JP4154996B2 - Front door belt line reinforcement structure for center pillarless vehicles - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば助手席側の乗降性向上のための所謂センターピラーレス車両におけるフロントドアベルトライン補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような所謂センターピラーレス車両は、例えば図7に示すように構成されている。
図7において、センターピラーレス車両1のボディシェルは、底部両側縁に沿って前後方向に延びる左右一対のロッカー2と、各ロッカー2の前端付近から上方へ立ち上がるフロントピラー3と、各ロッカー2の後端と連結されたホイルハウス4と、ホイルハウス4の上部から上方へ立ち上がるリアピラー5と、フロントピラー3の上端からリアピラー5に向かって延びるルーフサイドレール6と、右側のロッカー2の中央付近から上方に向かってルーフサイドレール6の中央付近まで延びるセンターピラー7と、を含んでいる。
【0003】
そして、ボディシェルの左側にて、フロントピラー3とリアピラー5との間に画成されるドア開口部に、図示の場合、フロントピラー3に揺動可能に支持されたフロントドア8と、リアピラー5に揺動可能に支持されたリアドア9と、が開閉可能に支持されている。
【0004】
ところで、一般にボディシェルの左右にセンターピラーを備える自動車においては、側面衝突時のフロントドア8の剛性を高めるために、フロントドア8の所謂ベルトライン部に沿って補強が施されている。
【0005】
これにより、側面衝突時には、図8に示すように、フロントドア8への側方からの入力をベルトライン部8a全体で受けて、フロントピラー及びセンターピラーに逃がすことにより、フロントドア8の内側の乗員Pの胸部付近に対する撓み8bを抑制するようにしている。
【0006】
また、オフセット前面衝突時には、図9に示すように、フロントピラー3からの入力を、フロントドア8の補強されたベルトライン部8aを介して、センターピラーへ伝達することにより、フロントピラー3の後方への移動を抑制する。
【0007】
このように、ボディシェル左右にセンターピラーを備える自動車においては、フロントドア8のベルトライン部8aが補強されていることによって側面衝突時及びオフセット前面衝突時における乗員Pの胸部保護を図るようにしている。
【0008】
また従来では、衝突時における乗員の保護を図るために、ベルトライン部に沿って配置されるベルトライン補強部材が単独で閉断面構造を有するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−219938号公報(第2−5頁,図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したセンターピラーレス車両1においては、同様にフロントドア8のベルトライン部8a全体に沿って補強が行なわれていると、側面衝突時には同様にしてフロントドア8の撓み8bを抑制することができるが、オフセット前面衝突時には、図10に示すように、フロントピラー3からの入力は、フロントドア8のベルトライン部8aからセンターピラーに伝達しようとしても、ボディシェルの左側にセンターピラーが存在しないことから、フロントドア8のベルトライン部8aを介してリアドア9に対して伝達されてしまう。
【0011】
したがって、過大な入力がリアドア9に伝達されることになるため、リアドア9が変形して、リアドア9の開放に悪影響を及ぼすことになり、場合によってはリアドア9が開放できなくなってしまう。
【0012】
ここで、従来技術(例えば特許文献1参照)をセンターピラーレス車両1のフロントドア8に適用させた場合、ベルトライン補強部材の剛性を高めることによって、衝突時の入力によるベルトライン部の断面崩れを防止できるが、前述したオフセット前面衝突時には、同様にして過大な入力がリアドアに伝達されてしまうため、リアドアの開放に悪影響を及ぼすことになってしまう。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑み、オフセット前面衝突時に、フロントピラーからの入力を吸収して、リアドアに伝達させないようにしたセンターピラーレス車両のフロントドアベルトライン補強構造を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の構成によれば、ボディシェルの底部両側縁を構成する一対のロッカーと、各ロッカーの前端から上方へ立ち上がるフロントピラーと、左右両側にてフロントピラーからそれぞれ後方に向かって延びる一対のルーフサイドレールと、左右何れか一方にて、ロッカーの中央付近から上方に向かって延びてルーフサイドレールの中央付近に連結されるセンターピラーと、各ロッカーの後端からホイルハウスを介して上方へ立ち上がってルーフサイドレールに連結されるリアピラーと、を含んでおり、センターピラーを備えない側面のドア開口部に対して、それぞれ開閉可能に支持されたフロントドア及びリアドアが備えられているセンターピラーレス車両において、上記フロントドアのベルトライン部が、前端部以外の領域で補強部材を備えていることを特徴とする、片側センターピラーレス車両のフロントドアベルトライン補強構造により達成される。
【0015】
上記センターピラーレス車両のフロントドアベルトライン補強構造は、好ましくは、上記フロントドアのベルトライン部が、上記補強部材の前方に折れビードを備えており、さらにこの折れビードは上記フロントドアを構成するインナパネルに凹陥して形成されているのが望ましい。
【0016】
本発明によれば、オフセット前面衝突時に、フロントピラーからの入力を当該補強部材と折れビードとの変形によってある程度吸収して、フロントピラーからの入力をすべてリアドアに伝達させないようにして、過大な入力がリアドアに伝達されることを抑制する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1乃至図6は、本発明によるフロントドアベルトライン補強構造を適用したセンターピラーレス車両の一実施形態の構成を示している。
図1において、センターピラーレス車両10は、左側にセンターピラーを備えずに構成されるボディシェルを備えており、底部両側縁に沿って前後方向に延びる左右一対のロッカー11と、各ロッカー11の前端付近から上方へ立ち上がるフロントピラー12と、各ロッカー11の後端と連結されたホイルハウス13と、これらホイルハウス13の上部から上方へ立ち上がるリアピラー14と、フロントピラー12の上端からリアピラー14に向かって延びるルーフサイドレール15と、右側のロッカー11の中央付近から上方に向かってルーフサイドレール15の中央付近まで延びるセンターピラー16と、を含んでいる。
【0018】
そして、ボディシェルの左側にて、フロントピラー12とリアピラー14との間に画成されるドア開口部20には、図示の場合、フロントピラー12に前端が揺動可能に支持されたフロントドア21と、リアピラー14に後端が揺動可能に支持されたリアドア22とが開閉可能に支持されている。
【0019】
以上の構成は、図7に示した従来のセンターピラーレス車両1と同様の構成であるが、本発明によるセンターピラーレス車両10においては、以下の点で異なる構成になっている。
即ち、センターピラーレス車両10は、図2乃至図4に示すように、ボディシェル左側の開口部20に取り付けられるフロントドア21のベルトライン部21aに、補強部材23と、折れビード24と、を備えていることを特徴とする。
【0020】
この補強部材23は、図3に示すように閉断面Sを有し、さらにその断面Sがドア前後方向に連続した細長のパイプ状に形成され、その長さは、図2に示すベルトライン部21aの領域の内、前端部領域21bより後方の領域を占める程度に設定されている。
【0021】
また、この補強部材23は、図3に示すように、フロントドア21内に配設される。具体的には、フロントドア21を構成するインナパネル21cの車室側面に、例えばスポット溶接などにより取り付けられる。なお、図3中の21dはフロントドア21のアウタパネルである。
【0022】
次に、折れビード24は、フロントピラー12からベルトライン部21aに入力、即ち衝突力が加えられたときに、所謂座屈により折れ曲がるものである。この折れビード24は、補強部材23の前方のベルトライン部21aに、即ちベルトライン部21aの領域内であって、補強部材23の前方に設けられる。
【0023】
また、折れビード24は、図4(a)及び(b)に示すように、フロントドア21のインナパネル21cに凹陥して形成されている。このような折れビード24は、インナパネル21cの成型時にプレス加工により、インナパネル21cに一体的に成形することができる。
【0024】
本発明の実施形態によるセンターピラーレス車両10は、以上のように構成されており、フロントドア21のベルトライン部21aの前端部以外の領域21bに補強部材23が備えられているので、図5に示すように、障害物が側面に衝突してきた側面衝突時には、当該障害物による側方からフロントドア21に加えられる入力を、ベルトライン部21a全体で受ける。
【0025】
また、オフセット前面衝突時には、図6に示すように、フロントピラー12からの入力を、フロントドア21の補強されたベルトライン部21aを介してリアドア22に伝達するが、前端部21bの領域が変形する。
その際、ベルトライン部21aが折れビード24を備えていることから、上述したフロントピラー12からの入力により、折れビード24が所謂座屈により折れ曲がる。
【0026】
このようにして、本発明によるセンターピラーレス車両10のフロントドアベルトライン補強構造によれば、側面衝突時には、フロントドア21の前後全長に亘って補強部材23によりフロントドア21の撓みが抑制される。これにより、フロントドア21の内側の乗員Pの胸部を保護することができる。
【0027】
また、センターピラーレス車両10のオフセット前面衝突時には、特に折れビード24が車外方向に向けて凹陥しているので、ベルトライン部21aが積極的に車外方向に変形する。これにより、フロントピラー12からの入力の一部が吸収され、リアドア22に伝達される入力が低減される。
【0028】
したがって、オフセット前面衝突時において、フロントピラー12からの入力がリアドア22へ伝達されて、リアドア22が変形する等により、リアドアが開放困難になる事態を防止でき、センターピラーレス車両10の後席乗員が容易に救出され得ることになる。
【0029】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲おいて様々な形態で実施することができる。例えば、上述した実施形態においてはボディシェルの左側にセンターピラーを備えずに構成されるセンターピラーレス車両10について説明したが、これに限らず、右側センターピラーレス車両についても、本発明を適用し得ることは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、オフセット前面衝突時に、フロントピラーからの入力を補強部材と折れビードとの変形によって吸収し、フロントピラーからの入力を軽減してリアドアに伝達させる。これにより、過大な入力がリアドアに伝達されることを抑制することができる。
【0031】
よって、フロントピラーからの入力が全てリアドアに伝達されて、リアドアが変形する等により、リアドアが開放困難になる事態を防止でき、センターピラーレス車両の後席乗員が容易に救出され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したセンターピラーレス車両の一実施形態のボディシェルを示す斜視図である。
【図2】図1のセンターピラーレス車両のボディシェル左側の開口部に取り付けられるフロントドアを示す拡大側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】(a)は図2のフロントドアのベルトライン部の部分拡大側面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】図2のフロントドアの側面衝突時におけるベルトライン部の撓みを示す平面図である。
【図6】図2のフロントドアのオフセット前面衝突時におけるベルトライン部の変形を示す平面図である。
【図7】従来のセンターピラーレス車両のボディシェル構成例を示す斜視図である。
【図8】一般的な車両におけるフロントドアの側面衝突時のベルトライン部の撓みを示す平面図である。
【図9】一般的な車両におけるフロントドアのオフセット前面衝突時の状態を示す側面図である。
【図10】図7のセンターピラーレス車両におけるフロントドアのオフセット前面衝突時の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 センターピラーレス車両
11 ロッカー
12 フロントピラー
13 ホイルハウス
14 リアピラー
15 ルーフサイドレール
16 センターピラー
20 ドア開口部
21 フロントドア
21a ベルトライン部
21c インナパネル
21d アウタパネル
22 リアドア
23 補強部材
24 折れビード部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a front door belt line reinforcement structure in a so-called center pillarless vehicle, for example, for improving passenger boarding / exiting ability.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, such a so-called center pillarless vehicle is configured, for example, as shown in FIG.
In FIG. 7, the body shell of the center
[0003]
Then, on the left side of the body shell, in the door opening defined between the
[0004]
By the way, in an automobile provided with center pillars on the left and right sides of the body shell, reinforcement is provided along a so-called belt line portion of the
[0005]
As a result, at the time of a side collision, as shown in FIG. 8, the input from the side to the
[0006]
Further, at the time of an offset frontal collision, as shown in FIG. 9, the input from the
[0007]
In this way, in a vehicle having center pillars on the left and right of the body shell, the belt line portion 8a of the
[0008]
Conventionally, a technique is known in which a beltline reinforcing member disposed along a beltline portion has a closed cross-sectional structure alone in order to protect an occupant during a collision (see Patent Document 1). ).
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2002-219938 A (page 2-5, FIG. 2)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the center
[0011]
Therefore, an excessive input is transmitted to the rear door 9, so that the rear door 9 is deformed and adversely affects the opening of the rear door 9. In some cases, the rear door 9 cannot be opened.
[0012]
Here, when the conventional technology (see, for example, Patent Document 1) is applied to the
[0013]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a front door belt line reinforcement structure for a center pillar-less vehicle that absorbs input from a front pillar and prevents it from being transmitted to a rear door at the time of an offset frontal collision. .
[0014]
[Means for Solving the Problems]
According to the configuration of the present invention, the above object is achieved by a pair of rockers that constitute both side edges of the bottom of the body shell, a front pillar that rises upward from the front end of each rocker, and from the front pillars to the rear on both the left and right sides. A pair of roof side rails, a center pillar that extends upward from the vicinity of the center of the locker and connected to the vicinity of the center of the roof side rail on either the left or right side, and a wheel house from the rear end of each locker A rear pillar that rises upward and is coupled to the roof side rail, and is provided with a front door and a rear door that are supported to be openable and closable with respect to a side door opening that does not have a center pillar. In the center pillarless vehicle, the belt line part of the front door is in a region other than the front end part. Characterized in that it comprises a strong member, it is achieved by the front door belt line reinforcement structure on one side center pillar-less vehicle.
[0015]
In the front door belt line reinforcement structure for the center pillarless vehicle, preferably, the belt line portion of the front door includes a fold bead in front of the reinforcement member, and the fold bead is an inner member constituting the front door. It is desirable that the panel is recessed.
[0016]
According to the present invention, at the time of an offset frontal collision, the input from the front pillar is absorbed to some extent by the deformation of the reinforcing member and the broken bead, so that all the input from the front pillar is not transmitted to the rear door. Is suppressed from being transmitted to the rear door.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on the embodiments shown in the drawings.
1 to 6 show the configuration of an embodiment of a center pillarless vehicle to which a front door belt line reinforcing structure according to the present invention is applied.
In FIG. 1, a center
[0018]
In the door opening 20 defined between the
[0019]
The above configuration is the same as that of the conventional center
That is, as shown in FIGS. 2 to 4, the center
[0020]
As shown in FIG. 3, the reinforcing
[0021]
Further, the reinforcing
[0022]
Next, the
[0023]
Further, as shown in FIGS. 4A and 4B, the folded
[0024]
The center
[0025]
Further, at the time of an offset frontal collision, as shown in FIG. 6, the input from the
At that time, since the belt line portion 21a includes the
[0026]
Thus, according to the front door belt line reinforcement structure of the center
[0027]
Further, at the time of an offset frontal collision of the center
[0028]
Therefore, it is possible to prevent the rear door from being difficult to open due to the input from the
[0029]
The present invention can be implemented in various forms without departing from the spirit of the invention. For example, in the above-described embodiment, the center
[0030]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, at the time of an offset frontal collision, the input from the front pillar is absorbed by the deformation of the reinforcing member and the broken bead, and the input from the front pillar is reduced and transmitted to the rear door. Thereby, it can suppress that an excessive input is transmitted to a rear door.
[0031]
Therefore, it is possible to prevent the rear door from being difficult to open due to all the input from the front pillar being transmitted to the rear door and the rear door being deformed, and the rear seat occupant of the center pillarless vehicle can be rescued easily.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a body shell of an embodiment of a center pillarless vehicle to which the present invention is applied.
2 is an enlarged side view showing a front door attached to an opening on the left side of the body shell of the center pillarless vehicle of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
4A is a partially enlarged side view of a belt line portion of the front door of FIG. 2, and FIG. 4B is a cross-sectional view taken along line BB of FIG.
5 is a plan view showing the deflection of the belt line portion at the time of a side collision of the front door of FIG. 2. FIG.
6 is a plan view showing a deformation of the belt line portion at the time of an offset frontal collision of the front door of FIG. 2. FIG.
FIG. 7 is a perspective view showing a configuration example of a body shell of a conventional center pillarless vehicle.
FIG. 8 is a plan view showing a deflection of a belt line portion at the time of a side collision of a front door in a general vehicle.
FIG. 9 is a side view showing a state at the time of an offset frontal collision of a front door in a general vehicle.
10 is a side view showing a state at the time of an offset frontal collision of a front door in the center pillarless vehicle of FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
上記フロントドアのベルトライン部が、前端部以外の領域で補強部材を備えていることを特徴とする、センターピラーレス車両のフロントドアベルトライン補強構造。A pair of rockers that form both side edges of the bottom of the body shell, a front pillar that rises upward from the front end of each rocker, a pair of roof side rails that extend rearward from the front pillar on both the left and right sides, and either the left or right The center pillar that extends upward from the vicinity of the center of the locker and is connected to the vicinity of the center of the roof side rail, and rises upward from the rear end of each locker via the wheel house and is connected to the roof side rail. A center pillar-less vehicle including a front door and a rear door that are supported to be openable and closable with respect to a side door opening that does not include a center pillar.
The front door belt line reinforcement structure for a center pillarless vehicle, wherein the belt line portion of the front door includes a reinforcing member in a region other than the front end portion.
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