected onto the inclined surface 7, the inner diameter of the supply port 5, etc. Is done. For example, the slit width of the supply port 5 is designed to be 0.2 to 1.5 mm, preferably 0.4 to 1 mm, and optimally about 0.8 mm.
[0189]
The diameter of the supply port 5 is designed to an optimum value in consideration of the flow rate of the dispersion liquid to be injected, the dimension of the slit width, and the like. The diameter of the supply port 5 is designed to be about 50 mmφ in a nozzle that injects a dispersion liquid (droplets 9) of 1000 g / min, for example. When the flow rate is increased, the supply port 5 is designed to have a large diameter, and when the flow rate is decreased, the diameter is designed to be small.
The outer peripheral portion of the inner ring 11 and the front end surface of the intermediate ring 12 are cut into a tapered shape to form an inclined surface 7. The inclined surfaces 7 of the inner ring 11 and the intermediate ring 12 are flush with each other so that the flowing gas injected along the inclined surface 7 of the inner ring 11 does not become a turbulent flow at the boundary between the inner ring 11 and the intermediate ring 12. Is formed. When the inclined surface 7 of the inner ring 11 and the intermediate ring 12 is the same plane, there is no step between the inclined surface 7 of the inner ring 11 and the intermediate ring 12 and the inclined surface 7 of the intermediate ring 12 from the inclined surface 7 of the inner ring 11. It means a state in which gas flows linearly. Thus, in order to process the inclined surface 7 of the inner ring 11 and the intermediate ring 12 into a tapered shape on the same plane, the inner ring 11 and the intermediate ring 12 may be connected and tapered. Furthermore, the inclined surface 7 is a smooth surface along the flow direction of the dispersion liquid so that the dispersion liquid flowing along the surface does not become a turbulent flow. The inclined surface 7 of the nozzle shown in the figure is conical and has a smooth surface as a whole.
[0190]
By providing the inclined surface 7 on the inner ring 11 and the intermediate ring 12, the supply port 5 is opened in the middle of the inclined surface 7. The inclination angle α of the inclined surface 7 provided on the inner ring 11 and the intermediate ring 12 is, for example, 100 to 170 degrees, preferably 120 to 160 degrees, so that the angle of the supply port 5 with respect to the inclined surface 7 is obtuse. It is preferably designed at 130 to 160 degrees, and most preferably about 150 degrees. The larger the inclination angle α, the more stable the liquid outflow. However, the optimum value of the inclination angle α varies depending on the slit width. The inclination angle α is preferably designed so that the opening width of the supply port 5 on the inclined surface 7 does not exceed 2 mm.
[0191]
A center ring 16 is disposed at the tip of the inner ring 11, and a gas port 10 is opened between the center ring 16 and the inner ring 11. Although not shown, the center ring 16 is fixed to the inner ring 11 and disposed at a predetermined position. The center ring 16 has an outer peripheral surface processed into a tapered shape along the inclined surface 7 of the inner ring 11. A gas port 10 formed between the center ring 16 and the inner ring 11 has a slit shape, from which a pressurized gas is injected into a laminar flow state and flows along the inclined surface 7.
[0192]
The flow path 14 of the inner ring 11 is connected to the pressurized gas source F. The gas port 10 injects atomized gas that flows along the inclined surface 7. The pressurized gas source F is, for example, 3 to 20 kg / cm.2, Preferably 4-15 kg / cm2More preferably, 4-10 kg / cm2About 6.5kg / cm2Is supplied to the gas port 10. When the atomizing gas injection pressure is increased, the flow velocity of the gas flowing along the inclined surface 7 is increased, and the dispersion 3 can be more effectively thinned to make the dispersion into fine droplets (fine particles) 9. However, if the injection pressure is increased, a special compressor is required and the energy consumption increases. Therefore, the optimum value is designed in consideration of the required particle size of the fine particles and the energy consumption. Moreover, it is preferable that a valve (not shown) is attached between the pressurized gas source F and the gas port 10. Thereby, the pressure of the gas used for the ejection of the dispersion liquid 3 (droplet 9) can be easily adjusted.
[0193]
Furthermore, the nozzle shown in FIG. 6 injects spreading gas to the outer periphery of the inclined surface 7 in addition to the atomizing gas. However, the spreading gas is not necessarily injected. This is because the dispersion liquid can be injected as fine particles with atomizing gas without injecting spreading gas. The nozzle that ejects the atomizing gas and the spreading gas has the advantage that the atomizing gas and the spreading gas collide with each other at the edge 7A of the inclined surface 7 so that the droplet 9 can be made into smaller particles. Furthermore, the angle of the holocon can be adjusted with the spreading gas. Further, depending on the properties of the dispersion, the separation at the edge 7A is poor, and there is a possibility of causing a liquid backflow on the spreading gas side. However, this can be effectively prevented by the spreading gas.
[0194]
The spreading gas is injected from a spreading gas injection port 17 provided between the intermediate ring 12 and the outer ring 13. The spreading gas can be lower in pressure than the atomizing gas. For example, atomizing gas is about 6.5 kg / cm2The spreading gas is about 1 kg / cm2It can be. The spreading gas does not need to forcibly and thinly extend the dispersion unlike the atomizing gas, so, for example, 0.5 to 3 kg / cm.2Can be set within the range.
[0195]
In the nozzle for injecting both atomizing gas and spreading gas, the tip of the inclined surface 7 has a sharp edge 7A. The intermediate ring 12 is provided with an inclined surface 7 at the tip surface, and the outer periphery of the tip is processed into a cylindrical shape, and an edge 7 A is provided at the tip of the inclined surface 7. The intermediate ring 12 having this shape can form a sharp edge 7A (180 degrees−inclination angle α) at the tip of the inclined surface 7. However, although the nozzle is not shown, the outer periphery of the intermediate ring 12 can be processed into a taper shape to adjust the angle of the edge 7A.
[0196]
The nozzle shown in FIG. 6 can eject the dispersion liquid as fine particles in the following state, for example.
(1) Supply the pressurized atomized gas to the flow path 14 provided in the center of the inner ring 11 and supply the spreading gas to the spreading gas injection port 17 between the intermediate ring 12 and the outer ring 13 The dispersion liquid is sent out from the port 5 to the inclined surface 7.
(2) The dispersion supplied to the inclined surface 7 is thinly stretched by the atomizing gas flowing along the inclined surface 7 to become a thin laminar flow 8. For example, if atomized gas is made to flow along the inclined surface 7 at a flow rate of Mach 1.5 and the dispersion is sent to the supply port 5, and the flow rate at the tip of the laminar flow 8 is 1/20 of the atomized gas. 25.5 m / s. If the diameter of the edge 7A provided at the tip of the inclined surface 7 is 50 mm, the dispersion is supplied at 1 liter / min, and the membrane pressure of the thin laminar flow 8 is 4 μm.
{Circle around (3)} The 4 μm thin laminar flow 8 is too thin to pass through the edge 7A of the inclined surface 7 and cannot be in a film state, and is broken into pieces by the surface tension to form droplets 9 of fine particles.
(4) The droplet 9 of fine particles collides with the atomizing gas and the spreading gas at the edge 7A, rubs and vibrates to make the droplet 9 smaller.
(5) The droplets 9 of fine particles are carried radially by the atomizing gas and the spreading gas. This state is called a holocorn. The cone angle of the hollow cone is determined by the angle of the inclined surface 7, but can also be adjusted by the injection pressures of the atomizing gas and the spreading gas.
[0197]
The dispersion medium is removed from the droplets 9 ejected in the state of a holocon to obtain toner powder.
FIG. 7 shows a nozzle in which liquid A and liquid B are mixed to form fine particles (droplets 9) of a dispersion. In the nozzle shown in this figure, the intermediate ring 12 of the nozzle shown in FIG. 6 has a double tube structure of an inner intermediate ring (cylindrical body) 12A and an outer intermediate ring (cylindrical body) 12B. The B liquid supply port 5 is provided between the inner intermediate ring 12A and the outer intermediate ring 12B. The ring-shaped inner intermediate ring 12A is provided with a tapered inclined surface 7 on the inner surface and the outer surface, and the tip thereof is a sharp edge 7A. The front end surface of the outer intermediate ring 12B is also tapered to form an inclined surface 7. The inclined surface 7 of the outer intermediate ring 12B is connected to the same plane as the inclined surface 7 of the inner intermediate ring 12A.
[0198]
The nozzle shown in FIG. 7 has inclined surfaces 7 on the inner side surface and the outer side surface of the inner intermediate ring 12A, the A liquid supply port 5 is provided on the inclined surface 7 provided on the inner side, and the B liquid is provided on the outer inclined surface 7. The supply port 5 is provided. Both the gas port 10 of the inner ring 11 and the spreading gas injection port 17 between the outer intermediate ring 12B and the outer ring 13 so that both the liquid A and the liquid B can be thinly extended to the inclined surface 7 by atomizing gas. High-pressure atomized gas is injected from
By using the nozzle M2 having such a structure, a toner having high uniformity (dispersibility) can be obtained even when components having poor dispersibility and compatibility are used. Further, by using the nozzle M2 having such a structure, a toner having a multilayer (multiphase) structure can be obtained relatively easily.
[0199]
The nozzle shown in FIG. 7 is provided with inclined surfaces 7 on both the inner and outer surfaces of the inner intermediate ring 12A, and supplies two different liquids (dispersions) to the inner and outer inclined surfaces 7. The nozzle shown in FIG. 8 is provided with a plurality of supply ports 5 in the middle of the inclined surface 7. The nozzle having this structure can supply several kinds of different liquids from the plurality of supply ports 5 and spray them simultaneously. By combining liquids (dispersions) supplied to the supply port 5, multifunctional composite particles having new characteristics can be produced.
[0200]
9 and 10 show a nozzle that can be made into finer particles. In the nozzles shown in these drawings, the intermediate ring 12 has a double tube structure of an inner intermediate ring (cylindrical body) 12A and an outer intermediate ring (cylindrical body) 12B, similarly to the nozzle shown in FIG. The B liquid supply port 5 is provided between the inner intermediate ring 12A and the outer intermediate ring 12B. The ring-shaped inner intermediate ring 12A is provided with tapered inclined surfaces 7 on both the inner surface and the outer surface, and the tip thereof is a sharp edge 7A. The front end surface of the outer intermediate ring 12B is also tapered to form an inclined surface 7.
[0201]
An enlarged view of the inclined surface is shown in FIG. As shown in this figure, the inclined surface 7 of the inner intermediate ring 12A has a slight difference in the vicinity of the supply port 5 with respect to the extended line of the outer intermediate ring 12B and the inclined surface 7 of the inner ring 11 located on both sides thereof. Designed and designed low. The nozzle having the inclined surface of this shape has a feature that the gas flow flowing along the inclined surface 7 as shown by the arrow smoothly discharges the liquid (dispersed liquid) from the supply port 5. This is because the inclined surface 7 of the inner intermediate ring 12A does not protrude from the inclined surfaces 7 on both sides. Although not shown, when the inclined surface 7 of the inner intermediate ring 12A protrudes from the extended line of the inclined surface 7 located on both sides, it becomes difficult to discharge the liquid smoothly due to gas colliding with the protruding portion.
[0203]
In the nozzle shown in FIGS. 6, 7, and 9, the spreading gas injection port 17, and the distal end portions of the center ring 16 and the outer ring 13 constituting the gas port 10 are configured by a gas permeable member 18. The breathable member 18 has a breathability that allows the gas press-fitted into the gas port 10 to penetrate from the surface. The air-permeable member 18 is, for example, a sintered metal made of stainless steel having an average particle diameter of about 1 μm. The air-permeable member 18 has an effect of preventing a mist from adhering to the surfaces of the center ring 16 and the tip of the outer ring 13 by injecting part of the gas injected from the gas port 10 from the surface.
[0209]
  further,FIG.The nozzle shown in FIG. 1 has a unique structure that prevents the adhesion of mist without using a breathable member. In the nozzle of this figure, a gas peeling recess 19 is provided on the tip surface of the center ring 16, and a gas peeling recess 19 is provided on the tip surface of the nozzle inside the supply port 5. The gas peeling recess 19 is connected to the flow path 1 between the inner ring 11 and the center ring 16 through a through hole 20 provided in the center ring 16. The through-hole 20FIG.As shown in FIG. 3, the gas to be injected is opened in a direction that rotates in the gas separation recess 19, that is, inclined from the radial direction to the tangential direction. The surface of the gas separation recess 19 is a smooth surface that can flow in a laminar flow state without disturbing the gas flow. Further, the outer peripheral portion of the gas separation recess 19 is streamlined like an airplane wing and is smoothly curved toward the gas port 10.
[0210]
In the nozzle having this structure, when pressurized gas is jetted tangentially from the through-hole 20 to the gas separation recess 19, the gas collides with the inner surface of the taper gas separation recess 19, and the swirling flow is spread while thinly spreading. Become. At this time, the ratio of the air flow toward the outlet direction (upward in the figure) of the gas peeling recess 19 can be changed by the taper angle (θ) of the gas peeling recess 19. When the taper angle (θ) is 15 degrees as shown in the figure, the swirling airflow toward the outlet is 70%, and the remaining 30% becomes the swirling airflow toward the bottom of the gas separation recess 19 and reaches the bottom. After that, decrease the wind speed and head toward the exit. Then, it is caught in the 70% swirling air flow and discharged from the gas separation recess 19.
[0211]
The swirling airflow of the gas flowing along the inner surface of the gas separation recess 19 climbs the inclined surface of the taper surface and the airfoil streamline portion, and flows along the airfoil surface when reaching the tip, 11 and the central ring 16 are drawn into the atomizing gas injected from the flow path 1 provided between them. Since the streamlined airfoil portion is smoothly curved toward the gas port 10, the gas flows along the surface, creating a gas layer that flows to the front of the central ring 16.
[0212]
Since the entire front surface of the center ring 16 is covered with this flowing gas layer, mist injected from the supply port 5 does not adhere. The number of through-holes 20 is preferably about six so that gas can be uniformly injected from the gas peeling recess 19. However, the number of through holes can be further increased. Furthermore, when the shape of the through hole is slit and the lateral width is widened, the gas can be blown out uniformly from the gas separation recess with fewer than five through holes.
[0213]
In this structure nozzle, since the front surface of the nozzle is covered with a gas layer, the flying mist does not adhere to the surface and is blown away by a streamline air stream which is a flowing gas layer. Moreover, the nozzle of this structure can obtain an equivalent effect with a smaller amount of gas than the method of preventing powder adhesion by air laying by the air-permeable member 18 described above.
[0214]
  further,FIG.The nozzle shown in FIG. 2 is a nozzle that uniformly ejects gas and liquid from the gas port 10 and the supply port 5. In the nozzle of this figure, helical ribs 22 are arranged in the flow path 1 and the liquid flow path 21. The channel 1 and the liquid channel 21 are provided with ribs between the rings for centering when assembling the rings, that is, for precisely matching the centers of all the rings. By bringing the tips of the ribs into contact, each ring is centered and assembled accurately.
[0215]
  FIG.This nozzle is provided with a helical rib 22 that spins a gas flowing in the axial direction to rotate in a spiral manner in the flow path 1 communicating with the gas ports 10 opened on both sides of the edge 7A. The gas injected from the gas ports 10 on both sides of the edge 7A is injected toward the edge 7A while rotating in opposite directions. In the nozzle of this structure, the atomized gas flowing on both sides of the edge 7A is made into a reverse spin, and when the mist is formed at the tip of the edge 7A, the twisting action of both gases is added to increase the mist crushing effect, thereby reducing the smaller mist. I can make it.
[0216]
However, in the nozzle of the present invention, it is not always necessary to reverse the atomizing gas flowing on both sides of the edge, and the atomizing gas on both sides of the edge can be spun in the same direction. Furthermore, in a nozzle having a plurality of gas ports, it is not necessary to spin the gas ejected from all the gas ports. Therefore, helical ribs can be provided only in specific flow paths.
[0217]
  further,FIG.In the nozzle shown in FIG. Since the liquid has a slower flow rate than the gas, the inclination angle α of the helical rib 22 is increased to about 60 degrees. The inclination angle α can be, for example, in the range of 30 to 70 degrees, preferably 45 to 65 degrees. If the inclination angle α of the helical rib 22 of the liquid channel 21 is increased as in the helical rib 22 of the channel 1, the spin of the liquid can be increased, but the flow resistance of the liquid increases. For this reason, the inclination angle α of the helical rib 22 is designed to an optimum value in consideration of the flow resistance and spin of the liquid.
[0218]
By using the nozzle M2 as described above, the following effects can be obtained.
-The dispersion can be sprayed onto extremely small fine particles, and can be continuously sprayed for a long time while preventing the horse head from being sufficiently effectively prevented. Further, since the dispersion liquid is stretched into a thin laminar flow to form droplets of fine particles, the droplets can be ejected as extremely small fine particles at a flow rate of gas flowing along a smooth surface.
-The amount of spraying per unit time can be increased and sprayed into fine droplets.
[0219]
Moreover, in this invention, it is preferable that the initial velocity of the dispersion liquid 3 (droplet 9) discharged from the nozzle M2 to the solidification part M3 is 0.1-10 m / sec, for example, and 2-8 m / sec. It is more preferable that When the initial velocity of the dispersion 3 (droplet 9) is less than the lower limit, the toner productivity is lowered. On the other hand, when the initial velocity of the dispersion 3 (droplet 9) exceeds the upper limit value, the sphericity of the obtained toner particles 4 tends to decrease.
[0220]
The viscosity of the dispersion 3 discharged from the nozzle M2 is not particularly limited, but is preferably 5 to 3000 [m · Pa · s], for example, and 10 to 1000 [m · Pa · s]. Is more preferable. If the viscosity of the dispersion 3 is less than the lower limit, it may be difficult to sufficiently control the size of the ejected particles (droplets 9), and the resulting toner particles 4 may have large variations. On the other hand, when the viscosity of the dispersion 3 exceeds the upper limit, the diameter of the formed droplets increases. Further, when the viscosity of the dispersion liquid 3 is particularly large, adhesion to the nozzle tip becomes intense and continuous operation becomes difficult, and the dispersion liquid becomes difficult to be supplied to the nozzle.
[0221]
Further, the dispersion 3 discharged from the nozzle M2 may be preheated. By heating the dispersion liquid 3 in this way, for example, even if the dispersoid 31 is in a solid state (or a relatively high viscosity state) at room temperature, the dispersoid 31 is in a molten state ( Alternatively, the viscosity can be relatively low). As a result, the agglomeration (fusion) of the dispersoid 31 contained in the droplet 9 proceeds smoothly in the solidified portion M3 described later, and the resulting toner particles 4 have a particularly high circularity.
[0222]
Further, the discharge amount of one droplet of the dispersion 3 (the volume of 91 droplets) is slightly different depending on the content of the dispersoid 31 in the dispersion 3, but is preferably 0.05 to 500 pl. 0.5 to 5 pl is more preferable. By setting the discharge amount of one drop of the dispersion 3 within such a range, the toner particles 4 can have an appropriate particle size.
[0223]
Incidentally, the droplet 9 ejected from the nozzle M2 is generally sufficiently larger than the dispersoid 31 in the dispersion 3. That is, a large number of dispersoids 31 are dispersed in the droplet 9. For this reason, even if the particle size variation of the dispersoid 31 is relatively large, the proportion of the dispersoid 31 in the discharged droplets 9 is substantially uniform for each droplet. Therefore, even when the particle size variation of the dispersoid 31 is relatively large, the toner particles 4 have a small particle size variation by making the discharge amount of the dispersion 3 substantially uniform. Such a tendency becomes more remarkable. For example, when the average particle size of the discharged dispersion 3 (droplet 9) is Dd [μm] and the average particle size of the dispersoid 31 in the dispersion 3 is Dm [μm], Dm / Dd <0. It is preferable to satisfy the relationship of 5, and it is more preferable to satisfy the relationship of Dm / Dd <0.2.
[0224]
Further, when the average particle diameter of the discharged dispersion 3 (droplet 9) is Dd [μm] and the average particle diameter of the manufactured toner particles is Dt [μm], 0.05 ≦ Dt / Dd ≦ 1. Is preferably satisfied, and more preferably 0.1 ≦ Dt / Dd ≦ 0.8. By satisfying such a relationship, it is possible to relatively easily obtain toner particles 4 that are sufficiently fine, have a high degree of circularity, and have a sharp particle size distribution.
[0225]
  In the above description, FIG.FIG.Dispersion using a nozzle as shown in FIG. 1 (a nozzle in which the dispersion is pressed against a smooth surface with a gas flow and thinned to form a thin laminar flow, and the thin laminar flow is ejected as fine particles away from the smooth surface). Although the method of making the liquid into droplets (fine particles) has been described, any method can be used as long as a droplet-like dispersion can be obtained. For example, a spray drying method, a so-called inkjet method, bubble jet (" For the “bubble jet”, a method such as a registered trademark method may be used.
[0226]
The spray drying method is a method of obtaining liquid droplets by spraying a liquid (dispersion) using a high-pressure gas.
Moreover, as a method to which the so-called ink jet method is applied, a method described in Japanese Patent Application No. 2002-169349 can be cited. That is, in the present invention, as a method for forming a droplet-like dispersion, “a method in which a dispersion is intermittently ejected from a head portion by piezoelectric pulses and conveyed in a solidified portion by an air current and granulated” is applied. can do.
[0227]
Examples of the method to which the so-called bubble jet method is applied include the method described in Japanese Patent Application No. 2002-169348. That is, in the present invention, as a method of forming a droplet-like dispersion, “a method of intermittently discharging the dispersion from the head portion by changing the volume of the gas and making it granular while being conveyed in the solidified portion by an air current” Can be applied.
[0228]
In particular, in the present invention, when the nozzle as described above is used, the following advantages can be obtained as compared with the case where a general spray drying method is applied.
That is, in the method using the nozzle as described above, it is possible to easily and accurately control the spraying condition of the dispersion as compared with a general spray drying method. For this reason, for example, toner particles having a desired size and shape can be efficiently produced. In particular, in the above-described method, the formed fine particles can have extremely small size variation (small particle size distribution width), and therefore, variation in the moving speed of each particle can also be reduced. . Therefore, it is possible to effectively prevent collision and aggregation between the ejected particles before the ejected dispersion is solidified. As a result, it is difficult to form irregularly shaped powder. Therefore, the variation in the shape and size of the toner particles finally obtained is particularly small, and even in the finally obtained toner, the variation in charging characteristics and fixing characteristics among the particles is small, and the toner as a whole Reliability is also particularly high. Further, in the above-described method, even when the size of the toner particles to be manufactured is relatively small, the particle size distribution of the toner particles can be sharpened.
[0229]
Next, the external additive 2 will be described in detail.
[External additive]
The external additive 2 used in the present invention is not particularly limited. For example, titanium oxide, silica (positively charged silica, negatively charged silica, etc.), aluminum oxide, cerium oxide, magnesium oxide, chromium oxide, zinc oxide, Metal oxide such as magnetite, strontium titanate, calcium titanate, titanate such as magnesium titanate, nitride such as silicon nitride, carbide such as silicon carbide, sulfate such as calcium sulfate and barium sulfate, calcium carbonate, Fine particles composed of inorganic materials such as carbonate such as barium carbonate, metal salts such as acrylic resin, fluororesin, polystyrene resin, polyester resin, aliphatic metal salts (for example, zinc stearate, magnesium stearate, etc.) (these Made of organic materials such as those that have been subjected to surface treatment such as hydrophobization treatment) These complex compounds (e.g., complex compounds such as a composite of silica, titanium oxide) and the like.
[0230]
Among the above materials, examples of the titanium oxide that can be used as the external additive 2 include rutile type titanium oxide, anatase type titanium oxide, and rutile anatase type titanium oxide.
The rutile anatase type titanium oxide has a rutile type titanium oxide (titanium dioxide) and a crystal structure anatase type titanium oxide (titanium dioxide) in the same particle. That is, the rutile anatase type titanium oxide has a mixed crystal type titanium oxide (titanium dioxide) of a rutile type crystal and an anatase type crystal.
[0231]
Rutile-type titanium oxide usually has the property of easily forming spindle-shaped crystals. In addition, anatase-type titanium oxide has the property of easily precipitating fine crystals and having excellent affinity with a silane coupling agent or the like used for a hydrophobizing treatment as described later.
And since rutile anatase type titanium oxide has a mixed crystal type titanium oxide of a rutile type crystal and an anatase type crystal, the advantage of the rutile type titanium oxide and the advantage of the anatase type titanium oxide And have both. That is, in the rutile-anatase type titanium oxide, a minute anatase-type crystal is mixed between the rutile-type crystals (inside the rutile-type crystal), and as a whole has a substantially spindle shape, It becomes difficult to embed in the particles, and the rutile-anatase type titanium oxide as a whole has excellent affinity with silane coupling agents, etc., so that it is uniform and stable on the surface of the rutile-anatase type titanium oxide powder. It becomes easy to form a hydrophobic coating (silane coupling coating). Therefore, the toner obtained by containing the rutile-anatase type titanium oxide has a uniform charge distribution (the charge distribution of the toner particles is sharp), a stable charge characteristic, environmental characteristics (especially moisture resistance), and fluidity. And excellent caking resistance.
[0232]
In particular, the rutile-anatase type titanium oxide exhibits the following synergistic effect when a binder resin containing the above-described block polyester and amorphous polyester is used.
That is, as described above, since the block polyester has a crystalline block having high crystallinity, the toner base particles have crystals of a predetermined size mainly formed by the crystalline block. be able to. By having such a crystal, the rutile-anatase type titanium oxide becomes difficult to be embedded in the toner base particles. That is, by including a hard component such as the crystal, the rutile-anatase type titanium oxide is surely supported (attached) near the surface of the toner base particles. In particular, even when a relatively large mechanical stress is applied, the toner is effectively prevented from being buried in the toner base particles. Thereby, the function (especially effects such as excellent fluidity and chargeability) of the rutile-anatase type titanium oxide can be more effectively exhibited. Thus, since the function of a rutile-anatase type titanium oxide can be more effectively exhibited by using together with the block polyester mentioned above, the quantity of the external additive to be used can be suppressed. As a result, it is possible to effectively prevent the occurrence of inconvenience (for example, a decrease in fixability to a transfer material (recording medium) such as paper) due to the addition of a large amount of external additive.
[0233]
The abundance ratio of the rutile-type titanium oxide and the anatase-type titanium oxide in the rutile-anatase-type titanium oxide is not particularly limited, but is preferably 5:95 to 95: 5 by weight, and 50:50 More preferably, it is -90: 10. By using such a rutile-anatase type titanium oxide, the effect by using the above-mentioned rutile-anatase type titanium oxide becomes more remarkable.
[0234]
The rutile-anatase type titanium oxide preferably absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. As a result, the toner has excellent light resistance (particularly, light resistance after fixing on a recording medium).
The shape of the rutile-anatase type titanium oxide used in the present invention is not particularly limited, but it is generally a spindle shape.
[0235]
When the rutile-anatase type titanium oxide has a substantially spindle shape, the average major axis diameter is preferably 10 to 100 nm, and more preferably 20 to 50 nm. When the average major axis diameter is in such a range, the rutile-anatase type titanium oxide can sufficiently exhibit the functions described above, and is difficult to embed in the toner base particles and is free. It becomes difficult to do. As a result, the toner sufficiently retains the above-described functions and is particularly excellent in stability against mechanical stress.
[0236]
In addition, the average major axis diameter of the substantially spindle-shaped rutile-anatase type titanium oxide is D1[Nm], the average length of the crystal is LCWhen [nm] is set, 0.01 ≦ D1/ LCIt is preferable that the relationship of ≦ 2 is satisfied, and 0.02 ≦ D1/ LCIt is more preferable to satisfy the relationship of ≦ 1. By satisfying such a relationship, the rutile-anatase type titanium oxide exhibits the above-described effects sufficiently and is difficult to be embedded in the mother particles. As a result, the toner sufficiently retains the above-described functions and is particularly excellent in stability against mechanical stress.
[0237]
The average length of the crystal can be measured by a transmission electron microscope (TEM), small angle X-ray scattering measurement, or the like. As a result, the stability of the toner against mechanical stress is further improved.
The content of the rutile-anatase type titanium oxide in the toner is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 2.0 wt%, and more preferably 0.5 to 1.0 wt%. If the content of the rutile-anatase type titanium oxide is less than the lower limit, the effect of using the rutile-anatase type titanium oxide as described above may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the content of the rutile-anatase type titanium oxide exceeds the upper limit, the toner fixing property tends to be lowered.
[0238]
Such a rutile-anatase type titanium oxide may be prepared by any method, but can be obtained, for example, by firing anatase-type titanium oxide. By using such a method, the abundance ratio of the rutile-type titanium oxide and the anatase-type titanium oxide in the rutile-anatase-type titanium oxide can be controlled relatively easily and reliably. When obtaining a rutile-anatase type titanium oxide by such a method, it is preferable that a calcination temperature is about 700-1000 degreeC. By setting the firing temperature within this range, it is possible to more easily and reliably control the abundance ratio of rutile titanium oxide and anatase titanium oxide in rutile anatase titanium oxide. Become.
[0239]
Among the materials described above, examples of silica that can be used as the external additive 2 include positively chargeable silica and negatively chargeable silica. The positively chargeable silica can be obtained, for example, by subjecting negatively chargeable silica to a surface treatment with a silane coupling agent having a functional group such as an amino group.
When negatively chargeable silica is used as the external additive 2, the charge amount (absolute value) of the toner particles can be increased. As a result, a stable negatively chargeable toner can be obtained, and the toner control of the image forming apparatus can be easily performed.
[0240]
Further, when negatively charged silica is used in combination with the rutile-anatase type titanium oxide described above, a particularly excellent effect is obtained. That is, by using negatively-charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination, the fluidity and environmental characteristics (especially moisture resistance) of the toner can be further improved, and more stable triboelectric chargeability can be exhibited. Thus, the occurrence of so-called fog can be more effectively prevented. Further, by using negatively-charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination, the obtained toner can have a large charge amount (absolute value) and a sharper charge distribution.
The average major axis diameter of the substantially spindle-shaped rutile-anatase type titanium oxide is D1[Nm], the average particle diameter of the negatively charged silica is D2When [nm], 0.2 ≦ D1/ D2It is preferable that the relationship of ≦ 15 is satisfied, and 0.4 ≦ D1/ D2It is more preferable to satisfy the relationship of ≦ 5. By satisfying such a relationship, the effect of using negatively charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination becomes even more remarkable.
[0241]
When positively chargeable silica is used as the external additive 2, for example, the positively chargeable silica can function as a microcarrier, and the chargeability of the toner particles themselves can be further improved. In particular, by using the positively chargeable silica in combination with the above-described rutile-anatase type titanium oxide, the obtained toner can have a large charge amount (absolute value) and a sharper charge distribution. .
When positively chargeable silica is included, the average particle size is preferably 30 to 100 nm, and more preferably 40 to 50 nm. When the average particle diameter of the positively chargeable silica is in such a range, the above-described effect becomes more remarkable.
[0242]
In the present invention, it is preferable to use an external additive 2 that has been subjected to a hydrophobic treatment. As a result, there is an effect that the charging of the toner is not greatly influenced by environmental conditions such as humidity. Further, the hydrophobic treatment can more effectively prevent the external additive 2 from being embedded in the toner base particles 6. Further, when the external additive 2 has been subjected to a hydrophobic treatment, the resulting toner particles 4 can exhibit particularly stable charging characteristics in a wide humidity range. As the hydrophobizing treatment, for example, HMDS, a silane coupling agent (for example, one having a functional group such as an amino group), a titanate coupling agent, a fluorine-containing silane coupling agent, silicone oil or the like is used. Surface treatment or the like.
[0243]
The degree of hydrophobicity of the external additive 2 is preferably 30 to 80 [%], more preferably 50 to 80 [%]. When the degree of hydrophobicity is within such a range, the external additive 2 can be more effectively prevented from being embedded in the toner base particles 6. Further, when the degree of hydrophobicity is in such a range, the obtained toner particles 4 can exhibit particularly stable charging characteristics in a wide humidity region.
[0244]
In the present specification, the degree of hydrophobicity is determined as follows.
First, 50 ml of water is put into a 200 ml Erlenmeyer flask, and 0.4 g of external additive is put therein. Normally, in this state, the external additive floats on the water surface and does not mix with water.
Next, methanol is added dropwise with the water in the beaker stirred, and when the external additive on the liquid surface is exhausted (when all the external additives have submerged in the liquid), Stop dripping. When the amount of methanol dropped at this time is V [ml], the degree of hydrophobicity [%] is represented by {V / (V + 50)} × 100.
[0245]
The average particle diameter of the external additive 2 is not particularly limited, but is preferably 0.01 to 1.0 μm, and more preferably 0.01 to 0.5 μm. When the average particle diameter of the external additive 2 is in such a range, the function as the external additive can be more effectively exhibited while sufficiently securing the toner particles.
Further, the external additive 2 may be in a state where substantially all of the external additive 2 is adhered to the toner particles 4 (toner base particles 6) in the toner, or a part thereof is the toner particles 4 (toner base particles). It may be free from the surface of the particles 6). That is, the toner may contain the external additive 2 released from the toner particles 4.
[0246]
Thus, when the toner contains an external additive released from the mother particles (hereinafter also referred to as “free external additive”), such a free external additive is, for example, opposite to the toner particles. It can function as a microcarrier that is charged to polarity. When such a free external additive functioning as a microcarrier is included in the toner, toner particles having a reverse chargeability during development or the like (toner particles that are charged with a polarity opposite to the polarity that the toner particles should originally exhibit when charged) ) Can be effectively prevented and suppressed. As a result, the toner is less likely to cause inconveniences such as so-called fog.
[0247]
The amount of the external additive released from the toner particles is, for example, the annual meeting of the Electrophotographic Society (95 times) “Japan Hardcopy '97”, “New External Evaluation Method-Toner Analysis Using Particle Analyzer” (Suzuki) Measurement is possible by applying the method disclosed in Toshiyuki, Toshio Takahara, sponsored by the Electrophotographic Society, July 9-11, 1997). Hereinafter, an example of a method for measuring the amount of free external additive by a particle analyzer (PT1000) in the case of using (rutile-anatase type) titanium oxide as an external additive will be described.
[0248]
In this measuring method, titanium oxide (TiO 2) is formed on the surface of the mother particle made of resin (C).2The toner T particles formed by adhering the external additive comprising the above are introduced into the plasma to excite the toner particles, obtain an emission spectrum associated with the excitation, and perform the elemental analysis for measurement. It is.
First, an external additive (TiO 2) is added to the toner base particles.2When the toner particles to which the particles are attached are introduced into the plasma, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) Is decomposed, and constituent elements C and Ti emit light specific to the element. At this time, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Are introduced into the plasma at the same time, C and Ti emit light simultaneously. Thus, when C and Ti emit light simultaneously, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) And are synchronized. In other words, the state in which C and Ti are synchronized is an external additive (TiO2) Represents the state of adhering to the mother particles (C).
[0249]
External additives (TiO2) Is not adhered to the mother particles (C) and the external additive (TiO) released from the mother particles (C).2) Is introduced into the plasma, both C and Ti emit light as described above. At this time, the mother particles (C) and the external additive (TiO 2) are emitted.2) Is introduced into the plasma at different times, so that C and Ti emit light at different times (for example, if the mother particles are introduced into the plasma prior to the external additive, the C Luminescence is observed, and later, Ti luminescence is observed).
[0250]
Thus, when C and Ti emit light at different times, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) Is not synchronized (that is, asynchronous). In other words, the state in which C and Ti are asynchronous is the external additive (TiO2) Represents a state of not adhering to the mother particle (C).
Further, in the emission spectrum obtained as described above, the height of the emission signal indicates the intensity of the emission, but this emission intensity is not included in the size or shape of the particles but is included in the particles. It is proportional to the number of atoms of the element (C, Ti). Therefore, the light emission intensity of the element can be converted into the particle size. When light emission of C and Ti is obtained, a true spherical particle made of only the mother particle and the external additive is assumed from these emission intensities, and the true spherical particle at this time is called an equivalent particle. The diameter is called the equivalent particle diameter.
[0251]
  Thus, when the equivalent particle diameter of the equivalent particles obtained from the emission spectra of the mother particles and the external additive is plotted for each particle of the toner,FIG.An equivalent particle size distribution diagram of toner particles as shown in FIG.
  FIG., The horizontal axis represents the equivalent particle diameter of the base particles (C), and the vertical axis represents the external additive (TiO 2).2). The equivalent particles on the horizontal axis are external additives (TiO2) Represents an asynchronous mother particle (C) not attached, and the equivalent particle on the vertical axis represents an external additive (TiO 2) released from the mother particle (C).2). Equivalent particles that are not on the horizontal and vertical axes are added to the base particles (C) as an external additive (TiO 2).2) Represents the toner attached. Thus, the external additive (TiO 2) for the toner base particles (C) is obtained.2) Is analyzed.
[0252]
The amount of rutile-anatase-type titanium oxide released from the toner particles that can be measured in this way (ratio of rutile-anatase-type titanium oxide contained in the toner as a free external additive) is 0.1 to 5.0% by number is preferable, and 0.5 to 3.0% by number is more preferable. If the ratio of the free external additive is too small, the above-mentioned function as a microcarrier may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the ratio of the free external additive exceeds the upper limit, the free external additive adheres to the toner contact member and filming is likely to occur.
[0253]
The toner obtained as described above may be subjected to various types of processing such as classification processing as necessary. For the classification treatment, for example, a sieve, an airflow classifier or the like can be used.
Further, for example, after the toner recovery, various processes such as a drying process for removing the dispersion medium remaining in the toner and a further external addition process may be performed. For such external addition treatment, for example, a Henschel mixer or the like can be used.
[0254]
[Toner particles]
The toner of the present invention produced as described above has a uniform shape and a sharp particle size distribution (small width). In particular, in the present invention, toner particles having a relatively high circularity can be obtained.
Specifically, the toner (toner particles) of the present invention preferably has a circularity (average circularity) R represented by the following formula (I) of 0.91 to 0.98, preferably 0.93 to 0.93. More preferably, it is 0.98. When the average circularity R is less than 0.91, it becomes difficult to sufficiently reduce the difference in charging characteristics between individual toner powders, and the developability on the photoreceptor tends to be lowered. On the other hand, if the average circularity R is too small, toner adhesion (filming) is likely to occur on the photoreceptor, and the toner transfer efficiency may decrease. On the other hand, when the average circularity R exceeds 0.98, the transfer efficiency and mechanical strength are increased, but there is a problem that the average particle diameter is increased by promoting granulation (joining of particles). If the average circularity R exceeds 0.98, for example, it becomes difficult to remove the toner adhering to the photoreceptor or the like by cleaning.
[0255]
R = L0/ L1... (I)
(However, in the formula, L1[Μm] is the peripheral length of the projected image of the toner particles to be measured, L0[Μm] represents the perimeter of a perfect circle (complete geometric circle) having an area equal to the area of the projected image of the toner particles to be measured. )
The average circularity can be obtained by observing a projected image of a plurality of toner particles, obtaining the circularity of each of these particles individually by the above formula (I), and averaging these.
[0256]
The toner preferably has a standard deviation of average circularity between particles of 0.02 or less, more preferably 0.015 or less, and further preferably 0.01 or less. When the standard deviation of the average circularity between the particles is 0.02 or less, variations such as charging characteristics and fixing characteristics are particularly reduced, and the reliability of the toner as a whole is further improved.
[0257]
Further, the average particle diameter of the toner is preferably 1 to 20 μm, and more preferably 3 to 10 μm. When the average particle size of the toner is less than the lower limit, it becomes difficult to uniformly charge, and the adhesion force to the surface of the electrostatic latent image carrier (for example, a photoreceptor) increases. As a result, There may be an increase in the residual toner. On the other hand, when the average particle size of the toner exceeds the upper limit, the reproducibility of the contour portion of an image formed using the toner, particularly a character image or a light pattern, is deteriorated.
[0258]
Further, the toner preferably has a standard deviation of the particle size between particles of 1.5 μm or less, more preferably 1.3 μm or less, and even more preferably 1.0 μm or less. When the standard deviation of the particle diameter between the particles is 1.5 μm or less, variations in charging characteristics, fixing characteristics and the like are particularly small, and the reliability of the toner as a whole is further improved.
[0259]
Further, the content of the resin (binder resin) in the toner is preferably 50 to 98 wt%, and more preferably 85 to 97 wt%.
Further, the composition of the binder resin contained in the toner (the blending ratio of each resin component, constituent monomers, etc.), the average weight molecular weight Mw, the glass transition point, the softening point, the melting point, and the like are described in the item of constituent materials of dispersoids The conditions and ranges are preferably the same as those described above, but may be changed during the production process.
[0260]
Further, when the toner contains wax, the content thereof is not particularly limited, but is preferably 5 wt% or less, more preferably 3 wt% or less, and 0.5 to 3 wt%. Further preferred. If the content of the wax is too large, the wax is liberated and coarsened, and the exudation of the wax on the toner surface may occur remarkably, making it difficult to sufficiently increase the toner transfer efficiency.
The acid value as a physical property of the toner is one of the factors that influence the environmental characteristics (particularly moisture resistance) of the toner. The acid value of the toner is preferably 8 KOH mg / g or less, and more preferably 1 KOH mg / g or less. When the acid value of the toner is 8 KOHmg / g or less, the environmental characteristics (particularly moisture resistance) of the toner are particularly excellent.
[0261]
Further, when the toner of the present invention is used in a fixing device having a nip portion as will be described later, the amount of change in relaxation elastic modulus G (t) in the passage time Δt [seconds] of the toner particles through the nip portion is: It is preferably 500 [Pa] or less, and more preferably 100 [Pa] or less. By satisfying such conditions, inconveniences such as offset are less likely to occur.
[0262]
Further, when the toner of the present invention is used in a fixing device having a fixing nip as described later, the time required for the toner particles to pass through the fixing nip is Δt [seconds], and the toner is 0.01 seconds. Where the initial relaxation elastic modulus G (0.01) is the relaxation elastic modulus of the toner and G (Δt) is the relaxation elastic modulus of the toner in Δt seconds, G (0.01) / G (Δt) ≦ It is preferable that the relationship of 10 is satisfied, and it is more preferable that the relationship of 1 ≦ G (0.01) / G (Δt) ≦ 8 is satisfied. 1 ≦ G (0.01) / G (Δt) ≦ 6 It is more preferable to satisfy this relationship. Satisfying such a relationship makes it difficult for toner to cry and offset due to a decrease in the elastic modulus of the toner particles. On the other hand, if G (0.01) / G (Δt) exceeds 10, the toners are separated and the offset is likely to occur. The relaxation elastic modulus of the toner is, for example, the composition of the constituent material of the toner (for example, the molecular weight of the block polyester and the amorphous polyester, the monomer component, the randomness, the composition of the wax and the external additive, the content of each constituent component, etc. ) And toner production conditions (e.g., jetting speed of the dispersion, temperature of the liquid to be jetted, viscosity, ambient temperature in the solidification part, atmospheric pressure, transport speed of the dispersion, raw material temperature in the kneading process, kneading time, It can be adjusted by the cooling rate of the kneaded product in the cooling step).
[0263]
Further, in the case where the binder resin containing the block polyester and the amorphous polyester as described above is used, there are usually crystals mainly composed of crystalline blocks of the block polyester.
Such crystals preferably have an average length (average length in the longitudinal direction) of 10 to 1000 nm, and more preferably 50 to 700 nm. When the length of the crystal is within such a range, the toner shape stability is particularly excellent, and particularly excellent stability against mechanical stress is exhibited. In particular, the external additive 2 is more reliably held near the surface of the toner particles (the external additive can be effectively prevented from being embedded in the mother particles), and the toner particles are developed. In particular, the stability of the apparatus or the like is excellent, and the occurrence of filming or the like hardly occurs. The size of the crystal is, for example, changing the molecular weight and randomness of the block polyester by controlling the production conditions of the block polyester used as a raw material component, or the blending ratio of the block polyester and the amorphous polyester. It can be appropriately adjusted by changing or changing the conditions of the kneading step and the cooling step described above.
[0264]
Further, when the binder resin containing the block polyester and the amorphous polyester as described above is used, it is preferable that the block polyester and the amorphous polyester are as compatible as possible in the toner. As a result, the variation in characteristics among the toner particles becomes particularly small, and the characteristics of the toner as a whole become more stable.
[0265]
The toner of the present invention is preferably applied to a non-magnetic one-component toner. Non-magnetic one-component toner is generally applied to an image forming apparatus having a regulating blade as described later. Therefore, the toner of the present invention that is resistant to mechanical stress can exhibit the above-described effects more remarkably when used as a non-magnetic one-component toner.
[0266]
Further, when the binder resin contains block polyester and amorphous polyester, cross-linked polyester and non-cross-linked polyester, it is preferably used in a fixing device and an image forming apparatus as described below. Hereinafter, the fixing device and the image forming apparatus will be described on the assumption that the binder resin contains a block polyester and an amorphous polyester.
[0267]
  FIG.FIG. 1 is an overall configuration diagram showing a preferred embodiment of an image forming apparatus to which the toner of the present invention is applied;FIG.IsFIG.Sectional drawing of the developing device which the image forming apparatus ofFIG.IsFIG.FIG. 4 is a perspective view showing a detailed structure of a fixing device used in the image forming apparatus of FIG.FIG.IsFIG.Sectional view of the main part of the fixing device ofFIG.IsFIG.The perspective view of the peeling member which comprises the fixing device ofFIG.IsFIG.The side view which shows the attachment state of the peeling member which comprises the fixing device of,FIG.IsFIG.A front view of the fixing device of FIG.FIG.Is a schematic diagram for explaining the arrangement angle of the peeling member with respect to the tangent at the exit of the nip portion,FIG.The figure which shows typically the shape of a fixing roller and a pressure roller, and the shape of a nip part,FIG.IsFIG.Sectional drawing in the XX line of (a),FIG.The figure which shows typically the shape of a fixing roller and a pressure roller, and the shape of a nip part,FIG.IsFIG.Sectional drawing in the YY line of (a),FIG.These are sectional views for explaining a gap between the fixing roller and the peeling member.
[0268]
An image carrier 30 including a photosensitive drum is disposed in the apparatus main body 29 of the image forming apparatus 1000, and is driven to rotate in the direction indicated by the arrow by a driving unit (not shown). Around the image carrier 30, an electrostatic latent image is formed on the image carrier 30, a charging device 40 for uniformly charging the image carrier (photoconductor) 30 along the rotation direction. There are provided an exposure device 50, a rotary developing device 60 for developing an electrostatic latent image, and an intermediate transfer device 70 for primary transfer of a monochromatic toner image formed on the image carrier 30.
[0269]
In the rotary developing device 60, a yellow developing device 60Y, a magenta developing device 60M, a cyan developing device 60C, and a black developing device 60K are mounted on a support frame 600, and the support frame 600 is rotationally driven by a drive motor (not shown). It is configured. The plurality of developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K are selectively rotated so that the developing roller 604 of one developing device faces the image carrier 30 every rotation of the image carrier 30. Has been. Each of the developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K has a toner storage portion that stores toner of each color.
The developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K all have the same structure. Therefore, although the structure of the developing device 60Y will be described here, the structures and functions of the developing devices 60C, 60M, and 60K are the same.
[0270]
  FIG.In the developing device 60Y, the supply roller 603 and the developing roller 604 are axially attached to the housing 601 that accommodates the toner T therein, and when the developing device 60Y is positioned at the development position described above, “ The developing roller 604 functioning as a “toner carrier” is positioned in contact with the image carrier (photoconductor) 30 or opposed to each other with a predetermined gap therebetween, and the rollers 603 and 604 are provided on the main body side. It is configured to engage with a drive unit (not shown) and rotate in a predetermined direction. The developing roller 604 is formed in a cylindrical shape from a metal or alloy such as copper, stainless steel, or aluminum so that a developing bias is applied.
[0271]
In the developing device 60Y, a regulating blade 605 for regulating the thickness of the toner layer formed on the surface of the developing roller 604 to a predetermined thickness is disposed. The regulating blade 605 is composed of a plate-like member 605a such as stainless steel or phosphor bronze, and an elastic member 605b such as rubber or resin member attached to the tip of the plate-like member 605a. The rear end portion of the plate-like member 605a is fixed to the housing 601, and the elastic member 605b attached to the front end portion of the plate-like member 605a is the rear end portion of the plate-like member 605a in the rotation direction D3 of the developing roller 604. It arrange | positions so that it may be located in the upstream rather than.
[0272]
The intermediate transfer device 70 is disposed so as to face the image carrier 30 on the back surface of the intermediate transfer belt 110, the driving roller 90 and the driven roller 100, the intermediate transfer belt 110 driven by both rollers in the illustrated arrow direction, and the back surface of the intermediate transfer belt 110. A primary transfer roller 120, a transfer belt cleaner 130 for removing residual toner on the intermediate transfer belt 110, and a drive roller 90 are arranged to face the four-color full-color image formed on the intermediate transfer belt 110 as a recording medium ( And a secondary transfer roller 140 for transferring onto the paper or the like.
[0273]
A paper feed cassette 150 is disposed at the bottom of the apparatus main body 29, and a recording medium in the paper feed cassette 150 passes through a pickup roller 160, a recording medium conveyance path 170, a secondary transfer roller 140, and a fixing device 190. It is comprised so that it may be conveyed by 200. Reference numeral 230 denotes a duplex printing conveyance path.
The operation of the image forming apparatus 1000 having the above configuration will be described. When an image forming signal is input from a computer (not shown), the image carrier 30, the developing roller 604 of the developing device 60 and the intermediate transfer belt 110 are rotationally driven. First, the outer peripheral surface of the image carrier 30 is charged by the charging device 40. The exposure device 50 selectively exposes the outer peripheral surface of the uniformly charged image carrier 30 according to the image information of the first color (for example, yellow) so that the yellow electrostatic latent image is obtained. An image is formed.
[0274]
On the other hand, in the developing device 60Y, the two rollers 603 and 604 rotate while being in contact with each other, whereby yellow toner is rubbed against the surface of the developing roller 604, and a toner layer having a predetermined thickness is formed on the surface of the developing roller 604. . Then, the elastic member 605b of the regulating blade 605 elastically contacts the surface of the developing roller 604, and the toner layer on the surface of the developing roller 604 is regulated to a predetermined thickness.
[0275]
At the latent image position formed on the image carrier 30, the yellow developing device 60 </ b> Y rotates and the developing roller 604 comes into contact therewith, whereby the yellow electrostatic latent image toner image is transferred onto the image carrier 30. Next, the toner image formed on the image carrier 30 is transferred onto the intermediate transfer belt 110 by the primary transfer roller 120. At this time, the secondary transfer roller 140 is separated from the intermediate transfer belt 110.
[0276]
The above processing is repeated for the second, third, and fourth colors of the image formation signal, and the latent image formation, development, and transfer are repeated by one rotation of the image carrier 30 and the intermediate transfer belt 110. Four color toner images corresponding to the contents of the image are superimposed and transferred on the intermediate transfer belt 110. Then, at the timing when the full-color image reaches the secondary transfer roller 140, the recording medium is supplied from the conveyance path 170 to the secondary transfer roller 140. At this time, the secondary transfer roller 140 is pressed against the intermediate transfer belt 110. A secondary transfer voltage is applied, and the full-color toner image on the intermediate transfer belt 110 is transferred onto the recording medium. The toner image transferred onto the recording medium is fixed by being heated and pressed by the fixing device 190. The toner remaining on the intermediate transfer belt 110 is removed by the transfer belt cleaner 130.
In the case of double-sided printing, the recording medium exiting the fixing device 190 is switched back so that its trailing edge is the leading edge, supplied to the secondary transfer roller 140 via the double-sided printing conveyance path 230, and intermediate The full color toner image on the transfer belt 110 is transferred onto the recording medium, and is again heated and pressed by the fixing device 190 to be fixed.
[0277]
  FIG.The fixing device 190 according to the present invention includes a fixing roller 210 having a heat source and a pressure roller 220 pressed against the fixing roller 210. A line connecting the axis of the fixing roller 210 and the pressure roller 220 is θ from the horizontal line. It arrange | positions so that it may have an angle. Note that 0 ° ≦ θ ≦ 30 °.
  Next, the fixing device 190 will be described in detail.
  FIG.andFIG.The fixing roller 210 is rotatably mounted in the housing 240, and the driving gear 28 is connected to one end of the fixing roller 210. A pressure roller 220 is rotatably mounted facing the fixing roller 210. The axial length of the pressure roller 220 is shorter than that of the fixing roller 210, and a bearing 250 is provided in the vacant space, and both ends of the pressure roller 220 are supported by the bearing 250. A pressure lever 260 is rotatably provided on the bearing 250, and a pressure spring 270 is disposed between one end of the pressure lever 260 and the housing 240, whereby the pressure roller 220 and the fixing roller 210 are pressurized. It is configured to be.
[0278]
  FIG.The fixing roller 210 includes a metal cylinder 210b having a heat source 210a such as a halogen lamp therein, an elastic layer 210c made of silicon rubber or the like provided on the outer periphery of the cylinder 210b, and a surface covering the elastic layer 210c. A surface layer (not shown) made of fluororubber and fluororesin (for example, pertetrafluoroethylene (PTFE)), and a rotating shaft 210d fixed to the cylindrical body 210b.
[0279]
The pressure roller 220 is formed on the outer periphery of the cylindrical body 220b in the same manner as the metal cylindrical body 220b, the rotating shaft 220d fixed to the cylindrical body 220b, the bearing 250 supporting the rotating shaft 220d, and the fixing roller 210. The elastic layer 220c is provided, and a surface layer (not shown) made of fluororubber or fluororesin coated on the surface of the elastic layer 220c. The thickness of the elastic layer 210c of the fixing roller 210 is extremely smaller than the thickness of the elastic layer 220c of the pressure roller 220, thereby forming a fixing nip portion 340 in which the pressure roller 220 side is recessed in a concave shape.
[0280]
  FIG.andFIG.As shown in FIG. 3, support shafts 290 and 300 are provided on both side surfaces of the housing 240, and the support shafts 290 and 300 are respectively provided with the peeling member 310 on the fixing roller 210 side and the peeling member 320 on the pressure roller 220 side. Is rotatably mounted. Accordingly, the peeling members 310 and 320 are disposed on the downstream side of the fixing nip portion 340 in the recording medium conveyance direction in the axial direction of the fixing roller 210 and the pressure roller 220.
[0281]
  The peeling member 310 on the fixing roller 210 side isFIG.andFIG.As shown in FIG. 3, a resin sheet or a metal sheet is used as a base material, and a fluorine-based resin layer is formed on the surface of the base material. The peeling member 310 includes a plate-like peeling portion (base material) 310a, a bent portion 310b bent in an L shape toward the fixing roller 210 at the rear of the peeling portion 310a, and lower portions at both ends of the peeling portion 310a. The support piece 310c is bent in the direction, the fitting hole 310d is formed in the support piece 310c, and the guide part 310e is extended to the front of both side ends of the peeling part 310a.
[0282]
  The peeling portion 310 a is disposed so as to be inclined toward the outlet (nip outlet 341) of the fixing nip portion 340, and the leading end of the peeling portion 310 a is not in contact with and close to the fixing roller 210. In the fitting hole 310d of the support piece 310c,FIG.The support shaft 290 described in (1) is fitted. The guide portion 310e is urged against the housing 240 by the spring 33, whereby the tip of the guide portion 310e is in contact with the fixing roller 210, and as a result, between the tip of the peeling portion 310a and the surface of the fixing roller 210. The gap is always constant.
[0283]
  The peeling member 320 on the pressure roller 220 side has the same shape as the peeling member on the fixing roller 210 side.FIG.andFIG.As shown in FIG. 3, the tip of the peeling portion 320a is disposed downstream of the tip of the peeling portion 310a in the recording medium conveyance direction. The tip of the guide part 320e is in contact with the peripheral surface of the bearing 250 of the pressure roller 220 at the point P, so that the gap between the tip of the peeling part 320a and the surface of the pressure roller 220 is always constant. To be.
[0284]
  In this embodiment,FIG.andFIG.As shown in FIG. 3, peeling members 310 and 320 are disposed on the downstream side of the nip portion 340 in the recording medium conveyance direction in the axial direction of the fixing roller 210 and the pressure roller 220. The front end of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side is disposed so as to be inclined toward the outlet of the nip portion 340, and is in close contact with the fixing roller 210 without contact. The leading end of the peeling member 320 on the pressure roller 220 side is disposed downstream of the leading end of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side in the recording medium conveyance direction.
[0285]
  FIG.As shown in FIG. 4, the guide member 310e of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side is urged against the housing 240 by the spring 33, and the leading end of the guide portion 310e is in contact with the fixing roller 210. As a result, positioning is performed so that the gap between the tip of the peeling portion 310a and the surface of the fixing roller 210 is always constant.
[0286]
  The peeling member 320 on the pressure roller 220 side has the same shape as the peeling member on the fixing roller 210 side,FIG.andFIG.As shown in FIG. 3, the tip of the peeling portion 320a is disposed downstream of the tip of the peeling portion 310a in the recording medium conveyance direction, and the tip of the guide portion 320e is contacted with the surface of the bearing 250 of the pressure roller 220 at the point P. Thus, positioning is performed so that the gap between the tip of the peeling portion 320a and the surface of the pressure roller 220 is always constant. for that reason,FIG.As shown in FIG. 4, the axial length of the pressure roller 220 is shorter than that of the fixing roller 210, and a bearing 250 is provided in the empty space, and both ends of the pressure roller 220 are supported by the bearing 250.
[0287]
In the case of double-sided printing, the recording medium printed on one side is peeled off by the peeling member 310 on the fixing roller 210 side, and then switched back so that the trailing edge of the recording medium becomes the leading edge, and then passes through the double-sided printing conveyance path 230. The full-color toner image on the intermediate transfer belt 110 is supplied to the secondary transfer roller 140 and is transferred onto the recording medium, and is heated and pressed again by the fixing roller 210. At this time, it adheres to the pressure roller 220 and wraps around. The recording medium is peeled off by the peeling member 320 on the pressure roller 220 side.
[0288]
As described above, in the fixing device according to the present embodiment, the peeling is provided in the vicinity of the fixing roller and the pressure roller in the axial direction of the fixing roller and the pressure roller and on the downstream side of the fixing nip portion in the recording medium conveyance direction. The positioning of the peeling member on the fixing roller side is performed on the surface of the fixing roller, and the positioning of the peeling member on the pressure roller side is performed on the bearing surface of the pressure roller, so that recording from the fixing roller and the pressure roller is performed. The peelability of the medium can be improved.
[0289]
  In this embodiment,FIG.As shown in FIG. 4, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 are arranged in a substantially horizontal state and the recording medium 500 is discharged upward from the fixing nip portion 340. However, the nip outlet of the fixing nip portion 340 is used. The arrangement angle θ of the peeling member 310 with respect to the tangent S of 341AIs preferably set in the range of −5 to 25 °. Arrangement angle θ of peeling member 310 with respect to tangent S of nip outlet 341 of fixing nip 340ABy setting to a value in such a range, streaks are less likely to occur in the image, and the peelability is improved. Arrangement angle θAThe fixing roller 210 side is “+” and the pressure roller side is “−”.
[0290]
Further, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 have, for example, substantially constant outer diameters in the respective axial directions (they may have a substantially cylindrical shape, but the outer diameters are small in the vicinity of both ends. It may have a so-called crown shape that is large in the vicinity of the central portion, or a so-called reverse crown shape in which the outer diameter is large in the vicinity of both end portions and small in the vicinity of the central portion.
[0291]
  For example, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 areFIG.As shown in FIG. 3, when the reverse crown shape is used, the cross-sectional shape of the peeling member 310 isFIG.It is preferable to be as shown in FIG. Further, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 areFIG.As shown in the figure, when the crown member has a crown shape, the cross-sectional shape of the peeling member 310 isFIG.It is preferable to be as shown in FIG.
[0292]
In this way, when the peeling member 310 disposed along the fixing roller 210 has a shape that follows the shape of the nip outlet 341 of the nip portion 340, the peeling member 310 side of the peeling member 310 at the time of peeling. Effectively eliminates adverse effects caused by the increased contact between the side edge of the recording medium and the recording medium, and the contact pressure between the two is concentrated in part, for example, wrapping of the recording medium, disturbance in the formed image, generation of streaks, etc. Can be prevented and suppressed.
[0293]
  Also,FIG.In the fixing device 190, the gap G2 [μm] between the fixing roller 210 and the peeling member 310 in the vicinity of the axial end portion of the fixing roller 210 is in the vicinity of the central portion in the axial direction of the fixing roller 210. The gap is preferably larger than the gap G1 [μm] between the fixing roller 210 and the peeling member 310. By satisfying such a relationship, the following effects can be obtained.
[0294]
That is, since the gap between the peeling member 310 and the fixing roller 210 is small in the vicinity of the central portion in the length direction, the gap management can be easily performed without greatly deteriorating the peeling property, and the fixing device 190 can be manufactured. It becomes easy. Further, even when a foreign substance enters or a paper jam occurs, it is difficult to cause damage to the peeling member 310 and the fixing roller 210 due to these, and the durability and reliability of the peeling member 310 and the fixing roller are improved, and fixing is performed. The durability and reliability of the apparatus 190 and the image forming apparatus 1000 are also improved. Note that the relationship between G1 and G2 as described above can be obtained by, for example, forming the peeling member 310 into a bow shape, forming the tip 310f of the peeling member 310 into a bow shape, or forming the fixing roller 210 into a crown shape. Can be satisfied.
[0295]
In the fixing device as described above, the length of the fixing nip 340 is such that the time required for the toner particles to pass through the fixing nip 340 is 0.02 to 0.2 seconds. Is preferable, and it is more preferable that it is 0.03-0.1 second. When the time required for the toner particles to pass through the fixing nip portion 340 is within such a range, the toner is heated up to the melting temperature, and the toner is not melted sufficiently, and the releasability to the fixing roller is sufficient. Secured.
[0296]
The fixing device 190 is suitable for high-speed printing (high-speed fixing, high-speed image formation). Specifically, the feeding speed (feeding speed) of the recording medium 500 is 0.05 to 1.0 m / second. It is preferable that it is 0.2 to 0.5 m / sec. As described above, according to the present invention, even when the toner is fixed to the recording medium 500 at a relatively high speed, it is possible to prevent the image from causing streaking or disturbance, and the recording medium 500 may be entangled. It is difficult to cause poor peeling.
[0297]
Further, the temperature of the fixing nip portion 340 during operation is preferably 100 to 220 ° C, and more preferably 120 to 200 ° C. When the temperature of the fixing nip portion 340 is within such a range, it is possible to sufficiently prevent a decrease in toner fixing strength due to a temperature drop (temperature drop) when the paper passes.
Further, the fixing setting temperature (setting temperature on the surface of the fixing roller 210) during operation is preferably 110 to 220 ° C, and more preferably 130 to 200 ° C. If the set temperature of the fixing roller 210 is within this range, it is possible to achieve both fixing strength of the toner and shortening of the temperature rise time (warm up time).
[0298]
When the toner contains a block polyester and an amorphous polyester as described above, the fixing device in which the toner of the present invention is used is preferably a contact type fixing device as described above. As a result, both the advantages of high releasability from the fixing roller due to the block polyester crystals and the effect of improving the fixability (fixing strength) due to the low-viscosity amorphous polyester are fully exhibited, and a wide range of good fixing is obtained. Secured.
[0299]
As described above, the fixing device 190 described above is suitable for high-speed printing (high-speed fixing, high-speed image formation). However, in such a fixing device, since the toner is in a high temperature state even when the recording medium on which the toner is fixed comes into contact with the peeling member, when the conventional toner is used, the toner comes into contact with the peeling member. There is a possibility that the fixed image may be disturbed. Further, if the fixed toner is in a molten state (low viscosity state) and contacts the peeling member, it may be difficult to reliably peel off the recording medium.
[0300]
On the other hand, the fixing device 190 described above can suitably apply the toner of the present invention containing block polyester and amorphous polyester. That is, since the amorphous polyester having a relatively low softening point is contained in the toner, the toner is reliably fixed to the recording medium when passing through the fixing nip 340, and the block polyester having a crystalline block Therefore, it is likely that crystals having a high hardness and an appropriate size are precipitated therein. The presence of such crystals makes it possible to prevent the melt viscosity of the toner from being lower than a predetermined value even when the temperature is relatively high, such as during fixing, and partially during fixing. There will be a hard site. As a result, even when the fixed image of the toner comes into contact with the peeling member, the formed image is unlikely to be disturbed or distorted. Further, in the recording medium on which the toner of the present invention is fixed, peeling failure is not particularly likely to occur, and the peeling member reliably peels from the fixing roller.
[0301]
  Next, a second embodiment of the toner manufacturing apparatus used for manufacturing the toner of the present invention will be described.FIG.However, the description of the same matters as in the first embodiment will be omitted, and differences will be mainly described.
  FIG.These are the longitudinal cross-sectional views which show typically 2nd Embodiment of the toner manufacturing apparatus used for manufacture of the toner of this invention.FIG.As shown in FIG. 4, in the toner manufacturing apparatus M1 of the present embodiment, the external additive 2 supplied from the external additive supply unit M13 is combined with the gas supplied from the gas flow supply unit M10 through the duct M101 to the nozzle. It becomes the structure injected from each gas injection port M7 provided between M2-nozzle M2.
[0302]
With this configuration, the external additive 2 is applied to the droplets 9 of the dispersion ejected from the nozzle M2. That is, in this embodiment, the external additive 2 adheres to the droplet 9 before the droplet 9 is solidified.
As described above, the external additive 2 is applied to the droplets 9 including the dispersion medium 32, whereby the external additive 2 can be reliably attached (supported) near the surface of the toner base particles. That is, when the external additive 2 collides with the droplet 9, the kinetic energy of the external additive 2 can be absorbed by the dispersion medium 32 in the droplet 9. It is possible to more effectively prevent being buried inside.
[0303]
In the illustrated configuration, the moving direction of the external additive 2 is substantially the same as the transport direction of the droplets 9. Thereby, it is possible to more effectively prevent the external additive 2 from being buried in the toner base particles 6.
Further, with the configuration as in the present embodiment, the external additive 2 and the liquid droplet 9 (or the toner base particle 6 formed by solidifying the liquid droplet 9 before the toner particle 4 is recovered). The probability of contact (collision) with the toner particles 4) increases. As a result, the external additive 2 can be more efficiently attached, and the amount of the free external additive not attached to the toner particles 4 (toner mother particles 6) is effectively prevented from being increased more than necessary. be able to.
[0304]
In this embodiment, since the efficiency of adhesion of the external additive 2 is excellent, the amount of the external additive 2 used for toner production can be relatively reduced. As a result, for example, the step of removing and separating the external additive 2 (free external additive) that has not adhered to the toner particles 4 (toner base particles 6) can be omitted or simplified, and toner productivity can be reduced. It can be made particularly excellent.
[0305]
In addition, the above effects are particularly remarkable when an azeotropic mixture such as a mixed solution containing water and ethanol is used as a dispersion medium and a hydrophobized treatment is used as the external additive 2. It becomes. That is, the external additive subjected to the hydrophobization treatment is difficult to adhere to the droplet surface when only water is used as the dispersion medium, and the external additive adheres after the droplet is solidified.
[0306]
On the other hand, when an azeotropic mixture containing water and ethanol is used, even the external additive 2 that has been subjected to the hydrophobic treatment adheres to the surface from the droplet stage and can be efficiently externally added. Moreover, since azeotropic compounds are easy to evaporate, they can be solidified (dried and solidified) with low energy.
The toner manufacturing method and toner of the present invention have been described based on the preferred embodiments, but the present invention is not limited to this.
[0307]
For example, each part of the toner manufacturing apparatus used for manufacturing the toner of the present invention can be replaced with an arbitrary one that exhibits the same function, or another configuration can be added. For example, in the above-described embodiment, the configuration in which the granular dispersion liquid 3 (droplet 9) is discharged vertically downward has been described, but the discharge direction of the dispersion liquid 3 may be any direction such as vertically upward or horizontal. There may be. Further, a configuration in which the discharge direction of the dispersion 3 and the injection direction of the gas injected from the gas injection port 17 are substantially perpendicular may be used. In this case, the discharged granular dispersion 3 (droplet 9) changes its traveling direction depending on the gas flow, and is conveyed substantially at right angles to the discharge direction from the nozzle M2. Moreover, the thing of the structure from which the conveyance direction of the dispersion liquid 3 and the moving direction of the external additive 2 become substantially perpendicular | vertical may be sufficient.
[0308]
  In the above-described embodiment, the external additive 2 is described as being injected from the injection port M131 connected to the external additive supply unit M13 or the gas injection port M7 connected to the gas flow supply unit M10. For example, the atomizing gas flow path 14 and the spreading gas supply path 15 in FIG.FIG.The same may be said about the inside flow path 1, the flow path 14, and the supply path 15), etc., and may be injected with atomizing gas, spreading gas, etc. With this configuration, the external additive 2 can be efficiently attached to the surface of the droplet 9 to be ejected. As a result, the obtained toner particles 4 are such that the external additive 2 is reliably attached (supported) near the surface of the toner base particles 6. That is, when the external additive 2 collides with the droplet 9, the kinetic energy of the external additive 2 can be absorbed by the dispersion medium 32 in the droplet 9. It is possible to more effectively prevent being buried inside. Further, with this configuration, the external additive 2 and the droplet 9 (or the toner base particle 6 and the toner particle formed by solidifying the droplet 9 before the toner particle 4 is collected) are obtained. 4) is likely to come into contact (collision). As a result, the external additive 2 can be more efficiently attached, and the amount of the free external additive not attached to the toner particles 4 (toner mother particles 6) is effectively prevented from being increased more than necessary. be able to. Further, in such a configuration, the efficiency of adhesion of the external additive 2 is excellent, so that the amount of the external additive 2 used for toner production can be relatively reduced. As a result, for example, the step of removing and separating the external additive 2 (free external additive) that has not adhered to the toner particles 4 (toner base particles 6) can be omitted or simplified, and toner productivity can be reduced. It can be made particularly excellent. Such an effect becomes particularly remarkable when an azeotropic compound is used for the dispersion 3 and the external additive 2 is subjected to a hydrophobic treatment.
[0309]
In the above-described embodiment, the external additive has been described as being applied in the solidification unit. However, for example, the external additive may be applied after the toner base particles are manufactured and collected.
In the above-described embodiment, ΔT obtained by measuring the endothermic peak of the melting point by differential scanning calorimetry (DSC) has been described as an index indicating crystallinity. However, the index indicating crystallinity is not limited to this. For example, as an index representing crystallinity, a crystallinity measured by a density method, an X-ray method, an infrared method, a nuclear magnetic resonance absorption method, or the like may be used.
[0310]
Further, a thermal spheronization process may be performed in which the toner particles are heated to be spheroidized. As a result, the circularity of the toner particles can be further improved. The thermal spheronization treatment can be performed by injecting the powder obtained by removing the dispersion medium 32 from the dispersion liquid 3 (droplets 9) into a heated atmosphere using, for example, compressed air. . Further, the thermal spheronization treatment may be performed in a liquid.
[0311]
Moreover, although embodiment mentioned above demonstrated the structure which uses a continuous twin-screw extruder as a kneading machine, the kneading machine used for kneading | mixing a raw material is not limited to this. For kneading the raw materials, for example, various kneaders such as a kneader, a batch type triaxial roll, a continuous biaxial roll, a wheel mixer, and a blade type mixer can be used.
[0312]
In the illustrated configuration, a kneader having two screws has been described. However, the number of screws may be one or three or more.
In the above-described embodiment, the configuration using the belt type as the cooler has been described. However, for example, a roll type (cooling roll type) cooler may be used. Moreover, the cooling of the kneaded material extruded from the extrusion port of the kneader is not limited to the one using the above-described cooling machine, and may be performed by air cooling or the like, for example.
[0313]
The toner of the present invention is not limited to those applied to the fixing device and the image forming apparatus as described above, and may be applied to any device.
For example, in the above-described embodiment, the contact type fixing device has been described. However, the present invention is not limited to such a contact type fixing device, and may be applied to a non-contact type fixing device. Good.
[0314]
Further, in the above description, the dispersion medium 32 is removed from the dispersion liquid 3 (droplet 9) in the solidifying part M3, so that the dispersoid 31 in the droplet 9 aggregates (fuses) and the toner particles 4 ( Although the toner mother particles 6) have been described as being obtained, the toner particles 4 are not limited to those obtained in this way. For example, when the dispersoid 31 contains a precursor of a resin material (for example, a monomer, a dimer, an oligomer, or the like corresponding to the resin material), the toner particles 4 (toner can be obtained by advancing a polymerization reaction in the solidified portion M3. A method for obtaining the mother particles 6) may also be used.
[0315]
【Example】
[1] Production of polyester
Prior to toner production, the following three polyesters A, B, C, and D were produced.
[1.1] Production of polyester A (amorphous polyester)
First, a mixture of neopentyl glycol: 36 mol parts, ethylene glycol: 36 mol parts, 1,4-cyclohexanediol: 48 mol parts, dimethyl terephthalate: 90 mol parts, and phthalic anhydride: 10 mol parts was prepared.
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method. A mixture of the diol component and the dicarboxylic acid component: 1000 g , 1 g of an esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)) was placed in the 2-liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 180 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 200 ° C., and the stirring rotation speed: stirring at 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester A (PES-A).
[0316]
With respect to the obtained polyester A, an attempt was made to measure the endothermic peak of the melting point with a differential scanning calorimeter. As a result, a sharp peak that could be determined to be an absorption peak at the melting point could not be confirmed. Also, the softening point T of polyester A1/2Is 111 ° C, glass transition point TgIs 60 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 1.3 × 104Met.
[0317]
[1.2] Production of polyester B (block polyester)
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed in a conventional manner, and polyester A obtained in [1.1] above: 70 1,4-butanediol as a diol component: mixture of 15 mol parts and dimethyl terephthalate as a dicarboxylic acid component: 15 g, esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)): 1 g was placed in the 2 liter 4 neck flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 200 ° C. while water and methanol produced were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 220 ° C., and the stirring rotation speed: 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester B (PES-B).
[0318]
Center value T of the endothermic peak of the melting point of polyester B as measured using a differential scanning calorimetermpIs 218 ° C, shoulder peak value TmsWas 205 ° C. Further, from the differential scanning calorimetry curve obtained from the measurement, the heat of fusion E of polyester B determined was obtained.fWas 18 mJ / mg. Also, the softening point T of polyester B1/2Is 149 ° C., glass transition point TgIs 64 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 2.8 × 104Met.
[0319]
[1.3] Production of polyester C (crosslinked polyester)
First, polyoxypropylene (2,2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane: 1.5 mol parts, trimethylolpropane: 1.5 mol parts, fumaric acid: 1.5 mol parts, anhydrous 1,2,4-Benzenetricarboxylic acid: A mixture of 1.5 mol parts was prepared.
[0320]
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method. A mixture of the alcohol component and the carboxylic acid component: 1187 g , Esterification condensation catalyst (hydroquinone): 0.75 g was put into the 2 liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 220 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 220 ° C., and the stirring rotation speed: 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester C (PES-C). Softening point T of polyester C1/2Is 121 ° C, glass transition point TgIs 62 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 1.2 × 104Met.
[0321]
[1.4] Production of polyester D (non-crosslinked polyester)
First, a mixture of polyoxypropylene (2,2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl): 3 mol parts and fumaric acid: 3 mol parts was prepared.
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method. A mixture of the diol component and dicarboxylic acid component: , Esterification condensation catalyst (hydroquinone): 0.75 g was put into the 2 liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 220 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 220 ° C., and the stirring rotation speed: 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester D (PES-D).
[0322]
About the obtained polyester D, the measurement of the endothermic peak of melting | fusing point with a differential scanning calorimeter was tried. As a result, a sharp peak that could be determined to be an absorption peak at the melting point could not be confirmed. Also, the softening point T of polyester D1/2Is 101 ° C, glass transition point TgIs 61 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 7.8 × 103Met.
[0323]
In addition, the measurement of melting | fusing point, softening point, glass transition point, and weight average molecular weight about each said resin material was performed as follows.
Melting point TmWas measured as follows using a differential scanning calorimeter DSC (DSC220 type, manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd.). First, the resin sample was heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and then decreased to 0 ° C. at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Thereafter, the temperature is increased at a rate of temperature increase of 10 ° C./minute, and the maximum endothermic peak temperature (at the time of 2nd run) due to crystal melting at that time is expressed asmAs sought.
[0324]
Softening point T1/2Was measured using a capillary rheometer (manufactured by Shimadzu Corporation, flow tester CFT-500 type). Sample amount: 1 g, die hole diameter: 1 mm, die length: 1 mm, load: 20 kgf, preheating time: 300 seconds, measurement start temperature: 50 ° C., heating rate: 5 ° C./min The temperature (1/2 method temperature) when the fluctuation range of the piston stroke between the start point and the end point of the outflow is ½ is the softening point T.1/2(See FIG. 3).
[0325]
Glass transition point TgThe measurement of was carried out simultaneously with the measurement of the melting point using a differential scanning calorimeter DSC (Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., DSC220 type). The tangent of the maximum differential value (maximum slope point of DSC data) between two points of the baseline designated point before and after the glass transition at the 2nd run described in the above melting point measurement method, and the extension of the baseline before the glass transition The point of intersection with the line is the glass transition point TgAs sought.
[0326]
The weight average molecular weight Mw was measured using gel permeation chromatography GPC (manufactured by Tosoh Corporation, model HLC-8220) as follows.
First, 1 g of a resin sample was dissolved in THF (tetrahydrofuran) to obtain 1 ml of a THF solution (including insoluble matter). This THF solution is poured into a sample bottle dedicated to centrifugation, centrifuged with a centrifuge at 2000 rpm for 5 minutes, and the supernatant is filtered with a sample preparation LCR13-LH (pore size: 0.5 μm). A filtrate was obtained.
The filtrate thus obtained was subjected to gel permeation chromatography GPC (manufactured by Tosoh Corporation) under the conditions of column: TSKgel SuperHZ4000 + SuperHZ4000 (manufactured by Tosoh Corporation), flow rate: 0.5 mL / min, temperature: 25 ° C., solvent: THF. HLC-8220 type), and the weight average molecular weight Mw of the resin sample was determined based on the resulting chart. Note that monodisperse polystyrene was used as the standard sample.
[0327]
[2] Manufacture of toner
A toner was manufactured as follows.
Example 1
First, polyester A: 80 parts by weight as an amorphous polyester, polyester B: 20 parts by weight as a block polyester, quinacridone (PR 122): 6 parts by weight as a colorant, chromium salicylate complex (Bontron E as a charge control agent) -81): 1 part by weight, and 2 parts by weight of carnauba wax as a wax were prepared.
These components were mixed using a 20 L type Henschel mixer to obtain a raw material for toner production.
[0328]
Next, this raw material (mixture) was kneaded using a twin-screw kneading extruder as shown in FIG.
The ratio L / D of the total length (L [m]) of the process part of the twin-screw kneading extruder to the screw diameter (D [m]) is 40, and the length of the first region (L1[M]) and the screw diameter (D [m])1/ D is 12, the length of the second region (L2[M]) and the screw diameter (D [m])2/ D is 20, the length of the third region (L3[M]) and the screw diameter (D [m])3/ D was set to 4.
[0329]
In addition, the temperature of the raw material in the process part was set to 240 ° C. in the first region, 100 ° C. in the second region, and 50 ° C. in the third region.
The screw rotation speed was 120 rpm, and the raw material charging speed was 20 kg / hour.
The time required for the raw material to pass through the first region, determined from such conditions, is about 1.5 minutes, and the time required to pass through the second region is about 3 minutes.
[0330]
The raw material (kneaded material) kneaded in the process part was extruded outside the biaxial kneading extruder through the head part. The temperature of the kneaded material in the head part was adjusted to 110 ° C.
Thus, the kneaded material extruded from the extrusion port of the biaxial kneading extruder was cooled using a cooling machine as shown in FIG. The temperature of the kneaded material immediately after the cooling step was about 46 ° C.
[0331]
The cooling rate of the kneaded product was −6.4 ° C./second. In addition, the time required from the end of the kneading process to the end of the cooling process was 10 seconds.
The kneaded material cooled as described above was coarsely pulverized to obtain a powder having an average particle size of 1.5 mm. A hammer mill was used for coarse pulverization of the kneaded product.
200 g of the powdered kneaded product was added to 800 g of toluene, and treated with an ultrasonic homogenizer (output: 400 μA) for 1 hour to obtain a resin liquid in which each component of the kneaded product was dispersed and dissolved.
[0332]
On the other hand, sodium polyacrylate as a dispersant (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., average polymerization degree n = 2700-7500): 5 parts by weight was dissolved in 96.0 wt% aqueous ethanol solution: 995 parts by weight, and then this ethanol solution An aqueous solution was obtained by adding 0.5 parts by weight of sodium alkyldiphenyl ether disulfonate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) as a dispersion aid and mixing uniformly.
[0333]
1000 g of the aqueous solution was put into a 3 liter round bottom stainless steel container, and the resin solution was stirred at a rotation speed of 4000 rpm using a TK homomixer (manufactured by Tokki Kako) at a speed of 400 g / 10 min. Slowly dropped.
The mixture was further stirred for 10 minutes after completion of dropping of the resin liquid to obtain an emulsion. Thereafter, toluene in the emulsion was removed under conditions of a temperature of 55 to 58 ° C. and an atmospheric pressure of 80 to 150 mmHg, and further cooled to room temperature to obtain an aqueous suspension in which solid fine particles were dispersed. This suspension had a viscosity at 25 ° C. of 12 [m · Pa · s] and a solid content (dispersoid) concentration of 31 [wt%]. The average particle size of the dispersoid (solid fine particles) dispersed in the suspension was 0.4 μm. The average particle size of the dispersoid was measured using a laser diffraction / egg-type particle size distribution measuring device (LA-920, manufactured by Horiba, Ltd.).
[0334]
The suspension (dispersion) obtained as described above was put into the dispersion supply section of the toner manufacturing apparatus having the configuration shown in FIGS. While the dispersion liquid in the dispersion liquid supply part was stirred by the stirring means, it was supplied to the nozzle by a metering pump and discharged (injected) from the nozzle to the solidification part. Note that the temperature of the dispersion in the dispersion supply unit was adjusted to 25 ° C.
[0335]
The dispersion was discharged by spraying 20 mL of the dispersion with a compressed air having a pressure of 0.7 MPa per minute.
The initial velocity of the dispersion liquid discharged from the nozzle was 4.2 m / second, and the average discharge amount for one drop of the dispersion liquid discharged from the nozzle was 0.4 pl (particle diameter Dd: 9.2 μm). Further, the dispersion liquid was discharged so that the discharge timing of the dispersion liquid was shifted by at least adjacent nozzles among the plurality of nozzles.
[0336]
Further, at the time of discharging the dispersion liquid, temperature: 115 ° C., humidity: 30% RH, flow rate: 0.9 m from a gas injection port (not shown) provided between the nozzles.3/ Min of air was injected vertically downward, and the pressure in the housing was adjusted to be 0.109 to 0.110 Pa. In addition, a voltage was applied to the housing of the solidified portion so that the potential on the inner surface side was −200 V to prevent the dispersion liquid (toner mother particles and toner particles) from adhering to the inner wall.
[0337]
On the other hand, from the injection port connected to the external additive supply means, the external additive was sprayed so as to face the conveying direction of the droplets of the dispersion. As a result, toner particles in which an external additive was added to the toner base particles as dispersoid aggregates were formed. The initial speed of the external additive injected from the injection port was 1.2 m / second. As external additives to be injected from the injection port, negatively chargeable small particle size silica (average particle size: 12 nm), negatively chargeable large particle size silica (average particle size: 40 nm), and rutile-anatase type titanium oxide ( A mixture containing a substantially spindle shape and an average major axis diameter of 30 nm in a weight ratio of 1: 0.5: 1 was used. The addition amount of the external additive was adjusted by measuring the flow rate per unit time for the mother particles and the external additive, and adjusting the flow rate so that the ratio shown in Table 1 was obtained. In addition, as an external additive, what performed surface treatment (hydrophobization treatment) with hexamethyldisilazane was used. The degree of hydrophobicity of the external additive was 70%. In addition, as the rutile-anatase type titanium oxide, the ratio of the rutile-type titanium oxide crystal structure to the anatase-type titanium oxide is 90:10 and absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. Things were used.
[0338]
The toner particles formed as described above were collected with a cyclone. The collected toner particles had an average circularity R of 0.974 and a circularity standard deviation of 0.026. The volume-based average particle diameter Dt was 5.9 μm. The volume standard particle diameter standard deviation was 1.1 μm. The circularity was measured in a water dispersion system using a flow particle image analyzer (manufactured by Toa Medical Electronics Co., Ltd., FPIA-2000). However, the circularity R is represented by the following formula (I).
R = L0/ L1... (I)
(However, in the formula, L1[Μm] is the perimeter of the projected image of the particle to be measured, L0[Μm] represents the circumference of a perfect circle having an area equal to the area of the projected image of the particle to be measured. )
[0339]
Further, the finally obtained toner had an acid value of 0.8 mgKOH / g. The average length of the crystals in the toner was 400 nm. The ratio (release rate) of the rutile-anatase-type titanium oxide contained in the toner that is present as a free external additive is 1.0%, and the silica release rate obtained in the same manner. Was 0.8%. The average length of the crystals in the toner was obtained from the result of measurement using a transmission electron microscope (TEM).
Further, in the production of the toner as described above, the change rate of the weight average molecular weight of each resin material before and after the production is within ± 10%, and the change amount of the melting point, the softening point, and the glass transition point is within ± 10 ° C. The conditions were as follows.
[0340]
(Example 2)
A toner was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the concentration of the ethanol solution used for preparing the aqueous solution was changed from 96 wt% to 80 wt% and the nozzle structure was changed to that shown in FIG.
(Examples 3 to 5)
A toner was produced in the same manner as in Example 2 except that the concentration of the ethanol solution used for the preparation of the aqueous solution and the composition of the external additive (the ratio of each component) were changed as shown in Table 1.
[0341]
(Examples 6 to 8)
A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that a solution as shown in Table 1 was used instead of the ethanol solution for the preparation of the aqueous solution.
(Examples 9 and 10)
Example 1 except that the content of polyester A and the content of polyester B in the raw material to be subjected to the kneading step are as shown in Table 1 and the nozzle structure is changed to that shown in FIG. A toner was produced in the same manner.
[0342]
  (Example 11)
  The overall configuration of the toner production systemFIG.A toner was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the toner was changed to the one shown in FIG.
  (Example 12)
  A toner was manufactured in the same manner as in Example 11 except that the nozzle structure was changed to that shown in FIGS.
[0344]
  (Example13)
  A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by weight of low melting point polyester was added to the raw material used in the kneading step instead of the wax. The low melting point polyester used is a polymer of 1,6-hexanediol and hexanedicarboxylic acid, and its weight average molecular weight Mw is 4.8 × 10.3, Melting point TmIs 79 ° C, glass transition point TgWas 57 ° C.
  (Example14-16)
  Toners were produced in the same manner as in Examples 1 to 3 except that polyester C and polyester D were used in place of polyester A and polyester B, respectively.
[0345]
  (Example17)
  A toner was produced in the same manner as in Example 6 except that polyester C and polyester D were used in place of polyester A and polyester B, respectively, in preparing the kneaded product.
  (Example18-21)
  In the preparation of the kneaded material, Examples 10 to 10 were used except that polyester C and polyester D were used instead of polyester A and polyester B, respectively.13In the same manner, a toner was produced.
[0346]
  (Comparative Example 1)
  First, the embodiment14In the same manner as above, a coarsely pulverized kneaded product was obtained.
  Next, the coarsely pulverized kneaded product was finely pulverized. A jet mill (200 AFG, manufactured by Hosokawa Micron Corporation) was used for finely pulverizing the kneaded product. The fine pulverization was performed at a pulverization air pressure: 500 [kPa] and a rotor rotational speed: 7000 [rpm].
[0347]
The pulverized material thus obtained was classified with an airflow diverter (manufactured by Hosokawa Micron Corporation, 100 ATP).
Thereafter, the classified pulverized product (powder for toner production) was subjected to a thermal spheronization treatment. The thermal spheronization treatment was performed using a thermal spheronization apparatus (Nippon Pneumatic Co., Ltd., SFS3 type). The temperature of the atmosphere during the heat spheronization treatment was 270 ° C.
[0348]
Thereafter, 2.5 parts by weight of an external additive was added to 100 parts by weight of the heat-spheroidized powder to obtain a final toner. The external additive was applied using a 20 L type Henschel mixer. As external additives, negatively chargeable small particle size silica (average particle size: 12 nm): 1 part by weight, negatively chargeable large particle size silica (average particle size: 40 nm): 0.5 part by weight, rutile anatase A type of titanium oxide (substantially spindle shape, average major axis diameter: 30 nm): 1 part by weight was used. In addition, as the negatively chargeable silica (negatively chargeable small particle size silica, negatively chargeable large particle size silica), those subjected to surface treatment (hydrophobization treatment) with hexamethyldisilazane were used. In addition, as the rutile-anatase type titanium oxide, the ratio of the rutile-type titanium oxide crystal structure to the anatase-type titanium oxide is 90:10 and absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. Things were used. The volume-based average particle diameter of the finally obtained toner was 7.2 μm.
[0349]
(Comparative Example 2)
First, a coarsely pulverized kneaded material was obtained in the same manner as in Example 1.
200 g of this powdery kneaded product was added to 800 g of toluene and treated for 1 hour using an ultrasonic homogenizer (output: 400 μA) to obtain a resin liquid in which each component of the kneaded material was dispersed and dissolved.
[0350]
On the other hand, sodium polyacrylate as a dispersing agent (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., average polymerization degree n = 2700-7500): 5 parts by weight is dissolved in 995 parts by weight of water, and then this aqueous solution is used as a dispersing aid. Sodium alkyldiphenyl ether disulfonate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.): 0.5 part by weight was added and mixed uniformly to obtain an aqueous solution.
[0351]
1000 g of the aqueous solution was put into a 3 liter round bottom stainless steel container, and the resin solution was stirred at a rotation speed of 4000 rpm using a TK homomixer (manufactured by Tokki Kako) at a speed of 400 g / 10 min. Slowly dropped.
The mixture was further stirred for 10 minutes after completion of dropping of the resin liquid to obtain an emulsion. Thereafter, toluene in the emulsion was removed under conditions of a temperature of 55 to 58 ° C. and an atmospheric pressure of 80 to 150 mmHg, and further cooled to room temperature to obtain an aqueous suspension in which solid fine particles were dispersed. This suspension had a viscosity at 25 ° C. of 15 [m · Pa · s] and a solid content (dispersoid) concentration of 30.2 [wt%]. The average particle size of the dispersoid (solid fine particles) dispersed in the suspension was 0.4 μm. The average particle size of the dispersoid was measured using a laser diffraction / egg-type particle size distribution measuring device (LA-920, manufactured by Horiba, Ltd.).
[0352]
The suspension (dispersion) obtained as described above was put into the dispersion supply section of the toner manufacturing apparatus having the configuration shown in FIGS. While the dispersion liquid in the dispersion liquid supply part was stirred by the stirring means, it was supplied to the nozzle by a metering pump and discharged (injected) from the nozzle to the solidification part. Note that the temperature of the dispersion in the dispersion supply unit was adjusted to 25 ° C.
[0353]
The dispersion was discharged by spraying 20 mL of the dispersion with a compressed air having a pressure of 0.7 MPa per minute.
The initial velocity of the dispersion liquid discharged from the nozzle was 4.1 m / second, and the average discharge amount for one drop of the dispersion liquid discharged from the nozzle was 0.5 pl (particle diameter Dd: 10.1 μm). Further, the dispersion liquid was discharged so that the discharge timing of the dispersion liquid was shifted by at least adjacent nozzles among the plurality of nozzles.
[0354]
Further, at the time of discharging the dispersion liquid, temperature: 115 ° C., humidity: 30% RH, flow rate: 0.9 m from a gas injection port (not shown) provided between the nozzles.3/ Min of air was injected vertically downward, and the pressure in the housing was adjusted to be 0.109 to 0.110 Pa. In addition, a voltage was applied to the housing of the solidified portion so that the potential on the inner surface side was −200 V to prevent the dispersion liquid (toner mother particles and toner particles) from adhering to the inner wall.
[0355]
On the other hand, from the injection port connected to the external additive supply means, the external additive was sprayed so as to face the conveying direction of the droplets of the dispersion. As a result, toner particles in which an external additive was added to the toner base particles as dispersoid aggregates were formed. The initial speed of the external additive injected from the injection port was 1.2 m / second. As external additives to be injected from the injection port, negatively chargeable small particle size silica (average particle size: 12 nm), negatively chargeable large particle size silica (average particle size: 40 nm), and rutile-anatase type titanium oxide ( A mixture containing a substantially spindle shape and an average major axis diameter of 30 nm in a weight ratio of 1: 0.5: 1 was used. In addition, as an external additive, what performed surface treatment (hydrophobization treatment) with hexamethyldisilazane was used. The degree of hydrophobicity of the external additive was 70%. In addition, as the rutile-anatase type titanium oxide, the ratio of the rutile-type titanium oxide crystal structure to the anatase-type titanium oxide is 90:10 and absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. Things were used.
[0356]
Constituent components of the toners of the respective examples and comparative examples are shown in Table 1, and the average circularity R, circularity standard deviation, volume-based average particle diameter Dt, and particle diameter standard deviation of the toner particles are determined according to the toner production. Table 2 shows the acid value of the toner, the average length of crystals in the toner, the silica release rate, and the release rate of titanium oxide. In the table, polyester A, polyester B, polyester C, and polyester D are indicated by PES-A, PES-B, PES-C, and PES-D, respectively, and the charge control agent is indicated by CCA.
[0357]
  For the toners of the examples and comparative examples, Δt = 0.05 [seconds], and the relaxation elastic modulus G of the toner at 0.01 seconds is the initial relaxation elastic modulus G (0.01) [Pa]. Further, the ratio of G (0.01) [Pa] to G (Δt) [Pa] when the relaxation elastic modulus G (Δt) [Pa] of the toner is Δt seconds, G (0.01) / G (Δt) was determined as follows.
  First, about 1 g of toner was sandwiched between parallel plates and melted by heating to prepare a height of 1.0 to 2.0 mm. The samples thus obtained were subjected to viscoelasticity measurement under the following measurement conditions in the stress relaxation measurement mode using an ARES viscoelasticity measuring apparatus (manufactured by Rheometric Scientific F.E.).
・ Measurement temperature: 150 ° C.
-Strain applied amount: Maximum strain in the wire diameter region
・ Geometry: Parallel plate (25mm diameter)
  According to the above measurement, the initial relaxation elastic modulus (relaxation elastic modulus at 0.01 seconds): G (0.01) [Pa], relaxation elastic modulus at Δt = 0.05 seconds: G (Δt) [ Pa] was determined. The values of G (0.01) / G (Δt) obtained from these results are shown together in Table 3. Examples 1 to21The viscosities at 25 ° C. of the dispersions used in the production of the toner were values in the range of 10 to 1000 [m · Pa · s].
[0358]
[Table 1]
Figure 0004175122
[0359]
[Table 2]
Figure 0004175122
[0360]
[Table 3]
Figure 0004175122
[0361]
As is apparent from Table 2, the toner of the present invention has a relatively large average circularity R of toner particles and small variations in shape and size among the particles.
[0362]
[3] Evaluation
Each toner obtained as described above was evaluated for bulk density, good fixing area, development durability, and storage stability.
[3.1] Bulk density
About the toner manufactured by each said Example and each said comparative example, the bulk density was measured using the powder tester (made by Hosokawa Micron Corporation). The temperature at the time of measurement was 20 ° C., and the humidity was 58% RH.
[0363]
  [3.2] Good fixing range
  First, mentioned aboveFIG.~FIG.,FIG.A fixing device as shown in FIG. In this fixing device, the time Δt required for the toner to pass through the nip portion was set to 0.05 seconds. Using this fixing deviceFIG.,FIG.An image forming apparatus (color printer) as shown in FIG. An unfixed image sample was collected using this image forming apparatus, and the following test was performed with the fixing device of the image forming apparatus. In addition, the solid amount of the sample to be collected has an adhesion amount of 0.40 to 0.50 mg / cm.2Adjusted.
  In the state where the surface temperature of the fixing roller of the fixing device constituting the image forming apparatus is set to a predetermined temperature, a paper (high quality plain paper manufactured by Seiko Epson Corporation) on which the unfixed toner image is transferred is placed inside the fixing device. By introducing the toner image, the toner image was fixed on the paper, and it was visually confirmed whether or not an offset occurred after fixing.
[0364]
Similarly, the set temperature of the surface of the fixing roller is sequentially changed within a range of 100 to 250 ° C., and the presence or absence of occurrence of an offset at each temperature is confirmed. It was determined as “range” and evaluated according to the following four-stage criteria.
(Double-circle): The width | variety of a favorable fixing area is 60 degreeC or more.
◯: The width of the fixing good region is 45 ° C. or more and less than 60 ° C.
(Triangle | delta): The width | variety of a favorable fixing area is 30 degreeC or more and less than 45 degreeC.
X: The width of the good fixing region is less than 30 ° C
[0365]
[3.3] Development durability
After setting 30 g of toner in the developing device of the image forming apparatus used in [3.2], aging is performed without replenishment, and the time until filming on the developing roller occurs is measured. The evaluation was performed according to the criteria.
(Double-circle): Even if 120 minutes or more passed after aging start, generation | occurrence | production of filming was not recognized.
○: Filming occurs 80 to 120 minutes after the start of aging.
Δ: Filming occurs 50 to 80 minutes after the start of aging.
X: Filming occurs in less than 50 minutes after the start of aging.
[0366]
[3.4] Preservability
The toner of each Example and each Comparative Example was placed in a sample bottle in an amount of 10 g, left in a thermostat at 50 ° C. for 48 hours, and then visually checked for the presence of lumps (aggregation). It evaluated according to.
A: The presence of lumps (aggregation) was not recognized at all.
○: A small lump (aggregation) was slightly observed.
Δ: A considerable number of small lumps (aggregation) were observed.
X: A lump (aggregation) was clearly recognized.
These results are summarized in Table 4.
[0367]
[Table 4]
Figure 0004175122
[0368]
As is clear from Table 4, the toners of the present invention were all excellent in development durability and exhibited excellent fixability in a wide temperature range. Further, the toner of the present invention has a large bulk density and excellent storage stability. In particular, a toner obtained using a dispersion containing a preferred constituent (a constituent of an azeotrope), a polyester resin having a preferred composition, or a toner containing a more appropriate external additive gives extremely good results. It was.
[0369]
On the other hand, with the toner of the comparative example, sufficient characteristics could not be obtained.
In particular, the toner of Comparative Example 1 manufactured by a kneading method (manufactured without using a dispersion liquid containing toner constituent components) was particularly inferior in durability, good fixing range and storage stability.
In addition, the toner of Comparative Example 2 using only water as the dispersion medium of the dispersion (no component capable of forming an azeotrope) was particularly inferior in charging characteristics and fluidity. This is considered to be because water as a dispersion medium could not be sufficiently removed in the solidified part.
[0370]
  Further, each toner was passed through the nip portion of the fixing device, and the change amount of the relaxation elastic modulus G (t) in the passage time Δt [seconds] of the toner particles through the nip portion was measured. 1 to21In each of the toners, the amount of change in the relaxation elastic modulus G (t) was 100 [Pa] or less. The temperature of the nip portion when the toner particles pass was 180 ° C.
[0371]
Further, as a colorant, instead of quinacridone (PR 122), copper phthalocyanine pigment, Pigment Red 57: 1, C.I. I. Except for using Pigment Yellow 93 and Carbon Black, toners were prepared in the same manner as in the above Examples and Comparative Examples, and the same evaluations were performed on these toners. As a result, the same results as those of the respective Examples and Comparative Examples were obtained.
[0372]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a toner having a uniform shape and a small width of particle size distribution.
Further, variations in composition and characteristics among the particles are small, and the reliability of the whole toner is improved.
[0373]
Such effects include the composition of the dispersion used in the production of the toner (components of the dispersion medium), the conditions for solidifying the dispersion (conditions for removing the dispersion medium), and the composition of the resin (for example, constituent monomers of the block polyester, average molecular weight , Abundance ratio of crystalline block, constituent monomer of amorphous polyester, average molecular weight, blending ratio of block polyester and amorphous polyester, etc.) and spray conditions of dispersion (temperature and viscosity of sprayed dispersion) By adjusting the content and average particle size of the dispersoid in the dispersion, the average particle size of the injected dispersion, the pressure and temperature in the solidification part, etc.), the type and content of the external additive, etc. It can be excellent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view schematically showing an example of the configuration of a kneader and a cooler for producing a kneaded product used for preparing a dispersion.
FIG. 2 is a model diagram of a differential scanning calorimetry curve in the vicinity of the melting point of the block polyester obtained when differential scanning calorimetry is performed on the block polyester.
FIG. 3 is a flowchart for softening point analysis.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view schematically showing a first embodiment of a toner manufacturing apparatus used for manufacturing the toner of the present invention.
FIG. 5 is a diagram schematically illustrating a relationship among sizes of a dispersion liquid, toner base particles, and toner particles ejected as fine particles.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a preferred embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
10 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the nozzle shown in FIG.
11 is an enlarged cross-sectional view showing a tip portion of an inner intermediate ring of the nozzle shown in FIG.
[FIG.FIG. 10 is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
[FIG.]FIG.It is a top view of the gas peeling recessed part shown in FIG.
[FIG.FIG. 10 is a cross-sectional view showing another embodiment of a nozzle for injecting a dispersion liquid as fine particles.
[FIG.FIG. 10 is a view for explaining a method for measuring the amount of rutile-anatase type titanium oxide released from toner particles contained in toner.
[FIG.FIG. 1 is an overall configuration diagram showing a preferred embodiment of an image forming apparatus to which the toner of the present invention is applied.
[FIG.]FIG.2 is a cross-sectional view of a developing device included in the image forming apparatus of FIG.
[FIG.]FIG.2 is a perspective view showing a detailed structure of a fixing device used in the image forming apparatus of FIG.
[FIG.]FIG.It is principal part sectional drawing of the fixing device of.
[FIG.]FIG.It is a perspective view of the peeling member which comprises this fixing device.
[FIG.]FIG.It is a side view which shows the attachment state of the peeling member which comprises this fixing device.
[FIG.]FIG.FIG. 3 is a front view of the fixing device when viewed from above.
[FIG.FIG. 10 is a schematic view for explaining an arrangement angle of the peeling member with respect to a tangent line at the outlet of the nip portion.
[FIG.FIG. 5 is a diagram schematically showing the shape of a fixing roller and a pressure roller and the shape of a nip portion.
[FIG.]FIG.It is sectional drawing in the XX of (a).
[FIG.FIG. 5 is a diagram schematically showing the shape of a fixing roller and a pressure roller and the shape of a nip portion.
[FIG.]FIG.It is sectional drawing in the YY line of (a).
[FIG.FIG. 11 is a cross-sectional view for explaining a gap between the fixing roller and the peeling member.
[FIG.FIG. 10 is a longitudinal sectional view schematically showing a second embodiment of a toner manufacturing apparatus used for manufacturing the toner of the present invention.
[Explanation of symbols]
  K1 ... kneader K2 ... process section K21 ... barrel K22, K23 ... screw K24 ... fixing member K25 ... first area K26 ... second area K27 ... third area K28, K29 ... ... Temperature transition region K3 ... Head K31 ... Internal space K32 ... Extrusion port K33 ... Transverse area gradually decreasing part K4 ... Feeder K41 ... Input port K5 ... Raw material K6 ... Coolers K61, K62, K63, K64 ... Roll K611, K621, K631, K641 ... Rotating shaft K65, K66 ... Belt K67 ... Discharge part K7 ... Kneaded material M1 ... Toner production device M2 ... Nozzle M3 ... Solidification part M31 ... Housing M311: Reduced diameter part M4: Dispersion liquid supply part M41 ... Stirring means M5 ... Recovery part M7 ... Gas injection port M8 ... Voltage application means M10 …… Gas flow supply means M101 …… Duct M11 …… Heat exchanger M12 …… Pressure adjustment means M121 …… Connecting pipe M122 …… Expanded diameter part M123 …… Filter M13 …… External additive supply means M131 ... Ejection port 1 ... Flow path 2 ... External additive 3 ... Dispersion liquid 31 ... Dispersoid 32 ... Dispersion medium 4 ... Toner particle 5 ... Supply port 6 ... Toner base particle 7 ... Inclined Surface 7A ... Edge 8 ... Thin laminar flow 9 ... Droplet 10 ... Gas port 11 ... Inner ring 12 ... Intermediate ring 12A ... Inner intermediate ring 12B ... Outer intermediate ring 13 ... Outer ring 14 ... ... Atomized gas flow path 15 ... Spreading gas supply path 16 ... Center ring 17 ... Spreading gas injection port 18 ... Breathable member 19 ... Gas separation recess 0 ... Through hole 21 ... Liquid flow path 22 ... Helical rib 1000 ... Image forming device 29 ... Device body 30 ... Image carrier 40 ... Charging device 50 ... Exposure device 60 ... Rotary developing device 600 ... ... Support frame 601 ... Housing 603 ... Supply roller 604 ... Developing roller 605 ... Regulating blade 605a ... Plate-like member 605b ... Elastic member 60Y ... Yellow developing device 60M ... Magenta developing device 60C ... Cyan developing device 60K …… Black developing device 70 …… Intermediate transfer device 90 …… Drive roller 100 …… Drive roller 110 …… Intermediate transfer belt 120 …… Primary transfer roller 130 …… Transfer belt cleaner 140 …… Secondary Transfer roller 150... Paper cassette 160... Pickup roller 1 DESCRIPTION OF SYMBOLS 0 ... Recording-medium conveyance path 190 ... Fixing device 200 ... Discharge tray 210 ... Fixing roller (heat fixing member) 210a ... Heat source 210b ... Cylindrical body 210c ... Elastic layer 210d ... Rotating shaft 220 ... Pressure roller (pressure member) 220b …… Cylinder 220c …… Elastic layer 220d …… Rotary shaft 230 …… Conveying path for double-sided printing 240 …… Housing 250 …… Bearing 260 …… Pressure lever 270 …… Pressure Spring 280 …… Drive gear 290 …… Support shaft 300 …… Support shaft 310 …… Peeling member 310a …… Peeling part 310b …… Bending part 310c …… Supporting piece 310d …… Fitting hole 310e …… Guide part 310f… …… Tip 320 ...... Peeling member 320 a ...... Peeling part 320 e ...... Guide part 330 ...... Spring 340 ...... Fixing thread 341 ... Nip outlet 500 ... Recording medium T ... Toner S ... Tangent G1 ... Gap G2 ... Gap F ... Pressurized gas source

Claims (11)

トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ、前記分散媒を除去することにより、固化させて粒状とする、トナーの製造方法であって、
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液の微粒子が前記固化部内において固化する際に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法。
The dispersoid containing the raw material for toner production is finely dispersed in a dispersion medium. The dispersion liquid is atomized and sprayed. A toner manufacturing method comprising:
The dispersion medium contains at least two or more components capable of forming an azeotrope,
An external additive is added when the fine particles of the dispersion are solidified in the solidification part.
噴射される前記分散液を、ほぼ一方向に流れ前記外添剤が含まれるガス流中に放出する請求項1に記載のトナーの製造方法。 The method for producing a toner according to claim 1 , wherein the dispersion liquid to be ejected flows in substantially one direction and is discharged into a gas flow containing the external additive. 複数個の噴射部から、前記微粒子化された前記分散液を噴射し、
複数個の前記噴射部のうち、少なくとも隣り合う2つからの前記分散液の噴射タイミングをずらす請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
From the plurality of injection units, the finely divided dispersion liquid is injected,
3. The toner manufacturing method according to claim 1, wherein the ejection timing of the dispersion liquid from at least two adjacent ones of the plurality of ejection units is shifted.
前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、前記分散液を噴射する請求項1ないしのいずれかに記載のトナーの製造方法。Wherein the coated portion, while applying the same polarity of voltage and the dispersion method for producing a toner according to any one of claims 1 to 3 for injecting the dispersion. 前記共沸混合物は、少なくとも水を含む、水系の共沸混合物である請求項1ないしのいずれかに記載のトナーの製造方法。The azeotropic mixture comprises at least water, method for producing a toner according to any one of claims 1 to 4 azeotropic mixture of water. 前記分散媒は、水とアルコール系物質とを含むものである請求項1ないしのいずれかに記載のトナーの製造方法。The dispersion medium, method for producing a toner according to any one of claims 1 to 5 is intended to include water and alcohol-based substance. 前記分散媒中における、前記水と前記アルコール系物質との含有量の比率は、重量比で、3:97〜95:5である請求項6に記載のトナーの製造方法。The method for producing a toner according to claim 6 , wherein a content ratio of the water and the alcohol-based substance in the dispersion medium is 3:97 to 95: 5 by weight. 前記分散液は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものである請求項1ないしのいずれかに記載のトナーの製造方法。
The dispersion includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester,
The block polyester is a crystalline block made by condensation of a diol component and a dicarboxylic acid component, any of the crystalline to the claims 1 to those having a low crystallinity non-crystalline blocks from the block 7 A method for producing the toner according to the description.
請求項1ないしのいずれかに記載の方法により製造されたトナーであり、
主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであることを特徴とするトナー。
A toner produced by the method according to any one of claims 1 to 8,
A block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester,
The block polyester has a crystalline block obtained by condensing a diol component and a dicarboxylic acid component, and an amorphous block having a lower crystallinity than the crystalline block .
トナー中に、主として前記結晶性ブロックにより形成された結晶を有するものである請求項9に記載のトナー。The toner according to claim 9 , wherein the toner has crystals formed mainly by the crystalline block. 前記結晶の平均長さが10〜1000nmである請求項10に記載のトナー。The toner according to claim 10 , wherein an average length of the crystals is 10 to 1000 nm.
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