JP4169973B2 - 人工器官、人工器官のステム、および人工器官の製造方法 - Google Patents

人工器官、人工器官のステム、および人工器官の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【関連出願】
本出願は「PROSTHESIS WITH FEATURE ALIGNED TO TRABECULAE」の発明の名称を有する2000年12月14日に出願された米国仮特許出願第60/255,644号に基づく特許出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】
この発明は、整形外科学の分野に関し、より詳しくは関節形成術で用いる移植片に関する。
【0003】
【従来の技術】
この発明は、移植可能な物品および移植可能な物品の製造方法に関する。より詳しくは、この発明は骨の人工器官(bone prosthesis)および骨の人工器官の製造方法に関する。
【0004】
骨の人工器官のような移植可能な物品の設計および製造方法にはさまざまなものがあることが知られている。そのような骨の人工器官には、肘関節、股関節、膝関節および肩関節のような人工関節の構成要素が含まれている。実質的にすべての移植可能な骨の人工器官の設計および製造方法において重要な考慮すべき事柄は、その骨の人工器官が人体内に移植されたときに適切に固定されるということである。
【0005】
初期の設計の移植可能な物品は、その移植片(移植可能な物品)を固定するためのポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)のようなセメントに依存していた。そのようなセメントの使用は、手術後に遊動(freeplay)に発展しないまたは骨の関節面の侵食を導かない固定が提供されるというようないくつかの利益を有する。しかし、時間が経過するとセメントの接着性の特性が失われる傾向があるために、およびセメントが関節内で壊死組織片(debris)を摩り減らすことに寄与する可能性があるために、そのようなセメントをより少ない範囲で使用するのが現在の趨勢である。
【0006】
最近では、移植可能な骨の人工器官はその移植片(骨の人工器官)の周囲の硬組織(すなわち骨)の成長を促進するように設計されている。移植可能な骨の人工器官の表面が不規則なまたは模様が形成されている場合に骨の接着が通常起こり、成長が促進される。移植可能な骨の人工器官の模様が形成された表面および表面の周囲に新たに形成された硬組織の相互作用によって人体内で骨の人工器官が良好に固定されることが見出されている。移植可能な骨の人工器官の骨と係合する表面がより多孔性または不規則なほど、より高い程度の骨の固定が通常達成される。
【0007】
多孔性または不規則な表面はさまざまな技術を用いて提供される。ある場合には、移植可能な骨の人工器官の不規則な表面のパターンまたは表面の多孔性は、エンボシング(embossing)、化学エッチング(chemical etching)、フライス加工(milling)または機械加工(machining)によって形成される。
【0008】
公知の股関節システムを用いる場合に見出された他の問題点は、人工器官内およびその人工器官を取り囲む骨にわたる応力を適切に分布させることに関する。骨にほとんど応力がかからない場合には、再吸収(resorption)が起こり、影響された領域の萎縮(atrophy)が引き起こされる。骨に大きすぎる応力がかかっても、再吸収と萎縮が引き起こされ、または影響された領域の望ましくない肥大(hypertrophy)が結果としてもたらされる。ある従来の技術では、大腿ステム(femoral stem)の設計による過剰な力がかなり硬いステムを介して遠位部分に伝達されて、その結果、その遠位部分を取り囲む骨が肥大し、ステムの近位部分を取り囲む骨が萎縮する。したがって、これらの必要性および従来の股関節の設計のその他の課題を解決するための改良された股関節の人工器官が必要とされている。
【0009】
骨に移植された人工器官の近位部分に負荷を提供する試みがなされてきた。例えば、Vermeireに対する米国特許第5,004,75号では、互いに平行に間隔をおいて配置された複数の直線状の溝28が人工器官のネック部の長手方向の軸22に対してほぼ直角に配置されている。互いに平行に間隔を置いて配置された第2の複数の直線状の溝29が溝28に対してほぼ直角に配置されている。これらの溝は、この人工器官のステムの近位部分に支持を提供するように働く。
【0010】
Brooker, Jr.に対する米国特許第4,865,608号では、互いに平行な間隔をおいて配置された複数の溝24および溝24’が、ステムの近位部分の両側面の外側面に沿って配置されている。これらの溝はステムの長手方向の軸に対してほぼ70度の角度をなして配置されている。
【0011】
完全な股関節の関節形成術では、少なくとも2つの特徴を提供するように設計された装置を用いることにより初期のおよび長期間にわたる成功が達成される。第1の特徴は、大腿骨内での安定した初期または即時の術後の固定である。第2の特徴は、大腿骨内での長期間にわたる安定性に対する選択自由な環境を提供する手段である。以前は、固定は骨セメント、多孔性コーティングおよび生体セラミックによって達成されてきた。生体セラミックには、ハイドロキシアパタイトおよびリン酸三カルシウムのような成分が含まれている。骨セメント、多孔性コーティングおよび生体セラミックは良好な臨床的な結果をもたらすが、近位の大腿骨を通して負荷を伝達する生物力学を解決するものではなかった。
【0012】
従来技術の大腿骨内での固定を達成するための方法はいくつかの成功を収めてきた。これらの方法は、簡単な圧入嵌合、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックを含む。多くの装置が好都合な機械的モードで負荷を伝達するための模様の形成を含んでいる。しかし、それらの従来技術の装置のいずれもが、近位の大腿骨の自然のままの負荷の経路に沿って負荷を伝達するための模様(を形成する段部)を設計するものではない。Brookerの特許は、前面および後面に設けられた角度をなす段部を有するが、中央のエッジではそれらの段部は長手方向に沿っている。この設計は中央の突起(calcar)に適切に負荷を伝達するものではない。Vermeireの特許は、中央のエッジに段部を有しないので、同様の課題を提起する。
【0013】
「Omni Fit Femoral Stem」として知られているStryker Howmedica Osteonicsから市販されている製品は、負荷を直接垂直方向に伝達するための正規化形状を有する。この負荷の経路は自然のままのものではない。この装置は中央の段部を有しない。DePuy Orthopaedics, Inc.から市販されている「JMP S-ROM」は軸方向の負荷を伝達するが、自然のままの経路に沿って伝達するものではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、近位の長骨の自然のままの経路に沿って負荷を伝達するための形状を設計することによって長骨に固定される人工器官が必要とされている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、長骨の自然のままの負荷の経路と一致するように近位の長骨に負荷を伝達することができる複数の形状によって初期の安定性および長期間にわたる固定を提供するように設計された近位の長骨の人工器官を含む。長骨は、大腿骨、上腕骨またはその他の任意の長骨であってよい。
【0016】
この発明は、大腿骨の自然のままの負荷の線に沿って最適に負荷を伝達することにより安定な初期の固定および長期間にわたる安定性を提供するように特に設計された装置を用いて近位の長骨を再建できるようにする。近位の長骨を通る負荷の経路は、近位の海綿骨の骨梁の配列および皮質骨の層またはラメラ(lamellae)の向きの両方によって示される。
【0017】
この装置は、圧入嵌合によって初期の固定を提供する。この圧入嵌合は適切に設計された調製器具を用いて達成される。長期間にわたる安定性は、近位の大腿海綿骨の骨梁および近位の大腿骨の皮質の皮質骨に直角に配列された複数の段部によって達成される。段部はその表面に直角に、したがって大腿骨の自然のままの負荷の経路に沿って負荷を伝達する。このように自然のままの大腿骨の負荷の経路を複製することにより、近位の長骨が好ましく再建される。この固定モードは、粗面、多孔性コーティングおよび/または生体セラミックのような骨が成長する表面(bone in growth/on growth surface)によってさらに促進される。
【0018】
この発明のある実施の形態に基づけば、関節形成術に用いるための臼状関節(ball and socket joint)の人工器官が提供される。この人工器官は長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植するための本体を含む。長骨は近位の海綿骨の骨梁および皮質骨のラメラを画定する。本体は近位部分および遠位部分を含む。近位部分は内側がわ周縁部を有し、近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含む。この特徴的表面形状は人工器官から長骨に最適に負荷を伝達するように配置されている。
【0019】
この発明の他の実施の形態に基づけば、関節形成術に用いるための股関節の人工器官が提供される。この人工器官は長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植するための本体を含む。長骨は近位の海綿骨の骨梁を有し、皮質骨のラメラを有する。本体は近位部分および遠位部分を含む。近位部分は内側がわ周縁部を有し、近位部分の周縁部の大部分から延出する複数のリブを含む。リブはその第1の向きが近位の海綿骨の骨梁、皮質骨の正常な (normal)ラメラまたは本体の近位部分の内側の周縁部に対して約70度乃至約110度の角度をなすように配置されている。
【0020】
この発明のさらに他の実施の形態に基づけば、関節形成術に用いるための関節の人工器官が提供される。この人工器官は長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植するための本体を含む。長骨は近位の海綿骨の骨梁および皮質骨のラメラを含む。本体は近位部分および遠位部分を含む。近位部分は内側がわ周縁部を有し、近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含む。この特徴的表面形状は人工器官から長骨に最適に負荷を伝達するように配置されている。
【0021】
この発明のさらに他の実施の形態に基づけば、長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植するための関節の人工器官に用いられるステムが提供される。長骨は近位の海綿骨の骨梁および皮質骨のラメラを含む。ステムは近位部分および遠位部分を含む。近位部分は内側がわ周縁部を有し、近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含む。この特徴的表面形状は人工器官から長骨に最適に負荷を伝達するように配置されている。
【0022】
この発明の他の実施の形態に基づけば、関節形成術に用いるための関節の人工器官を製造する方法が提供される。この方法は、内側がわ周縁部を有する近位端部および遠位端部を備えた本体を提供する過程と、本体の近位端部の周縁部の大部分に特徴的表面形状を形成する過程と、人工器官から長骨へ負荷を最適に伝達するように特徴的表面形状を位置決めする過程と、人工器官を長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植する過程とを有する。
【0023】
この発明の技術的な利益には、負荷を近位の大腿骨から自然のままの負荷の線に沿って伝達できる能力が含まれる。近位の長骨を通る負荷の線または経路は、近位の海綿骨の骨梁の配列および皮質骨のラメラの向きの両方によって示される。この発明は、適切に設計された調製器具を用いて達成される圧入嵌合によって初期の固定を提供する。長期間にわたる安定性は、近位の大腿海綿骨の骨梁および近位の大腿骨の皮質の皮質骨に直角に配列された複数の段部によって達成される。段部はその表面に直角に、したがって大腿骨の自然のままの負荷の経路に沿って負荷を伝達する。
【0024】
この発明の他の技術的な利益には、大腿骨を再建するための環境的な最適性を提供することにより、長期間にわたる安定性および固定を提供できる能力が含まれる。近位の大腿骨の海綿骨の骨梁および近位の大腿骨の皮質骨のラメラ(lamellae)に直角に配列された複数の段部によって達成された長期間にわたる安定性は、負荷を段部の表面に対して直角に、したがって大腿骨の自然のままの負荷の線に沿って伝達する。このように大腿骨の自然のままの負荷の経路を複製することにより、近位の大腿骨が望ましく再建される。この固定モードは例えば粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックを提供することにより骨が成長する表面によってさらに促進される。
【0025】
この発明のその他の技術的利益は、以下の図面、明細書の記載および特許請求の範囲の記載から当業者には十分に明らかとなるであろう。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明およびその利益がより完全に理解されるために、添付の図面に基づく説明を以下に記述する。
この発明の実施の形態およびその利益が、以下の記載および図面を参照して最良に理解され、図面中では類似する符号が類似し対応する構成要素に対して用いられている。
【0027】
図1(a)にはこの発明に基づく関節形成術に用いられる関節の人工器官10が示されている。関節形成術は変形性関節症の治療のための良く知られた手技(procedure)である。関節形成術のさらに詳細な説明は、Charnley, Sir Jhon. 「Low Friction Arthroplasty of the Hip」 New York: Springer, Verlock, Berlin, and Heidelberg,1979年に記載されており、この内容は参照されることによりこの出願の一部をなす。
【0028】
関節の人工器官10は長骨12内に配置されている。長骨12はヒトの解剖学的構造内の任意の長骨であってよいが、この発明はとりわけ骨の切除された部分に隣接するアーチ形の形状を有する長骨に特によく適している。例えば、長骨12は上腕骨または図1(a)に示されているように大腿骨の形態であってよい。
【0029】
長骨(大腿骨)12は切除ライン14に沿って切除されて長骨(大腿骨)12から骨端16が取り除かれる。骨端16は破線11によって示されている。
【0030】
人工器官10は大腿骨12の骨髄管24内の海綿骨22の一部を残すことによって形成された空洞20内に人工器官10を位置決めして大腿骨12に移植されている。
【0031】
空洞20は、抜髄針を用いた穴あけ(broaching)、拡口器を用いた穴あけ(reaming)、またはその他の同様な技術によって、骨髄管24から海綿骨22を取り除くことによって、骨髄管24の海綿骨22内に形成される。図1(a)に示されているように、空洞20は大腿骨12の骨幹端26から骨幹部30内に向けて延在している。
【0032】
ドリルを用いた穴あけ(drilling)、抜髄針を用いた穴あけ(broaching)、および拡口器を用いた穴あけ(reaming)の任意の適切な組み合わせが、人工器官の周縁部に緊密に対応した空洞を形成するために用いられる。典型的には、抜髄針(broach)(図示せず)が骨髄管24内に駆動されて空洞20が形成される。この抜髄針は、骨髄管24内に嵌め込まれる人工器官の部分よりわずかに小さい形状を有し、その人工器官が空洞20に圧入嵌合されるようになっている。
【0033】
好ましくは図1(a)に示されているように、人工器官10は、その一部が大腿骨12の空洞20内に位置決めされた本体またはステム32と、自然のままの寛骨臼36に接続された杯状部34とを有する。ステム32は杯状部34に回動可能に接続されている。ステム32は杯状部34と直接接続されていても、図1(a)に示されているように杯状部34とステム32との間に位置決めされたライナーまたはベアリング40を含んでいてもよい。
【0034】
杯状部34はヒトの解剖学的構造に対して適合性を有する任意の適切な耐久性のある材料で作られる。強度および耐久性のために、杯状部34は典型的にはステンレス鋼、コバルト・クロム合金またはチタンのような金属で作られているか、セラミックで作られている。
【0035】
ライナー40は任意の適切な耐久性のある軸受材料で作られ、例えば超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレンで作られる。
【0036】
ステム32は一体的な構造でよいが、ステム32は典型的にはステム部分42とヘッド部分44を含む。ステム32がそのような2部構造であることにより、製造がより容易となり、複数のヘッド部分44および/または複数のステム部分42を用いることにより人工器官に対するさまざまなオフセットが提供される。
【0037】
ステム部分42は任意の適切な様式でヘッド部分44に接続されている。例えば、ステム部分42はヘッド部分44に設けられた雌ねじ部分50とかみ合う雄ねじ部分46を含んでいる。
【0038】
図1(a)に示されているように、ステム部分42は近位のステム部分52と、近位のステム部分52から下向きに延在する遠位のステム部分54と、近位のステム部分52から上向きに延在するネック部分56とを含む。近位のステム部分52および遠位のステム部分54は、骨髄管24内の海綿骨22内に形成された空洞20内に配置されている。
【0039】
股関節の人工器官は典型的には骨髄管24とのプレスばめによってまたは人工器官と海綿骨との間に位置決めされたセメントマントル(cement mantel)を用いて大腿骨の骨髄管に固定される。
【0040】
セメントマントルを用いる場合、抜髄針を用いた穴あけ(broaching)または拡口器を用いた穴あけ(reaming)によって空洞20がステム部分42よりわずかに大きく形成されて、所定量のセメント(例えば、PMMA:ポリメチルメタクリレート)が空洞20内に配置されて、ステム部分42が空洞20内に挿入される。例えば1mm乃至4mmの薄い均一なセメントの層がステム部分42と大腿骨12の間に形成される。この発明はセメントマントルを用いるステムを備えた人工器官として用いる場合にも価値があるが、この発明は海綿骨内にプレスばめ(圧入嵌合)されるステムを備えた人工器官を一般的には意図するものである。
【0041】
体の負荷または体重が胴体を通して寛骨臼36から大腿骨12に伝達されると、体の負荷は骨梁または負荷の線60に沿って伝達される。この骨梁または負荷の線60は大腿骨の長さ方向とほぼ一致する向きで配置され、大腿骨の頭部に向けて湾曲している。
【0042】
骨幹部30においてまたは大腿骨12のより遠位の部分において、負荷の線60はほぼ直線状であり大腿骨12の長手方向の軸60と平行に延在している。これは主として大腿骨12が骨幹部30においてほぼ円形の断面のほぼ円筒形の形状を有するためである。
【0043】
一方、骨幹端26において、骨梁または負荷の線60は湾曲したまたはアーチ形の形状または経路を有し、近位の部分の向きが長手方向の軸から継続的にそれる。
【0044】
ウォルフの法則によれば、肥大(hypertrophy)は正常な皮質の組織が鬱滞した皮質の厚化(thickening)として定義される。ウォルフの法則によれば、肥大は移植片を取り囲む最も応力の高い領域で起こる。肥大によって引き起こされる皮質の厚化は術後の患者にとって非常に好ましい事象である。大腿骨内の移植片の多くに対して、肥大は移植片の遠位の端部で起こる。これは、大腿骨の柔軟な遠位の部分から人工的に硬化された大腿骨の近位の部分への突然の伝達点において人工的に発生された応力によって引き起こされる。これは、プレスばめを用いたステムおよびセメントを用いたステムの両方で成り立つ。したがって、肥大というこの事象は骨幹部30において優れた接着をもたらすが、骨幹端26においては移植片と大腿骨との間に望ましい状態以外の状態をもたらす。
【0045】
大腿骨内での負荷を増加させて、肥大およびウォルフの法則によって引き起こされる結果としての改良を提供するために、この発明に基づけは、特徴的表面形状64が近位のステム52の外側の周縁部66に配置される。この特徴的表面形状64は骨幹端26での移植片と大腿骨との間の応力または負荷を増加するように働き、ウォルフの法則および肥大の利益を大腿骨の骨幹端26において獲得する。
【0046】
好ましくは、図1(a)に示すように、ステム32は大腿骨12の形状にほぼ従った形状を有する。したがって、骨幹部30では遠位のステム部分54は骨幹部30の大腿骨の円形とほぼ同様なほぼ円形の形状を有する。同様に、骨幹端26では近位のステム部分52はほぼ楕円形の形状を有し寛骨臼36に向かって湾曲している。
【0047】
さらに、近位のステム部分52は寛骨臼36に向かって大きくなっている。このように近位のステム部分52が寛骨臼36に向かって湾曲した楕円形の大きくなった形状を有することにより、大腿骨12の骨幹端26の海綿骨22にほぼしたがう形状が提供される。
【0048】
この発明に基づけば、図1(a)、図4および図5に示されているように、出願人は特徴的表面形状64がステム32および大腿骨12の間で負荷が最適に伝達されるような向きに位置決めされなければならないことを見出した。
【0049】
出願人はさらに特徴的表面形状64が負荷の線または骨梁60に対して所定の向きで位置決めされなければならないことを見出した。負荷の線または骨梁60は近位の海綿骨22を通っている。負荷の線60は皮質骨または皮質65をも通っている。皮質骨65は層または正常なラメラ71を有し、負荷の線60が層または正常なラメラ71を通りかつ層または正常なラメラ71と平行している。
【0050】
特徴的表面形状64の負荷の線60に対する向きは角度αで定義される。出願人はさらに特徴的表面形状64が負荷の線または骨梁60に対してほぼ垂直の向きで最適に位置決めされていなければならないこと、または角度αが約90度の値に最適に設定されていなければならないことを見出した。
【0051】
段部64が負荷の線に対してほぼ垂直または直角に位置決めされているときに段部を負荷の線または骨梁に対して位置決めすることの利益が最大となる。しかし、この発明は段部64が負荷の線に対して理想的な90度の角度をなすまたは垂直となるように位置決めされていなくても実施できることが理解される。例えば、段部64は骨梁または負荷の線60に対して約70度乃至110度の角度をなして位置決めされてもよい。
【0052】
段部は負荷の線60に対してほぼ垂直または直角に位置決めされるのが最適であるが、長骨は各個人の解剖学的構造ごとに異なる解剖学的形状を有することが理解されるべきである。例えば、図1(a)では長骨は長骨12以外の形状を有していてもよい。長骨は破線で描かれた長骨13または長骨15のような形状を有してもよい。
【0053】
負荷の線60に対して最適に垂直となるように設計・製造された特徴的表面形状を備えた個々の特別注文に応じて作られた人工器官を製造することが理想的であるかもしれないが、これはおそらく経済的に実現不可能であろう。したがって出願人は、特徴的表面形状64が負荷の線に対してほぼ垂直となるように最適に位置決めされているか、特徴的表面形状において平均的なまたは標準的な大腿骨または長骨に対して負荷の線と約70度乃至110度の角度をなして配列されているかのいずれかを選択できるように特徴的表面形状64を設計することにより、この発明を商業的に実施できることを見出した。ステムの近位部分52の外側の周縁部66は、平均的な大腿骨または長骨の皮質骨65の内側の周縁部67内に位置決めされて内側の周縁部67から間隔を置いて配置されかつ内側の周縁部67にほぼしたがった形状を有する。したがって、外側の周縁部66は、好ましくは、その長骨に対して人工器官が設計された長骨の皮質骨65の内側の周縁部67にほぼしたがった形状を有する。
【0054】
図1(a)を参照すると、負荷の線60は皮質骨65の正常なラメラ71を通り、正常なラメラ71と平行しているので、皮質骨65の内側の周縁部67は負荷の線60とほぼ整合している。上述されたように、特徴的表面形状64の位置決めを最適化するために、特徴的表面形状64は負荷の線60および皮質骨65の内側の周縁部67に垂直に配置される。
【0055】
したがって、そのために人工器官10が設計される平均的な長骨に対しては、ステムの近位部分52の外側の周縁部66は負荷の線60にほぼしたがう。出願人はこの発明を商業的に用いるときには人工器官10がステムの近位部分52の外側の周縁部66に対して位置決めされた特徴的表面形状を有するように設計・製造されることを見出した。人工器官に加わる負荷はステムの近位部分52のなかでも外側の周縁部66の内側がわ周縁部69としても知られるステムの近位部分の内向き部分の外側の周縁部の中心で大きいので、出願人は特徴的表面形状64が外側の周縁部66の内側がわ周縁部69に対して位置決めされることを見出した。
【0056】
特徴的表面形状64は内側がわ周縁部69に対して角度βをなす。例えば、特徴的表面形状は人工器官10のステムの近位部分52の内側がわ周縁部69に対して約70度乃至約110度の角度をなして位置決めされる。特徴的表面形状64は最適には内側がわ周縁部69にほぼ垂直の向きで位置決めされ、または角度βは最適には約90度である。
【0057】
したがって、図1(a)に示されているように、骨幹部30のすぐ近くの骨幹端26の部分では特徴的表面形状64は負荷の線60に対してほぼ直角に配列されていてさらに長手方向の軸62に対してもほぼ直角に配列されている。これに対して、骨幹部30からより離れた骨幹端26の部分では特徴的表面形状64は負荷の線60に対してはほぼ直角に配列されているが長手方向の軸62に対しては直角からより離れた状態で配列されている。
【0058】
特徴的表面形状64は、大まかに言って表面66から内向きまたは外向きに延在する溝(groove)、リブ(rib)またはリッジ(ridge)の形態である。特徴的表面形状64は図1(b)乃至図1(d)に示すように一様な断面を有する。
【0059】
出願人は特徴的表面形状64を負荷の線60に対してほぼ直角の向きに位置決めすることによって特徴的表面形状64の支持能力が最適となることを見出した。特徴的表面形状64の負荷容量を最適化することで、ステム32から大腿骨12へ加えられる応力がその位置での応力を最大にする。さらに、ウォルフの法則にしたがって大腿骨12の骨幹端26での肥大または皮質の厚化が促進されるので、骨幹端26での移植片の周囲における接着および骨の成長が改善される。
【0060】
出願人はステムによって伝達される負荷の大部分が大腿骨12のより湾曲した部分に隣接するステムの部分に集中することを見出した。
【0061】
例えば、図2(b)を参照すると、人工器官10のステムの近位部分52の典型的な断面図が示されている。ステムの近位部分52は任意の適切な断面を有してよいことが理解されるべきである。長骨12の近位部分の断面は典型的には楕円形または非円形なので、人工器官は非円形の断面を有することが好ましい。図2(b)の断面の形は内側がわに大きな半円形部分を備えた五角形または五辺形である。
【0062】
大腿骨12の湾曲した部分に隣接する表面70、表面72および表面74が骨幹端26内において大腿骨12との間で負荷の主要な部分を伝達する。出願人は特徴的表面形状64が表面70、表面72および表面74において負荷の線60に対してほぼ直角または垂直に位置決めされれば、負荷の線に対してほぼ直角に配列された特徴的表面形状を提供することの利益の大部分が達成されることを見出した。したがって、その他の表面、例えば表面76、表面80および表面82に配置された特徴的表面形状は、負荷の線に対して垂直以外の向きに配列されていても、特徴的表面形状64が表面76、表面80および表面82には設けられていなくてもよい。
【0063】
図1(b)を参照すると、特徴的表面形状64の負荷伝達能力または応力増加能力を最適にするために、図1(b)に示されているように特徴的表面形状は階段(step)または段丘(terrace)の形態であってよい。そのような階段または段丘はNoilesに対する米国特許第4,790,852号により詳しく記載されおり、この米国特許の内容は参照されることによりこの出願の一部をなす。段丘64は内側エッジ84および外側エッジ86を有する。棚(ledge)90が外側エッジ86と内側エッジ84との間に形成されている。棚90は遠位の向きに向かって位置決めされていてステム32に対する最適な支持または応力を提供するように働く。段丘64は約0.50mm乃至約3.0mmの段丘64の間の垂直方向の間隔Vと約0.2mm乃至約1.5mmの深さDを有する。
【0064】
図1(b)に示された段丘64が好ましいが、この発明はその他の形態の特徴的表面形状によっても実施できることが理解されなければならない。例えば、図1(c)に示すように、特徴的表面形状は傾斜した支持面190を提供するリブ(rib)の形態でもよい。
【0065】
代わりに、図1(d)を参照すると、特徴的表面形状は表面から内向きに延在する溝164’の形態であってもよい。
【0066】
ステムと大腿骨との間の骨の成長をより促進するために、図1(b)に示すように特徴的表面形状64の表面66はコーティング92によって被覆されていてもよい。コーティング92は骨の成長を促進するおよび/または人工器官と大腿骨の間を相互に連結する任意のコーティングでよい。例えば、コーティング92は生体セラミックからなる。そのような適切な生体セラミックには、ハイドロキシアパタイト、およびリン酸三カルシウムがある。代わりに、コーティング92は多孔性コーティングでもよい。代わりに、コーティング92は多孔性コーティングと生体セラミックコーティングを組み合わせたものでもよい。
【0067】
さまざまな多孔性コーティングが非常に有効であることが見出されている。とりわけ有効なコーティングのひとつが本発明の出願人によって商標「Porocoat」で市販されている。「Porocoat」コーティングはPilliarに対する米国特許第3,855,638号により詳しく記載されており、この米国特許の内容は参照されることによりこの出願の一部をなす。
【0068】
この多孔性コーティングは、互いに接触点において結合された複数の小さな別々の金属材料の粒子からなり、これらの金属材料の粒子がそのコーティングでの連結された複数の間隙の孔を画定している。粒子は基板が形成されている金属材料と同じ金属材料からなる。適切な金属材料の例として、オーステナイト系ステンレス鋼、チタン、チタン合金、およびコバルト合金がある。
【0069】
ステム32は任意の適切な耐久性の材料からなり、例えば、チタン、コバルト・クロム・モリブデン合金、またはステンレス鋼から作られている。出願人はチタンTI−6AL−4Vがこの発明によく適していることを見出した。
【0070】
図1(a)に示されているようにステムの近位部分52は先細りの形状を有するが、この発明の負荷の線に対する特徴的表面形状の配列は先細りの形状に対しても、先細りでない形状に対しても実施できることが理解されなければならない。さらに、図1(a)に示すように、人工器官10は多孔性コーティング92を備えて図示されているが、この発明は多孔性コーティング92なしでも実施できることが理解されなければならない。
【0071】
段丘64は前方の表面70、内側がわのアーチ形の表面74および後方の表面72では内側がわの曲線または負荷の線60に対してほぼ垂直な向きに配列されている。段丘64は移植片の外側がわ表面(表面76、表面80および表面82:図2(b)を参照のこと)に近づくと水平になり、移植片の外側がわ表面に対してほぼ垂直に配列される。
【0072】
図2(a)はステム32の外側からみた側面図である。ステム32は特徴的表面形状または段丘64を含まないステムの遠位部分54と共に図示されている。ステムの近位部分52は後方の外側がわ表面76および前方の外側がわ表面80に設けられた段丘64を含んでいる。図2(a)に示されているように、ステムの近位部分52は外側がわ表面82には段丘64を有していない。
【0073】
図2(a)に示されているように、後方の外側がわ表面76および前方の外側がわ表面80の段丘64は長手方向の軸62に対してほぼ直角に配列されている。表面76および表面80の段丘64は負荷の線60に対して垂直に配置されてもよいことが理解されなければならない。しかし、特徴的表面形状64を負荷の線60に対して垂直に位置決めすることの利益のほとんどが表面70および表面72で達成されているので、設計および製造を簡単化するために段丘64は図2(a)に示されているように長手方向の軸62に対して垂直に位置決めされる。さらに、製造を簡単かつ容易にするために外側がわ表面82には図2(a)に示されているように段丘64が設けられていなくてよい。
【0074】
図3はステム32の内側からみた側面図である。内側がわの表面74はステムの近位部分52の表面66に設けられた段丘64と共に図示されている。段丘64は負荷の線60に対して垂直に位置決めされている。
【0075】
図3に示されているようにステムの遠位部分54はステム32の遠位の端部から所定の距離、例えば1.27cm(1/2インチ)にわたって延在する磨かれた先端94を含んでよい。ステムの遠位部分54の残りの部分96は例えばグリットブラスト(grit blast)されていてよい。
【0076】
図6を参照すると、この発明の他の実施の形態が人工器官210として示されている。図1(a)の人工器官10が接続可能な別個のステムおよびヘッド部分を含むのに対して人工器官210はステム242と一体形成されたヘッド部分244を含むこと以外、人工器官210は図1(a)の人工器官10と同様である。人工器官210は、杯状部234に回動可能に接続されたステム232を含み、ステム232と杯状部234との間に配置されたベアリングまたはライナー240を含む。
【0077】
人工器官10と同様に、人工器官210は人工器官10の段部64と同様の段部264を含み、この段部264は負荷の線または骨梁260に対してほぼ垂直または直角に位置決めされている。人工器官210では、段部264はステム232の近位部分252に位置決めされている。段部264は図1(a)の人工器官10の段部64と同様であることが好ましい。
【0078】
図7(a)を参照すると、この発明の他の実施の形態が肩関節の人工器官310として示されている。肩関節の人工器官310は上腕骨(図示されていない)内に移植されるステム322を含む。人工器官310もまたステム332に取り付けられたヘッド部分344を含む。ヘッド部分344は任意の適切な方法でステム322に固定されてよく、代わりにステム322と一体的に形成されていてもよい。ヘッド部分344は外向きに延在する凸状テーパー部346を有し、この凸状テーパー部346がステム332の凹状テーパー部350と嵌合されるようにしてよい。
【0079】
そのような構成がRockwoodらに対する米国特許第5,314,479号に示されており、この米国特許の内容は参照されることによりこの出願の一部をなす。ステム332のステム部分342は、ステムの近位部分352およびステムの遠位部分354を含む。図1(a)の人工器官10に関して説明されたのと同様の理由によって、人工器官310は図1(a)の人工器官の段部64と同様の段部364を含む。段部364は骨梁または負荷の線360に対してほぼ垂直または直角に配列されている。図1(a)の人工器官10に関して説明されたのと同様の理由により、段部364はステムの近位部分352に位置決めされているのが好ましい。
【0080】
図7(b)を参照すると、ヘッド部分をステムに接続するための他の固定構造が示されている。この構造では、ステム332’が外向きに延在する凸状テーパー部346’を有し、この凸状テーパー部346’がヘッド部分344’の凹状テーパー部350’と嵌合される。そのような構成がCaminoらに対する米国特許第6,120,542号に示されている。
【0081】
この発明の他の実施の形態が図8乃至図10にステム部分432として示されている。ステム部分432のステムの近位部分452が近位部分452の周縁部を完全に取り囲んで位置決めされた段部464を含むこと以外は、ステム部分432は図1(a)のステム部分32と同様である。
【0082】
図8を参照すると、ステム部分432はステムの遠位部分454、ステムの近位部分452およびネック部分456を含む。段部464はステムの近位部分452の周縁部を完全に取り囲んで位置決めされている。実際、段部464は前方の表面472、前方の外側がわ表面480および後方の表面470に位置決めされている。
【0083】
図9を参照すると、段部464は後方の外側がわ表面476、外側がわ表面482および前方の外側がわ表面480に位置決めされている。
【0084】
図10を参照すると、段部464はステムの近位部分452の内側がわの表面474に位置決めされている。
【0085】
図11、図12および図13を参照すると、この発明のさらに他の実施の形態がステム部分532として示されている。図1(a)の人工器官の段部64と同様の段部564が前方の表面、後方の表面および内側がわの表面のみに位置決めされていること以外は、ステム部分532は図1(a)の人工器官と同様である。
【0086】
図11を参照すると、ステム部分532はステムの遠位部分554、ステムの近位部分552およびネック部分556を含む。図1(a)の人工器官10の段部64と同様の段部562がステムの近位部分552のみに位置決めされている。出願人は、ステム部分532への負荷は前方の表面、後方の表面および内側がわの表面に主として加わるので、この発明はこれらの表面のみに段部562を位置決めすることで実施できることを見出した。実際、この発明はおそらくこれら3つの表面より少ない表面に段部を位置決めして実施されてもよい。
【0087】
図11に示されているように、段部562は内側がわの表面574、後方の表面570および前方の表面572に配置されている。前方の外側がわ表面580は図11に示されているように段部564を含まない。
【0088】
図12を参照すると、段部562は後方の外側がわ表面576、外側がわ表面582および前方の外側がわ表面580には位置決めされていない。
【0089】
図13を参照すると、ステムの近位部分552の内側がわの表面574は段部564を含む。
【0090】
人工器官の負荷の線または骨梁に対してほぼ垂直な向きに配列された段部を備えたステムを有する人工器官を提供することにより、近位の大腿骨の負荷伝達能力が最適にされる。近位の大腿骨の負荷を最適にすることにより、ウォルフの法則が顕示化されて、最大の負荷における増加した応力によって皮質の厚化が発生し骨の成長および近位の大腿骨に対する人工器官の接着が改善される。
【0091】
人工器官の負荷の線にほぼ垂直に位置決めされた階段の形態の特徴的表面形状を備えた人工器官を提供することにより、その人工器官が大腿骨の再建に対する環境的な最適性を提供することで長期間にわたる安定性および固定からの利益を得る。
【0092】
この発明およびその利点が詳細に説明されたが、さまざまな変更、置き換え、および変形が特許請求の範囲の記載によって定義されるこの発明の真髄および範囲を逸脱せずに行なわれることが理解されなければならない。
【0093】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(A) 関節形成術で用いるための臼状関節の人工器官であって、
近位の海綿骨内の骨梁を画定しかつ皮質骨内のラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置決めされていることを特徴とする人工器官。
(1)前記特徴的表面形状が第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対して約70度乃至約110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(A)記載の人工器官。
(2)前記特徴的表面形状が第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(A)記載の人工器官。
(3)前記特徴的表面形状が前記特徴的表面形状の第1の向きに沿って長寸の形状を有する複数のリブを有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記リブが位置決めされていることを特徴とする実施態様(A)記載の人工器官。
(4)前記リブが段部を有することを特徴とする実施態様(3)記載の人工器官。
(5)前記リブの表面の少なくとも一部が前記表面への骨の成長を促進するように適合されていることを特徴とする実施態様(3)記載の人工器官。
【0094】
(6)前記リブの表面の少なくとも一部が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有することを特徴とする実施態様(5)記載の人工器官。
(B) 関節形成術で用いるための股関節の人工器官であって、
近位の海綿骨内の骨梁を画定しかつ皮質骨内のラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分から延在する複数のリブを含み、
前記リブが第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記リブの前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対して約70度乃至約110度の角度をなすように前記リブが位置決めされていることを特徴とする人工器官。
(7)前記リブの表面の少なくとも一部が前記表面への骨の成長を促進するように適合されていることを特徴とする実施態様(B)記載の人工器官。
(8)前記リブの表面の少なくとも一部が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有することを特徴とする実施態様(7)記載の人工器官。
(C) 関節形成術で用いるための関節の人工器官であって、
近位の海綿骨内の骨梁を画定しかつ皮質骨内のラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置決めされていることを特徴とする人工器官。
(9)前記特徴的表面形状が突出部を有することを特徴とする実施態様(C)記載の人工器官。
(10)前記特徴的表面形状が第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対して約70度乃至約110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(C)記載の人工器官。
【0095】
(11)前記特徴的表面形状が前記特徴的表面形状の第1の向きに沿って長寸の形状を有する複数のリブを有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(C)記載の人工器官。
(12)前記特徴的表面形状がリブを有することを特徴とする実施態様(11)記載の人工器官。
(13)前記リブの表面の少なくとも一部が前記表面への骨の成長を促進するように適合されていることを特徴とする実施態様(12)記載の人工器官。
(14)前記リブの表面の少なくとも一部が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有することを特徴とする実施態様(13)記載の人工器官。
(D) 近位の海綿骨内の骨梁を画定しかつ皮質骨内のラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される関節の人工器官のステムであって、
遠位部分と、
内側がわ周縁部を備えた近位部分とを有し、
前記近位部分が、前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置決めされていることを特徴とする人工器官のステム。
(15)前記特徴的表面形状が第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対して約70度乃至約110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(D)記載の人工器官のステム。
【0096】
(16)前記特徴的表面形状が第1の向きに沿った長寸の形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(D)記載の人工器官のステム。
(17)前記特徴的表面形状が前記特徴的表面形状の第1の向きに沿って長寸の形状を有する複数のリブを有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁、前記皮質骨内の正常な前記ラメラ、および前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部のうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置決めされていることを特徴とする実施態様(D)記載の人工器官のステム。
(18)前記リブが段部を有することを特徴とする実施態様(17)記載の人工器官のステム。
(19)前記リブの表面の少なくとも一部が前記表面への骨の成長を促進するように適合されていることを特徴とする実施態様(17)記載の人工器官のステム。
(20)前記リブの表面の少なくとも一部が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有することを特徴とする実施態様(19)記載の人工器官のステム。
【0097】
(E) 関節形成術で用いるための関節の人工器官の製造方法であって、
遠位部分と、内側がわ周縁部を備えた近位部分とを有する本体を提供する過程と、
前記本体の前記近位部分の周縁部の大部分に特徴的表面形状を配置する過程と、
前記人工器官から長骨へ負荷を最適に伝達するように前記特徴的表面形状を位置決めする過程と、
前記長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に前記人工器官を移植する過程とを有することを特徴とする人工器官の製造方法。
(21)前記配置する過程が、前記本体の前記近位部分の前記周縁部に複数のリブを配置する過程を有することを特徴とする実施態様(E)記載の人工器官の製造方法。
(22)前記位置決めする過程が、前記特徴的表面形状の第1の向きが前記本体の前記近位部分の前記周縁部に対して実質的に垂直となるように前記特徴的表面形状を位置決めする過程を有することを特徴とする実施態様(21)記載の人工器官の製造方法。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、負荷の線または骨梁に対してほぼ垂直な向きに配列された段部を設けたので、近位の大腿骨の負荷伝達能力が最適にされ、最大の負荷における増加した応力によって皮質の厚化が発生し骨の成長および近位の大腿骨に対する人工器官の接着が改善される効果がある。
【0099】
この発明によれば、負荷の線にほぼ垂直に位置決めされた階段の形態の特徴的表面形状を設けたので、人工器官が大腿骨の再建に対する環境的な最適性を提供し、長期間にわたる安定性および固定が達成される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、この発明のある実施の形態に基づく股関節の人工器官の平面図である。(b)は、人工器官の周縁部に設けられた段部をより詳しく示す図1(a)の股関節の人工器官の部分拡大図である。(c)は、人工器官の周縁部に設けられた図1(b)に示されたものとは異なる構造の段部を示す図1(a)の股関節の人工器官の部分拡大図である。(d)は、人工器官の周縁部に設けられた図1(b)に示されたものとは異なる構造の段部を示す図1(a)の股関節の人工器官の部分拡大図である。(e)は、用いることのできるさまざまな断面形状のうちのひとつを例示した図1(a)の線D−Dに沿って矢印の向きに見た断面図である。
【図2】 (a)は、図1(a)のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の外側がわ端図である。(b)は、用いることのできるさまざまな断面形状のうちのひとつを例示した図2(a)の線A−Aに沿って矢印の向きに見た断面図である。
【図3】 図1(a)のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の内側がわ端図である。
【図4】 図1(a)の股関節の人工器官の部分平面図である。
【図5】 図4の股関節の人工器官の部分平面図である。
【図6】 この発明の他の実施の形態に基づく股関節の人工器官の平面図である。
【図7】 (a)は、この発明のさらに他の実施の形態に基づく肩関節の人工器官の平面図である。(b)は、他のステム・肩接続部を示す図7(a)の肩関節の人工器官の部分平面図である。
【図8】 この発明のさらに他の実施の形態に基づく股関節の人工器官の平面図である。
【図9】 図8のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の外側がわ端図である。
【図10】 図8のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の内側がわ端図である。
【図11】 この発明の他の実施の形態に基づく股関節の人工器官の平面図である。
【図12】 図11のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の外側がわ端図である。
【図13】 図11のこの発明の実施の形態に基づく股関節の人工器官の内側がわ端図である。
【符号の説明】
10 関節の人工器官
11 破線
12 長骨
13 長骨
14 切除ライン
15 長骨
16 骨端
20 空洞
22 海綿骨
24 骨髄管
26 骨幹端
30 骨幹部
32 ステム
34 杯状部
36 寛骨臼
40 ベアリング
42 ステム部分
44 ヘッド部分
46 雄ねじ部分
50 雌ねじ部分
52 近位のステム部分
54 遠位のステム部分
56 ネック部分
60 負荷の線
62 長手方向の軸
64 特徴的表面形状
65 皮質
66 外側の周縁部
67 内側の周縁部
69 内側がわ周縁部
70 表面
71 ラメラ
72 表面
74 内側がわの表面
76 後方の外側がわ表面
80 前方の外側がわ表面
82 外側がわ表面
84 外側エッジ
86 内側エッジ
90 棚
92 コーティング
94 先端
96 残りの部分
210 人工器官
232 ステム
234 杯状部
240 ライナー
242 ステム
244 ヘッド部分
252 近位部分
260 負荷の線
264 段部
310 人工器官
332 ステム
332’ ステム
344 ヘッド部
344’ ヘッド部
346 テーパー部
346’ テーパー部
350 凹状テーパー部
350’ 凹状テーパー部
352 ステムの近位部分
354 ステムの遠位部分
360 負荷の線
364 段部
432 ステム部分
452 ステムの近位部分
454 ステムの遠位部分
456 ネック部分
464 段部
470 後方の表面
472 前方の表面
474 内側がわの表面
476 後方の外側がわ表面
480 前方の外側がわ表面
482 外側がわ表面
532 ステム部分
552 ステムの近位部分
554 ステムの遠位部分
556 ネック部分
564 段部
570 後方の表面
572 前方の表面
574 内側がわの表面
576 後方の外側がわ表面
580 前方の外側がわ表面
582 外側がわ表面

Claims (16)

  1. 関節形成術で用いるための臼状関節の人工器官において
    近位の海綿骨内骨梁を画定しかつ皮質骨内ラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
    前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
    前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
    前記特徴的表面形状が当該特徴的表面形状の第1の向きに沿った細長い形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前方から後方への方向に見た場合に前記近位の海綿骨内の前記骨梁に対して70度〜110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置されており、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記前方から後方への方向と同じ方向に沿った、前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部に対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されていることにより、
    前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置されている
    人工器官。
  2. 請求項1記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記近位の海綿骨内の前記骨梁および前記皮質骨内の正常な前記ラメラのうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されている、人工器官。
  3. 請求項1記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状が、前記第1の向きに延在する複数のリブを備え、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記近位の海綿骨内の前記骨梁および前記皮質骨内の前記ラメラのうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記リブが位置されている、人工器官。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状の少なくとも一部の表面が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有する、人工器官。
  5. 関節形成術で用いるための股関節の人工器官において
    近位の海綿骨内骨梁を画定しかつ皮質骨内ラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
    前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
    前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分から延在する複数のリブを含み、
    前記リブが第1の向きに沿った細長い形状を有し、前方から後方への方向に見た場合に前記リブの前記第1の向きが前記近位の海綿骨内の前記骨梁に対して70度〜110度の角度をなすように前記リブが位置されており、
    前記リブの前記第1の向きが、前記前方から後方への方向と同じ方向に沿った、前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部に対してほぼ垂直となるように前記リブが位置されている、
    人工器官。
  6. 請求項5記載の人工器官において、
    前記リブの表面の少なくとも一部が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミック のうちの少なくともひとつを有する、人工器官。
  7. 関節形成術で用いるための関節の人工器官において
    近位の海綿骨内骨梁を画定しかつ皮質骨内ラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される本体を有し、
    前記本体が、近位部分および遠位部分を有し、
    前記近位部分が、内側がわ周縁部を有し、かつ前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
    前記特徴的表面形状が当該特徴的表面形状の第1の向きに沿った細長い形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前方から後方への方向に見た場合に前記近位の海綿骨内の前記骨梁に対して70度〜110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置されており、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記前方から後方への方向と同じ方向に沿った、前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部に対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されていることにより、
    前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置されている
    人工器官。
  8. 請求項7記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状が突出部を有する、人工器官。
  9. 請求項7記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状が前記特徴的表面形状の第1の向きに沿って細長い形状を有する複数のリブを有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記近位の海綿骨内の前記骨梁および前記皮質骨内の前記ラメラの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されている、人工器官。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の人工器官において、
    前記特徴的表面形状の少なくとも一部の表面が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有する、人工器官。
  11. 近位の海綿骨内骨梁を画定しかつ皮質骨内ラメラを画定する長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植される関節の人工器官のステムにおいて
    遠位部分と、
    内側がわ周縁部を備えた近位部分とを有し、
    前記近位部分が、前記近位部分の周縁部の大部分に設けられた特徴的表面形状を含み、
    前記特徴的表面形状が当該特徴的表面形状の第1の向きに沿った細長い形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前方から後方への方向に見た場合に前記近位の海綿骨内の前記骨梁に対して70度〜110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置されており、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記前方から後方への方向と同じ方向に沿った、前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部に対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されていることにより、
    前記特徴的表面形状が、前記人工器官から前記長骨への負荷を最適に伝達するように位置されている
    人工器官のステム。
  12. 請求項11記載の人工器官のステムにおいて、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記近位の海綿骨内の前記骨梁および前記皮質骨内の正常な前記ラメラのうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記 特徴的表面形状が位置されている、人工器官のステム。
  13. 請求項11記載の人工器官のステムにおいて、
    前記特徴的表面形状が前記特徴的表面形状の第1の向きに沿って細長い形状を有する複数のリブを有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記近位の海綿骨内の前記骨梁および前記皮質骨内の正常な前記ラメラのうちの少なくともひとつに対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置されている、人工器官のステム。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載の人工器官のステムにおいて、
    前記特徴的表面形状の少なくとも一部の表面が、粗面、多孔性コーティングおよび生体セラミックのうちの少なくともひとつを有する、人工器官のステム。
  15. 長骨の骨髄管内に少なくとも部分的に移植することによる関節形成術で用いるための関節の人工器官の製造方法において
    近位の海綿骨内の骨梁を画定する本体であって、遠位部分と、内側がわ周縁部を備えた近位部分とを有する本体を提供する過程と、
    前記本体の前記近位部分の周縁部の大部分に特徴的表面形状を配置する過程と、
    前記人工器官から長骨へ負荷を最適に伝達するように前記特徴的表面形状を位置させる過程とをしており、
    前記特徴的表面形状が当該特徴的表面形状の第1の向きに沿った細長い形状を有し、前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前方から後方への方向に見た場合に前記近位の海綿骨内の前記骨梁に対して70度〜110度の角度をなすように前記特徴的表面形状が位置され、
    前記特徴的表面形状の前記第1の向きが、前記前方から後方への方向と同じ方向に沿った、前記本体の前記近位部分の前記内側がわ周縁部に対してほぼ垂直となるように前記特徴的表面形状が位置される、
    人工器官の製造方法。
  16. 請求項15記載の人工器官の製造方法において、
    前記配置する過程が、前記本体の前記近位部分の前記周縁部に複数のリブを配置する過程を有する、人工器官の製造方法。
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