JP4142947B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に半田接合パッドが形成された絶縁基板上に前記半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有する耐半田樹脂層を被着させて成る配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント基板等の配線基板は、配線導体を有する絶縁基板の表面に、電子部品の電極が半田バンプを介して接続される半田接合パッドが被着形成されているとともに、その半田接合パッドの中央部を露出させる耐半田樹脂層が被着されている。そして、この配線基板によれば、耐半田樹脂層から露出した半田接合パッドの表面にニッケルめっきおよび金めっきを施した後、その露出表面に半導体素子等の電子部品の電極を半田を介して接合することにより電子部品が搭載固定されるとともに電子部品の電極と配線導体とが電気的に接続されることとなる。
【0003】
また、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合することにより電子部品を配線基板に搭載した後には、電子部品と配線基板との接合を強固とするとともに両者の半田を介した接合部を外気から保護するために、配線基板と電子部品との間に熱硬化性樹脂から成るアンダーフィルが充填される。
【0004】
なお、耐半田樹脂層は、電子部品の電極を半田バンプを介して接続する際に印加される熱から絶縁基板を保護するとともに半田接合パッド同士の電気的な短絡を防止するためのものであり、光反応開始剤を3〜10質量%程度含有する未硬化の熱および光硬化型の樹脂ペーストを、表面に半田接合パッドが被着形成された絶縁基板上に半田接合パッドを覆うようにして印刷塗布し、それを乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層を形成した後、その未硬化の耐半田樹脂層を半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有するように露光・現像した後に熱硬化を行い、その後に光硬化させることによって形成される。この場合、耐半田樹脂層中の光反応開始剤は、耐半田樹脂層の光硬化に伴って昇華してその一部が外部に排出される。
【0005】
〔特許文献1〕特開2001−261791号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板においては、通常、耐半田樹脂層の光硬化を行なう前に熱硬化が行なわれてしまうため、熱硬化により耐半田樹脂層の架橋反応が進んでしまい、その後に光硬化を行なうと、耐半田樹脂層内の光反応開始剤が良好に昇華できず、耐半田樹脂層内に2〜6質量%程度残存してしまい、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、その硬化時に印加される熱により耐半田樹脂層内に残存した光反応開始剤が昇華し、その昇華した光反応開始剤によりアンダーフィル内にボイドが発生し、その結果、電子部品と配線基板とをアンダーフィルを介して強固に接合することができないとともに半田による両者の接続部をアンダーフィルにより外気から良好に保護することができなくなってしまうという問題を有していた。
【0007】
また、アンダーフィルの硬化時に耐半田樹脂層から昇華する光反応開始剤によりアンダーフィルにボイドが発生しないよう、耐半田樹脂層の光硬化時に光反応開始剤を十分に昇華させる程度に光硬化を行なおうとすると、耐半田樹脂層の硬化が必要以上に進み、耐半田樹脂層がもろくなって耐半田樹脂層にクラックが発生してしまう。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層に残存する光反応開始剤の昇華によるアンダーフィル中のボイドの発生を抑制し、それにより電子部品と配線基板とをアンダーフィルを介して強固に接合することができるとともに半田による両者の接続部をアンダーフィルにより外気から良好に保護することが可能な配線基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、表面に半田接合パッドが被着形成された絶縁基板上に、光反応開始剤を含有する未硬化の熱および光硬化性樹脂ペーストを印刷した後に乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層を形成し、次にこの未硬化の耐半田樹脂層を半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有するように露光および現像し、次にこの現像された未硬化の耐半田樹脂層をその光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させ、次にこの光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた耐半田樹脂層を熱硬化させ、次にこの熱硬化させた耐半田樹脂層をその光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下(0は含まず)になるように光硬化させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板の製造方法により得られる配線基板は、耐半田樹脂層が、その光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下であることから、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層内に残存した光反応開始剤の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくい。
【0012】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、光反応開始剤を含有する未硬化の耐半田樹脂層を半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有するように露光および現像した後、この現像された未硬化の耐半田樹脂層をその光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させ、次にこの光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた耐半田樹脂層を熱硬化させ、次にこの熱硬化させた耐半田樹脂層をその光反応開始剤の含有量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下(0は含まず)になるように光硬化させることから、熱硬化の前に光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させることで、この光硬化時に光反応開始剤が良好に昇華して除去され、熱硬化後の光硬化において耐半田樹脂層の脆化を伴うことのない程度の光で耐半田樹脂層中の光反応開始剤を十分に昇華させることができ、その結果、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層内に残存した光反応開始剤の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくく、また耐半田樹脂層にクラックが発生することのない配線基板を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の配線基板の製造方法で得られる配線基板の実施の形態の一例を示す部分断面図である。この図において1は絶縁基板、2は配線導体、3は耐半田樹脂層であり、主にこれらで配線基板が構成される。
【0015】
絶縁基板1は、例えばガラス−エポキシ樹脂等の有機系材料から成り、配線導体2および耐半田樹脂層3の支持体として機能し、ガラスクロスに未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて成る未硬化シートを必要に応じて複数枚積層し、それを熱硬化させることによって製作される。
【0016】
また、絶縁基板1にはその上面から下面にかけて貫通孔4が形成されているとともにその上下面および貫通孔4の内壁には、例えば銅箔や銅めっき層から成る複数の配線導体2が被着形成されている。また貫通孔4内にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る孔埋め樹脂5が充填されている。
【0017】
絶縁基板1に被着形成された配線導体2は配線基板に搭載される電子部品の電極を外部電気回路基板に接続するための導電路として機能し、配線導体2のうち、絶縁基板1の上面に配設された配線導体2の一部は電子部品の電極が半田6aを介して電気的に接続される電子部品接続用の半田接合パッド2aを形成しており、下面に配設された配線導体2の一部は外部電気回路基板の配線導体に半田6bを介して電気的に接続される外部接続用の半田接合パッド2bを形成している。そして、これらの半田接合パッド2a、2bの露出表面にニッケルめっきおよび金めっきを施した後、電子部品の電極を半田接合パッド2aに半田6aを介して接続するとともに外部接続用の半田接合パッド2bを外部の電気回路基板の配線導体に半田6bを介して接続することによって搭載する電子部品が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。なお、電子部品の電極を半田接合パッド2aに半田6aを介して接続した後、電子部品と配線基板との間には熱硬化性樹脂から成るアンダーフィルが充填される。
【0018】
このような配線導体2は、例えば絶縁基板1の上下面に銅箔を貼着しておくとともにその銅箔および絶縁基板1にドリル加工により貫通孔4を穿孔し、次に貫通孔4の内壁および絶縁基板1の上下面の銅箔表面に銅めっき層を無電解めっき法および電解めっき法により被着させた後、その貫通孔4内に孔埋め樹脂5を充填し、しかる後、絶縁基板1の上下面に被着させた銅箔およびその上の銅めっき層を従来周知のフォトリソグラフィー技術を用いて配線導体2に対応した所定のパターンにエッチングすることによって形成される。
【0019】
また、絶縁基板1の表面には、配線導体2の一部である半田接合パッド2a、2bの中央部を露出させる開口部を有するようにして、耐半田樹脂層3が被着形成されている。
【0020】
耐半田樹脂層3は、例えば3〜10質量%の光反応開始剤を含有する光及び熱硬化性の変性ポリフェニレンエーテル樹脂を硬化させた耐熱樹脂から成り、絶縁基板1を半田接合時の熱から保護するとともに隣接する半田接合パッド2a同士、2b同士が半田を介して電気的に短絡するのを防止する作用を為す。
【0021】
このような耐半田樹脂層3は、半田接合パッド2a、2bが形成された絶縁基板1の上下面に、2−メチル−1−「4−(メチルチオ)フェニル」モルホリプロパノン−1等の光反応開始剤を3〜10質量%程度含有する未硬化の変性ポリフェニレンエーテル樹脂ペーストを印刷塗布するとともに乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層3を被着させた後、それを100〜1000mJ/cm2で光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた後、150〜180℃で1〜3時間熱硬化させ、最後にさらに500〜3000mJ/cm2で光硬化させることにより形成され、これらの硬化後の光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層3に対して1質量%以下となっている。このとき、熱硬化前に光硬化反応が途中まで進行するように光硬化を行なうことで、この光硬化時に光反応開始剤が良好に昇華して除去され、熱硬化後の光硬化において耐半田樹脂層3の脆化を伴うことのない程度の光で耐半田樹脂層3中の光反応開始剤を十分に昇華させることができ、その結果、耐半田樹脂層3の脆化をきたすことなく、耐半田樹脂層3中の光反応開始剤の含有量を耐半田樹脂層3に対して1質量%以下となすことができる。
【0022】
なお、耐半田樹脂層3となる未硬化の熱および光硬化性樹脂に含有される光反応開始剤はその含有量が3質量%未満では、熱および光硬化性樹脂を十分に光硬化させることが困難となり、10質量%を超えると、硬化後の光反応開始剤の残存量を1質量%以下にすることが困難となる。したがって、耐半田樹脂層3となる未硬化の熱および光硬化性樹脂に含有される光反応開始剤の含有量は3〜10質量%の範囲が好ましい。
【0023】
そして本発明においては、耐半田樹脂層3は、これに残存する光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層3に対して1質量%以下であることが重要である。このように、耐半田樹脂層3に残存する光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下であることから、電子部品の電極と半田接合パッド2aとを半田6aを介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層3内に残存する光反応開始剤の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくいものとなっている。
【0024】
なお、光反応開始剤が耐半田樹脂層3に対して1質量%を超えて残存している場合、耐半田樹脂層3内に残存した光反応開始剤が、電子部品の電極と半田接合パッド2aとを半田6aを介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に多量に昇華し、その昇華した光反応開始剤がアンダーフィル内にボイドを発生させる傾向がある。したがって、耐半田樹脂層3中の光反応開始剤の残存量は耐半田樹脂層3に対して1質量%以下の範囲に特定される。
【0025】
かくして本発明の配線基板の製造方法によれば、電子部品の電極と半田接合パッド2aとを半田6aを介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層3内に残存した光反応開始剤の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくく、電子部品と配線基板とをアンダーフィルを介して強固に接合することができるとともに、半田6aによる両者の接続部をアンダーフィルにより外気から良好に保護することができ、かつ耐半田樹脂層3にクラックが発生することがなく、半田接合パッド2a間の電気的絶縁性が低下することのない配線基板を提供することができる。
【0026】
なお、本発明は上記の実施の形態例に限定されるものではなく、例えば、配線基板として絶縁基体上に配線導体層と絶縁層とを交互に積層したビルドアップ基板を用いても良い。
【0027】
【実施例】
(実験例)
一辺の長さが40mmで厚みが0.8mmのガラス−エポキシ樹脂から成る四角平板状の絶縁基板の上面に、直径が0.15mmで厚みが15μmの銅箔から成る2116個の電子部品接続用の半田接合パッドを0.24mmの配列ピッチで46×46列の格子状の並びに形成するとともに下面に直径が0.75mmで厚みが15μmの銅箔から成る900個の外部接続用の半田接合パッドを1.27mmの配列ピッチで30×30列の格子状の並びに形成した。
【0028】
次に、半田接合パッドが形成された絶縁基板の上下面に光反応開始剤として2−メチル−1−「4−(メチルチオ)フェニル」モルホリプロパノン−1を6質量%含有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂から成る未硬化の熱および光硬化性樹脂ペーストをそれぞれ25μmの厚みに印刷塗布した後、80℃、30分乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層を形成した。
【0029】
次に、絶縁基板の上下面に被着させた未硬化の耐半田樹脂層を露光・現像することにより、未硬化の耐半田樹脂層に各半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を形成した。なお、開口部の直径は、電子部品接続用の半田接合パッドであれば0.1mmとし、外部接続用の半田接合パッドであれば、0.65mmとした。
【0030】
次に、現像された未硬化の耐半田樹脂層を、これに365nmベースの紫外線をそれぞれ1000、750、500、200mJ/cm2ずつ照射して光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた。
【0031】
次に、この光硬化反応が途中まで進行するように光硬化した耐半田樹脂層を150℃で2時間熱処理して、熱硬化させた。
【0032】
さらに、この熱硬化した耐半田樹脂層を、これに365nmベースの紫外線をそれぞれ3000、1500、1000、500mJ/cm2ずつ照射して光硬化させることにより光反応開始剤の残存量がそれぞれ耐半田樹脂層に対して0.01質量%、0.5質量%、1.0質量%である本発明による評価用試料および1.2質量%である比較のための試料を4個ずつ得た。
【0033】
このようにして得た本発明による評価用試料および比較のための評価用試料の電子部品接続用の各半田接合パッド上に3μmの無電解ニッケル−リンめっき層および0.05μmの無電解金めっき層を順次被着させた後、錫が63質量%と鉛が37質量%とから成る半田粉末とロジンタイプのフラックスとを含有する半田ペーストを各半田接合パッドにおける半田高さが50μmとなるように印刷し、それを220℃ピーク温度でリフローすることにより電子部品接続用の各半田接合パッドに半田バンプを形成した。
【0034】
次に、下面に上記各評価用試料の電子部品接続用の半田接合パッドに対応する電極を有する一辺の大きさが11mmで厚みが0.5mmの正方形の半導体素子を準備するとともに、その半導体素子を、その電極と上述の半田バンプとが接触するように各評価用試料上に載置し、これらを230℃のピーク温度でリフローすることにより半導体素子の電極と半田バンプとを接合させた。このとき、評価用試料と半導体素子との間には50μmの隙間が形成された。
【0035】
次に、各評価用試料と半導体素子との間の隙間にエポキシ系の樹脂と無機絶縁フィラーとから成る未硬化のアンダーフィルを注入するとともに、150℃で3時間熱処理してアンダーフィルを熱硬化させた。
【0036】
しかる後、各評価用試料のうち、2個ずつをX線にてアンダーフィル中のボイドの有無を確認した。また、各評価用試料のうち、2個ずつについて、温度条件が−55℃〜125℃、サイクル数が1000サイクルである温度サイクル試験において耐半田樹脂層内およびアンダーフィル内にクラックが発生するか確認を行った。
【0037】
その結果、比較のための評価用試料ではアンダーフィルにボイドが見られたのに対して、本発明による評価用試料ではアンダーフィルにボイドの発生は見られなかった。また、比較のための評価用試料では耐半田樹脂層内ならびにアンダーフィル内にクラックが確認されたのに対して、本発明による評価用試料では耐半田樹脂層内ならびにアンダーフィル内にクラックが確認されなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法により得られる配線基板は、耐半田樹脂層が、光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下であるために、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層内に残存した光反応開始剤成分の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくい。したがって、電子部品と配線基板とをアンダーフィルを介して強固に接合することができるとともに、半田による両者の接続部をアンダーフィルにより外気から良好に保護することができる。
【0039】
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、表面に半田接合パッドが被着形成された絶縁基板上に、光反応開始剤を含有する未硬化の熱および光硬化性樹脂ペーストを印刷した後に乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層を形成し、次にこの未硬化の耐半田樹脂層を半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有するように露光および現像し、次にこの現像された未硬化の耐半田樹脂層をその光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させ、次にこの光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた耐半田樹脂層を熱硬化させ、次にこの熱硬化させた耐半田樹脂層をその光反応開始剤の残存量が耐半田樹脂層に対して1質量%以下になるように光硬化させることから、熱硬化前に光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させることで、この光硬化時に光反応開始剤が良好に昇華して除去され、熱硬化後の光硬化において耐半田樹脂層の脆化を伴うことのない程度の光で耐半田樹脂層中の光反応開始剤を十分に昇華させることができ、その結果、電子部品の電極と半田接合パッドとを半田を介して接合した後に電子部品と配線基板との間に充填されるアンダーフィルの硬化時に、耐半田樹脂層内に残存した光反応開始剤の昇華量が少なく、それによりアンダーフィル内にボイドが発生しにくく、また耐半田樹脂層にクラックが発生することがなく、電子部品と配線基板とをアンダーフィルを介して強固に接合することができるとともに半田による両者の接続部をアンダーフィルにより外気から良好に保護することが可能な配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・配線導体
2a・・・・・半田接合パッド
3・・・・・・耐半田樹脂層
Claims (1)
- 表面に半田接合パッドが被着形成された絶縁基板上に、光反応開始剤を含有する未硬化の熱および光硬化性樹脂ペーストを印刷した後に乾燥させて未硬化の耐半田樹脂層を形成する工程と、該未硬化の耐半田樹脂層を前記半田接合パッドの中央部を露出させる開口部を有するように露光および現像する工程と、前記現像された未硬化の耐半田樹脂層をその光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させる工程と、前記光硬化反応が途中まで進行するように光硬化させた耐半田樹脂層を熱硬化させる工程と、前記熱硬化させた耐半田樹脂層を前記光反応開始剤の残存量が前記耐半田樹脂層に対して1質量%以下(0は含まず)になるように光硬化させる工程とを順次行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
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