JP4137290B2 - パケット転送方法及びパケット転送制御装置 - Google Patents

パケット転送方法及びパケット転送制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット転送方法及びパケット転送制御装置に関し、シリアルインタフェースの規格であるIEEE1394に準拠したパケット転送制御装置に好適なものである。
【0002】
近年、マルチメディア化に伴って、データ転送量の増大化及び転送速度の高速化が要求されている。特に、大量の音声や画像データを扱うデジタルビデオカメラ、カラーページプリンタ等の周辺機器とパーソナルコンピュータとを結ぶインタフェースについては、IEEE1394規格を採用したシリアルインタフェースが注目されている。
【0003】
【従来の技術】
(第1従来例)
図9は、複数のノードA1〜G1をIEEE1394バスケーブル(以下、単にバスケーブルという)1で接続したシステム構成を示す。尚、ノードA1〜F1は、例えばパーソナルコンピュータ本体、モニタ、デジタルビデオカメラ、プリンタ等の接続ポイントの総称である。
【0004】
ノードB1、ノードA1、ノードC1、ノードE1、ノードG1、ノードF1は、この順で直列に接続され、ノードC1には更にノードD1が接続されている。各ノードA1〜F1は、それぞれ図示しないパケット転送制御装置を備え、パケットの転送はこのパケット転送制御装置にて行われる。
【0005】
このように構成されたトポロジにおいて、ノードA1がノードB1にデータを転送し、ノードE1がノードF1にデータを転送する場合について説明する。
図10は、トポロジにて転送されるパケットを示す。
【0006】
まず、ノードA1がノードB1宛のパケットabをノードB1,C1に転送する。すると、そのパケットを受信したノードB1は、パケットabのヘッダ情報を識別して自身宛のパケットであると判断し、そのパケットabにペイロードされたデータを取り込む。このとき、パケットabを受信したノードC1は、前記ヘッダ情報を識別して自身宛のパケットでないと判断し、そのパケットabをノードD1,E1に転送する。又、ノードE1は同様に前記パケットをノードG1に転送し、ノードG1は同様にそのパケットabをノードF1に転送する。このようにして、パケットabは、全てのノードに転送される。
【0007】
次に、ノードE1がノードF1宛のパケットefをノードC1,G1に転送する。すると、ノードG1は、ヘッダ情報を識別して自身宛のパケットでないと判断し、そのパケットefをノードF1に転送する。ノードF1は、ヘッダ情報を識別して自身宛のパケットであると判断し、そのパケットefにペイロードされたデータを取り込む。尚、このとき、パケットefを受信したノードC1は、ヘッダ情報を識別して自身宛のパケットでないと判断し、そのパケットをそのままノードA1,D1に転送し、ノードA1は同様にパケットefをノードB1に転送する。
【0008】
同様に、データを格納したパケットab,efが、交互に全てのノードに転送される。
(第2従来例)
図11は、複数のノードA2〜G2、PCa〜PCgをバスケーブル1で接続したテレビ会議システムの構成を示す。この各ノードPCa〜PCgは端末であり、たとえばパーソナルコンピュータからなる。各ノードA2〜G2は会議用デバイスであり、ユーザからの各種入力等に用いられるキーボードやマウス等の入力装置と、業務処理の結果の表示等に用いられるモニタ(CRTやLCD等)等の表示装置を含む。
【0009】
各ノードA2〜G2はそれぞれノードPCa〜PCgに接続され、各ノードPCa〜PCgはサーバ2に接続されることにより全てがサーバ2を介して接続されている。各ノードA2〜G2、PCa〜PCgは、それぞれ図示しないパケット転送制御装置を備え、パケットの転送はこのパケット転送制御装置にて行われる。
【0010】
このように構成されたトポロジにおいて、ノードA2より入力されたデータを他のノードB2〜G2に表示する場合について説明する。即ち、ノードA2はノードPCaにパケットA・PCaを転送し、次いでノードPCaは各ノードPCb〜PCgにパケットA・PCaのデータを加工したデータを格納したパケットPCa・PC(b〜g)を転送し、次いで各ノードPCb〜PCgが各ノードB2〜G2にパケットPCa・PC(b〜g)のデータを加工したデータを格納したパケットPCb・B,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gをそれぞれ転送する。
【0011】
この場合、まずノードA2がノードPCa宛のデータを格納したパケットA・PCaを転送する。すると、そのパケットA・PCaはノードPCa及び各ノードPCb〜PCgを介して各ノードB2〜G2まで転送される。このとき、そのパケットA・PCaを受信したノードPCaは、パケットA・PCaのヘッダ情報を識別して自身宛のパケットであると判断し、そのパケットA・PCaにペイロードされたデータを取り込み、加工してデータを作成する。
【0012】
次に、ノードPCaがノードPCb〜PCg宛のデータを格納したパケットPCa・PC(b〜g)を転送する。すると、そのパケットPCa・PC(b〜g)はノードA2に転送されるとともに、各ノードPCb〜PCgを介して各ノードB2〜G2まで転送される。このとき、そのパケットPCa・PC(b〜g)を受信した各ノードPCb〜PCgは、パケットPCa・PC(b〜g)のヘッダ情報を識別して自身宛のパケットであると判断し、そのパケットPCa・PC(b〜g)にペイロードされたデータを取り込み、加工してそれぞれデータを作成する。
【0013】
次に、ノードPCbがノードB2宛のデータを格納したパケットPCb・Bを転送する。すると、そのパケットPCb・BはノードB2に転送されるとともに、各ノードPCa,PCc〜PCgを介して各ノードA2,C2〜G2まで転送される。このとき、そのパケットPCb・Bを受信したノードB2は、パケットPCb・Bのヘッダ情報を識別して自身宛のパケットであると判断し、そのパケットPCb・Bにペイロードされたデータを取り込む。
【0014】
そして、以後、順次同様に各ノードPCc〜PCgがそれぞれノードC2〜G2宛のデータを格納したパケットPCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gを転送する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、第1及び第2従来例では、トポロジが一部のノード間で転送するパケットに専有されることになり、パケットの転送効率が悪い。従って、同時期に転送されるパケットが増えると、一定期間内に転送できるデータ量が減少し、実質的な転送効率が低下するという問題がある。
【0016】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、データ転送の効率を向上させ、実質的な転送速度を向上させることができるパケット転送方法及びパケット転送制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、複数のノードにおいて同時期に転送されるパケットの転送方向と反対にある特定のノードから特定のパケットがトポロジの異なる末端に向かって転送され、前記複数のノードのうち特定のノード以外のノードは、自身のノードより前記転送方向に転送するデータがある場合に、前記特定のパケットに前記データを格納して前記転送方向に転送する。これにより、1回のパケット転送を行う間、即ち同時刻に異なるパケット転送、即ち多重転送が行われる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、異なる末端に向かって転送されて行くデータ部が空の特定のパケットには異なるデータが書き込まれ、1回のパケット転送を行う間、即ち同時刻に異なるパケット転送、即ち多重転送が行われる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、同時期に前記特定のノード以外の複数のノードがそれぞれ異なる末端側のノードに転送するデータを有するとき、前記特定のノードから前記特定のパケットが転送される。これにより、異なる末端側に転送されて行く特定のパケットには特定のノード以外の複数のノードからそれぞれデータが格納され、確実に多重転送が行われる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、特定のノードから送信されるパケットのヘッダには、該パケットのデータ部が空であるか否かを示す識別情報が格納される。これにより、パケットを受信するノードでは、識別部の識別情報に基づいて、そのデータ部にデータを書込み可能であるか否かが速やかに判断される。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、特定のノードからは、特定のパケットのデータ部の状態を示すガイド情報を格納したガイドパケットが転送された後、特定のパケットが転送される。そして、前記特定のノード以外のノードが特定のパケットのデータ部にデータを書き込む場合、ガイドパケットにはその旨がガイド情報として書き込まれる。これにより、特定のパケットを受信するノードでは、ガイドパケットのガイド情報に基づいて、引き続いて受信する特定のパケットのデータ部の状態が判断される。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、パケット転送制御装置は前記複数のノードにおいて同時期に転送されるパケットの転送方向と反対にある特定のノードから、トポロジ内の異なる末端に向かって転送された特定のパケットを受信するデータ部を有し、前記データ部は、前記特定のパケットが空のパケットの場合に、自身よりも前記転送方向側にあるノードに転送するデータを有すると、該データを前記特定のパケットに格納して、前記転送方向に転送する
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図5及び図9に従って説明する。
【0024】
尚、本実施の形態では、従来技術の第1従来例(図9)と同様に構成されたトポロジにおけるパケット転送を説明する。従って、システム構成は、図9を参照する。
【0025】
図1は、各ノードA1〜G1に備えられたパケット転送制御装置11のブロック回路図である。
パケット転送制御装置11は、インタフェース12,13、物理層処理回路14,15、リンク層処理回路16,17、識別部識別回路18、ホストコンピュータ(以下、単にホストという)19、メモリ20を備える。
【0026】
インタフェース12には物理層処理回路14が接続され、その物理層処理回路14にはリンク層処理回路16が接続されている。リンク層処理回路16には、他方のリンク層処理回路17、識別部識別回路18、及びホスト19が接続されている。識別部識別回路18にはホスト19が接続されている。ホスト19にはリンク層処理回路17及びメモリ20が接続されている。リンク層処理回路17には物理層処理回路15が接続され、その物理層処理回路15にはインタフェース13が接続されている。
【0027】
インタフェース12はパケットを受信する受信ポートであり、インタフェース13はパケットを送信する送信ポートである。
ここで、パケットの種類について説明する。
【0028】
パケット転送制御装置11が扱うパケットは、図2に示す通常パケット21と、図3に示す書込パケット22を含む。図2の通常パケット21は、ヘッダ情報が格納される領域としてのパケットヘッダ23と、転送データがペイロードされる領域としてのデータ部24と、フッタ情報が格納される領域としてのパケットフッタ25を備える。
【0029】
図3の書込パケット22は、パケットヘッダ26と、データ部27と、パケットフッタ28とを備え、パケットヘッダ26はパケット識別部29を有する。
パケットヘッダ26には、転送先ノードID(Physical ID)、転送元ノードID(Physical ID)及びパケットの種類(Transaction Code)等を含むヘッダ情報が書き込まれる。尚、本実施の形態では、ブロードキャスト用のアドレスが転送先ノードIDに設定される。
【0030】
データ部27は、一定の容量を持ち、他のノードに転送する種々のデータが書き込まれる。
パケットフッタ28には、CRC(Cyclic Redundancy Check)等のフッタ情報が書き込まれる。
【0031】
パケット識別部29には、データ部27が空(Blank)の状態で空である旨の識別情報が書き込まれ、データ部27にデータが書き込まれた状態でそのデータの宛先を示す識別情報が書き込まれる。尚、本実施形態では、パケット識別部29に書き込まれた識別情報が「0」の値を持つとき、それはデータ部27が空の状態であることを示し、「0」以外の値を持つとき、データ部27に書き込まれたデータの宛先を示す。
【0032】
図1の物理層処理回路14は、インタフェース12を介して入力される受信パケット21,22をリンク層処理回路16に出力する。このとき、物理層処理回路14は、電気的信号をリンク層処理回路16が扱う論理的な信号に変換する役割を果たす。
【0033】
物理層処理回路15は、リンク層処理回路17から入力される送信パケット21,22をインタフェース13を介して出力する。このとき、物理層処理回路15は、リンク層処理回路17が扱う論理的な信号を電気的信号に変換する役割を果たす。
【0034】
リンク層処理回路16は、パケット21,22のフォーマットチェック等を行い、確実なパケット転送を保証している。
リンク層処理回路16は、通常パケット21が入力された場合、該パケットヘッダ23のヘッダ情報に基づいて自身宛のパケット21であると判断すれば、該パケット21のデータ部27内のデータをホスト19に供給する。リンク層処理回路16は、自身宛のパケット21でないと判断すれば該パケット21をリンク層処理回路17及び物理層処理回路15等を介して他のノードに送信する。
【0035】
リンク層処理回路16は、書込パケット22が入力された場合、該パケット22を識別部識別回路18に出力する。
識別部識別回路18は、書込パケット22のパケット識別部29の識別情報に基づいて、該パケット22のデータ部27が空であるか否か、そして空でない場合自身宛のパケットであるか否かを判断する。
【0036】
識別部識別回路18は、識別情報に基づいて自身宛であると判断すれば、データ部27内のデータをホスト19に供給する。又、このとき、識別部識別回路18はその書込パケット22をリンク層処理回路17及び物理層処理回路15等を介して他のノードに送信する。
【0037】
識別部識別回路18は、識別情報に基づいてデータ部27が空でない、即ち識別情報が自身以外のノード番号を持つとき、該書込パケット22をそのままリンク層処理回路17及び物理層処理回路15等を介して他のノードに送信する。
【0038】
識別部識別回路18は、識別情報に基づいてデータ部27が空であると判断すれば、空パケット信号Blkをホスト19に出力する。
ホスト19は、リンク層処理回路16又は識別部識別回路18からデータが供給されると、そのデータに応じて種々の処理を実行する。
【0039】
ホスト19は、自身より末端側のノードに転送するデータを有さないとき、即ち転送するデータをメモリ20に記録していないとき、空パケット信号Blkが入力されると、書込パケット22をそのままリンク層処理回路17及び物理層処理回路15等を介して他のノードに送信させる。尚、自身より末端側のノードとは、書込パケット22の転送方向において、自身より下流に存在するノードであって、例えば図9のノードA1にノードC1から書込パケット22が転送されてきた場合、そのノードA1に対するノードB1がそれである。
【0040】
ホスト19は、自身より末端側のノードに転送するデータを有するとき、即ち転送するデータをメモリ20に記録しているとき、空パケット信号Blkが入力されると、該データをメモリ20から読み出し、前記書込パケット22のデータ部27に書き込む。又、このとき、ホスト19は、パケット識別部29にそのデータの宛先(識別情報)を書き込む。尚、本実施の形態では、パケット識別部29にデータの宛先(識別情報)が書き込まれることによりデータ部27が空でないことが示される。又、本実施の形態では、ホスト19は、データ部27の容量と同じサイズに転送するデータをパディング(詰め物)処理を施してメモリ20に記録している。
【0041】
図9のトポロジを構成するノードA1〜G1は、書込パケット22を送信する機能を持ち、同時期にパケットを転送しようとするノードにより特定されるノード(特定ノード)が送信元となる。例えば、ノードA1がノードB1に、ノードE1がノードF1にパケットを転送する場合、その転送開始時には、予めノードC1が特定のノードに設定されている。ノードC1は、ノードA1及びノードE1の両方転送方向に対して上流側に存在するからである。
【0042】
詳述すると、ノードC1におけるパケット転送制御装置11のホスト19には、ノードA1がノードB1に複数のデータを連続して転送し、それと同時期に、ノードE1がノードF1に複数のデータを連続して転送するという情報が予め入力されている。このことから、ノードC1におけるパケット転送制御装置11のホスト19は、該時期に書込パケット22を転送することが設定されている。
【0043】
次に、上記のように構成されたパケット転送制御装置11の作用を、図9のトポロジにおける各ノードA1〜G1間のパケット転送により説明する。
図4は、各ノードC1−A1間,C1−D1間,C1−E1間,A1−B1間、G1−F1間にて転送されるパケットを示す。
【0044】
本実施の形態では、ノードA1がノードB1にデータを転送し、ノードE1がノードF1にデータを転送する場合を説明する。尚、ノードA1からノードB1に転送するデータをペイロードした書込パケット22をパケットabとし、ノードE1からノードF1に転送するデータをペイロードした書込パケット22をパケットefとして説明する。
【0045】
今、ノードC1からデータ部27が空の書込パケット22(特定のパケット)が転送される。すると、その書込パケット22はノードC1−ノードA1間、ノードC1−ノードD1間、ノードC1−ノードE1間のバスケーブル1を介して各ノードA1,D1,E1に転送される。
【0046】
ノードA1において、書込パケット22は、そのデータ部27が空であると判断される。これにより、ノードA1からノードB1に転送するデータがペイロードされたパケットabがそのノードB1に転送される。
【0047】
ノードE1において、書込パケット22は、ノードA1における処理と同様の処理が行われる。即ち、書込パケット22は、そのデータ部27が空であると判断され、ノードF1に転送するデータがペイロードされたパケットefがノードE1からノードG1に転送される。
【0048】
次に、ノードB1において、パケットabは、そのノードB1自身宛であると判断され、そのパケットabにペイロードされたデータに応じた処理がそのノードB1において実行される。
【0049】
一方、ノードG1において、パケットefは、そのノードG1自身宛でないと判断され、ノードF1に転送される。
次に、ノードF1において、パケットefは、そのノードF1自身宛であると判断され、そのパケットefにペイロードされたデータに応じた処理がそのノードF1において実行される。
【0050】
そして、以後、同様にノードC1から書込パケット22が順次転送され、ノードA1−B1間とノードE1−F1間において、パケットabとパケットefがそれぞれ順次転送される。
【0051】
別の例として、同時期の限られた時間125μs内に、ノードA1がノードB1に、ノードE1がノードF1に、ノードG1がノードB1に転送する。各ノードA1−B1間,E1−F1間,G1−B1間のパケット転送には、それぞれ60μs必要である。この場合、図5に示すように、ノードA1とノードB1間で転送されるパケットabと、ノードE1とノードF1間で転送されるパケットefを多重化することで、全てのパケットab,ef,gbを125μs間で転送することができる。このことは、所定時間内に転送できるデータ量を多くする、即ちバスの転送容量を大きくする。尚、図5では、ノードG1−B1間で転送されるパケットをパケットgbとして示す。
【0052】
次に、上記のように構成したパケット転送制御装置11及びそのシステムの特徴的な作用効果を以下に述べる。
(1)ノードC1は空の書込パケット22を転送し、その書込パケット22が転送されていく途中のノードA1,E1は、その書込パケット22に末端側のノードB1,F1宛のデータをペイロードしたパケットab,efをそれぞれ転送する。従って、書込パケット22が末端のノードB1,D1,F1に転送される間に、即ち同時期に異なるデータを搭載したパケットab,efを転送する、即ちパケットの多重転送を行うことができる。従って、データ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を向上させることができる。
【0053】
(2)パケットを転送するノードA1及びノードE1の両方に対して上流側のノードC1を特定ノードとし、そのノードC1が空の書込パケット22を転送することにより、同時刻に異なる末端側のノードB1,F1に転送されて行く書込パケット22に、その途中のノードA1,E1において異なるデータをそれぞれ格納させるため、容易に多重転送を行うことができる。
【0054】
(3)ノードC1は、ノードA1がノードB1にデータを転送し、それと同時期に、ノードE1がノードF1にデータを転送するという情報に基づいて、該時期に書込パケット22を転送する。従って、同時刻に異なる末端側の方向に転送されて行く各書込パケット22のデータ部27には確実に異なるデータが書き込まれ、確実に多重転送が行われる。又、各ノードA1,E1は、容易に最適なタイミングで多重転送を行うことができる。
【0055】
(4)書込パケット22には、データ部27が空(Blank)の状態で空である旨の識別情報が書き込まれ、データ部27にデータが書き込まれた状態でそのデータの宛先を示す識別情報が書き込まれるパケット識別部29が設けられる。従って、書込パケット22を受信したノードは、識別情報に基づいて、そのデータ部27にデータを書込み可能か否かを速やかに判断することができる。
【0056】
(5)転送するデータのデータ量がデータ部27の容量に比べて少ない場合に、そのデータをパディングして書込パケット22にペイロードするようにした。従って、ペイロード後のパケットabとパケットefの長さ、即ち、パケットab,efの転送時間が変わらないため、次の転送タイミングなどが変化せず、安定した転送を行うことができる。
【0057】
(6)図5に示すように、同時期の限られた時間125μs内に、ノードA1がB1に、ノードE1がF1に、ノードG1がB1にそれぞれデータを連続して(アイソクロノス)転送する場合であって、一つのパケット転送に60μs必要な場合であっても、同時刻にパケットab,efを多重転送することができるので、全てのデータ転送を正常に行うことができる。これにより、所定時間内に転送できるデータ量の大きい比較的高価なバスケーブル1に変更することなく、アイソクロノス転送を保証することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3、図6及び図11に従って説明する。
【0059】
尚、本実施の形態では、従来技術の第2従来例(図11)と同様に構成されたトポロジにおけるパケット転送を説明する。従って、システム構成は、図11を参照する。又、本実施の形態では、パケット転送制御装置11の構成が第1の実施の形態(図1)と同様であるため、図面及び詳細な説明を省略する。
【0060】
本実施の形態では、前記書込パケット22(図3参照)を送信する送信元(特定のノード)が、複数のノードに対してデータを転送するものに設定されている。これは、そのデータが各ノードで加工されて更に末端側に転送されるためである。特定のノードは複数のノードに対してデータを転送した後、引き続いてデータ部27が空の書込パケット22を転送する。
【0061】
次に、上記のように構成されたパケット転送制御装置11の作用を、図11のトポロジにおける各ノードA2〜G2,PCa〜PCg間のパケット転送により説明する。
【0062】
図6は、各ノードA2−PCa間,B2−PCb間,C2−PCc間,D2−PCd間、E2−PCe間、F2−PCf間、G2−PCg間、各PCa〜PCg間にて転送されるパケットを示す。
【0063】
本実施の形態では、先ず、ノードA2がノードPCaにデータを転送し、次いでノードPCaが受信したデータを加工したデータを各ノードPCb〜PCgに転送し、次いで各ノードPCb〜PCgが受信したデータを加工したデータを各ノードB2〜G2にそれぞれ転送する場合を説明する。次に各ノードB2〜G2がデータを受信したことに伴って、自身以外の末端のノードA2〜G2に向かって同様にデータ転送する場合を説明する。尚、ノードA2からノードPCaに転送するデータをペイロードした通常パケット21をパケットA・PCaとし、ノードPCaから各ノードPCb〜PCgに転送するデータをペイロードした通常パケット21をパケットPCa・PC(b〜g)として説明する。又、各ノードPCb〜PCgから各ノードB2〜G2に転送するデータをそれぞれペイロードした書込パケット22をパケットPCb・B,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gとして説明する。本実施の形態では、サーバ2は、受信したパケット21,22をそのまま送信するだけであるため、その説明については省略する。
【0064】
今、ノードA2からノードPCa宛のパケットA・PCaが転送される。すると、そのパケットA・PCaはノードPCa及び各ノードPCb〜PCgを介して各ノードB2〜G2まで転送される。
【0065】
このとき、ノードPCaにおいて、パケットA・PCaは、自身宛であると判断され、そのパケットA・PCaにペイロードされたデータに応じて加工したデータが作成される。
【0066】
次に、ノードPCaからノードPCb〜PCg宛の第1パケットとしてのパケットPCa・PC(b〜g)が転送される。すると、そのパケットPCa・PC(b〜g)はノードA2に転送されるとともに、各ノードPCb〜PCgを介して各ノードB2〜G2まで転送される。
【0067】
このとき、各ノードPCb〜PCgにおいて、そのパケットPCa・PC(b〜g)は、自身宛であると判断され、そのパケットPCa・PC(b〜g)にペイロードされたデータに応じて加工したデータがそれぞれ作成される。
【0068】
次に、ノードPCaからデータ部27が空の書込パケット22(特定のパケット)が転送される。すると、その書込パケット22はノードA2−PCa間、各ノードPCa−PCb〜PCg間を介してノードA2,PCb〜PCgに転送される。
【0069】
ノードPCbにおいて、書込パケット22は、そのデータ部27が空であると判断される。これにより、ノードPCbからノードB2に転送するデータがペイロードされたパケットPCb・BがそのノードB2に転送される。
【0070】
同様に、各ノードPCc〜PCgにおいて、書込パケット22は、そのデータ部27が空であると判断され、各ノードC2〜G2に転送する各データがペイロードされたパケットPCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gが各ノードC2〜G2に転送される。
【0071】
すると、ノードB2において、パケットPCb・Bは、そのノードB2自身宛であると判断され、そのパケットPCb・Bにペイロードされたデータに応じた処理が実行される。
【0072】
同様に、各ノードC2〜G2において、パケットPCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gがそれぞれ各ノードC2〜G2で自身宛と判断され、そのパケットPCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gにペイロードされたデータに応じた処理が実行される。
【0073】
次に、ノードB2がパケットPCb・Bを受信したことに伴って、自身以外の末端のノードA2,C2〜G2に向かって同様に加工されて行くデータ転送を行う場合、同様のデータ転送が行われる。即ち、ノードB2からノードPCbにパケットB・PCbが転送され、次いでノードPCbから各ノードPCa,PCc〜PCgにパケットPCb・PC(a,c〜g)が転送される。次にノードB2からデータ部27が空の書込パケット22が転送され、そのデータ部27に各ノードPCa,PCc〜PCgのデータがペイロードされてパケットPCa・A,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gとして各ノードA2,C2〜G2に転送される。
【0074】
そして、以後、各ノードC2〜G2からも自身以外の末端のノードA2〜G2に向かって同様に加工されて行くデータ転送が同様に行われる。
次に、上記のように構成したパケット転送制御装置11及びそのシステムでは、第1の実施の形態の効果(4),(5)と同様の作用効果を奏するとともに、以下に述べる作用効果を奏する。
【0075】
(1)ノードPCaはデータ部27が空の書込パケット22を転送し、その書込パケット22が転送されていく途中のノードPCb〜PCgは、その書込パケット22に末端側のノードB2〜G2宛のデータをペイロードしたパケットPCb・B,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gをそれぞれ転送する。従って、書込パケット22が末端のノードB2〜G2に転送される間に、即ち同時期に異なるデータを搭載したパケットPCb・B,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gを転送する、即ちパケットの多重転送を行うことができる。従って、第2従来例では1サイクル8回の転送が必要だったデータ転送が、1サイクル3回の転送で良く、データ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を向上させることができる。
【0076】
(2)複数のノードPCb〜PCgに対してパケットPCa・PC(b〜g)を転送し、そのパケットPCa・PC(b〜g)に格納されたデータが各ノードPCb〜PCgで加工されて更に末端側に転送されることが分かっているノードPCaを特定のノードとし、そのノードPCaがデータ転送後、引き続いて空の書込パケット22を転送する。これにより、同時刻に異なる末端側のノードB2〜G2に転送されて行く書込パケット22に、その途中の各ノードPCb〜PCgにおいて異なるデータをそれぞれ格納させて、容易に多重転送を行うことができる。
【0077】
上記各実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、書込パケット22にそのデータ部27の状態を示す識別情報を格納するパケット識別部29を備えたが、パケット識別部を書込パケットと別に転送する構成としてもよい。即ち、特定ノードは、図7に示すガイドパケット31と複数(図7において3個)の書込パケット32a,32b,32cを転送する。ガイドパケット31には、後に続く書込パケットの数情報と、各書込パケット32a,32b,32cの状態を示す情報がガイド情報として格納される。
【0078】
詳述すると、例えばノードA3〜E3がバスケーブル1を介して直列に接続されたシステムにおいて、図7に示すように、特定のノードA3がデータ部24が空の特定のパケット32a〜32cを連続して3個転送する場合、ノードA3はその転送に先立ってまずガイドパケット31を転送する。このガイドパケット31には、続けて転送するパケット32a〜32cの状態を予め知らせるためのガイド情報が格納される。即ち、ノードA3から転送されるガイドパケット31にはデータ部24が空のパケット32a〜32cが転送されるという情報が格納されている。
【0079】
ガイドパケット31を受信したノードB3は、そのガイド情報に基づいてノードD3に転送するデータを最初のパケット32aに書き込むことをガイドパケット31に書き込み(予約し)、そのガイドパケット31をノードC3に転送する。尚、図7中、ノードB3からノードD3に転送するデータをペイロードしたパケット32aをパケットbdとする。
【0080】
ガイドパケット31を受信したノードC3は、そのガイド情報に基づいてノードE3に転送するデータを3番目のパケット32cに書き込むことをガイドパケット31に書き込み(予約し)、そのガイドパケット31をノードD3に転送する。尚、図7中、ノードC3からノードE3に転送するデータをペイロードしたパケット32cをパケットceとする。
【0081】
ガイドパケット31を受信したノードD3は、そのガイド情報に基づいてノードE3に転送するデータを2番目のパケット32bに書き込むことをガイドパケット31に書き込み(予約し)、そのガイドパケット31をノードE3に転送する。尚、図7中、ノードD3からノードE3に転送するデータをペイロードしたパケット32bをパケットdeとする。又、ノードD3は、ガイド情報に基づいて最初のパケットbdが自身宛であることを確認する。
【0082】
ノードE3は、ガイド情報に基づいて2番目及び3番目のパケットde,ceが自身宛であることを確認する。
そして、各ノードA3〜E3は、ガイド情報に予約した処理及びガイド情報から確認した処理を実行する。
【0083】
上記具体例では、パケット32a〜32cの状態を予め知らせる方法のみ記載したが、ノードA3にノードB3以外の他のノードが複数接続されているシステム構成とすれば、他のノード側でも同時刻に同様のデータ転送を行うことが可能なため、多重転送を行うことができる。従って、データ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を向上させることができる。しかも、このようにすると多重転送を特殊な書込パケット22を使用することなく通常パケット21を使用して行うことができる。
【0084】
・上記各実施の形態及び別例では、特定のノードがデータ部24,27が空の通常パケット21又は書込パケット22を転送し、他のノードがそのパケットのデータ部24,27にデータを書き込むことにより多重転送を可能とした。これに対して、特定のノードがデータ部24,27にデータを格納した通常パケット21又は書込パケット22を転送し、そのパケットのデータ部24,27を他のノードが書き換えることにより多重転送を可能としてもよい。
【0085】
その具体例を、第2の実施の形態と異なる点を述べることにより説明する。
第2の実施の形態では、複数のノードに対してデータを転送するノードは、そのデータを転送した後、引き続いてデータ部27が空の書込パケット22を転送するとしたが、この転送は行わない。
【0086】
各ノードPCa〜PCgは、自身より上流側のノード宛のデータを格納した書込パケット22を受信すると、そのデータ部27を自身のデータに書き換えて、更に下流側のノードに転送する。
【0087】
この例では、各ノードA2〜G2,PCa〜PCgが、第2の実施の形態で述べたデータ転送を繰り返す。即ち、ノードG2から自身以外の末端のノードA2〜F2に向かって加工されて行くデータ転送が同様に行われて1順完了した後、再びノードA2から同様に2順目のデータ転送が行われていく。
【0088】
ここで、図8では、1順目の前記パケットA・PCaをa1(1)とし、2順目のパケットA・PCaをa1(2)として示す。又、1順目の前記パケットPCa・PC(b〜g)をa2(1)とし、2順目のパケットPCa・PC(b〜g)をa2(2)として示す。又、1順目の前記パケットPCb・B,PCc・C,PCd・D,PCe・E,PCf・F,PCg・Gをまとめてa3(1)として示す。又、1順目の前記パケットB・PCbをb1(1)として示し、以下同様に示す。
【0089】
このシステムでは、図8に示すように、1順目のパケットa2(1)の転送の後、パケットb1(1)の転送が行われる。このとき、パケットa2(1)を受信した各ノードPCb〜PCgでは、そのパケットa2(1)に格納されたデータを加工したデータが各ノードPCb〜PCg毎に作成されるが、このデータは一時記憶される。
【0090】
そして、同様の転送が行われていき、1順目のパケットg2(1)の転送の後、2順目のパケットa1(2)の転送が行われる。このとき、パケットa1(2)は、ノードPCaに取り込まれる。そして、そのパケットa1(2)は、末端のノードB2〜G2まで転送されていく途中の各ノードPCb〜PCgにより、データ部27が前記記憶した各データに書き換えられ、パケットa3(1)として転送される。従って、各パケットa3(1)は各ノードB2〜G2にそれぞれ転送され、多重転送が行われる。
【0091】
以後、パケットb1(2)〜g1(2)は、末端のノードA2〜G2まで転送されていく途中の各ノードPCa〜PCgにより、同様にデータ部27が書き換えられ、パケットb3(1)〜g3(1)として転送される。従って、多重転送が行われる。
【0092】
このように、2順目のパケットa1(2)が上流のノードに取り込まれた場合に下流のノードがそのパケットを1順目のデータに書き換えて多重転送するようにすれば、実質1サイクルにつき2回の転送で良く、更にデータ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を更に向上させることができる。この場合、パケットa3(1)が転送されるタイミングは第2の実施の形態に比べて遅くなるが、例えばパケットa3(1)にペイロードされるデータが画像データの場合、そのデータが数ms遅れても通常(ユーザーには気づかれない程度)に表示装置に表示されるため、問題はない。
【0093】
・上記各実施の形態では、特定のノードが特定のタイミングでデータ部27が空の書込パケット22を転送するとしたが、特定又は任意のノードが特定又は任意のタイミングで書込パケット22を転送するようにしてもよい。このようにしても、タイミングが合えば、多重転送が行われる。
【0094】
例えば、第1の実施の形態のシステム構成(図9)において、ノードC1が一定周期毎に空の書込パケット22を転送するようにする。この場合、各ノードA1〜G1には一定周期毎に書込パケット22が転送されてくることを知らせておく。このようにすると、タイミングが合えば、ノードA1,E1,G1が書込パケット22のデータ部27に自身より末端側のノードに転送するデータをペイロードすることができる。従って、例えば、書込パケット22の転送時期と、ノードA1がB1にデータ転送する時期と、ノードE1がF1にデータ転送する時期とが一致すれば、データの多重転送が行われる。
【0095】
尚、この場合、各ノードA1,E1,G1は、所定の時間内に書込パケット22が転送されてくるとき、末端側のノードに転送するデータを一時保留しておいて、そのデータを書込パケット22にペイロードして転送するようしてもよい。このようにすると、前記各タイミングの合う範囲が広がりデータの多重転送が行われる頻度が高くなる。従って、データ転送の効率が向上され、ひいては実質的な転送速度が向上される。
【0096】
以上の様々の実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(1)バスケーブルで接続された複数のノード間でパケットの転送を行うパケット転送方法であって、任意又は特定のノードから送信された特定のパケットがトポロジの異なる末端に向かって転送され、その転送途中の複数のノードが前記特定のパケットに末端側のノードに転送するデータを格納することを特徴とするパケット転送方法。
【0097】
(2)上記(1)に記載のパケット転送方法において、前記特定のパケットはデータ部が空であることを特徴とするパケット転送方法。
(3)上記(1)に記載のパケット転送方法において、前記特定のパケットには、前記途中のノードより上流側のノード宛のデータが格納されていることを特徴とするパケット転送方法。
【0098】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のパケット転送方法において、前記任意又は特定のノードは、同時期に複数の前記途中のノードが異なる末端側のノードに転送するデータを有するとき、前記特定のパケットを転送することを特徴とするパケット転送方法。
【0099】
(5)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のパケット転送方法において、前記任意又は特定のノードは、異なる末端側の途中に設けられる複数のノード宛の第1パケットを転送するものであって、前記第1パケットに格納されたデータは各ノードで加工されて更に末端側に転送されるものであり、前記任意又は特定のノードは、前記第1パケットを転送した後前記特定のパケットを転送することを特徴とするパケット転送方法。
【0100】
(6)上記(2)に記載のパケット転送方法において、前記任意又は特定のノードは、一定周期毎に前記特定のパケットを転送することを特徴とするパケット転送方法。
【0101】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のパケット転送方法において、前記特定のパケットのヘッダには、該パケットのデータ部が空であるか否かを示す識別情報を格納することを特徴とするパケット転送方法。
【0102】
(8)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のパケット転送方法において、前記任意又は特定のノードは、前記特定のパケットを転送するのに先立って、特定のパケットのデータ部の状態を示すガイド情報を格納したガイドパケットを転送し、前記途中のノードは、前記特定のパケットのデータ部にデータを書き込む場合、その旨をガイド情報として前記ガイドパケットに書き込むことを特徴とするパケット転送方法。
【0103】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のパケット転送方法において、前記途中のノードは、前記特定のパケットにデータを格納するとき、そのデータが該パケットのデータ部の容量と同じ大きさとなるようにパディング処理を施すことを特徴とするパケット転送方法。
【0104】
(10)バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、データ部が空のパケットを受信したとき、自身より末端側のノードに転送するデータを有すると、該データ部にそのデータを書き込むことを特徴とするパケット転送制御装置。
【0105】
(11)バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、自身より上流側のノード宛のデータを格納したパケットを受信したとき、自身より末端側のノードに転送するデータを有すると、該データ部を自身のデータに書き換えることを特徴とするパケット転送制御装置。
【0106】
(12)上記(10)又は(11)に記載のパケット転送制御装置において、前記パケットにデータを格納するとき、そのデータが該パケットのデータ部の容量と同じ大きさとなるようにパディング処理を施すことを特徴とするパケット転送制御装置。
【0107】
(13)バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、トポロジの異なる末端に向かう途中の複数のノードが同時期にそれぞれ末端側のノードに転送するデータを有するとき、データ部が空のパケットを転送することを特徴とするパケット転送制御装置。
【0108】
(14)バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、トポロジの異なる末端に向かう途中の複数のノードに対して第1パケットを転送した後、その第1パケットに格納されたデータが各ノードで加工されて更に末端側のノードに転送される場合は、その第1パケットの転送に引き続いてデータ部が空のパケットを転送することを特徴とするパケット転送制御装置。
【0109】
(15)バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、一定周期毎にデータ部が空のパケットを転送することを特徴とするパケット転送制御装置。
【0110】
(16)上記(13)乃至(15)のいずれかに記載のパケット転送制御装置において、転送するパケットのヘッダに、該パケットのデータ部が空であるか否かを示す識別情報を格納することを特徴とするパケット転送制御装置。
【0111】
(17)上記(13)乃至(15)のいずれかに記載のパケット転送制御装置において、前記データ部が空のパケットを転送するのに先立って、引き続いて転送するパケットのデータ部の状態を示すガイド情報を格納したガイドパケットを転送することを特徴とするパケット転送制御装置。
【0112】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、データ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を向上させることができるパケット転送方法を提供することができる。
【0113】
又、請求項6に記載の発明によれば、データ転送の効率を向上させることができ、ひいては実質的な転送速度を向上させることができるパケット転送制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2実施の形態のパケット転送制御装置のブロック回路図。
【図2】通常パケットを示す説明図。
【図3】書込パケットを示す説明図。
【図4】第1の実施の形態の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図5】第1の実施の形態の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図6】第2の実施の形態の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図7】別例の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図8】別例の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図9】第1従来例及び第1の実施の形態のシステム構成図。
【図10】第1従来例の転送処理を説明するためのタイミング図。
【図11】第2従来例及び第2の実施の形態のシステム構成図。
【図12】第2従来例の転送処理を説明するためのタイミング図。
【符号の説明】
1 IEEE1394バスケーブル
11 パケット転送制御装置
21 通常パケット(パケット)
22 書込パケット(パケット)
24,27 データ部
26 パケットヘッダ(ヘッダ)
A1〜G1,A2〜G2,PCa〜PCg,A3〜E3 ノード

Claims (6)

  1. バスケーブルで接続された複数のノード間でパケットの転送を行うパケット転送方法であって、
    前記複数のノードにおいて同時期に転送されるパケットの転送方向と反対にある特定のノードから特定のパケットがトポロジの異なる末端に向かって転送され、
    前記複数のノードのうち前記特定のノード以外のノードは、自身のノードより前記転送方向に転送するデータがある場合に、前記特定のパケットに前記データを格納して前記転送方向に転送することを特徴とするパケット転送方法。
  2. 請求項1に記載のパケット転送方法において、
    前記特定のパケットはデータ部が空であることを特徴とするパケット転送方法。
  3. 請求項1又は2に記載のパケット転送方法において、
    記特定のノードは、同時期に前記特定のノード以外の複数のノードがそれぞれ異なる末端側のノードにパケット転送を行う旨の情報に基づいて前記特定のパケットを転送することを特徴とするパケット転送方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパケット転送方法において、
    前記特定のパケットのヘッダには、該パケットのデータ部が空であるか否かを示す識別情報を格納することを特徴とするパケット転送方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパケット転送方法において、
    記特定のノードは、前記特定のパケットを転送するのに先立って、特定のパケットのデータ部の状態を示すガイド情報を格納したガイドパケットを転送し、
    前記特定のノード以外のノードは、前記特定のパケットのデータ部にデータを書き込む場合、その旨をガイド情報として前記ガイドパケットに書き込むことを特徴とするパケット転送方法。
  6. バスケーブルで接続された他のノードとの間でパケットの転送を行うノードに備えられたパケット転送制御装置であって、
    前記複数のノードにおいて同時期に転送されるパケットの転送方向と反対にある特定のノードから、トポロジ内の異なる末端に向かって転送された特定のパケットを受信するデータ部を有し、
    前記データ部は、前記特定のパケットが空のパケットの場合に、自身よりも前記転送方向側にあるノードに転送するデータを有すると、該データを前記特定のパケットに格納して、前記転送方向に転送することを特徴とするパケット転送制御装置。
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