JP4137341B2 - 光学的情報記録媒体の記録再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、書き換え可能な光ディスク等の光学的情報記録媒体に対して記録ブロックをシームレスに記録する光学的情報記録媒体の記録再生方法に関し、特にオーバーライト(重ね書き)をするときのメディア劣化防止と、正確に各記録ブロックがシームレスに記録できるようにする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録可能型光ディスク記録再生装置、例えば、相変化型ディスクメディアを使うDVD記録再生装置の分野では、記録後の相変化型ディスクメディアを再生専用ドライブ(例えば、DVD−ROMドライブ,DVD−ビデオプレーヤ)で読みたいというニーズがある。
【0003】
これらのドライブで使用するDVD−ROMメディア(DVD−ROMディスク)やDVD−ビデオメディア(DVD−ビデオディスク)には各種の情報がシームレスに記録されている。
【0004】
そのため、相変化型ディスクメディアに情報がシームレスに記録されていれば、再生専用ドライブを大きく変更しなくても、上記相変化メディアが読めるようになるという大きなメリットがある。
【0005】
ところで、相変化型光ディスクメディアを用いる光ディスク装置において、同一の記録データブロックに情報を繰り返して記録すると、ディスク固有の劣化現象が生じて記録データブロックに欠陥が生じ、記録した情報を正確に再生できなくなることが知られている。
【0006】
その劣化パターンには、以下の3モードがある。
第1のモードは、記録データブロックの記録開始位置に情報の記録を繰り返すと、欠陥が記録ブロックの始端部から後方へ広がっていくという現象による劣化パターンである。
【0007】
第2のモードは、記録データブロックの終端部に情報の記録を繰り返すと、欠陥が記録ブロックの終端部から前方へ広がっていくという現象による劣化パターンである。
【0008】
第3のモードは、記録データブロックの同じ位置に同じパターンの記録マークを繰り返して記録すると、欠陥が前方及び後方に広がっていくという現象による劣化パターンである。
このような劣化パターンは、記録マークを形成するときに与えるレーザ光の熱量が大きいほどその影響が大きくなる。
【0009】
従来、上述のような不具合を解消するものとして以下のような装置があった。
(1)記録メディアの記録ブロック全体を動かすことによって重ね書きをするときのメディア劣化防止手段を備えた装置(例えば、特許第2720876号公報参照)。
【0010】
(2)ダミーデータを記録ブロックの前後に付し、かつ記録ブロック全体を動かして記録データを保護するメディア劣化防止手段を備えた装置(例えば、特開平9−219022号公報参照)。
(3)書き込みクロックを高精度に生成する手段を備えた装置(例えば、特開平10−293926号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の(1)のような装置では、記録ブロックをランダムに大きくずらせると、前の記録ブロックとそれに続く記録ブロックの同期位置が大きくずれてしまい、再生時に同期をとるのに時間がかかってたくさんのデータを失うことになるので、シームレスに記録ブロックをつなげるシステムに向かないという問題があった。
【0012】
また、上記の(2)のような装置でも、同時に記録データをランダムにシフトさせるので、上述と同様な問題があった。
【0013】
さらに、上記の(3)のような装置では、書き込む位置の前のデータより生成される再生クロックとの位相差は見ていないのでシームレスにデータを書き込むことはできないという問題があった。
【0014】
つまり、再生時に前ブロック・記録データと次のブロック・記録データの再生クロック位相差が180度近く異なる可能性が高くなり、繋ぎ目でデータを多く失う可能性があることを示しているのである。
【0015】
このように、従来の装置では、記録ブロックと記録ブロックの間にギャップを設けるか、記録ブロックの前後にダミーデータを付すので、シームレスにデータを記録することができないという問題があった。
【0016】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、光学的情報記録媒体に対して繰り返してシームレスに情報を記録しても、その記録を高精度に記録できるとともにメディアの劣化を軽減するようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、光ビームの照射によって記録薄膜の状態を変化させて2値化情報を記録する光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体に記録する記録データブロックの先端部及び後端部をランダムに変化させるとき、直前のデータブロックの記録データからの再生クロックとの再生クロック位相差が180度近傍にならないようにするとともに、ランダムな変化量が同期検出可能範囲となるようで、光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号の位相を再生データクロック周期相当の自然数倍を同期検出可能な範囲で進めるか遅らせるかして記録するとよい。
【0018】
また、上記のような光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体に記録データブロックを追記するとき、すでに記録されているデータから検出される再生クロックと、光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号を用いて出力される記録クロックとの位相差とを比較し、その検出位相の遅れ又は進みに応じて上記物理的な情報から検出される信号の位相を遅らせるか進めるか、あるいは上記物理的な情報から検出される信号と位相比較される信号を遅らせるか進めるかあるいは上記検出位相の遅れ又は進みに応じて上記物理的な情報から検出される信号の位相を遅らせるか上記物理的な情報から検出される信号と位相比較される信号を遅らせるかを決定して記録するとよい
【0019】
さらに、上記のような光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体への記録時、徐々に記録クロックの位相を上記物理的な情報から検出される信号の位相に近付けるとよい
【0020】
また、上記のような光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号と記録するデータの位相差とを予め決められた値に押さえるように試し書きして補正するとよい。
【0021】
さらに、上記のような光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体に対して最初にその記録エリアにデータを記録するとき、上記試し書きを上記データを書く前には少なくとも終了しておくとよい。
【0022】
さらにまた、上記のような光学的情報記録媒体の記録再生方法において、光学的情報記録媒体上の上記試し書きのエリアを、光学的情報記録媒体上の上記光ビームのレーザパワーを決めるための試し書きエリアと共通させるとよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1乃至図10に基づいて、この発明の一実施形態の光学的情報記録媒体記録再生装置の処理概要について説明する。
【0024】
この光学的情報記録媒体記録再生装置は、DVD等の書き換え可能な光ディスク(光学的情報記録媒体)に対して、一つの記録データブロックの前後を記録データ位置はずらせないで太らせたり削ったりする。
つまり、記録データブロックを繰り返して記録するときは、その記録するデータ位置をいつも同じ位置にする。
【0025】
その太らせる長さは、リンクレスシステムでは前のデータブロックを壊してしまうので、最大値を十分余裕をもってエラー訂正できるレベルに設定する。また、削る長さの最大値も同様に設定する。
そして、記録データブロックを太らせるか削るかの選択とその長さはランダムに決定し、太らせる部分のデータもランダムに変化させる。
【0026】
図1を参照し、ランダムに規定の幅(この例では512T、ただしTは単位チャネルビット長)以内で1記録データブロックの先端と後端を太らせたり、(削って)痩せさせたりして、光ディスクの端部で起こる物質流動による劣化を軽減する場合を説明する。
【0027】
まず、記録データブロックを太らせるときは、固定データにならないように毎回ランダムに変えた値を設定する。
また、記録データブロックの重ね書きされてデータが壊れた部分はECCでエラー訂正してデータを元の状態に復帰する。
【0028】
そして、1書き込み記録データブロックの書き込み情報(データ)位置を、後述するSPS(Start Position Shift:データブロックの書き込み開始位置の意図的なシフト)を施しても変化しないようにする。
したがって、書き込みデータ内にある同期情報及び記録情報の位置は常に一定になる。
【0029】
例えば、記録後の光ディスクをROMドライブで再生したとき、記録データブロックのリンク部ではデータは壊れており、同期信号も壊れている可能性はあるが、データ位置は一定なので同期信号のある位置を予測することができ、正しく再生されたときには同期を取ることができ、その同期位置からデータを再生することができる。
【0030】
したがって、記録データブロックの前にデータがある場合は、図5及び図6にに基づいて説明する記録処理によって記録データクロックを生成し、SPSを考慮して記録すれば、再生時あるいはROMドライブで再生するとき、より同期を取り易くなる。
【0031】
さらに、1記録データブロックを連続記録するときは、1記録データブロック内ではSPSを実行せずに連続記録するが、このときも連続するブロックの先端と後端のみで行なう。
【0032】
ここで、従来技術について若干説明すると、従来はSPSを実行するために記録データブロックとブロックの間にリンク用ブロックを新たに設けたため、ユーザが使える記録容量が減ると共にROMドライブとの互換性が悪くなる。
これは、ROMドライブがリンク用ブロックを認識してコントロールしなければならないからである。
【0033】
例えば、DVD−ROMメディアあるいはDVDビデオメディア等の光ディスクはリンク用ブロックを持っていないので、これら情報媒体のみ再生できる光学的再生装置で再生できるように、記録ブロック前後の記録データの位相を合わせた場合、記録ブロックの先頭位置ではデータのエラーが起きる確率が高くなる。
【0034】
つまり、データの位相を前後で合わせて繰り返し記録(オーバーライト)するとメディアが劣化し、振幅及びアシンメトリの変動が大きくなり、ジッタが増大し、やがては記録再生ができなくなる。
【0035】
先端部と後端部を太らせたり削ったりするだけで、記録データの位置は固定なので、このデータとブロック前後の記録データとの位相差は大きく変動しない。
つまり、再生するときの位相差がブロック前後で大きく変動しないので、再生クロック位相の変動は少ない。したがって、データの繋ぎ目(リンク)で大きくデータを失うことがなくなる。
【0036】
しかしながら、この発明に係る記録処理によれば、上述した劣化パターンの第1のモードと第2のモードを解決することができる。
つまり、上述の記録処理によって書き込みデータブロックの先端部と後端部がランダムに変化して位置が変わるので端部の劣化を軽減することができる。
【0037】
次に、光ディスクにデータを繰り返して記録するとき、シームレスシステムではデータのブロック位置が固定されるので、記録データブロック内のデータ中に常に記録マークに位置と長さが変わらないデータがある。
【0038】
例えば、DVDの記録フォーマットは、1記録ブロック(1ECCブロック)が16セクタで構成され、且つ1セクタが26シンクフレームで構成される。
そして、1シンクフレーム内の同期検出用記録パターンの中に常に同じ位置で同じ長さ(「14T」相当の長さ、以後単に「14T」と記述する)のパターンが存在する。
【0039】
そのパターンをここでは「シンクマーク」と呼ぶことにするが、このパターンは常に14Tの記録マークを記録するか14Tのスペースにするかである。
【0040】
図2を参照して説明する。記録データブロックの1セクタのすべての1シンクフレーム内(の同期信号のなか)の同一の場所には、14T長のマークあるいはスペースを必ず記録する。また、他のエリアの部分はランダムにマーク及びスペースの位置と長さがランダムに変わる。
【0041】
そして、同じ長さの記録マークを同一の場所に何回も記録すると相変化メディアの光ディスクでは、その記録部分は劣化することが知られている。
したがって、繰り返して記録されると、つまり、シンクマークとして14Tの記録マークが何回も繰り返し記録されると上述した劣化モードの第3のモードが発生する。
【0042】
この第3のモードの発生による不具合を解決するために、この実施形態の光学的情報記録媒体記録装置は、シンクマークに14Tの記録マークを記録するときには複数の短い記録マークをつなげて構成し、且つ長さの異なる短い記録マークを採用して記録する。
【0043】
また、繰り返して記録するときは、その構成をランダムに変えればシンクマークの中で短い記録マーク端部がランダムに変化し、この発明に係る記録処理を採用する前の14Tのパルスストラティジーよりも記録パルスが少なくなるので、14Tを構成するための記録パワーが減る。
【0044】
図3を参照し、14Tの繰り返し記録の劣化対策、つまり、同じ場所に長いマークが記録されると同じ熱勾配を与えることによって起こる劣化を防止することについて説明する。
【0045】
ジッタが動かないようにパルスストラテジーの中を操作する。例えば、合計が14Tになるような組み合わせで内部をランダムにシフトする。
【0046】
図3は「3T−4T−4T−3T」のパターンであるが、その他のパターンは、「3T−4T−3T−4T」「4T−3T−3T−4T」「4T−3T−4T−3T」「3T−3T−4T−4T」「4T−4T−3T−3T」である。そして、以上の6パターンをランダムに発生して使用する。
【0047】
このようにして、内部はランダムに変化しているがジッタが大きく変化しない14Tの記録マークを得ることができ、内部のつなぎかたの不十分さによる14Tを検出するための悪さが現れないようにすることができる。
【0048】
したがって、上述した劣化モードの第3のモードの問題を解決することができる。例えば、DVDの最短マーク長は3Tなので、これ以上の長さのパルスを用いてランダムに構成して14Tを形成すれば良い。
【0049】
次に、光ディスクにデータをシームレスに記録するためには、再生時のクロックと記録時のクロックの位相を合致させればよい。また、常に光ディスクの決められた物理的な位置に正しく記録する必要が有る。
【0050】
一実施例についてこのことを説明すると以下のようになる。光学的情報記録媒体上にトラックとしてグルーブを構成し、そのグルーブは例えば基本周波数32T相当の基本周期でウォブルさせておき、このウォブルに番地等の情報を入れるために周波数変調あるいは位相変調させているシステムにおいて、このウォブルで示される物理的な位置に正しくウォブルの位相まで考慮して記録データブロックが記録される必要がある。
【0051】
以後ウォブルの基本周期は32Tとして説明していく。図4の32Tのウォブルのどの位相に記録ブロックの先頭を一致させるかを決める必要がある。1記録ブロック(1ECCブロック)の大きさを、16(セクタ)×13(行)×(32(シンクビット)+1456(データビット))×2=619.008(T)とすると、619,008(T)÷32=19,344となり、1ECCブロックは32Tの公倍数になっている。
【0052】
したがって、ウォブルの立ち上がり部のゼロクロスをECCブロックの先頭にすれば、次のECCブロックの先頭も同様にウォブルの立ち上がり部のゼロクロスになる。つまり、常に1ECCブロックの先頭がウォブルの基本周期の立ち上がり部のゼロクロス位置と位相が一致するのが理想である。
【0053】
そのためには、記録クロックが正確にウォブルにロックされた形で形成される必要が有る。
【0054】
しかし、ウォブルを検出するときは、隣接のトラックのウォブルによるクロストークの影響があったり、ウォブルとウォブルより回路により生成された記録用クロックの位相差を“0”にすることは難しいので、どうしても誤差が出てしまう。
【0055】
そこで、光ディスク上のデータをシームレスに接続するため、再生クロックに同期させて記録クロックを生成する必要が有る。
また、データのつなぎ部で再生クロックと記録クロックの位相差が180度ズレると、再生時にPLLの引き込みに時間がかかって多くのデータを失う恐れが有る。
【0056】
この実施形態の光学的情報記録媒体記録再生装置は、再生クロックと記録クロックの位相差を合わせる回路を提供する。
【0057】
この光学的情報記録媒体記録再生装置は、複数ブロック書かれている中の1ブロックを記録するとき、記録データブロックの先端部については位相が合うとともに、後端部についても位相が合う確率が高い。
しかし、記録されている連続データの最後に追記するとき、後端部の位置を理想的な位置近傍に戻す機能により、本発明のようなシームレス記録をしていない光学的情報記録媒体記録再生装置で追記しても、再生時に失うデータを少なくすることができる。
【0058】
また、この光学的情報記録媒体記録再生装置の回路は、記録データの同期を容易に,意図的に,且つ確実に同期できる範囲内に微小に記録データブロックをランダムにシフトすることができる。
【0059】
図5乃至図10を参照して説明する。図5の(a)はウォブルと記録クロックの関係を示す線図であり、同図の(b)は再生クロックと記録クロックの位相差の検出の説明に供する線図である。
【0060】
図5の(a)のP1で矢示するように、再生データより生成されるウォブルと同じ周期を持たせた1/32再生クロックの立ち上がりのとき、1/32記録クロックが“H”(ハイ)のときに位相遅れになり、矢示P2が位相遅れ量になる。
【0061】
図5の(b)のP3で矢示するように、1/32再生クロックの立ち上がりのとき、1/32記録クロックが“L”(ロー)のときに位相進みになり、矢示P4の位相進み量=32T−位相差計測値(Pm)で求められる。
【0062】
ところで、通常の光学的情報記録媒体記録再生装置には、本発明に係る記録処理のようにシームレスで再生から記録クロックへ切り換えたとき、ウォブルの本来あるべき位置へ復帰させて、なお且つ再生信号と記録クロックの位相差を180以内に抑えようとする機能を備えたものはない。
【0063】
まず、すでに記録されている1記録データブロックに続けて記録する1記録データブロックの位相差が180ずれると、再生時、そのデータのつなぎめで再生クロック生成のPLLの入力の位相が大きく変化するので、データの検出エラーが長く続く。
【0064】
また、相変化メディアの光ディスクは、記録層の材料によって記録マークが記録パルスよりずれるので、その位相ズレ分は考慮してタイミングを補正して記録パルスを発生する必要が有る。
【0065】
そこで、例えば、図10に示すように、Td分前のタイミングに記録時に記録データを発生しておく必要が有る。
【0066】
次に、SPS(Start Position Shift)について説明する。ここで述べる処理は、基本的に記録データを動かさず、前方へは固定のデータを付して太らせ、後方へは前のデータを削るという方法を取る。
リンク部を持たないSPSによってデータブロックの端部で失われるデータは、エラー訂正(ECC)でデータがリカバリーされる。
【0067】
つまり、この例ではSPS分が最大1024ビット(T)失われる。
但し、太らせてオーバーライトしている部分は、ユーザ情報は無いが再生するためのクロック生成情報としては使える。問題は繋ぎ部に記録情報が無いときである。このときは、ディスク欠陥と同じ状況である。
【0068】
しかし、PLLはある大きさ以上の欠陥が検出されたときは、現在出力しているクロックの状態を保持するように働かせる。例えば、ある大きさ以上の欠陥があったときは、PLLの入力を禁止する等の制御を施す。
【0069】
したがって、記録時に前のデータブロックの位相に合わせておけば、データ再生時に再生クロック生成PLLの乱れが少なくなって検出エラーが少なくなる。
また、多くのアプリケーションでは、新規に記録する場合は前に記録情報があることが多いのでこの手法が有効である。
【0070】
そこで、リンクレスでSPSを使うために、データを失う分に本発明に係るクロック生成処理を実行すれば、エラー発生が軽減されるので十分信頼性の高い記録システムを実現することができる。
【0071】
また、記録データが全く同じ場所に同じマークが記録されると相変化メディアの光ディスクは劣化することは述べたが、同期が取れる範囲でデータブロック全体をシフトすれば、さらに繰り返し記録寿命は向上する。ただし位相はずらせないようにシフトする。本発明は容易にウォブルの位相差を、例えば1Tから5Tずらせることができる。
なお、このぐらいのクロック数のずれに対しては、一般の同期検出回路は十分に同期検出することができるが、位相が180度ずれると正常な再生クロック生成に時間がかかってしまう。
【0072】
ある光学的情報記録媒体記録再生装置で書いたメディアを、他の光学的情報記録媒体記録再生装置でよりスムースにシームレスに記録するためには、ディスク(光学的情報記録媒体)に構成されている物理的なウォブルのような情報より検出される位相と、記録するデータの位相関係は一定に決めておく必要がある。
【0073】
つまり、図10に示したように記録データと実際に記録されるマークには位相差が生じ、この位相差は、同じメディアでも記録するドライブ(光学的情報記録媒体記録再生装置)によって異なるのである。
他のドライブで記録されてきたメディアを最初に追記するときは、どうしても図10に示した位相差のばらつきがあり、シームレス化が難しい。
【0074】
ある一定のブロック長データを、予めディスク上に設けられた試し書きエリア、あるいは記録データエリアの空きスペースに書き、ディスクに予め構成されている物理的なウォブルより検出される位相と、記録するデータの再生時の位相関係を予測し、それを実際にデータを記録するときに補正すれば良い。
書き込みメディアは、レーザパワーの補正のために一般に内周あるいは外周に試し書き領域を持っているのでこれを使えば良い。
【0075】
次に、図5乃至図10を用いてこの発明の一実施形態の光学的情報記録媒体記録再生装置についてさらに詳しく説明する。
まず、この光学的情報記録媒体記録再生装置で使用する光学的情報記録媒体の光ディスクは、渦巻き状に形成されるガイド溝(「グルーブ」と称する)にデータが記録されるが、そのグルーブはウォブル(蛇行)され、目標の線速で光ディスクが回転していると、そのウォブルから検出されるウォブル信号の中心周波数は、図4に示したように、32Tの時間周期を持っているものとする。
【0076】
図6はこの発明の一実施形態の光学的情報記録媒体記録再生装置の主要部の回路構成を示すブロック図である。
【0077】
この光学的情報記録媒体記録再生装置の主要部は、位相比較器,チャージポンプ,ループフィルタ,及びVCOで構成されるPLL(Phased Locked Loop)の入力:Rには、上記ウォブル信号が入力され、且つ比較されるもう一方の入力:Vには、書き込みクロックの4倍のクロック(4×書き込みクロック信号)がVCOから出力されるように、4×書き込みクロック信号が1/4カウンタと1/32カウンタで128分周されて32T周期になった信号が入力される。
【0078】
ただし、このPLLには、位相比較器への入力:Rとウォブル信号の間にウォブル信号入力の位相を遅らせる位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタが挿入され、一方、位相比較器への入力:Vと1/32カウンタの間には位相比較器へ入る信号の入力Vの位相を遅らせる位相進み補正可変ビットシフトレジスタを設けている。
【0079】
この位相進み補正可変ビットシフトレジスタは、ウォブル信号の位相比較器への入力:Rへの位相を進めることと等価の役割を果たす。
【0080】
また、書き込みクロックは1/4カウンタの出力から得られる。
この書き込みクロックとウォブル信号の位相関係は、上記位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタと位相進み補正可変ビットシフトレジスタの調整で自由に変えることができる。
【0081】
図5は、ウォブル周期(32T),記録クロック(T),及び制御用クロックT/4(=4×書き込みクロック)との関係を示す線図である。
光ディスク上に物理的に形成されているウォブル(32T周期)との位相関係を計測するために、記録データあるいはビットデータから検出される再生クロックからウォブルと同じ周期(32T)の1/32再生クロックを生成する必要がある。
【0082】
再生クロック生成用PLLは、記録データあるいはビットデータ(変調信号)から再生クロックを抽出し、エンコーダへそのクロックを送り、エンコーダは、上記変調信号を上記再生クロックに同期させて、再生データとデータの1ブロック(セクタ)の先頭を示す信号:Stopを検出する。
【0083】
上記再生クロックは32分周するため、32進カウンタへ入力している。
この32進カウンタの出力は、図4に示したウォブル波形(中心周波数に対応する波形)のゼロクロスのところと、先頭を示す信号:Stopとが同期を取れるようにするため、信号:Stopでカウンタがゼロにセットされる。
そのカウンタの出力の反転出力が1/32再生クロックになり、再生信号とウォブル信号の位相を比較するための信号になる。
【0084】
記録データの再生信号の位相を代表する1/32再生クロックと、ウォブルから生成される書き込みクロックを代表する1/32カウンタの出力の1/32記録クロックとの位相差比較は、図5に示した線図で説明する原理で行なう。
【0085】
図5において、1/32記録クロックから1/32再生クロックの位相が遅れている場合、その位相差を制御用クロック(T/4)でカウントする。そのカウント値が位相遅れ量である。
【0086】
制御用クロック(T/4)の1周期は、記録クロック(T)の四分の一周期なので、記録クロック(T)の180度よりもかなり小さい位相差の精度で位相比較できていることになる。
そして、より精度を上げるには、制御用クロック(T/4)の周波数を上げれば容易に実現できる。
【0087】
一方、1/32再生クロックの位相が進んでいる場合、1/32記録クロックの立ち上がりから1/32再生クロックの立ち上がりまでの時間Pmを32Tから引けば求めることができる。
つまり、同様にして時間Pmを制御用クロック(T/4)でカウントする。
【0088】
次に、位相進みと遅れの判定は以下のように行なう。
1/32再生クロックの立ち上がりのとき、1/32記録クロックが高レベルのときは位相遅れになり、低レベルのときが位相進みになる。
【0089】
図6はこの原理に基づいた回路構成を示すものでもある。
まず、1/32記録クロックの立ち上がりをデジタル微分回路で検出し、128進カウンタをゼロにセットする。
【0090】
そして、128進カウンタは、制御用クロック(T/4)をカウントする。
この128進カウンタはカウントをオーバすることもあるので、実際の回路設計時には、128進よりも大きくカウントできるように設計すると良い。
【0091】
このように、上記動作が上述した1/32記録クロックの立ち上がりからの制御用クロック(T/4)での計測である。
次に、1/32再生クロックの立ち上がりをデジタル微分回路で検出し、このタイミングで1/32記録クロックのステータスが高レベルか低レベルかをAND回路で判定する。
【0092】
図9は、そのデジタル微分回路の構成を示す図である。
上記ステータスが高レベルのときは、128進カウンタの出力を減算カウンタAにセットする。この減算カウンタAにセットされた値が位相遅れ量になる。
【0093】
上記ステータスが低レベルのときは、128進カウンタの値:Nの補数をEX−OR回路から作成して“1”を+1加算回路で加算した結果の値:(128−N)を減算カウンタBにセットする。この減算カウンタBにセットされた値が位相進み量になる。
【0094】
ここまでの説明では、再生系の位相が遅れるか進むかという視点で述べたが、再生系クロックの位相遅れは記録系クロックの位相進みということになる。
光ディスクに記録されたデータにシームレスにデータを追記して記録して行くためには、記録系のクロックを再生系のクロックに合わせる必要が有る。
【0095】
したがって、再生系の位相が遅れているとき、記録系の位相を合わせるために記録系の位相を遅らせる必要がある。
そこで、減算カウンタAにセットされた位相差情報に基づいて位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタによるウォブル信号遅延時間を決める。
その遅延時間は、減算カウンタAにセットされた値に等しい制御用クロック(T/4)数分になる。
【0096】
一方、再生系の位相が進んでいる場合は、減算カウンタBと位相進み補正可変ビットシフトレジスタを用いて記録系の位相を進ませればよい。
図8は、位相遅れ補正可能ビットシフトレジスタ及び位相進み補正可能ビットシフトレジスタの具体的な回路図例を示す図である。
【0097】
位相進み補正可変ビットシフトレジスタと位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタをコントローラの指示によってイネーブルするタイミング、つまり、減算カウンタにセットされたデータによって決まる遅延時間をセットするタイミングは、データ再生中のR・ENBL信号をディスエーブルするタイミングでよい。
【0098】
つまり、位相計測が終わって再生クロックとの比較を中断するタイミングである。これをシフトレジスタイネーブル信号:SH・ENBL信号をイネーブルすることによって行なう。
【0099】
減算カウンタAのプリセット入力:PRへ入力される信号は、同時に減算回路B側のクリア入力:CRへ入力される。
つまり、減算回路Aへ位相遅れの情報がセットされるときは位相進みの情報は不要になる。
【0100】
同様にして、減算カウンタBのプリセット入力:PRへ入力される信号についても、同時に減算回路A側のクリア入力:CRへ入れられる場合に同じようになる。
【0101】
以上、記録済みであるデータを再生中、読み出された再生用クロックとこれから記録するときに使うウォブルから生成される書き込み用クロックとの位相合わせの実施例を説明した。
【0102】
記録済みのデータに対してシームレスに追記していくとき、追記する前にデータ再生中のR・ENBL信号をディスエーブルにして、1/32再生クロックと上記記録系クロックとが位相比較することを停止する。
【0103】
そして、シフトレジスタイネーブル信号:SH・ENBL信号をイネーブルすることによって書き込みクロックの位相合わせをする。
そのタイミングは、記録開始位置になるまでにPLLが整定できる時間が確保できるタイミングである。
【0104】
つまり、以後は減算カウンタAあるいはBには、上記位相比較を停止した瞬間にセットされた値が固定されている。
このときの書き込みクロックを使って、記録済みのデータの最後端を検出した後、すぐにデータを追記していけば位相誤差が180度よりもかなり小さい値になる。
【0105】
但し、そのまま記録して行くと、光ディスク上に物理的に形成されているウォブルとは位相がずれたままになる。
そこで、記録データの1ブロック(たとえば1ECCブロック)の記録が終わるまでに徐々に減算カウンタAあるいは減算カウンタBの値を“0”(ゼロ)に近づけていけば、ここで追記されたデータは予め決められたウォブルとの位相関係に限りなく近くなる。
【0106】
このようにして、ここで記録された光ディスクを、他の本発明に係るシ−ムレスに追記する技術を使用していない光学的情報記録媒体記録装置で追記するとき、再生時にその繋ぎ目で起こるデータエラーを軽減することができる。
【0107】
これをするのがコントローラから出力し、減算カウンタAあるいは減算カウンタBのクロック:CKに入力されるパルスである。
コントローラは、1ブロックのデータを送るまでにパルスを少しづつ送って減算カウンタの出力を“0”(ゼロ)にする。
【0108】
また、減算カウンタAあるいは減算カウンタBの出力:BRは、カウンタがゼロ状態になったことをカウンタに知らせる。
そして、コントローラは、このBR信号が入力された後は減算カウンタAあるいは減算カウンタBにはパルスを送らないようにする。
【0109】
また、コントローラは、上述した書き込み生成用PLLのループフィルタの時定数を書き込みクロックを使って記録しているときは大きくする。
つまり、上述した減算カウンタによるウォブルと書込みクロックとの位相合わせの動作が起きるので、それに対して書き込みクロック位相が急激に変動しないで緩やかに変化させるためである。
【0110】
さらに、本回路には加算回路Aと加算回路Bを設けているが、これは、記録データブロックを1T,2T,・・・,あるいはnTをランダムにシフトし、光ディスクの繰り返し記録(オーバライト)寿命を延ばそうとするものである。
コントローラは、記録する前に予めこのシフト量を加算回路Aあるいは加算回路Bに入力し、その値を記録中は変えないようにする。
【0111】
ここで、減算カウンタAあるいは減算カウンタBの出力の下位2ビットは本実施形態では、1T周期の4分の1のきざみ幅を示すので、その下位2ビットが変化するようにコントローラからデータが加算されることは許さないようにする。したがって、下位2ビットは“0”(ゼロ)である。
【0112】
つまり、この2ビットが変化すると記録するデータの位相が0度から180度未満でずれるので、つまり180度位相がずれる確率が増えるので、せっかく位相差を正確に制御していることの意味がなくなる。
【0113】
ここまでの説明では、図10に基づいて説明した記録クロックに同期した記録データと実際に書かれるマークのシフトによる再生時の位相ずれ時間:Tdが起きる現象についての対策は述べていない。
【0114】
そこで、その対策を考慮して図10に示したような記録パルスを発生すればよい。
この記録パルスは、記録マークの再生ジッタがミニマムになるように生成される公知の技術である。
【0115】
しかし、この位相ずれ時間Tdは光ディスクの種類や使用する光学的情報記録媒体記録装置によって異なるので、本発明に係る処理では、光ディスクが光学的情報記録媒体記録装置に装着されたとき、光ディスク上の試し書きエリアにデータを記録して再生し、その位相差を計測して補正する。
【0116】
このとき、レーザの最適パワーを試し書きエリアで行なう光学的情報記録媒体記録装置においては、まず、最適パワーを決めた後、その最適パワーで再度試し書きしたデータでウォブルの決めた位相(本実施例ではゼロクロス)との位相差を計測する。
その値によって図10に示した記録パルス発生の位相を調整して位相ずれ時間:Tdを“0”(ゼロ)にする。
【0117】
また、試し書きによる位相補正は、光学的情報記録媒体記録装置の使用環境あるいは光ディスクの面内特性の変化があるのでレーザパワーを試し書きして補正するときに同時に行なうか、あるいは所定の時間間隔あるいは光ディスクの面内位置あるいは面内ブロックごとで実行することも可能である。
【0118】
図6に示した回路において試し書きするときは、コントローラは、データ再生中のR−ENBL信号の出力をディスエーブルにし、減算カウンタAと減算カウンタBをカウンタクリア信号でクリアしておく。
【0119】
この状態の時は上記位相進み補正可変ビットシフトレジスタと位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタによる入力クロックの遅延時間は“0”(ゼロ)である。
この状態で試し書きを行ない、次に同じエリアを再生するとき、コントローラは、データ再生中のR−ENBL信号の出力をイネーブルにし、記録したデータによって再生される1/32再生クロックと1/32記録クロックの位相を比較していく。
【0120】
このとき、上記位相進み補正可変ビットシフトレジスタと位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタによる入力クロックの遅延時間は“0”(ゼロ)になるようにしておく。
これはシフトレジスタイネーブル:SH・ENBL信号をディスエーブルすることによってできる。
【0121】
そして、試し書きしたデータを再生している適当な時間(位相ずれ時間Tdが計測可能な時間以後)で、データ再生中のR−ENBL信号の出力をディスエーブルにする。
【0122】
このとき、減算カウンタAには再生データの位相遅れ量が、減算カウンタBには再生データの位相進み量が蓄積される。
その減算カウンタAと減算カウンタBの出力データは、図示を省略したバスラインを通してコントローラへ入力される。
【0123】
そして、再生クロックの位相が遅れていた場合は、図10に示した記録パルスの位相を適当な時間だけ進める。
この書き込みパルスの位相合わせを、図6に示した加算回路Aあるいは加算回路Bの入力へコントローラから記録ブロックランダムシフト量設定バスラインを通して設定してもよい。
【0124】
但し、位相ずれ時間Tdは1T以内が一般的であるから、そのときは下位2ビットを適当な値にセットすればよい。以後はこれをオフセット値として位相制御することになる。
【0125】
このようにして、記録マークの位相を補正し、ウォブルと再生信号の位相を合わせれば、光学的情報記録媒体記録装置が変わっても容易にシームレスにデータを追記することができる。
他の実施例として、図示は省略するが、再生クロック1/32RCKとウォブルの位相差が無くなるように減算カウンタAとBの出力を、図6に示したものとは逆に位相遅れ補正可変シフトレジスタと位相進み補正可変シフトレジスタへ入力させるようにすれば、補正後の書き込みクロックによって書かれたデータの再生信号1/32RCKは、ウォブルの位相と近くなることは明らかである。
【0126】
ここで位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタあるいは位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタの一構成例は図8に示した。
シフトレジスタイネーブル:SH・ENBL信号がディスエーブルのときは、入力信号は遅延時間無しで位相比較器へ入力される。
SH・ENBL信号がイネーブルされると入力信号は、シフトレジスタ側へ行き、4×書き込みクロック(制御用クロックT/4)で時間遅延される信号が生成される。
【0127】
そして、減算カウンタの出力がデコーダされ、減算カウンタにセットされた値に相当する遅延時間を選ぶゲートが開けられ、実際に減算回路にセットされた値に相当するクロックが位相比較器に入力される。
【0128】
図7は、位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタあるいは位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタの他の構成例を示す図である。
まず、プリセッタブルカウンタを用いて回路を簡単にしている。
シフトレジスタイネーブル:SH・ENBL信号がディスエーブルのときは、入力信号の立ち上がり微分出力は遅延時間なしで位相比較器へ入力される。
【0129】
SH・ENBL信号がイネーブルされると入力信号の立ち上がり微分出力は、フリップフロップFFをセットし、プリセッタブルカウンタをイネーブルする。
このとき、減算カウンタにセットされている値にカウント値がセットされる。
【0130】
そして、4×書き込みクロック(制御用クロックT/4)でインクリメントされて設定されたカウント値になるとキャリー信号を出す。
つまり、減算カウンタにセットされた値に相当する遅延時間の入力パルスが選択されて位相比較器に入力される。キャリー信号は、同時に上記フリップフロップ(FF)とプリセッタブルカウンタをクリアし、次ぎの入力信号の立ち上がり微分出力を待ち受けることになる。
ここの位相比較入力はパルスになるが、パルス入力でも位相比較できる位相比較器は公知技術として存在する。
【0131】
図9は、デジタル微分回路の一構成例を示す図である。
フリップフロップ(FF)で被微分入力をクロックで同期させた信号を生成する第1のフリップフロップ(FF)からの出力Qと第2のフリップフロップ(FF)の1クロック分遅延されたQ・INVのANDを取れば立ち上がり微分信号を検出できる。
【0132】
そして、同図においてAND回路にはさらにクロック入力が入っているのは、出力をパルス出力とするためである。
図6の実施例では、位相遅れ補正可変ビットレジスタと位相進み補正可変ビットレジスタを用いているが、位相遅れ補正可変ビットレジスタの補正量(遅延量)をウォブル周期相当分以上持てば、位相進み補正可変ビットレジスタ無しで上述したことと同様なことを実施可能である。
つまり、位相が180度以上遅れるということと、位相が180度以下進むことと等価である。
同様にして、位相遅れ補正可変ビットレジスタ無しで位相進み補正可変ビットレジスタの補正量(遅延量)をウォブル周期相当分以上持てば、上述したことと同様なことを実施可能であることは明らかである。
【0133】
このようにして、この光学的情報記録媒体記録装置によれば、光ディスクにシームレスな記録をして、通常の光学的情報記録媒体記録装置によって追記するときに再生時にデータの繋ぎ目で失うデータを少なくすることができる。
また、光ディスク上の予め決められたトラック上の位置に高精度に記録するので、シームレスで記録をしても物理的位置がズレないようにすることができる。
【0134】
こうして、ある光学的情報記録媒体記録装置で記録した光ディスクを、他の光学的情報記録媒体記録装置でよりスムースにシームレスに記録するためには、光ディスクに形成されている物理的なウォブルのような情報から検出される位相と、記録するデータの位相関係は一定に決めておく必要がある。
【0135】
つまり、図10に示したように、記録データと実際に記録されるマークには位相差が生じ、この位相差は同じ光ディスクでも記録する光学的情報記録媒体記録装置によって異なるのである。
【0136】
そこで、他の光学的情報記録媒体記録装置でデータが記録された光ディスクを最初に追記するときは、どうしても図10に示したような位相差のばらつきがあり、シームレス化が難しい。
【0137】
しかし、上述したように、この発明の実施形態の光学的情報記録媒体記録装置は、ある一定のブロック長データを、予め光ディスク上に設けられた試し書きエリアあるいは記録データエリアの空きスペースに書き込み、その光ディスクに予め構成されている物理的なウォブルから検出される位相と、記録したデータの位相関係を計測し、それを実際にデータを記録するときに補正することにより、シームレス化を容易にすることができる。
【0138】
また、この発明の実施形態の光学的情報記録媒体記録装置における記録処理は、光ディスク上の記録データが途中で途切れている箇所からデータを追記する場合でも有効である。特に、この発明に係わる記録処理を書き込み一回(Write Once Read Memory:WORM)型メディアに有効である。
例えば、あるドライブでWORM型メディアにデータを書き込んでいるとき、ドライブに何らかの原因でトラブルが生じてデータの書き込みが中断してしまった場合、別のドライブでデータを追記するときに適用することができる。
【0139】
さらに、この発明の実施形態の光学的情報記録媒体記録装置において、試し書きの際に予め決めたデータを書き込むようにすれば、光学的情報記録媒体記録装置間の互換性を良くすることができる。
【0140】
さらにまた、この発明の実施形態の光学的情報記録媒体記録装置は、位相差の精度が良くなるまで試し書きを繰り返すようにすることも可能である。
【0141】
なお、上記光ディスクはレーザパワーの補正のために一般に内周あるいは外周に試し書き領域をもっているのでこれを使えばよい。
【0142】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、記録データ部全体を動かして光ディスク繰り返し記録寿命を延ばすとき、位相を180度ずれないようにし、且つランダムに振らせるようにしたので、追記した部分をスムースに再生することができる。
【0143】
また、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、記録データをシームレスに接続して記録するとき、前に記録したデータの位相と180度ずれないようにして記録できるので、再生するときにその接続部でのデータエラー発生を軽減することができる。
【0144】
さらに、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、光ディスク上の物理的に形成されたウォブルと常に一定の関係を保つことによって、この発明に係るシームレスにする技術を使っていない光学的情報記録媒体記録装置で追記する場合でも記録ブロック間の接続部のエラー発生を軽減することができる。
【0145】
また、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、試し書きして記録したマークとウォブルとの位相差を補正できるので、光学的情報記録媒体記録装置間の互換性がよくなり、ある光学的情報記録媒体記録装置で記録された光ディスクに対して他の光学的情報記録媒体記録装置でデータを記録しても、その記録されたデータの接続部でのデータエラーの発生を軽減することができる。
【0146】
さらに、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、光学的情報記録媒体記録装置に光ディスクが初めて挿入されたときに必ず試し書きして記録したマークとウォブルとの位相差を補正できるので、光学的情報記録媒体記録装置間の互換性を確実に良くすることができ、ある光学的情報記録媒体記録装置で記録された光ディスクに対して他の光学的情報記録媒体記録装置でデータを記録しても、その記録されたデータの接続部でのデータエラーの発生を軽減することができる。
【0147】
さらにまた、この発明の請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、レーザパワーを決めるための試し書きエリアを共通にするので、記録データ位相補正エリアを新たに設ける必要がなくなり、光ディスクのメディアフォーマットを効率良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の光学的情報記録媒体記録装置が使用する光ディスクの記録フォーマットの説明図である。
【図2】 この発明に係る光学的情報記録媒体記録装置が使用する光ディスクの記録データブロックのフォーマットの説明図である。
【図3】 この発明に係る光学的情報記録媒体記録装置が光ディスクにデータを記録するときのパルスパターンを示す説明図である。
【図4】 この発明に係る記録データブロックの先頭位置とウォブルとの関係を説明するための線図である。
【図5】 ウォブルと記録クロック及び再生クロックと記録クロックの位相差検出の説明に供する線図である。
【図6】 この発明の一実施形態の光学的情報記録媒体記録装置の主要部の回路構成を示すブロック図である。
【図7】 図6に示す位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタと位相進み補正可変ビットシフトレジスタの一構成例を示す図である。
【図8】 図6に示す位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタと位相進み補正可変ビットシフトレジスタの他の構成例を示す図である。
【図9】 図6に示すデジタル微分回路の一構成例を示す図である。
【図10】 記録クロックに同期した記録データと記録するマークのシフトによる再生時に生じる位相ズレ時間の説明に供する線図である。
【符号の説明】
P2:位相遅れ量 P4:位相進み量

Claims (6)

  1. 光ビームの照射によって記録薄膜の状態を変化させて2値化情報を記録する光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体に記録する記録データブロックの先端部及び後端部をランダムに変化させるとき、光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号の位相を再生データクロック周期相当の自然数倍を同期検出可能な範囲で進めるか遅らせるかして記録することを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。
  2. 請求項1記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体に記録データブロックを追記するとき、すでに記録されているデータから検出される再生クロックと、光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号を用いて出力される記録クロックとの位相差とを比較し、その検出位相の遅れ又は進みに応じて前記物理的な情報から検出される信号の位相を遅らせるか進めるか、あるいは前記物理的な情報から検出される信号と位相比較される信号を遅らせるか進めるか、あるいは前記検出位相の遅れ又は進みに応じて前記物理的な情報から検出される信号の位相を遅らせるか前記物理的な情報から検出される信号と位相比較される信号を遅らせるかを決定して記録することを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法
  3. 請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体への記録時、徐々に記録クロックの位相を前記物理的な情報から検出される信号の位相に近付けることを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法
  4. 請求項2又は3記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体に形成されている物理的な情報から検出される信号と記録するデータの位相差とを予め決められた値に押さえるように試し書きして補正することを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。
  5. 請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体に対して最初にその記録エリアにデータを記録するとき、前記試し書きを前記データを書く前には少なくとも終了しておくことを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。
  6. 請求項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法において、
    光学的情報記録媒体上の前記試し書きのエリアを、光学的情報記録媒体上の前記光ビームのレーザパワーを決めるための試し書きエリアと共通させることを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。
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