JP4163057B2 - タイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラム - Google Patents

タイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラムに関する。さらに詳しくは、季節の移り変わりや長距離移動に伴う外気温の変化を監視し、ドライバーに空気圧点検の実施の推奨を知らせることができるタイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の車輪のそれぞれの回転数を検出し、その回転数を互いに比較することにより、相対的に空気圧の低下したタイヤを有する車輪を特定してドライバーに警告するとともに、タイヤの空気圧が均一に長時間にわたって漏れたまま放置されるのを未然に防ぐべく所定の時間または走行距離ごとにタイヤ空気圧の定期点検要求信号をドライバーに与えるタイヤ空気圧低下警報装置がある(特許文献1)。
【0003】
しかし、タイヤ特性は、走行による摩耗や経時変化以外にも他の要因、たとえば外気温により変化することが考えられる。このため、かかる装置ではドライバーへの警報の提供が充分とは言い難い。
【0004】
これに対し、たとえばタイヤ・リムにタイヤ内の空気温度を検知する温度センサを設け、該温度センサから制御(解析)部へタイヤ情報を無線通信により伝達してタイヤの状態を監視する方法がある(たとえば特許文献2)。かかる方法では、タイヤ内の温度を測定することでタイヤの状態を判別し、必要に応じてドライバーに警報を発するので、自動車を安全に走行させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−230588号公報
【特許文献2】
特開2002−225519号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リム・タイヤから安定した通信を行なうのは送信電波に関する法規制や駆動電源の確保などの問題があり容易ではない。また、無線通信を安定化させるには高出力化や受信機の増設が必要である。すなわち実現性およびコスト面で問題がある。
【0007】
本発明は、叙上の事情に鑑み、季節の移り変わりや長距離移動などに伴う外気温の変化を監視し、ドライバーに空気圧点検の実施の推奨を知らせることができるタイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤの空気圧点検実施推奨方法は、タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したことが制御ユニットに入力される工程と、温度検出手段により前記タイヤの外気温を測定する工程と、記憶手段により前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する工程と、測定開始手段により外気温の測定の開始を指示する工程と、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する工程と、該判断結果に基づいて、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を示す工程を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明のタイヤの空気圧点検実施推奨装置は、タイヤの空気圧を正常空気圧にしたことを入力する入力手段と、前記タイヤの外気温を測定する温度検出手段と、前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する記憶手段と、外気温の測定の開始を指示する測定開始手段と、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する比較点検手段と、該比較点検手段の判断結果に基づいて、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を示す表示手段を備えてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の空気圧点検実施推奨のプログラムは、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を表示するためにコンピュータを、前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する記憶手段、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する比較点検手段として機能させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤの空気圧点検実施推奨方法および装置、ならびに空気圧点検実施推奨のプログラムを説明する。
【0012】
図1に示されるように、本発明の一実施の形態にかかわるタイヤの空気圧点検実施推奨装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤFL、FR、RLおよびRRの空気圧を正常空気圧に調整したときから、季節の移り変わりや長距離移動などに伴う外気温の変化を監視し、空気圧を点検および調整すべき時期を判断し、ドライバーに警報を発して、タイヤの空気圧の点検を促すものであり、入力手段1、温度検出手段2、制御ユニット3、測定開始手段および表示手段4から構成されている。また、本実施の形態における空気圧点検実施推奨のプログラムは、制御ユニット3を、記憶手段および比較点検手段として機能させている。
【0013】
一般に外気温が30℃で空気圧を調整したのち、空気の漏れが全くなかったとしても、外気温が0℃になると、シャルルの法則により空気の体積が減少することになる。そして、本実施の形態では、タイヤの内容積の変化が充分小さいため、温度低下はボイル・シャルルの法則により空気圧低下として表れることから、外気温の変化による空気圧の低下を知ることができる。
【0014】
前記入力手段1は、タイヤの空気圧を正常空気圧にしたことを入力するときに用いられる入力スイッチであり、温度検出手段2と記憶手段に接続されている。前記温度検出手段2は、タイヤの外気温を測定することができるものであれば、本発明においては、とくに限定されるものではないが、たとえばオートエアコンに装備されている外気温センサを用いることができる。
【0015】
前記制御ユニット3は、ABSなどのコンピュータであり、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイスと、演算処理の中枢として機能するCPUと、該CPUの制御動作プログラムが格納されたROMと、前記CPUが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAMとから構成されている。前記記憶手段には、前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値が記憶されている。この設定値としては、温度しきい値または圧力係数を用いることができる。また、前記比較点検手段は、記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する。なお、測定された外気温には、1回の測定温度または所定回数の測定後の平均温度とすることができる。また、前記関係とは、前記設定値が温度しきい値である場合、記憶された外気温と測定された外気温の差の絶対値と前記温度しきい値の大小関係とすることができる。
【0016】
前記測定開始手段としては、外気温の測定の開始を指示することができるものであれば、本発明においては、とくに限定されるものではないが、たとえばエンジンを始動させるイグニッション(IG)スイッチとすることができる。前記表示手段4は、表示素子、プラズマ表示素子もしくはCRTなどで構成された表示器または音声発生器などを用いることができ、前記比較点検手段の判断結果に基づいて、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を示す。
【0017】
以下、本実施の形態のタイヤの空気圧点検実施推奨装置の動作を手順(1)〜(4)に沿って説明する。
【0018】
(1)予め車両出荷時やドライバーがタイヤの空気圧を正常空気圧(たとえば2.2×105Pa)に調整したことを入力するために、図2に示されるように、入力スイッチを押す(ON)(ステップS1)。かかる入力スイッチがONされると、該入力スイッチにより発生する調整入力信号が温度センサを動作し、空気圧調整時の外気温T1を記憶させる(ステップS2)。
【0019】
(2)ついで外気温の測定の開始を指示するIGスイッチがONされると、現在の外気温T2が測定される(ステップS3、S4)。
【0020】
(3)ついで記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する。判断方法として、つぎの3つの方法について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0021】
(i)設定値として、予め外気温の変化の限界値を示す温度しきい値Tthが記憶されている場合、前記記憶された外気温T1と測定された外気温T2との差の絶対値│T1−T2│と前記温度しきい値Tthとを比較する。そして、絶対値│T1−T2│が温度しきい値Tth、たとえば283K(10℃)以上である場合、タイヤの点検および調整すべき時期をドライバーに知らせる必要があると判断し、283K未満である場合、ドライバーに知らせる必要がないと判断する(ステップS5)。
(ii)設定値として、プラカード内圧をP1(kPa)、最大耐用荷重を満たせず安全性が損なわれる可能性のある内圧をP2(kPa)またはタイヤが耐用できる最高内圧をP3(kPa)から求められる、圧力係数P2/P1またはP3/P1が記憶されている場合、
T2<T1×P2/P1またはT2>T1×P3/P1
から、これらを満たすときには、タイヤの点検および調整すべき時期をドライバーに知らせる必要があると判断し、満たさないときには、ドライバーに知らせる必要がないと判断する。
(iii)前記(ii)項において、前記現在の外気温T2として、過去9回と今回の始動時の外気平均温度T3を用いる場合、
T3≦T1×P2/P1またはT3≧T1×P3/P1
を満たすときには、タイヤの点検および調整すべき時期をドライバーに知らせる必要があると判断し、満たさないときには、ドライバーに知らせる必要がないと判断する。
【0022】
(4)ついでドライバーに知らせる必要があると判断するときには、タイヤの空気圧点検の実施を推奨すべく警報を表示する(ステップS6)。
【0023】
本実施の形態では、たとえばタイヤの空気圧を調整したときからの外気温の変化量と予め設定された温度しきい値との大小比較により、タイヤの空気圧点検および調整をすべき時期を判断し、ドライバーに空気圧点検の実施の推奨を知らせることができる。
【0024】
また、外気温を測定するので、タイヤ・リムに検知部を設ける必要がなく、かつ、伝達手段としての無線通信機能も必要ない。このため、安価にドライバーに有益な情報を提供することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、季節の移り変わりや長距離移動などに伴う外気温の変化を監視し、ドライバーに空気圧点検の実施の推奨を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかわるタイヤの空気圧点検実施推奨装置を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のフローチャートの一例である。
【符号の説明】
1 入力手段
2 温度検出手段
3 制御ユニット
4 表示手段

Claims (3)

  1. タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したことが制御ユニットに入力される工程と、温度検出手段により前記タイヤの外気温を測定する工程と、記憶手段により前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する工程と、測定開始手段により外気温の測定の開始を指示する工程と、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する工程と、該判断結果に基づいて、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を示す工程を含むタイヤの空気圧点検実施推奨方法。
  2. タイヤの空気圧を正常空気圧にしたことを入力する入力手段と、前記タイヤの外気温を測定する温度検出手段と、前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する記憶手段と、外気温の測定の開始を指示する測定開始手段と、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する比較点検手段と、該比較点検手段の判断結果に基づいて、タイヤの空気圧点検の実施の推奨を示す表示手段を備えてなるタイヤの空気圧点検実施推奨装置。
  3. タイヤの空気圧点検の実施の推奨を表示するためにコンピュータを、前記タイヤの空気圧を正常空気圧に調整したときの外気温および予め設定された設定値を記憶する記憶手段、前記記憶された外気温、測定された外気温および設定値の関係から、タイヤの点検の要否を判断する比較点検手段として機能させるための空気圧点検実施推奨のプログラム。
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