JP4161291B2 - 光学活性体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学活性体の製造方法に関するものである。中でも、対称構造を有する環状化合物を立体選択的に開環させ、目的とする光学活性体を得る方法は、容易に工業的に製造されるアキラルな出発基質から一挙に生成物に1つあるいは2つの不斉中心を形成できる非常に重要な反応である。また本発明の目的は、工業的に容易に入手可能な化合物を活性種の配位子として用い、穏和な条件でかつ選択性良く光学活性を得る手法を提供することにある。当該反応によって得られる光学活性体は、アミノアルコールが挙げられ、医薬合成中間体としてよく知られている有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
対称構造を有する環状化合物を立体選択的に開環させ、光学活性体を得る手法は、反応基質、求核性試薬、活性種の配位子など、様々な項目によりその反応形態を分類することができる。中でも立体選択性を認識する上で最も重要な因子は活性種の配位子である。その配座、構造の違いにより以下のように大きく分類できる。
【0003】
サレン錯体に代表されるキラルシフ塩基構造を有する3座あるいは4座配位の活性種(例えば、Jacobsenら:米国特許第5929232号、国際公開96−28402号公報など)、酒石酸およびその誘導体を配位子とした2座配位活性種(例えば、小国ら:シンレット p.4774、(1991)、Sinouら:ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー 346、C7、(1988)、向山および山下ら:特開昭62−36351号など)、光学活性ビナフチル誘導体を配位子とした活性種(例えば、柴崎ら:特開平9−227577号、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー 122、p.2252、(2000)、稲葉ら:ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー64、4962、(1999)など)、光学活性アミノアルコール誘導体を配位子とした活性種(例えば、Nugentら:WO9902535号(1999)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー 120、p.7139、(1998)、Sinouら:ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー 346、C7、(1988)など)が知られている。
【0004】
Jacobsenらのサレン錯体による環状化合物の立体選択的開環反応は、多くの研究がなされ、反応基質の適応範囲、立体選択性(>90%ee)の点で非常に優れた反応系である。しかし、その活性種の配位子を合成するにあたり多くの工程を要するのが難点である。また、柴崎ら、稲葉らの用いている光学活性ビナフチル誘導体、およびNugentらの光学活性アミノアルコール誘導体(光学活性トリイソプロパノールアミン)は、工業的製造が難しく、高価である。
【0005】
一方、小国ら、Sinouら、向山および山下らの用いている酒石酸およびその誘導体、およびSinouらの用いている光学活性アミノアルコール誘導体については、工業的に容易でかつ安価に入手可能な化合物であり、種々誘導化が簡便で、また化学的および光学的に安定な工業的適用範囲が広い化合物である。
【0006】
しかし、向山および山下らの例は、種々の金属を用い対応する種々の酒石酸塩を利用できる点では汎用性に富むが、立体選択性の高い結果は観察されていない。また小国ら、Sinouらの例はいずれも活性種の中心金属がチタン(Ti)に限定され、かつ立体選択性の高い結果は観察されていない。また場合によっては、化学量論的反応系であるもの、温度条件が厳しい(<−30℃)ものなど、工業化の難しい系もあり、汎用性に欠ける点が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
よって、工業的に容易に入手可能な化合物を活性種の配位子として用い、穏和な条件でかつ高選択的に、アキラルな出発基質から一挙に1つあるいは2つの不斉中心を持つ有用な光学活性化合物を得る汎用的な工業手法が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、工業的に適用可能な光学活性体の製造手法を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、「一般式(1)
【0009】
【化7】
(X1、X2はそれぞれ、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換されたルイス塩基を表し、かつ、X 1 、X 2 のうち少なくとも一つはルイス塩基元素を窒素とするものとし、Mはホウ素またはアルミニウムを表し、Aは対イオンまたは求核試薬を表し、nは1を表す。)で示される酒石酸アミド誘導体を配位子として有する2座配位活性種の存在下で、アジドからなる求核性試薬を反応させて、一般式(3)
【0010】
【化8】
(Yは、酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で示される対称構造の環状基質を立体選択的に開環させ、一般式(4)
【0011】
【化9】
(Nuはアジド基を表し、Yは酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で示される化合物を得ることを特徴とする、光学活性体の製造方法」、および「一般式(5)
【0012】
【化10】
(R5は水素を表し、Mはホウ素またはアルミニウムを表し、Aは対イオンまたは求核試薬を表し、C1はM、N、Oとともにアラニノールあるいはフェニルアラニノールから生成した複素環を形成する基を表し、nは1を表す。)で示されるβ−アミノアルコール誘導体を配位子として有する2座配位活性種の存在下で、アジドからなる求核性試薬を反応させて、一般式(3)
【0013】
【化11】
(Yは、酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で示される対称構造の環状基質を立体選択的に開環させ、一般式(4)
【0014】
【化12】
(Nuはアジド基を表し、Yは酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で示される化合物を得ることを特徴とする、光学活性体の製造方法」である。
【0015】
当該反応によって得られる光学活性体が有用な医薬合成中間体であることは周知の通りである。例えば、アミノアルコールが挙げられ、医薬合成中間体としてよく知られている有用な化合物である。
【0016】
よって、工業的に容易に入手可能な化合物を活性種配位子として用いることにより、複雑な処理を介さず、穏和な条件でかつ高選択的に、対称構造を有するアキラルな環状化合物を立体選択的に開環させ、1つあるいは2つの不斉中心を持つ有用な光学活性体を得ることは非常に有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詳細を記載する。
【0018】
本発明において反応させる出発基質の環状化合物は、一般式(3)
【0019】
【化13】
(Yは、酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で表され、対称構造を持ち、炭素環式または複素環式の環構造を形成する。環構造を置換する官能基およびその位置は、環状基質の対称性を保つものであれば任意に選ぶことができ、また、シクロヘキセンオキサイドなどのような多環式の基質も含まれる。
【0020】
代表的な対称構造の環状基質には、エポキサイドが挙げられ、任意に用いることができる。
【0021】
エポキサイドの具体例としては、2,3−エポキシブタン、シクロヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、3,4−エポキシテトラヒドロフラン、3,4−エポキシテトラヒドロチオフェンジオキシド、エポキシコハク酸、エポキシコハク酸メチル、エポキシコハク酸エチル、3,4−エポキシピロリジン、1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3、4−エポキシピロリジン、1−ブトキシカルボニル−3、4−エポキシピロリジン、1−トリフルオロアセチル−3、4−エポキシピロリジンなどが挙げられる。中でも好ましいのは、シクロヘキセンオキサイド、エポキシコハク酸、エポキシコハク酸メチル、1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジン、1−ベンジルオキシカルボニル−3、4−エポキシピロリジン、1−ブトキシカルボニル−3、4−エポキシピロリジンであり、さらに好ましいのは、シクロヘキセンオキサイド、エポキシコハク酸メチル、1−ベンジル−3、4−エポキシピロリジンである。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
尚、上記に挙げた具体例はこれらに限定されるものではなく、当該基質に任意の置換基が導入され、その環状基質の対称性を保つものであれば任意に選ぶことができる。
【0031】
本発明において反応させる求核性試薬とは反応性電子対を有する化学種を意味し、アジドが挙げられる。
【0032】
【0033】
アジドの具体例としては、アジ化ナトリウム、トリブチルスズアジド、トリメチルシリルアジドなどが挙げられ、中でも好ましいのは、アジ化ナトリウム、トリメチルシリルアジドであり、さらに好ましいのは、トリメチルシリルアジドである。
【0034】
【0035】
【0036】
尚、上記に挙げた具体例はこれらに限定されるものではなく、求核性試薬を構成する原子に対し、その原子価が許容される範囲において任意の他の置換基が導入されているもの(例えばメチルアミノ基とジメチルアミノ基、フェニル基とトリル基など)あるいは周期表における同族元素で置換されているもの(クロリドとブロミド、ナトリウムとカリウムなど)あるいは互いに異性体の関係にあるもの(例えばp−クロロフェニル基とm−クロロフェニル基、ノルマルプロピル基とイソプロピル基など)も同様に含まれる。
【0037】
本発明において用いられる2座配位活性種とは、対称構造を有する環状基質を求核性試薬により開環させる際、その反応の立体選択性に大きく寄与し、ある特定の立体配置を有する生成物への転化を支持する化学種であり、それの非共存下では立体選択性が発現されない化学種を意味する。
【0038】
本発明において用いられる2座配位活性種の構造は、一般式(1)
【0039】
【化14】
(X1、X 2 はそれぞれ、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換されたルイス塩基を表し、かつ、X 1 、X 2 のうち少なくとも一つはルイス塩基元素を窒素とするものとし、Mはホウ素またはアルミニウムを表し、Aは対イオンまたは求核試薬を表し、nは1を表す。)で示される酒石酸アミド誘導体を配位子として有する2座配位錯体、あるいは、一般式(5)
【0040】
【化15】
(R5は水素を表し、Mはホウ素またはアルミニウムを表し、Aは対イオンまたは求核試薬を表し、C1はM、N、Oとともにアラニノールあるいはフェニルアラニノールから生成した複素環を形成する基を表し、nは1を表す。)で示されるβ−アミノアルコール誘導体を配位子として有する2座配位活性種である。
【0041】
これらの活性種は、その配位子を誘導化するなどして、高分子あるいはマトリックスに固定または担持することができ、さらに、その固定または担持された配位子を所望の活性種中心Mと錯体化し、当該反応に用いることができる。
【0042】
また、2座配位活性種を形成する上で必要な活性種中心Mと配位子との錯体化については、活性種中心Mのアルコキサイド(例えばホウ素トリメトキサイド(B(OMe)3)など)、あるいは活性種中心Mのアルキル化物(例えばトリメチルアルミニウム(AlMe3)など)、あるいは活性種中心Mのハロゲン化物(例えばトリクロロアルミニウム(AlCl3)など)などと、所望の酒石酸アミド誘導体あるいはアミノアルコール誘導体を配位子として用意し、それぞれを反応させることによりアルコール(例えばホウ素トリメトキサイド(B(OMe)3)の場合はメタノール)、あるいは炭化水素(例えばトリメチルアルミニウム(AlMe3)の場合はメタン)、あるいはハロゲン化水素(例えばトリクロロアルミニウム(AlCl3)の場合は塩化水素)が脱離し、2座配位活性種が形成される。当該反応においては、あらかじめ別の装置において所望の配位子と活性種中心Mと錯体化し、形成させた2座配位活性種を当該反応の反応装置系内に投入することも、あるいは当該反応を行う同一反応装置系内で所望の配位子と活性種中心Mとを錯体化し、2座配位活性種を形成させた後、続いて環状基質、求核性試薬を投入することも、任意に選ぶことができる。
【0043】
一般式(1)で示される酒石酸アミド誘導体配位子のX1〜X 2 は、ルイス塩基を表し、かつ、X 1 、X 2 のうち少なくとも一つはルイス塩基元素を窒素とするものとする。
【0044】
ルイス塩基としては、例えば、アミン類などに由来する窒素、アルコール類、フェノール類などに由来する酸素、チオール類などに由来する硫黄、ホスフィン類、ホスフィンオキシド類などに由来するリンなどが元素として挙げられ、その置換基はルイス塩基元素の原子価が許容される範囲、および活性種が2座配位を形成する範囲において任意に選択することができる。
【0045】
X1、X2について中でも好ましいルイス塩基元素は酸素、窒素、リンであり、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシル基、メタンスルホニルオキシル基、ベンゼンスルホニルオキシル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ベンジルアミノ基、ナフチルメチルアミノ基、α−フェニルエチルアミノ基、β−フェニルエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、テトラヒドロフルフリルメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、ブトキシカルボニルアミノ基、ジフェニルホスフィノ基、フェニルホスフィンオキシド基などが挙げられる。好ましいのは、メトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、ベンゼンスルホニルオキシル基、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ベンジルアミノ基、ナフチルメチルアミノ基、α−フェニルエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、ジフェニルホスフィノ基であり、さらに好ましいのは、フェノキシ基、ベンジルアミノ基、α−フェニルエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、ジフェニルホスフィノ基である。尚、X1およびX2は同一、異種を問わないが、少なくとも一つはルイス塩基元素を窒素とするものとし、任意にそのルイス塩基元素およびその置換基を選択することができる。具体的には、同一ルイス塩基元素で異種の置換基を有するもの(例えば、X1=ベンジルアミノ基、X2=ジメチルアミノ基)、異種のルイス塩基元素のもの(例えば、X1=フェニルアミノ基、X2=メトキシ基)、ルイス塩基元素とその置換基がともに同一のもの(例えば、X1=X2=ベンジルアミノ基)などが挙げられる。
【0046】
酒石酸アミド誘導体配位子の具体例を挙げると、酒石酸ジベンジルアミド、酒石酸(α−フェニルエチル)ジアミド、酒石酸ジアニリド、酒石酸ジイソプロピルアミド、酒石酸ジナフチルアミド、酒石酸ベンジルモノアミドメチルモノエステル、タルトラニル酸メチルエステル、酒石酸ベンジルモノアミドフェニルモノエステル、酒石酸イソプロピルモノアミドメチルモノエステル、タルトラニル酸イソプロピルエステルなどが挙げられる。好ましいのは、酒石酸ジベンジルアミド、酒石酸(α−フェニルエチル)ジアミド、酒石酸ジアニリド、酒石酸ジイソプロピルアミド、酒石酸ベンジルモノアミドメチルモノエステル、タルトラニル酸メチルエステル、タルトラニル酸イソプロピルエステルであり、さらに好ましいのは、酒石酸ジベンジルアミド、酒石酸(α−フェニルエチル)ジアミド、酒石酸ジアニリド、酒石酸ベンジルモノアミドメチルモノエステル、タルトラニル酸メチルエステルである。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
また、一般式(1)で示される酒石酸アミド誘導体配位子は、一般式(6)
【0052】
【化16】
(X1、X2は、それぞれ原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換されたルイス塩基を表し、かつ、X 1 、X 2 のうち少なくとも一つはルイス塩基元素を窒素とするものとし、C2はX1、X2とともに複素環を形成する、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された置換基を表し、Mはホウ素またはアルミニウムを表し、Aは対イオンまたは求核試薬を表し、nは1を表す。)で示されるような、X1−X2間で架橋構造を形成するものも同様に含まれる。
【0053】
酒石酸アミド誘導体配位子の好ましい具体例を構造式で挙げると、式(8)、(10)、(12)、(14)で示される化合物などが挙げられる。
【0054】
【化17】
好ましいのは、式(10)、(12)、(14)の化合物であり、さらに好ましいのは、式(10)、(14)の化合物である。
【0055】
また、酒石酸アミド誘導体が光学活性であるものが好ましい。目的とする生成物の立体配置に応じ、D体、L体どちらでも任意に選ぶことができる。
【0056】
その光学活性酒石酸アミド誘導体配位子の好ましい具体例は、L−酒石酸ジベンジルアミド、D−酒石酸ジベンジルアミド、L−酒石酸(α−フェニルエチル)ジアミド、D−酒石酸(α−フェニルエチル)ジアミド、L−酒石酸ジアニリド、D−酒石酸ジアニリド、L−タルトラニル酸メチルエステル、D−タルトラニル酸メチルエステル、L−酒石酸ベンジルモノアミドメチルモノエステル、D−酒石酸ベンジルモノアミドメチルモノエステル、式(15)〜(20)の化合物などである。
【0057】
【化18】
一般式(5)で示されるアミノアルコール誘導体配位子のR5は水素を表す。
【0058】
β−アミノアルコール誘導体配位子の具体例としては、アラニノール、フェニルアラニノールである。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
さらに、アミノアルコール誘導体が光学活性であるものが好ましく、中でも特に、光学活性β−アミノアルコール誘導体が好ましい。目的とする生成物の立体配置に応じ、D体、L体どちらでも任意に選ぶことができる。
【0065】
その光学活性アミノアルコール誘導体の好ましい具体例は、L−アラニノール、D−フェニルアラニノールである。
【0066】
尚、上記に挙げた具体例はこれらに限定されるものではなく、原子価が許容される範囲において任意の他の置換基が導入されているもの(例えばフェニル基とトリル基など)あるいは周期表における同族元素で置換されているもの(例えばp−クロロフェニル基とp−ブロモフェニル基など)あるいは互いに異性体の関係にあるもの(例えばp−クロロフェニル基とm−クロロフェニル基、ノルマルプロピル基とイソプロピル基など)も同様に含まれる。
【0067】
一般式(1)および(5)で示される活性種中心Mに対する配位子の数を表すnは、1である。
【0068】
活性種中心Mはホウ素またはアルミニウムを表す。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
本発明において製造される光学活性体は、一般式(4)
【0073】
【化20】
(Nuはアジド基を表し、Yは酸素を表し、R1、R2は、対称環構造を安定に形成しうる有機あるいは無機置換基を表す。)で表され、Nu部分の置換基は求核性試薬に由来し、Y部分の置換基は出発基質の環状化合物に由来する。
【0074】
一般式(4)で示される光学活性体は、使用する環状化合物または求核性試薬を種々任意に選択することにより、様々な置換基を有する光学活性体が製造される。中でも、光学活性β−アミノアルコールは医薬合成中間体としてよく知られている有用な化合物である。
【0075】
本発明において製造される光学活性体の代表例を環状基質の種類ごとに挙げると、エポキサイドからの生成物は、アジドアルコール類、シロキシアジ化物類などの光学活性誘導体が挙げられる。
【0076】
光学活性アルコール誘導体の具体例としては、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサン、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサン、(1R)−ヒドロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサン、(1S)−ヒドロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサン、1−ベンジル−(3R)−トリメチルシロキシ−(4R)−アジドピロリジン、1−ベンジル−(3S)−トリメチルシロキシ−(4S)−アジドピロリジン、1−ベンジル−(3R)−ヒドロキシ−(4R)−アジドピロリジン、1−ベンジル−(3S)−ヒドロキシ−(4S)−アジドピロリジン、(3R)−トリメチルシロキシ−(4R)−アジドテトラヒドロフラン、(3S)−トリメチルシロキシ−(4S)−アジドテトラヒドロフラン、(3R)−ヒドロキシ−(4R)−アジドテトラヒドロフラン、(3S)−ヒドロキシ−(4S)−アジドテトラヒドロフラン、(3R)−トリメチルシロキシ−(4R)−アジドコハク酸ジメチル、(3S)−トリメチルシロキシ−(4S)−アジドコハク酸ジメチル、(3R)−ヒドロキシ−(4R)−アジドコハク酸ジメチル、(3S)−ヒドロキシ−(4S)−アジドコハク酸ジメチルなどが挙げられる。
【0077】
【0078】
尚、上記に挙げた具体例はこれらに限定されるものではなく、原子価が許容される範囲において任意の他の置換基が導入されているもの(例えばフェニル基とトリル基など)あるいは周期表における同族元素で置換されているもの(例えばクロロ基とブロモ基など)あるいは互いに異性体の関係にあるもの(例えばp−クロロフェニル基とm−クロロフェニル基、ノルマルプロピル基とイソプロピル基など)も同様に含まれる。
【0079】
次に、当該反応を実施する際の反応条件について説明する。尚、本明細書に挙げられる具体的な反応条件は、それに制限されるものではなく、本発明の実施の好ましい様式に対応しているのみである。
【0080】
本発明において使用される溶媒は、当該反応に用いられる環状基質、求核性試薬、活性種に対し不活性なものであれば任意に選ぶことができる。具体例としては、脂肪族および芳香族炭化水素系溶媒ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、トルエン、ベンゼンなどの脂肪族および芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1、2−ジメトキシエタン、ジグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。中でもヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランが好ましく用いられる。これら溶媒は単一で用いてもあるいは混合して用いても構わず、また無溶媒でも構わない。
【0081】
【0082】
本発明は、均一液での反応、液−液2層間での反応、固−液2層間の反応のいずれでも実施でき、また、反応液性状が均一、乳液状、懸濁液状、泡状のいずれでも実施でき、気泡の発生が見られる反応系でも実施できる。
【0083】
本発明における反応温度については、当該反応に用いられる環状基質、求核性試薬、活性種に対し不活性なものであれば、特に制限はなく任意に選ぶことができる。具体的には、−78℃〜100℃の範囲が好ましく、さらに−20℃〜50℃の範囲がより好ましく、15℃〜30℃の室温付近の条件が最も好ましい。
【0084】
本発明における反応は、反応性気体の雰囲気下または加圧下で行うことができ、その流量または加圧条件は任意に選ぶことができる。
【0085】
本発明における反応は、不活性気体の雰囲気下または加圧下で行うことができ、その流量または加圧条件は任意に選ぶことができる。不活性気体の具体例は、ヘリウム、窒素、アルゴンなどであり、その圧条件は、1〜100気圧(101.3kPa〜10.1MPa)が好ましく、さらに1〜10気圧(101.3kPa〜1.0MPa)がより好ましく、1気圧(101.3kPa)付近が最も好ましい。
【0086】
本発明において用いられる環状基質、求核性試薬、活性種は、それぞれ任意のモル比で行うことができるが、求核性試薬は環状基質に対して過剰量であることが好ましく、2座配位活性種は環状基質に対して触媒量であることが好ましい。ここで、過剰量とはモル比1.0以上の量を表し、触媒量とはモル比1.0未満の量を表す。
【0087】
具体的には、求核性試薬は環状基質に対してモル比1.0〜5.0が好ましく、さらにモル比1.0〜2.0がより好ましい。1.0未満であると環状基質が完全に転化されず、またあまりに過剰量用いると不経済である。この範囲において反応を効率良くかつ経済的に行うことができる。一方、活性種は環状基質に対してモル比0.0001〜1.0であることが好ましく、さらにモル比0.001〜0.2がより好ましい。この範囲において反応を効率良くかつ経済的に行うことができる。
【0088】
本発明において用いられる環状基質、求核性試薬、活性種、溶媒の反応装置への投入順序は、反応成績に重要ではなく任意に選ぶことができるが、活性種、溶媒、環状基質、求核性試薬の順、あるいは溶媒、活性種、環状基質、求核性試薬の順が好ましい。
【0089】
活性種の投入については、あらかじめ別の装置において所望の配位子と活性種中心Mと錯体化し、形成させた2座配位活性種を当該反応の反応装置系内に投入することも、あるいは当該反応を行う同一反応装置系内で所望の配位子と活性種中心Mとを錯体化し、2座配位活性種を形成させた後、続いて環状基質、求核性試薬を投入することも、任意に選ぶことができる。
【0090】
本発明における反応は、連続流通式、バッチ式のいずれの方式によっても行うことができ、用いられる活性種、溶媒類、および用いられるまたは発生する液体および気体は、再循環または再利用することが可能である。
【0091】
本発明において使用される反応装置は、当該反応に用いられる環状基質、求核性試薬、活性種に対し不活性な材質のものであれば任意に選ぶことができる。具体的には、ガラス製、ガラス内張のステンレススチール製、ステンレススチール製、およびそれ類似型の反応装置である。また、温度変動または揮発成分の逸脱を抑制するために、内部あるいは外部に熱交換器を使用した反応装置も同様に用いることができる。
【0092】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。なお、ここで用いている試薬類のメーカーグレードは、いずれも1級レベルに相当するものである。
1.酒石酸ジアミドの合成
参考例1
D−酒石酸ジエチル10.3g(50mmol;東レ社製)、ベンジルアミン42.9g(200mmol;片山化学社製)を反応容器に投入し、100℃条件下で5時間撹拌・反応させた。反応終了後、トルエンで希釈し、冷却して目的物を晶析させた。得られた結晶をろ過・洗浄し、乾燥させることにより、D−酒石酸ジベンジルアミドを13.0g(収率79.0%)得た。
【0093】
参考例2
D−酒石酸ジエチルをL−酒石酸ジエチル10.3g(50mmol;東レ社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、L−酒石酸ジベンジルアミドを12.9g(収率78.4%)得た。
【0094】
参考例3
ベンジルアミンをイソプロピルアミン11.8g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例2と同様に反応・処理を行ったところ、L−酒石酸ジイソプロピルアミドを9.1g(収率78.5%)得た。
【0095】
参考例4
ベンジルアミンをβ−フェニルエチルアミン24.2g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(β−フェニルエチル)ジアミドを14.4g(収率80.6%)得た。
【0096】
参考例5
ベンジルアミンをピロリジン14.2g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸ジピロリジンアミドを10.7g(収率83.4%)得た。
【0097】
参考例6
ベンジルアミンをRS−2−テトラヒドロフルフリルアミン20.2g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(RS−2−テトラヒドロフルフリル)ジアミドを12.3g(収率77.6%)得た。
【0098】
参考例7
ベンジルアミンをシクロヘキシルアミン20.2g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸ジシクロヘキシルアミドを8.9g(収率57.2%)得た。
【0099】
参考例8
ベンジルアミンをβ−ジフェニルエチルアミン20.3g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(β−ジフェニルエチル)ジアミドを13.4g(収率52.6%)得た。
【0100】
参考例9
ベンジルアミンをDL−α−フェニルエチルアミン24.2g(200mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(DL−α−フェニルエチル)ジアミドを12.6g(収率70.7%)得た。
【0101】
参考例10
ベンジルアミンを3−フェニルプロピルアミン14.9g(110mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(3−フェニルプロピル)ジアミドを16.4g(収率85.5%)得た。
【0102】
参考例11
ベンジルアミンを1−ナフタレンメチルアミン71.4g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(1−ナフタレンメチル)ジアミドを18.1g(収率84.3%)得た。
【0103】
参考例12
ベンジルアミンをアニリン46.6g(500mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸ジアニリドを3.9g(収率25.7%)得た。
【0104】
参考例13
ベンジルアミンをo−メチルベンジルアミン12.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(o−メチル)ベンジルジアミドを13.0g(収率72.5%)得た。
【0105】
参考例14
ベンジルアミンをm−メチルベンジルアミン12.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(m−メチル)ベンジルジアミドを11.0g(収率61.9%)得た。
【0106】
参考例15
ベンジルアミンをp−メチルベンジルアミン12.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(p−メチル)ベンジルジアミドを11.7g(収率65.4%)得た。
【0107】
参考例16
ベンジルアミンをo−メトキシベンジルアミン13.7g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(o−メトキシ)ベンジルジアミドを15.8g(収率81.6%)得た。
【0108】
参考例17
ベンジルアミンをm−メトキシベンジルアミン13.7g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(m−メトキシ)ベンジルジアミドを9.1g(収率47.0%)得た。
【0109】
参考例18
ベンジルアミンをp−メトキシベンジルアミン13.7g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(p−メトキシ)ベンジルジアミドを14.3g(収率73.8%)得た。
【0110】
参考例19
ベンジルアミンをo−クロロベンジルアミン14.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(o−クロロ)ベンジルジアミドを6.2g(収率31.0%)得た。
【0111】
参考例20
ベンジルアミンをm−クロロベンジルアミン14.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(m−クロロ)ベンジルジアミドを15.0g(収率75.7%)得た。
【0112】
参考例21
ベンジルアミンをp−クロロベンジルアミン14.2g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(p−クロロ)ベンジルジアミドを12.3g(収率61.8%)得た。
【0113】
参考例22
ベンジルアミンをo−フルオロベンジルアミン12.5g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(o−フルオロ)ベンジルジアミドを6.9g(収率37.9%)得た。
【0114】
参考例23
ベンジルアミンをm−フルオロベンジルアミン12.5g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(m−フルオロ)ベンジルジアミドを12.1g(収率66.3%)得た。
【0115】
参考例24
ベンジルアミンをp−フルオロベンジルアミン12.5g(100mmol;片山化学社製)に変え、参考例1と同様に反応・処理を行ったところ、D−酒石酸(p−フルオロ)ベンジルジアミドを12.0g(収率65.9%)得た。
【0116】
参考例1〜6、7〜12、13〜18、19〜24の結果をそれぞれ表1、表2、表3、表4に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
2.立体選択的開環反応
実施例1
ホウ素トリメトキシド1.0g(10.0mmol;Aldrich社製)、テトラヒドロフラン30g(片山化学社製)を反応容器に加え、撹拌した。そこへD−酒石酸ジベンジルアミド3.3g(10.0mol)を投入し、室温条件下で1時間反応させた。その後、シクロヘキセンオキサイド9.8g(0.1mol;東レ社製)、続いてトリメチルシリルアジド23.0g(0.2mol;Aldrich社製)を加え、室温条件下で20時間反応させた。テトラヒドロフランおよび生成したメタノールを濃縮した後、GCにより分析した結果、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを14.5g(化学収率68.1%)得、光学純度は70.1%e.e.であった。
【0121】
実施例2
D−酒石酸ジベンジルアミドをL−酒石酸ジベンジルアミド3.3g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを12.4g(化学収率58.2%)得、光学純度は76.8%e.e.であった。
【0122】
実施例3
D−酒石酸ジベンジルアミドをL−酒石酸ジイソプロピルアミド2.3g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを12.0g(化学収率56.1%)得、光学純度は22.8%e.e.であった。
【0123】
実施例4
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(β−フェニルエチル)ジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを13.7g(化学収率64.3%)得、光学純度は40.1%であった。
【0124】
実施例5
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジピロリジンアミド2.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを8.9g(化学収率41.8%)得、光学純度は2.6%e.e.であった。
【0125】
実施例6
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(RS−2−テトラヒドロフルフリル)ジアミド3.2g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを17.6g(化学収率82.3%)得、光学純度は31.9%e.e.であった。
【0126】
実施例7
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジシクロヘキシルアミド3.1g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを12.3g(化学収率57.7%)得、光学純度は15.4%e.e.であった。
【0127】
実施例8
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(β−ジフェニルエチル)ジアミド3.2g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを16.6g(化学収率77.7%)得、光学純度は55.4%e.e.であった。
【0128】
実施例9
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(DL−α−フェニルエチル)ジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを14.4g(化学収率67.7%)得、光学純度は87.7%e.e.であった。
【0129】
実施例10
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(3−フェニルプロピル)ジアミド3.8g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを13.2g(化学収率61.8%)得、光学純度は35.1%e.e.であった。
【0130】
実施例11
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(1−ナフタレンメチル)ジアミド4.3g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを11.5g(化学収率53.9%)得、光学純度は61.0%e.e.であった。
【0131】
実施例12
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジアニリド3.0g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを9.5g(化学収率44.3%)得、光学純度は30.4%e.e.であった。
【0132】
実施例13
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(o−メチル)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを18.1g(化学収率84.4%)得、光学純度は52.3%e.e.であった。
【0133】
実施例14
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−メチル)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを16.9g(化学収率79.1%)得、光学純度は57.8%e.e.であった。
【0134】
実施例15
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(p−メチル)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを11.9g(化学収率55.4%)得、光学純度は65.4%e.e.であった。
【0135】
実施例16
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(o−メトキシ)ベンジルジアミド3.9g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを15.6g(化学収率72.9%)得、光学純度は58.5%e.e.であった。
【0136】
実施例17
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−メトキシ)ベンジルジアミド3.9g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを16.5g(化学収率77.2%)得、光学純度は73.8%e.e.であった。
【0137】
実施例18
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(p−メトキシ)ベンジルジアミド3.9g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを14.6g(化学収率68.0%)得、光学純度は51.7%e.e.であった。
【0138】
実施例19
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(o−クロロ)ベンジルジアミド4.0g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを12.2g(化学収率57.2%)得、光学純度は54.6%e.e.であった。
【0139】
実施例20
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−クロロ)ベンジルジアミド4.0g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを11.9g(化学収率55.5%)得、光学純度は70.4%e.e.であった。
【0140】
実施例21
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(p−クロロ)ベンジルジアミド4.0g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを14.9g(化学収率69.5%)得、光学純度は52.9%e.e.であった。
【0141】
実施例22
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(o−フルオロ)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを13.0g(化学収率60.8%)得、光学純度は50.3%e.e.であった。
【0142】
実施例23
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−フルオロ)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを11.3g(化学収率52.8%)得、光学純度は62.4%e.e.であった。
【0143】
実施例24
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(p−フルオロ)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例1と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを14.9g(化学収率69.7%)得、光学純度は61.1%e.e.であった。
【0144】
実施例25
ホウ素トリメトキシドをトリメチルアルミニウム2.0Mヘキサン溶液5mL(10.0mol;Aldrich社製)に変え、実施例1と同様に、テトラヒドロフラン30g(片山化学社製)を反応容器に加え、撹拌した。そこへD−酒石酸ジベンジルアミド3.3g(10.0mol)を投入し、室温条件下で1時間反応させた。その後、シクロヘキセンオキサイド9.8g(0.1mol;東レ社製)、続いてトリメチルシリルアジド23.0g(0.2mol;Aldrich社製)を加え、室温条件下で20時間反応させた。テトラヒドロフランおよび生成したメタノールを濃縮した後、GCにより分析した結果、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを20.74g(化学収率97.2%)得、光学純度は2.1%e.e.であった。
【0145】
実施例26
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(β−フェニルエチル)ジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを19.0g(化学収率89.2%)得、光学純度は9.6%e.e.であった。
【0146】
実施例27
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジピロリジンアミド2.6g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを20.1g(化学収率94.2%)得、光学純度は11.6%e.e.であった。
【0147】
実施例28
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジシクロヘキシルアミド3.1g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを19.3g(化学収率90.3%)得、光学純度は4.0%e.e.であった。
【0148】
実施例29
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(DL−α−フェニルエチル)ジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサン20.8gを14.4g(化学収率97.7%)得、光学純度は17.7%e.e.であった。
【0149】
実施例30
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(3−フェニルプロピル)ジアミド3.8g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを18.2g(化学収率85.2%)得、光学純度は4.3%e.e.であった。
【0150】
実施例31
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(1−ナフタレンメチル)ジアミド4.3g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを19.9g(化学収率93.4%)得、光学純度は8.1%e.e.であった。
【0151】
実施例32
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸ジアニリド3.0g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを17.6g(化学収率82.6%)得、光学純度は8.4%e.e.であった。
【0152】
実施例33
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−クロロ)ベンジルジアミド4.0g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを18.1g(化学収率84.7%)得、光学純度は12.6%e.e.であった。
【0153】
実施例34
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(o−フルオロ)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを18.5g(化学収率86.6%)得、光学純度は13.1%e.e.であった。
【0154】
実施例35
D−酒石酸ジベンジルアミドをD−酒石酸(m−フルオロ)ベンジルジアミド3.6g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1R)−トリメチルシロキシ−(2R)−アジドシクロヘキサンを18.4g(化学収率86.2%)得、光学純度は21.0%e.e.であった。
【0155】
実施例36
D−酒石酸ジベンジルアミドをL−フェニルアラニノール1.5g(10.0mol)に変え、実施例25と同様に反応・処理を行ったところ、(1S)−トリメチルシロキシ−(2S)−アジドシクロヘキサンを16.7g(化学収率78.5%)得、光学純度は22.4%e.e.であった。
【0156】
実施例1〜6、7〜12、13〜18、19〜24、25〜30、31〜36の結果をそれぞれ表5、表6、表7、表8、表9、表10に示す。
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
【表8】
【0161】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【発明の効果】
本発明の製法は、工業的に容易に入手可能な化合物を活性種配位子として用いることにより、複雑な処理を介さず、穏和な条件でかつ高選択的に、対称構造を有するアキラルな環状化合物を立体選択的に開環させ、1つあるいは2つの不斉中心を持つ有用な光学活性体を得る製造法である。また、得られる光学活性体は種々の合成中間体として利用でき、医薬分野において有用である。
Claims (6)
- 一般式(1)
- 酒石酸アミド誘導体が光学活性体であることを特徴とする請求項1記載の光学活性体の製造方法。
- 一般式(5)
- アミノアルコール誘導体が光学活性体であることを特徴とする請求項3記載の光学活性体の製造方法。
- 2座配位活性種の存在モル比が、一般式(3)で示される対称構造の環状基質に対して1.0未満であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の光学活性体の製造方法。
- 2座配位活性種が高分子あるいはマトリックスに、固定または担持されたものであることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の光学活性体の製造方法。
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