JP4147977B2 - 希ガス蛍光ランプ点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、スキャナーなどにおける画像読み取り用光源装置に使用される希ガス蛍光ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、スキャナーなどの画像読み取り用の光源として使用される蛍光ランプとして、ガラス管の外表面に帯状の一対の外部電極を配置し、これらの電極に高周波電圧を印加して点灯する外部電極式希ガス蛍光ランプが知られている。図6は上記外部電極式希ガス蛍光ランプの概略構成を示す図であり、同図(a)は管軸方向に垂直な方向の断面を示し、同図(b)はその側面図を示している。図6に示すように外部電極式希ガス蛍光ランプ11はガラス等の誘電体からなる放電容器13と、その管軸方向の側面に略全長に亘り配設されたアルミニウム等の材質からなる一対の帯状電極12、12´(もしくは線状の電極)と放電容器の形成された蛍光物質層14から構成される。そして、上記外部電極12、12´に連続的な高周波電圧やパルス的高周波電圧を印加して点灯させる。
【0003】
外部電極式希ガス蛍光ランプを点灯する点灯装置としては、図7に示されるような点灯装置がある。図7はフライバック方式のスイッチング電源回路を外部電極式希ガス蛍光ランプの点灯装置に応用した例である。MOS FETなどのスイッチ素子Q1とPWM制御回路20、パルストランスT1および外部電極式希ガス蛍光ランプ11とから構成されている。この方式は、スイッチ素子Q1であるMOS FETがONしたときのエネルギーをパルストランスT1に蓄え、PWM制御回路20によりスイッチ素子Q1のMOS FETがOFFした際にトランスT1へ蓄えられたエネルギーを該希ガス蛍光ランプ11へパルス状の電圧波形を印加するように動作する。
【0004】
さらに図8(a)は、図7の点灯回路に可変周波数発振器30からの可変周波数信号としての光量調整信号をPWM制御回路部20に入力し、該希ガス蛍光ランプ11を点灯させるものであり、このとき可変周波数信号とランプの発光周波数とが一致するように動作することにより、単位時間あたりの該ランプの発光パルスを適宜選択し光量を変化させるものである。図8(a)中の記号40は電流検出素子、20はPWM制御回路部、Q1はスイッチ素子である。図8(b)には、図8(a)の可変周波数発振器30の可変周波数信号f30、PWM制御回路部20の発振信号f20、スイッチ素子Q1の駆動信号fQ1、ランプ電流ILの波形を表した図である。
【0005】
図9は、図7の点灯回路に原稿読取装置(不図示)からPWM制御回路部20に入力される受光周期信号(すなわち同期信号)により、点灯装置内部で定められた発光パルスの発振動作を制御する回路構成を示す。例えば、同期信号が「HIGH」レベルにあるときは発振動作を許可し、「LOW」レベルにあるときは、発振動作を停止する。すなわち、同期信号が「LOW」レベルから「HIGH」レベルに転移した時点から点灯回路内部の発振動作が開始されることになるために前記同期信号に同期した発振制御を可能にしたものである。図10は、図9記載の各部のタイミングを表す図である。
【0006】
なお、ON/OFF信号の入力については、図7に示したが、その信号を入力によりインバータを動作させ、ランプの点灯を制御する信号である。
【0007】
近年の画像読取装置は、ディジタル方式が主流である。これは、従来のアナログ方式と比較して大きく異なる点は、画像の読み取りセンサとしてCCDなどの受光素子を使用していることである。従来の複写機などで使用されてきたアナログ方式とは光源からの光により感光体を帯電させることでトナーを付着させ、紙に転写することで複写されるものである。
【0008】
したがって、1度の読み取り動作で複写できる枚数は1枚である。多数枚複写するときは、複写する枚数と同じ回数読み取り動作を行う必要がある。一方、ディジタル方式は、CCDなどの受光素子を使用し、ディジタル処理することで記憶蓄積できるために1度の読み取り動作で多数複写することができる。さらに画像を電子データとして処理できるため電子メールや電子媒体への記憶が可能となる。
【0009】
ディジタル方式のカラー原稿の画像読取装置における同期信号の概要を説明する。ディジタル方式の画像読取装置では、画像を希ガス蛍光ランプで照射し、その反射光を、縮小光学系を介してCCDなどの受光素子で読み取る。このとき画像の所定の1ラインごとにデータをCCDへ取りこみ、画像上を走査しながら順次読み取る方式を採用している。カラー画像の読み取りにおいては、白色光を放射する光源が必要である。
【0010】
一般に蛍光ランプにおいて赤・青・緑の蛍光体を混合し、白色光を放射させる手法が用いられる。蛍光体はそれぞれ特有の残光時間をもっている。この3色の蛍光体のうち、特に青色蛍光体は、BaMg2Al:Eu2+,Mn2+などが知られるが、一般に残光時間が短く、1ms以下である。このため青色の発光と他の2色のバランスが色再現性に強く影響する。
【0011】
例えば1ラインのスキャン時間を200μsのとき、発光周波数が70kHzであるとスキャン時間内に約13回乃至14回のパルス発光が起きうる。このときの同期信号と光波形の関係を図11に模式的に示す。青色蛍光体の残光は短いので、発光パルス周期内において減衰することを示した。実際には1発光周期において光量が0まで低下することはないが、図では説明の簡略化のために1発光周期内に0まで低下するものとした。
【0012】
受光センサの受光周期は、1ラインの読み取り周期である。この「HIGH」レベルの時間において光信号がCCDへ入射し、画像として読み取られる。図では、1ラインの読み取り周期内における発光パルス数がa)14回とb)13回を示してある。この光量差は、次式で概略計算される。
(14−13)×S/14×S=7%、 S:1パルスあたりの光量
これは画像むら、色むらを引き起こし、画像読取装置としては好ましくない。経験的には、この光量差は、3%以内であることが好ましい。
【0013】
次に、同期信号は、希ガス蛍光ランプをパルス状に点灯する場合に、読み取り画像をスキャンニング時、1ラインの読み取り周期内において同一の光量を確保するために1ライン間の点灯パルス数を概ね同一にするための信号である。
【0014】
同期の方式としては、入力された信号により、一時インバータの動作(発振)を停止し、読み取り開始時とパルス発光のタイミングを合わせる手法と1ライン読み取り周期におけるパルス発光数を同じに制御する(PLL)方式がある。前者は特開2001-110587号公報に、後者は特開2000-323292号公報に記載されております。
【0015】
また、光量調整信号は、ランプ光量のばらつきの補正、画像の読み取りスピードやCCDのダイナミックレンジを有効に使用するため、など使用状態に合わせて適正なランプの光量を調整する信号である。光量調整については、特開2001-085182号公報に記載されている。なお、前記特開2001-110587号公報には、同期信号と遅延回路により光量調整することが記載されている。
【0016】
従来、前記2つの制御は、別々の目的のために考案されたものであり、市場の要求として、両者を同時に使用することがなかった。特に光量調整については、画像読み取り装置としての用途が開発されていないために、画像読み取り用の希ガスランプを用いた点灯装置として採用されることは稀であった。
【0017】
【特許文献1】
特開2001-110587号公報
【特許文献2】
特開2000-323292号公報
【特許文献3】
特開2001-085182号公報
【特許文献4】
特開平11-312596号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば、読み取りスピードに応じた光量の調整を行い、画像読み取り時の省電力を図るなどの画像を読み取る個々の目的に応じた光量の調整をするという最近の市場の要求がある。このとき、同期信号と光量調整信号とON/OFF信号の3つの信号を別々に操作することは、シーケンスが複雑であり、回路仕様としても簡略化する必要がある。
【0019】
さらに特開2001-085182号公報に記載された回路においては、発光パルスの周波数を調整して任意に光量調整することが記載されている。特開平11-312596号公報においては、受光センサの受光周期に合わせてスイッチング素子の駆動信号の動作を揃える回路、すなわち同期動作が記載されている。特開2000-323292号公報においては、同期信号周期内に一定の発光パルスを生成する回路が記載されている。なお、前記公報は、光量調整動作および同期信号による動作を各々独立して動作することを前提としている。
【0020】
最近、画像読取装置において各々の読み取りモードに応じた妥当な光量で動作することにより省エネルギーを達成しようという要求がある。具体的には読み取りモードというのは、読み取り速度や解像度に関するものである。そこで前記、光量調整信号による光量調整と特にカラー原稿読み取りにおいては受光センサ受光周期との同期を同時に行う必要がある。前記公報の手法で光量調整と同期を実現しようとすると各々の目的に応じた2つの信号、すなわち光量調整信号と同期信号が点灯電源装置に入力されることが必要になる。
【0021】
そこで、本発明の目的は、新しい用途としていくつかの読み取りモードにおいて受光センサの受光周期を変化、すなわち複数の同期信号を使用し、読み取りスピードを適宜選択する場合、各々の同期信号の周波数に応じて必要な光量が異なること、しかもその光量は同期信号に1:1に対応すればよいこと、に着目して、同期信号の周波数を判別することにより適宜、必要な光量を選択、すなわち光量調整を行うとともに従来の同期も行う機能を盛り込んだ希ガス蛍光ランプ点灯装置を提供することにある。この点灯装置により、同期信号と光量調整信号の2つの信号を入力することなく、同期信号という1つの信号で、同期動作と光量調整動作を同時に行うことを提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、希ガス蛍光ランプと所定の受光周期で走査される画像読取用受光センサとを備えた画像読取装置に適用される希ガス蛍光ランプ点灯装置であって、抵抗に接続されるRT端子とコンデンサに接続されるCT端子と電源に接続される電源端子と出力端とを備え、発振を行うことにより前記希ガス蛍光ランプを点灯させるPWM制御回路と、前記画像読取用受光センサの読み取り周期と一致した周期を表す同期信号が入力され、該同期信号を2つに分岐する分岐回路と、前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの一方が入力端に入力され、該同期信号の周波数に応じて、ハイレベルまたはローレベルの信号を出力端から出力する周波数判別回路と、一端が前記CT端子に接続され、他端が接地されたコンデンサと、前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの他方がベースに入力され、コレクタが前記CT端子に接続されるとともに前記コンデンサの一端に接続され、エミッタが接地されると共に前記コンデンサの他端に接続された第1のトランジスタと、一端が前記RT端子に接続され、他端が接地された第1の抵抗と、一端が、前記RT端子に接続されるとともに、前記第1の抵抗の一端に接続される第2の抵抗と、コレクタが接地されると共に前記第1の抵抗の他端に接続され、エミッタが前記第2の抵抗の他端に接続され、ベースが前記周波数判別回路の出力端に接続された第2のトランジスタと、エミッタに電源電圧が印加され、ベースに前記希ガス蛍光ランプの点灯・消灯を制御するON/OFF信号が入力され、コレクタが抵抗を介して前記PWM制御回路の電源端子に接続された第3のトランジスタと、前記第3のトランジスタのエミッタに接続されると共に、電源電圧が印加されるパルストランスと、ゲートが前記PWM制御回路の出力端に接続され、ソースが接地され、ドレインが前記パルストランスに接続された第4のトランジスタとを備えた高周波発生回路とを備え、前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの一方の同期信号の高低の期間に同期して、前記第1のトランジスタをオンさせて、前記コンデンサに放電させ、または前記第1のトランジスタをオフさせて、前記コンデンサに充電させ、ハイレベルの前記同期信号が前記第1のトランジスタのベースに入力されて該第1のトランジスタがオンとなって前記コンデンサが放電することにより、前記CT端子の印加電圧が接地電位となり、前記PWM制御回路の発振が停止することで、該希ガス蛍光ランプを消灯させる一方、前記周波数判別回路によって出力される信号のレベルに応じて前記第2のトランジスタをオンオフさせつつ、ローレベルの前記同期信号が前記第1のトランジスタのベースに入力されて該第1のトランジスタがオフとなって前記コンデンサが充電することにより、前記CT端子の印加電圧が接地電位よりも高電位となり、前記PWM制御回路が、前記第1の抵抗、前記第2の抵抗及び前記第2のトランジスタで構成された抵抗成分と前記コンデンサ及び前記第1のトランジスタで構成された静電容量成分とで構成される時定数により決められる周波数で発振し、当該発振により前記パルストランスを介してパルス電圧を前記希ガス蛍光ランプに印加又はパルス電流を前記希ガス蛍光ランプに注入することによって、該希ガス蛍光ランプを点灯させることを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図1(a)に本発明の説明のためのブロック図を示す。読取装置からの受光周期信号(同期信号)を分岐回路で分岐して同期信号と調光信号とする。調光信号と呼称しているが、同期信号と等価の信号である。調光信号は周波数判別回路へ入り、周波数判別回路は当該調光信号に対応した点灯周波数を演算し、光量調整信号を出力する。光量調整信号はインバータ回路に入力し、インバータ回路からランプへ電力供給される。
図1(b)はインバータ回路の細部を説明するブロック図である。この回路は、説明のためにスイッチングレギュレータなどに用いられる制御回路20を使用することを前提に記載されたものである。一般の制御回路では、発振周波数を決めるための端子としてRT,CT端子を設けてある。この制御回路20外部に接続された抵抗とコンデンサにより充放電回路を形成し、発振動作をさせるものである。RTとは、前記抵抗を接続する端子を示し、CTとは、前記コンデンサを接続する端子を示す。制御回路20では、充放電の時定数によりスイッチングレギュレータの発振周波数が決められるように設計されているものが一般的である。
【0024】
まず、回路の構成を説明する。スイッチ素子であるQ1を含んだ高周波発生回路とQ1を適宜、制御するPWM制御回路部(制御回路)20で構成される。高周波発生回路にはVccおよびGNDが入力される。またPWM制御部にはランプの点灯・消灯を制御するON/OFF信号と前記、同期信号が入力される。
【0025】
該PWM制御回路部20には、時定数を決定するRT端子とCT端子がある。時定数は、RT端子に接続されたRT1、RT2、Q3で構成された抵抗成分とCT端子に接続されたCT・Q2で構成された静電容量成分とで構成される。
一方、同期信号は、同期を構成する静電容量成分の構成部(CT・Q2)と周波数を変更するための抵抗成分の構成部(RT1、RT2、Q3)に分岐される。分岐回路は、たとえばダイオードなどにより相互干渉を避けるように構成される。
【0026】
次に、回路動作について説明する。まず、VccとしてDC24Vがインバータ回路に入力される。次に原稿読取装置(不図示)から点灯装置に入力される受光周期信号すなわち同期信号が入力される。さらにON/OFF信号が入力されることにより、PWM制御回路20が発振動作し、FETなどのスイッチ素子Q1がON/OFFするように繰り返し動作し、パルストランスT1を介して、ランプ11にパルス状の電圧が印加され、ランプ11が点灯する。
【0027】
同期信号とは、読取素子であるCCD(Charge coupled device)の読み取り周期、すなわち原稿面を走査する周期と一致した周期を表す信号である。読み取り周期は、原稿面を走査するときの1単位を構成するものであり、原稿の読み取り解像度に関係する。すなわち光量が大きく、読み取り周期が長いほど、1単位のS・N比が大きくなり、解像度は高くなる。
【0028】
同期信号は、矩形状のパルス信号で印加されるものとして以下説明する。本特許にてこの信号の形態について規定するものではない。この同期信号は、分岐回路により、同期動作のために使用する同期信号と光量調整に使用される同期信号と等価な調光信号に分岐される。ここで調光信号と呼んでいるのは光量調整信号を周波数判別回路の入力信号であり、周波数判別回路により演算し、光量調整信号を生成する信号のことである。図1(b)には、ダイオードで干渉を防止した例が図示されている。同期信号は、発振停止信号として制御回路20のCT端子に接続される。
【0029】
図1(b)では同期信号が「HIGH」レベルのときにスイッチング素子Q2がONし、CTの電荷を放電し、両端を0V(ゼロボルト)にし、発振をリセットする。このことにより、Q2のON期間においては発振が停止される。このことにより同期信号の「HIGH」レベルの期間は、ランプが消灯している。一方、同期信号は分岐回路で同期信号と調光信号に分けられ、その調光信号が周波数判別回路に入力され、周波数判別回路は光量調整信号を出力し、切替回路のQ3のON/OFFを制御する。
【0030】
つまり、同期信号の周波数によりスイッチング素子Q3を0Nした場合には、RTに接続された抵抗値は、RT1とRT2の並列抵抗値となり、発振周波数は高い値になる。つまり照度が高くなる。また、Q3をOFFした場合には、RTの値はRT1単独の値となり、周波数が遅くなり、照度は低くなる。この抵抗(RT)の値を適宜選択することにより、光量調整の幅は、任意に選択することができる。
【0031】
たとえば、5kHzと10kHzの2つの読み取り周波数があり、その周波数に一致した同期信号が入力される。同期信号と発光パルス信号のタイミングチャートを図2に示す。図2(a)は同期信号の周波数が5kHzのときに、発光パルスの周波数が120kHzとしたときのタイミングチャートである。このとき照度は、30,000 lx(ルックス)となるようなランプで構成するとする。なお、この照度は、希ガス蛍光ランプの管面から8mmの距離での測定値で規定した値である。
【0032】
入力された同期信号は、分岐回路を経由して、周波数判別回路は、「HIGH」レベル信号を出力し、Q3をONさせる。このためPWM制御回路20のRT端子に接続されたRT1とRT2の合成抵抗で決定される時定数となり、発振周波数は高くなる。
【0033】
図2(b)は同期信号の周波数が10kHz、発光パルスの周波数が100kHzとしたときのタイミングチャートである。前記ランプの照度は、周波数に概ね比例するため照度は、概ね25,000 lx(ルックス)となる。入力された同期信号で、周波数判別回路は、「LOW」」レベル信号を出力し、Q3をOFFさせる。このためPWM制御回路20のRT端子に接続されたRT1のみで決定される時定数となり、発振周波数は低くなる。なお、周波数判別回路を適宜選択すれば、Q3を能動的に動作させることも可能であり、同期信号周波数に応じて連続的に発振周波数を選択することも可能である。
【0034】
一方、同期信号は、分岐回路を経由して、PWM制御回路20のCT端子に接続されたQ2のベースに接続されている。すなわち、同期信号の「HIGH」レベルの期間にQ2はONし、CTの電荷を引き抜き、PWM制御回路20の発振が停止する。同期信号が「LOW」レベルになるとQ2がOFFすることにより、再び発振を開始する。この動作により、1同期信号周期における発振開始の時点が一致することとなり、ランプの点灯は、同期信号と同期することになる。
【0035】
[実施例2]
図3は、前記実施例1で示した周波数判別回路の細部の実施例を示したものである。ここでは、積分器を経由して比較器に調光信号を入力した例を示した。周波数信号である調光を積分し、所定の電圧に変換し、比較器で2値判別し、切替回路でRTの値を切り替えるものである。この周波数判別回路は、周波数−電圧変換器を用いることもできる。
【0036】
[実施例3]
同様に3種の周波数の同期信号を判別し、3段階の光量調整を行うことも可能であることを図4に示す。この回路では、RT1と並列にRT2、RT3を配置し、Q2およびQ3,Q3´のON/OFFにより、所定のRT(抵抗)値を得るものである。
【0037】
[実施例4]
図5は、プッシュプル方式のスイッチング電源回路を外部電極式希ガス蛍光ランプの点灯装置に応用した本願の一実施例である。プッシュプル方式の点灯装置は、2つのMOS FETなどのスイッチ素子Q1,Q2とPWM制御回路20、パルストランスT1および外部電極式希ガス蛍光ランプ11から構成されている。
【0038】
MOS FETなどのスイッチ素子であるQ1, Q2を制御回路(ゲート信号生成回路)20により交互に開閉させることにより、外部電極式希ガス蛍光ランプ11に交流電圧波形を印加し、その立上り時間および立下り時間においてパルス状の電流を該希ガス蛍光ランプ11に流すように動作する。
【0039】
この図5では、前記同期信号を光量調整信号とする手段は、前記図1と同様である。一方、同期動作については、1同期周期、すなわち受光センサ受光周期間における発光パルス数を一定に保持する回路(特開2000-323292号公報)を使用している。
【0040】
図12に、この発光パルス数を一定に保持する回路の構成を示す。位相比較器は、外部同期信号Syncと分周器により分周された周波数可変発振器の発振信号の位相とを比較し、その位相差に応じて周波数可変発振器の発振位相は外部同期信号Syncにより位相ロックされる。周波数可変発振器の発振信号は、ゲート信号生成回路に入力され、ゲート信号生成回路の出力により、インバータ回路のスイッチ素子が開閉し、DC電源が出力する直流電圧を交流電圧に変換する。インバータ回路が出力する交流電圧は、昇圧トランスを介して外部電極式希ガス蛍光ランプ11に印加され当該ランプ11が点灯する。
【0041】
なお、光量調整の方法としては周波数を変更することによるものが最も有効であるが、前記希ガス蛍光ランプ点灯装置の前段に昇圧回路や降圧回路を設け、安定化された電圧を点灯装置に入力するような回路を構成した場合、その電圧を前記同期信号により、変化させることで光量を変化させることも可能である。
【0042】
さらに、本実施例においては、比較器による演算回路を例示したが、マイクロコンピュータなどを使用して、同期周波数を電圧変換し、それに応じてインバータの発振周波数を変化させることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、希ガス蛍光ランプを用いた画像読み取り装置の画像の読み取りスピードに応じた光量の調整を行うこと、あるいは画像読み取り時の省電力を図るなどの、画像を読み取る個々の目的に応じた光量調整をするという課題に対して、同期信号と光量調整信号の2つの信号を各々独立して入力することなく、光量調整動作と同期動作を1つの同期信号で行うことができる。1つの信号で同期動作と光量調整動作を行うため、画像読み取り装置のシーケンスが非常に簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例のブロック図を示す。
【図2】同期信号と発光信号のタイミングチャートの一例を示す。
【図3】本発明の第二の実施例を示す。
【図4】本発明の第三の実施例を示す。
【図5】本発明の第四の実施例を示す。
【図6】外部電極式希ガス蛍光ランプの概略構成を示す。
【図7】フライバック方式の点灯装置の構成を示す。
【図8】フライバック方式の点灯装置の光量調整回路の構成と回路各部の波形を示す。
【図9】フライバック方式の点灯装置の同期回路の構成を示す。
【図10】図9の回路の各部の波形を示す。
【図11】同期動作の必要性を説明する図を示す。
【図12】プッシュプル方式の同期回路の構成を示す。
【符号の説明】
11 外部電極式蛍光ランプ
12、12´ 外部電極
13 放電容器
14 蛍光物質層
20 PWM制御回路部
T1 パルストランス(昇圧トランス)
Q1、Q1´、Q2、Q3、Q3´、Q4 スイッチ素子
30 可変周波数発振
40 電流検出素子

Claims (1)

  1. 希ガス蛍光ランプと所定の受光周期で走査される画像読取用受光センサとを備えた画像読取装置に適用される希ガス蛍光ランプ点灯装置であって、
    抵抗に接続されるRT端子とコンデンサに接続されるCT端子と電源に接続される電源端子と出力端とを備え、発振を行うことにより前記希ガス蛍光ランプを点灯させるPWM制御回路と、
    前記画像読取用受光センサの読み取り周期と一致した周期を表す同期信号が入力され、該同期信号を2つに分岐する分岐回路と、
    前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの一方が入力端に入力され、該同期信号の周波数に応じて、ハイレベルまたはローレベルの信号を出力端から出力する周波数判別回路と、
    一端が前記CT端子に接続され、他端が接地されたコンデンサと、
    前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの他方がベースに入力され、コレクタが前記CT端子に接続されるとともに前記コンデンサの一端に接続され、エミッタが接地されると共に前記コンデンサの他端に接続された第1のトランジスタと、
    一端が前記RT端子に接続され、他端が接地された第1の抵抗と、
    一端が、前記RT端子に接続されるとともに、前記第1の抵抗の一端に接続される第2の抵抗と、
    コレクタが接地されると共に前記第1の抵抗の他端に接続され、エミッタが前記第2の抵抗の他端に接続され、ベースが前記周波数判別回路の出力端に接続された第2のトランジスタと、
    エミッタに電源電圧が印加され、ベースに前記希ガス蛍光ランプの点灯・消灯を制御するON/OFF信号が入力され、コレクタが抵抗を介して前記PWM制御回路の電源端子に接続された第3のトランジスタと、
    前記第3のトランジスタのエミッタに接続されると共に、電源電圧が印加されるパルストランスと、ゲートが前記PWM制御回路の出力端に接続され、ソースが接地され、ドレインが前記パルストランスに接続された第4のトランジスタとを備えた高周波発生回路とを備え、
    前記分岐回路によって分岐された2つの同期信号のうちの一方の同期信号の高低の期間に同期して、前記第1のトランジスタをオンさせて、前記コンデンサに放電させ、または前記第1のトランジスタをオフさせて、前記コンデンサに充電させ、
    ハイレベルの前記同期信号が前記第1のトランジスタのベースに入力されて該第1のトランジスタがオンとなって前記コンデンサが放電することにより、前記CT端子の印加電圧が接地電位となり、前記PWM制御回路の発振が停止することで、該希ガス蛍光ランプを消灯させる一方、
    前記周波数判別回路によって出力される信号のレベルに応じて前記第2のトランジスタをオンオフさせつつ、ローレベルの前記同期信号が前記第1のトランジスタのベースに入力されて該第1のトランジスタがオフとなって前記コンデンサが充電することにより、前記CT端子の印加電圧が接地電位よりも高電位となり、前記PWM制御回路が、前記第1の抵抗、前記第2の抵抗及び前記第2のトランジスタで構成された抵抗成分と前記コンデンサ及び前記第1のトランジスタで構成された静電容量成分とで構成される時定数により決められる周波数で発振し、当該発振により前記パルストランスを介してパルス電圧を前記希ガス蛍光ランプに印加又はパルス電流を前記希ガス蛍光ランプに注入することによって、該希ガス蛍光ランプを点灯させる
    ことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置。
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