JP4138503B2 - ホットガス制御付き冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開度信号が与えられて開度を制御される電子膨張弁と、冷凍能力が低いときに前記冷凍能力に対応して開又は閉にされる開閉弁を介して圧縮機で圧縮されたホットガスを蒸発器に供給可能なホットガス供給系とを備えた冷凍装置に関し、特に制御可能な冷凍能力の下方への延長とそのときの冷凍能力の安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍装置としては、電子膨張弁の開度を制御して冷凍能力を制御すると共に、圧縮機の吸入圧力の制限等から電子膨張弁の開度を一定以下に下げられないときに、電磁弁を介在させたホットガス系を設けて、これを開閉させることにより、電子膨張弁の下限開度を維持して更に冷凍能力を下げ、冷凍装置の装備される環境試験装置等の空調装置における省エネ運転を可能にした装置が知られている。
【0003】
しかしながら、このような冷凍装置では、電磁弁の開閉によって冷凍能力が急激に変動し、空調される循環空気の温度及び湿度が変動し、その後加熱器及び加湿器の出力が調整され、更に電子膨張弁の開度が調整されて冷凍能力が通常の制御状態に復帰することになり、一度循環空気の温度及び湿度が乱れることになるため、環境試験装置等にこのような冷凍装置を使用すると、試験条件である温度及び湿度を安定して精度良く制御できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術における上記問題を解決し、冷凍装置が使用される環境試験装置等の空調装置の温度及び湿度を乱すことなく、必要時に運転の省エネ化を図ることができる冷凍装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、開度信号が与えられて開度を制御される電子膨張弁と、冷凍能力が低いときに前記冷凍能力に対応して開又は閉にされる開閉弁を介して圧縮機で圧縮されたホットガスを蒸発器に供給可能なホットガス供給系とを備えた冷凍装置において、
前記開閉弁が開になると前記開度を所定量大きくするように前記開度信号に優先させて開度アップ信号を前記電子膨張弁に与える開制御手段と前記開閉弁が閉になると前記電子膨張弁の開度を所定量小さくするように前記開度信号に優先させて開度ダウン信号を前記電子膨張弁に与える閉制御手段とを備えた電子膨張弁優先開度制御部を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記開閉弁が開いているときの前記開度の最小値を前記開閉弁が閉じているときの前記開度の最小値より小さくしたことを特徴とする。
【0007】
【発明実施の形態】
図1は本発明を適用した冷凍装置の全体構成の一例を示す。
本例の冷凍装置は、冷凍回路部分として、冷媒の流れ方向の順に設けられた電子膨張弁1、蒸発器2、圧縮機3、凝縮器4、その他の図示しない通常の装備品を備えていると共に、開閉弁としての電磁弁5を介して圧縮機3で圧縮されたホットガスを蒸発器2に供給可能なように導設されたホットガス供給系6を備えている。
【0008】
この冷凍装置には、ホットガス供給系6と関連して、電子膨張弁1に開度信号Pを与えてその開度Oを制御する通常の電子膨張弁開度制御部7及び電磁弁5を開閉制御する電磁弁開閉制御部8に加えて、通常時とは別に電子膨張弁の開度制御をする開制御手段及び閉制御手段を備えた電子膨張弁優先開度制御部9が設けられている。これらの制御部7、8、9は、次に説明する図2の環境試験装置100では、通常その操作制御盤109に冷凍装置制御部分110として組み込まれる。
【0009】
図2は、本発明の冷凍装置が好都合に適用される環境試験装置の概略構成の一例を示す。
環境試験装置100は、断熱壁101で囲われていて、試験室102、空調室103、図1の冷凍装置を構成する前記蒸発器2、加熱器104、加湿器105、循環送風機106、温度センサ107、湿度センサ108、操作制御盤109、等で構成されている。冷凍装置の前記制御部7、8、9も通常操作制御盤109に冷凍装置制御部分110として組み込まれる。操作制御盤109は、図示しない温度及び湿度設定部を備えていて、温度及び湿度の設定値、センサ107、108によるこれらの実測値、設定値と実測値との偏差等を必要に応じて組み合わせた制御要素により、加熱器104、加湿器105、及び冷凍装置制御部分110を介して電子膨張弁1を制御し、試験室102内を目的とする温度及び湿度条件に調整する。
【0010】
電子膨張弁1は、本例では図示しないパルスモータで開閉駆動される通常の形式の弁である。電子膨張弁1によれば、冷媒流量を十分小さい値まで制御できるが、冷媒流量を絞って冷凍能力を低下させると、圧縮機3の吸入圧力も低下する。そのため、電子膨張弁1は、この吸入圧力が下がり過ぎず圧縮機が正常な運転状態を維持できる範囲で開度制御される。このような冷凍能力Fの下限値F1 は、後に説明する図3に示す如く通常最大能力の20〜30%程度にされる。
【0011】
電磁弁5は、冷凍能力が低いときにこれに対応して開又は閉にされる。即ち、電子膨張弁1の冷媒流量制御による冷凍能力制御のみでは、上記の如く冷凍能力に下限値F1 が設けられ、これより更に低い最低能力Foまで下げるような十分な省エネ運転ができないため、このような運転を可能にするべく電磁弁5が開かれる。又、運転条件によって冷凍能力が下限値F1 の近傍でこれより大きくなると閉じられる。なお、開閉弁としては、通常電磁弁が使用されるが、電動弁や空気作動弁等他の適当な形式の自動開閉弁も使用可能である。
【0012】
電子膨張弁開度制御部7は、前述の如く、環境試験装置100の操作制御盤109から温度及び湿度の設定値tsv、ψsvと温度及び湿度センサ107、108の実測値tpv、ψpvとを入力し、これらの値及び設定値と現在値との偏差等に対応して電子膨張弁1の開度を定める開度信号Pを発生させ、弁開度従って冷媒流量を制御し、冷凍装置の発生させる冷凍能力を環境試験装置100の運転条件に適合した値にする。
【0013】
このような開度信号Pは、パルス数として電子膨張弁1を駆動するパルスモータに与えられ、電子膨張弁1はこのパルス数に対応した開度になるように開閉される。この場合、電子膨張弁開度制御部7には、冷凍能力の下限値F1 に対応する下限開度O1 が設定されていて、温湿度による上記開度制御はこの下限開度以上の開度範囲で行われるので、開度信号Pとしては、最小開度から最大開度まで細かいピッチで開度を与えられるように、例えば下限開度信号P1 =100から最大開度信号Pm=500までの範囲のパルス数にされる。
【0014】
電磁弁開閉制御部8は、前述の如く冷凍能力が低いときにこれに対応して電磁弁5を開閉させるように制御する。そのため、冷凍能力Fを検出し、これを下限値F1 と比較し、FがF1 又はその近傍の値になると電磁弁5を開にし、F1 以上の一定の低能力F2 になると電磁弁5を閉にする。
【0015】
この場合、本例では、冷凍能力には電磁弁の開又は閉のそれぞれにおける冷媒流量が対応し、冷媒流量には電子膨張弁1の開度が対応し、この開度は電子膨張弁開度制御部7がパルス数として発生させる開度信号Pに対応して定まることを利用して、電磁弁5の開又は閉のそれぞれの状態において開度信号Pを検出し、これを上記の下限開度信号P1 と比較し、電磁弁閉のときにPがP1 になると電磁弁5を開き、電磁弁が開のときにPが前記低能力F2 を与える低開度信号P2 になると電磁弁5を閉じるように制御している。
【0016】
即ち、電磁弁開閉制御部8では、電磁弁閉においてパルス数Pが下限パルス数P1 =100になったかどうかを判断し、電磁弁閉の状態でP1 が100になると開信号Soを発信して電磁弁5を開にする。又、環境試験装置の運転状態が変わって、電磁弁開の状態でPが低パルス数P2 =200程度になると、閉信号Scを発信して電磁弁5を閉にする。このようなP1 とP2 との差は、同じ開度信号のときの電磁弁開閉時の冷凍能力の差及び開閉の繰り返しを防止するためのヒステリシスに相当するF1 とF2 との差の合計値に対応する。
【0017】
なお、電磁弁の開閉状態は、電磁弁に送られた開閉信号履歴で判断する。但し、図1において二点鎖線で示す如く、電磁弁5に開閉センサ51を設け、これによって実際の開閉を検知するようにしてもよい。又、上記では電子膨張弁1の開度を開度信号P1 、P2 で判断しているが、これに代えて、電子膨張弁1に開度センサを設け、実際の開度を検知するようにしてもよい。更に、PをP1 と比較して冷凍能力を判断する代わりに、環境試験装置の温湿度の設定値等、他の冷凍能力に対応する適当な信号を使用することも可能である。なお、パルス数や開度信号P1 、P2 の値は、実際の装置構成や運転条件等に適合するように定められることは勿論である。
【0018】
電子膨張弁優先開度制御部9は、開制御手段と閉制御手段とが一体的に構成された制御部になっていて、本例では、前記電磁弁開閉制御部8、優先信号発信部分91及び信号切換制御部分92で構成されていて、電磁弁5が開又は閉になると、電子膨張弁1の開度を所定量大きくするか又は小さくするように、開度信号Pに優先させて開度アップ信号Pu又は開度ダウン信号Pdを電子膨張弁1に与える。
【0019】
即ち、電磁弁5が開又は閉になったことを、電磁弁5の実際の開閉に代えて開信号So又は閉信号Scによって判断するようにし、電磁弁制御部8からこれらの信号が発信されると時間を置かず電磁弁5が開又は閉になるものとして、電磁弁開閉制御部8から優先信号発信部分91にSo又はScを送信する。優先信号発信部分91は、電子膨張弁1の開度を所定量大きくするか小さくするための開度アップ信号Pu及び開度ダウン信号Pdの値を保有していて、So又はScによってPu又はPdを信号切換制御部分92へ送信する。信号切換制御部分92は、論理回路構成等により、電子膨張弁開度制御部7から常時送信されている開度信号Pに優先させてPu又はPdを通過させ、これを電子膨張弁1に供給する。
【0020】
ここで、電磁弁5の開閉時に電子膨張弁1の開度をPu=P1 +αとして大きくする所定量α又はPd=P2 −βとして小さくする所定量βは、図3に示す如く、通常、電磁弁5の開閉によって変動した冷凍能力を開閉直前の冷凍能力に復帰させるための開度又はその近傍の開度にされる。即ち、電磁弁5を開き蒸発器2にホットガスを流すと、電子膨張弁1の開度を下げて冷凍流量を減少させるときと同様な冷凍能力低減効果が生ずるので、この冷凍能力の急激な低下を解消できる程度の開度にされる。
このような所定量α、βは、ほぼ(h1 −h)g1 /(h−H)で与えられるホットガスによる冷凍能力調整量に相当する冷媒流量gを流す開度にされる。ここで、h1 、h及びHはそれぞれ、蒸発器に供給されるホットガス、蒸発器から排出される冷媒蒸気及び蒸発器に供給される冷媒液のエンタルピで、g1 はホットガス流量である。
【0021】
冷媒種類や冷凍回路構成によって異なるが、例えば、ホットガスが90℃、2MPaでh1 ≒670J/g 、冷媒蒸気が0℃、0.4MPaでh≒630J/g 、冷媒液が2MPa、50℃でH≒480J/g とすれば、g≒0.27g1 になり、gは通常g1 の1/4〜1/3程度になる。このような冷媒流量gは、例えばホットガス導入前の最小冷媒流量の50%程度に相当する量にされる。
【0022】
このような冷凍能力の調整量gに対応する開度α、βは、予め計算されてPu、Pdとして優先信号発信部分91に入れられている。前例のパルス数では50パルスである。α、βは通常同じ値にされるが、必要に応じて多少差を付けてもよい。なお、このような優先信号は電磁弁5が開閉したときに発信され、それによって電子膨張弁1が優先的に開度制御されるが、そのように制御された開度になった後には、電子膨張弁開度制御部7により通常の開度制御に移行する。
【0023】
以上のような冷凍装置は次のように運転されその作用効果を発揮する。以下では、冷凍装置が環境試験装置に装備された例で説明する。
【0024】
図3は電磁弁開閉時における電子膨張弁の開度と冷凍能力との概略の関係を示す。
環境試験装置100で試験室102の温度が例えば−20℃程度の低温条件に設定されると、冷凍装置では、高い冷凍能力Fhを発生させるように電子膨張弁1が例えばパルス数400程度の高い開度Ohになるように制御される。このときには電磁弁5は当然閉になっている。図3ではこの状態を▲1▼で示している。
【0025】
このような運転から運転条件が変更され、例えば温度が30℃程度で相対湿度が冷凍機による大きな除湿能力を要求されない50%程度の運転条件になると、このような温度及び湿度の設定値及び実測値が電子膨張弁開度制御部7に与えられ、電子膨張弁開度制御部7は電子膨張弁優先開度制御部9の信号切換制御部分92を介して電子膨張弁1に開度信号Pとしてパルス数100程度の下限開度信号P1 までの信号を与え、電子膨張弁を下限開度O1 に到達させ、冷凍能力が下限値F1 になるように制御する。このときの状態を図3では▲2▼で示している。
【0026】
一方、開度信号Pは電磁弁開閉制御部8にも送られていて、PがP1 又はその近傍になると、これを検出して電磁弁5に開信号Soを送り、電磁弁5を開にする。これにより、冷凍能力FはF1 より更に低い▲3▼で示すF0 まで低下しようとする。そしてこのときには、ホットガスの作用によって圧縮機3の吸入圧力が上昇し、冷凍能力がF0 になっても圧縮機の正常運転は可能になっている。即ち、制御可能な冷凍能力FをF1 から更に最低能力F0 まで延長することができる。F0 は例えばF1 の50%程度である。
【0027】
一方、電磁弁5の開信号Soは優先信号発信部分91にも送られていて、この部分がSoを受信すると、予め保有している開度アップ信号Puを信号切換制御部分92に送る。これにより、この部分92は、電子膨張弁開度制御部7から常時送られている信号Pに優先させて信号Puを通過させ、Puを電子膨張弁1に送る。このような制御系により、電磁弁5が開になるのとほぼ平行して、電子膨張弁1の開度がP1 に対応するO1 からPuに対応するOuへ拡大を開始する。その開度アップ完了後の状態を▲4▼で示す。
【0028】
ここで、開度アップ信号Puが電子膨張弁1の開度を大きくする所定量αは電磁弁5の開による冷凍能力の減少分に対応する量にされるので、電磁弁5の開による▲2▼位置から▲3▼位置への二点鎖線の矢印で示すような冷凍能力の急激な低下が、▲2▼位置から▲4▼位置への実線の矢印で示すような変化に修正される。
【0029】
その結果、従来の装置のように、冷凍能力が大幅に低下し、循環空気の温度及び湿度がその影響を受けて大きく変動し、これを修正するように加熱器及び加湿器が出力を下げるように制御され、このような状態変化が生じた後に、冷凍能力従って電子膨張弁1の開度が調整されるというように、一度制御系に乱れが生じた後に冷凍能力が再調整されるというのではなく、本発明の装置では、冷凍能力がその急変を回避するように迅速に修正され、試験条件である温湿度が安定した状態に維持されることになる。
【0030】
電磁弁5が開になって開度アップ信号Puが一度優先的に与えられると、その後は通常の開度制御に復帰する。この場合、電磁弁5の開く前の開度信号がP1 であり、その後冷凍能力に対する要求値が大きく変わっていないとすれば、電磁弁開後に電子膨張弁開度制御部7から発信される開度信号PはPuに比較的近い値になっているので、このPuに近い状態から通常の開度制御が円滑に再開されることになる。
【0031】
環境試験装置の運転条件が例えば温度90℃で相対湿度85%という高温高湿条件になると、冷凍負荷は温湿度調整に必要なだけの最低値になり、電磁弁5が開を維持した状態で電子膨張弁1にはパルス数100程度の下限開度信号P1 が与えられ、冷凍能力が最低値Foになり、蒸発器による冷却と除湿に伴う無駄な再加熱及び再加湿の出力が最小になり、十分な省エネ運転効果を得ることができる。
【0032】
電磁弁開状態で環境試験装置100の運転条件が例えば5℃程度の低温条件に再度移行すると、冷凍能力を大きくするために電子膨張弁1の開度信号PがP1 からP2 を通過して大きくなるが、P2 になって開度が▲5▼位置のO2 になると、電磁弁開閉制御部8がこれを検出して電磁弁5に閉信号Scを送ってこれを閉にする。
【0033】
電磁弁5が閉になると、二点鎖線の矢印で示す如く、冷凍能力が▲6▼のF3 まで急上昇しようとする。このとき、閉信号Scが優先信号発信部分91にも並行して送られ、今度はここで開度ダウン信号Pdを発生させ、信号切換制御部分92がこれを受け、これまでのPに代わってPdを通過させて電子膨張弁1に供給する。その結果、電子膨張弁1は開度をP2 に対応するO2 からPdに対応するOdにし、冷凍能力をF3 に代えてF2 に減少させる。図3では、この状態を、二点鎖線の矢印で示す▲5▼から▲6▼への変化に代えて、実線の矢印で示す▲5▼から▲7▼への変化として示している。即ち、電磁弁閉による急激な冷凍能力の増加が直ちに修正されることになる。
【0034】
以上のような電磁弁の開閉と電子膨張弁の優先開度制御との組合せからなる本発明の冷凍装置によれば、冷凍能力の急変がなく環境試験装置の温度及び湿度条件が乱されず、改善された良好な運転状態を維持しつつ、冷凍能力の下限を更に下方に延長し、一層の省エネ効果を得ることができる。
【0035】
図4は本発明を適用した冷凍装置の全体構成の他の例を示し、図5はこれに対応した電子膨張弁開度と冷凍能力との関係を示す。
【0036】
本例の冷凍装置では、電磁弁5が開いているときには、ホットガスが蒸発器2に流れることによって圧縮機の吸入圧力が上昇することを利用し、電子膨張弁1の開度の最小値である延長下限開度Oo を電磁弁5が閉じているときの開度の最小値である下限開度O1 より小さくするようにしている。そのため、電子膨張弁開度制御部7に下限開度変更部分71を設けると共に、電磁弁5の開状態を検出するために、電磁弁開閉制御部8で発生させる開閉信号So、Sc 又は電磁弁5の開閉センサ51による実際の開閉信号Sop、Scpを電子膨張弁開閉制御部7で検出するようにしている。この場合の延長下限開度O0 は、例えば下限開度O1 の50%程度にされる。
【0037】
本装置によれば、電磁弁5が開いて電子膨張弁1が開度調整して▲2▼から▲4▼の状態になると、電磁弁開の信号により、電子膨張弁開度制御部7の下限開度変更部分71が開度限界を下限開度O1 から延長下限開度Oo に設定変更し、これに対応する延長下限開度信号Po までの開度信号を電子膨張弁開度制御部7が発生させることになる。その結果、環境試験装置の運転条件が高温高湿条件等に設定されいてる場合等に、P1 より小さいPo までの開度信号を発生させ、冷凍能力をFo からFo 1 まで更に低下させ、冷凍装置の一層の能力低減と無駄な加熱及び加湿出力を低減し、一層の省エネ運転を達成することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、冷凍装置が所定の構成を備えた電子膨張弁と開閉弁とホットガス供給系とを有し、冷凍能力が低いときに冷凍能力に対応して開又は閉にされる開閉弁を介して圧縮機で圧縮されたホットガスを蒸発器に供給可能にしているので、圧縮機の吸入圧力の制限等によって電子膨張弁の開度が制限されても、開閉弁を開閉することにより、必要時に冷凍能力を電子膨張弁の下限開度における能力以下に下げ、冷凍装置が装備される環境試験装置等における省エネ運転化を図ることができる。
【0039】
そして、所定の構成を備えた開制御手段及び閉制御手段を持つ電子膨張弁優先開度制御部を設けて、開閉弁が開になると開度制御される電子膨張弁の開度を所定量大きくするように通常の開度信号に優先させて開度アップ信号を電子膨張弁に与え、開閉弁が閉になると開度制御される電子膨張弁の開度を所定量小さくするように通常の開度信号に優先させて開度ダウン信号を電子膨張弁に与えるので、所定量を開閉弁が開閉してホットガスによって冷凍能力が増減するときの冷凍能力に相当する電子膨張弁の開度の近傍に設定することにより、開閉弁が開閉して冷凍能力が急変しようとするときに、これに電子膨張弁の開度を対応させ、冷凍能力の急変を防止することができる。
【0040】
このように、冷凍能力を急変させることなく、電子膨張弁の下限開度に対応する冷凍能力以下の低能力運転の可能な冷凍装置によれば、環境試験装置等の広範囲な温度及び湿度条件で運転される装置の冷却及び除湿装置として、乱れのない安定した精度の良い温度及び湿度制御の下に、十分な省エネ運転を可能にすることができる。
【0041】
請求項2の発明は、開閉弁が開いて蒸発器にホットガスが流れると、直接的な冷凍能力低減効果に加えて、圧縮機の吸入圧力が上昇する効果が生ずることを利用し、開閉弁が開いているときの電子膨張弁の開度の最小値を開閉弁が閉じているときの開度の最小値より小さくしているので、必要時には、電子膨張弁の下限開度を更に低開度側に延長して、冷媒流量を少なくし、冷凍能力を更に低下させ、運転時の一層の省エネ化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した冷凍装置の全体構成の一例を示す説明図である。
【図2】上記冷凍装置を装備した環境試験装置の一例を示す説明図である。
【図3】上記冷凍装置における電子膨張弁開度の変化と冷凍能力の変化の状態を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した冷凍装置の全体構成の他の例を示す説明図である。
【図5】上記冷凍装置における電子膨張弁開度の変化と冷凍能力の変化の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子膨張弁
2 蒸発器
3 圧縮機
5 電磁弁(開閉弁)
6 ホットガス供給系
7 電子膨張弁開度制御部(開制御手段、閉制御手段)
9 電子膨張弁優先開度制御部
91 優先信号発信部分(開制御手段、閉制御手段)
92 信号切換制御部分(開制御手段、閉制御手段)
F 冷凍能力
O1 下限開度(開閉弁閉時の電子膨張弁開度の最小値)
Oo 延長下限開度(開閉弁開時の電子膨張弁開度の最小値)
P 開度信号
Pu 開度アップ信号
Pd 開度ダウン信号
α、β 所定量
Claims (2)
- 開度信号が与えられて開度を制御される電子膨張弁と、冷凍能力が低いときに前記冷凍能力に対応して開又は閉にされる開閉弁を介して圧縮機で圧縮されたホットガスを蒸発器に供給可能なホットガス供給系とを備えた冷凍装置において、
前記開閉弁が開になると前記開度を所定量大きくするように前記開度信号に優先させて開度アップ信号を前記電子膨張弁に与える開制御手段と前記開閉弁が閉になると前記電子膨張弁の開度を所定量小さくするように前記開度信号に優先させて開度ダウン信号を前記電子膨張弁に与える閉制御手段とを備えた電子膨張弁優先開度制御部を設けたことを特徴とする冷凍装置。 - 前記開閉弁が開いているときの前記開度の最小値を前記開閉弁が閉じているときの前記開度の最小値より小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
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