JP4169514B2 - 渦巻状電極群の製造方法および製造装置 - Google Patents

渦巻状電極群の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら渦巻き状に巻回して構成する、例えはリチウム一次電池用の渦巻状電極群を製造するための方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えばカメラなどのポータブル型電気機器の駆動電源として、小型で高容量の円筒型をしたリチウム一次電池や各種の二次電池が用いられている。これらの電池には、ポータブル型電気機器の高性能化および高機能化が進むのに伴って、より高電圧および高容量のものが要望されており、このような要望を満たすために、正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して積層したものを渦巻き状に巻回してなる渦巻状電極群を用いて構成したものが広く一般的に用いられている。そして、このような円筒型の各種電池用の渦巻状電極群では、生産性の向上を図るとともに、高性能化と品質の均一性とを確保するために、正,負極板とセパレータ間に巻きずれがなく、しかも各極板とセパレータに異常に強い張力が加わることに起因する引き延ばし状態が生じることなく、且つ弛みが発生しないように渦巻き状に巻回することが重要課題になっている。
【0003】
そこで、本件出願人は、上述した高性能化と品質の均一性とを有する渦巻状電極群を製造するための装置(特開平9-147878号公報参照)を先に提案している。。この製造装置は、帯状のセパレータをその中央部から一方の第1領域と他方の第2領域とに分け、第1領域を正負の極板で挟んで、第1および第2領域を第1および第2吸着手段で個々に吸着しながら、両領域の境界部に係着した巻回軸で2つ折りにして渦巻き状に巻回し、第1および第2吸着手段の各々のエンドレスベルトがそれぞれ吸着保持する第1および第2領域を、送り手段によって双方から巻回軸に向けて移動させることにより、渦巻状電極群を構成するセパレータなどに過剰な張力が付加させるのを防止し、且つこの張力が最適になるようにエンドレスベルトの回送速度を制御して、セパレータなどに延びの発生が無く、且つ正負の極板間に巻きずれが発生するのを防止しながら渦巻状電極群を製造できるように図っている。
【0004】
上記渦巻状電極群の製造装置は、ニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池の渦巻状電極群を製造する場合には、この両電池系共に正,負極板の引っ張り強度が比較的大きく、巻回時に作用する張力に対する抵抗力が強く、さらに、最も張力の影響を受け易いセパレータが、延びに対する抵抗力や復元力を或る程度有していることから、比較的良好な渦巻状電極群を得ることができる。ところが、円筒型リチウム一次電池などの渦巻状電極群を製造する場合には、これらの負極板を構成する帯状のリチウム金属箔テープが張力に対する抵抗力が非常に小さいことから、塑性変形が生じ易く、僅かな張力で引き延ばされてしまい、渦巻状電極群の形状と寸法が変化してしまう。そのため、この渦巻状電極群を用いた電池には電池特性の低下やばらつきが発生する。
【0005】
一方、リチウム金属箔テープに対しては、張力が殆ど作用しないように設定しながら巻回することが考えられる。ところが、帯状リチウム金属箔テープは、表面が非常に柔らかく塑性変形を起こし易いことから、各種金属の表面に接触状態で加圧したり、摺動させたりすると、その金属表面に付着し易い。そのため、上記製造装置では、その構成上から、薄い帯状リチウム金属箔テープを、これに張力を作用させずに弛緩の生じない状態にしっかりと巻回することができない。その結果、出来上がった渦巻状電極群は、電極群としての巻絞め力が非常に弱いために、形状や寸法が変化し易い不安定なものとなり、巻きずれが発生し易いという問題が生じる。
【0006】
そこで、本件出願人は、極板などの材料の厚さのばらつきなどに対応して必要以上に張力が加わらない最適な送り速度に自動的に可変調整しながら巻回することのできる渦巻状電極群の製造装置(特願平11-336349 号)を先に提案している。この製造装置は、図11の概略正面図に示すように、外周部に3本の巻芯2が120 °の等間隔で設けられた回転盤1が、120 °の角度で間欠的に図示矢印方向に回転されることにより、3つの巻芯2が、テープ吸着ドラム3に接触する巻回位置Pに順次搬送されて位置決めされる。巻芯2は、巻回位置Pで回転駆動されることにより、テープ吸着ドラム3から負極板4の供給を受けながら、この負極板4とセパレータ7および正極板8を渦巻き状に巻回して、渦巻状電極群9を作製する。
【0007】
3つの巻芯2の各間にはそれぞれ直線状のガイド体10が配設され、この各ガイド体10にはそれぞれガイド用チャック部材11および位置決め用チャック部材(図示せず)が何れも殆どスライド負荷を受けることなく円滑にスライド可能に設けられている。ガイド用チャック部材11はセパレータ7の先端をチャッキングして巻芯2の係合用スリット(図示せず)に挿通させる。位置決め用チャック部材は、正極板8の先端部をセパレータ7に対し位置決め状態に重ね合わせてチャッキングし、巻芯2に巻き取られるセパレータ7の移送に伴ってガイド体10にスライドしながら正極板8を負極板4に対し所定の位置決め状態で巻芯2に送り込む。巻芯2の回転による巻回動作時には、巻芯2に対し図の左方のガイド用チャック部材11が、巻芯2の巻回動作に伴いガイド体10に沿いながら上昇してセパレータ7に対し適度な張力を付与する重りとして機能し、巻芯2に対し図の右方のガイド用チャック部材11が、同様にして、正極板8に適度な張力を付与する重りとして機能する。
【0008】
一方、テープ吸着ドラム3は、搬送用回転ドラム(図示せず)の外周部に等間隔に複数配設され、回転駆動源に連結されずに自由回転可能に回転支軸12に支持されているが、慣性力で回転継続しない程度の極めて弱い制動力が付与されている。このテープ吸着ドラム3には、薄い帯状リチウム金属箔テープからなる負極板4が、1つの渦巻状電極群9の構成に必要な所定長さに切断されて外周面に巻付け状態に予め吸着保持されている。また、テープ吸着ドラム3は、搬送用回転ドラムの間欠回転によって巻回位置Pに順次搬送され、つる巻きばね13により図示矢印方向に回動付勢されたドラム支持レバー14によって巻芯2に適度な力で押し付けられる。
【0009】
この製造装置では、巻芯2が回転すると、この巻芯2に接触状態のテープ吸着ドラム3が巻芯2との摩擦力のみによって巻芯2と共回り状態に同期回転し、その回転に伴ってテープ吸着ドラム3の外周面に吸着保持されている負極板4がセパレータ7に巻き込まれていく。したがって、自由回転可能に支持されているテープ吸着ドラム3に吸着保持されている負極板4は、殆ど張力が加わらないことから、薄いリチウム金属箔テープであるにも拘わらず引き延ばされるといった事態が生じることがない。また、テープ吸着ドラム3は、渦巻状電極群9の径の変化に追従してドラム支持レバー14を介して回動するので、このテープ吸着ドラム3の回転速度は、巻芯2の回転速度が常に一定であるにも拘わらず、渦巻状電極群9の径が大きくなっていくのに伴って自動的に速められていき、常に安定した最適値に自動的に可変調節される。これにより、負極板4には、渦巻状電極群9の巻回過程においても殆ど張力が加わらないことから、引き延ばされることがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の製造装置は、テープ吸着ドラム3の外周面に吸着保持した負極板4と巻芯2の外周面またはセパレータ7との間に作用する摩擦力を利用して、自由回転可能に支持されているテープ吸着ドラム3を巻芯2と共回り状態に同期回転させているので、負極板4は、薄いリチウム金属箔テープであるにも拘わらず引き延ばされるといった事態が生じなく、所要の形状を有する渦巻状電極群9を確実に作製することができるものである。ところが、上記製造装置は渦巻状電極群9を高い生産性で量産するには不向きである。
【0011】
すなわち、上記製造装置では、この装置に付設の負極板供給部(図示せず)において位置決めテープや負極リード部などを取り付けたのちに所定の寸法に切断された負極板4、装置に付設のセパレータ供給部において所定の寸法に切断されたセパレータ7および装置に付設の正極板供給部において正極リード部を取り付けたのちに所定の寸法に切断された正極板8を、単一の巻回位置Pに移送された巻芯2に所定の相対位置関係になるように供給して、その巻回位置Pにおいて巻回している。このように、この製造装置では、渦巻状電極群9の各構成材料を、装置に付属する各供給部でそれぞれ所定の形状としたのちに、単一の巻回位置Pに所定の相対位置に位置決めして集合させるよう供給して渦巻き状に巻回するので、巻回位置Pにおいて1つの渦巻状電極群9の作製が終了して、次の巻芯2が巻回位置Pに移送されるまで正、負極板8,4およびセパレータ7を供給することができないので、生産性の向上には自ずから限界がある。
【0012】
また、上記製造装置では、一つの渦巻状電極群9を構成するのに必要な所定長さの負極板4を、これの長さ方向の全体にわたり真空吸着する状態でテープ吸着ドラム3に巻き付けて保持するとともに、一つの渦巻状電極群を構成するのに必要な所定長さのセパレータ7の両端部をガイド用チャック部材11でチャッキングして、ガイド用チャック部材11をガイド体10に沿ってスライド移動させることによってセパレータ7に適度な張力を与えながらセパレータ7を巻芯2で巻き取っていく構成となっている。したがって、上記製造装置では、テープ吸着ドラム3として負極板4の長さに対応する径を有するものを用いる必要があり、ガイド体10としてセパレータ7の長さに対応した長さのものを用いる必要があるから、特定の電池の渦巻状電極群9を構成するための専用装置になってしまい、正,負極板8,4やセパレータ7の長さや幅が異なる種々の渦巻状電極群9毎に個々に対応するものを用意しなければならないので、コスト高となる。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、正,負極板やセパレータの長さや幅が異なる種々の渦巻状電極群を、単一の装置で高精度、且つ高い生産性で製造することのできる製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の渦巻状電極群の製造方法は、1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さとした前記正極板、前記負極板および前記セパレータを個々の取付治具に引出し可能または巻回可能にそれぞれ装着して個々のカセットを構成し、これら正極板、負極板およびセパレータの前記各カセットを、所定の移送路に沿って循環する複数の群巻きヘッドユニットにそれぞれ順次供給して装着したのちに、前記群巻きヘッドユニットを循環移送する過程において、前記セパレータカセットの前記セパレータの長手方向の所定箇所の両面側に、前記正極板カセットおよび前記負極板カセットからそれぞれ供給される前記正極板および前記負極板の各々の先端部を所定の相対位置に位置決めして、前記正,負極板および前記セパレータを重ね合わせながら前記群巻きヘッドユニットの回転駆動される巻回軸の回りに巻き付けていくことを特徴ととしている。
【0015】
この渦巻状電極群の製造方法では、両極板およびセパレータを引き出し可能または巻回可能にカセット化して、この各カセットを、移送路に沿って循環される複数の群巻きヘッドユニットに順次装着したのち、この複数の群巻きヘッドユニットが移送路に沿って循環する過程において各ユニットが両極板およびセパレータを重ね合わせて巻回することによって渦巻状電極群を作製するので、複数箇所で同時に渦巻状電極群の巻回を行うことができ、渦巻状電極群の巻回箇所が単一である場合に比較して、生産性が格段に向上する。
【0016】
上記発明の渦巻状電極群の製造方法において、複数の群巻きヘッドユニットを移送路に沿って一方向に循環させるとともに、前記移送路における供給位置に順次移送される前記群巻きヘッドユニットに正,負極板カセットおよびセパレータカセットをそれぞれ装着し、前記群巻きヘッドユニットが移送過程において正,負極板をこれらの間にセパレータを介在して巻回した渦巻状電極群を前記移送路における取出位置で搬送手段に送出し、前記両極板カセットおよび前記セパレータカセットにおける前記両極板および前記セパレータをそれぞれ供給し終えた極板取付治具およびセパレータ取付治具を、前記移送路における排出位置で搬送手段に送出することが好ましい。これにより、装置全体を小型化しながらも生産性の向上を図ることができる。
【0017】
また、上記発明の渦巻状電極群の製造方法において、正,負極板カセットのうちの少なくとも一方の極板カセットは、極板取付治具の自由回転可能となったドラム部の外周面に所定長さの極板を巻き付けて、その極板の巻き終わり端部を弛みが生じない状態に仮止めして構成し、セパレータカセットは、回転自在に設けられた一対の巻軸に、所定長さのセパレータのうちの正,負極板の長さに応じて配分した各長さ分をそれぞれ巻き取って、前記セパレータを前記両巻軸間に架け渡す状態に装着して構成することが好ましい。
【0018】
これにより、長さや幅が異なる極板およびセパレータを同一の取付治具に装着することが可能となり、取付治具を種別の異なる種々の電池の渦巻状電極群の製造に共用することができ、種別の異なる電極群毎に専用機を設ける場合に比較して格段のコストダウンを達成することができる。
【0019】
また、本発明の渦巻状電極群の製造装置は、1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さとした正、負極板を個々の取付治具に引出し可能または巻回可能にそれぞれ装着して構成された正、負極板カセットと、互いに平行な配置で共に回転自在に支持された一対の巻軸を有し、所定長さのセパレータがその長手方向の両端部を前記巻軸の各々の軸心に沿って形成された係合用スリットに係合され、且つ前記セパレータのうちの前記正,負極板の長さに応じて配分した各長さ分がそれぞれ前記両巻軸に巻き付け状態に保持されたセパレータカセットと、移送路に沿って循環するよう配設された複数の群巻きヘッドユニットとを備えてなり、前記各群巻きヘッドユニットは、前記移送路における供給位置で前記正、負極板カセットおよび前記セパレータカセットが順次装着されたのちに、前記移送路を循環する過程において、自身の巻回軸に接触された前記セパレータの所定位置の両面側に供給される正極板および負極板の先端部を所定の相対位置に位置決めして重ね合わせながら、回転駆動される前記巻回軸に巻き付けて渦巻状電極群を作製するよう構成されていることを特徴としている。
【0020】
この渦巻状電極群の製造装置では、極板カセットおよびセパレータカセットを群巻きヘッドユニットに容易に装着することができるとともに、セパレータを巻回軸に巻き付けながら、そのセパレータに極板カセットから円滑に引き出した極板を巻き込んで渦巻状電極群を高精度に作製することができる。
【0021】
上記発明の渦巻状電極群の製造装置において、群巻きヘッドユニットの巻回軸は、一端部が保持筒部内において駆動源に連結され、且つ他端部が巻回軸受部に回転自在に支持されて、前記群巻きヘッドユニットに装着されるセパレータカセットにおけるセパレータの長手方向の中間の所定位置が接触される巻芯と、この巻芯がセパレータに接触された後のタイミングで前記保持筒部から突出されて前記巻芯と共に前記セパレータの長手方向の中間部を両面側から挟み付ける補助ピンとにより構成されていることが好ましい。
【0022】
これにより、セパレータを巻回軸の係合用スリットに挿通させて係合させる従来手段とは異なり、群巻きヘッドユニットに装着されたセパレータカセットのセパレータを、群巻きヘッドユニットの巻回軸に容易、且つ高精度に係合させることができる。
【0023】
また、上記発明の渦巻状電極群の製造装置において、各群巻きヘッドユニットは、巻回軸を回転駆動するモータと、前記群巻きヘッドユニットに装着された正,負極板カセットおよびセパレータカセットをそれぞれ作動制御するとともに、前記モータを回転制御するコントローラとを個々に備え、前記コントローラが、巻回軸に前記セパレータカセットのセパレータが接触した時点で前記モータを制御して前記巻回軸を回転始動させたのち、一方の極板の先端部を前記巻回軸とこれに巻回されるセパレータとの間に送給させるとともに、他方の極板カセットにおけるドラム部に巻装された他方の極板を前記巻回軸に巻き付けられるセパレータに所定の圧力で接触させて他方の極板の先端部に設けた位置決めテープをこれの粘着性でセパレータに付着させるよう制御する構成になっており、前記ドラム部は、他方の極板とセパレータとの間に作用する摩擦力により前記巻回軸に共回り状態に回転する構成とすることが好ましい。
【0024】
これにより、正,負極板およびセパレータが、それぞれカセットに所要の配置で予め組み込まれた状態で個々の群巻きヘッドユニットにそれぞれ供給されたのちに、個々のコントローラによって相互に位置決めされるので、極めて正確な相対位置関係に重ね合わせながら巻回軸に巻回されていく。そのため、この製造装置では、正,負極板およびセパレータの長手方向の位置ずれおよび幅方向の巻きずれが極めて小さい高精度な渦巻状電極群を得ることができる。また、極板カセットのドラム部を巻回軸に共回りさせるので、ドラム部の回転速度は、巻回軸の回転速度が常に一定であるにも拘わらず、電極群の径が大きくなっていくのに伴って自動的に速められて常に安定した最適値に自動的に可変調節されるから、他方の極板が例えば薄い金属箔テープであっても、この極板には、電極群の巻回過程において殆ど張力が加わらず、引き延ばされることがない。
【0025】
さらに、上記発明の渦巻状電極群の製造装置において、少なくとも一方の極板カセットは、対面する一対の支持台部間に両端部を回転自在に支持されて自由回転可能となった支軸部に、外周面に前記極板が巻き付けられるドラム部が外嵌固定され、前記支持台部に回転自在に支持され、前記ドラム部に巻装されている極板の巻き終わり端部に弾性部材の付勢力により押し付けられるロックレバーに、前記極板カセットが群巻きヘッドユニットに装着されるタイミングで前記ドラム部から離間する方向への回転力を受けるための作動片が突設された構成を有し、群巻きヘッドユニットは、レバー支持ピンを支点に回動自在となって一端部に前記極板カセットが装着されるカセット支持レバーと、このカセット支持レバーの他端部に懸架されて前記極板カセットのドラム部に巻装された極板を巻回軸またはこれに巻き付けられたセパレータに押し付けるよう前記カセット支持レバーを回動付勢する弾性部材とを備えていることが好ましい。
【0026】
これにより、極板がドラム部に巻き付けられた極板カセットを、極板が弛むことのない巻装状態を確実に保持しながら取り扱うことができるとともに、群巻きヘッドユニットでの巻回時に、ドラム部が摩擦力によって巻回軸と共回り状態に確実に同期回転するので、一方の極板は、殆ど張力が加わらないことから、例えば薄い金属箔テープであっても、引き延ばされるといった事態が生じることがなく、所要の形状を有する渦巻状電極群を確実に作製できる。
【0027】
また、上記発明の渦巻状電極群の製造装置において、少なくとも一方の極板カセットは、取付治具に極板が保持され、且つ前記極板を群巻きヘッドユニットに近接する所定位置までスライド移動される構成を有し、群巻きヘッドユニットは、前記所定位置までスライド移動された前記極板を保持して前記取付治具から取り出したのちに前記極板の先端部を一対の送給用ガイドローラ間に挿入させる保持パッドと、この保持パッドに保持された前記極板をチャッキングして保持するチャック部材と、このチャック部材を付勢して前記チャック部材をこれの後方へ付勢する弾性部材とを有していることが好ましい。
【0028】
これにより、装置全体を小型化しながらも、渦巻状電極群の生産性を一層向上させることができる。また、リチウム一次電池用の渦巻状電極群を作製する場合には、正極板を、使用する芯材によっては比較的剛性が高く、且つ磁着可能とできるから、この正極板カセットを簡略化することができるとともに、カセットから正極板を容易、且つ高精度に群巻きヘッドユニットの巻回軸に供給することができる。
【0029】
さらに、上記発明の渦巻状電極群の製造装置において、正、負極板取付治具並びにセパレータ取付治具に所定長さの極板およびセパレータをそれぞれ取り付けまたは巻装して一方および他方の各極板カセット並びにセパレータカセットを構成する正、負極板加工機構並びにセパレータ加工機構と、円形の外周端に沿って複数の群巻きヘッドユニットが配設され、回転されることにより前記各群巻きヘッドユニットを円形の移送路に沿って循環させる作業テーブル台とを備え、前記移送路には、前記各加工機構から搬送された前記各カセットが前記群巻きヘッドユニットに装着される供給位置と、正、負極板並びにセパレータをそれぞれ供給し終えた空の前記各取付治具を前記各加工機構への搬送機構に送出する排出位置とが設定されていることが好ましい。
【0030】
これにより、極板およびセパレータの各カセットを群巻きヘッドユニットに効率的に供給することができ、装置全体を一層小型化しながらも生産性の向上を図ることができる。
【0031】
上記構成におけるセパレータ加工機構は、供給源から繰り出されて先端部がガイド部材に保持されているセパレータに所要の張力を付与するテンション付与部材と、セパレータ取付治具が所定位置に保持されたときに一対の巻軸に対し回転伝達可能に連結される一対の駆動軸と、前記ガイド部材に保持されている前記セパレータをこれの先端部をチャッキングして引出しながら前記一対の巻軸の各々の係合用スリットにそれぞれ挿通させるチャック部材と、前記セパレータを切断するカッターとを備え、一対の前記巻軸の各係合用スリットに前記セパレータを挿通したのちに回転駆動させる一方の前記巻軸に、前記セパレータにおける1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さにほぼ相当する長さ分を巻き取り、前記カッターにより前記セパレータにおける前記ガイド部材による保持箇所の近傍位置を切断し、続いて回転駆動させる他方の前記巻軸に、前記セパレータにおける正極板または負極板の長さに対応する長さ分を一方の前記巻軸から巻き取るように構成されていることが好ましい。
【0032】
これにより、所定長さのセパレータにおける正,負極板の長さに応じて配分した各長さ分を一対の巻軸にそれぞれ巻き付けてなるセパレータカセットを容易、且つ高精度に加工することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る渦巻状電極群の製造方法を具現化した製造装置を示す要部の斜視図である。この実施の形態では、リチウム一次電池用の渦巻状電極群を製造するための製造装置を例示してある。
【0034】
同図において、この製造装置は、装置台17上に立設されて図示矢印方向に回転される回転支柱18と、この回転支柱18の下部外周面に固着されて回転支柱18と一体回転する作業テーブル台19と、この作業テーブル台19の外周端に沿って等間隔の配置で設置された複数(例えば、16個)の群巻きヘッドユニット20とを備えている。群巻きヘッドユニット20は、作業テーブル台19の下面に配設された駆動源のサーボモータ21および作業テーブル台19の上面に立設されてサーボモータ21によって回転駆動される巻回軸22などにより構成されている。また、回転支柱18の上部に固着された支持棚部23には、各群巻きヘッドユニット20の各々のサーボモータ21を個々に制御するための複数のサーボコントローラ24が設置されている。したがって、複数の群巻きヘッドユニット20は、作業テーブル台19の間欠回転に伴い環状の移送路に沿って循環されるようになっている。
【0035】
各群巻きヘッドユニット20には、作業テーブル台19の回転に伴って所定位置に達したときに、1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な所定長さのセパレータ7がセパレータ取付治具28に巻装されてなるセパレータカセット27、1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な所定長さの正極板8が正極板取付治具30に取り付けられてなる正極板カセット29および1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な所定長さの薄いリチウム金属箔テープからなる負極板4が負極板取付治具32に巻装されてなる負極板カセット31がそれぞれ供給される。
【0036】
正極板8は、正極板加工部33において所定長さに切断され、且つ所定位置に正極リード部34が取り付けられて、1つの渦巻状電極群を構成できる状態に加工して供給されたのちに、ロボット機構のチャック部材(図示せず)により搬送されて正極板取付治具30に吸着保持されることにより、正極板カセット29として群巻きヘッドユニット20に供給される。正極板カセット29をこのように構成しているのは、この実施の形態において製造するリチウム一次電池用の渦巻状電極群を構成する正極板8が、強磁性ステンレスを芯材として構成されたものであって、比較的剛性が高いことから、板状部材として容易に取扱いできるとともに、後述するようにマグネットで磁着して移送することが可能であるからである。
【0037】
なお、セパレータカセット27および負極板カセット31は、それぞれ後述する図4のセパレータ加工機構77および図3の負極板加工機構59でそれぞれ所定の構成に加工されたのちに、図示矢印で示すように、群巻きヘッドユニット20に供給される。その群巻きヘッドユニット20においてセパレータ7および負極板4をそれぞれ供給し終えたのちの空のセパレータ取付治具28および負極板取付治具32は、作業テーブル台19の回転に伴い所定位置まで搬送されたときに、群巻きヘッドユニット20から取り出されて上記加工機構77,59にそれぞれ戻すよう搬送される。これについての詳細は後述する。また、セパレータ7、正極板8および負極板4を巻回して構成された渦巻状電極群(図示せず)は、搬送コンベア37に沿って循環移動される搬送容器38内に収容した状態で取り出されて、次工程に搬送される。
【0038】
図2(a)〜(c)はそれぞれ上述のセパレータ取付治具28、負極板取付治具32および正極板取付治具29を示す斜視図である。先ず、(a)のセパレータ取付治具28は、軸心方向に係合用スリット40を有する一対の巻軸41A,41Bが、互いに平行な配置で各々の上端部が本体部39に回転自在に支持され、本体部39の中央部に、軸方向(図の上下方向)に延びる溝状の保持凹部42が設けられた構成になっている。
【0039】
一対の巻軸41A,41Bは、それぞれ本体部39内部の軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されているが、これらに架け渡す状態に巻き掛けられるセパレータ7に力が加わらない限りセパレータ7を弛み、延びおよび皺が生じないよう保持できる程度の制動力が付与されている。
【0040】
また、一対の巻軸41A,41Bの上端部には、巻軸41A,41Bよりも大径の連結軸部43がそれぞれ連結されており、この連結軸部43は、本体部39に対し上端部を外部から回転軸(図示せず)の連結が可能な状態に露出させた配置で回転自在に嵌め込まれている。したがって、一対の巻軸41A,41Bは、駆動源の回転軸を連結軸部43に嵌合接続することにより、外部から回転駆動することが可能になっている。
【0041】
(b)の負極板取付治具32は、上下の支持台部48,49間に固定された支軸部47に、負極板4が巻装されるドラム部44が軸受(図示せず)を介して回転自在に外嵌されている。ドラム部44の外周面には、負極板4を確実に巻き付けることを目的としたウレタンゴムなどからなるリング体50が外嵌固定されており、このリング体50には、複数個の真空吸着孔51が支軸部47の軸方向に一列配列の配置で形成されてなる孔列が複数列形成されている。
【0042】
上記の各真空吸着孔51は、ドラム部44の内部に形成された連結孔(図示せず)にそれぞれ連通され、さらに、連結孔は、支軸部47の内部にこれの上,下端から形成された接続孔52に連通されて、真空回路が構成されている。また、ドラム部44は、支軸部47に自由回転可能に支持されているが、慣性力で回転継続しない程度の極めて弱い制動力が付与されている。さらに、下部支持台部49には、ロックレバー53が一体回転するよう連結された作動レバー54が回転自在に支持されており、作動レバー54は、ロックレバー53がドラム部44に対し接触する内方に向けスプリング(図示せず)により常時回動付勢されているとともに、ロックレバー53がドラム部44から離間する方向への回転操作力を受けるための作動片57が一体に突設されている。
【0043】
(c)の正極板取付治具30は、所定長さの正極板8を嵌め込ませて摺動自在に吸着保持する保持凹所58が形成された形状になっており、上述したようにロボット機構のチャック部材により搬送されて保持凹所58に嵌め入れられた正極板8を、図1の図示矢印方向にスライド移動させて群巻きヘッドユニット20へ向けた所定の位置まで供給するようになっている。
【0044】
図3は、負極板取付治具32に負極板4を巻装して負極板カセット31を構成する負極板加工機構59の全体構成を模式的に示した概略正面図である。同図において、薄い帯状のリチウム金属箔テープからなる負極板4は、供給ロール60から繰り出されたのちに、ガイドローラ61および支持ローラ62を介して取付用ドラム63の外周面に巻き付けられながら移送されて、この取付用ドラム63の回転に伴い取付用ステーション64を通過するときに、位置決めテープ(図示せず)、負極リード部67および外周テープ(図示せず)などがそれぞれ所定位置に取り付けられる。さらに、負極板4は、取付用ドラム63からテープ供給ドラム68の外周面に巻き付けられる状態に移送されて、このテープ供給ドラム68に巻き付け状態で移送中にカッター69によって1つの渦巻状電極群の構成に必要な所定長さに切断される。
【0045】
上記テープ供給ドラム68に近接配置されたテープ取付用ドラム70は、負極板取付治具32または負極板カセット31を保持する多数個の保持部71が外周端に沿った同一円上に等間隔で配設され、保持部71の配設ピッチに相当する一定角度ずつ図示矢印方向に間欠回転される。このテープ取付用ドラム70は、例えばマグネットコンベアなどの搬送コンベア72によって移送されてくる負極板取付治具32を、保持部71に順次受けたのち、間欠回転してテープ供給ドラム68まで搬送して停止したときに、各保持部71にそれぞれ保持している負極板取付治具32におけるドラム部44のリング体50をテープ供給ドラム68に順次接触させる。これにより、負極板取付治具32のリング体50の外周面には、テープ供給ドラム68から供給される所定長さの負極板4が巻装されて、負極板カセット31が構成される。そののち、テープ取付用ドラム70は、間欠回転しながら負極板カセット31を移送して供給コンベア73上に送り出す。供給コンベア73は、負極板カセット31を群巻きヘッドユニット20まで移送する。
【0046】
上述のテープ供給ドラム68に巻装されている所定長さの負極板4を負極板取付治具32のリング体50の外周面に巻き取る動作について詳述する。負極板取付治具32は、搬送コンベア72からテープ取付用ドラム70の保持部71内に転移して保持されたときに、作動片57が保持部71の押圧突起(図示せず)に当接して機械的な押圧力を受けることにより、作動レバー54がスプリングの付勢力に抗して回動され、ロックレバー53がドラム部44のリング体50から離間し、且つその状態に保持される。
【0047】
さらに、保持部71内の負極板取付治具32は、所定の真空吸着孔51の孔列が最外方に位置するよう位置決めされた状態に保持され、その状態を保持しながらテープ取付用ドラム70の間欠回転に伴いテープ供給ドラム68に向け搬送されていく。負極板取付治具32がテープ供給位置まで搬送されたときには、リング体50がテープ供給ドラム68に接触したタイミングで、このテープ供給ドラム68に接触した孔列の真空吸着孔51が保持部71内の真空回路を介して真空ポンプのような真空源(図示せず)に接続される。
【0048】
上述により、テープ供給ドラム68に巻装されている所定長さの負極板4の搬送方向側の先端部(渦巻状電極群を構成する場合の後端部)は、真空源に接続された真空吸着孔51を介して負極板取付治具32のリング体50に吸着される。そののち、負極板取付治具32における自由回転可能に支持されたドラム部44は、負極板4を介在してのリング体50とテープ供給ドラム68との摩擦力により、テープ供給ドラム68と共回り状態で同期回転しながら、テープ供給ドラム68の負極板4をリング体50の外周面に巻き付けていく。したがって、テープ供給ドラム68からドラム部44に転移される負極板4は、殆ど張力が加わらないことから、薄いリチウム金属箔テープであるにも拘わらず引き延ばされるといった事態が生じることなくドラム部44のリング体50に巻き取られていく。
【0049】
ドラム部44のリング体50には、所定長さの負極板4が複数回に重ね巻き、例えば2重巻きに重ね巻きされ、この負極板4のリング体50への巻き付けが終了したタイミングで、押圧突起による作動片57への押圧力が解除される。そのため、ロックレバー53は、作動レバー54に常時作用しているスプリングの付勢力によって内方側に回動されて、図5に示すように、リング体50に巻回された負極板4の巻き終わり端部を軽く押える。これにより、ドラム部44のリング体50に巻回された所定長さの負極板4は、上述の真空吸着孔51を介しての真空吸着力を解除されても、巻回された状態をそのまま保持することができる状態となり、図5に示すような負極板取付治具32に所定長さの負極板4が巻装されてなる負極板カセット31が出来上がる。ここで、ロックレバー53が圧接する負極板4における巻き終わり端部は渦巻状電極群を構成する場合の先端部であって、その負極板4の先端部には、位置決めテープ74が、自身の粘着層形成面を外方に向けた配置で貼着されている。
【0050】
上記の負極板取付治具32に所定長さの負極板4が巻装されてなる負極板カセット31は、独立した単一部品として取扱い可能なものとなり、テープ取付用ドラム70の間欠回転に伴って取出位置まで搬送されたときに、図3に示すように、供給コンベア73上に移送され、そののちに、供給コンベア73の回送に伴い図1の群巻きヘッドユニット20に向け順次移送されていく。この負極板カセット31は、負極板4をドラム部44のリング体50に複数回に重ね巻きに巻き付けて、その負極板4の巻き終わり端部にロックレバー53を押し付けて負極板4を弛みが生じない巻回状態に保持された構成になっているので、電池の種類やサイズの相違に応じて長さや幅が異なる種々の負極板4に対して、同一の負極板取付治具32を共用して構成できる利点がある。
【0051】
図4(a)〜(c)は、セパレータ加工機構77において、セパレータ取付治具28にセパレータ7を巻装してセパレータカセット27を構成する製造過程を工程順に模式的に示した工程図である。帯状のセパレータ7は供給ロール(図示せず)から繰り出されたのちに、テンションローラ78によって所要の張力を付与された状態で一対のガイドローラ79,80の間に導かれている。セパレータ7を供給し終えて群巻きヘッドユニット20からセパレータ加工機構77まで搬送されたセパレータ取付治具28は、セパレータ加工機構77におけるセパレータ取付用ドラム(図示せず)の保持部(図示せず)に順次保持されていく。
【0052】
上記セパレータ取付用ドラムは、負極板加工機構59で説明したテープ取付用ドラム70と類似のものであり、セパレータ取付治具28がセパレータ取付用ドラムの保持部に保持されたときには、図5の一対の連結軸部43にセパレータ取付用ドラムの保持部に設けられている駆動軸がそれぞれ連結されて、連結軸部43を介して一対の巻軸41A,41Bを回転することが可能な状態となる。
【0053】
セパレータ取付用ドラムの保持部に保持されたセパレータ取付治具28の巻軸41A、41Bは当初上方に退避しており、このような状態下において引出し側チャック部材81がセパレータ7における両ガイドローラ79,80の間から導出された先端部分をチャッキングして(a)に示す位置まで移送する。次いで一対の巻軸41A、41Bが下降することにより両ガイドローラ79,80間から引き出されたセパレータ7は、セパレータ取付治具28の一対の巻軸41A,41Bの各々の係合用スリット40にそれぞれ挿通される。続いて、セパレータ取付治具28では、一方の巻軸41Aが駆動軸の駆動によって回転され始め、それとほぼ同じタイミングで引出し用チャック部材81はセパレータ7のチャッキングを解除する。これにより、一方側の巻軸41Aにはセパレータ7が巻回されていく。
【0054】
一方の巻軸41Aは、一つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さ分のセパレータ7が両ガイドローラ79,80から引き出された時点で回転停止される。続いて、(b)に示すように、セパレータ7は、両ガイドローラ79,80の間から導出された部分を保持側チャック部材82でチャッキングされた状態において、このチャッキング箇所の前側箇所(セパレータの後端位置)がカッター85で切断されることにより、一つの渦巻状電極群を構成するのに必要な所定長さとされる。そののち、所定長さのセパレータ7は、他方の巻軸41Bが図示矢印方向に回転駆動されることにより、一方の巻軸41Aから他方の巻軸41Bに巻き取られていく。
【0055】
そして、(c)に示すように、他方の巻軸41Bは、所定長さのセパレータ7における正極板8または負極板4の長さに相当する長さ分を巻き取った時点で回転が停止され、所定長さのセパレータ7の中央部が両巻軸41A,41Bの中間に位置決めされ、図5に示すようなセパレータ取付治具28に所定長さのセパレータ7が巻装されてなるセパレータカセット27が出来上がる。
【0056】
上記のセパレータカセット27は、所定長さのセパレータ7における正,負極板8,4の長さに応じて配分された各長さ分がセパレータ取付治具28における一対の巻軸41A,41Bにそれぞれ巻き付けられているとともに、各巻軸41A,41Bが、セパレータ7に引っ張り力などが作用しない限り回転しない制動力が付与されているので、所定長さのセパレータ7が各巻軸41A,41Bに弛み、延びおよび皺が生じことのない安定した巻装状態に保持される。したがって、このセパレータカセット27は、この状態で独立した単一部品として取扱うことが可能なものとなり、セパレータ加工機構77から取り出されたのちに、搬送機構(図示せず)によって図1の群巻きヘッドユニット20に向け順次移送されていく。このセパレータカセット27は、上述のように所定長さのセパレータ7のほぼ半分の長さ分ずつセパレータ取付治具28の一対の巻軸41A,41Bにそれぞれ巻き付けて構成されるので、電池の種類やサイズの相違に応じて長さや幅が異なる種々のセパレータ7に対して、同一のセパレータ取付治具28を共用して構成できる利点がある。
【0057】
つぎに、群巻きヘッドユニット20における渦巻状電極群の巻回工程について説明する。図1の作業テーブル台19の回転に伴い所定位置まで順次移送された群巻きヘッドユニット20には、上述したように、正極板加工部33から供給された正極板8が正極板取付治具30に装着されてなる正極板カセット29、負極板加工機構59で構成されたのち供給コンベア73で搬送される負極板カセット31およびセパレータ加工機構77で構成されたのちに搬送されるセパレータカセット27が、図5の斜視図および図6の概略平面図に示すような相対位置関係でそれぞれ供給されて、以下に説明するような状態に装着される。
【0058】
先ず、セパレータカセット27は、図5に示すような状態で群巻きヘッドユニット20に装着される。すなわち、セパレータカセット27は、一対の巻軸41A,41Bの下端部がそれぞれ回転自在の軸受台83内に嵌入して支持されるとともに、本体部39の保持凹部42に巻回軸受部84が嵌め込まれる。ところで、群巻きヘッドユニット20の巻回軸22は、巻芯87と補助ピン88とにより構成されており、巻芯87は、上端部が巻回軸受部84に回転自在に支持され、且つ下端部が保持筒部89内において駆動軸(図示せず)に連結されている。上述のセパレータカセット27が群巻きヘッドユニット20に装着されたときには、セパレータ7における両巻軸41A,41B間の中央箇所に巻芯87が接触される。
【0059】
そののち、保持筒部89からは、補助ピン88が、図5に2点鎖線で示すように上昇されて、その上端部が巻回軸受部84内に挿入して回転自在に支持される。これにより、セパレータ7の中央部は、巻回軸22の巻芯87と補助ピン88とにより両側から挟まれる。このとき、巻回軸22には、図6に示すように、スプリング91により回動付勢されたローラ支持レバー92に取り付けられた巻回軸支持ローラ93が軽く押し付けられる。
【0060】
一方、図1の正極板カセット29では、正極板8が正極板取付治具30内に保持された状態で群巻きヘッドユニット20に向けた所定位置までスライド移動されたのち、その正極板8が、図6に示す磁着パッド94で磁着されて正極板取付治具30からこれの下方位置に取り出される。なお、この実施の形態ではリチウム一次電池用の渦巻状電極群を構成する場合を例示しており、正極板8は、強磁性ステンレスを芯材に用いて構成されているから、上述のように磁着することが可能である。
【0061】
上記のように正極板取付治具30から取り出された正極板8は、磁着パッド94が正極板取付治具30と平行に群巻きヘッドユニット20に向けて移動されることにより、図6に示すように一対の送給用ガイドローラ90間に向け移送されて、図5に示すように、先端部が一対の送給用ガイドローラ90間に通されたのちに、巻回軸22に巻回されるセパレータ7間に挿入されて、セパレータ7に巻き込まれていく。
【0062】
また、負極板カセット31は、図7に示すカセット支持レバー99の上方へ向け移送されたのちに、所定のタイミングでカセット支持レバー99の自由端部に片持ち式に支持された受け部(図示せず)内に下部支持台部49が上方から嵌め込まれることにより、群巻きヘッドユニット20に装着される。カセット支持レバー99は、レバー支持ピン100を支点として巻回軸22に対し接離する方向に回動自在に設けられているとともに、他端部に懸架されたつる巻きばね101より他端部の受け部が巻回軸22に近接する方向に回動付勢されている。
【0063】
したがって、負極板カセット31のリング体50に巻回された負極板4は、負極板カセット31が受け部内に保持状態で群巻きヘッドユニット20に装着されたときに、つる巻きばね101の付勢力により回動付勢されたカセット支持レバー99を介し変位されて適度な力で巻回軸22に押し付けられる。このように負極板カセット31が変位するときに、負極板カセット31の作動レバー54は、作動片57が群巻きヘッドユニット20の押圧突起に当接して押圧力を受けることにより、ロックレバー53を外方に向け回動させて、リング体50に巻回されている負極板4に対するロックレバー53の押圧を解除させる。これにより、負極板カセット31のドラム部44が自由回転することが可能な状態となる。
【0064】
上述の正極板8および負極板4のセパレータ7への送り込みに先立って、セパレータカセット27は、上述した状態で群巻きヘッドユニット20に装着され終わったときに、その群巻きヘッドユニット20のサーボモータ21が対応するサーボコントローラ24の制御を受けて回転されることにより、巻回軸22がサーボモータ21によって回転され、セパレータ7の中央部分が巻回軸22に巻き付けられていく。図7は巻回軸22が図示矢印方向に向けて半回転した状態を示しており、正極板8は、サーボコントローラ24の制御を受けて回転する一対の送給用ガイドローラ90により巻回軸22に向け移送されることにより、先端部がセパレータ7に対し所定の相対位置に位置決めされて、巻回軸22に巻き付けられるセパレータ7間に巻き込まれる。
【0065】
一方、負極板4は、サーボコントローラ24の制御により、つる巻きばね101で回動付勢されたカセット支持レバー99により、巻回軸22に巻き付けられたセパレータ7に押し付けられる。このとき、負極板4の先端に貼り付けられた位置決めテープ74は、セパレータ7に接触したときに、自体の片側の粘着面がセパレータ7に貼り付けられる。これにより、負極板4は、セパレータ7に対する相対位置を高精度に位置決めされるとともに、以後の巻回工程においてセパレータ7に対し位置ずれが生じないよう保持される。
【0066】
図8(a)は、巻回軸22に巻回され始めた状態における正,負極板8,4およびセパレータ7の相対位置関係を展開状態で模式的に示した説明図であり、同図(b)は(a)における巻回軸22付近の拡大図である。この実施の形態の渦巻状電極群の製造装置では、正,負極板8,4およびセパレータ7が、それぞれカセット29,31,27に所定の配置で予め組み込まれた状態で群巻きヘッドユニット20に供給されたのちに、それぞれサーボコントローラ24の制御によって相互に位置決めされるので、極めて正確な相対位置関係に重ね合わされながら巻回されていく。実測結果によると、正,負極板8,4およびセパレータ7の長手方向の位置ずれおよび幅方向の巻きずれは何れも±0.5 mm以内とすることができた。
【0067】
図7の状態から巻回軸22が回転継続することにより、負極板カセット31のドラム部44は、自由回転可能に支持されているが、上述のように回転駆動源には連結されていないので、つる巻きばね101の付勢力によって負極板4およびセパレータ7を介在して巻回軸22に所定の加圧力で押し付けられていることによる摩擦力により、巻回軸22と共回り状態に同期回転する。したがって、負極板4は、殆ど張力が加わらないことから、薄いリチウム金属箔テープであるにも拘わらず引き延ばされるといった事態が生じることなくセパレータ7の間に巻き込まれていく。
【0068】
一方、正極板8は、これの先端部が一対の送給用ガイドローラ90間に送り込まれ、これの後端部が図7に示すチャック部材97でチャッキングされた状態で支持されながら、一対の送給用ガイドローラ90の回転駆動によってセパレータ7間に巻き込まれていく。また、チャック部材97は、図7に示すように、スプリング98によって群巻きヘッドユニット20から離間する方向に軽く付勢されているので、正極板8は、適度な張力を付与された状態で一対の送給用ガイドローラ90によって移送方向を規制されながら巻回軸22に向け送り込まれて、セパレータ7間に巻き込まれていく。これにより、正極板8はセパレータ7に対する位置ずれが生じることなく、且つ弛みを生じることなく巻回される。
【0069】
また、巻回軸支持ローラ93は、巻回軸22に巻回されていく電極群に対しスプリング91の付勢力によって押し付けられて、電極群を弛みなく固くしっかりと巻回させるとともに、負極板カセット31のドラム部44と共に巻回軸22を両側から挟み付けるようにして巻回軸22の撓みを可及的に小さくするよう機能する。
【0070】
図9は渦巻状電極群103の作製が完了する直前の状態を示しており、正,負極板8,4およびセパレータ7の殆どが巻回軸22に巻き取られている。このとき、負極板4は、これの後端部が真空吸着孔51を通じてドラム部44のリング体50に吸着されて弛みのない状態で確実に巻きつけた状態に吸着保持されているので、最後までしわや巻きずれが生じることなく極めて円滑に巻回されていく。この負極板4の後端部に対向する真空吸着孔51による真空吸着は、サーボコントローラ24の制御により、負極板4がリング体50から離れる直前のタイミングで解除される。
【0071】
また、負極板カセット31は、渦巻状電極群103の径が大きくなる変化に追従してカセット支持レバー99の回動を介し巻回軸22から離間する方向に変位されることにより、巻回に伴い径が大きくなっていく渦巻状電極群103の外周面に対し負極板4が常にほぼ一定の押圧力で直接的に押し付けられて、ドラム部44が電極群103と共回り状態に同期回転する。したがって、ドラム部44の回転速度は、巻回軸22の回転速度が常に一定であるにも拘わらず、渦巻状電極群103の径が大きくなっていくのに伴って自動的に速められていく。その結果、負極板4の送り速度は、渦巻状電極群103の径が大きくなって巻き取り速度が速められていくのに対応して自動的に速められ、常に安定した最適値に自動的に可変調節されることになる。これにより、薄いリチウム金属箔テープからなる負極板4は、渦巻状電極群103の巻回工程においても殆ど張力が加わらず、引き延ばされることがない。
【0072】
巻回される渦巻状電極群103は、つる巻きばね101および巻回軸支持ローラ93による加圧力によって巻回軸22とドラム部44のリング体50との間に作用する摩擦力で適度な固さに巻き締められ、負極板4は、渦巻状電極群103の巻回時に作用する加圧力によって窪みを生じたり、所要値よりも厚さを減らすといったことが殆ど無い。
【0073】
一方、正極板8は、これの後端部が一対の送給用ガイドローラ90間に引き込まれる直前のタイミングでチャック部材97によるチャッキングが解除される。図1の作業テーブル台19が約半周回転する間には、上記の正,負極板8,4およびセパレータ7の全てが巻回軸に巻き取られ、最後に、負極板4の片側に貼着した外周テープ(図示せず)が渦巻状電極群103の外周面に巻き付けられて弛み止めされ、渦巻状電極群103が完成する。
【0074】
この渦巻状電極群103の巻回工程では、群巻きヘッドユニット20の設置箇所とは別の正極板加工部33および負極板加工機構59において、所定長さの正,負極板8,4を予め正,負極板取付治具30,32に取り付けてなる正,負極板カセット29,31を構成するとともに、やはり群巻きヘッドユニット20の設置箇所とは別のセパレータ加工機構77において、所定長さのセパレータ7をセパレータ取付治具28に取り付けてなるセパレータ取付カセット27を構成し、これらカセット29,31,27を群巻きヘッドユニット20に供給して渦巻き状に巻回するようにしている。したがって、各カセット29,31,27の供給を受けた群巻きヘッドユニット20は、環状の移送路に沿って一回りするまでの搬送過程において渦巻状電極群103を構成すればよいので、群巻きヘッドユニット20を、作業テーブル台19の外周端に沿って多数配設することができる。そのため、この製造装置では、図11に示した製造装置のように単一の箇所で巻回して渦巻状電極群を構成する場合に比較して、生産性が格段に向上する。
【0075】
なお、上記実施の形態では、群巻きヘッドユニット20を、作業テーブル台19の外周端に沿って環状に配設して、作業テーブル台19の回転に伴い環状の移送路に沿って循環させる構成を例示して説明したが、群巻きヘッドユニット20を、直線的な移送路に沿って循環させるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、リチウム一次電池用の渦巻状電極群103を構成する場合を例示して説明したが、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池などのその他の殆どの電池の渦巻状電極群を製造する場合にも適用することができ、その場合には、図10に示すような構成とする。同図において、図6と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
上記製造装置では、負極板カセット31およびセパレータカセット27として一実施の形態と同じものを用いるが、正極板5は、一実施の形態の負極板カセット31と同様に、ドラム部44に巻き付けて正極板カセット35とした形態で群巻きヘッドユニット20に供給して、負極板カセット31の負極板4と正極板カセット35の正極板5とでセパレータカセット27のセパレータ7を挟み付ける状態に押し付ける配置として電極群103を巻回する構成になっている。したがって、この製造装置では、正極板カセット35が、一実施の形態の負極板カセット31と同様に、レバー支持ピン100を支点に回動自在に支持されてつる巻きばね101で回動付勢されたカセット支持レバー99に装着される。これにより、この製造装置では、一実施の形態の巻回軸支持ローラ93が不要となる。
【0078】
なお、角形電池用の渦巻状電極群を構成する場合には、巻芯87と補助ピン88とからなる巻回軸22を、横断面角形の形状にすればよい。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明の渦巻状電極群の製造方法および製造装置によれば、各極板およびセパレータをカセット化して複数の群巻きヘッドユニットに供給し、群巻きヘッドユニットが移送路に沿って循環する過程において、群巻きヘッドユニットがセパレータカセットのセパレータを巻回軸で巻回しながら、このセパレータに極板カセットから供給される各極板を巻き込んで渦巻状電極群を作製するようにしたので、複数箇所で同時に巻回することができるから、生産性が格段に向上する。また、極板をドラム部に巻き付けて巻き終わり端部をロック手段に仮止めすることによって極板カセットを構成するとともに、セパレータを各々の両側の半分に相当する長さ分を一対の巻軸に巻き取ってセパレータカセットを構成するので、長さや幅の異なる極板およびセパレータに対しても、同一の取付治具を共用してセパレータを構成することができ、種々の電池の渦巻状電極群を同一装置で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る渦巻状電極群の製造方法を具現化した製造装置を示す要部の斜視図。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ同上の製造装置に用いられるセパレータ取付治具、負極板取付治具および正極板取付治具を示す斜視図。
【図3】同上の製造装置における負極板加工機構の全体構成を模式的に示した概略正面図。
【図4】(a)〜(c)は、同上の製造装置におけるセパレータ加工機構のセパレータカセットを構成する製造過程を工程順に模式的に示した工程図。
【図5】同上の製造装置における群巻きヘッドユニットに供給された正,負極板カセットとセパレータカセットとの相対位置関係を示す斜視図。
【図6】図5の状態における概略平面図。
【図7】同上の製造装置における巻回軸が半回転した状態を示す概略平面図。
【図8】(a)は同上の製造装置における巻回軸に巻回され始めた時点での正,負極板およびセパレータの相対位置関係を展開状態で模式的に示した説明図、(b)は(a)の巻回軸付近の拡大図。
【図9】同上の製造装置における渦巻状電極群の作製が完了する直前の状態の概略平面図。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る渦巻状電極群の製造装置における群巻きヘッドユニットに供給された正,負極板カセットとセパレータカセットとの相対位置関係を示す概略平面図。
【図11】従来の渦巻状電極群の製造装置を示す概略正面図。
【符号の説明】
4 負極板
5,8 正極板
7 セパレータ
19 作業テーブル台
20 群巻きヘッドユニット
21 サーボモータ(駆動源)
22 巻回軸
24 サーボコントーラ
27 セパレータカセット
28 セパレータ取付治具
29 正極板カセット
30 正極板取付治具(一方の極板取付治具)
31 負極板カセット(一方の極板カセット)
32 負極板取付治具
33 正極板加工部(他方の極板加工機構)
35 正極板カセット
40 係合用スリット
41A,41B 巻軸
44 ドラム部
47 支軸部
48,49 支持台部
53 ロックレバー(ロック部材)
57 作動片
59 負極板加工機構(一方の極板加工機構)
72 搬送コンベア(搬送機構)
73 供給コンベア(搬送機構)
74 位置決めテープ
77 セパレータ加工機構
78 テンションローラ(テンション付与部材)
79,80 ガイドローラ(ガイド部材)
81 引出し側チャック部材(チャック部材)
84 巻回軸受部
85 カッター
87 巻芯
88 補助ピン
89 保持筒部
90 送給用ガイドローラ
94 磁着パッド(保持パッド)
97 チャック部材
98 スプリング(弾性部材)
99 カセット支持レバー
100 レバー支持ピン
101 つる巻きばね(弾性部材)
103 渦巻状電極群

Claims (12)

  1. 帯状の正,負極板をこれらの間にセパレータを介在させて重ね合わせながら渦巻き状に巻回してなる電池用の渦巻状電極群を製造する方法において、
    1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さとした前記正極板、前記負極板および前記セパレータを個々の取付治具に引出し可能または巻回可能にそれぞれ装着して個々のカセットを構成し、
    これら正極板、負極板およびセパレータの前記各カセットを、所定の移送路に沿って循環する複数の群巻きヘッドユニットにそれぞれ順次供給して装着したのちに、
    前記群巻きヘッドユニットを循環移送する過程において、前記セパレータカセットの前記セパレータの長手方向の所定箇所の両面側に、前記正極板カセットおよび前記負極板カセットからそれぞれ供給される前記正極板および前記負極板の各々の先端部を所定の相対位置に位置決めして、前記正,負極板および前記セパレータを重ね合わせながら前記群巻きヘッドユニットの回転駆動される巻回軸の回りに巻き付けていくことを特徴とする渦巻状電極群の製造方法。
  2. 複数の群巻きヘッドユニットを移送路に沿って一方向に循環させるとともに、前記移送路における供給位置に順次移送される前記群巻きヘッドユニットに正,負極板カセットおよびセパレータカセットをそれぞれ装着し、前記群巻きヘッドユニットが移送過程において前記正,負極板カセットをこれらの間に前記セパレータを介在して重ね合わせながら巻回した渦巻状電極群を前記移送路における取出位置で搬送手段に送出し、前記両極板カセットおよび前記セパレータカセットにおける前記両極板および前記セパレータをそれぞれ供給し終えた極板取付治具およびセパレータ取付治具を、前記移送路における排出位置で搬送手段に送出するようにした請求項1に記載の渦巻状電極群の製造方法。
  3. 正,負極板カセットのうちの少なくとも一方の極板カセットは、極板取付治具の自由回転可能となったドラム部の外周面に所定長さの極板を巻き付けて、その極板の巻き終わり端部を弛みが生じない状態に仮止めして構成し、セパレータカセットは、回転自在に設けられた一対の巻軸に、所定長さのセパレータのうちの正,負極板の長さに応じて配分した各長さ分をそれぞれ巻き取って、前記セパレータを前記両巻軸間に架け渡す状態に装着して構成した請求項1または2に記載の渦巻状電極群の製造方法。
  4. セパレータカセットは、セパレータを供給源から引き出しながらセパレータ取付治具の一対の巻軸の各係合用スリットに挿通し、次いで一方の巻軸を回転させ、前記セパレータにおける1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さにほぼ相当する長さ分を巻き取った後に、前記セパレータの後端位置をカッターによって切断し、続いて他方の巻軸を回転させて前記セパレータにおける正、負極板の長さに対応する長さ分を前記一方の巻軸から巻き取って形成されることを特徴とする請求項3に記載の渦巻状電極群の製造方法。
  5. 帯状の正、負極板をこれらの間にセパレータを介在させて重ね合わせながら渦巻き状に巻回してなる電池用の渦巻状電極群を製造する装置において、
    1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さとした正、負極板を個々の取付治具に引出し可能または巻回可能にそれぞれ装着して構成された正、負極板カセットと、
    互いに平行な配置で共に回転自在に支持された一対の巻軸を有し、所定長さのセパレータがその長手方向の両端部を前記巻軸の各々の軸心に沿って形成された係合用スリットに係合され、且つ前記セパレータのうちの前記正,負極板の長さに応じて配分した各長さ分がそれぞれ前記両巻軸に巻き付け状態に保持されたセパレータカセットと、
    移送路に沿って循環するよう配設された複数の群巻きヘッドユニットとを備えてなり、
    前記各群巻きヘッドユニットは、前記移送路における供給位置で前記正、負極板カセットおよび前記セパレータカセットが順次装着されたのちに、前記移送路を循環する過程において、自身の巻回軸に接触された前記セパレータの所定位置の両面側に供給される正極板および負極板の先端部を所定の相対位置に位置決めして重ね合わせながら、回転駆動される前記巻回軸に巻き付けて渦巻状電極群を作製するよう構成されていることを特徴とする渦巻状電極群の製造装置。
  6. 群巻きヘッドユニットの巻回軸は、一端部が保持筒部内において駆動源に連結され、且つ他端部が巻回軸受部に回転自在に支持されて、前記群巻きヘッドユニットに装着されるセパレータカセットにおけるセパレータの長手方向の中間の所定位置が接触される巻芯と、この巻芯がセパレータに接触された後のタイミングで前記保持筒部から突出されて前記巻芯と共に前記セパレータの長手方向の中間部の所定箇所を両面側から挟み付ける補助ピンとにより構成されている請求項5に記載の渦巻状電極群の製造装置。
  7. 正、負極板カセットのうちの少なくとも一方は、自由回転可能に支持されたドラム部の外周面に所定長さの帯状の極板が巻き付けられているとともに、その極板が巻き終わり端部に接離可能に当接されたロック部材により弛み止めされて前記ドラム部に巻装状態に保持されて構成されている請求項5または6に記載の渦巻状電極群の製造装置。
  8. 各群巻きヘッドユニットは、巻回軸を回転駆動するモータと、前記群巻きヘッドユニットに装着された正,負極板カセットおよびセパレータカセットをそれぞれ作動制御するとともに、前記モータを回転制御するコントローラとを個々に備え、
    前記コントローラが、巻回軸に前記セパレータカセットのセパレータが接触した時点で前記モータを制御して前記巻回軸を回転始動させたのち、一方の極板の先端部を前記巻回軸とこれに巻回されるセパレータとの間に送給させるとともに、他方の極板カセットにおけるドラム部に巻装された他方の極板を前記巻回軸に巻き付けられるセパレータに所定の圧力で接触させて他方の極板の先端部に設けた位置決めテープをこれの粘着性でセパレータに付着させるよう制御する構成になっており、
    前記ドラム部は、他方の極板とセパレータとの間に作用する摩擦力により前記巻回軸に共回り状態に回転するようになっている請求項7に記載の渦巻状電極群の製造装置。
  9. 少なくとも一方の極板カセットは、対面する一対の支持台部間に両端部を回転自在に支持されて自由回転可能となった支軸部に、外周面に前記極板が巻き付けられるドラム部が外嵌固定され、前記支持台部に回転自在に支持され、前記ドラム部に巻装されている極板の巻き終わり端部に弾性部材の付勢力により押し付けられるロックレバーに、前記極板カセットが群巻きヘッドユニットに装着されるタイミングで前記ドラム部から離間する方向への回転力を受けるための作動片が突設された構成を有し、
    群巻きヘッドユニットは、レバー支持ピンを支点に回動自在となって一端部に前記極板カセットが装着されるカセット支持レバーと、このカセット支持レバーの他端部に懸架されて前記極板カセットのドラム部に巻装された極板を巻回軸またはこれに巻き付けられたセパレータに押し付けるよう前記カセット支持レバーを回動付勢する弾性部材とを備えている請求項5または6に記載の渦巻状電極群の製造装置。
  10. 少なくとも一方の極板カセットは、取付治具に極板が保持され、且つ前記極板を群巻きヘッドユニットに近接する所定位置までスライド移動される構成を有し、
    群巻きヘッドユニットは、前記所定位置までスライド移動された前記極板を保持して前記取付治具から取り出したのちに前記極板の先端部を一対の送給用ガイドローラ間に挿入させる保持パッドと、この保持パッドに保持された前記極板をチャッキングして保持するチャック部材と、このチャック部材を付勢して前記チャック部材をこれの後方へ付勢する弾性部材とを有している請求項5または6に記載の渦巻状電極群の製造装置。
  11. 正、負極板取付治具並びにセパレータ取付治具に所定長さの極板およびセパレータをそれぞれ取り付けまたは巻装して正、負極板カセット並びにセパレータカセットを構成する正、負極板加工機構並びにセパレータ加工機構と、
    円形の外周端に沿って複数の群巻きヘッドユニットが配設され、回転されることにより前記各群巻きヘッドユニットを円形の移送路に沿って循環させる作業テーブル台とを備え、
    前記移送路には、前記各加工機構から搬送された前記各カセットが前記群巻きヘッドユニットに装着される供給位置と、正、負極板並びにセパレータをそれぞれ供給し終えた空の前記各取付治具を前記各加工機構への搬送機構に送出する排出位置とが設定されている請求項5〜10の何れかに記載の渦巻状電極群の製造装置。
  12. セパレータ加工機構は、
    供給源から繰り出されて先端部がガイド部材に保持されているセパレータに所要の張力を付与するテンション付与部材と、セパレータ取付治具が所定位置に保持されたときに一対の巻軸に対し回転伝達可能に連結される一対の駆動軸と、前記ガイド部材に保持されている前記セパレータをこれの先端部をチャッキングして引出しながら前記一対の巻軸の各々の係合用スリットにそれぞれ挿通させるチャック部材と、前記セパレータを切断するカッターとを備え、
    一対の前記巻軸の各係合用スリットに前記セパレータを挿通したのちに回転駆動させる一方の前記巻軸に、前記セパレータにおける1つの渦巻状電極群を構成するのに必要な長さにほぼ相当する長さ分を巻き取り、前記カッターにより前記セパレータにおける前記ガイド部材による保持箇所の近傍位置を切断し、続いて回転駆動させる他方の前記巻軸に、前記セパレータにおける正極板または負極板の長さに対応する長さ分を一方の前記巻軸から巻き取るように構成されている請求項5に記載の渦巻状電極群の製造装置。
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