JP4154191B2 - 光照射装置および光照射方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光照射装置および光照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸血を必要とする患者のためにドナーから集めた全血は、通常、その成分ごとに、赤血球、血小板および血漿に分類される。これらの分画は、それぞれ別個に保存されて、多くの特殊な症状および病気の治療に用いられる。
【0003】
輸血を受ける患者へのウイルス汚染その他病原体の伝染という懸念を取り払うために、例えば、抗ウイルス作用を有する多くの光活性剤が開発されてきた。これらの光活性剤は、適切な波長の光によって活性化されると、ウイルスを直接殺すことによって、またはウイルスの複製能力を間接的に抑止することによって、ウイルスを不活化する。
【0004】
従来、このような光活性剤を添加した血液または血液成分などの体液を収納した容器(バッグ等)に光を照射することにより、ウイルスを不活化する光照射装置が知られている。
【0005】
しかしながら、従来の光照射装置では、光透過性の低い体液(例えば赤血球)の場合、照射した光が光活性剤まで届きにくいことから、光活性剤が活性化しにくく、ウイルス不活化の効果が十分に得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バッグに収納された体液に対し、高い光照射効果を得ることができる光照射装置および光照射方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。また、下記(11)〜(16)であるのが好ましい。
【0008】
(1) 体液を収納したバッグに光を照射する光照射装置であって、
前記バッグが載置される第1プレートと、該第1プレートとの間で前記バッグの一部を挟む第2プレートと、前記バッグを保持する保持手段とを有し、前記第1プレートと前記第2プレートとで前記バッグを挟むことにより、当該バッグの挟まれた部分に内部空間の厚さが薄くなった薄層部を形成した状態で前記バッグを支持するバッグ支持部と、
光源から発せられた光を、前記第1プレートおよび/または前記第2プレートを介して、前記バッグ支持部に支持された前記バッグの少なくとも前記薄層部に照射する光照射手段と、
前記バッグ支持部を揺動させる揺動手段とを備えることを特徴とする光照射装置。
【0009】
(2) 前記揺動手段は、前記バッグに収納された体液が低位側に移動することにより該体液が前記薄層部を通過するように、前記バッグ支持部を揺動させる上記(1)に記載の光照射装置。
【0010】
(3) 前記揺動手段は、前記バッグの一端部が他端部より高くなる状態と、前記バッグの一端部が他端部より低くなる状態とが繰り返し生じるように、前記バッグ支持部を揺動させる上記(1)または(2)に記載の光照射装置。
【0011】
(4) 前記バッグ支持部は、前記バッグのほぼ中央部分を横断するように前記薄層部を形成する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光照射装置。
【0012】
(5) 前記第1プレートおよび/または前記第2プレートに、前記バッグを挟んだときの両者の間隔を規定するスペーサが設置されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光照射装置。
【0013】
(6) 前記第1プレートの大きさは、前記バッグのほぼ全体に接触する大きさであり、前記第2プレートの大きさは、前記バッグの一部に接触する大きさである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光照射装置。
【0014】
(7) 前記光照射手段は、前記バッグ支持部に支持されたバッグに前記第1プレート側から光を照射する第1の光照射部と、前記バッグ支持部に支持されたバッグに前記第2プレート側から光を照射する第2の光照射部とを備える上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光照射装置。
【0015】
(8) 前記バッグおよび/または前記光照射手段を冷却する冷却手段を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光照射装置。
【0016】
(9) 前記光照射手段の熱が前記バッグ支持部側に伝わるのを防止する遮熱手段を備える上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光照射装置。
【0017】
(10) バッグ支持部と、光照射手段と、揺動手段とを備える光照射装置を用いて、体液を収納したバッグに光を照射する光照射方法であって、
前記バッグ支持部により前記バッグの中央部分にその内部空間の厚さが薄くなった薄層部を形成するように前記バッグを支持し、前記揺動手段の作動により前記バッグの一端部が他端部より高くなる状態と前記バッグの一端部が他端部より低くなる状態とが繰り返し生じるように前記バッグを揺動させることにより、前記バッグ内の体液が、前記薄層部の両側に位置する前記バッグの第1の部位と第2の部位との間を繰り返し往復して前記薄層部を通過するようにしつつ、前記光照射手段により前記バッグの少なくとも前記薄層部に光を照射することを特徴とする光照射方法。
【0018】
(11) 前記揺動手段は、モータと、前記モータからの駆動力を前記バッグ支持部に伝達するクランク機構とを有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の光照射装置。
【0019】
(12) 前記揺動手段の作動により、前記バッグに収納された体液は、前記薄層部の両側に位置する前記バッグの第1の部位と第2の部位との間を繰り返し往復する上記(4)に記載の光照射装置。
【0020】
(13) 前記第2プレートは、前記第1プレートに対し回動可能に設置されている上記(1)ないし(9)、(11)、(12)のいずれかに記載の光照射装置。
【0021】
(14) 前記保持手段は、第1プレートから突出する複数の突出部で構成され、前記バッグの縁部に形成されたスリットに前記突出部を挿入することにより、前記バッグを保持する上記(1)ないし(9)、(11)ないし(13)のいずれかに記載の光照射装置。
【0022】
(15) 前記冷却手段は、空気を供給することにより前記バッグを空冷する第1の冷却手段と、空気を供給することにより前記光照射手段を空冷する第2の冷却手段とを備える上記(8)に記載の光照射装置。
【0023】
(16) 前記遮熱手段は、光照射手段と前記バッグ支持部との間に設置された光透過性を有する板部材で構成される上記(9)に記載の光照射装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光照射装置および光照射方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の光照射装置の実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す光照射装置の断面正面図、図3は、図1に示す光照射装置におけるバッグ支持部の構成を示す斜視図、図4は、血液バッグの構成例を示す平面図、図5は、バッグ支持部が揺動する状態を示す斜視図、図6および図7は、それぞれ、図1に示す光照射装置における揺動機構を示す平面図および正面図である。
【0026】
図1および図2に示す光照射装置1は、第1アセンブリ(蓋体部)2と、第2アセンブリ(本体部)3とを備えている。血液バッグ4の装着と取り出しのため、第1アセンブリ2と第2アセンブリ3とは、ヒンジ構造によって接合されている。これにより、第1アセンブリ2は、第2アセンブリ3に対し、開位置と閉位置との間を回動可能となされている。図1では、第1アセンブリ2がやや開かれた状態を示している。
【0027】
第1アセンブリ2は、箱型形状の第1ハウジング21内部に、第1光源部(光照射手段)22と、当該第1光源部22を冷却する第1冷却部(冷却手段)23とを備える。
【0028】
第2アセンブリ3は、箱型形状の第2ハウジング31内部に、第2光源部(光照射手段)32と、当該第2光源部32を冷却する第2冷却部(冷却手段)33と、血液バッグ4を支持(保持)するバッグ支持部34と、血液バッグ4を冷却する第3冷却部(冷却手段)35とを備える。
【0029】
以下、光照射装置1の各部の構成について説明する。なお、第1アセンブリ2と第2アセンブリ3とで共通して備える部材については、その説明をまとめて記載している場合がある。また、本発明の光照射方法は、この光照射装置1を用いて実施される。
【0030】
第1光源部22および第2光源部32(以下、まとめて光源部と称する場合がある。)は、それぞれ、列状に配列された複数(本実施形態では、各5列)の光源221、321を備えている。
【0031】
光源221、321としては、例えば、発光ダイオード、蛍光ランプ、低圧水銀ランプ等が用いられる。また、光源221、321から発せられる光は、血液または血液成分(以下、総称して単に「血液」という)中に添加された光活性化剤を活性化するのに適切な波長の光フィールドとされ、ウイルスを不活性化するのに適切な波長およびパワーにおいて、十分に長い時間照射される。
【0032】
そして、本実施形態の光照射装置1では、バッグ支持部34に支持された血液バッグ4の全体に対し、第1光源部22により図2中上側から光を照射し、また、第2光源部32により図2中下側から光を照射することによって、血液バッグ4中の血液に含まれるウイルス等の不活化処理を行う。血液バッグ4の両側から光を照射することによって、強力に光を照射することができ、不活性化処理を効率よく、また、より確実に行うことができる。
【0033】
なお、第1光源部22からの光は、血液バッグ4の中央部分(薄層部45)には、後述する第2プレート342を介して(透過して)照射され、第1の部位46および第2の部位47には、直接に照射される。また、第2光源部32からの光は、血液バッグ4に後述する第1プレート341を介して(透過して)照射される。
【0034】
なお、図示の構成と異なり、光照射手段は、光源部からの光をミラー、レンズ、光学フィルター等の光学素子を介して血液バッグ4に照射するものでもよい。
【0035】
ここで、光源部からの光放射においては発熱を伴う。この熱が血液バッグ4内の血液に伝わると、当該血液が熱により変質してしまうおそれがある。
【0036】
そこで、光照射装置1では、第1光源部22を冷却する第1冷却部23と、第2光源部32を冷却する第2冷却部33、加えて、血液バッグ4を冷却する第3冷却部35とを備えている。
【0037】
第1冷却部23、第2冷却部33および第3冷却部35(以下、まとめて冷却部と称する場合がある。)は、ファン231をそれぞれ備え(第1冷却部23についてのみ図示)、ハウジングの側壁部分に形成された通気口211、311、312を介してハウジング内に送風し、ハウジング内部の換気および空冷を行う。これにより光源部が過度に発熱することを防止して、また、血液バッグ4を直接冷却することにより、血液の熱による変質を防止することができる。
【0038】
また、光照射装置1では、光源部の熱がバッグ支持部34側に伝わるのを防止する遮熱手段として、第1光源部22とバッグ支持部34との間には、光透過性の板部材からなるカバー24が設置されており、第2光源部32とバッグ支持部34との間には、光透過性の板部材からなるカバー36が設置されている。これにより、光源部で発生する熱が遮断され、光源部からの熱が血液バッグ4に直接伝わることを防止することができる。これにより、血液の熱による変質をより効果的に防止することができる。
【0039】
図3に示すように、バッグ支持部34は、光透過性の材料からなる第1プレート341と、第1プレート341の略中央部に配置され、光透過性の材料からなる第2プレート342とを備える。
【0040】
第2プレート342は、第1プレート341よりも小さい形状とされている。すなわち、第1プレート341の大きさは、血液バッグ4のほぼ全体に接触し得る大きさであり、第2プレート342の大きさは、血液バッグ4の一部(中央部分)にのみ接触し得る大きさになっている。
【0041】
第1プレート341と第2プレート342とは、例えばヒンジ構造によって接合され、第2プレート342は、第1プレート341に対し、開位置(図3に示す位置)と閉位置(図5に示す位置)との間を回動可能となされている。
【0042】
第1プレート341には、血液バッグ4を保持する保持手段として、血液バッグ4を保持(固定)する複数の固定ピン(突出部)343が設置されている。この固定ピン343の先端部は、例えば球状に膨らんだ形状とされている。
【0043】
なお、図示の構成では、光照射装置1は、バッグ支持部34を1個有しているが、バッグ支持部34を複数設置し、複数個の血液バッグ4に同時に光を照射可能になっていてもよい。また、1つのバッグ支持部に複数個の血液バッグ4を装着可能になっていてもよい。
【0044】
ここで、血液バッグ4について説明する。血液バッグ4は、図4に示すように、例えば、ポリ塩化ビニル等からなる2枚の実質的に透明(または半透明)な樹脂シートを重ね、その周辺縁部が融着されてシール部41とされている。このシール部41に囲まれた収納部42の内部空間に血液が収納される。そして、血液バッグ4のシール部41には、複数のスリット43が形成されている。
【0045】
血液バッグ4に収納される血液としては、例えば、血漿、赤血球、白血球、血小板等の血液成分を含むものが挙げられる。この血液は、全血でもよいし、成分ごとに分類されたものでもよい。
【0046】
血液バッグ4に収納される血液中には、ウイルス(例えば肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、ヘルペスウイルス等)を不活化(不活性化)する光活性剤が添加されている。この光活性剤としては、例えば、ソラレン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、メチレンブルーのようなフェノチアジン色素等の光化学物質が挙げられる。なお、ソラレン類の光活性剤については、例えば特公平5−72366号公報に記載されており、ポルフィリン類の光活性剤については、例えば特公平3−500531号公報に記載されており、フタロシアニン類の光活性剤については、例えば特開平4−226919号公報に記載されており、フェノチアジン色素の光活性剤については、例えば特表平5−500366号公報に記載されている。
【0047】
これらの光活性剤は、適切な波長の光によって活性化されるとウイルスを直接殺すことによって、またはウイルスの複製能力を間接的に抑止することによって、ウイルスを不活化する。本明細書において、「不活化する」という用語は、ウイルスなどの汚染物質の事実上の破壊、根絶、複製能力の阻止、患者に悪影響を及ぼす能力の阻止について、直接的または間接的な効果を与えることを意味する。
【0048】
なお、ここでは説明の簡単のため、血液バッグ4を簡素な矩形状(長方形状)として図示しているが、血液バッグ4の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、角が丸みを帯びていてもよく、また、正方形、円形、楕円形等であってもよい。また、血液バッグ4に、血液の注入あるいは排出のための開口等が形成されていたり、ポート部材が設置されたりしていてもよい。
【0049】
このような血液バッグ4を第1プレート341に取り付ける際には、第2プレート342が第1プレート341に対して開位置の状態で、第1プレート341上に血液バッグ4を載せ、スリット43に固定ピン343を挿入し両者を係合させることで、血液バッグ4が第1プレート341に固定(保持)される。このとき、固定ピン343の先端部が球形に膨らんだ形状とされているので、後述する揺動運動においても血液バッグ4が固定ピン343から外れてしまうことを防ぐことができ、血液バッグ4をより確実に第1プレート341に固定することが可能となる。
【0050】
第1プレート341に血液バッグ4が固定された後、第2プレート342を閉じて例えば留め具(図示せず)により第2プレート342を第1プレート341に固定する。これにより、図5に示すように、血液バッグ4のほぼ中央部分が第1プレート341と第2プレート342とによって挟まれる。
【0051】
そして、血液バッグ4のうち、第1プレート341と第2プレート342とによって挟まれた部分は、押圧され、内部空間の厚さが薄くなった薄層部45となる。すなわち、血液バッグ4のほぼ中央部分を横断するように、薄層部45が形成される。そして、血液バッグ4の薄層部45の両側には、内部空間の血液により膨らんだ第1の部位46と第2の部位47とが形成される。
【0052】
第2プレート342の第1プレート341に対向する面には、血液バッグ4を挟んだときの両者の間隔を規定するスペーサ344が設置されている。このスペーサ344によって、薄層部45の厚みが規定される。なお、スペーサ344は、第1プレート341に設置されていても、第1プレート341および第2プレート342の両方に設置されていてもよい。
【0053】
本発明では、血液バッグ4の一部に薄層部45を形成することで、この部分において光が血液バッグ4を透過し易くすることができ、よって、血液バッグ4中の血液に高い効率で確実に光を照射することができる。これにより、特に、光透過性の低い血液(例えば赤血球など)の場合であっても、高い光照射効果が得られ、血液中の汚染物質をより確実に不活性化することが可能となる。また、短い露光時間(照射時間)でも高い光照射効果が得られ、効率的に処理を行うことが可能となる。
【0054】
また、第1プレート341と第2プレート342とで血液バッグ4を挟み込むという簡単な機構で血液バッグ4に薄層部45を形成することができるので、光透過性を向上させるための例えばフローセルのような複雑な機構を必要としない。
【0055】
また、血液バッグ4についても、光透過性を向上させるための例えば全面薄層バッグのような大型の特別な血液バッグを用意する必要はなく、従来使用している通常の血液バッグを使用することができ、汎用性が高く、また省スペース化も図れる。
【0056】
薄層部45の厚さは、特に限定されるものではなく、血液の性状(例えば赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤等)や、光活性剤や光源の種類に応じて適切な値に決定すればよい。この薄層部45の厚さは、スペーサ344の厚さを変えることにより調節することができる。
【0057】
なお、血液バッグ4を保持する保持手段としては、固定ピン343のような構成に限定されず、例えば、血液バッグ4の縁部を挟持するクリップのような部材であってもよい。
【0058】
このような光照射装置1では、バッグ支持部34を揺動させることで、血液バッグ4内の血液を攪拌する。
【0059】
以下、バッグ支持部34を揺動させる揺動手段(揺動機構)について、図6および図7を参照しながら説明する。
【0060】
前述したようなバッグ支持部34は、第1プレート341の一端部に設置された固定軸37を回動中心として、第2ハウジング31の内部に回動可能に設置されている。そして第1プレート341の他端側には、バッグ支持部34を揺動する揺動手段38が設置されている。
【0061】
揺動手段38は、第1プレート341の他端部を上下方向に移動させることで、固定軸37を中心にバッグ支持部34全体を揺動させる。
【0062】
この揺動手段38は、図6に示すように、板状のフライホイール381と、該フライホイール381をモータ軸382を中心として面内で回転させるモータ(図示せず)と、該フライホイール381の回転運動を、上下運動に変換してバッグ支持部34に伝達するクランク機構(てこクランク機構)とを備えている。
【0063】
クランク機構は、ピン383とリンク384とを備え、第1プレート341の他端部とフライホイール381とは、リンク384とその両端に位置するピン383とを介して連結されている。モータによってフライホイール381をモータ軸382を中心に、図7中矢印A方向に回転させると、この回転運動は、ピン383およびリンク384からなるクランク機構によって、図7中矢印Bで示す反復上下運動に変換されて第1プレート341に伝えられる。
【0064】
この上下運動により、図5(a)〜(c)に示すように、バッグ支持部34は血液バッグ4の一端部が他端部より高くなる状態と、血液バッグ4の一端部が他端部より低くなる状態とが繰り返し生じるように、揺動される。
【0065】
この揺動運動に応じて、血液バッグ4中の血液は、第1プレート341と第2プレート342との隙間、すなわち薄層部45を通過してバッグ内で第1の部位46と第2の部位47との間を繰り返し往復移動する。例えば、図5(a)に示す状態では、第2の部位47が第1の部位46より高くなっており、第2の部位47中の血液は、薄層部45を通過して低位側すなわち第1の部位46に移動する。図5(c)に示す状態では、この逆である。
【0066】
このように、揺動手段38の作動により、血液バッグ4中の血液が攪拌されるとともに、血液バッグ4中の血液が順次薄層部45を通過するので、効率的に照射を行うことが可能になる。
【0067】
さらに、前述したように、揺動運動の際、血液バッグ4中の血液は、低位側へと移動するので、高位側の部分も内部空間の厚さが薄くなった薄層部分が形成される。すなわち、図5(a)に示す状態では、第2の部位47も薄層になり、図5(c)に示す状態では、第1の部位46も薄層になる。したがって、血液バッグ4のうち、第1プレート341と第2プレート342とで挟まれた薄層部45だけではなく、第2プレート342よりも高い位置になったときに形成される上述のような薄層部分においても光透過性を向上させることができ、より効率的な光照射が可能になる。
【0068】
次に、以上説明したような光照射装置1を用いて、血液バッグ4中の血液に対して光照射処理を行なう場合の工程について、説明する。
【0069】
まず、第1アセンブリ2を開放する。
次いで、血液バッグ4のスリット43と第1プレート341の固定ピン343とを係合させ、さらに第2プレート342をかぶせて留め具により固定する。これにより、血液バッグ4がバッグ支持部34に固定されるとともに、血液バッグ4のうち、第1プレート341と第2プレート342とで挟まれた部分が薄層部45となる。
【0070】
血液バッグ4をセットした後、第1アセンブリ2を閉鎖する。
次いで、光源部の光源をオンにして光照射を開始する。第1光源部22および第2光源部32により、血液バッグ4に対して上下両方向から光が照射される。このとき、光は血液バッグ4の全体に対して照射されているが、血液バッグ4の一部が薄層部45とされているので、例えば赤血球などの光透過性の低い血液に対しても、この部分において光透過性を向上させることができる。また、全体の照射効率も向上させることができる。これにより、血液中の汚染物質をより確実に不活性化することが可能となる。
【0071】
また、光照射中は、揺動手段38のモータを稼動させて、血液バッグ4に揺動運動を加える。これにより、血液バッグ4内の血液を攪拌することができるとともに、血液を薄層部45に通過させることができる。
【0072】
また、光照射中は、冷却部のファンを作動させて、光源部と血液バッグ4とを空冷する。これにより、血液の熱による変性を防ぐことができる。
【0073】
光照射は、ウイルスを不活性化するのに適切な波長およびパワーにおいて、十分に長い時間照射される。
【0074】
光照射が終了した後、光源部、冷却部のファン、揺動手段38のモータをオフにする。
【0075】
最後に、第1アセンブリ2を開放し、第1プレート341と第2プレート342とのストッパーを解放して、血液バッグ4をバッグ支持部34から取り外す。
【0076】
以上、本発明の光照射装置および光照射方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、光照射装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0077】
また、光照射手段は、バッグに対し両面側から光を照射するものでなく、片面側から光を照射するものであってもよい。また、バッグを透過した光を反射して再度バッグに照射するミラーを有していてもよい。
【0078】
また、光照射手段は、バッグの少なくとも薄層部に光を照射すればよく、バッグ全体に光を照射しなくてもよい。
【0079】
また、第1プレートおよび第2プレートは、少なくともバッグに対応する部分が光透過性を有していればよく、その全体が光透過性を有していなくてよい。また、バッグに対し片面側から光を照射する場合には、光を照射しない側に位置する第1プレートまたは第2プレートは、光透過性を有していなくても良い。
【0080】
また、第1プレートおよび第2プレートの光透過性を有する部分は、透明または着色透明な材料で構成したものに限らず、例えば、網状(格子状)の部材で構成することによって光を透過させるものでもよい。
【0081】
また、光を照射する対象とする体液は、血液または血液成分に限らず、いかなるものでもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、体液を収納したバッグに薄層部を形成し、該薄層部に光を照射することにより、バッグ内の体液への光の照射効率が高く、よって、体液に対する高い光照射効果が得られる。特に、光透過性の低い体液(例えば赤血球)の場合でも、薄層部で光を透過し易くできるので、高い光照射効果が確実に得られる。また、揺動手段の作動によりバッグ内の体液が順次薄層部を通過するので、バッグ内の体液の全体に対し、確実に高い光照射効果が得られる。このようなことから、本発明によれば、光活性剤を用いて体液中の汚染物質を不活性化するような場合、高い効果が得られる。
【0083】
また、簡単な構造で上記効果を達成することができるので、光透過性を向上させるための複雑な機構や特別なバッグなどを必要とせず、処理コストが低いとともに、装置の小型化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光照射装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光照射装置の断面正面図である。
【図3】図1に示す光照射装置におけるバッグ支持部の構成を示す斜視図である。
【図4】血液バッグの構成例を示す平面図である。
【図5】バッグ支持部が揺動する状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示す光照射装置における揺動機構を示す平面図である。
【図7】図1に示す光照射装置における揺動機構を示す正面図である。
【符号の説明】
1 光照射装置
2 第1アセンブリ
21 第1ハウジング
211 通気口
22 第1光源部
221 光源
23 第1冷却部
231 ファン
24 カバー
3 第2アセンブリ
31 第2ハウジング
311、312 通気口
32 第2光源部
321 光源
33 第2冷却部
34 バッグ支持部
341 第1プレート
342 第2プレート
343 固定ピン
344 スペーサ
35 第3冷却部
36 カバー
37 固定軸
38 揺動手段
381 フライホイール
382 モータ軸
383 ピン
384 リンク
4 血液バッグ
41 シール部
42 収納部
43 スリット
45 薄層部
46 第1の部位
47 第2の部位

Claims (10)

  1. 体液を収納したバッグに光を照射する光照射装置であって、前記バッグが載置される第1プレートと、該第1プレートとの間で前記バッグの一部を挟む第2プレートと、前記バッグを保持する保持手段とを有し、前記第1プレートと前記第2プレートとで前記バッグを挟むことにより、当該バッグの挟まれた部分に内部空間の厚さが薄くなった薄層部を形成した状態で前記バッグを支持するバッグ支持部と、
    光源から発せられた光を、前記第1プレートおよび/または前記第2プレートを介して、前記バッグ支持部に支持された前記バッグの少なくとも前記薄層部に照射する光照射手段と、
    前記バッグ支持部を揺動させる揺動手段とを備えることを特徴とする光照射装置。
  2. 前記揺動手段は、前記バッグに収納された体液が低位側に移動することにより該体液が前記薄層部を通過するように、前記バッグ支持部を揺動させる請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記揺動手段は、前記バッグの一端部が他端部より高くなる状態と、前記バッグの一端部が他端部より低くなる状態とが繰り返し生じるように、前記バッグ支持部を揺動させる請求項1または2に記載の光照射装置。
  4. 前記バッグ支持部は、前記バッグのほぼ中央部分を横断するように前記薄層部を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の光照射装置。
  5. 前記第1プレートおよび/または前記第2プレートに、前記バッグを挟んだときの両者の間隔を規定するスペーサが設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の光照射装置。
  6. 前記第1プレートの大きさは、前記バッグのほぼ全体に接触する大きさであり、前記第2プレートの大きさは、前記バッグの一部に接触する大きさである請求項1ないし5のいずれかに記載の光照射装置。
  7. 前記光照射手段は、前記バッグ支持部に支持されたバッグに前記第1プレート側から光を照射する第1の光照射部と、前記バッグ支持部に支持されたバッグに前記第2プレート側から光を照射する第2の光照射部とを備える請求項1ないし6のいずれかに記載の光照射装置。
  8. 前記バッグおよび/または前記光照射手段を冷却する冷却手段を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の光照射装置。
  9. 前記光照射手段の熱が前記バッグ支持部側に伝わるのを防止する遮熱手段を備える請求項1ないし8のいずれかに記載の光照射装置。
  10. バッグ支持部と、光照射手段と、揺動手段とを備える光照射装置を用いて、体液を収納したバッグに光を照射する光照射方法であって、
    前記バッグ支持部により前記バッグの中央部分にその内部空間の厚さが薄くなった薄層部を形成するように前記バッグを支持し、前記揺動手段の作動により前記バッグの一端部が他端部より高くなる状態と前記バッグの一端部が他端部より低くなる状態とが繰り返し生じるように前記バッグを揺動させることにより、前記バッグ内の体液が、前記薄層部の両側に位置する前記バッグの第1の部位と第2の部位との間を繰り返し往復して前記薄層部を通過するようにしつつ、前記光照射手段により前記バッグの少なくとも前記薄層部に光を照射することを特徴とする光照射方法。
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