JP4143474B2 - 車載用電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示画面等を有する可動部を本体装置に対して出没方向へ移動自在とした車載用電子機器に係り、特に、上記可動部を支持するスライド部材をモータを駆動源として前後進させる動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の車載用電子機器においては、本体装置の内部にその前後方向へ延びるラックを配設すると共に、可動部を支持するスライド部材にモータと減速ギヤ列を搭載し、この減速ギヤ列の最終段のギヤを上記ラックに噛合することにより、モータの回転に伴ってスライド部材を本体装置の前後方向へ往復移動させるという動力伝達機構が採用されている(例えば、特許文献1参照)。スライド部材には例えばディスプレイ装置等の可動部が回動可能に支持されており、上記モータやそれとは別のモータの駆動力を利用して電動で可動部を回動するものと、ユーザが手動で可動部を回動操作するものとが知られている。
【0003】
このような車載用電子機器において、例えばスライド部材と可動部とを別々のモータで駆動する2モータ方式を採用した場合、スライド部材が本体装置内の後退位置に引き込まれているとき、ディスプレイ装置等の可動部は水平姿勢を保って本体装置の内部に格納されており、この状態で第1のモータを一方向へ回転すると、その回転力が減速ギヤ列を介して最終段のギヤに伝達される。その結果、スライド部材がラックに沿って後退位置から前進位置へ移動を開始し、スライド部材が前進位置まで移動した後あるいはその直前に第2のモータを一方向へ回転すると、本体装置の前方で可動部が回動して所定の傾斜角度に起立する。一方、可動部が起立状態にあるときに第2のモータを逆方向へ回転すると、本体装置の前方で可動部が回動して水平状態に戻り、引き続いて第1のモータを逆方向へ回転すると、スライド部材がラックに沿って前進位置から後退位置へと移動する。その結果、スライド部材は本体装置内の後退位置に引き込まれ、可動部は再び水平姿勢を保って本体装置の内部に格納される。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−64484号公報(第4−7頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的にこの種の車載用電子機器は、車両のインストルメントパネル等におけるユーザ(搭乗者)の視線よりも下方位置に設置される関係上、例えばユーザが起立したディスプレイ(可動部)の表面を目視しやすくするために、本体装置の前面側を上向きにした状態で斜めに設置されるようになっている。しかしながら、このように本体装置が斜め上向き状態で設置された場合、モータを駆動源としてスライド部材をその自重に抗して斜め上方へ前進動作するとき、モータは回転方向に対し大きな負荷を受けて低速で回転するが、その反対に前進位置にあるスライド部材を斜め下方へ後退動作するとき、スライド部材の自重による斜め下方へ戻ろうとする力にアシストされてモータの回転数が高くなるため、スライド部材の移動方向に応じてモータの動作負荷が大きく変動するという現象が発生する。特に、大画面のLCDを有するモニタ装置のように比較的重い可動部がスライド部材に支持されている場合、前進位置にあるスライド部材が斜め下方へ戻ろうとするアシスト力が増大するため、スライド部材の後退動作時にモータ負荷が極端に小さくなり、その結果、モータの回転をスライド部材に伝達する減速ギヤ列の各ギヤ間に必要とされるバックラッシュ(遊び)に起因して、スライド部材の後退動作時に減速ギヤ列のギヤ同士がぶつかり合って異音を発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、モータの回転をスライド部材に伝達する減速ギヤ列からの異音発生を抑えることができる車載用電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モータの回転をスライド部材に伝達する減速ギヤ列中に捩りコイルばねが巻装されたシャフトを介在させ、モータがスライド部材を後退させる方向へ回転する時に、この捩りコイルばねにスライド部材を前進させる方向への捩り力を蓄勢することとする。減速ギヤ列中にこのような捩りコイルばねを介在させると、本体装置がその前面側を上向きにした斜め上向き状態で設置された場合、モータを駆動源としてスライド部材が前進位置から斜め下方へ後退動作するとき、モータの回転に伴って捩りコイルばねにスライド部材を前進方向へ付勢する捩り力が次第に蓄勢されていき、モータの動作負荷が大きくなって低速で回転するため、減速ギヤ列からの異音発生を抑えることができる。また、スライド部材が後退位置に移動した時点で、捩りコイルばねにはスライド部材を前進方向へ付勢する十分に大きな捩り力が蓄勢されているため、スライド部材を後退位置から斜め上方へ前進動作するとき、モータの動作負荷が捩りコイルばねの捩り力にアシストされて小さくなり、スライド部材の前後進時にモータの動作負荷が大きく変動することを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による車載用電子機器の前面パネル装置では、本体装置の前後方向に沿って延びるラックと、このラックに噛合するギヤを含む減速ギヤ列と、この減速ギヤ列を回転駆動するモータと、これら減速ギヤ列およびモータを支持するスライド部材と、このスライド部材に支持された可動部とを備え、前記スライド部材の前後進動作に伴って前記可動部を前記本体装置の前面に対して出没方向へ移動可能とした車載用電子機器において、前記減速ギヤ列に連動して回転するシャフトに捩りコイルばねを巻装し、この捩りコイルばねの一端部を前記スライド部材側に係止すると共に、該捩りコイルばねの他端部を前記シャフト側に係止し、前記モータが前記スライド部材を後退させる方向へ回転する時に、前記捩りコイルばねに前記スライド部材を前進させる方向への捩り力が蓄勢されるように構成した。
【0009】
このように構成された車載用電子機器においては、本体装置がその前面側を上向きにした斜め上向き状態で設置された場合に、モータを駆動源としてスライド部材が前進位置から斜め下方へ後退動作するとき、モータの回転に伴って捩りコイルばねにスライド部材を前進方向へ付勢する捩り力が次第に蓄勢されていき、モータの動作負荷が大きくなって低速で回転するため、減速ギヤ列からの異音発生を抑えることができる。また、スライド部材が後退位置に移動した時点で、捩りコイルばねにはスライド部材を前進方向へ付勢する十分に大きな捩り力が蓄勢されているため、スライド部材を後退位置から斜め上方へ前進動作するとき、モータの動作負荷が捩りコイルばねの捩り力にアシストされて小さくなり、スライド部材の前後進時にモータの動作負荷が大きく変動することを防止できる。
【0010】
上記の構成において、捩りコイルばねが巻装されるシャフトは減速ギヤ列中の任意の部位に配設可能であるが、本体装置に設けられたラックに噛合するギヤをシャフトの端部に取り付け、このシャフトに捩りコイルばねを巻装することが好ましく、このようにスライド部材の駆動系に本来必要とされるシャフトに捩りコイルばねを巻装すると、部品点数の増加を抑えることができると共に省スペース化が図れる。
【0011】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は実施例に係る車載用電子機器のディスプレイが格納された状態を示す裏面図、図2は該車載用電子機器のディスプレイが突出した状態を示す裏面図、図3は該車載用電子機器の車両への設置状態を示す側面図、図4は該車載用電子機器に備えられる動力伝達機構の斜視図、図5は該動力伝達機構に備えられるウォーム装置の平面図、図6は該ウォーム装置の斜視図、図7は該動力伝達機構に備えられる捩りコイルばねの動作説明図である。
【0012】
これらの図において、符号1は車載用電子機器の外殼をなす本体装置であり、この本体装置1は箱形のシャーシ2とその前端部に一体化された化粧部材3とで構成されている。本体装置1はユーザ(搭乗者)の視線に対して下方に位置する車内の適宜個所、例えばインストルメントパネルPの凹所内に設置されるが、その際、本体装置1はその前面側を上向きにした状態で斜めに設置されるようになっている(図3参照)。
【0013】
シャーシ2内の両側部には一対のラック4が固定されており、これらラック4は互いに平行に前後方向へ延びている。また、シャーシ2の内部にはスライドベース(スライド部材)5が前後進可能に配設されており、このスライドベース5の前端部にはディスプレイ(可動部)6が回動可能に支持されている。ディスプレイ6の裏面にはLCDからなる表示画面6aやクローズ釦6b等が配設されており、水平状態にあるディスプレイ6の前端面には図示せぬオープン釦が配設されている。スライドベース5には第1のモータ7と第2のモータ8が搭載されており、スライドベース5は第1のモータ7を駆動源とする第1の動力伝達機構によって本体装置1の前後方向へ往復移動され、ディスプレイ6は第2のモータ8を駆動源とする第2の動力伝達機構によって水平状態と起立状態の間を回転動作される。
【0014】
すなわち、第1の動力伝達機構は第1のモータ7の回転力をスライドベース5に伝達する減速ギヤ列9を有しており、この減速ギヤ列9の最初段ギヤであるウォームギヤ10は第1のモータ7の回転軸に取り付けられている。ウォームギヤ10には次段ギヤのウォームホイール11が噛合しており、減速ギヤ列9の最終段のギヤ9aはスライドベース5の後端部に軸支されたシャフト12に固着されている。シャフト12の両端部には前記ラック4に噛合するギヤ13が固着されており、また、シャフト12には捩りコイルばね15が巻装されている。この捩りコイルばね15の一端部15aはスライドベース5の適宜個所に係止され、捩りコイルばね15の他端部15bはシャフト12に固着されたブッシュ16に係止されている。一方、第2の動力伝達機構は第2のモータ8の回転力をディスプレイ6に伝達する減速ギヤ列17を有しており、この減速ギヤ列17の最初段ギヤであるウォームギヤ18は第2のモータ8の回転軸に取り付けられている。ウォームギヤ18には次段ギヤのウォームホイール19が噛合しており、減速ギヤ列17の最終段のギヤ17aはディスプレイ6側に固着された図示せぬギヤに噛合している。
【0015】
図5と図6に示すように、第2のモータ8とウォームギヤ18およびウォームホイール19は、金属板製のブラケット20によってユニット化されてウォーム装置21を構成している。ブラケット20にはその底面20aに対して略直角に折り曲げられた第1および第2の起立面20b,20cが形成されており、これら第1および第2の起立面20b,20cは互いに平行に対向している。ブラケット20の底面20aはスライドベース5上にネジ等を用いて固定されており、ウォームホイール19はこの底面20a上に軸支されている。第2のモータ8の端面は第1の起立面20bに固定されており、第2のモータ8の回転軸8aとウォームギヤ18は第1の起立面20bから第2の起立面20cに向かって延びている。ウォームギヤ18の先端部には小径部18aが一体形成されており、この小径部18aは第2の起立面20cに対向している。これら小径部18aと第2の起立面20cとの間に板ばね22が介設されており、この板ばね22はL字状に折り曲げられて底面20aに固定されている。ウォームギヤ18の小径部18aは板ばね22に弾接しており、ウォームギヤ18は板ばね22と第2の起立面20cによってスラスト方向への動きが規制されている。
【0016】
また、第2の起立面20cには第1の起立面20bに向かって突出する突出部20dが一体形成されており、ウォームギヤ18の小径部18aはこの突出部20dとウォームホイール19との間に位置している。ただし、突出部20dは小径部18aの外周面と接触しておらず、両者間には所定の間隔Gが確保されている。この間隔Gはウォームギヤ18とウォームホイール19のモジュールに応じて決定されるが、少なくともウォームギヤ18とウォームホイール19の歯たけ寸法(噛み合い高さ)よりも小さな値に設定されている。
【0017】
なお、詳細な説明は省略するが、第1のモータ7とウォームギヤ10およびウォームホイール11も前記ウォーム装置21と同様に構成されている。
【0018】
次に、上記の如く構成された車載用電子機器の動作を説明する。
【0019】
図1に示すように、ディスプレイ6が本体装置1の内部に収納されたクローズ状態において、シャフト12の両端部のギヤ13はそれぞれ本体装置1に固定されたラック4の後端部と噛合しており、スライドベース5は本体装置1内の後退位置にあって、ディスプレイ6はスライドベース5に対して水平な状態になっている。この場合、捩りコイルばね15は無負荷状態を基準にして一方向(例えば図7の矢印A方向)へ捩られて十分に大きな捩り力が蓄勢されており、その反力がシャフト12を介してギヤ9aに伝達されることによって、スライド部材5は前進方向(図1〜図3の矢印C方向)へ付勢されている。
【0020】
かかるクローズ状態で図示せぬオープン釦を投入すると、第1のモータ7が一方向へ回転し、その回転力がウォームギヤ10からウォームホイール11を介して減速ギヤ列9の最終段のギヤ9aまで伝達されるため、このギヤ9aとシャフト12が一体的に回転する。これによってシャフト12の両端のギヤ13がラック4の後端部から前端部側へと移動するため、スライドベース5が本体装置1内の後退位置から矢印C方向へ前進し、ディスプレイ6も水平状態を保ったまま矢印C方向へ前進して本体装置1の前方側へ突出する。その際、本体装置1がその前面側を上向きにした状態で斜めに設置されている関係上、図3に示すように、スライドベース5とディスプレイ6はその自重に逆らって斜め上方へ前進することになるが、前述したように捩りコイルばね15にスライド部材5を前進方向へ付勢する大きな捩り力が蓄勢されているため、第1のモータ7の動作負荷が捩りコイルばね15の捩り力にアシストされて小さくなる。
【0021】
このようにしてスライドベース5とディスプレイ6が前進すると、それに伴ってシャフト12とブッシュ16が一体的に回転するため、ブッシュ16に係止された捩りコイルばね15の他端部15bが図7の矢印B方向へ巻き戻され、捩りコイルばね15に蓄勢された捩り力は次第に弱められていく。そして、図2に示すように、ディスプレイ6が本体装置1の前面から完全に突出すると捩りコイルばね15は最も捩り力が小さい状態となり、この時点で図示せぬストッパによってディスプレイ6の前進動作が停止すると共に、同じく図示せぬ検出スイッチからの検出信号に基づいて第1のモータ7の回転が停止し、その代わりに第2のモータ8が一方向へ回転する。第2のモータ8が一方向へ回転すると、その回転力がウォームギヤ18からウォームホイール19を介して減速ギヤ列17の最終段のギヤ17aに伝達されるため、このギヤ17aに噛合する図示せぬギヤの回転に伴ってディスプレイ6が図3の矢印E方向へ回動しながら立ち上がり、ディスプレイ6の裏面の表示画面6aが露出してくる。そして、図3の2点鎖線で示すように、ディスプレイ6が起立すると、図示せぬ角度検出センサからの検出信号に基づいて第2のモータ8の回転が停止し、ディスプレイ6は表示画面6aをユーザ(搭乗者)に正対させた状態で停止する。
【0022】
このようにしてディスプレイ6はオープン状態となって使用されるが、このオープン状態でクローズ釦6bを投入すると、上記と逆の動作が実行されて再びクローズ状態となる。すなわち、まず、第2のモータ8を逆方向へ回転することにより、ディスプレイ6を図3の矢印F方向へ回動させてその姿勢をスライドベース5と水平な状態に戻した後、第1のモータ7を逆方向に回転することにより、スライドベース5およびディスプレイ6をその自重が付加される矢印D方向の斜め下方へ後退させる。この場合、第1の動力伝達機構中に介在されたシャフト12はスライドベース5の前進時と逆方向に回転するため、第1のモータ7の回転に伴って捩りコイルばね15の他端部15bは図7の矢印A方向へ巻き締められ、捩りコイルばね15にスライド部材5を前進方向へ付勢する捩り力が次第に蓄勢されていく。すなわち、第1のモータ7を駆動源としてスライドベース5を後退動作するときに、第1のモータ7の回転を妨げようとする負荷が捩りコイルばね15から加わるため、第1のモータ7の動作負荷が大きくなる。したがって、スライドベース5の後退時にも第1のモータ7は低速で回転することになり、第1の動力伝達機構に介在された減速ギヤ列9からの異音発生を抑制することができる。そして、スライドベース5が図1に示すように本体装置1の奥部まで後退すると、再びディスプレイ6は本体装置1の内部に収納されてクローズ状態に戻る。
【0023】
上記した車載用電子機器の動作中に、第1の動力伝達機構の減速ギヤ列9または第2の動力伝達機構の減速ギヤ列17に過度の負荷が生じた場合、例えば、第2のモータ8を駆動源としてディスプレイ6の立ち上げ動作を行う際に、ディスプレイ6が図示せぬストッパに当接して回動停止するタイミングに対し、図示せぬ角度検出センサからの検出信号に基づいて第2のモータ8を回転停止するタイミングが若干遅れた場合、減速ギヤ列17のウォームホイール19から最終段までのギヤは回転停止するが、第2のモータ8の回転軸8aに取り付けられたウォームギヤ18は回転を続行するため、ウォームギヤ18とウォームホイール19の噛合部分に異常な回転力が作用することになる。このような場合、ウォームギヤ18がウォームホイール19の径方向外側(図5の矢印H方向)へ変位するが、ウォームギヤ18の歯がウォームホイール19の歯を飛び越える前に、ウォームギヤ18の小径部18aの外周面がブラケット20の第2の起立面20cに形成された突出部20dに当接するため、小径部18aと突出部20d間の間隔Gがゼロになってウォームギヤ18はそれ以上外側へ変位しなくなる。したがって、ウォームギヤ18とウォームホイール19の噛合部分に異常な回転力が作用したとしても、ウォームギヤ18の歯がウォームホイール19の歯を飛び越える歯飛び現象は発生せず、両者の歯同士のぶつかり合いに起因する異音は発生しなくなる。
【0024】
このように上記実施例に係る車載用電子機器では、第1のモータ7を駆動源としてスライドベース5を前後進する第1の動力伝達機構中に減速ギヤ列9を用い、この減速ギヤ列9に連動して回転するシャフト12に捩りコイルばね15を巻装し、この捩りコイルばね15の一端部15aをスライドベース5またはこのスライドベース5と一体的に移動する部材に係止すると共に、捩りコイルばね15の他端部15bをシャフト12に固着されたブッシュ16に係止したので、第1のモータ7の回転方向に応じて捩りコイルばね15に所定方向への捩り力が蓄勢されることになる。
【0025】
したがって、本体装置1がその前面側を上向きにした斜め上向き状態で設置された場合に、第1のモータ7を駆動源としてスライド部材5が前進位置から斜め下方へ後退動作するとき、第1のモータ7の回転に伴って捩りコイルばね15にスライド部材5を前進方向へ付勢する捩り力が次第に蓄勢されていき、第1のモータ7の動作負荷が大きくなって低速で回転するため、減速ギヤ列9からの異音発生を抑えることができる。また、スライド部材5が後退位置に移動した時点で、捩りコイルばね15にはスライド部材5を前進方向へ付勢する十分に大きな捩り力が蓄勢されるため、スライド部材5を後退位置から斜め上方へ前進動作するとき、第1のモータ7の動作負荷が捩りコイルばね15の捩り力にアシストされて小さくなり、その結果、第1のモータ7の動作負荷がスライド部材5の前進時と後退時で大きく変動することを防止できる。また、前記シャフト12はスライドベース5を前後進する第1の動力伝達機構に本来必要な部品であり、このようなシャフト12に捩りコイルばね15を巻装したので、例えば減速ギヤ列9のギヤ9a(13)以外のギヤに別途シャフトを固定する場合に比べて、部品点数の増加を抑えることができると共に省スペース化が図れる。
【0026】
なお、上記実施例では、第1のモータ7とは別の第2のモータ8を駆動源としてディスプレイ6を回動動作する場合について説明したが、スライド部材5を前後進動作する第1のモータ7の駆動力を利用してディスプレイ6を回動動作させることも可能である。
【0027】
また、スライド部材5に支持されて本体装置1の前後方向へ移動する可動部としては、上記ディスプレイに限らず、本体装置1の前面に配設されてその下端部がスライド部材によって前後進することにより傾倒する、いわゆる可動ノーズと称せられる操作パネルでも良く、あるいはCDやDVD等の記録媒体を本体装置の内外へ搬送するトレイ等であっても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】
本体装置がその前面側を上向きにした斜め上向き状態で設置された場合において、モータを駆動源としてスライド部材が前進位置から斜め下方へ後退動作するとき、モータの回転に伴って捩りコイルばねにスライド部材を前進方向へ付勢する捩り力が次第に蓄勢されていき、モータの動作負荷が大きくなって低速で回転するため、減速ギヤ列からの異音発生を抑えることができる。また、スライド部材が後退位置に移動した時点で、捩りコイルばねにはスライド部材を前進方向へ付勢する十分に大きな捩り力が蓄勢されているため、スライド部材を後退位置から斜め上方へ前進動作するとき、モータの動作負荷が捩りコイルばねの捩り力にアシストされて小さくなり、スライド部材の前後進時にモータの動作負荷が大きく変動することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る車載用電子機器のディスプレイが格納された状態を示す裏面図である。
【図2】該車載用電子機器のディスプレイが突出した状態を示す裏面図である。
【図3】該車載用電子機器の車両への設置状態を示す側面図である。
【図4】該車載用電子機器に備えられる動力伝達機構の斜視図である。
【図5】該動力伝達機構に備えられるウォーム装置の平面図である。
【図6】該ウォーム装置の斜視図である。
【図7】該動力伝達機構に備えられる捩りコイルばねの動作説明図である。
【符号の説明】
1 本体装置
4 ラック
5 スライドベース(スライド部材)
6 ディスプレイ(可動部)
7 第1のモータ
9 減速ギヤ列
9a ギヤ
12 シャフト
13 ギヤ
15 捩りコイルばね
16 ブッシュ
Claims (2)
- 本体装置の前後方向に沿って延びるラックと、このラックに噛合するギヤを含む減速ギヤ列と、この減速ギヤ列を回転駆動するモータと、これら減速ギヤ列およびモータを支持するスライド部材と、このスライド部材に支持された可動部とを備え、前記スライド部材の前後進動作に伴って前記可動部を前記本体装置の前面に対して出没方向へ移動可能とした車載用電子機器において、
前記減速ギヤ列に連動して回転するシャフトに捩りコイルばねを巻装し、この捩りコイルばねの一端部を前記スライド部材側に係止すると共に、該捩りコイルばねの他端部を前記シャフト側に係止し、前記モータが前記スライド部材を後退させる方向へ回転する時に、前記捩りコイルばねに前記スライド部材を前進させる方向への捩り力が蓄勢されるように構成したことを特徴とする車載用電子機器。 - 請求項1の記載において、前記シャフトの端部に前記ラックに噛合するギヤが取り付けられていることを特徴とする車載用電子機器。
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