JP4150436B2 - ステッカーアルバム用基材の製造方法、ステッカーアルバム用基材 - Google Patents

ステッカーアルバム用基材の製造方法、ステッカーアルバム用基材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、片面又は両面に剥離性及び耐折れ性を付与したステッカーアルバム用基材の製造方法、ステッカーアルバム用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所謂3分写真と呼ばれる写真プリント装置が広く知られ、その即時性、廉価性により各種の証明書用写真、履歴書用写真などに利用されていた。近年、当該写真プリント装置に供給されるプリント基材をラベル化すると共に、画像面に花柄等が同時にプリントされる装置(商標名『プリント倶楽部』)が開発され、若年齢層、特に女子学生の間で流行している。具体的には、この写真プリント装置では、一度に多数の画像(ラベル)が得られるため、持ち物や便箋に自分の名前を書く代わりに貼着したり、封筒の封止用として使用しているが、最も主たる用途としては、この写真ラベルを友達どうしで交換し、ラベルとしての機能が失われないように全ページが剥離紙で構成された簡易アルバム(ステッカーアルバム)に貼着して持ち歩くことである。
【0003】
一方、一般のラベルは、下層から順に剥離紙、粘着剤層、ラベル基材、印刷層で構成され、その一つずつの寸法が小さいものであっても工業的には通常ロール状に巻き取られた長尺の半製品を経て作製される。したがって、剥離紙は、通常ロール状に巻き取られた長尺の原材料として製造、市販されている。尤も、通常の剥離紙は片面のみが剥離機能を有するのであるが、両面テープ用の剥離紙は、両面に剥離機能が付与されている。
前記の剥離加工のように、紙の全表面に亙る処理加工は、通常極めて大型の装置により行なわれるので、大量生産には好適であるが、小ロット生産はむしろ高価なものとなっている。したがって、前記ステッカーアルバムは、前記のような両面テープ用に開発された剥離紙を内ページとして流用したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ステッカーアルバムは携帯用であるために小型(小寸法)であって、一般のアルバムのように保存用でなくノートのように消費されない。したがって、両面テープ用として生産された多量の剥離紙に対して、需要量は極めて少ないので、剥離紙の入手価格が高いものであった。
また、両面テープ用の剥離紙は、無地の紙基材の両面に剥離処理が施されている構成であるため、まさに貼付用台紙としてのみの、極めて面白みのないものであった。そこで、表面に種々の印刷を施そうとしても、既に剥離機能が付与されているので、印刷自体が不可能であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み鋭意検討の末に見出されたもので、表面に印刷を施した枚葉シートに、第1のコーター装置にて硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料を塗布し、第1の加熱装置によって少なくとも薄膜状に塗布したウレタン系塗料の流動性を消失させ、続いて第2のコーター装置にて硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料を塗布し、第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置によって薄膜状に塗布したシリコーン系塗料を硬化することを特徴とする剥離性基材の製造方法、或いはその後、この枚葉シートの裏面に、第1のコーター装置にて硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料を塗布し、第1の加熱装置によって少なくとも薄膜状に塗布したウレタン系塗料の流動性を消失させ、続いて第2のコーター装置にて硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料を塗布し、第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置によって薄膜状に塗布したシリコーン系塗料を硬化することを特徴とする(両面)剥離性基材の製造方法に関するものである。
以下の説明において、第1の塗料及び第3の塗料とはウレタン系塗料を指し、第2の塗料及び第4の塗料とはシリコーン系塗料を指す。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる表面に印刷を施した枚葉シートとは、少なくとも表面側の一部若しくは全面に印刷された印刷加工紙、若しくは印刷フィルム等の各種シート等を用いることができ、その基材としては、例えば白紙、アート紙、コート紙、上質紙、片艶晒クラフト紙、晒クラフト紙、板紙、ホログラム加工紙、アルミ転写加工紙、セロファン等、塩化ビニル(PVC)、ポリエステル(PET)、ナイロン、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の各種プラスチックフィルム、板状プラスチック成形体、ホログラム加工フィルム、アルミ転写加工フィルム、不織布、合成皮革、合成紙、発泡プラスチック材料等を用いることができる。また、その印刷については、使用する印刷インク、印刷方法、図柄等を限定するものではなく、例えば公知であるインライン方式等の印刷装置を用いて枚葉シート(基材)へ多種多色の文字、色彩等を順次印刷する方式でも良い。オフセット方式やスクリーン方式の印刷装置でも良い。さらに、枚葉シート(基材)の表面側ばかりでなく裏面側にも、即ち両面に印刷しておいても良い。
【0007】
本発明に用いる硬化時に可撓性を有する第1の塗料とは、硬化が完了した時点で可撓性、即ち耐折れ性を有する膜を形成するものであれば、特にその他の性状を限定するものではない。但し、この第1の塗料による膜(第1の塗膜)は、枚葉シートの表面並びに印刷部分との密着性、後述する第2の塗料による膜(第2の塗膜)との密着性に優れたものが好ましい。
また、この第1の塗料としては、通常透明な樹脂塗料が選ばれるが、印刷面を隠蔽しない程度であれば着色されたものであっても良い。
さらに、この第1の塗膜は、第1の加熱装置の加熱によって必ずしも硬化が完了しなくても良い。例えば第1の加熱装置の加熱によって含有される溶剤の一部が塗膜中に残存していても良いし、表面がべたつきを残していても良い。即ち、後述する第2の塗料が均一な厚みでその上面に塗布できる状態であれば良く、したがって第1の加熱装置では第1の塗膜が均一な厚みを形成するもの、言い換えればその流動性を消失するものであれば良い。
例えばこの第1の塗料としてはウレタン系塗料又はアクリル系塗料等を用い、イソシアネート系塗料又はイソシアネート硬化剤と組合せた場合には、最終的には3次元架橋構造の硬化がなされるが、第1の加熱装置では溶剤の一部が蒸発するだけで良い。
【0008】
本発明に用いる硬化時に剥離性を有する第2の塗料とは、硬化が完了した時点で剥離性を有する膜(第2の塗膜)を形成するものであれば、特にその他の性状を限定するものではないが、前記第1の塗料(第1の塗膜)と同様に可撓性を有することが望ましい。但し、この第2の塗料による膜(第2の塗膜)は、前記第1の塗料による膜(第1の塗膜)との密着性に優れたものが好ましい。さらに、この第2の塗膜は、通常第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置により少なくとも回収した際にブロッキングを生じないものが好ましい。尚、ここで剥離性とは、製品とした場合に付着対象が容易に剥れる或いは容易に除去できることを意味しているのであって、ステッカーラベルの場合には付着対象はラベルであるし、ホワイトボードの場合には付着対象はペンのインクであるし、絵本の表紙や内頁、紙皿、紙コップ、紙製弁当箱等の食品用紙器の場合には付着対象は液状の食物である。
また、この第2の塗料としては、通常透明な樹脂塗料が選ばれるが、印刷面を隠蔽しない程度であれば着色されたものであっても良い。
例えばこの第2の塗料としては一般的にシリコーン系塗料が用いられるが、シリコーン樹脂と天然或いは合成樹脂とを組み合わせて用いてもよい。この天然或いは合成樹脂としては、アクリル系、塩化ビニル−酢酸ビニル(塩酢ビ)系、硝化綿系、スチレン系、ポリエステル系、ウレタン系、塩化ビニリデン系、酢酸ビニル系、アクリル−塩酢ビ系、スチレン−アクリル系、アミノアルキド系、ポリオレフィン系等の一種又は二種以上を適宜に使用することができる。また、熱乾燥型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物等どのように構成しても良い。尚、紫外線硬化型樹脂としては、ラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマー若しくはプレポリマーの一種以上と、増感剤を必須成分とし、その他の樹脂、着色剤、ワックス等の種々の添加物を必要に応じて混和するものであり、該紫外線硬化型樹脂のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコールに(メタ)アクリル酸をエステル化させたもの、フタル酸、マレイン酸、イソシアヌル酸等にアリルアルコールをエステル化させたもの、若しくはグリシジル(メタ)アクリレートをエステル化させたもの等を用いるものである。
【0009】
尚、両面剥離性基材を製造する場合には、当初、表面側のみに印刷が施された枚葉シートを用いたのであれば、裏面の処理加工に先だって、裏面にも印刷を施すようにする。即ち、第2の塗料の乾燥工程の後に枚葉シートを回収し、裏面に印刷を施すようにすればよい。
【0010】
本発明に用いる硬化時に可撓性を有する第3の塗料とは、前記第1の塗料と全く同一のものでも良いし、或いは前記第1の塗料の説明にて示したような塗料から選ばれるものでも良い。
【0011】
本発明に用いる硬化時に剥離性を有する第4の塗料とは、前記第2の塗料と全く同一のものでも良いし、或いは前記第2の塗料の説明にて示したような塗料から選ばれるものでも良い。
尚、第1の塗料と第3の塗料、第2の塗料と第4の塗料をそれぞれ同一の塗料とすると、表裏に同じ剥離性が付与されるものとなる。ステッカーアルバムの内部頁やカード類のように表裏に同じ剥離性能が期待される場合は、このケースに該当する。
【0012】
前記第1〜第4の塗料には、目的に応じて各種の添加剤や薬品を添加しても良い。
特に第2の塗料や第4の塗料には、無機系抗菌剤や毒性の少ない有機系抗菌剤を0.1〜10%の範囲で添加しても良い。この抗菌剤の添加量が0.1%よりも少ないと、十分な抗菌効果が表われない。また、添加量を10%より多くした場合は、抗菌剤を微細分散した場合においても商品価値としての光沢、艶、透明性が損なわれてしまう。より好ましくは0.6〜2.5%である。尚、多くの有機系抗菌剤は毒性を有し、しかも使用中に溶出して抗菌効果が長期間継続しないという欠点があるため、無機系抗菌剤や毒性の少ない有機系抗菌剤を用いる。この無機系抗菌剤は、銀や亜鉛が持っている抗菌力を利用したもので、抗菌性リン酸カルシウム(リン酸カルシウムに銀や亜鉛等の抗菌性金属イオンを交換吸着させ、固定化したもの)、抗菌性ゼオライト(アルミナとシリカを原料とする多孔質合成ゼオライトのナトリウムイオンを抗菌性金属の銀、亜鉛のイオンで置換したもの)、抗菌性シリカゲル(シリカゲルを単体とし、チオスルファト銀錯塩を担持させた後、その表面の一部或いは全部をテトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等のコーティング材料で被覆したもの)等を用いるが、特にこれらに限定するものではない。
また、この場合、第2の塗料による膜(第2の塗膜)や第4の塗料による膜(第4の塗膜)は、厚さ0.5〜10μm(乾燥厚み)にすることが望ましい。厚みが0.5μmより薄い場合は、前記無機系抗菌剤の含有量との関係で、十分な抗菌効果が表われない。また、10μmより厚い場合は、やはり前記無機系抗菌剤の含有量との関係で、透明性が損なわれてしまう。
このように第2の塗料や第4の塗料に抗菌剤を含有させた場合、優れた抗菌性を有し、且つ透明性を維持する剥離性基材が作製され、高付加価値を有する製品となる。
【0013】
このように作製される本発明の剥離性基材は、製品としてそのまま適用される場合は、具体的には、各種印刷物、例えば、書籍、雑誌等の表紙、表紙カバー、絵本の本文(内部頁)、ステッカーアルバムの内部頁、下敷(文房具)、カード類、粘着ラベル等を挙げることができる。この場合、枚葉シート(基材)として、それぞれ印刷された表紙、表紙カバー、下敷、カード等、粘着ラベル等が用いられ、作製された剥離性基材自体が製品となる。
成形用材料として適用される場合は、具体的には各種紙バッグ等の袋状物、医療品、化粧品等の包装用紙器、ファイル、キャリングケース等の文房具、紙皿、紙コップ、紙製弁当箱等の食品用紙器等を挙げることができる。この場合、枚葉シート(基材)として、それぞれ二次成形(加工)用素材が用いられ、作製された剥離性基材が成形用材料となり、これを適宜に折曲等の二次成形(加工)を施して製品となる。
ラミネート用材料として適用される場合は、具体的には前記と同様の用途を挙げることができる。この場合、枚葉シート(基材)として、通常は薄肉の透明フィルム又はシートが用いられ、その裏面には接着剤層又は粘着剤層が設けられる(ヒートシール性を有する熱可塑性のフィルムが枚葉シートとして用いられた場合にはこの接着剤層又は粘着剤層は必ずしも必要でない)。この剥離性基材を、それぞれ印刷された表紙、表紙カバー、下敷、カード等、粘着ラベル等にラミネートするとそのまま製品となる。また、この剥離性基材をそれぞれ二次成形(加工)用素材等にラミネートすると成形用素材となり、これを適宜に折曲等の二次成形(加工)を施して製品となる。
【0014】
また、本発明の剥離性基材は、具体的には片面剥離性基材であるか、両面剥離性基材であるが、書籍、雑誌等の表紙及び表紙カバー、絵本の本文(内部頁)、ステッカーアルバムの内部頁、各種紙バッグ等の袋状物、医療品、化粧品等の包装用紙器、下敷き、ファイル、キャリングケース等の文房具、粘着ラベル、診療券、クレジットカード等のカード類、紙皿、紙コップ、紙製弁当箱等の食品用紙器、ホワイトボード、スノーボード等のラミネート用材料として、或いは成形用材料として、或いは製品として用いることができる。
上記のうち、粘着ラベルのラベル基材としては片面剥離性基材が用いられる。裏面にも剥離機能があると、投錨不良が生ずるからである。また、書籍、雑誌等の表紙や表紙カバー、各種紙バッグ等の袋状物、ファイル、キャリングケース、包装用紙器、食品用紙器、ホワイトボード等のラミネート用材料、或いは成形用材料についても、片面剥離性基材が用いられるが、この場合、裏面の剥離機能が滑り性となって作業性を悪化させ易いからである。尚、診療券は、紙等を裏面にヒートシール性を有する透明プラスチック基材で鋏み込んだ形態のものと、硬質のプラスチック板に磁気情報が積層された形態のものがあるが、前者の形態のものには裏面にヒートシール性を持たせた片側剥離性基材が用いられる。
一方、絵本の本文(内部頁)やステッカーアルバムの内部頁、下敷き、カードとしては、両面剥離性基材が用いられる。また、これらは何れもその表面や裏面に手や指が接触する製品であるため、前記抗菌性を付与した剥離性基材を使用することが好ましい。
【0015】
尚、本発明による片面剥離性基材の基材表面には、印刷層、第1の塗料による硬化時に可撓性を有する可撓性層、第2の塗料による硬化時に剥離性を有する剥離層、の3層が形成されるが、各層は何れも全面に設けるようにしても良いし、部分的に設けるようにしても良い。
したがって、本発明による片面剥離性基材に形成される可能性がある部分構成は図1に示すように以下の通りである。尚、図中、1は基材、2は印刷層、3は可撓性層、4は剥離層を示す。
▲1▼前記3層が全く設けられない部分。この場合、基材表面が露出する。
▲2▼印刷層のみが設けられる部分。この場合、印刷層表面が露出する。
▲3▼可撓性層のみ設けられる部分。この場合、可撓性層表面が露出する。
▲4▼印刷層及び可撓性層が設けられる部分。この場合、可撓性層表面が露出する。
▲5▼剥離層のみが設けられる部分。この場合、剥離層表面が露出する。
▲6▼印刷層及び剥離層が設けられる部分。この場合、剥離層表面が露出する。
▲7▼可撓性層及び剥離層が設けられる部分。この場合、剥離層表面が露出する。
▲8▼印刷層及び可撓性層及び剥離層が設けられる部分。この場合、剥離層表面が露出する。
このように基本的には前記▲8▼の構成が採られるが、意図的に前記▲1▼〜▲7▼の各部分を形成するようにしても良い。
【0016】
例えば前記▲1▼の部分は基材表面が露出するので、この部分には各種の筆記具にて文字等を適宜記載することができる。同様に前記▲2▼〜▲4▼の部分は印刷層表面若しくは可撓性層表面が露出するので、マジックインク等にて筆記することができる。また、例えば印刷インクや第1の塗料に体質顔料等を添加して表面をマット状に形成することにより鉛筆やボールペンなどでもこの部分に筆記できるようにしても良い。このように少なくとも前記▲1▼〜▲4▼の部分を設けて文字等を筆記できる部分を意図的に形成しても良い。
このような部分をステッカーアルバム用基材に設ける場合、例えば筆記可能な前記▲1▼〜▲4▼の部分を四角枠状に、プリクラシールの一枚分の大きさを隔てて一定間隔で形成し、それ以外の部分を前記▲5▼〜▲8▼の部分、即ち剥離層を形成した構成とすると、勿論剥離層を形成した前記▲5▼〜▲8▼の部分はプリクラシールを貼着させるスペースとして利用することができ、筆記可能な前記▲1▼〜▲4▼の部分には貼着させたプリクラシールを作製した場所やその時の天気、友人の名前等の情報を適宜に記載することができる。したがって、このような構成のステッカーアルバム用基材は、実用的価値が極めて高いものとなる。
【0017】
【実施例】
〈実施例1〉
実施例に用いた各原材料(第1,第2の塗料)及び各装置(第1,第2のコーター装置,第1,第2の加熱装置,第2の紫外線照射装置)は、以下の通りである。
【0018】
(第1の塗料)
ウレタン系塗料(商品名「PC−125」東洋モートン社製)とイソシアネート系塗料(商品名「CAT−EP2」東洋モートン社製)を15: 1の割合にて混合し、さらに希釈剤として、イソプロピルアルコール(IPA)とメチルベンゼン(トルエン)とを1:1の割合にて混合した液にて希釈した。
【0019】
(第2の塗料)
紫外線硬化型塗料〔体質顔料5%、感光性ポリマー(ポリエステル樹脂)20%、感光性モノマー(アクリル系モノマー)15%、光重合開始剤45%、補助剤(シリコーン及びワックス)15%より構成される〕をメチルベンゼン(トルエン)にて希釈した。この紫外線効果型塗料に抗菌性ゼオライト(商品名「ゼオミック」粒径1μm,品川燃料社製)を0.1〜10添加した。
【0020】
(第1のコーター装置)
グラビアコーター(175線/35μm)を用いた。
【0021】
(第1の加熱装置)
IR(赤外線)ランプ3本及びエロフェン(熱風)からなる乾燥ゾーンを用いた。
【0022】
(第2のコーター装置)
リバースによるグラビアロールコーター(200線/32μm、斜線彫り)を用いた。
【0023】
(第2の加熱装置)
IR(赤外線)ランプ6本及びエロフェン(熱風)からなる乾燥ゾーンを用いた。
【0024】
(第2の紫外線照射装置)
120W/cmの高圧水銀ランプ6本を用いた。
【0025】
(製造方法)
予め、両面に種々の印刷(図示実施例では花柄と四角枠状の印刷)を施した坪量110gのA2コート紙に、前記第1の塗料を前記第1のコーター装置により塗工し、前記第1の加熱装置にて残存溶剤を蒸散させた。
続いて、前記第2の塗料を第2のコーター装置により塗工し、第2の加熱装置にて残存溶剤を蒸散させた後、80m/minの速度にて走行させながら前記第2の紫外線照射装置により照射し、硬化させた。
その後、裏面にも、同様の加工を施し、ステッカーアルバム用基材としての加工物(剥離性基材)を得た。尚、第1塗料による可撓性層及び剥離層は、四角枠状の印刷部以外に設けた。
作製された剥離性基材の剥離性被覆層の厚みは、第1コーター装置にて(第1の塗膜)1.2μm、第2コーター装置にて(第2の塗膜)2.0μm、合計3.2μmであった。
【0026】
得られた剥離性基材(ステッカーアルバム用基材)5は、図2に示すように桜の花柄(印刷部)6が点在し、横長な四角枠状の印刷部7が一定間隔で設けられている。同図では判別できないが、前記のように印刷がない部分や花柄印刷部6の上には可撓性層及び剥離層が形成され、四角枠状印刷部7の上には可撓性層も剥離層も形成されていない。
このような構成のステッカーアルバム用基材5は、プリクラシール等のシール8を貼着するスペースの下に四角枠状印刷部7が設けられているので、この四角枠状印刷部7にはシール8の撮影年月日、撮影場所、天気、友人等の名前、貼付年月日、キャラクター名等を適宜に筆記することができる。
【0027】
〈剥離性試験〉
各試料にアクリル系粘着剤(商品名『BPS−3233D』東洋モートン社製)を20〜25g/m2 ・dry塗工したコート紙に(を)貼り合わせ、それぞれを25×150mmにカッティングし、貼り合せ1日後及び7日後について、ピール強度試験機にて剥離強度を測定した。結果は表1に示した。
【表1】
Figure 0004150436
【0028】
前記表1より明らかなように、作製した各試料は、貼り合わせ7日後も剥離強度が低いものであり、最も剥離が重かった抗菌剤(ゼオミック)を10.0%含有させた試料も、極めて容易に剥離できる程度のものであった。勿論、全ての試料について、粘着剤の凝集破壊等の不具合は全く観察されなかった。
【0029】
〈抗菌性試験〉
各試料(約50×50mm)に菌液0.5mlを滴下し、37℃で24時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い出した。この洗い出した試験液中の生残菌数を菌数測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。また対照として菌液のみの試験も同様に行った。尚、細菌は大腸菌、黄色ブドウ球菌を使用した。結果は表2に示した。
【表2】
Figure 0004150436
【0030】
前記表2より明らかなように、作製した各試料のうち、抗菌剤(ゼオミック)を0.1〜10.0%含有させた試料は何れも十分な抗菌効果を有するものであった。
【0031】
〈実施例2〉
枚葉シートの表面のみに白色の全面印刷を施し、この表面のみに前記実施例1と同様にして剥離性被覆層を形成し、ホワイトボード用の貼り付け基材(剥離性基材)を得た。
作製された剥離性基材の裏面に接着剤層又は粘着剤層を設け、磁性鋼板の表面に接着してホワイトボードを作製した。
得られたホワイトボードは、マジックペンで文字等を記載した後、ウエス等で容易にインクを除去することが可能であった。また、磁石等で紙などのシート材を固定する際にも表面が滑性を有しているため作業が容易であった。さらに、長期間継続して用いても菌等の発生は全くなかった。
【0032】
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の剥離性基材の製造方法は、製品として、ラミネート用材料として、或いは成形用材料として種々の用途に適用することができ、何れの場合においても優れた剥離性を付与することができ、しかも、印刷が施されているため商品価値は極めて高いものと成る。
また、折れ目が付けられた場合等にも剥離性能の低下は生じない。
【0034】
さらに、第2の塗料や第4の塗料に無機系抗菌剤や毒性の低い有機系抗菌剤を含有させた場合、優れた抗菌性を有し、且つ透明性を維持する剥離性基材が作製され、高付加価値を有する製品となる。また、その抗菌性は、毒性が低く、廃棄性にも優れ、しかもその効果が長期間継続するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による片面剥離性基材に形成される可能性がある部分構成を示す断面図である。
【図2】本発明のステッカーアルバムの一実施形態を示す平面図である。

Claims (4)

  1. 表面に印刷を施した枚葉シートに、第1のコーター装置にて硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料を塗布し、第1の加熱装置によって少なくとも薄膜状に塗布したウレタン系塗料の流動性を消失させ、続いて第2のコーター装置にて硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料を塗布し、第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置によって薄膜状に塗布したシリコーン系塗料を硬化することを特徴とするステッカーアルバム用基材の製造方法。
  2. シリコーン系塗料は、抗菌剤を0.1〜10%の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステッカーアルバム用基材の製造方法。
  3. 表面に印刷を施した枚葉シートに、第1のコーター装置にて硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料を塗布し、第1の加熱装置によって少なくとも薄膜状に塗布したウレタン系塗料の流動性を消失させ、続いて第2のコーター装置にて硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料を塗布し、第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置によって薄膜状に塗布したシリコーン系塗料を硬化した後、この枚葉シートの裏面に、第1のコーター装置にて硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料を塗布し、第1の加熱装置によって少なくとも薄膜状に塗布したウレタン系塗料の流動性を消失させ、続いて第2のコーター装置にて硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料を塗布し、第2の加熱装置及び/又は第2の紫外線照射装置によって薄膜状に塗布したシリコーン系塗料を硬化することを特徴とするステッカーアルバム用基材の製造方法。
  4. 枚葉シートの両面に印刷が施され、それぞれの印刷面に、硬化時に可撓性を有するウレタン系塗料層、硬化時に剥離性を有するシリコーン系塗料層が積層されて成ることを特徴とするステッカーアルバム用基材。
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