JP4161568B2 - 紫外用及び赤外用反射屈折光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外波長域で使用される紫外用反射屈折光学系、及び赤外波長域で使用される赤外用反射屈折光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リモートセンシングや様々な測定の用途に可視以外の波長域での光学系の需要が増えている。
可視波長域では、様々な光学用ガラスが使用できる一方、紫外波長域や赤外波長域では、その波長域において十分な透過率を有している硝材は限定されており、代表的なものとしては、紫外波長領域では石英や蛍石、赤外波長域では、シリコン、ゲルマニウム、ジンクサルファイド(ZnS)、ジンクセレナイド(ZnSe)などが存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように使用できる硝材は限定されるので、屈折系で光学系を構成する場合、可視波長域の光学系と比較して、波長域によっては、色収差補正が困難になる場合がある。
特に紫外波長域では、石英と蛍石の屈折率分散の差が小さく、それぞれの屈折率が小さいため、色収差補正を優先すると他の収差補正が困難になる。
【0004】
また、赤外波長域では波長域によっては、さらに硝材が限定され、例えば、5μmから12μmの波長域で考えると、十分な透過率を持つ硝材はゲルマニウムとジンクセレナイドとの2種類となり、これらの硝材の組み合わせでは、屈折率の部分分散比の差が大きいため、2次の色収差が大きく残存するという問題がある。
【0005】
その一方で、古くから色収差の発生しない光学系として、反射光学系が存在するが、一般に反射光学系は非点収差や像面彎曲が発生し易く、広角の光学系が困難であるという問題がある。また、性能を優先すると、非球面を多用することになり、コスト的に不利である。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたもので、比較的広角の、良好に色収差が補正された紫外用及び赤外用反射屈折光学系を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の紫外用反射屈折光学系の一態様は、紫外光透過材料により構成された少なくとも2つの裏面鏡を有し、前記2つの裏面鏡は、光線の入射側から順に配置された、反射面が入射側に対し凸形状をしている裏面鏡と、入射側に対し凹形状のメニスカス形状をしている裏面鏡とであり、前記凹形状のメニスカス形状をしている裏面鏡の屈折率n、入射側の面の曲率半径r1、その反射面の曲率半径r2は、nr1/(n−1)<r2<r1の関係を満たし、全ての透過部が同一種類の紫外光透過材料により構成され、光学系に入射する光束による像の中心が光軸から外れた位置に形成される斜入射光学系であることを特徴とする。
【0007】
なお、前記凸形状をしている裏面鏡は、前記反射面が部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の紫外用反射屈折光学系。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の原理及び実施形態を説明する。
[本発明の原理]
図1は、本発明の原理を説明する図である。
先ず、色収差の小さい紫外用光学系、又は赤外用光学系を実現するために、裏面反射を利用することが考えられる(図1参照)。
【0011】
そこで、屈折率がn、入射側の面S1の曲率半径がr1、裏面S2の曲率半径がr2、厚みがdである裏面鏡M0を考える。この裏面鏡M0のパワー(1/f,f:近軸焦点距離)は、式(1)で表される。
【数1】
なお、数式中、曲率半径rの符号は、入射側に凸の場合を正に採り、入射側に凹の場合を負に採る。
【0012】
また、fが正のときには、レンズは正のパワーを持ち、実像ができ、fが負のときには、レンズは負のパワーを持ち、虚像ができる。
簡単のため、この裏面鏡M0をd=0の薄肉レンズとみなすと、パワー(1/f)は、式(2)で表される。
【数2】
ここで、この裏面鏡M0の色収差の程度を調べるために、短波長側の光に対するパワー(1/fs,fs:短波長側の光の焦点距離)と、長波長側の光に対するパワー(1/fl,fl:長波長側の光の焦点距離)とを比較する。
この裏面鏡M0の短波長側の光に対する屈折率をns、長波長側の光に対する屈折率をnlとおくと(なお、中心波長の光に対する屈折率はnとする。)、これらパワーの差は、式(3)で表される。
【数3】
ところで、一般の硝材は短波長の光に対する屈折率の方が長波長の光に対する屈折率よりも大きいという正の屈折率分散を持っている。
そのため、正のパワーを持つ屈折レンズでは、短波長の光に対する焦点距離fsと長波長の光に対する焦点距離flとの間には、fl>fsという関係がある。
従来の屈折光学系では、異なる屈折率分散を持つ複数の硝材を組み合わせて色収差補正を行っているが、硝材の種類が限定されている紫外波長域や赤外波長域では、色収差補正が困難である。
【0013】
しかしながら、この裏面鏡M0においては、正のパワーを付与し、なおかつ長波長側の光に対するパワー(1/fl)を短波長側の光に対するパワー(1/fs)よりも大きくする、すなわちfl<fsとすることが可能である。これは実効的に負の屈折率分散を生じさせることに相当する。
すなわち、裏面鏡M0に正のパワーを付与するべく式(2)>0とおくと、式(4)が得られる。
【数4】
さらに、実効的に負の屈折率分散を生じさせるべく式(3)<0とおき、波長に依る屈折率の関係ns>nlを用いると、式(5)が得られる。
【数5】
これら式(4)、(5)からは、曲率半径r1及び曲率半径r2についての関係が式(6)のとおり得られる。
【数6】
因みに、屈折率nについてはn/(n−1)>1が成立するので、式(6)が成立するのは、r1<0かつr2<0のときである。すなわち、この裏面鏡M0は、図1にも示すように、入射側に凹形状をしたメニスカス形状である。
r1<0,r2<0であるので、式(6)から、式(7)が得られる。
【数7】
よって、式(7)が成立するよう裏面鏡M0を構成すれば、この裏面鏡M0の全体に正のパワーを付与しつつ負の屈折率分散を生じさせることができる。このような裏面鏡M0を利用すれば、紫外用光学系や赤外用光学系の全体の色収差を小さく抑えることが容易となる。
【0014】
しかも、この裏面鏡によれば、紫外用光学系又は赤外用光学系の全体に使用される硝材が全て同一の種類であったとしても色収差の補正が可能である。
[第1実施形態]
図2、図3、図4、表1、表2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態で説明する光学系は、紫外用光学系である。例えば、人工衛星に地上観察用に搭載される光学センサや、別の紫外用光学系の検査に使用される検査用のコリメータなどに使用される。
【0015】
図2は、本実施形態の紫外用光学系の構成を示す光路図である。
図2に示すように、本実施形態の紫外用光学系は、反射屈折光学系であり、光線の入射側から順に、屈折レンズL1、反射鏡M1、反射鏡M2、及び屈折レンズL2を備える。
反射鏡M1の中央には、反射鏡M2から屈折レンズL2へと至る光路を確保するための開口が設けられている。
【0016】
ここで、本実施形態の紫外用光学系において、反射鏡M1、M2は、共に裏面鏡である。しかも、一方の反射鏡M1については、入射側に凹を向けたメニスカス形状をしており、入射側の面M1aの曲率半径r1と、裏面M1bの曲率半径r2との間に、式(7)が成立する。
【0017】
このような裏面鏡を使用すると、上記したように実効的に負の屈折率分散を生じさせることができるので、紫外用光学系の全体での色収差の補正が容易となる。
また、一般に、紫外用光学系に使用できる硝材の種類は限られているが、このような裏面鏡が配置されていれば、紫外用光学系の全ての硝材を同一の種類としたとしても、色収差の補正が可能である。
【0018】
なお、図2に示す紫外用光学系の絞りは、裏面鏡である反射鏡M2の裏面M2bである。
[第1実施形態の具体例]
次に、本実施形態の具体例を説明する。
表1は、本実施形態の紫外用光学系の具体例を示すレンズデータである。
【0019】
なお、表における各面の面番号iは、光線の入射順に1〜10とした。また、括弧内には図2において対応する面の符号を記した。
本具体例の仕様については、焦点距離fは100mm、Fナンバーは3.3、画角は3°、波長範囲は紫外領域の270nm〜400nmである。
また、本具体例の硝材は全て、この波長範囲で十分に高い透過率の得られる「石英」を使用した。
【表1】
表2は、本具体例に使用した石英の屈折率である。
なお、表には、短波長(270nm)側の光に対する屈折率ns、長波長(400nm)側の光に対する屈折率nl、中心波長(300nm)の光に対する屈折率nをそれぞれ示した。
【表2】
本具体例では、表1に明かなように、第3面〜第5面が正のパワーを持つメニスカス形状の裏面鏡になっている。
【0020】
そして、入射側である第3面(及び第5面)の曲率半径r1は、−116.45132mmであり、裏面である第4面の曲率半径r2は、−163.80431mmであり、屈折率nは、1.487793であるので、nr1/(n−1)=−355.18である。よって、本具体例は、式(7)を満たしている。
この第3面〜第5面によれば、実効的に負の屈折率分散を生じさせることができるので、紫外用光学系には単一の硝材(石英)しか使用していないにも拘わらず、色収差の補正が可能となる。
【0021】
図3は、本具体例の収差図である。
なお、図3中の(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差である。
また、図3中の点線は中心波長(300nm)の光に対する収差を、実線は長波長(400nm)側の光に対する収差を、一点鎖線は短波長(270nm)側の光に対する収差をそれぞれ示している。
【0022】
図3(a)に明かなように、軸上色収差は良好に(±0.01mm以内に)補正されている。
図4は、本具体例のスポットダイアグラムである。
なお、図4において、縦軸の目盛りは像高方向の位置、横軸の目盛りは光軸方向の位置を示す。
【0023】
なお、像高方向の位置については、入射角(X°,Y°)を示した。
図4に明かなように、本具体例では、各位置において良好に(10μm以内に)収差補正されている。
[第2実施形態]
図5、図6、図7、表3を参照して本発明の第2実施形態を説明する。ここでは、主に第1実施形態との相違点を説明する。
【0024】
本実施形態で説明する光学系も、第1実施形態と同様、紫外用光学系である。
図5は、本実施形態の紫外用光学系の構成を示す光路図である。
図5に示すように、本実施形態の紫外用光学系は、第1実施形態と同様、反射屈折光学系であり、光線の入射側から順に、屈折レンズL3、反射鏡M3、反射鏡M4、及び屈折レンズL4を備える。
【0025】
但し、本実施形態の紫外用光学系は、斜入射で使用しており、入射角は光軸を基準として、軸外し方向に10°〜24°、軸外し方向と垂直方向に±7°である。
因みに、このように斜入射で使用すれば、反射光学系であるにも拘わらず光学要素による光束の遮蔽を回避できるので、中心遮蔽がなく、比較的広角な光学系が実現できる。
【0026】
また、この紫外用光学系は、結像光束が同一光学部材を複数回通るように構成されている。
すなわち、反射鏡M3は複数種類(ここでは2種類)の部分からなり、その一方の部分(図中下半分)は、屈折レンズL3から入射する光を反射鏡M4の側へ反射させるための反射部、他方の部分(図中上半分)は、反射鏡M4から入射する光を屈折レンズL4の側へ透過させるための透過部となっている。
【0027】
このように光束を複数回入射させて使用すれば、穴明けなどの加工や調整が簡略化されるので、コスト削減が可能である。
そして、本実施形態の紫外用光学系においても、第1実施形態と同様に、反射鏡M3の前記一方の部分(図中下半分)、及び反射鏡M4は、裏面鏡である。
すなわち、反射鏡M3は、その一方の部分が裏面鏡、他方の部分が屈折レンズとして作用する。
【0028】
しかも、一方の反射鏡M4については、入射側に凹を向けたメニスカス形状をしており、入射側の面M4aの曲率半径r1と、裏面M4bの曲率半径r2との間に、式(7)が成立する。
したがって、第1実施形態と同様に、紫外用光学系の全体での色収差の補正が容易となる。
【0029】
また、紫外用光学系の全ての硝材を同一の種類としたとしても、色収差の補正が可能である。
なお、図5に示す紫外用光学系の絞りは、反射鏡M4の裏面M4bである。
[第2実施形態の具体例]
次に、本実施形態の具体例を説明する。
【0030】
表3は、本実施形態の紫外用光学系の具体例を示すレンズデータである。
なお、表における各面の面番号iは、光線の入射順に1〜12とした。また、括弧内には図5において対応する面の符号を記した。
本具体例の仕様については、焦点距離fは100mm、Fナンバーは8、画角は14°×14°、波長範囲は紫外領域の270nm〜400nmである。
【0031】
また、本具体例の硝材は全て、この波長範囲で十分に高い透過率の得られる「石英」を使用した。
【表3】
また、本具体例に使用した石英の屈折率は、第1実施形態の具体例と同様に、表2のとおりである。
【0032】
本具体例では、表3に明かなように、第6面〜第8面が正のパワーを持つメニスカス形状の裏面鏡になっている。
そして、入射側である第6面(及び第8面)の曲率半径r1は−80.13865mmであり、裏面である第7面の曲率半径r2は、−155.07396mmであり、屈折率nは、1.487793であるので、nr1/(n−1)=−244.43である。よって、本具体例は、式(7)を満たしている。
【0033】
なお、表3では、第6面〜第8面の曲率半径は正の数字になっているが、これは、通常とは逆の向きから光が入射しているためである。数式中では、前記した定義に従って、r1、r2を負の数字にした。
【0034】
この第6面〜第8面によれば、実効的に負の屈折率分散を生じさせることができるので、紫外用光学系には単一の硝材しか使用していないにも拘わらず、色収差の補正が可能となる。
図6は、本具体例の収差図である。
なお、図6中の(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差である。
【0035】
また、図6中の点線は中心波長(300nm)の光に対する収差を、実線は長波長(400nm)側の光に対する収差を、一点鎖線は短波長(270nm)側の光に対する収差をそれぞれ示している。
図6(a)に明かなように、軸上色収差は良好に(±0.1mm以内に)補正されている。
【0036】
図7は、本具体例のスポットダイアグラムである。
なお、図7において、縦軸の目盛りは像高方向の位置、横軸の目盛りは光軸方向の位置を示す。
なお、像高方向の位置については、入射角(X°,Y°)を示した。
図7に明かなように、本具体例では、各位置において良好に(15μm以内に)収差補正されている。
【0037】
[第3実施形態]
図8、図9、図10、表4、表5を参照して本発明の第3実施形態を説明する。ここでは、主に第1実施形態や第2実施形態との相違点を説明する。
本実施形態で説明する光学系は、赤外用光学系である。例えば、人工衛星に地上観察用に搭載される光学センサや、別の赤外用光学系の検査に使用される検査用のコリメータなどである。
【0038】
図8は、本実施形態の赤外用光学系の構成を示す光路図である。
図8に示すように、本実施形態の赤外用光学系は、第1実施形態と同様、反射屈折光学系であり、光線の入射側から順に、屈折レンズL5、反射鏡M5、反射鏡M6、及び屈折レンズL6を備える。
但し、本実施形態の赤外用光学系は、反射鏡M5に対して光線が複数回(ここでは2回)入射しており、反射鏡M5の中央には、反射鏡M6から屈折レンズL6へと至る光路を確保するための透過部が設けられている。よって、本実施形態においてもコスト削減が可能である。
【0039】
また、本実施形態の赤外用光学系においても、第1実施形態と同様に、反射鏡M5の周縁部と、反射鏡M6とは、裏面鏡である。
すなわち、反射鏡M5は、その周縁部が裏面鏡、その中央部が屈折レンズとして作用する。
しかも、反射鏡M5の周縁部は、入射側に凹を向けたメニスカス形状をしており、入射側の面M5aの曲率半径r1と、裏面M5bの曲率半径r2との間に、式(7)が成立する。
【0040】
したがって、第1実施形態と同様、赤外用光学系の全体での色収差を補正することが容易となる。
また、赤外用光学系の全ての硝材を同一の種類としたとしても、色収差の補正が可能である。
従来、色収差の補正は赤外波長域5μm〜12μmにおいて特に困難だったため、本実施形態の赤外用光学系の有用性は、極めて高い。
【0041】
なお、図8に示す赤外用光学系の絞りは、反射鏡M6の裏面M6bである。
[第3実施形態の具体例]
次に、本実施形態の具体例を説明する。
表4は、本実施形態の赤外用光学系の具体例を示すレンズデータである。
なお、表における各面の面番号iは、光線の入射順に1〜12とした。また、括弧内には図8において対応する面の符号を記した。
【0042】
本具体例の仕様については、焦点距離fは100mm、Fナンバーは1.2、画角は2°、波長範囲は赤外領域の5μm〜12μmである。
また、本具体例の硝材は全て、この波長範囲で十分に高い透過率の得られる「ゲルマニウム」(Ge)を使用した。
【表4】
表5は、本具体例に使用したゲルマニウムの屈折率である。
【0043】
なお、表には、短波長(5μm)側の光に対する屈折率ns、長波長(12μm)側の光に対する屈折率nl、中心波長(7μm)の光に対する屈折率nをそれぞれ示した。
【表5】
本具体例では、表4に明かなように、第3面〜第5面が正のパワーを持つメニスカス形状の裏面鏡になっている。
【0044】
そして、入射側である第3面(及び第5面)の曲率半径r1は、−133.36925mmであり、裏面である第4面の曲率半径r2は、−141.47760mmであり、屈折率nは、4.007243であるので、nr1/(n−1)=−177.72である。よって、本具体例は、式(7)を満たしている。
この第3面〜第5面によれば、負の屈折率分散を生じさせることができるので、赤外用光学系には単一の硝材しか使用していないにも拘わらず、色収差の補正が可能となる。
【0045】
図9は、本具体例の収差図である。
なお、図9中の(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差である。
また、図9中の点線は中心波長(7μm)の光に対する収差を、実線は長波長(12μm)側の光に対する収差を、一点鎖線は短波長(5μm)側の光に対する収差をそれぞれ示している。
【0046】
図9(a)に明かなように、軸上色収差は良好に(±0.002mm以内に)補正されている。
図10は、本具体例のスポットダイアグラムである。
なお、図10において、縦軸の目盛りは像高方向の位置、横軸の目盛りは光軸方向の位置を示す。
【0047】
なお、像高方向の位置については、入射角(X°,Y°)を示した。
図10に明かなように、本具体例でも、各位置において良好に(15μm以内に)収差補正されている。
[その他]
なお、上記各実施形態では、本発明を、光軸上の像も利用する紫外用光学系(第1実施形態)、斜入射で使用し、かつ複数回入射させて使用する紫外用光学系(第2実施形態)、光軸上の像も利用し、かつ複数回入射させて使用する赤外用光学系(第3実施形態)を示したが、本発明は、如何なる形態で光線の入射する光学系にも適用可能であり、例えば、斜入射で使用される赤外用光学系にも適用が可能である。また、本発明は、光学センサやコリメータ以外にも、赤外波長域や紫外波長域で使用される各種の光学機器に適用が可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、比較的広角で、色収差を補正することの可能な紫外用及び赤外用反射屈折光学系が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の原理を説明する図である。
【図2】図2は、第1実施形態の紫外用光学系の構成を示す光路図である。
【図3】図3は、第1実施形態の具体例の収差図である。
【図4】図4は、第1実施形態の具体例のスポットダイアグラムである。
【図5】図5は、第2実施形態の紫外用光学系の構成を示す光路図である。
【図6】図6は、第2実施形態の具体例の収差図である。
【図7】図7は、第2実施形態の具体例のスポットダイアグラムである。
【図8】図8は、第3実施形態の赤外用光学系の構成を示す光路図である。
【図9】図9は、第3実施形態の具体例の収差図である。
【図10】図10は、第3実施形態の具体例のスポットダイアグラムである。
【符号の説明】
L1,L2,L3,L4,L5,L6 屈折レンズ
M0,M1,M2,M3,M4,M5,M6 反射鏡(裏面鏡)
Claims (2)
- 紫外光透過材料により構成された少なくとも2つの裏面鏡を有し、
前記2つの裏面鏡は、光線の入射側から順に配置された、反射面が入射側に対し凸形状をしている裏面鏡と、入射側に対し凹形状のメニスカス形状をしている裏面鏡とであり、
前記凹形状のメニスカス形状をしている裏面鏡の屈折率n、入射側の面の曲率半径r1、その反射面の曲率半径r2は、nr1/(n−1)<r2<r1の関係を満たし、
全ての透過部が同一種類の紫外光透過材料により構成され、
光学系に入射する光束による像の中心が光軸から外れた位置に形成される斜入射光学系である
ことを特徴とする紫外用反射屈折光学系。 - 前記凸形状をしている裏面鏡は、前記反射面が部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の紫外用反射屈折光学系。
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