JP4165292B2 - 耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法に関し、詳しくは、肉厚25mm以下のAPI X60級以上の高強度ラインパイプ用電縫鋼管に、優れた耐水素割れ特性を効率的に付与しうる耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電縫鋼管は、UO鋼管と比べて造管方法の違いから同じ素材を用いても、耐水素割れ特性や低温靭性で劣ることから、造管ままでUO鋼管と同等の特性を得るためには、素材の特性がより優れたものを使用する必要があり、不利であった。
【0003】
この不利を、電縫鋼管に熱処理を施すことで解消しようとする技術として、電縫鋼管に耐サワー性、低温靭性、低降伏比を同時に付与するために、電縫鋼管全体を800℃以上で加熱し、その後鋼管を焼入れするという方法が提案されている(特許文献1参照。)。この方法では、成分組成がC≦0. 12%、Mn:0. 5〜1. 4%、Si:0. 10〜0. 25%、P≦0. 015%、S≦0. 0020%、Ca:0. 0010〜0. 0060%の範囲内にある低炭素鋼の電縫鋼管を、800℃以上のA3 変態点以上のオーステナイト状態にし、冷間歪を除去し、その後焼入れすることで、アシキュラーフェライトまたは低炭素型ベイナイト組織とし、焼戻しは行わないことを特徴としている。
【0004】
【特許文献1】
特公平6−63040号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1所載の方法は、電縫鋼管全体を800℃以上のA3 変態点以上のオーステナイト状態にするため、制御圧延‐制御冷却によって折角微細化された造管前鋼板組織を全く活かすことができないという問題がある。また、管全体を加熱するには通常雰囲気炉加熱(所謂バッチ式加熱)が用いられるが、バッチ式加熱では、炉内温度の場所によるばらつきなどがあって、管全体を一様な温度にすることが難しく、そのため、組織を均一微細に制御することが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、造管前の均一微細な熱延鋼板組織を有効に活用しつつ、造管時の材質劣化の問題を容易に解決しうる耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、本発明に先駆する発明として、UO鋼管と同じ鋼成分組成の造管ままの電縫鋼管をAc1 点前後の温度域に急速加熱、短時間保持、急速冷却することにより、優れた靭性および耐水素割れ特性が得られることを明らかにし、特願2002−281537を出願した。一方で、650℃以下の低温加熱でも耐水素割れ特性は向上したが、短時間加熱故に生じる歪時効と思われる高YR(:降伏比)化の問題があり、API規格を満たすことは困難であった。そこで発明者らは、これを解決すればさらに効率のよい生産が可能であると考え、肉厚内の温度差に着目して、鋭意検討、実験を行なって、本発明の基礎となった次のような結果を得た。。
【0008】
発明者らは、C:0.04%、Si:0.24%、Mn:1.19%、P:0.010%、S:0.0007%、Al:0.033%、Nb:0.047%、V:0.041%、Ti:0.011%、N:0.0028%およびO:0.0016%、Ca:0.0021%の鋼成分組成になるスラブを、1200℃に加熱後、再結晶域圧延に次いで圧下率70%の未再結晶域圧延を施し、550℃で巻き取って熱延コイルとした。この熱延コイルを素材として外径24in(1in(インチ)=25.4mm)×肉厚14.4mmの電縫鋼管を造管し、その外表面より高周波加熱にて内外面の温度差すなわち肉厚内温度差が変わるように種々の熱処理条件にて、内表面温度590℃±10℃へ加熱し、その温度にて3秒保持後水冷した。肉厚内温度差を変化させる手段としては、高周波のパワーや周波数を変えたり、加熱途中に数回にわたり短時間高周波加熱を停止させ肉厚内均熱化を図るといった手段を採用した。前記水冷後の鋼管の材料特性調査結果を図1に示す。同図より明らかなように、肉厚内温度差を70℃以上とすることでYR≦93%となり、API規格に適合することが判った。
【0009】
これら特性に違いが出た理由の詳細は明らかでないが、肉厚内温度差が小さい場合の高YRの原因は短時間加熱の故に、一種の歪時効と考えられる降伏ピークが原因であると推察され、これが肉厚内温度差を大きくすることによって肉厚内で異なる降伏点をもつ複合材料のように働き、降伏変形が肉厚内で拘束されたため降伏ピーク現象を生じなくなり、図1のような特性変化になったものと思われる。また、加熱温度を変化させてこの熱処理材の耐水素割れ特性を調査した結果、最低温度部である内面温度を500℃以上、すなわち肉厚内の全域を500℃以上とすることで造管歪緩和などにより改善されることも判った。
【0010】
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは、質量%で、C:0.01〜0.10%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.003%以下、Al:0.005〜0.050%、N:0.0050%以下、O:0.0030%以下を含み、かつNb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%、Mo:0.05〜0.5%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0005〜0.0060%の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、1100℃以上に加熱し、Ar3 点以上の未再結晶域での圧下率が50%以上になる熱間圧延を行い、600℃以下で巻き取ってコイルとした後、電縫鋼管プロセスにて鋼管とし、続いてこの鋼管を高周波加熱にて、肉厚全体が695℃以下となり、かつ最低温度部が500〜650℃の範囲内に収まり、かつ肉厚内での最高温度部と最低温度部の温度差が70℃以上となるように加熱し、30秒以下の保持または徐冷の後、平均冷却速度5〜30℃/sで冷却することを特徴とする耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法にある。
【0011】
本発明では、前記鋼素材がさらに、質量%で、Ni:0. 05〜1. 0%、Cu:0. 05〜1. 0%、Cr:0. 05〜1. 0%の1種または2種以上を含むものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、まず鋼成分組成の限定理由から、詳しく説明する。
C:0. 01〜0. 10%
Cは強度確保のために0. 01%以上含有することが必要であり、一方で0. 10%を超えると耐水素割れ特性および靭性が共に低下するため0. 10%以下とする。API X60以上の高強度化と耐水素割れ特性および靭性をバランス良く達成させるためには、特に0. 025〜0. 06%とすることが好ましい。
【0013】
Si:0. 05〜0. 5%
Siは脱酸剤および強度確保元素として最低0. 05%を必要とするが、過剰に添加するとHAZ(溶接熱影響部)靭性を低下させ、溶接上好ましくないため上限は0. 5%とした。
Mn:0. 5〜2.0%
Mnは高強度化のために必要な元素であり0. 5%以上を添加するが、一方2.0%を超えると母材靭性が劣化するばかりか、硬質偏析相を形成して耐水素割れ特性を著しく劣化するため0. 5〜2. 0%の範囲に限定する。特に優れた耐水素割れ性とするためには1. 2%以下とすることが好ましい。
【0014】
P:0. 03%以下
Pは粒界に偏析して粒界強度を低下させる元素であり、母材および溶接部の靭性を低下させるため、粒界割れ防止のために0. 03%を上限とした。特に高靭性を必要とする場合には、0. 015%以下とすることが好ましい。
S:0.003%以下
SはMnSなどの硫化物として鋼中に存在し、耐水素割れ特性および靭性を著しく劣化させる元素で、その影響を抑制するためには0.003%以下、特に高い水準の耐水素割れ特性を得るためには好ましくは0.0015%以下、にする必要がある。
【0015】
Al:0. 005〜0. 050%
Alは脱酸およびN固定のために必要であり、0. 005%以上添加する必要がある。一方、0. 050%を超えるとアルミナ系介在物が増え、耐水素割れ特性および靭性を損なうため0. 050%を上限とした。
N:0. 0050%以下
Nは0. 0050%を超えて存在すると、粗大な窒化物を形成して耐水素割れ特性および靭性を劣化させるため0. 0050%以下とした。
【0016】
O:0. 0030%以下
Oは介在物として存在し、凝集粗大化した場合は水素割れの起点として働くため極力少ない方が好ましいが、0. 0030%以下であれば凝集粗大化しにくくなるため0. 0030%以下とした。特に優れた耐水素割れ特性を必要とする場合には、0. 0020%以下とすることが好ましい。
【0017】
さらに本発明では、以下の成分を耐水素割れ特性向上や靭性向上、強度上昇を目的に1種または2種以上添加する。
Nb:0. 005〜0. 1%
Nbは微細な炭窒化物を形成し強度を増加させ、また熱間制御圧延の歪蓄積に有利に働き組織微細化により靭性も向上させる。しかし、0. 005%未満ではその効果はなく、0. 1%を超えると溶接部靭性に好ましくない影響があるため0. 005〜0. 1%に限定する。
【0018】
V:0. 005〜0. 1%
VはNbとほぼ同じ効果をもつ元素であるが、Nbに比べて析出硬化能はやや劣る。0. 005%未満では硬化能に乏しく、0. 1%を超えると溶接部靭性劣化を招くため、0. 005〜0. 1%とする。
Ti:0. 005〜0. 1%
Tiは強い窒化物形成元素であり、N当量である(N%×(48/ 14))程度の添加でN時効を抑制し、またB添加がある場合はBが鋼中NによりBNとして析出固定され、その効果が抑制されないように添加する。さらに添加することで微細な炭化物を形成して強度を増加させる。0. 005%未満では効果はなく、とくに(N%×(48/ 14))以上添加するのが好ましい。一方、0. 1%を超えて添加すると、粗大な窒化物を形成しやすくなり靭性が劣化するため0. 1 %以下とする。
【0019】
Mo:0. 05〜0. 5%
Moは固溶しあるいは炭化物を形成して大きな靭性劣化を伴わずに強度を上昇する効果があるが、0.5%を超えるとその効果が飽和してくるばかりか、高価となるので0.5%以下の範囲で添加しても良い。なお強度上昇効果を発揮するためには0. 05%以上添加することが好ましい。
【0020】
B:0. 0001〜0. 0030%
BはNbと同様に圧延材の組織制御に重要であり、その効果を発揮するには0. 0001%以上の添加が必要である。とくにNbと併用して添加すると相乗効果を示す。また粒界強化元素として粒界割れを抑制して靭性向上に寄与する。一方、過剰に添加してもその効果は飽和するばかりか、溶接部靭性を劣化するので0. 0030%を上限とする。
【0021】
Ca:0. 0005〜0. 0060%
Caは水素割れの起点となる介在物の形態を球状に制御することを目的に添加するが、その効果を発揮するには0. 0005%以上必要で、一方0. 0060%を超えるとその効果は飽和するばかりか、粗大介在物を形成するので、0. 0005〜0. 0060%の範囲とする。
【0022】
さらに本発明では、強度上昇を主目的として以下の元素を1種または2種以上添加することも可能である。
Ni:0. 05〜1. 0%
Niは強度、靭性を向上させるに有効な元素である。またCuを添加した場合には圧延時のCu割れを防止するにも有効であるが、高価である上、過剰に添加してもその効果が飽和するため0.05〜1.0%の範囲に限定する。特にCu割れの観点からは(Cu%×0. 3)以上添加するのが好ましい。
【0023】
Cu:0. 05〜1. 0%
Cuは強度、耐水素割れ特性を向上させるために添加するが、その効果を発揮するには0. 05%以上添加する必要があり、一方1. 0%を超えると熱間脆化を引き起こしやすく、また靭性も低下するので0. 05〜1. 0%の範囲とする。
【0024】
Cr:0. 05〜1. 0%
Crは強度上昇に有効であるが過剰に添加すると靭性を低下するため1. 0%以下の範囲で添加しても良い。ただし0.05%未満ではその効果を発揮しないため0. 05%以上添加することが好ましい。
次に、工程条件の限定理由を以下に述べる。
【0025】
まず製鋼法については、常法に従って行なえばよく、それらの条件は特に限定されないが、介在物の浮上処理や凝集抑制などの低減対策をとることが好ましい。また鋳造時の鍛圧や均熱保持炉により、中心偏析の低減を図っても良い。
圧延については、本発明の特徴である耐水素割れ特性向上や靭性向上のためには、圧延前に炭化物を固溶させるべく1100℃以上の加熱が必要であり、再結晶域での圧延は常法によればよいが、制御圧延として圧延仕上温度をAr3 点以上とする圧下率50%以上の未再結晶域圧延を必要とする。このとき鋳造後の鋳片を1100℃未満に冷却することなく引き続いて圧延するか、もしくは1100℃から常温までの冷却途上から1100℃以上に加熱‐均熱後に圧延しても、本発明の特徴を損なうことはない。
【0026】
さらに制御圧延の効果を有効に発揮すべく圧延後に600℃以下の巻取温度でコイル化する必要がある。このとき、圧延終了から巻取り開始までの冷却方法および冷却速度は特に限定されないが、10℃/s以上の冷却速度を確保することが靭性向上に好ましく、組織の単相化が図れて耐水素割れ特性向上も期待できる。
得られた熱延コイルを常法の電縫鋼管プロセスに従い鋼管とするが、このときに必然的に生じる造管ひずみのため、熱延コイル特性に対して大きく耐水素割れ特性や靭性が劣化する。これを抑制するために、造管ひずみを低減する造管方法(例えば、CBR法など)を用いてもかまわない。
【0027】
造管された鋼管はそのライン内で連続もしくは然るべき後に、本発明の特徴であるYR低減を目的とした肉厚内温度差を70℃以上とした短時間加熱‐冷却処理を行なう。肉厚内温度差を大きくするためには、高速加熱が有利であり、必然的に高周波加熱を必要とする。高周波加熱での加熱方法は特に問わないが、鋼管の肉厚全体が695℃以下となるように加熱する。肉厚内温度差を大きくするためには片面加熱が好ましいが、目的とする肉厚内温度差が得られるなら両面加熱でもかまわない。このとき耐水素割れ特性改善のために、最低温度部が500℃以上になる加熱を必要とする。一方、最低温度部が650℃超になる範囲に加熱しても、耐水素割れ特性の改善効果は飽和し、また肉厚内温度差が小さくても高YR化しないため、最低温度部での温度の上限を650℃とする。
【0028】
また、加熱時の均熱などの保持もしくは放冷などの徐冷は、肉厚内温度差を小さくしてしまい、この時間が30秒を超えると70℃以上の肉厚内温度差を得ることが困難となるため、かかる保持又は徐冷の時間は30秒以下とし、加熱後は速やかに冷却に入るのが好ましい。
この冷却は、開始(最低温度部が500〜650℃でかつ肉厚内温度差が70℃以上になっている状態)から終了(降温途上で鋼管肉厚内全域が200℃に到達した状態)までの平均冷却速度が5〜30℃/sになるように行う必要がある。というのは、この冷却速度が5℃/s未満では十分なYR低下が得られず、一方、30℃/s超では設備的に多大な費用を必要とし、均一冷却も困難となるからである。なお、時効の観点から冷却終了温度は全肉厚で100℃以下とすることが好ましい。
【0029】
【実施例】
表1に示す成分組成になる鋼スラブを表2に示す加熱‐圧延‐冷却‐巻取り条件で熱間圧延し、得られた熱延コイルを素材として電縫鋼管プロセスにより鋼管を造管し、造管ままの鋼管、および造管後に表3に示す条件で熱処理を施した鋼管について、下記の要領によりYS(降伏強度)、TS(引張強度)、YR(降伏比=YS/TS )、CLR(耐水素割れ特性指標である割れ長さ率)を測定した。
【0030】
YS,TS,YR:API 5Lによる試験方法にて測定
CLR:NACE TM−02−84に従い実施
試験溶液:SolutionA(0. 5%酢酸+5%NaCl水溶液、pH2. 7±0. 1)
ガス:100%H2 S
試験温度:25℃/s± 3℃
試験時間:96時間
結果を表3に示す。表3に記した内外面温度差は、実施加熱条件(管外面からの高周波加熱)での加熱過程の終点における最高温度部と最低温度部の温度差である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
本発明要件を満たす製造方法で製造された鋼管(発明例)はいずれも低YR化が達成され、API X60〜X80の要求強度特性を満たしながら、優れた耐水素割れ特性を示した。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、造管前の均一微細な熱延鋼板組織を有効に活用しつつ、造管時の材質劣化の問題を容易に解決しうる耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管が得られるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電縫鋼管の熱処理における肉厚内温度差条件と該熱処理後のYS、TS、YRの関係の例を示すグラフである。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.5%、
Mn:0.5〜2.0%、 P:0.03%以下、
S:0.003%以下、 Al:0.005〜0.050%、
N:0.0050%以下、 O:0.0030%以下
を含み、かつ
Nb:0.005〜0.1%、 V:0.005〜0.1%、
Ti:0.005〜0.1%、 Mo:0.05〜0.5%、
B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0005〜0.0060%
の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、1100℃以上に加熱し、Ar3 点以上の未再結晶域での圧下率が50%以上になる熱間圧延を行い、600℃以下で巻き取ってコイルとした後、電縫鋼管プロセスにて鋼管とし、続いてこの鋼管を高周波加熱にて、肉厚全体が695℃以下となり、かつ最低温度部が500〜650℃の範囲内に収まり、かつ肉厚内での最高温度部と最低温度部の温度差が70℃以上となるように加熱し、30秒以下の保持または徐冷の後、平均冷却速度5〜30℃/sで冷却することを特徴とする耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法。 - 前記鋼素材がさらに、質量%で、
Ni:0.05〜1.0%、 Cu:0.05〜1.0%、
Cr:0.05〜1.0%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の耐水素割れ特性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法。
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