JP4138800B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器に係り、特に音声再生用のスピーカユニットを内蔵した電子機器に関する。
本体筐体にスピーカユニットが内蔵された電子機器がある。スピーカユニットは、キャビネットとも呼ばれるスピーカボックスと、スピーカボックスに収納されるスピーカとを具備している。スピーカから出力された音声は、スピーカボックスの内部空間を伝播して、電子機器の本体に配設された出力部分から出力される。
特許文献1に記載されているスピーカユニットは、筐体内における、基板に対して重ならない位置に配置されていて、スピーカボックスと、スピーカボックスに収納されたスピーカとを備える。スピーカボックスには、スピーカの背面からスピーカボックス内に伝播した音声をバッフル孔に導く通路が形成されている。
特許文献2に記載されているスピーカユニットは、音道付きのスピーカキャビネットに一体に形成されたスピーカボックスと、スピーカボックスに収容されたスピーカとを備える。スピーカボックスの表面には凹凸部分が形成されている。
特許文献3に記載されているスピーカユニットは、スピーカボックスの背面に、スピーカコードを保持するためのガイド溝が形成されている。
特開2004−357220号公報 特開平11−53056号公報 実開平2−130190号公報
特許文献1−2に記載されるような、電子機器の本体筐体に内蔵されるスピーカボックスは、本体筐体の内部空間の制約によって小型化する傾向にある。しかしながら、スピーカボックスは、共鳴器として機能するため、これが小さくなると音質が低下する。
本発明の目的は、筐体内の限られた空間を有効に活用してスピーカの音質を向上させることができ、しかも、スピーカボックスによってケーブルの配置が制限されずに済む電子機器を得ることにある。
本発明の電子機器は、
上壁および下壁を有する筐体と、
前記筐体内に配置されるとともに、前記下壁と対向する板面および側部を有する基板と、
前記筐体内に配置されたスピーカボックスと、
前記スピーカボックスに設けられたスピーカと、を備えている。
前記スピーカボックスは、(1)前記筐体の下壁と前記基板の板面との間の隙間に配置された第1の部分と、(2)前記第1の部分に連通し、前記筐体の下壁と上壁および前記基板の側部と対向するとともに、前記スピーカが配置された第2の部分と、(3)前記スピーカボックスの周辺に配置された周辺機器同士を接続するケーブルを通過させる溝部と、を有し、前記ケーブルが前記筐体内で前記スピーカボックスを跨いで配置されることを特徴としている。
本発明によれば、筐体内の限られた空間を有効に活用してスピーカの音質を向上させることができる。さらに、スピーカボックスが拡大したにも拘らず、このスピーカボックスを跨ぐケーブルの配置が制限されずに済む。
以下、図1〜図4を参照しながら、本発明の一実施形態における電子機器1について説明する。図1は本発明の一実施形態における電子機器1の斜視図である。図1に示す電子機器1は、ノートブック型のポータブルコンピュータである。この電子機器1は、本体2と表示パネル3とを備える。本体2と表示パネル3は、利用者側から見て奥側となる後部において、ヒンジ4で連結されている。以降、説明の便宜上、この電子機器1の利用者から見て近い側を前側とし、利用者にとって左側を左、右側を右と定義する。また重力にしたがって、上と下を定義する。
本体2は、筐体20によって外殻が構成され、内部に基板5、左側ファン6、右側ファン7、左側スピーカユニット8、右側スピーカユニット9、大容量記憶装置、通信モジュールなどを内蔵する。筐体20は、卓上などに据えられた状態で、上側となる上部筐体21と下側となる下部筐体22とで主に構成される。
上部筐体21は、主壁である筐体上壁(第1の壁部)211を備え、その上部にはキーボード10が配置されている。筐体上壁211の後部の左隅と右隅には、それぞれ円形の開口が形成されていて、そこから左側スピーカユニット8と右側スピーカユニット9が露出している。左右の開口には、左側グリル23と右側グリル24が嵌め込まれ、それぞれが筐体20の外殻の一部を構成している。下部筐体22は、主壁である筐体下壁(下壁)221を備え、その下面には4つの脚部が固定されている。
基板5は、上部筐体21と下部筐体22に平行に配置されていて、筐体上壁211に対向する板面5aと、筐体下壁221に対向する板面5bと、板面5aと板面5bを連結し、当該基板5の平面形状における輪郭を構成する側部5cとで構成されている。基板5の板面5aもしくは5bには半導体素子51が実装されている。半導体素子51は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等である。
左側ファン6は、本体2の後部の中央よりやや左側に配置されている。右側ファン7は、本体2の後部の右側に配置されている。これらの左右ファン6,7は、その送風作用によって筐体20の内部を冷却している。
左側スピーカユニット8は、本体2の後部の左側に配置されている。右側スピーカユニット9は、本体2の後部の右側に配置されている。後に、左右スピーカユニット8,9について詳細に説明する。
表示パネル3は、ヒンジ4によって本体2に重なる閉状態から、図1に示すように、本体2に対して起立した状態へ回動する。表示パネル3は、表示装置を内蔵していて、開状態で利用者側に表示面31を向ける。ヒンジ4は、表示パネル3を本体2に対して任意の角度に保持できる程度の回動抵抗を有している。
次に、左右スピーカユニット8,9について説明する。
図2は同実施形態における本体2を図1中のF1−F2面で切断して示す断面図、図3は同実施形態における右側スピーカユニット9を上側から示す斜視図、図4は同実施形態における右側スピーカユニット9を下側から示す斜視図である。なお、図1において、F1−F2面は、右側スピーカユニット9のスピーカボックス91を構成する第1、第2のボックス部911,912を通過している。
図2−図4に示すように、右側スピーカユニット9は、スピーカボックス91とスピーカ92とを備える。スピーカボックス91は、第1のボックス部(第1の部分)911と第2のボックス部(第2の部分)912とで構成される。第1のボックス部911と第2のボックス部912は連結されていて、それぞれの内部空間は連通している。
第1のボックス部911は、基板5と筐体下壁221との隙間に配置されていて、主として、基板5の下側の板面5bに対向する上壁部911aと、筐体下壁221に対向する下壁部911bと、上壁部911aと下壁部911bとを連結する側壁部911cとで構成される。この第1のボックス部911は、右側ファン7の側面に沿って曲成しつつ、本体2の左側に向かって延出している。
第2のボックス部912は、基板5の上側と下側に跨って配置されていて、主として、筐体上壁211に対向する上壁部912aと、筐体下壁221に対向する下壁部(壁部)912bと、基板5の側部5cに対向し、上壁部912aと下壁部912bとを連結する側壁部912cとで構成される。
第2のボックス部912は、その上壁部912aに開口913を備え、下壁部912bにバッフル孔914を備える。開口913は、上部筐体21の右側グリル24と対応する位置に形成され、バッフル孔914は、筐体下壁221に形成された挿通孔221aに対応する位置に形成される。従って、バッフル孔914は、筐体下壁221の挿通孔221aを通じて筐体20の外部に連通している。
第2のボックス部912の上壁部912aと下壁部912bには、それぞれ溝部912d,912eが形成されている。これら溝部912d,912eは、上下壁部912a,912bの両側の側壁部912cに至っていて、その内側にはスピーカボックス91周辺のユニット同士を電気的に接続するケーブル25が配置されている。なお、本実施形態では、第2のボックス912に溝部912d,912eが形成されるが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば第1のボックス911の上壁部911aと下壁部911bに形成されても良いし、第1のボックス911と第2のボックス912に跨って形成されても良い。
なお、本実施形態におけるケーブル25は、図3と図4に示すように、右側ファン7と周辺ユニット26とを接続するものであるが、スピーカボックス91を跨いで配置されるケーブルであれば、特に限定されるものではない。
スピーカ92は、第2のボックス部912の内部に配置され、その一部が右側グリル24の隙間から筐体20の外部に露出している。スピーカ92から放射された音声は、第1のボックス部911と第2のボックス部912の内部空間で共鳴して、右側グリル24から筐体20の外部に出力される。
なお、左右スピーカユニット8,9は、形状に違いがあるものの、本質的な構成は同じである。そこで、左側スピーカユニット8については、図2だけを参照しながら説明する。左側スピーカユニット8は、スピーカボックス81とスピーカ82とを備える。
スピーカボックス81は、第1のボックス部(第1の部分)811と第2のボックス部(第2の部分)812とで構成される。第1のボックス部811と第2のボックス部812は連結されていて、それぞれの内部空間は連通している。
第1のボックス部811は、基板5と筐体下壁221との隙間に配置されていて、主として、基板5の下側の板面5bに対向する上壁部811aと、筐体下壁221に対向する下壁部811bと、上壁部811aと下壁部811bとを連結する側壁部811cとで構成される。この第1のボックス部811は、本体2の右側に向かって延出している。
第2のボックス部812は、基板5の上側と下側に跨って配置されていて、主として、筐体上壁211に対向する上壁部812aと、筐体下壁221に対向する下壁部(壁部)812bと、基板5の側部5cに対向し、上壁部812aと下壁部812bとを連結する側壁部812cとで構成される。
第2のボックス部812は、その上壁部812aに開口813を備え、下壁部812bにバッフル孔814を備える。開口813は、上部筐体21の左側グリル23と対応する位置に形成され、バッフル孔814は、筐体下壁221に形成された挿通孔221bに対応する位置に形成される。従って、バッフル孔814は、筐体下壁221の挿通孔221bを通じて筐体20の外部に連通している。
なお、本実施形態において、左側スピーカユニット8のスピーカボックス81には、ケーブル25を配置するための溝部が形成されていない。しかしながら、これらの溝部は、左側スピーカユニット8のスピーカボックス81に形成されても良い。
スピーカ82は、第2のボックス部812の内部に配置され、その一部が左側グリル23の隙間から筐体20の外部に露出している。スピーカ82から放射された音声は、第1のボックス部811と第2のボックス部812の内部空間で共鳴して、左側グリル23から筐体20の外部に出力される。
以上のように構成された電子機器1において、基板5と筐体下壁221との隙間に配置される第1のボックス部911と、基板5の下側から上側に跨って配置され、基板5の側部5cに対向する第2のボックス部912とで構成される。
即ち、基板5と筐体下壁221との隙間の領域がスピーカボックス91の配置スペースとして有効に利用されている。そのため、筐体20のサイズを拡大することなく、スピーカボックス91の内部容積を拡大させることができる。これにより、これまでの筐体20のサイズを維持しつつ、右側スピーカユニット9の音質を向上させることができる。
さらに、第2のボックス部912は、前述のように、基板5の下側から上側に跨って配置される。即ち、基板5が存在しない領域では、筐体下壁221から筐体上壁211にわたる広い領域がスピーカボックス91の配置スペースとして有効に利用されている。このことによっても、スピーカボックス91の内部容積が拡大されている。これにより、これまでの筐体20のサイズを維持しつつ、右側スピーカユニット9の音質を向上させることができる。
しかも、スピーカボックス91全体が基板5と筐体下壁221との隙間に配置される場合に比べて、第2のボックス部912を基板5の側方から当該基板5の上側の領域に逃がすことによって、筐体20が厚くなるのを防止できる。
また、バッフル孔914は、筐体下壁221に形成された挿通孔221aを通じて筐体20の外部に連通している。そのため、バッフル孔914にゴミ等が入り難い。以上の利点は、左側スピーカユニット8にも共通するものである。
また、第2のボックス部912の上壁部912aと下壁部912bには、それぞれ溝部912d,912eが形成されている。そして、スピーカボックス91を跨いで配置されるケーブル25は、これらの溝部912d,912e内に配置される。そのため、スピーカボックス91が拡大しても、ケーブル25の配置が制限されることがない。
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の一実施形態における電子機器の斜視図。 同実施形態における本体を図1中のF1−F2面で切断して断面図。 同実施形態における右側スピーカボックスを上側から示す斜視図。 同実施形態における右側スピーカボックスを下側から示す斜視図。
符号の説明
5…基板、5b…板面、5c…側部、20…筐体、25…ケーブル、91…スピーカボックス、92…スピーカ、211…上壁(筐体上壁)、212…下壁(筐体下壁)、811,911…第1の部分(第1のボックス部)、812,912…第2の部分(第2のボックス部)、912d,912e…溝部。

Claims (5)

  1. 上壁および下壁を有する筐体と、
    前記筐体内に配置されるとともに、前記下壁と対向する板面および側部を有する基板と、
    前記筐体内に配置されたスピーカボックスと、
    前記スピーカボックスに設けられたスピーカと、を具備し、
    前記スピーカボックスは、
    前記筐体の下壁と前記基板の板面との間の隙間に配置された第1の部分と、
    前記第1の部分に連通し、前記筐体の下壁と上壁および前記基板の側部と対向するとともに、前記スピーカが配置された第2の部分と、
    前記スピーカボックスの周辺に配置された周辺機器同士を接続するケーブルを通過させる溝部と、を有し、
    前記ケーブルが前記筐体内で前記スピーカボックスを跨いで配置されることを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1の記載において、前記スピーカボックスの第2の部分は、前記筐体の上壁と対向する上壁部と、前記筐体の下壁と対向する下壁部と、前記上壁部と前記下壁部とを連結するとともに前記基板の側部と対向する側壁部とを備え、前記溝部は、前記第2の部分の上壁部および下壁部に夫々形成されているとともに、前記側壁部に至ることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2の記載において、前記第2の部分の上壁部は、前記基板の上側に位置することを特徴とする電子機器。
  4. 請求項2の記載において、前記スピーカボックスの下壁部は、前記筐体の下壁と対向するバッフル孔を備えていることを特徴とする電子機器。
  5. 請求項4の記載において、前記筐体の下壁は、前記バッフル孔に対応する位置に、前記筐体の内外を連通させる挿通孔を備えていることを特徴とする電子機器。
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