JP4138661B2 - 敏感化されたエマルジョン爆発物の調製方法 - Google Patents
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Description
NH4 ++NO2 −→N2+2H2O
しかし、ガス発生成分として亜硝酸塩を用いてエマルジョン爆発物が低いpHで急速にガスを発生させた場合、主要ガス生成物としての窒素ガス以外にいくらかの有毒な窒素酸化物が生成することがよくある。ガスを発生させたエマルジョン爆発物は、ある種の条件下で、爆破孔から落下する又は滑り出し、それによって敏感化ガスの一部を放出する可能性がある。ベンチ充填では、特に低密度エマルジョン爆発物を用いてせき止めを爆風孔に適用した場合、敏感化エマルジョンの一部は崩壊してガスを放出する。換気不良の条件下では、敏感化ガスを放出している敏感化エマルジョン爆発物に近接して作業している場合、屋外作業及び実験室作業のどちらでも、人々は危険なNO2レベルに曝されることがある。NO2は非常に有毒なガスであり、ヨーロッパではその限界値は2ppmという低い値である。
米国特許第6,165,297号にエマルジョン爆発物成分の製造のための方法及び装置が開示されている。この特許は、例えば請求項12でチオ尿素、チオシアン酸塩、ヨウ化物、シアン酸塩、酢酸塩及びこれらの混合物などの様々な促進剤にも言及している。
a)燃料相と
b)アンモニウム種及び酸化剤塩を含有し、かつ0〜3の範囲のpHを有する酸化剤溶液
とを乳化させてエマルジョンを形成させ、ガス発生促進剤としての尿素の存在下で前記エマルジョンを、
c)無機硝酸塩を含有するガス発生用溶液と
混合することによって前記エマルジョンをガス発生に付し、
前記エマルジョン爆発物を、充填用チューブ又はホースで爆風孔又はパッケージに送り、前記チューブ又はホースの末端でガス発生を起こさせる上記方法を提供する。
爆破孔を油中水型エマルジョンと混合された成分の組合せで満たした。混合成分が約30秒間後に反応を開始し、ガス発生反応が完了するまで約30分間を要した。ガス発生していない油中水型エマルジョンの1.38g/ccに対して、ガス発生した油中水型エマルジョンの密度は1.00g/ccであった。爆破孔は好都合に爆ごうを起こした。
・米国特許第6,165,297号では徐々に(典型的には1.05g/ccの密度に到達するのに30分間)ガスを発生させ、ガス発生プロセス自体で生成する可能性のあるNOxについては配慮していない。
・本発明の目的は、急激なガス発生であり、また同時にガス発生プロセスで生成するNOxを除去する又は最小にすることである。これは、酸化剤溶液中に有機酸を用いることによって達成され、ここで、クエン酸及び/又は酒石酸が好ましい有機酸である。
・米国特許第6,165,297号では、エマルジョンに注入する直前に2つのガス発生成分を混合する。このプレミックスは自己ガス発生性のものであり、油中水型エマルジョン自体は4.2の比較的高いpH(第10段、45行目参照)を有し、酸化剤溶液中のアンモニウム種は、ガス発生用溶液中の亜硝酸塩と直接には反応しない(又は非常に遅い)。
・本発明の方法では、尿素溶液を充填用ホース潤滑剤として使用し、充填用ホース末端の噴霧ノズル中でエマルジョンと混合する。油中水型エマルジョン中のpHは非常に低い(3未満)。ガス発生成分は、別法では、エマルジョン(PCT/NO98/00275参照)の中心で糸状にして加える、又はエマルジョンが充填用ホースに入る直前にスタティックミキサー又は機械的な攪拌機でブレンドすることができる。
・米国特許第5,608,185号は尿素を、爆破後フュームを低減するために使用している。
・本発明は尿素を急激なガス発生の間に生成し得る爆ごう前窒素酸化物を除去するために使用する。
・米国特許第5,608,185号は5〜30%の尿素を使用する。尿素は酸化剤塩溶液中に溶解していることが好ましい。
・本発明は、長くて薄い充填用ホース内を通してエマルジョンをポンプ輸送するために使用する必要のある、水潤滑溶液への添加剤として尿素を使用する。充填用ホース(又は導管)の末端で、混合ノズル中でエマルジョンと潤滑溶液を混合する。
・本発明によれば、その目的はエマルジョンを急激に敏感化し、それによって急激にガス発生させることである。急激にガス発生させるために、エマルジョンは酸化剤溶液中で低いpHを有していなければならず、この場合、酸の溶液中で尿素が徐々に分解するので、酸化剤溶液中に成分として尿素を含むことは不可能である。これらの条件下で、尿素は分解して二酸化炭素とアンモニアになり、これによってpHが上昇し、ガス発生速度が遅くなる。
・米国特許第5,159,153号では、反応性の硫化物/黄鉄鉱の鉱石での熱分解に対してエマルジョンを安定化させることを目的として尿素を加えている。したがってこの特許での目的は、エマルジョンのガス発生プロセス(又は敏感化)の間の爆破後フュームを低減し、NOxを除去することが目的である米国特許第5,08,185号及び本願とはそれぞれ完全に異なっている。
・米国特許第5,159,153では尿素を5〜20%加え、尿素は酸化剤相中に溶解されていることが好ましいが、粉末又は固相として添加してもよい。
・本発明の方法では尿素を水−潤滑溶液中に溶解し、導管の末端でエマルジョンと混合する。ここで、尿素はガス発生促進剤として作用し、急激なガス発生プロセスの間に通常生成するNOxを最小化又は低減する。あるいは尿素をガス発生用溶液中で使用する、又はガス発生用溶液中及び水潤滑溶液中の両方で使用する。
本特許の目的は、ガス発生プロセスの間にNOxを発生することなく、低温及び高温の両方で、エマルジョン爆発物を急激に化学的にガス発生させることが可能であることである。これを達成するために、低いpHのエマルジョンを有すること、及びガス発生促進剤を用いることが必要である。
(本発明によらない)
以下の例で使用するために次の組成の標準油中水型エマルジョンを調製した。
酸化剤溶液:
94重量%が以下を含む:
硝酸アンモニウム 72.5重量%
硝酸ナトリウム 9.8重量%
水 15.7重量%
クエン酸 2.0重量%
酸化剤のpHは0.98と測定された。
燃料相:6重量%が以下を含む:
炭化水素油及び乳化剤混合物
亜硝酸ナトリウム 15.0%
水 85.0%
(本発明によらない)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
チオシアン酸ナトリウム 30%
水 55%
(本発明によらない)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
チオ尿素 5%
水 80%
(本発明によらない)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
ヨードカリウム 30%
水 55%
(本発明によらない)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
硫酸アンモニウム 30%
水 55%
(本発明による)
例1と同一のエマルジョンと、同じタイプ及び量のガス発生成分を加えた。さらに、50%尿素と50%水を含有する2%の潤滑化溶液も加えた。これは、まずガス発生成分中で10秒間ブレンドし、次いで2%の潤滑水中で40秒内で混合して行った。ガス発生速度を測定した。このエマルジョン組成物は9分間で0.80g/ccの密度までガスを発生し、0.68g/ccの最終密度に達することが判明した。グローブボックス中でエマルジョンから敏感化ガスが混ぜ起こされた時、NOxは検出されなかった。この実施例は、尿素が促進剤として作用し、かつガス発生プロセスの間のNOxの生成を排除することを示している。
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 42%
水 43%
(本発明による)
標準エマルジョンと、例7と同じタイプ及び量のガス発生成分とを加えた。さらに、50%尿素を含有する2%の潤滑水も加えた。これは、まずガス発生成分中で10秒間ブレンドし、次いで2%の潤滑水中で40秒間混合して行った。ガス発生速度を測定した。このエマルジョン組成物は9分間で0.80g/ccの密度までガスを発生し、0.68g/ccの最終密度に達することが判明した。グローブボックス中でエマルジョンからガスが混ぜ起こされた時、NOxは検出されなかった。
(本発明によらない)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 42%
水 43%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
水 85%
また以下の水潤滑溶液を調製した。
水 60%
尿素 40%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 42%
水 43%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 20%
水 65%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
水 50%
尿素 50%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 42%
水 43%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
尿素 42%
クエン酸 14%
水 44%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 20%
水 65%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
水 70%
尿素 30%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 20%
水 65%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
水 50%
尿素 50%
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 20%
水 65%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
水 50%
尿素 50%
硝酸アンモニウム 55%
硝酸カルシウム(ヒドロTQ) 30%
水 13%
クエン酸 2%
の酸化剤溶液と6.5%のポリマー性燃料相を用いて例1と同様に調製したエマルジョンに加えた。エマルジョンができる前で、酸化剤溶液のpHは0.0と測定された。ガス発生用溶液と水潤滑溶液をエマルジョンに加えて40秒間ブレンドした。ガス発生速度を記録して、本エマルジョン組成物が4分後に0.80g/ccの密度に達したことが分かった。グローブボックス中で、エマルジョンからガスが混ぜ起こされた時、マルチガスモニター(Metrosonics社)は0.0ppmのNOx濃度を検出した。
(本発明による)
この実験のために以下のガス発生成分を調製した。
亜硝酸ナトリウム 15%
尿素 20%
水 65%
また以下の水潤滑溶液を作製した。
水 50%
尿素 50%
硝酸アンモニウム 82%
水 16%
クエン酸 2%
と5.6%のポリマー性燃料相を用いて、例1と同様に調製したエマルジョンに加えた。エマルジョンができる前で、酸化剤溶液のpHは0.75と測定された。ガス発生用溶液と水潤滑溶液をエマルジョンに加えて40秒間ブレンドした。ガス発生速度を記録して、本エマルジョン組成物が18分後に0.80g/ccの密度に達したことが分かった。グローブボックス中で、エマルジョンからガスが混ぜ起こされた時、マルチガスモニター(Metrosonics社)は1.7ppmのNOx濃度を検出した。
Claims (7)
- a)燃料相と、アンモニウム種及び酸化剤塩を含有する酸化剤溶液とを乳化させてエマルジョンを形成させ、ガス発生促進剤としての尿素の存在下で前記エマルジョンを、
b)無機硝酸塩を含有するガス発生用溶液と
混合することによって前記エマルジョンをガス発生に付し、
エマルジョン爆発物を、充填用チューブ又はホースで爆風孔又はパッケージに送り、前記チューブ又はホースの末端でガス発生を起こさせる、爆風孔又はパッケージ中で敏感化されたエマルジョン爆発物を調製する方法であって、
前記酸化剤溶液が0〜3の範囲のpHであり、少なくとも3個の炭素原子を有する1種又は複数の有機酸を含み、尿素が前記ガス発生用溶液中及び/又は前記充填用チューブ又はホースに添加される潤滑剤溶液中に存在する、上記方法。 - 前記酸化剤溶液のpHが0.4〜2の範囲である、請求項1に記載の方法。
- 前記酸化剤溶液のpHが約1である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記酸化剤溶液中の有機酸がクエン酸である、請求項1に記載の方法。
- 前記酸化剤溶液中の有機酸が酒石酸である、請求項1又は4に記載の方法。
- 前記酸化剤溶液が0.2〜5%の有機酸を含む、請求項1、4又は5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記酸化剤溶液が1.5〜3%の有機酸を含む、請求項6に記載の方法。
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