JP4173059B2 - 気筒休止制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒休止機構を備えた多気筒内燃機関において一部の気筒の休止制御を行う気筒休止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からクルーズ走行時など低負荷運転状態において一部の気筒を休止して燃料消費量の低減を図った多気筒内燃機関が知られている。
気筒休止運転と気筒休止解除運転との間の切換えに際して内燃機関の出力変化があるとショックがあり運転者に違和感を与える。
【0003】
そこで両運転状態の機関出力が一致する近傍でヒステリシスを設けて気筒休止切換えを行うようにしスムーズな運転ができるようにした例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭63−21812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、気筒休止の切換え過渡状態において、運転者の要求トルクが一定であるにもかかわらず、機関回転数は自動変速装置の制御状態(ギア段)により大きく変動するため、気筒休止の切換え時にハンチングが発生する可能性がある。
【0006】
円滑に切換えるため、特許文献1のようにヒステリシスを備えた切換特性に従って気筒休止の切換えを行う必要があるが、自動変速装置の全ての制御状態に適用させることは困難である。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、気筒休止の切換えが変速装置の全ての制御状態で円滑に実行され常にスムーズな運転ができる多気筒内燃機関の気筒休止制御装置を供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、車両搭載の気筒休止機構を備えた多気筒内燃機関の気筒休止制御装置において、車速を検出する車速センサと、スロットル弁開度を検出するスロットルセンサと、変速装置の使用されているギア段を判別するギア段判別手段と、車速とスロットル弁開度をパラメータとする運転領域マップであって気筒休止許可領域と、気筒休止禁止領域と、前記気筒休止許可領域と前記気筒休止禁止領域との間の運転切換待ち領域とを、3つの運転領域とする予め変速装置のギア段ごとに設定された運転領域マップを記憶する運転領域マップ記憶手段と、前記車速センサが検出した車速と前記スロットルセンサが検出したスロットル弁開度をもとに前記マップ記憶手段が記憶する運転領域マップのうち前記ギア段判別手段が判別したギア段に係る運転領域マップを検索して運転領域を判定する運転領域判定手段と、前記運転領域判定手段が判定した運転領域に基づいて気筒休止の許可または禁止を判定する気筒休止可否判定手段と、オートクルーズ中か否かを判別するオートクルーズ判別手段と、オートクルーズ判別手段がオートクルーズ中と判別したときは前記運転領域マップ記憶手段が記憶する運転領域マップの気筒休止禁止領域を狭く設定し直す領域変更手段とを備えた気筒休止制御装置とした。
【0009】
変速装置のギア段ごとに最適に設定された運転領域マップが記憶されており、この運転領域マップには気筒休止許可領域と気筒休止禁止領域の間にヒステリシス特性を持たせる運転切換待ち領域を備え、このギア段ごとの運転領域マップに基づき気筒休止可否判定手段がスムーズな運転が担保された場合にのみ気筒休止の切換えが行われるように判定するので、気筒休止の切換えが変速装置の全てのギア段で円滑に実行され常にスムーズな運転ができる。
【0011】
オートクルーズ中は運転領域マップ記憶手段が記憶する運転領域マップの気筒休止禁止領域を狭く設定し直すので、気筒休止運転状態の継続性を向上させ、更なる燃料消費量の低減を図ることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の気筒休止制御装置において、燃料の供給を停止したか否かを判定する燃料停止判定手段と、前記燃料停止判定手段が燃料の供給を停止したと判定したときは所定時間気筒休止運転への切換えを禁止する気筒休止切換禁止手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
減速時において燃料停止制御と同時に気筒休止の切換えが実施されると、車両挙動を伴うショックが発生するので、燃料の供給を停止したときは所定時間気筒休止運転への切換えを禁止することで、かかるショックの発生を防止することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の気筒休止制御装置において、前記所定時間が、ロックアップクラッチの係合状態に応じて変更されることを特徴とする。
【0015】
クランク軸と変速機の出力軸との間に介装されるロックアップクラッチが係合していれば、燃料供給を停止した後にロックアップクラッチの係合が気筒休止の切換えと重なりショックを発生するようなことはないので、ロックアップクラッチの係合が検出できれば燃料停止後の切換え待ち時間を短くして早期に気筒休止運転へ切換えることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の気筒休止制御装置において、スロットル弁開度の変化量を算出する弁開度変化量算出手段を備え、前記気筒休止可否判定手段は前記弁開度変化量算出手段が算出した弁開度変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することを特徴とする。
【0017】
スロットル弁開度の変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することで、スロットル弁開度の変化量が大きく安定しない状態で不要な気筒休止の切換えをするのを防止することができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項4記載の気筒休止制御装置において、車速変化量を算出する車速変化量算出手段を備え、前記気筒休止可否判定手段は前記車速変化量算出手段が算出した車速変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することを特徴とする。
【0019】
車速変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することで、車速変化量が大きく安定しない状態で不要な気筒休止の切換えをするのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づき説明する。
図示されない自動二輪車に搭載されるOHC式4ストロークサイクル内燃機関1は、図1に図示されるように、クランク軸(図示されず)が車幅方向に指向して、車体前方の3気筒のシリンダ列(前側バンクBf)と車体後方の3気筒のシリンダ列(後側バンクBr)とが前後に略60度の夾角をなした6気筒前後V型内燃機関である。
【0021】
このようなOHC式4ストロークサイクル内燃機関1の本体は、シリンダブロック2と、該シリンダブロック2の下面に一体に装着されるクランクケース3と、該シリンダブロック2の車体前方のシリンダ列および車体後方のシリンダ列の頂端にそれぞれ一体に装着されるシリンダヘッド4,4と、該シリンダヘッド4,4の頂部をそれぞれ覆うヘッドカバー5,5とから構成されている。
【0022】
図2は、かかる前後V型の内燃機関1を模式的に示すとともに制御系を加えた概略構成図である。
内燃機関1の前後バンクBf,Br間の空間に各バンク毎に吸気マニホールド6,6が配設され、各吸気マニホールド6,6の枝管6a,6aがそれぞれ各シリンダヘッド4の吸気ポートに連結されている。
【0023】
各吸気マニホールド6,6は集合して吸気通路7を介してエアクリーナ8に連結されている。
吸気マニホールド6の各枝管6aには、吸気ポートに向かって燃料噴射弁9が設けられ、吸気通路7の途中にはスロットル弁10が配設されている。
【0024】
他方、前後バンクBf,Brのシリンダヘッド4,4の前後外側には、それぞれ排気マニホールド11F,11Rが配設され、各排気マニホールド11F,11Rの枝管がそれぞれ各シリンダヘッド4の排気ポートに連結されている。
【0025】
各排気マニホールド11F,11Rからそれぞれ独立して延出する排気管12F,12Rの途中に排気ガスの浄化を行う触媒装置13F,13Rがそれぞれ設けられている。
【0026】
この前後バンクBf,Brのうち後側バンクBrの動弁装置には、気筒休止機構15が組み込まれており、気筒休止機構15は油圧により作動して後側バンクBrの気筒を休止させたり、休止解除して稼動させたりする切換えを行っている。
【0027】
後側バンクBrの気筒を休止させたとき前側バンクBfのみ稼動する部分気筒運転状態となり、後側バンクBrの気筒の休止を解除して前後バンクBf,Brの気筒を全て稼動させたとき全気筒運転状態となる。
【0028】
このような前後V型の内燃機関1には、その運転状態を検出する各種センサが設けられており、各センサの検出信号はコンピュータである電子制御ユニットECU20に入力され、処理されて種々の運転制御に供される。
【0029】
吸気通路には、吸気絶対圧PBを検出する吸気圧センサ21,スロットル弁10の弁開度THを検出するスロットルセンサ22等が配設されている。
その他機関回転数NEを検出する機関回転数センサ23,車速Vを検出する車速センサ24,変速装置のギア段SHを検出するギア段検出手段25等が設けられ、各検出信号がECU20に入力される。
【0030】
なおスロットル弁10は、ECU20により制御されるスロットル弁駆動モータ27により駆動されるもので、電子制御スロットル弁機構が構成されている。
電子制御スロットル弁機構においては、ECU20がアクセルペダルの踏込み量APを検出するアクセルペダルセンサ26からの検出信号を入力して検出した踏込み量APをもとに運転状態をみて制御信号をスロットル弁駆動モータ27に出力してスロットル弁10を制御している。
【0031】
前記気筒休止機構15の切換えの油圧を制御する電磁バルブ28もECU20により運転状態をもとに制御される。
【0032】
以上のような制御系においてECU20は気筒休止の許可または禁止を判定する気筒休止可否判定手段を有しており、該気筒休止可否判定手段による判定制御手順を、以下図3以降のフローチャートおよびグラフに従って説明する。
【0033】
まず内燃機関1が、気筒休止許可領域,運転切換待ち領域,気筒休止禁止領域のいずれの運転領域にあるかを図3のフローチャートに従って判定する。
ステップ1で前回運転領域メモリTZzを直前の運転領域メモリTZの内容で更新しておき、次のステップ2からステップ4までのステップで前記ギア段検出手段25のデータから変速装置の現在のシフト段SHを判別する。
【0034】
シフト段SHが5速ならばステップ2からステップ8に進み、4速ならばステップ3からステップ7に進み、3速ならばステップ4からステップ6に進み、1,2速ならばステップ4からステップ5に進む。
【0035】
各ステップ5,6,7,8では、そのギア段にそれぞれ対応する気筒休止に関する運転領域マップが選択され、ステップ9,10,11を含めて車速Vとスロットル弁開度THからマップ検索されて運転領域が判定される(ステップ12,13,14,15)。
【0036】
ステップ5,6,7,8のうち例えばステップ6のギア段が3速の場合の運転領域マップを図4に示す。
横軸を車速V,縦軸をスロットル弁開度THとした直角座標で示されたマップであり、右上がりの上下2本の上側閾ラインTab3hと下側閾ラインTab3lにより座標空間が3つの領域に仕切られている。
【0037】
上側閾ライン(上側テーブルTab3h)よりも上方が気筒休止禁止領域(TZ=1)であり、下側閾ライン(下側テーブルTab3l)により下方が気筒休止許可領域(TZ=3)であり、気筒休止禁止領域と気筒休止許可領域に挟まれた上側閾ライン(上側テーブルTab3h)より下方で下側閾ライン(下側テーブルTab3l)により上方の領域が運転切換待ち領域(TZ=2)である。
【0038】
気筒休止禁止領域と気筒休止許可領域との間で気筒休止の切換えが行われる場合に、間に運転切換待ち領域が介在することでヒステリシス特性を備えることになる。
【0039】
ステップ6では、まず車速センサ24により検出された車速Vからギア段が3速の同運転領域マップの上側テーブルTab3hと下側テーブルTab3lを検索してスロットル弁開度の上側閾値thhと下側閾値thlを求める。
【0040】
以上はギア段が3速の場合であったが、他のギア段でも対応する運転領域マップを用いて車速Vからスロットル弁開度の上側閾値thhと下側閾値thlを求めることになる。
各ギア段の運転領域マップは、予めギア段ごとに最適に設定された上側閾ラインと下側閾ラインを持っている。
【0041】
そして次のステップ9でスロットルセンサ22により検出されたスロットル弁開度THが、下側閾値thlより小さいか否かを判別し、大きければステップ11に飛び、小さければすなわち気筒休止許可領域にあればステップ10に進み、アクセルペダルセンサ26により検出された踏込み量APから全閉すなわち踏込みがないか否かが判別され、全閉のときはステップ12に進んで特別のアクセル全閉領域(TZ=4)と判定し、全閉でない踏込みがあるときにステップ13に進んで気筒休止許可領域(TZ=3)と判定する。
【0042】
ステップ9でスロットル弁開度TH≧下側閾値thlと判別され、ステップ11に飛ぶと、スロットル弁開度THが上側閾値thhより小さいか否かが判別され、小さければすなわち下側閾値thl≦スロットル弁開度TH≦上側閾値thhであればステップ14に進んで運転切換待ち領域(TZ=2)と判定し、スロットル弁開度TH≧上側閾値thhと判別されたときは気筒休止禁止領域(TZ=1)と判定される。
【0043】
以上のように車速Vとスロットル弁開度THから各ギア段ごとの運転領域マップを検索して運転領域を判定する。
こうして判定された運転領域をもとに気筒休止の許可または禁止の可否判定を図5に示す制御手順に従って行う。
【0044】
まず現在気筒休止運転(休筒運転)状態にあるか否かを判別し、休筒運転中ならステップ22に進み、休筒運転でないすなわち全気筒運転(全筒運転)中ならばステップ28に進む。
【0045】
休筒運転中でステップ22に進むと切換待ちタイマTMcをリセットし(TMc=0)、先に判定された運転領域が気筒休止禁止領域(TZ=1)であるか否か判別され、気筒休止禁止領域でない(TZ≠1)ならステップ53に飛んで気筒休止を許可して休筒運転を継続可能とし、気筒休止禁止領域(TZ=1)であるとステップ24に進んでオートクルーズ制御中か否かを判別し、オートクルーズ制御中でなければステップ52に飛んで気筒休止禁止と判定し休筒運転を全筒運転に切り換えることになる。
【0046】
オートクルーズ制御中ならばステップ25に進み、運転領域マップの上側閾ライン(上側テーブルTabh)を上方へ変位させる変位量Δhの車速Vに対するテーブルTabδを検索して車速Vから変位量Δhを求める。
テーブルTabδは、車速Vが高くなる程変位量Δhは若干大きくなる。
【0047】
そして次のステップ26で先に求めた上側閾値thhに上記変位量Δhを加算した値を新たな上側閾値thhとし、次のステップ27でスロットル弁開度THがこの新たな上側閾値thhより小さいか否かを判別し、小さければステップ51に進んで気筒休止を許可して休筒運転を継続でき、大きければステップ52に飛んで気筒休止禁止と判定する。
【0048】
以上のようにオートクルーズ制御中は、ステップ25,26,27で運転領域マップの上側閾ライン(上側テーブルTabh)を上方へ変位させ、気筒休止禁止領域を狭く(休筒運転領域を広く)設定し直して判定しているので、気筒休止運転状態の継続性を向上させ、更なる燃料消費量の低減を図っている。
【0049】
一方、全筒運転中でステップ21からステップ28に進んだときは、先に判定された運転領域が気筒休止禁止領域(TZ=1)か否かが判別され、TZ≠1ならばステップ29に進み運転領域が運転切換え待ち領域(TZ=2)か否かが判別され、TZ≠2ならばステップ30に進み運転領域が気筒休止許可領域(TZ=3)か否かが判別され、TZ≠3ならばすなわちアクセル全閉領域(TZ=4)ならばステップ39に進む。
【0050】
気筒休止禁止領域(TZ=1)と判別されステップ28からステップ31に進んだときは、切換待ちタイマTMcをリセットし(TMc=0)、ステップ52に進み気筒休止禁止と判定する。
【0051】
また運転切換え待ち領域(TZ=2)と判別されステップ29からステップ32に進んだときは、既に気筒休止の切換制御が開始しているか否かを判別し、開始しているときはステップ53に飛んで気筒休止を許可して切換えを完了させ気筒休止をある程度は継続させる。
【0052】
切換制御が開始していなければステップ33に進んで切換待ちタイマTMcが0か否か判別し、0ならばステップ52に進み気筒休止禁止と判定し、0でないならばステップ53に進んで気筒休止を許可する。
【0053】
切換待ちタイマTMcは、後記するように前回アクセル全閉領域(TZ=4)にあったときに所定時間Tcにセットされる(ステップ36)ので、アクセルペダルを放した状態からアクセルが踏込まれ運転切換え待ち領域(TZ=2)に移行してきたときに、切換待ちタイマTMcがタイムアップするまでは気筒休止を許可し(ステップ53)、タイムアップしたところで気筒休止禁止と判定する。
【0054】
なお気筒休止禁止領域(TZ=1)から運転切換え待ち領域(TZ=2)に移行してきたときは、ステップ31で切換待ちタイマTMcはリセット(TMc=0)されているいるので、ステップ33で所定時間の経過を待つまでもなく気筒休止禁止と判定され(ステップ52)、ヒステリシス特性を示している。
【0055】
さらに気筒休止許可領域(TZ=3)と判別されステップ30からステップ34に進んだときは、前回の運転領域がアクセル全閉領域(TZz=4)であったか否かを判別し、アクセル全閉領域であればステップ35に進み車速安定フラグFvが「1」か否かが判別され、車速が安定していれば(Fv=1)、ステップ36に進んで切換待ちタイマTMcを所定時間Tcにセットして気筒休止を許可する(ステップ53)。
【0056】
加減速があって車速に変化があると(Fv=0)、ステップ35からステップ37に進み前記切換待ちタイマTMcがタイムアップするまでは気筒休止を許可する(ステップ53)。
【0057】
切換待ちタイマTMcがタイムアップするとステップ38に進みスロットル弁開度THの弁開度変化フラグFthが「1」か否かが判別され、弁開度が安定していれば(Fth=0)、気筒休止を許可する(ステップ53)。
しかしスロットル弁開度の変化が大きいときは(Fth=1)、ステップ52に飛んで気筒休止を禁止する。
【0058】
すなわち前回アクセル全閉領域で加減速があっても(Fv=0)、所定時間Tcが経過するまでは気筒休止を禁止せず、また所定時間Tcが経過してもスロットル弁開度の変化がある程度大きくなければ(Fth=0)気筒休止を禁止しない。
【0059】
このようにできるだけ気筒休止を禁止しないように制御して燃料消費量の低減を図り、加減速がありスロットル弁開度の変化が大きいときに気筒休止を禁止することで、安定しない状態で不要な気筒休止の切換えをするのを防止することができる。
【0060】
なおステップ34で前回の運転領域がアクセル全閉領域(TZz=4)でない場合は直接ステップ37に進み切換待ちタイマTMcがタイムアップするまで気筒休止せず(ステップ53)、タイムアップしてもステップ38でスロットル弁開度の変化が大きいときに(Fth=1)、はじめて気筒休止を禁止する(ステップ52)。
【0061】
ここでステップ35において判別している車速安定フラグFvの決定手順を図6に示し説明する。
まず車速Vの変化量ΔVを算出し(ステップ61)、車速Vが所定速度Vhより小さく(ステップ62)所定速度Vlより大きい(ステップ63)ところの所定範囲(Vl<V<Vh)にある場合に、車速変化量ΔVが所定車速変化量Dhより小さく(ステップ64)所定車速変化量Dlより大きい(ステップ66)ところの所定範囲(Dl<ΔV<Dh)にあるか否かが判別され、所定範囲(Dl<ΔV<Dh)にある場合にのみ車速は安定状態にあるとして車速安定フラグFvに「1」を立て、それ以外は全て車速安定フラグFvを「0」とする。
【0062】
車速安定フラグFvを「0」としたときは、前記したようにスロットル弁開度THの変化量をみて(ステップ38)、運転状態が安定しているか否かを判別することになる。
【0063】
そこでこのスロットル弁の弁開度変化フラグFthの決定手順を図7に示し説明する。
まずスロットル弁開度THの変化量ΔTHを算出し(ステップ71)、ΔTHが負の値か否かすなわち弁開度変化が閉じ側か開き側かを判別する(ステップ72)。
【0064】
閉じ側のときはステップ73に進み弁開度変化量ΔTHの絶対値|ΔTH|が所定値Dclより小さいか否かを判別し、小さいときはステップ76に進み判定待ちタイマTMthのタイムアップを判別し、大きいときはステップ75に進んで判定待ちタイマTMthに所定時間Tthをセットする。
【0065】
弁開度が開き側に変化したときは、ステップ72からステップ74に進んで弁開度変化量ΔTHの絶対値|ΔTH|が所定値Dopより小さいか否かを判別し、小さいときはステップ76に進み、大きいときはステップ75に進む。
【0066】
すなわち弁開度変化量ΔTHが大きいとき(|ΔTH|≧Dclまたは|ΔTH|≧Dop)、ステップ76に進んで判定待ちタイマTMthに所定時間Tthをセットし、次いでステップ78で弁開度変化フラグFthに「1」を立てる。
【0067】
そして弁開度変化量ΔTHが安定して小さい値を示したとき(|ΔTH|<Dclまたは|ΔTH|<Dop)、ステップ76に進んで判定待ちタイマTMthにより所定時間Tthの経過を待ち、その間は弁開度変化フラグFthに「1」を立てたままとし(ステップ78)、所定時間Tthの経過を待って弁開度THの変化が落ち着いたとして弁開度変化フラグFthを「0」とする。
【0068】
弁開度THの変化が安定したとしても直ぐに弁開度変化フラグFthを「0」とせず、所定時間Tthの経過を待って「0」とすることで、弁開度THの変化が安定したのが一時的で再び変化するような場合に弁開度変化フラグFthを「1」のまま継続して不要な制御をさせないようにしている。
【0069】
次に図5において前記ステップ30で運転領域が気筒休止許可領域(TZ=3)でなく、よってアクセル全閉領域(TZ=4)と判別されてステップ39に進んだときは、切換待ちタイマTMcをリセットし(TMc=0)、ステップ40に進み燃料供給を停止中か否かを燃料停止制御中フラグFfcにより判別する。
【0070】
燃料供給を停止していなければ(Ffc=0)、ステップ52に飛んで気筒休止禁止と判定し、燃料供給を停止していれば(Ffc=1)、ステップ41に進み休筒許可待ちタイマTMfのタイムアップを判別する。
【0071】
なお前記ステップ52に進み気筒休止禁止と判定したときは、さらにステップ58に進んで車速追従制御フラグFacを「0」としてステップ57に進み休筒許可待ちタイマTMfに所定時間Tfをセットする。
【0072】
また休筒運転状態でステップ51の気筒休止を許可したときも車速追従制御フラグFacを「1」として(ステップ56)、ステップ57に進み休筒許可待ちタイマTMfに所定時間Tfをセットする。
【0073】
ここに車速追従制御フラグFacは、オートクルーズ制御中は車速に追従して制御する追従性を鈍く設定するため「1」を立てるもので、そのほかの運転状態では「0」とする。
【0074】
前記したようにアクセル全閉領域(TZ=4)で燃料供給を停止していない(Ffc=0)ときは、ステップ40からステップ52に飛んで気筒休止禁止と判定し、休筒許可待ちタイマTMfに所定時間Tfをセットする(ステップ57)が、燃料供給が停止されると(Ffc=1)、ステップ40からステップ41に進み休筒許可待ちタイマTMfにより所定時間Tfの経過を待ち、その間は気筒休止禁止を継続し(ステップ54)、所定時間Tfを経過したとき、はじめて気筒休止を許可し(ステップ55)、車速追従制御フラグFacを「0」とする(ステップ59)。
【0075】
すなわち燃料供給が停止されたときは、気筒休止は禁止され、気筒休止を許可する場合でも所定時間Tfの経過を待って行うようにし、燃料供給停止と気筒休止許可を同時に行うことは避け、燃料供給停止と気筒休止が同時になされることで生じる車両挙動を伴うショックを未然に防止することができる。
【0076】
なお休筒許可待ちタイマTMfにセットされる所定時間Tfであるが、クランク軸と変速機の出力軸との間に介装されるロックアップクラッチの係合状態に応じてこの所定時間Tfを変更するようにしてもよい。
【0077】
すなわちロックアップクラッチが係合していれば、燃料供給を停止した後にロックアップクラッチの係合が気筒休止の切換えと重なりショックを発生するようなことはないので、ロックアップクラッチの係合が検出できれば燃料停止後の切換え待ち時間を短くして早期に気筒休止運転へ切換えることができる。
ロックアップクラッチの係合状態は、クランク軸の回転数と変速機の出力軸の回転数とを比較することで検出することが可能である。
【0078】
以上のように本実施の形態では、車速Vとスロットル弁開度THから各ギア段ごとの運転領域マップを検索して運転領域を判定し、判定された各ギア段ごとの運転領域をもとに気筒休止の許可または禁止の可否判定を行っているので、気筒休止の切換えが変速装置の全てのギア段で円滑に実行され常にスムーズな運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の多気筒内燃機関の側面図である。
【図2】該内燃機関のシリンダヘッドを模式的に示すとともに制御系を加えた概略構成図である。
【図3】運転領域を判定する手順を示すフローチャートである。
【図4】ギア段が3速の運転領域マップを示す図である。
【図5】気筒休止可否の判定手順を示すフローチャートである。
【図6】車速安定フラグFvの決定手順を示すフローチャートである。
【図7】弁開度変化フラグFthの決定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…シリンダブロック、3…クランクケース、4…シリンダヘッド、5…ヘッドカバー、6…吸気マニホールド、7…吸気通路、8…エアクリーナ、9…燃料噴射弁、10…スロットル弁、11F,11R…排気マニホールド、12F,12R…排気管、13F,13R…触媒装置、
15…気筒休止機構、20…ECU、21…吸気圧センサ、22…スロットルセンサ、23…機関回転数センサ、24…車速センサ、25…ギア段検出手段、26…アクセルペダルセンサ、27…スロットル弁駆動モータ、28…電磁バルブ。
Claims (5)
- 車両搭載の気筒休止機構を備えた多気筒内燃機関の気筒休止制御装置において、
車速を検出する車速センサと、
スロットル弁開度を検出するスロットルセンサと、
変速装置の使用されているギア段を判別するギア段判別手段と、
車速とスロットル弁開度をパラメータとする運転領域マップであって気筒休止許可領域と、気筒休止禁止領域と、前記気筒休止許可領域と前記気筒休止禁止領域との間の運転切換待ち領域とを、3つの運転領域とする予め変速装置のギア段ごとに設定された運転領域マップを記憶する運転領域マップ記憶手段と、
前記車速センサが検出した車速と前記スロットルセンサが検出したスロットル弁開度をもとに前記マップ記憶手段が記憶する運転領域マップのうち前記ギア段判別手段が判別したギア段に係る運転領域マップを検索して運転領域を判定する運転領域判定手段と、
前記運転領域判定手段が判定した運転領域に基づいて気筒休止の許可または禁止を判定する気筒休止可否判定手段と、
オートクルーズ中か否かを判別するオートクルーズ判別手段と、
オートクルーズ判別手段がオートクルーズ中と判別したときは前記運転領域マップ記憶手段が記憶する運転領域マップの気筒休止禁止領域を狭く設定し直す領域変更手段とを備えたことを特徴とする気筒休止制御装置。 - 燃料の供給を停止したか否かを判定する燃料停止判定手段と、
前記燃料停止判定手段が燃料の供給を停止したと判定したときは所定時間気筒休止運転への切換えを禁止する気筒休止切換禁止手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の気筒休止制御装置。 - 前記所定時間は、ロックアップクラッチの係合状態に応じて変更されることを特徴とする請求項2記載の気筒休止制御装置。
- スロットル弁開度の変化量を算出する弁開度変化量算出手段を備え、 前記気筒休止可否判定手段は前記弁開度変化量算出手段が算出した弁開度変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することを特徴とする請求項1記載の気筒休止制御装置。
- 車速変化量を算出する車速変化量算出手段を備え、
前記気筒休止可否判定手段は前記車速変化量算出手段が算出した車速変化量に基づき気筒休止の許可または禁止を判定することを特徴とする請求項1または請求項4記載の気筒休止制御装置。
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