以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本明細書では追記形情報記録媒体と書き換え形情報記録媒体を総称した情報記録媒体に対しては“記録可能な情報記録媒体”と言う表現を用いる。
0〕本発明のポイント
本実施例の説明に先立ち、上記本発明の目的を達成するための多義に渡る本発明のポイントを下記に纏める。下記では大きな発明ポイント内容をアルファベット、例えばC)のように記述し、各大きな発明ポイントを実行するための工夫(中間レベルの本発明ポイント)内容を例えば(c14)のようにまとめ、更にその内容を実現する時に必要な細部の発明の内容を例えば(c141)のように記載した。つまり発明のポイント内容を階層構造的にまとめて記載した。
今後の実施例説明文中で下記の各発明ポイントに対応した箇所には括弧書きで対応するアルファベット番号を記載する。
A)図1と図2に示すようなファイル分離またはディレクトリ(フォルダ)分離を行う。この分離手法により、従来のSD(Standard Definition)用のObject File及び管理ファイルと、高画質映像に対応したHD(High Definition)用のObject File及び管理ファイルとを情報記録媒体上での分離管理を可能とする。[効果]…情報記録媒体上に記録されたObject Fileと管理ファイルがSD用とHD用で分離されていると、Object Fileの再生前にどちらのファイルかが事前に判別可能となる。その結果、Object Fileの再生前にSD用かHD用のデコーダーの事前準備が可能となり、映像再生を開始するまでの準備時間が大幅に短縮され、ユーザーが見たい時にすぐに映像再生を開始できる。
B)副映像情報の4ビット表現と圧縮規則を特有のものとする。[効果]…副映像も含めた高画質映像をユーザーに提供できる。
C)本発明では、再生専用情報記録媒体に対して複数種類の記録形式を設定可能とする。[効果]…再生専用の情報記録媒体に記録されるコンテンツ内容に応じて、媒体(データ)構造を最適化出来る。つまり
(ca)何度でも自由に複製が可能な(それ程重要で無い)コンテンツ内容の場合、…従来と同様、各セグメント毎に繋げて(詰めて)連続にデータを記録する構造とできるようにする。
(cb)コピー制限の対象となる重要なコンテンツ内容の場合、… 情報記録媒体上で各セグメント毎に分離配置し、その隙間(前後のセグメントの間)に“再生専用情報記録媒体の識別情報”“コピー制御情報”“暗号鍵関連情報”“アドレス情報”等を記録可能な構造とし、情報記録媒体内のコンテンツ保護とアクセスの高速性を保証出来るようにする。このため
(c11)同一ディスク内ではフォーマットは共通とする(ディスクの途中からフォーマット変更不可)、
(c12)記録するコンテンツ内容に応じて同一ディスク内で2フォーマット混在を許す、
(c13)2種類とも共通のフォーマット領域を一部持つ(起動時にそこに読みに行く)ようにしている。
[効果]…情報記録媒体内の全領域に渡りデータ構造が異なると、再生装置が情報記録媒体の再生を初めて開始する時にどちらで対応すれば良いか迷い、再生開始時間が必要以上に掛かってしまう。情報記録媒体の一部(Lead-inとLead-outの部分)のデータ構造を共通とする事で起動時(情報記録媒体装着直後の情報再生装置または情報記録再生装置の再生開始時)にまず最初にその部分にアクセスし、最低限必要な情報を同一フォーマットで再生が行える。従って起動時に安定かつ高速に再生を開始する事が可能となる
(c14)DVD−ROMのフォーマット識別フラグ情報(2案を一部含むか)をディスクに記録する,
(c141)フォーマット識別フラグ情報を共通のフォーマット領域内に記録する,
(c142)フォーマット識別フラグ情報は記録可能領域に記録する,
D)積符号を用いたECCブロック構造を用いる、
図26と図27に示すように本発明では情報記録媒体に記録するデータを2次元状に配置し、エラー訂正用付加ビットとして行方向に対してはPI(Parity in)、列方向に対してはPO(Parity out)を付加した構造になっている。[効果]…イレイジャー訂正および縦と横の繰り返し訂正処理による高いエラー訂正能力を持つ、
(d11)32セクターで一つのエラー訂正単位(ECCブロック)を構成している。即ち、図26、図27に示すように本発明実施例では“0セクター”から“31セクター”までの32セクターを縦に順次並べてECCブロックを構成する構造になっている。1つのセクタは6行である。[効果]…次世代DVDにおいては現世代DVDと同じ程度の長さの傷が情報記録媒体表面に付いた場合でもエラー訂正処理で正確な情報が再生できる事を要求される。本発明実施例では高画質映像に対応した大容量化を目指して記録密度を高めた。その結果、従来の1ECCブロック=16セクターの場合にはエラー訂正で補正可能な物理的傷の長さが従来のDVDに比べて短くなる。本発明実施例のように1ECCブロックを32セクターで構成する構造にする事でエラー訂正可能な情報記録媒体表面傷の許容長さを長くできると共に現行DVDのECCブロック構造との互換性・フォーマット継続性を確保できる。
E)同一セクター内を複数に分割し、分割された各部分毎に異なる積符号(小ECCブロック)を構成する、
図27に示すようにセクター内データを172バイト毎に左右に交互配置し、左右で別々にグルーピングされる(左右のグループに属するデータはそれぞれ“入れ子”状にインターリーブされた形になっている)。この分割された左右のグループは図27に示すように32セクター分ずつ集められて左右で小さなECCブロックを構成する。図27内での例えば“2−R”などの意味はセクター番号と左右グループ識別記号(例えば2番目のRight(右)側のデータ)を表している。(図27中のLはLeft(左)を表す。)
[効果]…セクター内データのエラー訂正能力を向上させる事による記録データの信頼性向上。
例えば記録時にトラックが外れて既記録データ上をオーバーライトしてしまい、1セクター分のデータが破壊された場合を考える。本発明実施例では1セクター内の破壊データを2個の小ECCブロックを用いてエラー訂正を行うため、1個のECCブロック内でのエラー訂正の負担が軽減され、より性能の良いエラー訂正が保証される。
本発明実施例ではECCブロック形成後でも各セクターの先頭位置にデータID(Data ID)が配置される構造になっているため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える。
(e11)同一セクター内をインターリーブ(等間隔で交互に別のグループに含ませる)し、各グループ毎に異なる小さいECCブロックに属させる。[効果]…本発明実施例によりバーストエラーに強い構造を提供できる。例えば情報記録媒体の円周方向に長い傷が付き、172バイトを越えるデータの判読が不可能になったバーストエラーの状態を考える。この場合の172バイトを越えるバーストエラーは2つの小さいECCブロック内に分散配置されるので、1個のECCブロック内でのエラー訂正の負担が軽減され、より性能の良いエラー訂正が保証される。
F)ECCブロックを構成するセクターにより複数種類の同期フレーム(Sync frame)構造を規定する。1個のECCブロックを構成するセクターのセクター番号が偶数番号か奇数番号かで図29に示すようにSync frame構造を変化させる所に特徴がある。[効果]…ECCブロックを構成した後でもセクターの先頭位置にData IDが配置される構造になっているため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える、
(f11)POのインターリーブ・挿入位置が左右で異なる構造を有する(図28)。[効果]…ECCブロックを構成した後でもセクターの先頭位置にData IDが配置される構造になっているため、アクセス時のデータ位置確認が高速で行える。
G)ECCブロック内セグメント分割構造。[効果]…再生専用/追記形/書き換え形間のフォーマット互換性高い、
L/Gウォーブル変調との組み合わせ:ゾーン配置に向く(ECCブロックは1周に入らない)。
H)セグメント間のヘッダー(Header)配置構造。[効果]…再生専用/追記形/書き換え形間の識別が高速かつ容易に可能となる、
(h11)再生専用/追記形/書き換え形間でデータ内容を変える(→識別に利用するため)
(h12)DVD−ROMヘッダにランダム信号を利用する,[効果]…隣接トラック間で位置が一致してもDVD−ROMヘッダ位置で安定してDPD信号検出が行える。
I)記録可能な情報記録媒体に対するセグメントフォーマットでガードエリアが一部重複して記録される。[効果]…セグメント間で前と後ろのガードエリア間で隙間(記録マークが存在しない部分)が有ると記録マーク有無で光反射率の違いが有るためその隙間部分で、巨視的に見た時に光反射率の違いが発生する。そのため、片面2記録層の構造にした場合にその部分からの影響で他層からの情報再生信号が乱れ、再生時のエラーが多発する。本発明のようにガードエリアを一部重複させる事で記録マークが存在しない隙間の発生を防止し、片面2記録層における既記録領域からの層間クロストークの影響を除去でき、安定した再生信号が得られる。
J)1セグメント当たり複数回のアドレス情報を配置する。[効果]…記録時のトラック外れを高速で検知できる。記録マークの記録時にトラック外れを起こすと既に記録されている部分に上書きされて既記録情報が破壊される。1セグメント当たりn回アドレス情報が配置されている場合には、再生用の集光スポットが1セグメント領域を通過する間に理想的にはn回アドレス情報を検出できるので、1セグメント当たりに配置されたアドレス情報の数が多い分だけ1回アドレス情報を再生するのに要する時間が短くなる。本発明実施例におけるECCブロック構造では2セクター分のエラー訂正能力がある。記録時のトラック外れが生じて既記録情報が部分的に破壊されたとしても本発明のように1セグメント当たり複数回のアドレス情報を配置する事で高速にトラック外れを検知できるので、ECCブロックによるエラー訂正処理で破壊情報を補間する事が可能となる。
K)アドレス情報(特にセグメントアドレス情報)に対してアドレス番号付与方法に条件を加える。[効果]…ウォーブルのシンボル(アドレスビット)単位での極性反転頻度を上げ、シンボル(アドレスビット)の境界位置の検出精度を上げる、
(k11)アドレス番号を全てのビットが同じ値になる“0”からでは無く、“1”から始める、
(k12)“1”または“0”が3回以上続けて現れるアドレス番号を欠番にする。
L)L/G記録+ウォーブル変調によりアドレス情報を記録。[効果]…最も大容量化が可能。
M)L/G記録+ウォーブル変調で不定ビットをランド(Land)とグルーブ(Groove)に分配配置する。[効果]…LandまたはGrooveのどちらか一方に不定ビットを集中配置すると不定ビットが集中配置された部分でのアドレス情報再生時に誤検知が発生する頻度が非常に高くなる。不定ビットをLandとGrooveに分配配置する事で誤検知のリスクを分散し、トータルとして安定にアドレス情報を検出し易いシステムを提供できる。
(m11)グルーブ幅を局所的に変化させてグルーブ内に不定ビットを形成する、
(m12)グルーブのウォーブル振幅を局所的に変化させてグルーブ内に不定ビットを形成する。
N)L/G記録において180度(±90度)のウォーブル位相変調を採用する。[効果]…“L/G記録+グルーブのウォーブル変調”においてグルーブのトラック番号が変わる事によるランド上で不定ビットが発生すると、その上に記録された記録マークからの再生信号の全体レベルが変化し、そこでの記録マークからの再生信号のエラー率が局所的に悪化すると言う問題が有る。しかし、本発明のようにグルーブに対するウォーブル変調を180度(±90度)の位相変調にする事でランド上での不定ビット位置ではランド幅が左右対称でかつ正弦波の形で変化するため、記録マークからの再生信号の全体レベル変化が正弦波形状に近い非常に素直な形になる。更に安定にトラッキングが掛かっている場合には事前にランド上での不定ビット位置が予想できる。従って本発明実施例によれば記録マークからの再生信号に対して回路的に補正処理を掛けて再生信号品質を改善し易い構造を実現できる。
O)トラックアドレスに対してグレイコードを採用する。[効果]…“L/G記録+グルーブのウォーブル変調”においてグルーブのトラック番号が変わる事によるランド上での不定ビット発生頻度を抑える。ランド上での不定ビット位置ではランド幅が左右対称な形で局所的に変化する。その結果ランド上での不定ビット位置からはウォーブル検出信号が得られないばかりか、その上に記録された記録マークからの再生信号の全体レベルが変化し、そこでの記録マークからの再生信号のエラー率が局所的に悪化する問題が有る。このようにランド上での不定ビット発生頻度を抑える事により上記問題箇所の発生頻度を抑え、ウォーブル検出信号と記録マークからの再生信号の再生安定化を図れる。
P)グレイコードに対するグレイコード特性を持ったエラー検出コード(Error Detection Code)を付加する。[効果]… 1.トラックアドレス情報に対して Error Detection Code を付加することにより、トラックアドレス情報の再生精度が飛躍的に向上する。2.Error Detection Code にグレイコード特性を持っているため、ランド部での不定ビット数が少ないため、Error Detection Code 領域も含めたランド部のトラックアドレス情報の再生・判別精度が向上する。そのために、
(p11)ウォーブルアドレス配置領域561,562内を細かくエラー訂正単位606、エラー検出単位607、608に分割する、[効果]…不定ビットが混入してもその影響を1個のエラー検出単位内に閉じ込め、他のデータの再生精度を上げる事が出来る。またEDC情報613、614を用いて不定ビット位置を検出すると偶数トラック/奇数トラック検出情報との組み合わせで不定ビット混入場所に対してもトラック番号を判別することが可能。
Q)グレイコードに対して単純に排他的論理和(Exclusive OR)演算処理によりスクランブルを掛ける。[効果]…スクランブルを掛けた後のコードもグレイコード条件を満足するため、ランド部での不定ビットの増加を抑制できる。
R)ウォーブルアドレスフォーマット内にシフト用リザーブ領域を設け、アドレス情報位置をずらす。(組み合わせ効果が出る)。
S)トラックアドレス情報に対して不定ビット位置をずらして再配置する(組み合わせで効果を発揮する)、
(s11)同一トラック内ではセグメント位置によらず相対的な不定ビット位置は一致する、
(s12)同一トラック内でもセグメント位置によって相対的な不定ビット位置をずらす、
(s13)同一トラック内でもセグメント位置によって相対的な不定ビット位置をずらす、
(s14)トラック番号情報 A 611、B 612 の上位ビットを順次循環させて不定ビット位置をずらす。
T)アドレス情報に対してスクランブルを掛ける。[効果]…ウォーブルのシンボル(アドレスビット)単位での極性反転頻度を上げ、シンボル(アドレスビット)の境界位置の検出精度を上げる、
(t11)セグメント番号を種に利用してスクランブルを掛ける
(t111)M系列変化を利用して排他的論理和(Exclusive OR)を取る対象のデータパターンを変化させる、
(t112)Exclusive ORを取る対象のデータパターンを固定にする
(t12)スクランブルのM系列を変化させながらスクランブルを掛ける事でトラック番号情報A 611と、B 612間でスクランブル処理後のパターンを変化させる、
(t13) 同一セグメント内の2アドレス領域同士でスクランブルの種を変える、
(t131) 前アドレスと後ろアドレスの2種類の種を持ち、ディスク上至る所で固定の種を使う、
(t132)セグメントアドレス情報とウォーブルアドレス番号情報の両方を種として使う。
U)同一セグメント内の2アドレス領域同士でパターン内容を変化させる、[効果]…ウォーブルのシンボル(アドレスビット)単位での極性反転頻度を上げ、シンボル(アドレスビット)の境界位置の検出精度を上げる、
(u11) 同一セグメント内の2アドレス領域同士でビット反転処理を行う。
V)トラック番号の偶数/奇数識別情報をセグメント間領域に配置。[効果]…偶数/奇数識別情報が記録マークにより形成する記録情報領域外に有るため、この偶数/奇数識別情報が及ぼす記録マークからの再生信号への影響が無い。そのためには
(v11)物理的に偶数/奇数識別情報を配置する、[効果]…検出精度高く、高速で検出可能、
(v12)グルーブを局所的に切断、[効果]…製造性が高く歩留まり高いので低価格化が可能。1ビーム記録が可能なため安価な汎用的原盤記録装置が使用できる
(v13)ランド部にプリピットを配置、
(v14)グルーブを局所的に大きく蛇行させる(“グルーブ切断+ランドプリピット”を含む)、
[効果]…製造性が高く歩留まり高いので低価格化が可能。1ビーム記録が可能なため安価な汎用的原盤記録装置が使用できる。片面2記録層における既記録領域からの層間クロストーク(情報再生時の再生信号に及ぼす別記録層からの影響)を大幅に低減できる。
W)トラック番号の偶数/奇数検知とグレイコードの工夫で不定ビット有ってもアドレス確定可能とする。[効果]…不定ビットからの判定結果に依らず精度良くアドレス確定が可能。
X)トラック番号情報A/B( 611 / 612 ) でアドレス番号をずらすと共に特殊トラックコードを利用してランドでもトラックアドレス確定とする。[効果]…ランド部でも不定ビットが入らずにトラックアドレスが確定する領域を持たせる事でランド部においても精度の良いアドレス検出が可能となる、そのためには
(x11)トラック番号をジグザグにインクリメントする。そして同じトラック番号に挟まれたランド領域のトラック番号は確定し、異なるトラック番号に挟まれたランド領域のトラック番号は、トラック番号の偶数/奇数判定手段によりトラック番号の判定を行う。
Y)グルーブ領域にも不定ビットを分散配置する。[効果]…ランド部でも不定ビットが入らずにトラックアドレスが確定する領域を持たせる事で、ランド部においても精度の良いアドレス検出が可能となる。ランド部、グルーブ部それぞれ不定ビットが入らずにトラックアドレスが確定する領域を事前に予想できるのでトラックアドレス検出精度が上がる。
(y11)グルーブ作成時に局所的にグルーブ幅を変え、ランド幅一定領域作成、
(y12)グルーブでのウォーブル振幅幅を変えてグルーブ領域内に不定ビットを配置する。
Z)ゾーン識別情報とセグメントアドレス情報をセグメント内に配置し、トラックアドレスをセグメント間のヘッダ領域に配置する。[効果]…1.全てウォーブル変調で記録するため、現行DVD−RAMの様にプリピットヘッダ部での再生信号の不連続部分が存在しない。その結果安定に記録マークからのデータ再生が可能となる。2.現行DVD−RAMと比べてゾーン識別情報とセグメントアドレス情報をセグメント内に配置(同じ場所に重複して記録マーク記録可能)するため記録効率が向上し、大容量化が実現できる。3.トラックアドレスをセグメント間のヘッダ領域に配置するため、セグメント領域内にランド上の不定ビット箇所が存在せず、記録マークからの再生時のエラーレートの低下が生じない。そのためには、
(z11)トラックアドレスを複数のヘッダ領域に跨った分散記録をする、
(z12)トラックアドレスの下位ビットのみ記録する。
1〕本発明に係る情報記録媒体への映像情報記録形式の説明(A)
図1には、本発明における情報記録媒体上への映像情報ファイル配置を示す。従来のSD(Standard Definition)用のObject File(既存SD用 特定タイトルのオブジェクト(VTS1TT_VOBS)ファイル)216と、管理ファイル206、208、211、123と、高画質映像に対応したHD(High Definition)用のObject File(高画質HD用 特定タイトルのオブジェクト(VTS2TT_VOBS)ファイル)217及び管理ファイル201、209、212、214とを互いに分離独立させて、これらを従来のDVD-Video専用ディレクトリ202内に共存配置している。
図2には他の実施例を示している。ここでは従来のSD(Standard Definition)用のObject File(既存SD用特定タイトルのオブジェクト(VTS1TT_VOBS)ファイル)216及び管理ファイル206、208、211、123と、高画質映像に対応したHD(High Definition)用のObject File(高画質HD用特定タイトルのオブジェクト(VTS2TT_VOBS)ファイル217及び管理ファイル201、209、212、214とをそれぞれ別のディレクトリ203、204の下に分けて配置している。このようにObject Fileと管理ファイルがSD用とHD用で分離されていると、ファイル管理が容易になるばかりで無く、Object Fileの再生前にSD用かHD用のデコーダーの事前準備が可能となり、映像再生を開始するまでの準備時間が大幅に短縮される。
図3に示すように、本発明はMPEGレイヤー2で規定された多重化規則にのっとり、プログラムストリーム(Program Stream)の形で情報を情報記録媒体に記録している。すなわち映像情報内の主映像情報をビデオパック252〜254内に分散配置させ、音声情報をオーディオパック255内に分散配置させている。本発明システムでは図示してないが映像情報の最小単位であるVOBU(Video Object Unit)の先頭位置にナビゲーションパック251を配置している。またビデオパック252〜254内に記録される主映像とは別に字幕やメニューなどを示す副映像情報が定義されている。副映像情報はサブピクチャーパック256〜258内に分散配置されている。情報記録媒体から映像情報を再生する時には前記サブピクチャーパック256〜258内に分散記録されている副映像情報を集めてサブピクチャーユニット259を構成させた後、図示してないがビデオプロセッサにより映像処理をした後、ユーザーへ表示する。
また本発明実施例では2048バイトサイズを持ったセクター231〜238が情報記録媒体221上に記録される情報の管理単位となっている。従って各パック241〜248の1個当たりのデータサイズも前記セクターサイズに合わせて2048バイトに設定している。
2〕本発明における副映像情報の表現形式と圧縮規則(B)
(a) ランレングス圧縮規則(Run-length compression rule)
ランレングス圧縮は、サブピクチャーを圧縮するするのに採用されている。その幾つかの圧縮規則をここで説明する。SD対応、HD対応として幾つかのランレングス圧縮規則が開発された。
1) 4ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4の副映像情報の圧縮規則(1)参照)。もし同じ値の画素データ(ピクセルデータ)が1〜3連続する場合、最初の2ビットは、画素数(ピクセル数)を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
2) 8ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4の副映像情報の圧縮規則(2)参照)。もし同じ値のピクセルデータが4〜15連続する場合、最初の2ビットは、0とされる。そして次に続く4ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
3) 12ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4の副映像情報の圧縮規則(3)参照)。もし同じ値のピクセルデータが16〜63連続する場合、最初の4ビットは、0とされる。そして次に続く6ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
4) 16ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4の副映像情報の圧縮規則説明図(4)参照)。もし同じ値のピクセルデータが64〜255連続する場合、最初の6ビットは、0とされる。そして次に続く8ビットがピクセル数を示し、次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
5) 16ビットが1つの単位(ユニット)として設定されるケース(図4の副映像情報の圧縮規則説明図(5)参照)。もし同じ値のピクセルデータが1ラインの最後まで連続する場合、最初の14ビットは、0とされる。そして次に続く2ビットで具体的なピクセルデータが表される。
6)もし、1ライン分のピクセルを表現したときに、バイトアラインメントが実現できなったとき、4ビットのダミー('0000b')が調整のために挿入される。
上記は、SD用の副映像を圧縮する際に用いられる規則であるが、HD用の副映像を圧縮する際に用いられる規則も開発されている。
図5は、画素データを4ビットで表現し、それぞれの画素データに画素名を割り当てた様子を示している。
画素データは生データあるいはランレングス圧縮規則に記述される特殊なランレングス圧縮法によりライン毎にビットマップデータを圧縮したデータである。ビットマップデータの画素には図5に示す画素データが割当てられる。
画素データは図6に示すようにフィールドに区別されたデータ、あるいはプレーンデータに割り付けられる。各副映像ユニット(SPU)内で画素データは1フィールドの間に表示される画素データの部分の全てが連続するように編成される。図6の(a)に示す例では、トップフィールド用画素データが最初(SPUHの後)に記録され、次いでボトムフィールド用画素データが記録され、インターレース表示に適する画素データの割り付けがなされている。図6の(b)に示す例では、プレーンデータとして記録され、ノンインターレース表示に適する画素データの割り付けがなされてい
図6は、副映像情報をまとめるために用いられる副映像ユニットを示している。画素データは、副映像ユニット内でフィールドに区別されたデータ、あるいはプレーンデータに割り付けられる。各副映像ユニット(SPU)内で画素データは1フィールドの間に表示される画素データの部分の全てが連続するように編成される。この副映像ユニットは、複数の副映像パケットを集合することで構築されるユニットである。
図6の(a)に示す例では、トップフィールド用画素データが最初(SPUHの後)に記録され、次いでボトムフィールド用画素データが記録され、インターレース表示に適する画素データの割り付けがなされている。図6の(b)に示す例では、プレーンデータとして記録され、ノンインターレース表示に適する画素データの割り付けがなされている。SP_DCSQTのサイズ制限に合致するように画素データの終わりに偶数個の“00b”を付加しても良い。図7には、パックと副映像ユニットの関係を示している。
副映像ユニットヘッダ(SPUH)は,副映像ユニット(SPU)内の各データのアドレス情報で構成され、図8に示すように、4バイトの副映像ユニットのサイズ(SPU_SZ)、4バイトの表示制御シーケンステーブルの先頭アドレス(SP_DCSQT_SA)、4バイトの画素データ幅(PXD_W)、4バイトの画素データ高(PXD_H)、1バイトの副映像カテゴリー(SP_CAT)、1バイトの予約が記述されている。
副映像ユニットのサイズ(SPU_SZ)は副映像ユニットのサイズをバイト数で記述する。最大サイズは524,287バイト(“7FFFFh”)である。サイズは偶数バイトでなければならない。サイズが奇数バイトならば偶数バイトにするために副映像データの最後に“FFh”の1バイトを追加する。副映像ユニット(SPU)内の先頭アドレス(SP_DCSQT_SA)のサイズはSPUのサイズ以下である。
先頭アドレス(SP_DCSQT_SA)は表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)の先頭アドレスを副映像ユニットの先頭バイトからの相対バイト番号RBNで記述する。画素データ幅(PXD_W)の最大値は1920、画素データ高(PXD_H)の最大値は1080である。
副映像カテゴリー(SP_CAT)は図9に示すようにビット番号b7からb2が予約、ビット番号b1に4ビット/1画素の画素データPXD領域へのデータ格納方法を示すフラグ(Stored_Form)、ビット番号b0に画素データPXDのランレングス圧縮/非圧縮を示すフラグ(Raw)が記述される。
PXD領域へのデータ格納方法を示すフラグ(Stored_Form)はインタレース表示を行う場合は、“0b”(トップ/ボトム)を指定し、表示データをトップとボトムに分けて別々の場所に格納することで、データが取り出しやすく、インタレース表示がしやすいデータ構造を実現できる。ノンインターレース表示を行う場合は、“1b”(プレーン)を指定し、表示データを一括格納することで、データが取り出しやすく、ノンインタレース表示がしやすいデータ構造を実現できる。SD方式ではインターレース表示が行われ、HD方式ではノンインターレース表示が行われる。このフラグ(Stored_Form)は、HD用デコーダのスタンバイに利用することができる。
ランレングス圧縮/非圧縮を示すフラグ(Raw)は字幕等の圧縮率が良い字幕のストリームには、“0b”(圧縮)を指定し、模様等の圧縮率が悪く、圧縮後にデータの増加を招く様な少し複雑なイメージストリームには“1b”(非圧縮)を指定する。これにより、副映像ユニット(SPU)単位での圧縮/非圧縮の指定が可能となり、主映像データや他のデータ(オーディオ等)に情報を割当てる事ができ、情報記録媒体への副映像情報の効率的な記録が可能となるので、高品位なコンテンツを維持することができる。このフラグ(Raw)は、HD用デコーダのスタンバイに利用することができる。
DVDビデオディスクに高品位TV方式の高画質コンテンツを収録する際に、字幕やメニュー情報として利用されてきた副映像情報も同様に高品位TV方式で収録することが求められている。本実施の形態による副映像のランレングス圧縮規則を以下に説明する。
図10に示すように、ビットマップデータの画素は各ライン毎に以下の規則に従って圧縮される。圧縮された画素パターンは基本的に5つの部分:ランレングス圧縮フラグ(Comp)、画素データフィールド(Pixel data)、カウンタ拡張フラグ(Ext)、カウンタフィールド(Counter)、拡張カウンタフィールド(Coutner (Ext))からなる。ランレングス圧縮フラグ(Comp)は画素データが圧縮されていないならば“0b”が、ランレングス符号化で圧縮されているならば“1b”が記述される。画素データが圧縮されていない場合は、一つのデータユニットは1画素のみを表し、カウンタ拡張フラグ(Ext)以降は存在しない。
画素データは図5に示した16の画素データの何れかを記述し、この値はカラールックアップテーブルのインデックスを表す。カウンタ拡張フラグ(Ext)はカウンタフィールドが3ビットならば“0b”が、7ビットならば“1b”が記述される。カウンタフィールドは連続する画素の数を指定する。フラグ(Ext)が“0b”にセットされる場合は、このフィールドは3ビットであり、“1b”にセットされる場合は、このフィールドは7ビット(拡張カウンタフィールドが使用される)である。
この圧縮規則で圧縮されたデータは複数のユニットで構成される。各ユニットは画素の変更点で4箇所の点を持つ。ユニットは図11の(a)に示す4つのランレングスフラグの束を形成するユニットヘッダとこれに後続する図11の(b)から(e)に示す4種類の圧縮パターンからなる。
図11の(a)に示すユニットヘッダはランレングスが存在するか否かを示すランレングス圧縮フラグ(Comp)の集合であり、ランレングスが継続しないならば“0b”が、ランレングスが継続するならば“1b”が記述される。図11の(b)に示す圧縮パターン(A)は同じ値の画素が続かなければ、ランレングス圧縮フラグ(Comp)を“0b”として、4ビットの画素データを記述する。図11の(c)に示す圧縮パターン(B)は同じ値の画素が1〜7個後続すれば、ランレングス圧縮フラグ(Comp)を“1b”として、最初の4ビットに画素データを記述し、次の1ビット(フラグExt)は“0b”を指定し、次の3ビットにカウンタを記述する。図11の(d)に示す圧縮パターン(C)は同じ値の画素が8〜127個後続すれば、ランレングス圧縮フラグ(Comp)を“1b”として、最初の4ビットに画素データを記述し、次の1ビット(フラグExt)は“1b”を指定し、次の3ビットにカウンタを、次の4ビットにカウンタ拡張を記述する。図11の(e)に示す圧縮パターン(D):ライン終了コードは同じ値の画素がラインの終了に連続する場合、8ビット全てに“0b”を記述し、ランレングス圧縮フラグ(Comp)を“1b”とする。
1ラインの画素の記述が終了した時にバイト調整が未完了ならば、調整のために4ビットのダミーデータ“0000b”を挿入する。1ライン内のランレングスコード化データのサイズは7,680ビット以下である。
本実施の形態に係るエンコード・デコード方法は、以下の(1)〜(4)の組み合わせによるランレングス圧縮伸張を行うものである。
(1)ランが連続するか否かを示し、これにより圧縮/無圧縮を決定するランレングス圧縮フラグ(Comp)を有する。(2)ランの連続数に応じて、ラン連続のカウンタ(Counter)を拡張して拡張カウンタ(Counter (Ext))を付加するべくカウンタ拡張フラグ(Ext)を有する。(3)4つのラン変化点を一つのユニットとして扱い、バイト整合化し易い、ニブル(4ビット)構成とすることで、処理の容易なデータ構造を有する。(4)ランレングス圧縮伸張をライン毎に終了コードEを有する(ただし、一ライン分の容量がいくらかという情報を事前にエンコード装置、デコード装置に与えることができれば、この終了コードを省略することも可能である)。
図12は本実施の形態に係るランレングス圧縮ルールである「3ビットデータにおける3ビット8色表現のランレングス圧縮ルール(ライン単位)」を示す図(この場合は、4ビット単位で扱えるので、特にユニットを必要としない例)、図13は「4ビットデータにおける4ビット16色表現のランレングス圧縮ルール(ライン単位)」を示す図、図14は本実施の形態に係るランレングス圧縮ルールに応じた実用的なデータ構造の一例を示す図、図15乃至図17はこのデータ構造をユニット化した例を示す図、図18は「4ビットデータにおける4ビット16色表現のランレングス圧縮ルール(ライン単位)」の他の例を示す図である。
本実施の形態に係る副映像エンコーダ部のエンコード方法によれば、ラン非連続が比較的多く続く1画素4ビット表現(16色)の副映像の画像データであっても、画素データが連続無しの場合はカウンタを使用することがないので、データ長が却って長くなるということがない。又、所定数以上に長く続くラン連続がある場合でも、拡張カウンタ(Counter (Ext))を用いてこれを確実に再現することができる。従って、これらランレングス圧縮フラグ(Comp)や、基本カウンタ(Counter)や拡張カウンタ(Counter (Ext))とカウンタ拡張フラグ(Ext)等の働きにより十分な圧縮効果を発揮することが可能となる。このランレングス圧縮フラグ(Comp)を4ビット表現(又はこの倍数)としてまとめてデータ列の先頭に配置することで、4ビット情報によるデコード処理しやすい形態をとることにより、デコード処理速度を向上させることも可能となる。
ライン終了コード生成部で生成するライン終了コードEは、一ラインの画素数が予めわかっていれば、エンコード/デコード処理の際に必ずしも要するものではない。すなわち、ライン終了位置がわからなくとも、開始位置から画素数をカウントすることにより、ラインごとの副映像の画像データをエンコード・デコード処理することが可能となる。
本実施の形態に係る副映像デコーダ部のデコード方法によれば、ラン非連続が比較的多く続く1画素4ビット表現(16色)の副映像の画像データであっても、これらランレングス圧縮フラグ(Comp)や、基本カウンタ(Counter)や拡張カウンタ(Counter (Ext))、カウンタ拡張フラグ(Ext)等の働きにより十分な圧縮効果を発揮することが可能となる。このランレングス圧縮フラグ(Comp)を4ビット表現(又はこの倍数)としてまとめてデータ列の先頭に配置することで、4ビット情報によるデコード処理しやすい形態をとることにより、デコード処理速度を向上させることも可能となる。
エンコード処理の場合と同様に、ライン終了コード検出部で検出するライン終了コードEは、エンコード/デコード処理の際に必ずしも要するものではなく、一ラインの画素数が予めわかっていればこの画素数に応じて、ラインごとにデコード処理を行うことが可能となる。
次に、本実施の形態に係るエンコード・デコード方法により圧縮・伸張されたデータ構造の例を説明する。
図12は4ビットデータにおいて3ビット8色表現のランレングス圧縮ルール(ライン単位)を示したものである。基本的なデータ構造は、ラン連続の有無を示す1ビットのランレングス圧縮フラグ(Comp)(d0)、ラン画素データを示す3ビットのピクセルデータ(d1〜d3)、ランレングス圧縮フラグ(Comp)=1(有り)の時、カウンタ拡張の有無を示す1ビットのカウンタ拡張フラグ(Ext)(d4)、連続するランの3ビットのカウンタ(Counter)(d5〜d7)、及びカウンタ拡張フラグ(Ext)=1(有り)の時、前記3ビットのカウンタと結合して7ビットのランカウンタとして利用される4ビットの拡張カウンタ(Counter (Ext))(d8〜d11)から構成される。
図12の(a)に示すパターンは、ラン連続無しの1画素データを表現することが可能であり、図12の(b)に示すパターンは、ラン連続する2〜8画素データをカウンタ(Counter)を用いて表現することが可能である。又、図12の(c)に示すパターンは、ラン連続する9〜128画素データをカウンタ(Counter)及び拡張カウンタ(Counter (Ext))を用いて表現することが可能である。図12の(d)に示すパターンは、ライン単位のランレングス圧縮の終了を示すライン終端コードEである。
図12の(a)〜(d)に示した各パターンのデータ構造は、4ビット(ニブル)構成になっており、図13と異なり、ユニット化しなくても、バイト整合しやすく、システムが比較的容易に構築することができる。
図13は、本実施の形態の基本となるランレングス圧縮ルール(ライン単位)を示した図である。この図において、基本的なデータ構造は、ラン連続の有無を示す1ビットのランレングス圧縮フラグ(Comp)(d0)、ラン画素データを示す4ビットのピクセルデータ(d1〜d4)、ランレングス圧縮フラグ(Comp)=1(有り)の時、カウンタ拡張の有無を示す1ビットのカウンタ拡張フラグ(Ext)(d5)、連続するランの3ビットのカウンタ(Counter)(d6〜d8)及びカウンタ拡張フラグ(Ext)=1(有り)の時、前記3ビットのカウンタと結合して7ビットのカウンタとして利用される4ビットの拡張カウンタ(Counter (Ext))(d9〜d12)から構成される。
図13の(a)に示すパターンは、ラン連続無しの1画素データを表現することが可能であり、図13の(b)に示すパターンは、ラン連続する2〜8画素データをカウンタ(Counter)を用いて表現することが可能である。又、図13の(c)に示すパターンは、ラン連続する9〜128画素データをカウンタ(Counter)及び拡張カウンタ(Counter (Ext))を用いて表現することが可能である。図13の(d)に示すパターンは、ライン単位のランレングス圧縮の終了を示すライン終端コードEである。
図13の(a)〜(d)に示した各パターンのデータ構造は、奇数ビット構成になっており、このままではバイト整合されず、処理システムが複雑になる傾向にある。
図14は、本実施の形態における実用的なデータ構造を示す。同図では、図13の(a)〜(d)に示した各パターンのデータ構造を、バイト整合し易い、ニブル(4ビット)構成となるように、4つのラン変化点を1つのユニットとし、4つのランレングス圧縮フラグ(Comp)を4ビットのユニットフラグ(d0〜d3)としたものである(図10参照)。こうすることで、4つのラン変化点をユニットとするバイト処理し易いシステムが比較的容易に構築できる。
図15は、図14のユニット化したデータ構造を用いたランレングス圧縮の1つのユニット例を示したものである。
(1)先ず4ビットのランレングス圧縮フラグ(Comp)(d0〜d3)により、後続のデータパターンが決定されることになる。
(2)d0=0から、最初のランは非連続の1画素で構成されることが分かり、図14の(a)のパターンが適用され、続くピクセルデータ(d4〜d7)が展開される。
(3)d1=1から、2番目のランは連続であることが分かり、図14の(b)〜(d)の何れかのパターンが適用されることになる。先ずピクセルデータ(d8〜d11)を保持し、引き続き拡張カウンタ(Counter (Ext))(d12)により、d12=0及びカウンタ(d13〜d15)の数が零でないことから、拡張カウンタの無い図14の(b)のパターンであり、ピクセルデータ(d8〜d11)を展開し、続けて3ビットのカウンタ(d13〜d15)で示される7以下の数のピクセルデータ(d8〜d11)を展開する。
(4)d2=1から、3番目のランは連続であることが分かり、(3)と同様に、図14の(b)〜(d)の何れかのパターンが適用されることになる。先ずピクセルデータ(d16〜d19)を保持し、引き続きランレングス圧縮フラグ(Comp)(d20)により、d20=1から、図14の(c)のパターンであり、カウンタ(Counter)(d21〜d23)と、拡張カウンタ(Counter (Ext))(d24〜d27)とを組み合わせ、ピクセルデータ(d16〜d19)を展開し、続けて7ビットのカウンタ(d21〜d27)で示される127以下の数のピクセルデータ(d16〜d19)を展開する。
(5)d3=0から、最後のランは非連続の1画素で構成されることが分かり、図14の(a)のパターンが適用され、続くピクセルデータ(d28〜d31)が展開される。
このようにして、4つの変化点を1つのユニットとして、ランレングス展開する。
図16は、本実施の形態に係るランレングス圧縮ルールのユニット例を示す。
図16の(a)は、全て無圧縮の場合を示し、4画素のピクセルデータをそのまま表現する。図16の(b)は、8画素以下のラン連続と、3画素の無圧縮のピクセルデータを表現する。図16の(c)は、128画素以下のラン連続と、3画素の無圧縮のピクセルデータを表現する。図16の(d)は、全て圧縮の場合を示し、4つの128画素以下のラン連続(最大512画素)のピクセルデータを表現する。
図17は、本実施の形態に係るランレングス圧縮ルールのライン終端を示す終端コードEを有するユニット例、背景コードを有するユニット例を示す。終端コードEの挿入でユニットは終了し、それ以降のユニット内のランレングス圧縮フラグ(Comp)は、無視される。図17の(a)は、終端コードEのみで構成される例である。図17の(b)は、1画素と終端コードEで構成される例である。図17の(c)は、2画素と終端コードEで構成される例である。図17の(d)は、2〜8画素のラン連続と終端コードEで構成される例である。図17の(e)は、128画素以下のラン連続と終端コードEで構成される例、図17の(f)は、背景コードを用いた例を示す図である。
図17の(f)は、図17の(b)と同等のデータ列であるが、1ラインの画素数が判っており、終了コードを使用しない場合において、“00000000”を背景コードとして用いている。すなわち、1ラインについて、全て同一の画像データによる背景画像を作っている場合は、ランレングス圧縮フラグ(Comp)のユニットの後に、一つのピクセルデータを置き、その後に、1ラインが同一の背景画像であることを意味する背景コードを置くことにより、これを表示することも可能である。このように背景画像を表示してエンコードし、これに応じて、一つのピクセルデータに応じた背景画像をデコードすることにより、背景画像を高い圧縮率で圧縮し伸張することが可能となる。
図18は、図13で示した基本となるランレングス圧縮ルール(ライン単位)の別パターンである。基本的なデータ構造は、図13と同様に、ラン連続の有無を示す1ビットのランレングス圧縮フラグ(Comp)(d0)、ランレングス圧縮フラグ(Comp)=1(有り)の時、カウンタ拡張の有無を示す1ビットのカウンタ拡張フラグ(Ext)(d1)、連続するランの3ビットのカウンタ(Counter)(d2〜d4)及びカウンタ拡張フラグ(Ext)=1(有り)の時、前記3ビットのカウンタと結合して7ビットのカウンタとして利用される4ビットの拡張カウンタ(Counter (Ext))(d5〜d8)、そして図18の(a)〜(c)の各パターンに応じて、ラン画素データを示す4ビットのピクセルデータ((a)d1〜d4、(b)d5〜d8及び(c)d9〜d12)から構成される。
図13と同様に、図18の(a)に示すパターンは、ラン連続無しの1画素データを表現することが可能であり、図18の(b)に示すパターンは、ラン連続する2〜8画素データをカウンタを用いて表現することが可能である。又、図18の(c)に示すパターンは、ラン連続する9〜128画素データをカウンタ(Counter)及び拡張カウンタ(Counter (Ext))を用いて表現することが可能である。図18の(d)に示すパターンは、ライン単位のランレングス圧縮の終了を示すライン終端コードEである。
本実施の形態に係るエンコード・デコード方法は、ディスク装置のエンコーダ部及びデコーダ部だけではなく、広く、一つのエンコード・デコード方法として一般的なデジタルデータ処理に適用することができる。従って、これをマイクロコンピュータとこれに命令を与えるコンピュータプログラムという形態によって同等の手順を取ることにより、同等の作用効果を発揮するものである。
副映像のヘッダと表示制御シーケンス(図19(A)−(C))
表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)は副映像ユニット(SPU)の有効期間中に副映像データの表示開始/停止と属性を変更するための表示制御シーケンスであり、図19に示すように、表示制御シーケンス(SP_DCSQ)がその実行順に記述されている。同一の実行時刻を持つ表示制御シーケンス(SP_DCSQ)が表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)内に存在してはならない。副映像ユニットに一個以上の表示制御シーケンス(SP_DCSQ)が記述されなければならない。
各表示制御シーケンス(SP_DCSQ)には、図19(B)、図19(C)に示すように、2バイトの表示制御シーケンス(SP_DCSQ)の開始時刻(SP_DCSQ_STM)、4バイトの次の表示制御シーケンスの先頭アドレス(SP_NXT_DCSQ_SA)、1つ以上の表示制御コマンド(SP_DCCMD)が記述されている。
表示制御シーケンスの開始時刻(SP_DCSQ_STM)は、表示制御シーケンス(SP_DCSQ)内に記述されたSP表示制御コマンド(SP_DCCMD)の実行開始時刻を、SP_PKT内に記述されたPTSからの相対PTMで記述する。記述された実行開始時刻後の最初のトップフィールドから表示制御シーケンスはその表示制御シーケンス(SP_DCSQ)に従って開示される。
最初の表示制御シーケンス(SP_DCSQ(SP_DCSQ#0))内の開始時刻(SP_DCSQ_STM)は“0000b”でなければならない。実行開始時刻はSPパケットヘッダ内に記録されたPTS以上でなければならない。従って、表示制御シーケンスの開始時刻(SP_DCSQ_STM)は“0000b”又は以下で計算される正整数値でなければならない。
SP_DCSQ_STM[25…10]
=(225×n)/64
なお、0≦n≦18641(625/50 SDTVシステムの場合)
SP_DCSQ_STM[25…10]
=(3003×n)/1024;
なお、0≦n≦22347(525/60 SDTVシステムの場合)
SP_DCSQ_STM[25…10]
=225×n)/64
なお、0≦n≦18641(HDTVシステムの場合)
上式でnはSPUのPTS後のビデオフレーム番号である。n=0は丁度PTS時刻のビデオフレームを意味する。“/”は小数点以下切捨てによる整数除算を意味する。
SPU内の最後のPTMは次のSPUを含むSPパケット内に記述されたPTS以下でなければならない。最後のPTMは次のように定義される。
最終PTM SPU#I
=PTM SPU#i + SP_DCSQ_STMlast SPDCSQ
+ 1ビデオフレーム期間
次の表示制御シーケンスの開始アドレス(SP_NXT_DCSQ_SA)は次の表示制御シーケンス(SP_DCSQ)の先頭アドレスをSPUの先頭バイトからの相対バイト番号(RBN)で記述する。次の表示制御シーケンス(SP_DCSQ)が存在しない場合には本表示制御シーケンス(SP_DCSQ)の先頭アドレスをSPUの先頭バイトからのRBNで記述する。
SP_DCCMD#nは本表示制御シーケンス(SP_DCSQ)内で実行される一個以上の表示制御コマンド(SP_DCCMD)を記述する。同一の表示制御コマンド(SP_DCCMD)を二回以上記述してはならない。
3〕本発明の再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)、追記形情報記録媒体(次世代DVD−R)、書き換え形情報記録媒体(次世代DVD−RAM)間で共通なデータ構造部分
情報記録媒体のデータフィールドに記録されるデータは、図20に示すように、信号処理段階に応じて、データフレーム(Data frame)、スクランブルドフレーム(the Scrambled frame)、記録フレームまたは記録データフィールド(the Recording frame or the Recorded data field)と称される。データフレームは、2048バイトからなり、メインデータ、4バイトのデータID、2バイトのIDエラー検出コード(IED)、6バイトの予約バイト、4バイトのエラー検出コード(EDC)を有する。
エラー検出コード(EDC)が付加された後、メインデータに対するスクランブルが実行される。ここで、スクランブルされた32個のデータフレーム(スクランブルドフレーム)に対して、クロスリードソロモンエラーコレクションコード(Cross Reed-Solomon error correction code)が適用されて、所謂ECCエンコード処理が実行される。これにより、記録フレームが構成される。この記録フレームは、アウターパリティーコード(the Parity of Outer-code (PO))、インナーパリティーコード(the Parity of Inner-code (PI))を含む。
PO,PIは、それぞれ32個のスクランブルドフレームによりなる各ECCブロックに対して作成されたエラー訂正コードである。
記録データフィールドは、4/6変調される。そして、91バイト毎に先頭に同期コード(SYNC)が付加され記録フレームとなる。1つのデータフィールドに4つの記録データフィールドが記録される。
図20は、メインデータから記録フレームまで、データが変遷する様子を示している。図21は、データフレームの形態を示している。データフレームは、172バイト×2×6行からなる2064バイトであり、そのなかに2048バイトのメインデータを含む。
図22は、データIDを示す、データIDは、4バイトで構成される。ビットb31−b24の最初の1バイトは、データフィールド情報であり、3バイト(ビットb23−b0)は、データフィールド番号である。
エンボスドデータゾーンの中のデータフィールド情報は、次のようになっている。セクターフォーマットタイプ、トラッキング方法、反射率、記録タイプ、エリアタイプ、データタイプ、層番号等の情報が含まれる。
セクターフォーマットタイプ…1b ならゾーンフォーマットタイプ、トラッキング方法…0bならピットトラッキング、反射率…1bなら40%と等しいかそれ以下、記録タイプ…0bならジェネラル、1bならリアルタイム情報(0bと1bで欠陥管理方法が異なる)、エリアタイプ…01bでリードインエリア、データタイプ…0bでリードオンリーデータ、層番号…0bでデュアルレイヤーの層0或は、単一層ディスクを示し、1bでデュアルレイヤーの層1を示す。
リライタブルデータゾーンの中のデータフィールド情報は、次のようになっている。
セクターフォーマットタイプ…1b ならゾーンフォーマットタイプ、トラッキング方法…1bならグルーブトラッキング、反射率…1bなら40%と等しいかそれ以下、記録タイプ…0bならジェネラル、1bならリアルタイム情報(0bと1bで欠陥管理方法が異なる)、エリアタイプ…00bでデータエリア、01bでリードインエリア、10bでリードアウトエリア、データタイプ…1bでリライタブルデータ、層番号…0bでデュアルレイヤーの層0或は、単一層ディスクを示し、1bでデュアルレイヤーの層1を示す。これらのビットは、また上記のルールで割り当てられなければならない。
図23は、データフィールド番号の内容を示している。ECCブロックが、エンボスドデータゾーン、欠陥管理エリア、ディスク識別ゾーンに所属する場合は、いずれの場合もセクター番号が記述される。ECCブロックがデータエリアに所属する場合、そのデータフィールド番号は、「論理セクタ番号(LSN)+031000h」となる。このときは、ECCブロックには、ユーザデータが含まれる。
また、ECCブロックがデータエリア内に所属するが、このECCブロックはユーザデータを含まず、つまり未使用ECCブロックである場合がある。このような場合は、次の3つのいずれかである。(1)最初のセクタの0から3ビットが0であり、続くセクタにはシリアルにインクリメントされたフィールド番号が記述される。(2)00 0000hから00 000Fhの間のフィールド番号が記述される。(3)あるいは何も記述されない。
図24には、記録タイプの定義を示している。
つまり、ECCブロックがエンボスドデータゾーンにあるときは、「予約」である。ECCブロックがリライタブルデータゾーンにあり、かつリードインエリア、リードアウトエリアにあるときは、「予約」である。ECCブロックがリライタブルデータゾーンにあり、データエリアにあるときは、0bでジェネラルデータ(General data)、1bでリアルタイムデータ(Real-time data)を意味する。
General data dataの場合は、もしブロックに欠陥がある場合は、対応するセクタに対してリニアリプレイスメントアルゴリズム(Linear replacement algorithm)が適用されたものであル。リアルタイムデータの場合は、もしブロックに欠陥がある場合は、対応するセクタに対してリニアリプレイスメントアルゴリズムが適用されていない。
次にデータIDのエラー検出コード(IED)について説明する。
今、マトリックスに配置された各バイトが、Ci,j(i=0〜11、j=0〜171)
IEDのための各バイトがC0,j(j=0〜4)とすると、IEDは、以下のように表せる。
αは、represents the primitive root of the primitive polynomial.
次に6バイトのRSVについて説明する。
RSVの最初のバイトはスクランブルのための種情報として使用される。他の5バイトは、0hであり予約(reserved)である。
エラー検出コード(EDC)は、4バイトのチェックコードであり、スクランブル前のデータフレームの2060バイトに付随している。データIDの最初のバイトのMSBがb16511であるとし、最後のバイトのLSBがb0であるとする。すると、EDCのための各ビットbi(i=31〜0)は、
図25(A)は、スクランブルドフレームを作成するときに、フィードバックシフトレジスタに与える初期値の例を示し、図25(B)は、スクランブルバイトを作成するためのフィードバックシフトレジスタを示している。16種類のプリセット値が用意されている。
r7(MSB)からr0(LSB)が、8ビットずつシフトし、スクランブルバイトとして用いられる。図25(A)の初期プリセット番号は、データIDの4ビット(b7(MSB)〜b4(LSB))に等しい。データフレームのスクランブルの開始時には、r14〜r0の初期値は、図25(A)のテーブルの初期プリセット値にセットしなければならない。
16個の連続するデータフレームに対して、同じ初期プリセット値が用いられる。次には、初期プリセット値が切り換えられ、16個の連続するデータフレームに対しては、切り換わった同じプリセット値が用いられる。
r7〜r0の初期値の下位8ビットは、スクランブルバイトS0として取り出される。その後、8ビットのシフトが行なわれ、次にスクランブルバイトが取り出され、2047回このような動作が繰り替えされる。r7〜r0より、スクランブルバイトS0〜S2047が取り出されると、データフレームは、メインバイトDkからスクランブルドバイトD’kとなる。このスクランブルドバイトD’kは、
となる。
次に、ECCブロックの構成について説明する。(D)(E)
図26にはECCブロックを示している。ECCブロックは、連続する32個のスクランブルドフレームから形成されている。縦方向に192行+16行、横方向に(172+10)×2列が配置されている。B0,0、B1,0、…はそれぞれ1バイトである。POは、PIは、エラー訂正コードであり、アウターパリティー、インナーパリティーである。
図26のECCブロックは、(6行×172バイト)単位が1スクランブルドフレームとして扱われる。このようにスクランブルドフレーム配置として書き直した図が、図27である。つまり連続する32個のスクランブルドフレームからなる。さらに、このシステムでは、(ブロック182バイト×207バイト)をペアとして扱う。左側のECCブロックの各スクランブルドフレームの番号にLを付け、右側のECCブロックの各スクランブルドフレームの番号にRを付けると、スクランブルドフレームは、図27に示すように配置されている。つまり左側のブロックに左と右のスクランブルドフレームが交互に存在し、また右側のブロックにスクランブルドフレームが交互に存在する。
つまり、ECCブロックは、32個の連続スクランブルドフレームから形成される。奇数セクタの左半分の各行は、右半分の行と交換されている。172×2バイト×192行は172バイト×12行×32スクランブルドフレームに等しく、情報フィールドとなる。16バイトのPOが、各172×2列にRS(208,192,17)のアウターコードを形成するために付加される。また10バイトのPI(RS(182,172,11))が、左右のブロックの各208×2行に付加される。PIは、POの行にも付加される。
フレーム内の数字は、スクランブルドフレーム番号を示し、サフィックスのR,Lは、スクランブルドフレームの右側半分と、左側半分を意味する。図26に示したPO,PIの生成は以下のような手順で行なわれる。
先ず、列j(j=0〜171と、j=182〜353)に対して、16バイトのBi,j(i=192〜207)が付加される。このBi,jは、次の多項式Rj(X)により定義されており、
この多項式は、アウターコードRS(208,192,17)を各172×2列に形成するものである。
次に、行i(i=0〜207)に対して、10バイトのBi,j(j=172〜181、j=354〜363)が付加される。このBi,jは、次の多項式Ri(X)により定義されており、
この多項式は、インナーコードRS(182,172,11)を(208×2)/2の各行に形成するものである
図26の各Bマトリックスの要素であるBi,jは、208行×182×2列を構成している。このBマトリックスは、Bi,jがBm,nで再配置されるように、行間においてインターリーブされている。このインタリーブの規則は以下の式で表される。
この結果、図28に示す様に、16のパリティー行は、1行ずつ分散される。つまり、16のパリティー行は、2つの記録フレーム置きに対して、1行ずつ配置される。したがって、12行からなる記録フレームは、12行+1行となる。この行インターリーブが行なわれた後、13行×182バイトは、記録フレームとして参照される。したがって、行インターリーブが行なわれた後の、ECCブロックは、32個の記録フレームである。1つの記録フレーム内には、図27で説明したように、右側と、左側のブロックの行が6行ずつ存在する。また、POは、左のブロック(182×208バイト)と、右のブロック(182×208バイト)間では、異なる行に位置するように配置されている。図では、1つの完結型のECCブロックとして示している。しかし、実際のデータ再生時には、このようなECCブロックが連続してエラー訂正処理部に到来する。このようなエラー訂正処理の訂正能力を向上するために、図28に示すようなインターリーブ方式が採用された結果である。
次に、記録データフィールドの構成(ポイントF)について説明する。
13行×182バイトの記録フレーム(2366バイト)が連続変調され、これに2つの同期コードが付加される。1つの同期コードは第0列の前、もう1つの同期コードは第91番目の列の前に付加される。 データフィールドの開始時は、同期コードY0の状態は、state 1(図30の状態1)である。記録データフィールドは、図29に示すように、13セット×2sync フレームである。29016チャンネルビット長の1つの記録データフィールドは、変調前は、2418バイトに等価である。
図29のSY0−SY3は同期コード(SYNC)コードであり、図30に示すコードの中から選択されたものである。図29に記載されている数字24、数字1092はチャンネルビット長である。
図29において偶数記録データフィールド(Even Recorded data field)及び奇数記録データフィールド(Odd Recorded data field)のいずれも最後の2シンクフレーム(すなわち最後の“SYNC codeがSY3”の部分とその直後の“シンクデータ”及び“SYNC codeがSY1”の部分とその直後の“シンクデータ”が並んだ部分)内のシンクデータ領域に図28で示したPO(Parity Out)の情報が挿入される。
Even Recorded data field 内の最後の2シンクフレーム箇所には図27に示した“左側のPOの一部”が挿入され、Odd Recorded data field 内の最後の2シンクフレーム箇所には図27に示した“右側のPOの一部”が挿入される。図27に示すように1個のECCブロックはそれぞれ左右の“小ECCブロック”から構成され、セクター毎に交互に異なるPOグループ(左の小ECCブロックに属するPOか、右の左の小ECCブロックに属するPOか)のデーターが挿入される。
同期コードSY3,SY1が連続する左側のデータフィールドは、図29の上段(A)に示されており、同期コードSY3,SY1が連続する右側のデータフィールドは、図29の下段(B)に示されている。
図31は、情報記録媒体(光ディスク)の物理セクタレイアウトナンバリングの例を示している。図31(A)は単一層のディスクであり、図31(B)と図31(C)は、複数の層を有するディスクである。図31(C)のセクタ番号Xは、xのビット値が0あるいは1に置き換えられ反転されるように計算される。セクタ番号X 16の倍数である。
図31に示すように、セクターアドレスを示すセクター番号が設定される。本発明では再生専用情報記録媒体のみならず、記録可能形情報記録媒体に対しても片面2記録層に対応するフォーマットを提供している。
本発明における再生専用情報記録媒体におけるリードインエリア(Lead-in area)内のデータ構造説明図を図32に示す。
また、本発明の書き換え形情報記録媒体における全体のデータ構造説明図を図33に示す。
4〕本発明の再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)における第1の実施例(C)
本発明では再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)における記録データのデータ構造は2種類許容し、記録するデータ内容によりコンテンツプロバイダーがどちらか一方を選択可能としている。
4-1)本発明の再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)の第1の実施例におけるデータ構造説明
本発明において情報記録媒体に記録可能なデータないしは情報記録媒体に記録されたデータが第1のデータ単位(ECCブロック401)を有し、前記第1のデータ単位は第2のデータ単位(セグメント411〜418)から構成され、前記第2のデータ単位は第3のデータ単位(セクター230〜241)から構成され、前記第3のデータ単位は第4のデータ単位(シンクデータ432)から構成され、かつ、前記第1のデータ単位内でデータのエラー検出もしくはエラー訂正が可能である事を特徴としている。
すなわち本発明実施例では情報記録媒体221の種類(再生専用/追記可能形/書き換え可能形)に依らず、情報記録媒体221上に記録されるデータは図34に示すようなデータ単位に階層構造を持っている。データのエラー検出もしくはエラー訂正が可能となる最も大きなデータ単位である一個のECCブロック401内は8個のセグメント411〜418に分割されている所に本発明の最も基本となる特徴が有る〔発明ポイント(G)に対応〕。前記1個のセグメント411〜418はそれぞれ4個のセクター230〜233または234〜238から構成されている。図34に示す各セクター230〜241は図3に示したパック単位で記録するセクター231〜238と同じ内容を示している。図29と図28で既に説明し、再度図34に示すように、各セクター230〜241内はそれぞれ26個ずつのシンクフレーム#0 420 〜 #25 429 から構成される。1個のシンクフレーム内は図30に示したシンクコード431とシンクデータ432を構成する。1個のシンクフレーム内は図29に示すように1116チャネルビット(24+1096)のデータが含まれ、この1個のシンクフレームが記録される情報記録媒体221上の物理的距離であるシンクフレーム長433は至る所ほぼ一定(ゾーン内同期のための物理的距離の変化分を除いた場合)になっている。
また、再生専用情報記録媒体において複数種類の記録形式を設定可能とする所〔発明ポイント(C)に対応〕にも本発明の特徴がある。具体的には再生専用情報記録媒体の第1の実施例と第2の実施例に示す2種類の記録形式が有る。本発明再生専用情報記録媒体における第1の実施例と第2の実施例の違いを図35に示す。図35(a)は第1の実施例を示し、各セグメント #1 411 〜 #8 418 間は物理的に詰めて連続して情報記録媒体221上に記録される。それに対して第2の実施例では図35(b)に示すように各セグメント#1 411〜#8 418間にそれぞれヘッダ領域#1 441〜#8 448が挿入配置されている所が異なる〔発明ポイント(H)に対応〕。各ヘッダ領域#1 441〜#8 448の物理的長さは前記シンクフレーム長433に一致している。
図31から分かるように情報記録媒体221に記録されるデータの物理的距離は前記シンクフレーム長433を基本単位として扱われているため、前記各ヘッダ領域#1 441〜#8 448の物理的長さもシンクフレーム長433に一致させることで情報記録媒体221上に記録されるデータに対する物理配置の管理やデータへのアクセス制御が容易になるという効果を持つ。
4-2)本発明の再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)の第2の実施例との共通部分
Lead-in と Lead-out の部分は詰めて記録するデータ構造とする、[効果]…情報記録媒体内の全領域に渡りデータ構造が異なると、再生装置が情報記録媒体の再生を初めて開始する時にどちらで対応すれば良いか迷い、再生開始時間が必要以上に掛かってしまう。情報記録媒体の一部(Lead-inとLead-outの部分)のデータ構造を共通とする事で起動時(情報記録媒体装着直後の情報再生装置または情報記録再生装置の再生開始時)にまず最初にその部分にアクセスし、最低限必要な情報を同一フォーマットで再生が行える。従って起動時に安定かつ高速に再生を開始する事が可能となる。
4ー3)2種類のフォーマットの識別情報の記録場所〔発明ポイント(C)に対応〕
(4−311) 同一ディスク内ではフォーマットは共通とする(ディスクの途中からフォーマット変更不可)、
他の実施例として
(4−312) 記録するコンテンツ内容に応じて同一ディスク内で2フォーマット混在を許す、また
(4−313) DVD−ROMのフォーマット識別フラグ情報(2案を一部含むか)をディスクに記録する、
(4−321)フォーマット識別フラグ情報を共通のフォーマット領域内に記録する…図32に示した Control Data Zone 内に記録する、
(4−322)フォーマット識別フラグ情報は記録可能領域に記録する…書き換え可能形情報記録媒体に対しては図33のRewritable data zone 内のDisc identification zone内に上記識別フラグを持たせる。
5〕本発明の再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)における第2の実施例
5-1)セグメント間に“ROMヘッダ”を配置する構造説明
本発明再生専用情報記録媒体における第2の実施例に示す記録形式は上述し図35(b)に示すように各セグメント #1 411 〜 #8 418 間にヘッダ領域 #1 441 〜 #8 448 を挿入配置した構造となっている〔発明ポイント(C)に対応〕。
5ー2)第2の実施例における“ROMヘッダ”内の具体的なデータ構造説明〔発明ポイント(H)に対応〕
従来のROMメディアにおける再生動作では、先ず要求データブロックが含まれた誤り訂正ブロックを読み出す必要があり、現在位置から指定ブロックが存在するであろう位置をブロック番号差などから計算し、位置を予測してシーク動作を開始する。予測された指定場所までシーク後に、情報データから読出しクロックを抽出してチャネルビット同期やフレーム同期信号の検出並びにシンボル同期を行い、シンボルデータを読出し、その後にブロック番号を検出して指定ブロックであることを確認する事になる。即ち、一般のROMメディア再生では、情報ピットによるRF信号しか検出信号が存在しない為、ディスク回転制御や情報線速度、更にはデータ読出しクロックであるチャネルビット読出しクロック生成など、全てがRF信号に委ねられる。記録再生メディアでは、記録場所を指定するために、本発明の目指す所であるアドレス情報等が、データ情報の記録とは別の信号形態で存在する事から、チャネルビットクロック生成PLLなどは、そのような信号を用いて、線速度等を検出する事が可能であり、PLLの発信周波数を正しいチャネルビットクロック周波数の近傍に制御させておくことが可能となる。このためPLLのロックアップタイムを短縮できるだけでなく、暴走防止も可能など最適なシステムの提供が可能になっている。しかしながら、ROMメディアではこのような信号が利用できない事から同様の制御システムが利用できない為、従来情報信号の最大符号長(Tmax)や最短符号長(Tmin)信号を利用するなどでシステムを構築していた。即ち、ROMメディアでは如何にPLLを早期ロック状態にする事ができるかが重要であり、その為の信号形態の提供が望まれていた。しかし、既存のCDやDVDにおけるROMメディアは、記録密度のみに着目してデータ/トラック構造が決められ、その後に記録再生メディアのデータ/トラック構造を構築した事から、メディア毎に異なるデータストリームなどになっている。
ROMメディアやR/RAMなどの記録再生メディアのデータストリームを近似させながら、更に次世代メディアの記録方式開発にあたっては、記録密度向上施策が導入が検討されている。この記録密度向上技術の一つとして、変調効率向上があり、記録再生ビーム径に対する最短ピット長(Tmin)の縮小される、新しい変調方式導入が考えられている。ビーム系に対して最短ピット長が縮小されると、信号振幅は取れなくなりデータの読出しはPRML技術などで可能になっても、チャネルビット分離を行うチャネルビットクロック生成用PLLの位相検出が困難となる。上記に記載したとおりピット信号のみに頼るROMメディアでのPLLロック容易性は、高密度化技術の導入で益々厳しくなる事から、高速シーク等も難しくなり、そのための補助信号挿入が必要になってきている。
本発明再生専用情報記録媒体における第2の実施例に示す記録形式は上述し図35(b)に示すように、ROMメディアも各セグメント#1 411〜#8 418間にヘッダ領域#1 441〜#8 448を挿入配置した構造とし、ヘッダ領域にシーク容易性並びにチャネルビットクロック生成用PLLのロック容易性に必要な信号を挿入する事で、記録再生メディアの再生処理と同様な制御が実現可能を実現する目的もある。
図68は、ROMメディアにおけるヘッダ領域の1実施例を示した図である。ヘッダ領域は、ヘッダー同期(Header Sync)1001と特定コード(Specific code)1002から構成され、Header Syncは情報信号中のTmaxより長いチャネルビット長が複数回繰り返された構成とし、Specific codeは誤り訂正ECCブロックナンバーやセグメント番号(Segment-No)、更に著作権保護信号やその他の制御情報信号を構成させる。情報データのフレーム同期信号に使われるTmax信号は、チャネルビット同期とシンボル同期性能を考慮して符号長が決められるが、セグメントヘッダ領域の同期信号はその制約が少ない為、可変速再生におけるシーク動作中において、他の情報データ領域とは異なる信号形態が検出できれば、その検出距離を調べる事で、線速度などの予測信号になり、チャネルビットクロック生成用PLLの発信周波数が暴走していても、近傍に制御させる事が可能になる。具体的な方法としては、フレーム同期信号等に挿入されているTmax信号より更に符号長の長い信号を複数回構成する方法等が考えられる。
Specific codeは、データ領域では構成されない特殊制御信号を配置させることに利用できる。例えば、著作権保護信号やメディア固有情報信号等であり、そのような特殊情報領域を確保しておく事で、システム発展性も可能になる。
図69は、別の実施例を示した図である。ヘッダ領域は、ヘッダー同期(Header Sync)1001とランダムコード(Random code)1003から構成される。図68のSpecific codeの領域に、チャネルビットクロック生成用PLLが容易にロック状態に入れるようなランダム信号を配置するものである。従来DVD−RAM等の記録メディアではPLLが容易にロック状態を実現できるよう、一定符号長の繰り返し信号(VFO)を挿入していた。ROMメディアでは、トラッキングエラー信号検出方法として位相差検出法が採用される可能性が高く、この位相差検出法では、隣接トラックの信号パターンが本トラックの信号パターンと近似したまま続くと、隣接トラックからのクロストークによってトラッキングエラー信号が検出出来なくなる現象が発生する。このため、記録メディアなどに使われる一定周期の信号で構成されるVFO信号の採用は問題がある。一方で、高密度化対応としてPRML方式等使われる場合の最短符号長では、チャネルビットクロック生成PLLでの位相差検出が困難な信号が多くなる。当然PLLの位相ロック容易化からは、位相検出回数が多いほうが検出感度が高くなるため、その点を考慮する必要がある。そこで、図69における Random code部分は、PLL位相検出に信頼性がない最短ピット側の一部符号長と検出回数が少なくなる最長ピット側の一部符号長を削除した限定された符号長の組合せによるランダム信号を導入するものである。即ち、ラン長制限された符号によるランダム信号を利用する。
尚、図68におけるSpecific codeもセグメントナンバーで初期値が指定される乱数発生器からのランダム信号でスクランブルする事も考えられる。このときのスクランブルデータを記録信号に変調する時、変調テーブルを変形して、ラン長制限された記録信号ストリームになるよう構成する事が望ましい。このような処理によって、現行DVD-ROMのデータ領域で対応しているスクランブル処理機能と同様に、Specific code領域での隣接トラックパターン一致を防止する事が可能になる。
6〕本発明の記録可能形情報記録媒体と上記再生専用情報記録媒体(次世代DVD−ROM)とのフォーマット上の関係説明
図36を用いて本発明における記録可能形の記憶媒体と再生専用情報記録媒体での記録形式(フォーマット)上の関係を説明する。図36(a)と(b)は図35に示した再生専用情報記録媒体の第1と第2の実施例をそのまま転記した物である。記録可能形情報記録媒体に対しては再生専用情報記録媒体の第2の実施例と同じく、各セグメント#1 411〜#8 418の間にシンクフレーム長433と同じ長さのヘッダ領域を設けている。但し、再生専用情報記録媒体と図36(c)に示す追記形情報記録媒体のヘッダ領域#2 452〜#8 458 とではそれぞれヘッダ領域に記録するデータ(記録マーク)のパターンが異なる。同様に図36(b)に示す再生専用情報記録媒体のヘッダ領域#2 442〜#8 448と図36(d)に示す書き換え形情報記録媒体のヘッダ領域#2 462〜#8 468ではそれぞれヘッダ領域に記録するデータ(記録マーク)のパターンが異なる。それにより情報記録媒体221の種別判別が可能となる。
再生専用情報記録媒体のヘッダ領域の利用方法に関しては、前記〔5〕項で説明したが、ここで改めて再生専用情報記録媒体と記録可能型情報記録媒体について、その違いからくるヘッダ領域の利用方法について、図36(b)、(c)、(d)にて説明する。尚、ここで示した追記型情報記録媒体とは、記録動作が一回のみのライトワンス型記録媒体であり、通常は連続した記録処理が行われるが、特定のブロック単位で記録する場合は、前に記録したブロックに連続して、追記方式で次にデータブロックを記録する方式が採られる為、図36では追記型情報記録媒体と読んでいる。
各メディアのヘッダ構造に違いを説明する前に、再生専用情報記録媒体と記録再生形媒体のデータストリームの違いを説明しておきたい。再生専用情報記録媒体は、チャネルビット及びシンボルデータの関係が、ヘッダ領域も含めて全データブロックで、指定された関係で連続している。しかしながら、追記型情報記録媒体では、記録動作が停止したブロック間では、少なくともチャネルビットの位相は変化してしまう。書き換え型情報記録媒体では、セグメント単位で位相が変化してしまう可能性が高い。即ち、再生専用媒体では、チャネルビット位相は最初から最後まで連続しているが、記録形媒体では、ヘッダ領域でチャネルビット位相が大きく変化してしまう性質がある。
一方で、記録形媒体は記録トラックは物理的に記録トラック溝が構成され、その溝は記録レート制御やアドレッシング情報の挿入などの目的で、ウォブリングされている事から、チャネルビットクロック生成PLLの発信周波数を制御可能であり、可変速再生などの処理動作においても、発信周波数の暴走防止が可能である。但し、追記型情報記録媒体では、記録完了後の媒体は再生専用として用いられる事から、〔5〕項で説明したトラッキングエラー検出方法が位相差方式を導入された場合の配慮である、隣接トラック間での記録信号パターン一致は避けたい。書き換え型情報記録媒体では、一般にトラッキングエラー検出法として位相差方式が利用されない構造の場合は、隣接トラックでの情報信号パターン一致に対しては問題が生じないため、ヘッダ領域はチャネルクロック生成PLLが容易にロックできるような構造、即ち図69におけるRandom code領域はVFOのような一定周期の信号が望ましい。
このような媒体の種類で、異なる性質があることから、図36の(b)ヘッダ領域442、(c)ヘッダ領域452、(d)ヘッダ領域462では、その構造が媒体の特質を考慮した最適化されたデータ構造を導入される。
再生専用情報記録媒体のヘッダ領域では、線速度検出が容易なパターン、及びランダム信号によるチャネルビット生成PLLへのロックが容易な信号である。
追記型情報記録媒体のヘッダ領域では、チャネルビットクロック生成用PLLの発信周波数はウォブリング検出で暴走防止がされて近傍制御が可能であるから、ヘッダ領域での位相変動に対処した、ランダム信号によるチャネルビット生成PLLのロック容易化信号で構成されている。
書き換え型情報記録媒体では、PLLロック容易化は一定周期のVFOパターンが導入可能であり、その他ヘッダマーク信号等で構成されている。
尚、これら情報記録媒体の種別でヘッダ領域を異ならせる事によって、メディア識別が容易であり、著作権保護システムからも再生専用と記録可能型媒体が異なる事により、保護能力を向上させる事になる。
7〕本発明の書き換え可能形情報記録媒体実施例における共通な技術的特徴の説明
7ー1)ゾーン構造の説明
本発明における書き換え可能形情報記録媒体では図37に示すようにゾーン構造を取る。ゾーン構造内の各ゾーン毎のセグメント数とトラック数などについては図33に詳細に示してある。
本発明では再生線速度 : 5.6m/s
チャネル長 : 0.086μm
トラックピッチ : 0.34μm
チャネル周波数 : 64.8MHz
記録データ(RF信号) : (1,7)RLL
ウォブル搬送波周波数 : 約700kHz (93T/Wobble)
変調位相差[deg] : ±90.0
Segment/track:12〜29セグメント
Zone : 18ゾーン程度
としている。
7ー2)本発明実施例におけるアドレス情報の記録形式説明(位相変調+NRZ法によるウォーブル変調)
本発明では記録形情報記録媒体におけるアドレス情報はウォーブル変調を用いてあらかじめ記録されている。ウォーブル変調方式として±90度(180度)の位相変調を用いると共にNRZ(Non Returen to Zero)方法を採用している。また、書き換え形情報記録媒体に対してはL/G(Land and Groove)記録方法を使っている。L/G記録方法でウォーブル変調方式を採用している所に本発明実施例の大きな特徴が有る。図38を用いて具体的な説明を行う。本発明実施例では1アドレスビット(アドレスシンボルとも呼ぶ)領域511内を8ウォーブルまたは12ウォーブルで表現し、1アドレスビット領域511内は至る所周波数および振幅と位相は一致している。また、アドレスビットの値として同じ値が連続する場合には各1アドレスビット領域511の境界部(図38の“黒の三角印”を付けた部分)で同位相が継続し、アドレスビットが反転する場合にはウォーブルパターンの反転(位相の180度シフト)が起きる。
7ー3)L/G 記録方法とウォーブル変調による不定ビット混入の説明
情報記録媒体221上のアドレスを示す情報として本発明における書き換え可能形情報記録媒体ではゾーン識別情報で有るゾーン番号情報とセグメントアドレス情報で有るセグメント番号情報およびトラックアドレス情報を示すトラック番号情報の3種類のアドレス情報を持つ。セグメント番号は1周内の番号を意味し、トラック番号はゾーン内の番号を意味している。図37に示すゾーン構造を採用した場合には上記アドレス情報の内ゾーン識別情報とセグメントアドレス情報は隣接トラック間で同じ値を取るが、トラックアドレス情報に関しては隣接トラック同士で異なるアドレス情報を取る。
図39に示すようにグルーブ領域501においてトラックアドレス情報として“ … 0110 … ”が記録され、グルーブ領域502においてトラックアドレス情報として“ … 0010 … ”が記録され場合を考える。この場合、隣接するグルーブ領域で“1”と“0”の間に挟まれたランド領域503ではランド幅が周期的に変化し、ウォーブルによるアドレスビットが確定しない領域が発生する。本発明ではこの領域の事を“不定ビット領域504”と呼ぶ。この不定ビット領域504を集光スポットが通過すると、ランド幅が周期的に変化するため、ここから反射し、(図示しないが)対物レンズを通過して戻ってくるトータル光量が周期的に変化する。前記ランド内の不定ビット領域504内にも記録マークを形成するため、この記録マークに対する再生信号が上記の影響で周期的に変動し、再生信号検出特性を劣化(再生信号のエラーレイトの悪化)を引き起こすと言う問題が発生する。
7ー4)本発明実施例に採用されるグレイコードと特殊トラックコード(本発明対象)に付いての内容説明
本発明では上記不定ビット504領域の発生頻度の低減を目指し、既存に知られている“グレイコード”もしくは前記グレイコードを改良し、本発明で新たに提案する(発明対象のポイントとなる)特殊トラックコードを使用する〔発明ポイント(O)に対応〕。
図40にグレイコードを示す。10進数で“1”変化する毎に“1ビットのみ変化”する(交番2進的になる)所にグレイコードの特徴がある。
図41に本発明で新規に提案する特殊トラックコードを示す。この特殊トラックコードは10進法の値で“2”変化する毎に“1ビットのみ変化”する(トラック番号mとm+2が交番2進的になる)と共に整数値nに対して2nと2n+1の間では最上位ビットのみが変化し、それ以外の全下位ビットが全て一致する特徴を持っている。本発明における特殊トラックコードは上記実施例に限らず、10進法の値で“2”変化する毎に“1ビットのみ変化”する(トラック番号mとm+2が交番2進的になる)と共に2nと2n+1の間で有る“特定の関係を保持”しながらアドレスビットが変化する特徴を持っているコードを設定する事で本発明実施例の範囲を満足する。
8〕ウォーブルアドレスフォーマット配置に関する実施例説明
8-1)セグメントフォーマットの実施例説明
書き換え形情報記録媒体に記録する書き換え可能なデータの記録フォーマットを図42に示す。図42(a)は前述した図36(d)と同じ内容を示している。本発明実施例では書き換え可能なデータはセグメント毎の書き換えを行い、書き換え単位内の書き換え可能なデータ構造を図42(c)に示す。セグメント#2情報の書き換え単位531で情報記録媒体に対する書き換え可能なデータの書き換えを行うが、セグメント#2内の書き換え可能データ525のデータ内容は図36に示すように再生専用情報記録媒体(図36(a)、(b))、追記形情報記録媒体(図36(c))など媒体の種類に依らず全て同じ形式のデータ構造を持っており、それぞれ9672バイト分のデータが記録可能になっている。すなわちセグメント#2内の書き換え可能データ525のデータ内容は図34に示すようにそれぞれ4個ずつのセクターデータから構成され、各セクターデータは図34あるいは図29(データフィールド構造)に示すように26個ずつのシンクフレームから構成される。図42(c)に示すようにセグメント#2情報の書き換え単位531内はセグメント#2内の書き換え可能データ525に先行してコピープロテクション対応のコピー情報領域524分に2バイト割り当てて有り、その前にVFO領域の終わり位置を示すプリシンク領域523に3バイト設定されている。35バイト分設定して有るVFO(Variable Frequency Oscillator)領域522は書き換え可能データ525再生時の同期合わせように利用される。書き換え可能データ525の直後には書き換え可能データ525の終了位置を示すポストアンブル領域526が配置されている。セグメント#2情報の書き換え単位531の先端部と後端部にはガード領域521、527が配置されている。前側ガード領域521は30バイト+J、後側ガード領域527は22バイト−Jとなっており、“J”の値を変える事でセグメント#2情報の書き換え単位531の書き出し/書き終わり位置を変化させる“ランダムシフト”が可能になっている。相変化形記録膜の場合には書き換え可能なデータの書き出し/書き終わり位置で顕著に記録膜の特性劣化が起こり易いと言う特徴がある。本発明実施例では上記のようにランダムシフトする事で相変化形記録膜の特性劣化を防止する事が出来る。
書き換え単位の物理的範囲の比較をするため、図42(b)にセグメント#1情報の書き換え単位の一部530を、図42(d)にセグメント#3情報の書き換え単位の一部532を示している。書き換え時の重複箇所541、542で前側ガード領域522と後側ガード領域527が一部重複するように書き換えを行う所に本発明の特徴がある〔発明ポイント(I)に対応〕。そのように一部重複させて書き換えする事で片面2記録層の記録可能な情報記録媒体における層間クロストークを除去できる。
次に図43を用いて本発明記録可能形情報記録媒体におけるウォーブル変調を用いたアドレス情報の記録形式について説明する。図43(a)は図36(c)または(d)に一致する。図43では書き換え可能形情報記録媒体について説明しているが、本発明実施例ではそれに限らず追記形情報記録媒体に対しても適応可能である。すなわち図43における書き換え形のヘッダ領域462、463の代わりに追記形のヘッダ領域452、453を置き換える事が可能である。セグメント#2 412の情報が記録される物理的な領域は図43(b)に示すように180度位相変調を用いたウォーブル変調によるウォーブルアドレス領域551として予め記録されており、図38もしくは図39に示すようにグルーブ領域501がウォーブルされている。この領域には合計で1248周期のウォーブルが予め記録されている。本発明実施例では図38に示すようにNRZ法を用い、8ウォーブルまたは12ウォーブルで1アドレスビットを表現する。また図43(c)に示すように、このウォーブルアドレス領域551内は2領域に分割され、ウォーブルアドレス1の配置領域561とウォーブルアドレス2の配置領域562(各領域内はそれぞれ624周期のウォーブルが配置される)から構成されているが、両者内には(スクランブル処理により変調情報形態は異なるが)実質的に同一なアドレス情報が記録されている。このように1セグメント#2 412当たりに複数回のアドレス情報を配置する〔発明ポイント(J)に対応〕所に本発明の特徴がある。更に図43(b)に示すようにウォーブルアドレス領域551の前後の書き換え形のヘッダ領域462、463が記録される領域には後述するトラック番号偶数/奇数判定領域552、553が存在する。
図43(d)は本発明における他の実施例を示した物で、トラック番号偶数/奇数判定領域552、553の代わりにトラックアドレス記録領域571、572が配置されている。このトラックアドレス記録領域571、572に関する詳細な内容説明は後述する。
8-2)トラックアドレス個々にEDCが付く実施例説明
図43(c)で示したウォーブルアドレス1の配置領域561もしくはウォーブルアドレス2の配置領域562内のデータ構造を図44と図45に示す。いずれも図38に示したアドレスビット表現で記述して有る。図44、図45では、細かくエラー訂正単位606とエラー検出単位6−7,608に分割し、不定ビット影響をエラー検出単位内に止め、他のデータに対する再生信頼性を保証する。不定ビット位置に対しても,トラックの偶数/奇数検知で判別可能とする。図44の例では、0≦K≦4 であり、“トラック番号情報”にグレイコードまたは特殊トラックコードを使う。セグメントアドレス情報に対応するセグメント番号は“000001”以降から開始する。
図44と図45で示した実施例では1アドレスビットを8ウォーブルで表現している。また、図44と図45内に示された括弧内の“(…b)”は各情報のアドレスビット単位でのデータ長を表しており、全部の合計値は78アドレスビット=624ウォーブルに相当する。ウォーブルアドレス配置領域561、562内のデータ構造は基本的にはウォーブルアドレスの開始位置を示すアドレスシンク情報603、トラックアドレス情報記録領域605及びトラックアドレス以外のアドレス情報記録領域604から構成されている。本発明実施例では図44に示した書き換え形情報記録媒体では図37に示すゾーン構造を取り、図45に示した追記形情報記録媒体ではCLV(Constant Linear Velocity)の構造を取る。
従って、その構造の違いが図44と図45のフォーマットの違いに現れている。ゾーン構造を取る書き換え形情報記録媒体では図27に示したECCブロック内で不定ビットが縦方向に並ぶのを防ぐために(詳細は後述)、前端のアドレスビット位置シフト領域601と後端のアドレスビット位置シフト領域602を儲け、最大4アドレスビット分前後にシフト可能にしている〔発明ポイント(R)に対応する〕。図44における“K”の値は0から4までの任意の値が取れ、ウォーブルアドレスの配置領域561、562毎に値が変化するように(図示してないが)乱数発生器の出力値を利用して“K”の値を設定するようになっている。
ウォーブルアドレスの配置領域561、562内に記録されるアドレス情報として図44に示す書き換え形情報記録媒体においては以下の1.2.3.4に示す情報が記録される。
1.トラックアドレス情報605…ゾーン内のトラック番号を意味し、実質的に同じ内容のトラック番号をトラック番号情報A 611とトラック番号情報B 612に2度書きするが、後述するようにデータスクランブル処理を行うため、スクランブル後ではトラック番号情報A 611とトラック番号情報B 612では異なるデータコードの形としてトラックアドレス情報記録領域605内に記録される〔発明ポイント(U)に対応〕。
2.セグメントアドレス情報621、622…トラック内(情報記録媒体221内での1周内)でのセグメント番号を示す情報で実質的に同じ内容のセグメント番号がセグメントアドレス情報621と622に2度書きされる。最初のセグメントアドレス情報621はデータスクランブルのための“種”の情報として利用されるため、生の形(スクランブルによるコード変換されない形)で記録されるのに対し、後ろのセグメントアドレス情報622はデータスクランブル処理を行った後の変換後コードの形で情報記録媒体221に記録される〔発明ポイント(U)に対応〕。図38に示した1アドレスビット領域511の境界部(“三角印”の部分)でアドレスビットの値が変化するので情報再生装置または情報記録再生装置ではこの境界部位置にPLL(Phased Lock Loop)を掛けてアドレスビットの検出を行っている。従ってこのアドレスビットの値(“0”か“1”か)として、同じ値が長く続くと上記の境界部位置に対するPLLの位相がずれてしまう。そのため、同じアドレスビットの値が長く続くのを防止するためデータスクランブルを掛けている〔発明ポイント(T)に対応する〕。
しかし前述したように最初のセグメントアドレス情報621はデータスクランブルのための“種”の情報として利用されるため、生の形(スクランブルによるコード変換されない形)で記録される。図44に示すようにセグメントアドレス情報621のデータ長は6ビットと長く、最初のセグメントアドレス情報621に対して同じ値が長く続かないような処理を本発明では行っている。セグメントアドレス情報621としてセグメント番号を“0”からカウントするとセグメントアドレス情報621内に6ビット“0”が続く“000000”のパターンが現れてしまう。上記の問題を回避するため、本発明ではセグメント番号として“000001”からカウントしている所に本発明の特徴が有る〔発明ポイント(K)に対応〕。
本発明実施例は上記内容に限らず、アドレス番号付与方法に条件を加える所に特徴があり、上記実施例の他に例えばアドレス番号情報内に“1”または“0”がn回(例えばnは3以上または4以上とする事が出来る)以上連続して現れるアドレス番号に対して欠番にするなどの条件を加える方法もある。
3.ゾーン識別情報625、626…情報記録媒体221内のゾーン番号を示し、図37に示した“ Zone(n)”の“n”の値が記録される。ゾーン識別情報625、626は2度書きされるが、いずれもデータスクランブルの対象となる。
4.記録層識別情報626、627…本発明の情報記録媒体221においては再生専用、追記形、書き換え形いずれも図3、図34に示すように記録層A 222 と記録層B 223 を持ち、いずれも同一面側から再生もしくは記録再生可能な“片面2記録層”の構造を有している。現在再生もしくは記録している記録層が記録層A 222と記録層B 223のいずれの層に対応しているかを示す情報が記録層識別情報626、627で、記録層番号で示され、2重書きされている。
本発明の思想では、上記1.2.3.4の情報が記録される。また、図43に示すようにウォーブルアドレス領域551は多分割され、それぞれに上記アドレス情報が記録されている。従って、現在再生中のアドレス情報がウォーブルアドレス配置領域561、562内のどちらに対応しているかをウォーブルアドレス番号情報623、624に記録されている。更に図44に示した書き換え形情報記録媒体では同一トラック内でセグメント番号が最後の値を示している場所に対してはトラック内最終セグメント識別情報628、629の情報を持っている。
図45に示すように追記形情報記録媒体においては前述したようにCLV方式を採用しているため、ゾーン識別情報625、626とトラック内最終セグメント識別情報628、629は不要となる。またこの場合には、トラック番号は情報記録媒体221全域にわたる通し番号がふられるため、データ長が図44の12ビットから図45では20ビットに増えている。
図44、図45いずれの場合でもトラックアドレス以外のアドレス情報記録領域604内で1個のエラー訂正単位606を構成し、トラックアドレス情報記録領域605内では個々のトラック番号情報A 611とB 612毎にエラー検出単位607、608を構成している。このようにウォーブルアドレスの配置領域561、562内を複数のエラー訂正単位606やエラー検出単位607、608に分離する事で図39に示すような不定ビット領域504の混入による影響を1個のエラー検出単位607、608内に閉じこめ、その外に有るデータ領域への不定ビット領域504の混入による影響を遮断する事が出来る。その結果、不定ビットを含まないエラー訂正単位606やエラー検出単位607、608の情報に対してはエラー訂正処理やエラー検出処理による高い読み取り信頼性を確保する事が可能となる〔発明ポイント(P)に対応〕。また、いずれも最初のセグメントアドレス情報621から記録層識別情報626までの8ビットをデータスクランブルのための“種”情報記録領域641と見なし、図44ではゾーン識別情報625からトラック番号情報 B 612 までの範囲を、図45ではセグメントアドレス情報622からトラック番号情報 B 612 までの範囲をデータスクランブル対象データ642としている。本発明実施例のようにデータスクランブルの“種”情報内にセグメントアドレス情報621またはウォーブルアドレス番号情報623を含めることで同一トラック内でセグメント毎およびウォーブルアドレス配置領域561、562毎にスクランブルの“種”情報が異なる。その結果、スクランブル処理後のトラック番号情報A 611、B 612の記録コード(変換後のコード)がセグメント毎およびウォーブルアドレス配置領域561、562毎に変化するため、不定ビット領域(図39の504)の位置が変わり、図28に示したECCブロック内で不定ビットが縦に並ぶのを防止する働きをする。
図46を用いて本発明実施例におけるウォーブルアドレスデータの作成プロセス順を示す。まず始めにST01では上記の各種アドレス情報(スクランブルする前の元データ)を作成する。次にST02としてトラック番号情報A 611 とB 612に対して図40または図41に示すグレイコード変換または特殊トラックコード変換処理を施す〔発明ポイント(O)に対応〕。更にST03として上記各種アドレス情報の中からデータスクランブルのための“種”情報記録領域641内に含まれる最初のセグメントアドレス情報621から記録層識別情報626までの8ビットを抽出する。この種情報を利用してデータスクランブルを掛ける範囲642に含まれる全対象データに対してデータスクランブルを掛ける(ST04)〔発明ポイント(T)(Q)に対応する〕。その後でエラー訂正単位606に含まれるセグメントアドレス情報621からトラック内最終セグメント識別情報629に至る24ビット(図45ではセグメントアドレス情報621から記録層識別情報627までの16ビット)に対して8ビットのECC( Error Corroction Code )情報630を付加する。そしてST06として最後にエラー検出単位607、608に対するEDC(Error Detection Code)情報を付加する〔発明ポイント(Q)に対応する〕。
本発明におけるデータスクランブルとEDC(Error Detection Code)情報の付加方法の特徴について下記に説明する。図47に示すようにグレイコード系列あるいは特殊トラックコード系列のデータ列651に対して任意のデータとの間でビット単位での“加算演算”、“減算演算”または“ Exclusive OR ”演算のいずれかあるいはそれらの組み合わせ演算を行った後で得られるデータ系列はグレイコード特性あるいは本発明の特殊トラックコード特性が不変に保持されると言う特徴がある。上記の特徴を生かし、任意のデータとの間でビット単位での“加算演算”、“減算演算”または“Exclusive OR”演算のいずれかあるいはそれらの組み合わせ演算の範囲内でデータスクランブル処理とEDC(Error Detection Code)情報の付加処理を行う所に本発明の大きな特徴が有る〔発明ポイント(P)(Q)に対応する〕。
図48にウォーブルアドレスデータに対するスクランブル/デスクランブル回路の実施例を示す。図48におけるシフトレジスタ回路101とExclusive OR 回路104の組み合わせで“M系列”の乱数発生器を構成している。図46のステップST03でスクランブルのための“種”データを抽出し、その値をシフトレジスタ回路101の初期値としてセットする。図46のステップST04におけるスクランブル処理において図44または図45に示したデータスクランブルを掛ける範囲642のデータで有り、図46のステップST01で作成したスクランブル処理前のデータを逐次シフトレジスタ回路102内に転送し、シフトレジスタ回路101の“r0”から“r8”までのデータとビット単位での“Exclusive OR”演算を行う〔発明ポイント(Q)に対応する〕。
8ビット毎にシフトレジスタ回路103にロードし、スクランブルデータ643として出力する。トラック番号情報A 611の各ビットがシフトレジスタ回路102に入る時とトラック番号情報B 612の各ビットがシフトレジスタ回路102に入る時ではシフトレジスタ回路101の“r0”から“r8”までのデータパターンが異なるため、スクランブル処理後のトラック番号情報A 611のパターンとトラック番号情報B 612のパターンが異なる。また、本発明実施例ではスクランブルの“種”情報内にウォーブルアドレス1の配置領域561とウォーブルアドレス2の配置領域562で値の異なるウォーブルアドレス番号情報623が含まれているため、同一セグメント内の2アドレス領域同士で(ウォーブルアドレス1の配置領域561とウォーブルアドレス2の配置領域562で)パターンを変化させる事が出来る〔発明ポイント(U)に対応する〕。
図48に示した実施例ではスクランブル処理により同一セグメント内の2アドレス領域同士でパターンを変化させているが、他の実施例としてスクランブル処理する代わりにトラック番号情報A 611 とB 612の間、またはウォーブルアドレス1の配置領域561とウォーブルアドレス2の配置領域562の間でビット反転させてパターン内容を変化させる〔発明ポイント(U)に対応する〕事も出来る。
また、上記実施例ではExclusive OR演算によりデータスクランブル処理を行っているが、他にも任意のデータとの間でビット単位での“加算演算”、“減算演算”または“Exclusive OR”演算のいずれかあるいはそれらの組み合わせ演算の範囲内でデータスクランブル処理を行う方法は本発明範囲に含まれる。
また、デスクランブル時にはデータスクランブルのための種情報記録領域641の情報を抽出してシフトレジスタ回路101に初期値として設定し、スクランブルが掛かった状態のデータを順次シフトレジスタ回路102に入力するとデスクランブルデータ643がシフトレジスタ103の出力として取り出せる。
図44または図45におけるトラックアドレス以外のアドレス情報記録領域604では隣接トラック間で値が変わらない。従ってECCコード630生成方法として従来の生成多項式により割り算を行った余りをECCコード630にする方法を採用できる。
次に図49を用いて本発明におけるトラック番号のEDC情報613、614の生成方法について説明を行う。本発明ではトラック番号のEDC情報613、614がグレイコード特性または特殊トラックコード特性を持ち、不定ビットの発生頻度を低減させている所に大きな特徴が有る〔発明ポイント(P)に対応〕。
従来の2進法データでは、累進時(数が1変化する毎)に同時に複数ビットの変化を許容する。それに比べて図40に示すGray Codeでは累進時(数が1変化する毎)に1ビットのみの変化に制限される。図49にグレイコード(Gray Code)特性ないしは特殊トラックコード特性を有するEDC(Error Detection Code)の作成方法の一例を示す。従来のようにトラック番号101に対して剰余多項式で割り算を行い、余りの値を用いてEDCを付加する場合には、トラック番号101が“1”変化した時にはEDC内の複数ビットが変化する。従ってGray Codeに対してはエラーチェックコードの付加は難しいと考えられていた。それに対して本発明ではEDC情報613、614を付加する対象データ(トラック番号情報A 611、B 612)の中で1ビットだけ変化した場合には、“加算処理”または“減算処理”か“特定数との排他的論理和(Exclusive OR)演算”のいずれか、あるいはそれらの組み合わせ処理を行った結果のデータであるEDC情報613、614は、元で変化したビットに対応したビットのみしか変化しない特徴を利用している。
図49または図44、図45の実施例ではトラック番号情報611,612はGray Codeまたは特殊トラックコードで12ビット設定して有り、それに対してグレイコード特性または特殊トラックコード特性を有するError Detection Code情報613、614を4ビット付加して有る。12ビットのトラック番号データに対して4ビット毎に加算し、その加算後の値のパリティ(奇数か偶数か)を Error Detection Code情報613、614とする。トラック番号情報611、612を構成する“a11〜a0”の各ビットに対して、例えば“a10”と“a6”と“a2”を加算し、“C2”とする。この“C2”の値が奇数なら Error Detection Code 情報613、614内の対応した位置に有る“b2”を“0”に設定し、偶数なら“1”と設定する。例えば隣のトラックで“a5”のみが変化した場合には、“C1”の奇数と偶数の関係のみが反転する。その結果、“b1”のみが変化し、Error Detection Code情報613、614はグレイコード特性または特殊トラックコード特性を満足している。
ECCブロック内で縦に不定ビット配列を回避する方法に付いて以下に説明をする。図44においてトラック番号情報A 611およびB 612 に対してデータスクランブルせず、更に前端と後端のアドレスビット位置シフト領域601、602を持たない場合の問題点を示す。この場合には図39に示した不定ビット領域504が同一トラック内ではトラック番号情報A 611およびB 612内の同じ位置に現れる。図39に示すように不定ビット領域504内ではランド幅またはグルーブ幅が局所的に変化するため、その上に記録される書き換え可能な記録マークからの再生信号レベルが変動し、書き換え可能な情報のエラーレイトが局所的に劣化する。このエラーレイトが局所的に劣化する場所は図28に示したECCブロック内の縦方向に一列に並んでしまう。
図28に示した積符号を用いたECCブロック構造〔発明ポイント(D)に対応〕では縦方向に一列に並んだエラーにたいしてエラー訂正能力が低下すると言う問題が有る。上記問題を解決するため、書き換え可能な記録マークからのエラーが発生しやすい不定ビット位置をずらし、図28に示した積符号を用いたECCブロック構造内のエラー訂正能力を向上させる所に本発明のポイント〔発明ポイント(S)に対応〕が有る。
本発明では上記で説明したように(a)前端と後端のアドレスビット位置シフト領域601、602を持たせて不定ビット位置をずらす、〔発明ポイント(R)に対応する〕、(b)トラック番号情報A 611およびB 612 に対してデータスクランブルを行う,の方法を説明した。
しかし、本発明に於いては上記実施例に限らず不定ビットをずらす方法として例えば(c)トラック番号情報611、612の上位ビットをセグメントとウォーブルアドレスの配置領域561、562が変わる毎に循環してずらす方法を使うことも可能である。
8-3)アドレス全体にEDCが付く実施例説明
図50に書き換え形情報記録媒体に対するアドレスビット配置に関する第2の実施例を示し、図51に追記形情報記録媒体に対するアドレスビット配置に関する第2の実施例を示す。“トラック番号情報”にグレイコードまたは特殊トラックコードを使う。セグメントアドレス情報に対応するセグメント番号は“000001”以降から開始する。図50、図51の実施例いずれもアドレスシンク情報603を除いた全情報に対してまとめて図49に示すようなEDC情報631を付けた所に特徴が有る。図44、図45に示した第1の実施例と比べて全体をエラー検出単位609とするために全体で必要なアドレスビット数が少なくできると言う所に特徴が有る。その結果、図50、図51に示した第2の実施例では図44、図45に示した第1の実施例とは異なり、1アドレスビットに12ウォーブル周期を割り当てるため、アドレスビットの検出性能(検出精度)が向上すると言う効果がある。
8-4)ウォーブルアドレスにトラックアドレス情報を持たない実施例説明
図52に書き換え形情報記録媒体に対する本発明の第3の実施例を示す。図52ではトラック番号情報611、612をウォーブルアドレスの配置領域561、562に記録せず、その代わりにトラック番号情報611、612を図36(c)(d)に示す書き換え形(または追記形)のヘッダ領域452〜468に分散配置する所に特徴が有る。セグメントアドレス情報に対応するセグメント番号は“000001”以降から開始する。
9〕本発明の記録可能な情報記録媒体におけるトラックアドレス設定法の第1の実施例説明
[グレイコードの設定方法を工夫し、不定ビットが有ってもアドレス検出を可能とする方法]
(ランド側の全トラックアドレス情報に不定ビットに集中させる)〔発明ポイント(W)の内容〕
従来ランド/グルーブ記録トラックにおけるアドレッシング方式は、DVD−RAMのようにエンボスプリピットによって形成されている。また、グルーブトラックのウォブリングを利用して、アドレス情報を埋め込む方法が考えられていた。ここでの大きな問題はランドトラックのアドレス形成であった。一つの案として、グルーブウォブリングで、グルーブ用とランド用のウォブリングを別々に配置するのである。ランド用はランドを挟む隣接のグルーブをウォブリングさせるが、あたかもランドウォブリングされたような構成を採ることでランドアドレスを実現させていた。
しかしながら、この方法ではトラックアドレス領域として2倍以上が必要であり無駄が多い。一組のアドレス情報がグルーブアドレス情報としてもランドアドレス情報としても利用できれば、効率良い配置が可能になる。その実現手段として、トラックアドレスデータとしてグレイコードを利用する方法がある。
図70は、グルーブウォブルをトラックアドレスデータによって位相変調させた時のトラック形態と、ランドでのウォブル検出信号の関係を図示したものである。
Groove-nのアドレスデータ(・・100・・)とGroove-n+1のアドレスデータ(・・110・・)に挟まれたLand-nで、アドレスデータとしてのウォブル信号を検出すると(・・1X0・・)となる。ここで、X部分はGroove-nの(0)とGroove-n+1の(1)によって挟まれた領域で、ウォブル検出信号はセンターレベルの振幅0の信号となる。実際のシステムでは、読取りビームのトラック外れ量や検出器のアンバランスなどで、他の領域のレベルより下がるが、データ(1)側か(0)側の信号が検出される可能性が高い。このように異なるグルーブアドレスデータで挟まれたランド領域では検出レベルが下がることを利用して、その部分がアドレスデータのポジションと照らし合わせて、ランドアドレス信号を検出する事も考えられる。しかしこの方法も、ウォブル検出信号のC/Nが高い場合は良いが、ノイズが大きい場合等は信頼性が取れない可能性があった。
そこで、ランドトラックでのウォブル検出信号からアドレスデータを読み出す方法として、グルーブウォブルデータが異なって対峙しているランドウォブル検出データは不定(“0”と判断しても“1”と判断しても良い)でも、正しいランドアドレスデータを確定できる方法が望まれていた。
そこで、グルーブトラックアドレスは、グレイコードデータでウォブル変調する方式を採用し、ランドトラックに対しては、特殊マークを付加したりウォブル変調で特殊識別コードを付加するなどによって、奇数ランドと偶数ランド(Odd-Land・Even-Land)を容易に判断できる構造を採用する方式を提案するものである。
ランドトラックが、奇数/偶数の判定可能であれば、グレイコードの性質から、ランドアドレスデータの確定は容易になる。その証明を図71を用いて説明する。
グレイコードが、図40に示されるように1ステップのコード変更は1ビットのみになるよう構成されたコードである。このグレイコードでグルーブトラックのアドレッシングを行うすれば、各グルーブウォブルで構成されるランドのウォブルは、図70のように1ビットのみが不定のコードとして検出される。
即ち、図71のようなアドレスデータがグルーブトラックに配置されると、グルーブトラックに対峙されたランドトラックのウォブル検出信号は1ビットのみが“0”か“1”か不定のビットで、他のビットは隣接グルーブウォブル信号と同じ値として検出される。図71のEven-Land(n)でのウォブル検出信号は(n)または(n+1)が検出されることになる。同様にOdd-Land(n+1)は(n+1)または(n+2)が検出される。
ここでランド(Land)トラックは予め、奇数ランド(Odd-Land)または奇数ランド(Even-Land)が識別されていれば、Odd-Land(n+1)の場合は、(n+1)が検出された場合はそのデータがアドレス値、(n+2)が検出された場合は(検出値−1)がアドレス値となる。同様にEven-Land(n)の場合は、(n)が検出されたらその値がアドレス値で、(n+1)が検出されたら(検出値−1)がアドレス値となる。但しnは偶数の場合である。
以上のように、ランドトラックが奇数トラックか偶数トラックか判定されていれば、ランドトラックでのウォブル検出値に不定のビットが有っても簡単に正しいアドレス値が確定できることになる。グルーブトラックはウォブル検出信号がそのままトラックアドレスになる。
図72は、トラックアドレスが4ビットのグレイコードを配置した場合の具体的な検出内容を図示したものである。Groove-Track G-(n)のグレイコードアドレスデータが(0110)、G-(n+1)が(1100)とした場合、Even-Land L-(n)は(1100)または(0100)がウォブル信号として検出されるが、図71で説明した考えでいけば、偶数ランドであることから(0100)が正しいアドレス値として確定する。
しかし、図71で説明した検出値から“0”または(−1)を補正しなくても、ランドトラックは先ず奇数/偶数識別があるとすれば、夫々2つのアドレス値を持っているとも考えられる。図72におけるEven-Land L-(n)で(1100)(0100)どちらが検出されても、他のEven-Landにはこのコードは存在しない。このため、検出された値でアドレスデータを確定する事が可能なのである。
上記内容は図41に示した特殊トラックコードに対しても同じ特徴を持っている。
10〕トラック番号の偶数/奇数判別情報の設定方法に関する実施例説明
〔発明ポイント(V)の内容に対応〕
書換え可能型情報記録媒体にて、グルーブトラックとランドトラックを共に記録再生トラックとして利用する場合のアドレッシングフォーマット案の一例を図73に示す。図36に示された各セグメントブロックに付加されたヘッダ領域には、ウォブルアドレスの同期信号パターンを配置させ、データ領域には図37に示すゾーン番号・トラック番号・セグメント番号をウォブル変調で埋め込んでいる。
図71、図72で示したランドの奇数/偶数識別は、ランドのヘッダ領域にプリピットでマークを入れている。本発明による所のグルーブウォブルアドレッシング方式では、ランドのアドレス検出には奇数ランド/偶数ランド識別が重要であり、その識別マーク方式としては各種方法が考えられる。図74〜図77はその識別マーク方式を図示したものである。
図74は、グルーブウォブルで特殊なパターンをいれ、図70で示されたようなレベルダウン部分の位置関係を使って奇数/偶数ランド判定を行う。
図75は、図73と同様にランドのヘッダ領域にエンボスプリピットマークを配置させる方法である。図76は、奇数(又は偶数)グルーブトラックのみの記録トラックを切断させるような物理的マークを設置させる方法である。ランドトラック検出ではグルーブトラックの物理的変形構造がクロストーク信号として検出され、対峙するグルーブの一方向のみからマーク信号が検出される為、方向性を伴う事から、奇数/偶数ランド検出が可能になる。
図77は、奇数トラックの奇数セグメントにおけるヘッダと偶数トラックの偶数セグメントヘッダに図76のようなマークを配置するものである。この方法では、全てのトラックにウォブリング以外のヘッダ領域識別マークがつく事になり、ヘッダ位置検出のも上記マークが利用でき、奇数/偶数ランド判定はウォブリング変調で記録されたセグメント番号データの奇数/偶数情報を合わせて利用する事で、奇数/偶数ランド識別を可能にするものである。
図76または図77に関する他の実施例を図53、図54に示す。
図53に示した実施例ではグルーブ領域502の一部を切断し、グルーブ切断領域508を作成している。図示してないが再生用集光スポットがランド領域503,504上をトレースしている場合にトラック差信号の急変する方向を検知することでランド上の偶数トラック上をトレースしているか奇数トラック上をトレースしているかの判定が行える。
図54には他の実施例を示す。グルーブ領域502内で局所的に大きく蛇行するグルーブ蛇行領域509を構成する方法と他の実施例として図53に示すようにブルーブを一部切断すると共にその切断部分にランドプリピットを形成する“グルーブ切断+ランドプリピット領域500”を設ける。いずれもトラック差信号の変化方向でランド上の偶数トラック上をトレースしているか奇数トラック上をトレースしているかの判定が行える。
ライトワンス型情報記録媒体に使われる、追記型情報記録媒体は記録後のデータストリームを再生専用情報記録媒体とできる限り近似させることが重要であり、図73や図53に示したグルーブトラックのウォブルアドレッシングフォーマットをそのまま利用する事も可能である。
11〕本発明の記録可能な情報記録媒体におけるトラックアドレス設定法の第2の実施例説明
[不定ビットはランド側のみに持たせるが、ランド内にトラックアドレス確定領域を持たせる] 〔発明ポイント(X)の内容に対応〕
11-1)本発明における書き換え形情報記録媒体のトラックアドレス情報設定方法の説明
図44に示した実施例におけるトラック番号情報A 611 とB 612 の値設定方法について図55に示す。図55に示した値は図46に示すような特殊トラックコード変換ST02やスクランブル処理ST04を行う前の生情報を示している。グルーブ領域に図55に示すようにトラック番号情報A 611 とB 612 に対してジグザグにトラック番号を設定する。隣接するグルーブ領域で同じトラック番号が設定された場所ではランド領域も同様なトラック番号が設定される。隣接するグルーブ領域で異なるトラック番号が設定された場所ではトラック番号は確定しないが図72に示した方法によりトラック番号の予測判定は可能となる。図55に示した情報の繋がりの中での特徴を抽出すると、
1.グルーブ上ではAとBの内、小さい方の値がトラック番号と一致する、
2.ランド上では偶数トラックではAが、奇数トラックではBのトラック番号が確定する、
3.ランド上では偶数トラックではBが、奇数トラックではAのトラック番号が不確定、
であるが、図72に示した方法によりトラック番号の予測判定は可能である。
また、図41に示す本発明の特殊トラックコードによれば
4.グルーブ上で特殊トラックコード変換後の値が偶数トラックの所で最上位ビット以外は下位ビット全てのパターンが一致し、奇数トラックの所で下位ビットも変化すると言う項目が上げられる。
11-2)本発明におけるトラックアドレス確定方法の説明
上記1.から4.に列記した特徴を利用してトラックアドレスの確定が出来る。図56ではグルーブ部のアドレス確定方法を示し、図57ではランド部のアドレス確定方法を示した。図56は、図41、図44、図55の方式を用いた場合のグルーブ部でのアドレス確定方法である。図57は、図41、図44、図53、図55、図72の方式を用いた場合のランド部でのアドレス確定方法である。
図56に示すようにグルーブ部では特殊トラックコードの状態で最上位ビット以外の全ビットが一致するか否かを判定(ST14)し、トラック番号が偶数か奇数かを判定する。その判定結果に基付き抽出したトラック番号(ST16、ST17)と、ST19での小さな値を選択する処理の結果を比較し、一致すればアドレス確定と見なす。
図57に示すようにランド部ではトラック番号の偶数/奇数識別情報を読み取り(ST31)、トラック番号が確定している方のトラック番号(ST37)とトラック番号に対する予測判定結果(ST38)を比較してアドレス確定を行う。
12〕本発明の記録可能な情報記録媒体におけるトラックアドレス設定法の第3の実施例説明
[局所的にグルーブ幅を変化させてグルーブ内にも不定ビットを持たせる]〔発明ポイント(Y)に対応〕
12-1)隣接位置でランド部の幅を変えず、グルーブ部の幅を変えて情報記録媒体を作成する方法
図77までの実施例では、グルーブ幅を一定にしてウォブル変調を施し、アドレス情報を埋め込む方式を説明してきたが、この場合ランド部の一部にトラック幅の変化する領域が発生し、その部分のアドレスデータが不定(ウォブル信号のレベルダウンが起こり、その発生場所を利用してデータを検出する事は可能であるが、ノイズなどが多い場合は信頼性が落ちる可能性が高い)となる。
この現象を逆に利用して、グルーブ幅の一部を変化させることで、あたかもランドトラックにデータを記録させたようなグルーブウォブル変調処理が可能になる。
図78は、Groove(n+1)・Land(n+1)・Groove(n+2)の関係を示したものであるが、Groove(n+1)トラックのウォブル変調ではアドレスデータ(・・100x2・・)と記録する。ここで、(x1)の部分はLand(n)が“1”で、Land(n+1)が“0”となるようにグルーブ幅が変化する振幅変調で形成している。同様にGroove(n+2)の(x2)領域では、Land(n+1)が“0”でLand(n+2)が“1”とグルーブ幅を変化させた振幅変調でグルーブを形成させている。このようにグルーブ幅を一部変化させる方式を導入すると、グルーブトラックを対峙したランドトラックのアドレスデータが、異なる場合でも、要求するランドデータが正しく検出されるようなウォブル変調が可能になる。このようなグルーブ幅を一部変化させる技術を導入して、ランド/グルーブ方式の書き換え型情報記録媒体のアドレッシングフォーマットの一実施例を図79に示す。
図79のアドレッシングフォーマットは、グルーブウォブリングであるが、一部のグルーブ幅を変化させる技術を導入して、グルーブトラックアドレス領域とランドトラックアドレス領域を別々の位置に配置させた構造である。グルーブトラックアドレス位置を識別させる為のG同期信号(G-S)を配置させ次にグルーブトラックのアドレスデータを記録する。次にランドアドレス領域を示す(L-S)を配置させランドアドレスデータを記録する。この場合、対峙するランドアドレスデータが異なる場合は、あたかもランドトラックのウォブル変調で記録したようにグルーブ幅を変化させて記録する。この処理で、ランドトラック記録再生でのアドレス情報検出では正しい検出信号を得ることが可能になる。図79では、グルーブトラック用アドレスデータとランドトラック用アドレスデータを別々に配置したが、上記グルーブ幅を変化させる技術を用いて、図71と図72で説明した、同一のグルーブウォブリング変調でランドとグルーブのアドレスデータを形成させる事も可能である。
図80はその一実施例を示した図である。同一のグルーブウォブルによってランドとグルーブのアドレスデータを意味させる為には、ランドの奇数/偶数識別が確定できれば可能である事は、前項で説明してあるとおりである。この奇数/偶数識別にグルーブ幅変調が利用できる。即ち、奇数ランドに“0”を、偶数ランドに“1“のデータを図72のトラック番号の次のビットに配置する方式である。グルーブトラックはトラックナンバーが確定している為、トラック番号の後ろに冗長ビットを付加しても検出を無視すれば良い。ランドトラックではトラック番号の検出後にビットが”0“か”1“かで奇数ランドか偶数ランドかを判定すれば良い事になる。ランドトラックでは、結果として奇数/偶数トラック識別データを含めたデータ列でトラック番号を確定する事になり、特別の奇数/偶数トラック識別マークが無くても、グルーブ/ランドアドレスデータが検出可能となる。更に、グレイコードによってランドトラックにのみ発生していたトラック幅の変化領域がグルーブトラックにも発生し、グルーブ/ランド検出系を同じ手法で構成する事となり、システムバランスが最適化できる。
上記説明ではG同期信号(G−S)とランドアドレス領域を示す(LーS)を配置しているが、それに限らず例えばG同期信号(G−S)とランドアドレス領域を示す(LーS)を配置しない代わりに図44に示す実施例の様にあらかじめ位置が定まっているトラック番号情報A 611とB 612の領域にランドとグルーブのアドレスデータを配置する事が可能である。すなわち
(*)トラック番号情報A611とトラック番号AのEDC情報613の所は至る所グルーブ幅を一致させてグルーブ側のトラックアドレス情報を確定させ(ランド側の幅を局所的に変化させてランド側に不定ビットを配置)、
(*)トラック番号情報B612とトラック番号BのEDC情報614の所は至る所ランド幅を一致させてランド側のトラックアドレス情報を確定させ(ブルーブ側の幅を局所的に変化させてグルーブ側に不定ビットを配置)、また同時に図81に示すように
(*)トラック番号情報A611とトラック番号情報B612とで同じトラック番号情報を記録する。
このようにした場合には
(**)グルーブ上をトレースしている場合にはトラック番号が確定しているトラック番号情報A611を再生すると共にトラック番号情報B612に対して図80に示した方法によりトラック番号の予測判定を行い、
(**)ランド上をトレースしている場合にはトラック番号が確定しているトラック番号情報B612を再生すると共にトラック番号情報A611に対しては図80に示した方法によりトラック番号の予測判定を行う。
このようにグルーブ領域内で不定ビットを含まずにグルーブのトラックアドレス情報が確定する部分と、グルーブ領域内で不定ビットを含むが図80に示した手法を用いてグルーブのトラックアドレスが予測判定可能な部分を同一トラック内で予め設定しておく事も可能である。この場合には同時にランド領域内で不定ビットを含まずにランドのトラックアドレス情報が確定する部分と、ランド領域内で不定ビットを含むが図80に示した手法を用いてランドのトラックアドレスが予測判定可能な部分を同一トラック内で予め設定しておく事になる。この場合のアドレス確定方法は図56及び図57に示す手順と同様に
1.不定ビットを含まないトラックアドレス情報が確定する部分ではEDC情報613、614を用いたエラー検出(エラー検出されない場合には下記の2.以降に進み、エラー検出された場合には次のウォーブルアドレスの配置領域561、562からのウォーブル信号の再生に移る)、
2.不定ビットを含むトラックアドレスが予測判定可能な部分に対するトラック番号の予測判定、
3.デスクランブル処理、
4.グレイコードの逆変換処理、
5.トラックアドレス情報が確定する部分でのトラック番号の抽出結果とトラックアドレスが予測判定可能な部分でのトラック番号の予測判定結果との比較、
(両者が一致する場合にはトラックアドレス確定し、一致しない場合には次のウォーブルアドレスの配置領域561、562からのウォーブル信号の再生に移る)、
の手順となる。
次に、グルーブ領域に不定ビットを形成するために、ランド幅を変えずにグルーブ幅を局所的に変化させる方法を図58に示す。図58(a)に示した方法では図示してないが情報記録媒体221の原盤記録装置におけるグルーブ領域502形成用の集光スポット791の露光量をα位置とβ位置で変化させることでグルーブ幅を変化させ、その変化量を調整することでランド領域503、504の幅を一定に保つことが出来る。
図58(b)に示した方法では原盤記録装置にグルーブ領域形成用の集光スポットとして702と703の2スポットを利用し、γ位置とδ位置で両者の相対位置を変化させる。
12-2)本発明における書き換え形情報記録媒体のトラックアドレス情報設定方法の説明
グルーブ幅を変化一部でさせる技術の導入で、ランド/グルーブ記録生成トラック方式のアドレッシングフォーマットは、図73における奇数/偶数ランド識別マークは不要になり、他の情報記録媒体のアドレッシング構造と更に近似されることになる。図81にその一実施例を示す。
12-3)本発明における追記形情報記録媒体のフォーマット説明
ライトワンス型情報記録媒体に使われる、追記型情報記録媒体は記録後のデータストリームを再生専用情報記録媒体とできる限り近似させることが重要であり、図81のグルーブトラックのウォブルアドレッシングフォーマットをそのまま利用する。但し、奇数/偶数識別判定は不要のため、トラック幅を変化させる必要は無く、その部分を削除しダミーコードを付加しておく。このことにより、書き換え型ランド/グルーブトラック方式と同じアドレッシングフォーマットが構成できる。
13〕本発明の記録可能な情報記録媒体におけるトラックアドレス設定法の第4の実施例説明
[局所的にグルーブのウォーブル振幅を変えてグルーブ内に不定ビットを持たせる]〔発明ポイント(Y)の内容に対応する〕
図58に示すようにグルーブ幅を局所的に変化させてグルーブ領域内に不定ビットを分散配置する方法に対する他の実施例として図59に示すようにグルーブ領域502内のウォーブル振幅幅を変化させる方法が有る。グルーブ領域502内の不定ビット領域710では壁面が直線なため、ウォーブル検出信号は得れないが、それに隣接するランド領域503と507のε位置とη位置ではもう一方の壁がウォーブルしているため、ウォーブル信号が得れる。図58や図39に示した方法と比べると不定ビット領域内のグルーブ幅変動が小さいので、その上に記録する記録マークからの再生信号のレベル変動が小さく、書き換え可能な情報のエラー率の悪化を抑える効果が有る。この方法を用いた場合のフォーマット方法としては図78または図81に示した形式と全く同じ構造を取る事が出来る。
14〕本発明の記録可能な情報記録媒体における第5の実施例説明
〔発明ポイント(Z)の内容に対応する〕
14-1)トラックアドレスをセグメント間のヘッダ領域に配置する方式の全体説明
情報記録媒体におけるアドレッシング方式として、グルーブウォブルイング方式は利点が多いが、ランドトラックとグルーブトラックを共に記録トラックとして利用する場合は、ランドトラックのアドレスデータ埋め込みが困難であることは、冒頭で説明されている。その解決策として本発明技術が考案された、それでも局所的ではあるが、トラック幅が変化することは避けられない。特に記録密度向上からトラック幅を縮小すると、トラック幅の狭い所と広い所では記録信号の特性が変わってしまい、データ信頼性が異なる事になる。そこで、本発明ではグレイコードなどの利用によって、トラック幅が変化する領域を最小にする考案がなされた。それでも局所的に存在する事になる為、その対応策が求められている。本発明の基本構成を示すデータ構造において、図48に示された構成は、複数のセクターをセグメントブロックとして構成し、複数のセグメントブロックが集合して誤り訂正データブロックが構成されている。記録データに対しては、このセグメントデータブロック単位でヘッダ領域が441が付加されて記録される場合、ヘッダ領域はセグメント単位で存在する事から情報が多重書きされている事と同じ事になる。即ち、メインデータより信頼性が落ちても問題は生じない。そこで、ランド/グルーブ記録トラック方式に於けるアドレッシング配置構造として、トラック番号(T*)とゾーン番号(Z*)並びにセグメント番号(S*)の組合せでアドレスデータを構成するようになし、トラック幅が変化させるデータであるトアック番号の配置はヘッダ領域に配置して記録するものである。
14-2)本発明における書き換え形情報記録媒体におけるトラックアドレス記録フォーマット説明
図82に、書き換え型情報記録媒体に使われる、ランド/グルーブ記録再生トラック方式でのアドレスデータとして、本発明のアドレスデータ配置構造の一実施例を図示する。
ゾーン番号やセグメント番号は対峙するトラック間で同じデータであるため、グレイコードを利用する必要も無く、どのようなコードを用いても、トラック幅を変化させることは無い。そこで、トラック番号のみをグレイコードなど、対峙するトラック間でデータの変化するビットを最小にできるコードを用いて、更にヘッダ領域に配置することで、記録再生信号もアドレス情報信号も信頼性を下げることなく、記録再生が可能となる効果が生み出されることになる。
14-3)本発明における追記形情報記録媒体のフォーマット説明
ライトワンス型情報記録媒体においても、他の発明と同様にグルーブウォブルアドレッシングデータをそのまま利用することになる。
15〕本発明における情報再生装置もしくは情報記録再生装置の説明
本発明実施例における情報再生装置もしくは情報記録再生装置内部の構造を図60と図61に示す。図60において、インターフェース部142にはデータが取り込まれる。取り込まれたメインデータは、データ付加部168に導かれ、ここで、図20で示したようなデータ処理が開始される。データID発生部165からデータIDが出力されデータ付加部168に与えられる。CPR_MAIデータ発生部167からは、コピープロテクトに関するデータが出力され、データ付加部165に与えられる。またプリセットデータ発生部166からは、プリセットデータが出力され、データ付加部165に与えられる。データ付加部168から出力されたデータは、図27で説明したようなデータ配置がデータ配置部分交換部163で行なわれ、またスクランブル回路157でメインデータ部のスクランブルが行なわれる。そして、スクランブル回路157の出力は、ECCエンコーディング回路161において、PO,PIが付加されて、且つ図28のように、POのインターリーブが行なわれる。この結果得られた、ECCブロックは変調回路151に入力されて、変調信号となる。このとき、入力データに応じて、変調用変換テーブル153の変調コードが選択される。変調回路151からの変調データは、データ合成部144において、図29に示したように同期コードが付加される。同期コードは同期コード選択テーブル記録部147から、同期コード選択部146が選択している。この選択の際、同期コードとデータとの連続部分において“0”及び“1”のランが所定の範囲に納まるように、DSV値計算部148が同期コードの選択を制御している。データ合成部144から情報記録再生部141に記録信号が与えられる。制御部143は、他のブロック全体を統括するためのものである。
図61には再生系を示している。情報記録再生部141から出力された信号は、ウォブル信号復調回路150、同期コード位置抽出部145、復調回路152に入力される。ウォブル信号復調回路150で復調されたウォブル信号は、例えばスピンドルモータ回転制御回路160の参照信号となる。同期コード抽出部145で抽出された同期コード(SYNC)は、復調回路152のタイミングを制御する。復調回路152では、変調信号を復調用変換テーブル記録部154に記録されている変換テーブルを用いて復調する。復調された復調信号は、ECCデコーディング回路162に入力される。ECCデコーディング回路162は、図28に示した状態のECCブロックを処理する。即ちPOを元の状態にセットし、このPO(16バイト)とPI(10バイト)を用いてエラー訂正処理を行う。次にデスクランブル回路159は、メインデータ部のデスクランブルを施す。次に、データ配置部分交換部164が左右ブロックの交換されている行を、元のブロックの配置位置にもどす。この状態で、メインデータ抽出部173は、復調されたメインデータを抽出することができ、このデータは、インターフェース142を介して、出力される。さらにデータ配置部分交換部164の出力は、データID抽出部171に供給される。抽出されたデータIDは、認識データ及びタイミングデータとして制御部143に入力される。データIDは、デスクランブル回路158で一部がデスクランブルされる。また、エラーチェック部172において、エラーチェックが行なわれ、正常なIDではない場合には、再度のデータ取込が制御部143により実行される。
位相復調方法の説明1
図62には、ウォブル信号復調回路150の構成例を示している。再生部の光ヘッドで読取られ、電気信号に変換されたウォブル信号は、アナログ処理部1501の帯域フィルタ(BPF)1501aで雑音低減され、ウォブルPLL部1501bにおいて、位相同期が取られる。これにより、ウォブルPLL部1501bからは、書込みクロック、及びキャリアを得ることができる。キャリアは、デジタル処理部1502の位相比較器1502aに入力されている。位相比較器1502aにて、ウォブル信号はキャリアとの位相比較が行なわれる。ウォブル信号の位相が変化するとそれに応じて、位相差情報が得られる、この位相差情報は、低域フィルタ(LPF)1502bにてフィルタリングされ、次にスライサあるいは逓倍器1502cにより波形整形される。つまりこの位相差情報を波形成形したものが、アドレスデータとなる。
位相復調方法の説明2
図63に位相変調されたウォブル信号の復調回路の他の例を示す。ウォブル信号には媒体固有の雑音や、隣接するトラックからのクロストークによる雑音などが含まれている。このためバンドパスフィルタ(BPF)1505a等を介し、ウォブル信号の周波数帯域以外の雑音を取り除く。雑音を除去されたウォブル信号は搬送波を生成するためにフェイズロックループ回路(PLL回路)1505bに入力される。PLL回路1505bからは搬送波と、搬送波に同期する様に遅延されたウォブル信号が出力され、その後、乗算器1505cにおいて両者の乗算をおこなう。位相変調された信号を復調する場合、一般に変調信号と搬送波の乗算によって位相の極性を判別することができる。
乗算後の波形は図64に示すように第1位相と第2位相でオフセットされた形で検波される。図64(A)は、位相変調されたウォブル信号であり、図64(B)はPLL回路1505bで生成されたキャリアである。そして図64(C)が乗算器1505cの出力である。よってこの波形をローパスフィルタ(LPF)等を用いて高周波成分を除いた波形を閾値検出、もしくは直接積分検出をおこなうことでアドレスデータの復号をすることができる。席分岐1505d、スライサ1505eの系統は、高周波成分を除いた波形を閾値検出するルートである。また、LPF1505f、スライサ1505gの系統で、乗算出力の成形を行い、クロック生成器1505hの制御信号としてもよい。
同期信号及びアドレス情報検出の例
図65に同期信号の検出方法を示す。ウォブル信号を乗算処理することで位相検波された信号はアドレス検出器へ入力される。アドレス検出器1505i内の構成は図66のようになっている。図63と対応する部分には同一符号を付している。
位相検波された信号はクロック生成器1505hから受け取ったタイミング信号に基づいて,積分器i(11)において、積分される。積分された信号は2値復号のためスライサi(13)へ入力されるとともに、同期信号検出器i(12)にも入力される。アドレスデータ制御器i(14)では同期信号検出結果と2値化された信号を受け取りアドレス情報の制御をおこなう。アドレスデータ制御器i(14)からはライト、RE信号リード、サーボ等に必要な制御信号をコントローラに受け渡す。
図67に同期信号検出器i(12)の具体例を示す。同期信号の検出は、積分出力を2値化した結果から用意されたパターンと比較しておこなう方法がある。この際例えば同期信号との比較は図67のようなマッチドフィルタとスライサを用いる方法がある。スライサの閾値は同期信号パターンと同期信号以外の部分に起こりうるパターンの最小ハミング距離によって適宜選択する。ほかに積分結果を直接マッチドフィルタ等を介し、結果を2値化することで同期信号を検出する方法も考えられる。
図83は、ディスク形状の情報記憶媒体Dから、そこに格納されている情報を読み出してデコード処理し再生する再生処理、又、映像信号、副映像信号、音声信号を受けて、エンコード処理し、これをディスク形状の情報記憶媒体Dへと記録する記録処理を行うディスク装置を示している。
情報記憶媒体Dは、ディスクドライブ部211Lに装着されている。このディスクドライブ部211Lは、装着された情報記憶媒体Dを回転駆動し、光ピックアップ(情報記憶媒体Dが光ディスクの場合)等を用いて情報記憶媒体Dに格納されている情報を読み取りデコードし再生し、又は、エンコードされた信号に応じた情報を情報記録媒体に記録するものである。
以下、再生処理について本実施の形態に係るディスク装置を説明する。ディスクドライブ部211Lで読み取られた情報は、MPU(Micro Processing Unit)部213Lに供給され、エラー訂正処理が施された後、図示しないバッファに格納され、この情報のうち、制御データ領域の管理情報は、メモリ部214Lに記録され、再生制御やデータ管理等に利用される。
上記バッファに格納された情報のうち、ビデオ・オブジェクト領域の情報は、分離部226Lに転送され、主映像パック203L、音声パック204L及び副映像パック205L毎に分離される。主映像パック203Lの情報は映像デコーダ部227、音声パック204の情報は音声デコーダ部229L、副映像パック205Lの情報は副映像デコーダ部228Lにそれぞれ供給され、デコード処理が行なわれる。映像デコーダ部227でデコード処理された主映像情報と、副映像デコーダ部228Lでデコード処理された副映像情報とは、D−プロセッサ部230Lに供給されて重畳処理が施された後、D/A(Digital/Analogue)変換部231でアナログ化され、副映像情報は、そのままD/A変換部232Lでアナログ化され、映像信号として図示しない映像表示装置(例えばCRT:Cathode Ray Tube等)に出力される。音声デコーダ部229Lでデコード処理された音声情報は、D/A変換部233Lでアナログ化され、音声信号として図示しない音声再生装置(例えばスピーカ等)に出力される。
上記のような情報記憶媒体Dに対する一連の再生動作は、MPU部213によって統括的に制御されている。MPU部213Lは、キー入力部212Lからの操作情報を受け、ROM(Read Only Memory)部215Lに格納されたプログラムに基づいて、各部を制御している。
記録処理について、本実施の形態に係るディスク装置を説明する。映像、音声及び副映像の各入力端子を通して入力される各データが、A/D変換部217L,218L,219Lに供給され、アナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換部218でデジタル変換されたビデオデータは、映像エンコーダ部220Lに供給されエンコードされる。A/D変換部218でデジタル変換された副映像データは、副映像エンコーダ部221に供給されエンコードされる。A/D変換部219Lでデジタル変換されたオーディオデータは、音声エンコーダ部222Lに供給されエンコードされる。
各エンコーダでエンコードされたビデオ、オーディオ及び副映像の各データは、多重部(MUX: Multiplexer)216Lに供給され、それぞれパケット及びパック化し、ビデオパック、オーディオパック及び副映像パックとしてMPEG−2プログラムストリームを構成する。多重化されたデータ群は、ファイルフォーマッタ部225に供給され、このディスク装置で記録再生可能なファイル構造に準拠したファイルに変換する。このファイルは、ボリュームフォーマッタ部224に供給され、このディスク装置で記録再生可能なボリューム構造に準拠したデータフォーマットを形成する。ここでは、ファイルフォーマッタ部225Lでファイル化されたデータ及びそのファイル化されたデータを再生するための再生制御情報等を付加する。その後、物理フォーマッタ223Lに供給され、ディスクドライブ部211Lにより、ディスクDへファイル化されたデータを記録する。
このような再生動作や記録動作は、このディスク装置のROM部215Lに記憶された一連の処理プログラムに基づいて、キー入力部212Lからの指示のもと、MPU部213Lで実行することにより行われるものである。なお、このディスク装置では、副映像データのエンコード処理とデコード処理との両方を行っているが、エンコード処理のみがオーサリングシステム等で単独で行われたり、デコード処理のみがディスク装置で行われる場合も可能である。
光ディスク装置は、光ディスク10の論理フォーマットを参照して動作する。光ディスク10はリードインエリアからリードアウトエリアまでのボリューム空間は、先に説明したようなボリューム及びファイル構造を有している。この構造は、論理フォーマットとして特定の規格、例えば、マイクロUDF(micro UDF)及びISO9660に準拠されて定められている。ボリューム空間は、既に説明したように物理的に複数のセクタに分割され、その物理的セクタには、連続番号が付されている。論理アドレスは、マイクロUDF(micro UDF)及びISO9660で定められるように論理セクタ番号LSNを意味し、論理セクタは、物理セクタのサイズと同様に2048バイトであり、論理セクタの番号LSNは、物理セクタ番号の昇順とともに連続番号が付加されている。
図84は、上記した装置の信号処理系統を詳しく示したプレーヤ基準モデルを示す。再生期間中、ディスクから読まれたプログラムストリーム内の各パックは復号/エラー訂正回路102Kのインターフェース部(先に説明した)からトラックバッファ104Kに送られ、そこで蓄えられる。トラックバッファ104Kの出力はデマルチプレクサ114Kで分離され、ISO/IEC 13818−1で規定される各ターゲットデコーダ124K、126K、126K、130K、132K、134K用の入力バッファ116K、118K、120K、122Kに転送される。トラックバッファ104Kはデコーダ124K、126K、128K、130K、132K、134Kへのデータ連続供給を確保するために設けられる。ナビパック内のDSI_PKTはトラックバッファ104Kに蓄えられると同時にデータサーチ情報(DSI)バッファ106Kにも蓄えられ、DSIデコーダ110Kでデコードされる。DSIデコーダ110KにはDSIデコーダ・バッファ112Kも接続され、復号/エラー訂正回路102Kにはシステム・バッファ108Kも接続される。
ビデオバッファ116Kの出力(主映像)はHD用デコーダ124K、SD用デコーダ126Kに供給される。HD用デコーダ124K、SD用デコーダ126Kの出力はそのままセレクタ156Kに供給されるとともに、バッファ136K、138Kを介してセレクタ156Kに供給される。セレクタ156Kの出力はレターボックスコンバータ160Kを介してミキサ162Kに供給される。
副映像バッファ118Kの出力はHD用デコーダ128K、SD用デコーダ130Kに供給される。HD用デコーダ128K、SD用デコーダ130Kの出力はそのままセレクタ158Kに供給されるとともに、バッファ142K、144Kを介してセレクタ158Kに供給される。セレクタ158Kの出力はミキサ162Kに供給される。
オーディオバッファ120Kの出力はオーディオデコーダ132Kに供給される。再生制御情報(PCI)バッファ122Kの出力はPCIデコーダ134Kに供給される。オーディオデコーダ132Kにはオーディオデコーダバッファ146Kも接続され、オーディオデコーダ132Kの出力はそのまま出力される。PCIデコーダ134KにはPCIデコーダバッファ148Kも接続され、PCIデコーダ134Kの出力はハイライト(HIL)バッファ150を介してHILデコーダ152Kに供給される。HILデコーダ152KにはHILデコーダバッファ154Kも接続され、HILデコーダ152Kの出力はそのまま出力される。
各デコーダ124K、126K、128K、130K、132K、134Kの電源投入タイミングは上述したバージョン番号、圧縮/非圧縮フラグに応じて制御され、SD/HD方式に応じて必要なデコーダがスタンバイされ、節電しつつ、再生開始を迅速に行うことができる。
図85を用いて複数の副映像パケットの副映像データにより構成される副映像ユニットについて説明する。1GOP内に十数画面分の静止画のデータ(たとえば字幕)としての副映像ユニットが記録できるようになっている。副映像ユニット(SPU)は、副映像ユニットヘッダ(SPUH)、ビットマップデータで構成される画素データ(PXD)、表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)により構成されている。
表示制御シーケンステーブル(SP_DCSQT)のサイズは副映像ユニットの半分以下である。表示制御シーケンス(SP_DCSQ)は各画素の表示制御の内容を記述する。各表示制御シーケンス(SP_DCSQ)は連続して互いに接して記録される。
副映像ユニット(SPU)は整数個の副映像パックSP_PCKに分割され、ディスク上に記録されている。副映像パックSP_PCKは一つの副映像ユニット(SPU)の最終パックに限り、パディングパケット又はスタッフィングバイトを持つことができる。ユニットの最終データを含むSP_PCKの長さが2048バイトに満たない場合は調整される。最終パック以外のSP_PCKはパディングパケットを持つことができない。
副映像ユニット(SPU)のPTSは例えばトップフィールドに整合されなければならない。副映像ユニット(SPU)の有効期間は副映像ユニット(SPU)のPTSから次に再生される副映像ユニット(SPU)のPTSまでである。ただし、副映像ユニット(SPU)の有効期間中にナビゲーションデータにスチルが発生する場合は、副映像ユニット(SPU)の有効期間はそのスチルが終了するまでである。
副映像ユニット(SPU)の表示は以下に定義される。
1)表示制御コマンドによって副映像ユニット(SPU)の有効期間中に表示がオンされた場合、副映像データが表示される。 2)表示制御コマンドによって副映像ユニット(SPU)の有効期間中に表示がオフされた場合、副映像データがクリアされる。 3)副映像ユニット(SPU)の有効期間が終了した時副映像ユニット(SPU)は強制的にクリアされ、副映像ユニット(SPU)はデコーダバッファから破棄される。副映像ユニットヘッダ(SPUH)については、先に説明した通りである。
上記したようにこの発明に係るシステムは、
<メインデータがセグメント単位の構造を持つ>
つまり集束光を用いて情報再生が可能もしくは情報記録が可能な情報記録媒体において、情報記録媒体に記録可能なデータないしは情報記録媒体に記録されたデータが第1のデータ単位(ECCブロック)を有する。そして前記第1のデータ単位は第2のデータ単位(セグメント)から構成され、前記第2のデータ単位は第3のデータ単位(セクター)から構成され、前記第3のデータ単位は第4のデータ単位(シンクデータ)から構成され、かつ前記第1のデータ単位内でデータのエラー検出もしくはエラー訂正が可能である事を特徴とする情報記録媒体もしくは前記情報記録媒体から前記データを再生する情報再生装置ないしは前記情報記録媒体に対して前記データを記録する情報記録再生装置を提供する。
<効果>ECCブロック内が複数のセグメントに分割されている構造になっているため、複数のセクターから構成されるセグメント毎に情報記録媒体に対して分離配置が可能となる。その結果、1.再生専用の情報記録媒体に対してコンテンツ内容に応じて媒体構造を最適化出来る。すなわち1A〕何度でも自由に複製が可能な(それ程重要で無い)データ内容の場合…従来と同様、各セグメント毎に繋げて(詰めて)連続にデータを記録する構造である。1B〕コピー制限の対象となる重要なデータ内容の場合…情報記録媒体上で各セグメント毎に分離配置し、その隙間(前後のセグメントの間)に“再生専用情報記録媒体の識別情報”“コピー制御情報”“暗号鍵関連情報”“アドレス情報”等を記録可能な構造である。これにより情報記録媒体に記録されたデータの保護とアクセスの高速性を保証出来る。また、2.再生専用/追記可能形/書き換え可能形情報記録媒体に対するデータ構造の互換性を確保し、再生装置あるいは記録再生装置の処理回路・制御ソフトの兼用化/簡素化が図れる。2A〕再生専用の情報記録媒体が上記〔1A〕の構造を有した場合には…上記〔1A〕の構造のデータに対してセグメントの境界部で分割し、その間に特定情報を配置する事で追記可能形/書き換え可能形情報記録媒体に対してセグメント単位での追記処理/書き換え処理が可能となる。2B〕再生専用の情報記録媒体が上記〔1B〕の構造を有した場合には…上記〔1B〕の構造のデータに対してセグメント間(隙間)に挿入するデータ内容を再生専用情報記録媒体と追記可能形情報記録媒体と書き換え可能形情報記録媒体間の識別を可能とすると共に追記可能形/書き換え可能形情報記録媒体に対してセグメント単位での追記処理/書き換え処理が可能となる。
またこの発明では、
<トラックアドレスがGray Code で記録されるか、セグメント間の隙間に配置される>
つまり、集束光を用いて情報の記録と再生が可能な情報記録媒体において、情報記録媒体に記録可能なデータないしは情報記録媒体からの再生可能なデータが第1のデータ単位(ECCブロック)を有し、前記第1のデータ単位は第2のデータ単位(セグメント)から構成され、前記第2のデータ単位は第3のデータ単位(セクター)から構成される。そして、前記第3のデータ単位は第4のデータ単位(シンクデータ)から構成され、かつ、前記第1のデータ単位内でデータのエラー検出もしくはエラー訂正が可能であり、前記情報記録媒体にはゾーン識別情報、セグメントアドレス情報、トラックアドレス情報の内、少なくともいずれかが予め記録された構造を有し、前記ゾーン識別情報ないしはセグメントアドレス情報がウォーブル変調により記録され、前記トラックアドレス情報が特定のフォーマットで記録された事を特徴とする情報記録媒体もしくは前記情報記録媒体から前記データを再生する情報再生装置ないしは前記情報記録媒体に対して前記データを記録する情報記録再生装置を提供できる。
<効果>1.ゾーン識別情報とセグメントアドレス情報がウォーブル変調で記録されているため、ゾーン識別情報とセグメントアドレス情報が記録されている領域に重複して追記可能または書き換え可能なデータ(記録マーク)の記録が可能となる。従ってプリピットアドレスを形成し、そのプリピットアドレス位置には、追記可能または書き換え可能なデータ(記録マーク)の記録を禁止されている従来のDVD−RAMディスク(書き換え可能な情報記録媒体)に比べて記録容量の向上が図れる。2.ゾーン構造を採用した場合、ゾーン識別情報とセグメントアドレス情報が記録されたウォーブル変調情報は隣接トラック間で全く同じ形態をしている。隣接トラック間で形態が異なるトラックアドレス情報に対しては特定のフォーマット(Gray Code で記録されるか、セグメント間の隙間に配置される)で記録されるため、L/Gへの記録が可能となる。よって、グルーブ記録の従来のDVD−RWディスク(書き換え可能な情報記録媒体)に比べて、本発明のシステム方が記録容量の向上を図れる。
またこの発明では、
<トラックアドレスに対して加算/減算/Exclusive OR のどれか/組み合わせでEDC付加> つまり、集束光を用いて情報の記録と再生が可能であり、ゾーン識別情報、セグメントアドレス情報、トラックアドレス情報の内、少なくともいずれかが予め記録された構造を有した情報記録媒体において、トラックアドレス情報に対して加算処理、減算処理もしくは Exclusive OR 演算処理のうち少なくとも1つの処理もしくはその内の少なくとも2つの処理の組み合わせ処理により Error Detection Code を付加した構造を有することを特徴とした情報記録媒体もしくは前記情報記録媒体から前記データを再生する情報再生装置ないしは前記情報記録媒体に対して前記データを記録する情報記録再生装置を提供できる。
<効果>グレイコードもしくは変形グレイコード特性を有したトラックアドレス情報に対して加算処理、減算処理もしくは Exclusive OR 演算処理のうち少なくとも1つの処理もしくはその内の少なくとも2つの処理の組み合わせ処理により作成したError Detection Codeは同様にグレイコードもしくは変形グレイコード特性を保持している。
そのため 1.トラックアドレス情報に対して Error Detection Code を付加することにより、トラックアドレス情報の再生精度が飛躍的に向上する。2.Error Detection Code にグレイコード特性を持っているため、ランド部での不定ビット数が少ないため、Error Detection Code 領域も含めたランド部のトラックアドレス情報の再生・判別精度が向上する。
次に上述した本発明の情報記録媒体、その再生装置及び方法、情報記録装置及び方法について、全体像を図面の簡単な説明の前に挿入している表1と表2を用いて説明することにする。
本発明における各ポイントの組み合わせにより生じる組み合わせ効果を表1を参照して説明する。
注〕一覧表の中で独自効果を発揮する中心となる発明ポイント内容に対しては“丸”印を、独自効果内容に対して関連するが、付加的で有り、必ずしも必須では無い発明ポイント内容には“三角”印を付けている。
表1に対応した各効果番号毎の効果説明
<高画質映像に合わせた大容量を保証すると共に高画質映像へのアクセス信頼性を高めた>
(1)従来のSD映像に対してファイル又はフォルダ分離によりHD映像を情報記憶媒体に記録する場合、HD映像は解像度が高いため情報記憶媒体の記録容量増加が必須となる。グルーブ記録よりL/G記録の方が記録容量の増加が可能で、プリピットアドレス上には記録マークを形成できないのでプリピットアドレスよりウォーブル変調によるアドレス情報記録の方が記録効率が高いので“L/G記録+ウォーブル変調”が最も記録容量が増加する。またこの場合トラックピッチが密になるため、より一層のアドレス検出性能を向上させてアクセスの信頼性を高める必要が有る。“L/G記録+ウォーブル変調”で問題となる不定ビットの発生に対してグレイコードまたは特殊トラックコードを採用して不定ビットの発生頻度を下げると共に、ビット単位の加算、減算、Exclusive OR 演算などを行い、グレイコード特性または特殊トラックコード特性を保持したままのエラー検出コード付加とスクランブル処理を行い、アドレスの検出精度を大幅に増加させることが可能となる。
(2)情報記憶媒体に記録する映像の高画質化に合わせて副映像の高画質化も必要となるが、副映像を従来の2ビットから4ビット表現にすると記録すべきデーター量が増大するため、それを記録する情報記憶媒体の大容量化が必要となる。グルーブ記録よりL/G記録の方が記録容量の増加が可能で、プリピットアドレス上には記録マークを形成できないのでプリピットアドレスよりウォーブル変調によるアドレス情報記録の方が記録効率が高いので“L/G記録+ウォーブル変調”が最も記録容量が増加する。またこの場合トラックピッチが密になるため、より一層のアドレス検出性能を向上させてアクセスの信頼性を高める必要が有る。“L/G記録+ウォーブル変調”で問題となる不定ビットの発生に対してグレイコードまたは特殊トラックコードを採用して不定ビットの発生頻度を下げると共に、ビット単位の加算、減算、Exclusive OR 演算などを行い、グレイコード特性または特殊トラックコード特性を保持したままのエラー検出コード付加とスクランブル処理を行い、アドレスの検出精度を大幅に増加させることが可能となる。
<効率の良いゾーン分割を可能として記録効率を高め、高画質映像に合わせた大容量を保証した>>
(3)従来のSD映像に対してファイル又はフォルダ分離によりHD映像を情報記憶媒体に記録する場合、HD映像は解像度が高いため情報記憶媒体の記録容量増加が必須となる。グルーブ記録よりL/G記録の方が記録容量の増加が可能で、プリピットアドレス上には記録マークを形成できないのでプリピットアドレスよりウォーブル変調によるアドレス情報記録の方が記録効率が高いので“L/G記録+ウォーブル変調”が最も記録容量が増加する。グルーブ記録よりL/G記録の方が記録容量の増加が可能で、プリピットアドレス上には記録マークを形成できないのでプリピットアドレスよりウォーブル変調によるアドレス情報記録の方が記録効率が高いので“L/G記録+ウォーブル変調”が最も記録容量が増加する。L/G記録の場合には図37のゾーン構造を取るが、1周をECCブロックの整数倍になるようにゾーン配置をすると記録効率が非常に悪くなる。それに対して本発明のように1個のECCブロックを複数(本発明実施例では8個)のセグメントに分割し、情報記憶媒体上の1周をセグメントの整数倍になるようにゾーンを配置するように設定すると記録効率が非常に高くなる。
(4)情報記憶媒体に記録する映像の高画質化に合わせて副映像の高画質化も必要となるが、副映像を従来の2ビットから4ビット表現にすると記録すべきデーター量が増大するため、それを記録する情報記憶媒体の大容量化が必要となる。グルーブ記録よりL/G記録の方が記録容量の増加が可能で、プリピットアドレス上には記録マークを形成できないのでプリピットアドレスよりウォーブル変調によるアドレス情報記録の方が記録効率が高いので“L/G記録+ウォーブル変調”が最も記録容量が増加する。L/G記録の場合には図37のゾーン構造を取るが、1周をECCブロックの整数倍になるようにゾーン配置をすると記録効率が非常に悪くなる。それに対して本発明のように1個のECCブロックを複数(本発明実施例では8個)のセグメントに分割し、情報記憶媒体上の1周をセグメントの整数倍になるようにゾーンを配置するように設定すると記録効率が非常に高くなる。
<高画質映像の保護と媒体種別の識別とアクセス速度の確保>
(4)従来のSD映像に対してファイル又はフォルダ分離によりHD映像を情報記憶媒体に記録する場合、HD映像は解像度が高く、不正コピーの保護を強化したいという要求が高い。本発明のようにECCブロック内を複数のセグメントに分割し、再生専用情報記憶倍体内で2種類の記録フォーマットを持ち、不正コピーの保護をしたい高画質映像に対してセグメント間にヘッダーを持たせる事で、再生専用/追記形/書き換え形間でのフォーマット互換性を確保できるだけでなく、媒体種別の識別が容易となる。更に追記形/書き換え形ではその識別情報の一部としてセグメント内に複数回のアドレス情報が記録されているので、同時にアクセス速度の向上という副次効果を発揮する。
(6)情報記憶媒体に記録する映像の高画質化に合わせて副映像の高画質化も必要となる。従来の2ビットから4ビット表現にした高画質の副映像に対して不正コピーの保護を強化したいという要求が高い。。本発明のようにECCブロック内を複数のセグメントに分割し、再生専用情報記憶倍体内で2種類の記録フォーマットを持ち、不正コピーの保護をしたい高画質の副映像に対してセグメント間にヘッダーを持たせる事で再生専用/追記形/書き換え形間でのフォーマット互換性を確保できるだけでなく、媒体種別の識別が容易となる。更に追記形/書き換え形ではその識別情報の一部としてセグメント内に複数回のアドレス情報が記録されているので、同時にアクセス速度の向上という副次効果を発揮する。
<高画質映像に合わせて記録密度を上げても表面の傷が現行と同じ長さまで付くのを保証した>
(7)従来のSD映像に対してファイル又はフォルダ分離によりHD映像を情報記憶媒体に記録する場合、HD映像は解像度が高いため情報記憶媒体の記録容量増加が必須となる。記録密度が高くなると、情報記憶媒体表面に付いた同じ長さの傷が及ぼす記録データーへの影響範囲が相対的に大きくなる。従来のDVDでは16セクターで1ECCブロックを構成していたのに対して本発明ではその2倍の32セクターで1ECCブロックを構成する事で高画質映像に合わせて記録密度を上げても表面の傷が現行と同じ長さまで付くのを保証した。更に1ECCブロック内を2個の小さいECCブロックで構成させると共に1セクター内を2個のECCブロックに分散配置することで同一セクター内のデーターを実質的にインターリーブした事になり、より一層長い傷やバーストエラーに対する影響を軽減できる。
(8)情報記憶媒体に記録する映像の高画質化に合わせて副映像の高画質化も必要となるが、副映像を従来の2ビットから4ビット表現にすると記録すべきデーター量が増大するため、それを記録する情報記憶媒体の大容量化が必要となる。。記録密度が高くなると、情報記憶媒体表面に付いた同じ長さの傷が及ぼす記録データーへの影響範囲が相対的に大きくなる。従来のDVDでは16セクターで1ECCブロックを構成していたのに対して本発明ではその2倍の32セクターで1ECCブロックを構成する事で高画質映像に合わせて記録密度を上げても表面の傷が現行と同じ長さまで付くのを保証した。更に1ECCブロック内を2個の小さいECCブロックで構成させると共に1セクター内を2個のECCブロックに分散配置することで同一セクター内のデーターを実質的にインターリーブした事になり、より一層長い傷やバーストエラーに対する影響を軽減できる。
(9)従来のSD映像に対してファイル又はフォルダ分離によりHD映像を情報記憶媒体に記録する場合、HD映像は解像度が高いため情報記憶媒体の記録容量増加が必須となる。記録密度が高くなると、情報記憶媒体表面に付いた同じ長さの傷が及ぼす記録データーへの影響範囲が相対的に大きくなる。従来のDVDでは16セクターで1ECCブロックを構成していたのに対して本発明ではその2倍の32セクターで1ECCブロックを構成する事で高画質映像に合わせて記録密度を上げても表面の傷が現行と同じ長さまで付くのを保証した。更に1ECCブロック内を2個の小ECCブロックで構成させると共に本発明ではセクター毎に異なる小ECCブロックに属するPOデーターを挿入するため、小ECCブロック内のPOデーターが1個置きのセクター内にインターリーブ配置(分散配置)されるのでPOデーターの傷による信頼性が上がり、精度の良いエラー訂正処理が可能となる。
(10)情報記憶媒体に記録する映像の高画質化に合わせて副映像の高画質化も必要となるが、副映像を従来の2ビットから4ビット表現にすると記録すべきデーター量が増大するため、それを記録する情報記憶媒体の大容量化が必要となる。記録密度が高くなると、情報記憶媒体表面に付いた同じ長さの傷が及ぼす記録データーへの影響範囲が相対的に大きくなる。従来のDVDでは16セクターで1ECCブロックを構成していたのに対して本発明ではその2倍の32セクターで1ECCブロックを構成する事で高画質映像に合わせて記録密度を上げても表面の傷が現行と同じ長さまで付くのを保証した。更に1ECCブロック内を2個の小ECCブロックで構成させると共に本発明ではセクター毎に異なる小ECCブロックに属するPOデーターを挿入するため、小ECCブロック内のPOデーターが1個置きのセクター内にインターリーブ配置(分散配置)されるのでPOデーターの傷による信頼性が上がり、精度の良いエラー訂正処理が可能となる。
<再生専用と追記形との完全互換が取れると共に細かい単位での追記処理が可能>
(11)従来の DVD−R もしくは DVD−RW では細かい単位での追記/書き換えが不可能で、無理にそれを行おうとして Restricted Overwrite 処理を行うと既に記録されている情報の一部が破壊されるという問題が有った。本発明のように再生専用で複数種類の記録形式を設定可能とし、ECCブロック内で分割されたセグメントの間にヘッダを持つ記録構造を再生専用で持てるようにした事で再生専用と追記形との完全互換が可能となる。更にこのヘッダ部の途中から追記/書き換えを行えるので追記/書き換え処理による既に記録されたセグメント内の情報を破壊する危険性も無い。同時にこのヘッダ部の中で追記/書き換え時にガードエリアが一部重複して記録されるため、ヘッダ部内に記録マークが存在しないギャップ領域の存在を防止するため、このギャップ領域による2層間のクロストークの影響が除去でき、片面2記録層における層間クロストークの問題も同時に解消できる。
<確定アドレス情報配置頻度を高め、アクセス速度を確保する>
(12)本発明実施例ではトラック番号の偶数/奇数識別情報を利用して不定ビットの予測判定が可能になっているが、あくまでも予測判定の範囲で確実に確定はしない。それに対して不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加された部分では非常に高い精度でトラック情報を検出できる。そのため、本発明ではグルーブ領域にも不定ビットを配置し、ランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置する事でランド領域内にも不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加された部分の形成を可能としている。しかしランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置するので、不定ビットを持たないトラック番号情報611、612の配置頻度が相対的に低下する。これに対して本発明ではセグメント内で複数回のアドレス情報を配置する構造にする事でランド領域とグルーブ領域共に不定ビットを持たずエラー検出コードが付加された部分の配置頻度を高め、それによりアドレス情報再生精度を上げると共に高いアクセス速度を確保している。
<ウォーブルアドレスの読み取り精度を高める>
(13)図38に示すように1アドレスビット領域511の境界位置(“三角印”の部分)でのウォーブルの反転頻度を高めるとウォーブルアドレスの読み取り精度が向上する。そのため図44、図45に示すセグメントアドレス情報621の取り得る値として“000000”を排除してウォーブルの反転頻度を上げると共にデータースクランブル(642)を掛けて1アドレスビット領域511の境界位置(“三角印”の部分)でのウォーブルの反転頻度を高めている。この時、スクランブルの種情報641内で長く“0”が連続するとデータースクランブルを掛けた時にウォーブルの反転頻度が高まる効果が現れ辛い。従ってセグメントアドレス情報621の取り得る値として“000000”を排除して種情報641内の“1”の出現頻度を高める事でデータースクランブルを掛けた時のウォーブル反転頻度を高める効果を促進する働きをする。
<ランドでも確実にトラック番号を再生できる事でランド上でのトラック番号再生精度が上がる>
(14)本発明実施例ではトラック番号の偶数/奇数識別情報を利用して不定ビットの予測判定が可能になっているが、あくまでも予測判定の範囲で確実に確定はしない。それに対して不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加された部分では非常に高い精度でトラック情報を検出できる。そのため、本発明ではグルーブ領域にも不定ビットを配置し、ランド領域とグルーブ領域の両方に不定ビットを分散配置する事でランド領域内にも不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加された部分の形成を可能としている。その結果、ランド上でも高い再生精度でのトラック番号の読み取りが可能となり、ランド部でのアクセス安定性と高いアクセス速度を確保できる。
次に、表2を参照して各種組み合わせ構成と効果番号との対応を説明する、
〔表2に対応した各効果番号毎の効果説明〕
<非常に容易な方法でグルーブ領域とランド領域に不定ビットを分散配置できる>
(15)本発明実施例では±90度のウォーブル位相変調を採用する事で図58に示したグルーブ領域形成用の集光スポット701〜703の露光量変調もしくは2集光スポット間の相対位置変化と言う非常に簡単な方法でグルーブ領域とランド領域に不定ビットを分散配置できる。そのため、従来の情報記憶媒体作成用の原盤記録装置で本発明実施例を実現できる。既存の装置で実施できるため、新たな設備導入を必要とせず、安価な情報記憶媒体を製造する事が可能となる。
<ウォーブルアドレス情報の再生精度(信頼性)を大幅に高められる>
(16)本発明実施例では任意のデーターとの間でビット単位での“加算演算”、“減算演算”または“ Exclusive OR ”演算のいずれかあるいはそれらの組み合わせ演算の範囲内でEDCコード生成とデータースクランブル処理の両方が行えるので、非常に簡単な方法でウォーブルアドレス情報の再生精度(信頼性)を大幅に高められる(EDCによるエラー検知とスクランブルによるウォーブル反転位置の出現頻度を高められ、再生系で容易にPLLが掛けられる)と共に、それを実施するために必要な付加回路がほんのわずかなため、安価な情報再生装置または情報記録再生装置を提供できる。
<ECCブロック内で不定ビットが縦一直線に並ぶのを防止し、エラー訂正能力を確保する>
(17)図43(c)に示したウォーブルアドレスの配置領域561、562と図44、図45に示すトラック番号情報611、612のデーター配置では非常に記録正しく情報が並んでいるので、不定ビットの位置が図28に示すECCブロック内で縦に一直線に並んでしまい、ECCブロック内でのエラー訂正能力が大幅に低下すると言う問題が発生する。本発明では各種の方法で不定ビットの配置をずらし、ECCブロック内で不定ビットが縦に並ぶのを防止し、ECCブロック内でのエラー訂正能力に対する性能確保を行える。その結果、情報記憶媒体に記録した記録マークからの再生情報の(訂正後の)エラー率を低減し、精度の高い再生を可能にする。
<非常に簡単かつ安価にウォーブルアドレス情報の再生信頼性を上げられる>
(18)図48に示すように非常に簡単な回路でデータースクランブルを掛けられ、アドレスビット領域の境界部でのウォーブル反転頻度を高めてアドレスビット領域の境界位置の検出を容易にし、ウォーブルアドレス情報の再生信頼性を上げられるばかりでなく、図48に示す回路は非常に安価に作成できるため、安価な情報再生装置または安価な情報記録再生装置を提供できる。
(19)2アドレス領域内でパターン内容を変化させる事で結果的にアドレスビット領域の境界部でのウォーブル反転頻度を高めてアドレスビット領域の境界位置の検出を容易にし、ウォーブルアドレス情報の再生信頼性を上げられる。
<検出精度を高くトラック番号の偶数/奇数識別情報を配置できると共に記録マークへ影響を与えない>
(20)トラック番号の偶数/奇数識別情報をウォーブル変調のデーター構造では無く、図53または図54に示すような物理的な形状変化で記録するため、トラック番号の偶数/奇数識別情報に対する高い検出精度が確保できる。また、このトラック番号の偶数/奇数識別情報は各セグメント間のヘッダ領域に配置するため、各セグメント内に記録する記録マークによる記録情報に対する悪影響が無い。また、同時にこの情報を再生専用/追記形/書き換え形の情報記憶媒体の種類判別にも利用でき、不正コピーを防止したい高画質の映像情報や高画質の副映像情報に対する不正コピーの検知が容易となる。
<精度の高い不定ビットの予測判定が可能>
(21)トラック番号の偶数/奇数識別情報をウォーブル変調のデーター構造では無く、図53または図54に示すような物理的な形状変化で記録するため、トラック番号の偶数/奇数識別情報に対する高い検出精度が確保できる。そのため、この高い検出精度が確保できるトラック番号の偶数/奇数識別情報を基準として不定ビットの予測判定が行えるので、比較的高い精度での予測判定が行える。
<グルーブ領域に不定ビットを持たずにランド領域上で正確にアドレス番号が確定する>
(22)本発明実施例ではトラック番号の偶数/奇数識別情報を利用して不定ビットの予測判定が可能になっているが、あくまでも予測判定の範囲で確実に確定はしない。それに対して不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加された部分では非常に高い精度でトラック情報を検出できる。図55に示すように本発明ではL/G記録方法においてトラック番号情報をジグザグに累進設定する事でグルーブ領域に不定ビットを持たずにランド領域上で不定ビットを持たず、エラー検出コードが付加され、正確にアドレス番号が確定する箇所の設定が可能となり、ランド領域でも精度の高いトラック番号の確定が可能で有るばかりでなく、(早くアドレス番号が確定するので)比較的早いアクセス速度の確保が可能となる。
<ランド/グルーブ共容易かつ高速でアドレス番号の確定が行える>
(23)図79〜図81及び図44、図45に示すようにランドとグルーブ共に予めアドレス確定/予測判定領域の場所が決定されているので、アドレス確定領域とアドレス予測領域を即座に判別し、それぞれに有ったアドレス番号情報の確定と予測が行えるので、アドレス情報再生処理方法が容易になるばかりでなく、高速でアドレス番号の確定が行えるので、相対的に高速なアクセス処理が可能となる。
<セグメント内の記録マーク再生信頼性>
(24)本発明ではECCブロック内を複数のセグメントに分割し、各セグメント間にヘッダを配置し、図82に示すようにこのヘッダ領域内にトラックアドレス情報を配置している。その結果L/G記録でウォーブル変調によるアドレス情報を記録した場合でも、セグメント領域内への不定ビットの混入が防止でき、セグメント領域内の記録マークからは質の高い再生信号が得られ、記録マークからの高い再生信頼性が確保可能。
以上説明したようにこの発明は、“高精細”な主映像、高画質な副映像の表示、大容量化、フォーマットの高い互換性確保、PCデータの追記または書き換え、アドレス情報の再生に対する高信頼化、ウォーブル信号からの基準クロック抽出精度の向上、高速アクセスの保証、片面2記録層構造への拡張性の保証、を得る情報記録媒体の提供と前記情報記録媒体に対して安定にデータの再生が可能な情報再生装置もしくは安定にデータの記録が可能な情報記録再生装置を提供する。
141…情報記録再生部、142…インターフェース部、143…制御部、144…データ合成部、145…同期コード抽出部、146…同期コード選択部、150…ウォブル信号復調回路、151…変調回路、152…復調回路、161…ECCエンコーディング回路、162…ECCデコーディング回路、163、164…データ配置部分交換部、221…情報記憶(記憶)媒体、222、223…記録層。