JP4164983B2 - 半導体式高周波電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体式高周波電源装置に係り、特に多数台の高周波インバータによって出力容量を高めた高周波電源装置の組立構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電源装置は、例えば、高周波誘導加熱装置の電源として使用され、装置容量および出力電圧を高めるため、多数台のインバータにより高周波出力を得、これら出力を加算して整合トランスやワークコイルを含む直列共振回路に供給することで加熱部材に誘導加熱を得る。
【0003】
図3は、従来の半導体式高周波電源装置の構成を示す。半導体素子を主回路スイッチング素子とするN台の高周波インバータINV1〜INVNの各出力は、それぞれ直流カット用コンデンサ21〜2Nを通して高周波トランス31〜3Nの一次入力とし、各トランス31〜3Nの二次出力を直列接続で合成して直列共振回路4に供給する。直列共振回路4は、インピーダンス整合用のトランスおよび直列共振コンデンサから構成される。
【0004】
各インバータ11〜1Nは、同一のゲート信号で同期制御され、例えば180゜通流の方形波電圧を出力する。また、各インバータ11〜1Nの直流電源は、1台の共通の直流電源5としている。
【0005】
この装置では、直流カット用コンデンサを通した各インバータの出力を高周波トランスの二次側で直列接続することで高圧を得ると共に、各インバータ出力の電流分担を等しくするようにしている。この構成では、高周波トランスの損失が大きく、装置の電力変換効率を低下させるし、高周波トランスの設置スペースが大きくなる。また、コストアップになる。
【0006】
これら課題を解決するものとして、図4に示す高周波電源装置を本願出願人は同時に提案している。同図では高周波インバータ11〜1Nの各出力にはそれぞれコモンモード抑制用フェライトコア61〜6Nを介挿することでU,V相電流を均等にし、さらに隣接するインバータのV相とU相出力にはそれぞれ電流分担用フェライトコア72〜7Nを介挿することで隣接するインバータの出力電流を均等にし、各インバータのU,V相出力の一方に直流カット用コンデンサ21〜2Nを通して並列接続することで各インバータの出力電流を加算して負荷に供給するようにしている。
【0007】
この構成により、高周波トランスを必要とすることなく、各高周波インバータの出力電流を均等にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図3または図4に示す従来の電源装置の組立構造として、1つの筐体内に全ての回路要素を一括収納することが考えられるが、インバータ単体でも比較的大きな組立て構造になり、多数のインバータとコンデンサ等を一括収納するのでは筐体が非常に大きくなり、運搬や保守、組立ても大がかりになる。
【0009】
また、電源装置としては電流容量に応じてインバータの接続台数が異なるし、個々のインバータ仕様も異なるため、種々の筐体を設計する必要がある。
【0010】
この不都合を解消するため、ユニット方式が考えられる。図3の装置では、高周波インバータと直流カット用コンデンサ及び高周波トランスの組をユニットとした組み立て構造とする。また、図4の装置では、高周波インバータと直流カット用コンデンサ及びフェライトコアの組をユニットとした組み立て構造とする。この場合、各回路要素の冷却にはユニット内を一括冷却することで済む。
【0011】
しかしながら、これら構造では、高周波インバータ自体が比較的大きいのに加えて、直流カット用コンデンサと高周波トランスまたはフェライトコアも比較的大きく、ユニット自体が大型になってしまう。
【0012】
そこで、ユニットには高周波インバータのみを収納してその小型化を図り、他の回路要素は、ユニット外部に配置して組み立てる構造が考えられる。
【0013】
しかしながら、高周波インバータ自体がその冷却を必要とするのに加えて、高周波トランスやフェライトコアは発熱部品であってそれらの冷却も必要とするもので、これらをユニット内外に分離配置するのでは個別の冷却になり、必要とする冷却装置の台数が増す。
【0014】
本発明の目的は、上記の課題を解決した半導体式高周波電源装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、多数台の高周波インバータを有して構成する電源装置として、2台のインバータを1つのユニットとして一括収納し、その他の回路要素はユニット外部で一体構造で配置し、回路要素間の接続導体は近接して平行に配置するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【0016】
多数台の高周波インバータの出力をコモンモード抑制用フェライトコアと電流分担用フェライトコア及び直流カット用コンデンサを介して並列加算して負荷に高周波電力を供給する半導体式高周波電源装置において、
前記高周波インバータを2台を1組として複数のユニットに一括収納するユニット構成とし、
前記コモンモード抑制用フェライトコアと電流分担用フェライトコアは前記各ユニットの外部に配置され、各インバータのU,V相導体を近接して平行に引き出した接続導体を両サイドから挟み付けて貫通させる一体構成とし、
前記直流カット用コンデンサを前記両フェライトコアに近接させて接続導体で接続して一対の出力導体に接続した構造を特徴とする。
【0017】
また、前記各ユニットにはそれぞれ冷却装置を設け、前記両フェライトコアには冷却風の抜け通路を形成する絶縁板を設け、前記一対の出力導体は水冷構造としたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す装置の部品配置であり、図4の装置に適用した場合であり、図4と同等の回路要素には同一符号を付して示す。また、N台の高周波インバータが偶数になる場合である。
【0019】
ユニットU1〜UN/2は、それぞれ2台の高周波インバータをその制御装置と共に収納した構成とし、半導体素子などのユニット内部の回路要素の冷却にはファンによる強制風冷やヒートシンクによる冷却構造とする。また、各高周波インバータの共通の直流電源5に接続できる電源入力導体を引き出した構造とする。
【0020】
ユニット外部には、コモンモード抑制用フェライトコア61〜6Nと電流分担用フェライトコア72〜7N及び直流カット用コンデンサ21〜2Nを導体を利用した一体構造で配置し、共通の出力導体10U,10Vに導体接続する。
【0021】
コモンモード抑制用フェライトコア61〜6Nと電流分担用フェライトコア72〜7N及び直流カット用コンデンサ21〜2Nの組み立て構造を図2に要部構造として示す。
【0022】
フェライトコア61〜6Nとフェライトコア72〜7Nは、一括組み立てとし、両サイドから貫通導体を挟み付けて固定し、絶縁板111〜11Nによりフェライトコア72〜7N側の外部を覆い、冷却風の通り抜け易い構造とする。
【0023】
また、インバータユニットから共通の出力導体10U,10Vまでの接続導体は、U,V相間を近接して平行配置にし、かつ導体経路を等しくしながら最短にすることで、導体のインダクタンスをインバータ間で等しくして電流分担等を均等にする。
【0024】
なお、出力導体10U,10Vは、収納ケース12内に設け、ケース12内には水冷用の液体を注入する冷却構造とする。
【0025】
したがって、本実施形態によれば、一対の高周波インバータをユニットとして一括収納することで、ユニット数を半減し、それに必要な冷却装置台数を半減する。また、フェライトコアとコンデンサは、ユニット外部で一体構造とすることで、それらの組み立て構造をコンパクト化することができると共に冷却構造が簡単になる。また、各ユニットU1〜UN/2から出力導体10U,10Vまでの導体配置は、近接して平行配置し、各インバータからの導体経路を等しくすることで、導体インダクタンスを減少させると共に、インバータ間の電流バランスをよくすることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、2台のインバータを1つのユニットとして一括収納し、その他の回路要素はユニット外部で一体構造で配置し、回路要素間の接続導体は近接して平行に配置するようにしたため、ユニット数を半減し、それに必要な冷却装置台数を半減することができる。また、フェライトコアとコンデンサの組み立て構造をコンパクト化することができると共に冷却構造が簡単になる。また、各インバータからの導体経路を等しくすることで、導体インダクタンスの減少とインバータ間の電流バランスが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す半導体式高周波電源装置の部品配置図。
【図2】本発明の実施形態を示す半導体式高周波電源装置の要部組立構造図。
【図3】従来の半導体式高周波電源装置の回路図。
【図4】改良された半導体式高周波電源装置の回路図。
【符号の説明】
11〜1N…高周波インバータ
21〜2N…直流カット用コンデンサ
31〜3N…高周波トランス
4…直列共振回路
5…直流電源
61〜6N…コモンモード抑制用フェライトコア
72〜7N…電流分担用フェライトコア
U1〜UN/2…ユニット
10U,10V…出力導体
111〜11N…絶縁板
Claims (2)
- 多数台の高周波インバータの出力をコモンモード抑制用フェライトコアと電流分担用フェライトコア及び直流カット用コンデンサを介して並列加算して負荷に高周波電力を供給する半導体式高周波電源装置において、
前記高周波インバータを2台を1組として複数のユニットに一括収納するユニット構成とし、
前記コモンモード抑制用フェライトコアと電流分担用フェライトコアは前記各ユニットの外部に配置され、各インバータのU,V相導体を近接して平行に引き出した接続導体を両サイドから挟み付けて貫通させる一体構成とし、
前記直流カット用コンデンサを前記両フェライトコアに近接させて接続導体で接続して一対の出力導体に接続した構造を特徴とする半導体式高周波電源装置。 - 前記各ユニットにはそれぞれ冷却装置を設け、前記両フェライトコアには冷却風の抜け通路を形成する絶縁板を設け、前記一対の出力導体は水冷構造としたことを特徴とする請求項1に記載の半導体式高周波電源装置。
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