JP4141061B2 - 荷重変換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アシスト自転車等に使用される荷重変換器に関するもので、特に圧電セラミック材料を使用した荷重変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電セラミック材料を使用した荷重変換器は、特開平3−295430に開示されているように、荷重変換器の構造は、中心ボルト締めの構造をとっており、荷重の変化に相当する電荷を、インピーダンス変換器を用いて電圧として取り出す方法をとっていた。
【0003】
また、特開平3−251276に開示されている荷重変換器では、時間、間隔Δt時間ごとに荷重の変化をコンデンサのチャージ電荷として読み取り、次に、リセットを行い、再び同じ工程を繰り返して、圧力変化に相当するチャージ電荷を蓄積させる方法をとっていた。これにより、測定電圧を測定時間ごとに累積することにより、連続的に荷重を測定することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の圧電セラミック材料を使用した第1の例による荷重変換器は、荷重が数百kgの値をとる場合、荷重変換器が大きくならざるを得なかった。または、荷重を分圧して使用する方法をとるしかなかった。
【0005】
一方、第2の例である荷重を連続的に測定する方式の荷重変換器においては、上述した如く、Δt時間ごとにチャージ電荷を電圧として読み取り、リセットを行い、また再び同じ工程を繰り返していたが、荷重が大きくなることにより、変換器の形状が大きくなったり、分圧機構を設けなければならなかった。また、連続的な荷重を検出するために、複雑な処理回路を必要とした。
【0006】
従って、本発明の目的は、大きな荷重に対しても形状が小型で、かつ荷重を連続的に検出でき、複雑な検出回路を必要としない荷重変換器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による荷重変換器は、圧電セラミック板の両面に複数の絶縁性弾性板を設け、第1の絶縁性弾性板に受圧板を、第2の絶縁性弾性板に支持板を設ける構成とすることにより、小型化、薄型化を実現するものである。
【0008】
また、低荷重での安定性確保のために、加圧部材を付加して予備加圧することにより、低荷重から高荷重までの広範囲にわたって、計測荷重の検出を可能とするものである。
【0009】
また、本発明による荷重変換器では、圧電セラミック板の共振周波数と反共振周波数の中間点付近の周波数で励振することにより、計測荷重とインピーダンスがリニアリティーを持つものである。これにより、計測荷重に対するインピーダンス変化を電圧として読み取ることができ、計測荷重の値が検出可能となる。その結果、計測荷重を連続的に検出でき、かつ検出回路が簡単で、安価な回路構成が実現できる。
【0010】
即ち、本発明は、圧電セラミック板と複数の絶縁性弾性板と受圧板および支持板を、それぞれ厚み方向に組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、電極を有し、前記圧電セラミック板の一方の面には第1の絶縁性弾性板が設けられ、他方の面には第2の絶縁性弾性板が設けられ、前記第1の絶縁性弾性板の圧電セラミック板が設置された面と反対側の面には、受圧板が設けられ、一方、第2の絶縁性弾性板の圧電セラミック板が設置された面と反対側の面には支持板が設けられ、前記圧電セラミック板の両面の電極に交流信号を印加する手段と該交流信号に対する前記電極のインピーダンス変化を検出する手段とを備え、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記第1の絶縁性弾性板と第2の絶縁性弾性板の厚みは、第1または第2の絶縁性弾性板での共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記支持板の厚みは、支持板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受ける荷重変換器である
【0011】
また、本発明は、圧電セラミック板と弾性板と受圧板および支持板を組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、両面に電極を有し、前記圧電セラミック板の一方の面に、弾性板の片側の面を固着し、該弾性板の側面の両端に、それぞれ高弾性材料による受圧板と支持体を固着しており、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記弾性板の厚みは、該弾性板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受ける荷重変換器である。
【0012】
また、本発明は、圧電セラミック板と複数の絶縁性弾性板と受圧板および支持板を組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、両面に電極を有する板状の形状であって、前記圧電セラミック板の一方の面に、第1の絶縁性弾性板の片面、および圧電セラミック板の他方の面に第2の絶縁性弾性板の片面を固着し、第1および第2の絶縁性弾性板の側面の両端に、それぞれ高弾性材料による受圧板と支持体とを固着しており、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記第1の絶縁性弾性板および第2の絶縁性弾性板の厚みは、それぞれの共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受ける荷重変換器である。
【0013】
また、本発明は、前記荷重変換器において、支持体と加圧部材とからなる静的予備荷重機構が付加された荷重変換器である。
【0014】
また、本発明は、前記荷重変換器において、前記交流信号の周波数を圧電セラミック板の共振周波数と反共振周波数の中間点に設定し、計測荷重に対してインピーダンスの変化を電圧として取り出すことを特徴とする荷重変換器である。
【0015】
また、本発明は、前記荷重変換器において、圧電セラミック板の材質を、ジルコン酸チタン酸鉛系材料とし、絶縁性弾性板の材質を、FRPとし、受圧板と支持板と支持体と加圧部材の材質を、ステンレス系材料とする荷重変換器である。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例による荷重変換器について説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1による荷重変換器の基本構成の説明図である。また、図2は、図1の荷重変換器の基本構成を用いて、加圧部材6と支持体5による静的予備荷重機構を付加した構成の荷重変換器を示す。
【0018】
図1より、荷重変換器の基本構成は、圧電セラミック板1の上面に、第1の絶縁性弾性板2aが設けられ、圧電セラミック板1の下面には、第2の絶縁性弾性板2bが設けられ、さらに前記第1の絶縁性弾性板2aの上には受圧板3が設けられ、前記第2の絶縁性弾性板2bには支持板4が設けられている。図1のごとく、計測荷重は、受圧板3の厚み方向に印加される。
【0019】
圧電セラミック板1の材質には、ジルコン酸チタン酸鉛系圧電材料が用いられる。寸法は、外径が6mmで、厚み2mmのものを使用した。また、その上面には、電極7a、下面には、電極7bが形成されている。
【0020】
第1の絶縁性弾性板2a、および第2の絶縁性弾性板2bは、その材質をFRPとしており、寸法は、外径6mmで厚み約1mmのものを使用した。
【0021】
受圧板3と支持板4は、ステンレス系材料を使用した。収納筒5の材質には、軟鉄材を使用した。加圧部材6は、ステンレス系のばね材を用い、絞り加工により作製した。
【0022】
図2は、図1の荷重変換器の基本構成をもとに加圧部材6と収納筒5による静的予備荷重機構を追加した荷重変換器である。前記静的予備荷重機構によって、約10kgの静荷重を発生させている。
【0023】
荷重変換器の全体の外形寸法は、外径が10mmで、高さを9mmとした。また、荷重変換器の荷重零における圧電セラミック板の共振周波数は、1640kHzで、反共振周波数は1800kHzであった。計測周波数は、前記共振周波数と反共振周波数の中間点に設定され、この条件下で、インピーダンス変化率が計測荷重に対してリニアになる。
【0024】
図5に、図2の荷重変換器におけるインピーダンス変化率対荷重特性を示す。
ここで、前記圧電セラミック板の厚みは、計測周波数とする共振周波数において、圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記第1の絶縁性弾性板2aと第2の絶縁性弾性板2bの厚みは、第1または第2の絶縁性弾性板での共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記支持板4の厚みは、支持板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しくしている。
【0025】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2による荷重変換器の断面図である。図3にて、圧電セラミック板11は、両面に電極8a、8bを有する板状の形状である。弾性体板12の両端に、受圧板13と支持体14を固着し、前記弾性板12の片側の面にセラミック板11を固着している。また、加圧部材15が受圧板13の周辺部に設置されている。ここで、圧電セラミック板11の材質は、ジルコン酸チタン酸鉛系圧電材料が用いられる。
【0026】
また、弾性板12の材質はFRPを使用し、受圧板13の材質はステンレス材料を使用し、支持体14の材質は軟鉄材を用いた。また、加圧部材15は、ステンレス系のばね材を用い、絞り加工にて作製した。荷重変換器の全体の外形寸法は、外形が10mmで、高さを9.5mmとした。
【0027】
ここで、前記圧電セラミック板11の厚みは、計測周波数である共振周波数において、前記圧電セラミック板11の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記弾性板12の厚みは、該弾性体12の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しくした。
【0028】
(実施例3)
図4は、本発明の実施例3による荷重変換器の断面図である。図4にて、圧電セラミック板21は、両面に電極9a、9bを有する板状の形状であって、前記圧電セラミック板21の両面には、第1の絶縁性弾性板22aの片面、および第2の絶縁性弾性板22bの片面を固着し、第1および第2の絶縁性弾性板の厚み方向と直交する両端に高弾性材料による受圧板23と支持板24とを固着している。
【0029】
また、加圧部材25が受圧板23の周辺部に設置されている。ここで、圧電セラミック板21,第1の絶縁性弾性板22a、第2の絶縁性弾性板22b、受圧体23,支持体24,加圧部材25の材質は、先の実施例2と同材質のものを用いた。荷重変換器の全体の外形寸法は、外径が10mmで、高さを10mmとした。
【0030】
前記圧電セラミック板21の厚みは、計測周波数である共振周波数において、その圧電セラミック板21の共振時の波長の1/2波長に等しく、前記第1の絶縁性弾性板22aおよび第2の絶縁性弾性板22bの厚みは、第1、第2の絶縁性弾性体の共振時の波長の、1/4波長の整数倍に等しくした。
【0031】
ここで、実施例1の荷重変換器は、計測荷重を荷重変換器の圧電セラミック板に対して直接加える直接型である。一方、実施例2の荷重変換器は、荷重を荷重変換器の圧電セラミック板に対して間接的に加える間接型である。また、実施例3の荷重変換器も、実施例2と同じく間接型である。
【0032】
実施例2と実施例3による荷重変換器の、インピーダンス変化率対荷重特性について、インピーダンスの変化率そのものは、実施例1の荷重変換器より少ないが、計測周波数は、実施例1の荷重変換器と同様、共振周波数と反共振周波数の中間点に設定され、インピーダンス変化率が計測荷重に対してリニアとなる。
【0033】
本発明の荷重変換器では、300kg程度の大きな計測荷重を検出することが可能となる。また、形状を小型にでき、連続的に計測荷重の検出が可能で、かつ、計測荷重を検出する検出回路が簡単となる。
【0034】
【発明の効果】
以上、説明したごとく、本発明によれば、大きな荷重に対しても形状が小型で、かつ荷重を連続的に検出でき、複雑な検出回路を必要としない荷重変換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による荷重変換器の基本構成の断面図。
【図2】 本発明の実施例1の荷重変換器の断面図。
【図3】 本発明の実施例2の荷重変換器の断面図。
【図4】 本発明の実施例3の荷重変換器の断面図。
【図5】 本発明の実施例1の荷重変換器によるインピーダンス変化率対荷重特性を示す図。
【符号の説明】
1,11,21 圧電セラミック板
2a,22a 第1の絶縁性弾性板
2b,22b 第2の絶縁性弾性板
3,13,23 受圧板
4 支持板
6,15,25 加圧部材
7a,7b,8a,8b,9a,9b 電極
12 弾性板
5,14,24 支持体

Claims (6)

  1. 圧電セラミック板と複数の絶縁性弾性板と受圧板および支持板を、それぞれ厚み方向に組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、両面に電極を有し、前記圧電セラミック板の一方の面には第1の絶縁性弾性板が設けられ、他方の面には第2の絶縁性弾性板が設けられ、前記第1の絶縁性弾性板の圧電セラミック板が設置された面と反対側の面には、受圧板が設けられ、一方、第2の絶縁性弾性板の圧電セラミック板が設置された面と反対側の面には支持板が設けられ、前記圧電セラミック板の両面の電極に交流信号を印加する手段と該交流信号に対する前記電極のインピーダンス変化を検出する手段とを備え、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記第1の絶縁性弾性板と第2の絶縁性弾性板の厚みは、第1または第2の絶縁性弾性板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記支持板の厚みは、支持板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受けることを特徴とする荷重変換器。
  2. 圧電セラミック板と弾性板と受圧板および支持板を組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、両面に電極を有し、前記圧電セラミック板の一方の面に、弾性板の片側の面を固着し、該弾性板の側面の両端に、それぞれ高弾性材料による受圧板と支持体を固着しており、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記弾性板の厚みは、該弾性板の共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受けることを特徴とする荷重変換器。
  3. 圧電セラミック板と複数の絶縁性弾性板と受圧板および支持板を組み合わせて構成される荷重変換器であって、前記圧電セラミック板は、両面に電極を有する板状の形状であって、前記圧電セラミック板の一方の面に、第1の絶縁性弾性板の片面、および圧電セラミック板の他方の面に第2の絶縁性弾性板の片面を固着し、第1および第2の絶縁性弾性板の側面の両端に、それぞれ高弾性材料による受圧板と支持体とを固着しており、前記圧電セラミック板の厚みは、該圧電セラミック板の共振時の波長の1/2波長にほぼ等しく、前記第1の絶縁性弾性板および第2の絶縁性弾性板の厚みは、それぞれの共振時の波長の1/4波長の整数倍にほぼ等しく、前記受圧板は計測荷重を厚み方向に受けることを特徴とする荷重変換器。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の荷重変換器において、支持体と加圧部材とからなる静的予備荷重機構が付加されたことを特徴とする荷重変換器。
  5. 請求項1に記載の荷重変換器において、前記交流信号の周波数を圧電セラミック板の共振周波数と反共振周波数の中間点に設定し、計測荷重に対してインピーダンスの変化を電圧として取り出すことを特徴とする荷重変換器。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の荷重変換器において、圧電セラミック板の材質を、ジルコン酸チタン酸鉛系材料とし、絶縁性弾性板の材質を、FRPとし、受圧板と支持板と支持体と加圧部材の材質を、ステンレス系材料とすることを特徴とする荷重変換器。
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