以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1を図面を用いて説明すると、図1には、本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの全体正面図、図2及び図3にはスロットマシン1の内部構造図がそれぞれ示されている。スロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筺体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bとから構成されており、前面扉2bの裏面に設けられた施錠装置3(図3参照)の鍵穴3aに挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉2bを開放することができるようになっている。
前面扉2bの前面上部には上部飾り枠4が設けられており、略逆台形状の上部には遊技効果ランプ部41、入賞図柄説明パネル5、液晶表示部15がそれぞれ設けられており、略楕円形状の中央部には、遊技パネル6や各種表示部が設けられている。上部飾り枠4の下部は遊技パネル6から前方に突出するように形成されており、この突出部には遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられている。また、上部飾り枠4の中央部の周囲及び下部の左右側には、遊技効果ランプ部42〜45がそれぞれ設けられている。
上部飾り枠4の下方には下部飾り枠7が設けられており、この枠内にはスロットマシン1の機種名称等が描かれたタイトルパネル8が設けられている。さらに下部飾り枠7の下方には、遊技媒体の一例となるメダルが払出されるメダル払出穴9が設けられているとともに、端部に灰皿10が設けられたメダル受皿11が設けられている。
上部飾り枠4の上部左右側には、内部に設けられる高音用のスピーカ136a、136b(図3、図4参照)から出力される音を放音する放音部12a、12bがそれぞれ設けられているとともに、メダル払出穴9の側方には、内部に設けられる低音用のスピーカ137(図3、図4参照)から出力される音を放音する放音部13が設けられており、これら放音部12a、12b、13からは、各スピーカ136a、136b、137から出力される演出効果を高めるための音声やメロディ等の効果音が放音されるようになっている。
遊技パネル6には、スロットマシン1の筐体2aに内設されたリール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、透視窓14の上方に位置する小役告知表示部20a、20b、20cと、透視窓14の左側に位置する1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22、23、3枚賭け表示部24、25と、透視窓14の右側に位置するゲームオーバー表示部26、リプレイ表示部27、ウェイト表示部28、スタート表示部29、投入指示表示部30と、透視窓14の下側に位置するクレジット表示部31、ゲーム回数表示部32、ペイアウト表示部33と、がそれぞれ設けられている。
1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22、23、3枚賭け表示部24、25は遊技者がゲームに賭けた賭数を表示し、1枚賭け表示部21の内部には1枚賭けランプ112が、2枚賭け表示部22、23の内部には2枚賭けランプ113、114、3枚賭け表示部24、25の内部には3枚賭けランプ115、116がそれぞれ内蔵されている(図4参照)。各枚賭け表示部21〜25は、図1に示すように透視窓14に描かれた5つの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’のいずれかと対応しており、賭数に応じて有効化された入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’を識別可能に報知する有効ライン表示部と兼用されている。
遊技パネル6における透視窓14の上部に設けられた小役告知表示部20a〜20cには、各々異なる入賞図柄が1つずつ描かれている。具体的には、小役告知表示部20aには「白7」図柄が、小役告知表示部20bには「黒7」図柄が、小役告知表示部20cには「BAR」図柄が描かれている。これら小役告知表示部20a〜20cは、所定の小役入賞を発生させることがスロットマシン1の制御部により許容されていること、すなわち、所定の小役入賞が内部当選していることを、その小役入賞に対応する入賞図柄が描かれた小役告知表示部20a〜20cの内部に内蔵された小役告知ランプ140a〜140c(図4参照)を点灯させることによって告知するための表示部であり、所定の条件が成立している場合に限り機能する。
ゲームオーバー表示部26は、後述するビッグボーナスが終了することにより打ち止め状態となった場合、及び何らかのエラーが発生して遊技を進行させることができない状態となった場合に、その内部に内蔵されたゲームオーバーランプ117(図4参照)が点灯する。リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイランプ119(図4参照)が点灯する。スタート表示部29は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートランプ118(図4参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示ランプ111(図4参照)が点滅し、最大の賭数が設定され、かつ、クレジット数が予め定められた上限値に達した場合、ゲームが開始された場合等に消灯する。
ウェイト表示部28は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトランプ139(図4参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。従って、十分な時間間隔を空けてゲームを進行する場合にはスタートレバー38の操作時にゲームの進行が規制されることはないが、短時間でゲームを進行しようとする場合にはウェイトタイムによってゲームの進行が一時的に規制され、ウェイトタイムが経過するまでの間リールの始動待ち状態となる。
なお、このスロットマシン1では、前回のゲームでリールの回転が開始した時点を基準として、例えば4.1秒のゲーム進行規制期間が設定されており、前回のゲームでリールの回転が開始された時点から4.1秒が経過する前に、今回のスタート操作が検出された場合、ゲーム進行規制期間が経過した後にリールの回転が開始される。
クレジット表示部31は、クレジット数が表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数であり、メダル投入口へのメダルの投入、及び払出しのある入賞の発生等によって加算更新され、賭数を設定したり、精算操作に基づいてメダルを払出したりすることによって減算更新される。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値(メダル50枚)に達した場合には投入指示表示部30が消灯する。そして、上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
ゲーム回数表示部32は、ビッグボーナス(BB)中のレギュラーボーナス(RB)入賞状況や、レギュラーボーナス中の入賞回数等を表示し、特にビッグボーナスが終了して打ち止め状態となった際には「END」という文字を表示して、遊技者に打ち止め状態である旨を報知する。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。例えば、制御部により検出される異常種別には、「払出しすべきメダルの不足状態」、「メダル詰まり」、「払出条件が成立していないにも拘わらず入賞図柄の組み合わせが導出表示されたこと」、「遊技状態を停電前の状態が復帰不可能であること」等がある。これらの異常が制御部により検出された場合、その異常種別を特定可能なエラーコードが「E−1」や「E−2」、「E−3」等の態様により表示される。
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数を入賞がある毎に表示する。
遊技パネル6から前面側に突出するように形成された上部飾り枠4の下部上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
1枚BETボタン36aは、1クレジットを賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットに記憶されている範囲内でゲームに賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36aの内部にはBETボタンランプ121aが、また、MAXBETボタン36bの内部にはBETボタンランプ121bがそれぞれ内蔵されており(図4参照)、これらのBETボタンランプ121a、121bは、対応するBETボタンが押圧されて賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作に伴い、クレジット表示部31に表示されているクレジット数が0になるまで減算更新されるとともに、クレジット相当数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
上部飾り枠4の下部における前側面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することにより各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、ストップボタン40Lの内部には操作有効ランプ122Lが、ストップボタン40Cの内部には操作有効ランプ122Cが、ストップボタン40Rの内部には操作有効ランプ122Rが内蔵されている(図4参照)。これら操作有効ランプ122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。また、ストップボタン40L、40C、40Rが配列されたストップボタンユニット39は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の内部当選フラグが設定されている場合に、その内部に内蔵されたボーナス告知ランプ120(図4参照)が点灯する。
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
図2に示されるように、筐体2a内略中央部には、複数種の図柄(本実施例では、「黒7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「プラム」)が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51R(ゲームの進行を実行するために用いるゲーム用リール)を有するリールユニット52からなる可変表示装置50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータからなるリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、表示窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
横方向に並設されたリール51Lとリール51Cとの間、及びリール51Cとリール51Rとの間には各リール間を閉塞する円弧状のリール間隠蔽部材53が設けられており、各リール間から内部が見えないようになっている。透視窓14のうち、リール間隠蔽部材53によって視界が仕切られることによって分割される3つの領域、すなわち、各リールが視認できる3つの領域部分を、各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部(領域)と呼ぶ。
透視窓14の各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるとともに、上段の上方部分には間もなく上段の位置に現れる図柄の一部が、下段の下方部分には間もなく可変表示部の下に隠れて見えなくなる図柄の一部がそれぞれ表示される。
各リール51L、51C、51R内には各リールの基準位置を検出するリールセンサ56が設けられており、このリールセンサ56により所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55がそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55は、通常時において透視窓14に表示される各図柄を目立たせるように後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
筐体2aの背板85の上部前面には、後述するように主に遊技の進行を制御する制御部210や各種回路が設けられた遊技制御基板200が収納された収納ケース500が、取外し不能に固定されている。また、可変表示装置50を構成するリールユニット52における前方からみて右側の側板の内面上部には後述するリール中継基板203が、また、その下部には後述するリールランプ中継基板204がそれぞれ取り付けられている。
筐体2aを前面側からみて右側の側板87の内面におけるリールユニット52の側方位置には、後述する外部出力基板205が取り付けられている。
リールユニット52の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57が、筐体2aを構成する下板上面に固設された案内レール58を介して前方に引出し可能に配設されている。また、ホッパータンク57の右側にはホッパータンク57からオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能な満タンセンサ60が設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを報知できるようになっている。
ホッパータンク57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出しメダルセンサ61により検出された後、後述する返却メダル流路73を介してメダル払出穴9よりメダル受皿11まで払い出される。なお、ホッパーモータ62は、払出しメダルセンサ61により所定枚数の払出メダルが検出された時点で停止するように制御されている。
ホッパータンク57の側部には、メイン電源をon/OFFするメインスイッチ部65と、ビッグボーナスの終了時や遊技中にエラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットするための第2リセットボタン66と、入賞確率を変更可能とする設定ボタン67と、自動精算機能をon/OFFする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/OFFする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられた電源ユニット64が配設されている。
本実施例では、設定キー挿入部70に特定のキーを挿入して時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、後述する設定キースイッチ82のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわちRAM212の記憶内容の初期化が実行されるとともに、前記設定ボタン67の操作が有効となり、この設定ボタン67の操作による入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。すなわち、設定キーがonの状態で電源投入する操作が、本発明におけるメインメモリをクリアする操作並びに出玉率の設定操作として機能することとなる。
図3に示されるように、前面扉2bの裏面略中央部には、メダル投入部34から投入されたメダルをホッパータンク57に導く投入メダルセレクタ71が固設されている。この投入メダルセレクタ71の上流側には不正メダル排出部72が設けられており、大きさや厚みが適正メダルと異なる不正メダルは、投入メダルセレクタ71の下方に設けられる返却メダル流路73の上部投入口に排出され、メダル払出穴9を介してメダル受皿11に返却されるようになっている。
不正メダル排出部72の下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする流路切替ソレノイド107が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、流下するメダルは流路を切り替えられることなく流下し、下流側に設けられた投入メダルセンサ106により検出された後、ホッパータンク57内に貯留されるようになっている。そして例えばクレジット数が50に達している場合においてメダル投入部34よりメダルが投入されたり、遊技者にメダルが払出される場合、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わり、メダルは返却流路を経て返却メダル流路73に導かれるようになっている。
前面扉2bの裏面上部には、後述するように遊技に関連する所定の演出状態を制御する制御部230や各種回路等が設けられている演出制御基板201が収納された収納ケース550が取外し不能に固定されている。
収納ケース550の左右側には、高音用のスピーカ136a、136bが前述した放音部12a、12bにそれぞれ臨むように固設されているとともに、前面扉2bにおける下部所定箇所裏面側には、低音用のスピーカ137が放音部13に臨むように固設されており、例えばメダルのメダル投入部34への投入、スタートレバー38の操作、ストップボタン40L、40C、40Rの操作等、遊技中において各種動作がなされた場合や、特定の図柄の組み合わせが有効化された有効ライン上に揃って表示されて所定の入賞条件が成立した場合、あるいはビッグボーナスやレギュラーボーナスが実行されている場合等の各種遊技状態において、該遊技状態に対応する所定の遊技効果音等が各スピーカ136a、136b、137から出力されるようになっている。
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
ゲームを開始する場合は、遊技者はまず投入指示ランプ111が点灯または点滅している時に、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すればよく、MAXBETボタン36bが押圧されるとクレジット表示部31に表示されたクレジット数が、本実施例で1ゲームにおいて許容される賭数の最大数である「3」だけ減算表示されてメダル3枚分の賭数が設定され、また、1枚BETボタン36aが押圧されるとクレジット表示部31に表示されているクレジット数が「1」だけ減算表示されてメダル1枚分の賭数が設定される。なお、クレジット表示部31に表示されるクレジット数が3に満たない場合、設定可能な賭数の範囲はそのクレジット数の範囲内に限られる。
遊技者により1枚のメダルがメダル投入部34から投入されるか、1枚BETボタン36aが押圧操作されると賭数が「1」に設定されるとともに、中段の横1列の入賞ラインL1が有効となり、この入賞ラインL1が有効となった旨を示す1枚賭けランプ112(図4参照)が点灯する。続けて2枚目のメダルがメダル投入部34から投入されるか、1枚BETボタン36aが2回押圧操作されると賭数が「2」に設定され、上、中、下段の横3列の入賞ラインL1、L2、L2’が有効となり、これらの入賞ラインL1、L2、L2’が有効となった旨を示す1枚賭けランプ112、2枚賭けランプ113、114が点灯する。続けて3枚目のメダルがメダル投入部34から投入されるか、1枚BETボタン36aが3回押圧操作されるか、あるいはMAXBETボタン36bが押圧されると賭数が「3」に設定され、上、中、下段の横3列の入賞ラインL1、L2、L2’及び斜め対角線上2列の入賞ラインL3、L3’が有効となり、これらの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’が有効となった旨を示す1枚賭けランプ112、2枚賭けランプ113、114、3枚賭けランプ115、116が点灯する。なお、賭数が最大数である「3」に設定された場合には、それを越える賭数を設定することはできないためBETボタンランプ121a、121bは消灯する。
そして上記のように少なくとも最小数である「1」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となり、このスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態になった旨を示すスタートランプ118が点灯される。
なお、このようなメダルやクレジット等の設定される賭数に応じて有効化される有効ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される有効ラインの本数も任意に設定変更可能であり、例えば1枚のメダル投入により上記5本全ての入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’が有効化されるようになっていてもよい。
スタートランプ118が点灯している状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、可変表示装置50が作動して各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。前述したようにリール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、これらストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になった旨を示す操作有効ランプ122L、122C、122Rが点灯する。操作有効ランプが点灯している状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応する操作有効ランプ122L、122C、122Rが消灯するとともに、対応するリール51L、51C、51Rの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部の上、中、下段に図柄が表示される。
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、所定時間(例えば30秒)が経過した時点で例えばリール51L、51C、51Rの優先順序で自動的に順次停止する。
そして3つのうちいずれか2つのリールの回転が停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に同種の図柄が揃って停止表示された場合にはリーチが成立する。
さらに全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組み合わせが表示された場合は入賞となり、各種遊技効果ランプ部41〜45の内部に内蔵された遊技効果ランプ130〜134(図4参照)や入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’に対応するリールランプ55等が点灯するとともに、スピーカ136a、136b、137から効果音等が出力されること等による演出が実行される。そして、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出されてクレジット表示部31に表示されたクレジット数が加算更新される。また、クレジット数が上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴から払い出される。これらメダルの払出し枚数はペイアウト表示部33に表示される。
また、特に予め定められた特別図柄の組み合わせが表示されて大当たり入賞(特別入賞)した場合等にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できる特別遊技状態が発生し、後述するようなビッグボーナス(以下BBと称する)やレギュラーボーナス(以下RBと称する)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
なお、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合等において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
本実施例におけるスロットマシン1にあっては、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に例えば「BAR−BAR−BAR」の図柄が揃えば、大当りであるRBに入賞したことになり、「BAR−BAR−BAR」の図柄が揃ったことの対価として例えば15枚のメダルが払出されるとともに、遊技者にとって有利な遊技状態であるRB(レギュラーボーナス)状態が発生し、以下に説明するレギュラーボーナスゲームが遊技価値として遊技者に対して付与される。このRB中では、プラム図柄のぞろめが揃うことにより所定枚数のメダルが払出されるJac賞の入賞が高確率で発生するJacゲームが最大で12回提供されるとともに、このJacゲームが12回実行されるか、あるいはJacゲームが12回に達する前にJac賞の入賞が8回発生されるか、いずれかの条件が満たされた時点で終了する。したがって、遊技者は12回のJacゲーム中に最大8回のJac賞の入賞の機会を得ることができる。
一方、有効化された入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に、例えば「黒7−黒7−黒7」または「白7−白7−白7」が揃えば、大当りであるBB(ビッグボーナス)に入賞したことになり、「黒7−黒7−黒7」または「白7−白7−白7」の図柄が揃ったことの対価として例えば15枚のメダルが払出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態であるBB(ビッグボーナス)状態が発生し、以下に説明する小役ゲームが遊技価値として遊技者に対して付与される。具体的に説明すると、このBB中では、小役図柄(実施例ではスイカ、ベル、プラム)のぞろめが高確率で揃って所定枚数のメダルの払出しをともなう小役の入賞が高確率で発生する小役ゲームが最大で30回提供されるとともに、この小役ゲームを30回実行するまで間にプラム図柄のぞろめが揃ってJacIn賞が入賞した場合には、特別遊技状態である前述のRB状態が発生してレギュラーボーナスゲームが提供されるようになっている。このRBは、BB中における発生可能な最大回数が予め定められており、本実施例では最大で3回発生し得るようになっている。そしてこのBBは、30回の小役ゲームを実行して終了する場合か、あるいは小役ゲームを30回に実行する前に3回のRBが提供されて3回目のRBが終了する場合のうち、少なくともいずれか一方の条件が満たされた時点で終了する。
また、前記特別遊技状態以外の通常の遊技状態(通常ゲーム)である場合においては、同種の図柄が有効化された1つの有効ライン上に揃って所定の賞が成立した場合には、その図柄の種類に応じて予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に付与される。なお、各リール51L、51C、51Rに描かれた「チェリー」の図柄は単図柄と呼ばれるマークであり、この単図柄が有効な1本の有効ライン上で停止表示された場合には2枚のメダルが遊技者に付与される。なお、賭数に応じて有効化された有効ラインが複数本存在する場合において、前述したようにメダルが払出される図柄の組み合わせが複数本の入賞ライン上において同時に成立した場合には、各入賞ライン上の図柄の組み合わせによって付与されるメダル枚数の合計枚数に相当するメダルが付与されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて遊技者に付与されるメダルの上限が15枚と定められているために、15枚を越える場合にはその16枚目以降のメダルが無効となる。
本実施例においては、通常遊技状態時において黒7−黒7−黒7(黒7賞)、白7−白7−白7(白7賞)、BAR−BAR−BAR(BAR賞)、スイカ−スイカ−スイカ(スイカ賞)、チェリー(チェリー賞)、ベル−ベル−ベル(ベル賞)、またはプラム−プラム−プラム(再遊技;リプレイ)等が入賞の対象となっており、そのうち黒7、または白7の図柄、及びBARの図柄のみが遊技者にとって利益の大きな賞である特別入賞としての大当り入賞(BB、RB)の対象となる特別図柄とされて、その他スイカ、チェリー、ベルまたはプラム(再遊技)は遊技者にとって利益の小さな賞である通常入賞としての小役入賞の対象となる図柄とされている。
このような各賞の対象となる図柄の組み合わせ、及び該図柄の組み合わせに対応する払出しメダル枚数(入賞確率(出玉率)等も含む)は、通常ゲーム時、及びBB時、RB時に対応してそれぞれ予め定められており、これらの設定内容は後述する制御部210のROM213に記憶された入賞判定テーブルに登録されている。
図4は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図5は、メイン制御基板としての遊技制御基板200に設けられた制御部210の構成と、サブ制御基板としての演出制御基板201に設けられた制御部230の構成と、を説明するためのブロック図であり、図7は、電源基板202の構成を説明するための回路図であり、図8は、遊技制御基板200におけるCPUまわりの構成を説明するための回路図であり、図9は、演出制御基板201におけるCPUまわりの構成を説明するための回路図である。
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板200によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板201によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板202にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板202には、AC100Vの電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
遊技制御基板200は、演出制御基板201、電源基板202、リール中継基板203と配線接続されているとともに、リール中継基板203を介して外部出力基板205と、また、演出制御基板201を介してリールランプ中継基板204と接続されている。
遊技制御基板200の制御部210は、遊技状態がRB状態であることを示すRB中信号や、遊技状態がBB状態であることを示すBB中信号、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するためのリール制御信号(モータ位相信号)、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に払出されたメダル(クレジット)数を示すメダルOUT信号などをリール中継基板203を介して外部出力基板205からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。なお、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、後述するようにストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号である。
遊技制御基板200には、各種のスイッチ、センサ、ランプ、及び表示器からの配線が接続されている。
例えば、電源基板202に配線接続された設定スイッチ83、設定キースイッチ82、第2リセットスイッチ81、払出しセンサ61、及びホッパーモータ62は、電源基板202によって中継されて遊技制御基板200と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。また、制御部210は、メダルの払出し条件(メダルを払出す必要のある入賞の発生、精算スイッチ104からの検出信号の入力)が成立すると、ホッパーモータ62に制御信号を出力して、所定数のメダルを払出す払出し制御を実行する。
リール中継基板203に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56は、リール中継基板203によって中継されて遊技制御基板200に配線接続されており、リールセンサ56の検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。リールランプ55は、リールランプ中継基板204によって中継されて演出制御基板201に配線接続されている。遊技制御基板200の制御部210は、始動条件(スタートスイッチ102の検出信号の入力)が成立すると、リールモータ54L、54C、54Rに制御信号を出力してリールの変動を開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を実行する。
遊技制御基板200に配線接続されたスイッチのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置3の鍵穴3aに挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。
投入メダルセンサ106は、メダル投入部34に投入されたメダルを検出するセンサである。流路切替ソレノイド107は、メダル投入部34に投入されたメダルの流路をホッパータンク57側もしくはメダル払出穴9側に切り替えるためのソレノイドである。
ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
投入指示ランプ111は、投入指示表示部30に内蔵されるランプであり、1枚賭けランプ112は1枚賭け表示部21に、2枚賭けランプ113、114は2枚賭け表示部22、23に、3枚賭けランプ115、116は3枚賭け表示部24、25に内蔵されるランプである。
ゲームオーバーランプ117は、ゲームオーバー表示部26に内蔵されるランプであり、スタートランプ118は、スタート表示部29に内蔵されるランプであり、リプレイランプ119は、リプレイ表示部27に内蔵されるランプであり、なお、ボーナス告知ランプ120はストップボタンユニット39に内蔵されるランプである。BETボタンランプ121aは1枚BETボタン36aに、BETボタンランプ121bはMAXBETボタン36bに内蔵されるランプである。左操作有効ランプ122Lは、左ストップボタン40Lに内蔵されるランプであり、中操作有効ランプ122Cは、中ストップボタン40Cに内蔵されるランプであり、右操作有効ランプ122Rは、右ストップボタン40Rに内蔵されるランプであり、ウェイトランプ139はウェイト表示部28に内蔵されるランプである。
電源基板202あるいはリール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく遊技制御基板200に配線接続された各種ランプ及び表示器は、遊技制御基板200に搭載された制御部210によって制御される。また、制御部210は、遊技制御基板200に接続され、または、電源基板202あるいはリール中継基板203を介して遊技制御基板200に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
特に、制御部210によって制御される「クレジット表示器109、ゲーム回数表示器108、ペイアウト表示器110、投入指示ランプ111、1枚賭けランプ112〜3枚賭けランプ116、スタートランプ118、リプレイランプ119、ボーナス告知ランプ120、ゲームオーバーランプ117、左、中、右操作有効ランプ122L、122C、122R、ウェイトランプ139」は、遊技の進行に関わる情報を報知するものであり、それが機能しなければ遊技を行うことに支障が出るような、いわば“必須報知装置(本発明の遊技用周辺機器)”といえる。これらの“必須報知装置”が遊技状態を制御する制御部210によって制御されるために、たとえ、演出制御基板201が故障したとしても、少なくとも遊技の進行に必要な情報が遊技者に提供される。このため、遊技者に不利な状態で遊技が進行してしまうことを防止できる。
遊技制御基板200に設けられた制御部210は、図5に示すように、制御動作を所定の手順で実行することのできるメインCPUとしてのCPU(Central Processing Unit)211と、CPU211の制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)213と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるメインメモリとしてのRAM(Random Access Memory)212と、CPU211と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート214とを含む。すなわち、制御部210は、これらCPU211、RAM212、ROM213、I/Oポート214が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
また、遊技制御基板200には、電源投入時にCPU211にリセットパルスを与える初期リセット回路217と、CPU211にクロック信号を与えるクロック発生回路218と、クロック発生回路218からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU211に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)219と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路221と、乱数発生回路221から乱数をサンプリングするサンプリング回路222と、バッファ回路220とが設けられる。さらに、遊技制御基板200には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路215や、モータ回路216、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
RAM212は、図6に示されるように、CPU211のワークメモリとして使用されるワーク領域と、停電時においてその時点の遊技状態を特定可能な遊技情報としてのメインバックアップデータが記憶されるバックアップ領域1〜3と、これらバックアップ領域に記憶されたデータの正誤を確認するためのパリティーデータや後述の電源断フラグ等が記憶されるパリティデータ格納領域と、から構成されている。このうちワーク領域は停電時において記憶されているデータが保持されない非バックアップRAM領域とされており、バックアップ領域1〜3並びにパリティデータ格納領域は、停電時においてバックアップ電源により付勢されることで記憶されているデータが保持されるバックアップRAM領域とされている。
ROM213には、前記制御プログラムに加えて、各賞に対応するサンプリング値の割り当て範囲が、各入賞確率(出玉率)の設定値並びにゲームの賭数、遊技状態(通常ゲーム時、BB時、RB時)別に対応してそれぞれ登録されているとともに、各賞に対応する入賞図柄の組み合わせやメダルの払出枚数、入賞に伴い設定される各種設定内容が、各遊技状態(通常ゲーム時、BB時、RB時)別に対応してそれぞれ登録されている入賞判定テーブル(図示略)が記憶されている。この入賞判定テーブルには、前述のように各賞のサンプリング値の割り当て範囲が登録されており、これらサンプリング値の割り当て範囲の設定により、後述の内部抽選処理において内部当選可能な賞の入賞確率、すなわちスロットマシン1の出玉率が設定されるようになっている。
更に、前記ROM213には、各リール51L、51C、51Rの図柄番号毎に、各リール51L、51C、51Rの停止操作がなされてから該当するリールが停止するまでに移動する図柄のコマ数が、遊技状態(通常ゲーム時、BB時、RB時)や内部当選フラグの設定状況、他のリールの回転状況、有効ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に位置する各リール51L、51C、51Rの図柄番号等の各種状況に応じて各々登録されているリール制御テーブル(図示略)が記憶されている。
遊技制御基板200の制御部210から演出制御基板201へは、バッファ回路220を介して制御部210が制御する遊技状態を特定可能な各種コマンドや演出状態の初期化を指示する旨の初期化コマンド(初期化命令)が出力される。バッファ回路220は、遊技制御基板200の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板200の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板200と演出制御基板201との間において、遊技制御基板200から演出制御基板201への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板200に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
演出制御基板201には、演出手段である遊技効果ランプ130〜134と、液晶表示器135と、放音部12a、12b、13に内蔵されるスピーカ136a、136b、137と、タイトルパネル8及び遊技パネル6を内側から照らす各蛍光灯138と、小役告知ランプ140a、140b、140cと、がそれぞれ接続され、さらに、リールランプ中継基板204を介してリール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55が接続されている。
演出制御基板201には、制御部230と、各スピーカ136a、136b、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路235と、液晶表示器135を表示制御するための表示駆動回路236と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路237と、が搭載されている。
制御部230は、サブCPUとしてのCPU231と、必要なデータの書き込み、及び書き出しができるサブメモリとしてのRAM232と、制御プログラムを格納するROM233と、I/Oポート234と、を含む。制御部230も、制御部210と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
RAM212は、制御部210と同様に、ワーク領域と、停電時においてその時点の演出状態を特定可能な演出情報としてのサブバックアップデータが記憶されるバックアップ領域1〜3と、これらバックアップ領域に記憶されたデータの正誤を確認するためのパリティデータや後述する電源断フラグ等が記憶されるパリティデータ格納領域と、から構成されており、ワーク領域は非バックアップRAM領域とされ、バックアップ領域1〜3並びにパリティデータ格納領域は、バックアップRAM領域とされている。
ROM233には、遊技制御基板200から送信される各種コマンドに基づいてゲーム状態や内部当選状況等を特定可能なデータが登録されたコマンドテーブルが記憶されているとともに、前記遊技制御基板200から送信される各種コマンドに基づき特定される遊技状態に対応して演出パターンを定めた演出パターンテーブルが記憶されている。この演出パターンテーブルは、各遊技効果ランプ130〜134、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、小役告知ランプ140a〜140c、別に分類されており、例えば所定の遊技状態を示すコマンドを受信した場合、制御部230はその遊技状態に応じた演出パターンを抽出し、この抽出した演出パターンに応じて各遊技効果ランプ130〜134、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、小役告知ランプ140a〜140c、及びリールランプ55等を制御する。
演出制御基板201によって制御される各遊技効果ランプ130〜134、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、小役告知ランプ140a〜140c、リールランプ55は、遊技制御基板200によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた、いわば、“演出装置(本発明における演出用周辺機器)”と呼べるものである。このため、たとえ、演出制御基板201に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部210の制御の負荷が軽減される。
図5に戻って、スタートスイッチ102の検出信号は、スイッチ回路215を介して制御部210に入力されるとともに、サンプリング回路222に入力される。制御部210は、スタートスイッチ102の検出信号を受け、モータ回路216を介してリール制御信号を出力する。このリール制御信号はリール中継基板203を介して各リール51L、51C、51R別に設けられたリールモータ54L、54C、54Rに入力される。また、リール制御信号は、リール中継基板203及び外部出力基板205を介してスロットマシン1の外部へ出力される。
これにより、各リール51L、51C、51Rが変動し始める。また、リール制御信号の伝送経路は、リール中継基板203においてリールモータ54L、54C、54R側と外部出力基板205側とに分岐されており、外部出力基板205側へ出力されたリール制御信号は、外部出力基板205からスロットマシン1の外部へも出力される。このように、外部出力基板205から出力されるリール制御信号は、外部出力用に加工された信号ではなく、リールモータ54L、54C、54Rを駆動制御する信号そのものである。
一方、サンプリング回路222は、スタートスイッチ102の検出信号が入力されたタイミングで乱数発生回路221から1個の乱数をサンプリングし、その乱数をCPU211に引き渡す。CPU211は、そのサンプリングされた乱数と、ROM213内に格納されている入賞判定テーブルとを参照して、入賞の発生を許容するか否かを入賞役別に決定し、その決定結果をRAM212に記憶させる。これにより、スタート操作がされたタイミングとほぼ等しいタイミングで、後述の内部抽選処理が実施され、入賞役の当選の有無が決定される。制御部210は、その後、入賞役別の当選結果に応じてリールを制御する。
また、各ストップスイッチ103L、103C、103Rから出力されたストップスイッチ信号は、遊技制御基板200、リール中継基板203、および外部出力基板205を往復する信号経路を伝送された後、遊技制御基板200のスイッチ回路215に入力される。さらに、ストップスイッチ103L、103C、103Rから出力されたストップスイッチ信号は直接、外部出力基板205を介して外部に出力されるように構成されている。
ストップスイッチ信号の入力を受けた制御部210は、モータ回路216を介してストップスイッチ信号に対応するリールモータ54L、54C、54Rを停止させるためのリール制御信号を出力する。このリール制御信号は、リールモータ54L、54C、54Rに入力されるとともに、外部出力基板205を介してスロットマシン1の外部へ出力される。
外部出力基板205から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。この型式試験では、たとえば、各ストップボタン40L、40C、40Rの操作から190ms以内に各ストップボタン40L、40C、40Rに対応する各リール51L、51C、51Rが停止するか否かが確認される。このスロットマシン1の場合、各ストップスイッチ103L、103C、103Rから出力されたストップスイッチ信号が直接、外部出力基板205から出力されるために、各ストップボタン40L、40C、40Rが操作されたタイミングをスロットマシンの外部で正確に把握できる。同様に、モータ回路216から出力されるリール制御信号が直接、外部出力基板205から出力されるために、各リール51L、51C、51Rの始動および停止タイミングをスロットマシンの外部で正確に把握できる。このため、外部出力基板205から出力される信号を用いて、「各ストップボタン40L、40C、40Rの操作から190ms以内に各ストップボタン40L、40C、40Rに対応する各リール51L、51C、51Rが停止するか否かの試験」を行った場合には、正確な試験結果が得られる。また、「遊技制御基板200の制御部210で一旦、信号を取り込んでから外部出力基板205に信号を出力するような構成」とした場合には、遊技制御基板200側で信号を加工して出力するような不正がなされるおそれもあるが、本実施の形態によると、かかる不正行為をも防止できる。
図7は、電源基板202の一構成例を示す回路図である。電源基板202は、遊技制御基板200、各種スイッチ、センサ、表示器、ランプ、モータ、ソレノイド等の電気部品が使用する電圧を生成する。
トランス304は、交流電源からのAC100VをAC24Vに変換する。また、整流回路302は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ303に出力する。DC−DCコンバータ303は、+24V、+12Vおよび+8Vを生成してコネクタ301に出力する。コネクタ301は遊技制御基板200等に接続され、遊技制御基板200や演出制御基板201、各種電気部品に必要な電圧の電力が供給される。尚、トランス304の入力側には、スロットマシン1に対する電源供給を停止したり開始させたりするためのメインスイッチ80(図4参照)が設置されている。
本実施例では、+8Vの直流電圧がホッパモータ62に供給されて駆動電源として使用されるとともに、遊技制御基板200にも供給されて遊技制御基板200並びに演出制御基板201の各デバイスを駆動するための元となる電源や、遊技制御基板200に直接、または間接的に接続されるスイッチ並びにセンサ、ランプ(操作有効ランプ122L、122C、122Rを除く)、表示器の駆動電源として使用される。また、+12Vの直流電圧は、遊技制御基板200に供給されて操作有効ランプ122L、122C、122Rの駆動電源として使用される。更に+12Vの直流電圧は、遊技制御基板200を介して演出制御基板201に供給されて液晶表示器135の駆動電源としても使用される。また、+24Vの直流電圧は、遊技制御基板200に供給され、リールモータ54L、54C、54R並びに流路切替ソレノイド107の駆動電源として使用される。更に+24Vの直流電圧は、遊技制御基板200を介して演出制御基板201に供給されて、この演出制御基板201に直接、または間接的に接続されるランプ、スピーカ、蛍光灯の駆動電源として使用される。
図8は、遊技制御基板200におけるCPU211周りの一構成例を示す回路図である。図8に示すように、電源基板202から出力された+8VがDC−DCコンバータ223に供給される。DC−DCコンバータ223は、+5Vを生成してCPU211並びにRAM212、メイン電源監視手段としての電源監視用IC224に出力する。この+5Vは、これらデバイスの駆動電源として使用される。また、DC−DCコンバータ223にて生成された+5Vは、演出制御基板201に出力され、後述するように演出制御基板201の各デバイスの駆動電源として使用される。
また、DC−DCコンバータ223からの+5Vラインは分岐してメインバックアップ+5Vラインを形成する。メインバックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ226が接続されている。コンデンサ226は、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、RAM212に対してバックアップRAM領域の記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとメインバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード225が挿入される。尚、バックアップ電源としては、+5V電源から充電可能な電池等を用いても良い。
電源監視用IC224は、電源基板202から出力された+8Vの電圧、すなわち、遊技制御基板200のデバイス、特には各部の制御を行うCPU211の駆動電圧の元となる電圧を導入し、この+8V電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。本実施例では+8V電圧が所定の値以下となった場合に、電圧低下信号を出力する。この電圧低下信号は、CPU211のマスク不能割込端子(NMI端子)に入力される。すなわち、CPU211は、電源監視用IC224からの電圧低下信号の入力に基づく割込処理により電源断の発生を確認することができる。
尚、電源監視用IC224が電源断を検知するための電圧は、通常時のCPU211の動作電圧よりも高い電圧であり、本実施例では+7.2Vまで低下した場合に電源断の発生を検知する。また、電源監視用IC224は、CPU211を駆動させるための電圧(本実施例では+5V)よりも高い電圧、すなわちDC−DCコンバータ223に供給される+8Vの電圧を監視するように設定されており、CPU211が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができ、より精密な監視を行うことができる。
また、本実施例では、CPU211、RAM212、電源監視用IC224は、通常時+5Vの電源電圧にて駆動されているとともに、電源監視用IC224は、これら各デバイスを駆動させる+5Vよりも高い電圧である+7.2Vまで降下した場合に、電圧低下信号を出力するようになっており、電源断の発生が検知された後もしばらくは+5V電圧がCPU211等のデバイスに対して供給されるため、電圧低下信号の入力に基づきCPU211が後述のメイン停電時割込処理を行うのに必要な時間を十分に確保することができる。
本実施例の場合には、遊技制御基板200のCPU211が電圧低下信号を受信してからメイン停電時割込処理を完了するまでに必要な時間が、約2ms程度であるのに対して、遊技制御基板200に供給された+8V電圧が+7.2Vまで降下してから+5Vまで降下する時間、すなわち電源断の検知後、CPU211の駆動電圧が降下を開始するまでの時間が約100msとされている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも電源断が発生した場合に、遊技制御基板200におけるCPU211の駆動電圧がメイン停電時割込処理を完了するまで保持できる時間に設定されていれば良い。
また、本実施例では、電源監視用IC224がCPU211の駆動電圧の元となる電圧、すなわちCPU211を駆動させる+5Vを生成するためにDC−DCコンバータ223に供給される+8Vの電圧が監視されるようになっており、各デバイスの駆動状況により上下し易い駆動電圧に比較して安定した電圧が監視されるようになるため、一時的な電圧降下に伴って電源断の発生が判別され、後述のメイン停電時割込処理が行われてしまう等の誤動作を防止できる。
尚、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技制御基板200に接続されたスイッチやセンサ、ランプ、表示器等の遊技用周辺機器を駆動させるための電源電圧の元となる電圧、例えば、これら遊技用周辺機器を駆動させる+8V、+12V、+24Vを生成するためにDC−DCコンバータ303に供給される電圧を導入して監視するようにしても良く、これにより、これら遊技用周辺機器の駆動状況により上下し易い駆動電圧に比較して安定した電圧が監視されるようになるため、一時的な電圧降下に伴って電源断の発生が判別され、後述のメイン停電時割込処理が行われてしまう等の誤動作を防止できる。
図9は、演出制御基板201におけるCPU231周りの一構成例を示す回路図である。図9に示すように、演出制御基板201には、遊技制御基板200のDC−DCコンバータ223にて生成された+5Vが供給され、CPU231並びにRAM232、サブ電源監視手段としての電源監視用IC238の駆動電源として使用される。
また、遊技制御基板200からの+5Vラインは分岐してサブバックアップ+5Vラインを形成する。サブバックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ240が接続されている。コンデンサ240は、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、RAM232に対してバックアップRAM領域の記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとサブバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード239が挿入される。尚、バックアップ電源としては、+5V電源から充電可能な電池等を用いても良い。
電源監視用IC238は、遊技制御基板200から出力された+5Vの電圧、すなわち、遊技制御基板200のデバイスの駆動電圧を導入し、この+5V電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。本実施例では+5V電圧が予め定められた値以下となった場合に、電圧低下信号を出力する。この電圧低下信号は、CPU231のマスク不能割込端子(NMI端子)に入力される。すなわち、CPU231は、電源監視用IC238からの電圧低下信号の入力に基づく割込処理により電源断の発生を確認することができる。
電源監視用IC238が電源断を検知するための電圧は、通常時のCPU232の駆動電圧である+5Vより低いが、CPU232が暫くの間動作しうる程度の電圧であり、本実施例では+4.3Vまで低下した場合に電源断の発生を検知する。
本実施例の場合には、演出制御基板201のCPU231が電圧低下信号を受信してからサブ停電時割込処理を完了するまでに必要な時間が、約16ms程度であるのに対して、遊技制御基板200から供給された+5V電圧が+4.7Vまで降下してから、CPU231の動作が停止する電圧(本実施例では+3.5V程度)まで降下する時間、すなわち電源断の検知後、CPU231が動作可能となる時間が約30msとされている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも電源断が発生した場合に、演出制御基板201におけるCPU231の駆動電圧がサブ停電時割込処理を完了するまで保持できる時間に設定されていれば良い。
尚、本実施例では、電源監視用IC238が、遊技制御基板200から供給される+5V電圧を監視するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技制御基板200の電源監視用IC224と同様に、電源監視用IC238が、CPU231の駆動電圧の元となる電圧、すなわちCPU231を駆動させる+5Vを生成するためにDC−DCコンバータ223に供給される+8Vの電圧を導入して電圧の降下を監視するようにしても良く、このようにすることで、電源断の発生が検知された後もしばらくは+5V電圧がCPU231等のデバイスに対して供給されるため、電圧低下信号の入力に基づきCPU231が後述のサブ停電時割込処理を行うのに必要な時間を十分に確保することができる。
また、演出制御基板201に接続されたスイッチやセンサ、ランプ、表示器等の演出用周辺機器を駆動させるための電源電圧の元となる電圧、例えば、これら演出用周辺機器を駆動させる+12V、+24Vを生成するためにDC−DCコンバータ303に供給される電圧を導入して監視するようにしても良く、これにより、これら演出用周辺機器の駆動状況により上下し易い駆動電圧に比較して安定した電圧が監視されるようになるため、一時的な電圧降下に伴って電源断の発生が判別され、後述のサブ停電時割込処理が行われてしまう等の誤動作を防止できる。
また、本実施例では、遊技制御基板200の電源監視用IC224が電圧低下信号を出力する電圧である+7.2Vの方が、演出制御基板201の電源監視用IC238が電圧低下信号を出力する電圧である+4.7Vよりも高い電圧に設定されており、遊技制御基板200のCPU211が行うメイン停電時割込処理よりも演出制御基板201のCPU231が行うサブ停電時割込処理の方が遅れて行われるようになるため、遊技制御基板200のCPU211が制御する遊技状態が進行しているにも関わらず、その遊技状態を反映せずに演出制御基板201のCPU231によるサブ停電時割込処理が行われてしまうことを防止できる。
次に、本実施例における遊技制御基板200に搭載された制御部210のCPU211が実行する各種制御内容を、図10〜図15のフローチャートに基づいて以下に説明する。
図10に示すように、電源が投入されると、まず、設定キースイッチ82がonであるか否かを確認する(Sa1)。すなわち設定値の変更または遊技状態の初期化を行うための操作に基づく電源投入であるかを確認する。
設定キースイッチ82がonであった場合には、遊技状態の初期化を行う遊技情報初期化実行処理としてのメイン初期化処理を実行するとともに(Sa2)、入賞確率の設定値の変更が実施可能な設定変更処理を実行する(Sa3)。
メイン初期化処理では、図11に示すように、レジスタ及びRAM212をクリアする処理(Sb1)を行った後、演出状態の初期化を指示する旨の初期化コマンドをコマンドテーブルにセットし(Sb2)、このセットした初期化コマンドを演出制御基板201に送出するコマンド送出処理(Sb3)を行い、更に必要な初期値の設定処理(Sb4)を行う。後に詳述するが、この初期化コマンドの送信により、演出制御基板201が制御する演出状態も初期化されることとなる。すなわち、メイン初期化処理は、初期化命令送信処理としても機能する。
また、Sb3で行うコマンド送出処理では、図13に示すように、送出遅延時間を0〜37msの間からランダムに選択して決定し(Sd1)、この決定した送出遅延時間が経過することでコマンドテーブルにセットしたコマンドを演出制御基板201に送信する(Sd2、Sd3)。
このコマンド送出処理は、後述するように、遊技状態を特定可能な各種コマンドを送出する際においても同様に実行される処理であり、演出制御基板201へのコマンドを所定期間遅延させて送信するための処理である。
設定変更処理では、図12に示すように、設定スイッチ83またはスタートスイッチ102の検出待ちの状態で待機し(Sc1、Sc3)、この状態で設定ボタン67が操作されて設定スイッチ83が検出される毎に入賞確率の設定値を1づつ変更する(Sc1、Sc2)。また、Sc1、Sc3の状態でスタートレバー38が操作され、スタートスイッチ102が検出されることで(Sc3)、設定値を確定する。次いで、設定キースイッチ82がoffとなるまで待機し(Sc4)、設定キースイッチ82のoffが検出されることで処理を終了する。このように、設定キースイッチ82をonの状態として電源を投入することで、入賞確率の設定変更の実施が可能となる。また、設定キースイッチ82をonの状態として電源が投入された場合には必ず遊技状態の初期化が行われるため、単に遊技状態の初期化を行う場合においては、設定キースイッチonの状態として電源を投入した後、設定値を変更せずに処理を終了すれば良い。
図10に戻り、Sa1において設定キースイッチ82がoffであった場合には、停電からの復旧時であったか否かを確認する(Sa4)。停電からの復旧時であったか否かは、電源断時に設定される電源断フラグによって確認される。
停電からの復旧時であった場合には、RAM212におけるバックアップRAM領域のデータチェック(本実施例ではパリティチェック)を行う(Sa5、Sa6)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、RAM212のバックアップRAM領域にメインバックアップデータが保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。
チェック結果が正常であれば、RAM212におけるバックアップ領域1〜3のメインバックアップデータを比較して、少なくとも2つのメインバックアップデータが一致するか否かにより正しいデータがバックアップされているかを確認する(Sa7、Sa8)。
比較結果が正常であれば、RAM212におけるバックアップ領域のメインバックアップデータから全レジスタを復帰するとともに(Sa9)、電源断フラグをクリアして(Sa10)、電源断前のルーチンに戻る。すなわち電源断時の遊技状態に復帰する。
また、データチェックの結果並びに比較結果が正常でない場合には、遊技状態を電源断時の状態に戻すことができないので、遊技状態を電源断前の状態に復帰できない旨のエラーコードをゲーム回数表示部32に表示して、外部に報知するとともに(Sa11)、前述したSa2のステップにて実行する場合と同一のメイン初期化処理を実行し(Sa12)、遊技状態を初期化する。尚、Sa4において停電復旧時でないと確認された場合、すなわち電源断フラグがセットされていない場合にも、メイン初期化処理を実行する(Sa12)。
前述の設定変更処理が終了した場合、またはSa12のステップにおけるメイン初期化処理が終了すると、ゲーム制御処理(Sa13)を繰り返し実行するループ処理に移行する。
図14に示すように、ゲーム制御処理では、まず、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する(Se1)。
次いで、スタートレバー38が押圧操作された時点で賭数を確定するBET処理を実行する(Se2)。具体的には、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、1枚以上のメダルが投入された時点、または1枚BETボタン36a、またはMAXBETボタン36bの押圧操作により1以上のクレジットが使用された時点でスタートレバー38の押圧操作を可能とするとともに、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定し、ゲームが開始される。また、前回のゲームでリプレイが入賞した場合には、前回のゲームと同数の賭数が設定され、スタートレバー38の押圧操作を可能とするとともに、スタートレバー38が押圧操作された時点で賭数を確定し、ゲームが開始される。
尚、スタートレバー38の押圧操作がなされるまでの間において、最大賭数(本実施例では3BET)が設定された状態からさらにメダル投入があった場合には、投入されたメダル枚数分に相当する有価価値をクレジットとしてRAM212に記憶し、これをクレジット表示部31にて表示する。
次いで、Se2におけるスタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴い、前述したいずれかの賞(BB、RB、その他遊技者にとって利益の小さな賞である小役)の入賞を許容するか否かを決定する内部抽選処理を実行する(Se3)。この内部抽選処理とは、全てのリール51L、51C、51Rが停止される前の段階において、いずれかの賞への入賞を許容するか否かを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選により当選したいずれかの賞に該当する内部当選フラグがセットされた場合に限り入賞することが許容されるのである。すなわち、制御部210はいずれかの賞に入賞することを許容するか否かを決定する事前決定手段としての機能を有している。
次いで、Se3の内部抽選処理の終了に伴い各リール51L、51C、51Rを回転させるリール回転処理を実施する(Se4)。このリール回転処理においては、リール51L、51C、51R回転中の基準位置チェックによるエラーチェックは、所定時間毎のタイマ割り込みで随時確認される。また、全てのリール51L、51C、51Rが回転した時点でストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作を有効とし、操作有効ランプ122L、122C、122Rを点灯するとともに、リール停止用のタイマカウントを開始する。
次いで、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされるか、各リール51L、51C、51Rの回転開始時から遊技者によるストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされることなく所定時間である30秒が経過したことにより図柄を停止表示するための条件が満たされた時点で各々のリール51L、51C、51Rの停止フラグの設定を行い、この停止フラグの設定に基づいて押圧操作のあった停止ボタン40L、40C、40Rに対応する操作有効ランプ122L、122C、122Rを消灯するとともに、対応するリール51L、51C、51Rの回転を停止させるリール停止処理を実施する(Se5)。
また、本実施例では、前述した内部抽選処理によりいずれかの賞に該当する内部当選フラグがセットされている場合に限り、その賞に該当する図柄の組み合わせが所定の有効ライン上に揃うように停止制御し、また、いずれの賞にも該当する内部当選フラグがセットされていない場合は、最終的に前記賞に該当する図柄の組み合わせが有効化された有効ライン上に揃わないように停止制御する。すなわち、内部抽選処理によりいずれかの賞に内部当選しない限り上記各賞に入賞することはなく、また、これにより繰り返し行われるゲーム中において各賞が平均的に発生することになる。
次いで、Se5において全てのリール51L、51C、51Rの回転が停止されたと判定した時点で、可変表示装置50に表示された表示内容と、Sa3において当選し、セットされている内部当選フラグの内容等とを照合して入賞内容の判定を行う入賞判定処理を実行する(Se6)。また、特にいずれかの賞に入賞したと判定した場合にあっては、入賞内容に対応した各種設定を実行する。この設定内容としては、例えば入賞内容に対応する払出しメダル枚数、遊技状態、再遊技等の設定がある。
Se6において判定された入賞内容に対応して設定された設定内容に基づく処理を実行する(Se7)。具体的には、設定された払出しメダル枚数分のメダルの払出処理や、遊技状態の変更(通常遊技状態から特別遊技状態へ、または特別遊技状態から通常遊技状態への変更等)処理等を実行する。
このように、ゲーム制御処理では、ゲームの進行に応じた各種の制御が行われる。また、このゲーム制御処理では、ゲームの進行状況に応じてその時点の遊技状態を特定可能な各種コマンドを演出制御基板201に対して送信する処理を行う。これら演出制御基板201に対して送信される各種コマンドは、前述した初期化コマンドと同様に、コマンド送出処理によって送信される。これら各種コマンドも、0〜37msの範囲で所定期間遅延して送信されることとなる。
このように、演出制御基板201に対する各種コマンドが所定期間遅延して送信されることで、遊技制御基板200が制御する遊技状態と同期してこの遊技状態を特定可能なコマンドが送信されることに伴う不都合、例えば、リールの図柄表示状態等が同期して演出制御基板201に送信され、特定の図柄を揃えるためのタイミング等が報知されてしまう、いわゆる目押しアシスト等が実行されてしまうことに伴う不都合の発生を防止できる。
図15は、電源監視用IC224からの電圧低下信号に基づくNMIに応じて実行されるメインバックアップ処理としてのメイン停電時割込処理を示すフローチャートである。すなわちメイン停電時割込処理とは、電源基板202より遊技制御基板200に供給される+8V電源電圧が、停電により所定値の電圧である7.2V以下となった場合に実行される処理である。
メイン停電時割込処理においては、まず、割込禁止に設定する(Sf1)。メイン停電時割込処理ではRAM212のデータの保存を確実にするためにチェックサムの生成処理を行う。その処理中に他の割込処理が行われたのではチェックサムの生成処理が完了しないうちにCPU211が動作し得ない電圧にまで低下してしまうことも考えられるので、まず、他の割込が生じないような設定がなされる。
次いで、電源断フラグが既にセットされているか否か確認する(Sf2)。電源断フラグが既にセットされていれば、以後の処理を行わない。これにより、電源投入後、電源断フラグがクリアされる以前、すなわち遊技状態の復帰が完了する以前にNMIが発生してメインバックアップデータが上書きされてしまう等の不都合を回避できる。
電源断フラグがセットされていなければ、以下の処理を実行する。
まず、全ての出力ポートをオフ状態にする(Sf3)。そして、各レジスタの内容、すなわちその時点の遊技状態を特定可能な遊技情報としてのメインバックアップデータをRAM212のバックアップRAM領域1〜3に格納する(Sf4〜Sf6)。この際、RAM212におけるバックアップRAM領域1〜3には、同一のメインバックアップデータが格納される。これにより停電時の遊技状態のバックアップをより確実に行うことが可能となる。更に、RAM212におけるバックアップRAM領域全体のデータに基づいてパリティデータを生成し(Sf7)、生成したパリティデータをパリティデータ格納領域に格納する(Sf8)。その後、電源断フラグをセットする(Sf9)。この電源断フラグは、上述したように、電源投入時において停電からの復旧か否かを判断する際に使用される。次いで、RAM212をアクセス禁止状態にする(Sf10)。電源電圧が低下していく際には、各種信号線のレベルが不安定になってRAM212の内容が化ける可能性があるが、このようにRAM212へのアクセス禁止状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化けることはない。次いで、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実にCPU211は動作停止する。尚、本実施例のメイン停電時割込処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように構成しても良い。
次に、本実施例における演出制御基板に搭載された制御部230のCPU231が実行する各種制御内容を、図16〜図18のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
図16に示すように、電源が投入されると、まず、停電からの復旧時であったか否かを確認する(Sg1)。停電からの復旧時であったか否かは、電源断時に設定される電源断フラグによって確認される。
停電からの復旧時であった場合には、コマンド受信待ち時間が経過するまで、遊技制御基板200より送信される初期化コマンドの受信待ちの状態で待機する(Sg2、Sg3)。尚、コマンド受信待ち時間とは、電源投入後、遊技制御基板200のCPU211がメイン初期化処理を実行した際に演出制御基板201に送信する初期化コマンドを確実に受信できるのに十分な時間である。
コマンド受信待ち時間が経過しても初期化コマンドを受信しない場合には、RAM232におけるバックアップRAM領域のデータチェック(本実施例ではパリティチェック)を行う(Sg4、Sg5)。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、RAM232のバックアップRAM領域にサブバックアップデータが保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。
チェック結果が正常であれば、RAM232におけるバックアップ領域1〜3のサブバックアップデータを比較して、少なくとも2つのサブバックアップデータが一致するか否かにより正しいデータがバックアップされているかを確認する(Sg6、Sg7)。
比較結果が正常であれば、RAM232におけるバックアップ領域のサブバックアップデータから全レジスタを復帰するとともに(Sg8)、電源断フラグをクリアして(Sg9)、電源断前のルーチンに戻る。すなわち電源断時の演出状態に復帰する。
また、データチェックの結果並びに比較結果が正常でない場合には、演出状態を電源断時の状態に戻すことができないので、演出状態の初期化を行うサブ初期化処理を実行する(Sg10)。尚、Sg1において停電復旧時でないと確認された場合、すなわち電源断フラグがセットされていない場合や、Sg2、Sg3において遊技制御基板200から初期化コマンドを受信した場合、すなわち遊技制御部210のCPU211より演出状態の初期化が指示された場合にも、サブ初期化処理を実行する。
サブ初期化処理では、図17に示すように、レジスタ及びRAM232をクリアする処理(Sh1)を行った後、必要な初期値の設定処理(Sh2)を行う。更に、演出制御基板201が制御する各種ランプや表示器、スピーカ等の出力状態を初期状態とする(Sh3)。すなわち、レジスタやRAM232の初期化に伴って演出用周辺機器の出力状態も初期化されることとなる。
サブ初期化処理が終了すると、遊技制御基板200から送信される各種コマンドの受信待ちの状態となり(Sg11)、遊技制御基板200からコマンドを受信する毎に、受信したコマンドより特定される遊技状態に応じて、各種ランプや表示器、スピーカ等の演出用周辺機器の出力状態を制御し、各種の演出を行う演出制御処理(Sg12)を実行するループ処理に移行する。
図18は、電源監視用IC238からの電圧低下信号に基づくNMIに応じて実行されるサブ停電時割込処理を示すフローチャートである。すなわちサブ停電時割込処理とは、遊技制御基板200より演出制御基板201に供給される+5V電源電圧が、停電により予め定められた値の電圧である4.7V以下となった場合に実行される処理である。
サブ停電時割込処理においては、まず、割込禁止に設定する(Si1)。サブ停電時割込処理ではRAM232のデータの保存を確実にするためにチェックサムの生成処理を行う。その処理中に他の割込処理が行われたのではチェックサムの生成処理が完了しないうちにCPU231が動作し得ない電圧にまで低下してしまうことも考えられるので、まず、他の割込が生じないような設定がなされる。
次いで、電源断フラグが既にセットされているか否か確認する(Si2)。電源断フラグが既にセットされていれば、以後の処理を行わない。これにより、電源投入後、電源断フラグがクリアされる以前、すなわち演出状態の復帰が完了する以前にNMIが発生してバックアップデータが上書きされてしまう等の不都合を回避できる。
電源断フラグがセットされていなければ、以下の処理を実行する。
まず、全ての出力ポートをオフ状態にする(Si3)。そして、各レジスタの内容、すなわちその時点の演出状態を特定可能な演出情報としてのサブバックアップデータをRAM232のバックアップRAM領域1〜3に格納する(Si4〜Si6)。この際、RAM232のバックアップRAM領域1〜3には、同一のサブバックアップデータが格納される。これにより停電時の演出状態のバックアップをより確実に行うことが可能となる。更に、RAM232におけるバックアップRAM領域全体のデータに基づいてパリティデータを生成し(Si7)、生成したパリティデータをパリティデータ格納領域に格納する(Si8)。その後、電源断フラグをセットする(Si9)。この電源断フラグは、上述したように、電源投入時において停電からの復旧か否かを判断する際に使用される。次いで、RAM232をアクセス禁止状態にする(Si10)。電源電圧が低下していく際には、各種信号線のレベルが不安定になってRAM232の内容が化ける可能性があるが、このようにRAM232へのアクセス禁止状態にしておけば、バックアップRAM内のデータが化けることはない。次いで、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、内部的に動作停止状態になる。よって、電源断時に確実にCPU231は動作停止する。尚、本実施例のサブ停電時割込処理では最終部でプログラムをループ状態にしたが、ホールト(HALT)命令を発行するように構成しても良い。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1においては、遊技制御基板200のCPU211は、電源監視用IC224が監視する電圧の降下に伴ってメイン停電時割込処理を実行してバックアップを行うとともに、演出制御基板201のCPU231は、電源監視用IC238が監視する電圧の降下に伴ってサブ停電時割込処理を実行してバックアップを行うため、遊技制御基板200並びに演出制御基板201において電源断時のバックアップを確実に行うことができる。
また、遊技制御基板200において演出状態についての情報をバックアップする必要がないので、遊技制御基板200のバックアップ容量の負担を大幅に軽減することができる。
更に、電源投入後に、遊技制御基板200でレジスタやRAM212を初期化して遊技状態を初期化する場合には、演出制御基板201に対して初期化コマンドが送信され、演出制御基板201でもレジスタやRAM232を初期化して演出状態を初期化するようになるため、両者間の整合性を図ることができるとともに、電源投入後、演出制御基板201が電源断前の演出状態に復帰可能である場合には、RAM232に保存されたサブバックアップデータに基づいて電源断前の演出状態に復帰できるため、演出制御基板201は遊技制御基板200から指示を受けることなく独自に復帰することが可能となり、遊技制御基板200に負担をかけずに演出制御基板201を復帰させることができる。
また、本実施例のスロットマシン1においては、入賞確率、すなわち出玉率の設定操作が行われた場合に、遊技制御基板200ではメイン初期化処理が行われるとともに、それに伴って演出制御基板201に対して初期化コマンドが送信され、これにより演出制御基板201でもサブ初期化処理が行われるようになるため、設定値の変更時には、遊技制御基板200並びに演出制御基板201の双方を初期状態に戻すことができ、両者間の整合性を図ることができる。
また、本実施例のスロットマシン1においては、遊技状態を初期化するための操作が行われた場合に、遊技制御基板200ではメイン初期化処理が行われるとともに、それに伴って演出制御基板201に対して初期化コマンドが送信され、これにより演出制御基板201でもサブ初期化処理が行われるようになるため、設定値の変更時には、遊技制御基板200並びに演出制御基板201の双方を初期状態に戻すことができ、両者間の整合性を図ることができる。
また、本実施例のスロットマシン1においては、電源投入時に、遊技制御基板200が制御する遊技状態を、電源断前の状態に復帰できる場合には、自動的に電源断前の状態に復帰されるようになり、余分な操作を行う必要がないことから遊技状態の復帰を簡便に行うことができる。
また、本実施例のスロットマシン1においては、電源投入時に、遊技制御基板200が制御する遊技状態を、電源断前の状態に復帰できない場合において、その旨がエラーコードとしてゲーム回数表示部32に表示されるようになっており、エラーが発生した旨を外部に知らせることができ、迅速に対応可能となる。尚、本実施例では、ゲーム回数表示部32においてエラー報知を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、その他の表示器にてエラー発生の旨を表示するようにしても良いし、ランプの点灯や報知音を出力することでエラー発生を報知するようにしても良い。
また、本実施例のスロットマシン1においては、演出制御基板201においてサブ初期化処理が行われた場合には、レジスタやRAM232の初期化が行われるとともに、演出制御基板201が制御するランプや表示器、スピーカ等の演出用周辺機器の出力状態も初期状態とされるようになっており、遊技制御基板200では、初期化コマンドを演出制御基板201に対して送信するのみで、演出用周辺機器の出力状態も初期状態に制御することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、遊技制御基板200に設けられたDC−DCコンバータ223により、遊技制御基板200に搭載されたCPU211やRAM212等の各デバイスの駆動電圧、並びに演出制御基板201に搭載されたCPU231やRAM232等の各デバイスの駆動電圧を生成し、各々に供給する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各デバイスの駆動電圧を全て電源基板202において生成するようにしても良い。
また、演出制御基板201に搭載されるデバイスの駆動電圧は、遊技制御基板200から供給されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源基板202から演出制御基板201に直接供給されるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技制御基板200の電源監視用IC224が電源断を判別する電圧を+7.2V、演出制御基板201の電源監視用IC238が電源断を判別する電圧を+4.7Vとしているが、これらの数値は、任意であり、少なくとも、電源断を判別した後、各CPU211、CPU231が動作不能な電圧まで低下する前に、電源断時のバックアップを行うことが可能な数値とされていれば良い。
また、前記実施例では、遊技機としてメダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これら遊技機の種別が限定されるものではない。
前記実施例1における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
本発明の請求項1は、
所定の遊技(ゲーム)を実施可能な遊技機(スロットマシン1)であって、
遊技状態の制御を行うメインCPU(CPU211)と、前記メインCPUのワークメモリとして使用されるメインメモリ(RAM212)と、が搭載されたメイン制御基板(遊技制御基板200)と、
演出の制御を行うサブCPU(CPU231)と、前記サブCPUのワークメモリとして使用されるサブメモリ(RAM232)と、が搭載されたサブ制御基板(演出制御基板201)と、
を備え、
前記メインCPU(CPU211)は、該メインCPU(CPU211)が制御する遊技状態に応じてその時点のメインCPU(CPU211)の制御状態を特定可能な制御情報(コマンド)を、前記サブCPU(CPU231)に対して送信し、
前記サブCPU(CPU231)は、前記メインCPU(CPU211)から送信された制御情報(コマンド)を受信したときに、該受信した制御情報(コマンド)により特定される前記メインCPU(CPU211)の制御状態に応じた演出を実行するとともに、
前記遊技機は、
前記メイン制御基板(遊技制御基板200)に搭載され、該メイン制御基板(遊技制御基板200)に供給される電源の電圧を監視し、該電圧が所定の値(+7.2V)に降下した場合に、前記メインCPUに対してメイン電断信号を出力するメイン電源監視手段(電源監視用IC224)と、
前記サブ制御基板(演出制御基板201)に搭載され、該サブ制御基板(演出制御基板201)に供給される電源の電圧を監視し、該電圧が予め定められた値(+4.7V)に降下した場合に、前記サブCPUに対してサブ電断信号を出力するサブ電源監視手段(電源監視用IC238)と、
を更に備え、
前記メインCPU(CPU211)は、
前記メイン電断信号を検出した場合に、遊技状態を復帰させるためのバックアップデータ(メインバックアップデータ)を前記メインメモリ(RAM212)に保存するメインバックアップ手段(メイン停電時割込処理)と、
電源投入時に、前記メインメモリ(RAM212)に保存されているデータに基づいて電源断前の遊技状態に復帰可能であるか否かを判別する遊技状態復帰可否判別手段(電源断フラグの確認、バックアップ領域のパリティ診断、メインバックアップデータの比較)と、
該遊技状態復帰可否判別手段が復帰可能であると判別した場合に、前記メインメモリ(RAM212)に保存されているバックアップデータ(メインバックアップデータ)に基づいて電源断前の遊技状態に復帰させる遊技状態復帰手段(レジスタの復帰)と、
前記遊技状態復帰可否判別手段が復帰可能でないと判別した場合に、前記バックアップデータ(メインバックアップデータ)に基づいて復帰できない旨を報知する復帰不可報知手段と、
前記遊技状態復帰可否判別手段が復帰可能でないと判別した場合に、前記サブCPU(CPU231)に対して特定の制御情報(初期化コマンド)を送信する特定制御情報送信手段と、
を含み、
前記サブCPU(CPU231)は、
前記サブ電断信号を検出した場合に、演出状態を復帰させるためのバックアップデータ(サブバックアップデータ)を前記サブメモリ(RAM232)に保存するサブバックアップ手段(サブ停電時割込処理)と、
電源投入時に、前記メインCPU(CPU211)が前記特定の制御情報(初期化コマンド)を送信するのに十分な所定時間待機する待機手段と、
前記メインCPU(CPU211)から前記特定の制御情報(初期化コマンド)を受信したか否かを判別する特定制御情報受信判別手段(初期化コマンドの受信待ち)と、
電源投入後、前記特定の制御情報(初期化コマンド)を受信せずに前記所定時間が経過した後、前記サブメモリ(RAM232)に保存されているデータに基づいて電源断前の演出状態に復帰可能であるか否かを判別する演出状態復帰可否判別手段(電源断フラグの確認、バックアップ領域のパリティ診断、サブバックアップデータの比較)と、
該演出状態復帰可否判別手段が復帰可能であると判別した場合に、前記サブメモリ(RAM232)に保存されているバックアップデータ(サブバックアップデータ)に基づいて電源断前の演出状態に復帰させる演出状態復帰手段(レジスタの復帰)と、
電源投入時に、前記メインCPU(CPU211)から前記特定の制御情報(初期化コマンド)を受信したか否かを判別する特定制御情報受信判別手段(初期化コマンドの受信待ち)と、
を含み、
前記サブCPU(CPU231)は、電源投入後、前記所定時間が経過する前に前記特定制御情報受信判別手段が前記メインCPU(CPU211)から前記特定の制御情報(初期化コマンド)を受信したと判別した場合に、前記演出状態復帰可否判別手段により前記サブメモリ(RAM232)に保存されているデータに基づいて電源断前の演出状態に復帰可能であるか否かの判定を行わず、前記演出状態復帰手段により前記サブメモリ(RAM232)に保存されているバックアップデータ(サブバックアップデータ)に基づいて電源断前の演出状態に復帰させない、
ことを特徴としている。
本発明の請求項2は、
前記メイン基板(遊技制御基板200)側には、前記メインCPU(CPU211)及びサブCPU(CPU231)の駆動電圧の元となる第1の値の電圧(+8V)から、前記メインCPU(CPU211)及びサブCPU(CPU231)の駆動に用いるために前記第1の値(+8V)よりも低い第2の値の電圧(+5V)を生成するDC−DCコンバータ(DC−DCコンバータ223)が設けられ、
前記メイン電源監視手段(電源監視用IC224)は、前記第1の値の電圧(+8V)を前記DC−DCコンバータ(DC−DCコンバータ223)に供給するために該メイン基板(遊技制御基板200)上に配線された前記メイン電源供給ラインの電圧を導入して監視し、
前記サブ電源監視手段(電源監視用IC238)は、前記DC−DCコンバータ(DC−DCコンバータ223)により生成された前記第2の値の電圧(+5V)を前記メインCPU(CPU211)に供給するための電源供給ラインから分岐して前記メイン基板(遊技制御基板200)から供給された前記第2の値の電圧(+5V)を前記サブCPU(CPU231)に供給するために該サブ基板(演出制御基板201)上に配線された第2の電源供給ラインの電圧を導入して監視するとともに、
前記メイン電源監視手段(電源監視用IC224)は、前記第1の電源供給ラインの電圧が、前記第1の値(+8V)よりも低く、前記第2の値(+5V)よりも高い第3の値(+7.2V)に降下したときに、前記メインCPU(CPU211)に対して前記メイン電断信号を出力し、
前記サブ電源監視手段(電源監視用IC238)は、前記第2の電源供給ラインの電圧が、前記第2の値(+5V)よりも低く、前記サブCPU(CPU231)が動作を停止する電圧の値(+3.5V)よりも高い第4の値(+4.7V)に降下したときに、前記サブCPU(CPU231)に対して前記サブ電断信号を出力する。
本発明の請求項3は、前記メインバックアップ手段(メイン停電時割込処理)及び/または前記サブバックアップ手段(サブ停電時割込処理)は、同一のバックアップデータを複数保存する処理を行う。
(実施例2)
本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。図19は、本発明が適用された遊技機の一例であるパチンコ機600の正面図である。
図19に示すように、パチンコ機600は、額縁状に形成されたガラス扉枠602を有する。ガラス扉枠602の下部表面には打球供給皿603がある。打球供給皿603の下部には、打球供給皿603からあふれた景品球を貯留する余剰球受皿604と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)605が設けられている。ガラス扉枠602の後方には、遊技盤606が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤606の前面には遊技領域607が設けられている。
遊技領域607の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部609と7セグメントLEDによる可変表示器610とを含む可変表示装置608が設けられている。この実施の形態では、可変表示部609には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置608の側部には、打球を導く通過ゲート611が設けられている。通過ゲート611を通過した打球は、球出口613を経て始動入賞口614の方に導かれる。通過ゲー6ト11と球出口613との間の通路には、通過ゲート611を通過した打球を検出するゲートスイッチ612(図20参照)がある。また、始動入賞口614に入った入賞球は、遊技盤606の背面に導かれ、始動口スイッチ617(図20参照)によって検出される。また、始動入賞口614の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置615が設けられている。可変入賞球装置615は、ソレノイド616(図20参照)によって開状態とされる。
可変入賞球装置615の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド621(図20参照)によって開状態とされる開閉板620が設けられている。開閉板620から遊技盤606の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ622(図20参照)で検出される。また、開閉板620からの入賞球はカウントスイッチ623(図20参照)で検出される。可変表示装置608の下部には、始動入賞口614に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器618が設けられている。本実施例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器618は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部609の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
遊技盤606には、複数の入賞口619、624が設けられ、遊技球の入賞口619、624への入賞は入賞口スイッチ619a、624a(図20参照)によって検出される。遊技領域607の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ625が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を回収するアウト口626がある。また、遊技領域607の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ627が設けられている。遊技領域607の外周には、遊技効果LED628a及び遊技効果ランプ628b、628cが設けられている。
そして、遊技領域607の外側の左側部に、景品球払出時に点灯する賞球ランプ651が設けられ、右側部に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ652が設けられている。更に、図19には、パチンコ機600に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット700も示されている。
カードユニット700には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ751、プリペイドカードに記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿603の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ752、カードユニット700が左右いずれの側のパチンコ機600に対応しているのかを示す連結台方向表示器753、カードユニット700内にプリペイドカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ754、記録媒体としてのプリペイドカードが挿入されるカード挿入口755、及びカード挿入口755の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット700を解放するためのカードユニット錠756が設けられている。
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域607に入り、その後、遊技領域607を下りてくる。打球が通過ゲート611を通ってゲートスイッチ612で検出されると、可変表示器610の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口614に入り始動口スイッチ617で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部609内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
可変表示部609内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板620が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板620の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ622で検出されると、継続権が発生し開閉板620の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示部609内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとって更に有利な状態となる。また、可変表示器610における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置615が所定時間だけ開状態になる。更に、高確率状態では、可変表示器610における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置615の開放時間と開放回数が高められる。
本実施例では、パチンコ機600の裏面に設けられたリセットボタン(図示略)を押圧した状態で電源投入を行う操作により、後述するリセットスイッチ629(図20参照)のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわちRAM212の記憶内容の初期化が実行されるとともに、前記リセットボタンの近傍に設けられた設定ボタン(図示略)の操作による設定スイッチ630(図20参照)の検出が有効となり、この設定ボタンの操作により前述した大当り遊技状態へ移行させるか否かを決定する大当り抽選確率、すなわち制御による出玉率の変更が実行可能となる。すなわち、リセットボタンを押圧した状態で電源投入する操作が、本発明におけるメインメモリをクリアする操作並びに出玉率の設定操作として機能することとなる。
図20は、パチンコ機600の構成を示すブロック図である。本実施例のパチンコ機600は、遊技状態の制御を行う遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)631、球払出装置697による景品球の払出制御等を行う賞球制御用マイクロコンピュータ(基本回路)653等が搭載された賞球制御基板638、可変表示部609を制御する可変表示制御用マイクロコンピュータ681(図21参照)等が搭載された可変表示制御基板680、スピーカ627からの音声出力を制御する音制御用マイクロコンピュータ671(図21参照)等が搭載された音制御基板670、遊技効果ランプ・LED628a、628b、628c、賞球ランプ651及び球切れランプ652の点灯状態を制御するランプ制御用マイクロコンピュータ636(図21参照)等が搭載されたランプ制御基板635、操作ノブ605の検出状況に応じて打球発射モータ694の駆動制御を行うための回路が設けられた発射制御基板691を備える。
これら各基板のうち、主基板631は、遊技状態を制御する基板である。すなわち本発明のメイン制御基板に該当する。また、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635は、主基板631が制御する遊技状態に応じて各々が担当する演出用周辺機器である可変表示器、スピーカ、ランプ等の出力状態を制御するものであり、遊技状態に応じた演出状態を制御する基板である。すなわち本発明のサブ制御基板に該当する。
主基板631には、プログラムに従ってパチンコ機600を制御する基本回路653と、主基板631に接続されたスイッチからの入力信号を基本回路653に与えるスイッチ回路658と、主基板631に接続されたソレノイドを基本回路653からの指令に従って駆動するソレノイド回路659と、主基板631に接続されたランプ並びにLEDを駆動するランプ・LED回路660とが搭載されている。
また、基本回路653から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部609の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路664を含む。
基本回路653は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM654、ワークメモリとして使用されるメインメモリとしてのRAM655、制御用のプログラムに従って制御動作を行うメインCPUとしてのCPU656及びI/Oポート657を含む。
また、本実施例の基本回路653に含まれるRAM655は、前述した実施例1の遊技制御基板200の制御部210に含まれるRAM212(図6参照)と同様に、ワーク領域と、バックアップ領域1〜3と、パリティデータ格納領域と、から構成されており、このうちワーク領域は非バックアップRAM領域とされ、バックアップ領域1〜3並びにパリティデータ格納領域は、バックアップRAM領域とされている。
更に、主基板631には、電源投入時に基本回路653をリセットするための初期リセット回路665と、基本回路653から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート657のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路667とが設けられている。
主基板631から賞球制御基板638へは、バッファ回路(図示略)を介して賞球の払出等を指示する賞球制御コマンドが出力される。また、主基板631から可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635へは、前述のバッファ回路を介して基本回路653が制御する遊技状態を特定可能な各種コマンドや演出状態の初期化を指示する旨の初期化コマンド(初期化命令)が出力される。バッファ回路は、主基板631の内部から外部への信号の出力を許容するが主基板631の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、主基板631と外部の基板との間において、主基板631から外部の基板への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して主基板631に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
賞球制御基板638に搭載された賞球制御用マイクロコンピュータは、主基板631から送信された賞球制御コマンドに基づいて球払出装置697を駆動し、指示された個数の賞球の払出を実施する。
また、賞球制御基板638は隣接されるカードユニット700と双方向通信可能に接続されており、賞球制御用マイクロコンピュータは、カードユニット700からの球貸要求に基づいて球払出装置697を駆動し、要求された個数の遊技球の貸出を実施する。
図21に示すように、可変表示制御基板680には、可変表示制御用マイクロコンピュータ681と、可変表示部609を構成する液晶表示器を表示制御するための表示駆動回路682と、が搭載されている。
可変表示制御用マイクロコンピュータ681は、サブCPUとしてのCPU681aと、サブメモリとしてのRAM681bと、ROM681cと、I/Oポート681dと、を含む。
ROM681cには、主基板631から送信されるコマンドに対応して可変表示パターンを定めたキャラクタテーブルが記憶されており、CPU681aは、始動入賞時に実行する大当り抽選の当選状況を示すコマンドを主基板631から受信した場合、そのコマンドにより特定される当選状況に応じた可変表示パターンを抽出し、この抽出した可変表示パターンに基づく可変表示制御を行う。
音制御基板670には、音制御用マイクロコンピュータ671と、スピーカ627を駆動するための音声駆動回路672と、が搭載されている。
音制御用マイクロコンピュータ671は、サブCPUとしてのCPU671aと、サブメモリとしてのRAM671bと、ROM671cと、I/Oポート671dと、を含む。
ROM671cには、主基板631から送信されるコマンドに対応して出力パターンを定めた音声テーブルが記憶されており、CPU671aは、所定の遊技状態を示すコマンドを主基板631から受信した場合、そのコマンドにより特定される遊技状態に応じた出力パターンを抽出し、この抽出した出力パターンに基づく音声出力制御を行う。
ランプ制御基板635には、ランプ制御用マイクロコンピュータ636と、遊技効果ランプ・LED628a、628b、628c、賞球ランプ651及び球切れランプ652を駆動するためのランプ駆動回路637と、が搭載されている。
ランプ制御用マイクロコンピュータ636は、サブCPUとしてのCPU636aと、サブメモリとしてのRAM636bと、ROM636cと、I/Oポート636dと、を含む。
ROM636cには、主基板631から送信されるコマンドに対応して点灯パターンを定めたランプ制御テーブルが記憶されており、CPU636aは、所定の遊技状態を示すコマンドを主基板631から受信した場合、そのコマンドにより特定される遊技状態に応じた点灯パターンを抽出し、この抽出した点灯パターンに基づきランプ・LED628a、628b、628c、賞球ランプ651及び球切れランプ652の点灯制御を行う。
また、可変表示制御用マイクロコンピュータ681、音制御用マイクロコンピュータ671、ランプ制御用マイクロコンピュータ636のRAM681a、671a、636aは、前述した実施例1の演出制御基板201の制御部230に含まれるRAM232(図6参照)と同様に、ワーク領域と、バックアップ領域1〜3と、パリティデータ格納領域と、から構成されており、このうちワーク領域は非バックアップRAM領域とされ、バックアップ領域1〜3並びにパリティデータ格納領域は、バックアップRAM領域とされている。
図22は、パチンコ機600の電源基板910の構成を示すブロック図である。電源基板910は、主基板631、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635及び賞球制御基板638等の制御基板と独立して設置され、パチンコ機600内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。本実施例では、AC24V、DC+30V、DC+21V、DC+12V及びDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。
トランス911は、交流電源からの交流電圧をAC24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913及びコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、+21V、+12V及び+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各制御基板及び機構部品に必要な電圧の電力が供給される。このうち+12V並びに+21Vは主基板631に供給され、主基板631に直接または間接的に接続されたスイッチや表示器等の遊技用周辺機器等の遊技用周辺機器の駆動電圧として使用されるとともに、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635及び賞球制御基板638に供給され、これら各基板に直接または間接的に接続された液晶表示器やスピーカ、ランプ等の演出用周辺機器の駆動電圧として使用される。また、+8Vは主基板631並びに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635及び賞球制御基板638に供給され、これら各基板に搭載されたCPU等の各デバイスの駆動電圧として使用される。尚、トランス911の入力側には、パチンコ機600に対する電源供給を停止したり開始させたりするための電源スイッチ(図示略)が設置されている。
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、パチンコ機600に対する電力供給が遮断されたときの各制御基板に搭載されたRAMに対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。尚、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いても良い。
図23は、主基板631における電源監視及び電源バックアップのためのCPU656周りの構成例を示すブロック図である。図23に示すように、メイン電源監視手段としての電源監視用IC902からの電圧低下信号が、CPU656のマスク不能割込端子(NMI端子)に接続されている。すなわち、CPU656は、電源監視用IC902からの電圧低下信号の入力に基づく割込処理により電源断の発生を確認することができる。
電源監視用IC902は、+30V電源電圧を導入し、+30V電源電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、+30V電源電圧が所定の値(本実施例では+21V)以下になったら、電源断が生ずるとして電圧低下信号を出力する。
電源監視用IC902が電源断を検知するための所定の値は、通常時の電圧より低いが、CPU656が暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902は、CPU656を駆動させるための電圧(本実施例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように設定されていることが好ましい。監視電圧をそのような電圧に設定した場合には、CPU656が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができ、より精密な監視を行うことができる。また、電源断の発生が検知された後もしばらくは+5V電圧がCPU656等のデバイスに対して供給されるため、電圧低下信号の入力に基づきCPU656が後述のメイン停電時割込処理を行うのに必要な時間を十分に確保することができる。
本実施例の場合には、主基板631のCPU656が電圧低下信号を受信してからメイン停電時割込処理を完了するまでに必要な時間が、約2ms程度であるのに対して、電源基板910から導入された+30V電圧が+21Vまで降下してから+5Vまで降下する時間、すなわち電源断の検知後、CPU656の駆動電圧が降下を開始するまでの時間が約200msとされている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも電源断が発生した場合に、主基板631におけるCPU656の駆動電圧がメイン停電時割込処理を完了するまで保持できる時間に設定されていれば良い。
また、本実施例では、電源監視用IC902がCPU656等の各デバイスの駆動電圧や主基板631に接続されたスイッチや表示器等の遊技用周辺機器を駆動させるための電源電圧の元となる電圧、すなわち電源基板910にて交流から直流に変換された直後の電圧である+30Vの電圧が監視されるようになっており、各デバイスや遊技用周辺機器の駆動状況により上下し易い駆動電圧に比較して安定した電圧が監視されるようになるため、一時的な電圧降下に伴って電源断の発生が判別され、後述のメイン停電時割込処理が行われてしまう等の誤動作を防止できる。
図24は、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635における電源監視及び電源バックアップのためのCPU周りの構成を示すブロック図である。尚、これら各制御基板における電源監視及び電源バックアップのためのCPU周りの構成はほぼ同一であるため、ここでは可変表示制御基板680を例に説明する。
図24に示すように、サブ電源監視手段としての電源監視用IC1102からの電圧低下信号が、CPU681a(CPU671a、636a)のマスク不能割込端子(NMI端子)に接続されている。すなわち、CPU681aは、電源監視用IC1102からの電圧低下信号の入力に基づく割込処理により電源断の発生を確認することができる。
電源監視用IC1102は、+30V電源電圧を導入し、+30V電源電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、+30V電源電圧が予め定められた値(本実施例では+15V)以下になったら、電源断が生ずるとして電圧低下信号を出力する。
電源監視用IC1102が電源断を検知するための予め定められた値は、通常時の電圧より低いが、CPU681a(CPU671a、636a)が暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC1102は、CPU681a(CPU671a、636a)を駆動させるための電圧(本実施例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように設定されていることが好ましい。監視電圧をそのような電圧に設定した場合には、CCPU681a(CPU671a、636a)が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができ、より精密な監視を行うことができる。また、電源断の発生が検知された後もしばらくは+5V電圧がCPU681a(CPU671a、636a)等のデバイスに対して供給されるため、電圧低下信号の入力に基づきCPU681a(CPU671a、636a)が後述のサブ停電時割込処理を行うのに必要な時間を十分に確保することができる。
本実施例の場合には、可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)のCPU681a(CPU671a、636a)が電圧低下信号を受信してからサブ停電時割込処理を完了するまでに必要な時間が、約16ms程度であるのに対して、電源基板910から導入された+30V電圧が+15Vまで降下してから+5Vまで降下する時間、すなわち電源断の検知後、CPU681a(CPU671a、636a)の駆動電圧が降下を開始するまでの時間が約150msとされている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも電源断が発生した場合に、可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)におけるCPU681a(CPU671a、636a)の駆動電圧がサブ停電時割込処理を完了するまで保持できる時間に設定されていれば良い。
また、本実施例では、電源監視用IC1102がCPU681a(CPU671a、636a)等の各デバイスの駆動電圧や可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)に接続された液晶表示器(スピーカ、ランプ)等の演出用周辺機器を駆動させるための電源電圧の元となる電圧、すなわち電源基板910にて交流から直流に変換された直後の電圧である+30Vの電圧が監視されるようになっており、各デバイスや演出用周辺機器の駆動状況により上下し易い駆動電圧に比較して安定した電圧が監視されるようになるため、一時的な電圧降下に伴って電源断の発生が判別され、後述のサブ停電時割込処理が行われてしまう等の誤動作を防止できる。
また、本実施例では、主基板631の電源監視用IC902が電圧低下信号を出力する電圧である+21Vの方が、可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)の電源監視用IC1102が電圧低下信号を出力する電圧である+15Vよりも高い電圧に設定されており、主基板631のCPU656が行うメイン停電時割込処理よりも可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)のCPU681a(CPU671a、636a)が行うサブ停電時割込処理の方が遅れて行われるようになるため、主基板631のCPU656が制御する遊技状態が進行しているにも関わらず、その遊技状態を反映せずに可変表示制御基板680(音制御基板670、ランプ制御基板635)のCPU681a(CPU671a、636a)によるサブ停電時割込処理が行われてしまうことを防止できる。
次に、本実施例における主基板631に搭載されたCPU656が実行する各種制御内容を以下に説明する。尚、CPU656の制御内容は、前記実施例のCPU211が行う制御内容のうちゲーム制御処理以外の制御内容(図10〜図13、図15参照)とほぼ同一であるので、ここでは簡便に説明する。
CPU656は、電源が投入されると、まず、設定値の変更または遊技状態の初期化を行うための操作に基づく電源投入、すなわちリセットスイッチ629がonの状態であるかを確認する。リセットスイッチ629がonであった場合には、遊技状態の初期化を行う遊技情報初期化実行処理としてのメイン初期化処理を実行するとともに、大当り確率の設定値の変更が実施可能な設定変更処理を実行する。
メイン初期化処理では、初期化コマンドを可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に送出するコマンド送出処理を行う。この初期化コマンドの送信により、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635が制御する演出状態も初期化されることとなる。
また、電源投入時にリセットスイッチ629がoffであった場合には、停電からの復旧時であったか否かを確認する。
停電からの復旧時であった場合には、RAM655におけるバックアップRAM領域のデータチェックを行うとともにバックアップ領域1〜3のメインバックアップデータを比較して、少なくとも2つのメインバックアップデータが一致するか否かにより正しいデータがバックアップされているかを確認する。
これらの結果が正常であれば、RAM655におけるバックアップ領域のメインバックアップデータから全レジスタを復帰して電源断前のルーチンに戻る。すなわち電源断時の遊技状態に復帰する。
また、データチェックの結果並びに比較結果が正常でない場合には、遊技状態を電源断時の状態に戻すことができないので、メイン初期化処理を実行し、遊技状態を初期化する。尚、停電復旧時でないと確認された場合にも、メイン初期化処理を実行する。
前述の設定変更処理が終了した場合、またはメイン初期化処理が終了すると、前述した大当り抽選に用いる乱数値の更新処理と、所定期間(本実施例では2ms)毎に実行されるタイマ割込処理によってセットされるタイマ割込フラグの有無を確認し、タイマ割込フラグがセットされている場合にゲーム制御処理と、を繰返し実行するループ処理に移行する。
また、停電が発生して電源監視用IC902からの電圧低下信号に基づくNMIが入力された場合には、メイン停電時割込処理を実行する。メイン停電時割込処理では、各レジスタの内容、すなわちその時点の遊技状態を特定可能な遊技情報としてのメインバックアップデータがRAM655のバックアップRAM領域1〜3に格納されるとともに、バックアップRAM領域全体のデータに基づいてパリティデータが生成され、パリティデータ格納領域に格納される。この際、バックアップRAM領域1〜3には、同一のメインバックアップデータが格納される。これにより停電時の遊技状態のバックアップをより確実に行うことが可能となる。
次に、本実施例における可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に搭載されたCPU681a、671a、636aが実行する各種制御内容を以下に説明する。尚、これらCPU681a、671a、636aの制御内容は、前記実施例のCPU231が行う制御内容(図16〜図18)とほぼ同一であるので、ここでは簡便に説明する。
CPU681a、671a、636aは、電源が投入されると、まず、停電からの復旧時であったか否かを確認する。停電からの復旧時であった場合には、コマンド受信待ち時間が経過するまで、主基板631より送信される初期化コマンドの受信待ちの状態で待機する。
コマンド受信待ち時間が経過しても初期化コマンドを受信しない場合には、RAM681b、671b、636bにおけるバックアップRAM領域のデータチェックを行うとともにバックアップ領域1〜3のサブバックアップデータを比較して、少なくとも2つのサブバックアップデータが一致するか否かにより正しいデータがバックアップされているかを確認する。
これらの結果が正常であれば、RAM681b、671b、636bにおけるバックアップ領域のサブバックアップデータから全レジスタを復帰して電源断前のルーチンに戻る。すなわち電源断時の演出状態に復帰する。
また、データチェックの結果並びに比較結果が正常でない場合には、演出状態を電源断時の状態に戻すことができないので、サブ初期化処理を実行し、演出状態を初期化する。尚、停電復旧時でないと確認された場合にも、サブ初期化処理を実行する。
サブ初期化処理では、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635が制御する表示器、ランプ、スピーカ等の出力状態を初期状態とする。すなわち、レジスタやRAM681b、671b、636bの初期化に伴って演出用周辺機器の出力状態も初期化されることとなる。
サブ初期化処理が終了すると、主基板631から送信される各種コマンドの受信待ちの状態となり、主基板631からコマンドを受信する毎に、受信したコマンドより特定される遊技状態に応じて、表示器や、ランプ、スピーカ等の各CPUが担当する演出用周辺機器の出力状態を制御し、各種の演出を行う演出制御処理を実行するループ処理に移行する。
また、停電が発生して電源監視用IC1102からの電圧低下信号に基づくNMIが入力された場合には、サブ停電時割込処理を実行する。サブ停電時割込処理では、各レジスタの内容、すなわちその時点の演出状態を特定可能な演出情報としてのサブバックアップデータがRAM681b、671b、636bのバックアップRAM領域1〜3に格納されるとともに、バックアップRAM領域全体のデータに基づいてパリティデータが生成され、パリティデータ格納領域に格納される。この際、バックアップRAM領域1〜3には、同一のメインバックアップデータが格納される。これにより停電時の遊技状態のバックアップをより確実に行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機600においては、主基板631のCPU656は、電源監視用IC902が監視する電圧の降下に伴ってメイン停電時割込処理を実行してバックアップを行うとともに、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635のCPU681a、671a、636aは、電源監視用IC1102が監視する電圧の降下に伴ってサブ停電時割込処理を実行してバックアップを行うため、主基板631並びに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635において電源断時のバックアップを確実に行うことができる。
また、主基板631において演出状態についての情報をバックアップする必要がないので、主基板631のバックアップ容量の負担を大幅に軽減することができる。
更に、電源投入後に、主基板631でレジスタやRAM655を初期化して遊技状態を初期化する場合には、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に対して初期化コマンドが送信され、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635でもレジスタやRAM681b、671b、636bを初期化して演出状態を初期化するようになるため、各基板の整合性を図ることができるとともに、電源投入後、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635が電源断前の演出状態に復帰可能である場合には、RAM681b、671b、636bに保存されたサブバックアップデータに基づいて電源断前の演出状態に復帰できるため、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635は主基板631から指示を受けることなく独自に復帰することが可能となり、主基板631に負担をかけずに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635を復帰させることができる。
また、本実施例のパチンコ機600においては、大当り確率、すなわち出玉率の設定操作が行われた場合に、主基板631ではメイン初期化処理が行われるとともに、それに伴って可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に対して初期化コマンドが送信され、これにより可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635でもサブ初期化処理が行われるようになるため、設定値の変更時には、主基板631並びに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635の全てを初期状態に戻すことができ、各基板の整合性を図ることができる。
また、本実施例のパチンコ機600においては、遊技状態を初期化するための操作が行われた場合に、主基板631ではメイン初期化処理が行われるとともに、それに伴って可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に対して初期化コマンドが送信され、これにより可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635でもサブ初期化処理が行われるようになるため、遊技状態の初期化操作が行われた場合には、主基板631並びに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635の全てを初期状態に戻すことができ、各基板の整合性を図ることができる。
また、本実施例のパチンコ機600においては、電源投入時に、主基板631が制御する遊技状態を、電源断前の状態に復帰できる場合には、自動的に電源断前の状態に復帰されるようになり、余分な操作を行う必要がないことから遊技状態の復帰を簡便に行うことができる。
また、本実施例のパチンコ機600においては、電源投入時に、主基板631が制御する遊技状態を、電源断前の状態に復帰できない場合において、その旨がエラーコードとして可変表示部609に表示されるようになっており、エラーが発生した旨を外部に知らせることができ、迅速に対応可能となる。尚、本実施例では、可変表示部609においてエラー報知を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、その他の表示器にてエラー発生の旨を表示するようにしても良いし、ランプの点灯や報知音を出力することでエラー発生を報知するようにしても良い。
また、本実施例のパチンコ機600においては、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635においてサブ初期化処理が行われた場合には、レジスタやRAM681b、671b、636bの初期化が行われるとともに、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635が制御する表示器、ランプ、スピーカ等の演出用周辺機器の出力状態も初期状態とされるようになっており、主基板631では、初期化コマンドを可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に対して送信するのみで、演出用周辺機器の出力状態も初期状態に制御することができる。
以上、本発明の実施例2を図面により説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、電源基板910に設けられたDC−DCコンバータ913により、主基板631に搭載されたCPU656やRAM655等の各デバイスの駆動電圧、並びに可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に搭載されたCPU681a、671a、636aやRAM681b、671b、636b等の各デバイスの駆動電圧を生成し、各々に供給する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各デバイスの駆動電圧を各基板にて生成するようにしても良い。
また可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635に搭載されるデバイスの駆動電圧は、電源基板910から供給されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、主基板631を介して供給されるようにしても良い。
また、前記実施例では、主基板631の電源監視用IC902が電源断を判別する電圧を+21V、可変表示制御基板680、音制御基板670、ランプ制御基板635の電源監視用IC1102が電源断を判別する電圧を+15Vとしているが、これらの数値は、任意であり、少なくとも、電源断を判別した後、各CPUが動作不能な電圧まで低下する前に、電源断時のバックアップを行うことが可能な数値とされていれば良い。
また、前記実施例では、遊技機としてパチンコ球を使用してゲーム実施可能な通常のパチンコ機を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球が内部で循環する封入式パチンコ機、更には画像式のパチンコ機にも適用可能であることはいうまでもなく、これら遊技機の種別が限定されるものではない。