JP4150151B2 - ビールサーバの注出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビールを適度な泡立ちをもって注ぎ出すために、通常の注出ノズルとは別にビールを勢いよく噴出する泡立ち専用のノズルを備えたビールサーバにおいて、該泡立ち専用ノズルの使い勝手を向上させた改良構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビールサーバは、ビール樽から圧縮ガスを利用して圧送されるビールを冷媒により冷却する熱交換機能と、この機能により冷却されたビールをノズルから分配する注出機能を兼ね備えるが、現在では、より旨いビールを安定して提供するために、熱交換機能については冷却能力を高める一方、ビールの注出機能についても主として注いだビールに適度な泡立ちを持たせるような改良が加えられている。
【0003】
つまり、低温に冷却されたビールは通常のノズルからそのまま注いだだけでは泡立ちが不十分な場合があり、泡立ちよく注ぐにはある種の熟練を要するもので、常に味覚・視覚とも高品質といえるビールを提供し難いことから、従来これを改善するために、通常のノズルを主として、当該主ノズルと並列に注出口をニードル状とした泡立て専用の補助ノズルを別途設けるといった手段を適宜採用していた。
【0004】
この主ノズルと補助ノズルを併用したビールサーバによれば、圧縮ガスの圧力は一定の下、注出口が小さい補助ノズルからはビールを線状に勢いよく噴出することができるため、これを主ノズルから一定量注いだビールに注ぎ足すことによって、熟練などを必要とせず適度な泡立ちのビールを迅速に提供することができるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術において、本発明が解決しようとする課題は、次の点にある。即ち、第一に補助ノズルは主ノズルの左右何れかに配置されるが、該配置は両ノズルを一体化したことによって固定されたものであるため、使い勝手に不便を生じることがあった。つまり、ビールを注ぐとき通常は、利き手でノズルを操作し、他方の手にグラスあるいはジョッキを持つことになるが、このとき注ぐ者が例えば左利きであった場合に、補助ノズルが主ノズルの右側に固定されていると、左右の手を交差させた無理な体勢で注出作業を行わなければならず、不便であった。また、グラス等をノズル下の台に置いたまま、各ノズルを左右の手でそれぞれ同時に操作するにしても、注ぎ時間に特に注意を要する補助ノズルの操作は利き手で行うものであるから、それと反対側に補助ノズルが配置されている場合は、上述と同様の不便が生じる。
【0006】
第二に、主ノズルはレバーにより、補助ノズルはボタンにより開閉する構造が一般的であり、特に補助ノズルのボタンは強力なバネによって閉弁方向に付勢されているため、その操作に不便があった。つまり、補助ノズルは主ノズルに比べればビールの注出圧が高いため、迅速に且つ確実に閉弁できるように強力なバネが採用されるが、それ故、ボタンが重く、特に大量にビールの注文があるビアレストランなどで操作上の不便さが指摘されていたのである。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は操作する者の利き手に合わせて補助ノズルの位置を適宜切り換えられるようにして、常に一定の使い勝手を保証するビールサーバを提供することである。また、第二の目的は補助ノズルのボタンを押す度に開弁および閉弁状態を保持できるノック式にして、大量の注文に対しても注出作業を平易にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は、通常の主ノズルと泡立て専用の補助ノズルを併用したビールサーバを前提として、補助ノズルは主ノズルの本体胴部に水密に嵌合される環状部と、該環状部から導管部を介して接続されるニードルノズルからなり、前記環状部を回転することにより補助ノズルの配置を左右反転させたとき、前記ニードルノズルの注出口を上下に反転可能とした。
【0009】
この手段によれば、補助ノズルは作業者の利き手に合わせて当該ノズル位置を左右の何れかに選択することができる。また、上記左右の反転と同時に補助ノズルの注出口は上下に反転させて、何れの場合でも同じ使い勝手とすることができる。
【0010】
また、請求項2では、補助ノズルをボタンにより操作する前提の下、ボタンの操作構造としてボタンを押す度に開弁・閉弁状態を保持する、いわゆるノック式とした。具体的な構造は、ボタンの端縁に形成されたテーパ山状の歯と、この歯と当接して回動動作を浮揚するテーパ片を形成した摺動部、前記テーパ弁を閉弁方向に付勢された弁棒を介してニードルノズルの開閉弁を開閉可能な位置で係合する深溝および浅溝を形成した環状ガイドから構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一実施形態に係るビール注出装置の分解斜視図である。同図中、1はビールサーバのビール出口に接続される注出装置本体であって、その円筒状胴部1aには内蔵の開閉弁を介して前記ビール出口と連通する主ノズル2と、前記内蔵開閉弁を操作するレバー3が設けられている。
【0012】
一方、4は補助ノズルであって、注出装置本体1の胴部1aに回転可能に嵌合される環状部4aと、この環状部4aに導管部4bを介して接続されるニードルノズル4cからなり、ニードルノズル4cには開閉弁が内蔵され、該開閉弁をボタン5により操作するものである。
【0013】
補助ノズル4の環状部4aは、導管部4bの入口4dが本体胴部1aに穿設された分岐口1bと連通するように、前記胴部1aに密に嵌合される。ここで本体胴部1aには、前記分岐口1bを挟んでOリング6・6が一対に設けられており、このOリング6・6を覆うように環状部4aを嵌合することにより、水密性を保持している。なお、7は本体胴部1aの後端に刻設された雌ねじに螺合するストッパリングであり、環状部4aを固定するものである。
【0014】
また補助ノズル4のニードルノズル4cは、導管部4bに対して回転可能に設けられており、適宜その注出口を上下反転することができる。
【0015】
上記構成による注出装置の使用要領は基本的に従来技術で説明したものと同様であるが、本発明に係る注出装置は、補助ノズル4において前記環状部4aによりノズル4cを適宜左右反転することができることに特徴がある。つまり、作業者は自分の利き手と合う向きにノズルの配置を左右何れでも選択することができるのである。このとき環状部4aを回転させてノズル配置を変更したとき、そのままでは注出口が上向きとなるが、上述したようにニードルノズル4cも上下反転が可能であるから、その向きを適宜修正することができる。
【0016】
次に図2は、本実施形態におけるニードルノズル4cの内部構造を示したものであり、10は端縁にテーパ山状の歯11を形成してなるボタン、12は外周に先端を一方向に傾斜させたテーパ片13をワンピッチ間隔で複数形成してなる摺動部、14はテーパ片13を完全に収容する深溝15とその先端のみと係合する浅溝16を交互に形成してなる環状ガイド、17はニードルノズル4cの開閉弁を作動する弁棒、18は弁棒17を前記開閉弁が閉弁する方向に付勢するコイルバネである。
【0017】
上記構造のニードルノズル4cによれば、ボタン10をコイルバネ18の付勢力に抗して押すと、歯11がテーパ片13を介して摺動部12を押し込む。このとき摺動部12はテーパ片13が歯11の斜面に沿って滑るように押し込まれると同時に、ワンピッチ分だけ回転する。そして、回転した摺動部12のテーパ片13は、それまで深溝15に係合し前記開閉弁を閉弁した状態にあったとすれば、上述した回転動作によって浅溝16に係合し、結果、弁棒17を押し込んで開閉弁を開弁する。以降、ボタン10を押す度に摺動部12が回転し、開弁・閉弁動作を繰り返すことができる。
【0018】
このように本実施形態のニードルノズル4cによればボタンを補助ノズル4からビールを注出する際にボタンを押し続ける必要がないから、大量の注文に対応する場合にも注出作業が平易となる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、補助ノズルの位置を作業者の利き手に合わせて適宜変更することができるので、従来のように無理な体勢でビールの注出を強いられることなく、常に同じ使い勝手とすることができる。
【0020】
また、補助ノズルのボタンをノック式としたので、従来のビール注出時にボタンを押し続ける必要がなく、大量の注文に対応する場合でも作業を平易とし、作業者の疲労を大幅に軽減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る注出装置の分解斜視図
【図2】補助ノズルの内部構造を示した分解図
【符号の説明】
1 注出装置本体
1a 本体の円筒状胴部
2 主ノズル
3 主ノズルの操作レバー
4 補助ノズル
4a 環状部
4b 導管部
4c ニードルノズル
4d 入口
5 補助ノズルの操作ボタン
6 Oリング
7 ストッパーリング
10 ボタン
11 テーパ山状の歯
12 摺動部
13 テーパ片
14 環状ガイド
15 深溝
16 浅溝
17 弁棒
18 コイルバネ
Claims (2)
- 通常の主ノズルと、この主ノズルの開閉弁より一次側寄りの流路に接続され、前記主ノズルよりも注出口を小径とした補助ノズルとを併用したビールサーバの注出装置において、補助ノズルは前記主ノズルの本体胴部に回転可能に水密に嵌合される環状部と、該環状部から導管部を介して接続されるニードルノズルからなり、前記環状部を回転することにより補助ノズルの配置を左右反転させたとき、前記ニードルノズルの注出口を上下に反転可能としたことを特徴とするビールサーバの注出装置。
- 補助ノズルはボタンにより操作され、その構造をボタンの端縁に形成されたテーパ山状の歯と、この歯と当接して回転動作を付与するテーパ片を形成した摺動部と、前記テーパ片を閉弁方向に付勢された弁棒を介してニードルノズルの開閉弁を開閉可能な位置で係合する深溝および浅溝を形成した環状ガイドから構成した請求項1記載のビールサーバの注出装置。
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JP2000154879A JP4150151B2 (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | ビールサーバの注出装置 |
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JP2001335095A JP2001335095A (ja) | 2001-12-04 |
JP4150151B2 true JP4150151B2 (ja) | 2008-09-17 |
Family
ID=18659906
Family Applications (1)
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JP2000154879A Expired - Lifetime JP4150151B2 (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | ビールサーバの注出装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4150151B2 (ja) |
-
2000
- 2000-05-25 JP JP2000154879A patent/JP4150151B2/ja not_active Expired - Lifetime
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