JP4149464B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
この方法では、以下の処理が行われる。
・外接矩形のサイズ、形状で一定の範囲にあるものだけに絞る。
・矩形毎に隣接矩形探索範囲を設け、その内部にかかる矩形を探索し、お互いに内部にかかる関係の矩形群をグループとして抽出する。
・グループの外接矩形を求め、その内部を対象にグループを構成する領域の色に近いパターンを抽出する。
仙田等「文字の単色性に着目したカラー画像からの文字パターン抽出法」電子情報通信学会PRU94−09,p17−24 上羽等「等色線処理によるカラー画像からの文字領域の抽出」電子情報通信学会PRU94−09,p9−16 松尾等「カラー文書画像からの単色文字領域の抽出」1997電子情報通信学会総合大会D−12−19 松尾等「濃淡及び色情報による情景画像からの文字列抽出」電子情報通信学会PRU92−121,p25−32
また、従来の領域拡張法では、多種多様なカラー文書画像に対し、予め定められたしきい値を一律に適用して同色領域の抽出が行われるため、例えば、灰色や中間色などの同色系統の色が背景と文字に使われている場合には、かなりの頻度で背景と文字が同一ラベル化し、文字パターンの抽出精度が損なわれたり、逆に抽出されたラベル領域が文字パターンの中で小さく細切れ状態となり、結果的に文字パターンの抽出精度が悪化したりする場合がある。
また、従来の色分解画像を用いた文字領域の抽出方法では、画像全体についての色分解画像を、その画像から抽出された色の数だけ生成する必要があり、色分解画像の生成に時間がかかるという問題がある。さらに、各色分解画像は画像全体について生成されるので、例えば、その画像からタイトルを抽出する場合に、タイトル領域以外の色の影響を受けやすく、タイトルの抽出精度が悪化するという問題がある。また、連結領域の外接矩形を求める場合、抽出した色分解画像ごとに画像全体について処理を行う必要があるため、1つのカラー画像から複数(抽出した色数分の)の縦横が同じサイズの画像が必要になり、処理に時間がかかるという問題がある。
このことにより、画像の色の輝度値がどのような値であっても、補間などの演算を行うことなく、隣接画素間の色差の最大値を色差テーブルから直接取得することが可能となり、画像の色の輝度値に対応したラベリングのしきい値を高速に求めることが可能となる。
このことにより、輪郭長の算出対象となるパターンの外接矩形の範囲内を1回走査するだけで、そのパターンの輪郭長を算出することが可能となり、輪郭長の算出処理を高速化することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施例に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、入力画像1が処理対象とされる場合、読み取り情報取得手段2は、入力画像1の読み取り情報を取得する。この読み取り情報は、入力画像1の色数、読み取り解像度、輝度値、彩度、隣接画素間の色差、または色の分散などである。
ラベリング手段4は、同色範囲設定手段3で設定された色の範囲の連結画素に同一ラベルを付すことにより、入力画像1のラベリングを行う。
ここで、グループの画像情報は、グループの色情報やグループの矩形情報などである。グループの色情報は、例えば、同一グループに属するパターンの色の平均値や同一グループに属するパターンの色の分散である。グループの矩形情報は、例えば、同一グループに属するパターン全体の外接矩形の大きさ、形状、または位置である。
同色範囲設定手段3は、グループの画像情報を受け取ると、このグループの画像情報に基づいて、ラベリングのしきい値を設定することができる。例えば、同一グループに属するパターンの色の変動を求め、同一グループに属するパターンの輝度差の最大値をラベリングのしきい値とすることができる。
図2において、色数判別手段7は、カラー画像の色数を判別する。第1のラベリング手段9は、第1のラベリング方法によりラベリングを行う。第2のラベリング手段10は、第2のラベリング方法によりラベリングを行う。制御手段8は、カラー画像の色数に基づいて、第1のラベリング手段9または第2のラベリング手段10にラベリングを行わせる。
また、第1のラベリング方法として、色パレットのクラスタリングを用いたラベリングを用いることができ、第2のラベリング方法として、隣接拡張法を用いたラベリングを用いることができる。
図3において、局所領域抽出手段15は、ラベリング対象となる入力画像13から局所領域を抽出する。色差情報抽出手段16は、局所領域から入力画像13の実際の色差情報を抽出する。しきい値設定手段17は、入力画像13から抽出した色差情報に基づいて、入力画像13のラベリングのしきい値を設定する。
ここで、画素11の色差を判定するしきい値は、入力画像13のラベリングを行う前に予め決めておく必要がある。このため、このしきい値として、実験用のカラー画像などを用いて経験的に決めた値を使うと、多種多様なカラー画像に対応できなくなる場合がある。
例えば、均一色領域としてメッシュ領域F、Gが入力画像13から抽出されると、各メッシュ領域F、Gの標準偏差の平均値に基づいて、同色領域18を抽出するためのしきい値を設定する。
図4は、本発明の第4実施例に係わるパターン抽出装置の動作を示すフローチャートである。
図5において、印刷モデルとして、シアン、マゼンタ、黄色の印刷メッシュM11、M12、M13をそれぞれ回転させて重ね合わせたものを使用し、カラー画像の色を仮想的に表現する。ここで、シアン、マゼンタ、黄色の色の濃さを調節する場合、印刷メッシュM11、M12、M13の各格子点に配置される塗りつぶし円D11、D12、D13の大きさを調節する。
・印刷メッシュM11、M12、M13の格子間隔md(ただし、格子間隔mdは、黄色、シアン、マゼンタ共通サイズ)
・黄色メッシュM11の水平線からの角度θ11
・マゼンタメッシュM12の水平線からの角度θ12
・シアンメッシュM13の水平線からの角度θ13
・黄色の塗りつぶし円D11の半径r11
・マゼンタの塗りつぶし円D12の半径r12
・シアンの塗りつぶし円D13の半径r13
である。ただし、本実施例では、この全てのパラメータを可変にすると煩雑すぎるので、ある程度の限定を与え、以下のように設定した。
・マゼンタメッシュM12の水平線からの角度θ12=30度
・シアンメッシュM13の水平線からの角度θ13 =45度
・格子間隔md=20ドット
この印刷モデルを使用して、シミュレーションを行い、黄色、マゼンタ、シアンの塗りつぶし円D11、D12、D13のそれぞれの半径r11、r12、r13に影響を受ける平均RGB値(Rm,Gm,Bm)を求める。
Rm=255−単位面積中のシアンの面積×255/単位面積
Gm=255−単位面積中のマゼンタの面積×255/単位面積
Bm=255−単位面積中の黄色の面積×255/単位面積
として求める。
Rc=255−読み込みメッシュ面積中のシアンの面積×255/読み込みメッシュ面積
Gc=255−読み込みメッシュ面積中のマゼンタの面積×255/読み込みメッシュ面積
Bc=255−読み込みメッシュ面積中の黄色の面積×255/読み込みメッシュ面積
読み込みメッシュM14の間隔sdを変えながら、RGB輝度値(Rc,Gc,Bc)及び隣接画素とのRGBそれぞれの輝度差を求め、各RGB輝度値に対応した輝度差の適当な値(例えば、最大値)を色差テーブルに記録する。
図6は、Rのテーブルの例を示す図である。
R,G,Bの色差テーブルが与えられると、このR,G,Bの色差テーブルを参照することにより、入力画像から同一色の範囲を検出する際のしきい値を獲得することができる。
色差テーブルに登録されている輝度値Riに対する隣接画素との輝度差の最大値がRdi、色差テーブルに登録されている輝度値Ri+1に対する隣接画素との輝度差の最大値がRdi+1であるとする。この時、色差テーブルに登録されていない輝度値Rmが、輝度値Riと輝度値Ri+1の間の線形補間で表されるとして、その関係を隣接画素との輝度値の最大値にも適応して、推定される隣接画素との輝度値の最大値infered_deltaを求める。すなわち、
rl=Ri−Ri+1
rm=Rm−Ri
rn=Ri+1−Rm
infered_delta=Rdi*rn/rl+Rdi+1*rm/rl
とする。
この画像入力処理では、CCDカメラやスキャナなどの撮像装置でカラー画像を入力し、メモリに保存する。
このフルカラー/その他判定処理では、入力画像のヘッダに含まれている1画素当たりのビット数を調べ、24ビット/画素の画像をフルカラー画像とみなし、図4のステップS4〜ステップS24の処理を行う。1画素当たりのビット数が24ビットより小さい場合には、フルカラー以外の入力画像とみなし、図4のステップS25、ステップS26及びステップS6〜ステップS24の処理を行う。
モデル解像度推定処理は、入力画像の解像度が印刷モデルのどの読み込み解像度に適合しているかを推定する。この処理では、入力画像をメッシュ状に分割し、RGBの各色成分について、各メッシュ領域内における隣接画素との輝度値の最大値と最も良く一致する読み込み解像度を色差テーブルから求める。
まず、入力画像をn×nのメッシュに区切り、各メッシュ領域の中の各画素の(R,G,B)の値を各色成分ごとに分解して考えるのではなく、(R,G,B)の値をまとめて考えることにより、入力画像に最も適合する印刷モデルの解像度を求めることを考える。この場合、入力画像の解像度を求めるには、印刷モデルとの適合具合があまりかけ離れていないメッシュ領域から求めた解像度だけを対象に、それらの解像度を画像全体で平均する。
図7は、本発明の一実施例に係わるモデル解像度推定処理を説明する図である。
そして、平均R輝度Rm及び隣接画素との輝度差の最大値Rdをキー情報としてRテーブル27を検索し、R画像21から求めた隣接画素との輝度差の最大値RdとRテーブル27に登録されている隣接画素との輝度差の最大値との差diff_rを求める。このdiff_rの算出を平均R輝度Rmについて登録されている全ての解像度に対して行い、diff_rの値が最小となる解像度resol_rをRテーブル27から求める。
解像度値をある値に固定して、Rmからテーブルを参照して、推定される隣接画素との輝度値の最大値infered_deltaを求める。
diff_r=|Rd−infered_delta|
として求める。
resolution=(mean_resol_r
+mean_resol_g+mean_resol_b)/3
として求め、この平均値resolutionを入力画像の推定解像度として用いる。
まず、背景と文字領域との色の境目がぼんやりしている時でも、背景と文字領域との区別を正確に行えるようにするため、同一ラベルの付されたラベル領域(同色と判断された領域)の平均色を算出し、その平均色とその周囲にある対象画素の色との色差が、そのラベル領域の平均色から推定される許容色差の一定倍率の色差以内にあれば、対象画素をそのラベル領域に組み込むことを考える。
しかし、この手法では、ラベリングのしきい値として、色差テーブルに登録されている値を多種多様なカラー画像に対して一律に適用するため、灰色、中間色などの特定の色が背景や文字色にあると、背景と文字とが同じ領域と判断される場合があり、ラベリング対象となるカラー画像によっては、背景色と文字色とを正確に区別できない場合がある。
s=sqrt(Rv×Rv+Gv×Gv+Bv×Bv)
として求め、この値sをメッシュ領域の分散値とする。入力画像の各メッシュ領域ごとのsの値を求め、それを記録する。また、sの値の最大値をsmaxとして記録する。
smax×RANGE_LOW<s<smax×RANGE_HIGH
かつ
s>MIN_VARI
(例えば、RANGE_LOW=0.004,RANGE_HIGH=0.16,MIN_VALI=10とする。)
の条件を満足する場合、このメッシュ領域をラベリングのしきい値を求めるための局所領域とする。
この色ラベリング処理では、領域拡張法によりラベリングを行う。この領域拡張法は、隣接する画素の色が近い時に、同一ラベルを与えることを繰り返すことにより、画像全体を同色領域で区分けしていく手法である。領域拡張法は、同一ラベルを与えるかどうかの判断の対象が注目画素の周辺の画素だけなので、色空間をクラスタリングする場合に比べて処理時間を短縮できる。
図8において、画素a〜rからなる領域(斜線部分)が同色パターン31として抽出され、画素a〜rに同一ラベルが付されているものとする。ここで、例えば、ラベルが付されていない画素sが検出されると、画素sの周囲に既にラベル付けされている画素があるかどうかを調べる。そして、既にラベル付けされている画素p、q、rが見つかると、画素rの色と画素p、q、rのいずれかの色との差がしきい値以下であるかどうかを調べる。そして、例えば、画素sの色と画素pの色との差がしきい値以下であると判断された場合、画素pと同一ラベルが付されている画素a〜rの色の平均色と画素sの色とを比較する。この結果、画素pと同一ラベルが付されている画素a〜rの色の平均色と画素sの色との差がしきい値以下であると判断された場合、画素sに画素pと同一ラベルを付す。
|R−Rs|<=delta_r
かつ
|G−Gs|<=delta_g
かつ
|B−Bs|<=delta_b
の条件を満たす場合に、注目画素の色はその周囲画素の色と近いと判断する。
次に、注目画素の周りに同色領域を拡張する処理を行う。処理対象座標配列の中から、先頭の座標値を取り出し、その座標値の画素を注目画素とする。注目画素のRGB輝度値からテーブルを検索し、RGB各色成分の隣接画素との輝度値の差を推定しきい値(delta_r,delta_g,delta_b)とする。
図9において、注目画素Cの周囲画素は8個あるので、隣接画素との輝度値の差を求める場合、この8画素の走査を行う。
|Ri−Rc|<=delta_r
かつ
|Gi−Gc|<=delta_g
かつ
|Bi−Bc|<=delta_b
の条件を満たし、かつ、ラベル領域の平均色(Rm,Gm,Bm)と周囲画素のRGB輝度値(Ri,Gi,Bi)との色差の距離値が、
|Ri−Rm|+|Gi−Gm|+|Bi−Bm|<TH_dist
の条件を満たす場合、注目画素と同一ラベルを周囲画素に付し、周囲画素の座標を処理対象座標配列に追加する。今処理した注目画素は、処理対象座標配列から削除する。処理座標のx,yの最大値、最小値を求め、その値をこのラベル領域の外接矩形として保存する。また、このラベル領域の平均色を外接矩形の属性として保存する。
ラベリングの結果、同一色で連結している領域には同じラベル値が付与され、同じラベルを持つ領域を囲む外接矩形が獲得される。なお、ラベリング処理の出力情報には、以下の内容が含まれる。
・外接矩形
矩形数:maxcount
矩形情報:lbtbl
内包するラベル画像のラベル番号:label
矩形左上座標:(xmin,ymin)
矩形右下座標:(xmax,ymax)
矩形内の代表色:(r,g,b)
所属するグループ番号:string_label
輪郭長:contour
次に、L字形、コ字形パターン削除処理を行う(ステップS6)。
これは、文字パターンの周囲に背景パターンがあると、背景パターンの一部がL字形またはコ字形のパターンとして抽出されやすく、重なり矩形統合処理でL字形またはコ字形のパターンが文字パターンと統合されるためである。このような統合が行われると、以降の処理でこれらのパターンは分離されることがなく、統合されたままの状態で処理が行われるため、文字らしさの形状の特性を失い、処理途中で削除されるか、文字以外のノイズパターンがのったまま文字として抽出される。従って、処理の早い段階でL字形またはコ字形のパターンを削除し、このような不具合を防止する。
図10(a)において、「文字」というパターン42及びL字形のパターン43が抽出され、パターン42の外接矩形41及びパターン43の外接矩形44が生成されているものとする。ここで、外接矩形41と外接矩形44との重なり矩形統合を行うと、図10(b)に示すように、外接矩形45が生成される。外接矩形45が生成されると、「文字」というパターン42及びL字形のパターン43は、1つのパターンを構成するものとみなされ、「文字」というパターン42の大きさや形状の特性が失われる。
かつ
矩形の高さが高さしきい値以上、
かつ
黒画素比率が黒画素比率しきい値未満。
次に、注目矩形抽出処理を行う(ステップS7)。
具体的には、以下の条件を満たす外接矩形を注目矩形として抽出する。
かつ
y方向長さが23dot(100dpi時)以上で画像の高さの1/2以下。
この探索範囲にかかる矩形抽出処理では、注目矩形の周囲に、あるサイズの探索範囲を設定し、その範囲にかかる矩形を抽出する。
図11において、矩形番号1〜30の外接矩形が抽出され、矩形番号1の外接矩形51を注目矩形としたものとする。そして、この外接矩形51の周りに探索範囲52が設定されたものとすると、外接矩形51についてのグルーピングの処理対象として、探索範囲52にかかる矩形番号2〜24の外接矩形のみを選択し、探索範囲52にかからない矩形番号25〜30の外接矩形については、外接矩形51のグルーピングの処理対象から除く。
図12は、本発明の一実施例に係わる注目矩形の周囲の探索範囲にかかる矩形の抽出方法を説明する図である。
a)画像全体のX,Y軸へ矩形番号を投影する。すなわち、画像全体のX,Y軸の1画素毎に、それに属する矩形数と矩形番号の集合を登録する。例えば、矩形番号iがX軸の(x1,x2)の範囲にあるとすれば、X軸のx1からx2の座標には、番号iが矩形番号の集合に入ることになる。同じことを全矩形について縦横座標について行う。
c)range_sizeの範囲のX軸の座標毎の矩形種類を論理ORして矩形番号の集合を抽出する。
d)X軸から求めた矩形番号の集合とY軸から求めた矩形番号の集合とを論理ANDし、この注目矩形の周囲にある矩形集合を決定する。
そこで、上述した座標毎の矩形数及び矩形番号を高速に、かつ必要メモリを最小に求めるために、以下のような方式をとる。
図13(a)において、矩形番号1、2の外接矩形71、72が抽出されたものとし、外接矩形71はX座標が155〜165の範囲内にあり、外接矩形72はX座標が160〜163の範囲内にあるものとする。このため、図13(b)に示すように、外接矩形71については、X座標が155〜165の位置に矩形番号1が登録され、外接矩形72については、X座標が160〜163の位置に矩形番号2が登録される。
i)全ての矩形の横幅を合計して、その長さの数だけ矩形番号、座標の情報を持ったデータ構造を用意する。
iii)このデータ構造のデータを座標値でソートする。
iv)データの座標値を順に見ていき、座標値が同じものの数を座標値毎に数え、それをその座標に属する矩形数とする。また、その座標毎の矩形数分だけ矩形番号を入れる記録領域を確保する。ソートしたデータ構造を先頭からスキャンしていき、座標が同じ間は数をカウントしていき、座標値が変わったところで数を確定させ、それを保存する。
この同色グループ抽出処理は、異なるラベルが付されているパターンのうち、類似色のパターン同士を1つのグループにまとめるものである。なお、この処理を用いてタイトルを抽出する場合には、タイトルを構成する個々の文字が同じ色であることが前提となる。
そこで、1つの矩形の色とその周囲にある矩形の色とを比較することに加え、その矩形が属するグループの色との比較も行い、グループに追加しようとしている矩形の色が、グループの色とそれほどかけ離れていない場合のみ、その矩形をグループに加えることとした。なお、グループの色は、例えば、そのグループに属する矩形の色の平均値とすることができる。
図14(a)において、外接矩形81〜83が生成されているものとし、外接矩形81〜83内のパターンの色が徐々に変化しているものとする。また、外接矩形81、82内のパターンは文字であるが、外接矩形83内のパターンは背景の一部であるものとする。
そこで、外接矩形81内のパターンの色と外接矩形82内のパターンの色との平均値をグループ85の色として求め、グループ85の色と外接矩形83内のパターンの色との間での色空間上の距離dist2を求める。そして、距離dist2が所定値以下の場合、外接矩形83を外接矩形82と同一のグループ85に分類するようにする。
また、注目矩形の色(Rc,Gc,Bc)と解像度resolutionから求められるRGBの各輝度差を、delta_r,delta_g,delta_bとする。
dist2=|Rg−Rig|+|Gg−Gig|+|Bg−Big|
注目矩形(Rc,Gc,Bc)とその周囲矩形の集合の中の1つの矩形i(Ri,Gi,Bi)が以下の条件を満足する時、これらの2つの矩形は、注目矩形のグループに属すると判定して、周囲矩形iをそのグループに格納する。また、新たにグループに加わった矩形の矩形番号を新規追加矩形領域に格納する。
または
(|Rc−Ri|<delta_r
かつ
|Gc−Gi|<delta_g
かつ
|Bc−Bi|<delta_b))
かつ
dist2<thr_rgb
ここで、
thr_rgb
=(min(Rgから求めた輝度差、Rigから求めた輝度差)
+min(Ggから求めた輝度差,Gigから求めた輝度差)
+min(Bgから求めた輝度差,Bigから求めた輝度差))/2
とする。また、例えば、TH_RGB=20とする。
グループを構成する矩形番号:child
重なり矩形統合後の矩形数:overlap_num
重なり矩形統合後の矩形情報:overlap
(データタイプは、矩形情報1btbl型)
グループ内文字列の方向コード:orient
グループ内の文字列数:gyou_num
グループ内の文字列情報:gyou
(データタイプは、矩形情報1btbl型)
次に、グループ内平均文字線太さ抽出処理を行う(ステップS11)。
図15(a)において、例えば、「フ」というパターンが抽出されたものとすると、「フ」というパターンに含まれる画素数を数えることにより、「フ」というパターンの面積Sを算出する。
次に、flag>0かどうかを判断し(ステップS35)、flag>0でない場合、カレント画素のラベル値がregionかどうかを判断する(ステップS46)。ここで、カレント画素のラベル値がregionでない場合、x<xmaxかどうかを判断し(ステップS48)、x<xmaxである場合、xをインクリメントして、ステップS35に戻る。
そして、xがxmaxに達すると、flag>0かどうかを判断し(ステップS50)、flag>0でない場合、y<ymaxかどうかを判断する(ステップS55)。ここで、y<ymaxである場合、yをインクリメントして、ステップS33に戻る。
図17において、同一のラベル値を有するラベル画像88(斜線部分)が抽出され、そのラベル画像88の外接矩形87が生成されているものとする。この外接矩形の座標が(xmin,ymin)−(xmax,ymax)で表されているものとすると、この外接矩形の範囲内を(xmin,ymin)の座標に位置する画素から1ラインずつx方向にスキャンする。
この再グループ化処理では、グループ内の外接矩形を対象に、外接矩形の平均文字線太さを用いてグループ化を行い、新たなグループ情報を構築する。すなわち、グループ内の外接矩形を対象にして、図4のステップS7〜S9の処理を繰り返す。ここで、ステップS9のグループ化の時に、ステップS9で使用した色情報だけでなく、推定文字線太さ(=20×矩形内のパターン面積/パターンの輪郭長)も使用する。
図18において、「グループ1」という文字列と「グループ2」という文字列が同一色で記述され、互いに近接して配置されているため、「グループ1」という文字列と「グループ2」という文字列が同一のグループ91にグルーピングされているものとする。
/min(thick1,thick2)
そして、以下の条件を満足した時に、2つの外接矩形を同じグループとして記録する。
かつ
(dist<TH_RGB
または
(|Rc−Ri|<delta_r
かつ
|Gc−Gi|<delta_g
かつ
|Bc−Bi|<delta_b))
ただし、TH_THICK_RATEは、例えば、2.5とする。
かつ
(dist < TH_RGB
または
(|Rc−Ri|<delta_r
かつ
|Gc−Gi|<delta_g
かつ
|Bc−Bi|<delta_b))
この処理を元のグループ内全ての矩形について行い、グループ内の新たなグルーピングを行う。
このグループ内の大きな矩形削除処理では、グループ内で平均的な矩形サイズを求め、そのサイズを基準に極端に大きなサイズの矩形を背景などのノイズとして削除する。
図19(a)において、外接矩形102〜111がグループ101にグルーピングされているものとすると、グループ101内の各外接矩形102〜111の大きさを求める。ここで、外接矩形102の大きさが他の外接矩形103〜111の大きさに比べ、かけ離れているものとすると、図19(b)に示すように、グループ101から外接矩形102を削除し、外接矩形103〜111よりなるグループ112を生成する。
a)グループ内の外接矩形の高さのヒストグラムを作成して、最大頻度値を示す矩形高さfreq_heightを以下の方法で求める。
b)最大頻度値を示す矩形高さfreq_heightが最小高さ値(具体的には、100dpiで23dot)より小さい時は、最小高さ値を最大頻度値を示す矩形高さfreq_heightとする。
d)グループ内の外接矩形で縦横サイズとも、th_largeより小さいものだけを残して、後はノイズとしてそのグループから削除する。
このグループ内の重なり矩形統合処理では、グループ内の外接矩形の中で重なりがある外接矩形について、それらの外接矩形を囲む矩形を新たに作り、グループ情報に新たに登録する。
図20は、本発明の一実施例に係わるグループ内の重なり矩形統合処理を説明する図である。
このグループ内文字列抽出処理では、グループ内で文字列方向を推定し、その方向に対して、文字列を抽出する。抽出した文字列の方向及び座標などの情報はグループごとに保存する。なお、この処理をタイトルの抽出に用いる場合には、1つのタイトルを構成する個々の文字は、横方向または縦方向に一列に並んでいることが前提になる。
図21(a)において、矩形番号1〜29の外接矩形がグループ141にグルーピングされているものとすると、最も左にある矩形番号1の外接矩形から、右方向に矩形番号1の外接矩形と隣接する外接矩形があるかどうかを探す。そして、矩形番号1の外接矩形と隣接する外接矩形として、矩形番号2の外接矩形が見つかると、見つかった外接矩形に矩形番号1を伝番し、見つかった外接矩形の矩形番号2を矩形番号1に変更する。同様にして、右方向に隣接する外接矩形があるかどうかを探し、隣接する外接矩形が見つかると、左に隣接する外接矩形の矩形番号を右の外接矩形に伝番する。
a)グループ内の外接矩形の座標から文字列方向を推定する。
b)外接矩形の上下左右の最も近くにある矩形の内向き、外向きの両方向の隣接関係を求める。
d)左からの隣接関係がなく、左への隣接関係がある矩形は、左の矩形番号を獲得して、それを右へ伝搬し、隣接関係がなくなるまで繰り返す。
この文字列内分離文字統合処理では、横書きの上下分離文字統合処理(縦書きでは、左右分離文字統合処理)を文字列矩形に適応して、分離矩形を統合した外接矩形に置き換える。ここでは、抽出された文字列内の矩形に対して文字列方向と直角の方向に矩形統合を行う。これは横書きの文字列ならば、例えば「こ」という文字の上ストロークと下ストロークをそれぞれ囲む矩形をまとめて、1つの矩形とする処理である。また、縦書きの文字列ならば、例えば「い」という文字の右ストロークと左ストロークをそれぞれ囲む矩形をまとめて、1つの矩形とする処理である。
図22(a)において、グループ141内で互いに横方向に隣接する外接矩形を囲む外接矩形142、143が生成され、外接矩形142内には、縦方向に互いに隣接する外接矩形144、145及び縦方向に互いに隣接する外接矩形146、147が存在し、外接矩形143内には、縦方向に互いに隣接する外接矩形148、149及び縦方向に互いに隣接する外接矩形150、151が存在しているものとする。
a)文字列内矩形をx座標で昇順にソートする。
次に、グループ内の文字列サイズによる再グループ化を行う(ステップS16)。
なお、この処理をタイトルの抽出に用いる場合には、1つのタイトルを構成する個々の文字の大きさが揃っていることが前提になる。
図23(a)において、グループ141内で互いに横方向に隣接する外接矩形を囲む外接矩形142、143が生成されているものとすると、外接矩形142の高さH1及び外接矩形143の高さH2を算出する。そして、外接矩形142の高さH1と外接矩形143の高さH2の差がしきい値より大きい場合は、外接矩形142と外接矩形143とを別々のグループにする。
2つの文字列矩形の高さ(横書きの場合。縦書きなら幅)の差がしきい値より小さい、
かつ、
(2つの文字列矩形が重複する、または、2つの文字列矩形間の距離がしきい値より小さい)
この処理を全てのグループで行う。
この処理は、図3のステップS9で同じグループになった文字サイズの異なる文字列を、別々のグループにする働きがある。
このグループ内の大きな矩形削除処理では、ノイズ除去のため、グループ内で平均的な矩形サイズを求め、その矩形サイズを基準として極端に大きなサイズの矩形を再び削除する。すなわち、これまでの処理で変化したグループに対して、図4のステップS12の処理を再度行い、グループ内のノイズを削除する。
このグループ統合処理では、左右方向または上下方向に互いに近接する同色グループを統合する。すなわち、2つのグループがほぼ同じ色で、かつ近くにあり、グループの外接矩形が並んでいる場合に、その2つの外接矩形を統合し、1つのグループとする。これは、後で行う文字矩形の並びによるグループの文字列らしさの判定を安定化させるために行う。
図24(a)において、グループ1の外接矩形161とグループ2の外接矩形162が互いに横に並んでいるものとすると、外接矩形161と外接矩形162の距離L1及び外接矩形161と外接矩形162の下端同士の座標の差E1を求める。そして、外接矩形161と外接矩形162の距離L1及び外接矩形161と外接矩形162の下端同士の座標の差E1が各しきい値より小さく、グループ1の代表色とグループ2の代表色の差が所定のしきい値以内にある場合、外接矩形161と外接矩形162とを統合し、外接矩形161及び外接矩形162を囲む外接矩形163を生成する。
かつ
|Gg1−Gg2|<delta_g
かつ
|Bg1−Bg2|<delta_b
かつ
横並びの場合、横方向の距離が固定しきい値より小さい
(ただし、縦並びの場合は、縦方向の距離が固定しきい値より小さい)
かつ
横並びの場合、2つのグループの外接矩形の下端座標の差が固定しきい値より小さい(ただし、縦並びの場合は、左端と右端同士の差が両方とも固定しきい値よりも小さい)
この処理を統合するグループがなくなるまで繰り返す。
この矩形並びによる文字らしいグループの抽出処理では、グループ内の矩形の中で、サイズまたは形など一定の条件を満足する矩形を対象に、上端座標または下端座標のどちらかが隣りの矩形と近い場合、この両者の矩形が並んでいると判定し、並びフラグをセットする。そして、その一定条件を満足するグループ内の対象矩形の中で、並んでいる矩形の数がどの程度の割合であるかを示す並び矩形率を求め、その並び矩形率が一定のしきい値以上のグループを文字列と見なして抽出する。
図25(a)において、外接矩形171〜174及び外接矩形176〜187が入力画像から生成され、外接矩形のグルーピングにより、外接矩形171〜174が1つのグループとされた結果、これらの外接矩形171〜174を囲む外接矩形175が生成されている。また、外接矩形のグルーピングにより、外接矩形176〜187が1つのグループとされた結果、これらの外接矩形176〜187を囲む外接矩形188が生成されている。
a)グループ内の隣接するサイズまたは形の一定条件を満足する2つの矩形の上端座標同士または下端座標同士の差がしきい値(高さのWID_RATE(=0.2)倍)より小さい場合、その2つの矩形に横並びフラグを与える。
b)グループ内の隣接するサイズまたは形の一定条件を満足する2つの矩形の左端座標同士または右端座標同士の差がしきい値(幅のWID_RATE倍)より小さい場合、その2つの矩形に縦並びフラグを与える。
c)グループ内の矩形で、横並びフラグと縦並びフラグの数の多い方を文字列方向として採用して、その数を並んでいる矩形数とする。
なお、対象とするグループ内矩形の条件は、グループ内の矩形の最頻値を示す高さを求め、例えば、その3倍をlarge_rectとすると、矩形高さが、固定サイズ(23dot,100dpiで)より大きく、large_rectより小さいものとする。
なお、中点「・」や中棒「ー」などのタイトルとして用いられることがある特殊な記号を予め登録しておき、a)〜e)の条件を満たさない場合でも、このような特殊な記号をタイトルを構成するパターンとして残すようにしてもよい。
このノイズグループの削除処理では、グループ内が2つの矩形だけから構成されているグループに対して、その形状及び座標から判断してノイズと思われるグループを抽出し、そのグループを削除する。すなわち、グループ内の矩形数が2つのものについて、その2つの矩形の上下端(または左右端)とも近いかどうかを判断し、2つの矩形が並んでいると判断されるもの以外のグループをノイズとして削除する。
図26において、2つの外接矩形211、212が1つのグループとして抽出され、この2つの外接矩形211、212を囲む外接矩形213が生成されているものとする。この場合、外接矩形211と外接矩形212の下端座標は揃っているが、外接矩形211と外接矩形212の上端座標は極端に異なっているので、これらの外接矩形211、212はノイズであると見なして、外接矩形211、212からなるグループを文字列らしいグループから削除する。
グループ内の2つの矩形の高さの平均をhei,幅の平均をwidとする。しきい値を決める比率DEL_RATE=0.1として、
(|第1の矩形の上端座標−第2の矩形の上端座標|<hei×DEL_RATE
かつ
|第1の矩形の下端座標−第2の矩形の下端座標|<hei×DEL_RATE)
または
(|第1の矩形の左端座標−第2の矩形の左端座標|<wid×DEL_RATE
かつ
|第1の矩形の右端座標−第2の矩形の右端座標|<wid×DEL_RATE)
を満足するグループだけ残し、後はノイズとして削除する。
この文字認識によるノイズ除去処理では、パターンの外接矩形の位置及びサイズ情報によるノイズ除去を行った後に、グループ内のパターンを文字認識処理し、各パターンごとの距離値をグループ内で平均する。その平均値が予め決めたしきい値(例えば、1200)よりも小さい場合に、文字らしいグループとして残し、それ以外のグループを削除する。
具体的には、グループ内の全矩形内のパターンの文字認識処理を行い、第1位候補の距離値を矩形ごとに獲得する。そして、矩形ごとの距離値の頻度分布を作成し、その距離値をクラスタリングすることにより、距離値のクラスタを複数個生成する。複数のクラスタを生成する方法として、距離値の頻度分布の谷で複数のクラスタに分割する方法や、階層的クラスタリングを適用する方法などを用いることができる。
次に、グループ内同色パターン抽出処理を行う(ステップS22)。
図27(a)において、図3のステップS1〜S21の処理により、「クローハル化への3つの成功モデル」という文字列が入力画像から抽出され、これらの文字列を囲む外接矩形221が生成されているものとする。この場合、図27(b)の「ク」という文字の濁点222及び「ハ」という文字の濁点223が欠落している。
a)グループ内の矩形について保存されている代表色情報をグループ内の矩形全てについて平均し、グループの代表色(Rm,Gm,Bm)を求める。また、グループ内のRGBの分散(Vr,Vg,Vb)を求め、その分散から、グループの標準偏差を以下の式で求める。
b)グループ内の矩形サイズの最頻度を幅と高さについて求め、それぞれmfw,mfhとする。その幅と高さが、最小矩形サイズのしきい値minsize(=2)より大きな場合には、それぞれminsizeで置き換える。
d)グループの範囲内で原画像の画素の色を調べ、原画像の画素の色(R,G,B)とグループの代表色(Rm,Gm,Bm)との関係が、
|Rm,−R|+|Gm−G|+|Bm−B|<k×dev (k=5)
を満足する画素の位置を記録し、2値画像のその位置の画素を1にする。
g)外接矩形の幅w及び高さhが、w>mfw/2 かつ h>mfh/2を満足する矩形だけを残し、他の矩形を削除する。
次に、グループの出力順位決定処理を行う(ステップS23)。
このグループの出力順位決定処理では、文字列を含んでいるグループが複数抽出された場合、グループの外接矩形から面積を計算して、全画像中のグループの面積の大きい順にグループをソートして、このソートした結果を出力順序とする。
この2値パターン生成処理では、グループを構成するパターンを文字認識できるような2値画像として作成する。
a)グループの外接矩形サイズの2値画像を作成し、その値を全て0に設定する。
b)グループ内の矩形のラベル番号を抽出し、対応する矩形領域の内部でラベル画像を探索し、そのラベル番号の画素を抽出し、2値画像上でその座標の画素を1とする。
図4のステップS3で、入力画像がフルカラー画像でないと判定された場合には、クラスタリング処理を行う(ステップS25)。
また、画像の色分布をクラスタリングし、そのクラスタリング結果を用いてラベリングを行うようにすることもできる。
クラスタリング結果として、1つのクラスタ当たり以下のような情報を得ることができる。
・クラスタに含まれる色パレットの個数
・クラスタに含まれる元の画像の色パレット番号
・クラスタの平均色(R,G,B)
クラスタリング手法として、例えば、クラスタ中心間のシティブロック距離を距離尺度に使った階層的クラスタリングを用いることができる。なお、距離の尺度を、ユークリッド距離、重み付きユークリッド距離、またはマハラノビス距離などにより定義することもできる。
また、クラスタリングの終了条件として、例えば、クラスタ中心間の距離の最小値が予め定めたしきい値より小さくなった時に、クラスタリングを終了させることができる。
この色パレットのベクトルを使用して階層的クラスタリングを行う場合、色差の尺度としてクラスタ間の距離を求め、クラスタ間の距離が小さいクラスタ同士を統合する。
dist=|R1−R2|+|G1−G2|+|B1−B2|
ここで、デバイスによる色の違いの識別能力と人間による色の違いの識別能力とは異なっており、例えば、色空間上での距離値が同じ値を示す色であっても、黒(または白)に近い2つの色は、赤などの高彩度の2つの色などに比べて、人間が見た時の色の識別能力が低い。
一方、赤に近い2つの色は、色空間上での距離値がある程度近くても、人間の目にはその2つの色を区別でき、その2つの赤色を異なった色と見ることができる。
図28において、黒および白に近い色では、(R,G,B)の色空間上の色差よりも、人間が判別する色差の方が鈍感である場合が多い。
Rnew={1−cos(R×π/255)}×255+R×4
Gnew={1−cos(G×π/255)}×255+G×4
Bnew={1−cos(B×π/255)}×255+B×4
また、人間の識別能力に対応した色の変換関係を実験的に求め、この実験的に求めた色の変換関係を変換テーブルに予め登録しておくようにしてもよい。
このクラスタリング結果を用いた色ラベリング処理では、色パレットのクラスタリング結果から得られた情報を使用してカラー画像のラベリングを行う。
一方、フルカラー画像を対象にクラスタリングを行うと、膨大な時間がかかる。また、処理時間を短縮するために、色空間を適当な区分に分割するなどの疑似クラスタリングを行うと、精度が悪化する。
図29において、画素の色パレットのクラスタリングにより、色パレットのクラスタが生成され、各画素の色パレットが属するクラスタの番号が各画素に与えられているものとする。
まず、画素のパレット番号からクラスタ番号を獲得する変換表を作成する。
次に、クラスタ番号に注目した色ラベリング処理を行う。この色ラベリング処理では、隣り合う画素のクラスタ番号が同じ場合に同一ラベルを与える。
そして、この未処理の画素の周囲8画素を走査して、周囲に既にラベル付けされた画素があり、その画素のクラスタ番号が注目画素のクラスタ番号と同じである場合に、周囲画素のラベルをカレントラベル(region)として保存し、注目画素のラベルとしてregionを与える。
それ以外の場合は、カレントラベルとして、今まで付けたラベル値+1のラベル値を設定し、注目画素のラベルにもその値を付与する。この場合でも、領域の平均色(Rm,Gm,Bm)として、注目画素のRGB値を設定する。
注目画素の周りに同色領域を拡張する処理を行う。処理対象配列の中から、先頭の座標値を取り出し、その座標の画素を注目画素とする。
ラベリングの結果、ラベル画像(同一領域は、同じラベル値が付与されている画像)と同じラベルを持つ領域を囲む外接矩形が獲得される。
・ラベル画像:4バイト/1画素
・外接矩形
矩形数:maxcount
内包するラベル画像のラベル番号:label
矩形左上座標:(xmin,ymin)
矩形右上座標:(xmax,ymax)
矩形内の代表色:(r,g,b)
所属するグループ番号:string_label
輪郭長:contour
図30は、本発明の一実施例に係わるパターン抽出装置のシステム構成を示すブロック図である。
図31(a)において、この原画像は、847×1167画素から構成され、「祝!パソコン20年」という文字パターン301が黒色で印刷されている。また、この文字パターン301の周囲には、色が黒→オレンジ→黄にかけて少しずつ変化する背景パターン302が存在している。ここで、図31(a)の原画像から「祝!パソコン20年」という文字パターン301を抽出するものとする。
図31(b)において、このラベル画像は、図4のステップS5の色ラベリング処理により得られたものである。この色ラベリング処理により、同色の連結領域に対して同一ラベルが付され、同一ラベルが付されたパターンの外接矩形が生成される。
図32(a)は、図31(b)のラベル画像から得られた注目矩形を示す図である。
図32(b)において、このグループ抽出結果は、図4のステップS9の同色グループ抽出処理により得られたものである。この同色グループ抽出処理は、図31(b)のラベリング処理が終了した段階では、タイトルを構成する個々の文字に異なるラベルが付されているので、タイトルを構成する「祝」、「!」、「パ」、「ソ」、「コ」、「ン」、「2」、「0」及び「年」という文字を1つのグループにまとめるために行われる。
ここで、同色グループ抽出処理では、図31(b)のラベル画像から得られた外接矩形のうち、図32(a)で設定された注目矩形から所定の範囲内にあり、矩形の色の近いもの同士が同一のグループにグルーピングされる。
図33(a)において、この再グループ結果は、図4のステップS11の文字線太さによる再グループ化処理により得られたものである。この処理により、矩形番号が0〜12のグループの外接矩形が生成されている。なお、図32(b)の外接矩形のうち、パターンの線の太さによってグループを作ることができないものは消滅させる。
図33(b)において、この文字列らしいグループは、図4のステップS19の矩形並びによる文字列らしいグループの抽出処理により得られたものである。この処理により、図33(a)の矩形番号が0〜12のグループのうち、そのグループ内の矩形がランダムに並んでいるグループは削除され、縦方向または横方向に矩形が規則正しく並んでいるグループだけが残される。この結果、矩形番号が0〜2のグループの外接矩形341〜343が抽出される。
図34(a)において、「祝!ハソコン20年」という文字パターン351とノイズパターン352とが抽出されている。ここで、「祝!ハソコン20年」という文字パターン351は、図33(b)のグループの外接矩形341から抽出されたものであり、ノイズパターン352は、図33(b)のグループの外接矩形342から抽出されたものである。なお、図33(b)のグループの外接矩形343のパターンは、そのパターンについての文字認識を行った結果、ノイズと見なされ削除されている。
このため、タイトルを構成するパターンとして既に抽出されている部分の色情報から、タイトルを構成する残りのパターンを抽出することが可能となり、同色パターンを抽出する際のしきい値として、抽出対象となるパターンの色差を忠実に反映した値を用いることが可能となり、図31(b)の同色グループ抽出処理では抽出できなかった「ハ」の半濁点を抽出することが可能となる。
図34(b)の例では、タイトル候補として、2つのパターン361、362が抽出されているので、これらのパターン361、362に対応する外接矩形341、342の面積を計算する。そして、面積の大きい方のパターンをタイトルの第1候補として提示する。この結果、図35に示すように、図31(a)の原画像から抽出された「祝!パソコン20年」という文字パターン301をタイトルの第1候補として提示することができる。
2 読み取り情報取得手段
3 同色範囲設定手段
4 ラベリング手段
5 グルーピング手段
6 グループ情報算出手段
7 色数判別手段
8 制御手段
9 第1のラベリング手段
10 第2のラベリング手段
14 画像処理装置
15 局所領域抽出手段
16 色差情報抽出手段
17 しきい値設定手段
241 CPU
242 ROM
243 RAM
244 通信インターフェイス
245 通信ネットワーク
246 入出力インターフェイス
247 ディスプレイ
248 プリンタ
249 メモリ
250 スキャナ
251 CCD
252 キーボード
253 ドライバ
254 ハードディスク
255 ICメモリカード
256 磁気テープ
257 フロッピーディスク
258 光ディスク
259 バス
Claims (2)
- 色の輝度値及び読み取り解像度を変数として、隣接画素間の色差の最大値を格納する色差テーブルと、
入力画像から得られる隣接画素間の色差と前記色差テーブルに格納されている色差とが最もよく一致する読み取り解像度を、3原色のそれぞれに対し個別に取得する解像度取得手段と、
前記3原色の読み取り解像度に基づいて、前記入力画像の読み取り解像度を算出する解像度算出手段と、
前記入力画像の読み取り解像度に対応する色差を、前記色差テーブルから取得する色差取得手段と、
前記色差テーブルから取得した色差に基づいて、ラベリングのしきい値を設定するしきい値設定手段と、
前記しきい値に基づいて、前記入力画像のラベリングを行うラベリング手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記色差テーブルは、画像が取りうる全ての色の輝度値に対し、隣接画素間の色差の最大値が登録されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
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