JP4163826B2 - フィルタ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信装置等で妨害信号や雑音の除去に使用される、複数の共振器を電磁界結合させて構成したフィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘電体層によって絶縁され、かつ誘電体層を介して対向する、任意の周波数の電気信号で共振をする共振器が含まれている信号線と接地導体とによって構成されるフィルタ回路においては、共振器は誘電体層の一方の主面、すなわち接地導体が形成された主面と反対側の主面上にしか構成されないのが通常であった。
【0003】
そのような従来のフィルタ回路の構成例を図3に断面図で示す。図3において、71は誘電体層、72・73は誘電体層71の上面に被着形成された、共振器に対して信号の入出力を行なう給電線、74・75は誘電体層71の上面に被着形成されたマイクロストリップライン共振器、76・78は給電線72とマイクロストリップライン共振器74との第1単位結合部、77・81は給電線73とマイクロストリップライン共振器75との第2単位結合部、79・80はマイクロストリップライン共振器74と75との第3単位結合部、82は誘電体層71の下面に被着形成された接地導体である。
【0004】
このフィルタ回路においては、給電線72より信号が入力されると、この入力信号は第1単位結合部76・78を介してマイクロストリップライン共振器74に入る。
【0005】
マイクロストリップライン共振器74に入った信号は第3単位結合部79・80を介してマイクロストリップライン共振器75に入り、さらに第2単位結合部81・77を介して給電線73に出力される。すなわち、このようなフィルタ回路における各共振器74・75間もしくは共振器74・75と給電線72・73間の信号の伝達は、電界結合もしくは磁界結合によって行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなフィルタ回路においては、第1単位結合部76・78と第2単位結合部77・81の間には、電界・磁界を遮断するものがないため、これらの間にフィルタ回路設計の上で不必要な共振器間もしくは共振器と給電線間の電界もしくは磁界結合も生じてしまうという問題点があった。そのため、高度な性能を必要とするフィルタ回路、例えばフィルタ回路の振幅の減衰特性を急峻に制御する必要がある帯域通過フィルタ回路等では、フィルタ回路設計の上で不必要な電界もしくは磁界結合が生じることにより、フィルタ回路の電気特性において所望の急峻な減衰特性を得られないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記従来技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、共振器間もしくは共振器と給電線間の不要な電界もしくは磁界結合を解消でき、所望のフィルタ特性が得られるように正確に設計・作製することができるフィルタ回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルタ回路は、上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とが、前記第1および第2共振器同士が対向するようにして前記第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面しているとともに、前記第1誘電体層、第2誘電体層、および第3誘電体層を含む積層体の側面の四方を覆い、且つ前記第1接地導体および第2接地導体と電気的に接続される金属筐体が設けられており、前記第1接地導体および第2接地導体が超伝導体または常伝導体からなるとともに、前記第1、第2接地導体が超伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは磁場進入長以下の厚みであり、前記第1、第2接地導体が常伝導体からなる場合の前記第1、第接地導体の厚みは表皮厚み以下の厚みであり、前記第1および第2共振器間に位置する前記第1または第2接地導体の一方に前記第1および第2共振器を準TEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のフィルタ回路は、上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とが、前記第1および第2共振器同士が対向するようにして前記第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面しているとともに、前記第1誘電体層、第2誘電体層、および第3誘電体層を含む積層体の側面の四方を覆い、且つ前記第1接地導体および第2接地導体と電気的に接続される金属筐体が設けられており、前記第1接地導体および第2接地導体が超伝導体または常伝導体からなるとともに、前記第1、第2接地導体が超伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは磁場進入長以下の厚みであり、前記第1、第2接地導体が常伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは表皮厚み以下の厚みであり、前記第1誘電体層上に上面に第3接地導体が被着形成された第4誘電体層を、前記第2誘電体層下に下面に第4接地導体が被着形成された第5誘電体層をそれぞれ積層し、前記第1および第2共振器間に位置する前記第1または第2接地導体の一方に前記第1および第2共振器をTEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明のフィルタ回路は、前記第3接地導体と前記第1共振器との距離または前記第4接地導体と前記第2共振器との距離を変える調整ネジをさらに備えることを特徴とするものである。
また本発明のフィルタ回路は、前記開口は、前記第1接地導体と前記第2接地導体のうち一方にのみ形成されていることを特徴とするものである。
また本発明のフィルタ回路は、前記第3誘電体層は、前記第1接地導体と前記第2接地導体とを貼りあわせる接着剤からなり、前記開口は、前記接着剤により埋められていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1のフィルタ回路によれば、上記構成により、第1〜第3誘電体層と第1・第2接地導体を介して対向している第1および第2共振器間に位置する第1または第2接地導体の一方に開口を設けたことから、この開口を介して対向する第1および第2共振器の間では、一方の接地導体をお互いに直接共有することとなり、この接地導体を介して、この場合の各共振器を電磁波が伝搬するモードである準TEMモード同士で電界もしくは磁界結合をすることができる。これは、第3誘電体層を介して対面する第1および第2接地導体はそれぞれアースに接地されるために本来は電界や磁界を完全に遮断できるが、本発明のフィルタ回路におけるように一方の接地導体に開口を設けることにより他方の一つの接地導体をその両側で2つの共振器が共有すると、接地導体を流れる電流や磁界によって2つの共振器同士は互いに電界もしくは磁界結合をすることによるものである。しかし、その他の開口を設けていない場所でこのように一方の接地導体を直接共有しない共振器同士や共振器と給電線の間では、電界や磁界は完全に遮断されるため電界もしくは磁界結合をすることはできない。そのため、この一方の接地導体に設ける開口の位置や形状・大きさを制御することにより、所望の共振器同士を電磁界結合させつつその他の不要な電界もしくは磁界結合をなくすことができる。その結果、本発明のフィルタ回路によれば、所望の急峻なフィルタ特性を有するフィルタ回路を正確に設計・作製することが可能となる。
【0012】
これに対し、従来のように共振器および給電線が誘電体層上の接地導体とは反対側の一方の主面上にしかない場合では、共振器間もしくは共振器と給電線間に不要な電界結合もしくは磁界結合を妨げることができる2重の接地導体がないために、遠く離れた共振器同士でも電界もしくは磁界結合を起こしてしまい、その結果、所望の急峻なフィルタ特性を有するフィルタ回路の正確な設計・作製は困難となる。
【0013】
また、本発明の第2のフィルタ回路によれば、上記構成により、第1〜第3誘電体層と第1・第2接地導体を介して対向している第1および第2共振器間に位置する第1または第2接地導体の一方に開口を設けたことから、第1のフィルタ回路と同様に、この開口を介して対向する第1および第2共振器の間では、一方の接地導体をお互いに直接共有することとなり、この接地導体を介して、この場合の各共振器を電磁波が伝搬するモードであるTEMモード同士で電界もしくは磁界結合をすることができる。
【0014】
しかも、第4誘電体層および第5誘電体層の誘電率や第3接地導体および第4接地導体と第1共振器および第2共振器との距離を変化させることにより、電気的に接続されている第1接地導体および第2接地導体と第3接地導体および第4接地導体に加わる電界もしくは磁界の強度を分け合うことができ、それにより第1接地導体または第2接地導体の一方を介した第1および第2共振器間の電界もしくは磁界結合の強度を容易に変化させて簡単に制御することができるので、第1〜第3誘電体層と第1・第2共振器と第1・第2接地導体とでフィルタ回路を作製した後、後工程で第4・第5誘電体層と第3・第4接地導体とを積層することにより、得られるフィルタ回路のフィルタ特性を正確に調整することが可能となる。
【0015】
また、これら本発明の第1および第2のフィルタ回路において、第1接地導体および第2接地導体を超電導体で形成した場合は、超電導体内の電界・磁界の生じる空間は磁場侵入長と呼ばれる物性値で決定されるが、この磁場侵入長と超電導体の厚みの関係により第1接地導体および第2接地導体を介した電界もしくは磁界結合の強度を変化させることができ、この超電導体の磁場侵入長は信号の周波数に依存しないため、周波数帯域の広いフィルタ回路も簡単かつ正確に設計・作製することが可能となる。
【0016】
以下、図面に基づいて本発明のフィルタ回路を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1のフィルタ回路の実施の形態の一例を示す断面図である。
【0018】
図1において、1・2および3はそれぞれ第1誘電体層・第2誘電体層および第3誘電体層、4は第1誘電体層1の上面に被着形成された、共振器と信号の入出力を行なう給電線、5は第2誘電体層2の下面に被着形成された給電線、6は第1誘電体層1の上面に被着形成された第1共振器としてのマイクロストリップライン共振器、7は第2誘電体層2の下面に被着形成された第2共振器としてのマイクロストリップライン共振器である。この給電線4と第1共振器6とでフィルタ回路の第1信号線を構成し、給電線5と第2共振器7とで第2信号線を構成する。8は第1誘電体層1の下面に被着形成された第1接地導体、9は第2誘電体層2の上面に被着形成された第2接地導体であり、これら第1接地導体8と第2接地導体9とは第3誘電体層3を介して対面している。10・12は給電線4と第1共振器6とを電界もしくは磁界結合させるための第1単位結合部、11・14は給電線5と第2共振器7とを電界もしくは磁界結合させるための第2単位結合部、13・15は対向するように配置されている第1共振器6と第2共振器7とを電界もしくは磁界結合させるための第3単位結合部である。そして、16は第1共振器6および第2共振器7間に位置する一方の接地導体、ここでは第1接地導体8に設けられた開口である。
【0019】
このフィルタ回路において、給電線4より信号が入力されると、この入力信号は第1単位結合部10・12を介して第1共振器6に入る。第1共振器6であるマイクロストリップライン共振器における電磁波は平面波である準TEM(Transverse ElectroMagnetic)モードで伝送するため、この第1共振器6の電磁界分布とその真下にある第1接地導体8の電磁界分布はほとんど同じとなる。そして、第1接地導体8に設けられた開口16のところのみ、第1共振器6の電磁界分布は第2接地導体9の電磁界分布を形成することとなる。次に、この電磁界分布に対応して、第2共振器7の電磁界分布が決定され、このような電磁波の伝送により、開口16を介して対向している第1共振器6と第2共振器7とは、第3単位結合部13・15を介して準TEMモード同士で電界もしくは磁界結合をすることになる。
【0020】
そして、第2共振器7に伝送された信号は、準TEMモードで伝送され、第2単位結合部11・14を介して給電線5に出力される。
【0021】
このとき、第1単位結合部10・12と第2単位結合部11・14は第3誘電体層3を介して対面している2重の第1および第2接地導体8・9によって電界・磁界の両方とも遮断されるため、第1および第2共振器6・7間の所望の電磁界結合以外の不要な電界もしくは磁界結合は生じることがなくなり、その結果、所望通りの急峻なフィルタ特性を有するフィルタ回路を得ることができる。
【0022】
次に、図2は本発明の第2のフィルタ回路の実施の形態の一例を示す断面図である。
【0023】
図2において、21・22・23・37および38はそれぞれ第1誘電体層・第2誘電体層・第3誘電体層・第4誘電体層および第5誘電体層である。24は第1誘電体層21の上面に被着形成された、共振器と信号の入出力を行なう給電線、25は第2誘電体層22の下面に被着形成された給電線である。26は第1誘電体層21の上面に被着形成された第1共振器としてのストリップライン共振器、27は第2誘電体層22の下面に被着形成された第2共振器としてのストリップライン共振器である。この給電線24と第1共振器26とでフィルタ回路の第1信号線を構成し、給電線25と第2共振器27とで第2信号線を構成する。28は第1誘電体層21の下面に被着形成された第1接地導体、29は第2誘電体層22の上面に被着形成された第2接地導体、39は第4誘電体層24の上面に被着形成された第3接地導体、40は第5誘電体層25の下面に被着形成された第4接地導体である。30・32は給電線24と第1共振器26とを電界もしくは磁界結合させるための第1単位結合部、31・34は給電線25と第2共振器27とを電界もしくは磁界結合させるための第2単位結合部、33・35は第1共振器26と第2共振器27とを電界もしくは磁界結合させるための第3単位結合部である。そして、36は第1共振器26および第2共振器27間に位置する一方の接地導体、ここでは第1接地導体28に設けられた開口である。
【0024】
このフィルタ回路において、給電線24より信号が入力されると、この入力信号は第1単位結合部30・32を介して第1共振器26に入る。ストリップライン共振器における電磁波はTEMモードで伝送するため、第1共振器26の電磁界分布とその上下にある第3接地導体39・第1接地導体28の電磁界分布はほとんど同じとなる。このとき、第4および第1誘電体層37・21の厚みと誘電率によって第3および第1接地導体39・28の電磁界強度が決定される。例えば、誘電体層が薄く第1共振器26との距離が近い接地導体の方が電磁界強度は強い。また、誘電率の大きい誘電体層の方に電磁界はより深く入り込むので、第1共振器26との間の誘電体層の誘電率の大きい接地導体の方が電磁界強度は強くなる。そして、第1接地導体28に設けられた開口36のところのみ、第1共振器26の電磁界分布は第3接地導体39と第2接地導体29の電磁界分布を形成する。この第2接地導体29の電磁界強度は第4・第1および第3誘電体層37・21・23と開口36の厚みと誘電率によって決定される。
【0025】
次に、この電磁界分布に対応して、第2共振器27に電磁波信号が伝送される。
【0026】
その伝送強度と分布は開口36を介して第1共振器26の電磁界分布が投影された第2接地導体29の電磁界強度と、第2および第5誘電体層22・38の厚みと誘電率によって決定される。このような電磁波の伝送により、開口36を介して対向している第1共振器26と第2共振器27とは、第3単位結合部33・35を介してTEMモード同士で電界もしくは磁界結合をすることになる。そして、第2共振器27に伝送された信号は、TEMモードで伝送され、第2単位結合部31・34を介して給電線35に出力される。
【0027】
このとき、第1単位結合部30・32と第2単位結合部31・34とは、第3誘電体層23を介して対面している2重の第1および第2接地導体28・29によって電界・磁界の両方とも遮断されるため、第1および第2共振器6・7間の所望の電磁界結合以外の不要な電界もしくは磁界結合は生じることがなくなり、その結果、所望通りの急峻なフィルタ特性を有するフィルタ回路を得ることができる。
【0028】
さらに、この第2のフィルタ回路によれは、第4および第5誘電体層37・38の厚みと誘電率を変化させることにより、簡単に第3単位結合部33・35の結合強度を変化させて制御することができる。
【0029】
さらに、以上の図1および図2に示す第1および第2のフィルタ回路において第1接地導体8・28および第2接地導体9・29を超電導体で形成することにより、前述のように周波数帯域の広いフィルタも簡単かつ正確に設計・作製することができる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明のフィルタ回路について具体例を説明する。
【0031】
図4に、本発明の第2のフィルタ回路による中心周波数が2GHz、通過帯域幅が約20MHzの帯域通過フィルタ回路の実施例の断面図を示す。
【0032】
図4において、41・42・43・57および58はそれぞれ第1誘電体層・第2誘電体層・第3誘電体層・第4誘電体層および第5誘電体層である。66および67はそれぞれ信号の入出力を行なうコネクタである。44は第1誘電体層41の上面に被着形成されてコネクタ66の中心導体と電気的に接続され、かつ共振器と信号の入出力を行なう給電線、45は第2誘電体層42の下面に被着形成されてコネクタ67の中心導体と電気的に接続され、かつ共振器と信号の入出力を行なう給電線である。46は第1誘電体層41の上面に被着形成された第1共振器としてのストリップライン共振器、47は第2誘電体層42の下面に被着形成された第2共振器としてのストリップライン共振器である。この給電線44と第1共振器46とでフィルタ回路の第1信号線を構成し、給電線45と第2共振器47とで第2信号線を構成する。48は第1誘電体層41の下面に被着形成された第1接地導体、49は第2誘電体層42の上面に被着形成された第2接地導体、59は第4誘電体層57の上面に被着形成された第3接地導体、60は第5誘電体層58の下面に被着形成された第4接地導体である。
【0033】
61はこのフィルタ回路の四方の側面を覆う金属筐体である。この金属筐体61は第1〜第4接地導体48・49・59・60と隙間なく電気的に接続されて、フィルタ回路の電磁波が外部に漏れるのを防ぐ役割をする。そして、金属筐体61は入出力用コネクタ66・67の外導体とも電気的に接続される。また、第3接地導体59は調整ネジ62・63によって給電線44・第1共振器46との距離を変化させることができる。また、第4接地導体60も同様に調整ネジ64・65によって給電線45・第2共振器47との距離を変化させることができる。
【0034】
50・52は給電線44と第1共振器46とを電界もしくは磁界結合させるための第1単位結合部、51・54は給電線45と第2共振器47とを電界もしくは磁界結合させるための第2単位結合部、53・55は第1共振器46と第2共振器47を電界もしくは磁界結合させるための第3単位結合部である。そして、56は第1共振器46および第2共振器47間に位置する一方の接地導体、ここでは第1接地導体48に設けられた開口である。
【0035】
このフィルタ回路において、コネクタ66より給電線44に信号が入力されると、この入力信号は第1単位結合部50・52を介して第1共振器46に入る。ストリップライン共振器における電磁波はTEMモードで伝送するため、第1共振器46の電磁界分布とその上下にある第3接地導体59・第1接地導体48の電磁界分布はほとんど同じとなり、第4および第1誘電体層57・41の厚みと誘電率によって第3および第1接地導体59・48の電磁界強度が決定される。そして、第1接地導体48に設けられた開口56のところのみ、第1共振器46の電磁界分布は第3接地導体59と第2接地導体49の電磁界分布を形成する。この第2接地導体49の電磁界強度は第4・第1および第3誘電体層57・41・43と開口56の厚みと誘電率によって決定される。
【0036】
次に、この電磁界分布に対応して、第2共振器47に電磁波信号が伝送される。
【0037】
その伝送強度と分布は開口56を介して第1共振器46の電磁界分布が投影された第2接地導体49の電磁界強度と、第2および第5誘電体層42・58の厚みと誘電率によって決定される。このような電磁波の伝送により、開口56を介して対向している第1共振器46と第2共振器47とは、第3単位結合部53・55を介してTEMモード同士で電界もしくは磁界結合をすることになる。
【0038】
このとき、調整ネジ62・63・64・65により第3接地導体59と第1共振器46との距離および第4接地導体60と第2共振器47との距離を変化させることにより、第3単位結合部53・55を介した電界もしくは磁界結合の強度を変化させることができる。
【0039】
そして第2共振器47に伝送された信号は、第2単位結合部51・54を介して給電線55に伝送され、コネクタ67より出力される。
【0040】
次に、このようなフィルタ回路の作製方法について説明する。
【0041】
厚みが0.5 mmの2枚の単結晶MgO(100)基板の両面上にYBa2 Cu3 Oy (y≒7)超電導薄膜をスパッタリング法により0.5 μmの厚みで成膜した。この超電導薄膜を物理エッチングによりパターニングし、図4に示すフィルタ回路の給電線44・45と第1および第2共振器46・47と開口56を形成した。ここで第1および第2共振器46・47はそれぞれ中心周波数の波長の約1/2の長さのライン共振器となるように構成した。
【0042】
次に、この2枚の基板をエポキシ系接着剤で第1および第2接地導体48・49同士を対面させて貼り合わせ、この接着剤を第3誘電体層43とした。なお、この第3誘電体層43の厚みは約50μmとした。また、この接着剤により開口56は埋められている。
【0043】
次に、この貼り合わせた基板をネジによって高さの変えられる銅製の金属筐体に内蔵した。そして、第4および第5誘電体層57・58は空気(冷却時は真空)とし、金属筐体には信号の入出力のためのKコネクタ66・67を取り付けた。なお、このフィルタ回路のサイズは、回路シミュレータを用いて阻止域1.6 GHzで−15dB以下の透過特性になるように最適化した。
【0044】
このようにして作製したフィルタ回路のフィルタ特性の透過特性を結果を図5に線図で示す。この透過特性は、図4に示す構成のフィルタ回路を真空チャンバ内で冷凍機を用いて70Kに冷却した後、ネットワークアナライザで測定した。図5において横軸は周波数(GHz)を、縦軸は透過特性(dB)を表わし、特性曲線は透過特性の周波数特性を示している。この結果より分かるように、阻止域での透過特性は1.6 GHzで−15dB以下であり、目標としたフィルタ特性とほぼ同等のフィルタ特性を有している。この結果は、第1単位結合部50・52と第2単位結合部51・54は第3誘電体層43を介して対面している第1および第2接地導体48・49によって電界・磁界の両方とも遮断されているため、不要な電界もしくは磁界結合が発生していないために回路シミュレータで設計した値を示したものと考えられる。
【0045】
これにより、本発明の構造によれば、不要な電磁界結合が抑制でき、設計通りの透過特性を有するフィルタ回路を作製できることが確認できた。
【0046】
なお、同様のフィルタ回路を本発明の第1のフィルタ回路により作製して同じく透過特性を評価したところ、同様に良好な透過特性を有するものであった。
【0047】
次に、図6に、比較例として従来技術で作製したフィルタ回路の実施例の断面図を示す。
【0048】
図6において、91・106 は誘電体層、92・93は共振器と信号の入出力を行なう給電線、94・95は誘電体層91の上面に被着形成されたマイクロストリップライン共振器、102 は接地導体、103 は金属筐体である。この金属筐体103 はフィルタ回路の電磁波が外部に漏れることを防ぐ役割をする。104 ・105 は入出力用のコネクタである。
【0049】
このフィルタ回路において、コネクタ104 より給電線92に信号が入力されると、この入力信号は第1単位結合部96・98を介してマイクロストリップライン共振器94に入る。マイクロストリップライン共振器94に入った信号は第3単位結合部99・100 を介してマイクロストリップライン共振器95に入り、さらに第2単位結合部101 ・97を介して給電線93に伝送され、コネクタ105 に出力される。
【0050】
次に、この比較例のフィルタ回路の作製方法について説明する。
【0051】
厚みが0.5 mmの単結晶MgO(100)基板の両面上にYBa2 Cu3 Oy (y≒7)超電導薄膜をスパッタリング法により0.5 μmの厚みで成膜した。この超電導薄膜を物理エッチングによりパターニングし、図6に示すフィルタ回路の給電線92・93とマイクロストリップライン共振器94・95を形成した。もう片面の超電導薄膜は接地導体102 とした。ここで共振器94・95はそれぞれ中心周波数の波長の約1/2の長さのライン共振器となるように構成した。
【0052】
この基板を銅製の金属筐体に内蔵し、誘電体層106 は空気(冷却時は真空)とした。金属筐体には信号の入出力のためのKコネクタ 104・105 を取り付けた。
【0053】
なお、このフィルタ回路のサイズは、回路シミュレータを用いて阻止域1.6 GHzで−15dB以下の透過特性になるように最適化した。
【0054】
このようにして作製したフィルタ回路のフィルタ特性の透過特性を結果を図7に線図で示す。この透過特性は、図6のフィルタ回路を真空チャンバ内で冷凍機を用いて70Kに冷却した後、ネットワークアナライザで測定した。図7においても横軸は周波数(GHz)を、縦軸は透過特性(dB)を表わし、特性曲線は透過特性の周波数特性を示している。この結果より分かるように、阻止域での透過特性は1.6 GHzで−10dB以上であり、目標としたフィルタ特性より5dB以上特性が劣化している。この結果は、第1単位結合部96・98と第2単位結合部101 ・97とが不要な電界もしくは磁界結合をしたために生じたものと考えられる。
【0055】
このように、従来技術による比較例のフィルタ回路では、不要な電界もしくは磁界結合のため、設計通りの阻止域での優れた減衰特性が得られないことが分かる。
【0056】
なお、以上はあくまで本発明の実施の形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。
【0057】
例えば、共振器や接地導体を被着形成する誘電体層は誘電体であれば特にその種類を限定されるものではない。ただし、超電導薄膜を成膜する場合は、良好な超電導特性が得られやすい単結晶基板(MgO、LaAlO3 、サファイア等)が望ましい。なお、超電導薄膜の積層方法も、スパッタリング法や気相成長法等、超電導特性が得られる成膜方法であれば特に限定されるものではない。
【0058】
また、共振器の厚みは全く限定されないが、接地導体の厚みは材質によって制限がある場合がある。接地導体が超電導体である場合、その電界・磁界成分が分布する超電導体内部領域は端部より磁場侵入長の長さだけであり、接地導体の厚みが磁場侵入長以上の厚みでは第3単位結合部の電界もしくは磁界結合が起こらなくなる。この磁場侵入長は超電導臨界温度直下では無限大になるが、超電導現象を安定して得るには最低でも臨界温度より5K以上の温度をあける必要がある。このときの磁場侵入長は超電導体の材料や超電導結晶の配向方向によっても異なるが、おおよそ10μm以下である。また超電導体の厚みが0.001 μm以下では誘電体層からの歪の影響により超電導特性が得られにくいものとなる。そのため、望ましい超電導接地導体の厚みは0.001 〜10μmである。さらに、超電導薄膜のエッチング方法は、物理エッチングや化学エッチング等、特に限定されるものではない。
【0059】
一方、接地導体が超電導体でなく常電導体である場合の接地導体の好適な厚みはこれとは異なる。常電導体は室温で用いる全ての導電性物質がこれに当てはまるが、常電導体の場合は、電界・磁界成分が分布する常電導体内部領域は端部より表皮の厚さだけである。この表皮の厚さはδ={2/(ωμσ)}1/2 で表わされる。ここでωは角周波数、μは透磁率、σは電気伝導度を示す。接地導体が金属銅の場合、周波数が2GHzで表皮の厚さは約1.5 μmとなり、この場合の接地導体の厚みは1.5 μm以下が望ましい。また、他の常電導体においても、表皮の厚み以下の接地導体の厚みとすることが望ましく、これ以上の厚みでは第3単位結合部の電界もしくは磁界結合が起こらなくなる傾向がある。
【0060】
第1もしくは第2接地導体に設ける開口のサイズは、要求される第3単位結合部の結合強度によって、大きさは自由にしてよい。ただし、不要結合を抑える観点から、同じ平面上で直接に電界もしくは磁界結合を行なわない他の共振器や給電線にまたがるような大きな開口とすることは望ましくない。また、接地導体を介して複数の電界もしくは磁界結合を行なう場合は、結合を行なう数だけ開口を設けるのが望ましい。このときにすべての開口を同じ接地導体に空ける必要はなく、第1および第2接地導体の両方に開口を設けてもかまわない。ただし、開口を設ける場所では片方の接地導体にしか設けてはいけない。
【0061】
さらに、このフィルタ回路に用いる共振器の構造は、任意の周波数で共振現象を起こすものであれば、中心周波数の約1/2の長さのライン共振器や円板型共振器・パッチ型共振器等、特に限定されるものではない。
【0062】
第3誘電体層は、誘電体であれば基本的に何でも使用できるが、第1接地導体と第2接地導体とを接着できるものであるのが作製上望ましい。前述の実施例ではエポキシ系接着剤を第3誘電体層として用いて接地導体同士を貼り合わせたが、この材質も、アクリル系やウレタン系等特に限定されるものではなく、この第3誘電体層の厚みも特に限定されるものではない。
【0063】
また、実施例では第4・第5誘電体層は空気(冷却時は真空)としたが、これも特に材質が限定されるものではない。一般に、第4・第5誘電体層がガス以外の固体であれば、第1および第2共振器は基本的にストリップライン共振器と呼ばれるものとなるが、共振器がストリップライン共振器であってもマイクロストリップライン共振器であってもどちらでもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第1のフィルタ回路によれば、上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とを、第1および第2共振器同士が対向するようにして第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面させるとともに、第1および第2共振器間に位置する第1または第2接地導体の一方に第1および第2共振器を準TEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことから、所望の共振器同士を電磁界結合させつつその他の不要な電界もしくは磁界結合をなくすことができ、所望の急峻なフィルタ特性を有するフィルタ回路を正確に設計・作製することができた。
【0065】
また、本発明の第2のフィルタ回路によれば、上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とを、第1および第2共振器同士が対向するようにして第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面させるとともに、第1誘電体層上に上面に第3接地導体が被着形成された第4誘電体層を、第2誘電体層下に下面に第4接地導体が被着形成された第5誘電体層をそれぞれ積層し、第1および第2共振器間に位置する第1または第2接地導体の一方に前記第1および第2共振器をTEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことから、所望の共振器同士を電磁界結合させつつその他の不要な電界もしくは磁界結合をなくすことができるとともに、第4誘電体層および第5誘電体層の誘電率や第3接地導体および第4接地導体と第1共振器および第2共振器との距離を変化させることにより、第1および第2共振器間の電界もしくは磁界結合の強度を容易に変化させて簡単に制御することができ、得られるフィルタ回路のフィルタ特性を正確に調整することができた。
【0066】
さらに、本発明の第1および第2のフィルタ回路において第1接地導体および第2接地導体を超電導体で形成したことにより、周波数に関係なく接地導体の厚みを設定できるようになった。
【0067】
以上により、本発明によれば、共振器間もしくは共振器と給電線間の不要な電界もしくは磁界結合のない理想的なフィルタ回路を構成することができ、所望のフィルタ特性が得られるように正確に設計・作製することができるフィルタ回路を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のフィルタ回路の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2のフィルタ回路の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】従来のフィルタ回路の例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2のフィルタ回路による帯域通過フィルタ回路の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明のフィルタ回路の実施例の透過特性を示す線図である。
【図6】フィルタ回路の比較例を示す断面図である。
【図7】比較例のフィルタ回路のフィルタ特性の透過特性を示す線図である。
【符号の説明】
1、21、41・・・第1誘電体層
2、22、42・・・第2誘電体層
3、23、43・・・第3誘電体層
37、57・・・・・第4誘電体層
38、58・・・・・第5誘電体層
6、26、46・・・第1共振器
7、27、47・・・第2共振器
8、28、48・・・第1接地導体
9、29、49・・・第2接地導体
39、59・・・・・第3接地導体
40、60・・・・・第4接地導体
16、36、56・・・開口
Claims (5)
- 上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とが、前記第1および第2共振器同士が対向するようにして前記第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面しているとともに、前記第1誘電体層、第2誘電体層、および第3誘電体層を含む積層体の側面の四方を覆い、且つ前記第1接地導体および第2接地導体と電気的に接続される金属筐体が設けられており、
前記第1接地導体および第2接地導体が超伝導体または常伝導体からなるとともに、前記第1、第2接地導体が超伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは磁場進入長以下の厚みであり、前記第1、第2接地導体が常伝導体からなる場合の前記第1、第接地導体の厚みは表皮厚み以下の厚みであり、
前記第1および第2共振器間に位置する前記第1または第2接地導体の一方に前記第1および第2共振器を準TEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことを特徴とするフィルタ回路。 - 上面に第1共振器が、下面に第1接地導体が被着形成された第1誘電体層と、上面に第2接地導体が、下面に第2共振器が被着形成された第2誘電体層とが、前記第1および第2共振器同士が対向するようにして前記第1および第2接地導体同士を間に第3誘電体層を介して対面しているとともに、前記第1誘電体層、第2誘電体層、および第3誘電体層を含む積層体の側面の四方を覆い、且つ前記第1接地導体および第2接地導体と電気的に接続される金属筐体が設けられており、
前記第1接地導体および第2接地導体が超伝導体または常伝導体からなるとともに、前記第1、第2接地導体が超伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは磁場進入長以下の厚みであり、前記第1、第2接地導体が常伝導体からなる場合の前記第1、第2接地導体の厚みは表皮厚み以下の厚みであり、
前記第1誘電体層上に上面に第3接地導体が被着形成された第4誘電体層を、前記第2誘電体層下に下面に第4接地導体が被着形成された第5誘電体層をそれぞれ積層し、前記第1および第2共振器間に位置する前記第1または第2接地導体の一方に前記第1および第2共振器をTEMモード同士で電磁界結合するための開口を設けたことを特徴とするフィルタ回路。 - 前記第3接地導体と前記第1共振器との距離または前記第4接地導体と前記第2共振器との距離を変える調整ネジをさらに備えることを特徴とする請求項2記載のフィルタ回路。
- 前記開口は、前記第1接地導体と前記第2接地導体のうち一方にのみ形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルタ回路。
- 前記第3誘電体層は、前記第1接地導体と前記第2接地導体とを貼りあわせる接着剤からなり、前記開口は、前記接着剤により埋められていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルタ回路。
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