JP4172895B2 - ヘテロジアジノン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、N-メチル-D-アスパルテート(以下、NMDA)以外の興奮性アミノ酸受容体拮抗作用、例えば2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸(以下、AMPA)受容体拮抗作用を有する、臨床上有用性の高い医薬、具体的には神経変性疾患の治療・改善・予防剤、さらに具体的には、(1) 脳虚血・脳脊髄損傷後の急性神経変性、(2) アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患、(3) てんかん(Epilepsy)、(4) 疼痛、(5) 痙性麻痺、または (6) 多発性硬化症(MS)、脳脊髄炎(Encephalomyelitis)、ギラン・バレー症候群(Guillain Barre syndrome)、マルキャファーヴァ・ビギャミ病(Marchiafava Bignami disease)、デビック病(Devic disease、急性播種性視神経脳脊髄炎)、バロ病(Balo disease)、HIVあるいはHTLV性脊髄炎(Myelopathy)または白質脳炎(Leukoencephalopathy)等の脱髄性神経疾患の予防・治療・改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸は、中枢神経系の興奮性神経伝達を司る伝達物質(Excitatory amino acid's、以下EAAと略す)として知られている。これらのEAAが神経細胞のシナプス間隙に、過剰に放出あるいは蓄積されると中枢神経の異常な興奮が起こり、脳虚血、頭部外傷、脳脊髄損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、AIDS性神経障害、てんかんあるいは低酸素状態後に観察される神経変性、精神障害および運動機能障害につながると報告されている。また、中枢神経系の異常興奮は痛みおよび痙性に関わりがあると報告されている。さらにEAAは、食物に含有される毒素による神経障害にも関与していると報告されている。そこで、EAAの異常な働きを調節する薬物は、神経変性および精神性疾患の治療剤として有用と考えられている。さらにまた、慢性疼痛、偏頭痛、癌性疼痛、糖尿病性神経障害に由来する疼痛等に対する鎮痛剤、そして筋弛緩剤として有用と考えられている(Lipton and Rosenberg, N. Eng. J. Med., 330, 613, 1994、Lees, CNS Drugs, 5, 51, 1996、Turski et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 260, 742, 1992)。EAAの作用は、シナプス前膜および後膜に存在する特異的受容体であるグルタメート受容体を介して発揮される。この受容体は、電気生理学的あるいは神経化学的性質から、(1)N−メチル−D−アスパラギン酸(以下、NMDA)受容体、(2)non-NMDA受容体である、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸(以下、AMPA)受容体およびカイニン酸受容体、(3)代謝拮抗型グルタメート受容体に分類されている。
【0003】
EAAは上記グルタメート受容体を活性化し、中枢神経において興奮を伝達する。また、EAA、NMDA、AMPA、カイニン酸を神経細胞に過剰に作用させると神経障害が起きると報告されている(Meldrum, B., Brain Res. Reviews, 18, 293, 1993)。AMPA受容体拮抗作用を有する化合物は、脳虚血モデルで神経保護作用を示すことが知られている。競合的阻害剤である2,3−ジヒドロキシ−6−ニトロ−7−スルファモイル−ベンゾ[f-]キノキサリン(以下、NBQX)は脳虚血の実験動物モデルで有効であると報告されている(Sheardown et al., Science, 247, 571, 1990)。また、非競合的阻害剤であるGYKI 52466(1−(アミノ−フェニル)−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5H−2,3−ベンゾジアゼピンハイドロクロライド)はラットの脳虚血モデルで神経保護作用を示す(Le Peillet et al., Brain Research, 571, 115, 1992)。これらの報告は、AMPA阻害剤が脳虚血後における神経変性を抑制すことを示唆している。AMPA受容体拮抗作用を有する化合物については、以下のような報告がある。WO 96/10023号公報、WO 94/25469号公報には、AMPA受容体競合的阻害作用を有するキノキサリンジオン誘導体が開示されている。また、WO 95/01357号、WO 97/43276号、DE 19643037号公報には、AMPA受容体の非競合的阻害作用を有する化合物が開示されている。
【0004】
脳虚血は頻度の高い中枢神経系の急性変性疾患である。脳に血液を供給する血管の閉塞や心停止等の全身の循環障害によって生じ、血液の供給不足により不可逆的な脳の神経細胞の壊死を生じる。その結果、後遺症として、四肢の麻痺等の運動障害、知覚障害、異常行動等の障害を引き起こす。発症後数時間から数日の間の急性期に脳の神経細胞壊死を阻止する治療を行うことが、後遺症を軽減するために非常に重要である。また、超急性期と言われる時期に血流の回復を試みる場合があるが、他には脳浮腫に対する対症療法や全身管理を行うのみであり、多くの症例に有効な治療法は未だ確立されていない。頭部外傷、脊髄損傷は中枢神経細胞の急性変性疾患であり、脳虚血状態を伴う場合が多い。後遺症として麻痺、知覚障害、行動異常等を引き起こす。発症後、早期の治療による神経細胞の保護が重要であるが、治療法として行われているのは浮腫の抑制などの対症療法と、障害部位の外科的切除であり、必ずしも後遺症の軽減には繋がらないのが現状である。
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患は、大脳および脊髄の神経細胞の変性により発症する。これらの疾患の詳細な原因については不明であり、これらの疾患における神経細胞の変性を抑制する治療法は確立されていない。
てんかんは大脳神経細胞の異常興奮による反復性の発作性障害であり、意識障害や感覚障害を伴う場合もある。てんかんには抗痙攣剤の投与が行われるが、重篤な肝障害が見られたり、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群等の副作用が見られる場合がある。
痛み(疼痛)は様々な疾患によって生じる臨床症候である。痛みには通常鎮痛剤の投与が行われるが、従来から使用されている鎮痛剤には反応しないものもある。
痙性麻痺は異常な筋緊張の亢進によって生じる臨床症候であり、運動障害を引き起こす。痙性麻痺には筋弛緩剤を投与するが、眠気、脱力感、鎮静作用等の副作用が生じる割合が高い。
脱髄性疾患は様々な原因によって生じる疾患である。知覚異常、痛み、痙性麻痺、排尿障害等を伴う。その中で中枢神経系の脱髄疾患である多発性硬化症は再発進行性の疾患であり、標準的治療法は未だ確立されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
非NMDA興奮性アミノ酸受容体拮抗作用、特にAMPA受容体拮抗作用による、脳虚血・脳脊髄損傷後の急性神経変性、慢性神経変性疾患、てんかん、疼痛、痙性麻痺、脱髄性疾患の治療・改善・予防剤で実用化されているものは未だなく、その開発が待望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、非NMDA興奮性アミノ酸受容体拮抗作用、特にAMPA受容体拮抗作用を有する化合物に新たに注目し、鋭意研究を重ねてきた。その結果、式
〔式中、Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は、水素原子またはC1-6アルキル基を意味する。)で表される基を示す;
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す;
R4およびR5は同一または相異なって水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-6アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を示す;
ただし、式
(式中、R11およびR12は同一または相異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-2フルオロアルキル基、C1-2クロロアルキル基、C1-2ブロモアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C7-9アラルキル基、フェニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C7-9アラルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、フェニルスルホニル基、アルカリ金属カルボキシレートC2-5アルコキシカルボニル基または式 −NR15R16(式中、R15およびR16は同一または相異なって水素原子またはC1-2アルキル基を示す。)で表わされる基を示す;
R13およびR14は同一または相異なってC1-4アルキルスルホニル基、ニトロ基、式 −OCHnX3-n(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す;nは1ないし3のいずれかの整数を示す。)で表される基または前記R11およびR12の定義に同意義の基を示す。)で表される化合物を除く。〕で表わされる新規なヘテロジアジノン誘導体を合成することに成功し、さらに、これらの化合物が優れた薬理作用を有しており、かつ安全性にも優れており、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。従って、本発明の目的は、従来の脳虚血・脳脊髄損傷後の急性神経変性治療剤、慢性神経変性疾患治療剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、あるいは抗脱髄性神経疾患治療剤が有する欠点を改善し、効果と副作用のバランスがとれた、臨床上有用性の高い新規な薬剤を提供することにある。
【0007】
すなわち、本発明の第一の特徴は、
1) 前記式(I)で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物にあり、さらに、
2) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R4が水素原子であり、R5が水酸基、C1-6アルキル基またはアリール基であってもよく、
3) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R4が水素原子であり、R5が水酸基、メチル基、エチル基、n-ピロピル基、i-プロピル基またはフェニル基であってもよく、
4) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R4およびR5が同一または相異なってメチル基、エチル基、n-ピロピル基またはi-プロピル基であってもよく、
5) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、当該誘導体が式
〔式中、A、R1およびR2は前記定義に同意義を示す。〕で表わされる化合物であってもよく、
6) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、Aが酸素原子であってもよく、
7) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R1が置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、モルホリニル基、C3-8シクロアルキル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基であり、R2が置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、低級シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、置換されていてもよいピペリジル基またはアダマンチル基であってもよく、
8) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R1およびR2が同一または相異なって
(1) 水素原子、
(2) ハロゲン原子、
(3) 水酸基、
(4) シアノ基、
(5) (i) 水酸基、(ii) ハロゲン原子、(iii) ニトリル基、(iv) C1-6アルコキシ基、(v) 水酸基およびヘテロアリール基、(vi) ヒドロキシイミノ基、(vii) 水酸基およびC1-6アルコキシ基、(viii) 水酸基およびハロゲン原子、(ix) 水酸基およびC3-8シクロアルキル基、(x) C1-6アルキルスルホニルアミノ基、(xi) N-(C1-6アルキル)アミノスルホニル基、(xii) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノスルホニル基、(xiii) 低級アシル基、(xiv) 低級アシルアミノ基、(xv) C1-6アルキルスルホニル基、(xvi) N-(C1-6アルキル)アミド基、(xvii) 1,3-ジオキソラニル基、(xviii) ヘテロアリール基および (xix) ω,ω-低級アルキレンジオキシ基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、
(6) (チアゾール-2-イル)ヒドロキシメチル基、
(7) ジ(チアゾール-2-イル)ヒドロキシメチル基、
(8) 置換されていてもよいアミノC1-6アルキル基、
(9) 置換されていてもよいベンゾイルオキシC1-6アルキル基、
(10) トリフルオロメチル基、
(11) 水酸基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基、
(12) 水酸基で置換されていてもよいC2-6アルキニル基、
(13) (i) 水酸基、(ii) ハロゲン原子、(iii) ニトリル基、(iv) C1-6アルコキシ基、(v) C1-6チオアルコキシ基、(vi) C1-6アルキルスルホニル基、(vii) 水酸基およびC1-6アルキル基、(viii) 水酸基およびC1-6アルコキシ基、(ix) ヘテロアリール基、(x) ω,ω-低級アルキレンジオキシ基、(xi) ピリジル基、(xii) C1-6アルキルピリジル基、(xiii) C1-6チオアルコキシ基、(xiv) C1-6アルキルスルホニル基、(xv) アミノ基、(xvi) N-(C1-6アルキル)アミノ基、(xvii) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ基、(xviii) 低級アシル基、(xix) 低級アシルアミノ基、(xx) 1,3-ジオキソラニル基、(xxi) アミド基および (xxii) イミダゾリル基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、
(14) トリフルオロメトキシ基、
(15) 置換されていてもよいアミノ-C1-6アルコキシ基、
(16) 置換されていてもよいヘテロアリール-C1-6アルコキシ基、
(17) 置換されていてもよいモルホリニル-C1-6アルコキシ基、
(18) 置換されていてもよいピペリジル-C1-6アルコキシ基、
(19) 置換されていてもよいピペラジニル-C1-6アルコキシ基、
(20) 置換されていてもよいピロリジニル-C1-6アルコキシ基、
(21) ヒドロキシ-C3-8シクロアルキル基、
(22) ヒドロキシ-C3-8シクロアルケニル基、
(23) ヒドロキシ-C3-8シクロアルキルオキシ基、
(24) ヒドロキシ-C3-8シクロアルコキシ基、
(25) 水酸基で置換されていてもよいC1-6チオアルコキシ基、
(26) アリール基、
(27) ヘテロアリール基、
(28) アリールオキシ基、
(29) アリールチオ基、
(30) ヘテロアリールチオ基、
(31) 水酸基で置換されていてもよいアラルキル基、
(32) 置換されていてもよいアラルキルオキシ基、
(33) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基、(ii) ヒドロキシ-C1-6アルキル基およびC1-6アルキル基、(iii) C3-8シクロアルキル基、(iv) アリール基および (v) ヒドロキシ-C1-6アルキル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミド基、
(34) 環状アミノカルボニル基、
(35) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基および (ii) ヒドロキシC1-6アルキル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、
(36) (i) アミノ基、(ii) 環状アミノ基、(iii) N-(C1-6アルキル)アミノ基、(iv) C3-8シクロアルキルアミノ基、(v) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ基、(vi) N-ヒドロキシC1-6アルキルアミノ基、(vii) N-C1-6アルコキシアルキルアミノ基、(viii) N-ハロゲン化C1-6アルキル基、(ix) ピロリジニル基、(x)C1-6アルコキシアルキル基、(xi) ヒドロキシC1-6アルキル基および (xii) C1-6アルキル基から選ばれる基で置換されていてもよいスルホニル基、
(37) 低級アシル基、
(38) (i) 水酸基および (ii) ヒドロキシC1-6アルキル基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、
(39) (i) ヘテロアリール基、(ii) 4-モルホリニル基、(iii) 4-オキシチオモルホリニル基、(iv) 4-モルホリニル基、(v) 4-ジオキシチオモルホリニル基および (vi) アリールアミノ基から選ばれる基で置換されていてもよいスルホニル基、
(40) 4位が水酸基またはC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいピペリジル基、
(41) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基、(ii) ヒドロキシC1-6アルキル基、(iii) 低級アシル基、(iv) ヒドロキシ低級アシル基および (v) C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(42) 4-(ヒドロキシアルキル)テトラヒドロピラン-4-イル基、
(43) 2,3-ジヒドロベンゾフラニル基、
(44) 2-ヒドロキシ-2-アルキル-2,3-ジヒドロベンゾフラニル基、
(45) インダノニル基、
(46) ヒドロキシインダニル基、
(47) スクシイミド基および
(48) 2-オキサゾリドン-3-イル基から選ばれる1ないし2以上の基でそれぞれ置換されていてもよいアリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアリールアルキル基、アリールアルケニル基、ヘテロアリールアルケニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、C3-8シクロアルキル基、アミノ基またはアミド基であってもよく、
9) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R1およびR2が同一または相異なってそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アンスニル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、イソキノリル基、キノリル基、プタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基またはシクロオクチル基であってもよく、
10) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R1およびR2が同一または相異なってそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基であってもよく、
11) 上記1)または5)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、R3がメチル基またはエチル基であってもよく、
12) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、当該誘導体が式
〔式中、R1およびR2は前記定義に同意義を示す。〕で表される化合物であってもよく、
13) 上記1)記載のヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物において、化合物が
2-(2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピラジニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(1-メチル-2-ピロリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2,4-ジフェニル-4H-1,3,4-チアジアジン-5(6H)-オン、
2-(2,3-ジメトキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピロリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-キノリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(6-メチル-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ベンゾイルオキシメチル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-クロロ-4-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-スチリル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)ビニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-モルホリニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-シクロヘキシル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ジメチルアミノ-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ジメチルアミノ-4-フェニル-4H-1,3,4-チアジアジン-5(6H)-オン、
2-(2,6-ジメトキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-チエニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ベンジル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-メトキシフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ニトロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-シアノ-2-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ヒドロキシメチルフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノ-3-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(4-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノ-3-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ヒドロキシフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノ)エトキシフェニル]-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(4-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(1-ピペリジル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ジメチルアミノプロポキシ)フェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(4-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[3-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ピリジル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-ピペリジル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-メチル-2-ピロリジニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[3-(2-ジメチルアミノエトキシ)-2-ピリジル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-アミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-アミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(1-メチル-4-ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(-3-キヌクリジニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ピリジル-4-(1-ベンジル-4-ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(-3-テトラヒドロフラニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-シクロペンチル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(1-ベンジル-4ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(2-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(3-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(4-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(4-ピリジル)メチルアミノフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)メチルアミノフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
N-(2-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
N-(3-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
N-(4-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
1,3-ジフェニル-4-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6(1H)-オンおよび 1-フェニル-3-(2-ピリジル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6(1H)-オンから選ばれるいずれか1種であってもよい。
また、本発明の第二の特徴は、
14) 式
〔式中、Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は、水素原子またはC1-6アルキル基を意味する。)で表される基を示す;
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよい低級シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す;
R4およびR5は同一または相異なって水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、低級アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を示す。〕で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物を含有してなる医薬にあり、さらに、
15) 上記14)記載の医薬において、当該医薬は非N-メチル-D-アスパルテート興奮性アミノ酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤であってもよく、
16) 上記14)記載の医薬において、当該医薬は2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤であってもよく、
17) 上記14)記載の医薬において、当該医薬は神経変性疾患の治療・予防・改善剤であってもよく、
18) 上記14)記載の医薬において、当該医薬は脱髄性神経疾患の治療・予防・改善剤であってもよく、
19) 上記14)記載の医薬において、当該医薬は脳虚血・頭部外傷・脊髄損傷後の急性神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、てんかん、疼痛、多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、HIVもしくはHTLV性脊髄炎または白質脳炎の治療・予防・改善剤であってもよい。
20) さらに、本発明にかかるヘテロジアジノン誘導体は、非NMDA興奮性アミノ酸受容体拮抗作用、特にAMPA受容体拮抗作用を有する化合物として、神経変性疾患の治療・改善・予防剤、具体的には (1) 運動障害、知覚障害、異常行動等の脳虚血後障害・脳脊髄損傷後の急性神経変性による障害、(2) アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患、(3) てんかん、(4) 慢性疼痛、偏頭痛、癌性疼痛、糖尿病性神経障害等に由来する疼痛、(5) 痙性麻痺または (6) 多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、レフサム病、タンギエール病、デジェリン−ソタス病、HIVあるいはHTLV性脊髄炎、白質脳炎等の脱髄性疾患の治療・予防・改善剤である。
【0008】
以下に、本願明細書において記載する記号、用語等の意味を説明し、本発明を詳細に説明する。
【0009】
なお、本願明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる全ての、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などの異性体および異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの結晶形単一あるいは混合物であってもよく、無水物以外に水和物であってもよい。
【0010】
本発明にかかるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物は、式
〔式中、Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は、水素原子またはC1-6アルキル基を意味する。)で表される基を示す;
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す;
R4およびR5は同一または相異なって水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-6アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を示す;
ただし、US-4,670,555(US-4,782,066)号公報に開示された式
(式中、R11およびR12は同一または相異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-2フルオロアルキル基、C1-2クロロアルキル基、C1-2ブロモアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C7-9アラルキル基、フェニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C7-9アラルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、フェニルスルホニル基、アルカリ金属カルボキシレートC2-5アルコキシカルボニル基または式 −NR15R16(式中、R15およびR16は同一または相異なって水素原子またはC1-2アルキル基を示す。)で表わされる基を示す;
R13およびR14は同一または相異なってC1-4アルキルスルホニル基、ニトロ基、式 −OCHnX3-n(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す;nは1ないし3のいずれかの整数を示す。)で表される基または前記R11およびR12の定義に同意義の基を示す。)で表される化合物を除く。〕で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物である。
なお、上記式(II)で表わされるUS-4,670,555(US-4,782,066)号公報に開示された化合物群は、抗線虫剤(nematocidal agent)あるいは抗ダニ剤(miticidal agent)に関するものであり、本発明にかかる化合物とは、化学構造上も薬理作用上も全く異なるものである。
【0011】
[Aの意義]
Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は、水素原子またはC1-6アルキル基を意味する。)で表される基を示す。
【0012】
前記R3で示される「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1ないし6個のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1-メチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2-エチルプロピル基、1-メチル-2-エチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基等の直鎖または分枝状アルキル基があげられる。R3として、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基等である。
【0013】
当該Aとして、好ましくは酸素原子または式 −NR3−(式中、R3は、水素原子またはC1-6アルキル基を意味する。)で表される基であり、より好ましくは酸素原子である。
【0014】
[R 1 およびR 2 の意義]
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す。
【0015】
前記「置換されていてもよいアリール基」における「アリール基」とは、芳香環を構成した炭化水素基を示し、例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アンスニル基、フェナントレニル基等の単環式、ニ環式または三環式のアリール基があげられる。当該「アリール基」としては、好ましくはフェニル基である。
【0016】
前記「置換されていてもよいヘテロアリール基」における「ヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子1個以上と共に炭素原子および水素原子で芳香環を構成した基を示し、例えばチエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、イソキノリル基、キノリル基、プタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリニル基等があげられる。当該「ヘテロアリール基」としては、好ましくはピリジル基、ピラジニル基、ピロリル基、キノリル基、チエニル基である。
【0017】
前記「置換されていてもよいアラルキル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基」における「アラルキル基」および「ヘテロアリールアルキル基」とは、それぞれ「アリール基で置換されたC1-6アルキル基」および「ヘテロアリール基で置換されたC1-6アルキル基」をいい、当該「アリール基」、「ヘテロアリール基」および「C1-6アルキル基」とは、前記定義に同意義を示し、「アリール基」、「ヘテロアリール基」、「C1-6アルキル基」を適当に組合せることにより選択することができる。当該「アラルキル基」または「ヘテロアリールアルキル基」としては、好ましくはベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ピリジルメチル基、ピラジニルメチル基、ピリミジニルメチル基、ピロリルメチル基、イミダゾリルメチル基、ピラゾリルメチル基、キノリルメチル基、イソキノリルメチル基、フルフリル基、チエニルメチル基、チアゾリルメチル基等である。
【0018】
前記「置換されていてもよいアリールアルケニル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基」における「アルケニル基」とは、炭素数が2ないし6個のアルケニル基をいい、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基や 1-ブテン-1-イル基、1-ブテン-2-イル基、1-ブテン-3-イル基、2-ブテン-1-イル基、2-ブテン-2-イル基等の直鎖状または分枝鎖状のC2-6アルケニル基があげられ、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペン-2-イル基等が好ましい。
【0019】
前記「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基」における「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素数が3ないし8個の環状炭化水素基を意味し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられる。当該「C3-8シクロアルキル基」としては、好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくはシクロヘキシル基である。
【0020】
前記「置換されていてもよいアミノ基」とは、窒素原子が1または2個の基で置換されていてもよいアミノ基を示す。置換基の種類は特に限定されないが、好ましくはC1-6アルキル基等である。
【0021】
前記「置換されていてもよいアミド基」とは、窒素原子が1または2個の基で置換されていてもよい式 −CONH2 で表わされる基を示す。置換基の種類は特に限定されないが、好ましくはC1-6アルキル基等である。
【0022】
前記R1およびR2の定義において、「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいヘテロアリール基」、「置換されていてもよいアラルキル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基」、「置換されていてもよいアリールアルケニル基」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基」、「置換されていてもよいピペリジル基」、「置換されていてもよいピペラジニル基」、「置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基」、「置換されていてもよいアミノ基」および「置換されていてもよいアミド基」における「置換基」とは、特に種類は限定されないが、例えば
(1) 水素原子、
(2) ハロゲン原子、
(3) 水酸基、
(4) シアノ基、
(5) (i) 水酸基、(ii) ハロゲン原子、(iii) ニトリル基、(iv) C1-6アルコキシ基、(v) 水酸基およびヘテロアリール基、(vi) ヒドロキシイミノ基、(vii)水酸基およびC1-6アルコキシ基、(viii) 水酸基およびハロゲン原子、(ix) 水酸基およびC3-8シクロアルキル基、(x) C1-6アルキルスルホニルアミノ基、(xi) N-(C1-6アルキル)アミノスルホニル基、(xii) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノスルホニル基、(xiii) 低級アシル基、(xiv) 低級アシルアミノ基、(xv) C1-6アルキルスルホニル基、(xvi) N-(C1-6アルキル)アミド基、(xvii) 1,3-ジオキソラニル基、(xviii) ヘテロアリール基および (xix) ω,ω-低級アルキレンジオキシ基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、
(6) (チアゾール-2-イル)ヒドロキシメチル基、
(7) ジ(チアゾール-2-イル)ヒドロキシメチル基、
(8) 置換されていてもよいアミノC1-6アルキル基、
(9) 置換されていてもよいベンゾイルオキシC1-6アルキル基、
(10) トリフルオロメチル基、
(11) 水酸基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基、
(12) 水酸基で置換されていてもよいC2-6アルキニル基、
(13) (i) 水酸基、(ii) ハロゲン原子、(iii) ニトリル基、(iv) C1-6アルコキシ基、(v) C1-6チオアルコキシ基、(vi) C1-6アルキルスルホニル基、(vii)水酸基およびC1-6アルキル基、(viii) 水酸基およびC1-6アルコキシ基、(ix)ヘテロアリール基、(x) ω,ω-低級アルキレンジオキシ基、(xi) ピリジル基、(xii) C1-6アルキルピリジル基、(xiii) C1-6チオアルコキシ基、(xiv) C1-6アルキルスルホニル基、(xv) アミノ基、(xvi) N-(C1-6アルキル)アミノ基、(xvii) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ基、(xviii) 低級アシル基、(xix) 低級アシルアミノ基、(xx) 1,3-ジオキソラニル基、(xxi) アミド基および (xxii) イミダゾリル基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、
(14) トリフルオロメトキシ基、
(15) 置換されていてもよいアミノ-C1-6アルコキシ基、
(16) 置換されていてもよいヘテロアリール-C1-6アルコキシ基、
(17) 置換されていてもよいモルホリニル-C1-6アルコキシ基、
(18) 置換されていてもよいピペリジル-C1-6アルコキシ基、
(19) 置換されていてもよいピペラジニル-C1-6アルコキシ基、
(20) 置換されていてもよいピロリジニル-C1-6アルコキシ基、
(21) ヒドロキシ-C3-8シクロアルキル基、
(22) ヒドロキシ-C3-8シクロアルケニル基、
(23) ヒドロキシ-C3-8シクロアルキルオキシ基、
(24) ヒドロキシ-C3-8シクロアルコキシ基、
(25) 水酸基で置換されていてもよいC1-6チオアルコキシ基、
(26) アリール基、
(27) ヘテロアリール基、
(28) アリールオキシ基、
(29) アリールチオ基、
(30) ヘテロアリールチオ基、
(31) 水酸基で置換されていてもよいアラルキル基、
(32) 置換されていてもよいアラルキルオキシ基、
(33) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基、(ii) ヒドロキシ-C1-6アルキル基およびC1-6アルキル基、(iii) C3-8シクロアルキル基、(iv) アリール基および (v) ヒドロキシ-C1-6アルキル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミド基、
(34) 環状アミノカルボニル基、
(35) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基および (ii) ヒドロキシC1-6アルキル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいカルバモイル基、
(36) (i) アミノ基、(ii) 環状アミノ基、(iii) N-(C1-6アルキル)アミノ基、(iv) C3-8シクロアルキルアミノ基、(v) N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ基、(vi) N-ヒドロキシC1-6アルキルアミノ基、(vii) N-C1-6アルコキシアルキルアミノ基、(viii) N-ハロゲン化C1-6アルキル基、(ix) ピロリジニル基、(x) C1-6アルコキシアルキル基、(xi) ヒドロキシC1-6アルキル基および (xii) C1-6アルキル基から選ばれる基で置換されていてもよいスルホニル基、
(37) 低級アシル基、
(38) (i) 水酸基および (ii) ヒドロキシC1-6アルキル基から選ばれる1または2個以上の基で置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、
(39) (i) ヘテロアリール基、(ii) 4-モルホリニル基、(iii) 4-オキシチオモルホリニル基、(iv) 4-モルホリニル基、(v) 4-ジオキシチオモルホリニル基および (vi) アリールアミノ基から選ばれる基で置換されていてもよいスルホニル基、
(40) 4位が水酸基またはC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいピペリジル基、
(41) 窒素原子が (i) C1-6アルキル基、(ii) ヒドロキシC1-6アルキル基、(iii) 低級アシル基、(iv) ヒドロキシ低級アシル基および (v) C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノ基、
(42) 4-(ヒドロキシアルキル)テトラヒドロピラン-4-イル基、
(43) 2,3-ジヒドロベンゾフラニル基、
(44) 2-ヒドロキシ-2-アルキル-2,3-ジヒドロベンゾフラニル基、
(45) インダノニル基、
(46) ヒドロキシインダニル基、
(47) スクシイミド基および
(48) 2-オキサゾリドン-3-イル基から選ばれる1ないし2以上の置換基があげられる。
【0023】
前記「ハロゲン原子」とは、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子をいい、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくはフッ素原子である。また、「ハロゲン化」とは、当該「ハロゲン原子」で置換されていることを示す。
【0024】
前記「C1-6アルコキシ基」および「C1-6アルコキシ」とは、前記定義における「C1-6アルキル基」が酸素原子に結合した基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、sec-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、i-ペントキシ基、sec-ペントキシ基、t-ペントキシ基、n-ヘキソキシ基、i-ヘキソキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2-エチルプロポキシ基、1-メチル-2-エチルプロポキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2-メチルペントキシ基、3-メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基等があげられる。当該「C1-6アルコキシ基」としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等である。
【0025】
前記「C1-6アルキル基」および「C1-6アルキル」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同様の意義を示す基である。
【0026】
前記「低級アシル基」とは、炭素数1ないし6個の脂肪酸から誘導される直鎖または分子鎖状のアシル基を意味し、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基等があげられる。また、前記定義において「低級アシルアミノ基」とは、当該「低級アシル基」で置換されたアミノ基を示す。
【0027】
前記「ω,ω-低級アルキレンジオキシ基」とは、当該基が結合する原子とともに4ないし8員環を形成する基をいい、ω,ω-メチレンジオキシ基、ω,ω-ジメチレンジオキシ基、ω,ω-トリメチレンジオキシ基等があげられる。
【0028】
前記「C2-6アルケニル基」としては、例えばビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、 1-ブテン-1-イル基、1-ブテン-2-イル基、1-ブテン-3-イル基、2-ブテン-1-イル基、2-ブテン-2-イル基等の直鎖状または分枝鎖状のC2-6アルケニル基があげられ、好ましくはビニル基、アリル基、イソプロペニル基である。
【0029】
前記「C2-6アルキニル基」としては、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等の直鎖状または分子鎖状のC2-6アルキンから誘導される基があげられる。
【0030】
前記「C3-8シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプタニル基等の3ないし8員シクロアルキル基等があげられ、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましい。
【0031】
前記「C3-8シクロアルケニル基」としては、例えばシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基等の3ないし8員シクロアルケニル基等があげられ、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が好ましい。
【0032】
前記「ヒドロキシC1-6アルキル基」、「ヒドロキシC1-6アルコキシ基」、「ヒドロキシC1-6シクロアルキル基」、「ヒドロキシC1-6シクロアルケニル基」、「ヒドロキシC1-6シクロアルキルオキシ基」および「ヒドロキシC1-6シクロアルコキシ基」とは、それぞれ「C1-6アルキル基」、「C1-6アルコキシ基」、「C1-6シクロアルキル基」、「C1-6シクロアルケニル基」、「C1-6シクロアルキルオキシ基」および「C1-6シクロアルコキシ基」のいずれかの炭素原子が水酸基で置換されていてもよいことを示す。また、「C1-6アルキル基」および「C1-6アルコキシ基」は、2個以上の水酸基で置換されていてもよい。
【0033】
前記「C1-6チオアルコキシ基」とは、前記定義における「C1-6アルキル基」が硫黄原子に結合した基を示し、例えばチオメトキシ基、チオエトキシ基、n-チオプロポキシ基、i-チオプロポキシ基、sec-チオプロポキシ基、n-チオブトキシ基、i-チオブトキシ基、sec-チオブトキシ基、t-チオブトキシ基、n-チオペントキシ基、i-チオペントキシ基、sec-チオペントキシ基、t-チオペントキシ基、n-チオヘキソキシ基、i-チオヘキソキシ基、1,2-ジメチルチオプロポキシ基、2-エチルチオプロポキシ基、1-メチル-2-エチルチオプロポキシ基、1-エチル-2-メチルチオプロポキシ基、1,1,2-トリメチルチオプロポキシ基、1,1,2-トリメチルチオプロポキシ基、1,1-ジメチルチオブトキシ基、2,2-ジメチルチオブトキシ基、2-エチルチオブトキシ基、1,3-ジメチルチオブトキシ基、2-メチルチオペントキシ基、3-メチルチオペントキシ基、ヘキシルチオ基等があげられる。
【0034】
前記「環状アミノカルボニル基」とは、アミノ基の窒素原子の2個の置換基が結合して環を形成し、かつさらに当該環の窒素原子がカルボニル基に結合した基を示す。当該「環状アミノカルボニル基」としては、例えばピロリジニルカルボニル基、ピロリニルカルボニル基、ピロリルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基等があげられる。
【0035】
R1およびR2の定義における「置換基」としては、例えば上記に掲げた基をはじめとしてあらゆる基を使用することができその種類は特に限定されないが、好ましくは水酸基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシC1-6アルキル基、置換されていてもよいベンゾイルオキシC1-6アルキル基、置換されていてもよいアミノC1-6アルキル基、置換されていてもよいアミノC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいヘテロアリールアルコキシ基、置換されていてもよいモルホリニルC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいピペリジルC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいピペラジニルC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいピロリジニルC1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基である。
【0036】
[R 4 およびR 5 の意義]
R4およびR5は同一または相異なって水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-6アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を示す。ここで、「C1-6アルキル基」、「アリール基」、「ヘテロアリール基」とは、前記定義における「C1-6アルキル基」、「アリール基」、「ヘテロアリール基」に同意義を示す。R4およびR5としては、好ましくはR4およびR5が同一または相異なって水素原子、水酸基、C1-6アルキル基またはアリール基を示す場合であり、より好ましくはR4およびR5がいずれも水素原子であるか、または、R4が水素原子であり、かつ、R5が水酸基、C1-6アルキル基またはアリール基である場合であり、さらに好ましくはR4およびR5がいずれも水素原子であるか、または、R4が水素原子であり、かつ、R5が水酸基、メチル基、エチル基、n-ピロピル基、i-プロピル基またはフェニル基である場合であり、もっとも好ましくはR4およびR5がいずれも水素原子であるか、または、R4およびR5が同一または相異なってメチル基、エチル基、n-ピロピル基またはi-プロピル基である場合である。
【0037】
前記式(I)におけるR4およびR5としては、同一または相異なって水素原子、水酸基、C1-6アルキル基またはアリール基を示す場合が好ましく、より好ましくはR4が水素原子を示し、R5が水素原子、水酸基、C1-6アルキル基またはアリール基を示す場合であり、さらに好ましくはR4が水素原子を示し、R5が水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、n-ピロピル基、i-プロピル基またはフェニル基を示す場合であり、最も好ましくはR4およびR5が同一または相異なって水素原子、メチル基、エチル基、n-ピロピル基またはi-プロピル基を示す場合である。
【0038】
以上、前記式(I)におけるA、R1、R2、R4およびR5の各記号の意義を示した。前記式(I)において、A、R1、R2、R4およびR5は、独立して各定義に基づく基等をとることができ、その組合せが限定されるものでないことはいうまでもないが、本発明の態様としては、好ましくは前記式(I)においてR4およびR5が同一または相異なって水素原子、水酸基、C1-6アルキル基またはC6-14アリール基を示すヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物である。本発明のより好ましい態様としては、式
〔式中、Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は水素原子またはC1-6アルキル基を示す)で表される基を示す;
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す;
ただし、US-4,670,555(US-4,782,066)号公報に開示された式
(式中、R11およびR12は同一または相異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-2フルオロアルキル基、C1-2クロロアルキル基、C1-2ブロモアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C7-9アラルキル基、フェニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C7-9アラルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、フェニルスルホニル基、アルカリ金属カルボキシレートC2-5アルコキシカルボニル基または式 −NR15R16(式中、R15およびR16は同一または相異なって水素原子またはC1-2アルキル基を示す。)で表わされる基を示す;
R13およびR14は同一または相異なってC1-4アルキルスルホニル基、ニトロ基、式 −OCHnX3-n(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す;nは1ないし3のいずれかの整数を示す。)で表される基または前記R11およびR12の定義に同意義の基を示す。)で表される化合物を除く。〕で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物があげられる。さらに好ましい態様としては、式
〔式中、R1およびR2は前記定義に同意義を示す。〕で表わされるオキサジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物があげられる。もっとも好ましい態様としては、以下にあげる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられるが、本発明がこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
2-(2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピラジニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(1-メチル-2-ピロリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2,4-ジフェニル-4H-1,3,4-チアジアジン-5(6H)-オン、
2-(2,3-ジメトキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピロリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-キノリル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(6-メチル-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ベンゾイルオキシメチル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-クロロ-4-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-メトキシ-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-スチリル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)ビニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ニトロフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-モルホリニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-シクロヘキシル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ジメチルアミノ-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ジメチルアミノ-4-フェニル-4H-1,3,4-チアジアジン-5(6H)-オン、
2-(2,6-ジメトキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-メトキシフェニル)-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-チエニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ベンジル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ピリジル)-4-(2-メトキシフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ニトロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-シアノ-2-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ヒドロキシメチルフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノ-3-ピリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(4-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(3-シアノフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-シアノ-3-チエニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(2-ヒドロキシフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノ)エトキシフェニル]-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(4-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)メトキシフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(1-ピペリジル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ジメチルアミノプロポキシ)フェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[3-(1-ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル]-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(4-フルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{2-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]フェニル}-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[3-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ピリジル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(4-モルホリニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-ピペリジル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-ピロリジニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-{3-[2-(1-メチル-2-ピロリジニル)エトキシ]-2-ピリジル}-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[3-(2-ジメチルアミノエトキシ)-2-ピリジル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-アミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-アミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(テトラヒドロ-4H-ピラン-4-イル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(1-メチル-4-ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(-3-キヌクリジニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-ピリジル-4-(1-ベンジル-4-ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(-3-テトラヒドロフラニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-シクロペンチル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-(1-ベンジル-4ピペリジル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(2-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(3-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-フェニル-4-[1-(4-ピリジル)エチル]-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(3-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(2-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(4-ピリジル)メチルアミノフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-[2-(3-ピリジル)メチルアミノフェニル]-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
2-(4-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン、
N-(2-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
N-(3-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
N-(4-ピリジル)-[4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン-2-イル]カルボキサミド、
1,3-ジフェニル-4-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6(1H)-オンおよび 1-フェニル-3-(2-ピリジル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-6(1H)-オン
【0039】
本発明における「塩」とは、本発明にかかるヘテロジアジノン誘導体と塩を形成するものであって薬理学的に許容されるものである限り特に限定されず、例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸塩;硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマール酸塩などの有機カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩などの有機スルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロカイン塩、ピリジン塩、フェネチルベンジルアミン塩などのアミンとの塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等があげられ、好ましくは塩酸塩、シュウ酸塩である。
【0040】
本発明にかかる化合物の製造方法としては種々の方法が考えられるが、代表的な方法として、例えば以下の方法があげられる。
【0041】
1.置換基R 1 、R 2 を有するヒドラジド誘導体を環化する。
式中、A、R1、R2、R4およびR5は前記定義に同意義を示し、Xはハロゲン原子を示し、Rは水酸基またはハロゲン原子を示す。本反応においては、公知ヒドラジド誘導体とハロゲン化酢酸誘導体を反応させて、ヘテロジアジノン誘導体を得る。ここでハロゲン化酢酸誘導体としては、例えば塩化クロロアセチル、臭化ブロモアセチル等があげられる。本反応は塩基の存在下に行うことにより、よりスムーズに進行する。ここで利用する塩基は限定されないが、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン等があげられる。また本反応は溶媒の存在下に行うことが、作業性・攪拌性・反応温度制御の観点上好ましい。利用する溶媒もヒドラジド誘導体、ハロゲン化酢酸誘導体あるいは塩基に対し不活性なものであれば限定されないが、例えばアセトン、2-ブタノン(MEK, メチルエチルケトン)、3-ペンタノン(ジエチルケトン)、3-ヘキサノン(エチルプロピルケトン)、4-ヘプタノン(ジプロピルケトン)、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(ジイソプロピルケトン)、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタン(DME, エチレングリコールジメチルエーテル)、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸メチルエチル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ニトロメタン、1-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホンアミド(HMPA)、アセトニトリル、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン等があげられる。反応温度も限定されないが、通常は加熱還流下に行うことにより、短時間で反応が終了する。
【0042】
2.置換基R 1 を有するヘテロジアジノン誘導体にR 2 を導入する (1) 。
式中、A、R1、R2、R4およびR5は前記定義に同意義を示す。本反応は、ヘテロジアジノン誘導体とハロゲンアリール誘導体を反応させるものであり、ウルマン反応の常法に従って行うことができる。反応は塩基の存在下に行うことが好ましく、中でも酢酸カリウムがよりよい結果を与える。さらに、本反応は、ヘテロジアジノン誘導体とアリールボロン酸誘導体を塩基の存在下酢酸銅を用いたカップリング反応によって行うことができる。
【0043】
3.置換基R 1 を有するヘテロジアジノン誘導体にR 2 を導入する (2) 。
式中、A、R1、R2、R4およびR5は前記定義に同意義を示す。本反応も、ヘテロジアジノン誘導体とハロゲンアリール誘導体を反応させるものであるが、塩基存在下のN-アルキル化あるいは光延反応の常法に従って行うことができる。
【0044】
4.置換基R 2 が低級アルキル基の場合、イミンを還元後、環化する。
式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは水酸基またはハロゲン原子を示し、Arは置換されていてもよいアリール基を示し、R’およびR”は同一または相異なって低級アルキル基を示す。本反応は、例えばベンゾイルヒドラジン誘導体とケトンからイミンを合成し、次いで還元した後、ハロゲン化酢酸誘導体を反応させて、ヘテロジアジノン誘導体を得るものである。還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等があげられる。
【0045】
また、上記製造法以外にも、置換基R1、R2、R4およびR5を修飾してさらに新たな誘導体に導くこともできる。
【0046】
以上が本発明に係るヘテロジアジノン誘導体(I)の製造方法であるが、前記反応における原料化合物は塩や水和物を形成していてもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。本発明に係る化合物がフリー体として得られる場合は、前記のヘテロジアジノン誘導体(I)等が形成していてもよい塩の状態に常法に従って変換することができる。本発明に係る化合物について得られる種々の異性体は、通常の分離手段(例えば再結晶、クロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、単離することができる。
【0047】
本発明にかかる式
〔式中、Aは酸素原子、硫黄原子または式 −NR3−(式中、R3は水素原子またはC1-6アルキル基を示す)で表される基を示す;
R1およびR2は同一または相異なって置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルケニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、モルホリニル基、置換されていてもよいC3-8シクロアルキル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、アダマンチル基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよいアミド基を示す;
R4およびR5は同一または相異なって水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-6アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を示す。〕で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物を含有してなる医薬または医薬組成物は、特に非N-メチル-D-アスパルテート興奮性アミノ酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、具体的には2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、より具体的には神経変性疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、さらに具体的には、(1) 運動障害、知覚障害、異常行動等の脳虚血・脳脊髄損傷後の急性神経変性による障害、(2) アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患、(3) てんかん、(4) 慢性疼痛、偏頭痛、癌性疼痛、糖尿病性神経障害等に由来する疼痛、(5) 痙性麻痺、または (6) 多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、レフサム病、タンギエール病、デジェリン−ソタス病、HIVあるいはHTLV性脊髄炎、白質脳炎等の脱髄性疾患の治療・予防・改善剤として有用である。
【0048】
また、上記式(I)で表わされるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物を含有してなる医薬または医薬組成物には、式
〔式中、R11およびR12は同一または相異なって水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-2フルオロアルキル基、C1-2クロロアルキル基、C1-2ブロモアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C7-9アラルキル基、フェニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルスルフィニル基、C7-9アラルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、フェニルスルホニル基、アルカリ金属カルボキシレートC2-5アルコキシカルボニル基または式 −NR15R16(式中、R15およびR16は同一または相異なって水素原子またはC1-2アルキル基を示す。)で表わされる基を示す;
R13およびR14は同一または相異なってC1-4アルキルスルホニル基、ニトロ基、式 −OCHnX3-n(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す;nは1ないし3のいずれかの整数を示す。)で表される基または前記R11およびR12の定義に同意義の基を示す。〕で表わされるUS-4,670,555(US-4,782,066)号公報に開示された化合物を含有してなる医薬または医薬組成物が含まれ、当該公知化合物からなる医薬または医薬組成物も、本発明にかかるヘテロジアジノン誘導体もしくはその塩またはそれらの水和物と同様に、非N-メチル-D-アスパルテート興奮性アミノ酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、具体的には2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、より具体的には神経変性疾患の治療・予防・改善剤として有用であり、さらに具体的には、(1) 運動障害、知覚障害、異常行動等の脳虚血・脳脊髄損傷後の急性神経変性による障害、(2) アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患、(3) てんかん、(4) 慢性疼痛、偏頭痛、癌性疼痛、糖尿病性神経障害等に由来する疼痛、(5) 痙性麻痺、または (6) 多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、レフサム病、タンギエール病、デジェリン−ソタス病、HIVあるいはHTLV性脊髄炎、白質脳炎等の脱髄性疾患の治療・予防・改善剤として有用である。
【0049】
本発明に係る化合物(I)は、慣用されている方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することができる。製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化される。すなわち経口製剤を製造するには、ヘテロジアジノン誘導体またはその薬理学的に許容される塩と賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。これらの成分としては例えば、大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;シリコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;グルコース、ショ糖などの糖;無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体、精製水などがあげられる。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなどが、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。また注射用製剤を製造する際には、ヘテロジアジノン誘導体またはその薬理学的に許容される塩にpH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化する。外用剤を製造する際の方法は限定されず、常法により製造することができる。すなわち製剤化にあたり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能である。使用する基剤原料として具体的には、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さらに必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されない。また必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
【0050】
本発明にかかるヘテロジアジノン誘導体(I)を医薬として投与する場合、その形態は特に限定されず、通常用いられる方法により経口投与でも非経口投与でもよい。例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤などの剤として製剤化し、投与することができる。本発明にかかる医薬の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等により異なるが、成人であれば、通常1日あたり 0.01mg 〜 2000mg であり、好ましくは 0.1mg 〜 1000mg であり、さらに好ましくは 0.5mg 〜 500mg を、それぞれ1回から数回に分けて投与することができる。
【0051】
以下に示す実施例(さらにその塩、それらの水和物、それらを含んでなる医薬組成物)、試験例は例示的なものであって、本発明にかかる化合物は如何なる場合も以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず本願明細書にかかる特許請求の範囲に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は、本願明細書にかかる特許請求の範囲に含まれるものである。
【0052】
【実施例】
実施例1
2-(2- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1-1) ニコチン酸フェニルヒドラジド
窒素雰囲気下、ピコリン酸(6.83g)をジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(1:1、00ml)混合溶媒に溶解し、1,1-カルボニルジイミダゾール(9.90g)を加え、室温にて30分間撹拌した後、フェニルヒドラジン(6.00g)を加え、室温にてさらに一晩撹拌した。反応液に水を加え析出した固体を濾別し、乾燥して標題化合物(10.1g, 86%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 6.66-6.70(m,1H)、6.70-6.75(m,2H)、7.08-7.14(m,2H)、7.61-7.64(m,1H)、7.81-7.89(m,1H)、7.98-8.01(m,2H)、8.65-8.68(m,1H)、10.51-10.54(m,1H).
1-2) 2-(2- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1-1)で得たニコチン酸フェニルヒドラジド(10.1g)をメチルエチルケトン(250ml)に溶解し、塩化クロロアセチル(3.77ml)を加え1時間加熱還流した。室温に放冷後、炭酸カリウム(39.4g)を加えさらに3時間加熱還流した。室温に放冷後減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、得られた結晶性残渣を酢酸エチル/ヘキサン、次いでメタノール/ヘキサンから再結晶して、標題化合物の遊離体(6.80g、57%)を得た。
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.98(s,2H)、7.32(tt,1H)、7.40(ddd,1H)、7.43-7.49(m,2H)、7.68-7.72(m,2H)、7.79(ddd,1H)、8.06-8.09(m,1H)、8.71-8.74(m,1H).
この遊離体(6.60g)を4N塩酸/酢酸エチル溶液にて塩酸塩とし、エタノール/テトラヒドロフラン/酢酸エチルから再結晶して、標題化合物(6.51g)を得た。
塩酸塩:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.04(s,2H)、7.30-7.36(m,1H)、7.45-7.51(m,2H)、7.56(ddd,1H)、7.65-7.70(m,2H)、7.96(ddd,1H)、7.99-8.03(m,1H)、8.66-8.70(m,1H).
ESI-mass; 254(MH+)
融点; 149-150℃
【0053】
実施例1と同様にして、以下の実施例2ないし16の化合物を合成した。
【0054】
実施例2
2-(2- ピラジニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.06(s,2H)、7.29-7.35(m,1H)、7.44-7.49(m,2H)、7.65-7.69(m,4H)、8.73-8.77(m,2H)、9.17-9.19(m,1H).
【0055】
実施例3
2-(1- メチル -2- ピロリル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 3.82(s,3H)、4.87(s,2H)、6.07-6.13(m,1H)、6.63-6.68(m,1H)、7.01-7.06(m,1H)、7.23-7.30(m,1H)、7.39-7.48(m,2H)、7.63-7.71(m,2H).
【0056】
実施例4
2,4- ジフェニル -4H-1,3,4- チアジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz, CDCl3);δ(ppm) 3.64(s, 2H), 7.30-7.37(m, 1H), 7.40-7.51(m, 5H), 7.53-7.59(m, 2H), 7.87-7.94(m, 2H).
ESI-mass ; 269 (MH+)
【0057】
実施例5
2-(2,3- ジメトキシフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 3.77(s,3H)、3.82(s,3H)、4.96(s,2H)、7.12-7.18(m,2H)、7.19-7.23(m,1H)、7.25-7.30(m,1H)、7.40-7.46(m,2H)、7.61-7.65(m,2H).
【0058】
実施例6
2-(2- ピロリル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.88(s,2H)、6.13-6.17(m,1H)、6.58-6.62(m,1H)、6.93-6.97(m,1H)、7.24-7.30(m,1H)、7.40-7.47(m,2H)、7.72-7.77(m,2H).
【0059】
実施例7
2-(2- キノリル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.09(s,2H)、7.31-7.37(m,1H)、7.46-7.52(m,2H)、7.66-7.73(m,3H)、7.80-7.85(m,1H)、8.02-8.06(m,1H)、8.09-8.15(m,2H)、8.44-8.48(m,1H).
ESI-mass; 304(MH+)
【0060】
実施例8
2-(6- メチル -2- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.50(s,3H)、5.00(s,2H)、7.29-7.33(m,1H)、7.36-7.39(m,1H)、7.43-7.48(m,2H)、7.62-7.66(m,2H)、7.78-7.80(m,2H).
【0061】
実施例9
2- ベンゾイルオキシメチル -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.86(s,2H)、5.71(s,2H)、7.25-7.31(m,1H)、7.38-7.47(m,5H)、7.48-7.62(m,3H)、7.66-7.70(m,2H)、7.85-7.89(m,1H)、8.05-8.09(m,2H).
【0062】
実施例10
2-(2- ピリジル )-4-(2,4- ジフルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.08(s,2H)、7.21-7.27(m,1H)、7.47(ddd,1H)、7.51(ddd,1H)、7.65(ddd,1H)、7.86-7.92(m,2H)、8.64(ddd,1H).
【0063】
実施例11
2-(2-ピリジル)-4-シクロヘキシル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.06-1.22(m,1H)、1.34(ddt,2H)、1.57-1.83(m,7H)、4.33-4.41(m,1H)、4.81(s,2H)、7.48(ddd,1H)、7.87-7.96(m,2H)、8.62(ddd,1H).
ESI-mass; 260(MH+)
【0064】
実施例12
2-(2- クロロ -4- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.50(s,2H)、7.29-7.34(m,1H)、7.44-7.48(m,2H)、7.63-7.66(m,2H)、7.76(d,1H)、7.78(s,1H)、8.53(d,1H).
ESI-mass; 288(MH+)
【0065】
実施例13
2-(3- メトキシ -2- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.95(s,3H)、4.95(s,2H)、7.25-7.29(m,1H)、7.34-7.44(m,4H)、7.70-7.73(m,2H)、8.31(d,1H).
【0066】
実施例14
2-(3- ヒドロキシ -2- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 5.07(s,2H)、7.26-7.39(m,3H)、7.47-7.51(m,2H)、7.57-7.60(m,2H)、8.30-8.32(m,1H)、10.51(s,1H).
【0067】
実施例15
2- スチリル -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.80(2H,s)、6.62(1H,d)、7.28-7.50(9H,m)、7.63(2H,d).
【0068】
実施例16
2-[2-(3- ピリジル ) ビニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.83(2H,s)、6.67(1H,d)、7.30-7.50(4H,m)、7.63(2H,m)、7.63(2H,m)、7.84(1H,d)、8.57(1H,d)、8.72(1H,br).
【0069】
実施例17
2-(2- メトキシフェニル )-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
2-ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩(105g)をピリジン/ジメチルホルムアミド(1:1, 1000ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷下、m-アニソイルクロリド(76.7g)を加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し水、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮しヒドラジド体とし、さらに実施例1-2と同様にして、標題化合物(126g、74%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.88(s,3H)、4.89(s,2H)、6.94-6.99(m,2H)、7.25-7.30(m,1H)、7.39-7.45(m,2H)、7.48(dd,1H)、7.55-7.59(m,1H)、7.69(dd,1H).
【0070】
実施例17と同様にして、以下の実施例18ないし35の化合物を合成した。
【0071】
実施例18
2-(4- ニトロフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.05(s,2H)、7.28-7.34(m,1H)、7.42-7.49(m,2H)、7.62-7.68(m,2H)、8.05-8.11(m,2H)、8.27-8.32(m,2H).
【0072】
実施例19
2-(3- ニトロフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.96(s,2H)、7.31-7.37(m,1H)、7.44-7.51(m,2H)、7.60-7.66(m,1H)、7.68-7.72(m,2H)、8.26-8.30(m,1H)、8.31-8.35(m,1H)、8.75-8.77(m,1H).
【0073】
実施例20
2-(2- ニトロフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.82(s,2H)、7.28-7.34(m,1H)、7.43-7.48(m,2H)、7.62-7.72(m,4H)、7.81-7.85(m,1H)、7.95-7.99(m,1H).
【0074】
実施例21
2-(4- モルホリニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 3.38-3.44(m,4H)、3.60-3.66(m,4H)、5.00(s,2H)、7.08-7.13(m,1H)、7.14-7.19(m,2H)、7.33-7.39(m,2H).
ESI-mass; 262(MH+)
【0075】
実施例22
2- シクロヘキシル -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.16-1.36(m,3H)、1.40-1.52(m,2H)、1.64-1.72(m,1H)、1.76-1.84(m,2H)、1.90-1.99(m,2H)、2.34(tt,1H)、4.65(s,2H)、7.21-7.26(m,1H)、7.37-7.41(m,2H)、7.63-7.67(m,2H).
【0076】
実施例23
2- ジメチルアミノ -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.87-2.94(m,6H)、4.95(s,2H)、7.06-7.12(m,1H)、7.13-7.18(m,2H)、7.32-7.37(m,2H).
【0077】
実施例24
2- ジメチルアミノ -4- フェニル -4H-1,3,4- チアジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.99(s,6H)、3.61(s,2H)、7.16-7.21(m,1H)、7.32-7.38(m,2H)、7.50-7.54(m,2H).
【0078】
実施例25
2-(2,6- ジメトキシフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 3.78(s,6H)、4.85(s,2H)、6.73(d,2H)、7.23-7.28(m,1H)、7.37-7.45(m,3H)、7.53-7.57(m,2H).
【0079】
実施例26
2-(2- メトキシフェニル )-4-(2- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.89(s,3H)、4.88(s,2H)、6.94-7.00(m,2H)、7.16-7.26(m,2H)、7.32-7.39(m,1H)、7.41-7.46(m,1H)、7.47-7.53(m,1H)、7.53-7.56(m,1H).
【0080】
実施例27
2- フェニル -4- シクロヘキシル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.11-1.20(m,1H)、1.26-1.40(m,2H)、1.50-1.83(m,7H)、4.31-4.40(m,1H)、4.79(s,2H)、7.43-7.52(m,3H)、7.77-7.82(m,2H).
ESI-mass; 259(MH+)
【0081】
実施例28
2-(2- メトキシフェニル )-4- シクロヘキシル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.02-1.15(m,1H)、1.25-1.38(m,2H)、1.55-1.68(m,5H)、1.71-1.80(m,2H)、3.80(s,3H)、4.29-4.38(m,1H)、4.68(s,2H)、6.99(ddd,1H)、7.10(d,1H)、7.42-7.49(m,2H).
ESI-mass; 289(MH+)
【0082】
実施例29
2-(3- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.05(s,2H)、7.28-7.33(m,1H)、7.44-7.48(m,2H)、7.61(t,1H)、7.66-7.69(m,2H)、8.30(d,1H)、8.74(d,1H)、9.06(s,1H).
【0083】
実施例30
2- フェニル -4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.94(s,2H)、7.28-7.33(m,1H)、7.38-7.49(m,5H)、7.71(d,1H)、7.87-7.90(m,2H).
【0084】
実施例31
2-(2- チエニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.86(2H,s)、7.08(1H,m)、7.30(1H,t)、7.40-7.50(3H,m)、7.56(1H,s)、7.70(2H,d).
【0085】
実施例32
2- ベンジル -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.64(2H,s)、4.63(2H,s)、7.25-7.45(8H,m)、7.63(2H,d).
【0086】
実施例33
2-(2- ピリジル )-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 5.02(2H,s)、7.30-7.50(4H,m)、7.70(1H,d)、7.76(1H,t)、7.99(1H,d)、8.70(1H,d).
【0087】
実施例34
2-(2- ピリジル )-4-(2- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 5.02(2H,s)、7.20-7.30(2H,m)、7.36-7.43(2H,m)、7.50(1H,t)、7.77(1H,t)、8.00(1H,d)、8.72(1H,d).
【0088】
実施例35
2-(2- ピリジル )-4-(2- メトキシフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.85(3H,s)、5.00(2H,s)、7.00-7.10(2H,m)、7.34-7.43(3H,m)、7.72(1H,t)、7.98(1H,d)、8.70(1H,d).
【0089】
実施例36
2- フェニル -4-(2- シアノフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
Receuil des Travaux chimiques des Pays Bas,1929,48,417. に従って合成した2-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン 7.01gと、2-ブロモベンゾニトリル 14.67gを1,2-ジクロロベンゼン 100mlに溶解した後、酢酸カリウム 11.85gと銅 5.15gを加え、激しく撹拌しながら190℃で2時間加温した。室温まで放冷後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、不溶物を濾別したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル系)で精製して得られた粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、標題化合物 1.12g(収率10%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.94(s,2H)、7.39-7.51(m,4H)、7.65-7.74(m,2H)、7.77-7.80(m,1H)、7.91-7.95(m,2H).
融点; 148-149℃
【0090】
実施例37
2- フェニル -4-(2- ニトロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.06(s,2H)、7.45-7.57(m,3H)、7.62-7.68(m,1H)、7.77-7.89(m,4H)、8.06(dd,1H).
ESI-mass; 298(MH+)
【0091】
実施例38
2- フェニル -4-(2- ピリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.04(s,2H)、7.40-7.52(m,4H)、7.61(d,1H)、7.82-7.84(m,2H)、7.97(td,1H)、8.56(dd,1H).
【0092】
実施例39
2- フェニル -4-(3- ピリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.08(s,2H)、7.48-7.58(m,3H)、7.72-7.79(m,1H)、7.91-7.94(m,2H)、8.40-8.49(m,1H)、8.60-8.61(m,1H)、9.12(s,1H).
【0093】
実施例40
2- フェニル -4-(3- シアノ -2- ピリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.18(s,2H)、7.46-7.50(m,2H)、7.52-7.57(m,1H)、7.73(dd,1H)、7.82-7.85(m,2H)、8.56(dd,1H)、8.89(dd,1H).
【0094】
実施例41
2- フェニル -4-(2- ヒドロキシメチルフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.70(brs,1H)、4.59(s,2H)、4.93(s,2H)、7.37-7.50(m,6H)、7.56-7.60(m,1H)、7.84-7.87(m,2H).
【0095】
実施例42
2- フェニル -4-(2- シアノ -3- ピリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.15(s,2H)、7.47-7.57(m,3H)、7.86-7.88(m,2H)、7.92(dd,1H)、8.28(dd,1H)、8.75(dd,1H).
【0096】
実施例43
2- フェニル -4-(2- チエニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.91(s,2H)、6.98(dd,1H)、7.02(dd,1H)、7.43-7.52(m,4H)、7.96-8.00(m,2H).
【0097】
実施例44
2- フェニル -4-(3- チエニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.85(s,2H)、7.31(dd,1H)、7.41-7.51(m,3H)、7.66(dd,1H)、7.77(dd,1H)、7.94-7.97(m,2H).
【0098】
実施例45
2- フェニル -4-(4- シアノフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.90(s,2H)、7.44-7.55(m,3H)、7.72-7.75(m,2H)、7.94-7.97(m,2H)、8.03-8.06(m,2H).
【0099】
実施例46
2- フェニル -4-(3- シアノフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.90(s,2H)、7.44-7.57(m,5H)、7.94-7.97(m,2H)、8.13-8.16(m,1H)、8.18-8.19(m,1H).
【0100】
実施例47
2- フェニル -4-(2- シアノ -3- チエニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.89(s,2H)、7.43-7.50(m,3H)、7.54(d,1H)、7.77(d,1H)、8.06-8.09(m,2H).
【0101】
実施例48
2-(2- ヒドロキシフェニル )-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例17で得た2-(2-メトキシフェニル)-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン(91.0g)を塩化メチレン(1000ml)に溶解し、氷冷下1.0M三臭化ホウ素/塩化メチレン溶液(900ml)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え有機層を分配し、Cromatorex NHシリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製した。得られた粗結晶を塩化メチレン/ヘキサンから再結晶して標題化合物(62.8g,74%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.99(d,2H)、6.90-6.98(m,2H)、7.32-7.42(m,2H)、7.43-7.50(m,2H)、7.70-7.76(m,2H)、10.23(s,1H).
【0102】
実施例48と同様にして、以下の実施例49ないし53の化合物を合成した。
【0103】
実施例49
2-(2- ヒドロキシフェニル )-4- フェニル− 4H- 1 ,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.94(s,2H)、6.91-6.97(m,2H)、7.00(d,1H)、7.32-7.43(m,2H)、7.47(t,2H)、7.57-7.63(m,2H)、7.73(dd,1H)、10.59(s,1H).
【0104】
実施例50
2- フェニル -4-(2- ヒドロキシフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.98(s,2H)、7.02-7.07(m,1H)、7.11(dd,1H)、7.26-7.32(m,1H)、7.42-7.47(m,2H)、7.49-7.54(m,1H)、7.58(dd,1H)、7.90-7.95(m,2H)
ESI-mass; 269(MH+).
【0105】
実施例51
2-(2- ヒドロキシフェニル )-4-(2- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.99(s,2H)、6.92-6.99(m,2H)、7.21-7.30(m,2H)、7.36-7.45(m,2H)、7.46-7.52(m,1H)、7.72(dd,1H)、10.30(s,1H).
【0106】
実施例52
2-(2- ヒドロキシフェニル )-4-(4- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.93(s,2H)、6.95(ddd,1H)、7.00(dd,1H)、7.13-7.19(m,2H)、7.37-7.43(m,1H)、7.54-7.60(m,2H)、7.72(dd,1H)、10.47(s,1H).
【0107】
実施例53
2-(2- ヒドロキシフェニル )-4-(2,4- ジフルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.99(s,2H)、6.92-7.04(m,4H)、7.39(ddd,1H)、7.44-7.50(m,1H)、7.72(dd,1H)、10.20(s,1H).
【0108】
実施例54
2-[2-(2- ジメチルアミノエトキシ ) フェニル ]-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
実施例48(60.0g)とN,N-ジメチルアミノエチルクロリド(37.2g)をジメチルホルムアミド(1000ml)に溶解し、60℃にて炭酸カリウム(35.8g)を加え一晩撹拌した。反応液を水で希釈し、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、遊離体(50.6g,70%)を得た。この遊離体(4.78g)を4N塩酸/酢酸エチル溶液にて塩酸塩とし、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、標題化合物(4.80g)を得た。
遊離体:
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ; δ(ppm) 2.32(s, 6H)、2.73(t, 2H)、4.13(t, 2H)、4.89(s, 2H)、6.93-7.00(m, 2H)、7.27-7.31(m, 1H)、7.38-7.44(m, 2H)、7.48(dd, 1H)、7.58(dd, 1H)、7.70(dd, 1H).
塩酸塩:
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6) ; δ(ppm) 2.77(s, 6H)、3.45-3.52(m, 2H)、4.41(t, 2H)、5.04(s, 2H)、7.06-7.11(m, 1H)、7.18-7.22(m, 1H)、7.42(ddd, 1H)、7.51-7.59(m, 4H)、7.80(dd, 1H).
ESI-mass ; 418, 420(MH+)
融点 ; 169-170℃
【0109】
実施例54と同様にして、以下の実施例55ないし77の化合物を合成した。
【0110】
実施例55
2-[2-(4- ピリジル ) メトキシフェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.97(s,2H)、5.24(s,2H)、7.07(dd,1H)、7.21(d,1H)、7.27-7.32(m,1H)、7.37-7.43(m,4H)、7.51(ddd,1H)、7.57-7.61(m,2H)、7.66(dd,1H)、8.40-8.43(m,2H).
【0111】
実施例56
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.50-2.56(m,4H)、2.82(t,2H)、3.65-3.72(m,4H)、4.18(t,2H)、4.84(s,2H)、6.95-7.04(m,2H)、7.25-7.31(m,1H)、7.39-7.46(m,3H)、7.59(dd,1H)、7.69-7.74(m,2H).
【0112】
実施例57
2-[2-(2- ピリジル ) メトキシフェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.93(s,2H)、5.24(s,2H)、7.06(dd,1H)、7.22-7.33(m,3H)、7.36-7.43(m,2H)、7.47-7.54(m,2H)、7.57-7.68(m,4H)、8.53-8.57(m,1H).
【0113】
実施例58
2-[2-(3- ピリジル ) メトキシフェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.76(s,2H)、5.16(s,2H)、7.04-7.09(m,2H)、7.22(dd,1H)、7.24-7.29(m,1H)、7.34-7.40(m,2H)、7.44-7.50(m,1H)、7.59-7.64(m,2H)、7.66(dd,1H)、7.78(ddd,1H)、8.59(dd,1H)、8.69(d,2H).
【0114】
実施例59
2-{2-[2-(1- ピペリジル ) エトキシ ] フェニル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.38-1.46(m,2H)、1.54-1.61(m,4H)、2.43-2.53(m,4H)、2.80(t,2H)、4.18(t,2H)、4.84(s,2H)、6.96-7.01(m,2H)、7.24-7.30(m,1H)、7.39-7.46(m,3H)、7.56-7.60(m,1H)、7.70-7.74(m,2H).
【0115】
実施例60
2-{2-[2-(1- ピロリジニル ) エトキシ ] フェニル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.65-1.83(m,4H)、2.57-2.68(m,4H)、2.97(t,2H)、4.20(t,2H)、4.84(s,2H)、6.93(d,1H)、7.02(d,1H)、7.27(t,1H)、7.38-7.46(m,3H)、7.57-7.62(m,1H)、7.72(d,2H).
【0116】
実施例61
2-[2-(2- ジメチルアミノエトキシ ) フェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.31(s,6H)、2.76(t,2H)、4.13(t,2H)、4.83(s,2H)、6.97-7.03(m,2H)、7.25-7.30(m,1H)、7.40-7.46(m,3H)、7.59(dd,1H)、7.70-7.74(m,2H).
【0117】
実施例62
2-[2-(3- ジメチルアミノプロポキシ ) フェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.00(dd,2H)、2.44(t,2H)、4.10(t,2H)、4.83(s,2H)、6.97-7.01(m,2H)、7.27(t,1H)、7.40-7.45(m,3H)、7.59(dd,1H)、7.70-7.75(m,2H).
【0118】
実施例63
2-{2-[3-(1- ピペリジニル ) プロポキシ ] フェニル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.37-1.46(m,2H)、1.53-1.60(m,4H)、2.01(dd,2H)、2.30-2.40(m,4H)、2.46(t,2H)、4.08(t,2H)、4.83(s,2H)、6.95-7.00(m,2H)、7.27(t,1H)、7.39-7.46(m,3H)、7.58(dd,1H)、7.72(d,2H).
【0119】
実施例64
2- フェニル -4-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.40-2.56(m,4H)、2.74(t,2H)、3.50-3.60(m,4H)、4.18(t,2H)、4.89(s,2H)、6.99-7.04(m,1H)、7.06(ddd,1H)、7.34-7.42(m,4H)、7.42-7.47(m,1H)、7.84-7.89(m,2H).
【0120】
実施例65
2- フェニル -4-[2-(2- ジメチルアミノエトキシ ) フェニル ]-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.09(s,6H)、2.52(t,2H)、4.06(t,2H)、4.96(s,2H)、7.03(ddd,1H)、7.16(d,1H)、7.34(dd,1H)、7.36-7.52(m,4H)、7.73-7.78(m,2H).
【0121】
実施例66
2-[2-(2- ジメチルアミノエトキシ ) フェニル ]-4-(2- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.32(s,6H)、2.74(t,2H)、4.13(t,2H)、4.90(s,2H)、6.95-7.00(m,2H)、7.16-7.26(m,2H)、7.33-7.44(m,2H)、7.48-7.53(m,1H)、7.55(dd,1H).
【0122】
実施例67
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4-(2- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.50-2.56(m,4H)、2.80(t,2H)、3.66-3.73(m,4H)、4.17(t,2H)、4.90(s,2H)、6.93-6.97(m,1H)、6.99(ddd,1H)、7.17-7.26(m,2H)、7.34-7.39(m,1H)、7.42(ddd,1H)、7.47-7.52(m,1H)、7.55(dd,1H).
【0123】
実施例68
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.48-2.57(m,4H)、2.80(t,2H)、3.65-3.73(m,4H)、4.17(t,2H)、4.90(s,2H)、6.92-6.96(m,1H)、6.98(ddd,1H)、7.27-7.31(m,1H)、7.38-7.44(m,2H)、7.48(dd,1H)、7.58(dd,1H)、7.70(dd,1H).
【0124】
実施例69
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4- シクロヘキシル -4H-1,3,4- オキサジアジン-5(6H)-オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.03-1.15(m,1H)、1.25-1.39(m,2H)、1.55-1.70(m,5H)、1.70-1.80(m,2H)、2.40-2.46(m,4H)、2.70(t,2H)、3.50-3.58(m,4H)、4.12(t,2H)、4.30-4.39(m,1H)、4.70(s,2H)、6.96-7.01(m,1H)、7.10-7.15(m,1H)、7.41-7.47(m,2H).
【0125】
実施例70
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4-(4- フルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.37-2.46(m,4H)、2.69(t,2H)、3.47-3.54(m,4H)、4.14(t,2H)、4.93(s,2H)、7.00(ddd,1H)、7.15(d,1H)、7.23-7.30(m,2H)、7.45-7.50(m,1H)、7.54(dd,1H)、7.63-7.69(m,2H).
【0126】
実施例71
2-{2-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ] フェニル }-4-(2,4- ジフルオロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.37-2.46(m,4H)、2.67(t,2H)、3.46-3.54(m,4H)、4.12(t,2H)、4.98(s,2H)、6.98(ddd,1H)、7.13(d,1H)、7.18-7.24(m,1H)、7.42-7.50(m,3H)、7.61(ddd,1H).
【0127】
実施例72
2-[3-(2- ヒドロキシエトキシ )-2- ピリジル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 2.57(t,1H)、3.83-3.87(m,2H)、4.19-4.21(m,2H)、4.98(s,2H)、7.31-7.48(m,5H)、7.62-7.65(m,2H)、8.36-8.38(m,1H).
【0128】
実施例73
2-{3-[2-(4- モルホリニル ) エトキシ ]-2- ピリジル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 3.00-3.11(m,2H)、3.35-3.43(m,2H)、3.49-3.56(m,2H)、3.60-3.68(m,4H)、4.52-4.58(m,2H)、5.04(s,2H)、7.28-7.33(m,1H)、7.43-7.47(m,2H)、7.56-7.60(m,3H)、7.70(dd,1H)、8.27(dd,1H).
【0129】
実施例74
2-{3-[2-(1- ピペリジル ) エトキシ ]-2- ピリジル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.10-1.23(m,2H)、1.49-1.71(m,4H)、2.76-2.87(m,2H)、3.25-3.49(m,4H)、4.51-4.55(m,2H)、5.03(s,2H)、7.28-7.32(m,1H)、7.42-7.47(m,2H)、7.55-7.60(m,3H)、7.70(dd,1H)、8.27(dd,1H).
【0130】
実施例75
2-{3-[2-(1- ピロリジニル ) エトキシ ]-2- ピリジル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.60-1.77(m,4H)、2.89-2.98(m,2H)、3.40-3.49(m,2H)、3.51-3.59(m,2H)、4.46-4.48(m,2H)、5.03(s,2H)、7.27-7.32(m,1H)、7.42-7.48(m,2H)、7.55-7.60(m,3H)、7.71(dd,1H)、8.27(dd,1H).
【0131】
実施例76
2-{3-[2-(1- メチル -2- ピロリジニル ) エトキシ ]-2- ピリジル }-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.60-2.35(m,6H)、2.51(s,1.5H)、2.70(s,1.5H)、2.81-3.49(m,4H)、4.83-4.94(m,1H)、5.00(s,1H)、5.03(s,1H)、7.25-7.33(m,1H)、7.42-7.49(m,2H)、7.50-7.56(m,1H)、7.58-7.63(m,2H)、7.70-7.74(m,1H)、8.21-8.23(m,1H).
【0132】
実施例77
2-[3-(2- ジメチルアミノエトキシ )-2- ピリジル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.70(s,3H)、2.71(s,3H)、3.48-3.50(m,2H)、3.45-3.49(m,2H)、5.02(s,2H)、7.27-7.32(m,1H)、7.42-7.47(m,2H)、7.55-7.59(m,3H)、7.71(dd,1H)、8.27(dd,1H).
【0133】
実施例78
2-(3- アミノフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オンの合成
水素雰囲気下、実施例19(417mg)をエタノール/酢酸エチル(2:1, 24ml)の混合溶媒に懸濁し、10%パラジウム/炭素触媒(80mg)を加え、室温にて40分間攪拌した。触媒を濾去後、減圧濃縮し、得られた粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、標題化合物(350mg,93%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.93(s,2H)、5.28-5.32(m,2H)、6.65-6.69(m,1H)、6.97-7.01(m,1H)、7.06-7.11(m,2H)、7.27-7.32(m,1H)、7.42-7.48(m,2H)、7.62-7.66(m,2H).
【0134】
実施例79
2-(2- アミノフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例78と同様にして標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.96(s,2H)、6.52-6.61(m,3H)、6.74-6.78(m,1H)、7.14-7.20(m,1H)、7.29-7.35(m,1H)、7.44-7.51(m,2H)、7.56-7.62(m,3H).
【0135】
実施例80
2- フェニル -4-( テトラヒドロ -4H- ピラン -4- イル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
80-1) 4-( ベンゾイルヒドラゾノ )- テトラヒドロ -4H- ピラン
テトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(2.96g)とベンゾイルヒドラジン(4.03g)をエタノール(60ml)に溶解し、一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し得られた粗結晶を酢酸エチルで洗浄しイミン体(6.20g)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.37-2.45(m,2H)、2.46-2.54(m,2H)、3.66(t,2H)、3.72-3.80(m,2H)、7.42-7.49(m,2H)、7.50-7.57(m,1H)、7.76-7.85(m,2H)、10.57(s,1H).
ESI-mass; 219(MH+)
80-2) 2- フェニル -4-( テトラヒドロ -4H- ピラン -4- イル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
80-1)で得た 4-(ベンゾイルヒドラゾノ)-テトラヒドロ-4H-ピラン(2.50g)をメタノール(50ml)に溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム(1.30g)を加え室温にて5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、得られた粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶してヒドラジド体とし、さらに実施例1-2と同様にして標題化合物(1.71g,57%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.57(dd,2H)、1.98(ddd,2H)、3.42(t,2H)、3.93(dd,2H)、4.64(tt,1H)、4.82(s,2H)、7.43-7.52(m,3H)、7.79-7.84(m,2H).ESI-mass; 261(MH+)
【0136】
実施例80と同様にして、以下の実施例81ないし83の化合物を合成した。
【0137】
実施例81
2- フェニル -4-(1- メチル -4- ピペリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.53-1.60(m,2H)、1.91-2.02(m,4H)、2.16(s,3H)、2.78-2.86(m,2H)、4.29-4.38(m,1H)、4.80(s,2H)、7.43-7.50(m,3H)、7.78-7.82(m,2H).
ESI-mass; 274(MH+)
【0138】
実施例82
2- フェニル -4-(-3- キヌクリジニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.27-1.37(m,1H)、1.53-1.64(m,2H)、1.82-1.87(m,1H)、1.89-1.99(m,1H)、2.65-2.80(m,3H)、2.93-3.02(m,1H)、3.02-3.10(m,1H)、3.19-3.26(m,1H)、4.57-4.64(m,1H)、4.79,4.85(ABq,2H)、7.45-7.52(m,3H)、7.77-7.82(m,2H).
ESI-mass; 286(MH+)
【0139】
実施例83
2- ピリジル -4-(1- ベンジル -4- ピペリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・二塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.56-1.62(m,2H)、1.90-2.07(m,4H)、2.85-2.93(m,2H)、3.47(s,2H)、4.36-4.45(m,1H)、4.81(s,2H)、7.20-7.27(m,1H)、7.28-7.34(m,4H)、7.49(ddd,1H)、7.87-7.95(m,2H)、8.63(ddd,1H).
ESI-mass; 351(MH+)
【0140】
実施例84
2- フェニル -4-(-3- テトラヒドロフラニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
Receuil des Travaux chimiques des Pays Bas,1929,48,417に従って合成した2-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン(0.30g)と、3-ヒドロキシテトラヒドロフラン(0.30g)、およびトリフェニルホスフィン(0.89g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、氷冷下、40%ジエチルアゾジカルボキシラート/トルエン溶液(0.59g)のテトラヒドロフラン(3ml)希釈溶液を加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、Cromatorex NHシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル系)で精製して、標題化合物(0.15g,36%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.09-2.16(m,2H)、3.70(dd,1H)、3.81(dd,1H)、3.88-3.98(m,2H)、5.19-5.26(m,1H)、7.44-7.52(m,3H)、7.77-7.81(m,2H).
【0141】
実施例84と同様にして、以下の実施例85ないし89の化合物を合成した。
【0142】
実施例85
2- フェニル -4- シクロペンチル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.58-1.70(m,2H)、1.82-1.95(m,6H)、4.70(s,2H)、5.08-5.16(m,1H)、7.38-7.47(m,3H)、7.84-7.88(m,2H).
ESI-mass; 245(MH+)
【0143】
実施例86
2- フェニル -4-(1- ベンジル -4 ピペリジル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.55-1.62(m,2H)、1.90-2.07(m,4H)、2.86-2.92(m,2H)、3.47(s,2H)、4.34-4.43(m,1H)、4.80(s,2H)、7.21-7.27(m,1H)、7.29-7.35(m,4H)、7.44-7.52(m,3H)、7.78-7.82(m,2H).
【0144】
実施例87
2- フェニル -4-[1-(2- ピリジル ) エチル ]-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.80(d,3H)、4.77(s,2H)、6.04(q,1H)、7.16(t,1H)、7.33-7.43(m,4H)、7.64(t,1H)、7.79-7.82(m,2H)、8.59(d,1H).
【0145】
実施例88
2- フェニル -4-[1-(3- ピリジル ) エチル ]-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・シュウ酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.64(d,3H)、4.87(s,2H)、5.88(q,1H)、7.37-7.49(m,4H)、7.76-7.79(m,2H)、7.87(d,1H)、8.48(d,1H)、8.64(s,1H).
【0146】
実施例89
2- フェニル -4-[1-(4- ピリジル ) エチル ]-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・シュウ酸塩
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 1.63(d,3H)、4.90(s,2H)、5.82(q,1H)、7.42-7.51(m,5H)、7.76(d,2H)、8.54(d,2H).
【0147】
実施例90
2-(3- ジメチルアミノフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例78で得た2-(3-アミノフェニル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン(200mg)をアセトニトリル(5ml)に溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液(1ml)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(250mg)を加え、さらに5分間かけて酢酸(0.15ml)を滴下し、室温にてさらに6時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル系)で精製して、標題化合物(215mg,97%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6); 艟(ppm) 2.91(s,6H)、4.97(s,2H)、6.84-6.89(m,1H)、7.11-7.14(m,1H)、7.14-7.19(m,1H)、7.24-7.32(m,2H)、7.42-7.48(m,2H)、7.63-7.68(m,2H).
【0148】
実施例90と同様にして、以下の実施例91ないし93の化合物を合成した。
【0149】
実施例91
2-(2- ジメチルアミノフェニル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 2.80(s,6H)、4.97(s,2H)、6.85-6.90(m,1H)、6.96-7.01(m,1H)、7.25-7.30(m,1H)、7.33-7.39(m,1H)、7.40-7.50(m,3H)、7.62-7.67(m,2H).
【0150】
実施例92
2-[2-(4- ピリジル ) メチルアミノフェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.46(d,2H)、5.00(s,2H)、6.67-6.75(m,2H)、7.23-7.38(m,6H)、7.48(d,2H)、7.72(dd,1H)、7.86-7.93(m,1H)、8.40-8.46(m,2H).
【0151】
実施例93
2-[2-(3- ピリジル ) メチルアミノフェニル ]-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 4.40(d,2H)、4.86(s,2H)、6.68-6.78(m,2H)、7.13-7.36(m,5H)、7.40-7.47(m,2H)、7.55-7.61(m,1H)、7.80-7.86(m,1H)、7.95-8.03(m,1H)、8.52-8.56(m,1H)、8.60(d,1H).
【0152】
実施例94
2-(4- ピリジル )-4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン・塩酸塩
実施例12で得た2-(2-クロロ-4-ピリジル)-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン・塩酸塩(780mg,2.4mmol)を、常法に従い、酢酸ナトリウムおよび10%パラジウム/炭素触媒存在下、メタノール中で水素添加して、標題化合物(230mg,収率33%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm) 5.09(s,2H)、7.31-7.36(m,1H)、7.45-7.50(m,2H)、7.64-7.67(m,2H)、8.04(d,2H)、8.84(d,2H).
【0153】
実施例95
N-(2- ピリジル )-[4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン -2- イル ] カルボキサミド・塩酸塩
95-1) 2- エトキシカルボニル -4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オンフェニルヒドラジン 39.5g(0.365mole)、トリエチルアミン 50mlのテトラヒドロフラン1000ml溶液に、氷冷下、クロロオキソ酢酸エチル(塩化シュウ酸エチル、[4755-77-5]) 50g(0.366mole)を30分で滴下した。滴下終了後1時間攪拌した後、反応混合物を水にあけ酢酸エチルで抽出し、有機層を10%クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得た残渣をエーテル/ヘキサン(1:1)から結晶化し、これを濾取して減圧下乾燥した。ここで得た固体36gを2-ブタノン 600mlに溶解し、でクロルアセチルクロライド 20.3g(0.179mole)を加え、室温で2時間反応させた。その後さらに8時間加熱還流した。反応液を冷却後、水にあけ、酢酸エチル抽出した。有機層を水洗して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去して油状物を得た。これをエタノール中で晶出させて、標題化合物 30g(0.12mole,33%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 1.38(3H,t)、4.39(2H,q)、4.86(2H,s)、7.30(1H,t)、7.42(2H,t)、7.56(2H,d).
95-2) N-(2- ピリジル )-[4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン -2- イ ル ] カルボキサミド
95-1)で得た2-エトキシカルボニル-4-フェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン 970mg(3.9mmole)と2-アミノピリジン 900mg(9.6mmole)を、メタノール 10ml中、12時間加熱還流した。メタノールを留去して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物の遊離体 500mg(1.7mmole,43%)を得た。これを常法により塩酸塩とし、標題化合物を得た。
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.96(2H,s)、7.12(1H,dd)、7.37(1H,t)、7.46(2H,t)、7.58(2H,d)、7.80(1H,t)、8.26(1H,d)、8.32(1H,d)、9.21(1H,br).
【0154】
実施例95と同様の方法に従い以下の実施例96および97の化合物を合成した。
【0155】
実施例96
N-(3- ピリジル )-[4- フェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン -2- イル ] カルボキサミド・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.97(2H,s)、7.30-7.43(2H,m)、7.50(2H,t)、7.56(2H,d)、8.22(1H,d)、8.42(1H,d)、8.68(2H,br).
【0156】
実施例97
N-(4- ピリジル )-[4- フェニル -4H-1,3,4 −オキサジアジン -5(6H)- オン -2- イル ] カルボキサミド・塩酸塩
遊離体:
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 4.98(2H,s)、7.40-7.60(7H,m)、8.57(2H,m)、8.70(1H,br).
【0157】
実施例98
1,3- ジフェニル -4- メチル -4,5- ジヒドロ -1,2,4- トリアジン -6(1H)- オンの合成
N-メチルグリシン・エチルエステル 10g(0.086mole)とトリエチルアミン 10mlをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、氷冷下、ここに塩化ベンゾイル 12g(0.086mole)を滴下した。室温に戻して1晩攪拌した後、反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出し、有機層を5%塩酸水、重曹水、食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して得た油状物を、テトラヒドロフラン300mlに溶解し、Lawessen's reagent [CAS Registry No. 19172-47-5] 41gを加えて室温で4時間処理した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル系)で精製し、チオアミド化合物を8.0g(0.034mole)得た。これとフェニルヒドラジン 3.6g(0.034mole)をエタノール 50mlに溶解し、5時間加熱還流した。溶媒を留去してテトラヒドロフラン 50mlに溶解し、60%油性水素化ナトリウム 1.36gを加えて、室温で2時間処理した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチル抽出し、水洗・乾燥した。濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、標題化合物 2.4g(0.0084mole,25%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.28(3H,s)、4.93(2H,s)、6.67-6.80(2H,m)、7.10-7.20(2H,m)、7.40-7.50(4H,m)、7.55(2H,d).
【0158】
実施例99
1- フェニル -3-(2- ピリジル )-4- メチル -4,5- ジヒドロ -1,2,4- トリアジン -6(1H)- オン
実施例98と同様の方法に従い標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz,CDCl3);δ(ppm) 3.02(3H,s)、4.16(2H,s)、7.24(1H,m)、7.40(3H,m)、7.63(2H,d)、7.74(1H,d)、7.83(1H,t)、8.65(1H,d).
【0159】
実施例100
2- フェニル -4-(2- クロロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例36と同様にして標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ;δ(ppm) 4.95(s, 2H), 7.35-7.43(m, 4H), 7.44-7.51(m, 2H), 7.51-7.55(m, 1H), 7.86-7.91(m, 2H).
【0160】
実施例101
2- フェニル -4-(2,6- ジクロロフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例17と同様にして標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ;δ(ppm) 4.96(s, 2H), 7.34(dd, 1H), 7.38-7.43(m, 2H), 7.44-7.48(m, 3H), 7.87-7.90(m, 2H).
【0161】
実施例102
2,4- ジフェニル -6- ヒドロキシ -4H-1,3,4- チアジアジン -5- オン
実施例4で得られた2,4-ジフェニル-4H-1,3,4-チアジアジン-5(6H)-オン(150mg)をトリフルオロ酢酸(3ml)に溶解し、氷冷下30%過酸化水素水(0.06ml)を滴下し、室温にて5時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、反応液を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル系)で精製し、標題化合物(10mg, 7%)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ; 艟(ppm) 5.48(s, 1H), 7.34-7.39(m, 1H), 7.42-7.53(m, 5H), 7.56-7.62(m, 2H), 7.90-7.95(m, 2H).
ESI-mass ; 285(MH+)
【0162】
実施例103
2-{2-[2-(N- ベンジル -N- メチル ) アミノ ] エトキシフェニル }-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例54と同様にして標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ;δ(ppm) 2.31(s, 3H), 2.86(t, 2H), 3.59(s, 2H), 4.16(t, 2H), 4.81(s, 2H), 6.91-6.99(m, 2H), 7.24-7.29(m, 2H), 7.30-7.34(m, 4H), 7.37-7.46(m, 3H), 7.57(dd, 1H), 7.68(dd, 1H).
【0163】
実施例104
2-[2-(2- メチルアミノエトキシ ) フェニル ]-4-(2- ブロモフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例103で得られた2-[2-[2-(N-ベンジル-N-メチル)アミノ]エトキシフェニル]-4-(2-ブロモフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン(158mg)をメタノール(5ml)に溶解し、水酸化パラジウム-炭素(20mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3時間撹拌した。水酸化パラジウム-炭素を濾別した後減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル系)で精製し、標題化合物(trace)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ; δ(ppm) 2.18(s, 3H), 3.05-3.12(m, 2H), 4.28-4.35(m, 2H), 4.93(s, 2H), 6.90-7.10(m, 2H), 7.30-7.59(m, 4H), 7.67-7.76(m, 2H).
ESI-mass ; 404, 406(MH+)
【0164】
実施例105
2-(2- ピリジル )-4-(2- ヨードフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例1と同様にして標記化合物を合成した。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ; δ(ppm) 5.02(s, 2H), 7.15(ddd, 1H), 7.39(ddd, 1H), 7.43-7.51(m, 2H), 7.76(ddd, 1H), 7.94-8.03(m, 2H), 8.70-8.75(m, 1H).ESI-mass ; 280 (MH+)
【0165】
実施例106
2-(2- ピリジル )-4-(2- シアノフェニル )-4H-1,3,4- オキサジアジン -5(6H)- オン
実施例105で得られた2-(2-ピリジル)-4-(2-ヨードフェニル)-4H-1,3,4-オキサジアジン-5(6H)-オン(100mg)をN-メチルピロリドン(2ml)に溶解し、シアン化亜鉛(80mg)、ヨウ化銅(5mg)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(10mg)を加え、1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後減圧濃縮し、反応液を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル系)で精製し、標題化合物(40mg, 54%)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3) ; δ(ppm) 5.06(s, 2H), 7.36(ddd, 1H), 7.44(ddd, 1H), 7.60-7.69(m, 2H), 7.70-7.78(m, 2H), 7.99-8.04(m, 1H), 8.63-8.69(m, 1H).
【0166】
実施例107
2,4- ジフェニル -6,6- ジメチル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5- オン
安息香酸 N-フェニル-ヒドラジド(1g)とトリフェニルホスフィン(1.48g)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、1-ブロモコハク酸イミド(1.02g)を氷冷下加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にヘキサンを加え、不溶物を濾去し濾液を減圧濃縮した。得られた粗生成物(586mg)を2-ヒドロキシイソ酪酸エチルエステル(282mg)と水素化ナトリウム(104mg)のジメチルホルムアミド(6ml)混合物に氷冷下加え、2時間室温にて撹拌後、カリウムtert-ブトキシド(50mg)を加え、100℃で加熱撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水で分配し、有機層を水洗、乾燥、濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマト(酢酸エチル/ヘキサン系)で精製し、黄色固体の標題化合物(31mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3) ; δ(ppm) 1.70(s, 6H), 7.26-7.30(m, 1H), 7.40-7.50(m, 5H), 7.69-7.72(m, 2H), 7.93-7.96(m, 2H).
【0167】
実施例108
2,4,6- トリフェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5- オン
108-(1) 2,6- ジフェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5- オン
マンデル酸ヒドラジド(1.66g)とオルト安息香酸トリメチル(1.82g)をp-トルエンスルホン酸一水和物(0.2g)存在下、ジメチルホルムアミド(30ml)中、120℃で12時間加熱撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(150ml)と水(50ml)に分配した。酢酸エチル層を水(50ml x 2)と飽和食塩水(50ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(酢酸エチル/ヘキサン、1:1)で精製して標題化合物を白色粉末として得た(1.28g, 51%)。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) ; δ(ppm) 6.08 (brs, 1H), 6.79 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.41 (t, 2H), 7.53 (d, 2H), 7.56-7.64 (m, 3H), 7.96 (d, 2H).
108-(2) 2,4,6- トリフェニル -4H-1,3,4- オキサジアジン -5- オン
2,6-ジフェニル-4H-1,3,4-オキサジアジン-5-オン(0.1g)、フェニルボロン酸(0.13g)、酢酸銅(0.18g)とトリエチルアミン(0.12g)の混合物を塩化メチレン(15ml)中、室温で終夜激しく撹拌した。反応液を直接、シリカゲルカラムクロマト(酢酸エチル/ヘキサン、1:2)で精製して標題化合物を白色粉末として得た(0.048g, 37%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) ; δ(ppm) 6.61 (s, 1H), 7.00 (t, 1H), 7.08 (dd, 2H), 7.28 (dd, 2H), 7.37-7.54 (m, 6H), 7.65 (dd, 2H), 8.03 (dd, 2H).
【0168】
【試験例】
[薬理実験例1]
AMPA 誘発神経細胞内カルシウム流入抑制作用
胎生18日のラットの脳から大脳皮質を切り出し、トリプシン、DNaseで処理し、細胞を分散した。10%の血清を含むDMEMにて細胞を浮遊し、培養ボトルに播種しアストロサイトを増殖させた。そのアストロサイトをさらにトリプシンで再分散し96穴のプレート上に播種した。1週間の培養後にアストロサイトが底面を覆い尽くしたのを確認し、その上に、前述の方法で分散した大脳皮質神経細胞を播種した。24時間後培地を交換し、さらに1週間培養した後、1μMのMK-801を含む培地に交換した。
細胞内へのカルシウムの流入をカルシウム感受性の蛍光色素であるFura2-AMを使用して測定した。Fura2-AMを含む培地で1時間処理し、細胞内に取り込ませた後に、1μMのMK-801を含むTyrode溶液に交換し、被験化合物添加後、2μMのAMPAで刺激を行った。細胞に流入したカルシウム量の変化は340/380nmの波長の蛍光強度の変化として測定した。被験化合物の効果は化合物を含まないTyrode溶液に添加したAMPAで生じる反応を対照として評価した。
【0169】
【0170】
[薬理実験例2]
AMPA 誘発神経細胞膜電流抑制作用
AMPA受容体チャネルへの作用をパッチクランプ法を用いて検討した。
胎生18日のラットの脳から大脳皮質を切り出し、トリプシン、DNaseで処理し、細胞を分散させた。10%の血清を含むDMEMにて細胞を浮遊し、培養ボトルに播種しアストロサイトを増殖させた。そのアストロサイトをさらにトリプシンで再分散し12穴のプレート上に播種した。
1週間の培養後にアストロサイトが底面を覆い尽くしたのを確認し、その上にpoly-l-Lysineで処理したガラス製カバーグラスをおき、さらにその上に、前述の方法で分散した大脳皮質神経細胞を播種した。24時間後培地を交換し、さらに1週間培養した後、1μMのMK-801を含む培地に交換した。
9日以上培養した大脳皮質神経細胞を、パッチクランプ法により−70mVに膜電位固定し、被験化合物添加後、刺激として10μMのAMPAを細胞に適用した。化合物非存在下で膜を横切って流れる内向き電流を対照とし、実施例1の化合物について作用を検討した。
その結果、実施例1の化合物のIC50値は12.3μMであった。
【0171】
[薬理実験例3]
AMPA 誘発痙攣抑制作用
生後4週齢の雄性ddyマウスに被験化合物あるいはその溶媒を静脈内注射し、5分後にAMPA 1.5nmolを脳室内に投与し痙攣を誘発した。薬物の作用は痙攣の有無で判断し、80%以上抑制する用量を有効用量とした。
その結果、実施例1の化合物は30mg/kg、実施例14の化合物は10mg/kg、実施例36の化合物は10mg/kg、実施例54の化合物は30mg/kg、実施例68の化合物は30mg/kgで効果を示した。
【0172】
[薬理実験例4]
中大脳動脈閉塞モデルにおける梗塞縮小作用
生後8週齢の雄性SDラットの頸部を正中切開し右頸動脈を剥離した。外頸動脈から4-0規格の手術用ナイロン縫合糸を挿入し、頭蓋内の中大脳動脈の血流をナイロン糸で止めることにより中大脳動脈閉塞モデルを作成した。中大脳動脈閉塞後、30分経過後に被験化合物あるいはその溶媒を単回静注し、その後一定の注入速度で持続静注した。投与開始から投与終了までは体温を37.5〜38.0度になるようにコントロールした。投与開始6時間後にラットから脳を摘出し、直ちに2mm厚の脳切片を作成し、それを2%のTTC溶液で染色した。染色された切片の画像をNIHイメージに取り込み、梗塞巣を示す未染色部分の面積を測定、その後、梗塞巣の体積を計算した。
その結果、実施例1の化合物は6.6mg/kg単回静注および10mg/kg/hの持続静注、20mg/kg単回静注および30mg/kg/hの持続静注で、溶媒投与群に対して大脳皮質の梗塞巣を、それぞれ54%、74%縮小した。
【0173】
【発明の効果】
本発明にかかる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物は、非NMDA興奮性アミノ酸受容体拮抗作用、特にAMPA受容体拮抗作用を有する化合物として、神経変性疾患の治療・改善・予防剤、より具体的には、1)運動障害、知覚障害、異常行動等の脳虚血後障害・脳脊髄損傷後の急性神経変性による障害、2)アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等の慢性神経変性疾患、3)てんかん、4)慢性疼痛、偏頭痛、癌性疼痛、糖尿病性神経障害等に由来する疼痛、5)痙性麻痺、または6)多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、レフサム病、タンギエール病、デジェリン−ソタス病、HIVあるいはHTLV性脊髄炎、白質脳炎等の脱髄性疾患の治療・改善・予防剤として有用である。
Claims (6)
- 前記化合物が2−(2−ピリジル)−4−フェニル−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、2−(2−ピリジル)−4−(2−ブロモフェニル)−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、2−(2−ピリジル)−4−(2−フルオロフェニル)−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、2−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−4−(2−ブロモフェニル)−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、2−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−4−フェニル−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、2−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−4−(2−フルオロフェニル)−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オン、および2−{2−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]フェニル}−4−(2−ブロモフェニル)−4H−1,3,4−オキサジアジン−5(6H)−オンから選ばれる1種である、請求項1に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- 請求項1または2に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物を含有する医薬。
- 神経変性疾患の治療・予防・改善剤である請求項3に記載の医薬。
- 脱髄性神経疾患の治療・予防・改善剤である請求項3に記載の医薬。
- 脳虚血・頭部外傷・脊髄損傷後の急性神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、てんかん、疼痛、多発性硬化症、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、マルキャファーヴァ・ビギャミ病、デビック病、バロ病、HIVもしくはHTLV性脊髄炎または白質脳炎の治療・予防・改善剤である請求項3に記載の医薬。
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