JP4139694B2 - 擬似磁器タイルおよびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は擬似磁器タイルおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、硬質と軟質の熱可塑性樹脂を用いて鮮明な石目調と波打模様を浮かび上がらせる擬似磁器タイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デッキ材などに用いるタイルとしてはPタイルや磁器タイルが知られている。これらをベランダまたはキッチン、ダイニング、トイレなどの床に敷くことでそれぞれの好みに装飾することができる。このようなPタイルは材料をロールにかけ、それによって生成したロール成形シートを切断することで製造する。また、磁器タイルは粘土を練り成形型で成形し、ついで表面に模様をつけた後で、炉により焼成することで製造する。しかし、Pタイルでは表面に模様を入れることはできるが表面が平滑ですべりやすく、また立体的な重厚度を表すことができない。また、磁器タイルは重厚なそして高級感のあるものを製造することができるが、その製造方法は大量生産には向かずコスト高である。さらに、磁器タイルは表面が固いため、割れる恐れがあり、さらに床材として用いる場合、転倒したとき痛く、けがをする恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点に鑑み、表面に立体的な波打模様が浮かび、さらに石目調の模様を有する大量生産が可能である熱可塑性樹脂製の擬似磁器タイルを提供することを技術課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の擬似磁器タイル(請求項1)は、熱可塑性樹脂を溶融した溶融物を押出し成形し、冷却したシートを所定の大きさに切断することで得られる擬似磁器タイルであって、前記溶融物が硬質と軟質の熱可塑性樹脂を混合状態で含有し、前記硬質の熱可塑性樹脂が前記シートに不均一に分散していることを特徴としている。ここでいう硬質の熱可塑性樹脂とは、JIS規格硬度のAスケールで100以上のものをいい、軟質の熱可塑性樹脂とは、JIS規格硬度のAスケールで100未満のものをいう。
【0005】
このような擬似磁器タイルにおいて、前記溶融物が硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で溶融したものであることが好ましい(請求項2)。また、前記シートのスキン層が冷却する前に除去されていることが好ましい(請求項3)。さらに、前記硬質と軟質の熱可塑性樹脂の重量比が、2:5〜5:5であるものがとくに好ましい(請求項4)。
【0006】
前記シートは木粉を含有するものでもよく(請求項5)、また発泡していてもよい(請求項6)。また、前記シートに色調調整剤を含有していてもよい(請求項7)。さらに、前記シートが、複数の色調調整剤によって調整された複数の溶融物を多列一体に押出し成形して生成されたストライプ状のシートであってもよい(請求項8)。
【0007】
このような擬似磁器タイルにおいては、裏面に硬質の熱可塑性樹脂からなる一体成形のベース部を有するものが好ましい(請求項9)。また、このような擬似磁器タイルに用いる熱可塑性樹脂として塩化ビニル(請求項10)または塩化ビニルのスクラップ(請求項11)を用いることができる。
【0008】
本発明の擬似磁器タイルの製造方法(請求項12)は、硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップを混合したものを溶融し、その溶融物を押出し成形し、押し出された成形体のスキン層を除去し、冷却し、得られたシートを所定の長さあるいは大きさに切断することを特徴としている。また、このような製造方法においては、前記押出成形を、硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で行うものが好ましい(請求項13)。
【0009】
本発明の擬似磁器タイルの製造方法の第2の態様は、硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップを混合したものを溶融し、ロール成形により成形し、冷却し、得られたシートを所定の長さあるいは大きさに切断することを特徴としている(請求項14)。
【0010】
【作用および発明の効果】
本発明の擬似磁器タイル(請求項1)は、硬質と軟質の熱可塑性樹脂を混合したものを溶融した溶融物を押出し成形し、押出した中間成形体を冷却することで、それぞれ異なる収縮率を有する硬質と軟質の熱可塑性樹脂が収縮し、凹凸状の一方向に流れる波打模様を有する表面を有するシートを得ることができる。このシートを所定の大きさに切断することで、立体的で重厚な擬似磁器タイルを得ることができる。このとき硬質の熱可塑性樹脂の延性率の方が小さいため、凹凸の凸部の大部分は硬質の熱可塑性樹脂によって形成される。そのため、これらの擬似磁器タイルを床材として用いる場合は、水にぬれても滑りにくく、磁器タイルに比べてクッション性があり、転んでも危険性が低く、また、汚れなども洗剤を用いブラシで擦ることで落としやすく、さらに、凹凸が摩耗によって減ることが少ないものができる。さらに、切断も切断機を用いれば比較的容易にそして寸法通り正確に切断することができ、輸送しやすい大きさで現場まで運び、その後必要な大きさに切断し、必要な量のタイルを配置することができる。
また、前記硬質の熱可塑性樹脂が前記シート表面上に不均一に分散しているため、石目調の模様を得ることができ、高級感のある擬似磁器タイルを得ることができる。
さらに、この擬似磁器タイルは押出し成形によって製造することができるため、生産性が高く、コストも低く抑えることができる。
【0011】
前記溶融物が硬質の融点付近で溶融されている場合(請求項2)は、溶融物内で、硬質の熱可塑性樹脂は粘度が高い固まりとして存在するため、溶融物内で不均一に分散している。そのため、押出し成形されたシート表面には、凹凸を有する自然な波打ち模様ができる。
【0012】
さらに、前記シートのスキン層を冷却する前に除去する場合(請求項3)は、軟質の熱可塑性樹脂に覆われて内在している硬質の熱可塑性樹脂が表面に表れ、より鮮明に石目調の模様が浮かび上がる。また、スキン層を除去した後、シートの冷却を行うため、凹凸状の波打模様を維持するだけでなく、鮮明に凹凸を浮かび上がらせることができる。
【0013】
前記硬質と軟質の熱可塑性樹脂の重量比が2:5〜5:5である場合(請求項4)は、その凹凸状の波打模様が一層鮮明に表れる。タイル中の硬質の熱可塑性樹脂の量がその重量比より少なくても、多くても、表面に石目調の模様また、凹凸状の波打模様が現れにくい。
【0014】
前記シートに木粉を混入させる場合は、表面に凹凸を有する立体感のある木目調のタイルを生成することができる(請求項5)。また、発泡剤を混入させるなどで発泡させたシートを用いると、タイルとしての重量を軽減させることができる(請求項6)。
前記溶融物に色調調整剤を混入することで異なる色からなるタイルを生成することができる。このように異なる色のタイルを得ることで、市松模様にタイルを敷いたり、種々の配列で敷き詰めることによって美しい模様を形成することができる(請求項7)。前記シートが、異なる色調調整剤によって調整された複数色の溶融物を多列一体に押出し成形して、ストライプ状のシートである場合は、ストライプ状にタイルを並べるときはそのまま用いることができ、その配置が容易である。また、タイルを規則性のある模様に並べるとき、その配置の工程を減少させることができる(請求項8)。このような多列一体型のシートとして、そのストライプが2〜6列に並べられたものが、製造上好ましい。
【0015】
このような擬似磁器タイルであって、裏面にベース部を設ける場合(請求項9)は、表面にクッション性があり、全体として強度の高いタイルを得ることができる。また、ベース部を設けることでタイル全体として滑らかな裏面を有することになり、タイルとして他のものへの貼り付けや設置が容易になる。また、大きな面積で運送したりする場合にも、その形が変形したりしにくい。さらに、このような擬似磁器タイルを床材として用いる場合、ベース部をしっかりした重量のあるものにすることで、接着剤を用いることなく置き方式で剥がれにくい床を得ることができる。
【0016】
このような擬似磁器タイルにおいて、前記熱可塑性樹脂として塩化ビニルを用いる場合(請求項10)、耐候性が高く、また汚れを洗剤などで落としやすいものを生成することができ、ベランダなど外に用いるタイルとして好ましい。また、前記熱可塑性樹脂として塩化ビニルのスクラップを用いる場合(請求項11)は、焼却するとダイオキシン等の公害性物質を生成するため、埋立てなどによって廃棄していた塩化ビニルのスクラップを有効にリサイクルすることができる。
【0017】
本発明の擬似磁器タイルの製造方法(請求項12)は、硬質と軟質の合成樹脂のチップを混合したものを、硬質の合成樹脂の融点付近で溶融し、押出ししているため、押出し成形のシリンダー内では粘度の高い硬質の熱可塑性樹脂の固まりが軟質の熱可塑性樹脂の溶融物中に混在している。そのため、押し出された中間生成体は表面が緩やかな凹凸を有し、一方向に流れる波打模様を有するものが得られる。また、その得られた中間生成体のスキン層を除去することにより、軟質の熱可塑性樹脂に覆われて中間生成体に内在している硬質の熱可塑性樹脂の表面が表れ、より鮮明に石目調の模様が浮かび、より鮮明に凹凸状が形成される。これにより得られたシートを所定の長さあるいは大きさに切断することで、所定の場所にタイルを自在に敷き詰めることができる。このように本発明の製造方法は、押出し成形により高級感のある擬似磁器タイルを製造することができるため、その生産性は高く、安価である。また、前記押出し成形を硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で行う場合(請求項13)は、硬質と軟質の熱可塑性樹脂を不均一に分散することができ、より鮮明な石目調を形成することができる。
【0018】
本発明の製造方法の第2の態様(請求項14)は、硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップを混合したものを溶融し、ロール成形し、それを冷却しているため、表面上に分散している収縮率の異なる硬質と軟質の熱可塑性樹脂が収縮し、表面に凹凸を有し、一方向に流れる波打ち模様を有するシートを生成する。従来のロール成形では平滑な表面あるいは規則的な凹凸が求められており、不規則に凹凸のある生成物は不良品とされてきたが、このように硬質と軟質の合成樹脂を用い、積極的に不規則な凹凸を有する擬似磁器タイルを生成することで、そのタイルを高級感あふれる床材あるいは壁材として用いることができる。
【0019】
【本発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の擬似磁器タイルの実施形態を示す斜視図、図2は本発明の擬似磁器タイルの他の実施形態を示す断面図、図3a、図3bは本発明の擬似磁器タイルの他の実施形態を示す斜視図、図4は本発明の擬似磁器タイルを市松模様に並べたときの正面図、図5は本発明の擬似磁器タイルを成形するために用いられる金型の概略断面図である。
【0020】
図1の擬似磁器タイル10aは、表面に石目調の模様および凹凸状の波打模様を有する3色のストライプ状の柄部11と、その裏面に設けられる熱可塑性樹脂製のベース部12とから構成される。前記柄部11は、その幅が同じで色がそれぞれ異なる第1ストライプ11aと、第2ストライプ11bと、第3ストライプ11cとから構成されている。これらのストライプ11a、11b、11cは、軟質と硬質の熱可塑性樹脂を混合し、溶融したものを押出成形しているため、その外表面に軟質と硬質の熱可塑性樹脂が分散している。そのため、外表面は石目調の模様で立体的に一方向に流れる波打模様を有している。また、これらのストライプ11a、11b、11cはそれぞれが表面方向に山なりに緩やかに突出している。それにより、個々に磁器タイルが敷き詰められたように見える。
【0021】
前記ベース部12は、前記柄部11で用いたものと同一の硬質の熱可塑性樹脂を溶融したものを押出し成形している。そのため、押出し成形において柄部11との接着が強固になる。また、一種類の材料により生成しているため、表面は平滑である。これにより、擬似磁器タイル10aとして裏面が平滑となり、壁、床などへの接着が容易になる。
【0022】
この擬似磁器タイル10aは押出し成形により、一体成形で生成されているが、柄部11とベース部12とをそれぞれ別に成形し、その後接着剤等で接着してもよい。さらに、柄部11に嵌合溝部を形成し、ベース部12に嵌合凸部を形成することでそれぞれを嵌合させてもよい。たとえば、図2に示すように蟻溝23と断面が台形である突条24などが挙げられる。このような熱可塑性樹脂として、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、スチレンなどの共付加重合体が好ましく、またアミドやエステルなどの重縮合体、ウレタンなどの重付加体であってもよい。また、ベース部12に用いられる熱可塑性樹脂としてはエチレン、プロピレン、スチレンなどの共付加重合体等が挙げられる。また、別々に成形する場合、ベース部12は熱可塑性樹脂に限定されるものではなく、他の合成樹脂や金属などを用いても構わない。
【0023】
この擬似磁器タイル10aは床材、飾り壁面、飾り置き棚などに使用できる。これらはそのまま床、壁、棚などに敷き詰め並べることによりストライプ状の模様を形成することができる。さらに、この擬似磁器タイルを床材として用いる場合、磁器タイルに比べて壊れにくく、クッション性があり転んでも危険性が低く、また、水にぬれても滑りにくく、さらに、汚れなども洗剤を用いてブラシ等で擦ることですぐ落ちる床材用タイルが得られる。また、熱可塑性樹脂製であり、切断機等を用いることで比較的簡単にそして正確に切断することができるため、一つ一つ小さく切断したタイルを現場に持っていく必要がなく、現場で必要分だけ使用することができる。
【0024】
また、図3a、図3bに示すように3色のストライプ11a、11b、11cの配置が異なる擬似磁器タイル10b、10cを用意し、これらの擬似磁器タイル10b、10cをそのストライプの幅と同じ長さに切断し、それぞれ切断した擬似磁器タイル10a、10b、10cを順番に敷き詰めることで同色の小さい正方形が斜めに連続する市松模様を形成することができる(図4a参照)。この市松模様のように、同色のタイルを規則的に並べる場合、それに応じたストライプ状の擬似磁器タイルを形成し、必要な大きさに切断することで配置の工程を減少することができる。例えば、図4bは、三色の正方形が順番に表れる列と、単色の列とを交互に設けた模様を形成している。これはストライプの幅と同じ長さに切断した擬似磁器タイル10aを横一列に並べ、別に単色の擬似磁器タイル10dをもう一方の列に並べることで設けることができる。しかし、このような配置の方法は限定されるものではなく、図4のような市松模様をそれぞれ異なる色の単色の擬似磁器タイルを同じ大きさの正方形に切断し、それらを順番に敷き詰めていっても構わない。
【0025】
このような擬似磁器タイル10aは、硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップをある一定の重量比で混合し、その混合物を硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で溶融し、異なる三色の色調調整剤を用いて作成した三種類の柄部11用の溶融物A、B、Cと、硬質の熱可塑性樹脂のチップを溶融したベース12用溶融物Dとを準備して製造する。このような熱可塑性樹脂としては前述と同様に塩化ビニル、エチレン、プロピレン、スチレンなどの共付加重合体が好ましく、アミドやエステルなどの重合体、ウレタンなどの重付加体などが挙げられる。また、硬質と軟質の熱可塑性樹脂の重量比は2:5~5:5であるものが好ましい。これら溶融物A、B、C、Dを軟質の溶融物が溶融し硬質の溶融物が粘度の高い塊として存在する状態により、図5に示す金型15を介して4台のスクリュー押出機a、b、c、dにより押し出し、成形することが好ましい。溶融物A、B、C、Dをスクリュー押出し機a、b、c、dを用いて押出し、共通の金型15に導くことにより、第一合流部20aにおいて溶融物A、B、Cが接着され三列のストライプからなる仮シートが生成する。ついで、第2合流部20bにおいてその仮シートの裏面にベース用溶融物Dが一体成形される。これにより得られる生成体を金型出口付近において、スリッタ21によって主に軟質の熱可塑性樹脂で覆われたスキン層を約1mm削ることで、スリットされた溶融物22が作製され、これを冷却することでシートが得られる。ついでそのシートを所定の大きさに切断することで擬似磁器タイル10aを得ることができる。
【0026】
前述した製造方法において、溶融物に木粉あるいは発泡剤を添加させても構わない。溶融物に木粉を添加させる場合、凹凸であり、立体感のある木目調の模様を形成することができる。木粉の量は溶融物に対して20〜50%であるものが好ましい。溶融物に発泡剤を添加させ内部において発泡させる場合、軽量な擬似磁器タイルを生成することができる。このとき発泡剤は発泡倍率が1.1〜1.5なるように添加するのが好ましい。またその量は溶融物に対して1部〜2部であるものが好ましい。また、表面に発泡による凹凸を形成させることで、擬似石タイルを生成することができる。このとき発泡剤は発泡倍率が1.5〜2.2となるように添加するのが好ましい。
【0027】
このような擬似磁器タイル10aには、想像線で示すようにベース部12の裏面に熱可塑性樹脂製の脚部13を設けてもよい。このように脚部13を設けることで、床材に用いる場合、水はけがよい床材用タイルを製造することができる。このような脚部13は、前記タイル10aと同様に三層用の金型を用いることで一体成形によってベース部12の裏面に脚部層を設け、その脚部層が硬化する前にクシ状の刃でその脚部層を掻き落とし残りの連続する部分を好ましい大きさに切り落とし脚部を生成することできる。さらに、脚部層を縦横二方向に格子状に掻き落として矩形状の脚部を散点させることもできる。このような脚部13は前述したように押出し成形により一体成形で設けてもよく、別々に生成し、接着剤等で接着してもよい。その場合、この脚部13の材料として熱可塑性樹脂以外の合成樹脂や金属等を用いても構わない。
【0028】
これまで擬似磁器タイルの製造方法は、押出し成形によるものであったが、単色の擬似磁器タイルを製造するときは、溶融物を2つのローラーの間に挟みながら通過させシートを生成するロール成形法を用いても構わない。この方法では、硬質と軟質の熱可塑性樹脂をある一定量で混合し、それを硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で溶融し、その温度に設定した2つのヒーター付きのローラーで挟みながら通過させることでシートを生成する。これを所定の大きさに切断することで擬似磁器タイルを製造する。これによって製造されるタイルは、外表面に軟質と硬質の熱可塑性樹脂が分散しているため石目調の模様で立体的に一方向に流れる波打ち模様を有している。このロール成形に用いられる熱可塑性樹脂として塩化ビニル、エチレン、プロピレン、スチレンなどの共付加重合体等が好ましく、またアミドやエステルなどの重縮合体、ウレタン等であってもよい。また、硬質と軟質の熱可塑性樹脂の重量比は2:5〜5:5であるものが好ましい。その溶融温度は、軟質の熱可塑性樹脂が溶融し、硬質の熱可塑性樹脂が粘度の高い塊として存在する状態であれば特に限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
JIS規格硬度のAスケールで100以上である硬質の塩化ビニルのチップと、JIS規格硬度のAスケールで100未満である軟質の塩化ビニルのチップを重量比2:5となるように用意し、硬質の塩化ビニルの融点付近である(融点より低い温度)155℃で溶融した。色調調整剤として軟質の色調調整材の黒のシート材料および白のシート材料を用いて、淡い灰色、濃い灰色およびその中間の灰色の柄部用溶融物A、B、Cを準備し、ベース用の溶融物Dとして硬質の塩化ビニルを準備した。図5に示す金型15を介して4台のスクリュー押出機a、b、c、dを用いて線速1.1m/分、130〜155で押し出した。また、金型出口付近において、スリッタ21によって軟質の熱可塑性樹脂からなるスキン層を約1mm削り、スリットされた溶融物22を得た。これを冷却することにより柄部の厚さが8mmであり、ベース部の厚さが3mmである擬似磁器タイルが得られた。これを実施例1とした。
【0030】
実施例1のタイルを屋外に暴露させることでその変色度を測る暴露テストと、60℃の水中に漬け24時間後の接着強度と70℃雰囲気下で放置した24時間後の接着強度を測る接着強度テストと、60℃の雰囲気下で72時間放置しその後65kgの荷重をかけることで測る軟化テストと、設置したタイルを洗剤により洗浄したときのそのタイルの変化を観察する洗浄テスト、そのときブラシを用いて洗浄したときの凹凸度の減り具合を半年間観察したブラシ洗いテストとを行った。その結果を表1に表す。
【0031】
【表1】
Figure 0004139694
【0032】
表1に表されるように、悪条件においても接着強度が変わらず、屋外でも変色せず、凹凸が磨り減ることなく、市販の洗剤(塩素系トイレ洗剤除く)による洗浄で容易に洗うことができるタイルを製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の擬似磁器タイルの実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の擬似磁器タイルの他の実施形態を示す断面図である。
【図3】 図3a、図3bは本発明の擬似磁器タイルの他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の擬似磁器タイルを用いたタイルの並びを表した正面図である。
【図5】 本発明の擬似磁器タイルを成形するために用いられた金型の断面図である。
【符号の説明】
10a、10b、10c 擬似磁器タイル
11 柄部
11a、11b、11c ストライプ
12 ベース部
13 脚部
15 金型
20a、20b 合流部
21 スリッタ
22 スリットされた溶融物
23 あり溝
24 突条
a、b、c、d 押出し機

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂を溶融した溶融物を押出し成形し、冷却したシートを所定の大きさに切断することで得られる擬似磁器タイルであって、
    前記溶融物が硬質と軟質の熱可塑性樹脂を混合状態で含有し、
    前記硬質の熱可塑性樹脂が前記シートに不均一に分散している擬似磁器タイル。
  2. 前記溶融物が硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で溶融したものである請求項1記載の擬似磁器タイル。
  3. 前記シートのスキン層が冷却する前に除去されている請求項1記載の擬似磁器タイル。
  4. 前記硬質と軟質の熱可塑性樹脂の重量比が2:5〜5:5である請求項1記載の記載の擬似磁器タイル。
  5. 前記シートが木粉を含有している請求項1記載の擬似磁器タイル。
  6. 前記シートが発泡している請求項1記載の擬似磁器タイル。
  7. 前記シートが色調調整剤を含有している請求項1記載の擬似磁器タイル。
  8. 前記シートが、複数の色調調整剤によって調整された複数の溶融物を多列一体に押出し成形して生成されたストライプ状のシートである請求項7記載の擬似磁器タイル。
  9. 裏面に硬質の熱可塑性樹脂からなる一体成形のベース部を有する請求項1記載の擬似磁器タイル。
  10. 前記熱可塑性樹脂が塩化ビニルである請求項1記載の擬似磁器タイル。
  11. 前記熱可塑性樹脂が塩化ビニルのスクラップである請求項1記載の擬似磁器タイル。
  12. 硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップを混合したものを溶融し、その溶融物を押出し成形し、押し出された成形体のスキン層を除去し、冷却し、得られたシートを所定の長さあるいは大きさに切断する擬似磁器タイルの製造方法。
  13. 前記押出成形を、硬質の熱可塑性樹脂の融点付近で行う請求項11記載の擬似磁器タイルの製造方法。
  14. 硬質と軟質の熱可塑性樹脂のチップを混合したものを、溶融し、ロール成形により成形し、冷却し、得られたシートを所定の長さあるいは大きさに切断する擬似磁器タイルの製造方法。
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