JP4174100B2 - ふとん裁断処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、古ふとんを廃棄処理する際に使用するふとん裁断処理装置に関し、特に、焼却処理が可能なようにふとんを多数の四角状片に裁断するふとん裁断処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のふとん綿は、天然綿100%のものが少なく、合成繊維との混合、あるいは合成繊維のみを使用したものがほとんどなので、打ち直しして再利用することは困難である。このため、使い古した古ふとんを廃棄処理する場合は、粗大ごみとして埋め立て地等に運んで、そのまま廃棄しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ふとんは嵩張り、運送作業が大変なので、古ふとんを焼却処理する試みもなされているが、ふとん綿の芯まで完全に燃焼させることは困難で、不完全燃焼の場合には大気汚染等の公害問題を引き起こす虞もあり、未だ実用化には至っていない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、古ふとんを四角片状に裁断することにより、ふとん綿の芯まで完全に燃焼可能とし、焼却処理を可能としたふとん裁断処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明に係るふとん裁断処理装置は、ふとんを一定方向に移送する第1の移送機構と、この第1の移送機構と協働してふとんを押さえながら移送する第1の押さえ機構と、前記第1の移送機構及び前記第1の押さえ機構で移送されるふとんを移送方向と平行方向に複数箇所で裁断すべく互いに平行に設けられた複数の回転刃を備えた第1の裁断機構と、この第1の裁断機構で裁断されたふとんをさらに同一方向に移送する第2の移送機構と、この第2の移送機構と協働してふとんを押さえながら移送する第2の押さえ機構と、前記第2の移送機構及び前記第2の押さえ機構で移送されるふとんを移送方向と直交方向に裁断すべく前記直交方向に移動可能に設けられた回転刃を備えた第2の裁断機構と、この第2の裁断機構による裁断時にふとんを押さえる第3の押さえ機構とからなることを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の本発明に係るふとん裁断処理装置は、上記請求項1の構成において、第1の裁断機構の各回転刃をふとん移送径路から下方に離脱し得るように変位可能に設ける一方、第3の押さえ機構を、第2の裁断機構の回転刃が移動するときに刃先を被覆してガイドするとともに、ふとんを押さえる昇降可能なカバー部材で構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。ここにおいて、図1はふとん裁断処理装置の一部を省略して示す概略的側面図、図2は同じく概略的平面図、図3は第2の裁断機構の一部を省略して示す概略的正面図である。
【0008】
図1及び図2に示すように、ふとん裁断処理装置1は、第1機構部11と第2機構部12とからなる。前記第1機構部11は、処理対象となるふとん(図示せず)を一定方向に移送する第1の移送機構2と、この第1の移送機構2と協働してふとんを押さえながら移送する第1の押さえ機構3と、前記第1の移送機構2及び前記第1の押さえ機構3で移送されるふとんを移送方向と平行方向に複数箇所で裁断すべく互いに平行に設けられた複数、図示例では6個の回転刃41を備えた第1の裁断機構4とからなる。
【0009】
また、第2機構部12は、上述した第1の裁断機構4で裁断されたふとんをさらに同一方向に移送する第2の移送機構5と、この第2の移送機構5と協働してふとんを押さえながら移送する第2の押さえ機構6と、前記第2の移送機構5及び前記第2の押さえ機構6で移送されるふとんを移送方向と直交方向に裁断すべく前記直交方向に移動可能に設けられた回転刃71を備えた第2の裁断機構7と、この第2の裁断機構による裁断時にふとんを押さえる第3の押さえ機構とからなる。なお、第1機構部11と、第2機構部12には、それぞれキャスター84,85が設けられ、ふとん裁断処理装置1は移動可能となっている。
【0010】
続いて、上述した各機構の構成について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、ふとんを間欠的に移送する第1の移送機構2は、一対の回転ロール21,22に掛け渡され、図1上時計方向に、循環移動する2本一組の無端状の搬送ベルト23a,23bを6組備えている。また、これら6組の搬送ベルト23a,23bの前段に、一対の回転ロール24,25に掛け渡された、各搬送ベルト23a,23bと同期して、図1上時計方向に、循環移動する4本の無端状の搬送ベルト26を備えている。これら搬送ベルト26は、回転ロール24側から回転ロール25側に向けて上昇するよう傾斜している。
【0011】
図1に示す第1の押さえ機構3は、第1の移送機構2と協働してふとんを押さえながら移送するもので、図では明確でないが、各搬送ベルト23a,23bの組と対応するよう配設した、2本1組の搬送ベルト33(1本のみ図示)を6組備えている。これら各搬送ベルト33は、一対の回転ロール31,32とガイドロール34に掛け渡され、各搬送ベルト23a,23bと同期して、図1上時計方向に、循環移動する。そして、回転ロール32とガイドロール34は同一高さ位置にあり、回転ロール31はこれらよりも上方に位置して、ふとんの導入が容易になるよう構成している。
【0012】
図1及び図2に示すように、第1の裁断機構4は、各搬送ベルト23a,23bと各搬送ベルト33で上下方向から挟持された状態で移送されるふとんを移送方向と平行方向に裁断するもので、各組の搬送ベルト23a,23bの間に、互いに平行に設けられた6個の回転刃41を備えている。各回転刃41は、第1機構部11の機枠にボルト42で留めた固定杆43に、ブラケット44を介して固定した一対の支持板45a,45bに回転自在に支持している。前記各回転刃41は、モータ(図示せず)の出力軸に固定したプーリ46の回転駆動力を、プーリベルトを介してプーリ47に伝達し、さらに、プーリベルトを介して前記各回転刃41の回転軸に固定したプーリ48に伝達して、回転駆動する。
【0013】
また、各支持板45a,45bはプーリ47の支持軸を軸として下方に揺動可能であり、ボルト42を外すと、フリー状態となった固定杆43とともに下方に揺動し(図1の2点鎖線状態)、各回転刃41はふとんの移送径路から下方に外れる。これによって各搬送ベルト23a,23bが邪魔にならない状態となり、各回転刃41の交換を容易に行うことができる。
【0014】
また、上述した各回転刃41で裁断されたふとんを、さらに同一方向に移送する第2の移送機構5は、上下一対の搬送ロール51,52からなる。これら搬送ロール51,52は、各搬送ベルト23a,23b及び各搬送ベルト33と同期して回転するもので、搬送ロール52は図1上時計方向に、また、搬送ロール51は図1上反時計方向に、それぞれ回転する。
【0015】
第2の押さえ機構6は、上述した搬送ロール51,52と協働してふとんを押さえながら移送するもので、同じく上下一対の搬送ロール61,62からなる。これら搬送ロール61,62は、前記各搬送ロール51,52、各搬送ベルト23a,23b及び各搬送ベルト33と同期して、図1上時計方向に回転する。前記搬送ロール61は、図では明確ではないが、左右一対の支持体63(一方のみ図示、図1参照)に回転自在に支持されているもので、この支持体63がシリンダ64の作動によって昇降動することにより、昇降自在となり、搬送ロール62との間隔を調整可能になっている。
【0016】
上述の搬送ロール51,52及び61,62で移送されるふとんを移送方向と直交方向に裁断する第2の裁断機構7は、回転刃71を備えている。この回転刃71は、断面L字状の移動板72に固定した支持体73に回転自在に支持された回転軸74に取り付けられている。この回転軸74にはプーリ77が取り付けられ、前記移動板72に固定したモータ75の回転駆動力を、プーリ76、プーリベルト、前記プーリ77を介して前記回転軸74に伝達する。
【0017】
図3に示すように、支持体73の下端には無端状のチェーン78が取り付けられ、このチェーン78は一対の可逆回転するスプロケット79a,79bに掛け渡されて、往復循環移動する。これによって、前記支持体73はガイド80に沿って往復移動する。したがって、この支持体73の移動に伴われて、回転刃71はふとんの移送方向と直交方向に移動して、ふとんを移送方向と直交方向に裁断する。
【0018】
この裁断時には、シリンダ81に両端を固定したカバー部材82が、シリンダ81の作動によって下降することにより、回転刃71の刃先を被覆するとともに、ふとんを押さえるものである。すなわち、このカバー部材82が第3の押さえ機構を構成する。前記カバー部材82は、回転刃71の非裁断時には、図2,図3に示す上昇位置にある。
【0019】
また、回転刃71の待機位置及び最終移動位置はふとんの移送経路から外れており、前記回転刃71が待機位置及び最終移動位置に有る場合には、ふとんは前記回転刃71に触れることなく移送される。前記回転刃71を備えた第2の裁断機構7につづいて、切断処理したふとんを搬出するための搬出ベルト83が設けられている。
【0020】
続いて、上述のように構成した実施形態における裁断動作を説明する。なお、この裁断動作は、図示していないセンサーやスイッチの動作に基づいて自動制御される。各搬送ベルト23a,23b,26上に、処理対象となるふとん(図示せず)を載置し、これら各搬送ベルト23a,23b,26と搬送ベルト33を循環移動するとともに、各回転刃41を回転する。これによって、ふとんは各回転刃41に向けて移送され、各搬送ベルト23a,23bと各搬送ベルト33で上下方向から挟持された状態で移送されながら、移送方向と平行方向に6か所で裁断され、7本の帯状部材になる。
【0021】
7本の帯状となったふとんは、各搬送ベルト23a,23b及び各搬送ベルト33と同期して回転駆動している搬送ロール51,52及び搬送ロール61,62により、排出ベルト83方向に移送される。この時、前記回転刃71は待機位置にあるので、帯状に裁断されたふとんは、回転刃71の横を通過していく。所定距離移送したところで、搬送ロール51,52,61,62、各搬送ベルト23a,23b,33を停止する。
【0022】
続いて、カバー部材82を下降して7本の帯状となったふとんを押さえ、回転刃71を回転してカバー部材82でガイドしつつガイド80に沿って一往復し、ふとんを移送方向と直交方向に裁断して、7個の四角状片とする。なお、この裁断時には、搬送ロール61,62も帯状のふとんを挟持して押さえている。
【0023】
このようにして裁断され四角状片となったふとんは、搬出ベルト83により搬出する。一方、カバー部材82を待機位置まで上昇する。これで、一連の裁断動作の1サイクルが終了する。なお、四角状片の大きさは、各回転刃41の間隔と、帯状部材の移送量により決まる。
【0024】
そして、再び各搬送ベルト23a,23b,33及び各搬送ロール51,52,61,62を駆動し、7本の帯状のふとんを所定距離移送したところで、各搬送ローラ51,52,61,62、各搬送ベルト23a,23b,33を停止し、カバー部材82を下降してふとんを押さえ、回転刃71を回転してカバー部材82でガイドしつつガイド80に沿って一往復し、ふとんを7個の四角状片に裁断し、カバー部材82を待機位置まで上昇する。
【0025】
このような裁断動作を繰り返して、1枚のふとんを多数の四角状片に裁断する。そして、1枚のふとんすべてを四角状片に裁断し終わったら、処理対象である新たなふとんをセットして、上述の裁断動作を繰り返す。
【0026】
なお、本発明が、上述した実施形態に限定されないことはもちろんであり、例えば、回転刃41の数は6個に限らない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本願の請求項1の発明であるふとん裁断処理装置によれば、ふとんを多数の四角状片に裁断できるので、焼却処理で完全に燃焼させることができ、廃棄処分が容易であり、また、押さえ機構で押さえながら、回転刃で裁断するので、ふとんの裁断処理がより確実に行えるという効果を奏する。
【0028】
本願の請求項2の発明であるふとん裁断処理装置によれば、上述の効果に加え、第1の裁断機構の回転刃をふとんの移送経路から下方に離脱できるので、回転刃の交換が容易になるとともに、第2の裁断機構での裁断時に回転刃の刃先をカバー部材で被覆するとともにふとんを押さえるので、作業を安全かつ確実になし得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ふとん裁断処理装置の一部を省略して示す概略的側面図。
【図2】 同じく概略的平面図。
【図3】 第2の裁断機構の一部を省略して示す概略的正面図。
【符号の説明】
1 ふとん裁断処理装置
23a,23b,26,33 搬送ベルト
41 回転刃
45a,45b 支持板
51,52,61,62 搬送ロール
71 回転刃
72 カバー部材
Claims (2)
- ふとんを一定方向に移送する第1の移送機構と、この第1の移送機構と協働してふとんを押さえながら移送する第1の押さえ機構と、前記第1の移送機構及び前記第1の押さえ機構で移送されるふとんを移送方向と平行方向に複数箇所で裁断すべく互いに平行に設けられた複数の回転刃を備えた第1の裁断機構と、この第1の裁断機構で裁断されたふとんをさらに同一方向に移送する第2の移送機構と、この第2の移送機構と協働してふとんを押さえながら移送する第2の押さえ機構と、前記第2の移送機構及び前記第2の押さえ機構で移送されるふとんを移送方向と直交方向に裁断すべく前記直交方向に移動可能に設けられた回転刃を備えた第2の裁断機構と、この第2の裁断機構による裁断時にふとんを押さえる第3の押さえ機構とからなることを特徴とするふとん裁断処理装置。
- 第1の裁断機構の各回転刃をふとん移送径路から下方に離脱し得るように変位可能に設ける一方、第3の押さえ機構を、第2の裁断機構の回転刃が移動するときに刃先を被覆してガイドするとともに、ふとんを押さえる昇降可能なカバー部材で構成したことを特徴とする請求項1記載のふとん裁断処理装置。
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JP13605398A JP4174100B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | ふとん裁断処理装置 |
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JP13605398A Expired - Lifetime JP4174100B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | ふとん裁断処理装置 |
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1998
- 1998-04-30 JP JP13605398A patent/JP4174100B2/ja not_active Expired - Lifetime
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