JP4154646B2 - 灯標収納庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、灯標収納庫に関し、特にプラットホームの保守管理作業が容易な収納庫を具備した灯標収納庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
海上を航行する船舶に航路または工事区間を表示する灯標には、杭打式灯標と浮体式灯標がある。該灯標には円形のプラットホーム部が水上に設けられている。図7は、従来のプラットホーム部上に設置されている機器の概略配置図である。図7において、プラットホーム部1は円形をしていて、その最外周には船舶が衝突した時の損傷を軽減する防護枠4が立設されている。該防護枠4の内側には太陽電池3が複数設けられていて、更にその内側には作業者の転落を防止するパイプ柵5が立設されている。該パイプ柵5の内側は踊り場2となっていて、レーザ装置台10、その右側には電池室6と機器収納室8が、前記電池室の前にはハッチ14が配設されている。
【0003】
前記電池室6と機器収納室8とは後述するように一体化されていて、前記機器収納室8に格納されている機器への電源の供給が電池室6に格納されている図示していない電池から供給される。又、前記機器収納室8の上には灯器台12と、灯器台12には図示していない灯器が設けられている。電池室6のハッチ14に面した側の側壁には手摺13とステップ11が固定して設置されている。その裏側には扉7が、また、機器収納室8の電池室6に接していない側には扉15が設けられている。
【0004】
上述したように、ステップの手前に設けられているハッチ14は、その下にある図示していない浮体部の点検時には上下に開閉する。又、電池室6の扉7の手前側は、電池の交換、保守時に当該電池を外に引き出す必要がある。このために、前記ハッチ14及び扉7の手前のスペースを確保しておくことが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記プラットホーム部1は、その下に設けられた浮体部の浮力及び、水上の風力、波力、波高、経済性などの諸条件を考慮して無駄のない大きさになっている。前述した各種の機材、装置をそこに設けると、作業者の作業スペースがあまりない。一方、前記プラットホーム部1は水上に設置されており、灯器の交換や、蓄電池の交換、各種の機材、装置などの保守作業が必要になる。しかし、前述したように前記踊り場2のスペースは少なく、そのためにプラットホーム部1上での作業が危険になるという問題点があった。
【0006】
特に、ハッチ14に面した側の電池室6には手摺13とステップ11がその側壁に固定して設置されており、中でもステップ11は該電池室6の略中央に位置し、前記ハッチ14を開いて浮体部の保守を行なう際にはこれが邪魔になる。又、前記各種の機材、装置、灯器などを動作させるための電池は、その重量が大であり、電池室6から取り出すのが容易でない問題点もあった。
【0007】
本発明は、係る問題を解決して、灯器の交換や電池の保守作業の容易な灯標収納庫を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために請求項1記載の灯標では、水中に設置する灯標の浮体部の上部に設けられたプラットホーム部に設置される灯標収納庫において、該灯標収納庫の側壁には複数のステップが着脱可能としてあり、前記灯標収納庫の内部に配置された、電池を収納するキャスター付き電池収納箱及び該電池収納箱が配設される電池室の蓋には引き手が着脱可能としてあり、前記ステップと前記引き手とは、相互に使用可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の灯標収納庫において、前記ステップと前記引き手とは、何れか一方のみが具備されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2は、本発明における電池室6の実施形態を説明する図であって、図1は上面図、図2は側面図である。なお、以下の説明において機器の配置は図7と同一であるとして説明をする。図1において、電池室6は機器収納室8と一体化されていて、機器収納室8に格納されている図示していない機器への電源の供給が電池室6に格納されている電池18(18a、18b、18c)から配管17に貫通されたケーブルによって供給される。電池室6と機器収納室8は、その横方向の移動を防止するストッパー19a、19bによって両方向から固定されていて、全体はプラットホーム部1の床21に固定されている。
【0011】
前記電池18(18a、18b、18c)は、電池収納箱23(23a、23b、23c)にそれぞれ収納されていて、各電池収納箱23の底部にはその移動を容易にするために図示してあるキャスター24(24a、24b)と、それと対称の位置にも図示していないキャスターが、それぞれ設けられている。電池室6は、3層構造になっていて、前記電池収納箱23(23a、23b、23c)が各層に配設される。そして、各電池収納箱23(23a、23b、23c)は、図示していない引き手を引くことにより、それぞれ独立して扉7の方向に引き出し可能である。その結果、前記電池収納箱23(23a、23b、23c)に収納されている電池18がそれぞれ電池室6の外に引き出される。
【0012】
又、取っ手22が前面に設けられた扉7は、周知の継ぎ手26により片方向に開閉可能になっていて、該扉7が閉じられた時に電池室6は周知のロック機構261により密閉される。機器収納室8の上には灯器台12が設置されていて、そこには図示していない周知の灯器が設けられる。扉15は、周知の継ぎ手26により片方向に開閉可能になっていて、該扉15が閉じられた時に機器収納室8は前記ロック機構261により密閉される。
【0013】
電池室6における扉7の裏側の面には、ステップ11と手摺13とが以下のように設置されている。即ち、手摺13は電池室6の側壁16aの端に固定して縦に設けられ、その内側に設けられた複数のステップ11は着脱可能である。図3、図4は、前記ステップ11と、それを固定する固定部25の実施形態の図であって、それぞれ図3(a)は上面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図、図4(a)は上面図、図4(b)は正面図、図4(c)は側面図である。
【0014】
図3において、ステップ11は、上面及び正面からみると略「コ」の字形状をしていて、たとえばアルミなどの腐食しにくい金属パイプで形成されている。その先端111は、L字型になっていて、係る部分が図4に示す固定部25の貫通孔251に嵌合し、所定の位置で停止する。なお、ステップ11は着脱可能なように貫通孔251の径より僅かに細い。又、前記停止は、前記L字型の角(A)の部分が前記貫通孔251の上部に接触した位置で停止してもよく、それ以外の方法、例えば先端111から前記L字型の角(A)までの間にステップ11に凸部を設けて、係る凸部で停止するようにしてもよい。
【0015】
図4に示すように、前記固定部25は張り出し部252を有し、そこには複数の孔253が貫通されていて、電池室6の側壁16aに図示していないネジでステップ11の幅にあうように固定される。なお、ネジ止め以外に溶接により固定部25を電池室6の側壁16aに固定してもよい。
【0016】
前記固定部25は、図2に示すように電池室6の側壁16aに略等間隔で複数設けられている。ステップ11を使用する時には、後述するように当該電池室6内に設置されている電池18(18a、18b、18c)を収納する電池収納箱23(23a、23b、23c)に設けられている複数の引き手40を取り外して前記複数の固定部25の貫通孔251に引き手40の先端111を挿入して嵌合してステップ11とする。
【0017】
前記電池収納箱23(23a、23b、23c)に設けられている複数の引き手40について以下に説明する。図5、図6は電池室6に収納されている前記電池収納箱23(23a、23b、23c)の作用を説明する図であって、図5は扉7方向に対する側面図、図6は正面図である。なお、図5、図6においては、図2の最上段の電池収納箱23aについて説明をするが、他の電池収納箱23b、23cについても同様であり、その説明を省略する。
【0018】
図5において、電池収納箱23aには電池18aが図示していない保持具により電池18aが電池収納箱23a内で移動しないように収納されている。当該電池収納箱23aの低部にはキャスターが前述のように設けられていて、当該電池収納箱23aは台28に搭載されている。前記電池収納箱23aの前面には引き手40と固定具26とが設けられていて、該引き手40は着脱可能である。なお、前記引き手40と固定具26とは、前述したステップ11と固定具25とそれぞれ同一形状であり、その説明を省略する。引き手40はステップ11と相互に使用可能である。
【0019】
台28は、電池室6を3層構造にしきる床29に固定されていて、扉7に近い端が折りたたみ可能になっていて、各電池室6の蓋(扉7とは別に、扉7の内側に設けられている)30を形成し、該蓋30が前に倒れると電池18aが外に取りだし可能になる。該蓋30は電池の重量に耐えるように、その両側がステイ32aにより支えられている。該ステイ32aは周知の方法により、その一方の端が前記蓋30に開閉可能なように固定され、他方の端が電池室6の側壁16aに固定されている案内レール33aに移動可能なように設けられている。
【0020】
前記蓋30は、電池収納箱23aの長さが長い場合には、該電池収納箱23aが電池室6から外に出るように延長ふた31が設けられていて、該延長ふた31は前記蓋30に収納可能になっている。なお、前記台28、蓋30、延長ふた31には、電池収納箱23aの移動を補助する図示していないレールを設け、係るレール上を前記キャスターが移動するようにしてもよい。
【0021】
又、図6に示すように、当該電池収納箱23aの移動を容易にするガイドレール34a、34bが、電池収納箱23aの両側23a、23bに設けられていて、前記ガイドレール34a、34bは、その上下を電池収納箱23aに設けられた補助手段35a、35bにより前記電池収納箱23aが前記ガイドレール34a、34bから外れないようになっている。
【0022】
前記蓋30の前面には、引き手40が嵌合される固定具26(26a、26b)が設けられていて、その構造は、前述したステップ11とこの固定具25と同一であり、説明を省略する。引き手40はステップ11と相互に使用可能である。なお、前記引き手40と固定具26の数は電池収納箱23aにそれぞれ1個ずつ設けてあるか、電池18aの重量、電池収納箱23aの大きさにより、これ以外の数であってもよい。係る場合、その数は前記ステップ11の数と同一またはそれ以上であることが好ましい。また、前記引き手40を具備すれば、ステップ11は具備しなくともよい。
【0023】
【発明の効果】
請求項1記載の灯標収納庫によれば、
水中に設置する灯標の浮体部の上部に設けられたプラットホーム部に設置される灯標収納庫において、該灯標収納庫の側壁には複数のステップが着脱可能としてあり、前記灯標収納庫の内部に配置された、電池を収納するキャスター付き電池収納箱及び該電池収納箱が配設される電池室の蓋には引き手が着脱可能としてあり、前記ステップと前記引き手とは、相互に使用可能であることにより、収納庫上部に上る時以外は踊り場のスペースが広がり、作業スペースが確保される。又、ステップを使用しない間は収納庫内に収納されているので、風雨に曝されず、腐食の進行が防止される。
【0024】
請求項2に記載の灯標収納庫では、前記ステップと前記引き手とは、何れか一方のみが具備されていることにより、通常は風雨に曝されない収納庫内の電池収納箱の引き手として収納しておき、収納庫上部に上る時には前記電池収納箱の引き手を外して、前記収納庫側壁に設けるステップとして用いることができ、両者を具備する場合に比べて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電池室の実施形態を説明する上面図である。
【図2】本発明における電池室の実施形態を説明する側面図である。
【図3】ステップの実施形態の図であって、それぞれ図3(a)は上面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図である。
【図4】ステップを固定する固定部の実施形態の図であって、それぞれ図4(a)は上面図、図4(b)は正面図、図4(c)は側面図である。
【図5】電池室に収納されている前記収納箱の作用を説明する図であって、扉方向に対する側面図である。
【図6】電池室に収納されている前記収納箱の作用を説明する図であって、扉方向に対する正面図である。
【図7】従来のプラットホーム部上に設置されている機器の概略配置図である。
【符号の説明】
1 プラットホーム部
6 電池室
7、15 扉
8 機器収納室
11 ステップ
18 電池
23 電池収納箱
40 引き手
Claims (2)
- 水中に設置する灯標の浮体部の上部に設けられたプラットホーム部に設置される灯標収納庫において、該灯標収納庫の側壁には複数のステップが着脱可能としてあり、前記灯標収納庫の内部に配置された、電池を収納するキャスター付き電池収納箱及び該電池収納箱が配設される電池室の蓋には引き手が着脱可能としてあり、前記ステップと前記引き手とは、相互に使用可能であることを特徴とする灯標収納庫。
- 前記ステップと前記引き手とは、何れか一方のみが具備されていることを特徴とする請求項1に記載の灯標収納庫。
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