JP4166695B2 - 音響再生システム - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、音響再生システムに関連するものである。
本発明は、特に、しかしながらこれに限らず、記録空間内の例えばある概念的な頭の耳の位置で記録された信号が、複数のスピーカ・チャンネルを介して再生されることにより聴取空間内に再現されるという音の立体音響再生に関係するものであり、本システムは、聴取空間内の複数の位置において、記録空間内の対応する位置で得られる聴覚的効果を合成することを目的として構成されている。

1 はじめに
1.1 発明の背景
‘ステレオ・ダイポール'[1](及び特許明細書WO97/30566)及び‘オプティマル・ソース・ディストリビューション’[2](及び特許出願No.PCT/GB01/02759、2001年6月22日出願)の仮想音像システムの開発は、制御変換器の方位角位置に関するものであった。従来、スピーカによるバイノーラル再生のための変換器の仰角位置は、方位角位置よりもさらに注目されていなかった。過去のほとんどの研究では、変換器が、通常、聴取者の頭を含む水平面上に置かれている。この慣行はおそらく、仮想音像が変換器と同じ仰角に認識されるステレオ方式からきたものである。ほとんどの物体が地面上にあるという事実により、日常生活における音源のほとんどは水平面上にあるため、変換器を水平面上に置くのは自然な選択であった。ときには物理的な制約から、変換器を水平面よりやや上方あるいは下方に置かなくてはならないこともあった。しかしながら、バイノーラル技術は、基本的にどの方向から到来する音波の合成も可能とするため、変換器の位置を水平面上に制限する理由はない。
以下、5のセクションにおいて、制御変換器が聴取者の前方の水平面上になくても、スピーカによるバイノーラル合成を非常に効果的に作用させることができることを示す研究について論じる。
バイノーラル再生における最も重大な誤りが前後方向の混同であることは周知である。スピーカによる合成の場合、この混同はしばしば後方の音像が前方に、すなわち制御変換器の方向に認識されるという偏り誤差を生じさせる[3]。制御変換器が前頭面(頭の横断面)の近辺に置かれている場合は、前後半球の境界にあるため、この偏り誤差が生じにくいと考えられる。
制御変換器の様々な仰角位置の特徴を調べるため、スペクトル手がかりと動的手がかりの解析が行われた。一般に聴取者の頭上にある前頭面上の位置は、制御変換器の選択位置として有望であることが判明した。仰角0°及び90°という2つの代表的な制御変換器の位置を比較するために、被験者実験が行われた。両耳間軸極座標系(図1)が人の聴覚機能の特性と良く一致するため、本明細書を通して、便宜上この座標系が用いられている。

1.2 発明の概要
本発明の一つの見方によると、音響再生システムは、電気音響変換器手段と、複数チャンネルの録音に応じて電気音響変換器手段を駆動するための変換器駆動手段とを含み、電気音響変換器手段は、使用時に間隔をおいて配置される音響放射器を含み、変換器駆動手段は、音響放射器の特性及び聴取者の耳に対する予定された位置を考慮し、かつ聴取者の頭部伝達関数を考慮して、録音空間内の聴取者の耳の位置に存在するであろう局所的な音場に近似した音場を聴取者位置に再生する目的で設計及び構成されたフィルタ手段を含み、電気音響変換器手段は、聴取者位置にいる聴取者の両耳間軸から離れて位置しており、また前記両耳間軸を含む平面であって、同様に前記両耳間軸を含む基準水平面に対して傾斜している平面内に実質上位置している少なくとも1対の音響放射器を含んでおり、前記水平面に対する前記傾斜している平面の傾斜角度は、60°乃至120°の範囲内にある。
ここでの「水平である」とは、もちろん通常は頭が直立している状態であるが、予定される聴取者の頭の方向に対して水平であることをいう。
従って、水平面に対して60°乃至120°の傾斜角度を有する平面内に、変換器対を置く。
変換器対は頭の下方より上方にあることが望ましいが、変換器対を前記傾斜平面内の頭より下方に置くほうが有利な場合もありうる。
傾斜角は75°乃至105°の範囲内にあることが望ましい。
変換器対は前半球に置くことが望ましいが、後半球に置いてもよい。
電気音響変換器手段は2対以上の変換器で構成されていてもよい。複数の変換器対は、実質上共通の傾斜平面内に置かれることが望ましいが、異なる傾斜平面内に置かれてもよく、その場合それぞれの平面は、前記水平面に対して60°乃至120°の範囲内の角度にあることが望ましい。
電気音響変換器手段は、1対の軸上変換器、すなわち実質上両耳間軸上において頭の位置の両側に置かれた変換器対を含んでいてもよい。
複数の変換器対がある場合、相対的に高い周波数帯域の駆動出力信号は、前記音響放射器対のうち聴取者の頭の位置において相対的に小さな方位角をなす第一の変換器対を励振するようにしたほうが好ましく、相対的に低い周波数帯域の駆動出力信号は、前記音響放射器対のうち聴取者の頭の位置において相対的に大きな方位角をなす第二の変換器対を励振するようにしたほうが好ましい。
フィルタ手段は逆フィルタ手段を含むことが望ましく、逆フィルタ手段はクロストーク除去フィルタ手段を含むことが望ましい。
変換器対の上方あるいは下方の位置を十分に考慮した上で、上述のWO97/30566及び特許出願PCT/GB01/02759の明細書で論じられているフィルタ設計法を利用することが望ましい。

1.3 図面の簡単な説明
添付の図面を参照し、単なる一例として本発明がさらに説明される。

2. 音響伝播系の逆変換
音響伝播系の逆変換を行う際には、所望の信号スペクトルの合成を行うため、音響伝播系の伝達関数のピークやディップが逆フィルタによって抑制されたり埋められたりする。従って、このプロセス、すなわち音響伝播系応答の補正を通して、ある程度のダイナミック・レンジが失われる。この点において、著しいピーク及びディップを有する音響伝播系応答よりも平坦な音響伝播系応答が好ましい。さらにまた、個々の音響伝播系HRTFsと設計音響伝播系HRTFsとの不一致が、しばしば誤ったスペクトルの合成をもたらすことが明らかになっている[3]。ノッチはその位置が個々に大きく異なりうるため、正しく除去される可能性が低く、ノッチがある場所にこの不一致が生じる可能性が最も高い。音響伝播系の逆変換が他の方向より容易な仰角方向がある可能性もある。従って、この可能性を検討するために、‘オプティマル・ソース・ディストリビューション’と‘ステレオ・ダイポール’の両システムに関する音響伝播系応答が測定された。

2.1 音響伝播系応答の測定
図2に例示した3ウェイOSDシステムを用いた。20kHzまでの周波数帯域をカバーするために6.2°の範囲にわたる高周波数ユニット対が選ばれ、できるだけ低い周波数帯域をカバーするために180°の範囲にわたる低周波数ユニット対が選ばれた。中間周波数ユニット対の範囲は32°である。‘ステレオ・ダイポール(SD)’システムは、その変換器が方位角方向において10°の範囲にわたる1ウェイのシステムとして定義された。
異なる周波数帯域をカバーするそれぞれのドライバ・ユニットは、極力同じような特性を有するように選ばれた。これらのドライバは密閉型キャビネットに入れられ、円形の鉄製フレームに取り付けられた。これにより、聴取者の頭とドライバ・ユニットの正確な位置関係が保たれた(図3)。制御変換器が取り付けられたこの円形の鉄製フレームは、様々な仰角方向に関する音響伝播系を得るために、両耳間軸を中心に仰角−180°から180°まで1°刻みで回転させられた。この規則正しい刻み幅で抽出された角度位置には、変換器及び円形フレームに求められる形状と大きさのため、仰角−85°及び95°を中心とする方向に、10°の空白が存在する。ユニットと頭の中心(両耳間軸と正中面との交点)との間の距離は1.4mに設定された。様々なクロスオーバー・フィルタの種類のうち、ここではパッシヴ・クロスオーバー・ネットワークが用いられた。3ウェイOSDシステムのためのカットオフ周波数は450Hz/3500Hzであった。
音響伝播系行列は、無響室の中でKEMARダミーヘッド・マイクロフォンを用い、88.2kHzのサンプリング周波数においてM系列信号(MLS)測定法により得られた。データは44.1kHzにダウンサンプルされた。2セットの音響伝播系行列を得るために、左の耳介にはDB−061型、右の耳介にはDB−065型が用いられた。しかしながら、DB−065によって得られたデータが後の評価に用いられた。それぞれのスピーカ・システムの自由音場応答も自由音場マイクロフォンを用いて測定された。

2.2 音響伝播系の解析
図4は、様々な仰角に対するOSDシステムの音響伝播系HRTFsの周波数応答を示す。5kHzを超える帯域でいくつかの顕著なディップが見られる。ディップがある周波数は、前半球では制御変換器の仰角が大きくなる(上方向に)につれて高くなり、引き続き後半球で仰角が大きくなる(下方向に)につれて再び低くなる。これらのディップを伴う周波数は、前頭面に関してほぼ対称であり、従って前後方向の逆転の原因である可能性が高い。一方、ディップを伴う周波数は、上下方向には著しく異なっている。従って、スペクトル形状の類似性の観点からすれば、上下方向の逆転は前後方向の逆転と比べてはるかに生じにくいと考えられる。
一般的に、後半球より前半球における方が周波数応答は強い。後下四半球における応答には無数のディップがあるうえ一般的に弱いため、この領域は、制御変換器の位置としてあまり有益ではないと考えられる。一方、仰角90°付近を中心とする領域(仰角60°から120°の間)は、音響伝播系が顕著なディップもなく比較的平坦で滑らかな応答を有するため、注目に値する。この音響伝播系応答の特徴は、単に前後半球の境界上にあることに対して、追加的な物理的に裏付けされた利点を与えるものである。頭上位置の不利な点は、12kHzを超える高周波数応答が前方向における高周波数応答に比べて弱いことである。
様々な仰角に対するSDシステムの音響伝播系の周波数応答を図5に示す。SDシステム用の制御変換器の方が12kHzより上の応答が弱いことを除いて、一般的な傾向はOSDシステムと同じである。実際、スペクトル形状の仰角依存性は、方位角方向に関わらず比較的一定である。このことは、方位角方向±50°の応答と正中面方向の応答を示している文献[4]を見ても分る(図6)。最も顕著な方位角依存性は、音源が正中面から遠ざかるにつれて、仰角の変化に従って周波数応答のディップにより形成される傾斜がゆるくなることである。
OSDシステムとSDシステムの音響伝播系行列の条件数を図7に示す。図7aは制御変換器にとって前半球のほうがより良い位置であるということを示唆しているが、これは理想的なOSDの離散化が前半球について最適化された結果かもしれない。10kHzから12kHz付近にあるSDシステムに固有な制御不能領域のため画像が不鮮明であるが、図7bも同様の結果を示唆している。この状態の悪い周波数が、仰角0°及び±180°周辺(水平面)における仰角依存性を有する特徴的なディップと一致することは、注目に値する。これによって、SDシステムによる水平面方向へのより強い偏り誤差の傾向を説明できよう。

3. 動的手がかり
音が前から来るのか後から来るのかの判断がスペクトル手がかりではあいまいな場合、聴取者は頭の動きによる手がかりの動的変化を利用することがあることも知られている。図8は、前後方向の識別に使われていると思われる、頭の水平回転運動に関連した両耳間時間差(ITD)を示している。加えて、頭の水平回転運動は、視覚を含む全ての感覚による物体の定位過程において最も生じやすい動作である。ITDは文献[4]に記述されているのと同じ方法で計算されている。音源は、正中面上の仰角0°から90°まで10°間隔に設定されている。上半球の音源によるITDの変化を例示するため、−180°から180°まで頭が水平回転したときのITDが座標で示されている。下半球にある音源によるITDの変化は同様な傾向を示すが、ここでは例示されていない。ITD曲線の傾きは、その仰角に応じたITDの動的変化を示す。前の音源方向はほとんどの場合負の変化を生じ、後ろの音源方向では正の変化を示す。
過去の多くの事例で用いられてきたように、制御変換器が仰角0°(水平面前方)にある場合は、頭の水平回転運動は常に負のITD変化、より具体的には仰角0°の前方音源に対応する負の値を生じる。このことは−40°から40°までの水平回転によるITDの変化の例を示す図9aに例証されている。しかしながら、制御変換器が仰角90°(前頭面上)にある場合には、水平回転運動によるITD変化は全くない(図9b)。これは実際の音環境の中では、音源が頭の直上か直下にある場合にのみ当てはまる。それゆえ、水平回転運動は前後方向のあいまいさを解決する追加的情報を与えるわけではないが、系統的な偏り誤差(この例では前方向への偏り)につながる‘誤った’手がかりを与えることはない。
仮想音環境の合成のためには、制御フィルタが頭の動きに応じて調整されない限り、基本的に頭の動きは制限される必要がある。しかしながら、特に実際の条件下では、制御不可能な頭の動きや、頭の動きに応じて調整されるべき制御フィルタの調整誤差がしばしば存在する。それゆえ、制御変換器を前頭面内、特に上半球内(頭上)に置くことは、他の位置に比べて優位性がある。

4. 他の配慮
聴取者が音源の高さをはっきり判断できない場合、現実の音環境において最も可能性が高いために、人がデフォルトとして水平面内の方向を取る傾向にあるということは周知の現象である。よって、上下方向への偏った認識が生じる懸念は、ある程度緩和される。
被験者に対して音響情報とともに仮想の視覚情報も提示する場合には、変換器が聴取者の視野内に存在するのを避けることが望ましい。このことは、聴取者の全視野に渡って仮想の視覚情報を提示することを目的としたシステムにとって、特に重要である。これは−90°から90°の間の仰角方向は避けるべきだということを意味している(図10)。

5. 被験者実験
上記の分析は、仰角90°(上半球の前頭面内)が数々の利点を持っており、通常の仰角0°(前方の水平面内)の位置に対する有力な代替位置となりうるということを強く示唆している。この所見を実証するために1組の被験者評価が行われた。仰角0°と90°の両方向に対してOSDシステムによる定位実験が実施された。さらに、頭の回転運動により生じる誤った動的情報がある場合の定位実験も実施された。

5.1 実験方法
逆フィルタは、ディジタル信号処理器を用いて実現された。文献[2]に記載された数多くの方法のうち、単一の2行2列の音響伝播系行列をもとに逆フィルタHが設計された。正常な聴力を持ち聴覚疾患歴のない3人の若い大人が、有償の被験者として参加した。評価は無響室内で行われた。
複雑な音環境を構成する最も基本的な要素であることから、様々な方向から到来する1つの入射音波の実現について調査が行われた。対数周波数軸上で平坦な応答を持つことから、ピンクノイズが音源信号として用いられた。MITメディア・ラブにおいて測定されたHRTFデータベース[5]が、それぞれの音波の到来方向に対応するバイノーラル・フィルタに用いられた。
被験者間の体格の違いに関わらず頭を正しい位置に置くため、調整可能な椅子と小さなヘッドレストが用いられた。被験者の頭は常に正しい位置から(10mmの範囲にあったと考えられる。ヘッドレストは頭の動き、特に被験者に誤った定位手がかりを与える可能性のある水平回転運動をきちんと制限した。認識された方向の座標を割り出すための指針を与えるために、被験者の頭は細い金属ワイヤで作られた球形格子で囲まれていた(図11)。格子は水色に塗られ、半径1mの垂直軸極座標系を形づくっていた。被験者にとっては両耳間軸極座標系よりこの座標系のほうがなじみが深いと考えられた。方位角を赤い数字で、仰角方向を青い数字で標示したワイヤが15°おきに設けられていた。被験者が基準座標系を見ずに方向を伝えると大きな誤差が生じうることが、予備実験で確認された。特にその方向が後半球にある場合、座標を伝える際の誤差の大きさは40°にも達した。座標系の基準が見えることにより、主として定位精度が5°よりはるかに高い前半球において視覚に関連する誤差が増大したのと引き替えに、この誤差は約5°まで小さくなった。視覚情報の影響を最小限にするために、黒色の音響的に透明な薄い布地が金属ワイヤに支えられて被験者を取り囲んでいた。被験者には、このスクリーンの外側のものは何も見えなかった。
各試験の前に、合成方向を有する59のピンクノイズの刺激が、0.5秒間隔で2秒間ずつ提示された。これには、後の定位試験で用いられる方向とは異なる方向が用いられた。一連の刺激は、垂直軸極座標系と一致していた。このセッションの目的は、非常に珍しい音源信号や音環境に被験者を慣れさせることであった。短い休憩の後、一連の定位試験が行われた。
各刺激は、基準信号と試験信号とで構成された。各試験信号の前に、方位角0°及び仰角0°の方向、すなわち聴取者の真正面の方向に、基準信号が提示された。両信号とも同じ音源信号を持ち、基準信号は3秒間、試験信号は5秒間の長さで、その間に3秒間の間隔があった。図12に示された方向が、下方を除く全半球方向からの均等なサンプリング密度を確保するよう、提示方向に選ばれた。これらの方向は、それぞれが、両耳軸間極座標系において−80°、−60°、−40°、−20°、±0°、+20°、+40°、+60°、あるいは+80°における等方位角方向の円錐のうちの1つの、ほぼその円錐上にあるように選ばれた。正中面に関して対称な2つの方向があった場合には、実験時間を短縮するために片方が省略された。黒丸は定位試験に用いられた方向を表す。省略された方向は白丸で示されている。提示順序の影響を避けるため、提示順序は無作為に選ばれた。基準信号は、この提示順序の影響を打ち消すだけでなく、単耳スペクトル手がかりにとって重要な音源信号スペクトルの予備的知識を、被験者に与えた。
頭の動きに関連した動的手がかりが生じるのを避けるために、被験者は、真っ直ぐ前方を見て、刺激が提示されている間は頭や体を動かさないように指示された。指示に従っていることを確認するために、被験者の動きは実験者によって監視された。被験者の頭は物理的には固定されておらず、被験者は頭をヘッドレストに寄り掛からせるように指示された。被験者は、各試験刺激が止まった後に頭を回転させて音の方向を判断し、それを実験者に伝えるように指示された。被験者が判断に困った際には、その刺激、すなわち基準信号と試験信号のセットが繰り返された。被験者が2以上の異なる音の方向を認識したときには、2以上の方向を選択することが許された。しかし、そのような判断が生じたのは、ほんの数例だけであった。

5.2 頭上の制御変換器による定位性能
認識された仮想音源方向が図13に示されている。黒丸は認識された方向を示し、その大きさはその認識の頻度を示す。提示された方向は白丸で示されている。制御変換器が仰角0°の位置にあるときの結果を図13aに示す。反応は水平面(仰角0°及び±180°)方向に向かって集まっている。頭の真上や真下の領域にはほとんど認識されていない。制御変換器が仰角90°の位置にあるときの結果を図13bに示す。反応は様々な仰角に渡ってより均等に分布している。しかしながら、仰角80°近辺(制御変換器の仰角付近)と仰角−140°近辺(後下四半球)の集まりが見受けられる。前下四半球での認識が比較的少ない。仰角90°にある制御変換器により示される特徴は、視覚情報と同時に仮想音響環境を提示する場合に特に都合がよいと思われる。それは視覚用システムによって提示される映像が、聴覚認識を前方に移動させる可能性が高く、従って誤差を小さくするからである。
認識された方向を、方位角方向と仰角方向とに分離したものを図14及び図15に示した。2種類の仰角変換器位置は、ともに非常に良い方位角定位性能を示した。図14では、各方位角方向に提示された全ての反応の中央値(四角いマーカ)、25パーセンタイル及び75パーセンタイル(星型のマーカ)が座標で示されている。両位置の間に差はほとんどない。逆に、どちらの変換器位置でも、仰角定位がはるかに難しいことが分った。従って、図15では全ての反応が座標で示され、各黒丸の大きさはその方向に対する反応の数を示している。破線は制御変換器の方向を示す。変換器の仰角が0°の場合の反応を示す図15aでは、水平面周辺への集中が目立っている。変換器の仰角が90(の場合を示す図15bでは、結果がやや分散しているが反応の偏りはより小さい。

5.3 誤った動的手がかりの影響
聴取者の頭の水平回転による誤った動的情報を伴う場合の、別の一連の定位実験が行われた。±3°の頭の水平回転運動が被験者自身によって継続的に行われた最初の実験では、定位性能にほとんど差がなかった。この観察結果は、動的手がかりに対するスペクトル手がかりの優位性を裏付けている。しかしながら、2つの異なる制御変換器の仰角における差異を調査するために、頭の水平回転運動が±5°に増大された。
認識された仮想音源の方向が図16に示されている。図13aと比較すると、図16aでは、認識が完全に前半球の方向に偏っていることが明らかである。被験者の後ろ側の反応はほとんどない。正中面上の仮想音源の認識には、他の方位角方向と比べて明確な違いが認められる。そこでは、全仰角について、仮想音源が前方に落ち込むだけでなく、制御変換器が置かれている水平面上にまで落ち込んでしまっている。他の方位角方向ではこのような現象は発生しておらず、単に前半球への偏り誤差が目立つのみである。ここでは、前後の区別以外の仰角手がかりが正中面上に比べてより強固であり、文献[6]にある両耳スペクトル形状手がかりの重要性を裏付けている。一方、図16bでは、偏った定位誤差にほとんど変化が見られない。
方位角方向と仰角方向についての結果が、図17と図18に示されている。この場合もやはり、選ばれた2つの変換器位置のどちらも非常に良い方位角定位性能を示している。両者の差はほとんどない。反対に、2つの異なる変換器位置の間では仰角定位において大きな差がある。制御変換器が仰角0°にあるときには、ほとんどの認識が明らかに変換器の方向に偏っている。しかし、制御変換器が仰角90°にあるときには、このような偏りは少しも強くない。

6 結論
制御変換器の様々な仰角位置の特徴を確定するために、スペクトル手がかりと動的手がかりの解析が、一連の被験者実験と併せて行われた。音響伝播系の周波数応答は、有望な制御変換器の位置が、聴取者の頭上の前頭面内にあることを裏付けている。音響伝播系行列の条件は、後半球内の位置が不利であることを示している。不必要な頭の水平回転により生じる動的手がかりの解析は、前頭面上の変換器位置を強く支持している。聴取者の前方の水平面上と聴取者の頭上の前頭面上という、2つの代表的な制御変換器位置の間で比較を行うために、被験者実験が行われた。誤った動的手がかりがない場合の結果は、それぞれ別の利点や欠点を持ちながらも、両方とも同じように良い性能が得られることを示している。しかし、頭上の制御変換器位置は、誤った動的情報を除外するという利点を示している。
定位誤差の特徴は、聴覚情報と同時に視覚情報が提示される場合、頭上の変換器位置が特に適していることを裏付けている。

参考文献
[1]P.A.ネルソン、O.カークビー、T.タケウチ、及びH.ハマダ、“仮想音環境創生のための音場、” 音と振動ジャーナル.204(2)、386−396(1997)。
[2]T.タケウチ及びP.A.ネルソン、‘仮想音環境創生のためのオプティマル・ソース・ディストリビューション、’ISVRテクニカル・レポートNo.288,サウサンプトン大学(2000)。
[3]T.タケウチ、P.A.ネルソン、O.カークビー及びH.ハマダ、“仮想音環境創生システムに対する頭部伝達関数の個人差の影響”、104th AES コンヴェンション プレプリント 4700 (P4−3)、(1998)。
[4]T.タケウチ、及びP.A.ネルソン、‘頭の位置のずれに対する「ステレオ・ダイポール」の能力のロバスト性’、ISVRテクニカル・レポートNo.285、サウサンプトン大学(1999)。
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聴取者の頭の位置及び向きに対する音源の方向を定義するために用いられる両耳間軸極座標系を示す図である。「等方位角の円錐」の一例が描かれている。球面上に現れれるyz平面に平行な円は、方位角の等しい方向を示す。x軸を含む円は、仰角の等しい方向を示す。 3ウェイOSDシステムの構成例を示す図である。 音響伝播系測定のための実験装置を示す図である。 様々な仰角位置にあるOSDシステムの音響伝播系の周波数応答を示す図である。a)音源と同じ側の耳に対する音響伝播系。b)音源と反対側の耳に対する音響伝播系。 様々な仰角位置にあるSDシステムの音響伝播系の周波数応答を示す図である。a)音源と同じ側の耳に対する音響伝播系。b)音源と反対側の耳に対する音響伝播系。 正中面上の様々な方向に対するHRTFsの周波数応答(MITデータベースより計算)を示す図である。 音響伝播系行列の条件数を示す図である。a)OSDシステム。b)SDシステム。 様々な仰角方向にある音源に対する、頭の水平回転移動に対応するITDの変化を示す図である。 −40°から40°までの頭の水平回転運動に関連して制御変換器により生成される、全ての仮想音源方向に対するITDの動的変化を示す図である。a)制御変換器が仰角0°(前方の水平面上)にある場合。b)制御変換器が仰角90°(上方の前頭面上)にある場合(例:SDシステム。) 視覚情報を伴う場合の、スピーカによるバイノーラル再生を示す図である。a)制御変換器が仰角0°付近にある場合。b)制御変換器が仰角90°付近にある場合。 被験者評価のための実験装置を示す図である。 テストを行った音源方向を示すa)上面図。b)側面図である。 認識された仮想音源方向を示す図である。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。 方位角定位精度を示す図である。四角いマーカは中央値を表し、星型のマーカは25及び75パーセンタイルを表す。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。 仰角定位精度を示す図である。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。 頭の水平回転運動による正しくない動的情報がある場合の認識された仮想音源方向を示す図である。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。 頭の水平回転運動による正しくない動的情報がある場合の方位角定位精度を示す図である。四角いマーカは中央値を表し、星型のマーカは25及び75パーセンタイルを表す。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。 頭の水平回転運動による正しくない動的情報がある場合の、仰角定位精度を示す図である。a)制御変換器が仰角0°にある場合。b)制御変換器が仰角90°にある場合。

Claims (10)

  1. 電気音響変換器手段と、複数チャンネルの録音に応じて電気音響変換器手段を駆動するための変換器駆動手段とを備えた音響再生システムであって、前記電気音響変換器手段は、使用時に間隔をおいて配置される複数の音響放射器を含み、前記変換器駆動手段は、フィルタ手段を含み、該フィルタ手段が逆フィルタを含み、該フィルタ手段が、前記音響放射器の特性及び聴取者の耳に対する予定された位置を考慮し、かつ聴取者の頭部伝達関数を考慮して、録音空間内の聴取者の耳の位置に存在するであろう局所的な音場に近似した音場を聴取者位置に再生する目的で設計及び構成されており、前記電気音響変換器手段が、聴取者位置にいる聴取者の両耳間軸から離れて位置しており、また前記両耳間軸を含む平面であって、同様に前記両耳間軸を含む基準水平面に対して傾斜している平面内に実質上位置している少なくとも1対の音響放射器を含んでおり、前記水平面に対する前記傾斜している平面の傾斜角度が60°乃至120°の範囲内にあることを特徴とする音響再生システム。
  2. 前記1対の変換器が頭より高い位置に置かれていることを特徴とする、請求項1に記載の音響再生システム。
  3. 前記傾斜角度が75°乃至105°の範囲にあることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載の音響再生システム。
  4. 前記1対の変換器が前半球に置かれていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の音響再生システム。
  5. 前記電気音響変換手段が複数の変換器対を含んでいることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の音響再生システム。
  6. 前記複数の変換器対が実質上共通の傾斜平面内に置かれていることを特徴とする、請求項5に記載の音響再生システム。
  7. 前記電気音響変換器手段が、実質上両耳間軸上において頭の位置の両側に置かれた1対の変換器を含むことを特徴とする、請求項5に記載の音響再生システム。
  8. 相対的に高い周波数帯域の駆動出力信号が、前記音響放射器対のうち聴取者の頭の位置において相対的に小さな方位角をなす第一の音響放射器対を励振するように設定され、相対的に低い周波数帯域の駆動出力信号が、前記音響放射器対のうち聴取者の頭の位置において相対的に大きな方位角をなす第二の音響放射器対を励振するように設定されていることを特徴とする、請求項5に記載の音響再生システム。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の音響再生システムの変換器駆動手段のフィルタ手段として適用するように設計及び構成されたフィルタ手段。
  10. 請求項9のフィルタ手段のフィルタ係数を表すコードが保存されており、効力のあるフィルタ手段を生成する際に使用するのに適している、コンピュータ読み取り可能な媒体。
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