JP4163769B2 - センサ用温度補償回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物理量を電気信号に変換するセンサからの電気信号を増幅して計測を行う計測装置の温度補償を行うセンサ用温度補償回路に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、計測や計量等を行うために、被測定物理量を電気信号に換えるセンサが多用されている。
このようなセンサを用いた計測装置は、測定環境の温度が変化すると、被測定物理量が変化しなくとも、その出力値が変動してしまい、温度変化による誤差が発生するので、高精度な測定を行うには、温度補償を行う必要がある。
計測装置の温度補償としては、スパン温度補償およびゼロ点温度補償の両方を行う必要がある。
スパン温度補償は、被測定物理量の変化範囲の最大値および最小値に対して、計測装置の出力値が、温度変化があっても常に、所定の最大値および最小値となるように、換言すれば、被測定物理量の変化範囲(以下「スパン」という)と、計測装置の出力値の変化範囲とが、温度変化によらず常に対応するように、計測装置の出力値の温度変動分を相殺する温度補償である。
ゼロ点温度補償は、被測定物理量のゼロ点と計測装置の出力値のゼロ点とが、温度変化によらず常に一致するように、温度変化による変動分を相殺する温度補償である。
【0003】
以下に、具体的な例をあげて、スパン温度補償およびゼロ点温度補償について説明する。
図3には、スパン温度補償回路を有する計測装置30が示されている。
計測装置30は、同相成分除去比CMR(Common Mode Rejection Ratio )を損なわずに、一つの抵抗を交換するだけで、数倍から数百倍の範囲で増幅率が可変となったインスツルメンテーションアンプであり、二つの電圧出力を有するブリッチ型のセンサ31が接続されている。
計測装置30の初段には、センサ31の各出力から取り出した電圧を増幅するために、初段の二つのオペアンプ32, 33が設けられている。これらのオペアンプ32, 33の後段には、オペアンプ32, 33の出力の差を増幅するオペアンプ34が設けられている。
オペアンプ32, 33の逆相入力は、温度補償抵抗35を介して相互に接続されている。この温度補償抵抗35の抵抗値が大きくなると、オペアンプ32, 33の各逆相入力の電圧が高くなり、正相入力に入力される信号の増幅率が低くなるようになっている。
このため、計測装置30に接続されるセンサ31の温度特性が、温度の上昇とともに出力が増大する、正の温度係数を有するものである場合には、温度補償抵抗35として正の温度係数を有するものを採用することで、センサ31の温度による増大分が相殺可能となり、センサ31のスパン温度補償を図ることができる。
一方、センサ31の温度特性が、温度の上昇とともに出力が減少する、負の温度係数を有するものである場合には、温度補償抵抗35として負の温度係数を有するものを採用すれば、センサ31の温度による減少分が相殺可能となり、センサ31のスパン温度補償を図ることができる。
【0004】
図4には、スパン温度補償の別の例として、計測装置40が示されている。この計測装置40は、センサ31の温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗のみで、スパン温度補償が行えるものである。
計測装置40には、センサ31の出力増幅用のオペアンプ41が設けられている。このオペアンプ41の逆相入力には、抵抗42を介してセンサ31の一方の出力が接続され、正相入力には、抵抗43を介してセンサ31の他方の出力が接続されている。
また、オペアンプ41の逆相入力は、抵抗44を介してオペアンプ41の出力が接続され、正相入力は、抵抗45を介して接地されている。
ここで、抵抗42および抵抗43の値が相互に等しく、かつ、抵抗44および抵抗45の値が相互に等しい場合、抵抗42および抵抗44の値をそれぞれR1, R3とすると、計測装置40の増幅率V2/V1は、V2/V1=R3/R1で表すことができる。
このため、センサ31が正の温度係数を有する場合には、抵抗42および抵抗43として、互いに特性のそろった正の温度係数を有する温度補償抵抗を採用すれば、温度上昇によるセンサ31の出力増大分が相殺可能となり、センサ31のスパン温度補償を図ることができる。
一方、センサ31が負の温度係数を有する場合には、抵抗44および抵抗45の方に、互いに特性のそろった正の温度係数を有する温度補償抵抗を採用すれば、温度上昇によるセンサ31の出力減少分が相殺可能となり、センサ31のスパン温度補償を図ることができる。
【0005】
図5および図6には、ゼロ点温度補償の例として、ゼロ点温度補償回路を有する計測装置50, 60が示されている。
図5において、計測装置50は、図3に示した計測装置30にゼロ点温度補償回路51を付加したものである。
ゼロ点温度補償回路51は、電源電圧Vccを抵抗52,53で分圧して、分圧した電圧を、計測装置30に設けた後段のオペアンプ34の正相入力電圧に加えるものである。このゼロ点温度補償回路51の分圧電圧の増大により、計測装置50のゼロ点は正側へシフトし、当該分圧電圧の減少により、計測装置50のゼロ点は負側へシフトするようになっている。
ここで、計測装置50のゼロ点が温度上昇により負側へシフトする場合には、抵抗53として正の温度係数を有する温度補償抵抗を採用すれば、温度上昇による出力信号の負側へのシフト分が相殺可能となる。
一方、計測装置50のゼロ点が温度上昇により正側へシフトする場合には、抵抗52の方に、正の温度係数を有する温度補償抵抗を採用すれば、温度上昇による出力信号の正側へのシフト分が相殺可能となる。
これらにより、計測装置50のゼロ点温度補償を図ることができる。
【0006】
図6において、計測装置60は、前述の計測装置50と同様のゼロ点温度補償回路51を、図4に示した計測装置40に付加したものである。
ゼロ点温度補償回路51は、抵抗52,53で分圧した電圧を、計測装置40に設けたオペアンプ41の正相入力電圧に加えるものである。
このような計測装置60でも、前述の計測装置50と同様に、ゼロ点温度補償を図ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の計測装置30のようなスパン温度補償では、負の温度係数を有するセンサ31には、負の温度係数を有する温度補償抵抗が必要となり、この負の温度係数を有する温度補償抵抗が一般的でなく、入手が難しいので、量産品への適用が困難であるという問題がある。
ここで、温度上昇により増幅率が低下する量を見込み、計測装置の増幅器の増幅率を上げるとともに、正の温度係数を有する温度補償抵抗で、温度上昇による増幅率の変化を補償することで、負の温度係数を有するセンサに対するスパン温度補償を行うことが考えられる。
しかし、このようなスパン温度補償では、センサ、増幅器および温度補償抵抗を形成する素子を設計段階で選択するだけでは不十分であり、センサ、増幅器および温度補償抵抗の温度特性を、実際に測定し、特性のそろったものを選択する必要がある。このため、製造に手間がかかり、製造効率が悪いうえ、ゼロ点近傍では、温度が変化しても増幅率が殆ど変化しないので、スパン温度補償が効かないという問題がある。
【0008】
また、前述の計測装置40のようなスパン温度補償では、温度特性が一致した二つの温度補償抵抗が必要となるので、特性のそろった二つの温度補償抵抗の選択が煩雑となるうえ、所定の数を用意するのが困難となり、量産性および製造効率が悪いという問題がある。
さらに、計測装置50, 60のようなゼロ点温度補償では、オペアンプ34の正相入力側に加える正電圧を、温度補償抵抗で増減するため、所定の電圧よりも低い領域については温度補償できず、ゼロ点温度補償が確実に行えないことがあるという問題がある。
【0009】
本発明の第1の目的は、センサの温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗のみで、スパン温度補償が行えるようになるうえ、量産性および製造効率を損なうことのないセンサ用温度補償回路を提供することにある。
本発明の第2の目的は、ゼロ点温度補償が確実に行えるようになるセンサ用温度補償回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電圧源からの所定電圧が印加されて被測定物理量を電気信号に変換するセンサと、このセンサからの電気信号を増幅する増幅回路とを備えた計測装置の温度補償を行うセンサ用温度補償回路であって、前記電圧源および前記センサの間にスパン温度補償回路が設けられ、このスパン温度補償回路は、前記電圧源からの所定電圧が入力される差動増幅器と、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗と、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗とを有し、前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられ、前記差動増幅器の出力電圧が切換によって選択された前記差動増幅器の出力電圧が前記温度補償抵抗と前記標準抵抗とで分圧されて負帰還されていることを特徴とする。
このような本発明では、センサには、スパン温度補償回路の出力電圧が印加されるようになる。
そして、スパン温度補償回路の出力電圧は、温度補償抵抗および標準抵抗で電圧源の出力電圧を分圧した電圧を入力した増幅回路の出力であるから、温度補償抵抗の抵抗値の変化により、その大きさが変動する。
ここで、温度補償抵抗および標準抵抗の一方を接地側に設ければ、温度上昇により増幅回路の出力が減少可能となるので、温度係数が正のセンサについて、スパン温度補償が可能になる。
逆に、温度補償抵抗および標準抵抗の他方を接地側に設ければ、温度上昇により増幅回路の出力を増大可能となるので、温度係数が負のセンサについて、スパン温度補償が可能になる。
このため、センサの温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗のみで、スパン温度補償が行えるようになる。
また、正の温度係数を有する温度補償抵抗のみで、スパン温度補償が行えるうえ、二つの温度補償抵抗同士の特性を一致させる必要がなく、温度補償抵抗の温度特性を測定して選択する等の煩雑な作業が不要となるので、量産性および製造効率を損なうことがない。
【0011】
しかも、本発明では、前記スパン温度補償回路には、前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられているから、センサの交換により、センサの温度係数が正および負の一方から他方へ変更されても、二組の温度補償抵抗および標準抵抗への接続を、第1組および第2組の一方から他方へ切り替えることで、センサの交換への対応が容易に行えるようになる。
【0012】
以上において、前記増幅回路には、少なくとも一個以上の差動増幅器が設けられ、この差動増幅器の入力には、その出力信号のゼロ点を温度補償するゼロ点温度補償回路を介して前記スパン温度補償回路の出力が接続され、前記ゼロ点温度補償回路は、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗と、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗とを備え、前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられ、切換によって選択された前記温度補償抵抗および前記標準抵抗で前記スパン温度補償回路の出力電圧を分圧することが望ましい。
このようにすれば、差動増幅器の入力側に加える正電圧が、温度補償抵抗の変動により調節されるようになり、出力値のゼロ点の温度変動に応じて、差動増幅器の入力電圧が変動され、ゼロ点の温度変動分を差動増幅器の入力電圧を前記変動分で相殺することが可能となり、ゼロ点温度補償が行えるようになる。
そのうえ、出力値の全スパンを正領域に設定することが可能となるとともに、出力値のゼロ点が当該全スパンの中間点に設定可能となる。
これにより、所定の電圧よりも高い領域にゼロ点が設定可能となるので、差動増幅器の入力に加える正電圧を調節することにより、ゼロ点温度補償を行う場合でも、ゼロ点温度補償が行えない領域がなくなるので、ゼロ点温度補償が確実に行えるようになる。
【0013】
しかも、前記ゼロ点温度補償回路には、前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられているから、前述のスパン温度補償と同様に、ゼロ点温度補償についても、センサの交換への対応が容易に行えるようになる。
【0014】
また、前記ゼロ点温度補償回路は、前記増幅回路の差動増幅器に設けられた正相入力および逆相入力の一方に接続され、当該差動増幅器の他方の入力には、その出力信号のゼロ点を調節するためのゼロ点調整回路を介して前記スパン温度補償回路の出力が接続され、前記ゼロ点調整回路は、二つの電気抵抗で前記スパン温度補償回路の出力電圧を分圧するものであることが望ましい。
このようにすれば、出力のゼロ点を設定するにあたり、出力値のスパンの中心に、ゼロ点を正確に設定することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した回路・部品と同一の回路・部品には同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略に行う。
図1には、本実施形態に係る計測装置1が示されている。この計測装置1は、本発明に基づくスパン温度補償回路2、ゼロ点温度補償回路3およびゼロ点調整回路4を、前述の計測装置30に付加したものである。
スパン温度補償回路2は、差動増幅器であるオペアンプ11を備えたものであり、その正相入力には、電圧源からの所定電圧Vccが入力されている。
このスパン温度補償回路2には、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗12、および、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗13が二組設けられている。
これらの温度補償抵抗12および標準抵抗13は、オペアンプ11の出力電圧Vを分圧するものである。ここで、分圧されたオペアンプ11の出力電圧は、オペアンプ11の逆相入力に印加され、負帰還されている。
このうち、温度補償抵抗12A および標準抵抗13A が第1組とされ、温度補償抵抗12B および標準抵抗13B が第2組とされ、これらの第1組および第2組への接続は、スイッチ14,15により切換可能となっている。
第1組の温度補償抵抗12A および標準抵抗13A は、温度補償抵抗12A が接地側に設けられている。一方、第2組の温度補償抵抗12B および標準抵抗13B は、標準抵抗13B が接地側に設けられている。
【0016】
ここで、スイッチ14,15の操作により、第1組が選択されると、温度補償抵抗12A の電圧降下がオペアンプ11の逆相入力に入力され、この状態で、温度が上昇すると、温度の上昇の程度に応じて、温度補償抵抗12A の電圧降下が増大し、オペアンプ11の増幅率が減少するようになっている。
これにより、センサ31の温度係数が正である場合のスパン温度補償が可能となっている。
一方、スイッチ14,15の操作により、第2組が選択されると、温度補償抵抗12B の電圧降下がオペアンプ11の逆相入力に入力され、この状態で、温度が上昇すると、温度の上昇の程度に応じて、温度補償抵抗12B の電圧降下が増大するとともに、標準抵抗13B の電圧降下が減少し、オペアンプ11の増幅率が増大するようになっている。
これにより、センサ31の温度係数が負である場合のスパン温度補償が可能となっている。
【0017】
スパン温度補償回路2の出力電圧Vは、ゼロ点温度補償回路3を介して、計測装置30の差動増幅器であるオペアンプ34の逆相入力に印加されている。
このゼロ点温度補償回路3は、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗16、および、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗17が二組設けられている。
これらの温度補償抵抗16および標準抵抗17は、スパン温度補償回路2の出力電圧Vを分圧するものである。分圧された電圧は、オペアンプ34の逆相入力に印加されている。
このうち、温度補償抵抗16A および標準抵抗17A が第1組とされ、温度補償抵抗16B および標準抵抗17B が第2組とされ、これらの第1組および第2組への接続は、スイッチ18,19により切換可能となっている。
第1組の温度補償抵抗16A および標準抵抗17A は、温度補償抵抗16A が接地側に設けられている。一方、第2組の温度補償抵抗16B および標準抵抗17B は、標準抵抗17B が接地側に設けられている。
【0018】
ここで、スイッチ18,19の操作により、第1組が選択されると、温度補償抵抗16A の電圧降下がオペアンプ11の逆相入力に入力されるようになっている。
この状態で、温度が上昇してゼロ点が負側へシフトすると、温度の上昇の程度に応じて、温度補償抵抗16A の電圧降下が増大し、オペアンプ34の逆相入力に加わる電圧が増大するようになっている。これにより、センサ31の温度係数が負である場合のゼロ点温度補償が可能となっている。
一方、スイッチ18,19の操作により、第2組が選択されると、標準抵抗17B の電圧降下がオペアンプ11の逆相入力に入力されるようになっている。
この状態で、温度が上昇してゼロ点が正側へシフトすると、温度の上昇の程度に応じて、温度補償抵抗16B の電圧降下が増大するとともに、標準抵抗17B の電圧降下が減少し、オペアンプ34の逆相入力に加わる電圧が減少するようになっている。これにより、センサ31の温度係数が正である場合ゼロ点温度補償が可能となっている。
【0019】
スパン温度補償回路2の出力電圧Vは、ゼロ点調整回路4を介して、計測装置30の差動増幅器であるオペアンプ34の正相入力にも印加されている。
このゼロ点調整回路4は、スパン温度補償回路2の出力電圧Vを分圧する抵抗21,22、および、分圧した電圧を微調整する可変抵抗23を有するものである。
ここで、可変抵抗23の操作により、オペアンプ34の正相入力に印加される電圧が微調整可能となっている。これにより、ゼロ点を設定する操作が正確に行えるようになっている。
【0020】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、電圧源からの所定電圧Vccを温度補償抵抗12および標準抵抗13で分圧し、この分圧した電圧をオペアンプ11に入力し、オペアンプ11の出力電圧をセンサ31に加えるようにしたので、温度補償抵抗12および標準抵抗13のいずれかを接地側とすれば、温度係数が正または負のセンサについて、スパン温度補償が行えるようになる。
このため、センサ31の温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗12のみで、スパン温度補償を行うことができる。
また、正の温度係数を有する温度補償抵抗12のみで、スパン温度補償が行えるうえ、二つの温度補償抵抗12A, 12Bは、互いに、特性を一致させる必要がなく、温度補償抵抗12の温度特性を測定する等の煩雑な作業が不要となるので、量産性および製造効率を何ら損なうことがない。
【0021】
さらに、温度補償抵抗12および標準抵抗13を二組切換可能に設け、第1組は、温度補償抵抗12A を接地側に設け、第2組は、標準抵抗13B を接地側に設けたので、センサ31の交換により、センサ31の温度係数が正および負の一方から他方へ変更されても、スイッチ14,15の操作で容易に対応することができる。
【0022】
また、スパン温度補償回路2の出力電圧Vを分圧する温度補償抵抗16および標準抵抗17をゼロ点温度補償回路3に設け、このゼロ点温度補償回路3で分圧した電圧を計測装置30のオペアンプ34の逆相入力に印加するようにしたので、温度補償抵抗16および標準抵抗17のいずれかを接地側とすることで、温度係数が正または負のセンサ31について、ゼロ点温度補償が行えるようになる。
このため、センサ31の温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗16のみで、ゼロ点温度補償を行うことができる。
【0023】
さらに、温度補償抵抗16および標準抵抗17を二組切換可能に設け、第1組は、温度補償抵抗16A を接地側に設け、第2組は、標準抵抗17B を接地側に設けたので、センサ31の交換により、センサ31の温度係数が正および負の一方から他方へ変更されても、スイッチ18,19の操作で容易に対応することができる。
【0024】
また、ゼロ点調整回路4を設け、ゼロ点を任意に、例えば、出力値の全スパンを正領域に設定するようにしたので、ゼロ点温度補償が行えない領域がなくなり、ゼロ点温度補償を確実に行うことができるうえ、出力のゼロ点を設定するにあたり、ゼロ点を出力値のスパンの中心に正確に設定することが可能となり、これにより、正領域および負領域に偏らない測定領域が確保され、測定の便宜を図ることができる。
【0025】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、スパン温度補償回路としては、二組の温度補償抵抗および標準抵抗を切換可能に設けたものに限らず、図2に示されるように、温度補償抵抗12および標準抵抗13を直列に設け、これら直列抵抗12,13の端部5,6を切換えるスイッチ14A を設け、抵抗12,13の一方を選択的に接地するようにしたスパン温度補償回路2Aでもよい。
なお、このようなスパン温度補償回路2Aの切換機構は、ゼロ点温度補償回路にも適用することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、センサの温度係数が正および負のどちらであっても、正の温度係数を有する温度補償抵抗のみで、スパン温度補償が行えるようになるうえ、量産性および製造効率を損なうことがない。また、ゼロ点温度補償が確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の変形例を示す回路図である。
【図3】従来のスパン温度補償の例を示す回路図である。
【図4】従来のスパン温度補償の異なる例を示す回路図である。
【図5】従来のゼロ点温度補償の例を示す回路図である。
【図6】従来のゼロ点温度補償の異なる例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 計測装置
2 スパン温度補償回路
3 ゼロ点温度補償回路
4 ゼロ点調整回路
11 差動増幅器としてのオペアンプ
12 スパン温度補償回路の温度補償抵抗
13 スパン温度補償回路の標準抵抗
16 ゼロ点温度補償回路の温度補償抵抗
17 ゼロ点温度補償回路の標準抵抗
21,22 ゼロ点調整回路の電気抵抗
31 センサ
30 増幅回路としての計測回路
34 増幅回路の差動増幅器としてのオペアンプ
Vcc 電圧源からの所定電圧
Claims (3)
- 電圧源からの所定電圧が印加されて被測定物理量を電気信号に変換するセンサと、このセンサからの電気信号を増幅する増幅回路とを備えた計測装置の温度補償を行うセンサ用温度補償回路であって、
前記電圧源および前記センサの間にスパン温度補償回路が設けられ、このスパン温度補償回路は、前記電圧源からの所定電圧が入力される差動増幅器と、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗と、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗とを有し、
前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられ、
前記差動増幅器の出力電圧が切換によって選択された前記温度補償抵抗と前記標準抵抗とで分圧されて負帰還されていることを特徴とするセンサ用温度補償回路。 - 請求項1に記載のセンサ用温度補償回路において、前記増幅回路には、少なくとも一個以上の差動増幅器が設けられ、この差動増幅器の入力には、その出力信号のゼロ点を温度補償するゼロ点温度補償回路を介して前記スパン温度補償回路の出力が接続され、
前記ゼロ点温度補償回路は、温度上昇によりその電気抵抗値が増加する温度補償抵抗と、温度変化による電気抵抗値の変化が小さい標準抵抗とを備え、
前記温度補償抵抗および前記標準抵抗が二組切換可能に設けられ、第1組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その温度補償抵抗が接地側に設けられ、第2組の前記温度補償抵抗および前記標準抵抗は、その標準抵抗が接地側に設けられ、切換によって選択された前記温度補償抵抗および前記標準抵抗で前記スパン温度補償回路の出力電圧を分圧するものであることを特徴とするセンサ用温度補償回路。 - 請求項2に記載のセンサ用温度補償回路において、前記ゼロ点温度補償回路は、前記増幅回路の差動増幅器に設けられた正相入力および逆相入力の一方に接続され、当該差動増幅器の他方の入力には、その出力信号のゼロ点を調節するためのゼロ点調整回路を介して前記スパン温度補償回路の出力が接続され、
前記ゼロ点調整回路は、二つの電気抵抗で前記スパン温度補償回路の出力電圧を分圧するものであることを特徴とするセンサ用温度補償回路。
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1997
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