JP4155690B2 - バーナ装置及びバーナ装置を備えたガスタービンシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、補助燃焼を行わせるパイロット流路を、略筒状のパイロット流路本体の内部空間に形成すると共に、前記パイロット流路本体の周囲に略筒状のメイン流路本体を設けて、これらパイロット流路本体とメイン流路本体との間の空間に、主燃焼を行わせるメイン流路を形成し、前記メイン流路及び前記パイロット流路に燃料を供給する燃料供給手段と、前記メイン流路及び前記パイロット流路に燃焼用の酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段とを備えたバーナ装置およびバーナ装置を備えたガスタービンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地域発電、地域暖房などを行う為に、種々のコージェネレーションシステムが提案されている。このようなコージェネレーションシステムの代表的なものとしては、例えば、燃焼排ガスを燃焼させるバーナ装置と、当該バーナ装置で生じた燃焼排ガスを用いて回転駆動させるガスタービンとを備え、当該ガスタービンの回転を利用して発電を行うものがある。
【0003】
このようなガスタービンに用いられるバーナ装置の一例を図2に示す。当該バーナ装置は、主に、メイン流路M1、および、パイロット流路P1、燃焼室である燃焼筒4を備えている。前記メイン流路M1は、主燃焼を行う混合気、即ち、燃料及び酸素含有ガスを燃焼筒4に供給する部分である。前記パイロット流路P1は、補助燃焼を行う混合気、即ち、燃料及び酸素含有ガスを燃焼筒4に供給する部分である。バーナ装置の運転に際しては、補助燃焼の炎を用いて、メイン流路M1から供給される混合気に着火し、燃焼筒4の内部で燃焼炎を形成させる。
一般に、何れのバーナ装置を運転する際にも排出NOx量の低減化が求められる。そのため、図2に示すバーナ装置では、希薄燃焼を行うことで低NOx化を図っていた。即ち、主燃焼用の混合気に対して、燃焼筒4に設けた複数の流体流入孔13から酸素含有ガスを吹き付ける構成とし、主燃焼用の混合気を希薄なものとしていた。これにより、主燃焼に際して局所的な高温燃焼が生じるのを防止してNOxの発生量を抑制していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のバーナ装置を含めた一般のバーナ装置では、補助燃焼を確実に行わせるために、主燃焼に係る上記希薄混合気に比べて酸素濃度の小さい、所謂、濃い混合気を用いた燃焼を行う。このため、補助燃焼においては、上記主燃焼に比べて局所的な高温燃焼が生じ易く、NOxの発生量もある程度増大してしまう。
【0005】
しかも、図2に示す上記従来のバーナ装置では、パイロット流路P1から吐出される混合気の流速と、メイン流路M1から吐出される混合気の流速とが略等しいものであったため、パイロット流路P1からの混合気とメイン流路M1からの混合気とが混じり合うことがない。この結果、補助燃焼用の混合気は主燃焼用の混合気に比べて高濃度のままで燃焼を終えることとなる。つまり、補助燃焼にあっては局所的な高温燃焼が生じ易く、NOxの発生量を低減するにも一定の限界があった。
一方、排出NOx量を抑制すべく、混合気の供給量を高温燃焼が生じない程度に設定する場合には、バーナ装置の定格燃焼負荷を低下させることになるため、バーナ装置の性能を十分に活用できないことになる。
【0006】
本発明の目的は、上記従来のバーナ装置の欠点を解決し、バーナ装置内部での燃焼状態を均一化して、排出NOx量を抑制し得るバーナ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(構成1)
本発明に係るバーナ装置は、請求項1に記載したごとく、補助燃焼を行わせるパイロット流路を、略筒状のパイロット流路本体の内部空間に形成すると共に、前記パイロット流路本体の周囲に略筒状のメイン流路本体を設けて、これらパイロット流路本体とメイン流路本体との間の空間に、主燃焼を行わせるメイン流路を形成し、
前記メイン流路及び前記パイロット流路に各別に燃料を供給する燃料供給手段を前記パイロット流路本体の内部に備えると共に、前記メイン流路及び前記パイロット流路に燃焼用の酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を備え、
前記メイン流路から吐出される流体の一部を前記パイロット流路の吐出下流側部位に巻き込まれる循環流とする循環流形成手段が、下流側ほど拡径された前記パイロット流路本体と、下流側ほど縮径された前記メイン流路本体とから構成され、
前記パイロット流路に前記燃料供給手段が燃料を供給する位置よりも下流側の部位に第1スワラを設けると共に、前記メイン流路に前記燃料供給手段が燃料を供給する位置よりも上流側の部位に第2スワラを設けて成る点に特徴を有する。
(作用効果)
本構成のごとく、前記メイン流路から吐出する流体の一部を前記パイロット流路の吐出下流側部位に巻き込んで循環流とする循環流形成手段を備えたバーナ装置であれば、以下の効果が生じる。
まず、補助燃焼を行う混合気に注目すると、当該補助燃焼中の混合気にメイン流路の側から希薄混合気が流入するため、補助燃焼途中の混合気が希薄化され、局所的な高温燃焼の発生が防止される。この結果、排出NOx量が低減する。
【0008】
一方、メイン流路の側から流入する主燃焼用の混合気に注目すれば、当該主燃焼用の混合気には、前記補助燃焼に係る燃焼排ガスが混入する。この結果、主燃焼用の希薄混合気の酸素濃度がさらに低下する。つまり、ここでは高温燃焼の発生がさらに制限されるため、排出NOx量もより少なくなる。
【0009】
さらに、略筒状のパイロット流路本体を下流側ほど拡径させておけば、パイロット流路を流通する混合気は、その下流側ほど拡散してパイロット流路の軸心に沿う方向での流速を急速に失うこととなる。このように本構成のバーナ装置であれば、パイロット流路本体を簡便な構成としながらも、上記循環流を効果的に形成することができる。
【0010】
さらに、前記略筒状のメイン流路本体を、下流側に向かって縮径した構成とすれば、パイロット流路とメイン流路との双方の流路から吐出した流体の速度の差を大きく設定することができる。本構成であれば、略円錐形状の部材を用いればよいから、循環流形成手段を簡便に構成することができる。
【0011】
さらに、第1スワラ及び第2スワラを燃料供給手段が燃料を供給する位置に対して適切な位置とすることで、パイロット流路及びメイン流路を流通する流体を良好に混合できる。
【0012】
以上のごとく、メイン流路から吐出する混合気の速度とパイロット流路からと出する混合気の速度とを異ならせることで、燃焼排ガスを利用しつつ双方の混合気の循環を行わせることができ、局所的な高温燃焼が発生するのを防止して排出NOx量を低減化することができる。
【0013】
(構成2)
本発明に係るバーナ装置は、請求項2に記載したごとく、前記パイロット流路P1及びメイン流路M1の下流側に、メイン流路M1出口径D1に対して1.2倍以上4倍以下の流路径D2を備えた拡大流路部14を備えて構成することができる。
(作用効果)
このような拡大流路部を備えることで、双方の流路から吐出された混合気は流速を急激に低下させつつ、互いに混合しながら燃焼筒の内部に拡散する。当該拡散に伴い、混合気は、パイロット流路出口で形成する燃焼炎を伝搬させ易い状態となる。よって、燃焼筒の何れの場所においても均等な燃焼状態を得ることができ、燃焼効率に優れたバーナ装置を得ることができる。
勿論、本構成においても、上記構成1に示したごとく、燃焼排ガスの自己循環作用が期待できるから、排出NOx量の少ないバーナ装置を得ることができる。
【0014】
(構成3)
本発明に係るバーナ装置は、請求項3に記載したごとく、前記メイン流路本体を外囲する燃焼ケースを備え、
前記拡大流路部の外周部位に流路径方向で拡大流路部の中心に向かう流体流入孔を備え、
前記酸素含有ガス供給手段が、前記酸素含有ガスを、前記メイン流路本体と前記燃焼ケースとの間に供給するとともに、前記拡大流路部に前記流体流入孔を介して外周側から供給する点に特徴を有する。
(作用効果)
本構成によれば、前記流体流入孔から燃焼筒の内部に流入した酸素含有ガスが、メイン流路から吐出した混合気に吹き付けられ、当該メイン流路からの混合気を燃焼筒のより中心側、即ち、パイロット流路の下流側に向かわせることとなる。よって、更に強い燃焼排ガスの自己循環作用が発揮されて、排出NOx量を低減させることができる。
【0015】
(構成4)
本発明に係るバーナ装置は、請求項4に記載したごとく、請求項1から3に記載の何れかのバーナ装置を、ガスタービンシステムのタービン用バーナ装置として用いることができる。
(作用効果)
本構成のごとく、本発明のバーナ装置をガスタービンに用いることで、排出NOx量の少ないガスタービンシステムを構築することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(概要)
本発明に係るバーナ装置は、補助燃焼を行わせるパイロット流路P1の周囲に、主燃焼を行わせるメイン流路M1を形成するものである。前記メイン流路M1および前記パイロット流路P1には、本実施形態では燃料1と燃焼用の酸素含有ガス2とを供給する。
前記燃料1は、前記メイン流路M1に対しては燃料供給手段S1の一つであるメイン燃料供給管M2から供給し、前記パイロット流路P1に対しては、同じく燃料供給手段S1の一つであるパイロット燃料供給管P2から供給する。
前記燃料1としては、例えば都市ガスを用いることができ、前記酸素含有ガス2としては、例えば空気を用いることができる。
【0017】
図示は省略するが、前記メイン流路M1および前記パイロット流路P1の何れに対しても、燃料1は、燃料供給手段S1によって供給量を調節しつつ供給することができる。燃料供給手段S1は、この他に、例えば図外の燃料供給ポンプおよび燃料供給量制御弁等から構成される。
【0018】
また、前記メイン流路M1および前記パイロット流路P1に対する酸素含有ガス2の供給は、図外のコンプレッサーおよび酸素含有ガス供給管などで構成する酸素含有ガス供給手段によって供給する。前記メイン流路M1および前記パイロット流路P1に供給する酸素含有ガス2の量は、夫々の流路における混合気の当量比に応じて異なるが、何れか一方の流路における酸素含有ガス2の供給量は略一定とする。
【0019】
(バーナ装置)
本発明に係るバーナ装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るバーナ装置の断面図である。図1に示すごとく、前記バーナ装置は、外周部に燃焼ケース3を備えると共に、その内部に燃焼筒4を配置してある。前記燃焼ケース3の内部には、燃焼用の酸素含有ガス2を供給する。当該燃焼用の酸素含有ガス2は、図示は省略するが、コンプレッサ等によって圧縮した状態で供給する。
【0020】
図1に示すごとく、前記燃焼筒4の一端部にパイロット流路本体P3およびメイン流路本体M3を備えている。これらの流路本体は共に同軸心状となるように構成する。前記パイロット流路本体P3の内側の空間、及び、前記パイロット流路本体P3と前記メイン流路本体M3との間の空間に、燃焼用の燃料1及び酸素含有ガス2を供給する。
【0021】
前記燃料1は、図1に示すごとく、パイロット流路本体P3に対してはパイロット燃料供給管P2を介して供給し、メイン流路本体M3に対してはメイン燃料供給管M2を介して供給する。本実施形態では、前記パイロット燃料供給管P2および前記メイン燃料供給管M2は、前記パイロット流路本体P3の内側に装着した噴射ノズル体5に一旦連通させる。
【0022】
前記噴射ノズル体5の内部は、第1空間6と第2空間7とに仕切ってある。前記第1空間6には、前記パイロット燃料供給管P2を接続してあり、前記第2空間7には、前記メイン燃料供給管M2を接続してある。前記第1空間6に供給した燃料1は、第1吐出孔8を介して前記パイロット流路P1に吐出させる。前記第2空間7に供給した燃料1は、第2吐出孔9を介して前記メイン流路M1に吐出させる。
尚、これらパイロット燃料供給管P2およびメイン燃料供給管M2、噴射ノズル体5等を総称して燃料供給手段S1という。
【0023】
前記噴射ノズル体5の先端部と前記パイロット流路本体P3との間には、複数の第1スワラ10を配設してある。当該第1スワラ10は、周方向Xに間隔を置いて配設した複数個のフィンである。前記噴射ノズル体5と前記パイロット流路本体P3との間の空間、即ち、パイロット流路P1を流通する酸素含有ガス2は、前記第1スワラ10によって旋回流とされ、パイロット流路P1の外部に吐出される。
燃料1は、前記第1スワラ10を通過する前の段階で、前記第1吐出孔8を介して供給する。このようにしてパイロット流路P1から吐出する混合気が形成される。
【0024】
一方、前記パイロット流路本体P3と前記メイン流路本体M3との間には、第2スワラ11を設けてある。当該第2スワラ11も、周方向Xに間隔を置いて配設した複数個のフィンで構成する。前記パイロット流路本体P3と前記メイン流路本体M3との間を流通する酸素含有ガス2は、前記第2スワラ11によって旋回流となる。
燃料1は、前記第2スワラ11を通過した直後の酸素含有ガス2に、前記第2吐出孔9を介して供給する。このようにして前記メイン流路M1から吐出する混合気を形成する。
【0025】
酸素含有ガス2の一部は、図1に示すごとく、燃焼筒4と燃焼ケース3との間の空間12を流通する。前記燃焼筒4には、自身の周方向Xおよび酸素含有ガス2の流通方向に沿って、複数個の流体流入孔13を分散配置してある。これにより、空間12を通して流れる酸素含有ガス2を、これら流体流入孔13を通して燃焼筒4の内部に導入する。つまり、
【0026】
当該導入した酸素含有ガス2は、主に、前記メイン流路M1から燃焼筒4の内部に吐出された混合気に周囲から吹き付けられる。この結果、メイン流路M1から吐出された混合気をパイロット流路P1から吐出した混合気の側に偏向させることができる。このように、前記流体流入孔13は、双方の流路P1,M1から吐出された混合気の循環流を形成し、メイン流路M1から吐出された混合気の酸素濃度を低下させて排出NOx量を低減化する機能を有する。
【0027】
また、前記流体流入孔13から導入した酸素含有ガス2の一部は、前記燃焼筒4の内周面4aに沿って流れ、燃焼筒4を冷却する他、燃焼筒4の下流に位置するタービン翼が加熱されるのを防止するために燃焼排ガスを冷却する等の機能も有する。
【0028】
図1に示すごとく、前記パイロット流路本体P3の先端部と、前記メイン流路本体M3の先端部とは、混合気の流通方向Zにおいてはほぼ同位置となるように設定してある。混合気を燃焼させて生じる燃焼火炎は、パイロット流路P1においては、パイロット流路本体P3の内部からもしくは先端部から生成される。一方、メイン流路M1における燃焼火炎は、前記メイン流路本体M3の先端部から生成される。そして、これら燃焼火炎は、前記燃焼筒4の内部において形成される。
【0029】
本発明のバーナ装置では、前記パイロット流路本体P3を、混合気の流通方向Z下流側ほど拡径させて略円錐状とした筒状の部材としてある。
一方、前記メイン流路本体M3は、混合気の流通方向Z下流側ほど縮径させて略円錐状とした筒状の部材としてある。本構成とすることで、前記パイロット流路P1から吐出された混合気の流速に対して、前記メイン流路M1から吐出された混合気の流速を大きなものとしている。
【0030】
このように、双方の流路から吐出される混合気の流速に差を設けることで、特にパイロット流路P1の下手側において、圧力の低い部分が形成される。このような圧力の低い部分には、前記メイン流路M1から混合気が流入し易くなる。つまり、前記メイン流路M1から吐出する混合気の一部が、前記パイロット流路P1の吐出下流側部位に巻き込まれて循環流を形成するからである。このように、メイン流路M1から吐出される混合気の流速と、パイロット流路P1から吐出される混合気の流速との差を大きく設定することで、燃焼筒4の内部において強い循環流が形成される。このとき、前記略円錐形状に形成したパイロット流路本体P3及びメイン流路本体M3が循環流形成手段S2として機能する。
【0031】
メイン流路M1から吐出される混合気と、パイロット流路P1から吐出される混合気との燃焼態様は以下のごとくである。
まず、補助燃焼を行う混合気に注目すると、補助燃焼中の混合気にメイン流路M1の側から希薄混合気が流入するため、補助燃焼途中の混合気が希薄化され、局所的な高温燃焼の発生が防止される。この結果、排出NOx量が低減する。
一方、メイン流路M1の側から流入する主燃焼用の混合気に注目すれば、当該主燃焼用の混合気には、前記補助燃焼に係る燃焼排ガスが混入する。この結果、主燃焼用の希薄混合気の酸素濃度がさらに低下する。つまり、ここでは高温燃焼の発生がより制限されて排出NOx量が更に少なくなる。
【0032】
以上のごとく、メイン流路から吐出する流体の速度とパイロット流路からと出する流体の速度とを異ならせることで、燃焼排ガスを利用しつつ混合気の自己循環を積極的に行わせることができる。この結果、局所的な高温燃焼を防止し、排出NOx量を低減化することができる。
【0033】
尚、前記メイン流路本体M3は、前記混合気の流通方向Zに沿って同径とするものであってもよい。この場合でも、パイロット流路P1からの混合気の吐出速度に比べて、メイン流路M1からの混合気の吐出速度を大きく設定しておけば、上記のごとく、メイン流路M1に係る混合気の巻き込みが生じて同等の作用効果を得ることができる。
【0034】
本発明のバーナ装置においては、燃焼筒4の内部における混合気の燃焼状態をより最適化するために、図1に示すごとく、前記パイロット流路P1及びメイン流路M1の下流側に、メイン流路M1の出口径D1に対して1.2倍以上4倍以下の流路径D2を備えた拡大流路部14を備えている。
このような拡大流路部14を備えることで、双方の流路P1,M1から吐出された混合気は流速を急激に低下させつつ、互いに混合しながら燃焼筒4の内部に拡散する。当該拡散に伴い、混合気は、パイロット流路P1の出口で形成する燃焼炎を伝搬させ易い状態となる。よって、燃焼筒4の何れの場所においても均等な燃焼状態を得ることができ、燃焼効率に優れたバーナ装置を得ることができる。勿論、本構成においても、燃焼排ガスの自己循環作用が期待できるから、排出NOx量は少ないものとなる。
【0035】
尚、本実施形態では、図1に示すごとく、前記拡大流路部14の外周部位に、当該拡大流路部14の流路径方向に沿って拡大流路部14の中心側に酸素含有ガス2を流入させる前記流体流入孔13を備えている。
【0036】
(バーナ装置の運転例)
本発明のバーナ装置を用いて行った燃焼実験の結果を以下に示す。
本発明に係るバーナ装置では、メイン流路M1の出口部の外径を72mmφ、内径を42mmφとした。一方、パイロット流路P1の出口部の内径は38mmφとした。
前記メイン流路M1からは、350℃の空気を262Nm3/hで供給した。このときの空気流速は57m/secであった。一方、前記パイロット流路P1からは、350℃の空気を32Nm3/hで供給した。このときの空気流速は18m/secであった。
燃料供給量は、バーナ装置を定格燃焼負荷の状態で運転させるために、パイロット流路P1に対しては1.9Nm3/hとし、メイン流路M1に対しては17.5Nm3/hとした。
尚、バーナ装置全体としての当量比は0.35であった。
【0037】
上記燃焼試験の結果、排出NOx量が13ppm以下(酸素0%換算以下)となり、燃焼効率が99%以上であることが確認できた。
【0038】
尚、上記実施形態では、前記メイン流路M1から吐出する空気の流速を57m/secとし、前記パイロット流路P1から吐出する空気の流速を18m/secとしたが、夫々の流速は、例えば、前記メイン流路M1の出口における流速を50〜200m/secに設定し、前記パイロット流路P1の出口における流速を5〜30m/secに設定すれば良好な燃焼結果を得ることができると考えられる。
【0039】
このような流速の差としては、例えば、前記パイロット流路P1から吐出する流体流速に対して前記メイン流路M1から吐出する流体流速を1.5倍以上50倍以下に設定するものであってもよく、この場合にも、排出NOx量を低減化することができる。
【0040】
(効果)
以上のごとく、本発明に係るバーナ装置は、前記メイン流路M1から吐出する流体の一部を前記パイロット流路P1の吐出下流側部位に巻き込んで強い循環流を形成する循環流形成手段S2を備えているから、補助燃焼を行う混合気については、補助燃焼中の混合気にメイン流路の側から希薄混合気が流入して補助燃焼途中の混合気が希薄化され、局所的な高温燃焼の発生が防止される。
一方、メイン流路の側から流入する主燃焼用の混合気に対しては、補助燃焼に係る燃焼排ガスが混入する。この結果、主燃焼用の希薄混合気の酸素濃度がさらに低下して局所的な高温燃焼の発生機会がさらに制限される。
以上のごとく、メイン流路から吐出する流体の速度とパイロット流路からと出する流体の速度とを異ならせることで、燃焼排ガスを利用しつつ流体の循環を行わせることができ、局所的な高温燃焼の発生を防止して排出NOx量を低減化することができる。
【0041】
〔別実施の形態〕
〈1〉 本発明のバーナ装置は、例えば、ガスタービンシステムのタービン用バーナ装置など各種装置のバーナ装置として使用可能である。
当該バーナ装置は、排出NOx量が少なく、燃焼効率に優れているため、運転効率が良くクリーンなガスタービンシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバーナ装置を示す断面図
【図2】 従来のバーナ装置を示す断面図
【符号の説明】
1 燃料
2 酸素含有ガス
13 流体流入孔
14 拡大流路部
D1 メイン流路の出口径
D2 拡大流路部の流路径
M3 メイン流路本体
M1 メイン流路
P1 パイロット流路
P3 パイロット流路本体
S1 燃料供給手段
S2 循環流形成手段
Claims (4)
- 補助燃焼を行わせるパイロット流路を、略筒状のパイロット流路本体の内部空間に形成すると共に、前記パイロット流路本体の周囲に略筒状のメイン流路本体を設けて、これらパイロット流路本体とメイン流路本体との間の空間に、主燃焼を行わせるメイン流路を形成し、
前記メイン流路及び前記パイロット流路に各別に燃料を供給する燃料供給手段を前記パイロット流路本体の内部に備えると共に、前記メイン流路及び前記パイロット流路に燃焼用の酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を備え、
前記メイン流路から吐出される流体の一部を前記パイロット流路の吐出下流側部位に巻き込まれる循環流とする循環流形成手段が、下流側ほど拡径された前記パイロット流路本体と、下流側ほど縮径された前記メイン流路本体とから構成され、
前記パイロット流路に前記燃料供給手段が燃料を供給する位置よりも下流側の部位に第1スワラを設けると共に、前記メイン流路に前記燃料供給手段が燃料を供給する位置よりも上流側の部位に第2スワラを設けて成るバーナ装置。 - 前記パイロット流路及びメイン流路の下流側に、メイン流路の出口径に対して1.2倍以上4倍以下の流路幅を備えた拡大流路部を備える請求項1に記載のバーナ装置。
- 前記メイン流路本体を外囲する燃焼ケースを備え、
前記拡大流路部の外周部位に流路径方向で拡大流路部の中心に向かう流体流入孔を備え、前記酸素含有ガス供給手段が、前記酸素含有ガスを、前記メイン流路本体と前記燃焼ケースとの間に供給するとともに、前記拡大流路部に前記流体流入孔を介して外周側から供給する請求項2に記載のバーナ装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載のバーナ装置をタービン用バーナ装置として備えたガスタービン。
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