図1および図2に示すこの発明の一実施例のコントローラ10は、たとえばプラスチックや金属で成型された長手形状のハウジング12を含む。このハウジング12は、所要の深さを有し、上面開口でかつ有底の、平面矩形形状を有する下ハウジング14と、その下ハウジング14の上面開口を塞ぐ形で下ハウジング14と一体的に組み立てられる上ハウジング16とを含み、特に図2(A)や図2(E)に示すように、全体として、断面矩形を有する。
ハウジング12は把持部18を有し、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさであり、長手方向(図2(B)の中心線C1に沿った方向)の長さL(図2(D))はたとえば8−15cmに、幅(長手方向C1
に直交する)W(図2(D))はたとえば2−4cmに、それぞれ設定される。
ただし、ハウジング12の形状は実施例のような平面矩形の長手形状に限らず、平面形状が楕円形などの長手形状であってもよい。同様に、断面形状も矩形に限らず、円形や他の形状の多角形であってよい。
上ハウジング16の平坦な主面がハウジング12の上面20となる。ハウジング12の上面20は、特に図1(A)や図2(B)からよく分かるように、ハウジング12の長手方向に沿って延びる長方形である。また、この上面20は第1面に相当し、その第1面20とは反対の第2面に相当するのは、下ハウジング18の表面ないし主面22である。この第2面22は、第1面20にほぼ平行になる。ただし、ハウジング12の長手方向C1において、図2(B)における上方向を前方(一方端側)、下方向を後方(他方端側)とする。
ハウジング12の上面20のハウジング前方端(一方端)付近の、上面20の幅方向中心(図2(B)において中心線C1で示す。)からやや右に、電源スイッチ24が設けられる。この電源スイッチ24は、ゲーム機112(図9)の電源を遠隔操作でオン/オフするためのものである。
なお、この実施例では、コントローラ10自体をオン/オフするための電源スイッチは設けておらず、コントローラ10のどれかの操作スイッチを操作することによってコントローラ10はオンとなり、一定時間以上操作しなければ自動的にオフとなるようにしている。
上面20の幅方向中心線C1上でかつハウジング12の長手方向中心(図2(B)において中心線C2で示す。)より前方側に、方向スイッチ26が設けられる。この方向スイッチ26は、4方向プッシュスイッチとセンタスイッチとの複合スイッチであり、矢印で示す4つの方向、前(または上),後(または下),右および左の操作部分26F,26B,26Rおよび26Lを含むとともに、センタスイッチ28を含む。操作部分26F,26B,26Rおよび26Lは1つのキートップ上に、リング状に90°間隔で配置され、それらのいずれかを操作することによって、それら操作部分26F,26B,26Rおよび26Lに個別的に対応して多角形状に配置されている接点(図示せず)が選択的にオンされ、それによって前後左右いずれかの方向を選択する。たとえば、操作部分26F,26B,26Rおよび26Lのいずれかを操作することによって、それらの接点のいずれかがオンとなり、たとえば、ゲームプレイヤによって操作可能なキャラクタまたはオブジェクト(プレイヤキャラクタまたはプレイヤオブジェクト)の移動方向を指示し、あるいはカーソルの移動方向を指示したりすることができる。
センタスイッチ28は、1つの押しボタンスイッチであり、いわゆるBボタンとして使用され得る。Bボタン28は、よく知られているように、後述のセレクトスイッチ32で選択したゲームモードの変更や、後述のAボタンで決定したアクションの取り消し等のために用いることができる。
ただし、実施例のような複合スイッチは、よく知られている(たとえば、http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/small_switch/b−6−2.htmを参照)ように、携帯電話などに多く利用されているので、ここでは、これ以上の詳細な説明は省略する。
このように、実施例の方向スイッチ26では、各方向(実施例では4方向)を示すように多角形状(矩形または菱形)に配置された接点(図示せず)を含み、それらの接点を単一のキートップに形成された操作部分26F,26B,26Rおよび26Lで操作するようにした。しかしながら、各操作部分26F,26B,26Rおよび26Lがそれぞれ個別のキートップとして設けられ、各キートップで対応する1つの接点を操作するようにしてもよい。
また、方向スイッチ26は、十字型のキーでもよいし、ジョイスティックでもよい。方向スイッチ26がジョイスティックである場合、その先端を360°任意の方向に倒し、あるいは偏位させることによって、任意の方向や位置を指定することができる。
上面20上には、方向スイッチ26の後方よりに、図2(B)でよく分かるように、ハウジング12の幅方向中心線C1を挟んで「ハ」字状に配置されるキートップを有するスタートスイッチ30およびセレクトスイッチ32が設けられる。スタートスイッチ30は、ゲームを開始(再開)したり、一時停止(Pause)したりする等のために用いられる。セレクトスイッチ32は、ゲームモードの選択等のために用いられる。
なお、このスタートスイッチ30およびセレクトスイッチ32は、実施例のような「ハ」字型に限ることなく、横一列、縦一列など任意の配置で設けられ得る。
上記方向スイッチ26の位置にほぼ対応する位置の下のハウジング14の第2面22には、凹部34が形成される。この凹部34は、図1や図2(C)から分かるように、第2面22の幅方向の端から端まで届くように形成された凹みである。また、この実施例の凹部34の位置は、図2(B)および図2(C)を対比すれば分かるように、厳密には、方向スイッチ26よりやや前方よりに形成される。この凹部34は、後述のようにプレイヤが手でこのコントローラ10すなわちハウジング12の把持部18を把持したとき、その同じ手の人差し指が自然な形で位置する、そのような位置に形成される。したがって、この凹部34の谷36の幅(ハウジング12の長手方向の)は、その人差し指が入り込むことができる大きさに形成される。凹部34は、その谷36から立ち上がる2つの傾斜面38および40を有し、前者の傾斜面38は、谷36からハウジング12の後方に立ち上がって形成され、後者の傾斜面40は逆に、谷36からハウジング12の前方へ立ち上がる。
この下ハウジング14の凹部34の後側の傾斜面38には、Aボタン42が設けられる。Aボタン42は、方向スイッチ26に対応する位置に設けられている。ここで、対応する位置とは、ハウジング12の上面から透視したとき、方向スイッチ26とAボタン42とが近くに配置されるような位置であり、より好ましくは方向スイッチ26とAボタン42の少なくとも一部が重なるように配置される。谷36の底部は図示からよく分るように、ハウジング12の上面20すなわち第1面とほぼ平行な面となっていて、Aボタン42が配置される後方傾斜面38は、その谷36の底部平行面と、先に説明した、ハウジング12の後方(他方)側に形成された把持部18との間に形成されることになる。そして、Aボタン42は、スイッチ接点(図示せず)とそのスイッチ接点をオン/オフするためのキートップを有するプッシュスイッチであり、キートップは、傾斜面38に垂直な方向に動くように設けられる。したがって、後に説明するように、プレイヤは、凹部34に人差し指または中指を掛けてそれを手前へ引き寄せるだけで、Aボタン42をオンすることができる。つまり、人差し指または中指をその凹部34に配置しておくことができるので、必要なとき、Aボタン42を素早く、確実に操作できる。
なお、Aボタン42は、たとえば、打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意の動作をプレイヤキャラクタもしくはプレイヤオブジェクトにさせることができる。たとえば、アクションゲームにおいては、ジャンプ、パンチ、武器を動かす等を指示することができる。また、ロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションRPGにおいては、アイテムの取得、武器やコマンドの選択および決定等を指示することができる。
また、上述の把持部18は、ハウジング12の、上記凹部34すなわちAボタン42より後方に形成される。後述のように、コントローラ10を使用するとき、プレイヤの片手の手のひらが把持部18を包むようにして、コントローラ10すなわちハウジング12を把持するのであるが、このとき、コントローラ10すなわちハウジング12のサイズは片手で把持できる大きさまたは太さであるから、プレイヤは片手だけで安定的に把持部18を把持することができる。
しかも、Aボタン42のキートップは傾斜面38に垂直な方向、すなわち把持部18に向かう方向に押し込むことによってオンする。傾斜面38はハウジング12の上面すなわち第1面20に対しては垂直ではないので、Aボタン42のキートップは結局、上面20に対して非垂直な方向に押し込まれる。これに対して、Bボタン28や方向スイッチ26は上ハウジング16の上面20に垂直な方向に押し込むことによってオンする。これらの押し込み方向は、把持部18を把持した場合に人差し指と親指とが自然に力を加えることができる方向であり、把持部18の把持状態を維持したまま、操作時にも親指と人差し指で操作部周辺を支持し続けることが可能となり、常に安定した把持状態で操作を行うことができる。
さらに、ハウジング12の幅方向中心線C1上であってかつ長手方向中心C2より後方に、間隔を隔てて直線上にXボタン44およびYボタン46が配置される。これらXボタン44およびYボタン46は、たとえば、3次元ゲーム画像を表示する際の視点位置や視点方向、すなわち仮想カメラの位置や画角を調整するために使用される。
把持部18を構成する下ハウジング14には、電池カバー48が着脱自在に取り付けられていて、この電池カバー48の内側には図7に示す電池78が収納される。したがって、コントローラ10はこの電池78を電源として動作する。なお、電池カバー48を取り外すときには、係合爪50を下ハウジング14から外せばよい。
このように、ハウジング12内の把持部18の範囲に、比較的重量物である電池78を収納するようにしたので、重心G(図2(B))がこの把持部18の範囲に確実に含まれることになり、把持部18を把持した状態でコントローラ10を変位または運動させる場合、それが安定して行なえる。
ハウジング12の先端面52(図1、図2(A))には、後に詳細に説明する撮像情報演算ユニット54の一部を構成する赤外線撮像装置56が配置され、ハウジング12の後端面58(図1、図2(E))には、たとえば32ピンのエッジコネクタ60が設けられる。このコネクタ58は、この実施例のコントローラ(第1コントローラ)10を別の第2コントローラ(後述)に装着して接続するためなどに利用される。
このように構成されたコントローラ10は、ゲームプレイヤ(図示せず)の1つの手で把持され得る。プレイヤがコントローラ10を手で把持した状態が図3および図4に示される。これらの図を参照して、プレイヤの片手(図示の場合、右手)62の手のひら62Pと、中指62c,薬指62dおよび小指62eの腹とでハウジング12の把持部18を軽く包むように把持する。この状態では手62の親指62aが方向スイッチ26の上に置かれ、人差し指62bが下ハウジング14の凹部34の谷36に置かれる。つまり、方向スイッチ26はハウジング12を把持した手62の親指62aが届く位置、すなわち親指62aで操作可能な位置に配置され、Aボタン42は、ハウジング12を把持した手62の人差し指62bが届く位置、すなわち人差し指62bで操作可能な位置に配置される。したがって、手62でハウジング12を把持したまま、親指62aで方向スイッチ26を操作することができ、人差し指62bでAボタン42を操作することができる。詳しく言うと、手62の人差し指62bが下ハウジング14に形成されている上述の凹部34の谷36の表面に接触するように置かれる。その状態で人差し指62bを手前側(図3でいえば右側)に折り曲げることによって、人差し指62bの腹でAボタン42のキートップを凹部34の手前側傾斜面38に垂直に押し込むことができる。したがって、手62でハウジング12を把持したまま、人差し指62bでAボタン42を操作
できるのである。
ただし、把持する手62が左手であっても同様である。
また、上では、Aボタン42は人差し指62bで操作するものとして説明した。しかしながら、Aボタン42の後方にさらにAボタンと同様の形状のA2ボタン(図示せず)を設け、ハウジング12を手のひら62Pと薬指62dおよび小指62eの腹とで把持し、Aボタン42を人差し指62bで、A2ボタン32を中指62cでそれぞれ操作するようにしてもよい。
このように、この実施例のコントローラ10では、片手で把持した状態で第1操作部(実施例では方向スイッチ26)および第2操作部(実施例ではAボタン42)を容易に操作できる。つまり、この実施例のコントローラ10では、コントローラ10を片手で把持したまま各操作部を安定に操作できる。したがって、もう一方の手を、ゲームプレイのために、あるいは他の目的のために、活用することができる。しかも、片手だけで把持できるので、両手で持った場合に比べて、コントローラ10は自由に動かすことができる。そのため、コントローラ10の移動や運動または変位がスムーズに行える。
また、実施例のコントローラ10では、ハウジング12の上面20に設けた第1操作部たとえば方向スイッチ26の位置と、ハウジング12の下面に設けた第2操作部たとえばAボタン42の位置とを、ハウジング12の上下面20,22で対応させ、それらを操作する親指と人差し指(または中指)でハウジング12を挟むようにしたので、操作が一層安定する。たとえば、親指62aで方向スイッチ26を操作しているときには、Aボタン42を操作すべく凹部34に置かれた人差し指62bまたは中指62cでハウジング12を下方から支えるので、親指の62aでの方向スイッチ26のプッシュ操作が安定して行なえる。同じように、人差し指62bまたは中指62cでAボタン42を操作しているときには、方向スイッチ26を操作するための親指62aでハウジング12を上方から支えるので、人差し指62bまたは中指62cでのAボタン42のプッシュ操作が安定する。
さらに、この実施例では、先の図2(B)に図示した幅方向中心線C1と長手方向中心線C2との交点またはその近傍にコントローラ10の重心Gがくる。この重心Gの位置は、図2からよく分るように、把持部18の範囲に包含される。したがって、コントローラ10を把持部18で把持した場合には、把持した手62(図6)が重心Gの位置を支えることになり、把持した状態を非常に安定に維持できる。そのため、撮像情報演算ユニットのためのコントローラ12の運動や移動または変位が一層スムーズに行える。
図3では、人差し指62bでAボタン42を押している状態を図示した。Aボタン42を押す必要がないときには、人差し指62b(これは中指62cでも同じ)をAボタン42から離せばよい。つまり、人差し指62b(または中指62c)を図5に示すように、凹部34の先端側傾斜面40に押し付けるようにすれば、人差し指62b(中指62c)をAボタン42から離した状態で安定させることができる。したがって、Aボタン42を押すか押さないかでハウジング12の把持の状態を変更する(持ち替える)必要がない。
図6および図7にはこのコントローラ10で上ハウジング16を外した状態および下ハウジング14を外した状態がそれぞれ図解される。上ハウジング16を外した図6に示すように、下ハウジング14の上端には、下ハウジング14の上部開口を封止するように基板64が取り付けられていて、この基板64の上主面上に先に説明した、電源スイッチ24,方向スイッチ26,スタートスイッチ30,セレクトスイッチ32,Xボタン44およびYボタン46が組み立てられ、適宜の配線(図示せず)によってコントローラ回路を構成するプロセサ66(図8)に接続される。
基板64の上主面上には、さらに、方向スイッチ26とXボタン44との間に、たとえばスタートスイッチ30およびセレクトスイッチ32の間あたりに、加速度センサ68および無線モジュール70が組み付けられる。
加速度センサ68は、プレイヤが手で把持したコントローラ10の位置および/または姿勢を検出するための位置および/または姿勢検出手段として機能する。方向スイッチ26、Aボタン42等の操作信号に加え、加速度センサ68からの位置および/または姿勢の情報を出力し、ゲーム機側で位置や姿勢の操作信号として取得することで、自由度の高いゲーム操作を行うことが可能となる。
加速度センサ68は、たとえば図6に示すX軸、Y軸、およびZ軸の3軸でそれぞれ加速度を検知できる加速度センサである。ただし、必要に応じて、図6のX軸およびY軸の2軸加速度センサが用いられてもよい。実施例では、加速度センサ68として静電容量式のものが利用されるが、他の方式のものが用いられてもよい。
このように、ハウジング12内に加速度センサ68を配置し、その加速度センサ68によってハウジング12すなわちコントローラ10の姿勢や位置を検出するようにすれば、図3−図5を参照して説明したようにハウジング12の把持部18を片手で持った状態でその手の手首を動かすこと(回転)によって、コントローラ10の位置や姿勢を簡単に変更できる。したがって、この実施例のコントローラ10によれば、コントローラ10の各操作スイッチ24−32,44,46の操作信号だけでなく、コントローラ10の位置や姿勢もコントローラデータとして利用でき、一層自由度の高い操作が可能となる。
しかも、加速度センサ68が把持部18のハウジング12内に設けられ、方向スイッチ26に親指、Aボタン42に人差し指が自然に配置され、残りの指で把持部を把持するようになるので、コントローラ10の持ち方が個人差に依存せず、ばらつきのない一定の基準によって精度の高い検出を行うことができる。つまり、上述の手首の回転運動は、回転に伴って回転軸のずれを生じる可能性があり、さらに右回転や左回転で非対称な回転をするため、誤差を生じる可能性がある。しかしながら、実施例のように加速度センサ68を把持部18のハウジング12内に設けることによって、回転に伴う回転軸のずれが軽減され、検出の誤差の可能性が減じられる。
さらに、実施例では、コントローラ10の位置や姿勢のセンサすなわち位置および/または姿勢検出手段として、加速度センサ68を用いた。しかしながら、同じ目的で、加速度センサ68に代えて、ジャイロセンサを利用することできる。
また、実施例では、位置および/または姿勢検出手段としての加速度センサ68(またはジャイロセンサ)をハウジング12内の把持部18(図1)の範囲内に設置した。そのため、位置および/または姿勢検出手段による位置および/または姿勢の検出が正確に行なえるという利点があるが、この位置および/または姿勢検出手段は目的に応じてハウジング12内の他の位置に配置することもできる。たとえば、位置および/または姿勢検出手段をハウジング12の後方に寄せれば、ハウジング12の変位に伴う位置および/または姿勢の変化量が小さくなり、逆にハウジング12の前方に寄せれば、ハウジング12の変位に伴う位置および/または姿勢の変化量は大きくなる。したがって、必要な性能に応じて最適の位置に配置するようにすればよい。
基板64の上主面には、さらに、アンテナパターン72が形成され、このアンテナパターン72と上述の無線モジュール70とによって、このコントローラ10をワイアレスコントローラ化している。つまり、上述の各スイッチやボタン24−32,44,46の操作信号、さらには、撮像情報演算ユニット54の検出データ(検出信号)および加速度センサ68からの加速度データ(加速度信号)は、無線モジュール70で微弱電波信号に変調され、その変調微弱電波信号がアンテナパターン72から放射される。したがって、ゲーム機(図示せず)はその微弱電波を受信し、復調や復号を実行することによって、スイッチ24−32,44,46の操作信号、撮像情報演算ユニット54の検出データ、加速度センサ68の検出加速度データを取得することができる。そして、ゲーム機はそのようにして取得した信号やデータとゲームプログラムとに基づいて、ゲームを進行させる。
また、基板64の上主面に設けられる水晶振動子74は、このコントローラ10に含まれるコンピュータまたはプロセサ66(図8)の基本クロックを作るためのものである。
下ハウジング14を外した図7に示すように、上記基板64の下主面上の先端縁に撮像情報演算ユニット54が取り付けられ、後端縁にコネクタ60が取り付けられる。この撮影情報演算ユニット54は、前述の赤外線撮影装置56とこの撮像装置(撮像手段)56で撮影した画像データを処理するための画像処理回路76を有する。
そして、先に説明したAボタン42が撮像情報演算ユニット54の後方の基板64の下主面上に取り付けられていて、それよりさらに後方に、前述の電池78が収容される。電池78とコネクタ60との間において基板64の下主面上には、バイブレータ80が取り付けられる。このバイブレータ80は、たとえば振動モータやソレノイドであってよい。バイブレータ80によってコントローラ10に振動を発生するので、それを把持しているプレイヤの手62(図3)にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。したがって、プレイヤに対して振動による刺激を与えることができる。
なお、このように、バイブレータ80を、ハウジング12の長手方向において撮像情報演算ユニット54とは反対側に配置すれば、バイブレータ80の振動が撮像情報演算ユニット54による画像撮影に悪影響を与える可能性が小さい。つまり、バイブレータ80と撮像情報演算ユニット54との間の距離をできるだけ大きくできるので、バイブレータ80の振動で撮像情報演算ユニット54の撮像素子がぶれたりするのが、可及的抑制できる。
なお、撮像手段または撮像装置56で撮影する方向を変更するとき、図3−図5を参照して既に説明したようにハウジング12の把持部18を片手で持った状態でその手の手首を動かせばよいが、このとき、撮像手段56がハウジング12の前方端に備えられ、方向スイッチ26に親指、Aボタン42に人差し指が自然に配置され、残りの指で把持部を把持するようになるので、コントローラ10の持ち方が個人差に依存せず、ばらつきのない一定の基準によって撮像を行うことができる。
ここで、図8を参照して、実施例のコントローラ10の電気回路構成について説明する。
撮像情報演算ユニット54は、赤外線撮像装置56と、この撮像装置56で撮影した画像データを処理するための上述の画像処理回路76を有する。撮像装置56は、図示するように、CMOSセンサやあるいはCCDのような固体撮像素子561を含み、その撮像素子561の前方には、赤外線フィルタ(赤外線だけを通すフィルタ)562およびレンズ563を配置している。したがって、この撮像装置56では、赤外線だけを検出して画像データを作成する。そして、画像処理回路76は、撮像装置56から得られた赤外画像データを処理して、高輝度部分を検知し、それの重心位置や面積を検出して、それらのデータを出力する。この高輝度部分の位置や面積のデータが、画像処理回路76からプロセサ66に入力される。さらに、このプロセサ66には、上述の各スイッチやボタン24−32,44,46からの操作信号が入力される。さらに、加速度センサ68からの3軸または2軸の加速度データ(加速度信号)もプロセサ66に入力される。
プロセサ66は、操作スイッチ24−32,44,46からの操作信号に基づいて、そのときどの操作スイッチや操作ボタンが操作されているかを検出する。この操作データを、加速度データおよび高輝度部分データとともに、一連のコントローラデータとして出力し、無線
モジュール70に入力する。無線モジュール70は所定周波数の搬送波をこのコントローラデータで変調し、その微弱電波信号をアンテナ72から放射する。
なお、コントローラ10の後端に設けられていたコネクタ60を通して入力された信号やデータもプロセサ66に入力され、プロセサ66によって上述の信号やデータと同様に処理されてコントローラデータとして無線モジュール70へ与えられ、同様に微弱電波信号としてこのコントローラ10から出力される。
なお、プロセサ66は、無線モジュール70とは独立のものでもよいが、Bluetooth(登録商標)規格等の無線モジュールを用いる場合には、マイコンとしてモジュール内に含まれるような構成であってもよい。
ゲームシステム100でこのようなコントローラ10を用いてゲームをプレイするためには、プレイヤ102は、図9に示すように、一方の手62でコントローラ10(のハウジング)を把持する。そして、コントローラ10の先端の前述の撮像情報演算ユニット54の撮像装置56(図8)がディスプレイ104の画面106を向くようにする。このとき、ディスプレイ104の画面106の近傍に、2つのLEDモジュール108Aおよび108Bを設置する。このLEDモジュール108Aおよび108Bからはそれぞれ赤外線が出力される。一方、プレイヤが把持したコントローラ10の撮像情報演算ユニット54には上述のように赤外線フィルタ562(図8)が組み込まれている。
撮像情報演算ユニット54の画像処理回路76(図8)は、その赤外線を含む撮影画像を処理することによって、LEDモジュール108Aおよび108Bの位置や面積情報を高輝度点の情報として取得する。輝点の位置や大きさのデータがコントローラ10から無線(微弱電波)でゲーム機112に送信され、ゲーム機112で受信される。プレイヤ102がコントローラ10すなわち撮像情報演算ユニット54を動かすと、輝点の位置や大きさのデータが変化するため、それを利用して、ゲーム機112はコントローラの動きに対応した操作信号を取得することができ、それに従ってゲームを進行させることかできる。
このように、撮像情報演算ユニット54によってマーカ(実施例ではLEDからの赤外光)を撮影し、その撮影画像中のマーカの位置の変化に応じた操作信号を取得することができるため、指で操作する操作スイッチや操作キーあるいは操作ボタンによる操作とは異なり、画面内における座標直接入力や回転の入力が可能となる。ただし、このような撮像情報演算ユニットの原理自体は、特許第3422383号等に記載されているようによく知られているので、ここでは、これ以上の説明は省略する。なお、モーショントラッキングとは、画面(画像)の中の特定のマークやパターンをターゲットとして、物体やカメラ(ここでは、コントローラ10)の動きを解析することである。
図10は、たとえば図1および図2に詳細に図示したコントローラ10を簡略化して図解した図解図であるが、この図10に示すように、コントローラ10のハウジング12の長手方向の、すなわち幅方向中心線C1に沿う方向の一方端側よりに把持部18を設定し、この中心線C1の線上でかつこの把持部18とは反対側のハウジング12の他方端に撮像装置56を配置しているため、図3のように把持部18を把持した手62の手のひら62Pを通る直線(幅方向中心線C1)が撮像装置56の指示方向と一致するので、撮像装置56が向けられている方向を認識し易いという利点がある。つまり、撮像装置56の撮像方向(後述する視野角Cの向いている方向に相当)がハウジング12の長手方向に沿った方向になるので、ハウジング12を把持した状態で撮像装置56の指示方向を直感的に把握することができる。これにより、ハウジング12を把持した状態で撮像装置56の指示方向を直感的に把握することができる。ここで、ハウジング12の長手方向とは、この実施例のように直方体形状のハウジングの場合には、たとえば幅方向中心線C1で表される。また、撮像装置56の撮像方向は、後述する図29に示すように、親指を方向スイッチ26のたとえば中央に置き、把持部18を手のひらとその他の指とで把持したとき、その親指の向いている方向でもある。
なお、図9に示すLEDモジュール108Aおよび108B、およびコントローラ10の撮像情報演算ユニット54はそれぞれ視野角AおよびB、およびCを持っている。実施例では、視野角AとBとは等しく、ともに、たとえば34°(半値角)で、視野角Cはたとえば41°である。そして、追跡動作において、図10に示すように撮像装置56の視野角Cの中に2つのLEDモジュール108Aおよび108Bがともに存在するときは、撮像情報演算ユニット54は、2つのLEDモジュール108Aおよび108Bによる高輝度点の位置や大きさの情報を使って撮像情報演算ユニット54すなわちコントローラ10の動きを検出する。
ただし、図11に示すように撮像装置56の視野角Cの中に1つのLEDモジュール108Aまたは108Bだけが存在するときは、撮像情報演算ユニット54は、2つのLEDモジュール108Aおよび108Bのどちらか一方だけによる高輝度点の位置や大きさの情報を使ってコントローラ10の動きを検出する。
上で説明したコントローラ10はそれ単独でゲーム用操作装置としての機能を十分に発揮できるものであるが、さらに、以下に説明する実施例のように、別のコントローラ(あるいはアダプタ)と協働させることも可能である。
図13-図17に示す実施例では、図13に示す第2コントローラ200と先に説明した実施例の第1コントローラ10とを用いる。詳しく説明すると、第2コントローラ200は、第1コントローラ10の縦長のハウジング12とは違って、横長のハウジング202を含む。この横長ハウジング202の左右両側部分がそれぞれ、把持部204および206として機能する。把持部204は図16に図解するように、左手63の手のひらで包み込むように把持され、把持部206は右手62の手のひらで包み込むように把持される。つまり、把持部204は左手把持部であり、把持部206は右手把持部である。このことは、図18-図20の別の実施例においても同様である。ただし、把持部204の表面と把持部206の表面とは同じ平面内に位置し、ともに図14および図15に示すハウジング202の上面203を構成する。
ハウジング202の、左手把持部204と右手把持部206との間には、受け入れ部208が形成される。この受け入れ部208は、第1コントローラ10のハウジング12をそこへ受け入れるための凹部である。受け入れ部208は前面および上面が開放された形状で、その内面形状は、第1コントローラ10の長手方向に直交する方向でのハウジング12の外形形状(図2(E))に相似し、それよりも若干大きめの寸法で形成される。つまり、受け入れ部208の幅Waは図2(D)に示す第1コントローラ10のハウジング12の幅Wと等しいかやや大きく、深さD1は、ハウジング12の厚みT(図2(A),(E))とほぼ等しくされる。ただし、その奥行きの長さD2は、この実施例では、たとえば図1に明確に図示している第1コントローラ10のハウジング12の把持部18の長さに対応する長さに設定される。つまり、受け入れ部208の奥行きD2は、第1コントローラ10の把持部18の長さ(第1コントローラの長手方向の)と等しいか、あるいはそれぞれよりやや長くもしくはやや短く設定される。
そして、この受け入れ部208の奥部には、正確には図示していないが、第1コントローラ10に設けられたコネクタ56と接続されるコネクタ210が配置される。第1コントローラ10のコネクタ56が雄型コネクタであったので、第2コントローラ200のこのコネクタ210は雌型コネクタである。
第2コントローラ200のハウジング202の左手把持部204の上面には、周知のアナログジョイスティック212と方向スイッチ(ディジタルジョイスティック)214とが配置される。また、右手把持部206の上面には、Aボタン216およびBボタン218が設けられるとともに、そのやや大き目のAボタン216を取り囲むように、Xボタン220およびYボタン222が設けられ、さらには、ディスプレイの画面106(図9)に3次元ゲーム画像を表示しているときの仮想カメラの位置すなわち視点を変更するためのジョイスティック224が設けられる。Aボタン216およびBボタン218の機能や作用は第1コントローラ10のAボタン42およびBボタン28と変わらない。Xボタン220はたとえば仮想カメラのX軸まわりの注視角度を切り替えるために使用され、Yボタン222はY軸まわりの注視角度を変更するために利用され得る。
このような第2コントローラ200の受け入れ部208の前面開口から、第1コントローラ10のハウジング12をその他方端(後端)から挿入する。そして、受け入れ部208のコネクタ210に第1コントローラ10のコネクタ56が接続されるまで、ハウジング12を押し込む。そうすると、図14に示すように、第1コントローラ10が第2コントローラ200と合体する。
第1コントローラ10と第2コントローラ200とが一体化した状態では、特に図14および図15からよく分かるように、第1コントローラ10の把持部18はほぼ受け入れ部208に埋没する。それは、受け入れ部208の奥行きが把持部18の長さと等しいか、あるいはそれよりやや長くもしくはやや短く設定されているからである。したがって、第1コントローラ10の重心が第2コントローラ200で支持されることになり、第2コントローラ200で第1コントローラ10を安定的に支持することができる。
さらに、受け入れ部208の幅が第1コントローラ10のハウジング12の幅と等しいかよりやや大きく設計され、深さは、ハウジング12の厚みと等しいかやや大きくセンサ形成されるので、第1コントローラ10を第2コントローラ200の受け入れ部208に挿入または装着したとき、第1コントローラ10と第2コントローラ200との間でがたつきはなく、しかも、図15からよく分かるように、第1コントローラ10のハウジング12の上面20と第2コントローラ200のハウジング202の上面203とが面一になるので、第1コントローラ10が第2コントローラ200の表面から突出した状態になって第2コントローラ200の操作に邪魔になったりすることはい。
第1コントローラ10と第2コントローラ200とが一体にされると、プレイヤは、図16に示すように、第2コントローラ200のハウジング202の把持部204および206をそれぞれ左手63および右手62で把持部する。この状態では第1コントローラ10の操作スイッチやボタンは一部を除いて使用する必要がなくなる。ただし、第1コントローラ10の無線送信機能と撮像情報演算ユニットの機能とはそのまま利用可能である。
図14および図15に示すように第1および第2のコントローラ10および200が一体化されたとき、その電気回路構成は図17のようになる。つまり、図17において、操作スイッチ212−224は第2コントローラ200の操作スイッチやボタンであり、これらの操作スイッチ212−224の操作信号は、コネクタ210からコネクタ56を通って第1コントローラ10のプロセサ66に入力される。そのため、このプロセサ66は、第2コントローラ200からの操作信号を、第1コントローラ10からの操作信号と同じように処理し、コントローラデータとして無線モジュール70に入力する。したがって、無線モジュール70からアンテナ72を経て、第2コントローラ200の各スイッチやボタン212−224の操作信号がコントローラデータとして微弱電波で無線送信され得る。したがって、第1コントローラ10と第2コントローラ200とを合体してもワイア
レスコントローラとして機能する。
また、第1コントローラ10の撮像情報演算ユニット54は第1コントローラ10と第2コントローラ200とが合体しても何ら影響を受けないので、図16に示すように両手で把持した第2コントローラ200のハウジング202を上下左右に変位させることによって、第1コントローラ10の撮像情報演算ユニットの機能を利用してゲームをすることができる。
なお、第1コントローラ10と第2コントローラ200とが一体化した状態では、第1操作部は、典型的には第1コントローラ10の前述の方向スイッチ26であり、第2操作部は、同様にAボタン42である。第3操作部は、第2コントローラ200の左手把持部204に設けられたジョイスティック212や方向スイッチ214であり、第4操作部は、第2コントローラ200の右手把持部206に設けられたAボタン216などである。ただし、第3操作部および第4操作部の関係は逆の場合もあり得る。いずれの場合も、第3操作部および第4操作部は、図16に示すように、左手63の親指63aや右手62の親指62aで操作され得る。
先に説明したように、第1コントローラ10では、把持部18で把持したときに親指62aで操作可能な位置に第1操作部(方向スイッチ26)を配置し、人差し指62bまたは中指62cで操作可能な位置に第2操作部(Aボタン42)を配置した。したがって、第1コントローラ10では、把持部18の範囲に設けられたXボタン44およびYボタン46はやや操作し難い。これに対して、第2コントローラ200では、Xボタン220およびYボタン222はともに、ハウジング202の右手把持部206に設けられ、右手62(図16)で把持部206を把持した状態で親指62aで容易に操作可能である。
このように、片手用の第1コントローラ10には必要最小限の数の操作スイッチまたはキーを配置することによって、片手操作時の操作をし易くすることができる。しかしながら、たとえば上述のXボタン44やYボタン46のように、ゲームの種類によってはかなり頻繁に操作する必要が生じる場合もある。第1コントローラ10では、Xボタン44やYボタン46は把持部18の範囲に設けられているので、操作が必ずしも容易ではない。つまり、第1コントローラ10だけでは、Xボタン44やYボタン46の操作の困難性からプレイヤが不満を持つ場合も生じる。このような場合に、第2コントローラ200と第1コントローラ10とを合体させれば、第2コントローラ200のXボタン220およびYボタン222は操作が容易であるので、プレイヤにそのような不満を感じさせない。
また、第2コントローラ200にも方向指示手段として、ジョイスティック212や方向スイッチ214を配置している。他方、これらのジョイスティック212や方向スイッチ214はハウジング202の左手把持部204に設けられ、左手63(図16)で把持部204を把持した状態で親指63aで容易に操作可能である。そのため、第1および第2コントローラ10および200の合体時には方向指示手段もまた容易に操作することができる。ただし、第1コントローラ10においても元々方向スイッチ26は操作し易い位置に設けられていたので、比較的使用頻度の高い方向指示手段は、第1コントローラ10単体時でも、第2コントローラ200との合体時でも、操作性はよいのである。
なお、図13-図17の実施例では、第2コントローラ200の右手把持部206にAボタン216,Bボタン218,Xボタン220およびYボタン222を配置した。しかしながら、この実施例の場合、Aボタン216およびBボタン218を第2コントローラ200から除去し、第2コントローラ200にはXボタン220およびYボタン222だけを配置するようにしてもよい。
つまり、第1コントローラ10と第2コントローラ200とが合体したときでも、Aボタン42およびBボタン28(図1)は支障なく操作できるので、第2コントローラ200からは機能の重複した操作スイッチや操作ボタンを除去してコスト低減を図ることができる。これに対して、第1コントローラ10のXボタン44およびYボタン46は合体時多少操作しにくくなるので、これらの機能は第2コントローラ200に別途設けた操作スイッチ(ボタン)で代替させるようにする。そうすれば、合体時の不便さが解消できる。
図18に示す実施例は、第2コントローラ200のハウジング202の右手把持部206の上面に設けられている操作スイッチが先の図13-図16に示す実施例のものと若干異なる以外は、図13-図17に示す実施例と同じであるので、以下の説明では、同一または類似の操作スイッチまたは操作ボタンに同じ参照符号を付すことによって、重複する説明は省略する。この図18の実施例では、ハウジング202の右手把持部206の上面に設けられるのは、Aボタン216,Bボタン218,Xボタン220,Yボタン222,Cボタン226,およびDボタン228である。Aボタン216およびBボタン218は先の実施例のAボタン216およびBボタン218と同じ機能を持つ。Xボタン220,Yボタン222,Cボタン226およびDボタン228によって、先の実施例のジョイスティック224と同等の機能を達成する。
なお、この図18の実施例においても、図13−図17の実施例と同様に、第2コントローラ200の右手把持部206のAボタン216およびBボタン218を除去し、第2コントローラ200にはXボタン220およびYボタン222だけを配置するようにしてもよい。そうすれば、コスト低減が可能となるとともに、合体時の操作性の低下を防止できる。
図19の実施例は、図13−図17の実施例および図18実施例と同様であるが、以下の点が異なる。すなわち、図13−図16の実施例および図18の実施例ではともに、ハウジング202の幅(第1コントローラ10の長手方向)が十分あったので第1コントローラ10の把持部18はほぼ第2コントローラ200のハウジング202に埋没した。これに対して、図19の実施例では、ハウジング202の幅が図13−図16の実施例および図18の実施例に比べてやや小さいので、第1コントローラ10の把持部18の大半がハウジング202から露出することになる。そのため、この実施例は先の実施例に比べてやや不安定になる。ただし、第1コントローラ10および第2コントローラ200のそれぞれのハウジング12および202の上面20および203が面一になることは同じである。
ハウジング202の幅がやや小さいので、この実施例では、図18の実施例でハウジング202の左手把持部204に設けられていたジョイスティック212を省略するとともに、右手把持部206のスイッチを変更した。この実施例では、右手把持部206には、Aボタン216,Bボタン218,Xボタン220およびYボタン222だけが配置されている。
なお、この図19の実施例においても、図13−図17の実施例と同様に、第2コントローラ200の右手把持部206のAボタン216およびBボタン218を除去し、第2コントローラ200にはXボタン220およびYボタン222だけを配置するようにしてもよい。そうすれば、コスト低減が可能となるとともに、合体時の操作性の低下を防止できる。
図20の実施例は、図19実施例と同様であるが、以下の点が異なる。すなわち、図19実施例と同様に、図13−図16の実施例および図18の実施例に比べて第1コントローラ10の把持部18の第2コントローラ200のハウジング202から突出または露出する長さが長い。そのために、さらに、この実施例では、ハウジング202の右手把持部206には、Aボタン216およびBボタン218だけを設けた。ただし、このボタン216および218は、AボタンおよびBボタンとしてではなく、XボタンおよびYボタンとして機能させるようにしてもよい。
図21に示すものは、ガンタイプのアダプタ300である。このアダプタ300は、通常のガン型コントローラと同じように、手で持つための床尾(butt)302を有し、この床尾302には用心金304で囲まれた引き金306が設けられる。床尾302から弾倉を経て銃身308が延びる。ただし、この銃身308はコネクタ310によって、床尾302に対して着脱可能とされている。
そして、銃身308をコネクタ310から抜きとった後、図22に示すように、コントローラ10のコネクタ60をコネクタ310に差し込むことによって、コントローラ10を銃身308の代わりに第1コントローラ10を装着することができる。この場合、引き金306がコントローラ10のAボタン42に代わって利用できるようにすれば、シューティングゲームの興趣が一層増す。
図23に示す実施例の第1コントローラ10では、図1に示す実施例に比べて、各操作スイッチやボタン24−32,44および46の形状や配置が変更されている。特に、方向スイッチ26は、この実施例では、図1実施例の複合スイッチではなく、ゲーム機によく用いられている十字キーからなる方向スイッチが用いられている。この十字キーすなわち方向スイッチ26は、第2コントローラ200の方向スイッチ214と同じものであってよい。また、この実施例の第1コントローラ10では、スタートスイッチ30およびセレクトスイッチ32が、先の実施例のような「ハ」字状の配置ではなく、横一線上に配置されている。
さらに、この実施例のコントローラ10の上面20には、その一方端側(先端側)に、複数の(実施例では4つの)発光ダイオード(LED)821,822,823および824が設けられる。これらLED821−824の光は外部から視認可能であるが、ハウジング12の上面20内に埋没されるため、図23(B)で突出して見えるというものではない。ただし、突出して見えるように配置しても一向に構わない。これらLED821−824は、この第1コントローラ10からコントローラ信号(コントローラデータ)の電波信号を発信するときに、コントローラ番号に応じたLEDが点灯されることによって、そのコントローラが第何番目のコントローラなのかを表示することができる。
たとえば、図9に示すゲーム機112が4つのコントローラを同時に受け付けることができるように設計されているとき、4人のゲームプレイヤがそれぞれ1つずつ第1コントローラ10を使用するが、その第1番目のコントローラから第4番目のコントローラのうち自分が何番目のコントローラかをLED821−824の選択的点灯によって確認することができる。たとえば、自分のコントローラ10のLED821が点灯したとすると、その自分のコントローラは第1番目のコントローラとして割り付けられていることが分かる。
また、図23の実施例では、ハウジング10の先端面52が、先の実施例とは異なり、ハウジング12の長手方向に沿った軸に対して直交面ではなく、傾斜面として形成されている。そして、その傾斜した先端面に対して撮像情報演算ユニットの撮像装置56が装着されているので、撮像情報演算ユニットすなわち撮像装置56の撮像範囲中心軸もハウジング12の長手方向に沿った軸に対して斜交する。したがって、ハウジング12の把持部18を持ってディスプレイ104の画面106に傾斜先端面52すなわち撮像装置56を正対させるとき、図24に示すように、ハウジング12を全体に傾斜させることができる。したがって、この実施例によれば、たとえば椅子に座ってコントローラ10を操作する場合などに手の疲れが少なくて済むかも知れない。
つまり、今までの実施例では、ハウジング12の先端面は長手方向に沿った軸に直交していたため、そこに取り付けられている撮像装置56を画面106に正対させようとすると、コントローラ10をハウジング12の上面20が上になりかつ軸が水平状態になるように把持し、しかもその状
態で、撮像装置56を画面106内の位置に持っていかなければならず、その場合には把持部18を把持した手の手首が過度に緊張することがあるかもしれない。これに対して、図23の実施例では、コントローラ10の長手方向に沿った軸が斜めになるように手首の自然な角度または状態を保ったままハウジング12を把持しても撮像装置56を画面106に正対させることができるので、手首に過度の緊張が生じることがなく、疲れを軽減することができる。
同じ発想で、図25に示す実施例のように、コントローラ10のハウジング12の先端部12Hを他の部分から分離し、その先端部12Hを軸84によって当該他の部分の先端に取り付ける。そうすれば、先端部12Hは必要に応じて点線で示すように折り曲げできるので、撮像情報演算ユニットの撮影装置56の撮影面がそれに応じて図25のように変位する。そのため、図23および図24に示す実施例と同様に、手の疲れを軽減する効果が期待できる。ただし、この図25の実施例では必要なければ先端部12Hを長手方向に沿った軸に沿わせて真っ直ぐの状態(図25で実線の状態)にしておけばよい。
図26-図28は第1コントローラ10のさらに他の実施例を示す。この実施例のコントローラ10は、以下の点を除いて、図1および図2に示す実施例のコントローラ10と同様である。以下の説明では、同一または類似の部分に同じ参照符号を付すことによって、重複する説明は省略する。
この実施例のコントローラ10も、下ハウジング14と上ハウジング16との組み合わせからなる、長手形状のかつ断面矩形またはそれに近い形状のハウジング12を含む。そして、ハウジング12の後端側に片手で把持可能な大きさまたは太さを有する把持部18が形成される。そして、ハウジング12の上表面20上の、長手方向C1(図27)での把持部18とは反対側(前端側)に方向スイッチ26が配置される。ただし、この実施例では、方向スイッチ26は、図1の実施例のような複合スイッチではなく、いわゆる十字キーである。そして、その十字キーすなわち方向スイッチ26の下方(後端より)には、Aボタン42がハウジング12の幅方向中央に設けられる。先の実施例ではAボタン42はハウジング12の下面22の凹部34に設けたが、この実施例では、Aボタン42をハウジング12の上面20上に配置するように変更した。その理由は、Aボタン42はBボタン28に比べて操作頻度が高いので、たとえば後述の図29からよく分るように、それを親指で素早く確実に操作できるようにするためである。方向スイッチ26及びAボタン42は、この実施例では、第1操作部に相当する。したがって、方向スイッチ26及びAボタン42は、第1面20に対して直交する方向に押し込まれるキートップとそれによって操作される接点(図示せず)とを有するプッシュスイッチである。・ そして、この実施例では、特に図27(C)からよく分るように、十字スイッチすなわち方向スイッチ26のキートップの第1面20からの高さH1は、Aボタン42のキートップの第1面20からの高さH2に比べて高くされている。つまり、方向スイッチ26がAボタン42より背高に設定されている。その理由は、十字キーすなわち方向スイッチ26を操作したとき、それにともなってAボタン42を押してしまうのを防止するためである。
このAボタン42からやや後端よりに、スタートスイッチ30とセレクトスイッチ32が長手方向に直交する方向(幅方向)に一直線上に配置され、さらに、それらの間に挟まれてメニュースイッチ86が設けられる。メニュースイッチ86は、このコントローラ10を使って実行するゲームなどのメニュー(たとえば、1人プレイモード、対戦モード、など)を選択するためのモードや、ゲーム機を起動した直後のメニュー等にゲームのモードを即時に切り替える場合に使用される。メニュースイッチ86はハウジング12の幅方向においてAボタン42と中心が一致するが、スタートスイッチ30およびセレクトスイッチ32はそのメニュースイッチ86(すなわちAボタン42)から左右均等の位置に配置されている。
上記のようなボタン配置であるので、たとえば右手でコントローラ10を操作する場合には、セレクトスイッチ32を操作するときには、親指をAボタン42に配置した状態から指を曲げることなく、スライドさせるだけで操作ができ、素早い操作が可能となる。さらに、左手で操作を行う場合には、同様にスタートスイッチ30が素早い操作に適したスイッチとなる。したがって、ソフトウェア等によってセレクトスイッチ32とスタートスイッチ30の割り当ての変更などを行えば、ユーザが右利きであるか、左利きであるかに関わらず、素早い操作が可能となる。
なお、メニュースイッチ86および電源スイッチ24は、この実施例では、ハウジング12の上面20に形成された孔内に陥没または埋没するように設けられ、したがって、たとえば図27(C)のように側面図では見えないようになっている。これらのスイッチ24および86を埋没させた理由は、これらのスイッチはゲームの開始時などの特定のときに操作するだけでよい一方で、ゲーム中に間違って操作すると、たとえばデータが消えたりするなどの不都合が生じるので、ゲーム開始時には意識すれば操作できるが、ゲーム中においては無意識には操作できないようにしているのである。
さらに、この実施例のコントローラ10においても、図23のコントローラと同様に、コントローラ番号を表示するためのLED821−824が設けられる。ただし、図23の実施例ではLED821−824はハウジング12の一方端(前端)側に設けられたのであるが、この実施例では、ハウジング12の他方端(後端)側に配置される。
ハウジングの下表面22の把持部18とは長手方向反対側の、上記方向スイッチ26の位置にほぼ対応する位置には、凹部34が形成される。この凹部34は、先の実施例では第1面20に平行な面を有する谷36があったが、この実施例では、その谷はなく、緩やかに傾斜した第1傾斜面38と第2傾斜面40とを含む。そして、把持部18の方向に延びる第1傾斜面38には、Bボタン28が設けられる。そして、Bボタン28は、第1操作部を形成する方向スイッチ26やAボタン42に対応する位置に設けられている。ただし、対応する位置とは、ハウジング12の上面から透視したとき、Bボタン28が、方向スイッチ26やAボタン42の近くに配置されるような位置である。
なお、先の実施例においてはハウジングの下表面側にAボタンが配置されていたが、先の実施例のセンタスイッチに比べ、この実施例のAボタン42は押しやすい位置に配置されているために、これを使用頻度の多いAボタンとし、ハウジングの下表面22側のスイッチをBボタンとすることで、より操作がし易くなる。
なお、この実施例では、Bボタン28が第2操作部に相当することになる。したがって、Bボタン28は、傾斜面38に対して垂直ではあるが第1面20に対しては非垂直な方向に押し込まれるキートップとそれによってオンまたはオフされる接点(図示せず)とを有する。
また、この実施例では、図26や図27(C)からはっきり分るように、ハウジング12の先端52側に延びる第2傾斜面40の第1面20に対する傾斜角は、第1傾斜面38の第1面20に対する傾斜角より小さく設定されている。つまり、第2傾斜面40が第1傾斜面38に比べて緩やかな傾斜を有する。このように、第2傾斜面40を第1傾斜面38より傾斜を緩やかにすれば、後述の図32に示すように両手持ちのときに持ち易くなるし、図31に示すようにBボタン28から人差し指を離すときにその指を離す方向に十分移動できるので、確実に離せるようになるという利点がある。
さらに、図28からわかるように、スタートスイッチ30、メニュースイッチ86およびセレクトスイッチ32を横一直線に配置した関係で、この実施例では、無線モジュール70が、ハウジング12の幅方向右側に配置される。そして、電源スイッチ24は、先の実施例とは逆に、基板64のハウジング12の幅方向左側に設け、基板64の幅方向右側の先端部にはアンテナパターン72を配置するようにした。このように、アンテナパターン72をハウジング12の幅方向右側先端部に配置することによって、図32に示す両手持ちの場合にも、ハウジング12すなわちコントローラ10を持つ手によってアンテナ72からの微弱電波の放射が影響されないようになる、という利点がある。つまり、アンテナパターン72は、コントローラ10を両手で持ったときの、手とは反対側になる、ハウジング12の幅方向の側に配置される。
なお、図26−図28の実施例では、ハウジング12の下面の凹部34に設けたスイッチはBボタン28であった。しかしながら、このBボタン28をZボタンとしての機能を持つ操作手段に置き換えてもよい。なお、Zボタンは、一例として、たとえばシューティングゲームにおいてトリガスイッチとして利用され、さらには、プレイヤオブジェクトをノンプレイヤオブジェクトに対して注目(いわゆる、Z注目)させるべきときなどに操作されるものである。
このように構成されたコントローラ10をゲームプレイヤの手で把持した状態が図29および図30に示される。これらの図を参照して、プレイヤの右手62の手のひら62Pと、中指62c,薬指62dおよび小指62eの腹とでハウジング12の把持部18を軽く包むように把持する。この状態では手62の親指62aが方向スイッチ26の上に置かれ、人差し指62bが下ハウジング14の凹部34に置かれる。つまり、方向スイッチ26はハウジング12を把持した手62の親指62aが届く位置、すなわち親指62aで操作可能な位置に配置され、Bボタン28は、ハウジング12を把持した手62の人差し指62bが届く位置、すなわち人差し指62bで操作可能な位置に配置される。したがって、手62でハウジング12を把持したまま、親指62aで方向スイッチ26を操作することができ、人差し指62bでBボタン28を操作することができる。詳しく言うと、手62の人差し指62bが下ハウジング14に形成されている上述の凹部34の先端方向に緩やかに傾斜する第2傾斜面40の表面に接触するように置かれる。その状態で人差し指62bを手前側(図29でいえば右側)に折り曲げることによって、人差し指62bの腹でBボタン28のキートップを凹部34の手前側傾斜面38に垂直に押し込むことができるそして、この実施例の場合、Aボタン42は、特に図29からよく分るように、方向スイッチ26と同じく、片手62の親指62aで操作することになる。すなわち、この実施例では、方向スイッチ26を操作するときには親指62aは延ばして操作し、Aボタン42を操作するときには親指62aを曲げて操作する。つまり、方向スイッチ26もAボタン42もともに親指62aで操作する。したがって、親指62aは方向スイッチ26の上ではなく、Aボタン42の上で操作待機状態(レスト状態)とするようにしてもよい。
図29では、人差し指62bでBボタン(またはZボタン)28を押している状態を図示した。Bボタン28を押す必要がないときには、人差し指62b(または中指62c)をBボタン28から離せばよい。つまり、人差し指62b(または中指62c)を図31に示すように、凹部34の第2傾斜面40に置けば、人差し指62b(中指62c)をBボタン28から離した状態で安定させることができる。したがって、Bボタン(またはZボタン)28を押すか押さないかでハウジング12の把持の状態を変更する(持ち替える)必要がない。
このように、この実施例のコントローラ10では、片手で把持した状態で第1操作部(実施例では方向スイッチ26およびAボタン42)および第2操作部(実施例ではAボタン42)を容易に操作できる。つまり、この実施例のコントローラ10では、コントローラ10を片手で
把持したまま各操作部を安定に操作できるので、もう一方の手を、ゲームプレイのために、あるいは他の目的のために、活用することができるという非常に優れた効果が発揮できるものではあるが、両手持ちの状態で操作することも可能である。その両手持ちの状態が図32に示される。なお、この実施例では、方向スイッチ26に近傍の把持部側の位置にAボタン42を配置した。さらに、方向スイッチ26とAボタン42とが配置された領域の裏側(換言すれば、方向スイッチ26の真裏よりもやや後ろ方向)にBボタン28に配置したので、方向スイッチ26、Aボタン42およびBボタンを片手で安定的に操作しやすくできる。また、上述したように方向スイッチ26がAボタン42よりも高くなっているので、Aボタン42を間違って押しにくくできる。
両手持ちの場合、図32に示すように、方向スイッチ26が左側になるように、ハウジング12の先端側を左手63で持ち、ハウジング12の後端側を右手62で持つ。このとき、コントローラ10すなわちハウジング12は、右手も左手も同様であるが、上面20(図27)を親指62aおよび63aの腹で押さえ、下面22(図27)を人差し指62bおよび63bの側面で支えるように持つ。したがって、方向スイッチ26やAボタン42は左手63の親指63aの腹で操作するが、Bボタン28(図26,図27)は左手の人差し指63bの先端で操作することになる。また、右手62の親指62aでは、Xボタン44やYボタン46を操作することになる。
ただし、両手持ちの場合にどのように持ち、各操作スイッチや操作ボタンをどの手の指で操作するかはこの図32の例示に限られるものではないので、たとえばAボタン42を右手の62の親指62aを延ばすことによって操作することなども可能であろう。ただし、この図32のように持てば、アンテナ72(図28)からの電波放射が手によって影響されることが防止できる。