JP4154476B2 - 統合された形状モデル生成方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータグラフィクス、CAD、VR、ロボティクスなど広範な分野で利用することが可能な、複数の形状データの対応付けを求め、位置合わせと統合を行い、形状データを生成する統合された形状モデル生成方法及びコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一つの対象物を異なる方向から観測して得られた3次元形状データの位置関係は必ずしも既知ではない。このようなデータを位置合わせするには、データ間の位置関係を推定しなくてはならない。もしデータP上の点piがデータQ上の点qiに対応しているといった対応関係の対(pi, qi)が3対以上与えられれば、3次元回転行列と並進ベクトルで表される剛体運動パラメータは、対応点対の共分散行列を単位四元数や特異値分解を用いて展開することにより、自乗誤差を最小とするような解を数学的に解くことができる。
【0003】
一般的な形状データにたいして、対応関係にある点対の位置や関係を正確に求めておくことは難しい。正確な対応関係が未知であっても、ある程度の位置合わせができている状態であれば、仮に求めた対応付けを元に運動パラメータを推定する位置合わせの手続きと、求めた運動パラメータを元に対応付けを更新する手続きを交互に繰り返すことにより、反復的に位置あわせを行う手法が複数提案されている。最も代表的な手法としてはICPアルゴリズム(P. J. Besl and N. D. McKay. A method for registration of 3-D shapes. IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 14(2): 239-256, February 1992.)がある。ICPアルゴリズムは仮の対応付けを求める際に最も近いという性質しか用いないので極めて汎用性が高いが、データ形状をモデル形状に位置合わせするように定式化されており、データ形状はモデル形状の一部である必要があるなどの制約があった。互いに一部しか重なり合わない実測データ同士を複数位置合わせする状況にはそのままでは適用できない。
【0004】
複数の形状データの位置あわせを行う際には、ある程度の位置あわせができている状態を初期値とし、空間中の任意の点から各データへ最も近い点が一致するように位置あわせと形状統合を同時に解く手法が提案されている。T. Masuda. A unified approach to volumetric registration and integration of multiple range images, Proc. 14th International Conference on Pattern Recognition, Vol. II, pp. 977-981(文献1)。この手法では、最も近い点の座標値が一致するように形状統合と位置合わせを行っており、法線情報は利用していない。本発明では法線情報も含む符号付距離の場が一致するように外れ値判別・形状統合・位置合わせ・モデル生成の各段階を処理している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では複数の形状データがある程度位置合わせされた状態であることを前提として、対応付けを自動的に求め、位置合わせと統合を行い、形状データを生成することを目的としている。本発明で仮定する物体の形状データは、物体の一部を計測した符号付曲面として記述できるものであり、ステレオに代表される受動的光学的手法、あるいはレンジファインダに代表される能動的な光学的手法、あるいは端子の接触を用いた機械的手法、あるいはCTやレーダーやSTMなどのその他の原理に基づく形状計測手法、あるいはそれを処理して得られた形状データなど、さまざまな手法で得られたデータに汎用的に適用することができる。本発明で生成した形状データは例えばコンピュータグラフィクス、CAD、VR、ロボティクスなど広範な分野で利用することが可能である。
【0006】
異った視点から計測された形状データから形状データを生成するには、位置合わせ処理と統合処理が必要である。一般に各データは計測時のセンサと対象物の位置関係に基づく別々の座標系で記述されており、その位置関係を推定する作業が位置合わせ処理である。位置合わせされたデータを単に重ね合わせただけでは、記述されている座標系が異なり構造が異なるため、一つの形状記述として統合することができない。統合処理は、何らかの3次元形状記述法に基づき、対象物の形状を一つのまとまった形状として記述する処理である。
【0007】
形状計測においてはさまざまな計測誤差が生じている。対象物の形状とは異なった位置に出現する誤計測点は統合や位置合わせや統合の処理に用いるべきではなく、標本化の分布の不均一性やセンサの量子化に伴う誤差は分散が最小になるように統合・位置合わせされるべきである。このような計測誤差は観測する方向に依存しており、同一個所を複数の方向から計測した結果を比較することで判別することができる。しかし、ある個所が同一の個所であるかどうかを判別するためには位置合わせができていなくてはならない。
【0008】
計測された形状データから形状モデルを生成する課題は、従来、誤計測点を事前に除去し、形状データを位置合わせし、統合した形状データを生成するという順序的処理で作業が行われてきた。この作業では、手作業や事前の経験的知識に基づく処理や組み合わせを解く処理が必要であり、長い作業時間を必要とする。本発明では、ある程度(データが重なり合う程度)の位置合わせさえ事前にしておけば、より精密な位置合わせ・統合・マッチングのすべての手続きを自動的に行い、最終的に統合された形状データを得ることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明を可能にする最も重要な点は形状の表現方法にある。本発明は、3次元空間に曲面がある場合、適当な3次元点からその曲面へ最も近い点はほとんどすべての場合一意に決定できる、という原理に基づく。例外は、例えば、二つの平面からの等距離面上にある点や球の中心点のような場合である。曲面の周囲の各3次元格子点から曲面に最も近い点を対応付けておくことで、曲面の記述が得られる。仮に理想的な状況として、複数の形状データが共通の座標系に正確に位置合わせされているならば各3次元格子点から各データに最も近い点は、一つの点に一致するはずである。実際には位置あわせが不完全であったり、計測誤差があったり、計測点の間が補間されていたりするため、ある3次元点から各データに最も近い点は完全には一致せずに拡がりをもって分布する。その点の分布を統計解析することにより極端に外れた点の影響を減らすために小さな重みをつけることにより外れ値除去をすることができる。これらの点から一つの代表点を求めることにより形状統合を行うことができる。それぞれのデータへ最も近い点が統合点に一致するように運動パラメータを求めることで位置あわせを行うことができる。
【0010】
図1は、ある程度位置合わせされている複数のデータ曲面に点pから最も近い点を探索した状況の2次元模式図を示している。データ曲面は物体の一部しか覆えておらず、計測誤差や位置合わせ誤差、補間誤差などさまざまな要因により最も近い点は拡がりをもって分布するが、もし完全に位置合わせされていれば極端に外れた値を除いて最近点は一致するはずである。
【0011】
本発明ではさらに、基点から最も近い点の座標値の情報だけでなく、最も近い点での曲面の法線情報も利用し、曲面を符号付距離の場を用いて記述する。基点から曲面への符号付距離は、その絶対値が基点から曲面上での最も近い点への距離と等しく、その符号は基点が曲面の表側にあれば正、裏側であれば負であるような値を持つ。曲面からの符号付距離はスカラー場であり、曲面が滑らかで微分可能であれば、曲面からの符号付距離の場のある基点の近傍での線形近似は、基点から曲面上の最も近い点への符号付距離と、符号付距離の場の勾配に等しい法線により表すことができる。同一の基点について二つの曲面に関する符号付距離の場の線形近似が与えられているときにその距離を定義することができ、その距離を基点に関して和をとることで二つの曲面間の符号付距離の場の距離を定義することができる。この距離は最も近い点の座標値間の距離だけでなく、法線の差も反映したものとなる。二つの曲面としてデータ曲面と統合曲面をとり、統合曲面と各データの符号付距離の場の距離を定義し、その距離を各データについて和をとったものを全体の誤差関数として定義する。実装では、例えば基点を格子点にとるなどの方法で複数の基点を用いて空間を標本化し、各基点で各データ曲面と統合曲面について符号付距離の場の線形近似を求め、データ曲面と統合曲面の符号付距離の場の距離の総和を全体の誤差関数として定義する。この誤差関数を最小化することにより、曲面周辺の符号付距離の場が一致するように外れ値除去・位置あわせ・統合を行う。この問題は最小化問題として解くことができるが、一例として、反復手法を応用することにより、誤差関数の値を小さくするように解くアルゴリズムを構成することができる。統合した形状表現は、空間を標本化する基点付近での符号付距離の場として得られるが、簡単な処理により法線情報付き多面体(ポリゴン)などの実用的な形状モデルを生成することができる。
【0012】
図2は、曲面Rからの符号付距離の等値面と点pから最も近い点、法線、符号付距離の関係を示す2次元模式図である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を例示に基づき詳細に説明する。
本実施例で仮定している入力は、3次元形状の計測結果である。対象物体の3次元形状は形状計測装置によりさまざまな方向から計測されているとし、表裏が区別できる曲面を標本化した点の集合であるようなN個のデータS1,S2,…,SNが得られているとする。本実施例では2次元画像の各画素に3次元点の座標が対応しているようなデータを使用し、画素間で補間して曲面の多面体近似を行っている。実際のデータは例えば図9に示すような物体をさまざまな方向から計測した複数の3次元形状データである(N=24)。このデータの各画素には、センサ座標系で表されたx,y,zの座標値が入っており、センサから物体までの距離を輝度値として図示している。
【0014】
【数1】
数1に示すように、それぞれのデータの座標値は、対象物体と計測装置間の相対的な姿勢に依存したセンサ座標系で表されている。データの重ねあわせと統合は、データ座標系とは異なるある共通した座標系で行う必要がある。データ座標系間の位置関係を推定する作業が位置合わせであり、本手法では、データが重なり合う程度の位置合わせは事前にできていることを仮定している。本手法では、それぞれのデータと共通座標系との位置関係を剛体運動パラメータT1,T2,…,TNであらわす。剛体運動パラメータは回転行列と並進ベクトルによりTα={Rα,tα}と表されるものとする。α番目のデータSαの座標値にα番目の運動パラメータTαをかけたTα(Sα)が共通座標系での座標値の表現であり、共通座標系で統合された形状をIとする。
【0015】
通常、計測された複数の部分的な3次元形状から形状モデルを生成するためには、外れ値除去・位置あわせ・統合の3つの処理を行う必要がある。本手法ではこれらの処理を同時に解くために、ある程度の位置あわせが事前にできていることを仮定した上で、新たな定式化による誤差関数の最小化問題を反復的に解くことで破綻をきたさないようにしている。
【0016】
図10は、左から、ある程度位置合わせされた初期状態で入力データを重ね合わせて表示したもの、本手法により推定された運動パラメータにより入力データを重ね合わせたもの、本手法により統合された統合形状をワイヤフレームモデルで表示したものを示している。位置あわせ処理により位置合わせされるとともに、首の後ろなどに見られる誤計測部分が除去され、元のデータ構造に依存しない統一された形状記述による形状モデルが得られている。
【0017】
本実装で使用している曲面の記述方法について説明する。図3は、曲面Sから点pへの符号付距離の場を示している。3次元空間中の曲面Sがあるとき、3次元空間中の任意の点pから曲面S上の最も近い点はほとんどの場合一意に求めることができる。例外は、点pが複数の曲面の部分と等距離な場合、すなわち二平面からの等距離平面上の点であったり、球の中心であったりするような特殊な場合である。点pから曲面S上の最も近い点をCP[p,S]、その点における法線方向をSN[p,S]とする。面が滑らかで微分可能であれば、点pからCP[p,S]はSN[p,S]と同一方向にあり、点pの符号付距離SD[p,S]は、
【数2】
と表される。符号付距離とは、その絶対値は点pから曲面へ最も近い距離と等しく、その符号が負の場合には点pが対象物体の内部にあることを示すような距離である。符号付距離は絶対値距離と異なり、物体表面でも連続的に変化し、スカラー場を形成する。点pの近傍内の点xでの符号付距離は
【数3】
と表され、これは点pの近傍でのスカラー場の線形近似と考えることができる。CP[p,S]、SN[p,S]、SD[p,S]は符号付距離の場の点pの近傍での線形近似を表す係数としてまとめてSDF[p,S]と記述する。計測された形状データは2次元画像のような構造が入った計測点の集合として与えられることが一般的であり、最近点を求める手続きを実装する際には三角形などによる何らかの補間を行っている。
【0018】
図4は、二つのSDF間の距離の定義を説明するための図である。二つの曲面A,Bがあり、基点pから二つのSDFが求められているときに、その間の距離を定義する。基点pを中心とした近傍領域内の点xから面A,Bへの距離SN[x,A]とSN[x,B]の差の自乗を点xについて近傍内で積分した値を二つのSDFの距離を以下のように定義して、これを数式で表すと、
【数4】
となる。ただしxp=x−pはpを原点とする近傍内の点の座標、w(xp)は近傍を表現する重み係数、分母は近傍の体積とする。基点pを中心として対称な近傍をとると、w(xp)=w(−xp)が成り立ち、SDFの距離は法線方向の差と符号付距離の自乗の重み付和として表すことができる。
【数5】
近傍として基点pを中心とする一辺δの立方体をとった場合、wn=δ2/12である。
このように定義したSDF間の距離により、最小化すべき誤差関数として
【数6】
を設定する。ここでIは統合形状であり、
【数7】
は各SDFの一致度を表し外れ値に対しては0となるようにする。Iを求めることが統合であり、Tαを求めることが位置あわせであり、各SDFの一致度を求めることが外れ値処理であると定式化されている。解くべき変数が多いため、実装アルゴリズムではこの誤差関数を線形演算の組み合わせにより逐次的に解く。
【0019】
図12は本発明に関わる位置合わせと統合のアルゴリズムのフローチャートである。S0からS5までの各ステップについて説明する。
ステップS0において、前述した形状データS1,S2,…,SNと初期運動パラメータT1,T2,…,TNが得られているとする。
ステップS1では、共通座標系で記述された各データTα(Sα)について再標本化を行う。図5は、最も近い点による曲面のサンプリングを説明するための図である。実装においてはTαにより共通座標系に座標変換したときに3次元格子点pに最も近くなるデータ点
【数8】
を求め、その点における法線方向
【数9】
を決定する。これらの特徴量は共通座標系では
【数10】
となる。Tα(Sα)上にあるpに最も近い点までの符号付距離は
【数11】
として求まる。実装においては格子点の間隔はδとし、曲面から2δの距離の範囲にある基点pのみ計算に使用する。
【0020】
ステップS2では、それぞれの基点pにおいて各データに関する符号付距離の場SDF[p,Tα(Sα)]を比較し、同一性を判定する。実装においては、同一性を重み係数
【数12】
で表現し、ロバスト統計手法の一つであるM-推定を利用して決定する。初期化された重み係数をもとに、法線方向と符号付距離の重み付平均をとることにより統合し、統合された平均SDFから各SDFへの距離に従って重み係数を更新し、統合処理と重みの更新を繰り返す。基点pで重複しているデータは高々N個しかなく、統計的処理を行うには情報が足りないので、pの近傍の点p+skにおけるSDFをpまで外挿したものも使用する。極小解に陥らないように、重み係数
【数13】
を初期値とした単純平均値(推定値からの自乗距離の和を最小化)をもとに、L1推定(推定値からの絶対値距離の和を最小化)を行い、さらに重み関数としてbiweight関数を用いて、最終的に外れ値に対しては
【数14】
となるように重みを決定している。
【0021】
ステップS3では、ステップS2で決定した同一性を表している重み係数を用い、統合形状Iの符号付距離の場SDF[p,I]をpにおける符号付距離の場SDF[p,Tα(Sα)]の重み付平均として求める。ステップS3とS4では近傍p+skにおける情報は含めない。SDF間の距離は重み付自乗誤差であるため、平均値で統合することにより誤差は必ず減少する。
【0022】
ステップS4では、ステップS2で求めた重み係数を用い、各データSαについて
【数15】
を統合形状のSDF[p,I]に位置合わせしてTαを更新する。図6は、位置合わせを説明するための図である。各基点pについて、データ座標系での座標値
【数16】
から面Sαに下ろした法線上で、データSαから統合面と同じ符号付距離を持つ点
【数17】
を求める。それぞれの基点pから重み係数による重み付平均
【数18】
を引いた相対位置と、対応点から重み係数による重み付平均
【数19】
を引いた相対位置を用い、位置に関する相関行列
【数20】
を作成する。同様に法線に関する相関行列
【数21】
を作成する。これらの相関行列の重み付和C=wnCn+Cpを特異値分解(SVD)することにより、回転行列Rαを求める。並進ベクトルは、回転行列を適用した後の重み付重心の残差として
【数22】
で求められる。この操作を繰り返すことにより、データをサンプリングして得られたSDFと統合形状と重み係数を固定した範囲でTαについて最小化することができる。
【0023】
ステップS3とS4はともに誤差を減少するので、繰り返すことにより必ず収束する。誤差の減少量が閾値以下になった時点で収束したと見なして繰り返しを打ち切る。繰り返しが終了した時点で、更新された運動パラメータTαとデータをサンプリングして得られたSDFの間には不一致が生じるので、ステップ1に戻り再びサンプリングし直す。もし、ステップS3とS4を1度適用しただけで収束したと判定される場合には、全体として繰り返す必要がないと判断し、アルゴリズムは終了する。
【0024】
統合した形状データからポリゴンモデルを生成する手法を説明する。各格子点pには統合曲面への最近点CPp、符号付距離SDp、法線情報SNpが求められている。格子点に囲まれた立方体領域の頂点である格子点をp+sk(ただしskの各座標値は0またはδ)としたときに、符号付距離の場
【数23】
を中心点p+(δ/2,δ/2,δ/2)に外挿した符号付距離の平均を取ることにより、立方体領域の中心点の符号を判別することができ、立方体領域を物体の内部と外部のいずれかに分類することができる。内部と外部の立方体領域の境界面となる面を、繋がった正方形の集合として取り出すことができる。この面の各頂点は格子点上にあるが、その座標値を対応する最近点に置き換えることで、統合形状のポリゴン表現を得ることができる。最近点の座標だけでなく、法線情報も付加することによりCGで滑らかに表示できるモデルを生成することができる。
【0025】
図7は、統合形状のポリゴンモデル化の2次元模式図を示し、また、図8は、左から、立方体領域の表裏の境界面、頂点の座標値を最近点の座標値に置き換えたもの、ポリゴンモデルとして面を張ったもの、法線情報を添付して滑らかにレンダリングしたものをそれぞれ示している。
【0026】
簡単な例についてアルゴリズムの挙動がわかるような実験結果を示す。図11に示すように、入力形状として2つの姿勢の一葉双曲面から人工的に生成した3次元形状データを使用した例を示す。ステップS2が終了した段階で繰返毎に統合形状から生成した形状モデルを左から右に順に並べる。まず、2つの形状は統合される。位置合わせは行われていないため、格子点の間隔以下の程度に重なった領域は中間形状となる。この中間形状にそれぞれの入力形状を位置あわせする。S3とS4の繰り返しが終了すると、運動パラメータが更新され、統合形状が更新される。このようにS2に到達する度に徐々に二つの形状が一致するように運動パラメータが更新され位置合わせされるとともに、統合される。本アルゴリズム終了時の結果として、統合形状と、各入力形状を統合形状に位置あわせする剛体運動パラメータと、入力データを相互に比較して良いデータであれば1に、外れ値であれば0になるように分布する重み係数が得られる。
【0027】
【発明の効果】
従来手法に比較して、本発明は、符号付距離の場が一致するように位置あわせ・統合を行うことにより、収束にいたるまでの繰り返し回数を減らすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ある程度位置合わせされている複数のデータ曲面に点pから最も近い点を探索する方法の2次元模式図である。最も近い点が法線の足と一致しない場合は使用しない。
【図2】曲面Rからの符号付距離の等値面と、点pから最も近い点、法線、符号付距離の関係を示す2次元模式図。
【図3】曲面Sから点pへの符号付距離の場を説明するための図である。
【図4】二つのSDF間の距離の定義方法を説明する2次元模式図。点pから面A,Bへの符号付距離の場SDF[p,A]とSDF[p,B]はpの近傍で法線と符号付距離を用いて線形に近似でき、近傍内の点xの各面への符号付距離SD[x,A]とSD[x,B]の差の自乗和をxについてpの近傍内で積分したものを符号付距離の場の距離と定義する。
【図5】符号付距離の場による曲面のサンプリング方法を示す二次元模式図。統合空間内で、変換されてTα(Sα)と表される曲面の周辺の格子点に基点pをとり、符号付距離の場のパラメータである、最も近い点Tα(CPp α)・法線Rα(SNp α)・符号付距離SDp αを各基点pについて求める。
【図6】位置合わせ手続きにおいては、基点pのα番データ座標系での位置pαにおいてα番データからも統合形状からも符号付距離の場が一致するように、運動パラメータを求める。
【図7】統合形状のポリゴンモデル化の2次元模式図。格子点上にとった各基点からの符号付距離の場による統合形状の表現から、格子点に囲まれる小領域を形状の内外に分類し、その境界面から多面体(ポリゴン)形状モデルを生成する。
【図8】左から、立方体領域の表裏の境界面、頂点の座標値を最近点の座標値に置き換えたもの、ポリゴンモデルとして面を張ったもの、法線情報を添付して滑らかにレンダリングしたものを示す図である。
【図9】 24の方向から観測した部分的3次元形状データの例。物体はセンサの計測範囲内の適当な位置に置かれており、データ間の相対的な位置関係は未知である。センサから見て手前側の面しか観測されていない。
【図10】左から、ある程度位置合わせされた初期状態で入力データを重ね合わせて表示したもの、本手法により推定された運動パラメータにより入力データを重ね合わせたもの、本手法により統合された統合形状をワイヤフレームモデルで表示したものを示す。入力データに含まれる誤計測点(首の後ろの膨らんだ部分)などは統合モデルでは除去される。
【図11】具体的な入力画像に対して、アルゴリズムの挙動を示す図。入力された2枚の距離画像(上段)に対して、初期運動パラメータとして恒等変換を与える。最初に得られる統合形状では、二つの形状は最初重なり合っているだけである(下段左)。それぞれの入力形状は統合形状に位置合わせされ運動パラメータが更新され、統合形状が更新される。位置あわせと統合の手続きを繰り返すことにより、一つの形状として徐々に統合され(下段左から右へ)、運動パラメータが推定される。
【図12】本発明に関わる位置合わせと統合のアルゴリズムのフローチャートである。
Claims (4)
- 対象物体をさまざまな方向から計測した複数の3次元形状データの対応付けを求め、形状データが一致するように運動パラメータを更新して位置合わせすると共に統合することにより、形状モデルを生成する方法において、
前記複数の3次元形状データが共通の座標系においてある程度位置合わせされている状態で、共通の座標系にある前記複数の3次元形状曲面上に限定されない任意の複数の空間点を複数の基点として、各基点から曲面上での最も近い点への距離に等しい絶対値と当該基点が曲面の表側及び裏側のいずれにあるかに応じた符号を有する符号付距離を求め、
前記複数の基点のそれぞれにおける前記複数の3次元形状データの各データについて、基点近傍で求めた符号付距離の値が一致するように、各データと共通の座標系との位置関係を表す運動パラメータを求めて位置あわせすることから成る統合された形状モデルを生成する方法。 - 前記複数の3次元形状データの位置合わせと統合において、各基点において基点近傍で求めた符号付距離の値を重み付け平均することにより形状を統合する操作と、符号付距離の場が一致するように運動パラメータを調整し各形状データを統合した形状に位置合わせする操作を収束するまで繰り返すことにより、複数の3次元形状の位置合わせと統合を同時に行う請求項1に記載の統合された形状モデルを生成する方法。
- 前記3次元形状曲面が向きつき曲面であるとき、この向きつき曲面について3次元空間中の複数の基点での符号付距離の場が求まっているときに、各基点を頂点とするような小領域を基点の符号付距離を分析することにより曲面の内部と外部に分類し、内部と外部の境界面を基点を頂点とするような多面体構造として抽出し、頂点の座標値として各基点から曲面上での最も近い点の座標を与え、頂点の特性として法線を付加することにより曲面の法線情報付きポリゴン形状モデルを生成する請求項1に記載の統合された形状モデルを生成する方法。
- 対象物体をさまざまな方向から計測した複数の3次元形状データの対応付けを求め、形状データが一致するように運動パラメータを更新して位置合わせすると共に統合することにより、形状モデルを生成するコンピュータプログラムにおいて、
前記複数の3次元形状データが共通の座標系においてある程度位置合わせされている状態で、共通の座標系にある前記複数の3次元形状曲面上に限定されない任意の複数の空間点を複数の基点として、各基点から曲面上での最も近い点への距離に等しい絶対値と基点が曲面の表側及び裏側のいずれにあるかに応じた符号を有する符号付距離を求め、
前記複数の基点のそれぞれにおける前記複数の3次元形状データの各データについて、基点近傍で求めた符号付距離の値が一致するように、各データと共通の座標系との位置関係を表す運動パラメータを求めて位置あわせする手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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