JP4103650B2 - Toner production method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては、多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成する工程(露光工程)と、該潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、紙等の転写材(記録媒体)にトナー画像を転写する転写工程と、定着ローラを用いた加熱等により、前記トナー画像を定着する定着工程とを有している。
【0003】
上記のような電子写真法に用いられるトナーは、通常、主成分である樹脂(以下、単に「樹脂」ともいう。)と、着色剤とを含む材料で構成されている。
トナーを構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂が広く用いられている。ポリエステル樹脂は、最終的に得られるトナーの弾性率、帯電性等の特性を制御し易いという特徴を有している。
【0004】
このようなトナーにおいては、ポリエステル樹脂を構成するジオール成分として、ビスフェノールA類のような芳香族ジオールが一般に用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなジオール成分で構成されたポリエステルは、摩擦係数が比較的大きく、また、機械的ストレスに弱いため、現像機内等において粒子破壊を起こし易く、帯電不良、機内汚染、定着性低下等の問題を発生する場合があった。
【0005】
また、ビスフェノールA類のような芳香族ジオールを用いずに、脂肪族ジオールで構成されたポリエステルを用いたトナーも知られている(例えば、特許文献2参照)。このものは、ポリエステル樹脂として、脂肪族ジオールとカルボン酸類を縮合してなるブロックと、脂環族ジオールとカルボン酸類を縮合してなるポリエステルブロックとを分子内に有するポリエステルブロック共重合体を用いたものである。しかしながら、このようなトナーでは、十分な定着性(定着強度)を確保することが可能な温度領域が狭くなるという問題点を有していた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−109825号公報(第1頁第1〜27行目)
【特許文献2】
特開2001−324832号公報(第2頁第1〜13行目)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性に優れ、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すトナーを提供すること、また、当該トナーを製造することができるトナーの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0034】
本発明のトナーの製造方法は、ポリエステル系樹脂と、着色剤とを含む材料で構成されたトナーを製造する方法であって、
前記ポリエステル系樹脂は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであり、
前記非晶性ポリエステルと前記着色剤とを含む第1の混練物を製造する第1の混練工程と、
少なくとも、前記第1の混練物と、前記ブロックポリエステルとを含む材料を混練して、第2の混練物を製造する第2の混練工程とを有し、
前記非晶性ポリエステルの軟化点をT 1/2 (A)[℃]、前記ブロックポリエステルの融点をT (B)[℃]、前記第2の混練工程時における材料温度をT K2 [℃]としたとき、T (B)>T K2 >T 1/2 (A)の関係を満足することを特徴とする。
これにより、耐久性に優れ、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すトナーを提供することができる。また、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを、適度な大きさに相分離(ミクロ分離)させることができ、かつ、第1の混練物中に含まれる着色剤が第1の領域中に移行するのを効果的に防止することができる。その結果、得られるトナーは、幅広い温度領域での定着性および耐久性を特に優れたものとすることができる。
【0035】
本発明のトナーの製造方法は、ポリエステル系樹脂と、着色剤とを含む材料で構成されたトナーを製造する方法であって、
前記ポリエステル系樹脂は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであり、
前記非晶性ポリエステルと前記着色剤とを含む第1の混練物を製造する第1の混練工程と、
少なくとも、前記第1の混練物と、前記ブロックポリエステルとを含む材料を混練して、第2の混練物を製造する第2の混練工程とを有し、
前記非晶性ポリエステルの軟化点をT 1/2 (A)[℃]、前記ブロックポリエステルの融点をT (B)[℃]、前記第2の混練工程時における材料温度をT K2 [℃]としたとき、T (B)>T K2 >T 1/2 (A)の関係を満足し、
主として前記ブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として前記非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを形成し、
前記第2の領域中における前記着色剤の濃度が、前記第1の領域における前記着色剤の濃度より高いトナーを製造することを特徴とする。
これにより、耐久性に優れ、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すトナーを提供することができる。また、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを、適度な大きさに相分離(ミクロ分離)させることができ、かつ、第1の混練物中に含まれる着色剤が第1の領域中に移行するのを効果的に防止することができる。その結果、得られるトナーは、幅広い温度領域での定着性および耐久性を特に優れたものとすることができる。
【0036】
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の混練工程時における材料温度は、80〜160℃であることが好ましい。
これにより、材料の熱分解や酸化劣化等を十分に防止しつつ、各成分が均一に混ざり合った第1の混練物を得ることができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第2の混練工程時における材料温度は、80〜260℃であることが好ましい。
これにより、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを、十分均一に微分散(ミクロ相分離)させることができ、トナーの機能を特に優れたものとすることができる。
【0037】
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の混練工程と、第2の混練工程とを連続して行うことが好ましい。
これにより、製造プロセスの簡略化を図ることができ、トナーの生産性が向上する。また、トナーの構成成分の劣化等をより効果的に防止することができ、トナーの信頼性がさらに向上する。
【0038】
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の混練工程を行う第1の混練部と、第2の混練工程を行う第2の混練部とを有する、2段バレル式の混練機を用いることが好ましい。
これにより、製造プロセスの簡略化を図ることができ、トナーの生産性が向上する。また、トナーの構成成分の劣化等をより効果的に防止することができ、トナーの信頼性がさらに向上する。
【0040】
本発明のトナーの製造方法では、前記第2の混練物を粉砕および分級してトナー製造用粉末を得る工程と、
前記トナー製造用粉末を加熱して球形化する熱球形化工程とを有することが好ましい。
これにより、各トナー粒子間での粒径のバラツキを特に小さなものとし、トナー粒子の円形度を、容易かつ確実に、好適な範囲の値に制御することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記熱球形化工程時における雰囲気の温度は、210〜320℃であることが好ましい。
これにより、構成成分の熱分解、酸化劣化等を好適に防止しつつ、トナー粒子の円形度を、容易かつ確実に、好適な範囲の値に制御することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトナーおよびトナーの製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のトナーの製造方法の第1実施形態で用いる混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図、図3は、軟化点解析用フローチャート、図4は、トナー中に含まれるトナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
【0042】
[構成材料]
まず、本発明のトナーの構成材料について説明する。本発明のトナーは、少なくとも、樹脂成分(以下、単に「樹脂」ともいう)としてのポリエステル系樹脂と、着色剤とを含むものである。
以下、本発明のトナー中に含まれる各成分について説明する。
1.樹脂(バインダー樹脂)
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、主として、ポリエステル系樹脂で構成されたものである。樹脂中におけるポリエステル系樹脂の含有量は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。
ポリエステル系樹脂は、少なくとも、以下で説明するようなブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを含むものである。このように、本発明は、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用する点に特徴を有する。
【0043】
1−1.ブロックポリエステル
ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するブロック共重合体で構成されたものである。
▲1▼結晶性ブロック
結晶性ブロックは、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて、高い結晶性を有している。すなわち、分子配列構造が、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて強固で安定したものである。このため、結晶性ブロックは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、保存性に優れたものとなる。
【0044】
ところで、結晶性の高い樹脂は、一般に、結晶性の低い樹脂に比べて、いわゆるシャープメルト性を有している。すなわち、結晶性の高い樹脂は、示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定を行ったとき、結晶性の低い樹脂に比べて、吸熱ピークがシャープな形状として現れる性質を有している。
一方、結晶性ブロックは、上述したように、結晶性の高いものである。したがって、結晶性ブロックは、ブロックポリエステルにシャープメルト性を付与する機能を有する。このため、本発明のトナーは、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化するような、比較的高い温度(ブロックポリエステルの融点付近の温度)においても、優れた形状の安定性(耐久性)を保持することができる。したがって、本発明のトナーは、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することができる。
また、このような結晶性ブロックを、ブロックポリエステルが有しているため、本発明においては、後述する熱球形化処理を効率良く(短時間で)行うことが可能となり、容易に、最終的に得られるトナー粒子の円形度を比較的高いものにすることができる。
【0045】
以下、結晶性ブロックを構成する成分について説明する。
結晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するアルコール成分であるのが好ましい。このような水酸基を2個有するアルコール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0046】
なお、水酸基を3個以上有するアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0047】
このように、結晶性ブロックを構成するアルコール成分は、特に限定されないが、少なくともその一部が脂肪族ジオールであるのが好ましく、その80mol%以上が脂肪族ジオールであるのがより好ましく、その90mol%以上が脂肪族ジオールであるのがさらに好ましい。これにより、ブロックポリエステル(結晶性ブロック)の結晶性を特に高いものとすることができ、上述した効果がさらに顕著なものとなる。
【0048】
また、結晶性ブロックを構成するアルコール成分は、炭素数が3〜7の直鎖状の分子構造を有し、その両端に水酸基を有するもの(一般式:HO−(CH−OHで表されるジオール(ただし、n=3〜7))を含むのが好ましい。このようなアルコール成分が含まれることにより、結晶性が向上し、摩擦係数が低下するため、機械的ストレスに強く、耐久性や保存性に特に優れたものとなる。このようなジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられるが、この中でも1,4−ブタンジオールが好ましい。1,4−ブタンジオールを含むことにより、前述した効果は特に顕著なものとなる。
【0049】
結晶性ブロックを構成するアルコール成分として1,4−ブタンジオールを含む場合、結晶性ブロックを構成するアルコール成分の50mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがより好ましく、その80mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0050】
結晶性ブロックを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0051】
このように、結晶性ブロックを構成するカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その50mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがさらに好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。ただし、ここでの「カルボン酸成分」は、ブロックポリエステルとしたときのカルボン酸成分のことを指し、ブロックポリエステルを調整する(結晶性ブロックを形成する)際には、当該カルボン酸成分そのものや、その酸無水物、低級アルキルエステル等の誘導体を用いることができるものとする。
【0052】
ブロックポリエステル中における結晶性ブロックの含有率は、特に限定されないが、5〜60mol%であるのが好ましく、10〜40mol%であるのがより好ましい。結晶性ブロックの含有率が前記下限値未満であると、ブロックポリエステルの含有量等によっては、上述したような結晶性ブロックを有することによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、結晶性ブロックの含有率が前記上限値を超えると、相対的に非晶性ブロックの含有率が低下するため、ブロックポリエステルと、後述する非晶性ポリエステルとの親和性が低下し、後述する第1の領域が粗大化する可能性がある。
なお、結晶性ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0053】
▲2▼非晶性ブロック
非晶性ブロックは、前述した結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。また、後述する非晶性ポリエステルも、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。すなわち、非晶性ブロックは、後述する非晶性ポリエステルと同様に、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。
ところで、ブレンド樹脂においては、一般に、結晶性が大きく異なる樹脂同士は親和性が低く、相分離(特にマクロ相分離)し易く、結晶性の差が小さい樹脂同士は親和性が高く、互いに混ざり易い。一方、前述したように、本発明で用いられるブロックポリエステルは、結晶性ブロックと非晶性ブロックとを有している。すなわち、ブロックポリエステルは、非晶性ポリエステルとの親和性の高い非晶性ブロックと、親和性の低い結晶性ブロックとを有している。このため、本発明においては、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとは、十分に均一に混ざり合いながら、適度な相分離(ミクロ相分離)を起こしやすい。これにより、トナー粒子内において、マクロ相分離(例えば、各相の平均粒径がいずれも1μm以上となるような相分離)が発生するのを効果的に防止することができ、ブロックポリエステルの利点と非晶性ポリエステルの利点とを十分かつ安定的に発揮させることができる。
【0054】
以下、非晶性ブロックを構成する成分について説明する。
非晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するアルコール成分であるのが好ましい。このような水酸基を2個有するアルコール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0055】
なお、水酸基を3個以上有するアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0056】
このように、非晶性ブロックを構成するアルコール成分は、特に限定されないが、少なくともその一部が脂肪族ジオールであるのが好ましく、その50mol%以上が脂肪族ジオールであるのがより好ましい。これにより、より靱性に優れた(耐折り曲げ性に優れた)定着画像が得られるという効果が得られる。
また、非晶性ブロックを構成するアルコール成分は、少なくともその一部が分岐鎖(側鎖)を有するものであるのが好ましく、その30mol%以上が分岐鎖を有するものであるのがより好ましい。これにより、規則配列を抑制し、結晶性を低下させ、透明性も向上するという効果が得られる。
【0057】
非晶性ブロックを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0058】
このように、非晶性ブロックを構成するカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。ただし、ここでの「カルボン酸成分」は、ブロックポリエステルとしたときのカルボン酸成分のことを指し、ブロックポリエステルを調整する(非晶性ブロックを形成する)際には、当該カルボン酸成分そのものや、その酸無水物、低級アルキルエステル等の誘導体を用いることができるものとする。
なお、非晶性ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0059】
上記のような結晶性ブロック、非晶性ブロックを有するブロックポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、1×10〜3×10であるのが好ましく、1.2×10〜1.5×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0060】
ブロックポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜75℃であるのが好ましく、55〜70℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性や透明性が低下する。また、ガラス転移点が高すぎると、後述するような熱球形化処理を施す場合、その効果が十分に発揮されない可能性がある。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0061】
ブロックポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、90〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーとしての保存性が低下し、十分な耐久性が得られない可能性がある。また、軟化点が低すぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。なお、軟化点T1/2は、例えば、フローテスタを用い、サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で測定したときに得られる、図3に示すような解析用フローチャートのh/2に相当するフロー曲線上の点の温度として求めることができる。
【0062】
ブロックポリエステルの融点T(後述する示差走査熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値Tmp)は、特に限定されないが、190℃以上であるのが好ましく、190〜230℃であるのがより好ましい。融点が190℃未満であると、耐オフセット性の向上等の効果が十分に得られない可能性がある。また、融点が高すぎると、後述する混練工程等において、材料温度を比較的高い温度にしなければならなくなる。その結果、樹脂材料のエステル交換反応が進行しやすくなり、樹脂設計を最終的に得られるトナーに十分に反映させることが困難になる場合がある。なお、融点は、例えば、示差走査熱量分析(DSC)による吸熱ピークの測定により求めることができる。
【0063】
また、最終的に得られるトナーが、後述するような定着ローラを有する定着装置で用いられるものである場合、ブロックポリエステルの融点(後述する示差走査熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値Tmp)をT(B)[℃]、定着ローラの表面の標準設定温度をTfix[℃]としたとき、Tfix≦T(B)≦(Tfix+100)の関係を満足するのが好ましく、(Tfix+10)≦T(B)≦(Tfix+70)の関係を満足するのがより好ましい。このような範囲の融点のブロックポリエステルを用いることにより、後述する定着装置の定着ローラへのトナーの付着を効果的に防止することができる。また、ブロックポリエステルは、後述するように適度な大きさの結晶を作りやすい性質を有しているため、記録媒体へのトナーの定着後にも、安定性、耐久性を維持することができる。特に、本発明では、ブロックポリエステルを後述する非晶性ポリエステルと組み合わせて用いるため、前述したような温度範囲の融点を有するブロックポリエステルが含まれていても、定着時に、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化することができる。このため、記録媒体へのトナーの定着性(定着強度)を十分に高めることができ、さらに、トナーの低温定着性も優れたものとなる。また、ブロックポリエステルは、高硬度な結晶を作りやすいものであるため、トナーは、定着後の安定性にも優れたものとなる。
【0064】
また、ブロックポリエステルの融点は、後述する非晶性ポリエステルの軟化点より高いのが好ましい。これにより、最終的に得られるトナーの形状の安定性が向上し、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性(耐久性)を示すものとなる。また、ブロックポリエステルの融点が後述する非晶性ポリエステルの軟化点より高いと、例えば、後述する熱球形化処理を施す場合には、ブロックポリエステルにより、トナー製造用粉末の形状の安定性をある程度確保しつつ、非晶性ポリエステルを十分に軟化させることができる。その結果、熱球形化処理を効率良く行うことができ、比較的容易に、最終的に得られるトナー(トナー粒子)の円形度を比較的高いものとすることができる。
【0065】
ところで、前述したように、本発明で用いるブロックポリエステルは、結晶性の高い結晶性ブロックを有しているため、比較的結晶性の低い樹脂材料(例えば、後述する非晶性ポリエステル等)に比べて、いわゆるシャープメルト性を有している。
結晶性を表す指標としては、例えば、示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値をTmp[℃]、ショルダーピーク値をTms[℃]としたときに、ΔT=Tmp−Tmsで表されるΔT値等が挙げられる(図2参照)。このΔT値が小さいほど結晶性が高い。
ブロックポリエステルのΔT値は、50℃以下であるのが好ましく、20℃以下であるのがより好ましい。Tmp[℃]、Tms[℃]の測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温して測定することができる。
また、ブロックポリエステルは、後述する非晶性ポリエステルより結晶性が高い。したがって、非晶性ポリエステルのΔT値をΔT[℃]、ブロックポリエステルのΔT値をΔT[℃]としたとき、ΔT>ΔTの関係を満足する。特に、本発明では、ΔT−ΔT>10の関係を満足するのが好ましく、ΔT−ΔT>30の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上述した効果はより顕著なものとなる。ただし、非晶性ポリエステルの結晶性が特に低い場合、TmpまたはTmsの少なくとも一方が測定困難(判別困難)であることがある。このような場合、ΔTは∞[℃]とする。
【0066】
ブロックポリエステルは示差走査熱量分析による融点の吸熱ピークの測定を行ったときに求められる融解熱Eが5mJ/mg以上であるのが好ましく、15mJ/mg以上であるのがより好ましい。融解熱Eが5mJ/mg未満であると、結晶性ブロックを有することによる前述したような効果が十分に発揮されない可能性がある。ただし、融解熱としては、ガラス転移点の吸熱ピークの熱量は含まないものとする(図2参照)。融点の吸熱ピークの測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温したときに測定される値を融解熱として求めることことができる。
【0067】
また、ブロックポリエステルは、リニア型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。リニア型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
なお、ブロックポリエステルは、前述した結晶性ブロック、非晶性ブロック以外のブロックを有するものであってもよい。
【0068】
1−2.非晶性ポリエステル
非晶性ポリエステルは、前述したブロックポリエステルより低い結晶性を有するものである。
非晶性ポリエステルは、後に詳述する第2の領域の主成分であり、着色剤の分散性に優れた材料であるのが好ましい。
【0069】
非晶性ポリエステルは、主として、トナー製造時における混練物の粉砕性や、トナーの定着性(特に、低温定着性)、透明性、機械的特性(例えば、弾性、機械的強度等)、帯電性、耐湿性等の機能を向上させるのに寄与する成分である。言い換えると、以下で詳述するような非晶性ポリエステルがトナー中に含まれないと、前記のようなトナーとして求められる特性を十分に発揮するのが困難となる。
【0070】
以下、非晶性ポリエステルを構成する成分について説明する。
非晶性ポリエステルを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するアルコール成分であるのが好ましい。このような水酸基を2個有するアルコール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
【0071】
なお、水酸基を3個以上有するアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0072】
非晶性ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、2価以上のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができるが、2価のカルボン酸またはその誘導体等を用いるのが好ましい。このような2価のカルボン酸成分としては、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
【0073】
このように、非晶性ポリエステルを構成するカルボン酸成分は、特に限定されないが、少なくともその一部がテレフタル酸骨格を有するものであるのが好ましく、その80mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがより好ましく、その90mol%以上がテレフタル酸骨格を有するものであるのがさらに好ましい。これにより、最終的に得られるトナーは、トナーとして求められる各種特性のバランスが特に優れたものとなる。ただし、ここでの「カルボン酸成分」は、非晶性ポリエステルとしたときのカルボン酸成分のことを指し、非晶性ポリエステルを調整する際には、当該カルボン酸成分そのものや、その酸無水物、低級アルキルエステル等の誘導体を用いることができるものとする。
【0074】
また、非晶性ポリエステルを構成するモノマー成分は、その50mol%以上(より好ましくは、80mol%以上)が、前述した非晶性ブロックを構成するモノマー成分と同一であるのが好ましい。すなわち、非晶性ポリエステルは、非晶性ブロックと同様のモノマー成分で構成されたものであるのが好ましい。これにより、非晶性ポリエステルとブロックポリエステルとの親和性が特に優れたものとなり、トナー粒子(トナー母粒子)中におけるマクロ相分離の発生をより効果的に防止することができる。ただし、ここでの「モノマー成分」は、非晶性ポリエステル、ブロックポリエステルの製造に用いるモノマーを指すものではなく、非晶性ポリエステル、ブロックポリエステル中に含まれるモノマー成分のことを指す。
なお、非晶性ポリエステルは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
【0075】
非晶性ポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、5×10〜4×10であるのが好ましく、8×10〜2.5×10であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0076】
非晶性ポリエステルのガラス転移点Tは、特に限定されないが、50〜75℃であるのが好ましく、55〜70℃であるのがより好ましい。ガラス転移点が前記下限値未満であると、トナーの保存性(耐熱性)が低下し、使用環境等によっては、トナー粒子間での融着が発生する場合がある。一方、ガラス転移点が前記上限値を超えると、低温定着性や透明性が低下する。また、ガラス転移点が高すぎると、後述するような熱球形化処理を施す場合、その効果が十分に発揮されない可能性がある。なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
【0077】
非晶性ポリエステルの軟化点T1/2は、特に限定されないが、90〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜130℃であるのがさらに好ましい。軟化点が前記下限値未満であると、トナーとしての保存性が低下し、十分な耐久性が得られない可能性がある。また、軟化点が低すぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、軟化点が前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
【0078】
また、非晶性ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]、前述したブロックポリエステルの融点をT(B)としたとき、T(B)>(T1/2(A)+60)の関係を満足するのが好ましく、(T1/2(A)+60)<T(B)<(T1/2(A)+150)の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、例えば、比較的高い温度において、ブロックポリエステルがトナー粒子の形状の安定性をある程度確保しつつ、非晶性ポリエステルが十分に軟化することができる。これにより、トナーの形状の安定性を十分に確保しつつ、幅広い温度領域での定着性(特に低温領域での定着性)を優れたものとすることができる。また、上記のような関係を満足することにより、例えば、後述する熱球形化処理をより効率良く行うことができ、得られるトナー(粒子)の円形度をさらに向上させることができる。また、上記のような関係を満足することにより、トナーはより幅広い温度領域において、優れた定着性を発揮することができる。
【0079】
なお、軟化点T1/2は、例えば、フローテスタを用い、サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で測定したときに得られる、図3に示すような解析用フローチャートのh/2に相当するフロー曲線上の点の温度として求めることができる。
また、非晶性ポリエステルは、リニア型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。リニア型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
【0080】
以上説明したように、本発明では、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用する点に特徴を有する。このように、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用することにより、前述したような、ブロックポリエステルが有する特長と、非晶性ポリエステルが有する特長とを両立することができる。これにより、最終的に得られるトナーは、耐久性に優れ(機械的ストレスに強く)、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することが可能なものとなる。また、トナー製造時においては、得られる混練物の粉砕性が良好となり、トナーの生産性が向上する。
【0081】
上記のような相乗的な効果は、ブロックポリエステルまたは非晶性ポリエステルのいずれか一方のみを用いた場合には得られない。
すなわち、ブロックポリエステルのみを用いた場合(トナー中に非晶性ポリエステルを含まない場合)には、トナーの定着性(特に、低温領域での定着性)が低下する。また、ブロックポリエステルのみを用いた場合(トナー中に非晶性ポリエステルを含まない場合)には、例えば、トナーの定着時にトナー粒子の粘度を十分に低くするのが困難となるため、トナーの記録媒体への定着性(定着強度)が低下する。また、ブロックポリエステルのみを用いた場合(トナー中に非晶性ポリエステルを含まない場合)には、トナーの透明性等の機能も低下し、さらに、トナーを構成する各成分(例えば、後述するような着色剤、ワックス、帯電防止剤等)の分散性や、トナー製造時における混練物の粉砕性も低下する。
また、非晶性ポリエステルのみを用いた場合(トナー中にブロックポリエステルを含まない場合)には、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに弱いものとなり、十分な耐久性、保存性が得られない。また、非晶性ポリエステルのみを用いた場合(トナー中にブロックポリエステルを含まない場合)には、シャープメルト性が得られないため、幅広い温度領域(特に高温領域)で十分な定着性(定着強度)を確保するのが困難となるとともに、例えば、後述するような熱球形化処理を施す場合に、効率良く行うのが困難となり、最終的に得られるトナー粒子の円形度を適正な値にするのが困難になる。
【0082】
ところで、結晶性の高いポリエステル(以下、「結晶性ポリエステル」という)は、一般に、安定した分子配列構造を有しているため、前述したようなブロックポリエステルでなくても、トナーとしての強度を向上させ、機械的ストレスに強いものとすることが可能である。しかしながら、前述したようなブロックポリエステル以外の結晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステルとの親和性に劣り、非晶性ポリエステルと併用した場合には、マクロ相分離を起こし易い。したがって、ブロックポリエステルを用いないで、ブロックポリエステル以外の結晶性ポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用した場合には、上述したような、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとを併用することによる相乗効果は得られない。
【0083】
ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとの配合比は、重量比で5:95〜45:55であるのが好ましく、10:90〜30:70であるのがより好ましい。ブロックポリエステルの配合比が低くなりすぎると、トナーの耐オフセット性を十分に向上させるのが困難になる可能性がある。一方、非晶性ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、十分な低温定着性や透明性が得られない可能性がある。また、非晶性ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、例えば、後述するようなトナーの製造方法の粉砕工程において、混練物(第2の混練物10)を効率良く、均一な大きさに粉砕するのが困難となる。また、非晶性ポリエステルの配合比が低くなりすぎると、後述する第2の領域中に着色剤を効率よく偏在させるのが困難となり、本発明の効果が十分に発揮されない可能性がある。
【0084】
トナー中におけるポリエステル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。ポリエステル系樹脂の含有量が前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーにおいて、上述したようなブロックポリエステル、非晶性ポリエステルが有する機能(およびこれらの相乗効果)が十分に発揮されない可能性がある。一方、ポリエステル系樹脂の含有量が前記上限値を超えると、着色剤等の樹脂以外の成分の含有量が相対的に低下し、発色等のトナーの特性を十分に発揮するのが困難となる。
また、樹脂(バインダー樹脂)は、前述したブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステル以外の成分(第3の樹脂成分)を含むものであってもよい。
【0085】
ブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステル以外の樹脂成分(第3の樹脂成分)としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂(前述したブロックポリエステル、非晶性ポリエステルとは異なるもの)、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0086】
トナー中における樹脂の含有量は、特に限定されないが、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。樹脂の含有量が前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーにおいて、樹脂が有する機能(例えば、幅広い温度領域での良好な定着性等)が十分に発揮されない可能性がある。一方、樹脂の含有量が前記上限値を超えると、着色剤等の樹脂以外の成分の含有量が相対的に低下し、発色等のトナーの特性を十分に発揮するのが困難となる。
【0087】
2.着色剤
着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。
後に詳述するように、本発明のトナーは、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域(相)と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域(相)とを有し、第2の領域中における着色剤の濃度が、第1の領域中における着色剤の濃度より高いことを特徴とする。このため、着色剤としては、非晶性ポリエステルとの親和性に優れたものを用いるのが好ましい。
【0088】
このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
トナー中における着色剤の含有量は、特に限定されないが、1〜10wt%であるのが好ましく、3〜8wt%であるのがより好ましい。着色剤の含有量が前記下限値未満であると、着色剤の種類によっては、十分な濃度の可視像を形成するのが困難になる可能性がある。一方、着色剤の含有量が前記上限値を超えると、相対的に樹脂の含有量が低下し、必要な色濃度での、紙等の転写材(記録媒体)への定着性が低下する。
【0090】
また、着色剤の粒子の大きさは、特に限定されないが、その長さ(長手方向の平均長さ)が10〜200nmであるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましい。着色剤の粒子の大きさがこのような範囲の値であると、後述するようなフィラー効果がより顕著なものとなり、トナー全体としての耐久性がさらに向上する。
【0091】
3.ワックス
また、トナー中には、必要に応じてワックスが含まれていてもよい。
ワックスが含まれることにより、例えば、トナー粒子の離型性を向上させることができる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0092】
前記材料の中でも、特にエステル系ワックス(例えばカルナウバワックスやライスワックス等)を用いた場合には、下記のような効果が得られる。
エステル系ワックスは、前述したポリエステル系樹脂と同様に、分子内にエステル構造を有しており、ポリエステル系樹脂との相溶性に優れる。このため、最終的に得られるトナー粒子中における遊離ワックスの発生、粗大化を防止することができる(トナー中でのワックスの微分散やミクロ相分離を容易に達成できる)。その結果、最終的に得られるトナーは、定着ローラとの離型性が特に優れたものとなる。
【0093】
また、ワックスとして用いる低融点のポリエステル(以下、「低融点ポリエステル」とも言う)としては、例えば、融点Tが70〜90℃程度のものが好ましい。また、低融点ポリエステルの重量平均分子量Mwは、3500〜6500程度であるのが好ましい。また、低融点ポリエステルは、脂肪族モノマーの重合体であるのが好ましい。低融点ポリエステルが、このような条件(少なくとも1つ、好ましくは2つ以上)を満足するものであると、前述したポリエステル系樹脂との相溶性が特に優れたものになるとともに、トナーの離型性を特に優れたものにすることができる。
【0094】
ワックスの融点Tは、特に限定されないが、30〜160℃であるのが好ましく、50〜100℃であるのがより好ましい。なお、例えば、示差走査熱量分析(DSC)により、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温する条件での測定から、融点Tと融解熱とを求めることができる。
【0095】
また、例えば、前述したワックス以外にも、ワックス効果を付与できる成分として低融点のポリエステル(以下、「低融点ポリエステル」とも言う)を用いることができる。低融点とは、例えば、融点Tが70〜90℃程度のものが好ましい。また、低融点ポリエステルの重量平均分子量Mwは、3500〜6500程度であるのが好ましい。また、低融点ポリエステルは、脂肪族モノマーの重合体であるのが好ましい。低融点ポリエステルが、このような条件(少なくとも1つ、好ましくは2つ以上)を満足するものであると、前述したポリエステル系樹脂との相溶性が特に優れたものになるとともに、トナーの耐久性を阻害せずにトナーの離型性を付与することができる。また、融点が比較的低いことにより、低温定着性を向上させることができる。
【0096】
4.その他の成分
また、トナー中には、前記樹脂、着色剤、ワックス以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、帯電制御剤、分散剤、磁性粉末等が挙げられる。
【0097】
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
前記分散剤としては、例えば、金属石鹸、無機金属塩、有機金属塩、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0098】
前記金属石鹸としては、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)等が挙げられる。
【0099】
前記無機金属塩、前記有機金属塩としては、例えば、カチオン性成分として、周期律表の第IA族、第IIA族、および第IIIA族の金属からなる群より選ばれる元素のカチオンを含み、アニオン性成分として、ハロゲン、カーボネート、アセテート、サルフェート、ボレート、ニトレート、およびホォスフェートからなる群より選ばれるアニオンを含む塩等が挙げられる。
【0100】
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、添加剤としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等を用いてもよい。
【0101】
また、本発明のトナーは、外添剤が付与されたものであってもよい。
外添剤としては、例えば、酸化チタン、シリカ(正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等)、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化亜鉛、アルミナ、マグネタイト等の金属酸化物、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、脂肪族金属塩等の金属塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム)等の有機材料で構成されたもの等が挙げられる。
上記外添剤の中でも、外添剤として用いることができる酸化チタンとしては、例えば、ルチル型の酸化チタン、アナターゼ型の酸化チタン、ルチルアナターゼ型の酸化チタン等が挙げられる。
【0102】
ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、結晶構造がルチル型の酸化チタン(二酸化チタン)と、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン(二酸化チタン)とを同一粒子内に有するものである。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタン(二酸化チタン)を有するものである。
ルチル型の酸化チタンは、通常、紡錘形状の結晶になり易い性質を有している。また、アナターゼ型の酸化チタンは、微小な結晶を析出し易く、疎水化処理等に用いられるシランカップリング剤等との親和性に優れるという性質を有している。
【0103】
そして、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタンを有するものであるため、ルチル型の酸化チタンの利点と、アナターゼ型の酸化チタンの利点とを併有している。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンでは、ルチル型結晶の間(ルチル型結晶の内部)に、微小なアナターゼ型結晶が混在し、全体としては、略紡錘形状を有するものとなることにより、トナーの母粒子中に埋没し難くなり、また、ルチルアナターゼ型の酸化チタン全体としての、シランカップリング剤等との親和性が優れたものとなるため、ルチルアナターゼ型の酸化チタン粉末の表面に均一で安定した疎水性被膜(シランカップリング被膜)が形成され易くなる。したがって、ルチルアナターゼ型の酸化チタンを含むことにより、得られるトナーは、帯電分布が均一(トナー粒子の帯電分布がシャープ)で、安定した帯電特性を有し、環境特性(特に耐湿性)、流動性、耐ケーキング性等に優れたものとなる。
【0104】
特に、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、前述したようなポリエステル系樹脂と併用することにより、以下のような相乗効果を発揮する。
すなわち、前述したように、本発明では、ポリエステル系樹脂は、結晶性の高い結晶性ブロックを有するブロックポリエステルを含むものであるため、トナー粒子中において、主として結晶性ブロックにより形成された所定の大きさの結晶を有するものとすることができる。このような結晶を有することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナーの母粒子中に埋没しにくいものとなる。すなわち、前記結晶のような硬い成分を含むことにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナーの母粒子の表面付近に確実に担持(付着)されたものとなる。これにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能(特に、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)を十分に発揮させることができる。このように、前述したポリエステル系樹脂と併用することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能を十分に発揮させることができるため、用いる外添剤の量を抑制することができる。その結果、外添剤を多量に添加することによる不都合(例えば、紙等の転写材(記録媒体)への定着性の低下等)の発生を効果的に防止することができる。
【0105】
ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率は、特に限定されないが、重量比で、5:95〜95:5であるのが好ましく、50:50〜90:10であるのがより好ましい。このようなルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることにより、前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることによる効果は、さらに顕著なものとなる。
また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものであるのが好ましい。これにより、トナーは、特に耐光性(特に、記録媒体への定着後における耐光性)に優れたものとなる。
【0106】
本発明で用いられるルチルアナターゼ型の酸化チタンの形状は、特に限定されないが、通常、略紡錘形状である。
ルチルアナターゼ型の酸化チタンが略紡錘形状を有するものである場合、その平均長軸径は、10〜100nmであるのが好ましく、20〜50nmであるのがより好ましい。平均長軸径がこのような範囲の値であると、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、上述したような機能を十分に発揮することができ、また、トナーの母粒子中に埋没し難く、かつ遊離しにくいものとなる。その結果、トナーの機械的ストレスに対する安定性は、さらに優れたものとなる。
【0107】
トナー中におけるルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、0.1〜2.0wt%であるのが好ましく、0.5〜1.0wt%であるのがより好ましい。ルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量が前記下限値未満であると、前述したような、ルチルアナターゼ型の酸化チタンを用いることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの含有量が前記上限値を超えると、トナーの定着性が低下する傾向を示す。
【0108】
このようなルチルアナターゼ型の酸化チタンは、いかなる方法で調製されたものであってもよいが、例えば、アナターゼ型の酸化チタンを焼成することにより得ることができる。このような方法を用いることにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率を、比較的容易かつ確実に制御することができる。このような方法でルチルアナターゼ型の酸化チタンを得る場合、焼成温度は、700〜1000℃程度であるのが好ましい。焼成温度をこのような範囲の値にすることにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタン中におけるルチル型の酸化チタンとアナターゼ型の酸化チタンとの存在比率を、さらに容易かつ確実に制御することが可能になる。
【0109】
また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、疎水化処理が施されたものであるのが好ましい。疎水化処理を施すことにより、帯電が湿度によって大きく左右されなくなるという効果が得られる。疎水化処理としては、例えば、HMDS、シラン系カップリング剤(例えば、アミノ基等の官能基を有するものでもよい)、チタネート系カップリング剤、フッ素含有シラン系カップリング剤、シリコーンオイル等を用いた、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの粉末(粒子)への表面処理等が挙げられる。
【0110】
また、前述した外添剤の中でも、外添剤として用いることができるシリカとしては、例えば、正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等が挙げられる。正帯電性シリカは、例えば、負帯電性シリカに、アミノ基等の官能基を有するシラン系カップリング剤で、表面処理を施すことにより得ることができる。
外添剤として負帯電性シリカを用いた場合、トナー粒子の帯電量(絶対値)を大きくすることができる。その結果、安定した負帯電性トナーが得られ、画像形成装置のトナー制御が容易になるという効果が得られる。
【0111】
また、負帯電性シリカを前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンと併用した場合、特に優れた効果が得られる。すなわち、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、トナーの流動性、環境特性(特に耐湿性)をさらに高めたり、より安定した摩擦帯電性を発揮することができるとともに、いわゆるカブリの発生をより効果的に防止することができる。また、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、得られるトナーを、帯電量(絶対値)が大きく、かつ帯電分布がよりシャープなものとすることができる。
略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD[nm]、負帯電性シリカの平均粒径をD[nm]としたとき、0.2≦D/D≦15の関係を満足するのが好ましく、0.4≦D/D≦5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することによる効果はさらに顕著なものとなる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
【0112】
また、外添剤として、正帯電性シリカを用いた場合、例えば、正帯電性シリカをマイクロキャリアとして機能させることができ、トナー粒子自体の帯電性をさらに向上させることができる。特に、正帯電性シリカと、前述したルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することにより、得られるトナーを、帯電量(絶対値)が大きく、かつ帯電分布がよりシャープなものとすることができる。
正帯電性シリカを含む場合、その平均粒径は、30〜100nmであるのが好ましく、40〜50nmであるのがより好ましい。正帯電性シリカの平均粒径がこのような範囲の値であると、前述した効果はより顕著なものとなる。
また、外添剤としては、上記のような材料で構成された微粒子の表面に、HMDS、シラン系カップリング剤(例えば、アミノ基等の官能基を有するものでもよい)、チタネート系カップリング剤、フッ素含有シラン系カップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施したものを用いてもよい。
【0113】
[トナー]
次に、上記のような材料で構成された本発明のトナーについて説明する。
上述したように、本発明のトナー中には、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとが含まれている。そして、前述したように、ブロックポリエステルが結晶性の高い結晶性ブロックを有するものであるため、本発明のトナー(トナー粒子)中には、通常、主として結晶性ブロックで構成された結晶が存在する。このような結晶が存在することにより、トナーは、特に優れた耐久性(形状の安定性)を有するものとなる。
【0114】
後に詳述するように、このような結晶は適度な大きさを有するものであるのが好ましい。すなわち、結晶の大きさが小さすぎると、上記のような結晶を有することによる効果が十分に発揮されない可能性がある。そして、結晶の成長は、不純物の存在(特に、固形の不純物の存在)により阻害されることが、一般に知られている。
【0115】
そこで、本発明では、下記のような条件を満足するようにした。
すなわち、本発明のトナー(トナー粒子)では、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを有し、第2の領域中における着色剤の濃度(含有率)が、第1の領域における着色剤の濃度(含有率)より高くなるようにした。このような関係を満足することにより、第1の領域(主としてブロックポリエステルで構成される領域)における着色剤の含有率を低くすることができる。その結果、第1の領域において、不純物である着色剤の存在による、結晶の成長の阻害を効果的に防止、抑制することができ、適度な大きさの結晶を形成させることができる。
【0116】
また、上記のような関係を満足することにより、第2の領域(主として非晶性ポリエステルで構成される領域)における着色剤の含有率を高くすることができる。第2の領域を主として構成する非晶性ポリエステルは、本来、形状の安定性が比較的低いものであるが、前記のように第2の領域中に、着色剤が比較的高い濃度で含有されることにより、着色剤によるフィラー効果が効果的に発揮され、第2の領域における形状の安定性も向上し、トナー粒子全体としての安定性(耐久性)は、特に優れたものとなる。
このように、本発明は、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを組み合わせて用い、さらに、着色剤を所定の領域に偏在させることにより、これらが相乗的に作用し、幅広い温度領域での定着性を十分に保持しつつ、トナー全体としての耐久性を特に優れたものとすることができる点に特徴を有する。
【0117】
また、第1の領域中における着色剤の濃度(含有率)をC[vol%]、第2の領域中における着色剤の濃度(含有率)をC[vol%]としたとき、0.1≦C/C≦1の関係を満足するのが好ましく、0.1≦C/C≦0.5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0118】
これに対し、C/Cの値が前記下限値未満であると、相対的に第2の領域中における着色剤の濃度が高くなりすぎ、前述したような問題が発生する可能性がある。また、このような問題を回避するために、第2の領域中における着色剤の濃度を比較的低くすると、トナー全体に含まれる着色剤の含有量が少なくなり、前述したような着色剤の機能が十分に発揮されない可能性がある。
【0119】
また、C/Cの値が前記上限値を超えると、相対的に第1の領域中における着色剤の濃度が高くなりすぎ、前述したような効果が十分に得られない可能性がある。また、このような問題を回避するために、第1の領域中における着色剤の濃度を比較的低くすると、トナー全体に含まれる着色剤の含有量が少なくなり、前述したような着色剤の機能が十分に発揮されない可能性がある。
【0120】
また、第1の領域は、トナー粒子中に微分散した状態で存在しているのが好ましい。これにより、第1の領域と第2の領域との間で強度や帯電性の特性差が現れにくくなり、耐久性や帯電安定性がさらに向上する。具体的には、第1の領域は、その大きさ(平均粒径)が、2μm以下に微分散しているのが好ましく、0.05〜1μmに微分散しているのがより好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0121】
トナー中に含まれる全着色剤のうち、第1の領域中に含まれる着色剤の割合は、49vol%以下であるのが好ましく、40vol%以下であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
また、トナー中に含まれる全着色剤のうち、第2の領域中に含まれる着色剤の割合は、51〜90vol%であるのが好ましく、60〜90vol%であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。これに対し、第2の領域中における着色剤の濃度が前記下限値未満であると、第1の領域中における着色剤の濃度や前記結晶の大きさ等によっては、前述した効果が十分に得られない可能性がある。また、第2の領域中における着色剤の濃度が前記上限値を超えると、着色剤によるフィラー効果が飽和し、さらなる耐久性の向上を図るのが困難となり、また、第2の領域中における着色剤の濃度が極端に高くなると、むしろトナーの耐久性を低下させてしまう。
【0122】
また、本発明のトナー(トナー粉末)は、下記式(I)で表される平均円形度Rが0.91〜0.98であるのが好ましく、0.93〜0.98であるのがより好ましい。平均円形度Rが0.91未満であると、個々のトナー粉末間での帯電特性の差を十分に小さくするのが困難となり、感光体上への現像性が低下する傾向を示す。また、平均円形度Rが小さすぎると、感光体上へのトナーの付着(フィルミング)が発生しやすくなり、トナーの転写効率が低下する場合がある。一方、平均円形度Rが0.98を超えると、転写効率や機械的強度は増す反面、造粒(粒子同士の接合)が促進されることで平均粒子径が大きくなる等の問題がある。また、平均円形度Rが0.98を超えると、例えば、感光体等に付着したトナーをクリーニングにより除去するのが困難となる。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
【0123】
また、トナーの平均粒径は、3〜12μmであるのが好ましく、5〜10μmであるのがより好ましい。トナーの平均粒径が前記下限値未満であると、トナー粒子間での融着等が起こり易くなる。一方、トナーの平均粒径が前記上限値を超えると、印刷物の解像度が低下する傾向を示す。
また、トナー中のポリエステル系樹脂の含有量は、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。ポリエステル系樹脂の含有量が前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、ポリエステル系樹脂の含有量が前記上限値を超えると、着色剤等の成分含有量が相対的に低下し、発色性等の特性発揮が困難となる場合がある。
【0124】
また、トナー中にワックスが含まれる場合、その含有量は、特に限定されないが、5wt%以下であるのが好ましく、3wt%以下であるのがより好ましく、0.5〜3wt%であるのがさらに好ましい。ワックスの含有量が多すぎると、ワックスが遊離、粗大化し、トナー表面へのワックスのしみ出し等が顕著に起こり、トナーの転写効率を十分に高めるのが困難になる可能性がある。
トナーの物性としての酸価は、トナーの環境特性(特に、耐湿性)を左右する要因の一つである。トナーの酸価は、8KOHmg/g以下であるのが好ましく、1KOHmg/g以下であるのがより好ましい。トナーの酸価が8KOHmg/g以下であると、トナーの環境特性(特に耐湿性)は特に優れたものとなる。
【0125】
また、本発明のトナーは、後述するようなニップ部を有する定着装置で用いられる場合、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量が、500[Pa]以下であるのが好ましく、100[Pa]以下であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、オフセット等の不都合をより生じ難いものとなる。
【0126】
また、本発明のトナーは、後述するような定着ニップ部を有する定着装置で用いた場合において、トナー粒子が定着ニップ部を通過するのに要する時間をΔt[秒]、トナーの0.01秒での緩和弾性率を初期緩和弾性率G(0.01)とし、さらに、トナーのΔt秒での緩和弾性率をG(Δt)としたとき、G(0.01)/G(Δt)≦10の関係を満足するのが好ましく、1≦G(0.01)/G(Δt)≦8の関係を満足するのがより好ましく、1≦G(0.01)/G(Δt)≦6の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、トナー粒子の弾性率低下によるトナーの泣き別れ、オフセットが特に発生し難くなる。これに対し、G(0.01)/G(Δt)が10を超えると、トナーの泣き別れ、オフセットが発生し易くなる。トナーの緩和弾性率は、例えば、トナーの構成材料の組成(例えば、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステルの分子量、モノマー成分、ランダム性や、ワックス、外添剤の組成、各構成成分の含有量等)や、第1の領域および第2の領域中における着色剤の濃度(含有率)、トナーの製造条件(例えば、混練工程における原料温度、混練時間や、冷却工程における混練物の冷却速度、熱球形化工程における処理温度等)により、調節することができる。
【0127】
また、前述したように、本発明のトナー中には、通常、主としてブロックポリエステルの結晶性ブロックにより構成された結晶が存在する。
このような結晶は、その平均長さ(長手方向の平均長さ)が10nm以上であるのが好ましく、10〜1000nmであるのがより好ましく、50〜700nmであるのがさらに好ましい。結晶の長さがこのような条件を満足するものであると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し特に優れた安定性(耐久性)を示すものとなる。特に、トナー粒子(トナー母粒子)の表面付近に、外添剤がより確実に保持されることとなり(外添剤が母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、トナー粒子は、現像装置等における安定性に特に優れたものとなり、また、フィルミング等の発生を生じ難いものとなる。
【0128】
特に、トナーがルチルアナターゼ型の酸化チタンを含むものである場合、次の関係を満足するのが好ましい。すなわち、略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD[nm]、結晶の平均長さをL[nm]としたとき、0.01≦D/L≦2の関係を満足するのが好ましく、0.02≦D/L≦1の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、前述したような効果を十分に発揮しつつ、母粒子中に埋没し難いものとなる。その結果、トナーは、前述した機能を十分に保持し、かつ、機械的ストレスに対する安定性が特に優れたものになる。
なお、結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、小角X線散乱測定等により測定することができる。
【0129】
また、本発明のトナーは、非磁性一成分系のトナーに適用されるものであるのが好ましい。非磁性一成分系のトナーは、一般に、後述するような規制ブレードを有する画像形成装置に適用される。したがって、機械的ストレスに強い本発明のトナーは、非磁性一成分系のトナーとして用いたときに、前述したような効果をより顕著に発揮することができる。
【0130】
また、本発明のトナーが用いられる定着装置は、特に限定されないが、後述するような接触型の定着装置に用いられるものであるのが好ましい。これにより、ブロックポリエステルの結晶による定着ローラとの高い離型性と、低粘度の非晶性ポリエステルによる定着性(定着強度)向上効果の、双方の利点が十分に発揮され、幅広い定着良好域が確保される。
【0131】
次に、本発明のトナーが好適に適用される定着装置、画像形成装置について説明する。
図5は、本発明の画像形成装置(本発明のトナーが好適に適用される画像形成装置)の好適な実施形態を示す全体構成図、図6は、図5の画像形成装置が有する現像装置の断面図、図7は、図5の画像形成装置に用いられる本発明の定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図、図8は、図7の定着装置の要部断面図、図9は、図7の定着装置を構成する剥離部材の斜視図、図10は、図7の定着装置を構成する剥離部材の取付状態を示す側面図、図11は、図7の定着装置を上面から見た正面図、図12は、定着ニップ部の出口における接線に対する、剥離部材の配置角度を説明するための模式図、図13は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、定着ニップ部の形状を模式的に示す図、図14は、図13(a)のX−X線における断面図、図15は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、定着ニップ部の形状を模式的に示す図、図16は、図15(a)のY−Y線における断面図、図17は、定着ローラと、剥離部材とのギャップを説明するための断面図である。
【0132】
画像形成装置1000の装置本体20内には、感光体ドラムからなる像担持体30が配設され、図示しない駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。この像担持体30の周囲には、その回転方向に沿って、像担持体(感光体)30を一様に帯電するための帯電装置40、像担持体30上に静電潜像を形成するための露光装置50、静電潜像を現像するためのロータリー現像装置60、像担持体30上に形成された単色のトナー像を一次転写するための中間転写装置70が配設されている。
【0133】
ロータリー現像装置60は、イエロー用現像装置60Y、マゼンタ用現像装置60M、シアン用現像装置60Cおよびブラック用現像装置60Kが支持フレーム600に装着され、支持フレーム600は図示しない駆動モータにより回転駆動される構成になっている。これらの複数の現像装置60Y、60C、60M、60Kは、像担持体30の1回転毎に選択的に一つの現像装置の現像ローラ604が像担持体30に対向するように回転移動するようにされている。なお、各現像装置60Y、60C、60M、60Kには、各色のトナーが収納されたトナー収納部が形成されている。
現像装置60Y、60C、60M、60Kは、いずれも同一の構造を有している。したがって、ここでは現像装置60Yの構造について説明するが、現像装置60C、60M、60Kについても、構造、機能は同様である。
【0134】
図6に示すように現像装置60Yでは、その内部にトナーTを収容するハウジング601に供給ローラ603および現像ローラ604が軸着されており、当該現像装置60Yが上記した現像位置に位置決めされると、「トナー担持体」として機能する現像ローラ604が像担持体(感光体)30と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向位置決めされるとともに、これらのローラ603、604が本体側に設けられた回転駆動部(図示省略)と係合されて所定の方向に回転するように構成されている。この現像ローラ604は、現像バイアスを印加されるべく銅、ステンレス、アルミニウム等の金属または合金により円筒状に形成されている。
【0135】
また、現像装置60Yでは現像ローラ604の表面に形成されるトナー層の厚みを所定厚みに規制するための規制ブレード605が配置されている。この規制ブレード605は、ステンレスやリン青銅などの板状部材605aと、板状部材605aの先端部に取り付けられたゴムや樹脂部材などの弾性部材605bとで構成されている。この板状部材605aの後端部はハウジング601に固着されており、現像ローラ604の回転方向D3において、板状部材605aの先端部に取り付けられた弾性部材605bが板状部材605aの後端部よりも上流側に位置するように配設されている。
【0136】
中間転写装置70は、駆動ローラ90および従動ローラ100と、両ローラにより図示矢印方向に駆動される中間転写ベルト110と、中間転写ベルト110の裏面で像担持体30に対向して配設された一次転写ローラ120と、中間転写ベルト110上の残留トナーを除去する転写ベルトクリーナ130と、駆動ローラ90に対向して配設され、中間転写ベルト110に形成された4色フルカラー像を記録媒体(紙等)上に転写するための二次転写ローラ140とからなっている。
【0137】
装置本体20の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
上記構成からなる画像形成装置1000の作用について説明する。図示しないコンピュータからの画像形成信号が入力されると、像担持体30、現像装置60の現像ローラ604および中間転写ベルト110が回転駆動し、先ず、像担持体30の外周面が帯電装置40によって一様に帯電され、一様に帯電された像担持体30の外周面に、露光装置50によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、イエローの静電潜像が形成される。
【0138】
一方、現像装置60Yでは、2つのローラ603、604が接触しながら回転することで、イエロートナーが現像ローラ604の表面に擦り付けられて所定の厚みのトナー層が現像ローラ604の表面に形成される。そして、規制ブレード605の弾性部材605bが現像ローラ604の表面に弾性的に当接して、現像ローラ604の表面上のトナー層を、所定の厚みに規制する。
【0139】
像担持体30上に形成された潜像位置には、イエロー用現像装置60Yが回動してその現像ローラ604が当接し、これによってイエローの静電潜像のトナー像が像担持体30上に形成され、次に、像担持体30上に形成されたトナー像は一次転写ローラ120により中間転写ベルト110上に転写される。このとき、二次転写ローラ140は中間転写ベルト110から離間されている。
【0140】
上記の処理が画像形成信号の第2色目、第3色目、第4色目に対して、像担持体30と中間転写ベルト110の1回転による潜像形成、現像、転写が繰り返され、画像形成信号の内容に応じた4色のトナー像が中間転写ベルト110上において重ねられて転写される。そして、このフルカラー画像が二次転写ローラ140に達するタイミングで、記録媒体が搬送路170から二次転写ローラ140に供給され、このとき、二次転写ローラ140が中間転写ベルト110に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写される。そして、この記録媒体上に転写されたトナー像は定着装置190により加熱加圧され定着される。中間転写ベルト110上に残留しているトナーは転写ベルトクリーナ130によって除去される。
【0141】
なお、両面印刷の場合には、定着装置190を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て、二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置190により加熱加圧され定着される。
図5において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結ぶ線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
【0142】
次に定着装置190について、詳細に説明する。
図7および図11において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着され、定着ローラ210の一端には駆動ギヤ280が連結されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
【0143】
図8において、定着ローラ210は、内部にハロゲンランプ等の熱源210aを有する金属製の筒体210b、筒体210bの外周に設けられたシリコンゴム等からなる弾性層210cと、弾性層210cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂(例えばパーテトラフロロエチレン(PTFE))よりなる表層(図示せず)と、筒体210bに固定された回転軸210dとから構成されている。
【0144】
加圧ローラ220は、金属製の筒体220bと、筒体220bに固定された回転軸220dと、回転軸220dを軸支持する軸受250と、定着ローラ210と同様に、筒体220bの外周に設けられた弾性層220cと、弾性層220cの表面に被覆されたフッ素ゴム、フッ素樹脂よりなる表層(図示せず)とから構成されている。定着ローラ210の弾性層210cの厚みは、加圧ローラ220の弾性層220cの厚みより極端に小さくし、これにより加圧ローラ220側が凹状にへこむような定着ニップ部(ニップ部)340が形成されている。
【0145】
図7および図8に示すように、ハウジング240の両側面には、支持軸290、300が設けられており、この支持軸290、300にそれぞれ定着ローラ210側の剥離部材310と加圧ローラ220側の剥離部材320が回動自在に装着されている。これにより、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向で定着ニップ部340の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320が配設されることになる。
【0146】
定着ローラ210側の剥離部材310は、図9および図10に示すように、樹脂シートまたは金属シートを基材とし、該基材表面にフッ素系樹脂層を形成している。剥離部材310は、プレート状の剥離部(基材)310aと、剥離部310aの後方で定着ローラ210側にL字状に折曲された折曲部310bと、剥離部310aの両側端で下方向に折曲された支持片310cと、支持片310cに形成された嵌合穴310dと、剥離部310aの両側端前方に延設されたガイド部310eとから構成されている。
【0147】
剥離部310aは、定着ニップ部340の出口(ニップ出口341)に向けて傾斜するように配置され、剥離部310aの先端は定着ローラ210に非接触でかつ近接されている。支持片310cの嵌合穴310dには、図8で説明した支持軸290が嵌合されている。ガイド部310eは、スプリング330によりハウジング240に付勢され、これによりガイド部310eの先端は定着ローラ210に当接されており、その結果、剥離部310aの先端と定着ローラ210表面との間のギャップが常時一定になるようにされている。
【0148】
加圧ローラ220側の剥離部材320は、定着ローラ210側の剥離部材と同様の形状であるが、図7および図8に示すように、剥離部320aの先端は剥離部310aの先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置されている。また、ガイド部320eの先端は加圧ローラ220の軸受250の周面にP点で当接されており、これにより、剥離部320aの先端と加圧ローラ220表面との間のギャップが常時一定になるようにされている。
【0149】
本実施形態では、図7および図8に示すように、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸方向でニップ部340の記録媒体搬送方向下流側に剥離部材310、320を配設している。定着ローラ210側の剥離部材310の先端は、ニップ部340の出口に向けて傾斜するように配置され、定着ローラ210に非接触でかつ近接されている。加圧ローラ220側の剥離部材320の先端は、定着ローラ210側の剥離部材310の先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置されている。
【0150】
図10に示すように、定着ローラ210側の剥離部材310は、そのガイド部310eが、スプリング330によりハウジング240に付勢され、これによりガイド部310eの先端は定着ローラ210に当接されており、その結果、剥離部310aの先端と定着ローラ210表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。
【0151】
加圧ローラ220側の剥離部材320は、定着ローラ210側の剥離部材と同様の形状であり、図7および図8に示すように、剥離部320aの先端は剥離部310aの先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、また、ガイド部320eの先端は加圧ローラ220の軸受250の表面にP点で当接されており、これにより剥離部320aの先端と加圧ローラ220表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。そのために、図11に示すように、加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられ、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。
【0152】
両面印刷の場合、片面に印刷された記録媒体は定着ローラ210側の剥離部材310により剥離された後、記録媒体の後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着ローラ210により加熱加圧され定着され、このとき、加圧ローラ220に付着し巻き付いてしまう記録媒体は、加圧ローラ220側の剥離部材320により剥離されることになる。
【0153】
上記のように、本実施形態の定着装置では、定着ローラおよび加圧ローラの軸方向かつ定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に、定着ローラおよび加圧ローラに近接して配設される剥離部材を備え、前記定着ローラ側の剥離部材の位置決めは定着ローラ表面で行い、前記加圧ローラ側の剥離部材の位置決めは加圧ローラの軸受表面で行うので、定着ローラおよび加圧ローラからの記録媒体の剥離性を向上させることができる。
【0154】
また、本実施形態では、図12に示すように、定着ローラ210と加圧ローラ220とを略水平状態に配置し、記録媒体500を定着ニップ部340から上方に排出する方式を採用しているが、定着ニップ部340のニップ出口341の接線Sに対する、剥離部材310の配置角度θを、−5〜25°の範囲に設定するのが好ましい。定着ニップ部340のニップ出口341の接線Sに対する、剥離部材310の配置角度θをこのような範囲の値に設定することにより、画像にすじが発生し難くなり、また、剥離性が良好になる。なお、配置角度θは、定着ローラ210側を「+」、加圧ローラ側を「−」とする。
【0155】
また、定着ローラ210、加圧ローラ220は、例えば、それぞれの軸方向において外径寸法が略一定のもの(略円筒形状を有するものであってもよいが、外径寸法が両端部付近で小さく中央部付近で大きい、いわゆるクラウン形状や、外径寸法が両端部付近で大きく中央部付近で小さい、いわゆる逆クラウン形状等を有するものであってもよい。
【0156】
例えば、定着ローラ210、加圧ローラ220が図13に示すように、逆クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図14に示すようなものであるのが好ましい。また、定着ローラ210、加圧ローラ220が図15に示すように、クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図16に示すようなものであるのが好ましい。
【0157】
このように、定着ローラ210に沿って配設された剥離部材310がニップ部340のニップ出口341の形状に沿う形状を有するものであると、剥離の際に、剥離部材310の定着ローラ210側の側縁と、記録媒体との接点が増え、両者の接触圧力が一部に集中することに起因する弊害、例えば、記録媒体の巻きこみや形成された画像における乱れ、すじの発生等を効果的に防止、抑制することができる。
【0158】
また、図17に示すように、定着装置190では、定着ローラ210の軸方向の端部付近における、定着ローラ210と剥離部材310とのギャップG2[μm]が、定着ローラ210の軸方向の中央部付近における、定着ローラ210と剥離部材310とのギャップG1[μm]より大きくなっているのが好ましい。このような関係を満足することにより、以下のような効果が得られる。
【0159】
すなわち、剥離部材310は、その長さ方向の中央部付近で、定着ローラ210とのギャップが小さいため、剥離性を大きく損なうことなく、ギャップ管理を簡便にでき、また、定着装置190の製造も容易になる。また、異物の侵入や紙詰まりが発生した場合であっても、これらによる剥離部材310や定着ローラ210へのダメージを生じ難く、剥離部材310、定着ローラの耐久性、信頼性が向上し、定着装置190、画像形成装置1000としての耐久性、信頼性も向上する。なお、上記のようなG1とG2との関係は、例えば、剥離部材310を弓型形状にしたり、剥離部材310の先端部310fを弓型形状にしたり、定着ローラ210をクラウン形状にすることにより満足させることができる。
【0160】
上記のような定着装置においては、定着ニップ部340の長さは、トナー粒子が前記定着ニップ部340を通過するのに要する時間が0.02〜0.2秒となるようなものであるのが好ましく、0.03〜0.1秒であるのがより好ましい。トナー粒子が前記定着ニップ部340を通過するのに要する時間がこのような範囲の値であると、トナーが溶融温度まで昇温され、かつ溶融しすぎず定着ローラへの離型性が十分に確保される。
【0161】
また、定着装置190は、高速印刷(高速定着、高速画像形成)に適したものであり、具体的には、記録媒体500の送り速度(繰り出し速度)が0.05〜1.0m/秒であるのが好ましく、0.2〜0.5m/秒であるのがより好ましい。このように、本発明では、比較的高速で記録媒体500にトナーを定着した場合であっても、画像にすじや乱れが発生するのを防止することができ、また、記録媒体500の巻きこみ等の剥離不良を発生し難い。
【0162】
また、運転時における、定着ニップ部340の温度は、100〜220℃であるのが好ましく、120〜200℃であるのがより好ましい。定着ニップ部340の温度がこのような範囲の値であると、紙通過時の温度低下(温度ドロップ)によるトナーの定着強度の低下を十分に防止することができる。
また、運転時における、定着設定温度(定着ローラ210表面の設定温度)は、110〜220℃であるのが好ましく、130〜200℃であるのがより好ましい。定着ローラ210の設定温度がこのような範囲の値であると、トナーの定着強度確保と昇温時間(ウォームアップタイム)の短縮が両立できる。
【0163】
以上説明したような定着装置190は、上述したように、高速印刷(高速定着、高速画像形成)に適している。しかしながら、このような定着装置では、トナーの定着した記録媒体が剥離部材に接触する際にもトナーが高温状態になっているため、従来のトナーを用いた場合には、剥離部材との接触により、定着画像に乱れやすじを生じる可能性がある。また、定着したトナーが溶融した状態(低粘度の状態)で剥離部材と接触すると、記録媒体を確実に剥離するのが困難になる可能性もある。
【0164】
その一方で、前述した定着装置190は、本発明のトナーを好適に適用することができる。すなわち、本発明のトナーは、軟化点が比較的低い非晶性ポリエステルを含んでいるため、定着ニップ部340を通過する際に記録媒体に確実に定着されるものであるとともに、本発明のトナーは、結晶性ブロックを有するブロックポリエステルを含み、かつ、着色剤が主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域中に偏在している。このため、トナーの内部(第1の領域の内部)に、高硬度で適度な大きさを有する結晶が析出したものになり易い。このような結晶が存在することにより、定着時のように比較的高い温度となる場合においても、トナーの溶融粘度を所定値より低くさせないようにすることができ、定着時等においても部分的に硬いサイトが存在することになる。その結果、トナーの定着画像が、剥離部材と接触した場合においても、形成された画像に乱れやすじを生じ難い。また、本発明のトナーが定着された記録媒体では、剥離不良が特に起こり難く、剥離部材により定着ローラから確実に剥離される。
【0165】
[トナーの製造方法]
次に、本発明のトナーの製造方法の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明のトナーの製造方法の第1実施形態に用いる混練機、冷却機の構成を模式的に示す縦断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する(後述する図18についても同様)。
【0166】
<1A>第1の混練工程(第1の混練処理)
まず、上記材料のうち少なくとも非晶性ポリエステルと着色剤とを含む第1の原料7を混練して、第1の混練物8を得る(第1の混練工程)。第1の混練工程に供する第1の原料7は、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合器で、予め均一に混合されたものであるのが好ましい。
【0167】
第1の混練工程(第1の混練処理)は、図1に示すような混練機1を用いて行うことができる。
混練機1は、第1の原料7を搬送しつつ混練するプロセス部12と、混練により得られた第1の混練物8を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部13と、プロセス部12内に第1の原料7を供給するフィーダー14とを有している。
【0168】
プロセス部12は、バレル121と、バレル121内に挿入されたスクリュー122、123と、バレル121の先端にヘッド部13を固定するための固定部材124とを有している。
プロセス部12では、スクリュー122、123が、回転することにより、フィーダー14から供給された第1の原料7に剪断力が加えられ、第1の原料7を構成する各成分が十分均一に分散した第1の混練物8が得られる。
【0169】
第1の混練工程における原料温度TK1は、第1の原料7の組成、軟化点等により異なるが、80〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましい。原料温度が前記下限値未満であると、第1の原料7の粘度が高くなり過ぎて、各構成成分が十分均一に分散するように混練することが困難となる。一方、原料温度が前記上限値を超えると、材料の熱分解、酸化劣化等の発生や、凝集、マクロ相分離等が発生し易くなり、最終的に得られるトナーの機能が低下する場合がある。
なお、本実施形態においては、第1の原料7は、少なくとも非晶性ポリエステルと着色剤とを含むものであればよく、これら以外の成分を含むものであってもよい。例えば、第1の原料7は、その構成成分の一部として、後述する第2の原料9中に含まれるブロックポリエステルを含むものであってもよい。
【0170】
<1B>押出工程
第1の混練工程で得られた第1の混練物8は、スクリュー122、123の回転により、ヘッド部13を介して、混練機1の外部に押し出される。
ヘッド部13は、プロセス部12から第1の混練物8が送り込まれる内部空間131と、第1の混練物8が押し出される押出口132とを有している。
【0171】
図示の構成では、内部空間131は、押出口132の方向に向かって、その横断面積が漸減する横断面積漸減部133を有している。
このような横断面積漸減部133を有することにより、押出口132から押し出される第1の混練物8の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における第1の混練物8の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
【0172】
<1C>冷却工程
ヘッド部13の押出口132から押し出された軟化した状態の第1の混練物8は、冷却機6により冷却され、固化する。
冷却機6は、ロール61、62、63、64と、ベルト65、66とを有している。
ベルト65は、ロール61とロール62とに巻掛けられている。同様に、ベルト66は、ロール63とロール64とに巻掛けられている。
【0173】
ロール61、62、63、64は、それぞれ、回転軸611、621、631、641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機1の押出口132から押し出された第1の混練物8は、ベルト65−ベルト66間に導入される。ベルト65−ベルト66間に導入された第1の混練物8は、略均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された第1の混練物8は、排出部67から排出される。ベルト65、66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
【0174】
<1D>粗粉砕工程
上述したような冷却工程を経た第1の混練物8を、必要に応じて粗粉砕する。粗粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ハンマーミル、ピンミル、フェザーミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
【0175】
このような粗粉砕工程により、第1の混練物は、通常、開口径が数mmのメッシュを通過する程度まで粗粉砕される。粉砕された第1の混練物は、その平均粒径が3mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがより好ましい。第1の混練物の平均粒径がこのような値であると、後述する第2の混練工程において、十分均一に微分散させることができる。その結果、最終的に得られるトナーは、各粒子間での特性のバラツキの小さいものとなり、トナー全体としての信頼性が向上する。
なお、第1の混練工程は上述の工程(1A〜1D)である必要はなく、フラッシング顔料を用いた湿式混練法であってもよい。
【0176】
<1E>第2の混練工程(第2の混練処理)
次に、上記のようにして得られた第1の混練物8と、少なくともブロックポリエステルを含む第2の原料9とを混練して、第2の混練物10を得る(第2の混練工程)。第2の混練工程に供する、第1の混練物8、第2の原料9は、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合器で、予め均一に混合されたものであるのが好ましい。
【0177】
このように、混練工程を2段階に分けて行うことにより、第2の混練物10(後述するトナー製造用粉末も同様)を、その内部に、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを有し、かつ、第2の領域中における着色剤の濃度が第1の領域中における着色剤の濃度より高いもの(着色剤が第2の領域に偏在しているもの)として好適に得ることができる。そして、このような第2の混練物10を用いることにより、本発明のトナー、すなわち、第2の領域中に含まれる着色剤の濃度が、第1の領域中に含まれる着色剤の濃度より高いトナーを、容易かつ確実に得ることができる。
第2の混練工程(第2の混練処理)は、前述した第1の混練工程と同様に、図1に示すような混練機1を用いて行うことができる。
【0178】
フィーダー14内に貯留された第1の混練物8および第2の原料9は、プロセス部12内に供給される。プロセス部12内に供給された第1の混練物8および第2の原料9は、スクリュー122、123が、回転することにより、混練され、第2の混練物10が得られる。
第2の混練工程における原料温度(第1の混練物8、第2の原料9の温度)TK2は、第1の混練物8、第2の原料9の組成、軟化点等により異なるが、80〜260℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましい。原料温度が前記下限値未満であると、原料(第1の混練物8、第2の原料9)の粘度が高くなり過ぎて、十分均一に微分散(ミクロ相分離)させることが困難になる。一方、原料温度が前記上限値を超えると、材料の熱分解、酸化劣化等の発生や、凝集、マクロ相分離等が発生し易くなり、最終的に得られるトナーの機能を十分に高いものにするのが困難になる可能性がある。
【0179】
また、非晶性ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]、ブロックポリエステルの融点をT(B)[℃]、第2の混練工程における材料温度(混練温度)をTK2[℃]としたとき、T(B)>TK2>T1/2(A)の関係を満足するのが好ましい。このような関係を満足することにより、第1の領域と第2の領域とを適度な大きさに相分離(ミクロ分離)させることができ、かつ、第1の混練物8中に含まれる着色剤が第1の領域中に移行するのを効果的に防止することができる。その結果、得られる第2の混練物10中において、第1の領域中に含まれる着色剤の含有率に対する第2の領域中に含まれる着色剤の含有率の比を特に大きくすることができる。その結果、最終的に得られるトナーにおいて、上述した効果がより顕著なものとなる。
なお、本実施形態においては、第2の原料9は、少なくともブロックポリエステルを含むものであればよく、これら以外の成分を含むものであってもよい。例えば、第2の原料9は、その構成成分の一部として、第1の原料7中に含まれる非晶性ポリエステルを含むものであってもよい。
【0180】
<1F>押出工程
第2の混練工程で得られた第2の混練物10は、スクリュー122、123の回転により、ヘッド部13を介して、混練機1の外部に押し出される。
図示の構成では、内部空間131は、押出口132の方向に向かって、その横断面積が漸減する横断面積漸減部133を有している。
【0181】
このような横断面積漸減部133を有することにより、押出口132から押し出される第2の混練物10の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における第2の混練物10の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
【0182】
<1G>冷却工程
ヘッド部13の押出口132から押し出された軟化した状態の第2の混練物10は、冷却機6により冷却され、固化する。
ロール61、62、63、64が、それぞれ、回転軸611、621、631、641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転することにより、混練機1の押出口132から押し出された第2の混練物10は、ベルト65−ベルト66間に導入される。ベルト65−ベルト66間に導入された第2の混練物10は、略均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された第2の混練物10は、排出部67から排出される。
【0183】
ところで、前記第2の混練工程では、原料(第2の混練物)に剪断力が加わっているため、マクロ相分離等が十分防止されているが、第2の混練工程を終えた第2の混練物は、剪断力が加わらなくなるので、長期間放置しておくと、マクロ相分離等を起こしてしまう可能性がある。従って、上記のようにして得られた第2の混練物は、できるだけ早く冷却するのが好ましい。具体的には、第2の混練物の冷却速度(例えば、第2の混練物が60℃程度まで冷却される際の冷却速度)は、−3℃/秒以上であるが好ましく、−5〜−100℃/秒であるのがより好ましい。また、第2の混練工程の終了時(剪断力が加わらなくなった時点)から冷却工程が完了するまでに要する時間(例えば、第2の混練物の温度を60℃以下に冷却するのに要する時間)は、20秒以下であるのが好ましく、3〜12秒であるのがより好ましい。
【0184】
<1H>造粒工程
上述したような冷却工程を経た第2の混練物10を造粒することにより、トナー製造用粉末を得る。
本実施形態においては、造粒工程は、以下に説明するような粉砕工程と、熱球形化工程とを有する。なお、熱球形化工程は、必ずしも行わなくてよい。
【0185】
(1)粉砕工程
まず、上述したような冷却工程を経た第2の混練物10を粉砕する。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ハンマーミル、ジェットミル、ピンミル、フェザーミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
【0186】
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。
また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
【0187】
また、得られたトナー製造用粉末に対しては、後述する熱球形化工程の前処理として、外添剤を付与する外添処理を施してもよい。このような前処理としての外添処理を行うことにより、トナー粒子の流動性と分散性が向上し、熱によるトナー同士の融着をより確実に防止・抑制することができる。なお、このような前処理としての外添処理には、上述したような外添剤を用いることができる。また、このような前処理としての外添処理は、後述するような、熱球形化処理の後工程としての外添工程と同様に、ヘンシェルミキサー等を用いることにより好適に行うことができる。
【0188】
(2)熱球形化工程(熱球形化処理)
次に、上記粉砕工程で得られた粉末(トナー製造用粉末)を加熱して球形化する熱球形化処理を施す。
このような熱球形化処理を施すことにより、トナー製造用粉末の表面上の比較的大きな凹凸が除去され、円形度が比較的高いものとなる。これにより、最終的に得られるトナーは、個々のトナー粉末間での帯電特性の差が小さいものとなり、感光体上への現像性が向上するとともに、感光体上へのトナーの付着(フィルミング)がより効果的に防止され、トナーの転写効率がさらに向上する。
【0189】
特に、本発明では、結晶性ブロックを有するブロックポリエステルを含むため(主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域を含むため)、熱球形化処理時において、トナー製造用粉末の形状の安定性をある程度確保しつつ、非晶性ポリエステルを十分に軟化させることができる。したがって、本発明では、ブロックポリエステルを含まない原料を用いた場合に比べて、熱球形化処理を効率良く行うことができ、比較的容易に、最終的に得られるトナー(トナー粒子)の円形度を比較的高いものとすることができる。また、その結果、上述した熱球形化処理による効果をより効果的に発揮させることができる。
【0190】
熱球形化処理は、前記粉砕工程で得られたトナー製造用粉末を、例えば、圧縮空気等を用いて、加熱雰囲気下に噴射することにより行うことができる。このときの雰囲気温度は、210〜320℃であるのが好ましく、230〜300℃であるのがより好ましい。雰囲気温度が前記下限値未満であると、円形度を十分に高めるのが困難になる場合がある。一方、雰囲気温度が前記上限値を超えると、材料の熱分解、酸化劣化等の発生や、凝集、相分離等が発生し易くなり、最終的に得られるトナーの機能が低下する場合がある。
【0191】
また、ブロックポリエステルの融点をT(B)[℃]、非晶性ポリエステルの軟化点をT1/2(A)[℃]としたとき、熱球形化工程時における雰囲気温度T[℃]は、(T1/2(A)+120)≦T≦(T(B)+90)の関係を満足するのが好ましく、(T1/2(A)+140)≦T≦(T(B)+70)の関係を満足するのがより好ましい。このような雰囲気温度Tで熱球形化処理を行うことにより、材料の熱分解、酸化劣化等の発生や、凝集、相分離等の発生を十分に防止しつつ、得られるトナー粒子の円形度を比較的高いものにすることができる。
【0192】
このような処理を施すことにより、最終的に得られるトナー(トナー粉末)の平均円形度Rを、容易かつ確実に、前述したような範囲の値に制御することができる。
また、このような熱球形化工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。
また、このような熱球形化処理は液体中で行っても良い。
なお、熱球形化処理は必ずしも行なわなくてもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
【0193】
<1I>外添工程(外添処理)
次に、熱球形化されたまたは、熱球形化されていない、粉砕分級されたトナー製造用粉末に、上述したような外添剤を付与する。
このような外添剤の付与は、例えば、ヘンシェルミキサー等を用いて、トナー製造用粉末と外添剤とを混合すること等により好適に行うことができる。
【0194】
また、このようにして得られるトナー粉末は、外添剤の被覆率(トナー粒子の表面積のうち外添剤が被覆する面積割合であり、外添剤の平均粒径相当の球がトナー平均粒径相当の球を6方細密充填で被覆するとしたときの計算上の被覆率)が100〜300%であるのが好ましく、120〜220%であるのがより好ましい。外添剤の被覆率が前記下限値未満であると、前述したような外添剤の効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、外添剤の被覆率が前記上限値を超えると、トナーの定着性が低下する傾向を示す。
【0195】
また、外添剤は、トナー中において、実質的に、その全てがトナー粒子(母粒子)に付着した状態になっていてもよいし、その一部がトナー粒子の表面から遊離していてもよい。すなわち、トナー中には、トナー粒子から遊離した外添剤が含まれていてもよい。
このように、トナー中に、母粒子から遊離した外添剤(以下、「遊離外添剤」とも言う)が含まれると、このような遊離外添剤を、例えば、トナー粒子とは反対の極性に帯電するマイクロキャリアとして機能させることができる。このようなマイクロキャリアとして機能する遊離外添剤がトナー中に含まれると、現像時等に逆帯電性のトナー粒子(トナー粒子が帯電時に本来示すべき極性とは反対の極性に帯電するトナー粒子)が発生するのを効果的に防止、抑制することができる。その結果、トナーは、いわゆるカブリ等の不都合を生じ難いものとなる。
【0196】
トナー粒子から遊離した外添剤の量は、例えば、電子写真学会年次大会(通算95回)"Japan Hardcopy'97"論文集、「新しい外添評価方法−パーティクルアナライザによるトナー分析−」(鈴木俊之、高原寿雄、電子写真学会主催、1997年7月9〜11日)に開示されている方法を適用して、測定することができる。以下、外添剤として(ルチルアナターゼ型の)酸化チタンを用いた場合のパーティクルアナライザ(PT1000)による遊離外添剤量の測定方法の一例について説明する。
【0197】
この測定方法は、樹脂(C)からなる母粒子の表面に酸化チタン(TiO2)からなる外添剤を付着させて形成されたトナーTの粒子をプラズマ中に導入することにより、トナー粒子を励起させ、この励起に伴う発光スペクトルを得、元素分析を行うことにより測定する方法である。
まず、トナー製造用粉末(母粉末)に外添剤(TiO2)が付着したトナー粒子がプラズマに導入すると、母粒子(C)および外添剤(TiO2)がともに発光する。このとき、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同時にプラズマに導入されることから、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とは同時に発光するようになる。このように、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同時に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期しているという。換言すれば、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期した状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着している状態を表すことになる。
【0198】
また、外添剤(TiO2)が付着していない母粒子(C)や母粒子(C)から遊離した外添剤(TiO2)がプラズマに導入される場合は、前述と同様に母粒子(C)および外添剤(TiO2)はいずれも発光するが、このとき、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが異なる時間にプラズマに導入されることから、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とは異なる時間に発光するようになる(例えば、母粒子が外添剤より先にプラズマに導入されると、先に母粒子が発光し、その後遅れて外添剤が発光する)。
【0199】
このように、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが互いに異なる時間に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期していない(つまり、非同期である)という。換言すれば、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが非同期である状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着していない状態を表すことになる。
【0200】
更に、上記のようにして得られる発光スペクトルにおいて発光信号の高さは、その発光の強さを表しているが、この発光の強さは粒子の大きさや形ではなく、粒子内に含まれているその元素(C、TiO2)の原子数に比例している。そこで、元素の発光強度を粒子の大きさとして表すために、母粒子(C)および外添剤(TiO2)の発光が得られたとき、これらの母粒子(C)および外添剤(TiO2)だけでできた真球の粒子を仮定し、このときの真球の粒子を等価粒子と呼び、これらの粒径を等価粒径と呼ぶ。そして、外添剤は非常に小さいことから、これらの粒子を1個ずつ検出することができないので、検出された外添剤の発光信号を足し合わせて1つの等価粒子に換算して分析する。
【0201】
このように母粒子および外添剤の各発光スペクトルによって得られた等価粒子の等価粒径を、トナーの各粒子毎にプロットすると、図4に示すようなトナー粒子の等価粒径分布図が得られる。
図4において、横軸は母粒子(C)の等価粒径を表し、縦軸は外添剤(TiO2)の等価粒径を表している。そして、横軸上の等価粒子は、外添剤(TiO2)が付着されていない非同期の母粒子(C)を表しているとともに、縦軸上の等価粒子は、母粒子(C)から遊離した非同期の外添剤(TiO2)を表している。また、横軸および縦軸上にない等価粒子は、母粒子(C)に外添剤(TiO2)が付着されている同期のトナーを表している。このようにして、トナーの母粒子(C)に対する外添剤(TiO2)の付着状態が分析される。
【0202】
このようにして測定することができる、トナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量(トナー中に含まれるルチルアナターゼ型の酸化チタンのうち、遊離外添剤となっているものの割合)は、0.1〜5.0wt%であるのが好ましく、0.5〜3.0wt%であるのがより好ましい。遊離外添剤の割合が少な過ぎると前述したマイクロキャリアとしての機能が十分に発揮されない場合がある。一方、遊離外添剤の割合が前記上限値を超えると、遊離外添剤がトナー接触部材に付着してフィルミングが発生しやすくなる。
【0203】
次に、本発明のトナーの製造方法の第2実施形態について説明する。
図18は、本発明のトナーの製造方法の第2実施形態で用いる混練機、冷却機の構成を模式的に示す縦断面図である。以下、第2実施形態のトナーの製造方法について前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態で用いる混練機1’は、第1の混練処理(第1の混練工程)を行う第1の混練部2と、第2の混練処理(第2の混練工程)を行う第2の混練部3と、第1の混練部2と第2の混練部3とを接続する接続部4と、第2の混練物10を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部5とを有している。
【0204】
<2A>第1の混練工程(第1の混練処理)
まず、上記材料のうち少なくとも非晶性ポリエステルと着色剤とを含む第1の原料7を混練して、第1の混練物を得る(第1の混練工程)。第1の混練工程に供する第1の原料7は、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合器で、予め均一に混合されたものであるのが好ましい。
【0205】
第1の混練工程(第1の混練処理)は、第1の混練部2で行う。
第1の混練部2は、第1の原料7を貯留するフィーダー21と、フィーダー21から供給された第1の原料7を搬送しつつ混練するプロセス部22とを有している。プロセス部22は、バレル221と、バレル221内に挿入されたスクリュー222、223とを有している。
【0206】
プロセス部22では、スクリュー222、223が、回転することにより、フィーダー21から供給された第1の原料7に剪断力が加えられ、第1の原料7を構成する各成分が十分均一に分散した第1の混練物8が得られる。
以上のようにして得られた第1の混練物8は、スクリュー222、223の回転により、接続部4を介して、第2の混練部3に送り込まれる。
【0207】
<2B>第2の混練工程(第2の混練処理)
次に、上記第1の混練工程で得られた第1の混練物8と、少なくともブロックポリエステルを含む第2の原料9とを混練する(第2の混練工程)。
第2の混練工程(第2の混練処理)は、第2の混練部3で行う。
第2の混練部3は、第2の原料9を貯留するフィーダー31と、フィーダー31から供給された第2の原料9を搬送しつつ混練するプロセス部32とを有している。プロセス部32は、バレル321と、バレル321内に挿入されたスクリュー322、323と、バレル321の先端にヘッド部5を固定するための固定部材324とを有している。
プロセス部32では、スクリュー322、323が、回転することにより、第1の混練部2から接続部4を介して送り込まれた第1の混練物8と、フィーダー31から供給された第2の原料9とが混練され、第2の混練物10が得られる。
【0208】
<2C>押出工程
プロセス部32で混練された第2の混練物10は、スクリュー322、323の回転により、ヘッド部5を介して、混練機1の外部に押し出される。
ヘッド部5は、プロセス部32から第2の混練物10が送り込まれる内部空間51と、第2の混練物10が押し出される押出口52とを有している。
【0209】
図示の構成では、内部空間51は、押出口52の方向に向かって、その横断面積が漸減する横断面積漸減部53を有している。
このような横断面積漸減部53を有することにより、押出口52から押し出される第2の混練物10の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における第2の混練物10の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
【0210】
<2D>冷却工程
ヘッド部5の押出口52から押し出された軟化した状態の第2の混練物10は、前記第1実施形態と同様に、冷却機6により冷却され、固化する。
<2E>造粒工程
前述した工程<1H>と同様。
<2F>外添工程(外添処理)
前述した工程 <1I>と同様。
【0211】
以上説明したように、本実施形態では、第1の混練部と第2の混練部とを有する混練機(2段バレル式の混練機)を用いている。これにより、第1の混練工程と、第2の混練工程とを連続して行うことができ、前述した第1実施形態で説明した<1B>〜<1D>のような工程を省略することができる。
これにより、トナーの生産性が向上する。
【0212】
また、図18に示すような混練機を用いることにより、トナーの製造に用いる原料(特に、第1の原料)の温度変動を比較的小さくすることができ、トナーの製造に用いる原料に与える熱履歴を少なくする。また、加温された状態の混練物が、空気と接触する時間を短くすることができる。その結果、トナーの構成成分の劣化等をより効果的に防止することができ、最終的に得られるトナーの信頼性がさらに向上する。
【0213】
以上、本発明のトナーおよびトナーの製造方法について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のトナーは、前述したような方法で製造されたものに限定されない。例えば、前述した実施形態では、トナーの構成材料の混練を、第1の混練工程と、第2の混練工程との2回に分けて行う方法について説明したが、混練工程は、3回以上に分けて行うものであってもよいし、1回のみであってもよい。
【0214】
また、第1の混練工程と、第2の混練工程とで、異なる混練装置を用いてもよいし、スクリューの回転数等の混練の条件を異なるものとしてもよい。
また、前述した実施形態では、混練機として、連続式の2軸スクリュー押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練(第1の混練および第2の混練)に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
【0215】
また、本発明においては、前述したような乾式の混練法に限らず、湿式法(例えば、フラッシング法等)を適用してもよい。
また、前述した実施形態では、造粒工程を経て得られたトナー製造用粉末に外添処理を施すことにより得られるものとして説明したが、外添処理を施さずに、造粒工程により得られた粉末(トナー製造用粉末)をそのままトナーとして用いてもよい。また、前述した実施形態では、粉砕工程後に、熱球形化処理を施すものとして説明したが、このような熱球形化処理は省略してもよい。
【0216】
また、前述した実施形態では、トナー製造用粉末(トナー粒子)は、粉砕法により得られたものを用いたものとして説明したが、スプレードライ法、重合法等、その他の方法により製造されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、熱球形化処理を乾式の条件で行う構成について説明したが、熱球形化処理は、例えば、溶液中等の湿式の条件で行ってもよい。
【0217】
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
【0218】
また、前述した実施形態では、ルチルアナターゼ型酸化チタンは、外添剤として添加されるものとして説明したが、例えば、ルチルアナターゼ型酸化チタンを混練工程に供される原料の一成分として用いることにより、トナーの内部に含まれるものとしてもよい。
また、前述した実施形態では、結晶性を示す指標として示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定で得られるΔTについて説明したが、結晶性を示す指標は、これに限定されない。例えば、結晶性を表す指標としては、密度法、X線法、赤外線法、核磁気共鳴吸収法等により測定される結晶化度等を用いてもよい。
【0219】
また、本発明のトナーが適用される定着装置、画像形成装置は、前述した実施形態のようなものに限定されず、定着装置、画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮しうる任意の構成のものと置換することができる。
例えば、前述した実施形態では、接触型の定着装置について説明したが、本発明では、このような接触型の定着装置に限定されず、非接触型の定着装置に適用されるものであってもよい。
【0220】
【実施例】
[1]ポリエステルの製造
トナーの製造に先立ち、以下に示す3種のポリエステルA、A’、B、C、Dを製造した。
[1.1]ポリエステルA(非晶性ポリエステル)の製造
まず、ネオペンチルグリコール:36モル部、エチレングリコール:36モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:48モル部、テレフタル酸ジメチル:90モル部、無水フタル酸:10モル部の混合物を用意した。
【0221】
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルA(PES−A)とした。
【0222】
得られたポリエステルAについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルAの軟化点T1/2は、111℃、ガラス転移点Tは、60℃、重量平均分子量Mwは、1.3×10であった。
【0223】
[1.2]ポリエステルA’(非晶性ポリエステル)の製造
まず、ネオペンチルグリコール:96モル部、エチレングリコール:12モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:12モル部、テレフタル酸ジメチル:100モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルA’(PES−A’)とした。
【0224】
得られたポリエステルA’について、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルA’の軟化点T1/2は、108℃、ガラス転移点Tは、58℃、重量平均分子量Mwは、1.5×10であった。
【0225】
[1.3]ポリエステルB(ブロックポリエステル)の製造
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:70モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:15モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:15モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:200℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルB(PES−B)とした。
【0226】
示差走査熱量分析装置を用いた測定での、ポリエステルBの融点の吸熱ピークの中心値Tmpは、218℃、ショルダーピーク値Tmsは、205℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、求められたポリエステルBの融解熱Eは、18mJ/mgであった。また、ポリエステルBの軟化点T1/2は、149℃、ガラス転移点Tは、64℃、重量平均分子量Mwは、2.8×10であった。
【0227】
[1.4]ポリエステルC(ブロックポリエステル)の製造
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:90モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:5モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:5モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルC(PES−C)とした。
【0228】
示差走査熱量分析装置を用いた測定での、ポリエステルCの融点の吸熱ピークの中心値Tmpは、195℃、ショルダーピーク値Tmsは、182℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、求められたポリエステルCの融解熱Eは、8mJ/mgであった。また、ポリエステルCの軟化点T1/2は、120℃、ガラス転移点Tは、63℃、重量平均分子量Mwは、2.5×10であった。
【0229】
[1.5]ポリエステルD(ブロックポリエステルではなく、結晶性の高いポリエステル)の製造
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、ジオール成分としての1,4−ブタンジオール:50モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:60モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:260℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を280℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルD(PES−D)とした。
【0230】
示差走査熱量分析装置を用いた測定での、ポリエステルDの融点の吸熱ピークの中心値Tmpは、228℃、ショルダーピーク値Tmsは、215℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、求められたポリエステルDの融解熱Eは、35mJ/mgであった。また、ポリエステルDの軟化点T1/2は、180℃、ガラス転移点Tは、70℃、重量平均分子量Mwは、2.0×10であった。
【0231】
なお、上記の各樹脂材料についての融点、軟化点、ガラス転移点、重量平均分子量の測定は、以下のようにして行った。
融点Tの測定は示差走査熱量計DSC(セイコー電子工業社製、DSC220型)を用いて、次のようにして行った。まず、樹脂サンプルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度:10℃/分で0℃まで降温した。その後、昇温速度:10℃/分で昇温し、その際の結晶融解による吸熱の最大ピーク温度(2ndラン時)を、融点Tとして求めた。
【0232】
軟化点T1/2の測定は、細管式レオメータ(島津製作所社製、フローテスタCFT−500型)を用いて行った。サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で、サンプルを押出し、流出開始時点と、流出終了時点との間のピストンストロークの変動幅が1/2の時点での温度(1/2法温度)を軟化点T1/2として求めた(図3参照)。
【0233】
ガラス転移点Tの測定は、示差走査熱量計DSC(セイコー電子工業社製、DSC220型)を用いて、上記の融点の測定と同時に行った。上記融点の測定方法で説明した2ndラン時の、ガラス転移前後のベースライン指定点の2点間の微分値最大値(DSCデータの最大傾斜点)の接線と、ガラス転移前のベースラインの延長線との交点を、ガラス転移点Tとして求めた。
【0234】
重量平均分子量Mwの測定は、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC(東ソー社製、HLC−8220型)を用いて以下のようにして行った。
まず、樹脂サンプル1gをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、1mLのTHF溶液(不溶分を含む)を得た。このTHF溶液を遠心分離専用のサンプル瓶に注入し、遠心分離機で、2000ppm、5分間の条件で遠心分離を行い、その上澄み液サンプレップLCR13−LH(孔径:0.5μm)でろ過し、ろ液を得た。
このようにして得られたろ液を、カラム:TSKgel SuperHZ4000+SuperHZ4000(東ソー社製)、流速:0.5mL/分、温度:25℃、溶媒:THFという条件で、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC(東ソー社製、HLC−8220型)を用いて分離し、その結果として得られたチャートに基づき、樹脂サンプルの重量平均分子量Mwを求めた。なお、標準試料としては、単分散ポリスチレンを用いた。
【0235】
[2]トナーの製造
以下のようにして、トナーを製造した。
(実施例1)
まず、非晶性ポリエステルとしてポリエステルA:60重量部、着色剤としてシアン顔料(P.R.15:3):40重量部を用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、第1の原料を得た。
【0236】
このようにして得られた第1の原料を、図1に示すような混練機を用いて、混練することにより、第1の混練物を得た(第1の混練工程)。
第1の混練工程は、バレル内温度TK1:120℃、ヘッド部内温度:120℃、スクリュー回転数:120rpm、材料(第1の原料)供給速度:10kg/hという条件で行った。
第1の混練工程により得られた第1の混練物をヘッド部の押出口から押出し、冷却機で冷却した後、フェザーミルにより、平均粒径:1〜2mmに粗粉砕した(図1参照)。
【0237】
以上のようにして得られた粉末状の第1の混練物:10重量部を、図1に示すような混練機を用いて、第2の原料(ポリエステルA:58重量部、ブロックポリエステルとしてポリエステルB:28重量部、帯電制御剤としてサリチル酸クロム錯体(ボントロンE−81):1重量部、ワックスとしてカルナウバワックス:3重量部)と混練することにより、第2の混練物を得た(第2の混練工程)。
【0238】
第2の混練工程は、バレル内温度TK2:120℃、ヘッド部内温度:110℃、スクリュー回転数:120rpm、材料(第1の混練物と第2の原料との混合物)供給速度:20kg/hという条件で行った。
第2の混練工程により得られた第2の混練物をヘッド部の押出口から押出し、冷却機で冷却した(図1参照)。
【0239】
上記のようにして冷却された第2の混練物を粗粉砕(平均粒径:1mm以下)し、引き続き微粉砕した。混練物の粗粉砕にはフェザーミルを用い、微粉砕にはジェットミル(ホソカワミクロン社製、200AFG)を用いた。なお、微粉砕は、粉砕エア圧:500kPa、ロータ回転数:7000rpmという条件で行った。
このようにして得られた粉砕物を気流分級機(ホソカワミクロン社製、100ATP)で分級した。
【0240】
第2の混練物の冷却速度は、−7℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
その後、分級した粉砕物(トナー製造用粉末)に、熱球形化処理を施した。熱球形化処理は、熱球形化装置(日本ニューマチック社製、SFS3型)を用いて行った。熱球形化処理時における雰囲気の温度は、270℃とした。
【0241】
その後、熱球形化処理を施した粉末に対し、外添剤を付与してトナーを得た。外添剤の付与は、20L型のヘンシェルミキサーを用いて、熱球形化処理を施した粉末:100重量部と、外添剤:2.5重量部とを混合することにより行った。外添剤としては、負帯電性小粒径シリカ(平均粒径:12nm):1重量部と、負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm):0.5重量部と、ルチルアナターゼ型の酸化チタン(略紡錘形状、平均長軸径:30nm):1重量部とを用いた。なお、負帯電性シリカ(負帯電性小粒径シリカ、負帯電性大粒径シリカ)としては、ヘキサメチルジシラザンで表面処理(疎水化処理)を施したものを用いた。また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンとしては、結晶構造がルチル型の酸化チタンと、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンとの比率が、90:10で、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものを用いた。
【0242】
ただし、上記のようなトナーの製造は、製造前後での、各樹脂材料の重量平均分子量の変化率が±10%以内、融点、軟化点、ガラス転移点の変化量が±10℃以内となるような条件で行った。
最終的に得られたトナーの平均粒径は、7.5μmであった。また、得られたトナーの平均円形度Rは、0.94であった。また、トナーの酸価は、0.8KOHmg/gであった。また、トナー中における結晶の平均長さは、400nmであった。また、得られたトナーにおける外添剤の被覆率は、160%であった。また、トナー中に含まれるルチルアナターゼ型の酸化チタンの内、遊離外添剤として存在しているものの割合(遊離率)は、1.6%であった。
【0243】
なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(シスメックス(株)社製、FPIA−2000)を用いて、水分散系で行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
また、トナー中における結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)による測定の結果から求めた。
【0244】
(実施例2)
ブロックポリエステルとしてポリエステルCを用い、外添剤として、さらに正帯電性シリカ(平均粒径:40nm):1重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。なお、正帯電性シリカとしては、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノシラン)を用いて負帯電性シリカに表面処理(疎水化処理)を施すことにより得られたものを用いた。
【0245】
(実施例3、4)
第1の混練工程に供する原料(第1の原料)、第2の混練工程に供する原料(第2の原料、第1の混練物)の組成を表1に示すようにし、また、外添工程で用いる外添剤の種類、添加量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、トナーを製造した。また、実施例3については、第2の混練工程を、バレル内温度TK2:150℃、ヘッド部内温度:110℃、スクリュー回転数:80rpm、材料(第1の混練物と第2の原料との混合物)供給速度:20kg/hという条件で行った。
【0246】
(実施例5、6)
ポリエステルAの代わりに、ポリエステルA’を用い、第1の混練工程に供する原料(第1の原料)、第2の混練工程に供する原料(第2の原料、第1の混練物)の組成を表1に示すようにし、また、外添工程で用いる外添剤の種類、添加量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例7〜9)
混練機として図18に示すような構成のものを用い、第1の混練工程と、第2の混練工程とを連続して行った以外は、前記実施例1、3、5と同様にして、それぞれトナーを製造した。
【0247】
(比較例1)
第2の原料中に含まれるポリエステルBを、ポリエステルAに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例2)
第1の原料中、第2の原料中に含まれるポリエステルAを、ポリエステルBに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
【0248】
(比較例3)
第2の原料中に含まれるポリエステルBの代わりに、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例4)
まず、ポリエステルD:60重量部、着色剤としてシアン顔料(P.R.15:3):40重量部を用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、第1の原料を得た。
【0249】
このようにして得られた第1の原料を、図1に示すような混練機を用いて、混練することにより、第1の混練物を得た(第1の混練工程)。
第1の混練工程は、バレル内温度TK1:190℃、ヘッド部内温度:190℃、スクリュー回転数:120rpm、材料(第1の原料)供給速度:10kg/hという条件で行った。
第1の混練工程により得られた第1の混練物をヘッド部の押出口から押出し、冷却機で冷却した後、フェザーミルにより、平均粒径:1〜2mmに粗粉砕した(図1参照)。
【0250】
以上のようにして得られた粉末状の第1の混練物:10重量部を、図1に示すような混練機を用いて、第2の原料(ポリエステルA:58重量部、ポリエステルD:28重量部、帯電制御剤としてサリチル酸クロム錯体(ボントロンE−81):1重量部、ワックスとしてカルナウバワックス:3重量部)と混練することにより、第2の混練物を得た(第2の混練工程)。
【0251】
第2の混練工程は、バレル内温度TK2:150℃、ヘッド部内温度:140℃、スクリュー回転数:120rpm、材料(第1の混練物と第2の原料との混合物)供給速度:20kg/hという条件で行った。
第2の混練工程により得られた第2の混練物をヘッド部の押出口から押出し、冷却機で冷却した(図1参照)。
【0252】
第2の混練物の冷却速度は、−7℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
その後、上記のようにして得られた第2の混練物に対して、前記実施例1と同様にして、粉砕、分級、熱球形化、外添の各処理を施すことによりトナーを製造した。
【0253】
(比較例5、6)
第1の原料として、着色剤を含まないものを用いた以外は、それぞれ、実施例1、4と同様にしてトナー(無色トナー)を製造した。
【0254】
前記各実施例および各比較例のトナーについて、構成成分を表1に示し、トナーの平均粒径、平均円形度R、酸価、トナー中における結晶の平均長さ、外添剤の被覆率、およびルチルアナターゼ型の酸化チタンの遊離率を表2にまとめて示した。なお、表中、ポリエステルA、ポリエステルA’、ポリエステルB、ポリエステルC、ポリエステルDは、それぞれ、PES−A、PES−A’、PES−B、PES−C、PES−Dで示した。
【0255】
また、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各実施例および各比較例のトナーの観察を行った。その結果、各実施例のトナーおよび比較例5、6のトナーについては、主としてブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とが相分離(特に実施例1〜9のトナーではミクロ相分離)して存在していることが確認された。また、比較例3、4のトナーでは、主として結晶性ポリエステル(ポリエステルD)で構成された領域と、主として非晶性ポリエステルで構成された領域とがミクロ相分離して存在していることが確認された。そして、上記のような観察により測定された、トナー粒子中における第1の領域の平均粒径は、実施例1〜9のトナーのいずれについても、0.05〜1.0μmの範囲内の値であった。また、上記のような観察から、各実施例および比較例3のトナーでは、主として非晶性ポリエステルで構成された領域(第2の領域)に着色剤が偏在していることが確認されたが、比較例4のトナーでは、主として結晶性ポリエステルで構成された領域(第1の領域)に着色剤が偏在していた。
【0256】
また、各実施例および比較例3、4のトナーについては、トナー粒子をミクロトームにより薄くスライスし、TEM(透過型電子顕微鏡)により、第1の領域と第2の領域との相分離状態を観察した。また、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察された着色剤の大きさ、数から、第1の領域および第2の領域における着色剤の濃度(C[vol%]およびC[vol%])を求め、これらの結果から、C/Cの値を求めた。なお、比較例3、4については、主としてポリエステルDで構成される領域を第1の領域とみなした。
【0257】
また、各実施例および各比較例のトナーについて、Δt=0.05[秒]、トナーの0.01秒での緩和弾性率Gを初期緩和弾性率G(0.01)[Pa]とし、さらに、トナーのΔt秒での緩和弾性率G(Δt)[Pa]としたときの、G(0.01)[Pa]とG(Δt)[Pa]との比、G(0.01)/G(Δt)を以下のようにして求めた。
まず、トナー約1gをパラレルプレートにはさみ、過熱溶融させ、高さ1.0〜2.0mmに調製した。このようにして得られたサンプルを、ARES粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を用いて、応力緩和測定モードにより、下記測定条件で粘弾性測定を行った。
・測定温度:150℃、
・歪印加量:線径領域における最大歪み
・ジオメトリー:パラレルプレート(25mm径)
上記のような測定により、初期緩和弾性率(0.01秒での緩和弾性率):G(0.01)[Pa]、Δt=0.05秒での緩和弾性率:G(Δt)[Pa]を求めた。これらの結果から得られるG(0.01)/G(Δt)の値を表2にあわせて示す。
【0258】
【表1】

Figure 0004103650
【0259】
【表2】
Figure 0004103650
【0260】
[3]評価
以上のようにして得られた各トナーについて、定着良好域、現像耐久性、保存性、帯電特性、転写効率、透明性の評価を行った。
[3.1]定着良好域
まず、前述した図7〜図14、図17に示すような定着装置を作製した。この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。この定着装置を用いて図5、図6に示すような画像形成装置(カラープリンタ)を作製した。この画像形成装置を用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該画像形成装置の定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cmに調整した。画像形成装置を構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、未定着のトナー像が転写された用紙(セイコーエプソン社製、上質普通紙)を、定着装置の内部に導入することにより、トナー像を用紙に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。
【0261】
同様に、定着ローラの表面の設定温度を100〜250℃の範囲で順次変更していき、各温度でのオフセットの発生の有無を確認し、オフセットが発生しなかった温度範囲を、「定着良好域」として求め、以下の3段階の基準に従い評価した。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が35℃以上60℃未満である。
×:定着良好域の幅が35℃未満である。
【0262】
[3.2]現像耐久性
前記[3.1]で用いた画像形成装置の現像装置にトナーを30gセットした後、無補給でエージングを行い、現像ローラへのフィルミングが発生するまでの時間を測定し、以下の3段階の基準に従い評価した。
◎:エージング開始後、120分以上経過しても、フィルミングの発生は認められなかった。
○:エージング開始後、60〜120分でフィルミングが発生。
×:エージング開始後、60分未満でフィルミングが発生。
【0263】
[3.3]保存性
各実施例および各比較例のトナーを、それぞれ10gずつサンプル瓶に入れ、50℃の恒温槽内に48時間放置した後、固まり(凝集)の有無を目視で確認し、以下の3段階の基準に従い評価した。
◎:固まり(凝集)の存在が全く認められなかった。
○:小さい固まり(凝集)がわずかに認められた。
×:固まり(凝集)がはっきりと認められた。
【0264】
[3.4]帯電特性
前記[3.1]で用いた画像形成装置において、印字途中で画像形成装置を停止させ、カートリッジを取り外し、粉黛帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、E-spart analyzer)を用いて、帯電量分布を測定し、その結果から、帯電量および逆帯電量としてプラス帯電量を求めた。
帯電量については、初期帯電量と、1000枚印字後(1K後)の帯電量について求めた。
【0265】
1000枚印字後(1K後)の帯電量については、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g未満。
○:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g以上1μC/g未満。
△:初期帯電量からの変化量(絶対値)が1μC/g以上3μC/g未満。
×:初期帯電量からの変化量(絶対値)が3μC/g以上。
また、逆帯電性のトナーについては、全トナー量に対する存在比率を求め、逆帯電性のトナーの存在比率が3wt%未満の場合は○、逆帯電性のトナーの存在比率が3wt%以上の場合は×とした。
【0266】
[3.5]転写効率
前記[3.1]で用いた画像形成装置を用いて、以下のように評価した。
感光体(像担持体)への現像工程直後(転写前)の感光体上のトナーと、転写後(印刷後)の感光体上のトナーとを、別々のテープを用いて採取し、それぞれの重量を測定した。転写前の感光体上のトナー重量をW[g]、転写後の感光体上のトナー重量をW[g]としたとき、(W−W)×100/Wとして求められる値を、転写効率とした。
【0267】
[3.6]透明性
まず、微量のトナーを2枚のスライドガラス間に挿し込み、ホットプレート上で溶融させ、その後、徐冷した。トナーを構成する樹脂が完全に固化するまで放置し、その後、HAZEメーター(日本電色工業社製、MODEL1001DP)でHAZE値を測定し、HAZE値が50未満のものを○、HAZE値が50以上のものを×として、評価した。HAZE値は、拡散透過率を全透過率で除した値であり、トナー中の各成分の分散性が良い程、この値は小さくなる。
これらの結果を表3にまとめて示した。
【0268】
【表3】
Figure 0004103650
【0269】
表3から明らかなように、本発明のトナーは、いずれも、現像耐久性に優れ、幅広い温度領域で、優れた定着性を発揮するものであった。また、本発明のトナーは、保存性にも優れていた。特に本発明のトナーでは、帯電特性、転写効率、透明性を保持しつつ、優れた現像耐久性、定着性、保存性を発揮するものであった。特に、ブロックポリエステル、非晶性ポリエステルの組成が好ましく、かつ、第1の領域の平均粒径が最適な大きさである実施例1、2、4、7のトナーでは、特に優れた結果が得られた。
【0270】
これに対して、比較例のトナーでは、十分な特性が得られなかった。
特に、ブロックポリエステルを含まない比較例1のトナーでは、機械的ストレスに弱く、現像耐久性、保存性が特に劣っていた。
また、非晶性ポリエステルを含まない比較例2のトナーは、定着強度が弱く、定着性に劣っていた。また、比較例2のトナーは、透明性にも劣っていた。
【0271】
また、ブロックポリエステルを用いず、非晶性ポリエステルと、結晶性の高いポリエステルDとを併用した比較例3、4のトナーは、樹脂同士の親和性(ブロックポリエステルと結晶性ポリエステルとの親和性)に劣り、トナー粒子中においてマクロ相分離が発生しており、定着性と耐久性が特に劣っていた。
また、第1の領域に着色剤が偏在している比較例4では、耐久性が特に低かった。
【0272】
また、着色剤を含まない比較例5、6のトナーでは、比較的優れた現像耐久性を有していたが、いずれも、実施例1〜9のトナーに比べると劣っていた。このことから、本発明のように、主として非晶性ポリエステルで構成された第2の領域に、着色剤を偏在させることにより、(ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比等に関わらず、)トナーの耐久性を向上させる効果が得られることがわかる。
【0273】
また、前記各トナーについて、上記の定着装置のニップ部を通過させ、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量を測定したところ、実施例1〜9の各トナーでは、緩和弾性率G(t)の変化量は、いずれも100[Pa]以下であった。なお、トナー粒子が通過する際における、ニップ部の温度は、180℃であった。
【0274】
また、着色剤として、シアン顔料(P.R.15:3)に代わり、キナクリドン(P.R.122)、ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー93、カーボンブラックを用いた以外は、前記各実施例および前記各比較例と同様にして、トナーを作製し、これらの各トナーについても前記と同様の評価を行った。その結果、前記各実施例および前記各比較例と同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナーの製造方法の第1実施形態で用いる混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。
【図2】 ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図である。
【図3】 軟化点解析用フローチャートである。
【図4】 トナー中に含まれるトナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。
【図5】 本発明の画像形成装置(本発明のトナーが好適に適用される画像形成装置)の好適な実施形態を示す全体構成図である。
【図6】 図5の画像形成装置が有する現像装置の断面図である。
【図7】 図5の画像形成装置に用いられる本発明の定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図である。
【図8】 図7の定着装置の要部断面図である。
【図9】 図7の定着装置を構成する剥離部材の斜視図である。
【図10】 図7の定着装置を構成する剥離部材の取付状態を示す側面図である。
【図11】 図7の定着装置を上面から見た正面図である。
【図12】 定着ニップ部の出口における接線に対する、剥離部材の配置角度を説明するための模式図である。
【図13】 定着ローラ、加圧ローラの形状と、定着ニップ部の形状を模式的に示す図である。
【図14】 図13(a)のX−X線における断面図である。
【図15】 定着ローラ、加圧ローラの形状と、定着ニップ部の形状を模式的に示す図である。
【図16】 図15(a)のY−Y線における断面図である。
【図17】 定着ローラと、剥離部材とのギャップを説明するための断面図である。
【図18】 本発明のトナーの製造方法の第2実施形態で用いる混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、1’……混練機 12……プロセス部 121……バレル 122、123……スクリュー 124……固定部材 13……ヘッド部 131……内部空間 132……押出口 133……横断面積漸減部 14……フィーダー 2……第1の混練部 21……フィーダー 22……プロセス部 221……バレル
222、223……スクリュー 3……第2の混練部 31……フィーダー 32……プロセス部 321……バレル 322、323……スクリュー 324……固定部材 4……接続部 5……ヘッド部 51……内部空間 52……押出口 53……横断面積漸減部 6……冷却機 61、62、63、64……ロール 611、621、631、641……回転軸 65、66……ベルト
67……排出部 7……第1の原料 8……第1の混練物 9……第2の原料
10……第2の混練物 1000……画像形成装置 20……装置本体 30……像担持体 40……帯電装置 50……露光装置 60……ロータリー現像装置 600……支持フレーム 601……ハウジング 603……供給ローラ
604……現像ローラ 605……規制ブレード 605a……板状部材 605b……弾性部材 60Y……イエロー用現像装置 60M……マゼンタ用現像装置 60C……シアン用現像装置 60K……ブラック用現像装置 70……中間転写装置 90……駆動ローラ 100……従動ローラ 110……中間転写ベルト 120……一次転写ローラ 130……転写ベルトクリーナ 140……二次転写ローラ 150……給紙カセット 160……ピックアップローラ170……記録媒体搬送路 190……定着装置 200……排紙トレイ 210……定着ローラ(加熱定着部材) 210a……熱源 210b……筒体
210c……弾性層 210d……回転軸 220……加圧ローラ(加圧部材)
220b……筒体 220c……弾性層 220d……回転軸 230……両面印刷用搬送路 240……ハウジング 250……軸受 260……加圧レバー 270……加圧スプリング 280……駆動ギヤ 290……支持軸 300……支持軸 310……剥離部材 310a……剥離部 310b……折曲部
310c……支持片 310d……嵌合穴 310e……ガイド部 310f……先端部 320……剥離部材 320a……剥離部 320e……ガイド部
330……スプリング 340……定着ニップ部(ニップ部) 341……ニップ出口 500……記録媒体 T……トナー S……接線 G1……ギャップ
G2……ギャップ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present inventionToner production methodIt is about.
[0002]
[Prior art]
A number of methods are known as electrophotographic methods. In general, a process (exposure process) of forming an electrical latent image on a photoconductor by various means using a photoconductive substance, A development step of developing the latent image with toner, a transfer step of transferring the toner image onto a transfer material (recording medium) such as paper, and a fixing step of fixing the toner image by heating using a fixing roller, etc. have.
[0003]
The toner used in the electrophotographic method as described above is generally composed of a material containing a resin as a main component (hereinafter also simply referred to as “resin”) and a colorant.
A polyester resin is widely used as the resin constituting the toner. The polyester resin has a feature that it can easily control properties such as an elastic modulus and chargeability of the finally obtained toner.
[0004]
In such a toner, an aromatic diol such as bisphenol A has generally been used as a diol component constituting the polyester resin (see, for example, Patent Document 1).
However, polyesters composed of such diol components have a relatively high coefficient of friction and are vulnerable to mechanical stress, so that they are liable to cause particle destruction in the developing machine and the like. There was a problem that could occur.
[0005]
There is also known a toner using a polyester composed of an aliphatic diol without using an aromatic diol such as bisphenol A (see, for example, Patent Document 2). This uses a polyester block copolymer having, as a polyester resin, a block formed by condensing an aliphatic diol and a carboxylic acid and a polyester block formed by condensing an alicyclic diol and a carboxylic acid in the molecule. Is. However, such a toner has a problem that a temperature range in which sufficient fixability (fixing strength) can be secured becomes narrow.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 57-109825 A (page 1, lines 1 to 27)
[Patent Document 2]
JP 2001-324832 A (page 2, lines 1 to 13)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a toner that is excellent in durability and exhibits sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range, and also provides a toner manufacturing method capable of manufacturing the toner. There is.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
  Such an object is achieved by the present invention described below.
[0034]
  The method for producing a toner of the present invention is a method for producing a toner composed of a material containing a polyester resin and a colorant,
  The polyester resin includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester.
  The block polyester has a crystalline block formed by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block,
  A first kneading step for producing a first kneaded product containing the amorphous polyester and the colorant;
  A second kneading step for producing a second kneaded material by kneading at least the material containing the first kneaded material and the block polyester.And
The softening point of the amorphous polyester is T 1/2 (A) [° C.], the melting point of the block polyester is T m (B) [° C.], the material temperature during the second kneading step is T K2 [℃], T m (B)> T K2 > T 1/2 Satisfies the relationship (A)It is characterized by doing.
  As a result, it is possible to provide a toner that has excellent durability and exhibits sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range.Also,A first region composed primarily of block polyester and primarily amorphous polyesterPhase separation (micro-separation) to an appropriate size, and the colorant contained in the first kneaded material migrates into the first region. Can be effectively prevented. As a result, the obtained toner can have particularly excellent fixability and durability in a wide temperature range.
[0035]
  The method for producing a toner of the present invention is a method for producing a toner composed of a material containing a polyester resin and a colorant,
  The polyester resin includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester.
  The block polyester has a crystalline block formed by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block,
  A first kneading step for producing a first kneaded product containing the amorphous polyester and the colorant;
  At least a second kneading step for producing a second kneaded material by kneading a material containing the first kneaded material and the block polyester;
The softening point of the amorphous polyester is T 1/2 (A) [° C.], the melting point of the block polyester is T m (B) [° C.], the material temperature during the second kneading step is T K2 [℃], T m (B)> T K2 > T 1/2 Satisfy the relationship (A),
  Forming a first region mainly composed of the block polyester and a second region mainly composed of the amorphous polyester;
  A toner is produced in which the concentration of the colorant in the second region is higher than the concentration of the colorant in the first region.
  As a result, it is possible to provide a toner that has excellent durability and exhibits sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range.Also,A first region composed primarily of block polyester and primarily amorphous polyesterPhase separation (micro-separation) to an appropriate size, and the colorant contained in the first kneaded material migrates into the first region. Can be effectively prevented. As a result, the obtained toner can have particularly excellent fixability and durability in a wide temperature range.
[0036]
In the method for producing a toner of the present invention, the material temperature during the first kneading step is preferably 80 to 160 ° C.
Thereby, the 1st kneaded material in which each component was mixed uniformly can be obtained, fully preventing thermal decomposition, oxidation degradation, etc. of a material.
In the method for producing a toner of the present invention, the material temperature during the second kneading step is preferably 80 to 260 ° C.
As a result, the first region mainly composed of block polyester and the second region mainly composed of amorphous polyester can be sufficiently uniformly finely dispersed (microphase separation). Can be made particularly excellent.
[0037]
In the method for producing a toner of the present invention, it is preferable that the first kneading step and the second kneading step are continuously performed.
As a result, the manufacturing process can be simplified, and the toner productivity is improved. In addition, it is possible to more effectively prevent the deterioration of the constituent components of the toner, and the reliability of the toner is further improved.
[0038]
In the toner manufacturing method of the present invention, a two-stage barrel type kneader having a first kneading section for performing the first kneading step and a second kneading section for performing the second kneading step is used. Is preferred.
As a result, the manufacturing process can be simplified, and the toner productivity is improved. In addition, it is possible to more effectively prevent the deterioration of the constituent components of the toner, and the reliability of the toner is further improved.
[0040]
In the method for producing a toner of the present invention, a step of pulverizing and classifying the second kneaded product to obtain a toner production powder;
It is preferable to include a thermal spheronization step in which the toner manufacturing powder is heated to be spheroidized.
As a result, the variation in particle diameter among the toner particles can be made particularly small, and the circularity of the toner particles can be easily and reliably controlled within a suitable range.
In the toner manufacturing method of the present invention, the temperature of the atmosphere during the thermal spheronization step is preferably 210 to 320 ° C.
As a result, it is possible to easily and reliably control the circularity of the toner particles to a value within a suitable range while suitably preventing thermal decomposition and oxidation deterioration of the constituent components.
[0041]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a toner and a toner production method of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a longitudinal sectional view schematically showing an example of the configuration of a kneader and a cooler used in the first embodiment of the toner production method of the present invention, and FIG. 2 is a differential scanning calorimetric analysis of the block polyester. 3 is a model diagram of a differential scanning calorimetry curve near the melting point of a block polyester, FIG. 3 is a flowchart for softening point analysis, and FIG. 4 is an oxidation of rutile-anatase type liberated from toner particles contained in the toner. It is a figure for demonstrating the method to measure the quantity of titanium. Hereinafter, in FIG. 1, the left side is assumed to be “base end” and the right side is assumed to be “tip”.
[0042]
[Constituent materials]
First, constituent materials of the toner of the present invention will be described. The toner of the present invention contains at least a polyester resin as a resin component (hereinafter also simply referred to as “resin”) and a colorant.
Hereinafter, each component contained in the toner of the present invention will be described.
1. Resin (binder resin)
In the present invention, the resin (binder resin) is mainly composed of a polyester resin. The content of the polyester resin in the resin is preferably 50 wt% or more, and more preferably 80 wt% or more.
The polyester resin contains at least a block polyester as described below and an amorphous polyester. As described above, the present invention is characterized in that a block polyester and an amorphous polyester are used in combination.
[0043]
1-1. Block polyester
The block polyester is composed of a block copolymer having a crystalline block obtained by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block.
(1) Crystalline block
The crystalline block has higher crystallinity than the amorphous block or the amorphous polyester. That is, the molecular arrangement structure is stronger and more stable than amorphous blocks and amorphous polyesters. For this reason, the crystalline block contributes to improving the strength of the entire toner. As a result, the finally obtained toner is resistant to mechanical stress and has excellent durability and storage stability.
[0044]
By the way, generally resin with high crystallinity has what is called sharp melt property compared with resin with low crystallinity. That is, a resin having high crystallinity has a property that when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry (DSC), the endothermic peak appears as a sharp shape compared to the resin having low crystallinity. Yes.
On the other hand, the crystalline block has high crystallinity as described above. Accordingly, the crystalline block has a function of imparting sharp melt properties to the block polyester. For this reason, the toner of the present invention has excellent shape stability (durability) even at a relatively high temperature (temperature near the melting point of the block polyester) at which the amorphous polyester described later is sufficiently softened. Can be held. Therefore, the toner of the present invention can exhibit sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range.
In addition, since the block polyester has such a crystalline block, in the present invention, the thermal spheronization treatment described later can be performed efficiently (in a short time), and finally, easily and finally. The circularity of the toner particles obtained can be made relatively high.
[0045]
Hereinafter, components constituting the crystalline block will be described.
As the alcohol component constituting the crystalline block, those having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, an alcohol component having two hydroxyl groups is preferable. Examples of the alcohol component having two hydroxyl groups include aromatic diols having an aromatic ring structure and aliphatic diols having no aromatic ring structure. Examples of the aromatic diol include bisphenol A and alkylene oxide adducts of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3). ) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene ( 2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, etc.), and the aliphatic diol. Is, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3- Lopylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butane Diol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentane Diol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentane Diol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene Chain diols such as recall, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adducts of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4 -Cyclohexane dimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adducts, and the like.
[0046]
Examples of the alcohol component having three or more hydroxyl groups include sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol, tripentaerythritol, 1,2,4- Butanetriol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, 1,3,5-trihydroxymethyl Examples include benzene.
[0047]
Thus, the alcohol component constituting the crystalline block is not particularly limited, but at least a part thereof is preferably an aliphatic diol, more preferably 80 mol% or more is an aliphatic diol, and 90 mol thereof. More preferably, at least% is an aliphatic diol. Thereby, the crystallinity of the block polyester (crystalline block) can be made particularly high, and the above-described effects become even more remarkable.
[0048]
The alcohol component constituting the crystalline block has a linear molecular structure having 3 to 7 carbon atoms and has hydroxyl groups at both ends (general formula: HO— (CH2)nIt is preferable to include a diol represented by —OH (where n = 3 to 7). By including such an alcohol component, the crystallinity is improved and the friction coefficient is lowered, so that it is resistant to mechanical stress and particularly excellent in durability and storage stability. Examples of such diols include 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, and the like, among which 1,4-butanediol Is preferred. By including 1,4-butanediol, the above-described effects become particularly remarkable.
[0049]
When 1,4-butanediol is included as the alcohol component constituting the crystalline block, 50 mol% or more of the alcohol component constituting the crystalline block is more preferably 1,4-butanediol, and 80 mol% or more thereof. More preferably, it is 1,4-butanediol. Thereby, the effect mentioned above becomes further remarkable.
[0050]
As the carboxylic acid component constituting the crystalline block, a divalent or higher carboxylic acid or a derivative thereof (for example, an acid anhydride, a lower alkyl ester, etc.) can be used. Is preferably used. Examples of such divalent carboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid, and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
Examples of the trivalent or higher carboxylic acid component include trimellitic acid, pyromellitic acid, and derivatives thereof (for example, anhydride, lower alkyl ester, and the like).
[0051]
As described above, the carboxylic acid component constituting the crystalline block is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 50 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. It is more preferable that 80 mol% or more of them has a terephthalic acid skeleton. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner. However, the “carboxylic acid component” here refers to the carboxylic acid component when the block polyester is used, and when adjusting the block polyester (forming a crystalline block), the carboxylic acid component itself, Derivatives such as acid anhydrides and lower alkyl esters can be used.
[0052]
Although the content rate of the crystalline block in block polyester is not specifically limited, It is preferable that it is 5-60 mol%, and it is more preferable that it is 10-40 mol%. If the content of the crystalline block is less than the lower limit, the effect of having the crystalline block as described above may not be sufficiently exhibited depending on the content of the block polyester. On the other hand, if the content of the crystalline block exceeds the above upper limit, the content of the amorphous block is relatively lowered, so that the affinity between the block polyester and the amorphous polyester described later is reduced. There is a possibility that the first region to be coarsened.
The crystalline block may contain components other than the alcohol component and carboxylic acid component as described above.
[0053]
(2) Amorphous block
The amorphous block has lower crystallinity than the above-described crystalline block. Further, the amorphous polyester described later also has lower crystallinity than the crystalline block. That is, the amorphous block has a lower crystallinity than the crystalline block, as with the amorphous polyester described later.
By the way, in a blend resin, resins having greatly different crystallinities generally have low affinity, and phase separation (particularly macrophase separation) is easy, and resins having a small difference in crystallinity have high affinity and are easily mixed with each other. . On the other hand, as described above, the block polyester used in the present invention has a crystalline block and an amorphous block. That is, the block polyester has an amorphous block having a high affinity with the amorphous polyester and a crystalline block having a low affinity. For this reason, in the present invention, the block polyester and the amorphous polyester are likely to cause appropriate phase separation (microphase separation) while being sufficiently uniformly mixed. As a result, macro phase separation (for example, phase separation in which the average particle diameter of each phase is 1 μm or more) can be effectively prevented in the toner particles. And the advantages of amorphous polyester can be sufficiently and stably exhibited.
[0054]
Hereinafter, the components constituting the amorphous block will be described.
As the alcohol component constituting the amorphous block, those having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, an alcohol component having two hydroxyl groups is preferable. Examples of the alcohol component having two hydroxyl groups include aromatic diols having an aromatic ring structure and aliphatic diols having no aromatic ring structure. Examples of the aromatic diol include bisphenol A and alkylene oxide adducts of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3). ) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene ( 2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, etc.), and the aliphatic diol. Is, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3- Lopylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butane Diol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentane Diol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentane Diol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene Chain diols such as recall, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adducts of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4 -Cyclohexane dimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adducts, and the like.
[0055]
Examples of the alcohol component having three or more hydroxyl groups include sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol, tripentaerythritol, 1,2,4- Butanetriol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, 1,3,5-trihydroxymethyl Examples include benzene.
[0056]
Thus, although the alcohol component which comprises an amorphous block is not specifically limited, It is preferable that at least one part is an aliphatic diol, and it is more preferable that 50 mol% or more is an aliphatic diol. Thereby, an effect that a fixed image having better toughness (excellent bending resistance) can be obtained can be obtained.
Moreover, it is preferable that at least a part of the alcohol component constituting the amorphous block has a branched chain (side chain), and more preferably 30 mol% or more thereof has a branched chain. Thereby, the effect of suppressing regular arrangement, reducing crystallinity, and improving transparency is obtained.
[0057]
As the carboxylic acid component constituting the amorphous block, a divalent or higher carboxylic acid or a derivative thereof (for example, an acid anhydride, a lower alkyl ester, etc.) can be used. Etc. are preferably used. Examples of such divalent carboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid, and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
Examples of the trivalent or higher carboxylic acid component include trimellitic acid, pyromellitic acid, and derivatives thereof (for example, anhydride, lower alkyl ester, and the like).
[0058]
As described above, the carboxylic acid component constituting the amorphous block is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 80 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. More preferably. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner. However, the “carboxylic acid component” here refers to the carboxylic acid component when the block polyester is used, and when preparing the block polyester (forming an amorphous block), the carboxylic acid component itself or In addition, derivatives such as acid anhydrides and lower alkyl esters thereof can be used.
The amorphous block may contain components other than the alcohol component and carboxylic acid component as described above.
[0059]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the block polyester having the crystalline block and the amorphous block as described above is not particularly limited, but is 1 × 10.4~ 3x105Preferably, 1.2 × 104~ 1.5 × 105It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw is too small, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, when the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0060]
Glass transition point T of block polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-75 degreeC, and it is more preferable that it is 55-70 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, low-temperature fixability and transparency are deteriorated. On the other hand, if the glass transition point is too high, the effect may not be sufficiently exhibited when a thermal spheronization treatment as described later is performed. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0061]
Softening point T of block polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 90-160 degreeC, and it is more preferable that it is 100-150 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, the storage stability as a toner is lowered and sufficient durability may not be obtained. On the other hand, if the softening point is too low, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases. Softening point T1/2For example, using a flow tester, sample amount: 1 g, die hole diameter: 1 mm, die length: 1 mm, load: 20 kgf, preheating time: 300 seconds, measurement start temperature: 50 ° C., heating rate: 5 ° C./min The temperature of the point on the flow curve corresponding to h / 2 in the flowchart for analysis shown in FIG.
[0062]
Melting point T of block polyesterm(Center value T of peak when endothermic peak of melting point is measured by differential scanning calorimetry described later.mp) Is not particularly limited, but is preferably 190 ° C. or higher, more preferably 190 to 230 ° C. When the melting point is less than 190 ° C., there is a possibility that effects such as improvement in offset resistance cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the melting point is too high, the material temperature must be relatively high in the kneading step described later. As a result, the transesterification reaction of the resin material tends to proceed, and it may be difficult to sufficiently reflect the resin design in the finally obtained toner. In addition, melting | fusing point can be calculated | required by the measurement of the endothermic peak by differential scanning calorimetry (DSC), for example.
[0063]
In addition, when the finally obtained toner is used in a fixing device having a fixing roller as described later, the melting point of the block polyester (when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry described later) Center value T of the peakmp) Tm(B) [° C], the standard set temperature of the surface of the fixing roller is Tfix[℃], Tfix≦ Tm(B) ≤ (Tfix+100) is preferably satisfied, and (Tfix+10) ≦ Tm(B) ≤ (TfixIt is more preferable to satisfy the relationship +70). By using a block polyester having a melting point in such a range, it is possible to effectively prevent toner from adhering to a fixing roller of a fixing device described later. In addition, since the block polyester has a property that it is easy to form crystals of an appropriate size as will be described later, stability and durability can be maintained even after the toner is fixed on the recording medium. In particular, in the present invention, since the block polyester is used in combination with the amorphous polyester described later, even if the block polyester having the melting point in the temperature range as described above is included, the amorphous polyester described later is used at the time of fixing. It can be sufficiently softened. For this reason, the fixability (fixing strength) of the toner to the recording medium can be sufficiently increased, and the low-temperature fixability of the toner is excellent. Further, since the block polyester is easy to form high hardness crystals, the toner is excellent in stability after fixing.
[0064]
Moreover, it is preferable that melting | fusing point of block polyester is higher than the softening point of the amorphous polyester mentioned later. Thereby, the stability of the shape of the toner finally obtained is improved, and particularly excellent stability (durability) against mechanical stress is exhibited. In addition, when the melting point of the block polyester is higher than the softening point of the amorphous polyester described later, for example, when the thermal spheronization process described later is performed, the shape of the powder for toner production is secured to some extent by the block polyester. However, the amorphous polyester can be sufficiently softened. As a result, the thermal spheronization treatment can be performed efficiently, and the circularity of the finally obtained toner (toner particles) can be made relatively easy.
[0065]
By the way, as described above, the block polyester used in the present invention has a crystalline block with high crystallinity, and therefore, compared with a resin material with relatively low crystallinity (for example, amorphous polyester described later). Thus, it has a so-called sharp melt property.
As an index representing crystallinity, for example, the center value of the peak when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry (DSC) is Tmp[° C], shoulder peak value is TmsWhen [° C.], ΔT = Tmp-TmsΔT value represented by (see FIG. 2). The smaller this ΔT value, the higher the crystallinity.
The ΔT value of the block polyester is preferably 50 ° C. or less, and more preferably 20 ° C. or less. Tmp[° C], TmsThe measurement conditions of [° C.] are not particularly limited. For example, after the block polyester as a sample is heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and further, the temperature is decreased at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Temperature rising rate: It can be measured by increasing the temperature at 10 ° C./min.
Moreover, block polyester has higher crystallinity than the amorphous polyester mentioned later. Therefore, the ΔT value of the amorphous polyester is expressed as ΔT.A[℃], the ΔT value of the block polyester is ΔTB[T], ΔTA> ΔTBSatisfy the relationship. In particular, in the present invention, ΔTA-ΔTBIt is preferable that the relationship> 10 is satisfied, and ΔTA-ΔTBIt is more preferable to satisfy the relationship> 30. By satisfying such a relationship, the above-described effect becomes more remarkable. However, when the amorphous polyester has particularly low crystallinity, TmpOr TmsAt least one of them may be difficult to measure (difficult to distinguish). In such a case, ΔTAIs ∞ [° C].
[0066]
The block polyester has a heat of fusion E required when the endothermic peak of the melting point is measured by differential scanning calorimetry.fIs preferably 5 mJ / mg or more, and more preferably 15 mJ / mg or more. Heat of fusion EfIf it is less than 5 mJ / mg, there is a possibility that the effects as described above due to having the crystalline block are not sufficiently exhibited. However, the heat of fusion does not include the heat quantity of the endothermic peak at the glass transition point (see FIG. 2). The measurement conditions for the endothermic peak of the melting point are not particularly limited. For example, the block polyester as a sample was heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and further decreased at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Thereafter, the value measured when the temperature is raised at a rate of temperature rise of 10 ° C./min can be determined as the heat of fusion.
[0067]
Moreover, it is preferable that block polyester is a linear type polymer (polymer which does not have a crosslinked structure). The linear polymer has a smaller coefficient of friction than the cross-linked polymer. As a result, particularly excellent releasability is obtained, and toner transfer efficiency is further improved.
In addition, block polyester may have blocks other than the crystalline block mentioned above and an amorphous block.
[0068]
1-2. Amorphous polyester
Amorphous polyester has lower crystallinity than the block polyester described above.
Amorphous polyester is a main component of the second region, which will be described in detail later, and is preferably a material excellent in dispersibility of the colorant.
[0069]
Amorphous polyester is mainly used for the pulverization of the kneaded product during toner production, toner fixability (especially, low-temperature fixability), transparency, mechanical properties (for example, elasticity, mechanical strength, etc.), and chargeability. It is a component that contributes to improving functions such as moisture resistance. In other words, if the amorphous polyester as described in detail below is not contained in the toner, it is difficult to sufficiently exhibit the characteristics required for the toner as described above.
[0070]
Hereinafter, the components constituting the amorphous polyester will be described.
As the alcohol component constituting the amorphous polyester, those having two or more hydroxyl groups can be used, and among them, an alcohol component having two hydroxyl groups is preferable. Examples of the alcohol component having two hydroxyl groups include aromatic diols having an aromatic ring structure and aliphatic diols having no aromatic ring structure. Examples of the aromatic diol include bisphenol A and alkylene oxide adducts of bisphenol A (for example, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (3.3). ) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxyethylene (2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (2.0) -polyoxyethylene ( 2.0) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, polyoxypropylene (6) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, etc.), and the aliphatic diol. Is, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,2-propylene glycol, 1,3- Lopylene glycol, 1,4-butanediol, diethylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, dipropylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-butane Diol, 2,3-butanediol, neopentyl glycol (2,2-dimethylpropane-1,3-diol), 1,2-hexanediol, 2,5-hexanediol, 2-methyl-2,4-pentane Diol, 3-methyl-1,3-pentanediol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2-butyl-2-ethyl-1,3-propanediol, 2,4-diethyl-1,5-pentane Diol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene Chain diols such as recall, or 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, alkylene oxide adducts of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, 1,4-cyclohexanediol, 1,4 -Cyclohexane dimethanol, hydrogenated bisphenol A, cyclic diols such as hydrogenated bisphenol A alkylene oxide adducts, and the like.
[0071]
Examples of the alcohol component having three or more hydroxyl groups include sorbitol, 1,2,3,6-hexanetetrol, 1,4-sorbitan, pentaerythritol, dipentaerythritol, tripentaerythritol, 1,2,4- Butanetriol, 1,2,5-pentanetriol, glycerol, 2-methylpropanetriol, 2-methyl-1,2,4-butanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, 1,3,5-trihydroxymethyl Examples include benzene.
[0072]
As the carboxylic acid component constituting the amorphous polyester, divalent or higher carboxylic acids or derivatives thereof (for example, acid anhydrides, lower alkyl esters, etc.) can be used. Etc. are preferably used. Examples of such divalent carboxylic acid components include o-phthalic acid (phthalic acid), terephthalic acid, isophthalic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, octyl succinic acid, cyclohexanedicarboxylic acid, fumaric acid. Examples include acids, maleic acid, itaconic acid, and derivatives thereof (for example, anhydrides, lower alkyl esters, etc.).
Examples of the trivalent or higher carboxylic acid component include trimellitic acid, pyromellitic acid, and derivatives thereof (for example, anhydride, lower alkyl ester, and the like).
[0073]
Thus, the carboxylic acid component constituting the amorphous polyester is not particularly limited, but at least a part thereof preferably has a terephthalic acid skeleton, and 80 mol% or more thereof has a terephthalic acid skeleton. More preferably, 90 mol% or more of them has a terephthalic acid skeleton. Thereby, the finally obtained toner has a particularly excellent balance of various characteristics required for the toner. However, the “carboxylic acid component” here refers to the carboxylic acid component when the amorphous polyester is used. When preparing the amorphous polyester, the carboxylic acid component itself or its acid anhydride is used. In addition, a derivative such as a lower alkyl ester can be used.
[0074]
Moreover, it is preferable that 50 mol% or more (more preferably 80 mol% or more) of the monomer component constituting the amorphous polyester is the same as the monomer component constituting the amorphous block described above. That is, the amorphous polyester is preferably composed of the same monomer component as that of the amorphous block. As a result, the affinity between the amorphous polyester and the block polyester is particularly excellent, and the occurrence of macrophase separation in the toner particles (toner base particles) can be more effectively prevented. However, the “monomer component” here does not refer to a monomer used for producing an amorphous polyester or block polyester, but refers to a monomer component contained in the amorphous polyester or block polyester.
In addition, amorphous polyester may contain components other than the above alcohol components and carboxylic acid components.
[0075]
The average molecular weight (weight average molecular weight) Mw of the amorphous polyester is not particularly limited, but is 5 × 10.3~ 4x104Preferably 8 × 103~ 2.5 × 104It is more preferable that If the average molecular weight Mw is less than the lower limit, the mechanical strength of the finally obtained toner is lowered, and sufficient durability (storability) may not be obtained. On the other hand, if the average molecular weight Mw is too small, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, when the average molecular weight Mw exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0076]
Glass transition point T of amorphous polyestergAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 50-75 degreeC, and it is more preferable that it is 55-70 degreeC. When the glass transition point is less than the lower limit, the storage stability (heat resistance) of the toner is lowered, and fusion between toner particles may occur depending on the use environment or the like. On the other hand, when the glass transition point exceeds the upper limit, low-temperature fixability and transparency are deteriorated. On the other hand, if the glass transition point is too high, the effect may not be sufficiently exhibited when a thermal spheronization treatment as described later is performed. The glass transition point can be measured according to JIS K7121.
[0077]
Softening point T of amorphous polyester1/2Although it is not specifically limited, It is preferable that it is 90-160 degreeC, It is more preferable that it is 100-150 degreeC, It is further more preferable that it is 100-130 degreeC. When the softening point is less than the lower limit, the storage stability as a toner is lowered and sufficient durability may not be obtained. On the other hand, if the softening point is too low, cohesive failure is likely to occur at the time of fixing the toner, and the offset resistance tends to decrease. On the other hand, if the softening point exceeds the upper limit, grain boundary breakage is likely to occur during toner fixing, the wettability to a transfer material (recording medium) such as paper also decreases, and the amount of heat required for fixing increases.
[0078]
In addition, the softening point of amorphous polyester is T1/2(A) [° C], the melting point of the block polyester described above is TmWhen (B), Tm(B)> (T1/2It is preferable to satisfy the relationship (A) +60), and (T1/2(A) +60) <Tm(B) <(T1/2It is more preferable to satisfy the relationship (A) +150). By satisfying such a relationship, for example, at a relatively high temperature, the amorphous polyester can be sufficiently softened while the block polyester ensures the stability of the shape of the toner particles to some extent. As a result, it is possible to achieve excellent fixability in a wide temperature range (particularly fixability in a low temperature range) while sufficiently ensuring the stability of the shape of the toner. Further, by satisfying the above relationship, for example, the thermal spheronization process described later can be performed more efficiently, and the circularity of the toner (particles) obtained can be further improved. Further, by satisfying the relationship as described above, the toner can exhibit excellent fixability in a wider temperature range.
[0079]
Softening point T1/2For example, using a flow tester, sample amount: 1 g, die hole diameter: 1 mm, die length: 1 mm, load: 20 kgf, preheating time: 300 seconds, measurement start temperature: 50 ° C., heating rate: 5 ° C./min The temperature of the point on the flow curve corresponding to h / 2 in the flowchart for analysis shown in FIG.
The amorphous polyester is preferably a linear polymer (a polymer having no cross-linked structure). The linear polymer has a smaller coefficient of friction than the cross-linked polymer. Thereby, particularly excellent releasability is obtained, and the transfer efficiency of the toner is further improved.
[0080]
As described above, the present invention is characterized in that block polyester and amorphous polyester are used in combination. Thus, the combined use of the block polyester and the amorphous polyester makes it possible to achieve both the characteristics of the block polyester and the characteristics of the amorphous polyester as described above. As a result, the finally obtained toner is excellent in durability (strong against mechanical stress) and can exhibit sufficient fixing properties (fixing strength) in a wide temperature range. Further, at the time of toner production, the pulverizability of the obtained kneaded product becomes good, and the toner productivity is improved.
[0081]
The synergistic effect as described above cannot be obtained when only one of the block polyester and the amorphous polyester is used.
That is, when only the block polyester is used (when the amorphous polyester is not included in the toner), the toner fixability (particularly, the fixability in a low temperature region) is lowered. In addition, when only block polyester is used (when the amorphous polyester is not included in the toner), for example, it becomes difficult to sufficiently reduce the viscosity of the toner particles when fixing the toner. Fixability to a medium (fixing strength) decreases. Further, when only the block polyester is used (when the amorphous polyester is not included in the toner), functions such as transparency of the toner are lowered, and each component constituting the toner (for example, as described later) The dispersibility of the colorant, wax, antistatic agent, etc.) and the pulverizability of the kneaded product during toner production are also reduced.
In addition, when only amorphous polyester is used (when the block polyester is not included in the toner), the final toner is weak against mechanical stress, and sufficient durability and storage stability are obtained. I can't. In addition, when only amorphous polyester is used (when the block polyester is not included in the toner), a sharp melt property cannot be obtained, so sufficient fixability (fixing strength) in a wide temperature range (especially in a high temperature range). ) Is difficult to ensure, and, for example, when performing a thermal spheronization process, which will be described later, it is difficult to perform efficiently, and the circularity of the finally obtained toner particles is set to an appropriate value. It becomes difficult.
[0082]
By the way, polyester having high crystallinity (hereinafter referred to as “crystalline polyester”) generally has a stable molecular arrangement structure, so that the strength as a toner is improved even if it is not a block polyester as described above. It can be made strong against mechanical stress. However, crystalline polyesters other than the block polyester described above are inferior in affinity with amorphous polyester, and when used in combination with amorphous polyester, macrophase separation is likely to occur. Therefore, when the crystalline polyester other than the block polyester and the amorphous polyester are used in combination without using the block polyester, the synergistic effect of using the block polyester and the amorphous polyester as described above. There is no effect.
[0083]
The blending ratio of the block polyester and the amorphous polyester is preferably 5:95 to 45:55, more preferably 10:90 to 30:70, by weight. If the blending ratio of the block polyester becomes too low, it may be difficult to sufficiently improve the offset resistance of the toner. On the other hand, if the blending ratio of the amorphous polyester is too low, sufficient low-temperature fixability and transparency may not be obtained. Further, if the blending ratio of the amorphous polyester becomes too low, for example, the kneaded product (second kneaded product 10) is efficiently crushed to a uniform size in the pulverization step of the toner production method as described later. It becomes difficult to do. Further, if the blending ratio of the amorphous polyester is too low, it is difficult to efficiently disperse the colorant in the second region described later, and the effects of the present invention may not be sufficiently exhibited.
[0084]
The content of the polyester resin in the toner is not particularly limited, but is preferably 50 to 98 wt%, more preferably 85 to 97 wt%. If the content of the polyester resin is less than the lower limit, the functions (and synergistic effects) of the block polyester and amorphous polyester as described above may not be sufficiently exhibited in the finally obtained toner. There is sex. On the other hand, when the content of the polyester-based resin exceeds the upper limit, the content of components other than the resin such as the colorant is relatively lowered, and it becomes difficult to sufficiently exhibit toner characteristics such as color development. .
In addition, the resin (binder resin) may include a component (third resin component) other than the above-described block polyester and amorphous polyester.
[0085]
Examples of the resin component (third resin component) other than the block polyester and the amorphous polyester include polystyrene, poly-α-methylstyrene, chloropolystyrene, styrene-chlorostyrene copolymer, styrene-propylene copolymer, Styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene-vinyl acetate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene -Styrene resin such as acrylic ester-methacrylic ester copolymer, styrene-α-chloromethyl acrylate copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylic ester copolymer, styrene-vinyl methyl ether copolymer Or containing styrene substitution Homopolymer or copolymer, polyester resin (different from the above-mentioned block polyester and amorphous polyester), epoxy resin, urethane-modified epoxy resin, silicone-modified epoxy resin, vinyl chloride resin, rosin-modified maleic acid resin, Phenyl resin, polyethylene, polypropylene, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone resin, ethylene-ethyl acrylate copolymer, xylene resin, polyvinyl butyral resin, terpene resin, phenol resin, aliphatic or alicyclic hydrocarbon resin, etc. Of these, one or two or more of these can be used in combination.
[0086]
The content of the resin in the toner is not particularly limited, but is preferably 50 to 98 wt%, and more preferably 85 to 97 wt%. If the resin content is less than the lower limit, the function of the resin (for example, good fixability in a wide temperature range) may not be sufficiently exhibited in the finally obtained toner. On the other hand, when the resin content exceeds the upper limit, the content of components other than the resin such as the colorant is relatively lowered, and it becomes difficult to sufficiently exhibit toner characteristics such as color development.
[0087]
2. Colorant
Examples of the colorant that can be used include pigments and dyes.
As will be described in detail later, the toner of the present invention has a first region (phase) mainly composed of block polyester and a second region (phase) mainly composed of amorphous polyester, The colorant concentration in the second region is higher than the colorant concentration in the first region. For this reason, it is preferable to use a colorant having excellent affinity with the amorphous polyester.
[0088]
Examples of such pigments and dyes include carbon black, spirit black, lamp black (CI No. 77266), magnetite, titanium black, chrome lead, cadmium yellow, mineral fast yellow, navel yellow, and naphthol yellow S. , Hansa Yellow G, Permanent Yellow NCG, Chrome Yellow, Benzidine Yellow, Quinoline Yellow, Tartrazine Lake, Red Mouth Lead, Molybdenum Orange, Permanent Orange GTR, Pyrazolone Orange, Benzidine Orange G, Cadmium Red, Permanent Red 4R, Watching Red Calcium salt, eosin lake, brilliant carmine 3B, manganese purple, fast violet B, methyl violet lake, bitumen, cobalt blue, al Reblue Lake, Victoria Blue Lake, First Sky Blue, Indanthrene Blue BC, Ultramarine, Aniline Blue, Phthalocyanine Blue, Calco Oil Blue, Chrome Green, Chrome Oxide, Pigment Green B, Malachite Green Lake, Phthalocyanine Green, Final Yellow Green G, Rhodamine 6G, quinacridone, rose bengal (C.I. No. 45432), C.I. I. Direct Red 1, C.I. I. Direct Red 4, C.I. I. Acid Red 1, C.I. I. Basic Red 1, C.I. I. Modern Tread 30, C.I. I. Pigment red 48: 1, C.I. I. Pigment red 57: 1, C.I. I. Pigment red 122, C.I. I. Pigment red 184, C.I. I. Direct Blue 1, C.I. I. Direct Blue 2, C.I. I. Acid Blue 9, C.I. I. Acid Blue 15, C.I. I. Basic Blue 3, C.I. I. Basic Blue 5, C.I. I. Modern Blue 7, C.I. I. Pigment blue 15: 1, C.I. I. Pigment blue 15: 3, C.I. I. Pigment blue 5: 1, C.I. I. Direct Green 6, C.I. I. Basic Green 4, C.I. I. Basic Green 6, C.I. I. Pigment yellow 17, C.I. I. Pigment yellow 93, C.I. I. Pigment yellow 97, C.I. I. Pigment yellow 12, C.I. I. Pigment yellow 180, C.I. I. Pigment Yellow 162, nigrosine dye (CI No. 50415B), metal complex dye, silica, aluminum oxide, magnetite, maghemite, various ferrites, cupric oxide, nickel oxide, zinc oxide, zirconium oxide, titanium oxide, Examples thereof include metal oxides such as magnesium oxide, and magnetic materials containing magnetic metals such as Fe, Co, and Ni, and one or more of these can be used in combination.
[0089]
The content of the colorant in the toner is not particularly limited, but is preferably 1 to 10 wt%, and more preferably 3 to 8 wt%. If the content of the colorant is less than the lower limit, it may be difficult to form a visible image having a sufficient density depending on the type of the colorant. On the other hand, when the content of the colorant exceeds the upper limit, the content of the resin is relatively lowered, and the fixing property to a transfer material (recording medium) such as paper at a necessary color density is lowered.
[0090]
The size of the colorant particles is not particularly limited, but the length (average length in the longitudinal direction) is preferably 10 to 200 nm, and more preferably 20 to 100 nm. When the particle size of the colorant is in such a range, the filler effect described later becomes more remarkable, and the durability of the toner as a whole is further improved.
[0091]
3. wax
Further, the toner may contain wax as necessary.
By including the wax, for example, the releasability of the toner particles can be improved.
Examples of the wax include hydrocarbon waxes such as ozokerite, cercin, paraffin wax, microwax, microcrystalline wax, petrolatum, Fischer-Tropsch wax, carnauba wax, rice wax, methyl laurate, methyl myristate, palmitic acid. Methyl, methyl stearate, butyl stearate, candelilla wax, cotton wax, wood wax, beeswax, lanolin, montan wax, fatty acid ester ester wax, polyethylene wax, polypropylene wax, oxidized polyethylene wax, oxidized polypropylene wax Olefin waxes such as 12-hydroxy stearamide, stearamide, phthalic anhydride amide wax, Lauro , Ketone waxes such as stearone, ether waxes, and the like, can be used singly or in combination of two or more of them.
[0092]
Among the above materials, particularly when ester wax (for example, carnauba wax or rice wax) is used, the following effects can be obtained.
The ester wax has an ester structure in the molecule similarly to the polyester resin described above, and is excellent in compatibility with the polyester resin. For this reason, generation and coarsening of free wax in the finally obtained toner particles can be prevented (fine dispersion and microphase separation of the wax in the toner can be easily achieved). As a result, the finally obtained toner has particularly excellent releasability from the fixing roller.
[0093]
Moreover, as a low melting point polyester used as wax (hereinafter also referred to as “low melting point polyester”), for example, a melting point TmIs preferably about 70 to 90 ° C. Moreover, it is preferable that the weight average molecular weight Mw of low melting point polyester is about 3500-6500. The low melting point polyester is preferably a polymer of an aliphatic monomer. If the low-melting polyester satisfies such conditions (at least one, preferably two or more), the compatibility with the above-described polyester resin is particularly excellent, and the toner release The property can be made particularly excellent.
[0094]
Melting point T of waxmAlthough it is not specifically limited, It is preferable that it is 30-160 degreeC, and it is more preferable that it is 50-100 degreeC. Note that, for example, by differential scanning calorimetry (DSC), the temperature is increased to 200 ° C. at a rate of temperature increase of 10 ° C./min, and further the temperature is decreased at a rate of temperature decrease of 10 ° C./min, and then the rate of temperature increase is 10 ° C./min. From the measurement under the condition of increasing the temperature atmAnd the heat of fusion.
[0095]
For example, in addition to the wax described above, a low-melting polyester (hereinafter also referred to as “low-melting polyester”) can be used as a component capable of imparting a wax effect. The low melting point is, for example, the melting point TmIs preferably about 70 to 90 ° C. Moreover, it is preferable that the weight average molecular weight Mw of low melting point polyester is about 3500-6500. The low melting point polyester is preferably a polymer of an aliphatic monomer. If the low-melting polyester satisfies such conditions (at least one, preferably two or more), the compatibility with the above-described polyester resin is particularly excellent, and the durability of the toner is also high. The toner releasability can be imparted without inhibiting the toner. Further, since the melting point is relatively low, the low-temperature fixability can be improved.
[0096]
4). Other ingredients
The toner may contain components other than the resin, the colorant, and the wax. Examples of such components include a charge control agent, a dispersant, and magnetic powder.
[0097]
Examples of the charge control agent include benzoic acid metal salts, salicylic acid metal salts, alkyl salicylic acid metal salts, catechol metal salts, metal-containing bisazo dyes, nigrosine dyes, tetraphenylborate derivatives, quaternary ammonium salts, Examples thereof include alkyl pyridinium salts, chlorinated polyesters, and nitrofunic acid.
Examples of the dispersant include metal soaps, inorganic metal salts, organic metal salts, and polyethylene glycol.
[0098]
Examples of the metal soap include tristearic acid metal salts (for example, aluminum salts), distearic acid metal salts (for example, aluminum salts, barium salts, etc.), stearic acid metal salts (for example, calcium salts, lead salts, zinc salts, etc.) ), Linolenic acid metal salts (eg, cobalt salts, manganese salts, lead salts, zinc salts, etc.), octanoic acid metal salts (eg, aluminum salts, calcium salts, cobalt salts, etc.), oleic acid metal salts (eg, calcium salts) , Cobalt salts, etc.), palmitic acid metal salts (eg, zinc salts, etc.), naphthenic acid metal salts (eg, calcium salts, cobalt salts, manganese salts, lead salts, zinc salts, etc.), resin acid metal salts (eg, calcium Salt, cobalt salt, manganese lead salt, zinc salt, etc.).
[0099]
Examples of the inorganic metal salt and the organic metal salt include a cation of an element selected from the group consisting of metals of Group IA, Group IIA, and Group IIIA of the periodic table as a cationic component, and an anion Examples of the property component include salts containing an anion selected from the group consisting of halogen, carbonate, acetate, sulfate, borate, nitrate, and phosphate.
[0100]
Examples of the magnetic powder include magnetite, maghemite, various ferrites, cupric oxide, nickel oxide, zinc oxide, zirconium oxide, titanium oxide, magnesium oxide, and other metal oxides such as Fe, Co, and Ni. The thing comprised with the magnetic material containing a magnetic metal etc. are mentioned.
In addition to the above materials, for example, zinc stearate, zinc oxide, cerium oxide, or the like may be used as an additive.
[0101]
Further, the toner of the present invention may be provided with an external additive.
Examples of the external additive include titanium oxide, silica (positively charged silica, negatively charged silica, etc.), aluminum oxide, strontium titanate, cerium oxide, magnesium oxide, chromium oxide, zinc oxide, alumina, magnetite, and the like. Fine particles composed of inorganic materials such as oxides, nitrides such as silicon nitride, carbides such as silicon carbide, metal salts such as calcium sulfate, calcium carbonate, and aliphatic metal salts, acrylic resins, fluororesins, polystyrene resins, polyesters Examples thereof include resins and organic metal materials such as aliphatic metal salts (for example, magnesium stearate).
Among the external additives, examples of the titanium oxide that can be used as the external additive include rutile type titanium oxide, anatase type titanium oxide, and rutile anatase type titanium oxide.
[0102]
The rutile anatase type titanium oxide has a rutile type titanium oxide (titanium dioxide) and a crystal structure anatase type titanium oxide (titanium dioxide) in the same particle. That is, the rutile anatase type titanium oxide has a mixed crystal type titanium oxide (titanium dioxide) of a rutile type crystal and an anatase type crystal.
Rutile-type titanium oxide usually has the property of easily forming spindle-shaped crystals. In addition, anatase type titanium oxide has the property of easily depositing fine crystals and being excellent in affinity with a silane coupling agent or the like used for hydrophobizing treatment or the like.
[0103]
And since rutile anatase type titanium oxide has a mixed crystal type titanium oxide of a rutile type crystal and an anatase type crystal, the advantage of the rutile type titanium oxide and the advantage of the anatase type titanium oxide And have both. That is, in the rutile-anatase type titanium oxide, a minute anatase-type crystal is mixed between the rutile-type crystals (inside the rutile-type crystal), and as a whole has a substantially spindle shape, It becomes difficult to embed in the mother particles, and the rutile-anatase-type titanium oxide as a whole has excellent affinity with silane coupling agents, etc., so that it is uniform on the surface of the rutile-anatase-type titanium oxide powder. A stable hydrophobic coating (silane coupling coating) is easily formed. Therefore, the toner obtained by containing the rutile-anatase type titanium oxide has a uniform charge distribution (the charge distribution of the toner particles is sharp), a stable charge characteristic, environmental characteristics (especially moisture resistance), and fluidity. And excellent caking resistance.
[0104]
In particular, the rutile-anatase type titanium oxide exhibits the following synergistic effect when used in combination with the polyester resin as described above.
That is, as described above, in the present invention, the polyester-based resin contains a block polyester having a crystalline block with high crystallinity. Therefore, in the toner particles, the polyester resin has a predetermined size mainly formed by the crystalline block. It can have a crystal. By having such a crystal, the rutile-anatase type titanium oxide becomes difficult to be embedded in the toner base particles. That is, by including a hard component such as the crystal, the rutile-anatase type titanium oxide is surely supported (attached) near the surface of the toner base particles. Thereby, the function of rutile-anatase-type titanium oxide (particularly, effects such as excellent fluidity and chargeability) can be sufficiently exhibited. Thus, since the function of a rutile-anatase type titanium oxide can fully be exhibited by using together with the polyester-type resin mentioned above, the quantity of the external additive to be used can be suppressed. As a result, it is possible to effectively prevent the occurrence of inconvenience (for example, a decrease in fixability to a transfer material (recording medium) such as paper) due to the addition of a large amount of external additive.
[0105]
The abundance ratio of the rutile-type titanium oxide and the anatase-type titanium oxide in the rutile-anatase-type titanium oxide is not particularly limited, but is preferably 5:95 to 95: 5 by weight, and 50:50 More preferably, it is -90: 10. By using such a rutile-anatase type titanium oxide, the effect by using the above-mentioned rutile-anatase type titanium oxide becomes more remarkable.
The rutile-anatase type titanium oxide preferably absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. As a result, the toner has excellent light resistance (particularly, light resistance after fixing on a recording medium).
[0106]
The shape of the rutile-anatase type titanium oxide used in the present invention is not particularly limited, but it is generally a spindle shape.
When the rutile-anatase type titanium oxide has a substantially spindle shape, the average major axis diameter is preferably 10 to 100 nm, and more preferably 20 to 50 nm. When the average major axis diameter is in such a range, the rutile-anatase type titanium oxide can sufficiently exhibit the functions described above, and is difficult to be embedded in the toner base particles. It becomes difficult to release. As a result, the stability of the toner against mechanical stress is further improved.
[0107]
The content of the rutile-anatase type titanium oxide in the toner is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 2.0 wt%, and more preferably 0.5 to 1.0 wt%. If the content of the rutile-anatase type titanium oxide is less than the lower limit, the effect of using the rutile-anatase type titanium oxide as described above may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the content of the rutile-anatase type titanium oxide exceeds the upper limit, the fixability of the toner tends to be lowered.
[0108]
Such a rutile-anatase type titanium oxide may be prepared by any method, but can be obtained, for example, by firing anatase-type titanium oxide. By using such a method, the abundance ratio of the rutile-type titanium oxide and the anatase-type titanium oxide in the rutile-anatase-type titanium oxide can be controlled relatively easily and reliably. When obtaining a rutile-anatase type titanium oxide by such a method, it is preferable that a calcination temperature is about 700-1000 degreeC. By setting the firing temperature within this range, it is possible to more easily and reliably control the abundance ratio of rutile titanium oxide and anatase titanium oxide in rutile anatase titanium oxide. Become.
[0109]
Moreover, it is preferable that the rutile-anatase type titanium oxide is hydrophobized. By applying the hydrophobizing treatment, the effect that charging is not greatly influenced by humidity can be obtained. As the hydrophobizing treatment, for example, HMDS, a silane coupling agent (for example, one having a functional group such as an amino group), a titanate coupling agent, a fluorine-containing silane coupling agent, silicone oil or the like is used. And surface treatment of rutile-anatase type titanium oxide powder (particles).
[0110]
Among the external additives described above, examples of silica that can be used as the external additive include positively charged silica and negatively charged silica. The positively chargeable silica can be obtained, for example, by subjecting negatively chargeable silica to a surface treatment with a silane coupling agent having a functional group such as an amino group.
When negatively chargeable silica is used as the external additive, the charge amount (absolute value) of the toner particles can be increased. As a result, a stable negatively chargeable toner can be obtained, and the toner control of the image forming apparatus can be easily performed.
[0111]
Further, when negatively charged silica is used in combination with the rutile-anatase type titanium oxide described above, a particularly excellent effect is obtained. That is, by using negatively-charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination, the fluidity and environmental characteristics (especially moisture resistance) of the toner can be further improved, and more stable triboelectric chargeability can be exhibited. Thus, the occurrence of so-called fog can be more effectively prevented. Further, by using negatively-charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination, the obtained toner can have a large charge amount (absolute value) and a sharper charge distribution.
The average major axis diameter of the substantially spindle-shaped rutile-anatase type titanium oxide is D1[Nm], the average particle diameter of the negatively charged silica is D2When [nm], 0.2 ≦ D1/ D2It is preferable that the relationship of ≦ 15 is satisfied, and 0.4 ≦ D1/ D2It is more preferable to satisfy the relationship of ≦ 5. By satisfying such a relationship, the effect of using negatively charged silica and rutile-anatase type titanium oxide in combination becomes even more remarkable. In the present specification, “average particle diameter” refers to an average particle diameter based on volume.
[0112]
Further, when positively chargeable silica is used as the external additive, for example, the positively chargeable silica can function as a microcarrier, and the chargeability of the toner particles themselves can be further improved. In particular, by using the positively chargeable silica in combination with the above-described rutile-anatase type titanium oxide, the obtained toner can have a large charge amount (absolute value) and a sharper charge distribution. .
When positively chargeable silica is included, the average particle size is preferably 30 to 100 nm, and more preferably 40 to 50 nm. When the average particle diameter of the positively chargeable silica is in such a range, the above-described effect becomes more remarkable.
Further, as the external additive, HMDS, a silane coupling agent (for example, one having a functional group such as an amino group), titanate coupling agent on the surface of the fine particles composed of the above-described materials. Alternatively, a surface treated with a fluorine-containing silane coupling agent, silicone oil or the like may be used.
[0113]
[toner]
Next, the toner of the present invention composed of the above materials will be described.
As described above, the toner of the present invention contains block polyester and amorphous polyester. As described above, since the block polyester has a crystalline block with high crystallinity, the toner (toner particles) of the present invention usually contains crystals mainly composed of crystalline blocks. . The presence of such crystals makes the toner particularly excellent in durability (shape stability).
[0114]
As will be described in detail later, it is preferable that such crystals have an appropriate size. That is, if the size of the crystal is too small, the effect of having the crystal as described above may not be sufficiently exhibited. It is generally known that crystal growth is inhibited by the presence of impurities (in particular, the presence of solid impurities).
[0115]
Therefore, in the present invention, the following conditions are satisfied.
That is, the toner (toner particles) of the present invention has a first region mainly composed of block polyester and a second region mainly composed of amorphous polyester, and coloring in the second region. The concentration (content rate) of the agent was made higher than the concentration (content rate) of the colorant in the first region. By satisfying such a relationship, the content of the colorant in the first region (region mainly composed of block polyester) can be lowered. As a result, in the first region, inhibition of crystal growth due to the presence of the colorant that is an impurity can be effectively prevented and suppressed, and a crystal having an appropriate size can be formed.
[0116]
In addition, by satisfying the above relationship, the content of the colorant in the second region (a region mainly composed of amorphous polyester) can be increased. The amorphous polyester mainly constituting the second region is inherently relatively low in shape stability, but as described above, the second region contains a colorant at a relatively high concentration. As a result, the filler effect by the colorant is effectively exhibited, the stability of the shape in the second region is also improved, and the stability (durability) of the toner particles as a whole is particularly excellent.
As described above, the present invention uses a combination of a block polyester and an amorphous polyester, and further distributes a colorant in a predetermined region, so that they act synergistically and fix in a wide temperature range. It is characterized in that the durability of the toner as a whole can be made particularly excellent while sufficiently holding the toner.
[0117]
Further, the concentration (content ratio) of the colorant in the first region is C1[Vol%], the concentration (content ratio) of the colorant in the second region is C2When it is [vol%], 0.1 ≦ C1/ C2It is preferable that the relationship of ≦ 1 is satisfied, and 0.1 ≦ C1/ C2It is more preferable to satisfy the relationship of ≦ 0.5. By satisfying such a relationship, the above-described effect becomes more remarkable.
[0118]
In contrast, C1/ C2If the value is less than the lower limit, the concentration of the colorant in the second region becomes relatively high, and the above-described problem may occur. In order to avoid such a problem, if the concentration of the colorant in the second region is relatively low, the content of the colorant contained in the entire toner is reduced, and the function of the colorant as described above May not be fully utilized.
[0119]
C1/ C2If the value exceeds the upper limit, the concentration of the colorant in the first region becomes relatively high, and the effects as described above may not be sufficiently obtained. In order to avoid such a problem, if the concentration of the colorant in the first region is relatively low, the content of the colorant contained in the entire toner is reduced, and the function of the colorant as described above May not be fully utilized.
[0120]
Further, the first region is preferably present in a finely dispersed state in the toner particles. This makes it difficult for characteristic differences in strength and chargeability to appear between the first region and the second region, and durability and charge stability are further improved. Specifically, the size (average particle diameter) of the first region is preferably finely dispersed to 2 μm or less, and more preferably 0.05 to 1 μm. Thereby, the effect mentioned above becomes further remarkable.
[0121]
Of all the colorants contained in the toner, the proportion of the colorant contained in the first region is preferably 49 vol% or less, and more preferably 40 vol% or less. By satisfying such a condition, the above-described effects become more remarkable.
The ratio of the colorant contained in the second region out of the total colorant contained in the toner is preferably 51 to 90 vol%, and more preferably 60 to 90 vol%. By satisfying such a condition, the above-described effects become more remarkable. On the other hand, when the concentration of the colorant in the second region is less than the lower limit value, the above-described effects can be sufficiently obtained depending on the concentration of the colorant in the first region, the size of the crystal, and the like. It may not be possible. Further, when the concentration of the colorant in the second region exceeds the upper limit, the filler effect by the colorant is saturated, and it is difficult to further improve the durability. In addition, the color in the second region is colored. If the concentration of the agent becomes extremely high, the durability of the toner is rather lowered.
[0122]
The toner (toner powder) of the present invention preferably has an average circularity R represented by the following formula (I) of 0.91 to 0.98, preferably 0.93 to 0.98. More preferred. When the average circularity R is less than 0.91, it becomes difficult to sufficiently reduce the difference in charging characteristics between individual toner powders, and the developability on the photoreceptor tends to be lowered. On the other hand, if the average circularity R is too small, toner adhesion (filming) is likely to occur on the photoreceptor, and the toner transfer efficiency may decrease. On the other hand, when the average circularity R exceeds 0.98, the transfer efficiency and mechanical strength are increased, but there is a problem that the average particle diameter is increased by promoting granulation (joining of particles). If the average circularity R exceeds 0.98, for example, it becomes difficult to remove the toner adhering to the photoreceptor or the like by cleaning.
R = L0/ L1... (I)
(However, in the formula, L1[Μm] is the peripheral length of the projected image of the toner particles to be measured, L0[Μm] represents the perimeter of a perfect circle (complete geometric circle) having an area equal to the area of the projected image of the toner particles to be measured. )
[0123]
The average particle diameter of the toner is preferably 3 to 12 μm, and more preferably 5 to 10 μm. When the average particle diameter of the toner is less than the lower limit, fusion between the toner particles is likely to occur. On the other hand, when the average particle diameter of the toner exceeds the upper limit, the resolution of the printed matter tends to decrease.
Further, the content of the polyester resin in the toner is preferably 50 to 98 wt%, and more preferably 85 to 97 wt%. If the content of the polyester resin is less than the lower limit, the effect of the present invention may not be sufficiently obtained. On the other hand, when the content of the polyester-based resin exceeds the upper limit, the content of components such as a colorant may be relatively lowered, and it may be difficult to exhibit characteristics such as color developability.
[0124]
Further, when the toner contains wax, the content thereof is not particularly limited, but is preferably 5 wt% or less, more preferably 3 wt% or less, and 0.5 to 3 wt%. Further preferred. If the content of the wax is too large, the wax is liberated and coarsened, and the exudation of the wax on the toner surface may occur remarkably, making it difficult to sufficiently increase the toner transfer efficiency.
The acid value as a physical property of the toner is one of the factors that influence the environmental characteristics (particularly moisture resistance) of the toner. The acid value of the toner is preferably 8 KOH mg / g or less, and more preferably 1 KOH mg / g or less. When the acid value of the toner is 8 KOHmg / g or less, the environmental characteristics (particularly moisture resistance) of the toner are particularly excellent.
[0125]
Further, when the toner of the present invention is used in a fixing device having a nip portion as will be described later, the amount of change in relaxation elastic modulus G (t) in the passage time Δt [seconds] of the toner particles through the nip portion is: It is preferably 500 [Pa] or less, and more preferably 100 [Pa] or less. By satisfying such conditions, inconveniences such as offset are less likely to occur.
[0126]
Further, when the toner of the present invention is used in a fixing device having a fixing nip as described later, the time required for the toner particles to pass through the fixing nip is Δt [seconds], and the toner is 0.01 seconds. Where the initial relaxation elastic modulus G (0.01) is the relaxation elastic modulus of the toner and G (Δt) is the relaxation elastic modulus of the toner in Δt seconds, G (0.01) / G (Δt) ≦ It is preferable that the relationship of 10 is satisfied, and it is more preferable that the relationship of 1 ≦ G (0.01) / G (Δt) ≦ 8 is satisfied. 1 ≦ G (0.01) / G (Δt) ≦ 6 It is more preferable to satisfy this relationship. Satisfying such a relationship makes it difficult for toner to cry and offset due to a decrease in the elastic modulus of the toner particles. On the other hand, if G (0.01) / G (Δt) exceeds 10, the toners are separated and the offset is likely to occur. The relaxation elastic modulus of the toner is, for example, the composition of the constituent material of the toner (for example, the molecular weight of the block polyester and the amorphous polyester, the monomer component, the randomness, the composition of the wax and the external additive, the content of each constituent component, etc. ), The concentration (content ratio) of the colorant in the first region and the second region, toner production conditions (for example, the raw material temperature in the kneading step, the kneading time, the cooling rate of the kneaded product in the cooling step, the heat It can be adjusted by the processing temperature in the spheronization step).
[0127]
As described above, in the toner of the present invention, there are usually crystals mainly composed of crystalline blocks of block polyester.
Such crystals preferably have an average length (average length in the longitudinal direction) of 10 nm or more, more preferably 10 to 1000 nm, and even more preferably 50 to 700 nm. When the crystal length satisfies such conditions, the toner shape stability is particularly excellent, and particularly excellent stability (durability) against mechanical stress is exhibited. In particular, the external additive is more reliably held near the surface of the toner particles (toner base particles) (the external additive can be effectively prevented from being embedded in the base particles), and the toner The particles are particularly excellent in stability in a developing device or the like, and are less likely to cause filming or the like.
[0128]
In particular, when the toner contains rutile-anatase type titanium oxide, it is preferable to satisfy the following relationship. That is, the average major axis diameter of the substantially spindle-shaped rutile-anatase type titanium oxide is D1[Nm], the average length of the crystal is LCWhen [nm] is set, 0.01 ≦ D1/ LCIt is preferable that the relationship of ≦ 2 is satisfied, and 0.02 ≦ D1/ LCIt is more preferable to satisfy the relationship of ≦ 1. By satisfying such a relationship, the rutile-anatase type titanium oxide exhibits the above-described effects sufficiently and is difficult to be embedded in the mother particles. As a result, the toner sufficiently retains the above-described functions and is particularly excellent in stability against mechanical stress.
The average length of the crystal can be measured by a transmission electron microscope (TEM), small angle X-ray scattering measurement, or the like.
[0129]
The toner of the present invention is preferably applied to a non-magnetic one-component toner. Non-magnetic one-component toner is generally applied to an image forming apparatus having a regulating blade as described later. Therefore, the toner of the present invention that is resistant to mechanical stress can exhibit the above-described effects more remarkably when used as a non-magnetic one-component toner.
[0130]
Further, the fixing device in which the toner of the present invention is used is not particularly limited, but is preferably used in a contact-type fixing device as described later. As a result, both the advantages of high releasability from the fixing roller due to the block polyester crystals and the effect of improving the fixability (fixing strength) due to the low-viscosity amorphous polyester are fully exhibited, and a wide range of good fixing is obtained. Secured.
[0131]
Next, a fixing device and an image forming apparatus to which the toner of the present invention is preferably applied will be described.
FIG. 5 is an overall configuration diagram showing a preferred embodiment of the image forming apparatus of the present invention (an image forming apparatus to which the toner of the present invention is preferably applied), and FIG. 6 is a developing device included in the image forming apparatus of FIG. FIG. 7 shows a detailed structure of the fixing device of the present invention used in the image forming apparatus of FIG. 5, is a perspective view showing a partially broken section, and FIG. 8 is a sectional view of the main part of the fixing device of FIG. 9 is a perspective view of the peeling member constituting the fixing device of FIG. 7, FIG. 10 is a side view showing the mounting state of the peeling member constituting the fixing device of FIG. 7, and FIG. 11 is the fixing of FIG. FIG. 12 is a schematic view for explaining the arrangement angle of the peeling member with respect to the tangent at the exit of the fixing nip portion, and FIG. 13 is the shape of the fixing roller and the pressure roller, and the fixing. FIG. 14 is a diagram schematically showing the shape of the nip portion, and FIG. 15 is a diagram schematically showing the shape of the fixing roller and the pressure roller and the shape of the fixing nip portion, FIG. 16 is a cross-sectional view taken along line YY of FIG. 15A, and FIG. FIG. 6 is a cross-sectional view for explaining a gap between the fixing roller and the peeling member.
[0132]
An image carrier 30 including a photosensitive drum is disposed in the apparatus main body 20 of the image forming apparatus 1000, and is driven to rotate in a direction indicated by an arrow by a driving unit (not shown). Around the image carrier 30, an electrostatic latent image is formed on the image carrier 30, a charging device 40 for uniformly charging the image carrier (photoconductor) 30 along the rotation direction. There are provided an exposure device 50, a rotary developing device 60 for developing an electrostatic latent image, and an intermediate transfer device 70 for primary transfer of a monochromatic toner image formed on the image carrier 30.
[0133]
In the rotary developing device 60, a yellow developing device 60Y, a magenta developing device 60M, a cyan developing device 60C, and a black developing device 60K are mounted on a support frame 600, and the support frame 600 is rotationally driven by a drive motor (not shown). It is configured. The plurality of developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K are selectively rotated so that the developing roller 604 of one developing device faces the image carrier 30 every rotation of the image carrier 30. Has been. Each of the developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K has a toner storage portion that stores toner of each color.
The developing devices 60Y, 60C, 60M, and 60K all have the same structure. Therefore, although the structure of the developing device 60Y will be described here, the structures and functions of the developing devices 60C, 60M, and 60K are the same.
[0134]
As shown in FIG. 6, in the developing device 60Y, a supply roller 603 and a developing roller 604 are axially attached to a housing 601 that accommodates toner T therein, and when the developing device 60Y is positioned at the development position described above. The developing roller 604 functioning as a “toner carrier” is positioned in contact with the image carrier (photoreceptor) 30 or opposed with a predetermined gap therebetween, and these rollers 603 and 604 are provided on the main body side. It is configured to be engaged with a rotation drive unit (not shown) and to rotate in a predetermined direction. The developing roller 604 is formed in a cylindrical shape from a metal or alloy such as copper, stainless steel, or aluminum so that a developing bias is applied.
[0135]
In the developing device 60Y, a regulating blade 605 for regulating the thickness of the toner layer formed on the surface of the developing roller 604 to a predetermined thickness is disposed. The regulating blade 605 is composed of a plate-like member 605a such as stainless steel or phosphor bronze, and an elastic member 605b such as rubber or resin member attached to the tip of the plate-like member 605a. The rear end portion of the plate-like member 605a is fixed to the housing 601, and the elastic member 605b attached to the front end portion of the plate-like member 605a is the rear end portion of the plate-like member 605a in the rotation direction D3 of the developing roller 604. It arrange | positions so that it may be located in the upstream rather than.
[0136]
The intermediate transfer device 70 is disposed so as to face the image carrier 30 on the back surface of the intermediate transfer belt 110, the driving roller 90 and the driven roller 100, the intermediate transfer belt 110 driven by both rollers in the direction of the arrow shown in the figure. A primary transfer roller 120, a transfer belt cleaner 130 that removes residual toner on the intermediate transfer belt 110, and a drive roller 90 are arranged to face the four-color full-color image formed on the intermediate transfer belt 110 as a recording medium ( And a secondary transfer roller 140 for transferring onto the paper or the like.
[0137]
A paper feed cassette 150 is disposed at the bottom of the apparatus main body 20, and a recording medium in the paper feed cassette 150 passes through a pickup roller 160, a recording medium conveyance path 170, a secondary transfer roller 140, and a fixing device 190, and a paper discharge tray. It is comprised so that it may be conveyed by 200. Reference numeral 230 denotes a duplex printing conveyance path.
The operation of the image forming apparatus 1000 having the above configuration will be described. When an image forming signal is input from a computer (not shown), the image carrier 30, the developing roller 604 of the developing device 60 and the intermediate transfer belt 110 are rotationally driven. First, the outer peripheral surface of the image carrier 30 is charged by the charging device 40. The exposure device 50 selectively exposes the outer peripheral surface of the uniformly charged image carrier 30 according to the image information of the first color (for example, yellow) so that the yellow electrostatic latent image is obtained. An image is formed.
[0138]
On the other hand, in the developing device 60Y, the two rollers 603 and 604 rotate while being in contact with each other, whereby yellow toner is rubbed against the surface of the developing roller 604, and a toner layer having a predetermined thickness is formed on the surface of the developing roller 604. . Then, the elastic member 605b of the regulating blade 605 elastically contacts the surface of the developing roller 604, and the toner layer on the surface of the developing roller 604 is regulated to a predetermined thickness.
[0139]
At the latent image position formed on the image carrier 30, the yellow developing device 60 </ b> Y rotates and the developing roller 604 comes into contact therewith, whereby the yellow electrostatic latent image toner image is transferred onto the image carrier 30. Next, the toner image formed on the image carrier 30 is transferred onto the intermediate transfer belt 110 by the primary transfer roller 120. At this time, the secondary transfer roller 140 is separated from the intermediate transfer belt 110.
[0140]
The above processing is repeated for the second, third, and fourth colors of the image formation signal, and the latent image formation, development, and transfer are repeated by one rotation of the image carrier 30 and the intermediate transfer belt 110. Four color toner images corresponding to the contents of the image are superimposed and transferred on the intermediate transfer belt 110. Then, at the timing when the full-color image reaches the secondary transfer roller 140, the recording medium is supplied from the conveyance path 170 to the secondary transfer roller 140. At this time, the secondary transfer roller 140 is pressed against the intermediate transfer belt 110. A secondary transfer voltage is applied, and the full-color toner image on the intermediate transfer belt 110 is transferred onto the recording medium. The toner image transferred onto the recording medium is fixed by being heated and pressed by the fixing device 190. The toner remaining on the intermediate transfer belt 110 is removed by the transfer belt cleaner 130.
[0141]
In the case of double-sided printing, the recording medium exiting the fixing device 190 is switched back so that its trailing edge is the leading edge, supplied to the secondary transfer roller 140 via the double-sided printing conveyance path 230, and intermediate The full color toner image on the transfer belt 110 is transferred onto the recording medium, and is again heated and pressed by the fixing device 190 to be fixed.
In FIG. 5, a fixing device 190 according to the present invention includes a fixing roller 210 having a heat source and a pressure roller 220 pressed against the fixing roller 210, and a line connecting the axis of the fixing roller 210 and the pressure roller 220 is a horizontal line. It arrange | positions so that it may have the angle of (theta). Note that 0 ° ≦ θ ≦ 30 °.
[0142]
Next, the fixing device 190 will be described in detail.
7 and 11, the fixing roller 210 is rotatably mounted in the housing 240, and a driving gear 280 is connected to one end of the fixing roller 210. A pressure roller 220 is rotatably mounted facing the fixing roller 210. The axial length of the pressure roller 220 is shorter than that of the fixing roller 210, and a bearing 250 is provided in the vacant space, and both ends of the pressure roller 220 are supported by the bearing 250. A pressure lever 260 is rotatably provided on the bearing 250, and a pressure spring 270 is disposed between one end of the pressure lever 260 and the housing 240, whereby the pressure roller 220 and the fixing roller 210 are pressurized. It is configured to be.
[0143]
In FIG. 8, a fixing roller 210 includes a metal cylinder 210b having a heat source 210a such as a halogen lamp inside, an elastic layer 210c made of silicon rubber or the like provided on the outer periphery of the cylinder 210b, and the surface of the elastic layer 210c. A surface layer (not shown) made of fluororubber and fluororesin (for example, pertetrafluoroethylene (PTFE)) covered with a rotating shaft 210d fixed to the cylinder 210b.
[0144]
The pressure roller 220 is formed on the outer periphery of the cylindrical body 220b in the same manner as the metal cylindrical body 220b, the rotating shaft 220d fixed to the cylindrical body 220b, the bearing 250 supporting the rotating shaft 220d, and the fixing roller 210. The elastic layer 220c is provided, and a surface layer (not shown) made of fluororubber or fluororesin coated on the surface of the elastic layer 220c. The thickness of the elastic layer 210c of the fixing roller 210 is extremely smaller than the thickness of the elastic layer 220c of the pressure roller 220, thereby forming a fixing nip portion (nip portion) 340 in which the pressure roller 220 side is recessed concavely. ing.
[0145]
As shown in FIGS. 7 and 8, support shafts 290 and 300 are provided on both side surfaces of the housing 240. The support shafts 290 and 300 are respectively provided with the peeling member 310 and the pressure roller 220 on the fixing roller 210 side. The side peeling member 320 is rotatably mounted. Accordingly, the peeling members 310 and 320 are disposed on the downstream side of the fixing nip portion 340 in the recording medium conveyance direction in the axial direction of the fixing roller 210 and the pressure roller 220.
[0146]
As shown in FIGS. 9 and 10, the peeling member 310 on the fixing roller 210 side uses a resin sheet or a metal sheet as a base material, and forms a fluororesin layer on the surface of the base material. The peeling member 310 includes a plate-like peeling portion (base material) 310a, a bent portion 310b bent in an L shape toward the fixing roller 210 at the rear of the peeling portion 310a, and lower portions at both ends of the peeling portion 310a. The support piece 310c is bent in the direction, the fitting hole 310d is formed in the support piece 310c, and the guide part 310e is extended to the front of both side ends of the peeling part 310a.
[0147]
The peeling portion 310 a is disposed so as to be inclined toward the outlet (nip outlet 341) of the fixing nip portion 340, and the leading end of the peeling portion 310 a is not in contact with and close to the fixing roller 210. The support shaft 290 described in FIG. 8 is fitted in the fitting hole 310d of the support piece 310c. The guide portion 310e is urged against the housing 240 by the spring 330, whereby the front end of the guide portion 310e is in contact with the fixing roller 210, and as a result, between the front end of the peeling portion 310a and the surface of the fixing roller 210. The gap is always constant.
[0148]
The peeling member 320 on the pressure roller 220 side has the same shape as the peeling member on the fixing roller 210 side. However, as shown in FIGS. 7 and 8, the tip of the peeling portion 320a is recorded more than the tip of the peeling portion 310a. It is arranged on the downstream side in the medium conveyance direction. The tip of the guide part 320e is in contact with the peripheral surface of the bearing 250 of the pressure roller 220 at the point P, so that the gap between the tip of the peeling part 320a and the surface of the pressure roller 220 is always constant. To be.
[0149]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 7 and 8, peeling members 310 and 320 are disposed on the downstream side of the nip portion 340 in the recording medium conveyance direction in the axial direction of the fixing roller 210 and the pressure roller 220. The front end of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side is disposed so as to be inclined toward the outlet of the nip portion 340, and is in close contact with the fixing roller 210 without contact. The leading end of the peeling member 320 on the pressure roller 220 side is disposed downstream of the leading end of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side in the recording medium conveyance direction.
[0150]
As shown in FIG. 10, the guide member 310 e of the peeling member 310 on the fixing roller 210 side is urged to the housing 240 by the spring 330, so that the tip of the guide portion 310 e is in contact with the fixing roller 210. As a result, the positioning is performed so that the gap between the tip of the peeling portion 310a and the surface of the fixing roller 210 is always constant.
[0151]
The peeling member 320 on the pressure roller 220 side has the same shape as the peeling member on the fixing roller 210 side, and as shown in FIGS. 7 and 8, the tip of the peeling portion 320a is a recording medium more than the tip of the peeling portion 310a. The tip of the guide part 320e is disposed at the downstream side in the conveying direction, and is in contact with the surface of the bearing 250 of the pressure roller 220 at the point P, whereby the tip of the peeling part 320a and the surface of the pressure roller 220 are Positioning is performed so that the gap between them is always constant. Therefore, as shown in FIG. 11, the axial length of the pressure roller 220 is shorter than that of the fixing roller 210, and a bearing 250 is provided in the vacant space. It is supported.
[0152]
In the case of double-sided printing, the recording medium printed on one side is peeled off by the peeling member 310 on the fixing roller 210 side, and then switched back so that the trailing edge of the recording medium becomes the leading edge, and then passes through the double-sided printing conveyance path 230. The full-color toner image on the intermediate transfer belt 110 is supplied to the secondary transfer roller 140 and is transferred onto the recording medium, and is heated and pressed again by the fixing roller 210. At this time, it adheres to the pressure roller 220 and wraps around. The recording medium is peeled off by the peeling member 320 on the pressure roller 220 side.
[0153]
As described above, in the fixing device according to the present embodiment, the peeling is provided in the vicinity of the fixing roller and the pressure roller in the axial direction of the fixing roller and the pressure roller and on the downstream side of the fixing nip portion in the recording medium conveyance direction. The positioning of the peeling member on the fixing roller side is performed on the surface of the fixing roller, and the positioning of the peeling member on the pressure roller side is performed on the bearing surface of the pressure roller, so that recording from the fixing roller and the pressure roller is performed. The peelability of the medium can be improved.
[0154]
In this embodiment, as shown in FIG. 12, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 are arranged in a substantially horizontal state, and the recording medium 500 is discharged from the fixing nip portion 340 upward. Is an arrangement angle θ of the peeling member 310 with respect to the tangent S of the nip outlet 341 of the fixing nip portion 340.AIs preferably set in the range of −5 to 25 °. Arrangement angle θ of peeling member 310 with respect to tangent S of nip outlet 341 of fixing nip 340ABy setting to a value in such a range, streaks are less likely to occur in the image, and the peelability is improved. Arrangement angle θAThe fixing roller 210 side is “+” and the pressure roller side is “−”.
[0155]
In addition, the fixing roller 210 and the pressure roller 220 have, for example, outer diameters that are substantially constant in the respective axial directions (which may have a substantially cylindrical shape, but the outer diameters are small near both ends. It may have a so-called crown shape that is large in the vicinity of the central portion, or a so-called reverse crown shape in which the outer diameter is large in the vicinity of both end portions and small in the vicinity of the central portion.
[0156]
For example, when the fixing roller 210 and the pressure roller 220 have an inverted crown shape as shown in FIG. 13, the cross-sectional shape of the peeling member 310 is preferably as shown in FIG. Further, when the fixing roller 210 and the pressure roller 220 have a crown shape as shown in FIG. 15, the cross-sectional shape of the peeling member 310 is preferably as shown in FIG.
[0157]
In this way, when the peeling member 310 disposed along the fixing roller 210 has a shape that follows the shape of the nip outlet 341 of the nip portion 340, the peeling member 310 side of the peeling member 310 at the time of peeling. Effectively eliminates adverse effects caused by the increased contact between the side edge of the recording medium and the recording medium, and the contact pressure between the two is concentrated in part, for example, wrapping of the recording medium, disturbance in the formed image, generation of streaks, etc. Can be prevented and suppressed.
[0158]
As shown in FIG. 17, in the fixing device 190, the gap G <b> 2 [μm] between the fixing roller 210 and the peeling member 310 near the axial end of the fixing roller 210 is the center in the axial direction of the fixing roller 210. It is preferable that the gap is larger than the gap G1 [μm] between the fixing roller 210 and the peeling member 310 in the vicinity of the portion. By satisfying such a relationship, the following effects can be obtained.
[0159]
That is, since the gap between the peeling member 310 and the fixing roller 210 is small in the vicinity of the central portion in the length direction, the gap management can be easily performed without greatly deteriorating the peeling property, and the fixing device 190 can be manufactured. It becomes easy. Further, even when a foreign substance enters or a paper jam occurs, it is difficult to cause damage to the peeling member 310 and the fixing roller 210 due to these, and the durability and reliability of the peeling member 310 and the fixing roller are improved, and fixing is performed. The durability and reliability of the apparatus 190 and the image forming apparatus 1000 are also improved. Note that the relationship between G1 and G2 as described above can be obtained by, for example, forming the peeling member 310 into a bow shape, forming the tip 310f of the peeling member 310 into a bow shape, or forming the fixing roller 210 into a crown shape. Can be satisfied.
[0160]
In the fixing device as described above, the length of the fixing nip 340 is such that the time required for the toner particles to pass through the fixing nip 340 is 0.02 to 0.2 seconds. Is preferable, and it is more preferable that it is 0.03-0.1 second. When the time required for the toner particles to pass through the fixing nip portion 340 is within such a range, the toner is heated up to the melting temperature, and the toner is not melted sufficiently, and the releasability to the fixing roller is sufficient. Secured.
[0161]
The fixing device 190 is suitable for high-speed printing (high-speed fixing, high-speed image formation). Specifically, the feeding speed (feeding speed) of the recording medium 500 is 0.05 to 1.0 m / second. It is preferable that it is 0.2 to 0.5 m / sec. As described above, according to the present invention, even when the toner is fixed to the recording medium 500 at a relatively high speed, it is possible to prevent the image from causing streaking or disturbance, and the recording medium 500 may be entangled. It is difficult to cause poor peeling.
[0162]
Further, the temperature of the fixing nip portion 340 during operation is preferably 100 to 220 ° C, and more preferably 120 to 200 ° C. When the temperature of the fixing nip portion 340 is within such a range, it is possible to sufficiently prevent a decrease in toner fixing strength due to a temperature drop (temperature drop) when the paper passes.
Further, the fixing setting temperature (setting temperature on the surface of the fixing roller 210) during operation is preferably 110 to 220 ° C, and more preferably 130 to 200 ° C. If the set temperature of the fixing roller 210 is within this range, it is possible to achieve both fixing strength of the toner and shortening of the temperature rise time (warm up time).
[0163]
As described above, the fixing device 190 described above is suitable for high-speed printing (high-speed fixing, high-speed image formation). However, in such a fixing device, since the toner is in a high temperature state even when the recording medium on which the toner is fixed comes into contact with the peeling member, when the conventional toner is used, the toner comes into contact with the peeling member. There is a possibility that the fixed image may be disturbed. Further, if the fixed toner is in a molten state (low viscosity state) and contacts the peeling member, it may be difficult to reliably peel off the recording medium.
[0164]
On the other hand, the toner of the present invention can be suitably applied to the fixing device 190 described above. That is, since the toner of the present invention contains amorphous polyester having a relatively low softening point, the toner of the present invention is surely fixed to the recording medium when passing through the fixing nip portion 340. Includes a block polyester having a crystalline block, and the colorant is unevenly distributed in the second region mainly composed of amorphous polyester. For this reason, a crystal having a high hardness and an appropriate size is likely to be precipitated in the toner (inside the first region). The presence of such crystals makes it possible to prevent the melt viscosity of the toner from being lower than a predetermined value even when the temperature is relatively high, such as during fixing, and partially during fixing. There will be a hard site. As a result, even when the fixed image of the toner comes into contact with the peeling member, the formed image is unlikely to be disturbed or distorted. Further, in the recording medium on which the toner of the present invention is fixed, peeling failure is not particularly likely to occur, and the peeling member reliably peels from the fixing roller.
[0165]
[Toner Production Method]
Next, a preferred embodiment of the toner production method of the present invention will be described. FIG. 1 is a longitudinal sectional view schematically showing the configuration of a kneader and a cooler used in the first embodiment of the toner production method of the present invention. In the following description, the left side is “base end” and the right side is “tip” in FIG. 1 (the same applies to FIG. 18 described later).
[0166]
<1A> First kneading step (first kneading process)
First, a first raw material 7 containing at least amorphous polyester and a colorant among the above materials is kneaded to obtain a first kneaded product 8 (first kneading step). The first raw material 7 to be used in the first kneading step is preferably one that has been uniformly mixed in advance by a mixer such as a Henschel mixer.
[0167]
The first kneading step (first kneading process) can be performed using a kneader 1 as shown in FIG.
The kneading machine 1 includes a process unit 12 that kneads the first raw material 7 while transporting it, a head unit 13 that extrudes a first kneaded product 8 obtained by kneading into a predetermined cross-sectional shape, and a process unit 12. And a feeder 14 for supplying the first raw material 7 therein.
[0168]
The process unit 12 includes a barrel 121, screws 122 and 123 inserted into the barrel 121, and a fixing member 124 for fixing the head unit 13 to the tip of the barrel 121.
In the process unit 12, when the screws 122 and 123 rotate, a shearing force is applied to the first raw material 7 supplied from the feeder 14, and each component constituting the first raw material 7 is sufficiently uniformly dispersed. A first kneaded product 8 is obtained.
[0169]
Raw material temperature T in the first kneading stepK1Is different depending on the composition of the first raw material 7, the softening point, and the like, but is preferably 80 to 160 ° C, more preferably 100 to 150 ° C. When the raw material temperature is less than the lower limit, the viscosity of the first raw material 7 becomes too high, and it becomes difficult to knead so that each constituent component is sufficiently uniformly dispersed. On the other hand, when the raw material temperature exceeds the upper limit, the material is likely to be thermally decomposed, oxidized and deteriorated, and aggregation, macrophase separation, etc. are likely to occur, and the function of the finally obtained toner may be lowered. .
In the present embodiment, the first raw material 7 only needs to contain at least amorphous polyester and a colorant, and may contain components other than these. For example, the 1st raw material 7 may contain the block polyester contained in the 2nd raw material 9 mentioned later as a part of the structural component.
[0170]
<1B> Extrusion process
The first kneaded product 8 obtained in the first kneading step is pushed out of the kneader 1 through the head unit 13 by the rotation of the screws 122 and 123.
The head unit 13 has an internal space 131 into which the first kneaded product 8 is fed from the process unit 12 and an extrusion port 132 through which the first kneaded product 8 is extruded.
[0171]
In the illustrated configuration, the internal space 131 has a cross-sectional area gradually decreasing portion 133 in which the cross-sectional area gradually decreases in the direction of the extrusion port 132.
By having such a cross-sectional area gradually decreasing portion 133, the extrusion amount of the first kneaded material 8 extruded from the extrusion port 132 is stabilized, and the cooling rate of the first kneaded material 8 in the cooling step described later is stable. To do. As a result, the toner produced using the toner has a small variation in characteristics among the toner particles, and has excellent overall characteristics.
[0172]
<1C> Cooling process
The softened first kneaded product 8 extruded from the extrusion port 132 of the head unit 13 is cooled by the cooler 6 and solidified.
The cooler 6 includes rolls 61, 62, 63, 64 and belts 65, 66.
The belt 65 is wound around a roll 61 and a roll 62. Similarly, the belt 66 is wound around a roll 63 and a roll 64.
[0173]
The rolls 61, 62, 63, 64 rotate about the rotation shafts 611, 621, 631, 641 in the directions indicated by e, f, g, h in the figure. Thereby, the first kneaded material 8 pushed out from the extrusion port 132 of the kneading machine 1 is introduced between the belt 65 and the belt 66. The first kneaded material 8 introduced between the belt 65 and the belt 66 is cooled while being formed into a plate shape having a substantially uniform thickness. The cooled first kneaded material 8 is discharged from the discharge portion 67. The belts 65 and 66 are cooled by a method such as water cooling or air cooling. When such a belt type is used as the cooler, the contact time between the kneaded product extruded from the kneader and the cooling body (belt) can be increased, and the cooling efficiency of the kneaded product is particularly excellent. Can be.
[0174]
<1D> Coarse grinding process
The 1st kneaded material 8 which passed through the cooling process as mentioned above is coarsely pulverized as needed. The method of coarse pulverization is not particularly limited, and can be performed using various pulverizers and crushers such as a ball mill, a vibration mill, a hammer mill, a pin mill, and a feather mill.
[0175]
Through such a coarse pulverization step, the first kneaded material is usually coarsely pulverized to such an extent that it passes through a mesh having an opening diameter of several mm. The average particle size of the pulverized first kneaded material is preferably 3 mm or less, and more preferably 2 mm or less. When the average particle size of the first kneaded product is such a value, it can be finely dispersed sufficiently uniformly in the second kneading step described later. As a result, the finally obtained toner has a small variation in characteristics among the particles, and the reliability of the toner as a whole is improved.
The first kneading step is not necessarily the above-described step (1A to 1D), and may be a wet kneading method using a flushing pigment.
[0176]
<1E> Second kneading step (second kneading process)
Next, the first kneaded product 8 obtained as described above and the second raw material 9 containing at least a block polyester are kneaded to obtain a second kneaded product 10 (second kneading step). . The first kneaded product 8 and the second raw material 9 to be used in the second kneading step are preferably those which are uniformly mixed in advance by a mixer such as a Henschel mixer.
[0177]
In this way, by performing the kneading process in two stages, the second kneaded product 10 (the same applies to the toner production powder described later) is contained in the first region mainly composed of block polyester. And a second region mainly composed of amorphous polyester, and the concentration of the colorant in the second region is higher than the concentration of the colorant in the first region. 2) that is unevenly distributed in the region 2). Then, by using the second kneaded material 10 as described above, the concentration of the colorant contained in the toner of the present invention, that is, the second region is more than the concentration of the colorant contained in the first region. High toner can be obtained easily and reliably.
The second kneading step (second kneading process) can be performed using a kneader 1 as shown in FIG. 1, similarly to the first kneading step described above.
[0178]
The first kneaded material 8 and the second raw material 9 stored in the feeder 14 are supplied into the process unit 12. The first kneaded material 8 and the second raw material 9 supplied into the process section 12 are kneaded by rotating the screws 122 and 123, whereby the second kneaded material 10 is obtained.
Raw material temperature in the second kneading step (temperature of the first kneaded product 8 and the second raw material 9) TK2Is different depending on the composition of the first kneaded material 8 and the second raw material 9, the softening point, etc., but is preferably 80 to 260 ° C, more preferably 100 to 150 ° C. When the raw material temperature is less than the lower limit, the viscosity of the raw materials (first kneaded material 8 and second raw material 9) becomes too high, and it becomes difficult to finely disperse sufficiently (microphase separation). . On the other hand, if the raw material temperature exceeds the upper limit, the material is likely to undergo thermal decomposition, oxidative deterioration, aggregation, macrophase separation, etc., and the function of the finally obtained toner is sufficiently high. Can be difficult to do.
[0179]
In addition, the softening point of amorphous polyester is T1/2(A) [° C], the melting point of the block polyester is Tm(B) [° C.] The material temperature (kneading temperature) in the second kneading step is TK2[℃], Tm(B)> TK2> T1/2It is preferable to satisfy the relationship (A). By satisfying such a relationship, the first region and the second region can be phase-separated (micro-separated) to an appropriate size, and the coloring contained in the first kneaded material 8 It is possible to effectively prevent the agent from moving into the first region. As a result, in the obtained second kneaded material 10, the ratio of the content of the colorant contained in the second region to the content of the colorant contained in the first region can be particularly increased. . As a result, the above-described effect becomes more remarkable in the finally obtained toner.
In addition, in this embodiment, the 2nd raw material 9 should just contain block polyester at least, and may contain components other than these. For example, the second raw material 9 may include an amorphous polyester contained in the first raw material 7 as a part of its constituent components.
[0180]
<1F> Extrusion process
The second kneaded product 10 obtained in the second kneading step is pushed out of the kneader 1 through the head unit 13 by the rotation of the screws 122 and 123.
In the illustrated configuration, the internal space 131 has a cross-sectional area gradually decreasing portion 133 in which the cross-sectional area gradually decreases in the direction of the extrusion port 132.
[0181]
By having such a cross-sectional area gradually decreasing portion 133, the extrusion amount of the second kneaded product 10 extruded from the extrusion port 132 is stabilized, and the cooling rate of the second kneaded product 10 in the cooling step described later is stable. To do. As a result, the toner produced using the toner has a small variation in characteristics among the toner particles, and has excellent overall characteristics.
[0182]
<1G> Cooling process
The softened second kneaded product 10 extruded from the extrusion port 132 of the head unit 13 is cooled by the cooler 6 and solidified.
The rolls 61, 62, 63, and 64 rotate about the rotation shafts 611, 621, 631, and 641 in the directions indicated by e, f, g, and h in the drawing, respectively, and thereby the extrusion port 132 of the kneader 1. The second kneaded material 10 extruded from is introduced between the belt 65 and the belt 66. The second kneaded material 10 introduced between the belt 65 and the belt 66 is cooled while being formed into a plate shape having a substantially uniform thickness. The cooled second kneaded material 10 is discharged from the discharge part 67.
[0183]
By the way, in the second kneading step, since a shearing force is applied to the raw material (second kneaded material), macrophase separation or the like is sufficiently prevented, but the second kneading step is finished. Since the kneaded product is not subjected to a shearing force, if it is left for a long period of time, macro phase separation or the like may occur. Therefore, it is preferable to cool the second kneaded material obtained as described above as soon as possible. Specifically, the cooling rate of the second kneaded product (for example, the cooling rate when the second kneaded product is cooled to about 60 ° C.) is preferably −3 ° C./second or more, and preferably −5 to More preferably, it is −100 ° C./second. Also, the time required from the end of the second kneading step (when the shear force is no longer applied) to the completion of the cooling step (for example, the time required to cool the temperature of the second kneaded product to 60 ° C. or lower) ) Is preferably 20 seconds or shorter, more preferably 3 to 12 seconds.
[0184]
<1H> Granulation process
By granulating the second kneaded material 10 that has undergone the cooling step as described above, a powder for toner production is obtained.
In the present embodiment, the granulation step includes a pulverization step and a thermal spheronization step as described below. Note that the thermal spheronization step is not necessarily performed.
[0185]
(1) Grinding process
First, the 2nd kneaded material 10 which passed through the cooling process as mentioned above is grind | pulverized.
The pulverization method is not particularly limited, and can be performed using various pulverizers and crushers such as a ball mill, a vibration mill, a hammer mill, a jet mill, a pin mill, and a feather mill.
[0186]
The pulverization process may be performed in multiple steps (for example, two stages of a coarse pulverization process and a fine pulverization process).
In addition, after such a pulverization step, a classification process or the like may be performed as necessary.
For the classification treatment, for example, a sieve, an airflow classifier or the like can be used.
[0187]
In addition, the obtained powder for toner production may be subjected to an external addition treatment to which an external additive is added as a pretreatment for a thermal spheronization step described later. By performing such an external treatment as a pretreatment, the fluidity and dispersibility of the toner particles are improved, and the toner can be more reliably prevented and suppressed from being fused by heat. In addition, the external additive as described above can be used for the external addition treatment as such pretreatment. Further, such an external addition treatment as a pretreatment can be suitably performed by using a Henschel mixer or the like, as will be described later, in the same manner as an external addition step as a subsequent step of the thermal spheronization treatment.
[0188]
(2) Thermal spheronization process (thermal spheronization process)
Next, a thermal spheronization treatment is performed in which the powder (powder for toner production) obtained in the pulverization step is heated to be spheroidized.
By performing such a thermal spheronization treatment, relatively large irregularities on the surface of the powder for toner production are removed, and the circularity becomes relatively high. As a result, the finally obtained toner has a small difference in charging characteristics between the individual toner powders, and the developability on the photoconductor is improved and the toner adheres to the photoconductor (filming). ) Is more effectively prevented, and the toner transfer efficiency is further improved.
[0189]
In particular, the present invention includes a block polyester having a crystalline block (because it includes a first region mainly composed of a block polyester), so that the shape stability of the powder for toner production is improved during the thermal spheronization process. The amorphous polyester can be sufficiently softened while securing a certain degree. Therefore, in the present invention, compared with the case where a raw material not containing block polyester is used, the thermal spheronization treatment can be efficiently performed, and the degree of circularity of the finally obtained toner (toner particles) can be relatively easily achieved. Can be relatively high. Moreover, as a result, the effect by the thermal spheroidization process mentioned above can be exhibited more effectively.
[0190]
The thermal spheronization treatment can be performed by injecting the powder for toner production obtained in the pulverization step into a heated atmosphere using, for example, compressed air. At this time, the atmospheric temperature is preferably 210 to 320 ° C, and more preferably 230 to 300 ° C. If the atmospheric temperature is less than the lower limit, it may be difficult to sufficiently increase the circularity. On the other hand, when the ambient temperature exceeds the upper limit, the material is likely to be thermally decomposed, oxidized and deteriorated, and aggregation, phase separation and the like are likely to occur, and the function of the finally obtained toner may be lowered.
[0191]
The melting point of the block polyester is Tm(B) [° C], the softening point of the amorphous polyester is T1/2(A) At [° C.], the ambient temperature T during the thermal spheronization processS[° C] is (T1/2(A) +120) ≦ TS≤ (TmIt is preferable to satisfy the relationship (B) +90), and (T1/2(A) +140) ≦ TS≤ (TmIt is more preferable to satisfy the relationship (B) +70). Such atmospheric temperature TsBy carrying out the thermal spheronization treatment with the toner, the degree of circularity of the toner particles obtained is made relatively high while sufficiently preventing the occurrence of thermal decomposition, oxidative degradation, aggregation, phase separation, etc. be able to.
[0192]
By performing such treatment, the average circularity R of the finally obtained toner (toner powder) can be easily and reliably controlled to a value in the above-described range.
Further, after such a thermal spheronization step, a treatment such as a classification treatment may be performed as necessary.
Moreover, you may perform such a thermal spheronization process in a liquid.
Note that the thermal spheronization process is not necessarily performed.
For the classification treatment, for example, a sieve, an airflow classifier or the like can be used.
[0193]
<1I> External addition process (external addition process)
Next, the external additive as described above is applied to the pulverized and classified powder for toner production that has been heat spheroidized or not heat spheroidized.
Such application of the external additive can be suitably performed by, for example, mixing the toner manufacturing powder and the external additive using a Henschel mixer or the like.
[0194]
Further, the toner powder obtained in this manner has a coating ratio of the external additive (the ratio of the area covered by the external additive to the surface area of the toner particles, and the sphere corresponding to the average particle diameter of the external additive is the average particle diameter of the toner. The calculated coverage when a sphere having a diameter corresponding to 6-way fine packing is preferably 100 to 300%, and more preferably 120 to 220%. If the coverage of the external additive is less than the lower limit, the effect of the external additive as described above may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the coverage of the external additive exceeds the upper limit, the toner fixability tends to decrease.
[0195]
Further, in the toner, substantially all of the external additive may be attached to the toner particles (mother particles), or a part of the external additive may be released from the surface of the toner particles. Good. That is, the toner may contain an external additive released from the toner particles.
Thus, when the toner contains an external additive released from the mother particles (hereinafter also referred to as “free external additive”), such a free external additive is, for example, opposite to the toner particles. It can function as a microcarrier that is charged to polarity. When such a free external additive functioning as a microcarrier is included in the toner, toner particles having a reverse chargeability during development or the like (toner particles that are charged with a polarity opposite to the polarity that the toner particles should originally exhibit when charged) ) Can be effectively prevented and suppressed. As a result, the toner is less likely to cause inconveniences such as so-called fog.
[0196]
The amount of the external additive released from the toner particles is, for example, the annual meeting of the Electrophotographic Society (95 times) “Japan Hardcopy '97”, “New External Evaluation Method-Toner Analysis with Particle Analyzer” (Suzuki) Measurement is possible by applying the method disclosed in Toshiyuki, Toshio Takahara, sponsored by the Electrophotographic Society, July 9-11, 1997). Hereinafter, an example of a method for measuring the amount of free external additive by a particle analyzer (PT1000) in the case of using (rutile-anatase type) titanium oxide as an external additive will be described.
[0197]
In this measuring method, titanium oxide (TiO 2) is formed on the surface of the mother particle made of resin (C).2The toner T particles formed by adhering the external additive comprising the above are introduced into the plasma to excite the toner particles, obtain an emission spectrum associated with the excitation, and perform the elemental analysis for measurement. It is.
First, an external additive (TiO 2) is added to the toner manufacturing powder (mother powder).2When the toner particles to which the particles are attached are introduced into the plasma, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) Both emit light. At this time, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Are simultaneously introduced into the plasma, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) Will emit light at the same time. Thus, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Simultaneously emits light, the base particles (C) and the external additive (TiO2) And are synchronized. In other words, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Is synchronized with the external additive (TiO2) Represents the state of adhering to the mother particles (C).
[0198]
External additives (TiO2) Is not adhered to the mother particles (C) and the external additive (TiO) released from the mother particles (C).2) Is introduced into the plasma, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Emit light, but at this time, the mother particles (C) and the external additive (TiO 2)2) Are introduced into the plasma at different times, so that the mother particles (C) and the external additive (TiO 2)2(For example, when the mother particles are introduced into the plasma prior to the external additive, the mother particles emit light first, and then the external additive emits light later).
[0199]
Thus, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Emit light at different times, the mother particles (C) and the external additive (TiO2) Is not synchronized (that is, asynchronous). In other words, the base particles (C) and the external additive (TiO2) Is asynchronous with the external additive (TiO2) Represents a state of not adhering to the mother particle (C).
[0200]
Further, in the emission spectrum obtained as described above, the height of the emission signal indicates the intensity of the emission, but this emission intensity is not included in the size or shape of the particles but is included in the particles. Its elements (C, TiO2) Is proportional to the number of atoms. Therefore, in order to express the emission intensity of the element as the size of the particle, the mother particle (C) and the external additive (TiO2) Emission of these base particles (C) and external additives (TiO2) Are assumed to be true spherical particles, and the true spherical particles at this time are referred to as equivalent particles, and these particle sizes are referred to as equivalent particle sizes. Since the external additive is very small, it is impossible to detect each of these particles one by one. Therefore, the detected emission signals of the external additive are added together and converted into one equivalent particle for analysis.
[0201]
When the equivalent particle diameters of the equivalent particles obtained from the emission spectra of the mother particles and the external additive are plotted for each toner particle, an equivalent particle diameter distribution diagram of the toner particles as shown in FIG. 4 is obtained. It is done.
In FIG. 4, the horizontal axis represents the equivalent particle diameter of the base particle (C), and the vertical axis represents the external additive (TiO 2).2). The equivalent particles on the horizontal axis are external additives (TiO2) Represents an asynchronous mother particle (C) not attached, and the equivalent particle on the vertical axis represents an asynchronous external additive (TiO 2) released from the mother particle (C).2). Equivalent particles that are not on the horizontal and vertical axes are added to the base particles (C) as an external additive (TiO 2).2) Represents the synchronous toner attached. Thus, the external additive (TiO 2) for the toner base particles (C) is obtained.2) Is analyzed.
[0202]
The amount of rutile-anatase-type titanium oxide released from the toner particles that can be measured in this way (ratio of rutile-anatase-type titanium oxide contained in the toner as a free external additive) is 0.1 to 5.0 wt% is preferable, and 0.5 to 3.0 wt% is more preferable. If the ratio of the free external additive is too small, the above-mentioned function as a microcarrier may not be sufficiently exhibited. On the other hand, when the ratio of the free external additive exceeds the upper limit, the free external additive adheres to the toner contact member and filming is likely to occur.
[0203]
Next, a second embodiment of the toner manufacturing method of the present invention will be described.
FIG. 18 is a longitudinal sectional view schematically showing the configuration of a kneader and a cooler used in the second embodiment of the toner production method of the present invention. Hereinafter, the toner manufacturing method according to the second embodiment will be described with a focus on differences from the first embodiment described above, and descriptions of similar matters will be omitted.
The kneading machine 1 ′ used in the present embodiment includes a first kneading unit 2 that performs a first kneading process (first kneading process) and a second kneading process (second kneading process). A kneading part 3; a connecting part 4 for connecting the first kneading part 2 and the second kneading part 3; and a head part 5 for extruding the second kneaded product 10 in a predetermined cross-sectional shape. ing.
[0204]
<2A> First kneading step (first kneading process)
First, the first raw material 7 containing at least amorphous polyester and a colorant among the above materials is kneaded to obtain a first kneaded product (first kneading step). The first raw material 7 to be used in the first kneading step is preferably one that has been uniformly mixed in advance by a mixer such as a Henschel mixer.
[0205]
The first kneading step (first kneading process) is performed in the first kneading unit 2.
The first kneading unit 2 includes a feeder 21 that stores the first raw material 7 and a process unit 22 that kneads the first raw material 7 supplied from the feeder 21 while being conveyed. The process unit 22 includes a barrel 221 and screws 222 and 223 inserted into the barrel 221.
[0206]
In the process part 22, when the screws 222 and 223 rotate, a shearing force is applied to the first raw material 7 supplied from the feeder 21, and each component constituting the first raw material 7 is sufficiently uniformly dispersed. A first kneaded product 8 is obtained.
The first kneaded material 8 obtained as described above is fed into the second kneading unit 3 through the connection unit 4 by the rotation of the screws 222 and 223.
[0207]
<2B> Second kneading step (second kneading process)
Next, the first kneaded product 8 obtained in the first kneading step and the second raw material 9 containing at least a block polyester are kneaded (second kneading step).
The second kneading step (second kneading process) is performed in the second kneading unit 3.
The second kneading unit 3 includes a feeder 31 that stores the second raw material 9 and a process unit 32 that kneads while conveying the second raw material 9 supplied from the feeder 31. The process unit 32 includes a barrel 321, screws 322 and 323 inserted into the barrel 321, and a fixing member 324 for fixing the head unit 5 to the tip of the barrel 321.
In the process unit 32, the second raw material supplied from the feeder 31 and the first kneaded material 8 fed from the first kneading unit 2 through the connection unit 4 by the rotation of the screws 322 and 323 and the feeder 31. 9 is kneaded to obtain a second kneaded material 10.
[0208]
<2C> Extrusion process
The second kneaded material 10 kneaded in the process unit 32 is pushed out of the kneader 1 through the head unit 5 by the rotation of the screws 322 and 323.
The head unit 5 has an internal space 51 into which the second kneaded product 10 is fed from the process unit 32 and an extrusion port 52 through which the second kneaded product 10 is extruded.
[0209]
In the illustrated configuration, the internal space 51 has a cross-sectional area gradually decreasing portion 53 in which the cross-sectional area gradually decreases in the direction of the extrusion port 52.
By having such a cross-sectional area gradually decreasing portion 53, the extrusion amount of the second kneaded product 10 extruded from the extrusion port 52 is stabilized, and the cooling rate of the second kneaded product 10 in the cooling step described later is stable. To do. As a result, the toner produced using the toner has a small variation in characteristics among the toner particles, and has excellent overall characteristics.
[0210]
<2D> Cooling process
The softened second kneaded product 10 extruded from the extrusion port 52 of the head unit 5 is cooled by the cooler 6 and solidified in the same manner as in the first embodiment.
<2E> Granulation process
Same as step <1H> described above.
<2F> External addition process (external addition process)
Same as step <1I> described above.
[0211]
As described above, in the present embodiment, a kneader (a two-stage barrel type kneader) having a first kneading unit and a second kneading unit is used. Accordingly, the first kneading step and the second kneading step can be performed continuously, and the steps such as <1B> to <1D> described in the first embodiment can be omitted. it can.
As a result, toner productivity is improved.
[0212]
Further, by using a kneader as shown in FIG. 18, the temperature fluctuation of the raw material (particularly, the first raw material) used for the toner production can be made relatively small, and the heat applied to the raw material used for the toner production. Reduce history. Moreover, the time during which the kneaded product in a heated state comes into contact with air can be shortened. As a result, it is possible to more effectively prevent the deterioration of the constituent components of the toner, and the reliability of the finally obtained toner is further improved.
[0213]
As described above, the toner and the toner production method of the present invention have been described based on the preferred embodiments, but the present invention is not limited to this.
For example, the toner of the present invention is not limited to those manufactured by the method described above. For example, in the above-described embodiment, the method of performing the kneading of the constituent material of the toner in two steps of the first kneading step and the second kneading step has been described, but the kneading step is performed three times or more. It may be performed separately or only once.
[0214]
Further, different kneading apparatuses may be used in the first kneading step and the second kneading step, and kneading conditions such as the number of rotations of the screw may be different.
In the embodiment described above, the configuration using a continuous twin-screw extruder as the kneader has been described. However, the kneader used for kneading the raw materials (first kneading and second kneading) is limited to this. Not. For kneading the raw materials, for example, various kneaders such as a kneader, a batch type triaxial roll, a continuous biaxial roll, a wheel mixer, and a blade type mixer can be used.
[0215]
In the present invention, not only the dry kneading method as described above but also a wet method (for example, a flushing method) may be applied.
In the above-described embodiment, the toner manufacturing powder obtained through the granulation process has been described as being obtained by performing an external addition process. However, the toner powder can be obtained by the granulation process without performing the external addition process. The powder (toner production powder) may be used as the toner as it is. In the above-described embodiment, the thermal spheronization process is described as being performed after the pulverization step. However, such a thermal spheronization process may be omitted.
[0216]
In the above-described embodiment, the powder for toner production (toner particles) is described as using a powder obtained by a pulverization method. However, the powder produced by other methods such as a spray drying method or a polymerization method is used. It may be.
In the above-described embodiment, the configuration in which the thermal spheronization process is performed under dry conditions has been described. However, the thermal spheronization process may be performed under wet conditions such as in a solution.
[0217]
In the illustrated configuration, a kneader having two screws has been described. However, the number of screws may be one or three or more.
In the above-described embodiment, the configuration using the belt type as the cooler has been described. However, for example, a roll type (cooling roll type) cooler may be used. Moreover, the cooling of the kneaded material extruded from the extrusion port of the kneader is not limited to the one using the above-described cooling machine, and may be performed by air cooling or the like, for example.
[0218]
In the embodiment described above, the rutile-anatase type titanium oxide has been described as being added as an external additive. For example, by using the rutile-anatase-type titanium oxide as one component of the raw material provided for the kneading step. The toner may be contained in the toner.
In the above-described embodiment, ΔT obtained by measuring the endothermic peak of the melting point by differential scanning calorimetry (DSC) has been described as an index indicating crystallinity. However, the index indicating crystallinity is not limited to this. For example, as an index representing crystallinity, a crystallinity measured by a density method, an X-ray method, an infrared method, a nuclear magnetic resonance absorption method, or the like may be used.
[0219]
In addition, the fixing device and the image forming apparatus to which the toner of the present invention is applied are not limited to those described in the above-described embodiments, and each unit constituting the fixing device and the image forming apparatus can exhibit the same function. Any configuration can be substituted.
For example, in the above-described embodiment, the contact type fixing device has been described. However, the present invention is not limited to such a contact type fixing device, and may be applied to a non-contact type fixing device. Good.
[0220]
【Example】
[1] Production of polyester
Prior to toner production, the following three types of polyesters A, A ', B, C, and D were produced.
[1.1] Production of polyester A (amorphous polyester)
First, a mixture of neopentyl glycol: 36 mol parts, ethylene glycol: 36 mol parts, 1,4-cyclohexanediol: 48 mol parts, dimethyl terephthalate: 90 mol parts, and phthalic anhydride: 10 mol parts was prepared.
[0221]
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method. A mixture of the diol component and the dicarboxylic acid component: 1000 g , 1 g of an esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)) was placed in the 2-liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 180 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 200 ° C., and the stirring rotation speed: stirring at 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester A (PES-A).
[0222]
With respect to the obtained polyester A, an attempt was made to measure the endothermic peak of the melting point with a differential scanning calorimeter. As a result, a sharp peak that could be determined to be an absorption peak at the melting point could not be confirmed. Also, the softening point T of polyester A1/2Is 111 ° C, glass transition point TgIs 60 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 1.3 × 104Met.
[0223]
[1.2] Production of polyester A '(amorphous polyester)
First, a mixture of neopentyl glycol: 96 mol parts, ethylene glycol: 12 mol parts, 1,4-cyclohexanediol: 12 mol parts, and dimethyl terephthalate: 100 mol parts was prepared.
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method. A mixture of the diol component and the dicarboxylic acid component: 1000 g , 1 g of an esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)) was placed in the 2-liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 180 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 200 ° C., and the stirring rotation speed: stirring at 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester A ′ (PES-A ′).
[0224]
An attempt was made to measure the endothermic peak of the melting point of the obtained polyester A ′ using a differential scanning calorimeter. As a result, a sharp peak that could be determined to be an absorption peak at the melting point could not be confirmed. Further, the softening point T of polyester A '1/2Is 108 ° C, glass transition point TgIs 58 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 1.5 × 104Met.
[0225]
[1.3] Manufacture of polyester B (block polyester)
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed in a conventional manner, and polyester A obtained in [1.1] above: 70 1,4-butanediol as a diol component: mixture of 15 mol parts and dimethyl terephthalate as a dicarboxylic acid component: 15 g, esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)): 1 g was placed in the 2 liter 4 neck flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 200 ° C. while water and methanol produced were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 220 ° C., and the stirring rotation speed: 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester B (PES-B).
[0226]
Center value T of the endothermic peak of the melting point of polyester B as measured using a differential scanning calorimetermpIs 218 ° C, shoulder peak value TmsWas 205 ° C. Further, from the differential scanning calorimetry curve obtained from the measurement, the heat of fusion E of polyester B determined was obtained.fWas 18 mJ / mg. Also, the softening point T of polyester B1/2Is 149 ° C., glass transition point TgIs 64 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 2.8 × 104Met.
[0227]
[1.4] Manufacture of polyester C (block polyester)
In a 2 liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed in a conventional manner, and polyester A obtained in [1.1] above: 90 1,4-butanediol as a diol component: a mixture of 5 mol parts and dimethyl terephthalate as a dicarboxylic acid component: 5 g of an esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)): 1 g was placed in the 2 liter 4 neck flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 180 ° C. while the generated water and methanol were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 200 ° C., and the stirring rotation speed: stirring at 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester C (PES-C).
[0228]
Center value T of the endothermic peak of the melting point of polyester C as measured with a differential scanning calorimetermpIs 195 ° C., shoulder peak value TmsWas 182 ° C. Further, from the differential scanning calorimetry curve obtained by the measurement, the heat of fusion E of polyester C obtained was determined.fWas 8 mJ / mg. Also, the softening point T of polyester C1/2Is 120 ° C., glass transition point TgIs 63 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 2.5 × 104Met.
[0229]
[1.5] Manufacture of polyester D (highly crystalline polyester, not block polyester)
In a 2-liter four-necked flask, a reflux condenser, a distillation tower, a water separator, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer, and a stirrer were installed according to a conventional method, and 1,4-butanediol as a diol component: 50 parts by mole 1000 g of a mixture of dimethyl terephthalate as a dicarboxylic acid component: 60 mol parts and 1 g of an esterification condensation catalyst (titanium tetrabutoxide (PPB)) were placed in the 2-liter four-necked flask. Thereafter, the esterification reaction was allowed to proceed at a material temperature of 260 ° C. while water and methanol produced were allowed to flow out of the distillation tower. When water and methanol no longer flowed out of the distillation column, the distillation column was removed from the 2-liter four-necked flask and connected to a vacuum pump. With the pressure in the system reduced to 5 mmHg or less, the temperature was set to 280 ° C., and the stirring rotation speed: stirring at 150 rpm, the free diol generated in the condensation reaction was discharged out of the system, and the resulting reaction product Was polyester D (PES-D).
[0230]
Center value T of the endothermic peak of the melting point of polyester D measured with a differential scanning calorimetermpIs 228 ° C, shoulder peak value TmsWas 215 ° C. Further, from the differential scanning calorimetry curve obtained by the measurement, the melting heat E of the polyester D obtained was determined.fWas 35 mJ / mg. Also, the softening point T of polyester D1/2Is 180 ° C, glass transition point TgIs 70 ° C. and the weight average molecular weight Mw is 2.0 × 104Met.
[0231]
In addition, the measurement of melting | fusing point, softening point, glass transition point, and weight average molecular weight about each said resin material was performed as follows.
Melting point TmWas measured as follows using a differential scanning calorimeter DSC (DSC220 type, manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd.). First, the resin sample was heated to 200 ° C. at a rate of temperature increase: 10 ° C./min, and then decreased to 0 ° C. at a rate of temperature decrease: 10 ° C./min. Thereafter, the temperature is increased at a rate of temperature increase of 10 ° C./minute, and the maximum endothermic peak temperature (at the time of 2nd run) due to crystal melting at that time is expressed asmAs sought.
[0232]
Softening point T1/2Was measured using a capillary rheometer (manufactured by Shimadzu Corporation, flow tester CFT-500 type). Sample amount: 1 g, die hole diameter: 1 mm, die length: 1 mm, load: 20 kgf, preheating time: 300 seconds, measurement start temperature: 50 ° C., heating rate: 5 ° C./min The temperature (1/2 method temperature) when the fluctuation range of the piston stroke between the start point and the end point of the outflow is ½ is the softening point T.1/2(See FIG. 3).
[0233]
Glass transition point TgThe measurement of was carried out simultaneously with the measurement of the melting point using a differential scanning calorimeter DSC (Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., DSC220 type). The tangent of the maximum differential value (maximum slope point of DSC data) between two points of the baseline designated point before and after the glass transition at the 2nd run described in the above melting point measurement method, and the extension of the baseline before the glass transition The point of intersection with the line is the glass transition point TgAs sought.
[0234]
The weight average molecular weight Mw was measured using gel permeation chromatography GPC (manufactured by Tosoh Corporation, model HLC-8220) as follows.
First, 1 g of a resin sample was dissolved in THF (tetrahydrofuran) to obtain 1 mL of a THF solution (including insoluble matter). This THF solution was poured into a sample bottle dedicated to centrifugation, centrifuged at 2000 ppm for 5 minutes in a centrifuge, and filtered through the supernatant liquid sample prep LCR13-LH (pore size: 0.5 μm). A filtrate was obtained.
The filtrate thus obtained was subjected to gel permeation chromatography GPC (manufactured by Tosoh Corporation) under the conditions of column: TSKgel SuperHZ4000 + SuperHZ4000 (manufactured by Tosoh Corporation), flow rate: 0.5 mL / min, temperature: 25 ° C., solvent: THF. HLC-8220 type), and the weight average molecular weight Mw of the resin sample was determined based on the resulting chart. Note that monodisperse polystyrene was used as the standard sample.
[0235]
[2] Manufacture of toner
A toner was manufactured as follows.
Example 1
First, 60 parts by weight of polyester A as an amorphous polyester and 40 parts by weight of cyan pigment (PR 15: 3) as a colorant were prepared.
Each of these components was mixed using a 20 L type Henschel mixer to obtain a first raw material.
[0236]
The first raw material thus obtained was kneaded using a kneader as shown in FIG. 1 to obtain a first kneaded product (first kneading step).
In the first kneading step, the temperature in the barrel TK1: 120 ° C., head portion temperature: 120 ° C., screw rotation speed: 120 rpm, material (first raw material) supply rate: 10 kg / h.
The first kneaded product obtained by the first kneading step was extruded from the extrusion port of the head part, cooled with a cooler, and then coarsely pulverized to an average particle size of 1 to 2 mm by a feather mill (see FIG. 1). .
[0237]
The powdery first kneaded material obtained as described above: 10 parts by weight of the second raw material (polyester A: 58 parts by weight, polyester as a block polyester, using a kneader as shown in FIG. B: 28 parts by weight, kneaded with chromium salicylate complex (Bontron E-81): 1 part by weight as a charge control agent, and carnauba wax: 3 parts by weight as a wax, to obtain a second kneaded product (first 2 kneading step).
[0238]
In the second kneading step, the barrel internal temperature TK2: 120 ° C., head internal temperature: 110 ° C., screw rotation speed: 120 rpm, material (mixture of first kneaded material and second raw material) supply rate: 20 kg / h.
The 2nd kneaded material obtained by the 2nd kneading | mixing process was extruded from the extrusion port of the head part, and was cooled with the cooler (refer FIG. 1).
[0239]
The second kneaded product cooled as described above was coarsely pulverized (average particle size: 1 mm or less), and then finely pulverized. A feather mill was used for coarse pulverization of the kneaded product, and a jet mill (200 AFG manufactured by Hosokawa Micron Corporation) was used for fine pulverization. The fine pulverization was performed under the conditions of pulverization air pressure: 500 kPa and rotor rotation speed: 7000 rpm.
The pulverized product thus obtained was classified with an air classifier (manufactured by Hosokawa Micron Corporation, 100 ATP).
[0240]
The cooling rate of the second kneaded product was −7 ° C./second. In addition, the time required from the end of the kneading process to the end of the cooling process was 10 seconds.
Thereafter, the classified pulverized product (powder for toner production) was subjected to a thermal spheronization treatment. The thermal spheronization treatment was performed using a thermal spheronization apparatus (Nippon Pneumatic Co., Ltd., SFS3 type). The temperature of the atmosphere during the heat spheronization treatment was 270 ° C.
[0241]
Thereafter, an external additive was applied to the powder subjected to the thermal spheronization treatment to obtain a toner. The application of the external additive was performed by mixing 100 parts by weight of the powder subjected to the thermal spheroidizing treatment and 2.5 parts by weight of the external additive using a 20 L type Henschel mixer. As external additives, negatively chargeable small particle size silica (average particle size: 12 nm): 1 part by weight, negatively chargeable large particle size silica (average particle size: 40 nm): 0.5 part by weight, rutile anatase A type of titanium oxide (substantially spindle shape, average major axis diameter: 30 nm): 1 part by weight was used. In addition, as the negatively chargeable silica (negatively chargeable small particle size silica, negatively chargeable large particle size silica), those subjected to surface treatment (hydrophobization treatment) with hexamethyldisilazane were used. In addition, as the rutile-anatase type titanium oxide, the ratio of the rutile-type titanium oxide crystal structure to the anatase-type titanium oxide is 90:10 and absorbs light in the wavelength region of 300 to 350 nm. Things were used.
[0242]
However, in the production of the toner as described above, the change rate of the weight average molecular weight of each resin material before and after the production is within ± 10%, and the change amount of the melting point, the softening point, and the glass transition point is within ± 10 ° C. The conditions were as follows.
The average particle size of the finally obtained toner was 7.5 μm. The obtained toner had an average circularity R of 0.94. The acid value of the toner was 0.8 KOH mg / g. The average length of the crystals in the toner was 400 nm. Further, the coverage of the external additive in the obtained toner was 160%. The ratio (release rate) of the rutile-anatase-type titanium oxide contained in the toner as a free external additive was 1.6%.
[0243]
The circularity was measured in a water dispersion system using a flow type particle image analyzer (manufactured by Sysmex Corporation, FPIA-2000). However, the circularity R is represented by the following formula (I).
R = L0/ L1... (I)
(However, in the formula, L1[Μm] is the peripheral length of the projected image of the toner particles to be measured, L0[Μm] represents the circumference of a perfect circle having an area equal to the area of the projected image of the toner particles to be measured. )
Further, the average length of the crystals in the toner was obtained from the result of measurement using a transmission electron microscope (TEM).
[0244]
(Example 2)
A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that polyester C was used as the block polyester and positively charged silica (average particle size: 40 nm): 1 part by weight was used as the external additive. The positively chargeable silica was obtained by subjecting negatively chargeable silica to a surface treatment (hydrophobization treatment) using an amino group-containing silane coupling agent (aminosilane).
[0245]
(Examples 3 and 4)
The composition of the raw material used for the first kneading step (first raw material) and the raw material used for the second kneading step (second raw material, first kneaded product) is as shown in Table 1, and the external addition step A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that the type and amount of the external additive used in 1 were as shown in Table 1. Further, for Example 3, the second kneading step is performed at the temperature T in the barrel.K2: 150 ° C., head part temperature: 110 ° C., screw rotation speed: 80 rpm, material (mixture of first kneaded material and second raw material) supply rate: 20 kg / h.
[0246]
(Examples 5 and 6)
Instead of polyester A, using polyester A ′, the composition of the raw material used for the first kneading step (first raw material) and the raw material used for the second kneading step (second raw material, first kneaded product) A toner was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the type and amount of the external additive used in the external addition step were as shown in Table 1 and as shown in Table 1.
(Examples 7 to 9)
As a kneading machine, the one shown in FIG. 18 was used, and the first kneading step and the second kneading step were performed continuously in the same manner as in Examples 1, 3, and 5, Each toner was manufactured.
[0247]
(Comparative Example 1)
A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that the polyester B contained in the second raw material was changed to the polyester A.
(Comparative Example 2)
A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that the polyester A contained in the second raw material was changed to the polyester B in the first raw material.
[0248]
(Comparative Example 3)
A toner was produced in the same manner as in Example 1 except that polyester D was used instead of polyester B contained in the second raw material.
(Comparative Example 4)
First, 60 parts by weight of polyester D and 40 parts by weight of cyan pigment (PR 15: 3) as a colorant were prepared.
Each of these components was mixed using a 20 L type Henschel mixer to obtain a first raw material.
[0249]
The first raw material thus obtained was kneaded using a kneader as shown in FIG. 1 to obtain a first kneaded product (first kneading step).
In the first kneading step, the temperature in the barrel TK1: 190 ° C, head internal temperature: 190 ° C, screw rotation speed: 120 rpm, material (first raw material) supply rate: 10 kg / h.
The first kneaded product obtained by the first kneading step was extruded from the extrusion port of the head part, cooled with a cooler, and then coarsely pulverized to an average particle size of 1 to 2 mm by a feather mill (see FIG. 1). .
[0250]
The powdery first kneaded material obtained as described above: 10 parts by weight of the second raw material (polyester A: 58 parts by weight, polyester D: 28 using a kneader as shown in FIG. A second kneaded product was obtained by kneading with 1 part by weight of a chromium salicylate complex (Bontron E-81) as a charge control agent and 1 part by weight of carnauba wax as a wax (second kneading). Process).
[0251]
In the second kneading step, the barrel internal temperature TK2: 150 ° C., head portion temperature: 140 ° C., screw rotation speed: 120 rpm, material (mixture of first kneaded material and second raw material) supply rate: 20 kg / h.
The 2nd kneaded material obtained by the 2nd kneading | mixing process was extruded from the extrusion port of the head part, and was cooled with the cooler (refer FIG. 1).
[0252]
The cooling rate of the second kneaded product was −7 ° C./second. In addition, the time required from the end of the kneading process to the end of the cooling process was 10 seconds.
Thereafter, the second kneaded product obtained as described above was subjected to pulverization, classification, thermal spheronization and external addition in the same manner as in Example 1 to produce a toner.
[0253]
(Comparative Examples 5 and 6)
A toner (colorless toner) was produced in the same manner as in Examples 1 and 4 except that the first raw material was a material containing no colorant.
[0254]
Constituent components of the toners of the respective Examples and Comparative Examples are shown in Table 1, and the average particle diameter, average circularity R, acid value, average length of crystals in the toner, coverage of external additives, Table 2 summarizes the liberation rate of rutile-anatase type titanium oxide. In the table, polyester A, polyester A ', polyester B, polyester C, and polyester D are indicated by PES-A, PES-A', PES-B, PES-C, and PES-D, respectively.
[0255]
In addition, the toner of each example and each comparative example was observed using a transmission electron microscope (TEM). As a result, for the toner of each example and the toners of Comparative Examples 5 and 6, the first region mainly composed of block polyester and the second region mainly composed of amorphous polyester were phase separated ( In particular, it was confirmed that the toners of Examples 1 to 9 existed by microphase separation. In the toners of Comparative Examples 3 and 4, it was confirmed that the region mainly composed of crystalline polyester (polyester D) and the region mainly composed of amorphous polyester existed by microphase separation. It was done. The average particle size of the first region in the toner particles measured by the observation as described above is a value in the range of 0.05 to 1.0 μm for any of the toners of Examples 1 to 9. Met. In addition, from the observations as described above, it was confirmed that in the toners of Examples and Comparative Example 3, the colorant was unevenly distributed in a region (second region) mainly composed of amorphous polyester. In the toner of Comparative Example 4, the colorant was unevenly distributed in a region (first region) mainly composed of crystalline polyester.
[0256]
For the toners of Examples and Comparative Examples 3 and 4, the toner particles are thinly sliced with a microtome, and the phase separation state between the first region and the second region is observed with a TEM (transmission electron microscope). did. Further, from the size and number of the colorant observed with a TEM (transmission electron microscope), the concentration of the colorant in the first region and the second region (C1[Vol%] and C2[Vol%]), and from these results, C1/ C2The value of was obtained. In Comparative Examples 3 and 4, the region mainly composed of polyester D was regarded as the first region.
[0257]
For the toners of the examples and comparative examples, Δt = 0.05 [seconds], and the relaxation elastic modulus G of the toner at 0.01 seconds is the initial relaxation elastic modulus G (0.01) [Pa]. Further, the ratio of G (0.01) [Pa] to G (Δt) [Pa] when the relaxation elastic modulus G (Δt) [Pa] of the toner is Δt seconds, G (0.01) / G (Δt) was determined as follows.
First, about 1 g of toner was sandwiched between parallel plates and melted by heating to prepare a height of 1.0 to 2.0 mm. The samples thus obtained were subjected to viscoelasticity measurement under the following measurement conditions in the stress relaxation measurement mode using an ARES viscoelasticity measuring apparatus (manufactured by Rheometric Scientific F.E.).
・ Measurement temperature: 150 ° C.
-Strain applied amount: Maximum strain in the wire diameter region
・ Geometry: Parallel plate (25mm diameter)
According to the above measurement, the initial relaxation elastic modulus (relaxation elastic modulus at 0.01 seconds): G (0.01) [Pa], relaxation elastic modulus at Δt = 0.05 seconds: G (Δt) [ Pa] was determined. The values of G (0.01) / G (Δt) obtained from these results are also shown in Table 2.
[0258]
[Table 1]
Figure 0004103650
[0259]
[Table 2]
Figure 0004103650
[0260]
[3] Evaluation
Each toner obtained as described above was evaluated for a good fixing area, development durability, storage stability, charging characteristics, transfer efficiency, and transparency.
[3.1] Good fixing range
First, a fixing device as shown in FIGS. 7 to 14 and 17 was manufactured. In this fixing device, the time Δt required for the toner to pass through the nip portion was set to 0.05 seconds. Using this fixing device, an image forming apparatus (color printer) as shown in FIGS. 5 and 6 was produced. An unfixed image sample was collected using this image forming apparatus, and the following test was performed with the fixing device of the image forming apparatus. In addition, the solid amount of the sample to be collected has an adhesion amount of 0.40 to 0.50 mg / cm.2Adjusted. In the state where the surface temperature of the fixing roller of the fixing device constituting the image forming apparatus is set to a predetermined temperature, a paper (high quality plain paper manufactured by Seiko Epson Corporation) on which the unfixed toner image is transferred is placed inside the fixing device. By introducing the toner image, the toner image was fixed on the paper, and it was visually confirmed whether or not an offset occurred after fixing.
[0261]
Similarly, the set temperature of the surface of the fixing roller is sequentially changed within a range of 100 to 250 ° C., and the presence or absence of occurrence of an offset at each temperature is confirmed. It was determined as “range” and evaluated according to the following three-stage criteria.
(Double-circle): The width | variety of a favorable fixing area is 60 degreeC or more.
○: The width of the good fixing region is 35 ° C. or more and less than 60 ° C.
X: The width of the good fixing region is less than 35 ° C.
[0262]
[3.2] Development durability
After setting 30 g of toner in the developing device of the image forming apparatus used in [3.1], aging is performed without replenishment, and the time until filming on the developing roller occurs is measured. The evaluation was performed according to the criteria.
(Double-circle): Even if 120 minutes or more passed after aging start, generation | occurrence | production of filming was not recognized.
○: Filming occurs 60 to 120 minutes after the start of aging.
X: Filming occurs in less than 60 minutes after the start of aging.
[0263]
[3.3] Preservability
The toner of each Example and each Comparative Example was placed in a sample bottle in an amount of 10 g, left in a thermostat at 50 ° C. for 48 hours, and then visually checked for the presence of lumps (aggregation). It evaluated according to.
A: The presence of lumps (aggregation) was not recognized at all.
○: A small lump (aggregation) was slightly observed.
X: A lump (aggregation) was clearly recognized.
[0264]
[3.4] Charging characteristics
In the image forming apparatus used in the above [3.1], the image forming apparatus is stopped in the middle of printing, the cartridge is removed, and the charge amount is measured using a powder charge amount distribution measuring device (E-spart analyzer, manufactured by Hosokawa Micron). The distribution was measured, and from the result, the positive charge amount was obtained as the charge amount and the reverse charge amount.
As for the charge amount, the initial charge amount and the charge amount after printing 1,000 sheets (after 1K) were obtained.
[0265]
The amount of charge after printing 1,000 sheets (after 1K) was evaluated according to the following four criteria.
A: The amount of change (absolute value) from the initial charge amount is less than 0.5 μC / g.
A: The amount of change (absolute value) from the initial charge amount is 0.5 μC / g or more and less than 1 μC / g.
Δ: The amount of change (absolute value) from the initial charge amount is 1 μC / g or more and less than 3 μC / g.
X: The amount of change (absolute value) from the initial charge amount is 3 μC / g or more.
For reversely chargeable toner, the existence ratio with respect to the total toner amount is obtained. If the existence ratio of the reverse chargeability toner is less than 3 wt%, the existence ratio of the reverse chargeability toner is 3 wt% or more. Is x.
[0266]
[3.5] Transfer efficiency
Evaluation was performed as follows using the image forming apparatus used in [3.1].
The toner on the photoconductor immediately after the development process (before transfer) to the photoconductor (image carrier) and the toner on the photoconductor after transfer (after printing) are collected using separate tapes. The weight was measured. The toner weight on the photoreceptor before transfer is expressed in Wb[G] The weight of toner on the photoreceptor after transfer is expressed as WaWhen [g], (Wb-Wa) × 100 / WbWas determined as the transfer efficiency.
[0267]
[3.6] Transparency
First, a small amount of toner was inserted between two slide glasses, melted on a hot plate, and then slowly cooled. The resin constituting the toner is allowed to stand until it is completely solidified, and then the HAZE value is measured with a HAZE meter (Model 1001DP manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.). Were evaluated as x. The HAZE value is a value obtained by dividing the diffuse transmittance by the total transmittance. The better the dispersibility of each component in the toner, the smaller the value.
These results are summarized in Table 3.
[0268]
[Table 3]
Figure 0004103650
[0269]
As apparent from Table 3, the toners of the present invention were all excellent in development durability and exhibited excellent fixability in a wide temperature range. Further, the toner of the present invention was excellent in storage stability. In particular, the toner of the present invention exhibits excellent development durability, fixability, and storage stability while maintaining charging characteristics, transfer efficiency, and transparency. Particularly excellent results were obtained with the toners of Examples 1, 2, 4, and 7 in which the composition of block polyester and amorphous polyester is preferable, and the average particle size of the first region is optimal. It was.
[0270]
On the other hand, with the toner of the comparative example, sufficient characteristics could not be obtained.
In particular, the toner of Comparative Example 1 containing no block polyester was weak against mechanical stress and particularly inferior in development durability and storage stability.
Further, the toner of Comparative Example 2 containing no amorphous polyester had low fixing strength and poor fixing properties. Further, the toner of Comparative Example 2 was inferior in transparency.
[0271]
In addition, the toners of Comparative Examples 3 and 4 in which amorphous polyester and highly crystalline polyester D are used in combination without using block polyester have an affinity between resins (affinity between block polyester and crystalline polyester). In other words, macrophase separation occurred in the toner particles, and the fixability and durability were particularly inferior.
Further, in Comparative Example 4 where the colorant is unevenly distributed in the first region, the durability was particularly low.
[0272]
Further, the toners of Comparative Examples 5 and 6 containing no colorant had relatively excellent development durability, but both were inferior to the toners of Examples 1 to 9. From this, by making the colorant unevenly distributed in the second region mainly composed of amorphous polyester as in the present invention (regardless of the blending ratio of block polyester and amorphous polyester, It can be seen that the effect of improving the durability of the toner is obtained.
[0273]
Further, each toner was passed through the nip portion of the fixing device, and the change amount of the relaxation elastic modulus G (t) in the passage time Δt [seconds] of the toner particles through the nip portion was measured. In each of the toners 1 to 9, the amount of change in the relaxation elastic modulus G (t) was 100 [Pa] or less. The temperature of the nip portion when the toner particles pass was 180 ° C.
[0274]
Further, as a colorant, quinacridone (PR 122), Pigment Red 57: 1, C.I. I. Except for using Pigment Yellow 93 and Carbon Black, toners were prepared in the same manner as in the above Examples and Comparative Examples, and the same evaluations were performed on these toners. As a result, the same results as those of the respective Examples and Comparative Examples were obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view schematically showing an example of the configuration of a kneader and a cooler used in a first embodiment of a toner production method of the present invention.
FIG. 2 is a model diagram of a differential scanning calorimetry curve in the vicinity of the melting point of the block polyester obtained when differential scanning calorimetry is performed on the block polyester.
FIG. 3 is a flowchart for softening point analysis.
FIG. 4 is a diagram for explaining a method of measuring the amount of rutile-anatase type titanium oxide released from toner particles contained in the toner.
FIG. 5 is an overall configuration diagram illustrating a preferred embodiment of an image forming apparatus of the present invention (an image forming apparatus to which the toner of the present invention is preferably applied).
6 is a cross-sectional view of a developing device included in the image forming apparatus of FIG.
7 is a perspective view showing a detailed structure of the fixing device of the present invention used in the image forming apparatus of FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional view of a main part of the fixing device of FIG.
FIG. 9 is a perspective view of a peeling member constituting the fixing device of FIG.
10 is a side view showing a mounting state of a peeling member constituting the fixing device of FIG. 7; FIG.
FIG. 11 is a front view of the fixing device of FIG. 7 as viewed from above.
FIG. 12 is a schematic diagram for explaining an arrangement angle of a peeling member with respect to a tangent at an exit of a fixing nip portion.
FIG. 13 is a diagram schematically illustrating the shape of a fixing roller and a pressure roller, and the shape of a fixing nip portion.
14 is a cross-sectional view taken along line XX in FIG. 13 (a).
FIG. 15 is a diagram schematically illustrating the shape of a fixing roller and a pressure roller, and the shape of a fixing nip portion.
16 is a cross-sectional view taken along line YY in FIG.
FIG. 17 is a cross-sectional view for explaining a gap between the fixing roller and the peeling member.
FIG. 18 is a longitudinal sectional view schematically showing an example of the configuration of a kneader and a cooler used in the second embodiment of the toner production method of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1, 1 '... Kneading machine 12 ... Process part 121 ... Barrel 122, 123 ... Screw 124 ... Fixing member 13 ... Head part 131 ... Internal space 132 ... Extrusion port 133 ... Cross-sectional area gradually decreasing part 14 …… Feeder 2 …… First kneading part 21 …… Feeder 22 …… Processing part 221 …… Barrel
222, 223 ... Screw 3 ... Second kneading part 31 ... Feeder 32 ... Process part 321 ... Barrel 322, 323 ... Screw 324 ... Fixing member 4 ... Connection part 5 ... Head part 51 ... ... Internal space 52 ... Extrusion port 53 ... Cross-sectional area gradually decreasing part 6 ... Cooling device 61, 62, 63, 64 ... Roll 611, 621, 631, 641 ... Rotating shaft 65, 66 ... Belt
67 …… Discharge section 7 …… First raw material 8 …… First kneaded material 9 …… Second raw material
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... 2nd kneaded material 1000 ... Image forming apparatus 20 ... Apparatus main body 30 ... Image carrier 40 ... Charging apparatus 50 ... Exposure apparatus 60 ... Rotary developing apparatus 600 ... Support frame 601 ... Housing 603 ... Supply roller
604... Developing roller 605... Restricting blade 605 a .. Plate member 605 b .. Elastic member 60 Y... Yellow developing device 60 M... Magenta developing device 60 C. …… Intermediate transfer device 90 …… Drive roller 100 …… Drive roller 110 …… Intermediate transfer belt 120 …… Primary transfer roller 130 ...... Transfer belt cleaner 140 …… Secondary transfer roller 150 …… Paper feed cassette 160 …… Pickup Roller 170... Recording medium transport path 190... Fixing device 200 .. Discharge tray 210... Fixing roller (heat fixing member) 210 a.
210c: Elastic layer 210d: Rotating shaft 220: Pressure roller (pressure member)
220b …… Cylinder 220c …… Elastic layer 220d …… Rotating shaft 230 …… Double-sided printing conveyance path 240 …… Housing 250 …… Bearing 260 …… Pressure lever 270 …… Pressure spring 280 …… Drive gear 290… … Support shaft 300 …… support shaft 310 …… peeling member 310a …… peeling portion 310b …… folded portion
310c …… Supporting piece 310d …… Fitting hole 310e …… Guide part 310f …… Tip part 320 …… Peeling member 320a …… Peeling part 320e …… Guide part
330 ... Spring 340 ... Fixing nip (nip) 341 ... Nip outlet 500 ... Recording medium T ... Toner S ... Tangent G1 ... Gap
G2: Gap

Claims (8)

ポリエステル系樹脂と、着色剤とを含む材料で構成されたトナーを製造する方法であって、
前記ポリエステル系樹脂は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであり、
前記非晶性ポリエステルと前記着色剤とを含む第1の混練物を製造する第1の混練工程と、
少なくとも、前記第1の混練物と、前記ブロックポリエステルとを含む材料を混練して、第2の混練物を製造する第2の混練工程とを有し、
前記非晶性ポリエステルの軟化点をT 1/2 (A)[℃]、前記ブロックポリエステルの融点をT (B)[℃]、前記第2の混練工程時における材料温度をT K2 [℃]としたとき、T (B)>T K2 >T 1/2 (A)の関係を満足することを特徴とするトナーの製造方法。
A method for producing a toner composed of a material containing a polyester resin and a colorant,
The polyester resin includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester.
The block polyester has a crystalline block formed by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block,
A first kneading step for producing a first kneaded product containing the amorphous polyester and the colorant;
At least, it possesses a first kneaded product, and kneaded material containing the block polyester, and a second kneading step of producing a second kneaded product,
The softening point of the amorphous polyester is T 1/2 (A) [° C.], the melting point of the block polyester is T m (B) [° C.], and the material temperature during the second kneading step is T K2 [° C. ], A toner production method characterized by satisfying a relationship of T m (B)> T K2 > T 1/2 (A) .
ポリエステル系樹脂と、着色剤とを含む材料で構成されたトナーを製造する方法であって、
前記ポリエステル系樹脂は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであり、
前記非晶性ポリエステルと前記着色剤とを含む第1の混練物を製造する第1の混練工程と、
少なくとも、前記第1の混練物と、前記ブロックポリエステルとを含む材料を混練して、第2の混練物を製造する第2の混練工程とを有し、
前記非晶性ポリエステルの軟化点をT 1/2 (A)[℃]、前記ブロックポリエステルの融点をT (B)[℃]、前記第2の混練工程時における材料温度をT K2 [℃]としたとき、T (B)>T K2 >T 1/2 (A)の関係を満足し、
主として前記ブロックポリエステルで構成された第1の領域と、主として前記非晶性ポリエステルで構成された第2の領域とを形成し、
前記第2の領域中における前記着色剤の濃度が、前記第1の領域における前記着色剤の濃度より高いトナーを製造することを特徴とするトナーの製造方法。
A method for producing a toner composed of a material containing a polyester resin and a colorant,
The polyester resin includes a block polyester mainly composed of a block copolymer, and an amorphous polyester having lower crystallinity than the block polyester.
The block polyester has a crystalline block formed by condensing an alcohol component and a carboxylic acid component, and an amorphous block having lower crystallinity than the crystalline block,
A first kneading step for producing a first kneaded product containing the amorphous polyester and the colorant;
At least a second kneading step of kneading a material containing the first kneaded material and the block polyester to produce a second kneaded material,
The softening point of the amorphous polyester is T 1/2 (A) [° C.], the melting point of the block polyester is T m (B) [° C.], and the material temperature during the second kneading step is T K2 [° C. ], The relationship of T m (B)> T K2 > T 1/2 (A) is satisfied,
Forming a first region mainly composed of the block polyester and a second region mainly composed of the amorphous polyester;
A method for producing a toner, comprising producing a toner in which the concentration of the colorant in the second region is higher than the concentration of the colorant in the first region.
前記第1の混練工程時における材料温度は、80〜160℃である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。 3. The toner manufacturing method according to claim 1, wherein a material temperature in the first kneading step is 80 to 160 ° C. 4. 前記第2の混練工程時における材料温度は、80〜260℃である請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法。4. The toner manufacturing method according to claim 1, wherein a material temperature in the second kneading step is 80 to 260 ° C. 5. 前記第1の混練工程と、第2の混練工程とを連続して行う請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーの製造方法。The method for producing a toner according to claim 1, wherein the first kneading step and the second kneading step are continuously performed. 前記第1の混練工程を行う第1の混練部と、第2の混練工程を行う第2の混練部とを有する、2段バレル式の混練機を用いる請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーの製造方法。A first kneading section for performing the first mixing step, and a second kneading section that performs second mixing step, according to any one of claims 1 to 5 using a two-stage barrel-type kneader Toner production method. 前記第2の混練物を粉砕および分級してトナー製造用粉末を得る工程と、
前記トナー製造用粉末を加熱して球形化する熱球形化工程とを有する請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
Pulverizing and classifying the second kneaded product to obtain a toner production powder;
The method for producing a toner according to claim 1, further comprising a thermal spheronization step in which the powder for toner production is heated to spheroidize.
前記熱球形化工程時における雰囲気の温度は、210〜320℃である請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーの製造方法。The toner manufacturing method according to any one of claims 1 to 7 , wherein the temperature of the atmosphere during the thermal spheronization step is 210 to 320 ° C.
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