JP4159875B2 - 熱サイクル用装置 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、特に基板中に存在する小さなチャンネル内での制御された熱サイクル反応用の装置に関する。本発明は特に、微細チャンネルPCR反応器に関する。
【0002】
(背景技術)
化学、生化学において、分析テストを行なったり合成反応を実行したりするためのシステムは微細化する傾向にあり、その中で多数の反応が実行されなければならない。例えば新たな薬剤を選別するには、100,000種類もの異なる化合物を適切な試薬と反応させて特異性がテストされねばならない。
【0003】
他の分野ではポリヌクレオチド増幅があり、これは生化学研究と分析で強力な道具になっているため、多くの適用に対してこの技術が開発されている。この目的に沿った1つの重要な開発は、究めて少量のサンプルの取扱いを可能にし、またコンパクトな装置内で多数の反応を同時に行なうことを可能にするための装置の微細化である。
【0004】
上述した目的(及び記述しないその他の目的)に沿った多くのシステムでは、通常、必要な反応を実施するために処置のある段階において試薬を加熱するという必要が生ずる。より重要なのは、加熱される試薬を含んだチャンネルの部分内での全体での温度のばらつきを避けるため、反応温度を所望時間一定のレベルに保っておく必要が生ずることである。
【0005】
加えて、これらの微細システムでは、サンプルを閉じ込める壁の温度が当該サンプルの温度を決定する。このため、壁を構成する材料が熱を逃がすと壁近傍で温度降下が生じ、サンプル全体を通して温度のばらつきが発生する。
【0006】
さらに、微細チャンネル構造内の少量の液体を加熱する際の蒸発の問題がある。この問題は、光エネルギを吸収して選択された領域内にこれを伝達する表面層の形態をした加熱手段を提供することによって解決し得る。国際特許出願第WO 0146465号(図7、及び関連した記載)を参照。便利なのは白色光を使用することだが、特別な目的に対しては単色光(例えば、レーザ)の使用も可能である。前記層は、例えば黒色塗装のような光吸収層のコートとすることができ、これは流入する光を熱に変換する。
【0007】
前記蒸発の問題に対する代替の解決策は、上昇した温度にかかるステップ(加熱ステップ)を、閉鎖された反応容量内で実施することであった。この方法では、通常、排出口を設けずに液体を加熱するときに発生する大きな圧力増加に関連した問題を解決することが必要となっていた。この手順を連続した反応に取り込むと、手際よいバルブ操作による解決策が必要となる。
【0008】
従来技術の多く装置では、基板材質はかなり高い熱伝導性を有する必要があり、これによって加熱される液体を含んだチャンネルの内壁との緊密な連携で外気や個別加熱要素による加熱を可能にしていた。冷却には通常、外気が利用されてきた。最近になって、一般には低い熱伝導度を有するプラスチック材料で微細チャンネル構造を製造することが盛んになっている。この低い熱伝導度のため、プラスチック材料が使用されると選択された領域内では好ましくない熱勾配が容易に形成される。この熱勾配は表面から基板材料内に至る範囲で発生する。これによる温度のばらつきは、前記領域の中心部とその周辺部分との間で10℃以上にもなる。前記光吸収領域が小さすぎると、このばらつきは選択された領域内、及び加熱される液体量内にまで影響が及ぶ。多くの化学及び生化学反応において、このような均一性欠如は結果に対して有害となり得、実際、このような反応は正確な結果を得ることを困難にしている。
【0009】
国際出願第WO 0146465号にかかる加熱手段は前記蒸発と圧力の問題を解決しているが、上述したサンプル全体を通しての温度のばらつきの問題は依然として残っている。このような温度のばらつきはしばしば反応の結果に対して有害となり、避けねばならない。
【0010】
加熱要素を含んだ回転可能な微細流体プラットホームが、国際特許出願第WO 0078455号と第WO 9853311号とに記載されている。これらのプラットホームは、例えば熱サイクルのような上昇した温度で反応を実施することを意図している。
【0011】
(発明の開示)
従来のシステムの欠点を考慮すると、熱サイクル、特にはPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)を小容量のサンプルで実施する装置の入手が望まれる。本発明の目的は、制御されない蒸発及び/又は圧力の増加に関連した上述の問題を最小化し、及び/又は反応混合物が上昇した温度内に維持されるステップ(加熱ステップ)の間で反応容量全体を通して温度レベルを一定に維持しつつ、以下に示す仕様の毛管内にある液体に対して熱サイクルをするための方法と装置を提供することにある。
【0012】
以上のような装置は本発明によって提供され、請求項1から15及び19に定義される。
【0013】
本発明の内容において、「選択された領域」の用語は、特定の記載内容によって明らかにされている場合を除き、加熱されるために選択された表面領域と、加えて1つもしくはそれ以上の微細チャンネルの前記反応容量を含んでいる基板の下にある基礎部分とを意味する。前記選択された領域は、前記微細チャンネルの他の重要部分は実質的に含んでいない。「表面」の用語は、他に表示がない限り、例えば加熱照射を集約する表面など、加熱される表面を意味する。
【0014】
「加熱構造」「加熱要素構造」「加熱要素」の用語は、選択された領域上、もしくは領域内、あるいは基板と放熱線源との間に存在する構造を意味し、(a)選択された領域を覆い、そして(b)電磁放射もしくは電気により選択的に加熱可能なパターンを形成するもので、例えば白色光、可視光線、単独の赤外線などによる加熱、あるいは電気などの直接加熱による。これに関し、「パターン」の用語は(1)連続する層、又は(2)加熱される1つもしくはそれ以上の個別部分と、加熱されない1つもしくはそれ以上の個別部分とからなるパターン化された層を意味する。(b)では、加熱される部分のみからなるパターンは除外される。
【0015】
本発明にかかる装置により、例えば少容量でのPCRにより、DNA増幅などの反応を実施することが可能であり、これは多くの観点で利点がある。すなわち、反応時間を短縮でき、コンパクトな装置で多数のサンプルを同時に処理することができ、ほんの僅かな量のサンプルでも取り扱うことができる。
【0016】
1つの実施の形態によれば、反応容量を形成するU字形状の形態をした微細チャンネルの採用により、PCRの生成物を反応器の下流にある更なる処理ステップへ搬送することができるという他の利点を得ることができる。PCRチャンバが最終的な処理ステップであった既存のシステムではこれは不可能であった。
【0017】
「U字形状」及び「U字状に形成された」の用語は、例えばY字状構造などのように幾分上方に向いた2つの腕部を備えている下方に向く湾曲部からなるチャンネル構造などの形状をも包含している。チャンネル構造が回転式ディスク上に載置されれば、前記下方に向く湾曲部は外側に向き、前記2つの上方に向いた腕部は多かれ少なかれ前記ディスクの中心へと向う。Y字状に形成された構造の場合、前記下方に向く部分は、前記下方に向く湾曲部内にある液体アリコートに熱サイクルが実施されている間に閉鎖されるバルブ機能を持つ。
【0018】
熱サイクルが終了すると、反応混合物/反応生成物は前記チャンネル構造の更なる下流へと搬送され得る。前記サイクルのスペースがU字形状の一部であるとき、前記の搬送は前記上方へ向いた腕部の1つを経由することができ、あるいは形状がY字状であるときには前記下方に向いた腕部を経由することができる。第1の場合では反応生成物は2番目の液体アリコートによって置換され、第2の場合では前記Y字状の下方の腕部にあるバルブ機能に打ち勝つことによって置換される。もしチャンネル構造が回転可能なディスク上に載置されれば、国際特許出願第WO 01/46465号に記載されているように駆動力が与えられる。
【0019】
さらなる実施の形態にあるように、チャンネル構造が直線状のチャンネルを備えていても、下流側にバルブ装置が設けられていれば同様な利点を得ることができる。
【0020】
前記上方に向いた腕部を外気に導通させ、前記腕部内に適切な冷却を行なえば好ましくない蒸発や圧力上昇の問題は解決される。
以下、本発明につき、添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0021】
本明細書の目的において使用される「微細チャンネル構造」の用語は、1つもしくはそれ以上のチャンネルと、オプションとして前記チャンネル自身よりも大きな幅を持つチャンバを形成する1つもしくはそれ以上の拡大された部分につながるチャンネルを意味する。この微細チャンネル構造は、例えばディスク部材などのような平坦な基板の表面下に設けられる。
【0022】
「微細フォーマット」「微細チャンネル」などの用語は、前記微細チャンネル構造が1つもしくはそれ以上のチャンバ/空洞部、及び/又は103μm以下、好ましくは102μm以下の深さ及び/又は幅を有するチャンネルから構成されることを意味する。微細空洞部/微細チャンバの容量は通常1000nl以下であり、例えば500nl以下、100nl以下、もしくは50nl以下である。入口ポートに直接つながるチャンバ/空洞部は、例えばこれらにサンプル及び/又は洗浄液を供給する意図がある場合などにおいてはかなり大きくすることもできる。
【0023】
好ましい変形では、使用される液体アリコートの分量は非常に僅かで、例えばナノリットル領域もしくはこれよりも小さい(1000nl以下)。このため、反応、検出などが行なわれるスペースは、しばしば微細チャンネルの周囲の部分からは幾何学的に多少区別し難いものになる。
【0024】
反応器容量は微細チャンネルの一部であり、加熱される液体アリコートは、反応の間この中で上昇した温度に維持される。通常、熱サイクルや他の上昇された温度を要する反応手順は、前記反応容量内で行なわれる。
【0025】
前記ディスクは好ましくは回転可能であり、このためディスクはディスク表面に垂直な対称軸(Cn)を有している。ここで、nは3、4、5、6もしくはそれ以上の整数である。好ましいディスクは円形であり、すなわちn=∞である。1つのディスクは10以上の微細チャンネルを備えており、例えば50以上、100以上、200以上の微細チャンネルを備え、この各々は熱サイクルのための空洞部を備えている。回転可能なディスクの場合、各区域ごとに前記熱サイクルのための空洞部が同一の半径方向の距離となるよう、前記微細チャンネルを1つもしくはそれ以上の環状の領域内に配置することができる。
【0026】
「ほぼ均一な温度分布」及び「一定温度」の表現は、基板内にある選択された領域内での温度のばらつきが、不都合となる障害がなく所望の温度感知反応が実施できる限界内にあり、結果の再現が可能である範囲内であることを意味する。これは通常、前記反応容量内での温度のばらつきが、加熱される液体アリコートを含む選択された領域の相対向する表面間の最大の温度差に対して大きくとも50%以下であることを意味しており、例えば大きくとも25%、大きくとも10%もしくは5%である。これらの許容されたばらつきは、前記表面に平行な平面全体に、及び/又は前記微細チャンネルの深さに沿う全体を通して適用される。前記受容可能な温度のばらつきは、反応の種類によっても変化することがあり得、前記受容可能なばらつきは通常10℃以内であり、例えば5℃以内、あるいは1℃以内である。
【0027】
本発明は、国際特許出願第WO 0146465号に開示された種類の回転可能な微細流体ディスクの微細チャンネル構造と共に適切に実施され、本明細書の図1には、限定はされないもののそのような適用にかかる装置が示されている。しかしながらこれは単なる例示であって、本発明がこのような微細チャンネル構造の使用に限定されないことは注意されるべきである。
【0028】
図1a〜dに示す既知の装置による微細チャンネル構造K7−K12は、微細流体ディスクD上に放射状に配置されている。適切にはこの微細流体ディスクは単体もしくは2体のモールド成形構造であり、オプションとして透明プラスチックもしくは重合材料によって個別の型を利用して形成された後に一体に組み付けられ(例えば加熱により)、当該装置に液体を供給したり液体サンプルを撤去したりすることが可能となるよう所定位置に開口部を備えた閉鎖ユニットとして提供される。例えば国際特許出願第WO 0154810号(Gyros AB)を参照。重合材料の適切なプラスチックは、疎水性の性質を有するよう選択される。代替として、所望の性質を与えるよう、前記微細チャンネルの表面に化学的もしくは物理的手段によって選択的に改造を加え、前記微細チャンネル内で疎水性もしくは親水性の局部的な領域を生成するよう表面の性質を変化させることもできる。好ましいプラスチックは、帯電した表面を有する重合体、化学的もしくはイオンプラズマによって適切に処理されたポリスチレン、ポリカーボネート、その他の透明重合体及び不透明重合体(プラスチック材料)から選択される。ここで「硬質」の用語は、重合体から作られたディスクがある程度まで曲げが可能であるという観点からは柔軟性があることをも含んでいる。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリカーボネートから選択される。微細チャンネル構造内で行なわれる手順が例えば蛍光などの光学測定を必要とする場合、好ましいプラスチック材料は、例えばZeonex、Zeonor(いずれも登録商標)などの飽和炭化水素基及び重合可能な不飽和炭化水素基のみを含むモノマーが基礎とされる。プラズマや親水化によるプラスチックの好ましい改造の方法は、国際特許出願第WO 0147637号(Gyros AB)及びWO 0056808号(Gyros AB)に示されている。
【0029】
前記微細チャンネルは微細機械加工手段によっても形成でき、これによれば微細チャンネルがディスクの表面内に微細加工され、例えばプラスチックフィルムなどのカバープレートが前記チャンネルを閉鎖するよう前記表面に貼り付けられる。可能性のある他の方法は射出成形である。典型的な微細流体ディスクDは直径に対してはるかに小さな厚みをもち、ディスクの微細チャンネル内に配置された液体をディスクの外周に向けて流す遠心力が発生するよう中心穴回りに回転させることが意図される。図1a〜1dに示す本発明の実施の形態では、前記微細チャンネルは共通の環状の内側注入チャンネル1からスタートし、当該チャンネル1とほぼ同心である共通の環状の外側排出チャンネル2で終わる。個別の注入チャンネル(各微細チャンネル用、もしくは複数の微細チャンネル群用の排出チャンネル)を備えることも可能である。微細チャンネル構造K7−K12の入口開口部3は、試薬及びサンプルの注入領域として使用することができる。各微細チャンネル構造K7−K12には、外側排出チャンネル2に開口する排出チャンバ4が設けられる。各微細チャンネルK7−K12は、入口開口部3と排出チャンバ4との間に、U字状に形成された容量確定形状7と、U字状に形成されたチャンバ10とを形成する。通常、所望の流れ方向は、入口開口部33からU字状容量確定形状7とU字状チャンバ10とを経由して排出チャンバ4に至る。流れは毛細管作用、圧力、真空、及び遠心力、即ちディスクの回転によって駆動され得る。後述するように、疎水性ブレーキも流れ制御に利用され得る。内側チャンネル1に加えられる余剰の液体を排除するために環状の内側チャンネル1と環状の外側排出チャンネル2とを直接つなぐ半径方向に延びる排出チャンネル5も図示されている。
【0030】
このように、液体は入口開口部3から入口ポート6を経て容量確定形状7内に流れ、そこからU字状チャンバ10の第1の腕部に入る。容量確定形状7は例えば半径方向に延びる排出チャンネル8のような余剰の液体を排除する排出口につながれており、当該排出チャンネル8は好ましくは環状の外側排出チャンネル2につながっている。好ましくは排出チャンネル8は前記ディスクの上側表面を経て外気に抜ける排出口9を有する。排出口9は、前記ディスクの中心近くの排出チャンネル8部分に位置し、排出チャンネル8内の液体が容量確定形状7内に吸い戻されることを防止している。
【0031】
チャンバ10は、下端で底部10cにつながる第1の入口アーム10aを有し、前記底部10cは更に第2の出口アーム10bの下端ともつながっている。チャンバ10は区域I、II、III、IVを有することができ、これらの区域は、例えば出口端部の方向に向うにつれて先行する区域よりもより浅くすることなどにより、異なる深さを有する。もしくは代替として、区域IとIIIを区域IIとIVよりも浅くすること、この逆にすることも可能である。制限された排出口11、すなわち狭い排出チャンネルが、チャンバ10と排出チャンバ4との間に設けられている。これはチャンバ10を流れる液体の抵抗を、容量確定形状7及び排出チャンネル8を通る通路を流れる液体の抵抗よりも大きくしている。
【0032】
当該形状の1つのU字状の容積をほぼ満たすよう旨く確定されたサンプル容量を導入することより、前記ディスクを回転させて模擬重力を加えることにより、このサンプルを当該U字形状で確定された微細チャンネル構造の部分内に閉じ込めることができる。前記回転スピードが十分であれば、負荷された力は加熱されたサンプルが蒸発する傾向に対して反作用を及ぼす。加熱が局部的なものであり、またディスクの材料が例えばプラスチックのような低い熱伝導度であるとすると、加熱領域と非加熱領域との間に急な下降温度勾配が形成される。前記アームの内の上方は冷却部として作用し、蒸発に対する反作用を支援する。システムを閉鎖することによって蒸発損失を護る必要性は回避可能となる。このように、実際、U字状の容量は、例えば熱サイクルによるポリヌクレオチド増幅を実施するなどの熱サイクルの目的に対して有効な反応チャンバとなる。
【0033】
しかしながら、上述したU字形状のない微細チャンネル構造、すなわち、直線状に半径方向に延びるチャンネルを使用しても、ディスクの外周に近接した端末部に停止バルブを設けることで同様に適用することができる。この目的に適したバルブは国際特許出願第WO 0102737号(Gyros AB)に開示されており、その開示内容の全ては本明細書に含まれる。当該バルブは、光、熱、放射線、磁性など何らかの外部刺激に反応してその体積を変化させる材料からなるプラグを使用して操作される。このようにして毛管内の所望の場所にサンプルを導入し、前記毛管をサンプルの最外側端でシールし、ディスクを回転させ、前記サンプルを所定場所に保持することにより、U字形状を採用した前記実施の形態と同様の方法によって加熱の間の制御されない蒸発を制御することができる。
【0034】
加熱サイクル間、もしくはサンプル加熱の間に、サンプルの蒸発とチャンネル内での移動を阻止するためのバルブもしくは停止装置を提供する他の方法は、ウッズメタル(Woods metal)や同様な形態の金属など、低い溶融温度を有する微量の金属を該当する領域に提供することである。他の可能性のある形式の材料はワックスである。この場合、反応の盛んな間の温度では溶融しないものであることは勿論であり、例えば反応温度が95℃であればそれより僅かに上の温度、例えば100℃で溶融するものである。このような材料は当業者にはよく知られており、過度な試験をすることなく所望の状況に対して容易に適用され得る。
【0035】
上述の変形として、機械的なバルブも使用可能である。
【0036】
しかしながら上述したように、反応容量の全体を通して局部的に均一な温度レベルが維持されることが重要であり、好ましくは微細液体基板の非加熱部分に対して急な温度勾配をもつ。このような制御された加熱は、以下に記す接触加熱システムと方法によって便利に実施することができ、その実施の形態について以下に詳述する。この文節における加熱システムは、接触加熱もしくは非接触加熱を基礎とすることができる。
【0037】
図2aは、上述した形式の微細流体ディスクに設けられたU字形状を有する微細チャンネル構造20を示しており、加熱目的のために光吸収領域22によって覆われている。図2bは、白色光によって照射されたときの、表示された中心線b−bに沿った前記光吸収領域を横切る温度分布を示している。図面からも明らかなように、温度分布は釣り鐘形状であり、これが前記チャンネル構造の設けられた領域内での不均一な加熱の原因となることは避けられず、このため当該チャンネル構造内の異なる位置においては化学反応が異なって起こる原因となる。
【0038】
この領域の周囲を前記チャンネル構造から十分に遠ざけ、釣り鐘形状の温度分布がチャンネル構造の加熱された部分を通してより均一な温度となるよう「平坦化」するため、前記領域を拡大することは可能であろう。しかしながらこの場合、まず第1に、前記光吸収層により覆われるチャンネル構造回りの表面が多くなりすぎることとなり、また非常に多くのチャンネル構造を相互に接近して配置することが所望されることから、拡大された領域は多くの表面を占めすぎることになる。第2に、非常に大きな領域が設けられるとしても、前記温度勾配は多かれ少なかれ明らかな釣り鐘形状となり、前記反応容量を形成するチャンネル構造を通して不均一な温度が示されるものとなる。
【0039】
要約すれば、加熱すべき液体アリコートを含む容量を通して均一な加熱が実現されるよう、微細チャンネル/チャンバ構造を含む基板の局部的領域を制御された方法によって加熱できるようにすることに全てが帰着する。これは同時に、周囲の要素ができる限り加熱による影響を受けないようにすることで達成され、すなわち、好ましくは例えば微細チャネル構造の他の部分などの加熱領域に直接隣接する領域は、理想的な状況では全く加熱されないようにすることである。容量全体を通して温度を均一にすることが所望されるのは勿論である。小さな微細チャンネルと当該微細チャンネルに最も近接した表面で加熱することにより本発明が実施される場合は、微細チャンネルの加熱される部分のある表面の内の選択された領域の表面全体を通して、上述した観点による均一な温度レベルが達成されることがまず第1に保証される。前記表面にある事実上のばらつきは、前記選択された領域内のどの平面においてもより小さなものとなる。上述した平面は、前記表面に平行である。しかしながら、ディスクの厚さを通して比較的大きな温度降下があるであろう。この温度降下は通常、10℃ほどのオーダである。それにも拘わらず、チャンネルの寸法が基板の厚さの約1/10と非常に小さいのでこの方向のチャンネル全体を通した温度降下は約1℃しかなく、全ての実施目的に対して受容可能である。これは図3cに示されている。基板の厚さ方向に沿ったこの比較的大きな温度降下は、加熱ステップ後における加熱された液体アリコートの効率的で急激な冷却の助けとなる。これは実施される手順が液体アリコートの繰り返しの加熱と冷却(熱サイクル)からなるときには特に重要である。冷却はディスクの回転によって支援される。
【0040】
ディスクが回転すると、摩擦力がディスク表面にある空気を引き込む。これにより、ディスク近傍にある空気はディスクと同じ方向に回転する。この空気の回転は、空気を半径方向に流す遠心力を発生させる。
【0041】
この空気の流れはディスク表面での冷却効果を果たし、事実、空気の温度が把握できれば、回転のスピードを制御することによって冷却率を非常に正確に制御することが可能になる。この効果は本発明で利用されており、本発明にかかる加熱方法とシステムが成功するキーファクタである。
【0042】
ファンのスピードを変化させることによって冷却効果を変動させることができれば、ファンなどによる制御された空気の流れを利用して同様な効果を得ることができる。この方法は、例えば冷却すべき微細チャンネルを含む領域が非回転式の平坦な基板から作られているような静止システムに対して使用することができる。
【0043】
ほとんどのプラスチック材料、特に透明のプラスチック材料は、可視光線に対しては非吸収だが赤外線に対してはそうではない。通常は透明の重合体材料から作られる微細流体ディスクに対する可視光線の照射は、ほとんどのエネルギが吸収されないために(万一あるとしても)ほんの僅かな加熱しか起こさせない。特定された領域もしくは容量(選択された領域)を加熱するよう可視光線を変換する1つの可能性は、加熱の所望されている場所に光吸収材料を取り付けることである。
【0044】
このように、光を熱に変換するには加熱が所望される場所に光吸収材料が提供されなければならない。これは当該位置もしくは領域を、例えば印刷もしくは塗装によって黒色で覆うことにより都合よく達成され得る。光吸収材料の多数の点の間には照射を反射させる材料が使用されてもよい。同様な種類の基板に対する代替は、当該基板の1つの表面を光吸収材料で覆い、前記選択された領域に位置合せされた穴を通してのみ光の通過を許容するマスクを介して前記表面を照射することである。
【0045】
放射線を吸収するプラスチック材料で作られた基板に対しては、その表面は選択された領域を除く全てが放射線を反射するマスクで覆われる。代替として、前記マスクは物理的に前記基板から分離され得るが、但しこの場合にも基板表面と放射線源との間に配置される。
【0046】
したがって、温度分布が釣り鐘形状から(理想的には)ほぼ「矩形」となるよう、すなわち、温度のばらつきが前記選択された領域を通して、もしくはそれに平行な面を通して均一となるように変化する特定のレイアウトが前記領域に与えられる。1つの方法は単純なトライアル・エラーによる。非吸収材料に対しては、使用される放射線を吸収する材料のパターンが基板と放射線源との間に配置される。通常、前記材料は基板の表面上に配置される。IRビデオカメラを使用することにより、表面温度の監視が可能である。前記レイアウトを確定する他の方法は、FEM(Finite Element Method:有限要素法)計算を行なうことであり、以下により詳細を記す。図3は、本発明に関わるアイデアを採用することによってもっぱら得られる温度分布の変化の概要を示している。一般的な延長部を有する光吸収領域Aによる釣り鐘形状の分布Aが図3aに示され(分布は矢印aで示す断面から取ったもの。)、光吸収領域を採用するときに得られる「矩形」の分布は図3の曲線Bに示されている(分布は矢印で示す断面から取ったもの。)。
【0047】
前記温度分布の最も重要な特性は、その上部(頂部)が平坦(均一)であることで、これは選択された領域の対応する部分を通して温度のばらつきが少ないことを意味する。「両翼部分」すなわち、分布形状の両側面部分は常に傾斜を示すが、適切な手段により、この傾斜はより理想的な矩形形状に近似するよう制御が可能である。
【0048】
次に、加熱システムとその異なる態様の各種実施の形態について図面を参照して説明する。
【0049】
本発明の第1の実施の形態は、例えば光などの電磁放射線が使用され、加熱に使用されるこの放射線を吸収しないプラスチック材料から作られた基板の選択された領域内に存在する液体を加熱する。この場合、前記選択された領域の表面は、例えば光などの放射線エネルギを吸収する層によって覆われ/コートされる。本明細書に概要を示しているように、放射線、プラスチック材料、吸収層の種類は相互にマッチしたものでなければならない。前記層は黒色塗装とすることができる。この塗装は、前記選択された領域の表面上で吸収及び非吸収(コート及び非コート)の両部分(下位領域)のパターンとしてレイアウトされる。「非吸収部分」の用語は、放射線を反射する材料で覆うことを含む。本実施の形態の他の変形では、前記照射を吸収する層が、微細チャンネルを含んでいる基板の内部にある。迅速な及び/又は比較的大幅な温度上昇が必要な場合には、使用される放射線吸収層と反応器容量との間の距離は、広くとも前記反応器容量と基板の表面との間の最も短い距離と同じにする。比較的大幅な温度上昇とは、水の沸点に至る前までを意味し、例えば90−97℃の間、及び/又は40−50℃の上昇を意味する。前記吸収層は反応器容量の内壁に配置されてもよい。
【0050】
第1の実施の形態はまた、使用される電磁放射線を吸収可能なプラスチック材料で作られた基板が利用される変形を含む。この場合、穴を備えた非吸収材料のパターンを含む反射材料が、選択された領域の表面と放射線源との間に配置される。これには、前記反射材料が基板の表面に例えばコートされたり押印されたりすることを含む。例えば穴のパターンなどの非吸収パターンは、前記選択された領域の表面と選択的に位置合せされる。この変形は、照射エネルギの吸収が選択された領域全体にわたってほぼ均一であり、これが迅速な冷却の妨げになることからそれほど好ましくはない。
【0051】
「吸収プラスチック材料」の用語は、使用される電磁放射線によって十分に、迅速に加熱され得るプラスチック材料を意味する。「非吸収プラスチック材料」の用語は、加熱のために使用される電磁放射線によって十分には加熱されないプラスチック材料を意味する。
【0052】
上述した「パターン」の用語は、例えば表面層などの選択された領域の層を通した吸収部分と非吸収部分(下位領域)の分布を意味する。この用語は、当該パターンが選択された領域の表面を1つの吸収部分で完全に覆う場合は除外している。
【0053】
次に、非吸収プラスチック材料から作られた基板上にコートされる吸収材料の異なるパターンにかかる本発明につき説明する。吸収性プラスチック材料から作られた基板に対しても同様なパターンが適用されるが、非吸収部分は反射材料に置き換えられ、吸収部分は通常は覆いが設けられない。
【0054】
最初の例として微細チャンネル/チャンバ構造を考慮するものとし、その幾つかの例を図4a−eに示す。この種のチャンネル/チャンバ構造は、1つの微細流体ディスク40(概要を図5aに示す)上に例えば400個などの多数が設けられる。これら全ての構造が同一でなくてもよいが、同時に同様な反応を多数実施するため、多くの場合は同一構造とされる。全てのチャンネル/チャンバ構造が同一であるとし、また、チャンネル/チャンバ構造の一部のみ(例えば、反応器チャンバもしくはチャンネルの1区分)が操作の間に加熱される必要があるものとすると、例えば図3bに示すような本発明の加熱要素構造を、図5bに示すような同心円の塗装のバンド42、44、もしくは他の種類の吸収材料として提供することが好都合である。
【0055】
しかしながら、加熱される領域を通して温度分布が僅かなばらつきを示すことから、この基本的なバンド形状の提供は最適な解決策とはいえない。したがって好ましい実施の形態では、図6aに示すように、光吸収材料(塗装)の幾つかの細いバンドb1、b2が太いバンドB1、B2の間に設けられる。図6は、複数のチャンネル構造46、48、50を持つディスク40の一部を切り欠いたものである。図6bには、このバンド構造によって得られる対応する温度分布を示している。この例では、正方形A(図6a)で境界が定められた微細チャンネル構造の部分であり、制御された方法による加熱が所望されている。
【0056】
上述した加熱要素構造は、図4に示す全てのチャンネル/チャンバ構造に対して適用可能である。
【0057】
しかしながら、一定の適用においては、例えば円形もしくは矩形/正方形領域などの、より局部化された加熱を提供することが望ましい場合もあり得る。これは特に、隣接するもしくは周囲の領域を全く加熱してはならないときに必要となる。塗装の同心円バンドによる実施の形態は、半径方向に延びる微細チャンネル/チャンバ構造の間の領域をも加熱することになる。
【0058】
図7aには、入口チャンネル71と出口チャンネル72とを備えた円形チャンバからなるチャンネル/チャンバ構造70を示している。このチャンバを取巻くディスク領域の加熱を回避することが重要であれば、図7bに示すような、同心バンドB1、b2と中心スポットc1とを備えた加熱要素構造が採用可能である。この場合、温度分布は、前記微細チャンネル/チャンバ構造の中心を通る全ての断面で同一となり、例えば図7cに示すような分布となる。
【0059】
図8a−cは、矩形チャンバに適用されるときの同様な構造を示している。図8cは、図8bのc1、c2の方向から見た温度分布C1、C2をそれぞれ示している。
【0060】
照射に関して言えば、比較的高いパワーが使用され、例えば150Wが適切である。適用可能なランプとしてはスライド・プロジェクタに使用される形式のものがよく、これらは小型で放射線を集束させる反射板を備えている。照射には基板材料と吸収層の性質にマッチする確証が得られる限り、UV、IR、可視光線、その他の形態の光から選択することができる。ランプが所望の波長バンドを提供するものの、それに加えて基板内での熱生成の原因となる波長を提供する場合には、適切なフィルタを含めることが必要となろう。例えばハロゲンランプは通常はIRフィルタを備えているので、選択的に可視光線を提供するのに使用可能である。最高の結果を得るには、基板上の限定された領域に対応し、例えば直径約2cmほどに光を集束させねばならないが、この大きさは当然ながらランプのパワーなどとの関係で変化する。基板上の異なる場所で異なる反応を実施することが望まれる場合、1つもしくはそれ以上の領域の照射を可能にするために1つもしくはそれ以上の数のランプが使用されてもよい。回転ディスクでは、異なる半径方向の場所で加熱を実施することが好ましいであろう。基板の照射は両側からされてもよい。裏側に光吸収材料が取り付けられているならば、いずれにせよ照射は上側から行なうことができ、この場合、光はこの光吸収材料に到達する前に基板を通って搬送される。上側に材料が取り付けられたものを裏側から照射することも可能である。
【0061】
回転式微細流体ディスクの回転スピードが1000rmpほどの高さであることを考慮すると、この方法によって得られる脈動効果は感知し得るほどのものではなく、全ての実施目的に対して加熱は連続的と考えることができる。
【0062】
上述した実施の形態は、加熱要素を提供するために光吸収材料を使用しているが、熱を発生することができる適切なパターンのいかなる加熱要素構造であっても採用することができる。図7−8に示すように、抵抗性材料91、92を同様の一般的なレイアウトに提供することも考え得る。図7−8の同一のチャンネル構造に対してこれを適用した例が図9a−bに示されている。
【0063】
前記パターンは、例えばスクリーン印刷技術を使用して、適切な結合剤を混合した炭素粒子などの伝導性粒子からなるインクをプリントすることにより塗布される。同様に機能するパターンは、以下のステップによっても構築され得る。
(a)非吸収材料から作られた基板の表面を吸収材料で覆い、穴もしくは非吸収材料のパターンを含む反射マスクを基板の表面と放射線源との間に配置し、個々のパターンを選択された領域の表面と位置合せする。
【0064】
この実施に当たって考慮すべき他の観点は、回転しているときの気流によるディスク上の冷却効果である。再度、図6に示す構造を考慮してみる。回転動作によって空気はディスクの表面上を強制的に半径方向外側へ押しやられ、これによって幾分の熱を吸収して前記表面を冷却し、逆に空気は加熱される。このため空気の温度はディスクの外周に行くほど高くなり、従って前記外周に最も近い光吸収材料のバンド間にあるコートされていない領域は、中心に近い光吸収材料のバンド間にある非コート/非吸収領域に比べ、温度低下の観点からは効率的とはいえない。
【0065】
この現象を補償するため、外周により近い位置にある非コート領域の幅を、中心に近い位置にある非コート領域の幅よりも広くすることができる。
【0066】
通常、回転式のディスクは、上下両側を有する基礎部分を備え、上側に前記微細チャンネル構造が設けられ、その上に前記微細チャンネル構造を密閉するようカバーが設けられる。加熱要素(放射線エネルギを吸収する層)は、加熱される選択された領域をカバーできるよう、好ましくは上側表面上に設けられる。しかしながら、代替として、前記光吸収層は裏側に設けられてもよい。
【0067】
さらに他の実施の形態では、前記加熱要素構造は、静止基板、すなわちチップ形式の装置に対して適用することができる。静止基板の場合、必要な冷却を提供するため、ファンあるいはこれと同様なものを用いた強制的な対流が必要とされる。その他の全ての観点で、微細チャンネル/チャンバ構造及び加熱構造を同様にすることができる。
【0068】
上述したように、温度分布の両翼部分は一定の傾斜を示し、これは結果として加熱される微細チャンネル構造の部分を取巻く領域も加熱されることになる。なぜなら、前記コートされた領域に隣接する基板材料はコートの下にある領域から熱を拡散するからである。この熱拡散を低減させる1つの方法は、熱が伝導される断面を小さくすることである。これは、図10aに示すようにコート95の反対側に、当該コートの外周に沿って基板94に凹部93を設けることによって得られる。この方法により、前記コートされた領域から伝導される熱への抵抗が増す。同様な結果を得る他の方法は、図10bに示すように、前記凹部と同じ線に沿って前記凹部の代わりに穴96を設けることである。
【0069】
これまでに説明した微細チャンネル構造に組合せるに特に適した加熱システムの適用の1つは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を実行することで、その例を図11を参照して以下に説明する。
【0070】
図11には、本発明にかかるPCRを実行するためのシステムを示している。このシステムは、システムの稼動を制御するための制御ユニットCPUと; 複数の微細チャンネル/チャンバ構造102を備えた回転ディスク100と; 前記チャンネル/チャンバ構造に熱を供給するための装置と(図示の例では熱源をランプ104としているが、上述した抵抗加熱も勿論可能である。); 光をディスク100上に集束させる反射板105と; ディスク100を回転させるモータ106とを備えており、その回転スピードは前記制御ユニットによって制御可能である。
【0071】
前記ディスクには、PCR反応が実行される選択された領域を通して同一の温度レベルが保たれるようマスク(図5b、6a、7b、8b、並びに関連する記述参照。)が設けられ、選択されるパターンは使用されるチャンネル/チャンバシステムの形状によって異なる。
【0072】
本発明にかかるPCR反応器の好ましい実施の形態では、図12に示すようなU字形状を有するチャンネル120が使用されている(これは実質的に図2aの形状と同様である。)。図2は、全体のチャンネル/チャンバ構造の一部、すなわちPCRが実行される部分のみを示している。このように当該反応器は、ディスク上でUターンするようレイアウトされた微細チャンネルと、ほぼ半径方向の延長部を有する脚部とを備えている。第1の脚部122は入口部を構成し、第2の脚部124は出口部を構成する。
【0073】
PCRの実施が望まれるとき、ディスク中央に近い点108において前記チャンネルシステム内にサンプルが導入される。その後ディスクが回転し、サンプル110はチャンネルシステムを通ってUターン部まで搬送され、U字形状が前記チャンネルシステムを通る更なる流れを停止する作用を行うことにより、前記サンプルはそこに留まる(サンプル容量は2つの水準Lによって確定される。)。
【0074】
PCR手順の次のステップは温度サイクル工程を実施することで、ここでは前記反応要領内で温度が一定で均一に保たれることが重要である。これは、例えば図6aに示すようなマスク要素をディスクに設けることによって達成可能である。その後のディスクの回転とランプによる照射により、温度をランプのパワーと回転スピードとによって特定される所望レベルにまで上昇させる。
【0075】
例えば95℃から70℃への温度変化が所望されるとき(これは通常の温度変化であるが)、前記制御ユニットは前記パワーとモータのスピードとを低減する。本発明にかかるこのシステムにより、この温度変化は3秒で可能となる。
【0076】
本発明のもう1つの態様は、請求項27−29のいずれかに定義される回転ディスクと、前記ディスクの支持部を備えた回転モータとを備える器具に関するもので、前記モータは回転スピードの調整が可能である。通常、前記モータの回転は、0−20000rpmの間で調整が可能である。前記器具はさらに、工程の結果を検出する1つもしくはそれ以上の検出器と、サンプル、試薬、及び/又は洗浄溶液を前記基板の微細チャンネル構造内に導入するための1つもしくはそれ以上の分配器と、その他当該器具内でその他の操作を実行するための手段とを備えることができる。
【0077】
(実例)
以下に、本発明につき実例を用いて説明する。
回転可能なポリカーボネートのディスク内にU字形状を有する微細チャンネル構造を使用する。前記ディスクは、微細チャンネル構造上にポリカーボネートのフィルムを融合させ、底側を黒色パターンに塗装して用意される。このCDが回転され、前記黒色パターンが3つの150Wハロゲンランプからの可視光線に曝される。前記ランプのパワーはコンピュータ制御(ソフトウェア Lab View)を使用して変化させる。表面温度は赤外線カメラを使用して測定される。
【0078】
PCR混合物は160bpの生成物を産生するようデザインされており、その組成は以下により与えられる。
約0,5μlの混合物が注射器によってディスクの微細チャンネル構造内に導入される。熱サイクルのプログラムは以下のようである。
(95℃、7s;70℃、15s)×20又は25サイクル
【0079】
熱サイクルの後、吸引によって内容物が取り出され、5μlの停止溶液(ブルー・デキストランを含むホルムアミドと、それぞれ100μl当り100bp及び200bpサイズ基準の停止溶液2μlずつ−ALFexpress試薬)により希釈される。
【0080】
Perkin Elmer 9600 熱サイクル装置内の200μl微細反応チューブ内の混合物1又は5μlに熱サイクルを加えることによりポジティブ制御が実施される。
-(AUTO プロファイル, 2ステップ; 95℃, 30s; 70℃, 120s)x30
-Hold プロファイル; 4℃-->∞
【0081】
Cy5と標識したPCR生成物がALFexpressにおけるReproGel High resolutionによる分離によって分析され、さらにFragment Analyzer 2.02を利用して分析される。
【0082】
図13には、本発明にかかるPCR反応器内で実施されたPCR工程の結果が示されている。図面からも明らかなように、160bpのピークは反応が実行されたことを示しており、これによって本発明の有用性を表している。
【0083】
本発明に関し、図面及び例示を参照して説明してきたが、これらの表示された実施の形態に限定するものと考えてはならず、本発明の範囲は請求項により特定される。このため、表示された例を越えた改造、変形も、前記請求項の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1a−d】 従来の微細流体ディスクを示す。
【図2a−b】 従来の装置の(a)加熱構造と、(b)加熱時における選択された領域全体の温度分布を示す。
【図3a−b】 (a)従来の表面の温度分布と、(b)本発明にかかる所望の表面の温度分布、及びプラスチック材料で作られた選択された領域の対向する表面間における典型的な温度分布を示す。
【図4a−e】 本発明が適用可能な各種微細チャンネル構造の例示である。
【図5a−b】 加熱要素構造を有する微細液体ディスクを示す。
【図6a−b】 他の形式の加熱要素構造と、当該構造によって得られる温度勾配を示す。
【図7a−c】 さらに他の実施の形態の反応器システムとその加熱要素構造、並びに得られる温度分布を示す。
【図8a−c】 他の幾何学形状で実施された更に別の実施の形態を示す。
【図9a−b】 抵抗式加熱要素構造の実施の形態を示す。
【図10a−b】 温度分布の両翼部を制御するための手段を示す。
【図11】 PCRを実施するための本発明にかかる反応器システムを示す。
【図12】 PCRが実施される微細チャンネル構造のU字形状の部分の詳細図である。
【図13】 本発明にしたがって実施されたPCRの結果を示す。
【符号の説明】
1.内側注入チャンネル、 2.外側排出チャンネル、 3.入口開口部、 4.排出チャンバ、 5.排出チャンネル、 6.入口ポート、 7.容量確定形状、 8.排出チャンネル、 9.排出口、 10.U字状チャンバ、 10a.第1の入口アーム、 10b.第2の出口アーム、 10c.底部、 11.排出口、 20.微細チャンネル構造、 22.光吸収領域、 40.微細流体ディスク、 42、44.バンド、 46、48、50.チャンネル構造、 70.チャンネル/チャンバ構造、 71.入口チャンネル、 72.出口チャンネル、 91、92.抵抗性材料、 93.凹部、 94.基板、 95.コート、 96.穴、 100.回転ディスク、 102.微細チャンネル/チャンバ構造、 104.ランプ、 105.反射板、 106.モータ、 110.サンプル、 120.チャンネル、 122.第1の脚部、 124.第2の脚部、 b1、b2.バンド、 B1、B2.バンド、 c1.中心スポット、D.微細流体ディスク、 K7−K12.微細チャンネル構造。
Claims (16)
- 1つもしくはそれ以上の微細チャンネルを含む少なくとも1つの微細チャンネル構造を有する基板から構成された、温度サイクルの実施に適する微細チャンネル反応装置であって、
(a)前記温度サイクルを実施するため、少なくとも1つの前記微細チャンネルの少なくとも一部が反応容量を形成し;
(b)i)加熱により前記温度サイクルが実施される前記少なくとも1つの微細チャンネルの少なくとも一部の前記反応容量を含み、前記微細チャンネルの他の部分は含まない前記基板上の選択された領域と;ii)前記反応容量内でほぼ均一な温度が得られ、維持されるような前記反応容量内の温度分布とを形成する加熱構造(42、44;b1、b2、B1、B2;B1、b2、c1)が設けられ;
(c)前記加熱構造が、前記基板上に提供された材料から構成され、前記材料が適切にエネルギを加えられると熱を前記選択された領域に伝達する構造を有し;
(d)適切にエネルギが加えられたときに熱を選択された領域に伝達することができる前記材料が、電磁エネルギを吸収することができる材料の領域のパターンから構成され、前記反応容量を覆うよう提供されている微細チャンネル反応装置。 - 前記加熱構造が、前記選択された領域を覆う連続した層を形成している、請求項1に記載の微細チャンネル反応装置。
- 適切にエネルギが加えられたときに熱を選択された領域に伝達する前記材料が、前記反応容量内で均一な温度を形成するよう加熱と冷却を相互にバランスさせるパターンにレイアウトされている、請求項1または2に記載の反応装置。
- 前記微細チャンネル構造が、前記反応容量を確定する少なくとも1つのUターン形状を呈している、請求項1から3のいずれかに記載の反応装置。
- 前記反応容量が、前記反応容量を越えてチャンネル内にサンプルが移動することを防ぐバルブを備えた直線状チャンネルで形成され、前記バルブが光、熱、放射線、磁気を含む外部の刺激に応答してその体積を変化させ得る材料のプラグから構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の反応装置。
- 前記材料が、重合体、ワックス、低融点を有する金属の中から選択される、請求項5に記載の反応装置。
- 前記加熱構造が、前記基板の表面に向けられた電磁放射線をマスクするよう配置されて前記パターンを形成する開口部を有する個別部材から構成され、適切にエネルギが加えられたときに熱を前記選択された領域に伝達することができる前記材料が、前記反応容量を覆う連続した層として提供される、請求項1から6のいずれかに記載の反応装置。
- 適切にエネルギが加えられたときに熱を選択された領域に伝達することができる前記材料が、電流を通すことによって熱を発生させ得る抵抗材料の領域のパターンから構成され、前記反応容量を覆うように提供される、請求項1から7のいずれかに記載の反応装置。
- 前記反応容量を構成する部分が入口端末と出口端末とを有し、前記反応容量が、前記入口端末と出口端末とにおいて前記反応容量とつながる前記微細チャンネルの部分と同一の断面を有している、請求項1から8のいずれかに記載の反応装置。
- 前記基板が回転ディスクである、請求項1から9のいずれかに記載の反応装置。
- 前記基板が静止した非回転部材である、請求項1から9のいずれか一に記載の反応装置。
- 温度サイクルを実行するためのシステムであって、
(a)請求項1に記載された反応装置と;
(b)前記反応装置を回転可能とするよう前記反応装置に結合されるモータと;
(c)前記反応装置を加熱するためのエネルギ源と;
(d)所望される温度サイクル操作に応じて加熱パワーと前記反応装置の回転とを制御する制御ユニットとから構成されるシステム。 - DNA増幅に用いられるPCR用に形成された、請求項12に記載のシステム。
- 微細チャンネル内のサンプルを低温と均一の上昇した温度との間で温度サイクル実施するための方法であって:
(i)請求項1から11のいずれかに記載の反応装置を提供し;
(ii)温度サイクルにかける液体アリコートを前記1つもしくはそれ以上の反応容量の少なくとも1つに満たし;
(iii)前記装置の加熱構造にエネルギを供給して前記均一の上昇した温度に到達させ;
(iv)前記低温に至るよう前記エネルギの供給を低減させ;
(v)前記iii)とiv)のステップを所望回数繰り返すこと、の各ステップからなる方法。 - 前記基板が温度サイクル中に回転し、前記ステップ(iv)の間で他のステップよりも相対的に高速回転可能なディスクである、請求項14に記載の方法。
- (a)複数の微細チャンネルを備えた微細チャンネル構造を有する透明な回転ディスク形式の基板であって、前記微細チャンネルの1つの少なくとも一部がDNA増幅に用いられるPCRを実施するための反応容量を形成し;
(b)適切にエネルギが加えられたときに電磁エネルギを吸収することが可能であり、かつ加熱により前記PCRが実施される前記少なくとも1つの微細チャンネルの少なくとも一部の前記反応容量を含み、前記微細チャンネルの他の部分は含まない前記基板上の選択された領域に熱を伝達することが可能な材料の層が、少なくとも前記反応容量の形成される領域を覆うように提供される、微細チャンネルPCR反応装置であって、
前記反応容量を形成する前記微細チャンネルの1つの少なくとも一部が、入口端末と出口端末とを有するU字形状に形成され;
前記材料が、前記反応容量を覆うコートされた領域と中間の非コート領域のパターンにレイアウトされ、前記パターンが前記反応容量内に所望の均一温度を形成する前記微細チャンネルPCR反応装置。
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