JP4148400B2 - 熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法 - Google Patents

熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法に関し、特に、船体構造、航空機構造、風車翼のような大型構造物を製造する熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂と強化繊維が複合する熱硬化性強化複合材は、その用途が多方面に拡大している。その用途として、船体構造、航空機構造、風車翼のような大型構造物に対する適用が注目されている。熱硬化樹脂系複合材料の成形技術として、加圧下で加熱するオートクレーブ成形が知られている。
【0003】
複合材料のオートクレーブ成形過程は、昇温工程と、温度保持工程と、冷却工程とから形成されている。図10(a)は、標準的な温度サイクルを例示している。硬化過程では、一般的に発熱的化学反応が生じている。硬化材料は、オートクレーブの中の環境温度に基づく加熱と自己発熱に基づく加熱とを受ける。このような両加熱が複合して、図10(b)に示されるように、過加熱に基づく過昇温現象が生じる。このような過昇温は、成形後のCFRP(炭素系)又はGFRP(ガラス系)の強度の低下を招く。過昇温実験によれば、圧縮強度と層間せん断強度が低下することが知られている。昇温速度が遅くなれば過昇温が回避されるが、昇温速度が遅くなれば成形時間が長くなる。従来、成形対象物に取り付けられた温度センサの計測値に基づいて制御が行われ、成形対象物が望ましい温度に保たれる「物温制御」が一般に実行されてきたが、成形対象物が厚い場合には単位面積あたりの発熱量が大きくなって、オートクレーブの冷却能力では十分に制御することができない恐れがある。
【0004】
熱硬化性樹脂は、一般的には、硬化の際に硬化収縮を起こす。硬化温度から常温に移行する過程では、熱膨張差に起因して熱収縮が起きる。このような樹脂の体積変化は、FRPの残留応力の原因になっている。樹脂の比体積変化に含まれる硬化収縮と熱膨張による残留応力のFEM解析が、比体積変化から予測される膨張収縮率に代えられて用いられて、本発明者により解析された。硬化度が40%に達した時点で樹脂の流動性が完全になくなることが仮定された解析の結果では、マトリックス樹脂はカーボン繊維に比べて収縮量が多く、引張応力が複合材料の中で働いている。昇温速度として0.2゜C/minと2.0゜Cが選択された解析試験では、0.2゜C/minの残留応力は、2.0゜C/minの残留応力の半分であった。
【0005】
残留応力は、成形体に亀裂のような欠陥を発生させる。生産効率を低下させる温度上昇速度の過度の抑制は、亀裂欠陥発生の抑制のためには実用的な解決を与えない。生産効率を考えた昇温速度で硬化を促進し、且つ、過昇温現象を発現させないことが望まれる。過昇温を検出してオートクレーブを冷却してその雰囲気温度を低下させる物温制御は知られている。物温制御は、亀裂欠陥の発生を有効に抑制することができない。過昇温現象を発現させない昇温アルゴリズムの必要性は気づかれているが、昇温アルゴリズムの具体案は開示されていない。
【0006】
生産効率を低下させずに過昇温と残留応力を抑制する技術の確立が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、生産効率を低下させずに過昇温と残留応力を抑制する技術を確立することができる熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】
本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形システムは、オートクレーブ(3)と、計算器(7)と、オートクレーブ(3)の中の環境温度T1を調節する調節器(4)と、環境温度T1を計測する第1温度計測器(13)と、オートクレーブ(3)の中の熱硬化樹脂系複合材から形成される成形対象(9)の対象温度T2を計測する第2温度計測器(15)とを構成している。計算器(7)は、熱収支方程式:dT2/dt=P1・(T1−T2)+P2・r(T2,α)
1:パラメータ
2:パラメータ
r:既知である硬化反応速度
α:既知の硬化度
を複数の時刻の方程式として連立化することによりパラメータを計算により求め、且つ、その同じ方程式に基づいて現在時刻以降の予測対象温度を計算し、その予測対象温度に基づいて環境温度を制御するための制御値(19)を調節器(4)に出力する。
【0010】
外部から与えられる熱によって自らが放出する熱(内部熱)に基づく物理的現象である2位置(外部と内部)の温度の差を実質的にリアルタイムに計測し、自己の硬化熱と雰囲気から与えられる熱に基づいて現在時刻以降の既述の温度差を予測し、成形対象の温度を設定温度に漸近的に近づかせる知的制御が可能になる。ここで知的制御とは、自己外と自己内の現在の物理量を知って物理法則に従って自己外の未来の物理量と自己内の未来の物理量を制御することであり、物理法則の初期条件の変更制御であり、単なるフィードバック制御でなく、且つ、単なるフィードフォアワード制御ではない。経験則は重要であるが、基本的に物理法則による制御が実行され、より厳密に設定温度に漸近する制御が可能であり、制御が困難であった熱硬化樹脂系複合材の高性能の物性を高精度に得ることができる。
【0011】
硬化度αは、硬化速度dα/dtを温度と硬化度αの関数として表記する硬化反応速度式を積分することにより計算器(7)により求められる。硬化度αは、成形対象(9)の内部歪を計測する光ファイバ歪センサ(15)により補正することが可能である。
【0012】
第1温度計測器(13)と第2温度計測器(15)の他に、光ファイバー歪センサ(15)が用いられることが好ましい。温度の計測位置は2位置に限られない。計測位置の多数化は、より数が多い連立方程式を構成してその計算精度をより高くする。光ファイバー歪センサは、ファブリペロー干渉計型が好適に用いられる。第1温度計測器(13)はオートクレーブ(3)の中の雰囲気ガスの温度を計測し、第2温度計測器(15)は成形対象の表面又は内部の特定位置の温度を計測する。
【0013】
本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法は、オートクレーブ(3)中の雰囲気温度を上昇させるステップと、オートクレーブの中の雰囲気温度T1を計測するステップと、オートクレーブの中の成形対象(9)の対象温度T2の変化を記述する熱収支方程式に基づいて現在時刻以降の成形対象(9)の予測温度を計算するステップと、予測対象温度の最高値が許容最高温度を越えている場合に、温度上昇速度を小さくした場合の予測対象温度を計算し、その最高値が許容最高温度を越えない条件のもとで、最大の昇温速度を探索するステップと、予測対象温度の最高値が許容最高温度を越えている場合に、その探索された昇温速度に基づいて雰囲気温度T1を調節計(4)により制御するステップと、所定の硬化温度に達した時点で雰囲気温度を一定に保つステップと、硬化度αが所定の値に達した時点で雰囲気温度を降下させるステップとから構成されている。
【0014】
自己外と自己内の現在の物理量を知って物理法則に従って自己外の未来の物理量と自己内の未来の物理量を制御する知的制御により、制御が困難であった熱硬化樹脂系複合材の成形を高精度に制御することができる。
【0015】
成形対象(9)の歪みを計測するステップと、歪みの変化が小さくなる時点に対応する硬化収縮完了時点(P)を計算器(7)により計算するステップと、硬化収縮完了時点(P)に基づいて移行ステップの終了時刻を定めるステップとが効果的に追加される。このような2つのステップにより知られる硬化収縮完了時点(P)は、移行ステップの終了時点を的確に予測する重要なデータである。
【0016】
歪みの時間に関する1階微分を計算器により計算するステップと、歪みの時間に関する2階微分を前記計算器により計算するステップとが更により効果的に追加される。硬化収縮完了時点は、オートクレーブ雰囲気温度が一定に保持される温度保持ステップで、1階微分が概ね零に近づき、且つ、その2階微分がピークに達した時点として同定される。歪みの1階微分と2階微分の変化の追跡は、硬化収縮終了時点をより厳密に知ることにより温度を降下させる降下ステップの開始をより厳密に制御するための重要なデータになる。そのような厳密な制御のために必要である計測器(15)としては、ファブリペロー干渉計型光ファイバーが最適である。
【0017】
歪みは、硬化収縮による歪みと熱膨張収縮による歪みとから構成される。従って、比体積は、温度と硬化度とを変数とする2変数関数で記述される。オートクレーブ雰囲気温度が一定に保持される温度保持ステップで、歪みが一定値になる時点は、高精度に硬化収縮時点に同定される。硬化収縮終了時点の硬化度は、比体積を記述する式より、温度のみに依存して一意に決定される。硬化収縮終了時点を知ることにより、その時点の硬化度を正確に知ることができ、硬化反応速度式の積分により求められる硬化度の誤差を補正することができる。このことにより、硬化終点を高精度に判定することができ、硬化時間を必要最小限に抑えて、生産効率を高めることができる。
【0018】
本発明による熱硬化樹脂複合材の知的成形システムは、オートクレーブ(3)の中の雰囲気温度を上昇させるステップと、所定の硬化温度に達した時点で雰囲気温度を一定に保つ温度保持ステップと、オートクレーブ(3)の中の雰囲気温度を計測するステップと、オートクレーブ(3)の中の成形対象の対象温度を計測するステップと、硬化反応速度式を積分して硬化度αを求めるステップと、成形対象の内部歪を光ファイバ歪センサにより計測するステップと、内部歪の時間1階微分を計算するステップと、内部歪の時間2階微分を計算するステップと、オートクレーブ雰囲気温度が一定に保たれる温度保持ステップで、時間1階微分が安定的に零値状態になった後に時間2階微分がピーク値に達する時点を探索するステップと、その時点を硬化収縮終了時点(Q)として同定するステップと、硬化反応速度式を積分して求めた硬化度αを硬化収縮終了時点(Q)に対応した硬化度に置換えて補正するステップと、補正された硬化度αを起点として、再度に硬化反応速度式を積分して硬化度αを求めるステップと、硬化度αが所定の値に達した時点で雰囲気温度を降下させるステップとから構成されている。硬化収縮終了時点(Q)に基づいて硬化度を補正し、温度の降下を開始させる時点を高精度に判定することにより、製品物性を高め、且つ、硬化サイクル時間を合理的に必要最小限に抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形システムの実施の形態は、オートクレーブが温度サイクル制御器とともに設けられている。そのオートクレーブ1は、図1に示されるように、温度サイクル制御器2により温度と圧力の調整を受ける。オートクレーブ1は、圧力容器3を構成している。温度サイクル制御器2は、温度調節器4を有している。温度サイクル制御器2は、運転制御プログラム5を有している。温度調節器4は、運転制御プログラム5に従って動作し、圧力容器3の中の加圧媒体6の温度を制御する。温度サイクル制御器2は、更に、知的成形制御プログラムを有する計算器7を構成している。運転制御プログラム5と計算器7との間には、データのやり取りのためのネットワーク内共有ファイル8が介設されている。
【0020】
熱硬化成形対象9は、圧力容器3の中のに、成形治具11とフィルム又はシート状のバッグ材12で気密包装され、その内部が減圧された状態に置かれている。温度測定のために、第1温度計測器13と、第2温度測計測器14とが用いられる。更には、他の温度計測が追加される。成形対象9の内部歪測定のために、光ファイバ歪センサ15が用いられる。第1温度計測器13は、圧力容器3の中の雰囲気温度Tbを測定する。第2温度計測器14は、熱硬化成形対象9温度Tcを測定する。追加される温度計測器は、成形対象9の他の位置と成形治具11の温度を測定する。光ファイバ歪センサ15は、樹脂の硬化収縮と熱膨張差による体積変化に伴う成形対象9の内部歪を測定する。
【0021】
温度サイクル制御器2は、記録計17を更に有している。記録計17は、第1温度計測器13が出力する雰囲気温度Tbと、第2温度計測器14が出力する成形対象9の温度Tcと、追加される温度計測器が出力する成形対象9の他の位置と成形治具11の温度と、光ファイバ歪センサ15が出力する成形対象9の内部歪を記録する。
【0022】
このように計算され記録される温度と歪みから形成される計測データ18は、ネットワーク内共有ファイル8に記録され共有化され、更に、計算器7に送信される。計算器7は、計測データ18に基づいて最適昇温サイクルを計算して設定値データ19を生成する。設定値データ19は、ネットワーク内共有ファイル8で共有化され更に計測データ18により温度調節器4に送信される。温度調節器4は、設定値データ19に基づいて圧力容器3の中の雰囲気温度Tbを制御する。
【0023】
図2は、複数部位間の熱伝導を示している。加圧媒体6の第1代表的部位21とバッグ材12の外側表面の第2代表的部位22との間の熱伝導により、第2代表的部位22は加圧媒体6から圧力容器3の熱を受取って温度Tfを有する。バッグ材12の第2代表的部位22と熱硬化成形対象9の第3代表的部位23との間の熱伝導により、第3代表的部位23はバッグ材12から熱を受取って温度Tcを有する。成形治具11の第4代表的部位24と熱硬化成形対象9の内側表面との間の熱伝導により、第4代表的部位24は熱硬化成形対象9又は加圧媒体6から熱を受取って温度Tmを有する。熱硬化成形対象9の中の任意の1点領域25は、硬化収縮変形と熱膨張差による変形を受けて、そこに歪み力が発生する。温度Tbが、制御されることになる。
【0024】
計算器7には、次に述べられる数式群が記載されている。図3は、領域ごとの物性値を示している。バッグ材12と熱硬化成形対象9と成形治具11の物性値は、下記の記号で示される。
バッグ材12の物性値:
If:バッグ材12の厚さ[m]
Cpf:バッグ材12の比熱[J/kg・K]
ρf:バッグ材12の密度[kg/m3
熱硬化成形対象9の物性値:
Ic:熱硬化成形対象9の厚さ[m]
Cpc:熱硬化成形対象9の比熱[J/kg・K]
ρc:熱硬化成形対象9の密度[kg/m3
成形治具11の物性値:
Im:成形治具11の厚さ[m]
Cpm:成形治具11の比熱[J/kg・K]
ρm:成形治具11の密度[kg/m3
【0025】
更に、他の物性値が下記の記号で示される。
h:バッグ材12と成形治具11の表面近傍の境膜伝熱係数[W/m2・K]
ht:加圧媒体6の全部材表面に対する総括伝熱係数[W/m2・K]
t:時間[s]
Q:単位プリプレグ質量当たりの反応熱[J/kg]
r(Tc,α):硬化反応速度(s-1)(後述される)
α:硬化度[無次元](後述される)
【0026】
加圧媒体6から熱硬化成形対象9に伝達される入熱量は、次式で与えられる。2ht(Tb−Tc)[J/m2・s]
部材熱量の増加は、次式で与えられる。
Figure 0004148400
反応熱は、次式で与えられる。
Ic・ρc・Q・r(Tc,α)[J/m2・s]
【0027】
ここで、合理的に次式が近似的に仮定される。
dTf/dt=dTc/dt=dTm/dt
この仮定に基づけば、
(If・Cpf・ρf+Ic・Cpc・ρc+Im・Cpm・ρm)(dTc/dt)
=2ht(Tb−Tc)+Ic・ρc・Q・r(Tc,α)
この式は、次式で簡素に表現される:
A・(dTc/dt)=2ht(Tb−Tc)+B・r(Tc,α)・・・(1)
ここで、Aは1つの定数として扱われ、Bは他の1つの定数として扱われる。
A=If・Cpf・ρf+Ic・Cpc・ρc+Im・Cpm・ρm
B=Ic・ρc・Q
式(1)の中のα(=∫(dα/dt)dt)は、後述されるように常態的に計算されていて既知である。
【0028】
式(1)のパラメータA,Bは、次に記述されるように求められて既知になる。既述の第1温度計測器13と第2温度計測器14とによりTb,Tcを昇温過程で一定周期(nΔt:nは1,2・・・)で計測することにより下記の3つの値を知ることにより決定される。
δT(n) ← Tb(n)−Tc(n)
dTc/dt|(n) ← (Tc(n)−Tc(n-1))/Δt
(n) ← r(Tc(n),α(n)
【0029】
このような計測される値に基づいて、n=1以降のnについて、下記連立方程式計算器7でリアルタイムに解かれて、2ht/Aと、B/Aが求められる。
δT(n)・2ht/A+r(n)・(B/A)=dTc/dt|(n)
δT(n-1)・2ht/A+r(n-1)・(B/A)=dTc/dt|(n-1)
【0030】
このように決定される2ht/Aと、B/Aが用いられて、以降のTcの予測が可能である。
dTc/dt=(2ht/A)・(Tb−Tc)+(B/A)・r(Tc,α)・・・(2)
Tbについて種々の昇温速度を仮定して、式(2)からTcの変化を予測することにより、温度Tcの最大値が許容値を下回るような温度Tbの昇温速度が探索され、Tbが新たに設定される。このTbの設定は、時間間隔Δtの程度の間隔で、実質的にリアルタイムで実行され得る。このような設定のアルゴリズムが、時間的に実質的に連続的に繰り返され、希望する昇温速度を熱硬化成形対象9に与えることができる。
【0031】
硬化度αの硬化速度dα/dtは、Springer らの熱化学モデル(P.R.Ciriscioli and G.S.Springer. "Smart Autoclave Cure of Cpmposites", Technomic Publishing Co. Inc.,1990)により定式化されている。
dα/dt=(HT/HU)・(1/HT)・(dQ/dt)T・・・(3)
αは、0と1の間の無次元変数であり、100が乗じられて%で表され得る。HUは等速昇温の示差熱走査分析で得られる全反応熱であり、HTは等温加熱の示差熱走査分析で得られる反応熱であり、dQT/dtは発熱速度である。ここで、等温反応速度dβ/dtが以下にに定義される。
【0032】
dβ/dt=(1/HT)・dQ/dt)T
dβ/dtは、温度T(K)とβの関数として次式で表される。
dβ/dt=(k1+k2βm)・(1−β)n
1=A1exp(−E1/RT)
2=A2exp(−E1/RT)
ここで、A1,A2,E1,E2,m,nは定数であり、Rは気体定数である。βに関する微分方程式からβが求められdβ/dtが決定され、dβ/dtに基づいて硬化速度dα/dtが求められ、硬化速度の積分により、硬化度αが求められる。
【0033】
光ファイバ歪センサ15としては、下記(1)又は(2)のセンサが好適に用いられ得る。
(1)EFPI-FOSSII-04-P-E(Fiber & Sensor Technologies 社製)
(2)FOS-50003-N (FISO Technologies 社製)
これらは、いずれもがEFPI(Extrinsic Fabry-Perot Interferometer,外因性ファブリ・ペロー型干渉計)であり、入出力側光ファイバーと反射側ファイバーとが器具本体に固定されて装着され、両ファイバーの間には空隙が与えられ、両ファイバーの対向端面が平行平面に形成されてファブリ・ペロー干渉計が形成され、隙間の間隔の変動による干渉光の量又はピーク波長の変動に基づいて、歪を測定する周知の高性能・高精度計測器である。
【0034】
硬化度は、誘電センサにより直接的に計測され得る。誘電センサは、硬化度に対応するイオン粘度を計測する周知の計測器である。誘電センサは、硬化に起因して生じる電気分極に対応する電気的センサ応答の位相のずれと振幅を計測し、その位相のずれと振幅とに基づいて比誘電率ε(=ε’−iε”)の虚数部として定義される損失係数ε”を求め、ε”=ρ/(ω・ε0)で表される関係式で定められるイオン粘度(=(1/ρ)・オームcm)を計測する。ここで、ρはイオン伝導率、ωは印加電場の角速度、ε0は真空中の誘電率である。その硬化度は、光ファイバ歪センサにより補正され得る。発明者らは、特定の熱硬化樹脂を用いて、硬化過程の比体積の変化を測定し、比体積を温度と硬化度の関数として記述する式を導出し、硬化度が一定の値に達した時点で硬化収縮が終了し、硬化温度が一定に保たれている領域にある場合に、比体積も一定になることを見出した。この時点は、光ファイバ歪センサにより検出される。この時点の硬化度は温度に依存して一意に定まり、この時点の硬化度を正確に算出することができる。
【0035】
本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法の実施の形態は、下記ステップにより実行される。
ステップ1:
成形対象物体の複数箇所に温度計特に2つの温度計である第1温度計測器13と第2温度計測器14とが配置され、温度Tbと温度Tcが計測される。更に、光ファイバ歪センサ15が配置され、歪みが測定されることは好ましい。
【0036】
ステップ2:
時間を関数とする設定温度T(t)が、計算器7に理想的に設定される。その温度設定が理想的であることは、過去の事例的経験又は理論的解析から分かっていて、特に、硬化反応熱発生に起因する急激な温度上昇が悪影響を与えることが分かっている。
【0037】
ステップS3:
硬化度αは、計算器7の中にプログラム化されている硬化反応速度式(3)に基づいてリアルタイムに計算されている。又は、硬化度は過去の事例から経験則的に得られ、温度と時間の関数として知られていて、その硬化度αは温度と時間とに対応する値としてテーブル化されている。計算器7は、そのようなテーブルを有している。硬化度αは、更には、誘電センサにより直接的に計測され得る。硬化速度は、硬化度から求められる。その硬化度αは、光ファイバ歪センサによりその値が補正され得る。
【0038】
ステップS4:
温度差(Tb−Tc)が、計算器7により求められる。複数時刻の実測値に基づく連立方程式(1)又は式(2)により、ht/AとB/Aの2つのパラメータが計算器7により計算されて高精度に決定される。式(2)のαは既に求められていて、r(Tc,α)が既知になっている。
【0039】
ステップS5:
その計算により総括電熱係数htと他のパラメータ(単位面積・硬化速度当たりの反応熱量Q)が決定されれば、式(1)に基づいて任意の時刻の温度変化dTc/dtが計算され、その積分により任意の時刻の温度Tcが計算により求められる。Tbについて種々の昇温速度を仮定してその計算を繰り返すことにより、昇温速度に依存したTcの最大値Tcmaxが求められる。
【0040】
ステップS6:
設定された温度サイクルの通りにTbを昇温させた場合に、TcmaxがTcの許容最高温度を越えると予想される場合には、TcmaxがTcの許容最高温度を越えない範囲で最大の昇温速度を選択し、その昇温速度に基づいて設定温度Tbを設定し直す。式(2)には硬化反応熱が組み込まれているので、硬化反応熱が組み込まれている式(2)が算出する予測温度に対応して、圧力容器3の中の加圧媒体6の温度を制御することにより、温度Tcを式(2)が予測する温度に調整することができ、特に温度Tcが許容最高温度を越えることがないように常態的に制御することができる。その後に、Tbが設定された硬化温度(保持温度)に達した時点で、一定温度の保持され、更にその後に、硬化度αが硬化終点を示す所定の値に達した時点で、設定された昇温速度でTbの降温が開始される。硬化度αがその値に達する以前の段階で、光ファイバ歪センサの計測値に基づいて、硬化度αの値を補正することができる。
【0041】
実施例:
カーボン繊維/耐熱タフエポキシ系樹脂プリプレグ(三菱レイヨン社製:MR50K/#982)の88プライの内部に、既述の光ファイバセンサが埋め込まれ、オートクレーブ成形され、オートクレーブ成形過程の内部状態センシング(硬化モニタリング)が本発明者により試みられた。
【0042】
図4は、本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法により温度制御された硬化過程の実測データを示している。横軸は分を示し、左側縦軸は温度と硬化度(%)を示し、右側縦軸は歪を示している。点線表示の曲線(イ)は、標準的な設定温度を示している。曲線(ロ)は、成形対象の実測温度Tcを示している。曲線(ハ)は、比体積の計算式から計算された比体積を示している。曲線(ニ)は、硬化反応速度式から求められた硬化度を示している。曲線(ホ)は、光ファイバ歪センサにより測定された歪みを示している。曲線(ヘ)は、硬化収縮終了時刻を示している。硬化度は、最終的に1(100%)に漸近する。
【0043】
公知技術によれば、図10(b)に示されるように、硬化反応に伴う発熱により突然的に過昇温になることがあるが、本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法によれば、図4の曲線(ロ)に示されるように、設定温度(イ)を越えて高く上昇することはない。
【0044】
図5は、本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法の実施の他の形態を示している。図5に示されるように、オートクレーブ3の加圧媒体6の温度制御(ト)の温度上昇速度をより緩やかに設定すれば、硬化反応熱の影響を受けて、制御対象温度(ロ)が設定温度(イ)を上回ることがあるが、その過昇温の程度は小さい。本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法によれば、図6に示されるような急峻な硬化反応速度(cure rate)(チ)が現れず、過昇温と残留応力を効果的に抑制することができる。
【0045】
図4は、曲線(ホ)により示される歪みの変化が概ね零になる時間領域に硬化収縮点Pが存在していることを示している。図7は、比体積(Specific Vol.)の変化曲線を追加的に示す一般的なグラフである。適正に制御される温度上昇曲線が変化しない時間領域に入った後に、比体積曲線(チ)も変化しない状態に入る。比体積と歪みとが一定値になる時点は、硬化収縮終了時点Pに概ね一致している。硬化は、硬化収縮終了時点の後に更に進む。硬化度が1(100%)に十分に近づた点Qを温度保持ステップ終了時点とし、温度降下の制御が開始される。
【0046】
図8は、硬化収縮終了時点をより厳密に知ることができる手段を示し、本発明者により見出された比体積の温度と硬化度に対する依存性から求められた硬化過程の比体積変化示している。図8は、比体積の時間1階微分変化曲線(リ)と比体積の時間2階微分変化曲線(ヌ)とを更に追加的に示している。時間1階微分変化曲線(リ)が一定値を維持した後に急減する時点に遅れて、時間2階微分変化曲線(ヌ)が発散的にピーク値を示す。そのピーク値を示す時点は、硬化収縮終了時点Qに高精度に一致している。時間1階微分変化曲線(リ)が安定的に零を維持する無変化状態(ル)に入ったことが確認された後に、時間的に遡って時間2階微分変化曲線(ヌ)がピーク値を持つ時点を探索することにより、硬化収縮終了時点Qを高精度に見定めることができる。
【0047】
図9(a),(b)は、歪み(Strain)と、歪みの時間1階微分変化曲線(オ)と、歪みの時間2階微分変化曲線(ワ)とをそれぞれに示している。歪みの1階微分と2階微分は、
dS/dt={S(t)−S(t−Δt)}/Δt
dS2/dt2={dS(t)/dt−dS(t−Δt)/dt}/Δt
により求められる。Sは歪を表わす。Δt=2分の場合は(a)で、Δt=20分の場合は(b)で示されている。Δt=2分では、硬化収縮終了時点Qとの間に実用的な相関性は見られないが、Δt=20分では、時間1階微分変化曲線が安定的に零を維持する無変化状態に入ったことが確認された後に、時間的に遡って時間2階微分変化曲線がピーク値を持つ時点を探索し、更にその時点よりΔT(20分)遡った時点を硬化収縮終了時点Qとして定めることができる。図11と図12は、既述の制御手順を記述するフローチャートを示している。
【0048】
【発明の効果】
本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム、及び、その知的成形方法は、生産効率を低下させずに反応熱による温度の異常上昇と硬化収縮による残留応力を抑制する技術を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による熱硬化樹脂系複合材の知的成形システムの実施の形態を示すシステムブロック図である。
【図2】図2は、成形装置を示す断面図である。
【図3】図3は、温度測定位置示す断面図である。
【図4】図4は、温度変動と硬化度等との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、3つの温度変動を示すグラフである。
【図6】図6は、公知の温度変動と硬化速度を示すグラフである。
【図7】図7は、温度変動と比体積の一般的な関係を示すグラフである。
【図8】図8は、比体積変化と硬化収縮終了時点の相関性を示すグラフである。
【図9】図9(a),(b)は、歪みと硬化収縮終了時点の相関性をそれぞれに示すグラフである。
【図10】図10(a),(b)は、公知の設定温度と実測温度をそれぞれに示すグラフである。
【図11】図11は、本発明による知的成形制御手順の実施の形態を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明による知的成形制御手順の実施の他の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3…オートクレーブ
4…調節器
6…加圧媒体
7…計算器
9…成形対象
13…第1温度計測器
15…第2温度計測器
19…制御値

Claims (10)

  1. オートクレーブと、
    計算器と、
    前記オートクレーブの中の環境温度Tを制御する調節器と、
    前記環境温度Tを計測する第1温度計測器と、
    前記オートクレーブの中の熱硬化樹脂系複合材から形成される成形対象の対象温度Tを計測する第2温度計測器とを具え、
    前記計算器は、熱収支方程式:
    dT/dt=P・(T−T)+P・r(T,α)
    :パラメータ
    :パラメータ
    r:既知である硬化反応速度
    α:既知の硬化度
    を複数の時刻の方程式として連立化することにより前記パラメータを計算により求め、且つ、前記方程式に基づいて現在時刻以降の予測対象温度を計算し、前記予測対象温度に基づいて前記環境温度を制御するための制御値を前記調節器に出力する
    熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  2. 前記硬化度αは、硬化速度dα/dtを温度と硬化度αの関数として表記する硬化反応速度式を積分することにより前記計算器により求められる
    請求項1の熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  3. 前記硬化度αは、前記成形対象を計測する計測器により直接に求められる
    請求項1の熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  4. 前記成形対象を計測する計測器により求められる計測値に基づいて、前記硬化度の誤差が補正される
    請求項2の熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  5. 前記計測器は、光ファイバー歪センサである
    請求項4の熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  6. 前記光ファイバー歪みセンサはファブリペロー干渉計型である
    請求項5の熱硬化樹脂系複合材の知的成形システム。
  7. オートクレーブ中の雰囲気温度を上昇させるステップと、
    前記オートクレーブの中の雰囲気温度Tを計測するステップと、
    前記オートクレーブの中の成形対象の対象温度Tを計測するステップと、
    前記硬化反応速度式を積分して硬化度αを求めるステップと、
    前記雰囲気温度Tと前記対象温度Tと前記成形対象の硬化度αとを含み前記対象温度の変化を記述する熱収支方程式に基づいて現在時刻以降の前記成形対象の予測対象温度を計算するステップと、
    前記予測対象温度の最高値が許容最高温度を越えている場合に、温度上昇速度を小さくした場合の予測対象温度を計算し、前記最高値が許容最高温度を越えない条件の下で、最大の昇温速度を探索するステップと、
    前記予測対象温度の最高値が許容最高温度を越えている場合に、前記昇温速度に基づいて前記雰囲気温度Tを調節計により制御するステップと、
    所定の硬化温度に達した時点で前記雰囲気温度を一定に保つステップと、
    前記硬化度αが所定の値に達した時点で前記雰囲気温度を降下させるステップ
    とを具え
    前記熱収支方程式は、計算器の中で下記式:
    dT /dt=P ・(T −T )+P ・r(T ,α)
    :パラメータ
    :パラメータ
    r:既知である硬化反応速度
    α:既知の硬化度
    が記述され、
    前記計算するステップは、
    前記熱収支方程式を複数時刻について連立化することにより温度差(T −T )に基づいて前記式中のパラメータP とP とを前記計算器により求めるステップを備える
    熱硬化樹脂系複合材の知的成形方法。
  8. 前記成形対象の歪みを計測するステップと、
    前記歪みの変化が小さくなる時点に対応する硬化収縮完了時点を前記計算器により計算するステップと、
    前記硬化収縮完了時点に基づいて前記一定の温度に保持する前記ステップの終了時刻を定めるステップ
    とを更に具える請求項7の熱硬化樹脂複合材の知的成形方法。
  9. 前記歪みの時間に関する1階微分を前記計算器により計算するステップと、
    前記歪みの時間に関する2階微分を前記計算器により計算するステップとを更に具え、
    前記硬化収縮完了時点は、前記オートクレーブ雰囲気温度を一定に保つ前記ステップで、前記1階微分が概ね零に近づき、且つ、前記2階微分がピークに達した時点として同定される
    請求項8の熱硬化樹脂複合材の知的成形方法。
  10. 前記歪の計測のためにファブリ・ペロー干渉計光ファイバー歪センサが用いられる
    請求項9の熱硬化樹脂複合材の知的成形方法。
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