JP4150283B2

JP4150283B2 - Bottom coating material

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Publication number: JP4150283B2
Application number: JP2003107011A
Authority: JP
Inventors: 英滋木曽; 雅夫中川; 晴彦篠崎
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2003-04-10
Filing date: 2003-04-10
Publication date: 2008-09-17
Anticipated expiration: 2023-04-10
Also published as: JP2004313818A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼スラグ、高炉スラグ（これらを総称して鉄鋼スラグと記載する）を主体とした水質および底質[水域（河川、湖沼、海域等）の水底の岩や表層土や堆積物]の浄化材料に関し、詳しくは、従来の鉄鋼スラグを用いて富栄養化した底質を被覆材で覆い、底質から溶出する赤潮や青潮の原因となる硫化水素や栄養塩類を封じ込める技術において問題となっていた周辺水域のｐH上昇、水の白濁現象、固結による生物生息域破壊、底泥への沈下といった利用上の諸問題を解決し、鉄鋼スラグを底質被覆材として有効活用することを可能とする技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
水質や底質の浄化に関する従来方法としては、底質に覆砂する方法（底質を粉粒状材料で覆い、底質から溶出する赤潮や青潮の原因となる硫化水素や栄養塩類を封じ込めるもの）が知られており、この覆砂に用いる材料には、天然砂（海砂や山砂）のように底質を覆うことのみを目的とした材料の他に、石灰のように底質を覆うことに加えて底質の富栄養化成分を化学的に吸着する機能を持つものが用いられてきた。しかし、それぞれの材料については、天然砂のような化学反応性を有しない材料では覆砂効果が十分に得られないことが懸念され、石灰のように化学反応性を有する材料では費用が高価となること、ｐHの制御が困難で水質が高アルカリになる場合がある、といった問題があった。
【０００３】
そこで、上記の問題を解決する方法として、覆砂材料に鉄鋼スラグを用いることで水質や底質の浄化を行なう技術が開示されている。
【０００４】
（特許文献１）では、製鋼スラグの粒状体（粒径が１mm程度）を覆砂の主成分として水質や底質を浄化する方法が、（特許文献２）では、底質を砂で覆い、さらに高炉水砕スラグで覆うことでリン成分を含む富栄養化成分を吸着させる覆砂法が、そして（特許文献３）では、高炉水砕スラグを沈設することで赤潮防止対策を行なう方法が開示されている。
【０００５】
しかし、上記（特許文献１）〜（特許文献３）では、スラグ固結による底生生物の棲息環境破壊という問題点がある。これを解決する方法として、（特許文献４）では、底質上に突出するように形成され、かつ製鋼スラグを含有する下部層と、その上に高炉水砕スラグを含有する上部層を有することで、高炉水砕スラグを底質の富栄養化層（底泥）と遮断して固結を軽減することにより、長期的な底質・水質浄化の効果と硫化水素の発生抑制、そして砂質域の生物の生息環境に適する水底構造および底泥が堆積した底質の底質・水質の浄化方法を提供する技術が、（特許文献５）では、内部摩擦角が高い粉粒物からなる下部層と、その上に製鋼スラグを含有する上部層とを有する水底構造とすることにより、長期的な底質・水質浄化の効果と硫化水素の発生抑制、そして砂質域の生物の生息環境に適する水底構造および底泥が堆積した底質の底質・水質の浄化方法を提供する技術が、そして（特許文献６）では、粒径20mm以上の製鋼スラグを90wt%以上含む、あるいは粒径10mm以上の製鋼スラグを85wt%以上含むことにより、長期的な底質・水浄化の効果を有し、かつ生物相の回復の早い製鋼スラグを用いた底質・水質浄化材およびそれを用いた浄化方法を提供する技術が開示されている。
【０００６】
【特許文献１】
特開平3-4988号公報
【特許文献２】
特開平4-215900号公報
【特許文献３】
特開2002-238401号公報
【特許文献４】
特開2001-252693号公報
【特許文献５】
特開2001-252694号公報
【特許文献６】
特開2000-78938号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上記（特許文献１）〜（特許文献６）は全て、粉粒状あるいは粒状の製鋼スラグあるいは高炉水砕スラグを直接水中に投入し、底質を被覆するものである。
このような使用方法では、周辺水域のｐHを上昇させてしまうことや、それに起因する水の白濁現象（水中へ溶出したスラグ中のカルシウムイオンが水酸化カルシウムとなり、これより生じた水酸基が水中のマグネシウムイオンと結びついて水酸化マグネシウムとして発生する現象）が生じるという問題が生じる。（特許文献５）では、製鋼スラグが粒径10mm以上を85wt%以上含むことにより、製鋼スラグ中の成分の溶出によるｐH上昇が緩和されると述べられているものの、確実にpH上昇を防止することは困難である。また、たとえ粒径を調整したとしても、pH特性はスラグの鉱物組成や成分構成（カルシウム分の溶出のし易さ）によって左右されるため、pH上昇を緩和できない可能が高く、粒径調整によって使用不可能となるスラグが残るという問題がある。
【０００８】
また、底質が軟弱な場合に粒状の鉄鋼スラグを投入すると、鉄鋼スラグが底質内に沈下してしまい、結果として鉄鋼スラグ投入前の状態（底質が水に晒されてしまう状態）に戻ってしまうという問題もある。この問題については、（特許文献５）にて、内部摩擦角が高い粉粒物をまず軟弱な底質上に支持層として築き、その上に製鋼スラグを被覆することで沈下を防止する技術が示されているが、広い水域における作業において支持層の築造厚さを正確に管理するのは非常に困難であり、支持層の一部に薄い部分が生じると、その部分で沈下が生じるという問題が発生する。このような問題を解決するためには、安全代をとって支持層を厚めに施工しなければならず、経済性を損なったり、航路水深が確保できない等の問題が生じる。
【０００９】
さらに、鉄鋼スラグ同士が直接接触する場合には、確実に固結を防止することは不可能である。（特許文献４）では、下部層の製鋼スラグ厚さを調整することによって上部層の高炉水砕スラグの固結が軽減することが示されており、また（特許文献５）では、上部層に使用する製鋼スラグ粒径が10mm以上のものを85wt%以上含んでいることで固結が緩和されることが示されているが、鉄鋼スラグを直接使用する以上、固結を確実に防止することは困難である。
【００１０】
本発明はこのような課題に対して、スラグの表面の一部あるいは全てをセメントまたはセメントを含有する付着層で覆うことで、▲１▼スラグ種類、粒径に関わらず、確実に周辺水域のｐH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能、▲２▼施工品質に関わらず、底質へのスラグ沈下を防止可能、▲３▼スラグの確実な固結を防止可能、とする技術を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は下記のように構成される。
（１）製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方の表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメント含有物で覆われていることを特徴とする底質被覆材。
（２）セメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
（３）セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包し、かつセメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
（４）セメントまたはセメント含有物に、フライアッシュ、高炉水砕スラグのいずれか一方、または双方が含有されていることを特徴とする（１）〜（３）のいずれかに記載の底質被覆材。
（５）セメントまたはセメント含有物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる１種以上が含有されていることを特徴とする（１）〜（４）のいずれかに記載の底質覆砂材。
（６）底質覆砂材が塊状であることを特徴とする請求項（１）〜（５）のいずれかに記載の底質被覆材。
（７）底質覆砂材が空隙に富むことを特徴とする請求項（１）〜（６）のいずれかに記載の底質被覆材。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、表面の一部あるいは全てにセメントを含有する付着層を設けた製鋼スラグや高炉スラグを底質被覆材として用いることにより、鉄鋼スラグの種類、粒径に係わらず、スラグからの急激なカルシウム分の溶出を防止して確実に周辺水域のｐH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能となること、そして付着層が鉄鋼スラグ同士の直接の接触を抑制することで固結を防止できること、さらには付着層に混合させる材料の密度および量を付着対象の鉄鋼スラグ質量に対して調整することにより底質強度に応じて沈下防止が図れることを、本願発明の技術として新規に知見した。
【００１３】
本発明の第１の形態は、製鋼スラグあるいは高炉スラグの表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメント含有物で覆われている底質被覆材である。
製鋼スラグあるいは高炉スラグ（鉄鋼スラグと記載する）の表面の付着物が、鉄鋼スラグの水との接触面積を減じることにより、鉄鋼スラグからのカルシウム分溶出によって引起される周辺水域の急激なpH上昇、および白濁現象を防止できる他、付着物は鉄鋼スラグ同士の接触も妨げるため、固結も防止可能である。さらに、底質の強度に応じて、付着物の密度、量を調整することで底質被覆材質量を底質に沈下しないものにすることも可能となる。
【００１４】
鉄鋼スラグの表面がセメント含有物で付着層として覆われていても良く、その底質被覆材としては、図1に示す形態が例示できる。すなわち、1の鉄鋼スラグの表面に2のセメントを含有する付着層が付着しているものである。
底質とは、水域（河川、湖沼、海域等）の水底の岩や表層土や堆積物のことをいう。
【００１５】
製鋼スラグとは、高炉で製造された硬くて脆い銑鉄から、不要な成分を除去し、靭性・加工性のある鋼にする製鋼過程で生じる石灰分を主体とした粉粒状の副産物であり、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグおよび電気炉スラグ等を用いることができる。
【００１６】
高炉スラグは、高炉徐冷スラグと高炉水砕スラグに分けられ、高炉徐冷スラグとは、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収した高炉スラグを、ヤードで徐々に冷却したものであり、また高炉水砕スラグとは、高炉スラグを、高圧水で急冷して急激な冷却によってガラス質（非結晶）の粒状スラグとしたものである。高炉水砕スラグはさらに、高炉において冷却される炉前水砕スラグと高炉から離れた場所に移動した後に冷却する炉外水砕スラグに分けられる。
【００１７】
底質被覆材の粒径は、使用する製鋼スラグや高炉スラグの粒度と、付着層の量によって調整することができ、使用する水域等の状況に応じて底質被覆材が流されない大きさであれば良く、特に規定するものではない。
【００１８】
また、付着層の量（付着厚さ）については、周辺水域のpH上昇防止、白濁防止、そして固結防止等を考慮して適宜決定すれば良い。さらに、鉄鋼スラグの成分、鉱物組成についても特に規定するものではない。
【００１９】
付着層は、セメントのみ、あるいはセメントと他材料の混合物に水を混ぜることで硬化させたものであり、その硬化の程度は、海中への投入時における被覆材同士の接触や、潮流や波浪の影響で付着物が容易に剥離しない程度に適宜決定するものであり、特に規定するものではないが、圧縮強度で0.１N／mm²以上、30N／mm²以下が好ましい。0.１N／mm²以上を好ましいとした理由は、これ以上であれば、潮流や波浪によって底質被覆面上部が揺り動かされた場合においても、容易に付着物が剥離しないためであり、30N／mm²以下を好ましいとした理由は、これより強度が高くても剥離抵抗性の増加が少ないためである。また、鉄鋼スラグ表面への付着量は、使用する全鉄鋼スラグ表面に対して平均30%以上が付着層で覆われることが好ましいが、被覆厚については特に規定するものではない。これは、付着物がない場合と比べ、全鉄鋼スラグ表面に対して平均30%程度以上が付着層に覆われている場合では、周辺水域のｐHの急上昇が起こりにくく、かつ鉄鋼スラグ同士の固結も生じにくい。さらに、この効果は付着層を薄く施した場合にも同様であった。
【００２０】
なお、付着層に使用するセメントには、普通ポルトランドセメントの他、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント、白色セメント、カラーセメント、アルミナセメント、超速硬セメント（レギュレーテッドセットセメント）、膨張セメント、エコセメント等が使用でき、その使用量は、付着層の量、付着層の必要強度、水の添加量、セメントの種類等から、適宜決定するものである。
【００２１】
セメントに添加する水は、付着層の硬化を妨げる量の油、酸、有機物を含まないものであれば使用可能であり、水道水、河川水、地下水が好ましい。また、付着層の凝結時間の短縮をはかる場合には、各種塩類のうち1種または2種以上を塩類濃度10,000ppm程度以上含有した水を使用することが好ましい。各種塩類としては、ケイ沸化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、フミン酸ナトリウム等がある。塩類濃度10,000ppm程度以上が好ましい理由は、濃度が10,000ppm程度以上になると、塩類による凝結促進硬化が表れやすくなるためである。なお、水の使用量は、セメント使用量、付着層の必要強度、付着物に必要となるフレッシュ状態（未固結の状態）の流動性等から適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【００２２】
セメントを含有する付着層におけるセメント以外の他材料としては、セメントの硬化を妨げない材料から自由に選択できる。さらに、付着層のフレッシュな状態の流動性を高め、鉄鋼スラグ表面に容易に付着させるため、流動化剤や減水剤、ＡＥ剤等の各種混和剤を添加しても良い。また、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止する場合には、極力密度の小さい材料を多量に鉄鋼スラグへ付着させることが好ましい。
【００２３】
さらに、底質に覆砂する際に底質の浚渫を伴う場合においては、この浚渫された底質を付着層材料に使用することにより、資源の有効利用をはかることができる。この場合、底質が有害物質（重金属やダイオキシン類）に汚染されている場合には、汚染底質を固化物質である付着層に封じ込めることとなるため、汚染物質の拡散や飛散を防止することにもなる。これは、重金属は不溶性の水酸化物内に固定化されることで移動と溶出が防止され、またダイオキシン類は、水にはほとんど溶解せず、かつ底質に対して非常に強く吸着していることから、底質の移動を阻止すれば汚染の拡散や飛散が防止可能となる。
【００２４】
なお、重金属にはカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、水銀がある。また、ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン（PCDD）、ポリ塩化ジベンゾフラン（PCDF）、コプラナーポリ塩化ビフェニル（コプラナーPCB）の総称である。さらに、重金属のうち、鉛、亜鉛、カドミウムに対しては、鉄鋼スラグが固定化能力を有していることも知られていることから、鉄鋼スラグとセメントを用いる本底質被覆材では、通常のセメント固化処理よりも少ないセメント量で同程度の無害化ができることが期待できる。
【００２５】
なお、以上の付着層におけるセメント以外の他材料の種類、混合量は、付着対象となる製鋼スラグの質量と底質の強度、そして経済性から、適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【００２６】
鉄鋼スラグ表面の付着層の形成方法としては、フレッシュな状態の付着物を鉄鋼スラグ表面に塗布あるいは吹き付ける方法の他、経済的な方法として、鉄鋼スラグとフレッシュな状態の付着物を混練後、ヤード上、あるいは容器内で硬化させた後に粉粒状に破砕する方法、振動あるいは振動と加圧によって即時脱型成形したものを硬化させた後に破砕する方法、フレッシュな状態の付着物に鉄鋼スラグを投入し、硬化させた後に粉粒状に破砕する方法、さらには、容器内に充填あるいはヤードに盛り上げた鉄鋼スラグ上からフレッシュな状態の付着物を注ぎ、硬化した後に分粒状に破砕する方法等がある。このような破砕を伴う方法は、鉄鋼スラグと付着物の使用量を調整することにより、製造される底質被覆材の平均密度を任意に調整できる。なお、鉄鋼スラグの粒径が比較的小さい場合や、粉分の含有割合が大きい場合は、フレッシュな状態の付着物に鉄鋼スラグを投入する方法、あるいは鉄鋼スラグ上からフレッシュな状態の付着物を注ぐ方法では、鉄鋼スラグと付着物が混ざり合わず、鉄鋼スラグ周囲に付着層を形成困難となることがあるため、鉄鋼スラグとフレッシュな状態の付着物を混練する方法を取ることが好ましい。
【００２７】
粉粒状に破砕する方法としては、クラッシャー（ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、インパクトクラッシャー等）やロッドミル、ブレーカー、重機（アイヨン等）で破砕する方法の他に、製鋼スラグを使用する場合には、製鋼スラグ中に含まれる未滓化石灰の膨張（未滓化石灰が水と反応して体積膨張する）を利用する方法をとることもできる。膨張性の大きな製鋼スラグを使用すれば、付着層の硬化後に内部の製鋼スラグが膨張崩壊し、自然に粉粒状とすることができる。製鋼スラグの膨張崩壊は、自然の雨水によって長期間をかけて発生させる方法（自然エージング）と、高温の蒸気を供給することで単時間のうちに発生させる方法（蒸気エージング）があり、どちらを用いてもよい。なお、このような方法を取る場合には、製鋼スラグの水浸膨張比が10.0%以上であることが好ましく、上限は特に規定しない。水浸膨張比とは、JIS A 5015：1992附属書2に規定された鉄鋼スラグの水浸膨張試験方法に準拠して測定するものである。水浸膨張比10.0%以上が好ましい理由は、10.0%未満であると粉粒化に至りにくいためである。また、上限を定めない理由は、製鋼スラグ中の未滓化石灰量が多い場合には未滓化石灰がスラグ中に塊状で存在する場合が多く、未滓化石灰量が増加しても破砕断面が増加せず、粉粒化の程度にあまり変化がみられないためである。
なお、周辺水域のｐH上昇をさらに防止する方法として、底質覆砂材の周面を炭酸処理し、被覆層のｐHを低減させる方法がある。
【００２８】
本発明の第２の形態は、セメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とするものである。セメントまたはセメント含有物に鉄鋼スラグが付着することで、底質被覆材表面に鉄鋼スラグが突出するため、鉄鋼スラグと水の接触面積を大きく取ることができ、鉄鋼スラグが有する化学的な富栄養化成分吸着効果をより発揮することができる。
【００２９】
この一例として図2に示す形態が挙げられる。これは、2のセメントを含有物に、1の鉄鋼スラグが表面の一部を突出するように付着しているものである。
この様な形態の場合、突出面積を大きく取れるため、水浄化効果が大きく取れ、しかも底質被覆材表面に凹凸が形成されるため、生物の棲息環境としても好適となる。なお、周辺水域のｐH上昇については、鉄鋼スラグ粒のある程度はセメントまたはセメント含有物と接触しているため、セメントまたはセメント含有物が無い場合のように急激なｐH上昇を引起すことはない。
底質被覆材表面への鉄鋼スラグの突出の程度は、底質浄化効果、周辺ｐHの上昇等を考慮して適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【００３０】
粉粒状の鉄鋼スラグを使用し、鉄鋼スラグが表面に突出した底質被覆材を製作する方法としては、底面に鉄鋼スラグを敷き詰めた型枠内に付着物を流し込んだ後に硬化させる方法と、型枠内に流し込んだ付着物の上面に鉄鋼スラグを載せて押しつけた後に硬化させる方法、および両者の組み合せによる方法の他、鉄鋼スラグのヤード上、あるいはヤードに設けた窪みに付着物を流し込んだ後に硬化させ、それを引き上げることによって製作する方法や、その上面にも鉄鋼スラグを押しつけることを組み合せる方法がある。なお、硬化後に、所定の寸法に破砕してもよい。
【００３１】
本発明の第３の形態は、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包し、かつセメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とするものである。
これは、第２の発明に加えて、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包しているものである。
【００３２】
この一例として図３に示す形態が挙げられる。これは、１の鉄鋼スラグが2のセメント含有物に内包され、かつ、1の鉄鋼スラグがセメント含有物表面に突出するように付着しているものである。
この形態の作用、効果は第２の発明の場合に加えて、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包していることから、鉄鋼スラグが有する化学的な富栄養化成分吸着効果をさらに発揮することができる。
【００３３】
粉粒状の鉄鋼スラグを使用し、鉄鋼スラグが表面に突出した底質被覆材を製作する方法としては、底面に鉄鋼スラグを敷き詰めた型枠内に付着物と鉄鋼スラグの混合物を流し込んだ後に硬化させる方法と、型枠内に流し込んだ付着物と鉄鋼スラグの混合物の上面に鉄鋼スラグを載せて押しつけた後に硬化させる方法、および両者の組み合せによる方法の他、鉄鋼スラグのヤード上、あるいはヤードに設けた窪みに付着物と鉄鋼スラグの混合物を流し込んだ後に硬化させ、それを引き上げることによって製作する方法や、その上面にも鉄鋼スラグを押しつけることを組み合せる方法がある。なお、硬化後に、所定の寸法に破砕してもよい。
【００３４】
本発明の第４の形態は、第1から第３のいずれかの発明において、セメントまたはセメント含有物に、フライアッシュ、高炉水砕スラグのいずれか一方、または双方が含有されたものである。
【００３５】
付着物は鉄鋼スラグからの急激なカルシウム分の溶出と固結を防止することができるが、付着物に使用するセメントもアルカリ性の高い材料であるため、閉鎖水域では長期的に周辺水域のｐHを上昇させることも懸念される。従って、セメントよりもｐHが低く、かつ水硬性を有してセメントの代替となり得る材料を使用し、セメント使用量を極力少量化することが好ましい。
【００３６】
フライアッシュ、高炉水砕スラグは、セメントと共に使用することによって水硬性を発揮する副産物であるため、セメントの代替としてセメント含有物に使用することが可能であり、資源の再利用という点からも、このような副産物を使用することが好ましい。この他にも火山灰、ケイ酸白土、ケイ藻土などの天然ポゾラン、仮焼粘土などの人工ポゾランも使用することが可能である。なお、これらの材料と比べると高価になるが、高炉水砕スラグをセメント用混和材として加工した高炉スラグ微粉末も使用可能である。
【００３７】
さらに、フライアッシュ、高炉水砕スラグは密度の小さい材料であるため、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止する効果も併せて発揮される。その他の密度の軽い材料としては、発泡スチロール、プラスチック片および粉等を用いても良い。
【００３８】
フライアッシュは、石炭灰の一種であり、微粉炭燃焼ボイラーの燃焼ガスから集塵機で採取された石炭灰のことで、国内外を問わず、各産地の各種のものを用いることができる。また、原粉、JIS A 6201に適合するJISフライアッシュ、および粗粉のいずれも利用可能である。
【００３９】
また、フライアッシュとシンダーアッシュ（節炭器・空気予熱器から回収したもの）の混合物である「原粉」、原粉を分級選別した細粉でJIS A 6201に適合する「ＪＩＳフライアッシュ」、および原粉を分級し粒度調整した粗いものである「粗粉」に分類される。
【００４０】
高炉水砕スラグは、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収したものを高圧水で急冷したものであり、急激な冷却によって弱い水硬性を有するガラス質（非結晶）の粒状スラグとなるのを特徴とするものである。
【００４１】
フライアッシュ、高炉水砕スラグの一方、または双方の使用量は、セメントの使用量、セメントの種類、被覆層の必要強度、所定の強度に達するまでの必要養生時間等から適宜決定するものである。
【００４２】
本発明の第５の形態は、第1から第４のいずれかの発明において、セメントまたはセメント含有物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる１種以上が含有されているものである。
【００４３】
付着物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる１種以上が含有される場合は、鉄分による硫化物イオン吸着能力を有することが可能となる。
【００４４】
さらに、鉄鋼スラグの中でも製鋼スラグを用いた場合は、金属鉄や酸化鉄を含有しているため、硫化物イオンを硫化鉄として固定化する能力を併せ持つ。従って、高炉スラグを使用した底質被覆材でも製鋼スラグを併用する、または底質被覆材の付着層に製鋼スラグを含有させることで、硫化物イオンの固定能力をさらに高めることが可能となる。
【００４５】
金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる１種以上の使用量は、必要とする硫化水素固定効果が得られる使用量とし、特に規定するものではない。
ここで、金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材としては、鉄粉、製鋼ダスト、砂状や粉状の製鋼スラグ等を用いることができる。
【００４６】
本発明の第６の形態は、第1から第５のいずれかの発明において、底質被覆材が塊状であることを特徴とするものである。
粉粒状の覆砂材料では、潮流や波浪の影響を受ける底質に使用した場合には洗掘されることが懸念されるため、これを塊状の材料とすることによって個々の底質被覆材の質量が大きくなり、洗掘を防止することが可能となるため好ましい。
【００４７】
また、底質被覆を複数層に分けて施工し、下部の層には上層よりも粒径が小さな材料を、そして上部の層には塊状の材料を使用すれば、塊状材料のみを用いた場合と比較して、物理的な底質の被覆効果と水浄化効果（リンおよび硫化水素の吸着効果）の減少を防ぎ、かつ洗掘に強い底質被覆を行なうことが可能である。さらに、底質被覆材の形状を、個々の底質被覆材の底質と接する面積が大きい形状（例えば扁平形状等）や、底質被覆材同士が機械的に噛み合い易く底質被覆材が集合体として底質被覆材に乗るような形状（例えば凹凸が多い形状等）に工夫することにより、軟弱な底質に沈下しにくくすることが可能である。
他方、底質被覆材表面に凹凸が少ない形状に工夫することにより、底質被覆材間の間隙を低減し、被覆効果を高めることができる。
また、これとは逆に底質被覆材表面に凹凸が多い形状に工夫することにより、底質被覆材間に底質生物の生育に好適な間隙を設けること等も可能である。
なお、形状は施工条件や使用条件に応じて適宜決定するものであり、特に規定はしない。
【００４８】
ここで塊状とは、波浪や潮流によって流失しない質量が得られる大きさを有している状態であればよく、特に規定するものではないが、目安としては個々の底質被覆材の最大部材寸法が40mm超程度が好ましく、上限は所望の被覆効果が得られる寸法であればよいため特に規定するものではない。
【００４９】
塊状の底質被覆材の製造方法としては、塊状の鉄鋼スラグの周囲に付着層を形成する方法と、粉粒状の複数粒の鉄鋼スラグを付着物で覆い、一体化させる方法がある。塊状の鉄鋼スラグは単位使用質量当たりの表面積（水と接触する面積）が小さいため、周辺水域のpH上昇や固結の可能性は、粉粒状の複数粒のスラグと比べて小さい。よって、被覆層の効果が顕著に得られるという点から、本発明は複数粒の鉄鋼スラグを用いる場合に適用するのが好ましい。
【００５０】
なお、粉粒状の鉄鋼スラグの最大粒径は、通常製造されるものをそのまま使用する場合には40mm程度以下が好ましい。40mm程度以下が好ましい理由は、鉄鋼スラグの多くが道路用路盤材の規格（JIS A 5015）に適合するように、製造時に40mm以下に破砕されるためである。
【００５１】
塊状底質被覆材の製造は、上記した鉄鋼スラグと付着物の混合物が硬化した後に破砕する方法において、破砕寸法を調整するか、もしくは破砕をしないことによって製造できる。
【００５２】
本発明の第７の形態は、第1から第６のいずれかの発明において、底質覆砂材が空隙に富むことを特徴とするものである。
空隙に富むと、底質被覆材外面と接触する水以外にも空隙内に入り込んだ水も底質被覆材と接触するため、同一寸法で空隙に乏しい底質被覆材と比べて水と底質被覆材の接触面積を大きく取ることができ、被覆材寸法に対して高い水質浄化効果（リンおよび硫化水素の吸着効果）を得ることができる他、生物の棲息環境としても好適となる。
【００５３】
底質被覆材中の空隙の量は、所定の水浄化硬化が得られる空隙量とし、特に規定するものではない。
但し、空隙に富む状態としては、底質被覆材中の空隙率（空隙率ｎ＝Vv／V×100%（ここに、Vは底質被覆材のみかけの容積、Vvは底質被覆材の真の容積）が10%以上であることが好ましく、上限は底質被覆材の水中投入時や投入後の破壊や水流による流失が生じない範囲内で設定するものとし、特に規定しない。
空隙率が10%以上であることが好ましい理由は、空隙率が10%以上である場合に同寸法の底質被覆材と比べて高い水質浄化効果が見られるためである。
【００５４】
空隙に富む底質被覆材は、一般的なポーラスコンクリートの製造方法と同様に、使用する鉄鋼スラグ間の間隙容積を下回る容積の付着物を鉄鋼スラグと混合することによって製造できる他、鉄鋼スラグ間の空隙容積を下回らない容積の付着物を使用する場合でも、鉄鋼スラグ自体が空隙に富むものを使用すること、あるいは両者の組み合せで製造することができる。
【００５５】
また、付着物の空隙を設けることで、付着物自体の見かけ密度が低くなるため、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止することが可能となる。これには、付着物の材料としてアルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛の粉末といったものを混合し、付着物が硬化する前にガス泡を発生させることで付着物内部に空隙を設ける方法が有効である。これらガス泡発生用の材料についても、材料の種類、混合量は、付着対象となる製鋼スラグの質量と底質の強度、そして経済性から、適宜決定するものであり、特に規定しない。
【００５６】
【実施例】
（実施例１）
3リットルタンクに海域から採取した底泥（干潮時の底質表面から砂を除いて採取）1kgを敷き、さらにその上に鉄鋼スラグ（製鋼スラグ）のみ、あるいは鉄鋼スラグ表面を付着層で覆った底質被覆材（本発明の被覆材）を500gづつ敷設した。そして、同地点で採取した海水を、数日間嫌気状態に保ち、硫化水素を発生させたものを各容器に1リットルづつ注水後、7日間放置して海水のｐH、リン酸濃度、硫化物濃度の測定と白濁現象の発生有無を観察した。測定結果を表１に示す。
使用した製鋼スラグは、比較例、実施例共に最大粒径が25mmのものであり、Ｃａ含有量およびＦｅ含有量等の性状の異なる3種類（製鋼スラグ1〜3）を採取した。
底質被覆材は円筒形の型枠（φ100mm×h200mm）で硬化させて脱型後、破砕して作成した。なお、底質被覆材の製鋼スラグ表面における付着層の付着割合は、80%程度が覆われていたが、被覆度の影響を見るため、さらに摩砕し、付着度が30%程度のものと、50%程度のものも作成した。
底質被覆材の材料構成を表2に示す。
【００５７】
【表１】

【００５８】
【表２】

【００５９】
まず、製綱スラグ１〜３の各々に対し、付着層の被覆度を80%程度とした場合、スラグの性状に係わらず、いずれも周辺水のpH上昇や白濁現象は生じないことが確認された。
【００６０】
次に、製綱スラグ３を使用した場合の、付着層の被覆度と周辺水のｐH、リン酸濃度、硫化物の濃度、白濁を比較してみると、付着層がない場合（比較例No.4）では、リン酸濃度と硫化物濃度は大幅に低減したものの、周辺水のｐH上昇と白濁現象が見られる。これに対し、製綱スラグ表面の30%程度以上を付着層で覆うことにより（実施例No.7.8.9）、周辺水のpH上昇や白濁現象を生じることなく、付着層がない場合と同程度のリン酸濃度および硫化物濃度の低減効果が得られた。
【００６１】
（実施例2）
透明な容器（200mm×200mm×h1500mm）に水を満たし、容器の採取した底泥（干潮時の底質表面から砂を除いて採取）を高さ50cmとなるように敷設した後、（実施例1）の試験No.4で用いた製鋼スラグと、No.7で用いた底質被覆材それぞれ4kgを上部より投入し、被覆材の底泥への沈下の程度（沈下深さ）を比較した。沈下深さは、投入した被覆材の最上面の沈下が、時間当たり1mm未満になった場合の被覆材常面と底泥上面との距離と定義して、透明な容器越しに測定した。
【００６２】
製鋼スラグ単味の場合の密度は3.0（g／cm³）、付着層で覆った底質被覆材の密度は約2.3（g／cm³）である。
底泥への沈降深さの計測結果を、表3に示す。
【００６３】
【表３】

【００６４】
製鋼スラグ単味の場合には、かなりの深さまで底泥内に沈下したのに対し、被覆材によって密度を調整した底質被覆材は、非常に小さな沈下量であった。
【００６５】
【発明の効果】
本発明により、▲１▼スラグ種類、粒径に関わらず、確実に周辺水域のｐH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能、▲２▼施工品質に係わらず、底質へのスラグ沈下を防止可能、▲３▼スラグの確実な固結を防止可能、とする底質の被覆材を提供でき、さらに天然石・砂代替として有効利用が望まれている鉄鋼スラグ（製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ）を利用することが可能となり、天然資源の省資源化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の鉄鋼スラグを被覆材で覆う場合の実施形態を示す説明図である。
【図２】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の海底被覆材の表面付近のみに粉粒状の鉄鋼スラグが存在し、かつその表面の一部がセメントを含有した被覆層から突出する場合の実施形態を示す説明図である。
【図３】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の海底被覆材の表面付近および内部に粉粒状の鉄鋼スラグが存在し、表面付近に存在する鉄鋼スラグの表面の一部が被覆層から突出する場合の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…鉄鋼スラグ、2…セメント含有物[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to water quality and bottom quality mainly composed of steel slag and blast furnace slag (collectively referred to as steel slag). [ Rocks, surface soil and sediments in the bottom of water (rivers, lakes, seas, etc.) ] In particular, there is a problem in the technology to cover hydrogen sulfide and nutrient salts that cause red tide and blue tide eluted from the bottom by covering the eutrophic bottom sediment using steel slag with a covering material. To solve various problems in use such as pH increase in surrounding water areas, water turbidity phenomenon, destruction of biological habitat due to consolidation, settlement to bottom mud, and effective use of steel slag as a sediment coating material It is related to the technology that makes possible.
[0002]
[Prior art]
Conventional methods for water and sediment purification include the method of covering the sediment with sand (covering the sediment with granular materials and containing hydrogen sulfide and nutrients that cause red tide and blue tide eluting from the sediment) ) Is known, and in addition to materials intended only to cover sediments such as natural sand (sea sand and mountain sand), the materials used for this sand cover include sediments such as lime. In addition to covering, those having the function of chemically adsorbing eutrophication components in the sediment have been used. However, for each material, there is a concern that a material that does not have chemical reactivity such as natural sand will not provide a sufficient sand covering effect, and a material that has chemical reactivity such as lime is expensive. That is, there is a problem that pH control is difficult and the water quality may become high alkali.
[0003]
Therefore, as a method for solving the above problem, a technique for purifying water quality and bottom quality by using steel slag as a sand covering material is disclosed.
[0004]
In (Patent Document 1), a method of purifying water and bottom sediment with a steelmaking slag granule (particle size of about 1 mm) as the main component of sand covering, (Patent Document 2) covers the bottom sediment with sand, Furthermore, a sand-capping method that adsorbs eutrophication components including phosphorus components by covering with granulated blast furnace slag is disclosed, and (Patent Document 3) discloses a method for preventing red tide by setting blast furnace granulated slag. Has been.
[0005]
However, the above (Patent Document 1) to (Patent Document 3) have a problem of habitat destruction of benthic organisms due to slag consolidation. As a method for solving this, (Patent Document 4) has a lower layer formed so as to protrude on the sediment and containing steelmaking slag, and an upper layer containing blast furnace granulated slag thereon. By blocking blast furnace granulated slag from the bottom eutrophication layer (bottom mud) and reducing caking, the effect of long-term sediment / water purification, suppression of hydrogen sulfide generation, and sand quality (Patent Document 5) is a technology that provides a bottom structure suitable for the habitat of living organisms in the region and a method for purifying bottom sediment and water quality in which sediment is deposited. By forming a bottom structure with a layer and an upper layer containing steelmaking slag on top of it, long-term sediment / water purification effect, suppression of hydrogen sulfide generation, and habitat of living organisms in sandy areas Suitable bottom structure and purification of bottom sediment / water quality The technology that provides the method, and (Patent Document 6) includes 90 wt% or more of steelmaking slag with a particle size of 20 mm or more, or 85 wt% or more of steelmaking slag with a particle size of 10 mm or more. A technology for providing a bottom / water purification material using steelmaking slag having a water purification effect and quick biota recovery and a purification method using the same is disclosed.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 3-4988
[Patent Document 2]
JP-A-4-215900
[Patent Document 3]
JP 2002-238401 A
[Patent Document 4]
JP 2001-252693 A
[Patent Document 5]
JP 2001-252694 A
[Patent Document 6]
JP 2000-78938 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
All of the above (Patent Document 1) to (Patent Document 6) are those in which powdered or granular steelmaking slag or granulated blast furnace slag is directly poured into water to coat the bottom sediment.
In such a method of use, the pH of the surrounding water area is increased, and the resulting water turbidity phenomenon (calcium ions in the slag eluted into the water becomes calcium hydroxide, and the resulting hydroxyl group is in the water. There arises a problem that a phenomenon that occurs as magnesium hydroxide in combination with magnesium ions occurs. (Patent Document 5) states that when the steelmaking slag contains a particle size of 10 mm or more and 85 wt% or more, the increase in pH due to the elution of components in the steelmaking slag is mitigated, but the pH increase is surely prevented. It is difficult. Even if the particle size is adjusted, the pH characteristics depend on the mineral composition and composition of the slag (easiness of elution of calcium content), so it is highly possible that the increase in pH cannot be mitigated. There is a problem that slag that cannot be used remains.
[0008]
In addition, if granular steel slag is introduced when the bottom is soft, the steel slag will sink into the bottom, resulting in the state before the steel slag is introduced (the state where the bottom is exposed to water). There is also the problem of going back. Regarding this problem, in (Patent Document 5), there is a technique for preventing subsidence by first building a granular material having a high internal friction angle on a soft bottom as a support layer and coating steelmaking slag thereon. Although it is shown, it is very difficult to accurately control the built-up thickness of the support layer when working in a wide water area, and if a thin part occurs in a part of the support layer, the problem is that subsidence occurs in that part Will occur. In order to solve such a problem, it is necessary to take a safety allowance to make the support layer thicker, resulting in problems such as loss of economy and inability to secure the water depth of the channel.
[0009]
Furthermore, when steel slag directly contacts, it is impossible to prevent solidification reliably. (Patent Document 4) shows that the consolidation of the blast furnace granulated slag of the upper layer is reduced by adjusting the steelmaking slag thickness of the lower layer. It has been shown that caking is alleviated by containing 85 wt% or more of steelmaking slag with a particle size of 10 mm or more. However, as long as steel slag is used directly, caking is surely prevented. It is difficult.
[0010]
The present invention addresses such problems by covering part or all of the surface of the slag with cement or an adhesive layer containing cement, so that (1) regardless of the slag type and particle size, Technology that can prevent pH increase and water turbidity caused by it, (2) technology that prevents slag from sinking to the bottom regardless of construction quality, and (3) technology that can prevent solidification of slag. The purpose is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention is configured as follows.
(1) A bottom coating material characterized in that one or both of steelmaking slag and blast furnace slag, or a part or all of both surfaces thereof are covered with cement or a cement-containing material.
(2) A bottom coating material characterized in that either one or both of steelmaking slag and blast furnace slag is adhered to cement or a cement-containing material.
(3) Cement or cement-containing material contains either steelmaking slag, blast furnace slag, or both, and steelmaking slag, blast furnace slag, or both adhere to the cement or cement-containing material. A bottom covering material characterized by
(4) The bottom covering according to any one of (1) to (3), wherein the cement or the cement-containing material contains either one or both of fly ash and granulated blast furnace slag. Wood.
(5) Any one of (1) to (4), wherein the cement or the cement-containing material contains at least one selected from metallic iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material The bottom sediment-carrying material described in 1.
(6) The bottom sediment covering material according to any one of claims (1) to (5), wherein the bottom sediment covering material is in a lump shape.
(7) The bottom sediment covering material according to any one of claims (1) to (6), wherein the bottom sediment covering material is rich in voids.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present inventors use steelmaking slag or blast furnace slag provided with a cement-containing adhesion layer on part or all of the surface as a bottom material covering material, regardless of the type and particle size of steel slag. By preventing the rapid calcium elution of water, it is possible to reliably prevent the pH increase in the surrounding water area and the water turbidity caused by it, and the adhesion layer suppresses direct contact between steel slags. As a technique of the present invention, it is possible to prevent caking, and furthermore, by adjusting the density and amount of the material mixed in the adhesion layer with respect to the mass of steel slag to be adhered, it is possible to prevent settlement according to the strength of the bottom sediment. Newly discovered.
[0013]
The first aspect of the present invention is a bottom coating material in which a part or all of the surface of steelmaking slag or blast furnace slag is covered with cement or a cement-containing material.
The surface pH of steelmaking slag or blast furnace slag (referred to as steel slag) reduces the contact area of the steel slag with water, resulting in a sudden pH increase in the surrounding water area caused by calcium elution from the steel slag. In addition to preventing white turbidity, the deposits also prevent contact between the steel slags, so that caking can be prevented. Furthermore, it becomes possible to make the mass of the bottom covering material not to sink into the bottom sediment by adjusting the density and amount of the deposit according to the strength of the bottom sediment.
[0014]
The surface of the steel slag may be covered with a cement-containing material as an adhesion layer, and the form shown in FIG. That is, the adhesion layer containing the cement 2 is attached to the surface of the steel slag 1.
Sediment refers to rocks, surface soil, and sediments in the bottom of water (rivers, lakes, seas, etc.).
[0015]
Steelmaking slag is a granular by-product mainly composed of lime that is produced in the steelmaking process by removing unnecessary components from hard and brittle pig iron produced in a blast furnace to produce a tough and workable steel. Furnace slag, hot metal pretreatment slag, electric furnace slag, and the like can be used.
[0016]
Blast furnace slag is divided into blast furnace slow-cooled slag and blast furnace granulated slag, and blast furnace slow-cooled slag is an iron ore melted in a blast furnace that produces pig iron in components such as limestone and coke as secondary materials. The blast furnace slag separated and recovered together with the ash is gradually cooled in the yard, and the granulated blast furnace slag is vitreous (non-crystalline) by rapidly cooling the blast furnace slag with high pressure water and rapidly cooling it. The granular slag. The blast furnace granulated slag is further divided into a pre-reactor granulated slag that is cooled in the blast furnace and an out-of-core granulated slag that is cooled after moving to a place away from the blast furnace.
[0017]
The particle size of the bottom coating material can be adjusted according to the particle size of the steelmaking slag and blast furnace slag to be used and the amount of the adhering layer. It only needs to be, and it is not specified.
[0018]
Further, the amount of the adhesion layer (attachment thickness) may be appropriately determined in consideration of prevention of pH increase, prevention of white turbidity, prevention of caking, etc. in the surrounding water area. Furthermore, it does not prescribe | regulate especially about the component of a steel slag, and a mineral composition.
[0019]
The adhesion layer is hardened by mixing water with cement alone or a mixture of cement and other materials, and the degree of hardening depends on the contact between the coating materials at the time of entering the sea and the flow of waves and waves. It is determined appropriately to the extent that deposits do not easily peel off due to the influence, and although not particularly specified, the compressive strength is 0.1 N / mm ² 30N / mm ² The following is preferred. 0.1 N / mm ² The reason why the above is preferred is that if it is more than this, even if the upper part of the bottom sediment covering surface is shaken by tidal currents or waves, the deposits do not easily peel off, and 30 N / mm ² The reason why the following is preferred is that even if the strength is higher than this, the increase in peeling resistance is small. Further, the amount of adhesion to the surface of the steel slag is preferably 30% or more on the average surface of all steel slag to be covered with an adhesion layer, but the coating thickness is not particularly specified. This is because, compared to the case where there is no deposit, when the average of about 30% or more of the surface of all steel slag is covered by the adhesion layer, the pH in the surrounding water area is less likely to rise rapidly, and the solidity between the steel slags Results are unlikely to occur. Furthermore, this effect was the same when the adhesion layer was thinly applied.
[0020]
The cement used for the adhesion layer is not only ordinary Portland cement but also Portland cement such as early-strong Portland cement, ultra-high-strength Portland cement, moderately hot Portland cement, sulfate-resistant Portland cement, blast furnace cement and fly ash cement. , Various cements such as silica cement, white cement, color cement, alumina cement, super-hard cement (regulated set cement), expanded cement, eco-cement, etc. can be used. It is determined as appropriate from the required strength, the amount of water added, the type of cement, and the like.
[0021]
The water added to the cement can be used as long as it does not contain oils, acids, and organic substances in amounts that prevent the adhesion layer from hardening, and tap water, river water, and groundwater are preferable. In order to shorten the setting time of the adhesion layer, it is preferable to use water containing one or more of various salts with a salt concentration of about 10,000 ppm or more. Examples of various salts include sodium silicate, sodium chloride, ammonium chloride, sodium carbonate, magnesium sulfate, sodium carbonate, magnesium sulfate, sodium nitrate, and sodium humate. The reason why the salt concentration is preferably about 10,000 ppm or more is that, when the concentration is about 10,000 ppm or more, setting hardening by salt tends to occur. The amount of water used is appropriately determined from the amount of cement used, the required strength of the adhesion layer, the fluidity of the fresh state (unconsolidated state) required for the deposit, etc. Absent.
[0022]
The material other than cement in the adhesion layer containing cement can be freely selected from materials that do not hinder the hardening of the cement. Further, various admixtures such as a fluidizing agent, a water reducing agent, and an AE agent may be added in order to increase the fluidity of the adhesion layer in a fresh state and easily adhere to the steel slag surface. In order to prevent the steel slag from sinking into the soft bottom, it is preferable to attach a large amount of a material having a low density to the steel slag.
[0023]
Furthermore, in the case where the bottom sediment is accompanied with the bottom sediment when the sediment is covered with sand, the resource can be effectively used by using the sediment deposited on the deposited layer material. In this case, if the sediment is contaminated with toxic substances (heavy metal or dioxins), the contaminated sediment will be contained in the adhering layer, which is a solidified material, thus preventing the diffusion and scattering of the pollutants. It also becomes. This is because heavy metals are immobilized in insoluble hydroxides to prevent migration and elution, and dioxins hardly dissolve in water and adsorb very strongly to sediment. Therefore, if the movement of sediment is prevented, the diffusion and scattering of contamination can be prevented.
[0024]
Heavy metals include cadmium, lead, hexavalent chromium, copper, zinc, and mercury. Dioxins are a general term for polychlorinated dibenzo-para-dioxin (PCDD), polychlorinated dibenzofuran (PCDF), and coplanar polychlorinated biphenyl (coplanar PCB). Furthermore, for heavy metals, lead, zinc, and cadmium are also known to have immobilization ability. Therefore, in this bottom sediment coating material using steel slag and cement, It can be expected that the same degree of detoxification can be achieved with a smaller amount of cement than the cement solidification treatment.
[0025]
The type and amount of materials other than cement in the above adhesion layer are appropriately determined from the mass of the steelmaking slag to be adhered, the strength of the bottom sediment, and the economy. Absent.
[0026]
As a method for forming an adhesion layer on the surface of steel slag, in addition to a method of applying or spraying a fresh deposit on the surface of steel slag, an economical method is to mix the steel slag with a fresh deposit and then yard Method of crushing into powder after hardening on top or in container, Method of crushing after immediate demolding by vibration or vibration and pressurization, throwing steel slag into fresh deposit There is a method of crushing into powder after hardening, and a method of pouring a fresh deposit from the steel slag filled in the container or swelled in the yard and crushing into a granular after hardening. . In the method involving such crushing, the average density of the bottom coating material to be produced can be arbitrarily adjusted by adjusting the amounts of steel slag and deposits used. In addition, when the particle size of steel slag is relatively small or the content ratio of the powder is large, a method in which steel slag is poured into a fresh deposit or a fresh deposit from above the steel slag. In the pouring method, the steel slag and deposits do not mix and it may be difficult to form an adhesion layer around the steel slag. Therefore, it is preferable to take a method of kneading the steel slag and the deposits in a fresh state.
[0027]
In addition to crushing with a crusher (jaw crusher, cone crusher, impact crusher, etc.), rod mill, breaker, heavy machinery (eg, aileon) as a method of crushing into powder, It is also possible to take a method utilizing the expansion of unhatched lime contained therein (the unhatched lime reacts with water and undergoes volume expansion). If steel-making slag having a large expansibility is used, the steel-making slag inside expands and collapses after the adhesion layer is hardened, and can be naturally made into a granular form. There are two methods of expanding and collapsing steelmaking slag over a long period of time with natural rainwater (natural aging) and a method of generating high-temperature steam in a single hour (steam aging). It may be used. In the case of adopting such a method, the water immersion expansion ratio of the steelmaking slag is preferably 10.0% or more, and the upper limit is not particularly defined. The water immersion expansion ratio is measured in accordance with the water immersion expansion test method for steel slag specified in JIS A 5015: 1992 Annex 2. The reason why the water immersion expansion ratio is preferably 10.0% or more is that when it is less than 10.0%, it is difficult to cause granulation. In addition, the reason why the upper limit is not set is that when there is a large amount of unhatched lime in the steelmaking slag, the unhatched lime is often present in a lump in the slag. This is because the cross section does not increase and the degree of pulverization does not change much.
As a method for further preventing the pH increase in the surrounding water area, there is a method of reducing the pH of the coating layer by subjecting the peripheral surface of the bottom sediment-covering material to carbonic acid treatment.
[0028]
The second aspect of the present invention is characterized in that either one or both of steelmaking slag and blast furnace slag is adhered to cement or a cement-containing material. Because steel slag sticks to cement or cement-containing materials, and the steel slag protrudes from the surface of the bottom coating material, the contact area between the steel slag and water can be increased, and the chemical eutrophication of steel slag The chemical component adsorption effect can be further exhibited.
[0029]
An example of this is the form shown in FIG. This is because the steel slag 1 is attached to the material containing the cement 2 so that a part of the surface protrudes.
In such a form, since the protruding area can be increased, the water purification effect can be increased, and unevenness is formed on the surface of the bottom covering material, so that it is also suitable as a living environment for living organisms. Regarding the increase in pH in the surrounding water area, since some steel slag grains are in contact with cement or cement-containing material, there is no sudden increase in pH unlike when there is no cement or cement-containing material.
The degree of protrusion of the steel slag on the surface of the bottom covering material is appropriately determined in consideration of the bottom purification effect, the increase in the surrounding pH, etc., and is not particularly specified.
[0030]
Using powdered steel slag and producing a bottom coating material with steel slag protruding on the surface, the method of hardening after pouring the deposit into the mold with steel slag spread on the bottom, In addition to a method in which steel slag is placed on the upper surface of the deposit poured into the frame and pressed and then hardened, and a combination of both, the deposit is poured into the steel slag yard or into the dent in the yard. There are a method of manufacturing by hardening and pulling it up, and a method of combining pressing the steel slag on the upper surface. In addition, you may crush to a predetermined dimension after hardening.
[0031]
According to a third aspect of the present invention, the cement or the cement-containing material includes either one or both of steelmaking slag and blast furnace slag, and the cement or the cement-containing material includes one of steelmaking slag and blast furnace slag, or both. It is characterized by having adhered.
In this case, in addition to the second invention, the cement or the cement-containing material includes one or both of steelmaking slag and blast furnace slag.
[0032]
An example of this is the form shown in FIG. This is because one steel slag is encapsulated in two cement-containing materials, and one steel slag adheres so as to protrude from the cement-containing material surface.
In addition to the case of the second invention, the operation and effect of this embodiment is because the cement or the cement-containing material contains either one or both of steelmaking slag and blast furnace slag. The eutrophication component adsorption effect can be further exhibited.
[0033]
Using powdered steel slag and producing a bottom coating with steel slag protruding on the surface, the mixture is hardened after pouring a mixture of deposits and steel slag into a mold with steel slag on the bottom. In addition to the method of hardening the steel slag by placing it on the upper surface of the mixture of the adhering material and steel slag poured into the mold and pressing it, and the method of combining both, on the slag yard or on the yard There are a method in which a mixture of adhering material and steel slag is poured into the provided recess and then hardened and then pulled up, and a method in which pressing the steel slag also on the upper surface is combined. In addition, you may crush to a predetermined dimension after hardening.
[0034]
According to a fourth aspect of the present invention, in any one of the first to third aspects, the cement or the cement-containing material contains one or both of fly ash and granulated blast furnace slag.
[0035]
Adhesives can prevent the rapid dissolution and consolidation of calcium from steel slag, but the cement used for the adhering materials is also a highly alkaline material. There is also concern about raising it. Therefore, it is preferable to use a material that has a lower pH than cement and has hydraulic properties and can be used as a substitute for cement, thereby minimizing the amount of cement used.
[0036]
Fly ash and granulated blast furnace slag are by-products that exhibit hydraulic properties when used together with cement. It is preferred to use such by-products. In addition, natural pozzolans such as volcanic ash, silicate clay, and diatomaceous earth, and artificial pozzolans such as calcined clay can be used. Although it is more expensive than these materials, blast furnace slag fine powder obtained by processing blast furnace granulated slag as an admixture for cement can also be used.
[0037]
Furthermore, since fly ash and granulated blast furnace slag are materials with low density, the effect of preventing the subsidence of steel slag into soft sediment is also exhibited. As other light materials having a low density, polystyrene foam, plastic pieces, powder, or the like may be used.
[0038]
Fly ash is a kind of coal ash, and is coal ash collected from a combustion gas of a pulverized coal combustion boiler by a dust collector, and various types of ash can be used regardless of whether in Japan or abroad. Also, raw powder, JIS fly ash conforming to JIS A 6201, and coarse powder can be used.
[0039]
In addition, "raw powder" that is a mixture of fly ash and cinder ash (collected from economizer / air preheater), "JIS fly ash" that conforms to JIS A 6201 with fine powder obtained by classifying raw powder, In addition, it is classified as “coarse powder” which is a coarse product obtained by classifying raw powder and adjusting the particle size.
[0040]
Blast Furnace granulated slag is the iron ore melted in the blast furnace that produces pig iron, which is obtained by separating and recovering components other than iron together with lime in auxiliary materials and ash in coke and quenching with high pressure water. A vitreous (non-crystalline) granular slag having weak hydraulic properties is obtained by rapid cooling.
[0041]
The amount of one or both of fly ash and granulated blast furnace slag is appropriately determined from the amount of cement used, the type of cement, the required strength of the coating layer, the required curing time to reach the specified strength, etc. .
[0042]
According to a fifth aspect of the present invention, in any one of the first to fourth aspects, the cement or the cement-containing material contains at least one selected from metallic iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material It is what has been.
[0043]
When the deposit contains one or more selected from metal iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material, it is possible to have a sulfide ion adsorption ability due to iron.
[0044]
Furthermore, when steelmaking slag is used among steel slag, since it contains metallic iron and iron oxide, it also has the ability to fix sulfide ions as iron sulfide. Therefore, the ability to fix sulfide ions can be further increased by using steelmaking slag in combination with the bottom coating material using blast furnace slag, or by including the steelmaking slag in the adhesion layer of the bottom coating material.
[0045]
The amount of use of one or more selected from metallic iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material is a usage amount that provides the required hydrogen sulfide fixing effect, and is not particularly specified.
Here, as the metal iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material, iron powder, steelmaking dust, sandy or powdery steelmaking slag, and the like can be used.
[0046]
According to a sixth aspect of the present invention, in any one of the first to fifth inventions, the bottom covering material is a lump.
In the case of powdery sand-capped sand material, there is a concern that it will be scoured when it is used for bottom sediment affected by tidal currents and waves. It is preferable because the mass becomes large and scouring can be prevented.
[0047]
In addition, when the bottom coating is divided into multiple layers, if the lower layer uses a material with a smaller particle size than the upper layer, and the upper layer uses a massive material, then only the massive material is used Compared to the above, it is possible to prevent the physical bottom sediment covering effect and water purification effect (phosphorus and hydrogen sulfide adsorption effect) from decreasing, and to perform bottom sediment covering that is resistant to scouring. Furthermore, the shape of the bottom covering material is a shape with a large area in contact with the bottom material of each bottom covering material (for example, a flat shape), or the bottom covering materials are easily meshed with each other. By devising a shape (such as a shape with many irregularities) that rides on the bottom sediment covering material as a body, it is possible to make it difficult to sink into a soft sediment.
On the other hand, by devising the shape of the bottom covering material with less irregularities, the gap between the bottom covering materials can be reduced and the covering effect can be enhanced.
On the contrary, it is possible to provide a gap suitable for the growth of sediment organisms between the bottom covering materials by devising the surface of the bottom covering material so as to have many irregularities.
The shape is appropriately determined according to construction conditions and use conditions, and is not particularly defined.
[0048]
Here, the lump is not particularly specified as long as it has a size capable of obtaining a mass that will not be lost by waves or tidal currents. Is preferably about 40 mm or more, and the upper limit is not particularly specified as long as the desired covering effect is obtained.
[0049]
As a manufacturing method of a lump-shaped bottom covering material, there are a method of forming an adhesion layer around a lump-shaped steel slag and a method of covering and integrating a plurality of granular steel slags with a deposit. Since the massive steel slag has a small surface area per unit use mass (area in contact with water), the possibility of pH increase and consolidation in the surrounding water area is smaller than that of multiple granular slag. Therefore, it is preferable to apply this invention when using multiple grains of steel slag from the point that the effect of a coating layer is acquired notably.
[0050]
In addition, the maximum particle size of the powdered steel slag is preferably about 40 mm or less when a normally manufactured product is used as it is. The reason why about 40 mm or less is preferable is that most of the steel slag is crushed to 40 mm or less at the time of manufacture so that it conforms to the standard of road base material (JIS A 5015).
[0051]
In the method of crushing after the above-mentioned mixture of steel slag and deposits is hardened, the bulky bottom covering material can be produced by adjusting crushing dimensions or not crushing.
[0052]
A seventh aspect of the present invention is characterized in that, in any one of the first to sixth inventions, the bottom sediment-covering sand material is rich in voids.
When the voids are rich, the water that has entered the voids in addition to the water that contacts the outer surface of the bottom coating material also comes into contact with the bottom coating material. The contact area of the covering material can be increased, and a high water purification effect (phosphorus and hydrogen sulfide adsorption effect) can be obtained with respect to the dimensions of the covering material, and it is also suitable as a habitat for living organisms.
[0053]
The amount of voids in the bottom coating material is not particularly defined as the amount of voids that provides a predetermined water purification and curing.
However, as the state rich in voids, the porosity in the bottom coating material (porosity n = Vv / V × 100% (where V is the apparent volume of the bottom coating material, Vv is the bottom coating material) The true volume) is preferably 10% or more, and the upper limit is set within a range in which the bottom coating material is not thrown in during or after being thrown into the water and is not damaged or lost due to water flow.
The reason why the porosity is preferably 10% or more is that when the porosity is 10% or more, a higher water purification effect is seen as compared with the bottom coating material of the same size.
[0054]
Similar to the general method for producing porous concrete, the bottom coating material rich in voids can be produced by mixing deposits with a volume less than the gap volume between the steel slags used with steel slag. Even when a deposit having a volume not less than the void volume is used, the steel slag itself can be produced by using a material rich in voids or a combination of both.
[0055]
Moreover, since the apparent density of the deposit itself is lowered by providing the voids of the deposit, it is possible to prevent the steel slag from sinking into the soft sediment. For this purpose, it is effective to mix an aluminum, magnesium or zinc powder as a material for the deposit and generate gas bubbles before the deposit is hardened to provide a void inside the deposit. Regarding the materials for generating gas bubbles, the type and amount of the material are appropriately determined from the mass of the steelmaking slag to be attached, the strength of the bottom sediment, and the economy, and are not particularly defined.
[0056]
【Example】
(Example 1)
Laying 1kg of bottom mud collected from the sea area (excluding sand from the bottom sediment surface at low tide) in a 3 liter tank, and then covering only steel slag (steel slag) or the surface of steel slag with an adhesion layer A bottom coating material (the coating material of the present invention) was laid in 500 g units. Then, keep the seawater collected at the same point in anaerobic condition for several days, add 1 liter of hydrogen sulfide generated to each container, and let it stand for 7 days. Then, the pH, phosphoric acid concentration, sulfide concentration of seawater And the occurrence of white turbidity was observed. The measurement results are shown in Table 1.
The steelmaking slag used has a maximum particle size of 25 mm in both the comparative example and the example, and three types (steelmaking slags 1 to 3) having different properties such as Ca content and Fe content were collected.
The bottom coating material was cured by a cylindrical formwork (φ100 mm × h200 mm), demolded, and crushed. In addition, the adhesion ratio of the adhesion layer on the steelmaking slag surface of the bottom coating material was about 80% covered, but in order to see the effect of the coverage, it was further ground and the adhesion degree was about 30%. About 50% was also made.
Table 2 shows the material composition of the bottom coating material.
[0057]
[Table 1]

[0058]
[Table 2]

[0059]
First, for each of the steelmaking slags 1 to 3, it was confirmed that when the coverage of the adhesion layer was set to about 80%, no pH increase or white turbidity occurred in the surrounding water regardless of the properties of the slag. It was.
[0060]
Next, when using the steelmaking slag 3, the coverage of the adhering layer and the pH, phosphoric acid concentration, sulfide concentration, and cloudiness of the surrounding water are compared. In (4), although the phosphoric acid concentration and sulfide concentration were significantly reduced, the pH of the surrounding water and the cloudiness phenomenon were observed. On the other hand, covering about 30% or more of the steelmaking slag surface with an adhesive layer (Example No. 7.8.9) does not cause an increase in the pH of the surrounding water or a white turbidity phenomenon. The effect of reducing the phosphoric acid concentration and sulfide concentration to a certain extent was obtained.
[0061]
(Example 2)
After filling a transparent container (200mm × 200mm × h1500mm) with water and laying the bottom mud collected in the container (excluding sand from the bottom sediment surface at low tide) to a height of 50cm (Example) 4kg each of steelmaking slag used in test No. 4 in 1) and bottom sediment coating material used in No. 7 were introduced from the top, and the degree of subsidence of the coating material into the bottom mud (subsidence depth) was compared. . The subsidence depth was defined as the distance between the normal surface of the coating material and the top surface of the bottom mud when the settlement of the top surface of the applied coating material was less than 1 mm per hour, and was measured through a transparent container.
[0062]
The density of steelmaking slag alone is 3.0 (g / cm ^Three ) The density of the bottom coating material covered with the adhesive layer is about 2.3 (g / cm ^Three ).
Table 3 shows the measurement results of the sedimentation depth in the bottom mud.
[0063]
[Table 3]

[0064]
In the case of the steelmaking slag alone, it settled in the bottom mud to a considerable depth, whereas the bottom covering material whose density was adjusted by the covering material had a very small amount of settlement.
[0065]
【The invention's effect】
According to the present invention, (1) regardless of the slag type and particle size, it is possible to reliably prevent the pH increase in the surrounding water area and the water turbidity caused by it. (2) Regardless of construction quality, slag to the bottom sediment Steel slag (steel slag, blast furnace slag) that can be used as a substitute for natural stone and sand can be provided. Cold slag and blast furnace granulated slag) can be used, which can contribute to resource saving of natural resources.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is an explanatory view showing an embodiment in which a massive steel slag is covered with a covering material in a seabed covering material in which steelmaking slag or blast furnace slag protrudes on part or all of the surface of the present invention.
[Fig. 2] In the seabed coating material in which steelmaking slag or blast furnace slag protrudes on a part or all of the surface of the present invention, the granular steel slag exists only in the vicinity of the surface of the massive seabed coating material, and its surface It is explanatory drawing which shows embodiment in case one part protrudes from the coating layer containing cement.
[Fig. 3] In the seabed coating material in which steelmaking slag or blast furnace slag protrudes on part or all of the surface of the present invention, there is granular steel slag in the vicinity of and inside the massive seabed coating material. It is explanatory drawing which shows embodiment in case a part of surface of the iron and steel slag which exists in protrudes from a coating layer.
[Explanation of symbols]
1… Steel slag, 2… Cement content

Claims

A bottom sediment covering material characterized in that one or both of steel slag and blast furnace slag, or a part of both surfaces thereof are covered with cement or a cement-containing material.

A bottom coating material characterized in that either or both of steelmaking slag and blast furnace slag are adhered to cement or a cement-containing material.

The cement or the cement-containing material contains either steelmaking slag, blast furnace slag, or both, and the steelmaking slag, blast furnace slag, or both adheres to the cement or cement-containing material. Bottom sediment covering material.

The bottom covering material according to any one of claims 1 to 3, wherein the cement or the cement-containing material contains one or both of fly ash and granulated blast furnace slag.

The bottom sediment according to any one of claims 1 to 4, wherein the cement or the cement-containing material contains at least one selected from metallic iron, metal-containing iron material, iron oxide, and iron-containing iron material. Sand-capping material.

The bottom sediment covering material according to any one of claims 1 to 5, wherein the bottom sediment covering material is in a lump shape.

The bottom sediment covering material according to any one of claims 1 to 6, wherein the bottom sediment covering material is rich in voids.