JP4164407B2 - 透明座標入力装置および透明複合材 - Google Patents

透明座標入力装置および透明複合材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面上の座標を直接入力する透明座標入力装置や、この透明座標入力装置を構成する透明複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDAに代表される携帯情報端末は液晶表示パネル等の表示画面をペンや指で直接操作して、メニューの選択やデータの入力を行うための座標入力装置を備えているのが一般的である。こうした座標入力装置は通常、液晶表示パネルの上に形成され、液晶表示パネルの表示を指し示して入力を行うための透明座標入力装置を備えている。
【0003】
透明座標入力装置の中でも特に広く用いられている抵抗膜型の透明座標入力装置は、周知のとおり液晶表示パネル側にITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる透明抵抗膜を表面に形成したガラス板と、操作側に同様の透明抵抗膜を表面に形成したPET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)などの柔軟な透明樹脂フィルムとを備える。そして、これら2つの透明抵抗膜を絶縁スペーサなどで間隔を開けて対向配置させて作られたフラットパネルデバイスである。
【0004】
こうした透明座標入力装置は、ペン又は指で透明座標入力装置の表面を押圧して入力操作を行うと、操作側の透明樹脂フィルムが僅かに凹んで、押圧部分を中心に虹色で環状の干渉縞が発生することが知られている。こうした干渉縞が発生すると透明座標入力装置の操作のたびに液晶表示パネルの視認性が低下し、円滑で快適な入力操作が困難になる。特にこうした干渉縞は透明座標入力装置のサイズが大きくなるほど顕著に発生するため、最近の携帯情報端末の表示画面サイズの大型化によって干渉縞対策が強く望まれていた。
【0005】
上述したような現状に鑑み、透明座標入力装置における従来の干渉縞対策として、液晶表示パネル側または操作側の透明抵抗膜の表面に微細な突起を多数形成した透明座標入力装置が知られている。このような透明座標入力装置は、液晶表示パネルを照らす光が透明抵抗膜の表面に形成された微細な突起によって多方向に拡散されるので、干渉縞の発生は抑制される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−281856号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような、液晶表示パネル側または操作側の透明抵抗膜の表面に微細な突起を多数形成した透明座標入力装置は、個々の突起がそれぞれ微細なレンズの役割を果たすために、液晶表示パネルの表示光による多数の輝点が形成され、透明座標入力装置の外側から液晶表示パネルを見たときに表示がギラついてしまうという問題があった。
【0008】
また、個々の突起のレンズ効果によって液晶表示パネルのコントラストが低下して、液晶表示パネルが鮮明に観察できずにボケてしまう問題もあった。こうした従来の透明座標入力装置によるギラつきやボケは液晶表示パネルの視認性を低下させる原因になっていた。
【0009】
一方、上述したような透明座標入力装置は、液晶表示パネル側のガラス板や樹脂板の厚みが薄いために、入力操作に伴って操作側の透明樹脂フィルムが撓むと、この液晶表示パネル側のガラス板や樹脂板まで曲げ強度の不足で撓んでしまい、干渉縞の発生やコントラストの低下をもたらしていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、入力操作時の干渉縞やボケの発生を抑制しつつ、表示光の反射による視認性の低下も抑制可能な透明座標入力装置および透明複合材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、上面に第1透明抵抗膜が形成された第1透明基材と、前記第1透明基材に間隔を開けて向き合い、前記第1透明抵抗膜に臨む下面に第2透明抵抗膜が形成された第2透明基材とを備え、前記第1透明基材の上面及び下面には第1および第2畝部がそれぞれ所定のピッチで複数形成されたことを特徴とする透明座標入力装置が提供される。
【0012】
このような透明座標入力装置によれば、第1畝部および第2畝部は一方向に長く延びる形状であるから、レンズ効果によるボケを生じることがなく、鮮明に画像を観察することが可能になる。また、レンズ効果による照度のムラが生じることがなく、ギラつきを効果的に防止することが可能になる。
【0013】
前記第1および第2畝部を、互いに所定角度で交差した方向に延びる突条とすることによって、第1透明基材の湾曲圧力に対する強度は大幅に強化される。これにより、透明座標入力装置の押圧による入力時にも第1透明基材の湾曲による液晶表示パネルのコントラストの低下を防止して、視認性を良好に保つことが可能になる。
【0014】
前記第1および第2畝部は互いに異なる角度で傾斜した複数の面からなる断面多角形状の突条が所定のピッチで複数形成されればよい。こうした長く延びる突条はレンズ効果によるボケや照度のムラの発生を効果的に防止することが可能になる。
【0015】
前記第1および第2畝部の形成ピッチは100〜5000μmの範囲に設定されるのが好ましい。また、前記第1および第2畝部の高さは0.1〜10μmの範囲に設定されるのが好ましい。第1および第2畝部の形成ピッチおよび畝部の高さをこうした範囲に設定することで、第1,第2透明基材の表面が押圧された際に、多数の畝部は人間の眼では視認が困難な極めて細かい干渉縞を発生させる。畝部のピッチを十分細かくすることで、透明座標入力装置に発生する干渉縞は視認不可能なほど微細になり、見かけ上、干渉縞の存在は殆ど認識されなくなる。
【0016】
上述した透明座標入力装置を液晶表示パネルを備えた液晶表示装置に適用すれば、液晶表示装置の視認性を高め鮮明な表示で入力操作を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、透明座標入力装置(透明座標入力スイッチ)を備えた液晶表示装置を例示する。図1は、本発明の透明座標入力装置を設けた液晶表示装置の断面図ある。液晶表示装置10は、フロントライト(照明装置)11と液晶表示パネル12と透明座標入力装置13とを備えている。フロントライト11は、導光板15と光源16とからなり、導光板15には入射面15aと観察面15bと出射面15cとが形成されている。
【0018】
光源16は、導光板15の入射面15aに沿って設けられた棒状の光源であり、具体的には棒状の導光体の一端面又は両端面に白色LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を備えたものが好適に用いられる。ただし、光源16は導光板15には入射面15aに光を導入しうるものであれば問題なく用いることができ、例えば導光板12の入射面15aに沿ってLEDなどの発光素子を並べて構成することもできる。
【0019】
導光板12の観察面15bには光源16から導入された光を出射面15cに向けて変化させる三角波状の溝17が多数形成されている。観察面15bに形成された溝17は一対の斜面部からなり、一方の斜面は緩斜面部17aとされ、他方は緩斜面部17aよりも急な傾斜角度で形成された反射面(急斜面部)17bとされる。
【0020】
なお、この観察面15bの形状は、上記の形状に限定されず、入射面15aから導入されて導光板15内部を伝搬する光を、出射面15cへ均一に誘導できる形状であればいかなる形状でもよい。また、導光板12の出射面15cには防反射効果をもたらすAR格子層18が形成されている。
【0021】
液晶表示パネル12は、対向して配置された上基板21と下基板22との間に液晶層23が挟持され、この液晶層23が基板21,22の内面周縁部に沿って額縁状に設けられたシール材24により封止された構成とされている。上基板21の内面側(下基板22側)には、液晶制御層26が形成されており、下基板22の内面側(上基板21側)には、フロントライト11の照明光や外光を反射させるための金属薄膜を有する反射層25が形成され、この反射層25上に液晶制御層27が形成されている。
【0022】
液晶制御層26,27は、液晶層23を駆動制御するための電極や、配向膜等を含んで構成されており、上記電極をスイッチングするための半導体素子等も含むものである。また、場合によってはカラーフィルタを備えていてもよい。
【0023】
図1に示す液晶表示パネル12は反射型とされており、フロントライト11から入射した照明光又は外部から入射した外光を反射層25により反射させて表示を行うようになっている。この反射層25は、図2に示すように、表面に凹凸形状が形成されたアクリル樹脂等からなる有機膜25a上にスパッタ法等により成膜されたアルミニウムや銀などの高反射率の金属薄膜からなる反射膜25bとを備えて構成されており、反射膜25bには多数の凹部25cが形成される。さらに反射膜25b上に表面の凹凸形状を平坦化するためにシリコン系樹脂などで平坦化膜を形成してもよい。
【0024】
前記凹部25cの形状としては、球面などの滑らかな曲面や、この曲面と平面を組み合わせた形状等を適用することができ、内面の傾斜角や凹部のピッチ及び深さを調整することで、液晶表示パネル12を表示部として備える電子機器の設計に合わせて適切な反射特性を有する反射層とすることができる。図2に示す表面形状を有する反射層25を備えていることで、入射光を効率よく反射させることができ、より高輝度の表示を行うことができるようになっている。
【0025】
また、入射光が外光である場合に光の正反射を防ぎ、明るく視認性に優れる表示が得られるようになっている。なお、液晶表示パネル12は反射型以外にも、半透過型や透過型であってもよく、限定されるものではない。
【0026】
図1を参照して、透明座標入力装置13は、2枚の透明複合材30a,30bと、透明複合材30aおよび透明複合材30bを一定の間隔を保持して離間させる絶縁スペーサ35から構成されている。透明複合材30aは,板状の第1透明基材32とこの第1透明基材32の1面を覆う第1透明抵抗膜31とからなり、透明複合材30bは板状の第2透明基材34と、第1透明抵抗膜31に対面するように第2透明基材34の1面を覆う第2透明抵抗膜33とから構成されている。
【0027】
第1透明基材32は、例えば厚みが0.5〜1.5mm、例えば1.0mm程度の透明なPC(ポリカーボネート)樹脂から形成されれば良く、第1透明基材32の上面を覆う第1透明抵抗膜31は、厚みが0.01〜0.05μm、例えば0.02μm程度のITO(indium Tin Oxide)等の透明導電材料から形成されれば良い。
【0028】
第2透明基材34は、例えば厚みが170μm程度の透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂から形成されれば良く、第2透明基材34の下面を覆う第2透明抵抗膜33は、例えば厚みが0.02μm程度のITO(indium Tin Oxide)等の透明導電材料から形成されれば良い。第1透明基材32と第2透明基材34との間には周縁に厚さが100μm程度の絶縁スペーサ35が形成され、第1透明抵抗膜31と第2透明抵抗膜33とを一定間隔で離間させている。
【0029】
このような透明座標入力装置13の動作原理は以下のようなものである。図3(A)に示すように、第1透明抵抗膜31には図3中Y方向の両端部に1組の電極41a,41bが形成され、第2透明抵抗膜33には、図3中Y方向に対して90°直交するX方向の両端部に1組の電極42a,42bが形成されている。第1透明抵抗膜31と第2透明抵抗膜33はそれぞれ面内で均一な抵抗値を持っている。
【0030】
いま例えば第2透明基材34をペン等の指示部材で押圧して図3中のSに相当する点を選択した場合を想定すると、第2透明基材34の湾曲によって第1透明抵抗膜31と第2透明抵抗膜33は点Sで接触し電気的に導通状態になる。まず、X方向の座標の検出は、第2透明抵抗膜33の電極42a,42b間に印加された電圧によって、第2透明抵抗膜33には点S−電極42a間および点S−電極42b間の距離に応じた抵抗値RX1,RX2でX方向に電位勾配が形成される。この点Sにおける電位を第1透明抵抗膜31の点Sから取り出すことで透明座標入力装置13の点SにおけるX方向の座標が検出される。
【0031】
また、Y方向の座標の検出は、図3(B)に示すように、第1透明抵抗膜31の電極41a,41b間に印加された電圧によって、第1透明抵抗膜31には点S−電極41a間および点S−電極41b間の距離に応じた抵抗値RY1,RY2でY方向に電位勾配が形成される。この点Sにおける電位を第2透明抵抗膜33の点Sから取り出すことで透明座標入力装置13の点SにおけるY方向の座標が検出される。
【0032】
こうして透明座標入力装置13における押圧点SのX方向とY方向の2次元座標情報が得られる。このいわゆるアナログ抵抗膜方式の透明座標入力装置13は、A/Dコンバータの精度を上げれば座標検出精度が向上するという特徴がある。なお、透明座標入力装置の座標検出方法は、アナログ抵抗膜方式以外にも、例えば第1透明抵抗膜と第2透明抵抗膜にそれぞれXY方向に延びる微細な電極を多数並べて、この電極の接触点の導通から座標を検出する、いわゆるデジタル検出方式であってもよい。
【0033】
図4は、透明複合材30aを示した拡大斜視図である。第1透明基材32の上面には一方向に延びる多数の第1畝部(線条)45が形成されている。こうした第1畝部45は断面が多角形、例えば三角形を成す突条であり、第1透明基材32の上面には1組の斜面46aと斜面46bとが交互に形成された構成とされている。第1透明基材32の上面に積層される第1透明抵抗膜31は、こうした第1畝部45覆う突条を形成している。
【0034】
一方、第1透明基材32の下面には、第1畝部45と所定の角度、例えば直交する方向に延びる多数の第2畝部(線条)47が形成されている。第2畝部47も、第1畝部45と同様に断面が多角形、例えば三角形を成す突条であり、第1透明基材32の下面には、第1畝部45と直交する方向に延びる1組の斜面48aと斜面48bとが交互に形成された構成とされている。
【0035】
第1畝部45、および第2畝部47の高さHは、それぞれ0.1〜10μm、例えば3μmの断面三角形に形成すればよい。また、第1畝部45および第2畝部47のピッチPは、それぞれ100〜5000μm、例えば1000μmピッチで形成すればよい。
【0036】
第1透明基材32の上面に第1畝部45を多数形成すれば、第1透明基材32の上面は面内の一定方向に延びる長くて細い多数の斜面46a,斜面46bに覆われる。なお、第1畝部45のピッチPはランダムに設定されてもよく、例えば、500μm,1000μm,600μm,700μmの順に第1畝部45のピッチPが変化してもよい。
【0037】
また、第1透明基材32の下面に第2畝部47を多数形成すれば、第1透明基材32の下面は、第1畝部45と直交する方向に延びる長くて細い多数の斜面48a,48bに覆われる。なお、第2畝部47のピッチPはランダムに設定されてもよく、例えば、500μm,1000μm,600μm,700μmの順に第2畝部47のピッチPが変化してもよい。
【0038】
このような幅が細くて長い多数の斜面46a,46b及び斜面48a,48bは、図5に示すように第2透明基材34の表面をペン等の指示部材49で押圧した時に、第1透明基材32の斜面46a,46b及び斜面48a,48bに人間の眼では視認が困難な極めて細かい干渉縞を発生させる。第1畝部45、第2畝部47のピッチPを十分細かくすることで、透明座標入力装置13に発生する干渉縞は視認不可能なほど微細になり、見かけ上、干渉縞の存在は殆ど認識されなくなる。
【0039】
こうした干渉縞は0.25μm(光の半波長)で1本発生するが、本発明の透明座標入力装置13によれば、例えば、第1畝部45、第2畝部47のピッチPを1mmにすると高低差が2μmならば500μm程度の幅の中に10本の干渉縞が発生する。500μm程度の幅に10本の干渉縞が発生しても、人間の眼には観察は極めて困難であり、実際上、干渉縞を認識させなくすることができるから、それよりも小さい100μmなら干渉縞の影響を確実に排除することができる。
【0040】
一方で、第1畝部45、第2畝部47のピッチPを100μm以下にすると、第1畝部45、第2畝部47を精度良く形成することが困難である。従って、第1畝部45、第2畝部47のピッチPを100〜5000μmに設定すれば、確実に干渉縞の存在を認識させなくすることができる。更に、第1畝部45、第2畝部47のピッチPをランダムに設定すれば、人間の眼には観察が極めて困難で、かつ、サイズも様々な干渉縞になるので、干渉縞の影響一層確実に排除することができる。
【0041】
一方で、本発明の透明座標入力装置13は、細かい幅の斜面46a,46bおよび斜面48a,48bが互いに一定角度で交差する一方向に長く延びた面であるので、1点で結像する微細なレンズを形成してしまうことがない。従来のような微細な多数の突起は、その1つ1つが微細なレンズを形成して多数の輝点を発生させて照明光の照度にムラが生じさせ、ギラつきの原因になっていた。
【0042】
しかし、一方向に長く延びる第1畝部45、第2畝部47を第1透明基材32の上面および裏面にそれぞれ多数形成した本発明の透明座標入力装置13では、こうした微細なレンズが生じることはない。また、従来のような微細な多数の突起は、その1つ1つが微細なレンズを形成してボケの原因にもなっていたが、一方向に長く延びる第1畝部45、第2畝部47を形成した本発明の透明座標入力装置13では、こうしたボケを防止して、コントラストを向上させた鮮明な画像を観察することができる。
【0043】
特に、第1透明基材32の上面および下面にそれぞれ第1畝部45、第2畝部47を形成した透明座標入力装置13では、液晶表示パネル12の黒色と白色とのコントラストのうち、黒色の黒みを一層上げることができ、透明座標入力装置13を介して液晶表示パネル12を観察した際のコントラストを大幅に改善可能である。
【0044】
以上のように、本発明の透明座標入力装置13で液晶表示パネル12に表示されたオブジェクト等を指示部材49で指し示すと、第1透明抵抗膜31と第2透明抵抗膜33は1点で接触し導通する。その際、第2透明基材34は下方に撓み、干渉縞が発生するが、互いに一定角度で交差する方向に長く延びる微細な第1畝部45、第2畝部47を構成する斜面46a,46bおよび斜面48a,48bによって、発生する干渉縞を人間の眼には認識不可能なほど細かくすることができる。
【0045】
よって、液晶表示パネル12に表示されたオブジェクトは、干渉縞によって観察が妨げられることなく、透明座標入力装置13を介して鮮明に観察可能になる。また、第1畝部45を構成する斜面46a,46bや、第2畝部47を構成する斜面48a,48bは一方向に長く延びた面であるから、微細なレンズ効果による輝点の発生やボケは抑えられ、照明光の照度にムラが生じることがなく、ギラつきやボケのない鮮明な画像品質で液晶表示パネル12を観察することが可能になる。
【0046】
一方、第1透明基材32の上面に形成した第1畝部45に一定角度で交差するように第1透明基材32の下面に第2畝部47を形成することによって、第1透明基材32の湾曲圧力に対する強度は大幅に強化される。第1透明基材32の厚みは薄いので、従来は、第2透明基材の表面をペン等の指示部材で押圧した時に、第2透明基材の湾曲に倣って第1透明基材も湾曲して液晶表示パネル12の視認性を低下させることがあった。
【0047】
しかし、上述したように、第1透明基材32の上面および下面に互いに角度をもって第1畝部45と第2畝部47を形成したので、第2透明基材34の押圧時でも第1透明基材32の湾曲は防止される。透明座標入力装置13の押圧による入力時にも第1透明基材32の湾曲による液晶表示パネル12のコントラストの低下を防止して視認性を良好に保つことが可能になる。
【0048】
このような第1畝部45、第2畝部47の形成にあたっては、予め第1畝部45や第2畝部47の外形を象った金型を用いて第1透明基材32を構成する透明樹脂を射出成型し、この表面に畝部を備えた第1透明基材32にITOからなる第1透明抵抗膜31を成膜させれば、第1透明抵抗膜31の表面に多数の第1畝部45を象るとともに下面に第2畝部47を有する透明複合材30bを得ることができる。
【0049】
また、第1透明基材の表面を平坦に形成し、この平坦な第1透明基材の上に第1透明抵抗膜を厚めに成膜して、エッチング等の手法で第1透明抵抗膜を削って一方向に延びる多数の微細な第1畝部を形成してもよい。
【0050】
干渉縞を視認不可能にする畝部は、断面長方形の突条が延長方向に断続的に形成された形態であっても良い。図6に示すように、透明複合材51の上面には、断面が長方形の微細な第1畝部52が多数形成される。この第1畝部52は、図中の矢印Lで示す第1畝部52の延長方向で一定長さづつ断続的に形成され、個々の第1畝部52の間には微細な隙間53が形成される。
【0051】
また、矢印Lと直行する方向に隣接する第1畝部52同士は、各第1畝部52の延長方向の長さの略半幅分づつ、ずらして形成されている。このような第1畝部52はその延長方向Lが液晶表示パネルの画素を構成するエッジの延長方向Eに対して、一定角度θで傾斜していることが好ましい。
【0052】
一方、透明複合材51の下面には、断面が長方形の微細な第2畝部55が多数形成される。こうした第2畝部55は、第1畝部52の延長方向Lに対して一定角度で交差する方向Mに沿って一定長さづつ断続的に形成される。
【0053】
こうした第1畝部52および第2畝部55で発生する干渉縞は視認不可能なほど微細になり、見かけ上、干渉縞の存在は殆ど認識されなくなる。第1畝部52、第2畝部55の延長方向L、Mを、液晶表示パネルの画素を構成するエッジの延長方向Eに対して一定角度θで傾斜させることによって、さらに一層干渉縞の視認を不可能にすることができる。
【0054】
また、この透明複合材51においても、透明複合材51の上面および下面に互いに角度をもって第1畝部52と第2畝部55とをそれぞれ形成したので、透明座標入力装置の押圧による入力時でも、透明複合材51の湾曲は防止され、液晶表示パネルの防止して視認性を良好に保つことが可能になる。
【0055】
なお、透明複合材は透明複合材を構成する透明基材に畝部を形成して、この透明基材に透明抵抗膜を成膜させることで透明複合材の表面に畝部を備えるようにしてもよく、透明抵抗膜自体に畝部を形成して、透明複合材の表面に畝部を備えるようにしてもよい。また、透明基材と透明抵抗膜との間に畝部を形成した中間材を成膜し、透明複合材の表面に畝部を備えるようにしてもよい。畝部はランダムなピッチで形成されてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の透明座標入力装置および透明複合材によれば、第1畝部および第2畝部は一方向に長く延びる形状であるから、レンズ効果によるボケを生じることがなく、鮮明に画像を観察することが可能になる。また、レンズ効果による照度のムラが生じることがなく、ギラつきを効果的に防止することが可能になる。
【0057】
前記第1および第2畝部を、互いに所定角度で交差した方向に延びる突条とすることによって、第1透明基材の湾曲圧力に対する強度は大幅に強化される。これにより、透明座標入力装置の押圧による入力時にも第1透明基材の湾曲による液晶表示パネルのコントラストの低下を防止して、視認性を良好に保つことが可能になる。
【0058】
前記第1および第2畝部は互いに異なる角度で傾斜した複数の面からなる断面多角形状の突条が所定のピッチで複数形成されればよい。こうした長く延びる突条はレンズ効果によるボケや照度のムラの発生を効果的に防止することが可能になる。
【0059】
前記第1および第2畝部の形成ピッチは100〜5000μmの範囲に設定されるのが好ましい。また、前記第1および第2畝部の高さは0.1〜10μmの範囲に設定されるのが好ましい。第1および第2畝部の形成ピッチおよび畝部の高さをこうした範囲に設定することで、第1,第2透明基材の表面が押圧された際に、多数の畝部は人間の眼では視認が困難な極めて細かい干渉縞を発生させる。畝部のピッチを十分細かくすることで、透明座標入力装置に発生する干渉縞は視認不可能なほど微細になり、見かけ上、干渉縞の存在は殆ど認識されなくなる。
【0060】
上述した透明座標入力装置を液晶表示パネルを備えた液晶表示装置に適用すれば、液晶表示装置の視認性を高め鮮明な表示で入力操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の透明座標入力装置の一実施の形態である液晶表示装置を示す断面図である。
【図2】 図2は、液晶表示装置の反射層を示す拡大斜視図である。
【図3】 図3は、透明座標入力装置の入力座標を特定する仕組みを示す説明図である。
【図4】 図4は、本発明の透明複合材を示す拡大斜視図である。
【図5】 図5は、本発明の透明座標入力装置の作用を示す断面図である。
【図6】 図6は、本発明の透明座標入力装置の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置
12 液晶表示パネル
13 透明座標入力装置
30a,30b 透明複合材
31 第1透明抵抗膜
32 第1透明基材
33 第2透明抵抗膜
34 第2透明基材
35 絶縁スペーサ
45 第1畝部
47 第2畝部

Claims (6)

  1. 上面に第1透明抵抗膜が形成された第1透明基材と、前記第1透明基材に間隔を開けて向き合い、前記第1透明抵抗膜に臨む下面に第2透明抵抗膜が形成された第2透明基材とを備え、前記第1透明基材の上面及び下面には第1および第2畝部がそれぞれ所定のピッチで複数形成されており、前記第1および第2畝部は、互いに所定角度で交差した方向に延びる突条であることを特徴とする透明座標入力装置。
  2. 前記第1および第2畝部は、互いに異なる角度で傾斜した複数の面からなる断面多角形状の突条が所定のピッチで複数形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の透明座標入力装置。
  3. 前記第1および第2畝部の形成ピッチがそれぞれ100〜5000μmの範囲に設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明座標入力装置。
  4. 前記第1および第2畝部の高さがそれぞれ0.1〜10μmの範囲に設定されたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の透明座標入力装置。
  5. 請求項1からのいずれか1に記載の透明座標入力装置と、液晶表示パネルとを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の透明座標入力装置に用いられ、透明基材と、透明基材の表面に透明抵抗膜が形成された透明複合材であって、前記透明複合材の上面および下面に第1および第2畝部がそれぞれ所定のピッチで複数形成されており、前記第1および第2畝部は、互いに所定角度で交差した方向に延びる突条であることを特徴とする透明複合材。
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