JP4145721B2 - 海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法および分離装置 - Google Patents

海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法および分離装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海洋深層水中に含有される無機塩などの電解質を選択的に除去して、海洋深層水中に含有される細胞活性物質を濃縮した状態で得る方法およびこの方法に用いられる分離装置に関する。
【0002】
【従来技術】
海水、特に海洋深層水中には種々の物質が含有されており、このような物質の中には繊維芽細胞など皮膚細胞を活性化する成分、好酸球、マクロファージなど免疫担当細胞を活性化する有益な物質が多数含まれている。
【0003】
しかしながら、海水には数%の塩化ナトリウムが溶存しており、さらにこの塩化ナトリウム以外にも多種多様な無機塩化物が溶存している。これらの無機塩化物は、細胞を活性化する作用はないので、海水中の有効成分を得ようとする場合には、上記のような無機塩化物を除去する必要がある。
【0004】
塩化ナトリウムなどの無機塩化物の除去には、海水を濃縮して析出した無機塩化物を濾過する方法、電気透析膜脱塩法、逆浸透脱塩法、限外濾過脱塩法などの方法が利用可能である。これらの方法は、脱塩速度、脱塩コスト、脱塩効率などの点で優劣はあるが、それぞ
れの分野における目的等に鑑み、最も生産性が良い方法が採用されている。すなわち、上記いずれの方法を採用しても、分離される無機塩化物の純度、無機塩化物を除去するのに要するコストなどを別にすれば、塩化ナトリウム等の分離される無機塩化物の種類には変わりはなく、また、こうした無機塩化物が分離された海水にも特段の差はないと考えられている。
【0005】
従って、海水から塩分を分離する方法としては、海水を濃縮し、析出した無機塩化物を除去する方法が、最もコスト的に有利であり、また、海水を濃縮する際に減圧にすれば、水の沸点が低下して効率的に海水を濃縮することができるので、海水を、特に減圧下で濃縮する方法が用いられることが多い。
【0006】
ところが、上記種々の方法で脱塩した海水について、細胞に対する活性を測定してみると、脱塩方法によって、海水に含有されている成分の細胞に対する活性が著しく異なることが判明した。
【0007】
本発明者は荷電モザイク膜を用いることにより、得られる成分の細胞に対する活性が高くなるとの知見を得、この知見に基いて、荷電モザイク膜を用いた細胞活性成分を分離する方法について、既に出願している(特願2001−304001号明細書参照)。
【0008】
この方法によれば荷電モザイク膜を利用して、海水、特に海洋深層水に含有される細胞活性成分を高い活性を保持した状態で得ることができるが、この方法では製造することができる細胞活性成分の製造効率が低く、特に海洋深層水中の微量に含有されている細胞活性成分を効率よく得ることが難しい。
【0009】
【特許文献1】
特願2001−304001号明細書
【0010】
【発明の目的】
本発明は、海洋深層水中に溶存している電解質と非電解質とを荷電モザイク膜を用いて効率よく分離する方法を提供することを目的としている。
【0011】
さらに、本発明は、このような効率的な分離方法に使用する分離装置を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明の海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法は、電解質と非電解質とを含有する海洋深層水を荷電モザイク膜と接触させながら循環させる非電解質濃縮サイクルと、上記非電解質濃縮サイクル中に、該サイクルを循環する海洋深層水中の水を分離して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水を濃縮する工程と、該海洋深層水よりも電解質濃度の低い水を荷電モザイク膜を介して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水と接触させながら循環させる電解質分離サイクルとを有し、上記電解質分離サイクルで用いられる海洋深層水よりも電解質濃度の低い水の少なくとも一部として、上記非電解質濃縮サイクルを循環する海洋深層水中から分離された水を用いて、該荷電モザイク膜を介して非電解質濃縮サイクル中の電解質を、海洋深層水よりも電解質濃度の低い水に選択的に移動させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の海洋深層水中の電解質と非電解質との分離装置は、荷電モザイク膜と、該荷電モザイク膜を装填する荷電モザイク膜装填装置と、電解質と非電解質とを含有する海洋深層水を該荷電モザイク膜と接触させながら循環させる非電解質濃縮サイクル経路と、該海洋深層水よりも電解質濃度の低い水を該荷電モザイク膜を介して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水と接触させながら循環させる電解質分離サイクル経路とを有し、上記非電解質濃縮サイクル経路に、サイクルを循環する海洋深層水中の水を分離する水分離手段が形成され、上記水分離手段から上記電解質分離サイクル経路に、該水分離手段で分離された水を移送する経路が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の分離方法では、荷電モザイク膜を接触面として、海洋深層水から電解質を選択的に除去することができると共に、海洋深層水に非電解質として含有されている細胞活性化物質を濃縮状態で得ることができる。
【0015】
なお、本発明の分離方法および分離装置は、海洋深層水中から有効成分を分離するためのものであり、本発明者の検討によれば、こうした有効成分は海洋深層水に豊富に含まれる。また、このような「海洋深層水」から電解質を選択的に移行させる水流は、荷電モザイク膜を電解質が移行するため、厳密な意味では「真水」ではなく、「海洋深層水よりも電解質濃度の低い水」であるが、「海洋深層水」との対比から特に限定しない限りこのような「海洋深層水よりも電解質濃度の低い水」は本発明では便宜上、「真水」と記載する。
【0016】
【発明の具体的な説明】
次に本発明の海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法およびこの方法に使用する分離装置について具体的に説明する。
【0017】
本発明の海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法に使用する分離装置は、図1に示すように、荷電モザイク膜10と、荷電モザイク膜装填装置20と、非電解質濃縮サイクル経路30と、電解質分離サイクル経路40とを有する。
【0018】
図3に、本発明で使用する荷電モザイク膜10の断面構造を模式的に示す。また、図4は、図3における膜左面(Side I)から右面(Side II)に向かって形成されたカチオン性の基が固定されている領域B(ドメインB)とアニオン性の基が固定されている領域A(ドメインA)とを部分的に拡大し、模式的に表わした図である。さらに図5は、このドメインAおよびドメインBを分子レベルで説明するための模式図である。
【0019】
本発明で使用する荷電モザイク膜は、その機能を発現させるために膜の内部構造が以下のような基本的要件を満たしているものである。
【0020】
(1) ミクロドメイン構造を有すること:すなわちカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとがミクロ分離したドメインを形成していること。
【0021】
(2) チャンネル構造を有すること:同種のイオンのポリマードメインが連続していて膜表面から裏面に貫通しており、かつ両ドメインが互いに隣接していること。
【0022】
(3)微小性:各ドメインサイズがサブミクロンオーダーであること。すなわち、各ドメインサイズが、約1μm以下、好ましくは0.5μm以下であることが望ましい。
【0023】
(4)膜に孔があいていないこと。
【0024】
(5)強い電解性型イオン交換基で、高い固定電荷密度を有すること。
【0025】
本発明で使用する荷電モザイク膜10は、図3、図4に示すように、膜左側(Side I)から右側(Side II)に向かってカチオン性の基が固定されている領域B(ドメインB)とアニオン性の基が固定されている領域A(ドメインA)が貫通し、両領域が相接している。この膜の左側、すなわちSide Iに海洋深層水が存在し、右側(Side II) に真水(海洋深層水よりも電解質濃度の低い水)が存在するものとする。膜のアニオン性ドメイン(ドメインB)の中にはカチオンが、カチオン性ドメイン(ドメインA)の中にはアニオンが、対イオンとして存在し、この両イオンは自由に移動できるようにされている。膜の左右部の液面に濃度差、圧力差があった時に自由に移動できる対イオンは膜の右部(Side II)に移動する。そして、新たに膜左面に塩溶液のイオンが吸着される。ここで、左部(Side I)にある海洋深層水の塩濃度よりも膜中のイオン濃度が高ければ、膜右部(Side II)に押し出され、塩は結果として透過したことになる。ここでドメインA,Bの幅が小さいほどイオンの移動距離が短くなりイオンの透過が早くなる。すなわち、膜左部(Side I)での両イオンの分離→膜透過→両イオンの会合の機構を考慮すると、ドメインサイズと連結性が透過速度を決定する。
【0026】
本発明で使用する荷電モザイク膜としては、球状微粒子橋かけポリマー(ミクロゲル)の特性である等方連続性を利用してミクロゲルを集積することで得られるポリマーアロイ類似構造を有する膜であることが好ましい。図5において、「○」はカチオン性球状粒子であり橋かけ構造によりカチオン性ミクロゲルを形成している状態が示されており、「●」はアニオン性球状粒子であり橋かけ構造によりアニオン性ミクロゲルを形成している状態が示されており、これらのポリマー粒子の間隙にはマトリックスポリマーが充填されている。
【0027】
本発明で使用する荷電モザイク膜は上記のような構成を有するものであり、その厚さは、通常は0.1〜30μm、好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは5〜20μmの範囲内にある。
【0028】
このような荷電モザイク膜を形成するカチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーは、1〜3級のアミノ基又は4級アンモニウム基、スルホン酸基、カルボン酸基、またはこれらのイオン性基が塩を形成している基を有するポリマーである。塩を形成している基の場合には、カチオン性基に対しては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、有機酸などのアニオン残基が使用され、またアニオン性基に対しては例えばアルカリ金属イオンなどのカチオンが使用される。
【0029】
イオン性ポリマーの具体的な例としては、アニオン性ポリマーとして、ポリスチレンスルホン酸またはその塩、ポリエステルのスルホン化物またはその塩、ポリ2−(メタ)アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸またはその塩、ポリ2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸またはその塩、ポリ(メタ)アクロイルオキシプロピルスルホン酸またはその塩、ポリスルホンプロピル(メタ)アクリレートまたはその塩、ポリ2−スルホエチル(メタ)アクリレートまたはその塩、ポリスルホエチル(メタ)アクリレートまたはその塩、ポリビニルスルホン酸またはその塩、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、ポリスチレンマレイン酸共重合体またはその塩、あるいは、これらのポリマーを構成するモノマーの共重合体、他のモノマーとの共重合体を挙げることができる。また、カチオン性ポリマーの具体的な例としては、ポリビニルピリジンおよびその4級化合物、ポリ2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルまたはその塩、ポリ(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルまたはその塩、あるいは、これらのポリマーを形成するモノマーの共重合体、他のモノマーとの共重合体を挙げることができる。
【0030】
上記のようなポリマーから球状体を形成する方法としては、例えば、モノマーを含有する反応媒体から球状体を析出させる方法を挙げることができ、具体的には、ソープフリー重合、エマルジョン重合、懸濁重合、逆相重合、シード重合などの重合方法を挙げることができる。このような球状体は、架橋されていることが好ましい。ここで使用される架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,3−ブチレングリコール、その他、3〜4官能性の(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらの架橋剤はポリマーを構成するモノマー100重量部に対して通常は20重量部以下であり、好ましくは0.5〜10重量部の量で使用される。本発明では上記のような架橋剤で架橋された球状体と架橋されていない球状体とを併用することが好ましい。本発明で使用する球状体の直径は、通常は0.01〜10μm、好ましくは0.2〜1μmである。
【0031】
本発明で使用される荷電モザイク膜は、上記のような球状体を使用して形成されるが、形成される膜を補強するために透液性支持体(図示なし)を用いることが好ましい。ここで使用される透液性支持体としては、織布、不織布、多孔質樹脂シート、多孔性セラミック焼結体、金属メッシュなどの多孔質体を用いることが好ましい。これらの多孔質体は、通常は0.01〜500μm、好ましくは0.1〜100μmの厚さを有している。本発明で使用する荷電モザイク膜を製造するに際しては、使用するアニオン性ポリマーまたはカチオン性ポリマーの少なくとも一方が球状体であれば良い。
【0032】
本発明で使用する荷電モザイク膜は、(A)一方のイオン性のポリマー球状体を透液性支持体に固定した後、固定された球状体の間隙に他のイオン性を有するモノマーを充填して重合させる方法、(B)一方のイオン性のポリマー球状体と他のイオン性を有する直鎖状重合体溶液とを混合してキャスト成膜する方法、(C)異種のイオン性を有するポリマー球状体の分散液をそれぞれ個別に調製し、これらの分散液を混合してキャスト成膜する方法、(D)一方のイオン性を有するポリマー球状体の表面に、他方のイオン性を有する直鎖状重合体を化学的に結合させてコア−シェル型ポリマーとし、これをキャスト成膜しコアを破壊してコア同士を結合させる方法、(E)異種のイオン性を有するポリマー球状体の分散液をそれぞれ調製し、これらを混合してキャスト成膜した後、その間隙に一方のイオン性ポリマーあるいはモノマーを充填し、モノマーを使用した場合には、この充填されたモノマーを重合させる方法、さらに上記(A)〜(D)の方法を適宜組み合わせる方法などにより製造することができる。
【0033】
こうした2種類のポリマー球状体を有する架橋モザイク膜は、好ましくは架橋球状体と未架橋球状体とを組み合わせて使用し、これらを混在させてキャスト成膜後、溶剤あるいは圧力などを用いて膜中のポリマー球状体を破壊または変形させることにより同種のイオンの連結を確実にすると共に、膜の機械的強度を向上させることが好ましい。
【0034】
本発明の分離装置には、図1に示すように、上記のような荷電モザイク膜10が、海洋深層水真水とがこの荷電モザイク膜を介して接触することができるように形成された荷電モザイク膜装填装置20の内部に配置されている。荷電モザイク膜装填装置20は、具体的には、図2の分解斜視図に示すように、荷電モザイク膜10と、この荷電モザイク膜10の両面に、この荷電モザイク膜10を挟むように配置され、内部に水路が形成された海洋深層水側筐体21aおよび真水側筐体21bと、海洋深層水側筐体21aの外側に配置される海洋深層水側外壁22aと、真水側筐体21bの外側に配置された真水側外壁22bとを有する。
【0035】
海洋深層水側筐体21aの外側に配置される海洋深層水側外壁22aには、下方に海洋深層水を導入する導入管23aが設けられており、また、この上部には、導入された海洋深層水を流出させる流出管24aが設けられており、海洋深層水側筐体21a内に導入された海洋深層水は、この筐体内で荷電モザイク膜10と接触しながら流出管24aから流出する。
【0036】
このように海洋深層水が通過する海洋深層水側筐体21a内には、海洋深層水と荷電モザイク膜10との接触時間を長くするために、少なくとも1枚の邪魔板25が配置されていることが好ましい。図2には、海洋深層水側筐体21a内に6枚の邪魔板25が配置された態様が示されており、導入管23aから導入された海洋深層水は、これらの邪魔板25によって蛇行して荷電モザイク膜10と接触しながら流出管24aに到達する。
【0037】
この荷電モザイク膜10を挟んで海洋深層水側筐体21aと対向するように真水側筐体21bが配置されており、この真水側筐体21b内部にも少なくとも1枚の邪魔板25が配置されている。この真水側筐体21bの外側には真水側外壁22bが配置されている。この真水側外壁22bには真水側筐体21b内に水を導き入れる導入管23bおよび導入された水を流出させる流出管24bが形成されている。この導入管23bおよび流出管24bの配置位置は、真水側筐体21b内における水の流れ方向が、海洋深層水側筐体21a内における海洋深層水の流れ方向と逆になるように配置することが好ましい。即ち、荷電モザイク膜装填装置20内において、荷電モザイク膜10を介して、海洋深層水と真水とが交流接触するように導入管23a,23bおよび流出管24a,24bを配置することが好ましい。
【0038】
荷電モザイク膜装填装置20に形成されている非電解質濃縮サイクル回路30側に形成された流出管24aには配管31の一方の端部が接合しており、この配管31の他の端部は液体移送手段であるポンプP1に接合している。またこの配管31には配管34が枝分かれして接合されており、配管34はバルブ61を開放することにより非電解質濃縮サイクル回路30内を循環する海洋深層水の少なくとも一部を取り出し可能に配置されている。
【0039】
ポンプP1からは、賦勢された海洋深層水を移送する配管32が接合されており、この配管32の端部は水分離手段50に接合している。
【0040】
この水分離手段50は、海洋深層水から水分を分離して海洋深層水を濃縮する装置であり、例えば、蒸留装置、減圧蒸留装置、遠心分離装置などである。本発明では、海洋深層水中に含有される非電解質を細胞活性物質として使用することから、水を分離する際に海洋深層水に熱をかけないことが好ましく、従って、本発明ではこの水分離手段50としては、減圧蒸留装置、遠心分離装置などを使用することが好ましく、特に遠心式薄膜真空蒸発装置を使用することが好ましい。
【0041】
この水分離手段50によって海洋深層水中の水分の一部を分離することにより、非電解質濃縮サイクル経路30内を循環する海洋深層水は濃縮される。なお、この非電解質濃縮サイクル経路30には、配管35からバルブ62を介して海洋深層水(原海洋深層水)が供給される。
【0042】
水分離手段50には、配管33が接合されており、この配管33は、荷電モザイク膜装填装置20の導入管23aに接合されている。
【0043】
このように非電解質濃縮サイクル経路30は、電解モザイク膜装着装置20の海洋深層水側筐体21aに蛇行して形成された流路、配管31、ポンプP1、配管32、水分離手段50および配管33によって形成されている。非電解質濃縮サイクル経路30には、配管35から原海洋深層水が供給され、濃縮された非電解海洋深層水は配管34から導出される。また、海洋深層水中の水分は、水分離手段50によって分離され配管51によりバルブ64を介して系外に排出することができる。
【0044】
他方、荷電モザイク膜装填装置20において、真水が流れる側の出口の流出管24bには、配管41が接合されており、この配管41には、上記水分離手段50から分離された水を、バルブ64を閉鎖し、バルブ63を開放することにより、配管51を介して、この電解質分離サイクル経路40に供給することができるように、配管52が接合している。配管41はバルブ65を介して配管42に接合しており、この配管42からは、この電解質分離サイクル経路40を循環する水の少なくとも一部を分離するための配管44がバルブ60を介して分枝されている。また、この配管42には、この電解質分離サイクル経路40に必要な真水を供給する配管45が接合されており、この電解質分離サイクル経路40の系外からこの経路を循環する水をバルブ66を開放することにより供給することができる。
【0045】
配管42の端部は、液体移送手段であるポンプP2に接合しており、このポンプP2に接続している配管43は、液体移送手段であるポンプP2で賦勢された真水を荷電モザイク膜装填装置20に導入できるように荷電モザイク膜装填装置20の導入管23bに接合している。
【0046】
上記のような分離装置を用いた海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法では、非電解質濃縮サイクル中に海洋深層水を導入して循環させ、電解質分離サイクル内に真水を導入して循環させると共に、循環する海洋深層水および真水を荷電モザイク膜を解して接触させることにより、海洋深層水中の電解質を真水中に移行させて分離する。具体的には、まず、分離操作の対象となる海洋深層水をバルブ62を開放して配管35から非電解質濃縮サイクル経路30に導入して循環させる。
【0047】
本発明で非電解質濃縮サイクルに導入される海洋深層水とは、太陽光が到達する水深200m以下の海底を非常にゆっくりと流れる海流である。本発明者は、海洋深層水中には比較的多量の有機物質が含有されていることを確認しており、これらの有機物質が、繊維芽細胞、好酸球などの細胞に対して高い活性を有することを見いだして既にこうした細胞活性物質に関する出願をしている(特願2000−398809号明細書、特願2001−242139号明細書など参照)。本発明では、このような海洋深層水を使用することが好ましい。
【0048】
本発明の分離方法では、上記のような海洋深層水をこの非電解質濃縮サイクル経路30に供給して、この海洋深層水中に含有される電解質を分離するのに適している。
【0049】
即ち、バルブ62を開放して配管35から導入された海洋深層水は、水分分離手段50で含有水分の一部が分離されながら配管33を通って導入管23aから荷電モザイク膜装填装置20に導入される。この荷電モザイク膜装填装置20内に導入された海洋深層水は、海洋深層水側筐体21a中を、邪魔板25によって蛇行しながら流出管24a方向に移動する。そして、このように海洋深層水側筐体21a中を蛇行しながら移動する海洋深層水は、荷電モザイク膜10と接触し、この海洋深層水中に溶存している電解質、例えば塩化ナトリウム、塩化カリルム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムは、荷電モザイク膜10を通過して電解質分離サイクル経路40中を循環する電解質の溶存量が低い水(真水)中に溶解分散する。他方、海洋深層水中に溶解している有機物質は、一般に、この荷電モザイク膜を透過することができないので、非電解質濃縮サイクル経路30内を循環する。
【0050】
荷電モザイク膜装填装置20で荷電モザイク膜10と接触した海洋深層水は、流出管24aから配管31を通って液体移送手段であるポンプP1に送られる。なお、この配管31にはバルブ61を有する配管34が分枝されており、この配管34からこの非電解質濃縮サイクル内を循環する濃縮海洋深層水の一部を採取することができる。
【0051】
液体移送手段であるポンプP1に送り込まれた海洋深層水は、このポンプP1で賦勢された海洋深層水は、配管32を通って水分離手段50に送られて、この循環する海洋深層水中の水分の一部が分離されて濃縮される。
【0052】
本発明の方法により得られる細胞活性成分は、海洋深層水中に含有される非電解質、即ち一般には有機物質であり、有機物質は、無機化合物よりも熱による影響を受けやすい。従って、本発明の方法において、循環する海洋深層水から水を分離するに際しては、循環する海洋深層水にかける熱量を少なくすることが好ましい。
【0053】
そこで、本発明の方法では、この水分分離手段50として、遠心薄膜式蒸発分離装置、減圧蒸留装置あるいはRO分離膜などを使用することが好ましい。
【0054】
このようにしてこの水分分離装置50により、この非電解質濃縮サイクル経路30に供給される海洋深層水中の水分の通常は20重量%以上、好ましくは30〜50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上を分離して、この非電解質濃縮サイクル経路30を循環する海洋深層水を濃縮する。
【0055】
この水分分離装置50で分離された水分の少なくとも一部は、配管51にからバルブ64を開放し、バルブ63を閉鎖することにより、バルブ53から排出される。また、バルブ64を閉鎖し、バルブ63を開放することにより、分離された水分の少なくとも一部は、配管52を通って、電解質分離サイクル経路40に供給される。
【0056】
即ち、電解質分離サイクル経路40にはバルブ66を開放して配管45から真水を供給することができるが、この電解質分離サイクル経路40に供給される真水の少なくとも一部として、水分離手段50から排出された水を使用することができる。この電解質分離サイクル経路40に供給された水は配管42から液体移送手段であるポンプP2により賦勢されて導入管23bから荷電モザイク膜装填装置20に供給される。荷電モザイク膜装填装置20の真水側筐体21bには邪魔板25が配置されており、荷電モザイク膜装填装置20内で、真水は、荷電モザイク膜10と接触しながら蛇行して流出管24b側に移動する。この荷電モザイク膜装填装置20内では、非電解質濃縮サイクル経路30内を循環して、荷電モザイク膜と接触する海洋深層水と、この電解質分離サイクル経路40を循環して荷電モザイク膜と接触する真水とが交流接触することが好ましい。即ち、非電解質濃縮サイクル経路30の荷電モザイク膜装填装置20内では、相対的に、流出管24a側における電解質濃度が、導入管23a側における電解質濃度よりも、低くなり、電解質分離サイクル経路40の荷電モザイク膜装填装置20内では、相対的に流出管24b側の電解質濃度が、導入管23b側の電解質濃度よりも高くなるように、海洋深層水の流れ方向と真水の流れ方向を調整する。さらに非電解質濃縮サイクル経路30を循環する海洋深層水中の電解質濃度よりも、電解質分離サイクル経路40を循環する真水に溶存している電解質濃度が常に低くなるように電解質分離サイクル経路40内に供給する真水の量およびバルブ60を開放することにより配管44から排出する真水の量を調整する。このように電解質の濃度を調整することにより、非電解質濃縮サイクル経路30内を循環する海洋深層水中に含有される電解質は、荷電モザイク膜10を通過して選択的に電解質分離サイクル経路40を循環する真水中に移行する。さらに、海洋深層水と真水とが荷電モザイク膜10を介してそれぞれの流れが逆行するように、交流接触させることにより、荷電モザイク膜を介して接触する海洋深層水と真水との間の電解質濃度の差が大きい状態で両者を接触させることができ、荷電モザイク膜10のよる電解質の分離をより効率的に行うことができる。このようにして荷電モザイク膜装填装置20内で、海洋深層水中の電解質が電解質分離サイクル経路40中を循環する真水中に移行させた後、この真水は、配管41を通って開放されたバルブ65を介して配管42に送られて循環する。この配管41と配管42との間にはバルブ60を介して配管44が接合されており、電解質分離サイクル経路40中を循環する真水の一部は、バルブ60によりその流出量を調整しながら配管44から排出される。
【0057】
特に、本発明では水分離手段50から排出される真水を配管51および配管52を介して電解質分離サイクル経路40に連続的に供給することにより、外部から真水を補給せずに、この装置全体からみれば、配管35から海洋深層水を供給し、これとほぼ同等量の真水を配管44から排出することにより、海洋深層水から電解質である塩分だけを分離すると共に、海洋深層水中の非電解質を濃縮して配管34から得ることができるようになり、装置自体を非常に無駄なく駆動させることができる。
【0058】
そして、この装置全体からみれば、配管35から供給された海洋深層水中に含有される、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどの電解質の20重量%以上、好ましくは30〜50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上が配管44から排出される真水中に溶存した状態で除去される。他方、配管35から供給される海洋深層水に含有される非電解質(主として有機化合物)は、非電解質濃縮サイクル経路30内を循環する間に次第に濃縮され、しかもこの濃縮液中における電解質濃度は通常は2重量%以下、好ましくは0.0001〜0.1重量%の範囲内になる。
【0059】
本発明の分離方法において、配管35から導入される海洋深層水の量は、荷電モザイク膜の処理能力を考慮して適宜設定することができるが、荷電モザイク膜1cm2当たり毎分、通常は0.001〜1000ml、好ましくは0.01〜10mlの海洋深層水が接触できるように海洋深層水の導入量を調整する。また、配管44から排出される水の量が、荷電モザイク膜の使用面積にもよるが、1cm2当り、毎分、通常は0.01〜100ml、好ましくは0.1〜10mlになるように電解質分離サイクルに供給される水の量を調整する。ここで供給される水の量は、配管52および配管45から導入される水の量の合計である。
【0060】
本発明の方法において、電解質と非電解質とは、荷電モザイク膜10を用いて分離され、この荷電モザイク膜10を用いることにより、非常に高い選択性で両者を分離することができる。しかも、この荷電モザイク膜を用いた分離の際に非電解質に熱エネルギーが加わらないので、非電解質が熱によって変性することがなく、この非電解質の有する細胞活性などの特異的な特性が、この分離操作によって変化せず、初期と同等の活性が保持される。
【0061】
また、海洋深層水を非電解質濃縮サイクルを循環させることにより、海洋深層水中に含有される水分および電解質を非常に効率よく分離して、非電解質を効率よく濃縮することができ、これらの工程を連続して行うことができる。
【0062】
このようにして配管34から得られる濃縮液は、海洋深層水中に含有される非電解質を豊富に含み、この非電解質は、好酸球活性、繊維芽細胞活性など、細胞に対する活性力を有しており、これらの活性は、本発明の方法を採用して、濃縮する操作および電解質を分離する操作を行うことにより、殆ど低下しない。
【0063】
なお、上記の説明は、海洋深層水を供給する配管35を配管32に接合し、この非電解質濃縮サイクルからの濃縮物を分離する配管34を配管31に接合した場合を例にして説明したが、海洋深層水を導入する配管36および濃縮物を分離する配管34は、非電解質濃縮サイクル経路30のいずれの位置に接合していてもよい。
【0064】
また、電解質分離サイクル経路40に水を導入する配管45、水分離手段50から分離された水を、電解質分離サイクル経路40に導入する配管、および、電解質分離サイクルから真水を排出するための配管44も、電解質分離サイクル経路40のいずれの位置に接合させることもできる。
【0065】
また、液体移送手段P1,P2もそれぞれのサイクル経路を流れる液体を賦勢することができる位置に配置することができる。また、それぞれのサイクル経路にさらに液体移送手段を配置することもできる。
【0066】
さらに、上記の装置には、合計7個のバルブが配置された例を示しているが、これらのバルブの配置個数および配置位置は、適宜変更して設置することが可能である。
【0067】
また、荷電モザイク膜装填装置20内における邪魔板の数、流路の設定は、上記説明のほかに、例えば流露を縦方向にとるように少なくとも一方の側の邪魔板を配置することもできる。
【0068】
さらに、上記の装置は、荷電モザイク膜を1枚有する荷電モザイク膜装填装置を使用したが、装填装置内に荷電モザイク膜を複数枚装填した装填装置を用いることもできるし、上述のような1枚の荷電モザイク装填装置を複数配置することもできるし、また複数の荷電モザイク膜を複数個配置することもでき、さらに1枚の荷電モザイク膜装填装置と複数の荷電モザイク膜を複数枚装填した荷電モザイク膜装填装置とを組み合わせて使用することもできる。
【0069】
このようにして本発明の方法で得られた濃縮液中に高濃度で含有される非電解質は、有機物質であり、この有機物質は、繊維芽細胞、好酸球などの細胞に対する活性化作用があり、医薬品、化粧料、食品などに配合することができる。しかも、本発明の方法で採用するように、荷電モザイク膜を用いて電解質を分離することにより得られた有機物質は、他の方法、例えば、加熱濃縮濾過、電気透析脱塩法、逆浸透脱塩法、限外濾過脱塩法などによって脱塩することによって得られる有機物質と比較して、細胞に対する活性度が高い値を示す。この理由の詳細は必ずしも明らかではないが、本発明の方法によれば、脱塩に際して海洋深層水に外部から熱などのエネルギーを賦与することなく、脱塩することができるので、海洋深層水中に含有される有機物質(非電解質)の変性が起こりにくいためであろうと考えられる。
【0070】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、海洋深層水中に溶存している塩化ナトリウムなどのような電解質を連続的に海洋深層水中から分離することができ、さらにこの電解質が分離された海洋深層水を連続的濃縮することができる。しかも、電解質の分離および海洋深層水の濃縮を連続した工程で行うことができ、たいへん効率的である。さらに、このようにして濃縮された海洋深層水中に含有される有機物質(非電解質)は、他の方法で脱塩して得られたものよりも高い細胞活性を示す。
【0071】
また、本発明の方法では、海洋深層水中から分離された水を電解質を分離するための循環水として使用することができ、過剰の真水を外部から供給する必要がなく、たいへん効率的に海洋深層水から電解質を分離し、海洋深層水を濃縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法に使用する分離装置の例を模式的に示す図である。
【図2】図2は、荷電モザイク膜装填装置の例を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明で使用する荷電モザイク膜の断面構造を模式的に示す図である。
【図4】図4は、図3における膜左面(Side I)から右面(Side II)に向かって形成されているカチオン性の基が固定されている領域B(ドメインB)とアニオン性の基が固定されている領域A(ドメインA)とを部分的に拡大し、模式的に表わした図である。
【図5】図5は、このドメインAおよびドメインBを分子レベルで説明するための模式図である。
【符号の説明】
10・・・荷電モザイク膜
20・・・荷電モザイク膜装填装置
21a・・・海洋深層水側筐体
21b・・・真水側筐体
22a・・・海洋深層水側外壁
22b・・・真水側外壁
23a,23b・・・導入管
24a,24b・・・流出管
25・・・邪魔板
30・・・非電解質濃縮サイクル経路
31,32,33,34,35・・・配管
40・・・電解質分離サイクル経路
41,42,43,44,45・・・配管
50・・・水分離手段
51,52,53・・・配管
60,61,62,63,64,65,66・・・バルブ
1・・・液体移送手段
2・・・液体移送手段

Claims (12)

  1. 電解質と非電解質とを含有する海洋深層水を荷電モザイク膜と接触させながら循環させる非電解質濃縮サイクルと、上記非電解質濃縮サイクル中に、該サイクルを循環する海洋深層水中の水を分離して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水を濃縮する工程と、該海洋深層水よりも電解質濃度の低い水を荷電モザイク膜を介して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水と接触させながら循環させる電解質分離サイクルとを有し、上記電解質分離サイクルで用いられる海洋深層水よりも電解質濃度の低い水の少なくとも一部として、上記非電解質濃縮サイクルを循環する海洋深層水中から分離された水を用いて、該荷電モザイク膜を介して非電解質濃縮サイクル中の電解質を、海洋深層水よりも電解質濃度の低い水に選択的に移動させることを特徴とする海洋深層水中の電解質と非電解質との分離方法。
  2. 上記非電解質濃縮サイクルにおける海洋深層水と、電解質分離サイクルとを荷電モザイク膜を介して交流接触させることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  3. 上記荷電モザイク膜の厚さが0.1〜30μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  4. 上記荷電モザイク膜中において、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとがそれぞれ独立にミクロ分離したドメインを形成していると共に、各ドメインが荷電膜の表裏面を貫通していることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  5. 上記荷電モザイク膜を形成するそれぞれのポリマードメインの大きさが1μm以下であり、かつカチオン性ポリマーからなるドメインとアニオン性ポリマーからなるドメインとが互いに隣接していることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  6. 上記荷電モザイク膜を介して海洋深層水中に含有される電解質の80重量%以上を、該
    海洋深層水よりも電解質濃度の低い水中に移行させることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  7. 上記海洋深層水中に含有される非電解質が、細胞活性物質であることを特徴とする請求項第1項記載の分離方法。
  8. 荷電モザイク膜と、該荷電モザイク膜を装填する荷電モザイク膜装填装置と、電解質と非電解質とを含有する海洋深層水を該荷電モザイク膜と接触させながら循環させる非電解質濃縮サイクル経路と、該海洋深層水よりも電解質濃度の低い水を該荷電モザイク膜を介して該非電解質濃縮サイクル中の海洋深層水と接触させながら循環させる電解質分離サイクル経路とを有し、上記非電解質濃縮サイクル経路に、サイクルを循環する海洋深層水中の水を分離する水分離手段が形成され、上記水分離手段から上記電解質分離サイクル経路に、該水分離手段で分離された水を移送する経路が設けられていることを特徴とする海洋深層水中の電解質と非電解質との分離装置。
  9. 上記非電解質濃縮サイクル経路および電解質分離サイクル経路に、海洋深層水と、海洋深層水よりも電解質濃度の低い水とを、荷電モザイク膜を介して交流接触可能にする液体移送手段が、それぞれ独立に、設けられていることを特徴とする請求項第8項記載の分離装置。
  10. 上記荷電モザイク膜の厚さが0.1〜30μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第8項記載の分離装置。
  11. 上記荷電モザイク膜中において、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとがそれぞれ独立にミクロ分離したドメインを形成していると共に、各ドメインが荷電膜の表裏面を貫通していることを特徴とする請求項第8項記載の分離装置。
  12. 上記荷電モザイク膜を形成するそれぞれのポリマードメインの大きさが1μm以下であり、かつカチオン性ポリマーからなるドメインとアニオン性ポリマーからなるドメインとが互いに隣接していることを特徴とする請求項第8項記載の分離装置。
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