JP4162218B2 - 多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法及び装置に関し、詳しくは、複数の圧電素子が重層構成された円筒形の固定子と、この固定子の設置中心軸上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子上に載置構成された球形の回転子とを有して構成される多自由度超音波モータにおいて、複数の圧電素子への交流電圧の印加に伴う前記回転子の姿勢角の変位を随時計測するための多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法、及びその実施に直接使用される多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、人間型ロボットの関節機構など、高トルク、高自由度動作を要求される部位に使用されるアクチュエータとして、従来の1自由度電磁式サーボモータに代り、省スペース、高トルクの多自由度超音波モータの適用が期待されている。特に、人間型ロボットの首関節部のように、重量物たる頭部を鉛直に支えつつその姿勢を多自由度に変位させる必要のある部位に対し、この種の多自由度超音波モータの応用が大いに期待されている。
【0003】
一般に、多自由度超音波モータは、互いに振動方向が異なる複数の圧電素子を積層してなる円筒形の固定子(ステータ)と、この固定子上に密着して載置された球形の回転子(ロータ)とを有して構成される。当該多自由度超音波モータの固定子の圧電素子に、周波数が等しく互いに位相が異なる交流電圧を印加した場合、各圧電素子に固有振動が励起されて超音波が発生し、それら固有振動モードの組み合せにより、回転子が3自由度に回転して(x,y,z軸を回転中心軸として)その姿勢を変位させる。
【0004】
なお、上記多自由度超音波モータの構成及び動作原理の詳細は、以下に示す非特許文献1及び2に記載されている。
【0005】
【非特許文献1】
Takemura, K. & Maeno, T. ‘Characteristics of an Ultrasonic Motor Capable of Generating a Multi-Degrees of Freedom Motion’, Proceedings of the 2000 IEEE International Conference on Robotics and Automation, April 2000.
【0006】
【非特許文献2】
Takemura, K. & Maeno, T. ‘Control of Multi-DOF Ultrasonic Motor using Neural Network based Inverse Model’, Proceedings of the 2002 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems, October 2002.
【0007】
ここで、以上のように3自由度の回転動作を行う多自由度超音波モータを適切に駆動するには、当該多自由度超音波モータの回転子の回転角度(x,y,z軸に対する姿勢角)を正確に計測する必要があるが、例えば、上述した従来の1自由度電磁式サーボモータの回転角度計測に利用されているエンコーダは、多自由度超音波モータの回転角度計測の手段としては原理的に不向きである。
【0008】
このため、従来では、所要の回転角度計測に際し、例えば、3つの1自由度回転角度センサを機構的に組み合せて多自由度超音波モータに接続し、各回転角度センサの計測値を元に回転角度算出に係る幾何学的計算を行う手法や、或いは、小型の回転角速度計測用のレートジャイロを回転子に固定し、その回転に伴って計測された角速度を積分する手法などが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回転角度センサなどからなる機構物を利用して所要の回転角度計測を行おうとする場合、その機構部分の発生する騒音が問題となり、また、3自由度の回転角度を同時に計測可能な機構物を構成しようとすると、その機構自体が複雑となって、回転子の可動範囲を極端に狭めてしまうなどの新たな問題を生じてしまう。
【0010】
これに対し、所要の回転角度計測にレートジャイロを利用する場合、一般に、レートジャイロは低速回転時における角速度計測精度が悪いため、回転子の回転に伴って連続的に計測された角速度値を積分するに当り、積分誤差が徐々に蓄積されていくという不可避の問題があり、所要の回転角度計測を長時間に亙って高精度に行うことは期待できない。
【0011】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次のとおりである。
【0012】
即ち、本発明の第1の目的は、所要の回転角度計測を長時間に亙り高い周波数領域で高精度に行うことの可能な多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法及び装置を提供せんとするものである。
【0013】
本発明の第2の目的は、回転子の可動範囲を広く確保することの可能な多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法及び装置を提供せんとするものである。
【0014】
本発明の第3の目的は、回転速度計測に際して騒音を生じることのない多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法及び装置を提供せんとするものである。
【0015】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から、自ずと明らかとなろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
まず、本発明方法においては、光学的距離計測手段により、固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ変位幾何平面集合体における第1有限平面と交差する2点の交点及び第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ計測する過程を実施した後に、情報処理手段により、3箇所の計測基準点と変位幾何平面集合体における第1有限平面内の2点の交点及び第2有限平面内の1点の交点との間の各距離に基づき、対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する過程と、変位幾何平面集合体における第1有限平面内の2点の交点座標及び第2有限平面内の1点の交点座標に基づき、回転子の姿勢角を演算する過程とを順次実施する、という特徴的構成手法を講じる。
【0017】
一方、本発明装置においては、回転子の姿勢角を、固定子の設置中心軸を基準とした固定子座標系における、当該回転子の回動中心点を面内に含んで同回転子の回転中心軸と直交する第1有限平面の座標と、当該回転中心軸を面内に含む第2有限平面の座標とにより表現可能に構成された、回転子と一体動する変位幾何平面集合体と、固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ変位幾何平面集合体における第1有限平面と交差する2点の交点及び第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ光学的に計測する光学的距離計測手段と、この光学的距離計測手段により計測された、3箇所の計測基準点と変位幾何平面集合体における第1有限平面内の2点の交点及び第2有限平面内の1点の交点との間の各距離に基づき、対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する集合体交点座標算出手段と、この集合体交点座標算出手段により算出された、変位幾何平面集合体における第1有限平面内の2点の交点座標及び第2有限平面内の1点の交点座標に基づき、回転子の姿勢角を演算する回転子姿勢角演算手段とを具備させる、という特徴的構成手段を講じる。
【0018】
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念に亙る新規な特徴的構成手法又は手段を採用することにより、上記目的を達成するよう為される。
【0019】
即ち、本発明方法の第1の特徴は、複数の圧電素子が重層構成された円筒形の固定子と、この固定子の設置中心軸上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子上に載置構成された球形の回転子とを有して構成される多自由度超音波モータにおいて、前記複数の圧電素子への交流電圧の印加に伴う前記回転子の姿勢角の変位を随時計測するための回転子姿勢角計測方法であって、前記回転子の前記姿勢角を、前記固定子の前記設置中心軸を基準とした固定子座標系における、当該回転子の前記回動中心点を面内に含んで同回転子の前記回転中心軸と直交する第1有限平面の座標と、当該回転中心軸を面内に含む第2有限平面の座標とにより表現可能に構成された、前記回転子と一体動する変位幾何平面集合体を採用し、光学的距離計測手段により、前記固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と交差する2点の交点及び前記第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ計測する過程を実施した後に、情報処理手段により、前記3箇所の計測基準点と前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点及び前記第2有限平面内の前記1点の交点との間の前記各距離に基づき、対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する過程と、前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標及び前記第2有限平面内の前記1点の交点座標に基づき、前記回転子の前記姿勢角を演算する過程とを順次実施してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法の構成採用にある。
【0020】
本発明方法の第2の特徴は、上記本発明方法の第1の特徴における前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角演算の過程が、前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標に基づき、当該第1有限平面についての第1法線ベクトルを算出する過程と、前記変位幾何平面集合体における前記第2有限平面内の前記1点の交点座標及び前記第1法線ベクトルに基づき、当該第2有限平面についての第2法線ベクトルを算出する過程と、前記第1法線ベクトル及び前記第2法線ベクトルに基づき、前記回転子の前記姿勢角を算出する過程とを順次実施してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法の構成採用にある。
【0021】
本発明方法の第3の特徴は、上記本発明方法の第2の特徴における前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角算出の過程が、前記回転子の前記姿勢角として、前記固定子の前記設置中心軸に対する当該回転子の回転中心軸の傾斜角成分を算出する過程を実施してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法の構成採用にある。
【0022】
本発明方法の第4の特徴は、上記本発明方法の第2又は第3の特徴における前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角算出の過程が、前記回転子の前記姿勢角として、当該回転子の前記回転中心軸に沿う回転角成分を算出する過程を実施してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法の構成採用にある。
【0023】
本発明方法の第5の特徴は、上記本発明方法の第1、第2、第3又は第4の特徴における前記光学的距離計測手段による距離計測の過程が、前記3箇所の計測基準点から発する前記直線をそれぞれレーザ光軸線により得る過程を実施してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法の構成採用にある。
【0024】
一方、本発明装置の第1の特徴は、複数の圧電素子が重層構成された円筒形の固定子と、この固定子の設置中心軸上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子上に載置構成された球形の回転子とを有して構成される多自由度超音波モータにおいて、前記複数の圧電素子への交流電圧の印加に伴う前記回転子の姿勢角の変位を随時計測するための回転子姿勢角計測装置であって、前記回転子の前記姿勢角を、前記固定子の前記設置中心軸を基準とした固定子座標系における、当該回転子の前記回動中心点を面内に含んで同回転子の前記回転中心軸と直交する第1有限平面の座標と、当該回転中心軸を面内に含む第2有限平面の座標とにより表現可能に構成された、前記回転子と一体動する変位幾何平面集合体と、前記固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と交差する2点の交点及び前記第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ光学的に計測する光学的距離計測手段と、この光学的距離計測手段により計測された、前記3箇所の計測基準点と前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点及び前記第2有限平面内の前記1点の交点との間の前記各距離に基づき、変位対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する集合体交点座標算出手段と、この集合体交点座標算出手段により算出された、前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標及び前記第2有限平面内の前記1点の変位交点座標に基づき、前記回転子の前記姿勢角を演算する回転子姿勢角演算手段とを有して構成されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0025】
本発明装置の第2の特徴は、上記本発明装置の第1の特徴における前記回転子姿勢角演算手段が、前記集合体交点座標算出手段により算出された前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標に基づき、当該第1有限平面についての第1法線ベクトルを算出する第1法線ベクトル算出手段と、前記集合体交点座標算出手段により算出された前記変位幾何平面集合体における前記第2有限平面内の前記1点の交点座標、及び前記第1法線ベクトル算出手段により算出された前記第1法線ベクトルに基づき、当該第2有限平面についての第2法線ベクトルを算出する第2法線ベクトル算出手段と、前記第1法線ベクトル算出手段により算出された前記第1法線ベクトル、及び前記第2法線ベクトル算出手段により算出された前記第2法線ベクトルに基づき、前記回転子の前記姿勢角を算出する回転子姿勢角算出手段とを有して構成されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0026】
本発明装置の第3の特徴は、上記本発明装置の第2の特徴における前記回転子姿勢角算出手段が、前記回転子の前記姿勢角として、前記固定子の前記設置中心軸に対する当該回転子の回転中心軸の傾斜角成分を算出する機能手段を具備してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0027】
本発明装置の第4の特徴は、上記本発明装置の第2又は第3の特徴における前記回転子姿勢角算出手段が、前記回転子の前記姿勢角として、当該回転子の前記回転中心軸に沿う回転角成分を算出する機能手段を具備してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0028】
本発明装置の第5の特徴は、上記本発明装置の第1、第2、第3又は第4の特徴における前記光学的距離計測手段が、前記3箇所の計測基準点から発する前記直線をそれぞれレーザ光軸線により得る機能手段を具備してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0029】
本発明装置の第6の特徴は、上記本発明装置の第5の特徴における前記光学的距離計測手段が、前記固定子の前記設置中心軸と平行する2つの直線上にそれぞれ前記レーザ光軸線による第1及び第2の計測基準点をもつ第1及び第2のレーザ式測距センサと、当該設置中心軸の前後左右方向直交仮想面と平行する1つの一次直線上に前記レーザ光軸線による第3の計測基準点をもつ第3のレーザ式測距センサとを有して構成されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0030】
本発明装置の第7の特徴は、上記本発明装置の第6の特徴における前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおける前記第1及び第2の計測基準点が、それぞれ前記レーザ光軸線の発射点を構成してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0031】
本発明装置の第8の特徴は、上記本発明装置の第7の特徴における前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点が、当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線を共に含む1つの仮想面が前記固定子の前記設置中心軸を含まない領域に設定されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0032】
本発明装置の第9の特徴は、上記本発明装置の第7又は第8の特徴における前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点が、当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線をそれぞれ含む前記設置中心軸を通る2つの仮想面の交差角が当該固定子の前記設置中心軸において約90°をなす領域に設定されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0033】
本発明装置の第10の特徴は、上記本発明装置の第7、第8又は第9の特徴における前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点が、当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差する領域に設定されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0034】
本発明装置の第11の特徴は、上記本発明装置の第6、第7、第8、第9又は第10の特徴における前記第3のレーザ式測距センサが、前記固定子の前記設置中心軸と平行する1つの二次直線上に前記レーザ光軸線の発射点をもち、前記第3の計測基準点が、当該発射点から発射された前記レーザ光軸線の直角反射点を構成してなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0035】
本発明装置の第12の特徴は、上記本発明装置の第11の特徴における前記第3のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記直角反射点を構成する前記第3の計測基準点が、当該第3の計測基準点の位置を定義する前記一次直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差しない領域に設定されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0036】
本発明装置の第13の特徴は、上記本発明装置の第11又は第12の特徴における前記第3のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記直角反射点を構成する前記第3の計測基準点が、前記レーザ光軸線の前記発射点の位置を定義する前記二次直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差しない領域に設定されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0037】
本発明装置の第14の特徴は、上記本発明装置の第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12又は第13の特徴における前記変位幾何平面集合体が、前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおける前記第1及び第2の計測基準点との対向面に前記第1有限平面を設定され、かつ前記レーザ光軸線を折り返し反射する第1平面部材と、前記第3のレーザ式測距センサにおける前記第3の計測基準点との対向面に前記第2有限平面を設定され、かつ前記レーザ光軸線を折り返し反射する第2平面部材とを有して構成されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0038】
本発明装置の第15の特徴は、上記本発明装置の第14の特徴における前記変位幾何平面集合体における前記第1平面部材が、前記回転子の前記回動中心点を中心にもつ同心円形に形成され、当該変位幾何平面集合体における前記第2平面部材が、前記回転子の前記回転中心軸を一辺にもつ直角扇形に形成されてなる、多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置の構成採用にある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ、その装置例及びこれに対応する方法例を順に挙げて説明する。
【0040】
(装置例)
まず、図1及び図2は、それぞれ、本発明の一装置例に係る回転子姿勢角計測装置の機構的構成を多自由度超音波モータへの適用形態と共に示す正面図及び右側面図である。また、図3は、図1及び図2に示される変位幾何平面集合体に対する第1〜第3のレーザ式測距センサの配置形態を示す図である。
【0041】
図1及び図2に示すように、本装置例に係る回転子姿勢角計測装置αに適用される多自由度超音波モータβは、複数の圧電素子1,1,…が重層構成された円筒形の固定子2と、この固定子2のモータ設置面Sに対する設置中心軸(固定子座標系におけるz軸)上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子2上に非拘束状態で載置構成された球形の回転子3とを有して構成される。
【0042】
なお、モータ設置面Sへの固定子2の設置に際しては、当該固定子2に発生する超音波振動の節にあたる部位(即ち、固定子2の固有振動時に振幅を生じない部位)に予め構成された固定子懸架保持部材2aに、それぞれモータ設置面Sに向かって延伸する複数の固定子設置脚2b(本例では、90°の相互等間隔で配置された4つの固定子設置脚2b)を取り付け、当該固定子設置脚2bを以って固定子2を懸架保持するようにする。これにより、固定子2に発生した超音波振動は、当該固定子2上に載置構成された回転子3に効率的に伝達され、モータ設置面Sには殆ど伝達されないようになる。
【0043】
以上のような構成をもつ多自由度超音波モータβにおいて、複数の圧電素子1,1,…への交流電圧の印加に伴う回転子3の姿勢角の変位を随時計測するために、本装置例の回転子姿勢角計測装置αは、図1〜図3に示すように、回転子3の姿勢角を固定子2の設置中心軸を基準とした固定子座標系の座標により一意に表現可能な変位幾何平面集合体4と、それぞれ光学的距離計測手段を構成する第1、第2及び第3のレーザ式測距センサ5,6及び7と、これら測距センサのうちの第3のレーザ式測距センサ7から発射されるレーザ光軸線を直角に反射するレーザ反射鏡8と、このレーザ反射鏡8を所要の空間位置に安定的に支持する反射鏡支持部材9とを有して構成される。
【0044】
ここで、回転子3に対して固定的に設置される変位幾何平面集合体4は、当該回転子3の回動中心点(固定子座標系における原点と等価)を中心にもち、かつレーザ光軸線を折り返し反射する同心円形の第1平面部材41と、同回転子3の回転中心軸(固定子座標系におけるz軸と等価)を一辺にもち、かつレーザ光軸線を折り返し反射する直角扇形の第2平面部材42とを有して構成される。
【0045】
そして、変位幾何平面集合体4を構成する上記平面部材のうち、第1平面部材41には、モータ設置面Sにそれぞれ設置された第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6との対向面(図1及び図2における下方)に、回転子3の回動中心点を面内に含んで同回転子3の回転中心軸と直交する第1有限平面が設定され、当該第1平面部材41が、固定子2の設置中心軸に対する回転子3の回転中心軸の傾斜角(姿勢角の一成分要素)を計測する際に用いられる。
【0046】
また、第2平面部材42には、反射鏡支持部材9によりモータ設置面S上に支持されたレーザ反射鏡8との対向面(図2における右側方)に、回転子3の回転中心軸を面内に含む第2有限平面が設定され、当該第2平面部材42が、回転子3の回転中心軸に沿う回転角(姿勢角の一成分要素)を計測する際に利用される。
【0047】
一方、光学的距離計測手段を構成する第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6は、固定子2の設置中心軸と平行する2つの直線上に、それぞれレーザ光軸線の発射点(図示の該当する矢印の始点)を構成する第1及び第2の計測基準点をもち、また、第3のレーザ測距センサ7は、固定子2の設置中心軸と平行する1つの直線(二次直線)上にレーザ光軸線の発射点(図示の該当する矢印の始点)をもつと共に、第3の計測基準点として、当該設置中心軸の前後左右方向直交仮想面と平行する1つの直線(一次直線)上に、上記発射点から発射されたレーザ光軸線の直角反射点(図示の該当する矢印の直角屈折点)を構成するレーザ反射鏡8を有した構造となっている。
【0048】
ここで、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6における第1及び第2の計測基準点(即ち、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6自身)は、それらの位置を定義する2つの直線を共に含む1つの仮想面が固定子2の設置中心軸を含まない領域、即ち、第1及び第2の計測基準点を結んだ延長線上に固定子2の設置中心軸が位置しない領域に設定され、好ましくは、当該2つの直線をそれぞれ含む2つの仮想面の交差角が固定子2の設置中心軸において約90°をなす領域(固定子座標系におけるx軸及びy軸をそれぞれ含む面内)に設定される(特に図3参照)。
【0049】
また、第3のレーザ式測距センサ7における第3の計測基準点(即ち、レーザ反射鏡8)は、その位置を定義する上記一次直線及び二次直線が、変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面と常に交差しない領域、即ち、回転子3の如何なる姿勢角変位によっても第1平面部材41がレーザ光軸線の進行を妨げることのない領域に設定される(特に図2参照)。なお、変位幾何平面集合体4における第1平面部材41の形状を同心円形に選定しているのは、それが、上記レーザ光軸線の進行を妨げることのない最も適した形状であるからである。
【0050】
次に、図4は、図1〜図3に示される変位幾何平面集合体4の第1平面部材41に対する第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6の配置形態を示す図である(図面の簡素化のため、固定子設置脚2bの一部は示していない)。
【0051】
同図に示すように、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6においてレーザ光軸線の発射点を構成する第1及び第2の計測基準点(第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6自身)は、それらの位置を定義する2つの直線が変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面と常に交差する領域、即ち、回転子3の如何なる姿勢角変位(傾斜角変位)によっても第1平面部材41(41a,41b)にレーザ光軸線が常に照射される領域に設定される。
【0052】
ここで、上記第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6における第1及び第2の計測基準点の位置を定義する2つの直線の、固定子2の設置中心軸(回転子3の回転中心軸)からの距離Wは、変位幾何平面集合体4における第1平面部材41の半径をR、回転子3(変位幾何平面集合体4)の最大許容傾斜角をθとすれば、W=R×cosθと表すことができる。
【0053】
なお、固定子2の設置中心軸に対する回転子3の回転中心軸の傾斜角を計測する際の誤差を最小にするには、上記距離Wを可能な範囲でできるだけ大きな値に設定する必要があるが、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6から発射されるレーザ光軸線が第1平面部材41上の第1有限平面に確実に照射されて、回転子3の傾斜角が安定して計測されるよう、実際の距離Wは、R×cosθよりも若干小さい値に設定しておくことが好ましい。
【0054】
次に、図5(a)及び(b)は、共に、図1〜図3に示される変位幾何平面集合体4の第2平面部材42に対するレーザ照射点を示す図である。
【0055】
同図に示すように、第3のレーザ式測距センサ7においてレーザ光軸線の直角反射点を構成する第3の計測基準点(レーザ反射鏡8)は、その位置を定義する二次直線が変位幾何平面集合体4における第2平面部材42上の第2有限平面と常に交差する領域、即ち、回転子3の如何なる姿勢角変位(傾斜角及び回転角変位)によっても第2平面部材42(42a,42b,42c)にレーザ光軸線が常に照射される領域に設定される。
【0056】
即ち、同図(a)に示すように、回転子3が、図示のx軸を中心軸として最大許容傾斜角θでその傾斜角を変位させたときに、レーザ照射点Pは、変位幾何平面集合体4における第2平面部材42の半径をR(第1平面部材41のそれと同じ)とすれば、少なくとも、図示のR×cosθで表される点線円弧上になければならない。このため、回転子3のz軸を中心軸とした最大許容回転角φは、図示のように制限される。
【0057】
次に、同図(b)に示すように、回転子3が、図示のx軸及びz軸と共に直交するy軸(図示されず)を中心軸として最大許容傾斜角θで傾斜角を変位させたときに、レーザ照射点Pの座標は、そのx座標がR×cosθ×sinθからR×cosθ×sin(90°−θ)までの範囲にあり、かつ、z座標がR×cosθ×cosθからR×cosθ×cos(90°−θ)までの範囲にある上記点線円弧上になければならない。このため、最大許容傾斜角θ(最大許容回転角φ)は、その2倍の値が90°以下に制限される(図示のレーザ照射点Pの座標はθ=45°の場合であり、このときの座標が標準値となる)。
【0058】
そして、以上の第1、第2及び第3のレーザ式測距センサ5,6及び7並びにレーザ反射鏡8の配置構造により、固定子座標系に設定された上記3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発するレーザ光軸線により得られる直線が、それぞれ変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面と交差する2点の交点、及び第2平面部材42上の第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離を、これら第1平面部材41及び第2平面部材42からのレーザ反射光の位相遅延角(位相遅延時間)を取得するなどして、それぞれ光学的に計測する機能手段が提供される。
【0059】
次に、図6は、図1〜図3に示される回転子姿勢角計測装置αの機構的構成と共に適用される情報処理手段である回転子姿勢角演算装置の構成を示すブロック図である。
【0060】
同図に示すように、回転子姿勢角演算装置10は、変位幾何平面集合体4における交点座標を算出すると共に、回転子3の姿勢角を演算する情報処理手段(集合体交点座標演算手段を含む回転子姿勢角演算手段)であり、詳しくは、第1法線ベクトル算出部101と、第2法線ベクトル算出部102と、回転子姿勢角算出部103とを有して構成される。
【0061】
このうち、第1法線ベクトル算出部101は、まず、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6(第1及び第2の計測基準点)と、変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面内における2点の交点との間の各距離の計測値(以下「第1及び第2の距離計測値」という)に基づき、当該変位幾何平面集合体4における交点座標の算出を行う機能手段により、当該第1平面部材41上の第1有限平面内における2点の交点座標(以下「第1及び第2の交点座標」という)をそれぞれ算出し、さらに、それら算出された第1及び第2の交点座標に基づき、当該第1平面部材41上の第1有限平面に関する第1法線ベクトルを算出する機能手段である。
【0062】
また、第2法線ベクトル算出部102は、まず、レーザ反射鏡8(第3の計測基準点)と、変位幾何平面集合体4における第2平面部材42上の第2有限平面内における1点の交点との間の距離の計測値(以下「第3の距離計測値」という)に基づき、当該変位幾何平面集合体4における交点座標の算出を行う機能手段により、当該第2平面部材42上の第2有限平面内における1点の交点座標(以下「第3の交点座標」という)を算出し、さらに、その算出された第3の交点座標と上記第1法線ベクトル算出部101により算出された第1法線ベクトルとに基づき、当該第2平面部材42上の第2有限平面に関する第2法線ベクトルを算出する機能手段である。
【0063】
さらに、回転子姿勢角算出部103は、上記第1法線ベクトル算出部101により算出された第1法線ベクトル、及び上記第2法線ベクトル算出部102により算出された第2法線ベクトルに基づき、算出すべき回転子3の姿勢角として、固定子2の設置中心軸に対する当該回転子3の回転中心軸の傾斜角、及び当該回転子3の回転中心軸に沿う回転角の各成分を算出する機能手段である。
【0064】
(方法例)
続いて、以上のように構成された装置例に係る回転子姿勢角計測装置αにより実施される方法例を説明する。
【0065】
図7は、本発明の一装置例に係る回転子姿勢角計測装置αの動作を説明するためのフローチャートである。
【0066】
同図に示すように、本回転子姿勢角計測装置αにおいては、まず、光学的距離計測手段を構成する第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6が、自身と変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面内における2点の交点との間の各距離をレーザ光軸線により得られる直線で計測して、そのときの第1及び第2の距離計測値を取得すると共に、同光学的距離計測手段を構成する第3のレーザ式測距センサ7が、レーザ反射鏡8と変位幾何平面集合体4における第2平面部材42上の第2有限平面内における1点の交点との間の距離をレーザ光軸線により得られる直線で計測して、そのときの第3の距離計測値を取得することにより開始される(ST1)。そして、以上のようにして取得された第1及び第2の距離計測値並びに第3の距離計測値は、情報処理手段を構成する回転子姿勢角演算装置10に入力されて、回転子3の姿勢角演算に供される。
【0067】
次に、回転子姿勢角演算装置10における第1法線ベクトル算出部101、及び第2法線ベクトル算出部102は、それぞれ、第1及び第2のレーザ式測距センサ5及び6から入力された第1及び第2の距離計測値、並びに第3のレーザ式測距センサ7から入力された第3の距離計測値に基づき、変位幾何平面集合体4における交点座標の算出を行う機能手段により、第1平面部材41上の第1有限平面内における第1及び第2の交点座標を算出すると共に、第2平面部材42上の第2有限平面内における第3の交点座標を算出する(ST2)。
【0068】
次に、回転子姿勢角演算装置10における第1法線ベクトル算出部101は、以上のようにして算出された第1及び第2の交点座標に基づき、変位幾何平面集合体4における第1平面部材41上の第1有限平面に関する第1法線ベクトルを算出し(ST3)、これに対し、同回転子姿勢角演算装置10における第2法線ベクトル算出部102は、その算出された第3の交点座標と上記第1法線ベクトル算出部101により算出された第1法線ベクトルとに基づき、第2平面部材42上の第2有限平面に関する第2法線ベクトルを算出する(ST4)。
【0069】
そして、回転子姿勢角演算装置10における回転子姿勢角算出部103は、上記第1法線ベクトル算出部101により算出された第1法線ベクトル、及び上記第2法線ベクトル算出部102により算出された第2法線ベクトルに基づき、算出すべき回転子3の姿勢角として、固定子2の設置中心軸に対する当該回転子3の回転中心軸の傾斜角、及び当該回転子3の回転中心軸に沿う回転角の各成分をそれぞれ算出し(ST5)、以下、本回転子姿勢角計測装置αは、回転子3の姿勢角変位が長時間に亙って定常的かつ永続的に計測されるよう、以上に示したST1からST5までの一連の処理を繰り返し実行する。
【0070】
以上、本発明の実施の形態につき、その装置例及びこれに対応する方法例を挙げて説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、後述する効果を有する範囲内において、適宜、変更実施することが可能なものである。
【0071】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、回転子の可動範囲を広く確保しながらも、所要の回転角度計測を、何ら騒音を生じさせることなく、長時間に亙り高い周波数領域で高精度に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一装置例に係る回転子姿勢角計測装置の機構的構成を多自由度超音波モータへの適用形態と共に示す正面図である。
【図2】本発明の一装置例に係る回転子姿勢角計測装置の機構的構成を多自由度超音波モータへの適用形態と共に示す右側面図である。
【図3】図1及び図2に示される変位幾何平面集合体に対する第1〜第3のレーザ式測距センサの配置形態を示す図である。
【図4】図1〜図3に示される変位幾何平面集合体の第1平面部材に対する第1及び第2のレーザ式測距センサの配置形態を示す図である。
【図5】図1〜図3に示される変位幾何平面集合体の第2平面部材に対するレーザ照射点を示す図である。
【図6】図1〜図3に示される回転子姿勢角計測装置の機構的構成と共に適用される情報処理手段である回転子姿勢角演算装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一装置例に係る回転子姿勢角計測装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
α…(多自由度超音波モータの)回転子姿勢角計測装置
β…多自由度超音波モータ
S…モータ設置面
1…圧電素子
2…固定子
2a…固定子懸架保持部材
2b…固定子設置脚
3…回転子
4…変位幾何平面集合体
41(41a,41b)…第1平面部材
42(42a,42b,42c)…第2平面部材
5…第1のレーザ式測距センサ
6…第2のレーザ式測距センサ
7…第3のレーザ式測距センサ
8…レーザ反射鏡
9…反射鏡支持部材
10…回転子姿勢角演算装置
101…第1法線ベクトル算出部
102…第2法線ベクトル算出部
103…回転子姿勢角演算部
Claims (20)
- 複数の圧電素子が重層構成された円筒形の固定子と、この固定子の設置中心軸上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子上に載置構成された球形の回転子とを有して構成される多自由度超音波モータにおいて、前記複数の圧電素子への交流電圧の印加に伴う前記回転子の姿勢角の変位を随時計測するための回転子姿勢角計測方法であって、
前記回転子の前記姿勢角を、前記固定子の前記設置中心軸を基準とした固定子座標系における、当該回転子の前記回動中心点を面内に含んで同回転子の前記回転中心軸と直交する第1有限平面の座標と、当該回転中心軸を面内に含む第2有限平面の座標とにより表現可能に構成された、前記回転子と一体動する変位幾何平面集合体を採用し、
光学的距離計測手段により、
前記固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と交差する2点の交点及び前記第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ計測する過程を実施した後に、
情報処理手段により、
前記3箇所の計測基準点と前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点及び前記第2有限平面内の前記1点の交点との間の前記各距離に基づき、対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する過程と、
前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標及び前記第2有限平面内の前記1点の交点座標に基づき、前記回転子の前記姿勢角を演算する過程と、を順次実施する、
ことを特徴とする多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法。 - 前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角演算の過程は、
前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標に基づき、当該第1有限平面についての第1法線ベクトルを算出する過程と、
前記変位幾何平面集合体における前記第2有限平面内の前記1点の交点座標及び前記第1法線ベクトルに基づき、当該第2有限平面についての第2法線ベクトルを算出する過程と、
前記第1法線ベクトル及び前記第2法線ベクトルに基づき、前記回転子の前記姿勢角を算出する過程と、を順次実施する、
ことを特徴とする請求項1に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法。 - 前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角算出の過程は、
前記回転子の前記姿勢角として、前記固定子の前記設置中心軸に対する当該回転子の回転中心軸の傾斜角成分を算出する過程を実施する、
ことを特徴とする請求項2に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法。 - 前記情報処理手段による前記回転子の姿勢角算出の過程は、
前記回転子の前記姿勢角として、当該回転子の前記回転中心軸に沿う回転角成分を算出する過程を実施する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法。 - 前記光学的距離計測手段による距離計測の過程は、
前記3箇所の計測基準点から発する前記直線をそれぞれレーザ光軸線により得る過程を実施する、
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測方法。 - 複数の圧電素子が重層構成された円筒形の固定子と、この固定子の設置中心軸上にその回動中心点及び回転中心軸を含むよう当該固定子上に載置構成された球形の回転子とを有して構成される多自由度超音波モータにおいて、前記複数の圧電素子への交流電圧の印加に伴う前記回転子の姿勢角の変位を随時計測するための回転子姿勢角計測装置であって、
前記回転子の前記姿勢角を、前記固定子の前記設置中心軸を基準とした固定子座標系における、当該回転子の前記回動中心点を面内に含んで同回転子の前記回転中心軸と直交する第1有限平面の座標と、当該回転中心軸を面内に含む第2有限平面の座標とにより表現可能に構成された、前記回転子と一体動する変位幾何平面集合体と、
前記固定子座標系に設定された3箇所の計測基準点と、これら3箇所の計測基準点から発する直線が、それぞれ前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と交差する2点の交点及び前記第2有限平面と交差する1点の交点との間の各距離をそれぞれ光学的に計測する光学的距離計測手段と、
この光学的距離計測手段により計測された、前記3箇所の計測基準点と前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点及び前記第2有限平面内の前記1点の交点との間の前記各距離に基づき、変位対応する当該第1有限平面内の2点の交点座標及び当該第2有限平面内の1点の交点座標をそれぞれ算出する集合体交点座標算出手段と、
この集合体交点座標算出手段により算出された、前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標及び前記第2有限平面内の前記1点の変位交点座標に基づき、前記回転子の前記姿勢角を演算する回転子姿勢角演算手段と、を有して構成される、
ことを特徴とする多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記回転子姿勢角演算手段は、
前記集合体交点座標算出手段により算出された前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面内の前記2点の交点座標に基づき、当該第1有限平面についての第1法線ベクトルを算出する第1法線ベクトル算出手段と、
前記集合体交点座標算出手段により算出された前記変位幾何平面集合体における前記第2有限平面内の前記1点の交点座標、及び前記第1法線ベクトル算出手段により算出された前記第1法線ベクトルに基づき、当該第2有限平面についての第2法線ベクトルを算出する第2法線ベクトル算出手段と、
前記第1法線ベクトル算出手段により算出された前記第1法線ベクトル、及び前記第2法線ベクトル算出手段により算出された前記第2法線ベクトルに基づき、前記回転子の前記姿勢角を算出する回転子姿勢角算出手段と、を有して構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記回転子姿勢角算出手段は、
前記回転子の前記姿勢角として、前記固定子の前記設置中心軸に対する当該回転子の回転中心軸の傾斜角成分を算出する機能手段を具備する、
ことを特徴とする請求項7に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記回転子姿勢角算出手段は、
前記回転子の前記姿勢角として、当該回転子の前記回転中心軸に沿う回転角成分を算出する機能手段を具備する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記光学的距離計測手段は、
前記3箇所の計測基準点から発する前記直線をそれぞれレーザ光軸線により得る機能手段を具備する、
ことを特徴とする請求項6、7、8又は9に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記光学的距離計測手段は、
前記固定子の前記設置中心軸と平行する2つの直線上にそれぞれ前記レーザ光軸線による第1及び第2の計測基準点をもつ第1及び第2のレーザ式測距センサと、
当該設置中心軸の前後左右方向直交仮想面と平行する1つの一次直線上に前記レーザ光軸線による第3の計測基準点をもつ第3のレーザ式測距センサと、を有して構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおける前記第1及び第2の計測基準点は、
それぞれ前記レーザ光軸線の発射点を構成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点は、
当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線を共に含む1つの仮想面が前記固定子の前記設置中心軸を含まない領域に設定される、
ことを特徴とする請求項12に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点は、
当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線をそれぞれ含む前記設置中心軸を通る2つの仮想面の交差角が当該固定子の前記設置中心軸において約90°をなす領域に設定される、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記発射点を構成する前記第1及び第2の計測基準点は、
当該第1及び第2の計測基準点の位置を定義する前記2つの直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差する領域に設定される、
ことを特徴とする請求項12、13又は14に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第3のレーザ式測距センサは、
前記固定子の前記設置中心軸と平行する1つの二次直線上に前記レーザ光軸線の発射点をもち、
前記第3の計測基準点は、
当該発射点から発射された前記レーザ光軸線の直角反射点を構成する、
ことを特徴とする請求項11、12、13、14又は15に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第3のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記直角反射点を構成する前記第3の計測基準点は、
当該第3の計測基準点の位置を定義する前記一次直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差しない領域に設定される、
ことを特徴とする請求項16に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記第3のレーザ式測距センサにおいて前記レーザ光軸線の前記直角反射点を構成する前記第3の計測基準点は、
前記レーザ光軸線の前記発射点の位置を定義する前記二次直線が前記変位幾何平面集合体における前記第1有限平面と常に交差しない領域に設定される、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記変位幾何平面集合体は、
前記第1及び第2のレーザ式測距センサにおける前記第1及び第2の計測基準点との対向面に前記第1有限平面を設定され、かつ前記レーザ光軸線を折り返し反射する第1平面部材と、
前記第3のレーザ式測距センサにおける前記第3の計測基準点との対向面に前記第2有限平面を設定され、かつ前記レーザ光軸線を折り返し反射する第2平面部材と、を有して構成される、
ことを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17又は18に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。 - 前記変位幾何平面集合体における前記第1平面部材は、
前記回転子の前記回動中心点を中心にもつ同心円形に形成され、
当該変位幾何平面集合体における前記第2平面部材は、
前記回転子の前記回転中心軸を一辺にもつ直角扇形に形成される、
ことを特徴とする請求項19に記載の多自由度超音波モータの回転子姿勢角計測装置。
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