JP4137721B2 - 点滴ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体の供給管の管端に取り付けられて、この供給管を通じて供給される液体を、滴下させるようにするために用いられるノズルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
細チューブの先端に取り付けたノズル本体のラッパ状部に対し、弁座を進退させて、このノズル本体から流れ出す液体の流量を調整するようにしたノズルとして、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−50923号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来のノズルにあっては、弁座をラッパ状部に近づければ近づけるほど、確かにノズル本体から流れ出す液体の流量を減少させることはできるが、細かな流量調整はなし難い構造のものであった。すなわち、かかる従来のノズルにあっては、弁座をラッパ状部に相当に近接させない限りは、細チューブ側の流体圧に大きな変化を生じさせ難いものであり、ノズル本体から流れ出す液体の流量を漸減させる細かな調整、漸増させる細かな調整共に、適切にはなし難いものであった。とりわけ、ノズル本体から液体を適宜の量で滴下させるような調整はなし難いものであった。
【0005】
そこでこの発明は、この種のノズルにおいて、ノズルを介して流れ出す液体の流量を漸減させる細かな調整、および、漸増させる細かな調整を、共に適切になし得るようにし、特に、ノズルから液体を適宜の量で適切に滴下できるようにすることを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、点滴ノズルが以下の(1)〜(6)の構成を備えたものとした。
(1)筒両端を開放させた筒状をなすコネクタ体と、
(2)このコネクタ体の筒一端側からこのコネクタ体内にこのコネクタ体の筒軸線に沿って進退調整可能に入れ込まれる軸状をなすアジャスター体とを備えており、
(3)コネクタ体は、液体の供給管に入れ込まれる管状部分を有していると共に、
(4)このコネクタ体の管状部分は、供給管への入れ込み先側となる管先端に向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成されており、
(5)アジャスター体は、コネクタ体の管状部分に管先端側と反対の管根本側から入れ込まれる軸部分を有していると共に、
(6)このアジャスター体の軸部分は、コネクタ体の管状部分への入れ込み先側となる軸先端に向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されていると共に、コネクタ体の管状部分の内周面と軸部分の外周面との間に、この管状部分の長さ方向に亘って、液体の流路となる微細な隙間を形成可能とする太さを持つように構成されている。
【0007】
かかる構成によれば、
(1)供給管にコネクタ体の管状部分を入れ込ませることにより、より具体的には、供給管の開放端からこの供給管内にコネクタ体の管状部分を入れ込ませることにより、この供給管の開放端を点滴ノズルによって塞ぐようにして、この供給管に簡単に取り付けることができる。
(2)アジャスター体の軸部分の外周面とコネクタ体の管状部分の内周面との間には、この管状部分の長さ方向に亘って、液体の流路となる微細な隙間が形成されることから、供給管を通じて供給されてくる液体はこのように長く形成された隙間の作用によってこの隙間を通じて少しづつコネクタ体の筒一端側に移送され、このコネクタ体の筒一端側から少しづつ流出される。
(3)アジャスター体はコネクタ体内にこのコネクタ体の筒軸線に沿って進退調整可能に入れ込まれていると共に、コネクタ体の管状部分は供給管への入れ込み先側となる管先端に向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成され、かつ、アジャスター体の軸部分はコネクタ体の管状部分への入れ込み先側となる軸先端に向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されていることから、コネクタ体内にアジャスター体を入れ込めば入れ込むほど前記隙間を少しづつ狭めることができ、さらには、軸部分の外周面と管状部分の内周面とをいずれかの箇所において最終的には液密に圧接させることができ、この隙間を通じて外部に流出される液体の量を減じる微調整を、さらには全く流出させない調整を適切に行うことができる。これとは逆に、コネクタ体内からアジャスター体を抜け出し方向に移動させればさせるほど前記隙間は広げられることとなる。すなわち、かかる点滴ノズルによれば、供給管を通じて供給されてくる液体の流出量をアジャスター体の進退操作によって適切に微調整することができ、特に、この液体を常時滴の状態として流出させるようにすることができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の点滴ノズルにおけるコネクタ体が、管状部分に内部空間を連通させるようにこの管状部分の管根本に連接されると共に、内径を管状部分の内径よりも大きくした太管状部分を有しており、コネクタ体の内部において管状部分と太管状部分との間に内側段差部が形成されており、
アジャスター体が、軸部分の軸根本に連接されると共に、外径を軸部分の外径よりも大きくした基部部分を有しており、軸部分と基部部分との間に段差部が形成されており、
コネクタ体内にアジャスター体が進入され切った位置で、コネクタ体の内側段差部にアジャスター体の段差部が液密に押しつけさせられるようにしてあることを特徴としている。
【0009】
かかる構成によれば、コネクタ体内にアジャスター体を進入させ切ることにより、コネクタ体の内側段差部とアジャスター体の段差部との圧接位置において、供給管を通じて供給されてくる液体を外部に流出させないように確実にシールすることができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の点滴ノズルにおけるコネクタ体及びアジャスター体のいずれか一方が、他方を構成する材料より柔らかいプラスチック材料によって構成してあることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、コネクタ体内にアジャスター体を入れ込み切らせた位置における、コネクタ体の内側段差部へのアジャスター体の段差部の圧接にあたって、両段差部のいずれか一方を弾性的に変形させることができ、この変形によって両段差部での液体のシール性を一層高めさせることができる。
【0012】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項2又は請求項3記載の点滴ノズルにおけるコネクタ体の太管状部分の外側部及びアジャスター体の基部部分の外側部にそれぞれ、把持用突部が形成してあることを特徴としている。
【0013】
かかる構成によれば、コネクタ体の把持用突部を一方の手指で把持し、かつ、アジャスター体の把持用突部を他方の手指で把持して、アジャスター体の進退調整をなすことができ、この進退調整を容易に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図11に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0015】
なお、ここで図1および図3は、実施の形態にかかる点滴ノズルNを供給管Pに取り付けた使用状態を、図2および図4ないし図9は、かかる点滴ノズルNのみをそれぞれ示しており、また、図10および図11は、かかる点滴ノズルNを構成するアジャスター体2をそれぞれ示している。
【0016】
この実施の形態にかかる点滴ノズルNは、液体Wの供給管Pの管端に取り付けられて、この供給管Pを通じて供給される液体Wを、滴下させるようにするために用いられるものである。
【0017】
かかる点滴ノズルNは、例えば、草花、野菜、果樹などに、水、薬剤の含まれた水、液肥などの液体Wを供給する供給管Pの管端に取り付けられて、この供給管Pを通じて供給される液体Wを、おおむね滴Waの形でこうした草花などに少しづつ供給させるなどの用途で用いられるものである。
【0018】
こうした供給管Pとしては、パイプやチューブなどが予定される。図示の例にかかる点滴ノズルNにあっては、幹チューブMPに上端を連通状態に接続されて垂れ下がる可撓性を備えたチューブPaの下端の管端に取り付けて用い易い構成のものとなっている。
【0019】
かかる点滴ノズルNは、コネクタ体1と、アジャスター体2とを備えている。
【0020】
コネクタ体1は、筒両端を開放させた筒状をなすように構成されている。一方、アジャスター体2は、かかるコネクタ体1の筒一端側からこのコネクタ体1内にこのコネクタ体1の筒軸線に沿って進退調整可能に入れ込まれる軸状をなすように構成されている。
【0021】
また、コネクタ体1は、液体Wの供給管Pに入れ込まれる管状部分10を有していると共に、このコネクタ体1の管状部分10は、供給管Pへの入れ込み先側となる管先端10aに向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成されている。
【0022】
また、アジャスター体2は、コネクタ体1の管状部分10に管先端10a側と反対の管根本10b側から入れ込まれる軸部分20を有していると共に、
このアジャスター体2の軸部分20は、コネクタ体1の管状部分10への入れ込み先側となる軸先端20aに向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されていると共に、コネクタ体1の管状部分10の内周面10cと軸部分20の外周面20bとの間に、この管状部分10の長さ方向に亘って、液体Wの流路となる微細な隙間Sを形成可能とする太さを持つように構成されている。
【0023】
これにより、かかる点滴ノズルNにあっては、
(1)供給管Pにコネクタ体1の管状部分10を入れ込ませることにより、より具体的には、供給管Pの開放端Pcからこの供給管P内にコネクタ体1の管状部分10を入れ込ませることにより、この供給管Pの開放端Pcを点滴ノズルNによって塞ぐようにして、この供給管Pに簡単に取り付けることができる。
(2)アジャスター体2の軸部分20の外周面20bとコネクタ体1の管状部分10の内周面10cとの間には、この管状部分10の長さ方向に亘って、液体Wの流路となる微細な隙間Sが形成されることから、供給管Pを通じて供給されてくる液体Wはこのように長く形成された隙間Sの作用によってこの隙間Sを通じて少しづつコネクタ体1の筒一端側に移送され、このコネクタ体1の筒一端側から少しづつ流出される。
(3)アジャスター体2はコネクタ体1内にこのコネクタ体1の筒軸線に沿って進退調整可能に入れ込まれていると共に、コネクタ体1の管状部分10は供給管Pへの入れ込み先側となる管先端10aに向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成され、かつ、アジャスター体2の軸部分20はコネクタ体1の管状部分10への入れ込み先側となる軸先端20aに向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されていることから、コネクタ体1内にアジャスター体2を入れ込めば入れ込むほど前記隙間Sを少しづつ狭めることができ、さらには、軸部分20の外周面20bと管状部分10の内周面10cとをいずれかの箇所において最終的には液密に圧接させることができ、この隙間Sを通じて外部に流出される液体Wの量を減じる微調整を、さらには全く流出させない調整を適切に行うことができる。これとは逆に、コネクタ体1内からアジャスター体2を抜け出し方向に移動させればさせるほど前記隙間Sは広げられることとなる。すなわち、この実施の形態かかる点滴ノズルNによれば、供給管Pを通じて供給されてくる液体Wの流出量をアジャスター体2の進退操作によって適切に微調整することができ、特に、この液体Wを常時滴Waの状態として流出させるようにすることができる。
【0024】
また、この実施の形態にあっては、コネクタ体1が、管状部分10に内部空間を連通させるようにこの管状部分10の管根本10bに連接されると共に、内径を管状部分10の内径よりも大きくした太管状部分11を有しており、コネクタ体1の内部において管状部分10と太管状部分11との間に内側段差部12が形成されており、
アジャスター体2が、軸部分20の軸根本に連接されると共に、外径を軸部分20の外径よりも大きくした基部部分21を有しており、軸部分20と基部部分21との間に段差部22が形成されており、
コネクタ体1内にアジャスター体2が進入され切った位置で、コネクタ体1の内側段差部12にアジャスター体2の段差部22が液密に押しつけさせられるようにしてある。(図8)
【0025】
これにより、この実施の形態にかかる点滴ノズルNにあっては、コネクタ体1内にアジャスター体2を進入させ切ることにより、コネクタ体1の内側段差部12とアジャスター体2の段差部22との圧接位置において、供給管Pを通じて供給されてくる液体Wを外部に流出させないように確実にシールすることができる。
【0026】
具体的には、図示の例にあっては、コネクタ体1は、管先端10aおよび管根本10bを共に開放させた円筒状をなす管状部分10と、
筒両端をそれぞれ開放させた円筒状をなす太管状部分11とを備えている。
【0027】
太管状部分11は、内外径共に、管状部分10の内外径よりも大きくするように構成されている。また、管状部分10と太管状部分11とは、管状部分10の管根本10bと太管状部分11の筒一端とを、管状部分10の内部空間に太管状部分11の内部空間を連通させるようにして、一体に接合されている。
【0028】
太管状部分11と管状部分10との接合箇所には、コネクタ体1の外側において管状部分10の管先端10a側を向いた外側段差部13が形成されると共に、コネクタ体1の内側において、太管状部分11の筒他端側を向いた内側段差部12が形成されている。いずれの段差部22も、コネクタ体1の筒軸線にほぼ直交する向きの面を持つようになっており、かつ、この筒軸線を巡る周回状をなす面を持つようになっている。
【0029】
管状部分10は、管先端10a側に向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成されている。すなわち、管状部分10は、その内周面10cを、管根本10b側から管先端10a側に向かうに連れて次第にコネクタ体1の筒軸線に近づく向きに緩やかに傾斜させた仮想の円錐のテーパー面に沿ったテーパー面としている。
【0030】
かかる管状部分10が、供給管Pの管端Pcから供給管P内に入れ込まれて、この供給管Pの管端Pcに点滴ノズルNが取り付けられるようになっている。図示の例では、供給管Pの管端、すなわち、開放端Pcが前記外側段差部13に突き当てられる位置まで、この供給管P内に管状部分10を入れ込ませることができるようになっている。(図3)
【0031】
また、図示の例では、太管状部分11の内面部に、雌ねじ部11aが形成されている。この雌ねじ部11aは、太管状部分11の筒他端から始まり、前記内側段差部12との間にコネクター体の筒軸線方向において間隔を開けた位置で終了している。太管状部分11における内側段差部12と雌ねじ部11aの終端との間には、無ねじ部11bが形成されている。
【0032】
また、図示の例にあっては、前記内側段差部12における管状部分10の管根本10b側の管口を巡る箇所に、周回突部12aが形成されている。図示の例では、コネクタ体1内にアジャスター体2を入れ込み切った位置で、アジャスター体2の段差部22がこの周回突部12aに圧接され、これにより、供給管Pを通じて供給されてくる液体Wを外部に流出させないように確実にシールするようになっている。
【0033】
また、図示の例では、アジャスター体2は、円柱状をなす軸部分20と、円筒状をなす基部部分21とを備えている。
【0034】
基部部分21は、軸部分20の外径よりも外径を大きくするように構成されている。また、軸部分20と基部部分21とは、軸部分20の軸根本と基部部分21の閉塞された筒一端とを、一体に接合させることにより、一体化されている。
【0035】
基部部分21と軸部分20との接合箇所には、軸部分20の軸先端20a側を向いた段差部22が形成されている。この段差部22は、アジャスター体2の軸線にほぼ直交する向きの面を持つようになっており、かつ、この軸線を巡る周回状をなす面を持つようになっている。
【0036】
軸部分20は、軸先端20a側に向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されている。すなわち、軸部分20は、その外周面20bを、軸根本側から軸先端20a側に向かうに連れて次第にアジャスター体2の軸線に近づく向きに緩やかに傾斜させた仮想の円錐のテーパー面に沿ったテーパー面としている。
【0037】
図示の例では、アジャスター体2の軸部分20の外周面20bの傾斜角とコネクタ体1の管状部分10の内周面10cの傾斜角とがほぼ等しくなるようにしてある。これにより、図示の例にあっては、アジャスター体2の軸部分20の外周面20bとコネクタ体1の管状部分10の内周面10cとの間には、この管状部の長さ方向に亘って、このコネクタ体1の筒軸線を巡るいわば極薄肉のチューブ状をなす微細な隙間Sが形成されるようになっている。
【0038】
かかるアジャスター体2の軸部分20は、コネクタ体1の管状部分10に対して、アジャスター体2の段差部22がコネクタ体1の内側段差部12に突き当てられる位置まで入れ込めるようになっている。図示の例では、アジャスター体2の軸部分20は、コネクタ体1の管状部分10よりも全長を長くするように構成されており、コネクタ体1内にアジャスター体2を入れ込み切った位置において、コネクタ体1の管状部分10の管先端10aからアジャスター体2の軸部分20の軸先端20a側が突き出すようになっている。
【0039】
また、図示の例では、アジャスター体2の基部部分21の外面部に、雄ねじ部21aが形成されている。この雄ねじ部21aは、基部部分21の筒他端から始まり、前記段差部22との間にアジャスター体2の軸線方向において間隔を開けた位置で終了している。基部部分21における段差部22と雄ねじ部21aの終端との間には、無ねじ部21bが形成されている。そして、図示の例にあっては、コネクタ体1の筒他端、つまり、太管状部分11における管状部分10との連接側と反対の筒端から、アジャスター体2が軸部分20の軸先端20aを先にしてコネクタ体1内に入れ込めるようになっていると共に、このように入れ込まれるアジャスター体2の基部部分21がコネクタ体1の太管状部分11に入り込んだ位置からは、この太管状部分11に形成された前記雌ねじ部11aに前記雄ねじ部21aをかみ合わせながらアジャスター体2を螺進操作、あるいは、相対的に螺進操作することによって、徐々にコネクタ体1内にアジャスター体2が進入して行くようになっている。アジャスター体2を螺退操作、あるいは、相対的に螺退操作すれば、アジャスター体2は徐々にコネクタ体1内から抜け出されることとなる。すなわち、図示の例にあっては、アジャスター体2の螺進によってコネクタ体1の管状部分10内に入り込んでいるアジャスター体2の軸部分20が徐々により先まで進入し、これにより軸部分20の外周面20bと管状部分10の内周面10c間に形成された前記隙間Sが徐々に狭められ、これとは逆に、アジャスター体2の螺退によってコネクタ体1の管状部分10内に入り込んでいるアジャスター体2の軸部分20が徐々に退き、これにより軸部分20の外周面20bと管状部分10の内周面10c間に形成された前記隙間Sが徐々に広がられるようになっており、この螺進退によってかかる隙間Sを通じて流出される液体Wの流量を細かく微調整できるようになっている。つまり、図示の例にあっては、かかる雄ねじ部21aと雌ねじ部11aのかみ合わせによって、コネクタ体1に対してアジャスター体2が進退調整可能に組み合わされている。
【0040】
図示の例では、かかる隙間Sを通じてコネクタ体1の管状部分10からコネクタ体1の太管状部分11に入り込んできた液体Wは、アジャスター体2の基部部分21の内部に入り込んでこの基部部分21における軸部分20との連接側と反対の筒他端側から外部に流出するようになっている。
【0041】
具体的には、図示の例では、基部部分21の筒他端は開放されており、この開放された筒他端が液体Wの流出部21cとなるようにしてある。それと共に、基部部分21の無ねじ部21bに、基部部分21の内部空間に連通した貫通孔21dが形成されている。また、この貫通孔21dとアジャスター体2の段差部22との間に、この段差部22において溝一端を開放させ、かつ、貫通孔21dの孔口に溝他端を連通させた液体Wの案内溝21eが形成されている。
【0042】
図示の例では、アジャスター体2の無ねじ部21bの外径とコネクタ体1の無ねじ部11bの内径とはほぼ等しく、両者はそれより先では前記雌ねじ部11aに雄ねじ部21aをかみ合わせて組み合わされているが、アジャスター体2をコネクタ体1内に入れ込み切らせない限り前記内側段差部12と段差部22との間には間隔xが残されることから、管状部分10を通じて太管状部分11に入り込んできた液体Wはこの間隔xに先ず入り込み、次いで前記案内溝21eを通じて貫通孔21dからアジャスター体2の基部部分21の内部に入り込み、前記流出部21cを通じて外部に流出される。(図3)
【0043】
かかる液体Wの流出は、図示はしないが、例えば、アジャスター体2の段差部22において溝一端を開放させ、かつ、アジャスター体2の基部部分21における軸部分20との連接側と反対の端部において溝他端を開放させた案内溝を、雄ねじ部21aの形成箇所を含めて、形成させるようにすることによっても確保させることができる。
【0044】
コネクタ体1及びアジャスター体2のいずれか一方を、他方を構成する材料より柔らかいプラスチック材料によって構成しておくこともある。
【0045】
このようにしておけば、コネクタ体1内にアジャスター体2を入れ込み切らせた位置における、コネクタ体1の内側段差部12へのアジャスター体2の段差部22の圧接にあたって、両段差部12、22のいずれか一方を弾性的に変形させることができ、この変形によって両段差部12、22での液体Wのシール性を一層高めさせることができる。
【0046】
図示の例にあっては、コネクタ体1をアジャスター体2を構成する材料より柔らかいプラスチック材料によって構成している。これにより、図示の例にあっては、コネクタ体1内にアジャスター体2を入れ込み切らせた位置において、前記段差部22に内側段差部12における周回突部12aを押しつぶすように弾性変形させて密着させることができるようになっており、両段差部12、22での液体Wのシール性が効果的に高められている。
【0047】
コネクタ体1の太管状部分11の外側部及びアジャスター体2の基部部分21の外側部にそれぞれ、把持用突部14、23を形成するようにしておくこともある。
【0048】
このようにしておけば、コネクタ体1の把持用突部14を一方の手指で把持し、かつ、アジャスター体2の把持用突部23を他方の手指で把持して、アジャスター体2の進退調整をなすことができ、この進退調整を容易に行うことができる。
【0049】
図示の例にあっては、コネクタ体1の太管状部分11の側部であって、その直径方向両側位置にそれぞれ、このコネクタ体1の筒軸線に対しほぼ直交する向きに突き出す把持用突部14が設けられていると共に、
アジャスター体2の基部部分21の側部のうち、雄ねじ部21aの形成位置と流出部21cの開口位置との間であって、その直径方向両側位置にそれぞれ、このアジャスター体2の軸線に対しほぼ直交する向きに突き出す把持用突部23が設けられている。
【0050】
具体的には、図示の例では、アジャスター体2の雄ねじ部21aは、このアジャスター体2の基部部分21における段差部22の形成側と反対の側に形成された周回鍔24の形成箇所において終了している。それと共に、この周回鍔24よりも先となるアジャスター体2の基部部分21の側部に前記把持用突部23が形成されている。
【0051】
これにより、図示の例にあっては、コネクタ体1の一対の把持用突部14、14に手指を掛け、かつ、アジャスター体2の一対の把持用突部23、23に手指を掛けた状態で、円滑にアジャスター体2を捻り回し操作、または、相対的に捻り回し操作することができ、前記雌ねじ部11aに雄ねじ部21aをかみ合わせて螺進退可能にコネクタ体1に組み合わされているアジャスター体2のこの螺進退のための捻回をスムースに行えるようになっている。
【0052】
【発明の効果】
この発明にかかる点滴ノズルによれば、液体の供給管によって供給されてノズルを介して流れ出す液体の流量を漸減させる細かな調整、および、漸増させる細かな調整を、共に適切になすことができる。特に、ノズルから液体を適宜の量で適切に滴下できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】点滴ノズルNの使用状態を示した斜視図
【図2】点滴ノズルNの一部破断斜視図
【図3】点滴ノズルNの使用状態を示した一部破断正面図
【図4】点滴ノズルNの正面図
【図5】同平面図
【図6】同右側面図
【図7】同底面図
【図8】図5におけるA−A線断面図
【図9】図5におけるB−B線断面図
【図10】アジャスター体2の正面図
【図11】同平面図
【符号の説明】
N 点滴ノズル
P 供給管
S 隙間
W 液体
1 コネクタ体
10 管状部分
10a 管先端
10c 内周面
2 アジャスター体
20 軸部分
20a 軸先端
20b 外周面

Claims (4)

  1. 筒両端を開放させた筒状をなすコネクタ体と、
    このコネクタ体の筒一端側からこのコネクタ体内にこのコネクタ体の筒軸線に沿って進退調整可能に入れ込まれる軸状をなすアジャスター体とを備えており、
    コネクタ体は、液体の供給管に入れ込まれる管状部分を有していると共に、
    このコネクタ体の管状部分は、供給管への入れ込み先側となる管先端に向かうに連れて次第に内径を狭めるように構成されており、
    アジャスター体は、コネクタ体の管状部分に管先端側と反対の管根本側から入れ込まれる軸部分を有していると共に、
    このアジャスター体の軸部分は、コネクタ体の管状部分への入れ込み先側となる軸先端に向かうに連れて次第に外径を細めるように構成されていると共に、コネクタ体の管状部分の内周面と軸部分の外周面との間に、この管状部分の長さ方向に亘って、液体の流路となる微細な隙間を形成可能とする太さを持つように構成されていることを特徴とする点滴ノズル。
  2. コネクタ体が、管状部分に内部空間を連通させるようにこの管状部分の管根本に連接されると共に、内径を管状部分の内径よりも大きくした太管状部分を有しており、コネクタ体の内部において管状部分と太管状部分との間に内側段差部が形成されており、
    アジャスター体が、軸部分の軸根本に連接されると共に、外径を軸部分の外径よりも大きくした基部部分を有しており、軸部分と基部部分との間に段差部が形成されており、
    コネクタ体内にアジャスター体が進入され切った位置で、コネクタ体の内側段差部にアジャスター体の段差部が液密に押しつけさせられるようにしてあることを特徴とする請求項1記載の点滴ノズル。
  3. コネクタ体及びアジャスター体のいずれか一方が、他方を構成する材料より柔らかいプラスチック材料によって構成してあることを特徴とする請求項2記載の点滴ノズル。
  4. コネクタ体の太管状部分の外側部及びアジャスター体の基部部分の外側部にそれぞれ、把持用突部が形成してあることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の点滴ノズル。
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