JP4159941B2 - 場所打ち杭の施工法 - Google Patents
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Description
前記2)はセメントミルクや薬液の注入などにより地盤改良して固結度を上げる、またはサンドコンパクションパイルなどにより地盤に振動を与えて地盤の密度を増加させることで液状化させない工法である。
前記3)は構造物を支持する基礎を大型化し、液状化により水平抵抗が減少しても十分に上部構造物を支持できるようにする工法である(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
また、鋼管杭の周面に排水ドレーンを配置し、過剰間隙水圧の上昇を抑えて液状化対策とする技術もある(例えば、非特許文献1参照)。
前記地盤の軟弱地盤を掘削して大径孔2を形成し、さらに支持層4に達するまで掘削して前記大径孔2より小径の杭孔3を形成し、
次に、前記杭孔3まで鉄筋籠21を建て込んだ後、前記大径孔2において前記鉄筋籠21の周囲に、前記杭孔3より大径の管状の遮水材22を設置し、
次に、遮水材22の外側に透水層24または吸水膨張層24を形成し、
次に、前記鉄筋籠21内にコンクリート25を打設することによって場所打ち杭26を構築することを特徴とする。
そして、排水機能を持たせた場所打ち杭なので、既製杭より大径の杭径にも対応でき、また、狭隘な現場、空頭制限のある現場での施工にも有利である。
さらに、排水機能を持たせた鋼管杭との対比において、液状化層に対応して透水層(排水層)の厚さを変えることができ、現場に即した排水機能を設定できるメリットもある。
しかも、場所打ち杭周囲のみを膨張させるため、周辺構造物に対する影響が小さく、他に変状を与えずに必要な個所だけ改良が行えるメリットがある。また、膨張することにより場所打ち杭周囲の地盤を強化すると同時に、地盤と杭との周面摩擦を増加する効果も見込まれる。
本発明に係る場所打ち杭の施工は、具体的にはコンクリート打設前において、例えば図1に示すように、鉄筋籠21の周囲に遮水材22を設置しておく。そして、その遮水材22の周囲に透水性材料(または吸水膨張性材料)23を投入して透水層(または吸水膨張層)24を形成する。その後、コンクリートを打設して場所打ち杭を構築する。
この実施形態は、遮水材22の周囲に透水性材料23を投入して透水層24を形成してから、コンクリートを打設して場所打ち杭を施工するものである。
具体的には、先ず、図2に示すように、軟弱地盤1に鋼管によるスタンドパイプ11を建て込みながらハンマーグラブ12により掘削する。
所定深度まで掘削したら、ハンマーグラブ12を抜いて、図3に示すように、削孔ビット13による支持層4に達するまで掘削する。このとき、スタンドパイプ11内が大径孔2となっており、削孔ビット13により杭孔3が形成される。なお、大径孔2は地震時に発生する液状化層5に対応する長さに掘削する。
そして、大径孔2において、鉄筋籠21の周囲にコルゲートパイプによる遮水材22を設置する。ここで、遮水材22は、スパイラル管でも良く、他の遮水管や遮水性シート等の安価な材料を用いれば良い。
次に、大径孔2内に、図5に示すように、ポーラスコンクリートや砕石などの透水性の高い材料、即ち、透水性材料23を投入する。これにより遮水材22の外側に透水層24が形成される。
こうして打設したコンクリート25が固化して、図7に示したように、場所打ち杭26が構築される。なお、スタンドパイプ11は、透水層24の形成またはコンクリート25打設後に図7のように抜き去る。
そして、このように排水機能を持たせた場所打ち杭26なので、例えば既製杭(PHC杭)では杭径が1,200mmまでであるのに対し、それ以上に大径の杭径にも対応でき、また、狭隘な現場、空頭制限のある現場での施工に優位性がある。
さらに、鋼管杭に排水機能を持たせたものと比較した場合、液状化層5に対応して排水層となる透水層24の厚さを変えることができ、現場に即した排水機能を設定できるメリットがある。
この実施形態は、前述した第1の実施形態における透水層に代えて吸水膨張層24を施工したものである。
即ち、図1と図5〜図7において、大径孔2内に、石灰や膨張コンクリートなどの吸水膨張性の高い材料、即ち、吸水膨張性材料23を投入して、遮水材22の外側に吸水膨張層24を形成する。
しかも、このように場所打ち杭26の周囲のみを膨張させるだけなので、周辺構造物に対する影響が小さく、即ち、他に変状を与えずに必要な個所だけ改良が行えるメリットがある。また、膨張することにより場所打ち杭26の周囲の地盤を強化すると同時に、地盤と杭26との周面摩擦を増加する効果も見込まれる。
また、掘削方法も任意であり、その他、具体的な手法等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 大径孔
3 杭孔
4 支持層
5 液状化層
11 スタンドパイプ
21 鉄筋籠
22 遮水材
23 透水性材料または吸水膨張性材料
24 透水層または吸水膨張層
25 コンクリート
26 場所打ち杭
Claims (3)
- 地盤に場所打ち杭を構築するとともに、その杭周面に沿って透水層または吸水膨張層を形成する場所打ち杭の施工法であって、
前記地盤の軟弱地盤を掘削して大径孔を形成し、さらに支持層に達するまで掘削して前記大径孔より小径の杭孔を形成し、
次に、前記杭孔まで鉄筋籠を建て込んだ後、前記大径孔において前記鉄筋籠の周囲に、前記杭孔より大径の管状の遮水材を設置し、
次に、遮水材の外側に透水層または吸水膨張層を形成し、
次に、前記鉄筋籠内にコンクリートを打設することによって場所打ち杭を構築することを特徴とする場所打ち杭の施工法。 - 前記透水層は、ポーラスコンクリートや砕石などの透水性の高い材料を投入することにより施工することを特徴とする請求項1に記載の場所打ち杭の施工法。
- 前記吸水膨張層は、石灰などの吸水により膨張する材料を投入することにより施工することを特徴とする請求項1に記載の場所打ち杭の施工法。
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