JP4169969B2 - Support for solid electrolyte - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体電解質用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、高分子と非水溶媒とからなる固体電解質を用いた非水二次電池は、非水溶媒が漏れにくく安全性の向上が図れること、さらに、電池自体を薄くかつ自由な形状にすることができるため、開発が積極的に行われている。しかしながら、このような固体電解質は機械的強度が不足しており、単独では取扱うことが難しく、実用化するのが困難であった。
【0003】
このような背景のもと、固体電解質の機械的強度を補うための支持体が提案されている。例えば、非水溶媒を電解液とする電池(例えば、リチウムイオン電池)で使用されているようなポリエチレン製の微多孔膜セパレータを、固体電解質の支持体として利用したものや、ポリオレフィン系合成樹脂繊維製不織布を支持体として使用したものが知られている(特開平9−22724号公報など)。これらの支持体を使用した固体電解質は、機械的強度に優れ、効率的に電池を組立てることができるものであったが、支持体と固体電解質とが一体化された場合に、電気導電率が低くなることが判明した。
【0004】
また、非水溶媒を内部に保持する能力が高いポリフッ化ビニリデン樹脂を有機溶媒に溶解させたものを支持体に含浸したり、支持体にポリフッ化ビニリデン樹脂膜を接着して一体化させる方法が、イオン伝導性の向上方法として知られている。しかしながら、これらのポリフッ化ビニリデン樹脂を複合化した支持体は、非水溶媒を単独で使用するのであれば高い電気導電率を示すものの、固体電解質と一体化すると、電気導電率が非常に低くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は従来技術の欠点を解消し、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできる固体電解質用支持体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明による、「不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50%以上、80%以下であることを特徴とする、リチウムイオンポリマー電池用の固体電解質用支持体(以下、単に「支持体」ということがある)」によって解決することができる。つまり、従来のポリフッ化ビニリデン樹脂を使用した支持体は、支持体の空隙をポリフッ化ビニリデン樹脂が塞いだ状態となるため、十分な量の固体電解質を支持することができなかったのに対して、本発明の支持体は、ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の状態で含まれており、支持体の空隙をポリフッ化ビニリデン樹脂が塞いでなく、空隙率が50%以上、80%以下の空隙の多いものであり、十分な量の固体電解質を支持することができるためイオンの伝導性に優れ、しかもポリフッ化ビニリデン樹脂はゲル化して非水溶媒を保持することができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできるものである。また、支持体の厚さが30μm以下であるため、更に固体電解質支持後の電気導電率が高い。
【0007】
不織布構成材として、繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいると、支持体の厚さを薄くすることができるため、更に固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0008】
不織布が構成材の融着又は圧着によって形態を維持していると、不織布形態を維持するために不織布の空隙が塞がれておらず、空隙の多い状態にあるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0009】
不織布構成材として、パルプ状物を含んでいると、ポリフッ化ビニリデン樹脂の保持性に優れているため、不織布構成材の量を減らすことができ、空隙を更に多くすることができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の支持体を構成する不織布は固体電解質の機械的強度を補う働きをするとともに、できるだけ電気導電性を妨げないのが好ましい。そのため、不織布構成材として、極細繊維及び/又はパルプ状物を含んでいることによって、支持体の厚さが薄く、構成材の分散が均一であるのが好ましい。
【0013】
前者の極細繊維としては、繊維径が4μm以下の極細繊維であるのが好ましい。繊維径が細ければ細い程、支持体の厚さを薄くでき、極細繊維の均一分散性を高めることができ、しかもリチウムイオンポリマー電池用に使用する場合には、極板に使用する粉体の進入を防止できる。他方、下限は特に限定するものではないが、支持体としての強度を保持できるように、1μm程度であるのが好ましい。
【0014】
なお、本発明における繊維径は繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には円形断面に換算した際の直径をいう。
【0015】
この極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、支持体の開孔径分布を小さくできるように、5mm以下であるのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。
【0016】
このような極細繊維はどのような樹脂成分から構成されていても良いが、例えば、固体電解質を構成する非水溶媒との親和性に優れているポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、固体電解質を構成する非水溶媒によって侵されにくい、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、或いはこれらの混合体又は複合体、などを挙げることができる。
【0017】
また、不織布は繊維径、樹脂成分、或いは融着性又は圧着性の点で相違する、2種類以上の極細繊維を含んでいることができる。例えば、融着性又は圧着性の点で相違する2種類の極細繊維を含んでいると、一方の極細繊維を融着又は圧着することによって不織布形態を維持することができるため好適である。
【0018】
このような極細繊維は後述のようなパルプ状物を含んでいない場合、前記効果に優れているように、不織布中30mass%以上含まれているのが好ましく、40mass%以上含まれているのがより好ましく、50mass%以上含まれているのが更に好ましく、100%極細繊維からなるのが最も好ましい。また、後述のようなパルプ状物を含んでいる場合、前記効果に優れているように、不織布中10mass%以上含まれているのが好ましく、20mass%以上含まれているのがより好ましく、30mass%以上含まれているのが更に好ましい。他方、パルプ状物との兼ね合いから60mass%以下であるのが好ましく、50mass%以下であるのがより好ましく、40mass%以下であるのが更に好ましい。
【0019】
なお、このような繊維径が4μm以下の極細繊維は、例えば、海島型繊維の海成分を除去することによって島成分からなる極細繊維を発生させる方法、スーパードロー法によって紡糸する方法で製造することができる。
【0020】
他方、不織布構成材として、パルプ状物を含んでいるのが好ましい。このパルプ状物は支持体の厚さを薄くでき、均一分散性に優れており、しかもリチウムイオンポリマー電池用に使用する場合には、極板に使用する粉体の進入を防止できる。また、パルプ状物のフィブリルによるポリフッ化ビニリデン樹脂の保持性に優れているため、不織布構成材の量を減らすことができ、空隙を更に多くすることができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。更には、パルプ状物のフィブリル間の絡みにより保形性にも優れているため、取り扱い性にも優れている。
【0021】
本発明のパルプ状物は非水溶媒と接触した際に、支持体の強度が低下しないように、合成樹脂から構成されているのが好ましく、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、メタ系又はパラ系全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
【0022】
このようなパルプ状物は前記性能に優れているように、不織布中、40mass%以上含まれているのが好ましく、50mass%以上含まれているのがより好ましい。他方、パルプ状物は前記性能に優れているものの、多くなり過ぎると不織布構造が緻密となりすぎて電気導電性が悪くなる傾向があるため、90mass%以下であるのが好ましく、80mass%以下であるのがより好ましい。
【0023】
本発明の不織布は上述のような極細繊維又はパルプ状物に加えて、極細繊維よりも太い太繊維を含んでいることができる。このような太繊維を含んでいることによって、支持体の強度を向上させることができる。
【0024】
この太繊維は前述のような極細繊維よりも繊維径が大きいため、繊維径が4μmを超えており、繊維径が大きければ大きい程、支持体の強度を向上させることができるため、5μm以上であるのがより好ましい。他方、太繊維の繊維径が大きすぎると、支持体の厚さが厚くなってしまい、電気導電率が悪くなる傾向があるため、10μm以下であるのが好ましく、8μm以下であるのがより好ましい。
【0025】
この太繊維の繊維長は特に限定するものではないが、均一に分散できるように、1〜10mmであるのが好ましく、3〜5mmであるのがより好ましい。
【0026】
このような太繊維はどのような樹脂成分から構成されていても良いが、極細繊維と同様に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、或いはこれらの混合体又は複合体、から構成されていることができる。これらの中でも、ポリエチレンを鞘成分とし、ポリプロピレンを芯成分とする芯鞘型の太繊維は他の不織布構成材と融着して支持体の強度を向上させることができるため好適である。
【0027】
また、未延伸ポリエチレンテレフタレート太繊維のように、圧力によって結着可能な太繊維を含んでいると、他の不織布構成材と圧着して支持体の強度を向上させることができるため好適である。
【0028】
更に、太繊維も繊維径、樹脂成分、或いは融着性又は圧着性の点で相違する、2種類以上の太繊維を含んでいることができる。
【0029】
このような太繊維はパルプ状物を含んでいるかいないかに関係なく、前述のような極細繊維やパルプ状物の作用を妨げないように、不織布中の含有量は20mass%以下であるのが好ましく、15mass%以下であるのがより好ましい。なお、不織布中に太繊維が含まれていない場合もある。
【0030】
本発明の不織布は、例えば上述のような極細繊維、パルプ状物、或いは太繊維から構成されているのが好ましく、不織布は構成材の融着又は圧着によって形態を維持しているのが好ましい。このように構成材の融着又は圧着によって不織布形態を維持していると、不織布形態を維持するために不織布の空隙が塞がれておらず、空隙の多い状態にあるため、多くの固体電解質を支持することができ、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。例えば、エマルジョン又はサスペンジョン状のバインダーによって構成材間を結合すると、このバインダーによって皮膜が形成されて不織布の空隙が塞がれる傾向があるが、本発明の不織布は構成材の融着又は圧着によって形態を維持しているため、空隙の多い状態にある。なお、パルプ状物が融着又は圧着していると、皮膜状となって空隙が塞がれる傾向があるため、極細繊維及び/又は太繊維によって融着又は圧着しているのが好ましい。
【0031】
なお、「形態を維持している」とは固体電解質を支持させるのに支障のない程度の強度を有することをいう。
【0032】
本発明の支持体はこのような不織布中に、ポリフッ化ビニリデンを粉体の状態で含んでいるため、支持体の空隙がポリフッ化ビニリデン樹脂で塞がれておらず、しかもポリフッ化ビニリデン樹脂はゲル化して非水溶媒を保持することができるため、固体電解質支持後の電気導電率を高くすることができる。
【0033】
このポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の粒径は特に限定するものではないが、粒径が小さければ小さいほど、支持体全体に分散することができ、固体電解質支持後におけるイオン伝導性の均一性が高くなり、電池性能が向上するため、粒径は4μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましい。下限は特に限定するものではないが、ファンデルワールス力による不織布構成材表面への付着のためには、1μmであるのが好ましい。なお、この「粒径」は平均粒子径を意味し、この平均粒子径はレーザー回析・散乱法により測定することができる。
【0034】
また、支持体中におけるポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の含有量は、イオン伝導性を高めることができるように、支持体全体の5mass%以上であるのが好ましい。他方、支持体全体の10mass%を超えると、不織布構成材によるポリフッ化ビニリデン樹脂粉体の保持性が悪くなるため、10mass%以下であるのが好ましい。
【0035】
なお、ポリフッ化ビニリデン樹脂を「粉体の状態で含む」とは、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材と不連続の状態で存在しているか、ある程度連続しているものの、完全には連続していない状態で存在した、ポリフッ化ビニリデン樹脂と不織布構成材との間に大なり小なりの空隙が存在する状態をいう。このような状態としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材と物理的に付着(例えば、ファンデルワールス力)している状態、ポリフッ化ビニリデン樹脂が不織布構成材によって形成されている空隙に保持されている状態、などを挙げることができる。このように、ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の状態にあると、支持体には空隙が確保されているため、固体電解質と一体化した際には、多くの固体電解質を支持することができるため、イオン伝導性に優れている。
【0036】
本発明の支持体は上述のように不織布中にポリフッ化ビニリデンを粉体の状態で含んでいることに加えて、空隙率が50%以上、80%以下であるため、支持体としての形態保持性を維持しつつ、支持できる固体電解質の量を多くできるため、優れた電気導電率とすることができるものである。より好ましい空隙率は55%以上であり、更に好ましい空隙率は60%以上である。また、空隙率は75%以下であるのがより好ましく、70%以下であるのが更に好ましい。
【0037】
本発明の「空隙率」(P)は、次の式より得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wは目付(g/m)を意味し、Tは支持体の厚さ(μm)を意味し、dは支持体構成材の密度(g/cm)を意味する。なお、支持体構成材が2種類以上存在している場合、支持体構成材の密度は、各支持体構成材の質量平均をいう。また、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味し、「厚さ」はJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味し、「密度」はJIS K 7112に規定された方法により測定された値を意味する。
【0038】
本発明の支持体の厚さは、イオン移動距離が短く、内部抵抗を下げることができ、電気導電率を高めることができるように、30μm以下であるのが好ましく、25μm以下であるのがより好ましい。なお、下限は特に限定するものではないが、支持体としての固体電解質の補強効果を損なわないように、また、支持できる固体電解質の量が少なくなり過ぎないように、10μmであるのが好ましく、15μmであるのがより好ましい。なお、本発明の支持体をリチウムイオンポリマー電池用に使用した場合には、支持体がこの程度の厚さがあれば、粉体活物質の侵入による微小短絡を防ぐことができる。
【0039】
本発明の支持体は、不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、かつ空隙率が50%以上、80%以下である支持体である限り、どのように製造しても良く、特に限定されるものではないが、例えば、不織布を湿式法により製造する際に、一緒にポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を抄き合わせて繊維ウエブを形成した後に、所望の空隙率となるように、加圧する方法を挙げることができる。なお、不織布構成材として融着又は圧着可能なものを含んでいる場合には、加圧すると同時、或いは加圧に先立って加熱して、融着又は圧着するのが好ましい。なお、圧着条件及び加熱条件は実験を繰り返すことにより適宜設定することができる。
【0040】
また、別の支持体の製造方法として、特願2000−370965号に開示されている方法により、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を含む繊維ウエブを形成した後に、上記方法と全く同様に、所望の空隙率となるように、加圧、又は加熱加圧して製造することができる。つまり、例えば(1)ポリフッ化ビニリデン粉体と、(2)極細繊維集合体、圧縮気体の作用によって極細繊維に分割可能な分割性繊維の集合体、パルプ状物の集合体、圧縮気体の作用によってパルプ状物にフィブリル化可能な分繊性繊維の集合体、太繊維集合体、の中から選ばれる不織布構成素材とを、圧縮気体の作用によってノズルから気体中に噴出させて、前記ポリフッ化ビニリデン粉体と、前記不織布構成素材から発生した極細繊維、パルプ状物、或いは太繊維とを分散させ、これらを集積して、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉体を含む繊維ウエブを形成した後に、前記方法と全く同様に、所望の空隙率となるように、加圧、又は加熱加圧して製造することができる。この方法によると、繊維ウエブの形成時にポリフッ化ビニリデン粉体の脱落がほとんどないため、設計通りに繊維ウエブ、結果として支持体を製造できるという効果を奏する。また、不織布構成素材として、パルプ状物の集合体、又は圧縮気体の作用によってパルプ状物にフィブリル化可能な分繊性繊維の集合体を使用したとしても、効率よくパルプ状物を発生させることができ、このパルプ状物のフィブリルによってポリフッ化ビニリデン粉体の保持性に優れている、という効果を奏する。更に、ポリフッ化ビニリデン粉体と不織布構成材とが均一に混合しているため、電気導電率に優れ、例えば、リチウムイオンポリマー電池用に使用した場合には、ハイレート充放電特性に優れ、電池寿命が長くなるという効果が期待できる。
【0041】
本発明の支持体を使用して固体電解質を支持すると、電気導電率の優れるものとすることができるため、リチウムイオンポリマー電池用のゲル状固体電解質の支持体として有効に使用できる。このゲル状固体電解質は80%以上が非水溶媒から構成されている場合が多いが、本発明の支持体は空隙率が高く、しかもポリフッ化ビニリデン粉体を含む非水溶媒の保持性の優れるものであるため、液漏れを防ぐことができるという点でも有効である。
【0042】
以下に、本発明の支持体の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート極細繊維(繊度=0.1dtex、繊維径=3μm、繊維長=3mm)を30mass%、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維(繊度=0.2dtex、繊維径=5μm、繊維長=3mm、軟化温度=231℃)を10mass%、パラ系芳香族ポリアミドパルプ(繊維長=0.38mm)を50mass%、及びポリフッ化ビニリデン樹脂粉末(平均粒径=1μm)を10mass%配合したスラリーを調製した。
【0044】
次いで、前記調製したスラリーを短網傾斜抄紙機へ供給して抄造した後、表面温度180℃に設定されたヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維ウエブを製造した。
【0045】
次いで、この繊維ウエブを熱カレンダー処理(圧力=500N/cm、温度=180℃)し、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維を圧着させることにより、不織布を形成すると同時にポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を含む支持体(目付=12g/m、厚さ=20μm、空隙率=65%)を製造した。この支持体を構成する不織布は、後述のように固体電解質を支持させることのできる、圧着によって形態を維持したものであった。また、支持体はポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を繊維表面、パルプ表面、繊維とパルプとの間に挟まれた状態、パルプ間に挟まれた状態、或いは繊維間に挟まれた状態(粉体の状態)で含む、適度な空隙を有するものであった。
【0046】
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート極細繊維(繊度=0.1dtex、繊維径=3μm、繊維長=3mm)を40mass%、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維(繊度=0.2dtex、繊維径=5μm、繊維長=3mm、軟化温度=231℃)を10mass%、及びパラ系芳香族ポリアミドパルプ(繊維長=0.38mm)を50mass%配合したスラリーを調製した。
【0047】
次いで、前記調製したスラリーを短網傾斜抄紙機へ供給して抄造した後、表面温度180℃に設定されたヤンキードライヤーにより乾燥して、繊維ウエブを製造した。
【0048】
次いで、この繊維ウエブを実施例1と同じ条件で熱カレンダー処理し、ポリエチレンテレフタレート未延伸圧着可能太繊維を圧着させて、支持体用基材(目付=10g/m、厚さ=18μm、空隙率=60%)を製造した。
【0049】
次いで、5g/m量のポリフッ化ビニリデン樹脂粉末(平均粒径=1μm)を、この支持体用基材に指で押し込んで充填して、支持体(目付=15g/m、厚さ=16μm、空隙率=38%)を製造した。また、支持体はポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を繊維及びパルプにより形成された空隙に充填した状態(粉体状態)で含む、空隙のあまりない状態にあった。
【0050】
(比較例2)
比較例1と同様にして作製した支持体用基材(目付=10g/m、厚さ=18μm、空隙率=60%)に、ポリフッ化ビニリデン樹脂の10%メチルエチルケトン溶解液を、溶解液量が支持体用基材の質量の2倍(つまり、20g/m量)となるように含浸させた後、真空乾燥機により溶剤を乾燥除去して、支持体(目付=12g/m、厚さ=15μm、空隙率=45%)を製造した。この支持体においては、ポリフッ化ビニリデン樹脂が皮膜となった状態で存在していた。
【0051】
(電気導電率の測定)
高分子物質及び非水溶媒を10:90の質量比で、室温下で混合し、ゲル電解質溶液を調製した。なお、前記高分子物質としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体(登録商標:エレクセルTA−140;第一工業製薬社製)を使用し、前記非水溶媒としては、プロピレンカーボネートとガンマーブチロラクトンを重量比で1:1に混合した溶媒に、濃度が1mol/Lとなるように、LiBFを溶解した溶媒を使用した。
【0052】
次いで、このゲル電解質溶液を、前記実施例1並びに比較例1〜2で製造した各支持体に均一に塗布し、支持体表面に厚さ5μm程度のゲル電解質層を形成させて、固体電解質を支持させた。
【0053】
次いで、この固体電解質を支持させた支持体を、電気導電率を測定するテストセル中に設置された、円形(直径=20mm)のステンレス鋼(SUS304)製電極間に挟み、前記と同様の非水溶媒をテストセル内に満たした後、圧力(0.2MPa/cm)を前記電極間に加え、固体電解質を支持させた支持体の厚さ方向における電気導電率を、交流インピーダンス法に基づいて測定した。すなわち、AUTOLAB PGSTAT30(ECO CHEMI社製)により測定した複素インピーダンスの軌跡をコール・コールプロット法により解析し、電気導電率(単位=S/cm)を求めた。電気導電率は1×10−3S/cm以上のものが実用に適している。この結果は表1に示す通りであった。この表1から明らかなように、本発明の支持体により固体電解質を支持したものは、電気導電率が高く、実用性に優れていることが判明した。
【0054】
【表1】

Figure 0004169969
【0055】
【発明の効果】
本発明の固体電解質用支持体は固体電解質支持後の電気導電率を高くすることのできるものである。そのため、リチウムイオンポリマー電池用に好適に使用できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a solid electrolyte support.
[0002]
[Prior art]
Recently, non-aqueous secondary batteries using a solid electrolyte consisting of a polymer and a non-aqueous solvent are less likely to leak non-aqueous solvent and can be improved in safety, and the battery itself can be made thin and free. Therefore, development is actively conducted. However, such solid electrolytes have insufficient mechanical strength, and are difficult to handle alone and difficult to put into practical use.
[0003]
Under such a background, a support for supplementing the mechanical strength of the solid electrolyte has been proposed. For example, a polyethylene microporous membrane separator used in a battery (for example, a lithium ion battery) using a non-aqueous solvent as an electrolytic solution, or a polyolefin-based synthetic resin fiber. One using a non-woven fabric as a support is known (JP-A-9-22724, etc.). Solid electrolytes using these supports have excellent mechanical strength and can assemble batteries efficiently. However, when the support and the solid electrolyte are integrated, the electric conductivity is low. Turned out to be lower.
[0004]
In addition, there is a method of impregnating a support with a polyvinylidene fluoride resin having a high ability to hold a nonaqueous solvent in an organic solvent, or by adhering a polyvinylidene fluoride resin film to a support and integrating them. It is known as a method for improving ion conductivity. However, a support obtained by combining these polyvinylidene fluoride resins shows high electrical conductivity if a non-aqueous solvent is used alone, but when it is integrated with a solid electrolyte, the electrical conductivity becomes very low. There was a problem.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a support for solid electrolyte capable of eliminating the drawbacks of the prior art and increasing the electrical conductivity after supporting the solid electrolyte.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above-described problem is that, according to the present invention, “in the nonwoven fabric, the polyvinylidene fluoride resin is contained in a powder state, the thickness is 30 μm or less, and the porosity is 50% or more and 80% or less , This can be solved by a solid electrolyte support for a lithium ion polymer battery (hereinafter sometimes simply referred to as “support”). In other words, the conventional support using the polyvinylidene fluoride resin cannot support a sufficient amount of the solid electrolyte because the void of the support is in a state of being blocked with the polyvinylidene fluoride resin. The support of the present invention contains the polyvinylidene fluoride resin in the form of a powder, and the voids of the support are not blocked by the polyvinylidene fluoride resin, and the void ratio is 50% or more and 80% or less. Since it is a large amount and can support a sufficient amount of the solid electrolyte, it has excellent ion conductivity, and the polyvinylidene fluoride resin can be gelated and retain a non-aqueous solvent. The electrical conductivity can be increased. Moreover, since the thickness of a support body is 30 micrometers or less, the electrical conductivity after solid electrolyte support is still higher.
[0007]
If the non-woven fabric material contains ultrafine fibers having a fiber diameter of 4 μm or less, the thickness of the support can be reduced, and the electrical conductivity after supporting the solid electrolyte can be further increased.
[0008]
If the nonwoven fabric maintains its shape by fusing or crimping the constituent materials, the nonwoven fabric is not clogged to maintain the nonwoven fabric shape, and there are many voids. The conductivity can be increased.
[0009]
As a nonwoven fabric constituent material, if it contains a pulp-like material, it is excellent in the retention of polyvinylidene fluoride resin, so the amount of the nonwoven fabric constituent material can be reduced and the number of voids can be further increased. The electrical conductivity after support can be increased.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
It is preferable that the nonwoven fabric constituting the support of the present invention functions to supplement the mechanical strength of the solid electrolyte and does not disturb the electrical conductivity as much as possible. For this reason, it is preferable that the non-woven fabric constituent material contains ultrafine fibers and / or pulp-like materials so that the thickness of the support is thin and the constituent materials are uniformly dispersed.
[0013]
The former ultrafine fiber is preferably an ultrafine fiber having a fiber diameter of 4 μm or less. The thinner the fiber diameter is, the thinner the support can be made, and the uniform dispersibility of the ultrafine fibers can be increased. In addition, when used for lithium ion polymer batteries, the powder used for the electrode plate Can be prevented. On the other hand, the lower limit is not particularly limited, but is preferably about 1 μm so that the strength as a support can be maintained.
[0014]
The fiber diameter in the present invention refers to the diameter when the cross-sectional shape of the fiber is circular, and refers to the diameter when converted into a circular cross-section when the cross-sectional shape of the fiber is non-circular.
[0015]
The fiber length of the ultrafine fibers is not particularly limited, but is preferably 5 mm or less, and more preferably 3 mm or less so that the pore diameter distribution of the support can be reduced. In addition, although the minimum of the fiber length of an ultrafine fiber is not specifically limited, about 0.1 mm is suitable.
[0016]
Such ultrafine fibers may be composed of any resin component, for example, a polyester-based resin such as polyethylene terephthalate, which is excellent in affinity with the non-aqueous solvent constituting the solid electrolyte, or a solid electrolyte. Examples thereof include polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, and polymethylpentene, or a mixture or composite thereof that are hardly affected by non-aqueous solvents.
[0017]
Moreover, the nonwoven fabric can contain two or more types of ultrafine fibers that are different in terms of fiber diameter, resin component, or fusibility or pressure bonding. For example, it is preferable to include two types of ultrafine fibers that are different from each other in terms of fusibility or pressure-bonding property, because the shape of the nonwoven fabric can be maintained by fusing or crimping one of the ultrafine fibers.
[0018]
When such an ultrafine fiber does not contain a pulp-like material as will be described later, it is preferably contained in the non-woven fabric in an amount of 30 mass% or more, and is contained in an amount of 40 mass% or more so as to be excellent in the above effect. More preferably, it is more preferably contained in an amount of 50 mass% or more, and most preferably 100% ultrafine fiber. In addition, when a pulp-like material as described later is included, it is preferably included in the nonwoven fabric in an amount of 10 mass% or more, more preferably 20 mass% or more, so that the above-described effect is excellent, and 30 mass% is more preferable. More preferably, it is contained in an amount of at least%. On the other hand, it is preferably 60% by mass or less, more preferably 50% by mass or less, and still more preferably 40% by mass or less in consideration of the balance with the pulp-like material.
[0019]
Such ultrafine fibers having a fiber diameter of 4 μm or less are produced by, for example, a method of generating ultrafine fibers composed of island components by removing sea components of sea-island type fibers, or a method of spinning by super draw method. Can do.
[0020]
On the other hand, it is preferable that a pulp-like material is included as the nonwoven fabric constituent material. This pulp-like material can reduce the thickness of the support and is excellent in uniform dispersibility. Further, when used for a lithium ion polymer battery, it can prevent the powder used for the electrode from entering. In addition, because it is excellent in the retention of polyvinylidene fluoride resin by fibrils of pulp-like material, the amount of non-woven fabric constituent material can be reduced and the voids can be further increased, so the electrical conductivity after supporting the solid electrolyte Can be high. Furthermore, since the shape retention is excellent due to the entanglement between the fibrils of the pulp-like material, the handleability is also excellent.
[0021]
The pulp-like material of the present invention is preferably composed of a synthetic resin so that the strength of the support does not decrease when it comes into contact with a non-aqueous solvent, and more specifically, a polyolefin-based material such as polyethylene or polypropylene. Resins, meta- or para-type wholly aromatic polyamide resins, polyimide resins and the like can be mentioned.
[0022]
Such a pulp-like product is preferably contained in the nonwoven fabric in an amount of 40 mass% or more, more preferably 50 mass% or more so that the performance is excellent. On the other hand, although the pulp-like product is excellent in the above performance, if it is too much, the nonwoven fabric structure tends to be too dense and the electrical conductivity tends to deteriorate, so that it is preferably 90 mass% or less, and is 80 mass% or less. Is more preferable.
[0023]
The nonwoven fabric of the present invention can contain thick fibers thicker than the ultrafine fibers, in addition to the ultrafine fibers or pulp-like materials as described above. By including such thick fibers, the strength of the support can be improved.
[0024]
Since the thick fiber has a fiber diameter larger than that of the ultrafine fiber as described above, the fiber diameter exceeds 4 μm, and the larger the fiber diameter, the more the strength of the support can be improved. More preferably. On the other hand, if the fiber diameter of the thick fiber is too large, the thickness of the support becomes thick and the electric conductivity tends to deteriorate. Therefore, the thickness is preferably 10 μm or less, more preferably 8 μm or less. .
[0025]
The fiber length of the thick fiber is not particularly limited, but is preferably 1 to 10 mm, and more preferably 3 to 5 mm so that it can be uniformly dispersed.
[0026]
Such a thick fiber may be composed of any resin component, but like an ultrafine fiber, a polyester resin such as polyethylene terephthalate, a polyolefin resin such as polyethylene, polypropylene, polymethylpentene, or the like. It can be composed of a mixture or a complex. Among these, a core-sheath type thick fiber having polyethylene as a sheath component and polypropylene as a core component is preferable because it can be fused with other nonwoven fabric constituent materials to improve the strength of the support.
[0027]
In addition, it is preferable to include a thick fiber that can be bound by pressure, such as unstretched polyethylene terephthalate thick fiber, because the strength of the support can be improved by pressing with other nonwoven fabric constituent materials.
[0028]
Furthermore, the thick fibers can also contain two or more types of thick fibers that differ in terms of fiber diameter, resin component, or fusibility or pressure-bonding properties.
[0029]
Regardless of whether or not such thick fibers contain pulp-like materials, the content in the nonwoven fabric is preferably 20 mass% or less so as not to hinder the action of the ultrafine fibers and pulp-like materials as described above. More preferably, it is 15 mass% or less. In some cases, the nonwoven fabric does not contain thick fibers.
[0030]
The nonwoven fabric of the present invention is preferably composed of, for example, the above-mentioned ultrafine fibers, pulp-like materials, or thick fibers, and the nonwoven fabric is preferably maintained in its form by fusing or pressing the constituent materials. In this way, if the nonwoven fabric form is maintained by fusing or crimping the constituent materials, since the nonwoven fabric is not clogged to maintain the nonwoven fabric form, and there are many voids, many solid electrolytes The electrical conductivity after supporting the solid electrolyte can be increased. For example, when the constituent materials are bonded with an emulsion or suspension-like binder, a film is formed by the binder and the non-woven fabric tends to be clogged. However, the nonwoven fabric of the present invention is formed by fusing or pressing the constituent materials. Therefore, there are many voids. If the pulp-like material is fused or pressure-bonded, it tends to become a film and closes the gap, so that it is preferably fused or pressure-bonded with ultrafine fibers and / or thick fibers.
[0031]
“Maintaining the form” means having a strength that does not hinder the support of the solid electrolyte.
[0032]
Since the support of the present invention contains polyvinylidene fluoride in a powder state in such a nonwoven fabric, the voids of the support are not blocked with the polyvinylidene fluoride resin, and the polyvinylidene fluoride resin is Since the non-aqueous solvent can be retained by gelation, the electrical conductivity after supporting the solid electrolyte can be increased.
[0033]
The particle size of the polyvinylidene fluoride resin powder is not particularly limited, but the smaller the particle size, the more it can be dispersed throughout the support and the higher the ion conductivity uniformity after the solid electrolyte is supported. Thus, in order to improve battery performance, the particle size is preferably 4 μm or less, and more preferably 2 μm or less. Although a minimum is not specifically limited, For adhesion to the nonwoven fabric constituent material surface by van der Waals force, it is preferable that it is 1 micrometer. The “particle diameter” means an average particle diameter, and the average particle diameter can be measured by a laser diffraction / scattering method.
[0034]
Moreover, it is preferable that content of the polyvinylidene fluoride resin powder in a support body is 5 mass% or more of the whole support body so that ion conductivity can be improved. On the other hand, if it exceeds 10 mass% of the entire support, the retention of the polyvinylidene fluoride resin powder by the nonwoven fabric constituent material is deteriorated, and therefore it is preferably 10 mass% or less.
[0035]
In addition, “containing powdered polyvinylidene fluoride resin” means that the polyvinylidene fluoride resin exists in a discontinuous state with the nonwoven fabric constituent material or is continuous to some extent, but is completely continuous. It means a state in which there are more or less voids between the polyvinylidene fluoride resin and the non-woven fabric constituent material that existed in the absence. As such a state, for example, the state in which the polyvinylidene fluoride resin is physically attached to the nonwoven fabric constituent material (for example, van der Waals force), the void formed by the polyvinylidene fluoride resin by the nonwoven fabric constituent material, The state being held can be cited. As described above, when the polyvinylidene fluoride resin is in a powder state, the support body has a void, so that when integrated with the solid electrolyte, many solid electrolytes can be supported. Excellent ion conductivity.
[0036]
Since the support of the present invention contains polyvinylidene fluoride in a powder state in the nonwoven fabric as described above, the porosity is 50% or more and 80% or less, so that the form as a support is maintained. Since the amount of the solid electrolyte that can be supported can be increased while maintaining the properties, excellent electrical conductivity can be obtained. A more preferable porosity is 55% or more, and a more preferable porosity is 60% or more. Further, the porosity is more preferably 75% or less, and further preferably 70% or less.
[0037]
The “porosity” (P) of the present invention refers to a value obtained from the following formula.
Porosity (P) = {1−W / (T × d)} × 100
Here, W means a basis weight (g / m 2 ), T means a thickness (μm) of the support, and d means a density (g / cm 3 ) of the support component. In addition, when two or more types of support body constituent materials are present, the density of the support body constituent materials refers to the mass average of each support body constituent material. Further, “weight per unit” means a basis weight based on the method defined in JIS P 8124 (paper and paperboard—basis weight measurement method), and “thickness” is a value measured by a method defined in JIS B 7502, That is, it means a value measured by an outer micrometer at 5 N load, and “density” means a value measured by a method defined in JIS K7112.
[0038]
The thickness of the support of the present invention is preferably 30 μm or less, more preferably 25 μm or less so that the ion movement distance is short, the internal resistance can be lowered, and the electrical conductivity can be increased. preferable. The lower limit is not particularly limited, but is preferably 10 μm so as not to impair the reinforcing effect of the solid electrolyte as a support and not to reduce the amount of the solid electrolyte that can be supported. More preferably, it is 15 μm. In addition, when the support body of this invention is used for lithium ion polymer batteries, if the support body has such a thickness, it is possible to prevent a minute short circuit due to penetration of the powder active material.
[0039]
The support of the present invention may be produced in any manner as long as it is a support containing a polyvinylidene fluoride resin in a powder state and a porosity of 50% or more and 80% or less. Although not particularly limited, for example, when a nonwoven fabric is produced by a wet method, after forming a fiber web by combining the polyvinylidene fluoride resin powder together, a desired porosity is obtained. The method of pressurizing can be mentioned. In addition, when the thing which can be melt | fused or press-bonded as a nonwoven fabric constituent material is included, it is preferable to heat and fuse | melt or press-fit simultaneously with pressurization or prior to pressurization. Note that the pressure bonding condition and the heating condition can be appropriately set by repeating the experiment.
[0040]
In addition, as another method for producing a support, after forming a fiber web containing polyvinylidene fluoride resin powder by the method disclosed in Japanese Patent Application No. 2000-370965, the desired voids are formed in exactly the same manner as in the above method. It can be manufactured by pressurization or heating and pressurization so as to achieve a rate. That is, for example, (1) polyvinylidene fluoride powder, and (2) an ultrafine fiber aggregate, an aggregate of split fibers that can be divided into ultrafine fibers by the action of compressed gas, an aggregate of pulp-like material, and an action of compressed gas A non-woven fabric constituent material selected from an aggregate of separable fibers and a thick fiber aggregate that can be fibrillated into a pulp-like material by means of a compressed gas is ejected from the nozzle into the gas, and the polyfluoride The method after dispersing vinylidene powder and ultrafine fibers, pulp-like material, or thick fibers generated from the nonwoven fabric constituting material, and accumulating these to form a fiber web containing polyvinylidene fluoride resin powder In the same manner as described above, it can be produced by pressurization or heating and pressurization so as to obtain a desired porosity. According to this method, there is almost no falling off of the polyvinylidene fluoride powder at the time of forming the fiber web, so that the fiber web and, as a result, the support can be produced as designed. Moreover, even if an aggregate of pulp-like materials or an aggregate of separable fibers that can be fibrillated into a pulp-like material by the action of compressed gas is used as the nonwoven fabric constituent material, the pulp-like material can be generated efficiently. The pulp-like fibril has the effect of being excellent in the retention of the polyvinylidene fluoride powder. Furthermore, since the polyvinylidene fluoride powder and the non-woven fabric constituent material are uniformly mixed, it has excellent electrical conductivity. For example, when used for lithium ion polymer batteries, it has excellent high-rate charge / discharge characteristics and battery life. Can be expected to be effective.
[0041]
When the solid electrolyte is supported by using the support of the present invention, the electrical conductivity can be excellent, and therefore it can be effectively used as a gel solid electrolyte support for a lithium ion polymer battery. In many cases, 80% or more of this gel-like solid electrolyte is composed of a non-aqueous solvent. However, the support of the present invention has a high porosity and is excellent in retention of a non-aqueous solvent containing polyvinylidene fluoride powder. Therefore, it is also effective in that liquid leakage can be prevented.
[0042]
Although the Example of the support body of this invention is described below, this invention is not limited to a following example.
[0043]
【Example】
(Example 1)
Polyethylene terephthalate ultrafine fiber (fineness = 0.1 dtex, fiber diameter = 3 μm, fiber length = 3 mm) 30 mass%, polyethylene terephthalate unstretchable thick fiber (fineness = 0.2 dtex, fiber diameter = 5 μm, fiber length = 3 mm, A slurry was prepared by blending 10% by mass of softening temperature = 231 ° C., 50% by mass of para-aromatic polyamide pulp (fiber length = 0.38 mm), and 10% by mass of polyvinylidene fluoride resin powder (average particle size = 1 μm). .
[0044]
Next, the prepared slurry was supplied to a short mesh inclined paper machine for paper making, and then dried by a Yankee dryer set at a surface temperature of 180 ° C. to produce a fiber web.
[0045]
Next, this fiber web is subjected to a heat calendering process (pressure = 500 N / cm, temperature = 180 ° C.), and a polyethylene terephthalate unstretchable crimpable thick fiber is crimped to form a nonwoven fabric and at the same time include a polyvinylidene fluoride resin powder. A body (basis weight = 12 g / m 2 , thickness = 20 μm, porosity = 65%) was produced. The nonwoven fabric which comprises this support body was what maintained the form by the crimping | compression-bonding which can support a solid electrolyte so that it may mention later. The support is made of polyvinylidene fluoride resin powder on the fiber surface, pulp surface, between fiber and pulp, between pulp, or between fibers (powder state). ), Which has moderate voids.
[0046]
(Comparative Example 1)
Polyethylene terephthalate ultrafine fiber (fineness = 0.1 dtex, fiber diameter = 3 μm, fiber length = 3 mm) 40 mass%, polyethylene terephthalate unstretchable thick fiber (fineness = 0.2 dtex, fiber diameter = 5 μm, fiber length = 3 mm, A slurry was prepared in which 10 mass% of softening temperature = 231 ° C and 50 mass% of para aromatic polyamide pulp (fiber length = 0.38 mm) were blended.
[0047]
Next, the prepared slurry was supplied to a short mesh inclined paper machine for paper making, and then dried by a Yankee dryer set at a surface temperature of 180 ° C. to produce a fiber web.
[0048]
Next, this fiber web was heat calendered under the same conditions as in Example 1, and a polyethylene terephthalate unstretchable crimpable thick fiber was crimped to form a base material for support (weight per unit = 10 g / m 2 , thickness = 18 μm, void) Rate = 60%).
[0049]
Next, 5 g / m 2 of polyvinylidene fluoride resin powder (average particle diameter = 1 μm) was filled into the substrate for support by pressing with a finger to obtain a support (weight per unit = 15 g / m 2 , thickness = 16 μm, porosity = 38%) was produced. In addition, the support was in a state where there was not much void, including the polyvinylidene fluoride resin powder filled in the void formed by fibers and pulp (powder state).
[0050]
(Comparative Example 2)
A 10% methyl ethyl ketone solution of polyvinylidene fluoride resin was dissolved in a base material for a support produced in the same manner as in Comparative Example 1 (basis weight = 10 g / m 2 , thickness = 18 μm, porosity = 60%). Is impregnated so as to be twice the mass of the substrate for the support (that is, 20 g / m 2 amount), and then the solvent is dried and removed by a vacuum dryer to obtain a support (weight per unit: 12 g / m 2 , Thickness = 15 μm, porosity = 45%). In this support, the polyvinylidene fluoride resin was present as a film.
[0051]
(Measurement of electrical conductivity)
The polymer material and the non-aqueous solvent were mixed at a mass ratio of 10:90 at room temperature to prepare a gel electrolyte solution. As the polymer substance, a copolymer of ethylene oxide and propylene oxide (registered trademark: Elexel TA-140; manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) is used. As the non-aqueous solvent, propylene carbonate and gamma are used. A solvent in which LiBF 4 was dissolved in a solvent in which butyrolactone was mixed at a weight ratio of 1: 1 so that the concentration was 1 mol / L was used.
[0052]
Next, this gel electrolyte solution is uniformly applied to each of the supports manufactured in Example 1 and Comparative Examples 1 to 2, and a gel electrolyte layer having a thickness of about 5 μm is formed on the surface of the support to obtain a solid electrolyte. Supported.
[0053]
Next, the support on which the solid electrolyte is supported is sandwiched between circular (diameter = 20 mm) stainless steel (SUS304) electrodes placed in a test cell for measuring electrical conductivity, and the same non-same as described above. After filling the test cell with an aqueous solvent, pressure (0.2 MPa / cm 2 ) is applied between the electrodes, and the electric conductivity in the thickness direction of the support supporting the solid electrolyte is determined based on the AC impedance method. Measured. That is, the locus of the complex impedance measured by AUTOLAB PGSTAT30 (manufactured by ECO CHEMI) was analyzed by the Cole-Cole plot method, and the electrical conductivity (unit = S / cm) was obtained. An electric conductivity of 1 × 10 −3 S / cm or more is suitable for practical use. The results are shown in Table 1. As is apparent from Table 1, it was found that the solid electrolyte supported by the support of the present invention has high electric conductivity and excellent practicality.
[0054]
[Table 1]
Figure 0004169969
[0055]
【The invention's effect】
The support for a solid electrolyte of the present invention can increase the electrical conductivity after the support of the solid electrolyte. Therefore, it can be suitably used for a lithium ion polymer battery.

Claims (4)

不織布中に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を粉体の状態で含み、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50%以上、80%以下であることを特徴とする、リチウムイオンポリマー電池用の固体電解質用支持体。For a solid electrolyte for a lithium ion polymer battery, characterized in that the nonwoven fabric contains a polyvinylidene fluoride resin in the form of powder, the thickness is 30 μm or less, and the porosity is 50% or more and 80% or less. Support. 不織布構成材として、繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいることを特徴とする、請求項1記載の固体電解質用支持体。  2. The support for solid electrolyte according to claim 1, wherein the non-woven fabric material includes ultrafine fibers having a fiber diameter of 4 [mu] m or less. 不織布が構成材の融着又は圧着によって形態を維持していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の固体電解質用支持体。  The solid electrolyte support according to claim 1 or 2, wherein the non-woven fabric maintains its form by fusing or pressing the constituent materials. 不織布構成材として、パルプ状物を含んでいることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固体電解質用支持体。  The solid electrolyte support according to any one of claims 1 to 3, wherein the nonwoven fabric constituent material includes a pulp-like material.
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